説明

燃料電池装置

【課題】発電時の高温環境下においても集電部材に起因した短絡が発生しない燃料電池装置を提供する。
【解決手段】燃料ガスと酸化剤ガスとにより発電する燃料電池装置であって、電気的に接続された複数の燃料電池セルユニット16を有し、燃料電池セルユニット16において燃料ガスと酸化剤ガスとが反応することで発電する燃料電池セル集合体を備え、燃料電池セルユニット16の端部に設けられた内側電極端子86(集電キャップ)の外周面に、前記集電部材の接続箇所を位置決めするための位置決め部86aが設けられている。位置決め部86aは、外側電極層92側の端部に形成され、集電体102(集電部材)は、位置決め部86aよりも先端側の内側電極端子86に取り付けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料ガスと酸化剤ガスにより発電を行う燃料電池装置に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料ガス(水素含有ガス)と空気(酸素含有ガス、酸化剤ガス)とを用いて電力を得ることができる複数の単セル(燃料電池セル)をケーシング内に収容し、それら複数の単セルに燃料ガスと空気とを供給して発電する燃料電池装置が種々提案されている。このような燃料電池装置の一つとして、単セルの端部に集電キャップが設けられたものが提案されている(例えば、下記特許文献1参照)。下記特許文献1では、複数の燃料電池セルはそれぞれ、電解質層と、電解質層を挟んで内側に形成される内側電極と、内側電極とは反対側である外側に形成される外側電極と、を有している。更に、その端部において電解質層及び外側電極の一部が除去されることで内側電極の一部が露出しており、内側電極の露出部分を覆うように集電キャップが配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−146623号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
燃料電池装置は、発電時の発熱により内部の温度が700度近くにまで上昇する。したがって、燃料電池装置では、起動時と停止時との温度差が大きくなる。このような温度差が生ずる燃料電池装置では、ケーシング内の燃料電池セルや集電キャップが高温環境下におかれ熱膨張することになる。また、複数の燃料電池セルは互いに電気的に接続されて燃料電池セル集合体を構成するものであるから、一の燃料電池セルを他の燃料電池セルに繋ぐための集電部材が配置される。この集電部材も上述した高温環境下におかれることから、熱膨張するものである。
【0005】
集電部材は、一の燃料電池セルの集電キャップと他の燃料電池セルの外側電極とを繋ぐものであるから、一の燃料電池セルの外側電極とは接触しないように構成されることが求められる。集電キャップに接続された集電部材が、その集電キャップが取り付けられた燃料電池セルの外側電極に接触すれば、同一の燃料電池セルの内側電極と外側電極とを電気的に接続することになり短絡してしまうからである。
【0006】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、燃料ガスと酸化剤ガスにより発電を行う燃料電池装置であって、発電時の高温環境下においても集電部材に起因した短絡が発生しない燃料電池装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明に係る燃料電池装置は、燃料ガスと酸化剤ガスとにより発電する燃料電池装置であって、電気的に接続された複数の燃料電池セルを有し、当該燃料電池セルにおいて燃料ガスと酸化剤ガスとが反応することで発電する燃料電池セル集合体を備え、前記複数の燃料電池セルはそれぞれ、電解質層と、電解質層を挟んで内側に形成される内側電極と、前記内側電極とは反対側である外側に形成される外側電極と、を有すると共に、その端部において前記電解質層及び前記外側電極の一部が除去されることで前記内側電極の一部が露出しており、前記内側電極の露出部分を覆うように集電キャップが配置されると共に、一の燃料電池セルに配置された前記集電キャップと、他の燃料電池セルの前記外側電極とを繋ぐ集電部材とが配置され、前記集電キャップの外周面に、前記集電部材の接続箇所を位置決めするための位置決め部が設けられている。
【0008】
本発明では、集電キャップの外周面に位置決め部を設けているので、集電部材を集電キャップの狙った位置に確実に配置することができる。従って、発電時の高温環境下において集電部材が熱膨張した場合であっても、集電キャップが取り付けられた燃料電池セルの外側電極に接触することを確実に防止することができ、内側電極と外側電極とが電気的に繋がってしまうことを防止できる。
【0009】
また本発明に係る燃料電池装置では、前記位置決め部は、前記集電部材が前記一の燃料電池セルの前記外側電極に接触することを防止する突出部を有しており、前記突出部は、前記集電キャップの前記外側電極に臨む端部に設けられていることも好ましい。
【0010】
この好ましい態様では、集電部材が熱膨張したとしても、突出部によって外側電極側に伸びることを防止できる。突出部は、集電キャップの外側電極に臨む端部に設けられ、外側に突出しているので、集電部材が突出部に乗り上げるように伸びたとしても、外側電極から離隔するように伸びるので、電気的な短絡を確実に防止できる。
【0011】
また本発明に係る燃料電池装置では、前記突出部は、前記外側電極に近い方に形成される大径部と前記外側電極より遠い方に形成される小径部とを有するテーパ状に形成されていることも好ましい。
【0012】
この好ましい態様では、突出部がテーパ状に形成され、外側電極に近い方が大径部となっているので、集電部材が突出部に乗り上げるように伸びたとしても、円滑にテーパ状部分に乗り上げさせることができる。従って、集電部材を外側電極から離隔させ、電気的な短絡を確実に防止できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、燃料ガスと酸化剤ガスにより発電を行う燃料電池装置であって、発電時の高温環境下においても集電部材に起因した短絡が発生しない燃料電池装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態における燃料電池モジュールの外観を示す斜視図である。
【図2】図1の中央近傍における断面図であって、図1のA方向から見た断面を示す断面図である。
【図3】図1の中央近傍における断面図であって、図1のB方向から見た断面を示す断面図である。
【図4】図1のケーシングから一部の外板を取り除いた状態を示す斜視図である。
【図5】図2に相当する模式図であって、発電用空気及び燃焼ガスの流れを示す模式図である。
【図6】図3に相当する模式図であって、発電用空気及び燃焼ガスの流れを示す模式図である。
【図7】本実施形態に用いられる燃料電池セルユニットを示す部分断面図である。
【図8】本実施形態における燃料電池セルスタックの構成を示す斜視図である。
【図9】図8に示す燃料電池セルスタックの一部を拡大して示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0016】
本発明の実施形態である燃料電池モジュール(燃料電池装置)について、図1を参照しながら説明する。図1に示す燃料電池モジュール2は、固体電解質形燃料電池装置の一部を構成するものである。固体電解質形燃料電池装置は、燃料電池モジュール2と、補機ユニット(図示せず)とを備える。
【0017】
図1においては、燃料電池モジュール2の高さ方向をy軸方向としている。このy軸に直交する平面に沿ってx軸及びz軸を定義し、燃料電池モジュール2の短手方向に沿った方向をx軸方向とし、燃料電池モジュール2の長手方向に沿った方向をz軸方向としている。図2以降において図中に記載しているx軸、y軸、及びz軸は、図1におけるx軸、y軸、及びz軸を基準としている。また、z軸の負方向に沿った方向をA方向とし、x軸の正方向に沿った方向をB方向としている。
【0018】
燃料電池モジュール2は、燃料電池セル(詳細は後述する)を収容するケーシング56と、ケーシング56の上部に設けられている熱交換器22とを備える。ケーシング56の内部は密封空間となっている。ケーシング56には、被改質ガス供給管60と、水供給管62とが繋げられている。一方、熱交換器22には、発電用空気導入管74と、燃焼ガス排出管82とが繋げられている。
【0019】
被改質ガス供給管60は、ケーシング56の内部に都市ガスといった改質用の被改質ガスを供給する管路である。水供給管62は、被改質ガスを水蒸気改質する際に用いられる水を供給する管路である。発電用空気導入管74は、改質後の燃料ガスと発電反応を起こさせるための発電用空気(酸化剤ガス)を供給する管路である。燃焼ガス排出管82は、発電反応後の燃料ガスを燃焼した結果生じる燃焼ガスを排出する管路である。
【0020】
続いて、図2〜図4を参照しながら、燃料電池モジュール2の内部について説明する。図2は、燃料電池モジュール2をその中央近傍において図1のA方向から見た断面図である。図3は、燃料電池モジュール2をその中央近傍において図2のB方向から見た断面図である。図4は、図1に示す燃料電池モジュール2から燃料電池セル集合体を覆うケーシング56の一部を取り外した状態を示す斜視図である。
【0021】
図2〜図4に示すように、燃料電池モジュール2の燃料電池セル集合体12は、ケーシング56により、全体が覆われている。図4に示すように、燃料電池セル集合体12は、全体としてB方向よりA方向の方が長いほぼ直方体形状であり、改質器20側の上面、燃料ガスタンク68(ガスマニホールド)側の下面、図4のA方向に沿って延びる長辺側面と、図4のB方向に沿って延びる短辺側面と、を備えている。
【0022】
本実施形態の場合、水供給管62から供給される水を蒸発させるための蒸発混合器(図に明示しない)は、改質器20の内部に設けられている。蒸発混合器は、燃焼ガスにより加熱され、水を水蒸気にすると共に、この水蒸気と、被改質ガスである燃料ガス(都市ガス)と空気とを混合するためのものである。
【0023】
被改質ガス供給管60及び水供給管62は、ケーシング56の内部に導かれた後、共に改質器20に繋がれている。より具体的には、図3に示すように、改質器20の上流端である図中右側の端部に繋がれている。
【0024】
改質器20は、燃料電池セル集合体12の上方に形成された燃焼室18の更に上方に配置されている。したがって、改質器20は、発電反応後の残余の燃料ガス及び空気による燃焼熱によって熱せられ、蒸発混合器としての役割と、改質反応を起こす改質器としての役割とを果たすように構成されている。
【0025】
改質器20の下流端(図3の左端)には、燃料供給管66の上端が接続されている。この燃料供給管66の下端側66aは、燃料ガスタンク68内に入り込むように配置されている。
【0026】
図2〜図4に示すように、燃料ガスタンク68は、燃料電池セル集合体12の真下に設けられている。燃料ガスタンク68は、4個の固定部材30(詳細は後述する)を用いて、ケーシング底板56aの上面に固定されている。なお、固定部材30は4個である必要はない。固定部材30の個数や配置場所は、燃料ガスタンク68の大きさや重量等を勘案して任意に設定することができる。
【0027】
また、燃料ガスタンク68内に挿入された燃料供給管66の下端側66aの外周には、長手方向(A方向)に沿って複数の小穴(図示せず)が形成されている。改質器20で改質された燃料ガスは、これら複数の小穴(図示せず)によって燃料ガスタンク68内に長手方向に均一に供給されるようになっている。燃料ガスタンク68に供給された燃料ガスは、燃料電池セル集合体12を構成する各燃料電池セルユニット16の内側にある燃料ガス流路(詳細は後述する)内に供給され、燃料電池セルユニット16内を上昇して、燃焼室18に至るようになっている。
【0028】
続いて、発電用空気を燃料電池モジュール2の内部へ供給するための構造を、図2〜図4及び図5,図6を参照しながら説明する。図5は、図2に対応する模式図であって、発電用空気及び燃焼ガスの流れを示す図である。図は6、図3に対応する模式図であって、同様に発電用空気及び燃焼ガスの流れを示す図である。これらの図に示すように、改質器20の上方に、熱交換器22が設けられている。熱交換器22には、複数の燃焼ガス配管70と、この燃焼ガス配管70の周囲に形成された発電用空気流路72とが設けられている。
【0029】
熱交換器22の上面における一端側(図3における右端)には、発電用空気導入管74が取り付けられている。この発電用空気導入管74により、発電用空気流量調整ユニット(図示しない)から、発電用空気が、熱交換器22内に導入されるようになっている。
【0030】
熱交換器22の上側の他端側(図3における左端)には、図2に示すように、発電用空気流路72の出口ポート76aが一対形成されている。この出口ポート76aは、一対の連絡流路76につながっている。さらに、燃料電池モジュール2のケーシング56の幅方向(B方向:短辺側面方向)の両側の外側には、発電用空気供給路77が形成されている。
【0031】
したがって、発電用空気供給路77には、発電用空気流路72の出口ポート76a及び連絡流路76から、発電用空気が供給されるようになっている。この発電用空気供給路77は、燃料電池セル集合体12の長手方向に沿って形成されている。さらに、その下方側であり且つ燃料電池セル集合体12の下方側に対応する位置に、発電室10内の燃料電池セル集合体12の各燃料電池セルユニット16に向けて発電用空気を吹き出すための複数の吹出口78a,78bが形成されている。これらの吹出口78a,78bから吹き出された発電用空気は、各燃料電池セルユニット16の外側に沿って、下方から上方へ流れるようになっている。
【0032】
続いて、燃料ガスと発電用空気とが燃焼して生成される燃焼ガスを排出するための構造を説明する。燃料電池セルユニット16の上方で発生した燃焼ガスは、燃焼室18内を上昇し、整流板21に至る。整流板21には、図6に示すように、開口21aが設けられており、開口21a内に燃焼ガスが導かれる。この開口21aを通った燃焼ガスは、熱交換器22の他端側に至る。熱交換器22内には、燃焼室18で燃料ガスと発電用空気が燃焼して生成された燃焼ガスを排出するための複数の燃焼ガス配管70が設けられている。これらの燃焼ガス配管70の下流端側には、燃焼ガス排出管82が接続され、燃焼ガスが外部に排出されるようになっている。
【0033】
続いて、図7を参照しながら燃料電池セルユニット16について説明する。図7は、本実施形態の燃料電池セルユニット16を示す部分断面図である。
【0034】
図7に示すように、燃料電池セルユニット16は、燃料電池セル84と、この燃料電池セル84の上下方向端部にそれぞれ接続された内側電極端子86とを備えている。
【0035】
燃料電池セル84は、上下方向に延びる管状構造体であり、内部に燃料ガス流路88を形成する円筒形の内側電極層90と、円筒形の外側電極層92と、内側電極層90と外側電極層92との間にある電解質層94とを備えている。この内側電極層90は、燃料ガスが通過する燃料極であり、(−)極となり、一方、外側電極層92は、空気と接触する空気極であり、(+)極となっている。
【0036】
燃料電池セルユニット16の上端側と下端側に取り付けられた内側電極端子86は、同一構造であるため、ここでは、上端側に取り付けられた内側電極端子86について具体的に説明する。内側電極層90の上部90aは、電解質層94と外側電極層92に対して露出された外周面90bと上端面90cとを備えている。内側電極端子86は、導電性のシール材96を介して内側電極層90の外周面90bと接続され、さらに、内側電極層90の上端面90cとは直接接触することにより、内側電極層90と電気的に接続されている。内側電極端子86の中心部には、内側電極層90の燃料ガス流路88と連通する燃料ガス流路98が形成されている。
【0037】
内側電極層90は、例えば、Niと、CaやY、Sc等の希土類元素から選ばれる少なくとも一種をドープしたジルコニアとの混合体、Niと、希土類元素から選ばれる少なくとも一種をドープしたセリアとの混合体、Niと、Sr、Mg、Co、Fe、Cuから選ばれる少なくとも一種をドープしたランタンガレードとの混合体、の少なくとも一種から形成される。
【0038】
電解質層94は、例えば、Y、Sc等の希土類元素から選ばれる少なくとも一種をドープしたジルコニア、希土類元素から選ばれる少なくとも一種をドープしたセリア、Sr、Mgから選ばれる少なくとも一種をドープしたランタンガレート、の少なくとも一種から形成される。
【0039】
外側電極層92は、例えば、Sr、Caから選ばれた少なくとも一種をドープしたランタンマンガナイト、Sr、Co、Ni、Cuから選ばれた少なくとも一種をドープしたランタンフェライト、Sr、Fe、Ni、Cuから選ばれた少なくとも一種をドープしたランタンコバルタイト、銀、などの少なくとも一種から形成される。
【0040】
続いて、図8を参照しながら燃料電池セルスタック14について説明する。図8は、本発実施形態の燃料電池セルスタック14を示す斜視図である。
【0041】
図8に示すように、燃料電池セルスタック14は、16本の燃料電池セルユニット16を備え、これらの燃料電池セルユニット16の下端側及び上端側が、それぞれ、セラミック製の燃料ガスタンク上板68a及び上支持板100により支持されている。これらの燃料ガスタンク上板68a及び上支持板100には、内側電極端子86が貫通可能な貫通穴がそれぞれ形成されている。
【0042】
さらに、燃料電池セルユニット16には、集電体102及び外部端子104が取り付けられている。この集電体102は、燃料極である内側電極層90に取り付けられた内側電極端子86と、隣接する燃料電池セルユニット16の空気極である外側電極層92の外周面とを電気的に接続するものである。
【0043】
さらに、燃料電池セルスタック14の端に位置する2個の燃料電池セルユニット16の上側端及び下側端の内側電極端子86には、それぞれ外部端子104が接続されている。これらの外部端子104は、隣接する燃料電池セルスタック14の端にある燃料電池セルユニット16の外部端子104に接続され、160本の燃料電池セルユニット16の全てが直列接続されるようになっている。
【0044】
続いて、内側電極端子86(集電キャップ)の詳細な形態について、図9を参照しながら説明する。図9は、2本の燃料電池セルユニット16を取り出して描いた拡大側面図である。説明の便宜上、一方の燃料電池セルユニット16を一の燃料電池セルユニット16aとし、他方の燃料電池セルユニット16を他の燃料電池セルユニット16bとしている。
【0045】
内側電極端子86には、位置決め部86aが設けられている。位置決め部86aは、外側電極層92側の端部に形成されている。集電体102(集電部材)は、位置決め部86aよりも先端側の内側電極端子86に取り付けられている。
【0046】
このように、集電キャップである内側電極端子86の外周面に位置決め部86aを設けているので、集電部材である集電体102を内側電極端子86の狙った位置に確実に配置することができる。従って、発電時の高温環境下において集電体102が熱膨張した場合であっても、内側電極端子86が取り付けられた燃料電池セルユニット16aの外側電極層92に接触することを確実に防止することができ、内側電極と外側電極とが電気的に繋がってしまうことを防止できる。
【0047】
位置決め部86aは、集電体102一の燃料電池セルユニット16aの外側電極に接触することを防止する突出部となるように形成され、突出部である位置決め部86aは、内側電極端子86の外側電極に臨む端部に設けられている。
【0048】
集電体102が熱膨張したとしても、突出部として形成されている位置決め部86aによって外側電極側に伸びることを防止できる。突出部として形成されている位置決め部86aは、内側電極端子86の外側電極に臨む端部に設けられ、外側に突出しているので、集電体102が突出部に乗り上げるように伸びたとしても、外側電極から離隔するように伸びるので、電気的な短絡を確実に防止できる。
【0049】
突出部として形成されている位置決め部86aは、外側電極に近い方に形成される大径部86aaと外側電極より遠い方に形成される小径部86abとを有するテーパ状に形成されている。
【0050】
突出部である位置決め部86aがテーパ状に形成され、外側電極に近い方が大径部86aaとなっているので、集電体102が位置決め部86aに乗り上げるように伸びたとしても、円滑にテーパ状部分に乗り上げさせることができる。そのため、テーパ状部分に乗り上げた集電体102はテーパ状部分に誘導され確実に外側電極から離隔するように伸びるので、電気的な短絡をより確実に防止できる。さらに、集電体102が収縮する際にはテーパ状部分に誘導されて元の位置に位置決めされるので、繰り返しの伸縮があっても外側電極との電気的な短絡をより確実に防止できる。
【符号の説明】
【0051】
2:燃料電池モジュール(燃料電池装置)
10:発電室
12:燃料電池セル集合体
14:燃料電池セルスタック
16:燃料電池セルユニット
18:燃焼室
20:改質器
21:整流板
21a:開口
22:熱交換器
30:固定部材
31:溶接部
32a:ひずみ許容部(連結部)
32b:L字部(連結部)
32c:ストッパー部(連結部)
33:ボルト固定部
34、35、36:ボルト
56:ケーシング
56a:ケーシング底板
60:被改質ガス供給管
62:水供給管
66:燃料供給管
66a:下端側
68:燃料ガスタンク(ガスマニホールド)
68a:燃料ガスタンク上板
68b:燃料ガスタンク側板
70:燃焼ガス配管
72:発電用空気流路
74:発電用空気導入管
76:連絡流路
76a:出口ポート
77:発電用空気供給路
78a,78b:吹出口
82:燃焼ガス排出管
84:燃料電池セル
86:内側電極端子
88:燃料ガス流路
90:内側電極層
90a:上部
90b:外周面
90c:上端面
92:外側電極層
94:電解質層
96:シール材
98:燃料ガス流路
100:上支持板
102:集電体
104:外部端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料ガスと酸化剤ガスとにより発電する燃料電池装置であって、
電気的に接続された複数の燃料電池セルを有し、当該燃料電池セルにおいて燃料ガスと酸化剤ガスとが反応することで発電する燃料電池セル集合体を備え、
前記複数の燃料電池セルはそれぞれ、電解質層と、電解質層を挟んで内側に形成される内側電極と、前記内側電極とは反対側である外側に形成される外側電極と、を有すると共に、その端部において前記電解質層及び前記外側電極の一部が除去されることで前記内側電極の一部が露出しており、
前記内側電極の露出部分を覆うように集電キャップが配置されると共に、一の燃料電池セルに配置された前記集電キャップと、他の燃料電池セルの前記外側電極とを繋ぐ集電部材とが配置され、
前記集電キャップの外周面に、前記集電部材の接続箇所を位置決めするための位置決め部が設けられていることを特徴とする燃料電池装置。
【請求項2】
前記位置決め部は、前記集電部材が前記一の燃料電池セルの前記外側電極に接触することを防止する突出部を有しており、
前記突出部は、前記集電キャップの前記外側電極に臨む端部に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池装置。
【請求項3】
前記突出部は、前記外側電極に近い方に形成される大径部と前記外側電極より遠い方に形成される小径部とを有するテーパ状に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の燃料電池装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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