説明

片口金用ソケット

【課題】片口金ランプと片口金ランプ用ソケットとの隙間をより確実に密封できる片口金用ソケットを提供すること
【解決手段】口金部から突出する端子を備えた片口金ランプの前記口金部が着脱自在に装着されるソケット本体と;前記片口金ランプの前記口金部と前記ソケット本体との間に介在され、前記端子を挿通させる第1の挿通孔が形成されたシート部とこのシート部からその厚さ方向に突出して前記端子の周辺を包囲する突起部とを備えたパッキンと;を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、片口金ランプが接続される片口金用ソケットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、U字状のバルブの一端部にのみ4本の口金ピンが突出するランプ口金部が設けられた片口金ランプとこの片口金ランプが着脱自在に装着される片口金ランプ用ソケットが知られている。
【0003】
このような片口金ランプ用ソケットの片口金ランプが装着される面には防水シールが介在されている。防水シールを介在させることにより装着面に装着された片口金ランプと片口金ランプ用ソケットの間が密封され、雨水等の浸水による口金ピンの絶縁不良が防止される(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003―257572号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような片口金ランプ用ソケットにおいては、片口金ランプの取付け方によって防水シールと片口金ランプ用ソケットとの間にわずかな隙間ができてしまうことがあった。
また、使用中に振動などが加わると防水シールとランプ口金部との間に瞬間的に隙間ができ、防水性能が低下してしまうことがあった。
【0005】
本発明は、かかる従来の問題を解消すべくなされたもので、片口金ランプと片口金ランプ用ソケットとの隙間をより確実に密封できる片口金用ソケットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る発明の片口金用ソケットは、口金部から突出する端子を備えた片口金ランプの前記口金部が着脱自在に装着されるソケット本体と;前記片口金ランプの前記口金部と前記ソケット本体との間に介在され、前記端子を挿通させる第1の挿通孔が形成されたシート部とこのシート部からその厚さ方向に突出して前記端子の周辺を包囲する突起部とを備えたパッキンと;を備えたことを特徴とする。
パッキンはシリコーンゴムで形成されることが望ましい。パッキンは例えば、クロロプレンゴムで構成することもできる。
【0007】
第1の挿通孔の径の大きさおよび個数は端子が挿入可能ならば特に限定されないが、端子と同程度の径の大きさであることが望ましく例えば、端子と同数個の挿通孔が形成される。
片口金ランプは口金部によってパッキンの突起部をわずかに押圧するように装着される。
シート部からの厚さ方向に対する突起部の高さおよび幅は特に限定されるものではない。すなわち突起部は、装着された片口金ランプが、ソケット本体に対して多少動いても口金部とパッキンとの間に隙間が形成されないように、所望の弾性を得られる高さや幅で形成することができる。
【0008】
突起部の幅は特に限定されるものではなく任意の幅で形成することができる。
請求項2に係る発明は請求項1記載の片口金用ソケットにおいて、前記ソケット本体は、前記口金部を通じて装着された前記片口金ランプの前記端子と接触可能なコンタクトと;前記パッキンの前記第1の挿通孔と共に前記端子を挿通させて前記コンタクトと前記端子の先端部とを接触させる第2の挿通孔が形成され且つ前記パッキンの外形部分の少なくとも一部と嵌合する第1の凹部と;をさらに具備することを特徴とする。
【0009】
第1の凹部の深さは特に限定されるものではないが、パッキンのシート部の厚みと同程度であることが望ましい。また、突起部により口金部とソケット本体との間には隙間が形成されている。
コンタクトは端子と電気的に接続されるために導電性の高い金属で形成されることが望ましい。
コンタクトの形状は片口金ランプの端子と接触可能ならば特に限定されず所定の形状で形成することができる。
第2の挿通孔の径の大きさは端子が挿入可能ならば特に限定されないが、端子と同程度の径の大きさであることが望ましい。
【0010】
請求項3に係る発明は請求項1または2に記載の片口金用ソケットにおいて、前記パッキンは、所定の係止部材を挿通させつつ前記ソケット本体に当該パッキンを固定するための第1の係止孔が形成された被固定部を有し、
さらに、前記ソケット本体は、前記第1の凹部と高さが異なり且つ前記パッキンの前記被固定部と嵌合する第2の凹部と、前記パッキンの前記第1の係止孔と共に前記係止部材を挿通させて前記パッキンを固定するための第2の係止孔とを備えることを特徴とする。
【0011】
第1の係止部および第2係止部の径の大きさは特に限定されず固定部材によってパッキンがソケット本体に固定可能ならば所定の大きさで形成することができる。
第1の係止部の径の大きさと第2の係止部の径の大きさはそれぞれ対応するように形成されることが望ましい。
係止部材は特に限定されるものではないが例えば金属製のリベットやネジを用いることができる。
【0012】
請求項4に係る発明は請求項1ないし3のいずれか1項に記載の片口金用ソケットにおいて、前記パッキンが備える前記突起部は、前記シート部の一方の面から突出して、前記ソケット本体に装着された前記片口金ランプの前記口金部の端面と先端部が当接する口金部側の第1の突起部と;前記シート部の他方の面から突出して、前記ソケット本体における前記シート部の前記他方の面との対向面に先端部が当接するソケット本体側の第2の突起部と;を具備することを特徴とする。
【0013】
ソケット本体側の第2の突起部の形状は特に限定されないが、口金部側の第1の突起部の形状と同形状に形成することが望ましい。
ソケット本体側の第2の突起部の高さは特に限定されないが、例えば口金部側の第1の突起部よりも低く形成することができる。
ソケット本体側の第2の突起部の幅も特に限定されることは無いが、例えば口金部側の第1の突起部よりも幅の狭い形状に形成することができる。
【0014】
請求項5に係る発明は請求項1ないし4のいずれか1項に記載の片口金用ソケットにおいて、前記パッキンは、前記第1の突起部の外縁側に一端側がつながる傾斜部を有する端子挿入案内部;をさらに具備することを特徴とする。
【0015】
傾斜部は例えばシリコーンゴムで形成することができる。傾斜部はパッキンと同様の素材で形成されることが望ましい。傾斜部の傾斜角度は特に限定されず0度より大きく90度より小さい範囲で所定の角度で形成することができる。
端子挿入時にこの端子が端子挿入案内部に当接しても傾斜部と端子が摺接し、端子が滑らかに第2の挿通孔へ挿入されるように傾斜部を形成しておくことが望ましい。
また、端子挿入案内部は、突起部の外縁側と一体的に形成されることが望ましい。端子挿入案内部は、第1の突起部の強度を補強するための補強部として機能することが望ましい。
【0016】
請求項6に係る発明は請求項5記載の片口金用ソケットにおいて前記パッキンは、前記端子挿入案内部の他端側に設けられた突出支持部を有し、さらに、前記ソケット本体は、前記突出支持部と係合する係合部を備えることを特徴とする。
【0017】
突出支持部の形状は特に限定されず、平面板状や、スパイク状など所定の形状に形成することができる。この突出支持部と係合する係合部の形状も特に限定されず、突出支持部を係合可能ならば所定の形状に形成することができる。例えば、突出支持部を係合部よりも大きく形成し、圧入して係合させてもよい。
請求項7に係る発明は請求項6記載の片口金用ソケットにおいて、前記突出支持部と前記係合部とは接着されることを特徴とする。
突出支持部と係合部との接着は特に限定されるものではなく例えば、クロロプレン系接着剤やシアノアクリレート系接着剤など種々の接着材を用いて行うことができる。
【0018】
請求項8に係る発明は請求項5ないし7のいずれか1項に記載の片口金用ソケットにおいて、前記第1の突起部の先端の高さよりも低い位置で前記端子挿入案内部が前記第1の突起部とつながっていることを特徴とする。
【0019】
第1の突起部と端子挿入案内部がつながっている箇所は、第1の突起部の先端の高さよりも低い位置ならば特に限定されることなく所定の位置とすることができる。
請求項9に係る発明は請求項1ないし8のいずれか1項に記載の片口金用ソケットにおいて、前記突起部は、内周側に少なくとも一部を屈曲させた屈曲部を有することを特徴とする。
【0020】
屈曲部の形成位置は特に限定されないが例えば、突起部の長手方向の中央部に形成することができる。屈曲部の形成箇所は少なくとも端子挿入案内部側に形成されることが望ましいがこれに限定されること無く所定の箇所に、所定数形成してもよい。
屈曲部の形状は特に限定されるものではないが、例えば平面略V字状に形成することができる。
【0021】
請求項10に係る発明は請求項1ないし9のいずれか1項に記載の片口金用ソケットにおいて、前記突起部は、前記口金部から各々突出する複数の前記端子をまとめて包囲する周回突起部と;前記周回突起部と協働して前記複数の端子のうちの少なくとも異極の端子の組同士を個別に包囲する異極遮蔽突起部と;を有することを特徴とする。
【0022】
異極遮蔽突起部の幅は特に限定されるものではないが例えば、周回突起部と同程度の幅に構成することができる。異極遮蔽突起部の高さは特に限定されず、例えば周回突起部よりもわずかに低い高さや、周回突起部と同程度の高さなど種々の高さで形成することができる。
異極遮蔽突起部による異極の端子の組同士の包囲は特に限定されず、例えば、周回突起部に囲まれた所定の範囲を2つの領域に分割しかつ分割されたそれぞれの領域内に片口金ランプの異極の端子の組が挿入されるように形成することができる。
【0023】
異極遮蔽突起部の形状は特に限定されるものではないが例えば、平面板状に形成することができる。
請求項11に係る発明は請求項1ないし10のいずれか1項に記載の片口金用ソケットにおいて、前記ソケット本体は、前記コンタクトを室内に収容するための開口部を有するコンタクト収容室と;前記コンタクトの収容された前記コンタクト収容室の前記開口部を塞ぐ蓋体と;を備えさらに、前記コンタクト収容室の前記開口部の周縁と前記蓋体との間に介在され、シート部とこのシート部の両面から前記開口部の周縁側および前記蓋体側に各々突出する第3、第4の突起部とを備えたコンタクト側防水パッキンと;を具備することを特徴とする。
【0024】
コンタクト側防水パッキンの材質は特に限定されず例えばシリコーンゴムで形成することができる。コンタクト側防水パッキンは例えば、クロロプレンゴムで構成することもできる。
蓋体の形状はコンタクト収容室の開口部を塞ぐことができれば特に限定されるものではなく例えばソケット本体に嵌合する形状に形成することができる。
蓋体とソケット本体とは例えば、ねじ、接着剤、超音波溶着などによって固定することができる。
【0025】
第3、第4の突起部の高さは特に限定されず、所定の高さで形成することができる。
第3、第4の突起部の高さは特に限定されることは無いが、例えば第1の突起部または第2の突起部と同等の高さに形成することができる。第3、第4の突起部の幅は例えば第1の突起部または第2の突起部と同等の幅に形成することもできる。
請求項12に係る発明は請求項1ないし11のいずれか1項に記載の片口金用ソケットにおいて前記ソケット本体または前記パッキンが難燃性材料で構成されていることを特徴とする。
【0026】
難燃性材料は特に限定されず例えば、難燃PBT樹脂やFRPなどで構成することができる。
【発明の効果】
【0027】
請求項1に記載の発明によれば、パッキンに突起部を設けたことによって片口金ランプの口金部とソケット本体との隙間をより確実に密封することができる。
請求項2に記載の発明によれば、ソケット本体にパッキンが嵌合する第1の凹部を具備することで、パッキンとソケット本体との間に隙間ができることを防止することができる。また、パッキンの位置が規制されるため取付けが容易である。
請求項3に記載の発明によれば、パッキンとソケット本体とを係止部材で係止することで、ソケット本体からパッキンが落脱するのを防止することができかつソケット本体とパッキンとの間に隙間が形成されることをより確実に防止することができる。
【0028】
請求項4に記載の発明によれば、口金部側の第1の突起部とソケット本体側の第2の突起部とによってソケット本体とパッキンおよび片口金ランプの口金部とパッキンとの間に隙間が形成されてしまうことを防止することができる。
請求項5に記載の発明によれば、端子挿入案内部によって、第1の突起部が補強される。また、片口金ランプ装着時に端子が端子挿入案内部に当接しても第1および第2の挿通孔へ案内されるので片口金ランプの装着を容易に行うことができる。
請求項6に記載の発明によれば、突出支持部と係合部が係合することで、パッキンをより確実にソケット本体に固定することができる。
【0029】
請求項7に記載の発明によれば、突出支持部と係合部とを接着することでパッキンをさらに確実に固定することができる。
請求項8に記載の発明によれば、第1の突起部の先端の高さよりも低い位置で端子挿入案内部が第1の突起部とつながることで第1の突起部の先端部が弾性を有し片口金ランプの口金部によって押圧されやすくなる。
請求項9に記載の発明によれば、片口金ランプがソケット本体に装着される際にかかる突起部内周側または外周側方向の圧力によって突起部の一部がよれることを防止することができる。
【0030】
請求項10に記載の発明によれば複数の端子のうちの少なくとも異極の端子の組同士を個別に包囲する異極遮蔽突起部によって、端子間の短絡を防止することができる。
請求項11に記載の発明によれば、コンタクト側防水パッキを具備することでソケット本体の防水性を高めることができる。
請求項12に記載の発明によれば、ソケット本体またはパッキンを難燃性材料で構成することでソケット本体や片金口ランプの不所望な燃焼の発生を防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明にかかる第1の実施形態を図1ないし11を参照して詳細に説明する。まず、図1および図2を参照して片口金ランプソケット(以下、ランプソケットと称す。)20を有する照明装置1について説明する。
すなわち図1はランプソケット20を有する照明装置1の平面図である。図2はランプソケット20を正面から見たときの照明装置1の一部断面図である。
【0032】
(第1の実施形態)
図1および図2に示す照明装置1は、「逆富士型」と呼ばれる照明装置である。照明装置1は、装置本体2、点灯装置5、片口金ランプ10、ランプソケット20、ランプホルダ6等を備えている。
この照明装置1は、装置本体2の長手方向の一端部にランプソケット20が取付けられているとともに、長手方向の他端部にランプホルダ6が取付けられている。
装置本体2はシャーシ3と、特別図示はしないが反射板、ランプソケット取付け台4とから主に構成されている。シャーシ3は点灯用の各種電気部品等を有している。
【0033】
シャーシ3は、例えば板金製であり、下面が開放した細長い箱状に形成されている。
ランプソケット取付け台4は、シャーシ3の長手方向の一端部に配置されていて、例えばねじを介してシャーシ3に固定されている。
点灯装置5は、いわゆる電子安定器と称される放電灯点灯装置であり片口金ランプ10を点灯させるために電流を制限して放電の安定性を確保するためのものである。すなわち片口金ランプ10点灯のための電力は点灯装置5によって片口金ランプ10に供給される。
【0034】
この点灯装置5はシャーシ3の内部に収容されていて、図示しないねじを介してシャーシ3に固定されている。
片口金ランプ10は、略U字管状バルブ11の長手方向の一端部にランプ口金12が設けられたものである。この片口金ランプ10は点灯装置5に電流を制御されて点灯される。片口金ランプ10はランプ口金12をランプソケット20に装着された状態で、このランプ口金12とは反対側の端部をランプホルダ6によって支持される。
【0035】
ランプホルダ6はシャーシ3の長手方向の他端部に、このシャーシ3を抱持して配置されている。ランプソケット20は、シャーシ3に設けられたソケット取付け台4に図示しないねじを介して固定されている。
次に図3ないし11を参照してランプソケット20とランプ口金12について説明する。
図3はランプ口金12とランプソケット20とを一部断面で示す拡大図である。図4はランプソケット20の分解斜視図である。図5は端子金具70の斜視図である。
【0036】
図6はパッキン50の斜視図である。図7は図6で示したパッキン50を裏側から見た斜視図である。図8はソケット本体30の斜視図である。図9は図8のソケット本体30の裏側の斜視図である。図10はコンタクト側防水パッキンとしての防水パッキン80の斜視図である。図11は防水パッキン80の側面図である。
ランプ口金12は図3または図4に示すように、ランプ口金端面12aと、口金壁部12bと口金ピン13を有している。ランプ口金端面12aは平面略楕円形状に形成されている。
【0037】
すなわちランプ口金端面12aの周縁部は一対の略半円形状の端部を一対の直線形状の辺部でつないだ形状である。
ランプ口金端面12aの中央部近傍には4本の口金ピン13が所定の距離をもって突設(突きでるように設けられること)されている。口金ピン13はランプソケット20に挿入される。図示は省略したが口金ピン13と略U字管状バルブ11とはランプ口金12内において電気的に接続されている。
口金壁部12bは、ランプ口金端面12aの周縁部に口金ピン13とは逆方向となるように突設されている。
【0038】
口金壁部12bは外周形状がランプ口金端面12aの平面形状と同形状に形成されている。口金壁部12bの略半円状に形成された周面端部には、一対の突起14が一体的に突設されている。
突起14は、ランプ口金12がランプソケット20へ取付けられる際にランプ口金12の取付け位置を一定とするためのガイドとして機能する。
突起14は、略五角形の側面を有してランプソケット20の両側面からそれぞれ突出されており、この略五角形の頂点を夾む2つの辺に対応した傾斜部14aを有している。
【0039】
傾斜部14aはランプ口金端面12aとは逆側となる突起14の端部に形成されている。突起14のランプ口金端面12a側の端部はランプ口金端面12aと略同一平面上に配置されている。
以上のように構成されたランプ口金12はランプソケット20に水平姿勢を維持されて取付けられる。
ランプソケット20は、ソケット本体30、このソケット本体30の裏側に取付けられる蓋体としてのカバー90、コンタクトとしての複数の端子金具70、突起部を備えた防水パッキン80およびパッキン50とで主に構成されている。
【0040】
ソケット本体30には、ランプ口金12が取付けられるための口金装着部32が設けられている。口金装着部32はランプ口金12が有するランプ口金端面12aと対向する口金対向部32aを有している。この口金対向部32aにはパッキン50が嵌合(はめ合わされること)して装着される。
口金対向部32aには、口金ピン13と対応する位置に、この口金ピン13が挿入可能な第2の挿通孔としての口金ピン挿通孔33が設けられている。
【0041】
ソケット本体30の口金対向部32a裏側には端子金具収容室34が設けられている(図3または図9参照)。
端子金具収容室34には口金ピン13を挟持してこの口金ピン13と電気的に接続される端子金具70が収容される。
ここで主に図5を用いて端子金具70について詳細に説明する。
端子金具70は一対の端子金具71および一対の端子金具72とから構成されている。
【0042】
端子金具71は平面略板状の金具本体71aを有している。金具本体71aの一端側には、口金ピン13を挟んで支持するための一対の板バネ部材71bが突設されている。一対の板バネ部材71bは断面くの字状に形成され、先端部分の間隔が拡がるように対称配置されている。
金具本体71aの他端側は、板バネ部材71bの先端部分方向に向けて略90度折り曲げられて形成された壁部71cを有している。壁部71cの中央近傍には略長方形の孔71eが形成されている。
【0043】
孔71eにはシャーシ3から配設される図示はしない電源コードの導線が挿入される。孔71eに電源コードの導線が挿入されることで、点灯装置5からの電気を板バネ部材71bに挿入された口金ピン13へと供給することができる。
孔71eに挿入された電源コードの導線は孔71eに設けられた導線押さえ板71dによって電気的かつ機械的に接続される。電源コードの導線は導線押さえ板71dによって押さえられるため容易に抜けることがない。
【0044】
導線押さえ板71dは孔71eの形状と対応する平面略板状に形成されている。
導線押さえ板71dは孔71eの壁部71c先端部側の一辺に所定の角度を持って板バネ部材71bに向かうように一体的に突設されている。
換言すれば導線押さえ板71dは先端部と金具本体71aの板バネ部材71bが突設された面との間がわずかに隙間が設けられるように形成されている。
端子金具72は、平面略L字状に形成された金具本体72aを有している。金具本体72aの一端側には口金ピン13を挟んで支持するための一対の板バネ部材72bが突設されている。
【0045】
金具本体72aの他端側には長方形板状の延設部72cが板バネ部材72bの突設方向に向かって略90度折り曲げられて形成されている。
延設部72cの長手方向は板バネ部材72bが突設された金具本体72aと平行するように延びており、その端部には金具本体71aと同形状の導線接続部72dが一体的に形成されている。導線接続部72dは金具本体72aと平行配置されることになる。導線接続部72dには、図示はしない電源コードの導線が電気的かつ機械的に接続されるための壁部72eが突設されている。
【0046】
壁部72eには孔71eと対応する形状の孔72fが形成されている。孔72fには導線押さえ板71dと対応する形状の導線押さえ板72gが形成されている。
なお、壁部72e、孔72f、導線押さえ板72gの形状および接続関係の詳細はは、端子金具71が有する壁部71c、孔71e、導線押さえ板71dと同様であるのでここでは説明を省略する。
図示はしない電源コードは電源コード挿通部35(図3または図9参照)に挿入されて端子金具72と電気的に接続される。電源コード挿通部35には雨水などの侵入を防止するための電源コード挿通部パッキン35aが設けられている。
【0047】
防水パッキン80は、ソケット本体30が有する端子金具収容室34の開口に設けられる。防水パッキン80が端子金具収容室34開口へ設けられることで、端子金具収容室34内への雨水などの浸入を防止することができる。防水パッキン80はカバー90によって押圧されて固定される。
カバー90はソケット本体30の裏面に取付けられる。カバー90の外形は図4に示すようにソケット本体30の外形と対応するように形成されている。
【0048】
カバー90の四隅には略L字状に突設されたはめ込みガイド91と、端子金具固定部92a、92bを有している。端子金具固定部92a、92bとこの端子金具固定部92a、92b近傍のはめ込みガイド91の間には一対のソケット本体固定部93が突設されている。
端子金具固定部92a、92bは端子金具71、72それぞれ対応する形に形成さ
れている。
【0049】
端子金具固定部92a、92bは端子金具71、72を押圧し、端子金具71の板バネ部材71bおよび、端子金具72の板バネ部材72bから口金ピン13が抜けてしまうのを防止する。
ソケット本体固定部93はカバー90とソケット本体30とを例えばネジなどを用いて固定するためのものである。一対のソケット本体固定部93が端子金具収容室34の外側壁面が当接して収まるように形成されている。換言すれば一対のソケット本体固定部93は端子金具収容室34の外側壁面を挟持するようにソケット本体30に固定される。
【0050】
ソケット本体固定部93が端子金具収容室34の外側壁面を挟持するように固定されることで例えば、熱に起因するカバー90の変形を抑制することができる。
次に主に図6および7を参照してパッキン50の形状について詳細に説明する。
このパッキン50は、ランプ口金端面12aと対向する平面板状のシート部50aを有している。パッキン50は、ソケット本体30に装着されたパッキン50が口金ピン13の摺接によってめくれてしまわないようにソケット本体30に固定される突出支持部58を有している。
【0051】
パッキン50は所定の角度で傾斜している一対の傾斜部56を有している。
パッキン50は、耐浸水性、耐紫外線、耐熱性に優れ、ランプ口金12のランプ口金端面12aとランプソケット20の口金対向部32aとの間に配設しても劣化しにくい電気絶縁材料であるシリコーンゴムで形成されている。なおパッキン50は例えばEPDM(エチレン・プロピレン・ジエンゴム)で形成することもできる。EPDMは耐候性や耐熱性に優れている。
パッキン50は硬度が30度から50度の範囲となるように形成されている。例えば硬度が30度よりも小さかった場合、熱や口金ピン13など外的な力によって変形してしまう畏れがある。
【0052】
また、硬度が50度よりも大きかった場合には例えばランプ口金端面12aによって押圧された場合の弾性変形が起こりにくく、ランプ口金12の装着性が低下してしまう。シート部50aには口金ピン挿通孔33と対応する位置に第1の挿通孔としての口金ピン挿通孔51が設けられている。
口金ピン挿通孔51はこのシート部50aを厚み方向に貫通して形成されている。
シート部50aの一方の面には、ランプ口金端面12aと対向し口金ピン挿通孔51の周囲を囲うようにリブ52が口金部側の第1の突起部として突設されている。
【0053】
リブ52は口金ピン挿通孔51に挿通された口金ピン13の基端部周辺を包囲する。
さらにパッキン50の他方の面にはリブ52と対応する位置にソケット本体30の口金対向部32aに向かってリブ53がソケット本体側の第2の突起部として突設されている。
リブ53はリブ52よりも幅が狭くかつ高さは低くなるよう形成されている。換言すればリブ53よりもリブ52は幅が広くかつ高さもリブ53にくらべて高く形成されている。これは、リブ52とランプ口金端面12aとの隙間をより確実に密閉するためである。リブ53はソケット本体30とパッキン50の間に隙間が形成されないように機能する。
【0054】
リブ53は口金ピン挿通孔51に挿通された口金ピン13の先端側を包囲する。
シート部50aの両側には被固定部としての一対の固定部54が、シート部50aの平面方向に向かって突設されている。固定部54は略台形状になめらかな曲線状となるように形成されている。固定部54は第1の係止孔55が形成されている。
固定部54の表面は、パッキン本体の表面と一体的に形成されている。固定部54の裏面は、シート部50aの他方の面よりも一段突きだすように形成されている。固定部54の裏面がシート部50aの他方の面よりも突き出すことで、パッキン50のソケット本体30の嵌合がより確実になる。
【0055】
突出支持部58はわずかに傾斜しながらリブ52の基端部から下方に向かって突設されている。突出支持部58はさらにこの傾斜の先端部から直角下方向へと突き出るような突部58aを有している。
一対の傾斜部56は突部58aの基端部からリブ52にかけて所定の間隔を空けて形成されされている。傾斜部56は、突出支持部58上面よりも傾斜角度が大きくなるように形成されている。
【0056】
傾斜部56は突出支持部58の傾斜している面およびリブ52の外縁側と一体となるように接合されている。
この傾斜部56はソケット本体30にランプ口金12が装着される場合に口金ピン13の先端部と摺接しつつこの口金ピン13を口金ピン挿通孔51へと案内する端子挿入案内部として機能する。また、この傾斜部56は口金ピン13の先端部によってリブ52が破損などしないようにリブ52を補強する補強部としても機能する。
【0057】
傾斜部56はリブ52とその先端の高さよりも低い位置で接合されている。従って、口金ピン13の先端部はリブ52の先端を乗り越えるようにして口金ピン挿通孔51へと案内される。
リブ52には内周側に一部屈曲する屈曲部57を有している。屈曲部57はリブ52の長手方向中央部に口金ピン挿通孔51に向かって略V字状に形成されている。屈曲部57がリブ52の内周側に屈曲することで、口金ピン13の挿入時に、リブ52が内周方向に傾斜するように変形することを防止することができる。
【0058】
すなわち屈曲部57は口金ピン13の挿入に対して所定の剛性をリブ52に持たせるためのものである。
口金12がランプソケット20に取付けられた際には、パッキン50はランプ口金12のランプ口金端面12aとランプソケット20の口金対向部32aとの間に介在されて配設される。
ランプ口金12がランプソケット20へ装着されている状態では、リブ52はランプ口金端面12aによってランプソケット20へ向かって押し付けられる。
【0059】
このとき、リブ52の先端はランプ口金端面12aによって押圧され、先端の形状が僅かに偏平となるよう弾性変形する。リブ52の先端が弾性変形することで、ランプ口金端面12aと当接されるリブ52の先端の面積が大きくなりランプ口金端面12aとリブ52の間に隙間が生じることを防止することができる。
このようにしてランプ口金12がランプソケット20に装着された状態では、ランプソケット20の口金対向部32aに取付けられたパッキン50が、ランプ口金12のランプ口金端面12aと口金対向部32aとの間に挟まれて口金ピン13を外部から隔離する。
【0060】
そのため、ランプ口金12とランプソケット20の間から水や埃等が侵入するのを防ぐことができる。したがって、この照明装置1によれば、屋外或いは湿気の多い環境下、若しくは埃が多い環境下でも良好に使用することができ、汎用性が高い。そして、このような、防水・防塵機能は、片口金ランプ10用のランプソケット20であるため、U字管状バルブ11の長さのばらつきに影響されずに発揮できる。
【0061】
次に図8および9を用いてソケット本体30を詳細に説明する。
ソケット本体30に形成された口金装着部32にはランプ口金12が装着された際に、ランプ口金端面12aと対向する口金対向部32aと、口金壁部12bの一部と対向する支持壁32bを有する。
口金対向部32aにはパッキン50が嵌合するパッキン嵌合凹部36が設けられている。パッキン嵌合凹部36は第1の凹部36aおよび第2の凹部36bを有している。
【0062】
第1の凹部36aにはパッキン50のシート部50aが嵌合する。第2の凹部36bにはパッキン50の固定部54が嵌合する。
すなわち、パッキン嵌合凹部36の深さはパッキン50の厚さと対応している。
パッキン嵌合凹部36近傍にはパッキン50が有する突出支持部58の突部58aと係合する係合部37が凹設(凹むように設けられること)されている。係合部37は突部58aが圧入されるように突部58aよりもわずかに小さい長方形状に形成されている。
【0063】
係合部37は突部58aと対応する形状であることがのぞましい。
第1の凹部36aには口金ピン挿通孔33が形成されている。第2の凹部36bにはパッキン50の固定部54と共に図示はしないリベットを挿通させてこのパッキン50をソケット本体30に固定するための第2の係止孔38が形成されている。
支持壁32bはランプ口金12のランプ口金端面12aの形状と対応し、略楕円形状のソケット本体30の長手軸で2分された半面部のみを取り囲むように口金対向部32aから一体に突設されている。
【0064】
すなわち、支持壁32bはランプ口金12壁部の周面を半周程度取り囲むような形状に形成されている。
この支持壁32bの両翼部には、ランプ口金12の一対の突起14を回動させて案内しつつ、これら突起14と係合する係合溝32cが形成されている。
支持壁32bの口金壁部12bの長手方向に対向する面の中央部近傍には所定の間隔を空けて一対の連結部32dが切り欠き状に設けられている。
連結部32dの口金対向部32a近傍には、支持壁32bの裏面に連続して設けられるネジ挿通孔32eが設けられている。
【0065】
ソケット本体30はこのネジ挿通孔32eを通ってシャーシ3に設けられたソケット取付け台4にねじ込まれる図示しないねじで固定されている。
口金対向部32aの長手方向両端には、一対のネジ挿通孔39が設けられている。
ネジ挿通孔39はソケット本体30の厚み方向に貫通している。このネジ挿通孔39はカバ−90をソケット本体30に固定するための図示しないねじを挿通するための孔である。
【0066】
すなわちカバー90とソケット本体30とはこのネジ挿通孔39とソケット本体固定部93とがねじ止めされることで固定される。ただし、カバー90とソケット本体30との固定はねじ止めに限定されること無く例えば超音波溶着によって一体的に形成することができる。
ここで超音波溶着について説明する。超音波溶着は例えば、ソケット本体30とカバー90とを微細な超音波振動と加圧力によって瞬時に溶融し接合することである。
【0067】
超音波溶着は接着剤などの消耗材を必要としないため生産コストを安く押さえることができる。また、ソケット本体30とカバー90とが同じ材料(例えば、難燃PBT樹脂)で形成されている場合にはねじ止めによる固定よりも充分に強度を高くすることができる。超音波溶着では接合面の樹脂が完全に溶融する為、高い気密性を得ることができる。
すなわち超音波溶着によって一体に形成されることでソケット本体30とカバー90とに囲まれた端子金具収容室34への雨水の浸入をほぼ完璧に防止することができる。
【0068】
端子金具収容室34は図9に示すように開口を有する箱状に形成されている。端子金具収容室34の開口縁部には防水パッキン80が配置される。
端子金具収容室34内部は仕切りによって格子状に仕切られている。すなわち端子金具収容室34は仕切りによって平面略四角形状に仕切られた領域34a、34b、34c、34d、34e、34f、34g、34hを有している。
端子金具収容室34には端子金具70が板バネ部材71b、72bを端子金具収容室34の開口とは反対に向く姿勢で挿入される。
【0069】
すなわち領域34a、34dには一対の導線接続部72dがそれぞれ挿入される。領域34b、34cには一対の金具本体71aが、領域34f、34gには一対の金具本体72aが、領域34e、34hには金具本体72aの一部と一対の延設部72cがそれぞれ挿入される。
領域34eと34fとを仕切る仕切りおよび領域34gと34hを仕切る仕切りは、金具本体72aの形状に対応して他の仕切りよりも低く形成されている。領域34aと34eとを仕切る仕切りおよび領域34dと34hを仕切る仕切りは延設部72cの形状に対応して収容室34との間に僅かな間隙が設けられている。
【0070】
領域34a、34b、34c、34dの端子金具71、72に設けられた壁部71c、72fと対向する壁面には、電源コード挿通部35の一端部である電源コード挿通孔35bがそれぞれ設けられている。
領域34b、34c、34f、34gの端子金具71、72に設けられた板バネ部材71b、72bの先端部と対向する面には口金ピン挿通孔33が口金対向部32aから貫通している。
【0071】
ここで主に図10および11を参照して防水パッキン80について詳細に説明する。
防水パッキン80は平面矩形状に形成されている。
防水パッキン80の端子金具70と対向する面とその裏面にかけて、カバー90の端子金具固定部92a、92bと対応する形状の孔部81が貫通して設けられている。
防水パッキン80の端子金具70と対向する面には、孔部81を囲むように環状突起状の防水部82が端子金具70に向かって突設されている。防水部82は第3の突起部として機能する。
防水パッキン80のカバー90と対向する面の防水部82と対応する箇所には孔部81を囲むようにこちらも環状突起状である防水部83がカバー90に向かって突設されている。防水部83は第4の突起部として機能する。
【0072】
防水パッキン80は防水部82が端子金具収容室34の開口縁部に先端を当接された状態で、この端子金具収容室34の開口部に配置される。
カバー90がランプソケット20へ固定されている状態では、防水部82はカバー90によって端子金具収容室34の開口縁部へ向かって押し付けられる。このとき防水部82の先端の形状が僅かに偏平となるよう弾性変形する。防水部82の先端が弾性変形することで、端子金具収容室34の開口縁部と当接される防水部82の先端の面積が大きくなり端子金具収容室34の開口縁部と防水部82の間に隙間が生じることを防止することができる。
【0073】
同様にカバー90がランプソケット20へ固定されている状態では、防水部83の先端はカバー90の端子金具収容室34と対向する面によって押圧される。
このとき防水部83の先端の形状も僅かに偏平となるよう弾性変形する。防水部83の先端が弾性変形することで、カバー90の端子金具収容室34と対向する面と当接される防水部83の先端の面積が大きくなりカバー90の端子金具収容室34と対向する面と防水部83の間に隙間が生じることを防止することができる。
すなわち防水パッキン80によって端子金具収容室34とカバー90との間に間隙が空くことを防止することができ、端子金具収容室34に雨水などが浸入することを防止することができる。
【0074】
防水パッキン80はパッキン50と同様に耐浸水性、耐紫外線、耐熱性に優れ、端子金具収容室34とカバー90との間に配設しても劣化しにくい電気絶縁材料であるリコーンゴムで形成されている。なお、防水パッキン80は例えば、EPDM等を用いて形成することもできる。
次に図12を用いてランプソケット20に片口金ランプ10を取付ける際の動作を説明する。すなわち図12はランプソケット20への片口金ランプ10の取付け動作を示す一部断面図である。なおここではランプ口金12の図示は突起14および口金ピン13のみである。
【0075】
ランプ口金12は口金ピン13がパッキン50の傾斜部56と対向するように僅かに傾けられた状態で、シャーシ3に取付けられたランプソケット20の斜め下方より導入される(この導入方向を矢印Aで示す)。
パッキン50の傾斜部56に近い側の口金ピン13は傾斜部56に摺動されつつリブ52を乗り越えながら傾斜部56に近い側の口金ピン挿通孔51へと案内される(傾斜部56に近い側の口金ピン13の動き方を矢印Bで示す)。
このとき、傾斜部56またはリブ52は口金ピン13から力を受けて、パッキン50がランプソケット20からはがれようとするが、突部58aが係合部37に嵌合しており、口金ピン13からの応力に対抗することができる。
また傾斜部56は口金ピン13を挿通孔51へ案内するとともにリブ52を補強するように機能する。
傾斜部56に近い側の口金ピン13が傾斜部56に近い側の口金ピン挿通孔51へと案内されるとき、支持壁32b側に形成された口金ピン13は口金ピン挿通孔51と対向する位置であり口金ピン挿通孔51へは挿入されない。
【0076】
続けて傾斜部56に近い側の口金ピン13が口金ピン挿通孔51から口金ピン挿通孔33へと挿入されてゆく。
このとき、この口金ピン13を支点として、支持壁32b側に形成された口金ピン13は緩やかな円弧状を描きながら支持壁32b側に形成された口金ピン挿通孔51へと挿入される(このときの支持壁32b側の口金ピン13の動き方を矢印Cで示す)。
支持壁32b側に形成された口金ピン13が口金ピン挿通孔51へと挿入される際、それと相前後してランプ口金12の突起14が支持壁32bに設けられた係合溝32cに沿って案内される(このときの突起14の動き方を矢印Cで示す)。
【0077】
突起14が係合溝32cに沿って案内された際に、ランプ口金12を矢印E方向に回しながら押し込むことにより、口金ピン挿通孔51へ挿入されていた支持壁32b側の口金ピン13が支持壁32b側に形成された口金ピン挿通孔33へ挿入される。
従ってここで口金ピン13は4本ともパッキン50に設けられた口金ピン挿通孔51および、ソケット本体30に設けられた口金ピン挿通孔33を通ってソケット本体30内に挿入されることになる。
【0078】
さらに突起14の先端部が係合溝32cの斜面に係合されて片口金ランプ10とランプソケット20とは接続状態となる。
突起14の先端部である傾斜部14aが係合溝32cの斜面に係合されることによりランプ口金12のランプソケット20からの離脱が阻止される。なお、取付け手順と逆の手順により、片口金ランプ10はランプソケット20から取外すことができる。
なお、口金ピン13が傾斜部56に当接することを前提として、片口金ランプ10の装着時の作用について説明したが、必ずしも口金ピン13と傾斜部56とを当接させる必要はない。
【0079】
(第2の実施形態)
次に図13または図14を用いて第2の実施形態について説明する。すなわち図13はパッキン500の斜視図である。図14は図13で示したパッキン500を裏側から見た斜視図である。
この実施形態におけるパッキン500は、同図に示すように、第1の実施形態のパッキン50のリブ52の構成を変形させたものである。その他の構造やパッキン500のランプソケット20への取付け方法は第1の実施形態と同じである。よって図6または図7と対応する部分に同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0080】
パッキン500が有するシート部50aのランプ口金端面12aと対向する一方の面にはリブ520が突設されている。リブ520は第1の周回突起部521と第1の異極遮蔽突起部522を有している。
第1の周回突起部521は4つの口金ピン挿通孔51をまとめて包囲するように突設される。第1の周回突起部521はシリコーンゴムで形成されている。
第1の異極遮蔽突起部522は第1の周回突起部521に囲まれたシート部50aの領域を二分割しかつ口金ピン挿通孔51が2つずつ分割されるように突設される。換言すれば第1の異極遮蔽突起部522は口金ピン挿通孔51に挿入された口金ピン13の異極の組同士を個別に包囲するように突設される。
【0081】
第1の異極遮蔽突起部522の両端部は第1の周回突起部521に形成された一対の屈曲部57の先端部それぞれと接続されている。
第1の異極遮蔽突起部522の幅は第1の周回突起部521と同程度に形成されている。第1の異極遮蔽突起部522の高さは第1の周回突起部521の高さよりも低く形成されている。
第1の遮蔽突起部522の高さを第1の周回突起部521よりも低くすることで、ランプ装着時にランプ口金端面12aによって押圧される、第1の周回突起部521の先端の形状が弾性変形しやすくなり、片口金ランプ10のランプソケット20への装着性を損なうことがない。
【0082】
ただし、第1の遮蔽突起部522の高さは特に限定されるものではなく、第1の周回突起部521と同じ高さに形成することもできる。
この場合には、第1の周回突起部521の高さよりも低くした場合よりもシート部50aの二分割された領域それぞれとランプ口金端面12aとの間の気密性を高めることができる。第1の異極遮蔽突起部521はリブ520と同一の素材(シリコーンゴム)で構成されている。
シート部50aの他方の面の、リブ520と対応する位置にはリブ530が突設されている。
【0083】
リブ530は第2の周回突起部531と第2の異極遮蔽突起部532を有している。第2の周回突起部531は第1の周回突起部521と対応する位置に形成されている。すなわち第2の周回突起部531は4つの口金ピン挿通孔51をまとめて包囲するように突設される。第2の周回突起部531は第1の周回突起部521と同一の素材で形成されている。
第2の異極遮蔽突起部532は第1の周回突起部521と対応する位置に形成されている。
【0084】
すなわち第2の異極遮蔽突起部532は第2の周回突起部531に囲まれたシート部50aの領域を二分割しかつ口金ピン挿通孔51に挿入された口金ピン13の異極の組同士が個別になるよう突設される。第2の異極遮蔽突起部532は第1の異極遮蔽突起部522と同一素材で形成されている。
第2の異極遮蔽突起部532の幅は第2の周回突起部531と同程度に形成されている。第2の異極遮蔽突起部532の高さは第2の周回突起部531と同程度に形成されている。
【0085】
第2の異極遮蔽突起部532と第2の周回突起部531とは一体的に形成されている。以上のように構成されたパッキン500を備えた照明装置1では、リブ520、530で囲まれた領域内へ雨水などが浸入した場合でも、口金ピン13の異極によるトラッキング(短絡)を防止することができる。
なお、パッキン500には第1、第2の異極遮蔽突起部522、532の双方が形成されることが望ましいが、これに限定されることなく例えば、第1の異極遮蔽突起部522のみを形成することもできる。
【0086】
また、第2の異極遮蔽突起部532のみを形成することも可能であることは言うまでもない。
(第3の実施形態)
次に図15および図16を用いて第3の実施形態について説明する。すなわち図15は防水パッキン800の斜視図である。図16は図15のA-A線に沿って示す断面図である。
【0087】
この実施形態における防水パッキン800は、同図に示すように、第1の実施形態の防水パッキン80の防水部82の構造を変形させたものものである。その他の構造やランプソケット20への取付け方法は第1の実施形態と同じである。よって図10または図11と対応する部に同一符号を付して重複する説明を省略する。
防水パッキン800の端子金具収容室34と対向する面には、防水部820が突設されている。
防水部820は環状防水部821と防水異極遮蔽突起部822を有している。
【0088】
環状防水部821は孔部81を囲むように環状突起状に突設されている。この環状防水部821は、防水パッキン800が端子金具収容室34の開口部に配置された際、端子金具収容室34の開口縁部に先端を当接される。
防水異極遮蔽突起部822は環状防水部821に囲まれた領域を二分割し、かつ口金ピン13が挿入された端子金具70の異極の組同士が個別に包囲されるように突設される。
防水異極遮蔽突起部822の両端部は環状防水部821の一面と、環状防水部821の他面とにそれぞれ接続されている。
【0089】
防水異極遮蔽突起部822の幅は環状防水部821と同程度に形成されている。防水異極遮蔽突起部822の高さは環状防水部821の高さと同じに形成されている。
防水異極遮蔽突起部822は、防水パッキン800が端子金具収容室34の開口部に配置された際、端子金具収容室34の領域34b、34fおよび34c、34gを仕切る仕切りの一端部に先端を当接される。
防水パッキン800がカバー90に押圧されることで、環状防水部821および防水異極遮蔽突起部822の先端が僅かに偏平となるよう弾性変形する。
【0090】
このことにより環状防水部821と防水異極遮蔽突起部822によって口金ピン13が挿入された端子金具70の異極同士が個別に包囲される。すなわち防水パッキン800と端子金具収容室34との間から雨水などが浸入した場合でも端子金具70(口金ピン13)の異極によるトラッキングを防止することができる。
(その他の実施例)
上記第1ないし第3の実施形態では、パッキン50、500、ランプソケット20、防水パッキン80、800は一種類の材料(例えば、シリコーンゴムもしくは難燃PBT樹脂など)で一体的に形成されたものであった。
【0091】
しかしこれに限定されること無くこれらは種々の材料を組み合わせて形成することができる。
例えば、ソケット本体30ならば口金対向部32aのみを難燃PBT樹脂で形成し、残る支持壁32bなどはプラスチックで形成することも可能である。第1の凹部36aを難燃PBT樹脂、第2の凹部36bをクロロプレンゴムで形成することも可能である。
【0092】
パッキン50、500においてもシート部50aを難燃PBT樹脂で形成し、リブ52、520はシリコーンゴムで形成してもよい。防水パッキン80、800についても同様であり、リブ82、820、83を他の部分と異なる材料で形成することができる。
以上のように種々の材料を組み合わせて形成する場合には、例えば口金ピン13近傍部分にはコストのかかる難燃性材料料を用い、その他の部分は比較的低コストの材料を用いることができる。このことによりランプソケット20全体としての生産コストを容易に調整することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】第1の実施形態にかかるランプソケット20を有する照明装置1の平面図である。
【図2】図1で示した照明装置1をランプソケット20を正面にして示す一部断面図である。
【図3】ランプ口金12とランプソケット20とを一部断面で示す拡大図である。
【図4】ランプソケット20の分解斜視図である。
【図5】端子金具70の斜視図である。
【図6】パッキン50の斜視図である。
【図7】図6で示したパッキン50を裏側から見た斜視図である。
【図8】ソケット本体30の斜視図である。
【図9】図8で示したソケット本体30の裏側の斜視図である。
【図10】防水パッキン80の斜視図である。
【図11】図10で示した防水パッキン80の側面図である。
【図12】ランプソケット20への片口金ランプ10の取付け動作を示す一部断面図である。
【図13】第2の実施形態にかかるパッキン500の斜視図である。
【図14】図13で示したパッキン500を裏側から見た斜視図である。
【図15】第3の実施形態にかかる防水パッキン800の斜視図である。
【図16】図15で示した防水パッキン800をA-A線に沿って示す断面図である。
【符号の説明】
【0094】
10…片口金ランプ、12…ランプ口金、13…口金ピン、20…ランプソケット、30…ソケット本体、32c…係合溝、32a…口金対向部、32…口金装着部、33,51…口金ピン挿通孔、34…端子金具収容室、36…パッキン嵌合凹部、36a…第1の凹部、36b…第2の凹部、37…係合部、38…第2の係止孔、54…固定部、50,500…パッキン、50a…シート部、52,53,520,530…リブ、521…第1の周回突起部、522…第1の異極遮蔽突起部、531…第2の周回突起部、532…第2の異極遮蔽突起部、55…第1の係止孔、56…傾斜部、57…屈曲部、58…突出支持部、70…端子金具、80,800…防水パッキン、82,83…防水部、821…環状防水部、822…防水異極遮蔽突起部、90…カバー。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
口金部から突出する端子を備えた片口金ランプの前記口金部が着脱自在に装着されるソケット本体と;
前記片口金ランプの前記口金部と前記ソケット本体との間に介在され、前記端子を挿通させる第1の挿通孔が形成されたシート部とこのシート部からその厚さ方向に突出して前記端子の周辺を包囲する突起部とを備えたパッキンと;
を具備することを特徴とする片口金用ソケット。
【請求項2】
前記ソケット本体は、
前記口金部を通じて装着された前記片口金ランプの前記端子と接触可能なコンタクトと;
前記パッキンの前記第1の挿通孔と共に前記端子を挿通させて前記コンタクトと前記端子の先端部とを接触させる第2の挿通孔が形成され且つ前記パッキンの外形部分の少なくとも一部と嵌合する第1の凹部と;
をさらに具備することを特徴とする請求項1記載の片口金用ソケット。
【請求項3】
前記パッキンは、所定の係止部材を挿通させつつ前記ソケット本体に当該パッキンを固定するための第1の係止孔が形成された被固定部を有し、
さらに、前記ソケット本体は、前記第1の凹部と高さが異なり且つ前記パッキンの前記被固定部と嵌合する第2の凹部と、前記パッキンの前記第1の係止孔と共に前記係止部材を挿通させて前記パッキンを固定するための第2の係止孔とを備える
ことを特徴とする請求項1または2に記載の片口金用ソケット。
【請求項4】
前記パッキンが備える前記突起部は、
前記シート部の一方の面から突出して、前記ソケット本体に装着された前記片口金ランプの前記口金部の端面と先端部が当接する口金部側の第1の突起部と;
前記シート部の他方の面から突出して、前記ソケット本体における前記シート部の前記他方の面との対向面に先端部が当接するソケット本体側の第2の突起部と;
を具備することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の片口金用ソケット。
【請求項5】
前記パッキンは、前記第1の突起部の外縁側に一端側がつながる傾斜部を有する端子挿入案内部;
をさらに具備することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の片口金用ソケット。
【請求項6】
前記パッキンは、前記端子挿入案内部の他端側に設けられた突出支持部を有し、
さらに、前記ソケット本体は、前記突出支持部と係合する係合部を備える
ことを特徴とする請求項5記載の片口金用ソケット。
【請求項7】
前記突出支持部と前記係合部とは接着されることを特徴とする請求項6記載の片口金用ソケット。
【請求項8】
前記第1の突起部の先端の高さよりも低い位置で前記端子挿入案内部が前記突起部とつながっていることを特徴とする請求項5ないし7のいずれか1項に記載の片口金用ソケット。
【請求項9】
前記突起部は、内周側に少なくとも一部を屈曲させた屈曲部を有することを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の片口金用ソケット。
【請求項10】
前記突起部は、
前記口金部から各々突出する複数の前記端子をまとめて包囲する周回突起部と;
前記周回突起部と協働して前記複数の端子のうちの少なくとも異極の端子の組同士を個別に包囲する異極遮蔽突起部と;
を有することを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の片口金用ソケット。
【請求項11】
前記ソケット本体は、
前記コンタクトを室内に収容するための開口部を有するコンタクト収容室と;
前記コンタクトの収容された前記コンタクト収容室の前記開口部を塞ぐ蓋体と;
を備え
さらに、前記コンタクト収容室の前記開口部の周縁と前記蓋体との間に介在され、シート部とこのシート部の両面から前記開口部の周縁側および前記蓋体側に各々に突出する第3、第4の突起部とを備えたコンタクト側防水パッキンと;
を具備することを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載の片口金用ソケット。
【請求項12】
前記ソケット本体または前記パッキンが難燃性材料で構成されていることを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1項に記載の片口金用ソケット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2008−204760(P2008−204760A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−38865(P2007−38865)
【出願日】平成19年2月20日(2007.2.20)
【出願人】(000003757)東芝ライテック株式会社 (2,710)
【出願人】(000162283)株式会社キョウワデバイス (10)
【Fターム(参考)】