特に動脈カテーテル処置後の血管閉鎖システム
【課題】特に動脈カテーテル処置後の血管閉鎖システム
【解決手段】本発明は、軸部(14)及びこれに形成された圧迫面(15)を正面として有する縦長の閉塞手段(13)を備える、特に動脈カテーテル処置後の、血管の穿刺部位における血管閉鎖するシステムに関する。この軸部は、血管内に挿入された少なくとも1つのガイド手段(11)を収容するための、圧迫面を貫通する穿孔(17)を含み、該圧迫面が穿刺部位(2)近傍に押し出される場合に、圧迫面の反対側の遠位の末端(20)で、患者の皮膚層上に固定されるように調整される。
【解決手段】本発明は、軸部(14)及びこれに形成された圧迫面(15)を正面として有する縦長の閉塞手段(13)を備える、特に動脈カテーテル処置後の、血管の穿刺部位における血管閉鎖するシステムに関する。この軸部は、血管内に挿入された少なくとも1つのガイド手段(11)を収容するための、圧迫面を貫通する穿孔(17)を含み、該圧迫面が穿刺部位(2)近傍に押し出される場合に、圧迫面の反対側の遠位の末端(20)で、患者の皮膚層上に固定されるように調整される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に動脈カテーテル処置後の血管の穿刺部位で血管を閉鎖するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
心血管疾患の血管内部診断および治療は、常々鼠径動脈を介する動脈系への出入を必要とする。動脈が穿刺されると血管出入口(シース)が挿入され、該出入口を介して診断カテーテルまたは治療カテーテルが配置される。処置終了後にこの出入口は取り除かれ、外側から穿刺部位に経皮圧がかけられ、圧迫により、身体特有の凝固の助けを借りてこれを閉鎖する。
【0003】
この一般で慣用の方法は、最初に、穿刺部位を含む組織を比較的長く手で圧迫し、その後包帯を巻くことによる数時間の圧迫を含む。とりわけ肥満症の患者の場合のみならず、この方法では穿刺部位に十分な圧力が集まらないので、時として脈管周囲の組織の出血が激しくなる。これらの血腫は、幾つかの見解では患者にとって危険をはらんだものである。則ち、
−血液損失によって循環が不安定になり、
−患者には、周知である感染の危険を伴う輸血が必要となり、
−血腫は痛みを伴い、局部の感染の危険が増大し、単に非常にゆっくり身体によって再吸収されるだけであり、
−血腫領域では、この再吸収によって変化を伴う組織の炎症が起こり、さらなる局部処置や手術を非常に困難にするものであり、
−出血は生じた血腫によって停止せず、穿刺部位を緊急手術で過度に縫合しなければならない。
【0004】
上述の全シナリオは、より長い監視費用を必要とし、患者にとっても国民経済的にも不利である。患者のより長い入院滞在はまれではない。
【0005】
国際公開第02/072188号パンフレットにより、動脈カテーテル処置後の穿刺部位の動脈止血システムがよく知られている。それには縦長の柔軟な中空軸部を有する装置が使用され、該軸部は、カテーテル出入口を介して動脈内へ挿入することができる。この軸部はその前方末端に固定バルーン(アンカーバルーン)と、これから軸方向に間隔をあけて血管閉鎖バルーン(止血バルーン)を担持している。操作は、固定バルーンがカテーテル出入口から動脈内へ移動するまで、カテーテル出入口を介して軸部を動脈まで押し入れるような方法で行われる。固定バルーンを膨らませた後に、該膨らませた固定バルーンが動脈壁に当接するまで軸部およびカテーテル出入口を引き戻し、それによってカテーテル出入口は抜き取られる。
【0006】
続いて血管外バルーンを膨らませ、一方固定バルーンは空気を抜き、軸部を、その先端がもはや動脈内に存在しなくなるまで引き戻し、一方穿刺部位は、相応に膨らませた血管閉鎖バルーンによって塞がれたままである。穿刺部位の穿刺孔を身体特有の凝固によって閉じた後、この血管閉鎖バルーンを同様に空気を抜きて、全装置を介入管から引き抜く。この装置はコストがかかり、操作時に大変な慎重さを必要とする。
【特許文献1】国際公開第02/072188号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって本発明の課題は、血管、特に動脈血管の穿刺後に、遷延性出血および大きい血腫を比較的容易な方法で確実に阻止できるようにするシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題を解決するために本発明のシステムは、請求項1の特徴を有する。
【0009】
新しいシステムは、1つの軸部およびこれに形成された圧迫面を正面として有する縦長の閉塞手段を用いて操作するもので、その際、該軸部は、血管内に挿入された少なくとも1つのガイド手段を収容するための、圧迫面を貫通する穿孔を含み、該圧迫面が穿刺部位近傍に押し出される場合に、圧迫面の反対側の遠位の末端は患者の皮膚層上に固定されるように調整される。
【0010】
カテーテル導入の際にどんな場合でも使用されるガイド手段、例えばゼルディンガーワイヤを使用して、穿刺部位に対して位置を正確に、外部血管壁のすぐ近くに圧迫面を配置することができ、その際、切開部位を介して皮膚内へ突出した軸部で、穿刺部位領域内の組織へ、局部的に集中させた、正確に測定された圧力をかけることができるので、血管壁の穿刺孔を確実に閉塞することができることから、縦長の閉塞手段は、特に動脈血管を穿刺後に穿刺部位への血管外圧力を最適にするものである。創傷手当用材料または包帯などにより、閉塞手段の軸部は皮膚層へ容易に固定することができるので、圧力作用にかける時間は任意に選択できる。穿刺部位で血液凝固の開始後に、閉塞手段を容易に引き抜いて取り外すことができる。閉塞手段そのものは安価に製造できるので、このことからもカテーテル処置にかかる治療費を低減することが明らかになる。
【0011】
閉塞手段の軸部は、ほぼ円柱状に有利に形成されるが、その他の適当な断面形、例えば卵形も使用できる。縦リブまたは縦窪みまたは、特に柔軟な性質が生じる溝の形を備えた軸部を形成することも可能である。軸部が、圧迫面を担持する拡大した断面領域を有することも有用である。そのために軸部は、例えばスタンプ状に形成され、拡大した直径領域に隣接する、ほぼ平滑な壁の軸部の部分を有することができる。正面に形成された圧迫面から出発した拡大した直径領域は、その場合、軸部の長さに渡って連続的に平滑な壁の軸部の部分へ変化する。圧迫面の大きさは、軸部の断面積とは独立しているため、両部材を適当に選択することができる。しかしながら基本的には圧迫面が、その全長を介してほぼ等しい直径を有する軸部に形成される実施形態も考えられる。
【0012】
圧迫面そのものはほぼ円形であるが、圧迫面が縦長で、それにより血管の流れと、場合によっては縦長の穿刺部位により良く圧力領域を適合させられることが時として有利である。通常、圧迫面は軸部の長手軸線に対してほぼ直角に広がるように形成されるが、血管への入口管が、通常、血管の長手軸線に対して鋭角となる状況を顧慮して、圧迫面が軸部の長手軸線に対して90°とは異なる角度で斜めに広がる実施形態も考えられる。
【0013】
圧迫部位は通常平面であるが、部分的に球形(凸面)または凹面若しくは構造を与えられて形成されることも可能である。
【0014】
穿刺部位近傍の、様々な患者の解剖学的な状態に適合できるように、軸部はその長さを可変できるように形成することができる。そのために軸部は、例えば入れ子状に形成されるか、またはネジによって互いに接続される2つの部品を有することができる。軸部の長手方向に互いに間隔をあけた切断目安箇所を備えた軸を形成することも可能であり、これは、患者の皮膚を通って突出した軸部の部分を挿入された閉塞手段で折り取ることによって、軸部を適当な長さにできるものである。もちろん軸部の長さを簡単な方法で適当に調節できるようにしたその他の構造も考えられる。
【0015】
ガイド手段を除去後に閉塞手段を配置する場合に、軸部内に含まれる、ガイド手段を収容するための貫通穿孔を閉じるために、例えば栓の形に形成された軸部の穿孔用閉鎖手段を設けることができる。この閉鎖手段は、軸部の穿孔内に挿入可能な部分を有し、この部分が少なくともその縦の伸長部にわたって該穿孔をほぼ満たす。それによって、必要な場合に凝固血液の柱が穿孔内に含まれたままになることが阻止できる。しかしながら閉鎖手段はキャップ方式によっても軸部上に載置することができる。実際には、穿孔は、場合によっては単に綿栓などで閉鎖することができる。
【0016】
軸部の遠位末端に、例えばキャップ状に形成され、軸部と一塊となって接続するか、またはこれに着脱可能に固定された拡大部を有することも、好適である。後者の場合にはキャップ状の拡大部が、同時に軸部内の穿孔用の閉鎖手段を形成することができる。しかしながらいずれにしても、遠位の軸部末端にある拡大部は皮膚領域に閉塞手段を固定する、例えば粘着性創傷手当用材料や包帯などの形の創傷手当用材料で幅広く保持されることになる。
【0017】
最終的には、閉塞手段が圧迫面領域にバルーンを有する実施形態も考えられ、このバルーンは、軸部を通って伸びる導管を介して膨らませることができ、閉塞手段配置後に圧迫面を拡大させて、追加の圧力作用を生じさせるようになっている。このバルーンは、膨らませていない状態では、圧迫面領域の窪みおよび/または軸部の穿孔内に少なくとも一部置かれるように配置され、そのようにして組織内に存在する導入管内への圧迫手段の導入を容易にしている。
【0018】
特に動脈カテーテル処置後に、血管閉鎖のために身体内の圧力を最大にする、本発明のシステムのその他の好ましい特徴および形態は、従属請求項の対象であり、後出の本発明の対象となる実施例の説明から明らかになる。
【0019】
本発明の対象となる実施例は図面において表される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1で示された患者1において、例えば心臓カテーテル挿入を行うためには、該患者1の太腿の穿刺部位2に総大腿動脈3への入口を作り、この入口を介してカテーテルを心臓300まで押し出す。図2に任意に解剖された穿刺箇所が示されるように、穿刺部位は総大腿動脈3のほぼ腹部側にあり、この総大腿動脈3は、大腿静脈4の隣を流れ、鼠径靱帯(鼠径靱帯)5および浅在性大腿動脈6および深在性大腿動脈7の間に存在する。
【0021】
総大腿動脈3への入口を作り、この動脈内にカテーテルを導入する際、基本的には図3−図7の工程図に略図で示された工程を実施する。
【0022】
太腿の皮膚8およびその下にある皮下組織9を貫いて、動脈壁の穿刺部位2を中空針(カニューレ)10で穿刺する(図3)。それに続いて該中空針(穿刺カニューレ)10を介して、ガイドワイヤまたは所謂ゼルディンガーワイヤ11の形のガイド手段を動脈3内へ挿入し、心臓方向へ押し入れる(図4)。中空針10を除去後(図5)、ガイドワイヤ11により血管出入口(シース)12を動脈3内へ挿入すると(図6)、その後ガイドワイヤ11が引き抜かれ(図7)、この血管出入口(シース)12は、(示していない)診断カテーテルまたは治療カテーテルを任意に導入できるようにする。ここで留意すべきことは、別の末梢血管処置に対しても基本的に同じ工程方法が適用されることである。カテーテルは例えば上腕(両方向)にも導入することができる。心カテーテル挿入は単に1つの考え方の例に過ぎない。
【0023】
カテーテル挿入終了後にカテーテルを引き抜き、その後血管出入口(シース)12を取
り外す。血管出入口(シース)12の除去後に動脈壁の穿刺部位2にある穿刺孔を閉じて、冒頭で述べた合併症を伴う出血を防止しなければならない。実際にはこれは、同じくすでに述べたように、通常血管出入口(シース)12の除去後に、医者または指示された人物が約5分以上、太腿の皮膚を押圧することによって、自然の血液凝固によって穿刺部位の穿刺孔を塞ぐまで、穿刺部位2を圧迫する方法で達成される。これは医者または指示された人物にとって骨の折れることであり、しかも例えば肥満症の患者などの場合には十分に行うことができない。
【0024】
さてここで本発明は、動脈カテーテル処置後に、穿刺部位を血管閉鎖するための、身体内の圧力を最大にするシステムまたは最適な内部圧力を発生させるシステムを作り出すものである。この新しいシステムは、縦長の閉塞手段13を用いて操作し、この閉塞手段は、これから記述される方法で血管周囲組織内の穿刺部位2の穿刺孔近傍へ配置される。閉塞手段13に外側から圧力がかかり、この圧力は穿刺部位近傍の血管周囲組織を圧迫し、それによって出血を停止させる。続いて閉塞手段13を皮膚層に固定することによって、血管周囲組織の圧迫は、医者または指示された人物の、追加の長時間に亘る操作を必要とすることなく必要な時間保持される。
【0025】
閉塞手段13は、異なる実施形態で図9−19に具体的に示される。これは基本的には縦長の軸部14を有し、この軸部は通常円柱形で平滑な壁であり、軸部の長手軸線16に直交するように方向付けられた圧迫面15をその正面に担持している。しかしながら圧迫面15が軸部の長手軸線16に対して90°とは異なる角度で傾斜していて、それによって挿入の際に解剖学的な状態により良く適合できる実施形態も考えられる。軸部14内には貫通穿孔17が含まれ、これは軸部の長手軸線16に対し同軸に伸び、圧迫面15領域へ到達する。図10、11の実施形態では、環状の圧迫面15が、円柱状の軸14と同じような直径を有する。それに対して図12、13の実施形態では、圧迫面15は、軸部14に形成されたフランジ状の領域18の裏側に拡大された断面を形成している。フランジ状の領域18はほぼ円板状で、軸部の長手軸線17に対して90°の角度で軸部14に接続していて、それによってほぼスタンプ状の形となる。領域18の縁は19のところで丸められる。円柱状の軸部14はこの場合には、圧迫面15に対して遠位の末端20に接続する部分21内に環状の溝22を備え、これは軸部上で互いに間隔をあけて切断目安箇所を形成している。したがって軸部14をこの切断目安箇所で折り取ることによってその長さを簡単な方法で変えることができる。
【0026】
図14、15の実施形態は、原則的には図12、13のそれと類似であるが、圧迫面15を担持する、拡大した断面の領域18が、220では軸部14の縦部分を介して、続く平滑な壁の軸部の部分に連続変化するという点が異なる。図10−13で説明された実施形態では、圧迫面15が環状であるのに対して、図14、15の実施形態では、特に図15から推察されるように縦長の形をしている。圧迫面15の輪郭のこの形によって、閉塞手段13を使用する場合に血管周囲組織が圧迫されるこの領域は、必要な場合には穿刺された動脈の流れにより良く適合させることができる。そのため、閉塞手段13の全実施形態において圧迫面15は、円形、縦長、またはそれぞれ使用目的に対して有利であると立証されたその他の輪郭形で形成されることが認められる。
【0027】
圧迫面15は、図14、15の23に破線で示されているように、穿孔17の入口領域内で、該穿孔入口を少なくとも一部取り囲む窪みを有する。それによって環状の圧迫面15が生じ、これは血管周囲組織が圧迫される場合に、それに応じた環状の圧力分布を招く。
【0028】
軸部14上に上側が丸まったキャップ24が載置され、これは一方では軸部14の穿孔17用の閉鎖手段を形成し、他方では遠位の軸部末端20の拡大部を表し、該拡大部は、
詳細にはさらに説明されるが、患者への閉塞手段13の固定を容易にするものである。このキャップ24は、例えば軸部14に形成されることで該軸部14と分離不可能に接続もされ、その場合に貫通穿孔17は独自の栓によって塞ぐことができる。キャップ24の形は、その時々の要求および穿刺箇所の解剖学的な状態に調整される。このキャップから形成された軸部拡大部は、図9の24aに示されるように、例えば多栓状の円柱形を有することも可能である。
【0029】
図16の実施形態は、基本的には図14のそれと類似であるが、軸部14が、押し広げるかまたは軸部の部分14a、14bの1つと接続している保護ケース26によって、外側が覆われているネジ支持部25により、互いに接続する、2つの同軸の軸部の部分14a、14bを有するということが異なる。この構造によって、軸部の長さを、軸部の部分14aを回すことによって選択的にその時々の適用事例の要求に合わせられるようになる。基本的には、ネジ支持部25を取り除いて両部分14a、14bを入れ子状に互いに押し込む形にして、この方法で軸部14を所望の長さ変化を可能にすることも考えられる。
【0030】
最終的には図17、18の実施形態は、図14のそれとほぼ同様のものに一致するが、ここではこの場合に円形の圧迫面15領域に、トーラス形の膨張可能なバルーン27が設けられ、これは穿孔17を通って伸びる導管28を介して膨張剤を供給することによって膨らませることができる。膨らませていない状態ではバルーン27は、領域18で直径が拡大した窪み23内に少なくとも一部が畳み込まれ、その場合に、部分的に穿孔17内にも収容可能である。バルーン17は、血管周囲組織内に閉塞手段13が配置された場合に、有効な圧迫面15aがその際バルーンの下側にあるので、この組織に及ぼされる圧迫圧力を高め、および/または繊細に制御できるようにする。さらにこの方法で圧迫面の横側を拡大することが可能となる。
【0031】
組織へ閉塞手段を挿入する場合に、バルーン27は空気は抜かれているので、バルーンはこの閉塞手段の挿入の妨げにはならない。
【0032】
最終的には図19は、軸部14の穿孔17用の栓29の形の閉鎖手段を表すものである。この栓29はボタン状のグリップ30と、これと接続する円柱状の栓部分31とを有し、これは遠位末端20から密閉状態で軸部14の穿孔17内へ押し込むことができる。栓部分31は通常、穿孔17内でのより確実な保持が保証されるだけの長さである。しかしながら、図19で示したように、これを完全に埋めて穿孔17内での血栓の発生を防ぐために、穿孔17の全長または大部分の長さにわたって伸びる実施形態も考えられる。
【0033】
本発明のシステムの機能は、閉塞手段13の操作方法についての下記の説明から明らかになる。
【0034】
図7に関連して、処置終了後に介入カテーテルを血管出入口(シース)12から取り除く。
【0035】
図7の状態から出発して、導入ワイヤまたはゼルディンガーワイヤ11の形のガイド手段を、血管出入口(シース)12を介して再び動脈3内へ押し入れ、それによって図6の状態が再び作り出される。
【0036】
ここで血管出入口(シース)12を取り除き、配置されたガイドワイヤまたはゼルディンガーワイヤ11を介して閉塞手段13を、穿刺部位2への入口管を通して穿刺部位2近傍へ押し出す。同時に血管周囲組織9の穿刺部位2領域は、図8の32に示したように、圧迫面15によって局部的に圧迫される。その際、図8の状態が達せられ、軸部14は切開部位で患者の皮膚8上に突出している。必要な場合には閉塞手段13の挿入を容易にす
るために拡張器を使用することができる。
【0037】
導入ワイヤまたはゼルディンガーワイヤ11を取り除き、閉塞手段13を用いて穿刺部位2への外圧を最大にして、血液流出を最小にする。最初から適切な固定軸部長さの閉塞手段13を使用していない場合には、この機会またはすでに準備工程において、閉塞手段13の軸部14の長さを、その時々の解剖学的な状態、則ち、穿刺部位2の領域の血管周囲組織と皮下組織9の厚みにほぼ適合させる。
【0038】
さらに必要な場合には、栓29(図19)又は載置されたキャップ24、24aを用いて、穿孔17を遠位軸部末端20で閉鎖し、図1、9の33で示した創傷手当用材料または相当する包帯を用いて閉塞手段13を皮膚層上に固定する。キャップ24またはボタン30(図19)によって形成された軸部末端の拡大部によって、閉塞手段13を創傷手当用材料33で広く支持することができ、その場合、該拡大部は同時に皮膚の表面に覆いを形成する。それによって閉塞手段13はさらに安定状態となる。
【0039】
図17、18にならって閉塞手段13を使用する際、閉塞手段13配置後にバルーン27を膨らませ、該バルーンはすでに述べたように、圧迫面を拡大して圧迫圧力を高め、および/または閉塞手段13そのものの位置を変える必要なく繊細に制御できるようにする。
【0040】
バルーン27はまた、圧迫面15を配置する前に、バルーンカテーテルの種類の単独部品として軸部14内の穿孔17を通して導入することもできる。
【0041】
冒頭ですでに述べたように、本発明のシステムは、末梢血管入口が形成される全ての血管処置に適する。心カテーテル挿入は、すでに指摘されているように、新しいシステムの基本的な作用の仕方を具体的に表すために用いたに過ぎない。
【0042】
閉塞手段13は、通常、身体適合性の医療上認可された合成樹脂で製造される。その寸法は、その時々の適用事例の必要条件および解剖学的な状態に調整される。制限されない例として、穿孔17の直径が、ガイドワイヤ11の直径に依存して好ましくは0.9乃至1.5mmであり、圧迫面15の直径が、好ましくは(4)乃至6(8)乃至9mmの範囲であることが挙げられる。これらの寸法は、フランスサイズで5乃至11(直径1.65mm乃至直径3.7mm)の血管出入口(シース)を使用する際に適するものである。軸部14の長さは好ましくは3乃至7cmであるが、これは基本的には、すでに述べたように穿刺部位領域の患者の解剖学的な状態に依存する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】図1は、心カテーテル挿入用の大腿部の動脈の入口領域を分かり易く示した、患者の動脈血管系の部分略図である。
【図2】図2は、図1の図の任意に解剖した大腿部の動脈の入口領域を、総大腿動脈の腹部側の穿刺部位を分かり易くして示した図である
【図3】図3は、図2で表した穿刺部位の大腿部の縦断面図を、本発明の血管閉鎖システムを用いたカテーテル処置およびそれに続く穿刺部位の閉塞と関連して、総大腿部動脈を穿刺する際の主な工程を分かり易くして示した図である。
【図4】図4は、図2で表した穿刺部位の大腿部の縦断面図を、本発明の血管閉鎖システムを用いたカテーテル処置およびそれに続く穿刺部位の閉塞と関連して、総大腿部動脈を穿刺する際の主な工程を分かり易くして示した図である。
【図5】図5は、図2で表した穿刺部位の大腿部の縦断面図を、本発明の血管閉鎖システムを用いたカテーテル処置およびそれに続く穿刺部位の閉塞と関連して、総大腿部動脈を穿刺する際の主な工程を分かり易くして示した図である。
【図6】図6は、図2で表した穿刺部位の大腿部の縦断面図を、本発明の血管閉鎖システムを用いたカテーテル処置およびそれに続く穿刺部位の閉塞と関連して、総大腿部動脈を穿刺する際の主な工程を分かり易くして示した図である。
【図7】図7は、図2で表した穿刺部位の大腿部の縦断面図を、本発明の血管閉鎖システムを用いたカテーテル処置およびそれに続く穿刺部位の閉塞と関連して、総大腿部動脈を穿刺する際の主な工程を分かり易くして示した図である。
【図8】図8は、図2で表した穿刺部位の大腿部の縦断面図を、本発明の血管閉鎖システムを用いたカテーテル処置およびそれに続く穿刺部位の閉塞と関連して、総大腿部動脈を穿刺する際の主な工程を分かり易くして示した図である。
【図9】図9は、図2で表した穿刺部位の大腿部の縦断面図を、本発明の血管閉鎖システムを用いたカテーテル処置およびそれに続く穿刺部位の閉塞と関連して、総大腿部動脈を穿刺する際の主な工程を分かり易くして示した図である。
【図10】図10は、本発明の血管閉鎖システムの第1実施形態における閉塞手段の、非常に大きい縮尺の縦断面略図である。
【図11】図11は、図1の閉塞手段の、圧迫面の平面図である。
【図12】図12は、本発明の血管閉鎖システムの第2実施形態における閉塞手段の、別の縮尺の図10に相当する部分断面略図である
【図13】図13は、図12の閉塞手段の、圧迫面の平面図である。
【図14】図14は、本発明の血管閉鎖システムの第3実施形態における閉塞手段の、図12に類似の縦断面略図であって相当する縮尺で示した図である。
【図15】図15は、図13の閉塞手段の、圧迫面の平面図である。
【図16】図16は、本発明の血管閉鎖システムの第4実施形態における閉塞手段の、図12に類似の縦断面略図であって、相当する縮尺で、その長さを変えられる軸部と共に示した図である。
【図17】図17は、本発明の血管閉鎖システムの第5実施形態における閉塞手段の、図12に類似の縦断面略図で、圧迫面領域に配置された、膨らませた状態のバルーンを分かり易くして示した図である。
【図18】図18は、図17の閉塞手段の、膨らませたバルーンの平面図である。
【図19】図19は、図10−18の閉塞手段用の閉鎖手段の側面略図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に動脈カテーテル処置後の血管の穿刺部位で血管を閉鎖するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
心血管疾患の血管内部診断および治療は、常々鼠径動脈を介する動脈系への出入を必要とする。動脈が穿刺されると血管出入口(シース)が挿入され、該出入口を介して診断カテーテルまたは治療カテーテルが配置される。処置終了後にこの出入口は取り除かれ、外側から穿刺部位に経皮圧がかけられ、圧迫により、身体特有の凝固の助けを借りてこれを閉鎖する。
【0003】
この一般で慣用の方法は、最初に、穿刺部位を含む組織を比較的長く手で圧迫し、その後包帯を巻くことによる数時間の圧迫を含む。とりわけ肥満症の患者の場合のみならず、この方法では穿刺部位に十分な圧力が集まらないので、時として脈管周囲の組織の出血が激しくなる。これらの血腫は、幾つかの見解では患者にとって危険をはらんだものである。則ち、
−血液損失によって循環が不安定になり、
−患者には、周知である感染の危険を伴う輸血が必要となり、
−血腫は痛みを伴い、局部の感染の危険が増大し、単に非常にゆっくり身体によって再吸収されるだけであり、
−血腫領域では、この再吸収によって変化を伴う組織の炎症が起こり、さらなる局部処置や手術を非常に困難にするものであり、
−出血は生じた血腫によって停止せず、穿刺部位を緊急手術で過度に縫合しなければならない。
【0004】
上述の全シナリオは、より長い監視費用を必要とし、患者にとっても国民経済的にも不利である。患者のより長い入院滞在はまれではない。
【0005】
国際公開第02/072188号パンフレットにより、動脈カテーテル処置後の穿刺部位の動脈止血システムがよく知られている。それには縦長の柔軟な中空軸部を有する装置が使用され、該軸部は、カテーテル出入口を介して動脈内へ挿入することができる。この軸部はその前方末端に固定バルーン(アンカーバルーン)と、これから軸方向に間隔をあけて血管閉鎖バルーン(止血バルーン)を担持している。操作は、固定バルーンがカテーテル出入口から動脈内へ移動するまで、カテーテル出入口を介して軸部を動脈まで押し入れるような方法で行われる。固定バルーンを膨らませた後に、該膨らませた固定バルーンが動脈壁に当接するまで軸部およびカテーテル出入口を引き戻し、それによってカテーテル出入口は抜き取られる。
【0006】
続いて血管外バルーンを膨らませ、一方固定バルーンは空気を抜き、軸部を、その先端がもはや動脈内に存在しなくなるまで引き戻し、一方穿刺部位は、相応に膨らませた血管閉鎖バルーンによって塞がれたままである。穿刺部位の穿刺孔を身体特有の凝固によって閉じた後、この血管閉鎖バルーンを同様に空気を抜きて、全装置を介入管から引き抜く。この装置はコストがかかり、操作時に大変な慎重さを必要とする。
【特許文献1】国際公開第02/072188号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって本発明の課題は、血管、特に動脈血管の穿刺後に、遷延性出血および大きい血腫を比較的容易な方法で確実に阻止できるようにするシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題を解決するために本発明のシステムは、請求項1の特徴を有する。
【0009】
新しいシステムは、1つの軸部およびこれに形成された圧迫面を正面として有する縦長の閉塞手段を用いて操作するもので、その際、該軸部は、血管内に挿入された少なくとも1つのガイド手段を収容するための、圧迫面を貫通する穿孔を含み、該圧迫面が穿刺部位近傍に押し出される場合に、圧迫面の反対側の遠位の末端は患者の皮膚層上に固定されるように調整される。
【0010】
カテーテル導入の際にどんな場合でも使用されるガイド手段、例えばゼルディンガーワイヤを使用して、穿刺部位に対して位置を正確に、外部血管壁のすぐ近くに圧迫面を配置することができ、その際、切開部位を介して皮膚内へ突出した軸部で、穿刺部位領域内の組織へ、局部的に集中させた、正確に測定された圧力をかけることができるので、血管壁の穿刺孔を確実に閉塞することができることから、縦長の閉塞手段は、特に動脈血管を穿刺後に穿刺部位への血管外圧力を最適にするものである。創傷手当用材料または包帯などにより、閉塞手段の軸部は皮膚層へ容易に固定することができるので、圧力作用にかける時間は任意に選択できる。穿刺部位で血液凝固の開始後に、閉塞手段を容易に引き抜いて取り外すことができる。閉塞手段そのものは安価に製造できるので、このことからもカテーテル処置にかかる治療費を低減することが明らかになる。
【0011】
閉塞手段の軸部は、ほぼ円柱状に有利に形成されるが、その他の適当な断面形、例えば卵形も使用できる。縦リブまたは縦窪みまたは、特に柔軟な性質が生じる溝の形を備えた軸部を形成することも可能である。軸部が、圧迫面を担持する拡大した断面領域を有することも有用である。そのために軸部は、例えばスタンプ状に形成され、拡大した直径領域に隣接する、ほぼ平滑な壁の軸部の部分を有することができる。正面に形成された圧迫面から出発した拡大した直径領域は、その場合、軸部の長さに渡って連続的に平滑な壁の軸部の部分へ変化する。圧迫面の大きさは、軸部の断面積とは独立しているため、両部材を適当に選択することができる。しかしながら基本的には圧迫面が、その全長を介してほぼ等しい直径を有する軸部に形成される実施形態も考えられる。
【0012】
圧迫面そのものはほぼ円形であるが、圧迫面が縦長で、それにより血管の流れと、場合によっては縦長の穿刺部位により良く圧力領域を適合させられることが時として有利である。通常、圧迫面は軸部の長手軸線に対してほぼ直角に広がるように形成されるが、血管への入口管が、通常、血管の長手軸線に対して鋭角となる状況を顧慮して、圧迫面が軸部の長手軸線に対して90°とは異なる角度で斜めに広がる実施形態も考えられる。
【0013】
圧迫部位は通常平面であるが、部分的に球形(凸面)または凹面若しくは構造を与えられて形成されることも可能である。
【0014】
穿刺部位近傍の、様々な患者の解剖学的な状態に適合できるように、軸部はその長さを可変できるように形成することができる。そのために軸部は、例えば入れ子状に形成されるか、またはネジによって互いに接続される2つの部品を有することができる。軸部の長手方向に互いに間隔をあけた切断目安箇所を備えた軸を形成することも可能であり、これは、患者の皮膚を通って突出した軸部の部分を挿入された閉塞手段で折り取ることによって、軸部を適当な長さにできるものである。もちろん軸部の長さを簡単な方法で適当に調節できるようにしたその他の構造も考えられる。
【0015】
ガイド手段を除去後に閉塞手段を配置する場合に、軸部内に含まれる、ガイド手段を収容するための貫通穿孔を閉じるために、例えば栓の形に形成された軸部の穿孔用閉鎖手段を設けることができる。この閉鎖手段は、軸部の穿孔内に挿入可能な部分を有し、この部分が少なくともその縦の伸長部にわたって該穿孔をほぼ満たす。それによって、必要な場合に凝固血液の柱が穿孔内に含まれたままになることが阻止できる。しかしながら閉鎖手段はキャップ方式によっても軸部上に載置することができる。実際には、穿孔は、場合によっては単に綿栓などで閉鎖することができる。
【0016】
軸部の遠位末端に、例えばキャップ状に形成され、軸部と一塊となって接続するか、またはこれに着脱可能に固定された拡大部を有することも、好適である。後者の場合にはキャップ状の拡大部が、同時に軸部内の穿孔用の閉鎖手段を形成することができる。しかしながらいずれにしても、遠位の軸部末端にある拡大部は皮膚領域に閉塞手段を固定する、例えば粘着性創傷手当用材料や包帯などの形の創傷手当用材料で幅広く保持されることになる。
【0017】
最終的には、閉塞手段が圧迫面領域にバルーンを有する実施形態も考えられ、このバルーンは、軸部を通って伸びる導管を介して膨らませることができ、閉塞手段配置後に圧迫面を拡大させて、追加の圧力作用を生じさせるようになっている。このバルーンは、膨らませていない状態では、圧迫面領域の窪みおよび/または軸部の穿孔内に少なくとも一部置かれるように配置され、そのようにして組織内に存在する導入管内への圧迫手段の導入を容易にしている。
【0018】
特に動脈カテーテル処置後に、血管閉鎖のために身体内の圧力を最大にする、本発明のシステムのその他の好ましい特徴および形態は、従属請求項の対象であり、後出の本発明の対象となる実施例の説明から明らかになる。
【0019】
本発明の対象となる実施例は図面において表される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1で示された患者1において、例えば心臓カテーテル挿入を行うためには、該患者1の太腿の穿刺部位2に総大腿動脈3への入口を作り、この入口を介してカテーテルを心臓300まで押し出す。図2に任意に解剖された穿刺箇所が示されるように、穿刺部位は総大腿動脈3のほぼ腹部側にあり、この総大腿動脈3は、大腿静脈4の隣を流れ、鼠径靱帯(鼠径靱帯)5および浅在性大腿動脈6および深在性大腿動脈7の間に存在する。
【0021】
総大腿動脈3への入口を作り、この動脈内にカテーテルを導入する際、基本的には図3−図7の工程図に略図で示された工程を実施する。
【0022】
太腿の皮膚8およびその下にある皮下組織9を貫いて、動脈壁の穿刺部位2を中空針(カニューレ)10で穿刺する(図3)。それに続いて該中空針(穿刺カニューレ)10を介して、ガイドワイヤまたは所謂ゼルディンガーワイヤ11の形のガイド手段を動脈3内へ挿入し、心臓方向へ押し入れる(図4)。中空針10を除去後(図5)、ガイドワイヤ11により血管出入口(シース)12を動脈3内へ挿入すると(図6)、その後ガイドワイヤ11が引き抜かれ(図7)、この血管出入口(シース)12は、(示していない)診断カテーテルまたは治療カテーテルを任意に導入できるようにする。ここで留意すべきことは、別の末梢血管処置に対しても基本的に同じ工程方法が適用されることである。カテーテルは例えば上腕(両方向)にも導入することができる。心カテーテル挿入は単に1つの考え方の例に過ぎない。
【0023】
カテーテル挿入終了後にカテーテルを引き抜き、その後血管出入口(シース)12を取
り外す。血管出入口(シース)12の除去後に動脈壁の穿刺部位2にある穿刺孔を閉じて、冒頭で述べた合併症を伴う出血を防止しなければならない。実際にはこれは、同じくすでに述べたように、通常血管出入口(シース)12の除去後に、医者または指示された人物が約5分以上、太腿の皮膚を押圧することによって、自然の血液凝固によって穿刺部位の穿刺孔を塞ぐまで、穿刺部位2を圧迫する方法で達成される。これは医者または指示された人物にとって骨の折れることであり、しかも例えば肥満症の患者などの場合には十分に行うことができない。
【0024】
さてここで本発明は、動脈カテーテル処置後に、穿刺部位を血管閉鎖するための、身体内の圧力を最大にするシステムまたは最適な内部圧力を発生させるシステムを作り出すものである。この新しいシステムは、縦長の閉塞手段13を用いて操作し、この閉塞手段は、これから記述される方法で血管周囲組織内の穿刺部位2の穿刺孔近傍へ配置される。閉塞手段13に外側から圧力がかかり、この圧力は穿刺部位近傍の血管周囲組織を圧迫し、それによって出血を停止させる。続いて閉塞手段13を皮膚層に固定することによって、血管周囲組織の圧迫は、医者または指示された人物の、追加の長時間に亘る操作を必要とすることなく必要な時間保持される。
【0025】
閉塞手段13は、異なる実施形態で図9−19に具体的に示される。これは基本的には縦長の軸部14を有し、この軸部は通常円柱形で平滑な壁であり、軸部の長手軸線16に直交するように方向付けられた圧迫面15をその正面に担持している。しかしながら圧迫面15が軸部の長手軸線16に対して90°とは異なる角度で傾斜していて、それによって挿入の際に解剖学的な状態により良く適合できる実施形態も考えられる。軸部14内には貫通穿孔17が含まれ、これは軸部の長手軸線16に対し同軸に伸び、圧迫面15領域へ到達する。図10、11の実施形態では、環状の圧迫面15が、円柱状の軸14と同じような直径を有する。それに対して図12、13の実施形態では、圧迫面15は、軸部14に形成されたフランジ状の領域18の裏側に拡大された断面を形成している。フランジ状の領域18はほぼ円板状で、軸部の長手軸線17に対して90°の角度で軸部14に接続していて、それによってほぼスタンプ状の形となる。領域18の縁は19のところで丸められる。円柱状の軸部14はこの場合には、圧迫面15に対して遠位の末端20に接続する部分21内に環状の溝22を備え、これは軸部上で互いに間隔をあけて切断目安箇所を形成している。したがって軸部14をこの切断目安箇所で折り取ることによってその長さを簡単な方法で変えることができる。
【0026】
図14、15の実施形態は、原則的には図12、13のそれと類似であるが、圧迫面15を担持する、拡大した断面の領域18が、220では軸部14の縦部分を介して、続く平滑な壁の軸部の部分に連続変化するという点が異なる。図10−13で説明された実施形態では、圧迫面15が環状であるのに対して、図14、15の実施形態では、特に図15から推察されるように縦長の形をしている。圧迫面15の輪郭のこの形によって、閉塞手段13を使用する場合に血管周囲組織が圧迫されるこの領域は、必要な場合には穿刺された動脈の流れにより良く適合させることができる。そのため、閉塞手段13の全実施形態において圧迫面15は、円形、縦長、またはそれぞれ使用目的に対して有利であると立証されたその他の輪郭形で形成されることが認められる。
【0027】
圧迫面15は、図14、15の23に破線で示されているように、穿孔17の入口領域内で、該穿孔入口を少なくとも一部取り囲む窪みを有する。それによって環状の圧迫面15が生じ、これは血管周囲組織が圧迫される場合に、それに応じた環状の圧力分布を招く。
【0028】
軸部14上に上側が丸まったキャップ24が載置され、これは一方では軸部14の穿孔17用の閉鎖手段を形成し、他方では遠位の軸部末端20の拡大部を表し、該拡大部は、
詳細にはさらに説明されるが、患者への閉塞手段13の固定を容易にするものである。このキャップ24は、例えば軸部14に形成されることで該軸部14と分離不可能に接続もされ、その場合に貫通穿孔17は独自の栓によって塞ぐことができる。キャップ24の形は、その時々の要求および穿刺箇所の解剖学的な状態に調整される。このキャップから形成された軸部拡大部は、図9の24aに示されるように、例えば多栓状の円柱形を有することも可能である。
【0029】
図16の実施形態は、基本的には図14のそれと類似であるが、軸部14が、押し広げるかまたは軸部の部分14a、14bの1つと接続している保護ケース26によって、外側が覆われているネジ支持部25により、互いに接続する、2つの同軸の軸部の部分14a、14bを有するということが異なる。この構造によって、軸部の長さを、軸部の部分14aを回すことによって選択的にその時々の適用事例の要求に合わせられるようになる。基本的には、ネジ支持部25を取り除いて両部分14a、14bを入れ子状に互いに押し込む形にして、この方法で軸部14を所望の長さ変化を可能にすることも考えられる。
【0030】
最終的には図17、18の実施形態は、図14のそれとほぼ同様のものに一致するが、ここではこの場合に円形の圧迫面15領域に、トーラス形の膨張可能なバルーン27が設けられ、これは穿孔17を通って伸びる導管28を介して膨張剤を供給することによって膨らませることができる。膨らませていない状態ではバルーン27は、領域18で直径が拡大した窪み23内に少なくとも一部が畳み込まれ、その場合に、部分的に穿孔17内にも収容可能である。バルーン17は、血管周囲組織内に閉塞手段13が配置された場合に、有効な圧迫面15aがその際バルーンの下側にあるので、この組織に及ぼされる圧迫圧力を高め、および/または繊細に制御できるようにする。さらにこの方法で圧迫面の横側を拡大することが可能となる。
【0031】
組織へ閉塞手段を挿入する場合に、バルーン27は空気は抜かれているので、バルーンはこの閉塞手段の挿入の妨げにはならない。
【0032】
最終的には図19は、軸部14の穿孔17用の栓29の形の閉鎖手段を表すものである。この栓29はボタン状のグリップ30と、これと接続する円柱状の栓部分31とを有し、これは遠位末端20から密閉状態で軸部14の穿孔17内へ押し込むことができる。栓部分31は通常、穿孔17内でのより確実な保持が保証されるだけの長さである。しかしながら、図19で示したように、これを完全に埋めて穿孔17内での血栓の発生を防ぐために、穿孔17の全長または大部分の長さにわたって伸びる実施形態も考えられる。
【0033】
本発明のシステムの機能は、閉塞手段13の操作方法についての下記の説明から明らかになる。
【0034】
図7に関連して、処置終了後に介入カテーテルを血管出入口(シース)12から取り除く。
【0035】
図7の状態から出発して、導入ワイヤまたはゼルディンガーワイヤ11の形のガイド手段を、血管出入口(シース)12を介して再び動脈3内へ押し入れ、それによって図6の状態が再び作り出される。
【0036】
ここで血管出入口(シース)12を取り除き、配置されたガイドワイヤまたはゼルディンガーワイヤ11を介して閉塞手段13を、穿刺部位2への入口管を通して穿刺部位2近傍へ押し出す。同時に血管周囲組織9の穿刺部位2領域は、図8の32に示したように、圧迫面15によって局部的に圧迫される。その際、図8の状態が達せられ、軸部14は切開部位で患者の皮膚8上に突出している。必要な場合には閉塞手段13の挿入を容易にす
るために拡張器を使用することができる。
【0037】
導入ワイヤまたはゼルディンガーワイヤ11を取り除き、閉塞手段13を用いて穿刺部位2への外圧を最大にして、血液流出を最小にする。最初から適切な固定軸部長さの閉塞手段13を使用していない場合には、この機会またはすでに準備工程において、閉塞手段13の軸部14の長さを、その時々の解剖学的な状態、則ち、穿刺部位2の領域の血管周囲組織と皮下組織9の厚みにほぼ適合させる。
【0038】
さらに必要な場合には、栓29(図19)又は載置されたキャップ24、24aを用いて、穿孔17を遠位軸部末端20で閉鎖し、図1、9の33で示した創傷手当用材料または相当する包帯を用いて閉塞手段13を皮膚層上に固定する。キャップ24またはボタン30(図19)によって形成された軸部末端の拡大部によって、閉塞手段13を創傷手当用材料33で広く支持することができ、その場合、該拡大部は同時に皮膚の表面に覆いを形成する。それによって閉塞手段13はさらに安定状態となる。
【0039】
図17、18にならって閉塞手段13を使用する際、閉塞手段13配置後にバルーン27を膨らませ、該バルーンはすでに述べたように、圧迫面を拡大して圧迫圧力を高め、および/または閉塞手段13そのものの位置を変える必要なく繊細に制御できるようにする。
【0040】
バルーン27はまた、圧迫面15を配置する前に、バルーンカテーテルの種類の単独部品として軸部14内の穿孔17を通して導入することもできる。
【0041】
冒頭ですでに述べたように、本発明のシステムは、末梢血管入口が形成される全ての血管処置に適する。心カテーテル挿入は、すでに指摘されているように、新しいシステムの基本的な作用の仕方を具体的に表すために用いたに過ぎない。
【0042】
閉塞手段13は、通常、身体適合性の医療上認可された合成樹脂で製造される。その寸法は、その時々の適用事例の必要条件および解剖学的な状態に調整される。制限されない例として、穿孔17の直径が、ガイドワイヤ11の直径に依存して好ましくは0.9乃至1.5mmであり、圧迫面15の直径が、好ましくは(4)乃至6(8)乃至9mmの範囲であることが挙げられる。これらの寸法は、フランスサイズで5乃至11(直径1.65mm乃至直径3.7mm)の血管出入口(シース)を使用する際に適するものである。軸部14の長さは好ましくは3乃至7cmであるが、これは基本的には、すでに述べたように穿刺部位領域の患者の解剖学的な状態に依存する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】図1は、心カテーテル挿入用の大腿部の動脈の入口領域を分かり易く示した、患者の動脈血管系の部分略図である。
【図2】図2は、図1の図の任意に解剖した大腿部の動脈の入口領域を、総大腿動脈の腹部側の穿刺部位を分かり易くして示した図である
【図3】図3は、図2で表した穿刺部位の大腿部の縦断面図を、本発明の血管閉鎖システムを用いたカテーテル処置およびそれに続く穿刺部位の閉塞と関連して、総大腿部動脈を穿刺する際の主な工程を分かり易くして示した図である。
【図4】図4は、図2で表した穿刺部位の大腿部の縦断面図を、本発明の血管閉鎖システムを用いたカテーテル処置およびそれに続く穿刺部位の閉塞と関連して、総大腿部動脈を穿刺する際の主な工程を分かり易くして示した図である。
【図5】図5は、図2で表した穿刺部位の大腿部の縦断面図を、本発明の血管閉鎖システムを用いたカテーテル処置およびそれに続く穿刺部位の閉塞と関連して、総大腿部動脈を穿刺する際の主な工程を分かり易くして示した図である。
【図6】図6は、図2で表した穿刺部位の大腿部の縦断面図を、本発明の血管閉鎖システムを用いたカテーテル処置およびそれに続く穿刺部位の閉塞と関連して、総大腿部動脈を穿刺する際の主な工程を分かり易くして示した図である。
【図7】図7は、図2で表した穿刺部位の大腿部の縦断面図を、本発明の血管閉鎖システムを用いたカテーテル処置およびそれに続く穿刺部位の閉塞と関連して、総大腿部動脈を穿刺する際の主な工程を分かり易くして示した図である。
【図8】図8は、図2で表した穿刺部位の大腿部の縦断面図を、本発明の血管閉鎖システムを用いたカテーテル処置およびそれに続く穿刺部位の閉塞と関連して、総大腿部動脈を穿刺する際の主な工程を分かり易くして示した図である。
【図9】図9は、図2で表した穿刺部位の大腿部の縦断面図を、本発明の血管閉鎖システムを用いたカテーテル処置およびそれに続く穿刺部位の閉塞と関連して、総大腿部動脈を穿刺する際の主な工程を分かり易くして示した図である。
【図10】図10は、本発明の血管閉鎖システムの第1実施形態における閉塞手段の、非常に大きい縮尺の縦断面略図である。
【図11】図11は、図1の閉塞手段の、圧迫面の平面図である。
【図12】図12は、本発明の血管閉鎖システムの第2実施形態における閉塞手段の、別の縮尺の図10に相当する部分断面略図である
【図13】図13は、図12の閉塞手段の、圧迫面の平面図である。
【図14】図14は、本発明の血管閉鎖システムの第3実施形態における閉塞手段の、図12に類似の縦断面略図であって相当する縮尺で示した図である。
【図15】図15は、図13の閉塞手段の、圧迫面の平面図である。
【図16】図16は、本発明の血管閉鎖システムの第4実施形態における閉塞手段の、図12に類似の縦断面略図であって、相当する縮尺で、その長さを変えられる軸部と共に示した図である。
【図17】図17は、本発明の血管閉鎖システムの第5実施形態における閉塞手段の、図12に類似の縦断面略図で、圧迫面領域に配置された、膨らませた状態のバルーンを分かり易くして示した図である。
【図18】図18は、図17の閉塞手段の、膨らませたバルーンの平面図である。
【図19】図19は、図10−18の閉塞手段用の閉鎖手段の側面略図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸部(14)およびそれに形成された圧迫面(15)を正面として有する縦長の閉塞手段(13)を有し、その際該軸部は、血管内に挿入された少なくとも1つのガイド手段(11)を収容するための、圧迫面に到達する穿孔(17)を含み、該圧迫面が穿刺部位(2)近傍に押し出される場合に、該圧迫面の反対側の遠位の末端(20)は患者の皮膚上に固定するように調整される、動脈カテーテル処置後の血管の穿刺部位における血管閉塞システム。
【請求項2】
前記閉塞手段の軸部(14)が、主として円柱状に形成されることを特徴とする、請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記軸部(14)が、圧迫面(15)を支える、拡大した横断面領域(18)を有することを特徴とする、請求項1記載のシステム。
【請求項4】
前記軸部(14)が、スタンプ状に形成され、拡大した直径領域(18)に隣接する、ほぼ平滑な壁の軸部分を有することを特徴とする、請求項3記載のシステム。
【請求項5】
前記拡大した直径領域(18)が、正面に形成された圧迫面(15)から出発して、軸部の長さ(220)に渡って連続的に平滑な壁の軸部へ変化することを特徴とする、請求項4記載のシステム。
【請求項6】
前記圧迫面(15)がほぼ円形であることを特徴とする、前述の請求項のうちいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記圧迫面(15)が縦長であることを特徴とする、請求項1乃至6のうちいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記圧迫面(15)が、軸部(14)の長手軸線(16)に対してほぼ直角に広がることを特徴とする、前述の請求項のうちいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記圧迫面(15)が、軸部の長手軸線(16)に対して90°とは異なる角度で斜めに広がることを特徴とする、請求項1乃至7のうちいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記圧迫面(15)が、穿孔(17)の出口を少なくとも部分的に囲む窪み(23)を有することを特徴とする、前述の請求項のうちいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記軸部(14)が、その長さを変えられるように形成されることを特徴とする、前述の請求項のうちいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記軸部(14)が、入れ子状に形成されることを特徴とする、請求項11記載のシステム。
【請求項13】
前記軸部(14)が、ネジ(25)によって相互接続される少なくとも2つの部分(14a、14b)を有することを特徴とする、請求項11記載のシステム。
【請求項14】
前記軸部(14)が、軸部長手方向で互いに間隔をあけた切断目安箇所(22)を有することを特徴とする、請求項11記載のシステム。
【請求項15】
前記軸部が、その遠位末端(20)に拡大部を有することを特徴とする、前述の請求項
のうちいずれか一項に記載のシステム。
【請求項16】
前記拡大部が、キャップ状(24)に形成されることを特徴とする、請求項15記載のシステム。
【請求項17】
前記拡大部が、軸部と着脱可能に接続することを特徴とする、請求項15または16記載のシステム。
【請求項18】
前記軸部(14)の穿孔(17)用の閉鎖手段(29)を有することを特徴とする、前述の請求項のうちいずれか一項に記載のシステム。
【請求項19】
前記閉鎖手段(24,29)が、遠位軸部末端(20)に装着するために調整されることを特徴とする、請求項18記載のシステム。
【請求項20】
前記閉鎖手段が、軸部(14)の穿孔(17)内に挿入可能であり、少なくとも1つのその縦の伸長部を介して前記穿孔をほぼ満たす部分(31)を有することを特徴とする、請求項18または19記載のシステム。
【請求項21】
前記閉塞手段(13)が、圧迫面領域にバルーン(27)を有し、該バルーンは、軸部を通って伸びる導管(28)を介して膨らませることができることを特徴とする、前述の請求項のうちいずれか一項に記載のシステム。
【請求項22】
膨らませていない状態の前記バルーン(27)が、圧迫面(15)領域の窪み(23)および/または軸部(14)の穿孔(17)内に少なくとも一部が配置されるように配置されることを特徴とする、請求項21記載のシステム。
【請求項23】
前記バルーン(27)が、軸部(14)の穿孔(17)を通って閉塞手段内に導入できるように形成されることを特徴とする、請求項21記載のシステム。
【請求項1】
軸部(14)およびそれに形成された圧迫面(15)を正面として有する縦長の閉塞手段(13)を有し、その際該軸部は、血管内に挿入された少なくとも1つのガイド手段(11)を収容するための、圧迫面に到達する穿孔(17)を含み、該圧迫面が穿刺部位(2)近傍に押し出される場合に、該圧迫面の反対側の遠位の末端(20)は患者の皮膚上に固定するように調整される、動脈カテーテル処置後の血管の穿刺部位における血管閉塞システム。
【請求項2】
前記閉塞手段の軸部(14)が、主として円柱状に形成されることを特徴とする、請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記軸部(14)が、圧迫面(15)を支える、拡大した横断面領域(18)を有することを特徴とする、請求項1記載のシステム。
【請求項4】
前記軸部(14)が、スタンプ状に形成され、拡大した直径領域(18)に隣接する、ほぼ平滑な壁の軸部分を有することを特徴とする、請求項3記載のシステム。
【請求項5】
前記拡大した直径領域(18)が、正面に形成された圧迫面(15)から出発して、軸部の長さ(220)に渡って連続的に平滑な壁の軸部へ変化することを特徴とする、請求項4記載のシステム。
【請求項6】
前記圧迫面(15)がほぼ円形であることを特徴とする、前述の請求項のうちいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記圧迫面(15)が縦長であることを特徴とする、請求項1乃至6のうちいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記圧迫面(15)が、軸部(14)の長手軸線(16)に対してほぼ直角に広がることを特徴とする、前述の請求項のうちいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記圧迫面(15)が、軸部の長手軸線(16)に対して90°とは異なる角度で斜めに広がることを特徴とする、請求項1乃至7のうちいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記圧迫面(15)が、穿孔(17)の出口を少なくとも部分的に囲む窪み(23)を有することを特徴とする、前述の請求項のうちいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記軸部(14)が、その長さを変えられるように形成されることを特徴とする、前述の請求項のうちいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記軸部(14)が、入れ子状に形成されることを特徴とする、請求項11記載のシステム。
【請求項13】
前記軸部(14)が、ネジ(25)によって相互接続される少なくとも2つの部分(14a、14b)を有することを特徴とする、請求項11記載のシステム。
【請求項14】
前記軸部(14)が、軸部長手方向で互いに間隔をあけた切断目安箇所(22)を有することを特徴とする、請求項11記載のシステム。
【請求項15】
前記軸部が、その遠位末端(20)に拡大部を有することを特徴とする、前述の請求項
のうちいずれか一項に記載のシステム。
【請求項16】
前記拡大部が、キャップ状(24)に形成されることを特徴とする、請求項15記載のシステム。
【請求項17】
前記拡大部が、軸部と着脱可能に接続することを特徴とする、請求項15または16記載のシステム。
【請求項18】
前記軸部(14)の穿孔(17)用の閉鎖手段(29)を有することを特徴とする、前述の請求項のうちいずれか一項に記載のシステム。
【請求項19】
前記閉鎖手段(24,29)が、遠位軸部末端(20)に装着するために調整されることを特徴とする、請求項18記載のシステム。
【請求項20】
前記閉鎖手段が、軸部(14)の穿孔(17)内に挿入可能であり、少なくとも1つのその縦の伸長部を介して前記穿孔をほぼ満たす部分(31)を有することを特徴とする、請求項18または19記載のシステム。
【請求項21】
前記閉塞手段(13)が、圧迫面領域にバルーン(27)を有し、該バルーンは、軸部を通って伸びる導管(28)を介して膨らませることができることを特徴とする、前述の請求項のうちいずれか一項に記載のシステム。
【請求項22】
膨らませていない状態の前記バルーン(27)が、圧迫面(15)領域の窪み(23)および/または軸部(14)の穿孔(17)内に少なくとも一部が配置されるように配置されることを特徴とする、請求項21記載のシステム。
【請求項23】
前記バルーン(27)が、軸部(14)の穿孔(17)を通って閉塞手段内に導入できるように形成されることを特徴とする、請求項21記載のシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公表番号】特表2007−536034(P2007−536034A)
【公表日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−511922(P2007−511922)
【出願日】平成17年4月21日(2005.4.21)
【国際出願番号】PCT/EP2005/004287
【国際公開番号】WO2005/107604
【国際公開日】平成17年11月17日(2005.11.17)
【出願人】(506368811)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年4月21日(2005.4.21)
【国際出願番号】PCT/EP2005/004287
【国際公開番号】WO2005/107604
【国際公開日】平成17年11月17日(2005.11.17)
【出願人】(506368811)
【Fターム(参考)】
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