説明

特定の置換型アミド、その製造方法及び使用方法

式1の化合物、並びにその医薬的に許容される塩、溶媒和物、キレート、非共有結合複合体、プロドラッグ、及び混合物から選択された少なくとも1種の化学物質が記載されている。担体、アジュバント、及び賦形剤から選択された少なくとも1種の医薬的に許容される媒体と一緒に、本発明の少なくとも1種の化学物質を含む、医薬組成物が記載されている。Btk活性/B細胞活性の阻害に対して応答する或る疾患の患者を治療する方法が記載されている。試料中のBtkの存在を判定する方法が記載されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2006年9月11日付けで出願された米国仮出願第60/843,851号明細書の出願日の優先権を主張する。
【0002】
本明細書では、特定の置換型アミド、及び関連化合物、このような化合物を含む組成物、及びこれらの使用の方法が提供される。
【背景技術】
【0003】
最大のヒトの酵素ファミリーであるタンパク質キナーゼは、500をはるかに超えるタンパク質を含んでいる。ブルートン・チロシンキナーゼ(Bruton's Tyrosine Kinase)(Btk)は、チロシンキナーゼのTecファミリーの一員であり、初期B細胞発生、並びに成熟B細胞活性、シグナリング、及び生残の調節因子である。
【0004】
B細胞受容体(BCR)を介したB細胞シグナリングは、幅広い生物学的出力をもたらすことができる。これらの生物学的出力はB細胞の発生段階に依存する。BCRシグナルの規模及び持続時間は、正確に調節されなければならない。異常なBCR媒介シグナリングは、無調節のB細胞活性及び/又は病原性自己抗体の形成を招くおそれがあり、このことは、多数の自己免疫及び/又は炎症性疾患をもたらす。ヒトにおけるBtkの突然変異は、X連鎖無ガンマグロブリン血症(XLA)をもたらす。この疾患は、B細胞の成熟障害、免疫グロブリン生産量の低下、T細胞非依存性免疫応答の欠陥、及びBCR刺激時の持続的カルシウム・サインの著しい減衰と関連する。
【0005】
アレルギー性疾患、及び/又は自己免疫疾患、及び/又は炎症性疾患におけるBtkの役割に関する証拠が、Btk欠損マウス・モデルにおいて確立されている。例えば、全身性エリテマトーデス(SLE)の標準マウス前臨床モデルにおいて、Btk欠損が、疾患の進行を著しく改善することが判っている。さらに、Btk欠損マウスは、進行性コラーゲン誘導関節炎に対して耐性を有することもでき、またブドウ球菌誘導関節炎に感染しにくい。
【0006】
証拠の大半は、自己免疫疾患及び/又は炎症性疾患の発症原因におけるB細胞及び体液性免疫系の役割を支持している。B細胞を枯渇させるために開発されたタンパク質系治療薬(例えばRituxan)は、数多くの自己免疫疾患及び/又は炎症性疾患の治療へのアプローチである。B細胞活性におけるBtkの役割により、Btk阻害因子はB細胞媒介病原活性(例えば自己抗体生産)の阻害因子として有用であり得る。
【0007】
Btkはまた、マスト細胞及び単球中に発現させられ、これらの細胞の機能にとって重要であることが判っている。例えば、マウスにおけるBtk欠損は、IgE媒介型マスト細胞活性の障害(TNF−アルファ及びその他の炎症性サイトカイン放出の著しい減少)と関連し、またヒトにおけるBtk欠損は、活性化単球によるTNF−α生産量の大幅な低下と関連する。
【0008】
従って、Btk活性の阻害は、アレルギー性疾患、及び/又は自己免疫疾患、及び/又は炎症性疾患、例えばSLE、関節リウマチ、多発性血管炎、突発性血小板減少性紫斑病(ITP)、重症筋無力症、アレルギー性鼻炎、及び喘息の治療に有用であり得る。加えて、Btkはアポトーシスにおいて役割を演じることが報告されており、従ってBtk活性の阻害は、癌、並びにB細胞リンパ腫及び白血病の治療にとって有用であり得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
式1:
【化1】

の化合物、並びにその医薬的に許容される塩、溶媒和物、キレート、非共有結合複合体、プロドラッグ、及び混合物から選択された少なくとも1種の化学物質であって、上記式中
Rは、任意に置換されたアリール及び任意に置換されたヘテロアリールから選択され;
4は、水素、任意に置換された低級アルキル、任意に置換された低級アルコキシ、ハロ、及びヒドロキシから選択され;
21及びR22は独立して、水素、及び任意に置換された低級アルキルから選択され;
16は、水素、シアノ、任意に置換されたシクロアルキル、及び任意に置換された低級アルキルから選択され;
Aは、任意に置換された5員ヘテロアリール、任意に置換されたピリダジニル;任意に置換されたピリミジニル;及び任意に置換されたピラジニルから選択され;
Lは、任意に置換されたC0−C4アルキレン、−O−任意に置換されたC0−C4アルキレン、−(C0−C4アルキレン)(SO)−、−(C0−C4アルキレン)(SO2)−;及び−(C0−C4アルキレン)(C=O)−であり;そして
Gは、水素、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、ニトロ、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアミノ、任意に置換されたカルバミミドイル、任意に置換されたヘテロシクロアルキル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたアリール、及び任意に置換されたヘテロアリールから選択される、
式1の化合物、並びにその医薬的に許容される塩、溶媒和物、キレート、非共有結合複合体、プロドラッグ、及び混合物から選択された少なくとも1種の化学物質が提供される。
【0010】
医薬組成物であって、担体、アジュバント、及び賦形剤から選択された少なくとも1種の医薬的に許容される媒体と一緒に、本明細書中に記載された少なくとも1種の化学物質を含む、医薬組成物が提供される。
【0011】
パッケージ化医薬組成物であって、
本明細書中に記載された医薬組成物;及び
Btk活性の阻害に対して応答する疾患の患者を治療するためにこの組成物を使用するための指示書
を含む、パッケージ化医薬組成物が提供される。
【0012】
Btk活性の阻害に対して応答する疾患を有する患者を治療する方法であって、本明細書中に記載された少なくとも1種の化学物質の有効量を患者に投与することを含む、患者を治療する方法が提供される。
【0013】
癌、自己免疫疾患、炎症性疾患、急性炎症反応、及びアレルギー性疾患から選択された疾患を有する患者を治療する方法であって、本明細書中に記載された少なくとも1種の化学物質の有効量を該患者に投与することを含む、患者を治療する方法が提供される。
【0014】
化学療法に対する癌細胞の感受性を高める方法であって、化学療法薬に対する癌細胞の感受性を高めるのに十分な量の、本明細書中に記載された少なくとも1種の化学物質を、化学療法薬と一緒に、化学療法を受けている患者に投与することを含む、化学療法に対する癌細胞の感受性を高める方法が提供される。
【0015】
投薬ミスを減らし、Btk活性の阻害に対して応答する疾患に対する治療を受ける患者の治療コンプライアンスを高める方法であって、この方法が、本明細書中に記載されたパッケージ化医薬組成物を提供することを含み、指示書が加えて、パッケージ化医薬組成物に関連する禁忌及び有害反応情報を含む、投薬ミスを減らし、Btk活性の阻害に対して応答する疾患に対する治療を受ける患者の治療コンプライアンスを高める方法が提供される。
【0016】
ATP加水分解を阻害する方法であって、この方法が、Btkを発現させる細胞と、in vitroのATP加水分解レベルを検出可能に低減するのに十分な量の、本明細書中に記載された少なくとも1種の化学物質とを接触させることを含む、ATP加水分解を阻害する方法が提供される。
【0017】
試料中のBtkの存在を判定する方法であって、Btk活性の検出を可能にする条件下で試料と本明細書中に記載された少なくとも1種の化学物質とを接触させ、試料中のBtk活性レベルを検出し、そしてこれから試料中のBtkの有無を判定することを含む、試料中のBtkの存在を判定する方法が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本明細書において使用されるように、以下の単語及び語句は、これらが使用される文脈が他のことを示す場合を除いて、概ね下記に示すような意味を有するものとする。下記略語及び用語は一貫して、指示された意味を有する。
【0019】
本明細書において使用される場合、化学式において任意の可変のものが2回以上生じるときには、それぞれの発生毎のその定義は、他の発生毎のその定義とは独立している。特許における「a」及び「the」の通常の意味に従って、例えば「キナーゼ」又は「そのキナーゼ」に言及したときには、これは1又は複数のキナーゼを含む。
【0020】
2つの文字又は記号の間にあるのではないダッシュ(「−」)は、置換基の結合点を示すために使用される。例えばCONH2は、炭素原子を介して結合される。
【0021】
本明細書中に使用される「少なくとも1種の化学物質」という用語は、「化合物」と相互に入れ替えることができる。
【0022】
「任意の」又は「任意に(は)」は、続いて記される事象又は環境が発生してもしなくてもよいこと、そしてその記述が、その事象又は環境が発生する事例、及びその事象又は環境が発生しない事例を含むことを意味する。例えば、「任意に置換されたアルキル」は、下記に定義する「アルキル」及び「置換型アルキル」の両方を含む。1又は複数の置換基を含有する任意の基に関して当業者には明らかなように、このような基は、立体的に非現実的、合成上実現不可能、且つ/又は本質的に不安定な置換又は置換パターンを導入しないものとする。
【0023】
「アルキル」は、指示された炭素原子数を有する、通常は炭素原子数1〜20、例えば炭素原子数1〜8、例えば炭素原子数1〜6の直鎖及び分枝鎖を含む。例えばC1−C6アルキルは、炭素原子数1〜6の直鎖及び分枝鎖双方のアルキルを含む。アルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、2−ペンチル、イソプロピル、ネオペンチル、ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、及び3−メチルペンチルなどを含む。アルキレンは、アルキルと同じ残基を意味するがしかし2つの結合点を有する、アルキルの別の部分集合である。アルキレン基は通常、炭素原子数が2〜20、例えば2〜8、例えば2〜6となる。例えばC0アルキレンは共有結合を示し、そしてC1アルキレンはメチレン基である。特定の炭素原子数を有するアルキル残基を挙げるときには、その炭素原子数を有する全ての幾何異性体が含まれるようになっており、例えば「ブチル」は、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、及びt−ブチルを含むものとし;「プロピル」はn−プロピル及びイソプロピルを含む。「低級アルキル」は、炭素原子数1〜4のアルキル基を意味する。
【0024】
「シクロアルキル」は、指定された炭素原子数を有する、通常は環内炭素原子数3〜7の飽和炭化水素環基を示す。シクロアルキル基の例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、及びシクロヘキシル、並びに、ブリッジ型及びケージ型飽和環基、例えばノルブルナンを含む。
【0025】
「アルコキシ」とは、酸素橋を介して結合された指示数の炭素原子を有するアルキル基、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペントキシ、2−ペンチルオキシ、イソペントキシ、ネオペントキシ、ヘキソキシ、2−ヘキソキシ、3−ヘキソキシ、及び3−メチルペントキシなどを意味する。アルコキシ基は、酸素橋を介して結合された1〜6つの炭素原子を有することになる。「低級アルコキシ」は、炭素原子数1〜4のアルコキシ基を意味する。
【0026】
「アシル」は、基(アルキル)−C(O)−;(シクロアルキル)−C(O)−;(アリール)−C(O)−;(ヘテロアリール)−C(O)−;及び(ヘテロシクロアルキル)−C(O)−を意味し、この基は、カルボニル官能基を介して親構造に結合されており、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクロアルキルは、本明細書中に記載した通りである。アシル基は、指示された数の炭素原子を有しており、その炭素原子数の中にケト基の炭素が含まれている。例えばC2アシル基が、式CH3(C=O)−を有するアセチル基である。
【0027】
「アルコキシカルボニル」とは、カルボニル炭素を介して結合された式(アルコキシ)(C=O)−のエステル基を意味し、アルコキシ基は、指示された数の炭素原子を有している。このようにC1−C6アルコキシカルボニル基は、その酸素を介してカルボニル・リンカーに結合された1〜6つの炭素原子を有するアルコキシ基である。
【0028】
「アミノ」は基−NH2を意味する。
【0029】
「アミノカルボニル」という用語は、基−CONRbcを意味し、ここで
bはH、任意に置換されたC1−C6アルキル、任意に置換されたアリール、及び任意に置換されたヘテロアリールから選択され;そして
cは水素、及び任意に置換されたC1−C4アルキルから選択され;又は
b及びRcは、これらが結合されている窒素と一緒に、任意に置換された5〜7員窒素含有ヘテロシクロアルキルを形成し、このヘテロシクロアルキルは任意には、ヘテロシクロアルキル環内のN、O、及びSから選択された1つ又は2つの付加的なヘテロ原子を含み;
ここで、各置換基は独立して、C1−C4アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール−C1−C4アルキル−、ヘテロアリール−C1−C4アルキル−、C1−C4ハロアルキル−、−OC1−C4アルキル、−OC1−C4アルキルフェニル、−C1−C4アルキル−OH、−OC1−C4ハロアルキル、ハロ、−OH、−NH2、−C1−C4アルキル−NH2、−N(C1−C4アルキル)(C1−C4アルキル)、−NH(C1−C4アルキル)、−N(C1−C4アルキル)(C1−C4アルキルフェニル)、−NH(C1−C4アルキルフェニル)、シアノ、ニトロ、オキソ(シクロアルキル又はヘテロシクロアルキルに対する置換基として)、−CO2H、−C(O)OC1−C4アルキル、−CON(C1−C4アルキル)(C1−C4アルキル)、−CONH(C1−C4アルキル)、CONH2、−NHC(O)(C1−C4アルキル)、−NHC(O)(フェニル)、−N(C1−C4アルキル)C(O)(C1−C4アルキル)、−N(C1−C4アルキル)C(O)(フェニル)、−C(O)C1−C4アルキル、−C(O)C1−C4フェニル、−C(O)C1−C4ハロアルキル、−OC(O)C1−C4アルキル、−SO2(C1−C4アルキル)、−SO2(フェニル)、−SO2(C1−C4ハロアルキル)、−SO2NH2、−SO2NH(C1−C4ハロアルキル)、−SO2NH(フェニル)、−NHSO2(C1−C4アルキル)、−NHSO2(フェニル)、及び−NHSO2(C1−C4ハロアルキル)から独立して選択された1又は複数の置換基で置換されている。
【0030】
「アリール」は:
5及び6員炭素環式芳香環、例えばベンゼン;
少なくとも一方の環が炭素環式芳香族である二環式環系、例えばナフタレン、インダン、及びテトラリン;そして
少なくとも1つの環が炭素環式芳香族である三環式環系、例えばフルオレン
を含む。
例えば、アリールは、N、O及びSから選択された1又は複数のヘテロ原子を含有する5〜7員ヘテロシクロアルキル環に縮合された5及び6員炭素環式芳香環を含む。環のうちの一方だけが炭素環式芳香環であるこのような縮合二環式環系の場合、結合点は、炭素環式芳香環又はヘテロシクロアルキル環にあってよい。置換型ベンゼン誘導体から形成された、環原子に自由原子価を有する二価基は、置換型フェニレン基と呼ばれる。自由原子価を有する炭素原子から1つの水素原子を取り除くことにより、名称が「−イル」で終わる一価多環式炭化水素基から誘導された二価基は、対応一価基の名称に「−イデン」を加えることによって呼ばれる。例えば2つの結合点を有するナフチル基は、ナフチリデンと呼ばれる。しかし、アリールは決して、下で別に定義するヘテロアリールを含むことはなく、又はヘテロアリールとオーバラップすることもない。従って、1又は複数の炭素環式芳香環がヘテロシクロアルキル芳香環と縮合される場合、結果として生じる環系はヘテロアリールであり、これはここで定義したアリールである。
【0031】
「アリールオキシ」という用語は、基−O−アリールを意味する。
【0032】
「ハロ」という用語は、フルオロ、クロロ、ブロモ、及びヨードを含み、また「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素を含む。
【0033】
「ハロアルキル」は、最大許容ハロゲン原子数までの1又は複数のハロゲン原子で置換された、指定数の炭素原子を有する上記に定義されたアルキルを示す。ハロアルキルの一例として、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、2−フルオロエチル、及びペンタ−フルオロエチルが挙げられる。
【0034】
「ヘテロアリール」は:
N、O及びSから選択された1つ又は2つ以上、例えば1〜4つ、又は或る実施態様では1〜3つのヘテロ原子を含有し、残りの環原子は炭素である5〜7員芳香族単環;及び
N、O及びSから選択された1つ又は2つ以上、例えば1〜4つ、又は或る実施態様では1〜3つのヘテロ原子を含有し、残りの環原子は炭素であり、そして少なくとも1つのヘテロ原子が芳香環内に存在する、二環式ヘテロシクロアルキル環
を含む。
例えば、ヘテロアリールは、5〜7員シクロアルキル環に縮合された5〜7員ヘテロシクロアルキル芳香環を含む。環のうちの一方だけが1又は複数のヘテロ原子を含有するこのような縮合二環式ヘテロアリール環系の場合、結合点は、ヘテロ芳香環又はシクロアルキル環にあってよい。ヘテロアリール基内のS及びOの総原子数が1を超える場合、これらのヘテロ原子は互いに隣接しない。或る実施態様の場合、ヘテロアリール基内のS及びOの総原子数は2を上回らない。或る実施態様の場合、芳香族複素環内のS及びOの総原子数は1を上回らない。ヘテロアリール基の一例としては、(優先順位1を割り当てられた結合位置から数えて)、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2,3−ピラジニル、3,4−ピラジニル、2,4−ピリミジニル、3,5−ピリミジニル、2,3−ピラゾリニル、2,4−イミダゾリニル、イソキサゾリニル、オキサゾリニル、チアゾリニル、チアジアゾリニル、テトラゾリル、チエニル、ベンゾチオフェニル、フラニル、ベンゾフラニル、ベンゾイミダゾリニル、インドリニル、ピリジジニル、トリアゾリル、キノリニル、ピラゾリル、及び5,6,7,8−テトラヒドロイソキノリンが挙げられる。自由原子価を有する原子から1つの水素原子を取り除くことにより、名称が「−イル」で終わる一価ヘテロアリール基から誘導された二価基は、対応一価基の名称に「−イデン」を加えることによって呼ばれる。例えば2つの結合点を有するピリジル基は、ピリジリデンと呼ばれる。しかし、ヘテロアリールは決して、上に定義したアリールを含むことはなく、又はアリールとオーバラップすることもない。
【0035】
置換型ヘテロアリールはまた、1又は複数のオキシド(−O)置換基で置換された環系、例えばピリジニルN−オキシドを含む。
【0036】
「ヘテロアリールアルキル」という用語において、ヘテロアリール及びアルキルは、本明細書中に定義されている通りであり、結合点はアルキル基上にある。この用語の一例としては、ピリジルメチル、チオフェニルメチル、及び(ピロリル)1−エチルが挙げられる。
【0037】
「ヘテロシクロアルキル」とは、酸素、硫黄、及び窒素から独立して選択された1〜3つのヘテロ原子に加えて、並びに前記ヘテロ原子のうちの少なくとも1つを含む組み合わせに加えて少なくとも2つの炭素原子を含有する、環原子数が通常は3〜7の単一の脂肪族環を意味する。好適なヘテロシクロアルキル基の一例としては、(優先順位1を割り当てられた結合位置から数えて)、2−ピロリニル、2,4−イミダゾリジニル、2,3−ピラゾリジニル、2−ピペリジル、3−ピペリジル、4−ピペリジル、及び2,5−ピペリジルが挙げられる。2−モルホリニル及び3−モルホリニル(酸素に優先順位1を割り当てて数えて)を含むモルホリニル基も考えられる。置換型ヘテロシクロアルキルは、また、1又は複数のオキソ部分で置換された環系、例えば、ピペリジルN−オキシド、モルホリニル−N−オキシド、1−オキソ−1−チオモルホリニル及び1,1,−ジオキソ−1−チオモルホリニル、及び1又は2つ以上の−SO−又は−SO2−基を含む環系を含む。
【0038】
「カルバミミドイル」は基−C(=NH)−NH2を意味する。
【0039】
「置換型カルバミミドイル」は、基−C(=NRe)−NRfgを意味し、ここで基Re、Rf、及びRgは独立して:水素、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、及び任意に置換されたヘテロシクロアルキルから選択され、但しこの場合、Re、Rf、及びRgのうちの少なくとも1つは水素でないことを条件とし、置換型のアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、及びヘテロアリールは、それぞれ:
−Ra、−ORb、−O(C1−C2アルキル)O−(例えばメチレンジオキシ−)、−SRb、グアニジン、グアニジン(グアニジン水素のうちの1つ又は2つ以上が、低級アルキル基、NRbc、ハロ、シアノ、ニトロ、−CORb、−CO2b、−CONRbc、−OCORb、−OCO2a、−OCONRbc、−NRcCORb、−NRcCO2a、−NRcCONRbc、−CO2b、−CONRbc、−NRcCORb、−SORa、−SO2a、−SO2NRbc、及び−NRcSO2aで置換されている)、
から独立して選択された置換基によって1つ又は2つ以上(例えば最大5つ、例えば最大3つ)の水素原子が置換されているアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、及びヘテロアリールを意味し、
aは、任意に置換されたC1−C6アルキル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたヘテロシクロアルキル、任意に置換されたアリール、及び任意に置換されたヘテロアリールから選択され;
bはH、任意に置換されたC1−C6アルキル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたヘテロシクロアルキル、任意に置換されたアリール、及び任意に置換されたヘテロアリールから選択され;そして
cは独立して、水素、及び任意に置換されたC1−C4アルキルから選択され;又は
b及びRcは、これらが結合されている窒素と一緒に、任意に置換されたヘテロシクロアルキル基を形成し;
それぞれの任意に置換された基は置換されていないか、又は独立して、C1−C4アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール−C1−C4アルキル−、ヘテロアリール−C1−C4アルキル−、C1−C4ハロアルキル−、−OC1−C4アルキル、−OC1−C4アルキルフェニル、−C1−C4アルキル−OH、−OC1−C4ハロアルキル、ハロ、−OH、−NH2、−C1−C4アルキル−NH2、−N(C1−C4アルキル)(C1−C4アルキル)、−NH(C1−C4アルキル)、−N(C1−C4アルキル)(C1−C4アルキルフェニル)、−NH(C1−C4アルキルフェニル)、シアノ、ニトロ、オキソ(シクロアルキル又はヘテロシクロアルキルに対する置換基として)、−CO2H、−C(O)OC1−C4アルキル、−CON(C1−C4アルキル)(C1−C4アルキル)、−CONH(C1−C4アルキル)、CONH2、−NHC(O)(C1−C4アルキル)、−NHC(O)(フェニル)、−N(C1−C4アルキル)C(O)(C1−C4アルキル)、−N(C1−C4アルキル)C(O)(フェニル)、−C(O)C1−C4アルキル、−C(O)C1−C4フェニル、−C(O)C1−C4ハロアルキル、−OC(O)C1−C4アルキル、−SO2(C1−C4アルキル)、−SO2(フェニル)、−SO2(C1−C4ハロアルキル)、−SO2NH2、−SO2NH(C1−C4ハロアルキル)、−SO2NH(フェニル)、−NHSO2(C1−C4アルキル)、−NHSO2(フェニル)、及び−NHSO2(C1−C4ハロアルキル)から選択された1つ又は2つ以上、例えば1つ、2つ又は3つの置換基で置換されている。
【0040】
本明細書中に使用される「変調」は、式1化合物の不存在におけるキナーゼの活性と比較した場合の、式1化合物の存在に対する直接的又は間接的な応答としてのキナーゼ活性の変化を意味する。変化は活性の増大又は活性の減少であってよく、そして化合物とキナーゼとの直接的な相互作用に起因するか、或いは、化合物と、キナーゼ活性に影響を与える1又は複数の他の因子との相互作用に起因するものであってよい。例えば化合物の存在は、例えば、キナーゼに直接的に結合することによって、又は(直接的又は間接的に)別の因子にキナーゼ活性を増減させることによって、又は(直接的又は間接的に)細胞又は生物内に存在するキナーゼの量を増減することによって、キナーゼ活性を増減することができる。
【0041】
「スルファニル」という用語は、基:−S−(任意に置換された(C1−C6)アルキル)、−S−(任意に置換されたアリール)、−S−(任意に置換されたヘテロアリール)、及び−S−(任意に置換されたヘテロシクロアルキル)を含む。従って、スルファニルは、C1−C6アルキルスルファニルを含む。
【0042】
「スルフィニル」という用語は、基:−S(O)−H、−S(O)−(任意に置換された(C1−C6)アルキル)、−S(O)−(任意に置換されたアリール)、−S(O)−(任意に置換されたヘテロアリール)、−S(O)−(任意に置換されたヘテロシクロアルキル);及び−S(O)−(任意に置換されたアミノ)を含む。
【0043】
「スルホニル」という用語は、基:−S(O2)−H、−S(O2)−(任意に置換された(C1−C6)アルキル)、−S(O2)−(任意に置換されたアリール)、−S(O2)−(任意に置換されたヘテロアリール)、−S(O2)−(任意に置換されたヘテロシクロアルキル)、−S(O2)−(任意に置換されたアルコキシ)、−S(O2)−(任意に置換されたアリールオキシ)、−S(O2)−(任意に置換されたヘテロアリールオキシ)、−S(O2)−(任意に置換されたヘテロシクリルオキシ);及び−S(O2)−(任意に置換されたアミノ)を含む。
【0044】
本明細書中に使用される「置換型(置換された)」という用語は、指定された原子又は基上の任意の1又は複数の水素が、選択された指示基と置き換えられることを意味し、但し、指定された原子の通常の原子価を超えないことを条件とする。置換基がオキソ(すなわち=O)の場合、原子上の2つの水素が置き換えられる。置換基及び/又は変数の組み合わせは、このような組み合わせが安定的な化合物又は有用な合成中間体をもたらす場合にのみ、容認できる。安定な化合物又は安定な構造とは、反応混合物からの単離を乗り切るのに十分に頑丈である化合物、及び少なくとも実用性を有する物質として後で得られる製剤を示唆するものとする。特に断りのない限り、置換基はコア構造内に入れて名付けられる。例えば(シクロアルキル)アルキルが、可能な置換基として挙げられる場合、コア構造に対するこの置換基の結合点はアルキル部分内にある。
【0045】
「置換型」のアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、及びヘテロアリールという用語は、他の表現で定義されない限り、それぞれ:
−Ra、−ORb、−O(C1−C2アルキル)O−(例えばメチレンジオキシ−)、−SRb、グアニジン、グアニジン(グアニジン水素のうちの1つ又は2つ以上が、低級アルキル基、NRbc、ハロ、シアノ、ニトロ、−CORb、−CO2b、−CONRbc、−OCORb、−OCO2a、−OCONRbc、−NRcCORb、−NRcCO2a、−NRcCONRbc、−CO2b、−CONRbc、−NRcCORb、−SORa、−SO2a、−SO2NRbc、及び−NRcSO2aで置換されている)、
から独立して選択された置換基によって1つ又は2つ以上(例えば最大5つ、例えば最大3つ)の水素原子が置換されているアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、及びヘテロアリールを意味し、
aは、任意に置換されたC1−C6アルキル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたヘテロシクロアルキル、任意に置換されたアリール、及び任意に置換されたヘテロアリールから選択され;
bはH、任意に置換されたC1−C6アルキル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたヘテロシクロアルキル、任意に置換されたアリール、及び任意に置換されたヘテロアリールから選択され;そして
cは、水素、及び任意に置換されたC1−C4アルキルから選択され;又は
b及びRcは、これらが結合されている窒素と一緒に、任意に置換されたヘテロシクロアルキル基を形成し;
それぞれの任意に置換された基は置換されていないか、又は独立して、C1−C4アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール−C1−C4アルキル−、ヘテロアリール−C1−C4アルキル−、C1−C4ハロアルキル−、−OC1−C4アルキル、−OC1−C4アルキルフェニル、−C1−C4アルキル−OH、−OC1−C4ハロアルキル、ハロ、−OH、−NH2、−C1−C4アルキル−NH2、−N(C1−C4アルキル)(C1−C4アルキル)、−NH(C1−C4アルキル)、−N(C1−C4アルキル)(C1−C4アルキルフェニル)、−NH(C1−C4アルキルフェニル)、シアノ、ニトロ、オキソ(シクロアルキル又はヘテロシクロアルキルに対する置換基として)、−CO2H、−C(O)OC1−C4アルキル、−CON(C1−C4アルキル)(C1−C4アルキル)、−CONH(C1−C4アルキル)、CONH2、−NHC(O)(C1−C4アルキル)、−NHC(O)(フェニル)、−N(C1−C4アルキル)C(O)(C1−C4アルキル)、−N(C1−C4アルキル)C(O)(フェニル)、−C(O)C1−C4アルキル、−C(O)C1−C4フェニル、−C(O)C1−C4ハロアルキル、−OC(O)C1−C4アルキル、−SO2(C1−C4アルキル)、−SO2(フェニル)、−SO2(C1−C4ハロアルキル)、−SO2NH2、−SO2NH(C1−C4ハロアルキル)、−SO2NH(フェニル)、−NHSO2(C1−C4アルキル)、−NHSO2(フェニル)、及び−NHSO2(C1−C4ハロアルキル)から選択された1つ又は2つ以上、例えば1つ、2つ又は3つの置換基で置換されている。
【0046】
「置換型アシル」という用語は、基(置換型アルキル)−C(O)−;(置換型シクロアルキル)−C(O)−;(置換型アリール)−C(O)−;(置換型ヘテロアリール)−C(O)−;及び(置換型ヘテロシクロアルキル)−C(O)−を意味し、この基は、カルボニル官能基を介して親構造に結合されており、「置換型」のアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクロアルキルは、それぞれ:
−Ra、−ORb、−O(C1−C2アルキル)O−(例えばメチレンジオキシ−)、−SRb、グアニジン、グアニジン(グアニジン水素のうちの1つ又は2つ以上が、低級アルキル基、NRbc、ハロ、シアノ、ニトロ、−CORb、−CO2b、−CONRbc、−OCORb、−OCO2a、−OCONRbc、−NRcCORb、−NRcCO2a、−NRcCONRbc、−CO2b、−CONRbc、−NRcCORb、−SORa、−SO2a、−SO2NRbc、及び−NRcSO2aで置換されている)、
から独立して選択された置換基によって1つ又は2つ以上(例えば最大5つ、例えば最大3つ)の水素原子が置換されているアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクロアルキルを意味し、
aは、任意に置換されたC1−C6アルキル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたヘテロシクロアルキル、任意に置換されたアリール、及び任意に置換されたヘテロアリールから選択され;
bはH、任意に置換されたC1−C6アルキル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたヘテロシクロアルキル、任意に置換されたアリール、及び任意に置換されたヘテロアリールから選択され;そして
cは、水素、及び任意に置換されたC1−C4アルキルから選択され;又は
b及びRcは、これらが結合されている窒素と一緒に、任意に置換されたヘテロシクロアルキル基を形成し;
それぞれの任意に置換された基は置換されていないか、又は独立して、C1−C4アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール−C1−C4アルキル−、ヘテロアリール−C1−C4アルキル−、C1−C4ハロアルキル−、−OC1−C4アルキル、−OC1−C4アルキルフェニル、−C1−C4アルキル−OH、−OC1−C4ハロアルキル、ハロ、−OH、−NH2、−C1−C4アルキル−NH2、−N(C1−C4アルキル)(C1−C4アルキル)、−NH(C1−C4アルキル)、−N(C1−C4アルキル)(C1−C4アルキルフェニル)、−NH(C1−C4アルキルフェニル)、シアノ、ニトロ、オキソ(シクロアルキル又はヘテロシクロアルキルに対する置換基として)、−CO2H、−C(O)OC1−C4アルキル、−CON(C1−C4アルキル)(C1−C4アルキル)、−CONH(C1−C4アルキル)、CONH2、−NHC(O)(C1−C4アルキル)、−NHC(O)(フェニル)、−N(C1−C4アルキル)C(O)(C1−C4アルキル)、−N(C1−C4アルキル)C(O)(フェニル)、−C(O)C1−C4アルキル、−C(O)C1−C4フェニル、−C(O)C1−C4ハロアルキル、−OC(O)C1−C4アルキル、−SO2(C1−C4アルキル)、−SO2(フェニル)、−SO2(C1−C4ハロアルキル)、−SO2NH2、−SO2NH(C1−C4ハロアルキル)、−SO2NH(フェニル)、−NHSO2(C1−C4アルキル)、−NHSO2(フェニル)、及び−NHSO2(C1−C4ハロアルキル)から選択された1つ又は2つ以上、例えば1つ、2つ又は3つの置換基で置換されている。
【0047】
「置換型アルコキシ」という用語は、アルキル成分が置換されている(すなわち−O−(置換型アルキル))アルコキシを意味し、「置換型アルキル」は、それぞれ:
−Ra、−ORb、−O(C1−C2アルキル)O−(例えばメチレンジオキシ−)、−SRb、グアニジン、グアニジン(グアニジン水素のうちの1つ又は2つ以上が、低級アルキル基、NRbc、ハロ、シアノ、ニトロ、−CORb、−CO2b、−CONRbc、−OCORb、−OCO2a、−OCONRbc、−NRcCORb、−NRcCO2a、−NRcCONRbc、−CO2b、−CONRbc、−NRcCORb、−SORa、−SO2a、−SO2NRbc、及び−NRcSO2aで置換されている)、
から独立して選択された置換基によって1つ又は2つ以上(例えば最大5つ、例えば最大3つ)の水素原子が置換されているアルキルを意味し、
aは、任意に置換されたC1−C6アルキル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたヘテロシクロアルキル、任意に置換されたアリール、及び任意に置換されたヘテロアリールから選択され;
bはH、任意に置換されたC1−C6アルキル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたヘテロシクロアルキル、任意に置換されたアリール、及び任意に置換されたヘテロアリールから選択され;そして
cは水素、及び任意に置換されたC1−C4アルキルから選択され;又は
b及びRcは、これらが結合されている窒素と一緒に、任意に置換されたヘテロシクロアルキル基を形成し;
それぞれの任意に置換された基は置換されていないか、又は独立して、C1−C4アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール−C1−C4アルキル−、ヘテロアリール−C1−C4アルキル−、C1−C4ハロアルキル−、−OC1−C4アルキル、−OC1−C4アルキルフェニル、−C1−C4アルキル−OH、−OC1−C4ハロアルキル、ハロ、−OH、−NH2、−C1−C4アルキル−NH2、−N(C1−C4アルキル)(C1−C4アルキル)、−NH(C1−C4アルキル)、−N(C1−C4アルキル)(C1−C4アルキルフェニル)、−NH(C1−C4アルキルフェニル)、シアノ、ニトロ、オキソ(シクロアルキル又はヘテロシクロアルキルに対する置換基として)、−CO2H、−C(O)OC1−C4アルキル、−CON(C1−C4アルキル)(C1−C4アルキル)、−CONH(C1−C4アルキル)、CONH2、−NHC(O)(C1−C4アルキル)、−NHC(O)(フェニル)、−N(C1−C4アルキル)C(O)(C1−C4アルキル)、−N(C1−C4アルキル)C(O)(フェニル)、−C(O)C1−C4アルキル、−C(O)C1−C4フェニル、−C(O)C1−C4ハロアルキル、−OC(O)C1−C4アルキル、−SO2(C1−C4アルキル)、−SO2(フェニル)、−SO2(C1−C4ハロアルキル)、−SO2NH2、−SO2NH(C1−C4ハロアルキル)、−SO2NH(フェニル)、−NHSO2(C1−C4アルキル)、−NHSO2(フェニル)、及び−NHSO2(C1−C4ハロアルキル)から選択された1つ又は2つ以上、例えば1つ、2つ又は3つの置換基で置換されている。いつかの実施態様の場合、置換型アルコキシ基は、「ポリアルコキシ」又は−O−(任意に置換されたアルキレン)−(任意に置換されたアルコキシ)であり、そして−OCH2CH2OCH3、及びグリコールエーテルの残基、例えばポリエチレングリコール、及び−O(CH2CH2O)xCH3のような基を含み、xは整数2〜20,例えば2〜10、及び例えば2〜5である。別の置換型アルコキシ基は、ヒドロキシアルコキシ又は−OCH2(CH2yOHであり、yは整数1〜10、例えば1〜4である。
【0048】
「置換型アルコキシカルボニル」という用語は、基(置換型アルキル)−O−C(O)−を意味し、この基は、カルボニル官能基を介して親構造に結合されており、「置換型」のアルキルは:
−Ra、−ORb、−O(C1−C2アルキル)O−(例えばメチレンジオキシ−)、−SRb、グアニジン、グアニジン(グアニジン水素のうちの1つ又は2つ以上が、低級アルキル基、NRbc、ハロ、シアノ、ニトロ、−CORb、−CO2b、−CONRbc、−OCORb、−OCO2a、−OCONRbc、−NRcCORb、−NRcCO2a、−NRcCONRbc、−CO2b、−CONRbc、−NRcCORb、−SORa、−SO2a、−SO2NRbc、及び−NRcSO2aで置換されている)、
から独立して選択された置換基によって1つ又は2つ以上(例えば最大5つ、例えば最大3つ)の水素原子が置換されているアルキルを意味し、
aは、任意に置換されたC1−C6アルキル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたヘテロシクロアルキル、任意に置換されたアリール、及び任意に置換されたヘテロアリールから選択され;
bはH、任意に置換されたC1−C6アルキル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたヘテロシクロアルキル、任意に置換されたアリール、及び任意に置換されたヘテロアリールから選択され;そして
cは、水素、及び任意に置換されたC1−C4アルキルから選択され;又は
b及びRcは、これらが結合されている窒素と一緒に、任意に置換されたヘテロシクロアルキル基を形成し;
それぞれの任意に置換された基は置換されていないか、又は独立して、C1−C4アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール−C1−C4アルキル−、ヘテロアリール−C1−C4アルキル−、C1−C4ハロアルキル−、−OC1−C4アルキル、−OC1−C4アルキルフェニル、−C1−C4アルキル−OH、−OC1−C4ハロアルキル、ハロ、−OH、−NH2、−C1−C4アルキル−NH2、−N(C1−C4アルキル)(C1−C4アルキル)、−NH(C1−C4アルキル)、−N(C1−C4アルキル)(C1−C4アルキルフェニル)、−NH(C1−C4アルキルフェニル)、シアノ、ニトロ、オキソ(シクロアルキル又はヘテロシクロアルキルに対する置換基として)、−CO2H、−C(O)OC1−C4アルキル、−CON(C1−C4アルキル)(C1−C4アルキル)、−CONH(C1−C4アルキル)、CONH2、−NHC(O)(C1−C4アルキル)、−NHC(O)(フェニル)、−N(C1−C4アルキル)C(O)(C1−C4アルキル)、−N(C1−C4アルキル)C(O)(フェニル)、−C(O)C1−C4アルキル、−C(O)C1−C4フェニル、−C(O)C1−C4ハロアルキル、−OC(O)C1−C4アルキル、−SO2(C1−C4アルキル)、−SO2(フェニル)、−SO2(C1−C4ハロアルキル)、−SO2NH2、−SO2NH(C1−C4ハロアルキル)、−SO2NH(フェニル)、−NHSO2(C1−C4アルキル)、−NHSO2(フェニル)、及び−NHSO2(C1−C4ハロアルキル)から選択された1つ又は2つ以上、例えば1つ、2つ又は3つの置換基で置換されている。
【0049】
「置換型アミノ」という用語は、基−NHRd又は−NRddを意味し、ここで各Rdは独立してヒドロキシ、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたアシル、アミノカルボニル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたヘテロシクロアルキル、アルコキシカルボニル、スルフィニル及びスルホニルから選択され、但し唯1つのRdがヒドロキシルであってよいことを条件とし、そして「置換型」のアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、及びヘテロアリールはそれぞれ:
−Ra、−ORb、−O(C1−C2アルキル)O−(例えばメチレンジオキシ−)、−SRb、グアニジン、グアニジン(グアニジン水素のうちの1つ又は2つ以上が、低級アルキル基、NRbc、ハロ、シアノ、ニトロ、−CORb、−CO2b、−CONRbc、−OCORb、−OCO2a、−OCONRbc、−NRcCORb、−NRcCO2a、−NRcCONRbc、−CO2b、−CONRbc、−NRcCORb、−SORa、−SO2a、−SO2NRbc、及び−NRcSO2aで置換されている)、
から独立して選択された置換基によって1つ又は2つ以上(例えば最大5つ、例えば最大3つ)の水素原子が置換されているアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、及びヘテロアリールを意味し、
aは、任意に置換されたC1−C6アルキル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたヘテロシクロアルキル、任意に置換されたアリール、及び任意に置換されたヘテロアリールから選択され;
bはH、任意に置換されたC1−C6アルキル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたヘテロシクロアルキル、任意に置換されたアリール、及び任意に置換されたヘテロアリールから選択され;そして
cは、水素、及び任意に置換されたC1−C4アルキルから選択され;又は
b及びRcは、これらが結合されている窒素と一緒に、任意に置換されたヘテロシクロアルキル基を形成し;
それぞれの任意に置換された基は置換されていないか、又は独立して、C1−C4アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール−C1−C4アルキル−、ヘテロアリール−C1−C4アルキル−、C1−C4ハロアルキル−、−OC1−C4アルキル、−OC1−C4アルキルフェニル、−C1−C4アルキル−OH、−OC1−C4ハロアルキル、ハロ、−OH、−NH2、−C1−C4アルキル−NH2、−N(C1−C4アルキル)(C1−C4アルキル)、−NH(C1−C4アルキル)、−N(C1−C4アルキル)(C1−C4アルキルフェニル)、−NH(C1−C4アルキルフェニル)、シアノ、ニトロ、オキソ(シクロアルキル又はヘテロシクロアルキルに対する置換基として)、−CO2H、−C(O)OC1−C4アルキル、−CON(C1−C4アルキル)(C1−C4アルキル)、−CONH(C1−C4アルキル)、CONH2、−NHC(O)(C1−C4アルキル)、−NHC(O)(フェニル)、−N(C1−C4アルキル)C(O)(C1−C4アルキル)、−N(C1−C4アルキル)C(O)(フェニル)、−C(O)C1−C4アルキル、−C(O)C1−C4フェニル、−C(O)C1−C4ハロアルキル、−OC(O)C1−C4アルキル、−SO2(C1−C4アルキル)、−SO2(フェニル)、−SO2(C1−C4ハロアルキル)、−SO2NH2、−SO2NH(C1−C4ハロアルキル)、−SO2NH(フェニル)、−NHSO2(C1−C4アルキル)、−NHSO2(フェニル)、及び−NHSO2(C1−C4ハロアルキル)から選択された1つ又は2つ以上、例えば1つ、2つ又は3つの置換基で置換されている。
【0050】
「置換型アミノ」という用語はまた、それぞれ上記の基−NHRd又は−NRddのN−オキシドを意味する。N−オキシドは、対応アミノ酸を例えば過酸化水素又はm−クロロペルオキシ安息香酸で処理することにより調製することができる。N−酸化を実施するための反応条件は、当業者に知られている。
【0051】
式1化合物の一例としては、式1化合物の光学異性体、ラセミ化合物、及びこれらの混合物が挙げられる。これらの状況において、単一の鏡像異性体又はジアステレオマー、すなわち光学活性形態は、不斉合成によって、又はラセミ化合物の分解によって得ることができる。ラセミ化合物の分解は、例えばコンベンショナルな方法、例えば分解剤の存在における結晶化、又は例えばキラル高圧液体クロマトグラフィ(HPLC)カラムを使用したクロマトグラフィによって達成することができる。加えて、式1化合物は、炭素−炭素二重結合を有する化合物のZ型及びE型(又はcis及びtrans形)を含む。式1化合物は種々の互変異性形態で存在する場合、本発明の化学物質はまた、化合物の全ての互変異性形態を含む。式1化合物は多型体及びクラスレートを含む結晶形態を含む。
【0052】
本発明の化学物質の一例としては、式1の化合物及びこれらの全ての医薬的に許容される形態が挙げられる。本明細書中に挙げる化合物の医薬的に許容される形態は、医薬的に許容される塩、溶媒和物、キレート、非共有錯体、プロドラッグ、及びこれらの混合物を含む。或る特定の実施態様の場合、本明細書中に記載した化合物は、医薬的に許容される塩の形態を成す。従って「化学物質」もまた、医薬的に許容される塩、溶媒和物、キレート、非共有錯体、プロドラッグ、及びこれらの混合物を含む。
【0053】
「医薬的に許容される塩」の一例としては、無機酸を有する塩、例えば塩酸塩、リン酸塩、二リン酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、スルフィン酸塩、硝酸塩、及び同様の塩;並びに有機酸を有する塩、例えばリンゴ酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、2−ヒドロキシエチルスルホン酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、及びアルカン酸塩、例えば酢酸塩、HOOC−(CH2n−COOH(nは0〜4である)、及び同様の塩が挙げられる。同様に、医薬的に許容されるカチオンの一例としては、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アルミニウム、リチウム、及びアンモニウムが挙げられる。
【0054】
加えて、式1化合物が酸付加塩として得られる場合、酸塩の溶液を塩基性化することによって、遊離塩基を得ることができる。逆に、生成物が遊離塩基である場合、塩基化合物から酸付加塩を調製するためのコンベンショナルな手順に従って、遊離塩基を好適な有機溶媒中に溶解し、そして溶液を酸で処理することにより、付加塩、具体的には医薬的に許容される付加塩を生成することができる。非毒性の医薬的に許容される付加塩を調製するために使用され得る種々の合成法は、当業者には明らかである。
【0055】
上記のように、プロドラッグ、例えば式1化合物のエステル又はアミド誘導体も、化学物質の範囲に入る。「プロドラッグ」という用語は、患者に投与されたとき、例えばプロドラッグが代謝処理されると式1化合物になる任意の化合物を含む。プロドラッグの一例としては、酢酸塩、蟻酸塩、及び安息酸塩、並びに式1化合物中の官能基の同様の誘導体(例えばアルコール又はアミン基)が挙げられる。
【0056】
「溶媒和物」という用語は、溶媒と化合物との相互作用によって形成された化学物質を意味する。好適な溶媒和物は、医薬的に許容される溶媒和物、例えば一水和物及び半水和物を含む水和物である。
【0057】
「キレート」という用語は、2つ(又は3つ以上)の点で金属イオンに化合物を配位することによって形成された化学物質を意味する。
【0058】
「非共有結合複合体」は、化合物と別の分子との相互作用によって形成された化学物質であって、化合物と分子との間に共有結合が形成されていないものを意味する。例えば、ファンデルワールス相互作用、水素結合、及び静電相互作用(イオン結合とも呼ばれる)を介して錯体形成が発生し得る。
【0059】
「水素結合」という用語は、電気陰性原子(水素結合受容体としても知られる)と、第2の相対的に電気陰性の原子(水素結合供与体としても知られる)に結合された水素原子との会合形態を意味する。好適な水素結合供与体及び受容体は、医薬化学において十分に理解されている(G. C. Pimentel 及びA. L. McClellan, The Hydrogen Bond, Freeman, San Francisco, 1960; R. Taylor 及びO. Kennard, “Hydrogen Bond Geometry in Organic Crystals”, Accounts of Chemical Research, 17, pp. 320-326 (1984))。
【0060】
本明細書中に使用される「基」、「ラジカル」又は「断片」は同義であり、分子の結合部又は他の断片に結合可能な分子の官能基又は断片を示すものとする。
【0061】
「活性物質」という用語は、生物学的活性を有する化学物質を示すために使用される。或る実施態様において、「活性物質」は、医薬的有用性を有する化合物である。例えば活性物質は抗癌治療薬であってよい。
【0062】
本発明の化学物質の「治療的に有効な量」という用語は、ヒト又はヒト以外の患者に投与したときに、治療上の利益、例えば症状の改善、疾患進行の減速、又は疾患の予防を可能にするのに効果的な量を意味し、例えば治療的に有効な量は、Btk活性の阻害に応答する疾患の症状を低減するのに十分の量であってよい。いくつかの実施態様の場合、治療的に有効な量は、癌の症状、アレルギー性疾患の症状、自己免疫及び/又は炎症性疾患の症状、又は急性炎症反応の症状を低減するのに十分な量である。いくつかの実施態様の場合、治療的に有効な量は、生物中の検出可能な癌性細胞を減少させ、癌腫瘍の成長を検出可能に遅くするか又は停止するのに十分な量である。いくつかの実施態様の場合、治療的に有効な量は、癌性細胞を収縮するのに十分な量である。或る環境において、癌患者は、影響が及ぼされることになる症状を示さないことがある。いくつかの実施態様の場合、化学物質の治療的に有効な量は、患者の血液、血清、又は組織中の癌細胞又は癌マーカーの検出可能なレベルの有意な上昇を防止するか、又はこのレベルを有意に低下させるのに十分な量である。アレルギー性疾患、及び/又は自己免疫疾患、及び/又は炎症性疾患、及び/又は急性炎症反応を治療するための、本明細書中に記載した方法において、治療的に有効な量は、患者に投与したときに、疾患の進行を検出可能に遅くし、又は化学物質が与えられる患者が、アレルギー性疾患、及び/又は自己免疫疾患、及び/又は炎症性疾患、及び/又は急性炎症反応の症状を示すのを予防するのに十分な量であってもよい。アレルギー性疾患、及び/又は自己免疫疾患、及び/又は炎症性疾患、及び/又は急性炎症反応を治療するための、本明細書中に記載した方法において、治療的に有効な量は、患者の血液又は血清中のマーカータンパク質又は細胞タイプの量を検出可能に減少させるのに十分な量であってもよい。例えば、いくつかの実施態様の場合、治療的に有効な量は、B細胞の活性を有意に低下させるのに十分な、本明細書中に記載された化学物質の量である。別の例の場合、いくつか実施態様において、治療的に有効な量は、B細胞の数を有意に低下させるのに十分な、本明細書中に記載された化学物質の量である。別の例の場合、いくつか実施態様において、治療的に有効な量は、重症筋無力症の患者の血液中の抗アセチルコリン受容体抗体のレベルを低下させるのに十分な、本明細書中に記載された化学物質の量である。
【0063】
「阻害」という用語は、生物学的活性又はプロセスのベースライン活性の有意な減少を示す。「Btk活性の阻害」は、本明細書中に記載された少なくとも1種の化学物質の不存在におけるBtkの活性と比較した場合の、この少なくとも1種の化学物質の存在に対する直接的又は間接的な応答としてのBtk活性の減少を意味する。活性の減少は、化合物とBtkとの直接的な相互作用に起因するか、或いは、本明細書中に記載された化学物質と、Btk活性に影響を与える1又は複数の他の因子との相互作用に起因するものであってよい。例えば、化学物質の存在は、Btkに直接的に結合することによって、又は(直接的又は間接的に)別の因子にBtk活性を減少させることによって、又は(直接的又は間接的に)細胞又は生物内に存在するBtkの量を減少させることによって、Btk活性を減少させることができる。
【0064】
Btk活性の阻害はまた、Btk活性に対する標準生化学アッセイ、下記ATP加水分解アッセイにおけるBtk活性の観察可能な阻害をも意味する。いくつかの実施態様の場合、本明細書中に記載された化学物質のIC50値は、1マイクロモル以下である。いくつかの実施態様の場合、化学物質のIC50値は、100ナノモル以下である。いくつかの実施態様の場合、化学物質のIC50値は、10ナノモル以下である。
【0065】
「B細胞活性の阻害」は、本明細書中に記載された少なくとも1種の化学物質の不存在におけるB細胞の活性と比較した場合の、この少なくとも1種の化学物質の存在に対する直接的又は間接的な応答としてのB細胞活性の減少を意味する。活性の減少は、化合物とBtkとの直接的な相互作用、又はB細胞活性に影響を与える1又は複数の他の因子との直接的な相互作用に起因するものであってよい。
【0066】
B細胞活性の阻害はまた、標準的なアッセイ、例えば下記アッセイにおけるCD86発現の観察可能な阻害をも意味する。いくつかの実施態様の場合、本明細書中に記載された化学物質のIC50値は、10マイクロモル以下である。いくつかの実施態様の場合、化学物質のIC50値は、1マイクロモル以下である。いくつかの実施態様の場合、化学物質のIC50値は、500ナノモル以下である。
【0067】
「B細胞活性」はまた、1種又は2種以上の種々のB細胞膜受容体、又は膜結合免疫グロブリン、例えばIgM、IgG、及びIgDの活性、再分配、再編成、又はキャピングを含む。大抵のB細胞はまた、抗原抗体複合体又は凝集IgGの形態を成す、IgGのFc部分に対する膜受容体を有する。B細胞はまた、補体の活性化成分に対する膜受容体、例えばC3b、C3d、C4、及びClqを担持する。これらの種々の膜受容体及び膜結合免疫グロブリンは、膜可動性を有しており、シグナル伝達を開始することができる再分配及びキャッピングを施されることが可能である。
【0068】
B細胞活性はまた、抗体又は免疫グロブリンの合成又は生成を含む。免疫グロブリンは、B細胞系によって合成され、共通の構造特徴及び構造ユニットを有している。5つの免疫グロブリン・クラス、すなわちIgG、IgA、IgM、IgD、及びIgEが、ポリペプチド鎖のアミノ酸の配列及び長さを含む重鎖の構造的な相違に基づいて認識されている。所与の抗原に対する抗体は、全て又はいくつかの免疫グロブリン・クラスにおいて検出することができ、又は免疫グロブリンの単一クラス又はサブクラスに制限されることもある。自己抗体又は自己免疫抗体も同様に、1つ又はいくつかの免疫グロブリン・クラスに属することができる。例えばリウマチ因子(IgGに対する抗体)は、IgM免疫グロブリンとして非常にしばしば認識されるが、しかしこれらはIgG又はIgAから成ることも可能である。
【0069】
加えて、B細胞活性はまた、前駆体Bリンパ球からのB細胞のクローン性増加(増殖)、並びに、抗原結合及び他の細胞からのサイトカイン・シグナルと併せて行われる、抗体合成血漿細胞への分化に繋がる一連の事象をも含むものとする。
【0070】
「B細胞増殖の阻害」は、異常B細胞、例えば癌性B細胞(例えばリンパ腫B細胞)の増殖の阻害、及び/又は正常の非病変B細胞の阻害を意味する。「B細胞増殖の阻害」という用語は、in vitro又はin vivoでB細胞数を有意に減少させることを示す。従って、in vitroにおけるB細胞増殖の阻害は、本明細書中に記載した少なくとも1種の化学物質と接触していない適合試料と比較した場合の、このような化学物質と接触させられたin vitro試料中のB細胞数の有意な減少となる。
【0071】
B細胞活性の阻害はまた、B細胞増殖に対する標準的なチミジン取り込みアッセイ、例えば本明細書中に記載したアッセイにおけるB細胞増殖の観察可能な阻害をも意味する。いくつかの実施態様の場合、化学物質のIC50値は、10マイクロモル以下である。いくつかの実施態様の場合、化学物質のIC50値は、1マイクロモル以下である。いくつかの実施態様の場合、化学物質のIC50値は、500ナノモル以下である。
【0072】
「アレルギー」又は「アレルギー性疾患」は、物質(アレルゲン)に対する獲得過敏症を意味する。アレルギー状態は、湿疹、アレルギー性鼻炎又はコリーザ、花粉症、気管支喘息、じんましん、及び食物アレルギー、及び他のアトピー状態を含む。
【0073】
「喘息」は、炎症、気道の狭窄、及び吸入薬に対する気道の反応度の増大によって特徴付けられる呼吸器系の障害を意味する。喘息は、専らというわけではないがしばしば、アトピー又はアレルギー症状を伴う。
【0074】
「有意」とは、統計学的有意性の標準的なパラメータ試験、例えばスチューデントT試験において統計学的に有意である、任意の検出可能な変化を意味する(p<0.05)。
【0075】
「Btk活性の阻害に対して応答する疾患」は、Btkキナーゼの阻害が、治療上の利益、例えば症状の改善、疾患進行の減速、又は疾患開始の予防又は遅延、又は或る細胞タイプ(単球、B細胞、及びマスト細胞)の異常活性の阻害を可能にする疾患である。
【0076】
「治療」は:
a) 疾患の予防、すなわち疾患の臨床症状が発生しないようにすること
b) 疾患の阻害;
c) 臨床症状の発生の減速又は阻止;及び/又は
d) 疾患の緩和、すなわち、臨床症状の退行
を含む、患者における疾患の任意の治療を意味する。
【0077】
患者は、治療、観察、又は検査の対象となっている、又は対象となるであろう動物、例えば哺乳動物を意味する。本発明の方法は、ヒトの治療及び獣医用途の両方において有用であり得る。いくつかの実施態様の場合、患者は哺乳動物であり、いくつかの実施態様の場合、患者はヒトであり;そしていくつかの実施態様の場合、患者は猫及び犬から選択される。
【0078】
式1:
【化2】

の化合物、並びにその医薬的に許容される塩、溶媒和物、キレート、非共有結合複合体、プロドラッグ、及び混合物から選択された少なくとも1種の化学物質であって、上記式中
Rは、任意に置換されたアリール及び任意に置換されたヘテロアリールから選択され;
4は、水素、任意に置換された低級アルキル、任意に置換された低級アルコキシ、ハロ、及びヒドロキシから選択され;
21及びR22は独立して、水素、及び任意に置換された低級アルキルから選択され;
16は、水素、シアノ、任意に置換されたシクロアルキル、及び任意に置換された低級アルキルから選択され;
Aは、任意に置換された5員ヘテロアリール、任意に置換されたピリダジニル;任意に置換されたピリミジニル;及び任意に置換されたピラジニルから選択され;
Lは、任意に置換されたC0−C4アルキレン、−O−任意に置換されたC0−C4アルキレン、−(C0−C4アルキレン)(SO)−、−(C0−C4アルキレン)(SO2)−;及び−(C0−C4アルキレン)(C=O)−であり;そして
Gは、水素、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、ニトロ、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアミノ、任意に置換されたカルバミミドイル、任意に置換されたヘテロシクロアルキル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたアリール、及び任意に置換されたヘテロアリールから選択される、
式1の化合物、並びにその医薬的に許容される塩、溶媒和物、キレート、非共有結合複合体、プロドラッグ、及び混合物から選択された少なくとも1種の化学物質が提供される。
【0079】
或る実施態様において、Rは、4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン−2−イルと、一置換、二置換及び三置換型の4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン−2−イルから選択された置換型4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン−2−イルとから選択され、該置換基は独立して、ヒドロキシ、低級アルキル、スルホニル、ハロ、低級アルコキシ、及びヘテロアリールから選択される。
【0080】
或る実施態様において、Rは、4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン−2−イルと、一置換、二置換及び三置換型の4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン−2−イルから選択された置換型4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン−2−イルとから選択され、該置換基は低級アルキルである。
【0081】
或る実施態様において、Rは、4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン−2−イルから選択される。
【0082】
或る実施態様において、Rは、5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−シクロヘプタ[b]チオフェン−2−イルと、一置換、二置換及び三置換型の5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−シクロヘプタ[b]チオフェン−2−イルから選択された置換型5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−シクロヘプタ[b]チオフェン−2−イルとから選択され、該置換基は独立して低級アルキルから選択される。
【0083】
或る実施態様において、Rは、5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−シクロヘプタ[b]チオフェン−2−イルから選択される。
【0084】
或る実施態様において、Rは、6,7−ジヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピラン−2−イル及びベンゾ[b]チオフェン−2−イルから選択される。
【0085】
或る実施態様において、Rは、一置換、二置換及び三置換型のフェニルから選択された置換型のフェニルであり、該置換基は独立して、ヒドロキシ、低級アルキル、スルファニル、スルホニル、ニトロ、任意に置換されたアミノ、低級アルコキシ、1又は複数のハロで置換された低級アルキル、1又は複数のハロで置換された低級アルコキシ、ヒドロキシで置換された低級アルキル、低級アルコキシで置換された低級アルキル、及びヘテロアリールから選択される。
【0086】
或る実施態様において、Rは、ヘテロシクロアルキルで置換されたフェニルである(例えばピペリジン−1−イル)。
【0087】
或る実施態様において、Rは、一置換、二置換及び三置換型のフェニルから選択された置換型のフェニルであり、該置換基は独立して、ヒドロキシ、低級アルキル、スルホニル、ハロ、低級アルコキシ、及びヘテロアリールから選択される。
【0088】
或る実施態様において、Rは4−低級アルキル−フェニルである。或る実施態様において、Rは4−tert−アルキル−フェニルである。
【0089】
或る実施態様において、Rは、一置換、二置換及び三置換型のピリジニルから選択された置換型のピリジニルであり、該置換基は独立して、ヒドロキシ、低級アルキル、スルファニル、スルホニル、任意に置換されたアミノ、低級アルコキシ、1又は複数のハロで置換された低級アルキル、1又は複数のハロで置換された低級アルコキシ、ヒドロキシで置換された低級アルキル、低級アルコキシで置換された低級アルキル、及びヘテロアリールから選択される。
【0090】
或る実施態様において、Rは6−低級アルキル−ピリジニルである。或る実施態様において、Rは6−tert−アルキル−ピリジニルである。
【0091】
或る実施態様において、Lは、任意に置換されたC0−C4アルキレン、−O−任意に置換されたC0−C4アルキレン、−(C0−C4アルキレン)(SO2)−;及び−(C0−C4アルキレン)(C=O)−から選択される。
【0092】
或る実施態様において、Lは、任意に置換されたC0−C4アルキレン、及び−(C0−C4アルキレン)(C=O)−から選択される。
【0093】
或る実施態様において、Lは共有結合である。或る実施態様において、Lは−(C=O)−である。
【0094】
或る実施態様において、Gは、水素、任意に置換されたシクロアルキル、及び任意に置換されたアルキルから選択される。或る実施態様において、Gは、水素、任意に置換されたシクロアルキル、及び任意に置換された低級アルキルから選択される。或る実施態様において、Gは、水素、シクロアルキル、及び低級アルキルから選択される。或る実施態様において、Gは、水素、シクロアルキル、メチル、及びtert−ブチルから選択される。
【0095】
或る実施態様において、Gは、−NR78(R7及びR8は独立して、水素、任意に置換されたシクロアルキル、及び任意に置換された(C1−C6)アルキルから選択されるか;或いはR7及びR8は、これらが結合されている窒素と一緒に、任意に置換された5〜7員窒素含有ヘテロシクロアルキルを形成し、該ヘテロシクロアルキルは任意にはさらにN、O、及びSから選択された1つ又は2つの付加的なヘテロ原子を含む);並びに、低級アルコキシ、及び1又は複数のヒドロキシルで置換された低級アルコキシから選択される。
【0096】
或る実施態様において、Gは、
−NR78(R7及びR8は独立して、水素、任意に置換されたシクロアルキル、及び任意に置換された(C1−C6)アルキルから選択される);
任意に置換されたピペラジン−1−イル;
任意に置換されたピペリジン−1−イル;
任意に置換されたピロリジニル;及び
1又は複数のヒドロキシルで置換された低級アルコキシ
から選択される。
【0097】
或る実施態様において、Gは、
−NH−シクロプロピル;
−NR78(R7及びR8は独立して、水素、及び、OH、(C1−C4)アルコキシ、アミノ、NH(C1−C4アルキル)及びN(C1−C4アルキル)2から選択された1又は複数の置換基で任意に置換された(C1−C6)アルキルから選択される);及び
−OCH2CH2OH
から選択される。
【0098】
或る実施態様において、Gは、
モルホリン−4−イル;
4−低級アルキル−ピペラジン−1−イル;
4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル;
4−低級アルキル−ピペラジン−1−イル(前記アルキルは、CN、OH、及びSO2−低級アルキルから選択された1又は複数の置換基で置換されている);
4−低級アルキル−ピペリジン−1−イル(前記アルキルは、OHで置換されている);
4−ヒドロキシ−4−低級アルキル−ピペリジン−1−イル;
3−カルボキサミド−ピペリジン−1−イル;
4−モルホリノ−ピペリジン−1−イル;
ピロリジン−1−イル;
3−ヒドロキシ−3−低級アルキル−ピロリジン−1−イル;及び
ピロリジン−2−イル
から選択される。
【0099】
或る実施態様において、Gは、
モルホリン−4−イル;
4−メチル−ピペラジン−1−イル;
4−エチル−ピペラジン−1−イル;
4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル;
4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル;
4−HOCH2CH2−ピペラジン−1−イル;
4−NCCH2CH2−ピペラジン−1−イル;
4−SO2(Me)CH2CH2−ピペラジン−1−イル;
4−HOCH2−ピペリジン−1−イル;
4−ヒドロキシ−4−メチル−ピペリジン−1−イル;
3−カルボキサミド−ピペリジン−1−イル;
4−モルホリノ−ピペリジン−1−イル;
ピロリジン−1−イル;
3−ヒドロキシ−3−メチル−ピロリジン−1−イル;及び
ピロリジン−2−イル
から選択される。
【0100】
或る実施態様において、R4は、水素、任意に置換された低級アルキル、任意に置換された低級アルコキシ、シアノ、ハロ、及びヒドロキシから選択される。或る実施態様において、R4は、水素、任意に置換された低級アルキル、任意に置換された低級アルコキシ、ハロ、及びヒドロキシから選択される。或る実施態様において、R4は、メチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、メトキシ、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、及びフルオロから選択される。或る実施態様において、R4はメチルである。
【0101】
或る実施態様において、R22は水素及び低級アルキルから選択される。或る実施態様において、R22は水素及びメチルから選択される。或る実施態様において、R22は水素である。
【0102】
或る実施態様において、R16は、水素、低級アルキル、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたアミノ、及び、任意に置換されたアシルから選択された基で置換された低級アルキルから選択される。
【0103】
或る実施態様において、R16は、水素及び低級アルキルから選択される。或る実施態様において、R16は、水素、メチル及びエチルから選択される。或る実施態様において、R16は、メチル及びエチルから選択される。或る実施態様において、R16はメチルである。
【0104】
或る実施態様において、R21は、水素及び低級アルキルから選択される。或る実施態様において、R21は、水素及びメチルから選択される。或る実施態様において、R21は水素である。
【0105】
式2:
【化3】

の化合物、並びにその医薬的に許容される塩、溶媒和物、キレート、非共有結合複合体、プロドラッグ、及び混合物から選択された少なくとも1種の化学物質であって、上記式中、R4、R16、R22、R21、A、L及びGは、式1の化合物に関して記載された通り、或いは、前記実施態様のうちのいずれか1つにおいて定義された通りであり、そして
5は、水素、ヒドロキシ、低級アルキル、スルホニル、任意に置換されたアミノ、低級アルコキシ、1又は複数のハロで置換された低級アルキル、1又は複数のハロで置換された低級アルコキシ、ヒドロキシで置換された低級アルキル、任意に置換されたヘテロシクロアルキル、及び任意に置換されたヘテロアリールから選択され;そして
Xは、N及びCHから選択される、
式2の化合物、並びにその医薬的に許容される塩、溶媒和物、キレート、非共有結合複合体、プロドラッグ、及び混合物から選択された少なくとも1種の化学物質も提供される。
【0106】
或る実施態様において、XはCHである。
【0107】
或る実施態様において、XはNである。
【0108】
或る実施態様において、R5は、水素、任意に置換されたピペリジニル、及び低級アルキルから選択される。或る実施態様において、R5は、水素、任意に置換されたピペリジニル、イソ−プロピル、及びtert−ブチルから選択される。或る実施態様において、R5はtert−ブチルである。
【0109】
式3:
【化4】

の化合物、並びにその医薬的に許容される塩、溶媒和物、キレート、非共有結合複合体、プロドラッグ、及び混合物から選択された少なくとも1種の化学物質であって、上記式中、R4、R16、R22、R21、L及びGは、式1の化合物に関して記載された通り、或いは、前記実施態様のうちのいずれか1つにおいて定義された通りであり、X及びR5は、式2の化合物に関して記載された通り、或いは、前記実施態様のうちのいずれか1つにおいて定義された通りであり、そして
1、Y2、及びY3は独立してN及びCHから選択され、但し、Y1、Y2、及びY3のうちの1つがNである
式3の化合物、並びにその医薬的に許容される塩、溶媒和物、キレート、非共有結合複合体、プロドラッグ、及び混合物から選択された少なくとも1種の化学物質も提供される。
【0110】
或る実施態様において、Y1はNであり、そしてY2及びY3はCHである。或る実施態様において、Y2はNであり、そしてY1及びY3はCHである。或る実施態様において、Y3はNであり、そしてY2及びY1はCHである。
【0111】
式4:
【化5】

の化合物、並びにその医薬的に許容される塩、溶媒和物、キレート、非共有結合複合体、プロドラッグ、及び混合物から選択された少なくとも1種の化学物質であって、上記式中、R4、R16、R22、R21、L及びGは、式1の化合物に関して記載された通り、或いは、前記実施態様のうちのいずれか1つにおいて定義された通りであり、X及びR5は、式2の化合物に関して記載された通り、或いは、前記実施態様のうちのいずれか1つにおいて定義された通りであり、そしてY1、Y2、及びY3は、式3の化合物に関して記載された通り、或いは、前記実施態様のうちのいずれか1つにおいて定義された通りである
式4の化合物、並びにその医薬的に許容される塩、溶媒和物、キレート、非共有結合複合体、プロドラッグ、及び混合物から選択された少なくとも1種の化学物質も提供される。
【0112】
式5:
【化6】

の化合物、並びにその医薬的に許容される塩、溶媒和物、キレート、非共有結合複合体、プロドラッグ、及び混合物から選択された少なくとも1種の化学物質であって、上記式中、R4、R16、R22、R21、L及びGは、式1の化合物に関して記載された通り、或いは、前記実施態様のうちのいずれか1つにおいて定義された通りであり、X及びR5は、式2の化合物に関して記載された通り、或いは、前記実施態様のうちのいずれか1つにおいて定義された通りであり、そして
1はO、S、及びNR10から選択され、そして
10は、水素、及び任意に置換された低級アルキルから選択される、
式5の化合物、並びにその医薬的に許容される塩、溶媒和物、キレート、非共有結合複合体、プロドラッグ、及び混合物から選択された少なくとも1種の化学物質も提供される。
【0113】
或る実施態様において、Z1はOである。或る実施態様において、Z1はSである。或る実施態様において、Z1はNR10である。或る実施態様において、R10は、水素及び低級アルキルから選択される。或る実施態様において、R10は、水素及びメチルから選択される。
【0114】
式6:
【化7】

の化合物、並びにその医薬的に許容される塩、溶媒和物、キレート、非共有結合複合体、プロドラッグ、及び混合物から選択された少なくとも1種の化学物質であって、上記式中、R4、R16、R22、R21、L及びGは、式1の化合物に関して記載された通り、或いは、前記実施態様のうちのいずれか1つにおいて定義された通りであり、X及びR5は、式2の化合物に関して記載された通り、或いは、前記実施態様のうちのいずれか1つにおいて定義された通りであり、そしてZ1は、式5の化合物に関して記載された通り、或いは、前記実施態様のうちのいずれか1つにおいて定義された通りである、
式6の化合物、並びにその医薬的に許容される塩、溶媒和物、キレート、非共有結合複合体、プロドラッグ、及び混合物から選択された少なくとも1種の化学物質も提供される。
【0115】
式7:
【化8】

の化合物、並びにその医薬的に許容される塩、溶媒和物、キレート、非共有結合複合体、プロドラッグ、及び混合物から選択された少なくとも1種の化学物質であって、上記式中、R4、R16、R22、R21、L及びGは、式1の化合物に関して記載された通り、或いは、前記実施態様のうちのいずれか1つにおいて定義された通りであり、X及びR5は、式2の化合物に関して記載された通り、或いは、前記実施態様のうちのいずれか1つにおいて定義された通りであり、そして
2はO、S、及びNR11から選択され;そして
11は、水素、及び任意に置換された低級アルキルから選択される、
式7の化合物、並びにその医薬的に許容される塩、溶媒和物、キレート、非共有結合複合体、プロドラッグ、及び混合物から選択された少なくとも1種の化学物質も提供される。
【0116】
或る実施態様において、Z2はOである。或る実施態様において、Z2はSである。或る実施態様において、Z2はNR11である。或る実施態様において、R11は、水素及び低級アルキルから選択される。或る実施態様において、R11は、水素及びメチルから選択される。
【0117】
式8:
【化9】

の化合物、並びにその医薬的に許容される塩、溶媒和物、キレート、非共有結合複合体、プロドラッグ、及び混合物から選択された少なくとも1種の化学物質であって、上記式中、R4、R16、R22、R21、L及びGは、式1の化合物に関して記載された通り、或いは、前記実施態様のうちのいずれか1つにおいて定義された通りであり、X及びR5は、式2の化合物に関して記載された通り、或いは、前記実施態様のうちのいずれか1つにおいて定義された通りであり、そしてZ2は、式7の化合物に関して記載された通り、或いは、前記実施態様のうちのいずれか1つにおいて定義された通りである、
式8の化合物、並びにその医薬的に許容される塩、溶媒和物、キレート、非共有結合複合体、プロドラッグ、及び混合物から選択された少なくとも1種の化学物質も提供される。
【0118】
或る実施態様において、式1の化合物は、
4−tert−ブチル−N−{2−メチル−3−[1−メチル−6−オキソ−5−(チアゾル−2−イルアミノ)−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル]−フェニル}−ベンズアミド;
4−tert−ブチル−N−{2−メチル−3−[1−メチル−5−(オキサゾル−2−イルアミノ)−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル]−フェニル}−ベンズアミド;
4−tert−ブチル−N−{2−メチル−3−[1−メチル−5−(5−メチル−チアゾル−2−イルアミノ)−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル]−フェニル}−ベンズアミド;
4−tert−ブチル−N−{2−メチル−3−[1−メチル−5−(5−メチル−1H−ピラゾル−3−イルアミノ)−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル]−フェニル}−ベンズアミド;
4−tert−ブチル−N−{3−[5−(5−シクロプロピル−1H−ピラゾル−3−イルアミノ)−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル]−2−メチル−フェニル}−ベンズアミド;
4−tert−ブチル−N−{2−メチル−3−[1−メチル−5−(5−メチル−イソチアゾル−3−イルアミノ)−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル]−フェニル}−ベンズアミド;
4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸{3−[5−(5−シクロプロピル−1H−ピラゾル−3−イルアミノ)−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル]−2−メチル−フェニル}−アミド
4−tert−ブチル−N−{2−メチル−3−[1−メチル−5−(5−メチル−イソチアゾル−3−イルアミノ)−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル]−フェニル}−ベンズアミド;
4−tert−ブチル−N−{2−メチル−3−[1−メチル−6−オキソ−5−(ピリダジン−3−イルアミノ)−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル]−フェニル}−ベンズアミド;
4−tert−ブチル−N−{3−[5−(1,5−ジメチル−1H−ピラゾル−3−イルアミノ)−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル]−2−メチル−フェニル}−ベンズアミド;
4−tert−ブチル−N−{2−メチル−3−[1−メチル−6−オキソ−5−(ピリミジン−4−イルアミノ)−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル]−フェニル}−ベンズアミド;
4−tert−ブチル−N−{3−[5−(5−tert−ブチル−1H−ピラゾル−3−イルアミノ)−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル]−2−メチル−フェニル}−ベンズアミド;
4−tert−ブチル−N−{2−メチル−3−[1−メチル−6−オキソ−5−(ピラジン−2−イルアミノ)−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル]−フェニル}−ベンズアミド;
4−tert−ブチル−N−(2−メチル−3−(1−メチル−5−(6−モルホリノピリダジン−3−イルアミノ)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)フェニル)ベンズアミド;
N−(2−メチル−3−(1−メチル−5−(6−モルホリノピリダジン−3−イルアミノ)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)フェニル)−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン−2−カルボキサミド;
4−tert−ブチル−N−(2−メチル−3−(1−メチル−5−(6−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピリダジン−3−イルアミノ)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)フェニル)ベンズアミド;
N−(2−メチル−3−(1−メチル−5−(6−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピリダジン−3−イルアミノ)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)フェニル)−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン−2−カルボキサミド;
4−tert−ブチル−N−(3−(5−(6−(ジメチルアミノ)ピリダジン−3−イルアミノ)−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)−2−メチルフェニル)ベンズアミド;
N−(2−メチル−3−(1−メチル−6−オキソ−5−(ピリミジン−4−イルアミノ)−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)フェニル)−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン−2−カルボキサミド;
4−tert−ブチル−N−(2−メチル−3−(5−(6−モルホリノピリダジン−3−イルアミノ)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)フェニル)ベンズアミド;
4−tert−ブチル−N−(2−メチル−3−(5−(6−(4−メチルピペリジン−1−イル)ピリダジン−3−イルアミノ)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)フェニル)ベンズアミド;
4−tert−ブチル−N−(2−メチル−3−(1−メチル−5−(5−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロチアゾロ[5,4−c]ピリジン−2−イルアミノ)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)フェニル)ベンズアミド;
N−(2−メチル−3−(1−メチル−5−(2−(2−モルホリノ−2−オキソエチル)チアゾル−4−イルアミノ)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)フェニル)−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン−2−カルボキサミド;
4−tert−ブチル−N−(3−(5−(5−(4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボニル)チアゾル−2−イルアミノ)−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)−2−メチルフェニル)ベンズアミド;
4−tert−ブチル−N−(3−(5−(1−イソプロピル−5−(モルホリン−4−カルボニル)−1H−ピロル−3−イルアミノ)−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)−2−メチルフェニル)ベンズアミド;
1−(1−メチル−3−(1−メチル−5−(2−メチル−3−(4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン−2−カルボキサミド)フェニル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イルアミノ)−1H−ピラゾール−5−カルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミド;
4−tert−ブチル−N−(3−(5−(5−(4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボニル)−1−メチル−1H−ピラゾル−3−イルアミノ)−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)−2−メチルフェニル)ベンズアミド;
4−tert−ブチル−N−(3−(5−(6−(4−イソプロピルピペラジン−1−イル)ピリダジン−3−イルアミノ)−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)−2−メチルフェニル)ベンズアミド;
4−tert−ブチル−N−(3−(5−(6−(4−エチルピペリジン−1−イル)ピリダジン−3−イルアミノ)−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)−2−メチルフェニル)ベンズアミド;
N−(3−(5−(6−(4−イソプロピルピペラジン−1−イル)ピリダジン−3−イルアミノ)−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)−2−メチルフェニル)−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン−2−カルボキサミド;
4−tert−ブチル−N−(3−{5−[5−(3−ヒドロキシ−3−メチル−ピペリジン−1−カルボニル)−チアゾル−2−イルアミノ]−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル}−2−メチルフェニル)ベンズアミド;
2−{5−[3−(4−tert−ブチル−ベンゾイルアミノ)−2−メチル−フェニル]−1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イルアミノ}−チアゾール−5−カルボン酸メチルアミド;
4−tert−ブチル−N−(2−メチル−3−{1−メチル−5−[1−メチル−5−(モルホリン−4−カルボニル)−1H−ピラゾル−3−イルアミノ]−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル}−フェニル)ベンズアミド;
4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸{3−[5−(5−アミノ−1−メチル−1H−ピラゾル−3−イルアミノ)−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル]−2−メチル−フェニル}−アミド;
4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸{3−[5−(5−アミノ−1−メチル−1H−ピラゾル−3−イルアミノ)−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル]−2−メチル−フェニル}−アミド;
4−tert−ブチル−N−{3−[5−(6,7−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[5,1−c][1,4]オキサジン−2−イルアミノ)−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル]−2−メチル−フェニル}−ベンズアミド;
4−tert−ブチル−N−{2−メチル−3−[1−メチル−6−オキソ−5−(5−ピロリジン−2−イル−1H−ピラゾル−3−イルアミノ)−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル]−フェニル)ベンズアミド;
4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(3−{5−[6−(4−エチル−ピペラジン−1−イル)−ピリダジン−3−イルアミノ]−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル}−2−メチル−フェニル)−アミド;
4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸[3−(5−{6−[4−(2−ヒドロキシ−エチル)−ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−イルアミノ}−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−2−メチル−フェニル]−アミド;
4−tert−ブチル−N−[3−(5−{6−[4−(2−ヒドロキシ−エチル)−ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−イルアミノ}−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−2−メチル−フェニル]−ベンズアミド;
4−tert−ブチル−N−{3−[5−(6−ジエチルアミノ−ピリダジン−3−イルアミノ)−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル]−2−メチル−フェニル}−ベンズアミド;
4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸{3−[5−(6−ジエチルアミノ−ピリダジン−3−イルアミノ)−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル]−2−メチル−フェニル}−アミド;
N−(3−(5−(6−(4−イソプロピルピペラジン−1−イル)ピリダジン−3−イルアミノ)−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)−2−メチルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−シクロヘプタ[b]チオフェン−2−カルボキサミド;
5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−シクロヘプタ[b]チオフェン−2−カルボン酸(3−{5−[6−(4−エチル−ピペラジン−1−イル)−ピリダジン−3−イルアミノ]−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル}−2−メチル−フェニル)−アミド;
4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸{2−メチル−3−[1−メチル−5−(6−モルホリン−4−イルメチル−ピリダジン−3−イルアミノ)−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル]−フェニル}−アミド;
N−(3−(5−(6−(4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル)ピリダジン−3−イルアミノ)−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)−2−メチルフェニル]−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−シクロヘプタ[b]チオフェン−2−カルボキサミド;
4−tert−ブチル−N−{2−メチル−3−[1−メチル−5−(6−モルホリン−4−イルメチル−ピリダジン−3−イルアミノ)−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル]−フェニル}−ベンズアミド;
4−tert−ブチル−N−(2−メチル−3−(1−メチル−5−(6−((4−メチルピペラジン−1−イル)メチル)ピリダジン−3−イルアミノ)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)フェニル)ベンズアミド;
4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸[3−(5−{6−[(イソプロピル−メチル−アミノ)−メチル]−ピリダジン−3−イルアミノ}−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−2−メチル−フェニル]−アミド;
4−tert−ブチル−N−[3−(5−{6−[(イソプロピル−メチル−アミノ)−メチル]−ピリダジン−3−イルアミノ}−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−2−メチル−フェニル]−ベンズアミド;
5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−シクロヘプタ[b]チオフェン−2−カルボン酸[3−(5−{6−[4−(2−ヒドロキシ−エチル)−ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−イルアミノ}−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−2−メチル−フェニル]−アミド;
4−tert−ブチル−N−(3−{5−[6−(4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル)−ピリダジン−3−イルアミノ]−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル}−2−メチル−フェニル)−ベンズアミド;
4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(3−{5−[6−(4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル)−ピリダジン−3−イルアミノ]−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル}−2−メチル−フェニル)−アミド;
5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−シクロヘプタ[b]チオフェン−2−カルボン酸(3−{5−[6−(4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル)−ピリダジン−3−イルアミノ]−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル}−2−メチル−フェニル)−アミド;
5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−シクロヘプタ[b]チオフェン−2−カルボン酸{3−[5−(6−ジエチルアミノ−ピリダジン−3−イルアミノ)−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル]−2−メチル−フェニル}−アミド;
4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2−メチル−3−{1−メチル−5−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ピリダジン−3−イルアミノ]−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル}−フェニル)−アミド;
4−tert−ブチル−N−(3−{5−[6−(2−ヒドロキシ−エチル)−ピリダジン−3−イルアミノ]−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル}−2−メチル−フェニル)−ベンズアミド;
N−(2−メチル−3−{5−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリダジン−3−イルアミノ]−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル}−フェニル)−4−ピペリジン−1−イル−ベンズアミド;
4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(3−{5−[6−(4−ヒドロキシメチル−ピペリジン−1−イル)−ピリダジン−3−イルアミノ]−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル}−2−メチル−フェニル)−アミド;
4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸[3−(5−{6−[4−(2−シアノ−エチル)−ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−イルアミノ}−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−2−メチル−フェニル]−アミド;
4−tert−ブチル−N−(3−{5−[6−(4−ヒドロキシメチル−ピペリジン−1−イル)−ピリダジン−3−イルアミノ]−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル}−2−メチル−フェニル)−ベンズアミド;
4−tert−ブチル−N−[3−(5−{6−[4−(2−シアノ−エチル)−ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−イルアミノ}−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−2−メチル−フェニル]−ベンズアミド;
5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−シクロヘプタ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2−メチル−3−{1−メチル−5−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ピリダジン−3−イルアミノ]−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル}−フェニル)−アミド;
4−tert−ブチル−N−[3−(5−{6−[(2−メトキシ−エチル)−メチル−アミノ]−ピリダジン−3−イルアミノ}−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−2−メチル−フェニル]−ベンズアミド;
4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸[3−(5−{6−[4−(2−メタンスルホニル−エチル)−ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−イルアミノ}−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−2−メチル−フェニル]−アミド;
4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸{3−[5−(6−シクロプロピルアミノ−ピリダジン−3−イルアミノ)−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル]−2−メチル−フェニル}−アミド;
5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−シクロヘプタ[b]チオフェン−2−カルボン酸[3−(5−{6−[4−(2−シアノ−エチル)−ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−イルアミノ}−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−2−メチル−フェニル]−アミド;
5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−シクロヘプタ[b]チオフェン−2−カルボン酸{3−[5−(6−シクロプロピルアミノ−ピリダジン−3−イルアミノ)−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル]−2−メチル−フェニル}−アミド;
5−tert−ブチル−ピラジン−2−カルボン酸(2−メチル−3−{5−[6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ピリダジン−3−イルアミノ]−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル}フェニル)−アミド;
4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸{2−メチル−3−[5−(6−モルホリン−4−イル−ピリダジン−3−イルアミノ)−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル]−フェニル}−アミド;
5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−シクロヘプタ[b]チオフェン−2−カルボン酸[3−(5−{6−[(イソプロピル−メチル−アミノ)−メチル]−ピリダジン−3−イルアミノ}−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−2−メチル−フェニル]−アミド;
5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−シクロヘプタ[b]チオフェン−2−カルボン酸{2−メチル−3−[1−メチル−5−(6−モルホリン−4−イルメチル−ピリダジン−3−イルアミノ)−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル]−フェニル}−アミド;
4−tert−ブチル−N−[3−(5−{6−[(2−ジメチルアミノ−エチル)−メチル−アミノ]−ピリダジン−3−イルアミノ}−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−2−メチル−フェニル]−ベンズアミド;
5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−シクロヘプタ[b]チオフェン−2−カルボン酸[3−(5−{6−[(2−ジメチルアミノ−エチル)−メチル−アミノ]−ピリダジン−3−イルアミノ}−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−2−メチル−フェニル]−アミド;
4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(3−{5−[6−(4−ヒドロキシ−4−メチル−ピペリジン−1−イル)−ピリダジン−3−イルアミノ]−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル}−2−メチル−フェニル)−アミド;
4−tert−ブチル−N−(3−{5−[6−(4−ヒドロキシ−4−メチル−ピペリジン−1−イル)−ピリダジン−3−イルアミノ]−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル}−2−メチル−フェニル)−ベンズアミド;
4−(エチル−メチル−アミノ)−N−{2−メチル−3−[5−(6−モルホリン−4−イル−ピリダジン−3−イルアミノ)−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル]−フェニル}−ベンズアミド;
4−tert−ブチル−N−(2−メチル−3−{5−[6−(4−モルホリン−4−イル−ピペリジン−1−イル)−ピリダジン−3−イルアミノ]−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル}−フェニル)−ベンズアミド;
4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2−メチル−3−{5−[6−(4−モルホリン−4−イル−ピペリジン−1−イル)−ピリダジン−3−イルアミノ]−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル}−フェニル)−アミド;
4−tert−ブチル−N−{2,4−ジフルオロ−5−[5−(6−モルホリン−4−イル−ピリダジン−3−イルアミノ)−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル]−フェニル}−ベンズアミド;
ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸{2−メチル−3−[5−(6−モルホリン−4−イル−ピリダジン−3−イルアミノ)−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル]−フェニル}−アミド;
6−tert−ブチル−N−{2−メチル−3−[5−(6−モルホリン−4−イル−ピリダジン−3−イルアミノ)−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル]−フェニル}−ニコチンアミド;
6,7−ジヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピラン−2−カルボン酸{2−メチル−3−[5−(6−モルホリン−4−イル−ピリダジン−3−イルアミノ)−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル]−フェニル}−アミド;
4−tert−ブチル−N−{2−メチル−3−[5−(6−モルホリン−4−イル−ピリダジン−3−イルアミノ)−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル]−フェニル}−2−ニトロ−ベンズアミド;
5−tert−ブチル−N−(2−メチル−3−(5−(6−モルホリノピリダジン−3−イルアミノ)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)フェニル)ピコリンアミド;
4,4−ジメチル−N−(2−メチル−3−(5−(6−モルホリノピリダジン−3−イルアミノ)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)フェニル)イソクロマン−7−カルボキサミド;
4−tert−ブチル−N−(2−メチル−3−(1−メチル−5−(6−モルホリノピリダジン−3−イルアミノ)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)フェニル)ベンズアミド;及び
4−tert−ブチル−N−(2−メチル−3−(5−(6−モルホリノピリダジン−3−イルアミノ)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)フェニル)ベンズアミド
から選択される。
【0119】
本明細書中に記載された新規の化合物を得る方法は当業者に明らかであり、例えば下記反応スキーム及び実施例、並びに本明細書中に引用された参考文献において、好適な手順が記載されている。
【化10】

【0120】
反応スキーム1の工程1に関連して、不活性溶媒、例えばDMF中の3,5−ジブロモ−1H−ピリジン−2−オン及び粉末炭酸カリウムの懸濁液に、過剰(例えば約1.1当量)の式R16−Q(Qは離脱基、例えばハロである)化合物を添加する。混合物を約18時間にわたって窒素下において室温で攪拌する。生成物、すなわち式103の化合物を単離し、そして任意には精製する。
【0121】
反応スキーム1の工程2に関連して、不活性溶媒、例えばトルエン中の式103化合物の溶液に、過剰(例えば約1.2当量)の式NH2−A−L−G、約0.07当量のラセミ−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、約0.05当量のトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、及び過剰(例えば約1.4当量)の炭酸セシウムを添加する。混合物を約6時間にわたって約120℃で加熱する。生成物、すなわち式105の化合物を単離し、そして任意には精製する。
【0122】
反応スキーム1の工程3に関連して、式105の化合物と、下記反応スキーム2に示された過剰(例えば約1.1当量)の式207の化合物と、0.1当量のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムと、溶媒、例えば水性1,2−ジメトキシエタン中の塩基、例えば炭酸ナトリウムとの混合物を、5分間にわたって密閉マイクロ波反応器内で加熱する(135℃、300W)。生成物、すなわち式107の化合物を単離し、そして任意には精製する。
【化11】

【0123】
反応スキーム2の工程1に関連して、式201の化合物、ビス(ピナコラト)ジボロン、及び塩基、例えば酢酸カリウムの懸濁液に、例えば0.03当量の[1,1’ビス(ジフェニルホスフィノ)−フェロセン]ジクロロパラジウム(II)のジクロロメタンとの錯体(1:1)を添加する。反応物を約20時間にわたって約85℃で加熱する。生成物、すなわち式203の化合物を単離し、そして任意には精製する。
【0124】
反応スキーム2の工程2に関連して、極性プロトン性溶媒、例えばメタノール中の式203の化合物の混合物に、チャコール上の10%パラジウムを添加する。この混合物に水素ガスを添加する。反応物を約13時間にわたって室温で、水素のバルーン圧力下で攪拌する。生成物、すなわち式205の化合物を単離し、そして任意には精製する。
【0125】
反応スキーム2の工程3に関連して、不活性溶媒、例えばジクロロメタン中のほぼ当量のRCOCl化合物の溶液を、不活性溶媒、例えばジクロロメタン中の式205の化合物及び塩基、例えばトリエチルアミンの溶液にポーションに分けて添加する。混合物を約16時間にわたって室温で攪拌する。生成物、すなわち式207の化合物を単離し、そして任意には精製する。
【化12】

【0126】
反応スキーム3の工程1に関連して、式301の化合物;過剰(例えば約1.2当量)のビス(ネオペンチルグリコラト)ジボロン;及び約0.3当量の[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−フェロセン]ジクロロパラジウムのジクロロメタンとの1:1錯体;及び塩基、例えば酢酸カリウムの、不活性溶媒、例えばジオキサン中の混合物を、約3時間にわたって還流させながら加熱する。生成物、すなわち式303の化合物を単離し、そして任意には精製する。
【0127】
反応スキーム3の工程2に関連して、不活性溶媒、例えば酢酸エチルメタノール中の式303の化合物と、炭素上10%パラジウムとの混合物を、室温で約2時間にわたって40psiの水素で処理する。生成物、すなわち式305の化合物を単離し、そして任意には精製する。
【0128】
反応スキーム3の工程3に関連して、不活性溶媒、例えばTHF中の式305の化合物、及び塩基、例えばトリエチルアミンの溶液を、式RCOClのほぼ当量の酸塩化物で液滴状に処理し、そして混合物を約15分間にわたって室温で攪拌する。生成物、すなわち式307の化合物を単離し、そして任意には精製する。
【0129】
いくつかの実施態様の場合、本明細書中に記載された化学物質は、医薬組成物又は医薬製剤として投与される。従って、本発明は、式1の化合物、並びにその医薬的に許容される塩、溶媒和物、キレート、非共有結合複合体、プロドラッグ、及び混合物から選択された少なくとも1種の化学物質を含む医薬製剤を、担体、アジュバント、及び賦形剤から選択された少なくとも1種の医薬的に許容される媒体と一緒に提供する。
【0130】
医薬的に許容される媒体は、治療される動物への投与に適したものにするのに十分に高い純度と十分に低い毒性とを有していなければならない。媒体は不活性であってよく、或いは医薬的な有益性を有することもできる。化学物質と併用される媒体の量は、化学物質の単位投与量当たりの実際的な材料投与量を提供すれば十分である。
【0131】
医薬的に許容される担体又はこれらの成分の例は、糖、例えばラクトース、グルコース及びスクロース;澱粉、例えばコーンスターチ及びジャガイモ澱粉;セルロース及びその誘導体、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、及びメチルセルロース;粉末トラガカント;麦芽;ゼラチン;タルク;固形潤滑剤、例えばステアリン酸及びステアリン酸マグネシウム;硫酸カルシウム;合成油;植物油、例えばラッカセイ油、綿実油、ゴマ油、オリーブ油、及びコーン油;ポリオール、例えばプロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、及びポリエチレングリコール;アルギン酸;リン酸緩衝溶液;乳化剤、例えばTWEENS;湿潤剤、例えばラウリル硫酸ナトリウム;着色剤;矯味矯臭剤;錠剤形成剤;安定剤;抗酸化剤;保存剤;発熱物質非含有水;等張性生理食塩水;及びリン酸緩衝溶液である。
【0132】
本発明の化学物質の活性をほとんど妨害しない任意の活性物質が、医薬組成物中に含まれてよい。
【0133】
有効濃度の式1の化合物、並びにその医薬的に許容される塩、溶媒和物、キレート、非共有結合複合体、プロドラッグ、及び混合物から選択された少なくとも1種の化学物質が、好適な医薬的に許容される媒体と混合される。化学物質の溶解度が不十分な場合、化合物を可溶化する方法を用いることができる。このような方法は当業者に知られており、その一例としては、共溶媒、例えばジメチルスルホキシド(DMSO)の使用、界面活性剤、例えばTWEENの使用、又は水性重炭酸ナトリウム中の溶解が挙げられる。
【0134】
本明細書中に記載された化学物質を混合又は添加すると、その結果として生じる混合物は、溶液、懸濁液、又はエマルジョンなどであり得る。その結果として生じる混合物の形態は、所期投与モード、及び選択された媒体中の化学物質の溶解度を含む数多くの因子に依存する。治療される疾患の症状を改善するのに十分な有効濃度は、実験に基づいて決定することができる。
【0135】
本明細書中に記載された化学物質は、経口、局所、非経口、静脈内で、又は筋内注射によって、又は吸入又は噴霧によって、又は舌下、経皮、口腔で、又は眼科用溶液として、又はその他の手段によって投与単位形態の形で投与することができる。
【0136】
経口用途に適した投与形態は、例えば錠剤、トローチ剤、薬用キャンディ剤、水性又は油性懸濁液剤、分散性粉末剤又は顆粒剤、エマルジョン剤、硬質又は軟質カプセル剤、又はシロップ剤又はエリキシル剤を含む。経口用途向けの組成物は、医薬組成物製造の当業者に知られたいかなる方法にしたがっても調製することができ、このような組成物は、医薬的に洗練された口当たりのよい製剤を提供するために、1種又は2種以上の物質、例えば甘味剤、矯味矯臭剤、着色剤、及び保存剤を含有してよい。いくつかの実施態様の場合、経口製剤は、0.1〜99%の、本明細書中に記載された少なくとも1種の化学物質を含有する。いくつかの実施態様の場合、経口製剤は、少なくとも5%(重量%)の、本明細書中に記載された少なくとも1種の化学物質を含有する。いくつかの実施態様は、25〜50%、又は5〜75%の、本明細書中に記載された少なくとも1種の化学物質を含有する。
【0137】
経口投与組成物はまた、液体溶液、エマルジョン剤、懸濁液剤、粉末剤、顆粒剤、エリキシル剤、チンキ剤、及びシロップ剤などを含む。このような組成物の調製に適した医薬的に許容される担体は、当業者によく知られている。経口製剤は、保存剤、矯味矯臭剤、甘味剤、例えばスクロース又はサッカリン、味質マスキング剤、及び着色剤を含んでよい。
【0138】
シロップ剤、エリキシル剤、エマルジョン剤、及び懸濁液剤の典型的な成分は、エタノール、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、液体スクロース、ソルビトール、及び水を含む。シロップ剤、及びエリキシル剤は、甘味剤、例えばグリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール、又はスクロースと一緒に調製することができる。このような製剤は鎮痛剤を含有してもよい。
【0139】
本明細書中に記載された化学物質は、経口液体製剤、例えば水性又は油性懸濁液剤、溶液剤、エマルジョン剤、シロップ剤、又はエリキシル剤中に組み入れることができる。さらにこれらの化学物質を含有する製剤は、使用前に水又はその他の好適な媒体で戻すための乾燥生成物として提供することもできる。このような液体製剤は、コンベンショナルな添加剤、例えば懸濁化剤(例えばソルビトールシロップ、メチルセルロース、グルコース/糖、シロップ、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ステアリン酸アルミニウムゲル、及び水素化食用油脂)、乳化剤(例えばレシチン、モノオレイン酸ソルビタン、又はアカシア)、食用油脂(アーモンド油、分別ヤシ油、シリルエステル、プロピレングリコール、及びエチルアルコール)を含むことができる非水性媒体、及び保存剤(例えばメチル又はプロピルp−ヒドロキシベンゾエート及びソルビン酸)を含有することができる。
【0140】
懸濁液剤の場合、典型的な懸濁化剤は、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、AVICEL RC−591、トラガカント、及びアルギン酸ナトリウムを含み;典型的な湿潤剤は、レシチン及びポリソルベート80を含み;そして典型的な保存剤は、メチルパラベン及び安息香酸ナトリウムを含む。
【0141】
水性懸濁液剤は、水性懸濁液の製造に適した賦形剤と混和された活性物質を含有する。このような賦形剤は、懸濁化剤、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントガム、及びアカシアゴム;分散剤又は湿潤剤;自然発生型フォスファチド、例えばレシチン、又はアルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物、例えばポリオキシエチレンステアレート、又はエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物、例えばヘプタデカエチレンオキシセタノール、又はエチレンオキシドと、脂肪酸及びヘキシトールとから誘導された部分エステルとの縮合生成物、例えばポリオキシエチレン・ソルビトール代替物、エチレンオキシドと、脂肪酸及びヘキシトール無水物から誘導された部分エステルとの縮合生成物、例えばポリエチレン・ソルビタン代替物を含む。水性懸濁液は、1種又は2種以上の保存剤、例えばエチレン、又はn−プロピルp−ヒドロキシベンゾエートを含有することもできる。
【0142】
植物油、例えばラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油、又はヤシ油中、又は鉱物油、例えば流動パラフィン中に活性成分を懸濁することにより、油性懸濁液を調製することができる。油性懸濁液は、増粘剤、例えば蜜蝋、固形パラフィン、又はセチルアルコールを含有することができる。上記のもののような甘味剤、及び矯味矯臭剤を添加することにより、口当たりがよい経口製剤を提供することができる。これらの組成物は、抗酸化剤、例えばアスコルビン酸を添加することにより保存することができる。
【0143】
本発明の医薬組成物は、水中油型エマルジョンの形態を成していてもよい。油性相は、植物油、例えばオリーブ油又は落花生油、又は鉱物油、例えば流動パラフィン又はこれらの混合物であってよい。好ましい乳化剤は、自然発生型ゴム、例えばアカシアゴム又はトラガカントガム、自然発生型フォスファチド、例えば大豆、レシチン、及び脂肪酸とヘキシトール無水物とから誘導されたエステル又は部分エステル、例えばモノオレイン酸ソルビタン、前記部分エステルとエチレンオキシドとの縮合生成物、例えばポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートであってよい。
【0144】
水を添加することにより水性懸濁液を調製するのに適した分散性粉末及び顆粒は、分散剤又は湿潤剤、懸濁化剤、及び1種又は2種以上の保存剤と混和された活性成分を提供する。好適な分散剤又は湿潤剤及び懸濁化剤は、既に上述したモノによって例示される。
【0145】
錠剤は典型的には、コンベンショナルな医薬的に許容されるアジュバントを、不活性希釈剤(例えば炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、マンニトール、ラクトース及びセルロース);バインダー(例えば澱粉、ゼラチン及びスクロース);崩壊剤(例えば澱粉、アルギン酸、及びクロサルメロース);潤滑剤(例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、及びタルク)として含む。流動促進剤、例えば二酸化ケイ素を使用することにより、粉末混合物の流動特性を改善することができる。着色剤、例えばFD&C色素を外観のために添加することができる。甘味剤及び矯味矯臭剤、例えばアスパルテーム、サッカリン、メントール、ペパーミント、及びフルーツ・フレーバーは、チュアブル錠剤のための有用なアジュバントであり得る。カプセル剤(持続放出性及び徐放性製剤を含む)は典型的には、上に開示された1種又は2種以上の希釈剤を含む。担体成分はしばしば、味、コスト、及び貯蔵安定性のような二次的な考慮事項に応じて選択される。
【0146】
このような組成物は、典型的にはpH又は時間依存性の被膜で、コンベンショナルな方法によって被覆することにより、化学物質を、胃腸管の所期局所適用個所の近くで放出するか、又は所期作用を広げるように種々の回数で放出することができる。このような投与形態の一例としては、典型的には、酢酸フタル酸セルロース、ポリビニルアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、エチルセルロース、ユードラジット(Eudragit)被膜、ワックス、及びシェラックが挙げられる。
【0147】
経口用製剤は、活性成分が不活性固形希釈剤、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウム又はカオリンと混合される硬質ゼラチン・カプセル剤として、又は活性成分が水又は油媒質、例えばラッカセイ油、流動パラフィン、又はオリーブ油と混合される軟質ゼラチン・カプセル剤として提供することもできる。
【0148】
医薬組成物は、水性又は油性の注射用滅菌懸濁液の形態を成していてよい。この懸濁液は、上述の好適な分散剤又は湿潤剤、及び懸濁化剤を使用して、周知の技術に従って調製することができる。注射用滅菌製剤は、非経口の投与が許容され得る非毒性媒体中の注射用の滅菌溶液又は滅菌懸濁液であってもよく、例えば1,3−ブタンジオール中の溶液として形成されていてよい。採用することができる許容され得る媒体の中には、水、リンゲル溶液、及び等張性塩化ナトリウム溶液がある。加えて、滅菌固定油が、溶媒又は懸濁化媒質としてコンベンショナルに採用される。これを目的として、合成モノグリセリド又はジグリセリドを含む、任意の低刺激性固定油を採用することができる。加えて、脂肪酸、例えばオレイン酸が、注射用物質の調製に有用であり得る。
【0149】
本明細書中に記載された化学物質は、滅菌媒質中で非経口投与することができる。非経口投与は皮下注射、静脈内、筋内、髄腔注射又は輸液技術を含む。本明細書中に記載された化学物質は、使用される媒体及び濃度に応じて、媒体中に懸濁又は溶解することができる。アジュバント、例えば局所麻酔薬、保存剤、緩衝剤を媒体中に溶解することができるので有利である。非経口投与のための多くの組成物において、担体は組成物全体の少なくとも90重量%である。いくつかの実施態様の場合、非経口投与のための担体は、プロピレングリコール、オレイン酸エチル、ピロリドン、エタノール、及びごま油から選択される。
【0150】
本明細書中に記載された化学物質は、薬物の直腸投与のための座剤の形態で投与することもできる。これらの組成物は、薬物と、好適な非刺激性賦形剤とを混合することによって調製することができる。この賦形剤は、常温では固形であるが、しかし直腸温度で液状であり、従って直腸内では融解して薬物を放出することになる。このような材料はココアバター及びポリエチレングリコールを含む。
【0151】
本明細書中の化学物質は、局部又は局所適用のために、例えば皮膚、及び目におけるような粘膜への局所適用のために、ゲル、クリーム及びローションの形態で製剤することができ、また目へ適用のために製剤することもできる。局所用組成物は、例えば溶液、クリーム、軟膏、ゲル、ローション、ミルク、クレンザー、モイスチャライザ、スプレー、及び皮膚パッチなどを含む任意の形態を成していてよい。
【0152】
このような溶液は、好適な塩とともに0.01%〜10%等張性溶液、pH5〜7として製剤することができる。本明細書に記載された化学物質は、経皮パッチとして経皮投与するために製剤されてもよい。
【0153】
本明細書中の少なくとも1種の化学物質を含む局所用組成物は、当業者によく知られた種々の担体材料、例えば水、アルコール、アロエベラ・ゲル、アラントリン、グリセリン、ビタミンA及びE油、鉱物油、プロピレングリコール、及びPPG−2ミリスチルプロピオネートなどと混和することができる。
【0154】
局所用担体中に使用するのに適した他の材料は例えばエモリエント、溶媒、保湿剤、増粘剤、及び粉末を含む。単独で、又は1種又は2種の材料の混合物として使用できるこれらのタイプの材料のそれぞれの例は、下記の通りである:
【0155】
代表的なエモリエントは、ステアリルアルコール、モノリシノール酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、プロパン−1,2−ジオール、ブタン−1,3−ジオール、ミンク油、セチルアルコール、イソステアリン酸イソ−プロピル、ステアリン酸、パルミチン酸イソ−ブチル、ステアリン酸イソセチル、オレイルアルコール、ラウリン酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、オレイン酸デシル、オクタデカン−2−オール、イソセチルアルコール、パルミチン酸セチル、ジメチルポリシロキサン、セバシン酸ジ−n−ブチル、ミリスチン酸イソ−プロピル、パルミチン酸イソ−プロピル、ステアリン酸イソ−プロピル、ステアリン酸ブチル、ポリエチレングリコール、トリエチレングリコール、ラノリン、ごま油、ヤシ油、ラッカセイ油、ヒマシ油、アセチル化ラノリンアルコール、石油、鉱物油、ミリスチン酸ブチル、イソステアリン酸、パルミチン酸、リノール酸イソプロピル、乳酸ラウリル、乳酸ミリスチル、オレイン酸デシル、及びミリスチン酸ミリスチル;駆出剤、例えばプロパン、ブタン、イソ−ブタン、ジメチルエーテル、二酸化炭素、及び亜酸化窒素;溶媒、例えばエチルアルコール、塩化メチレン、イソ−プロパノール、ヒマシ油、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン;保湿剤、例えばグリセリン、ソルビトール、ナトリウム2−ピロリドン−5−カルボキシレート、可溶性コラーゲン、フタル酸ジブチル、及びゼラチン;及び粉末、例えばチョーク、タルク、フラー土、カオリン、澱粉、ガム、コロイド状二酸化ケイ素、ポリアクリル酸ナトリウム、テトラアルキルアンモニウムスメクタイト、トリアルキルアリールアンモニウムスメクタイト、化学変性ケイ酸アルミニウムマグネシウム、有機変性モンモリロナイト粘土、水和ケイ酸アルミニウム、ヒュームド・シリカ、カルボキシビニルポリマー、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、及びモノステアリン酸エチレングリコールを含む。
【0156】
本明細書中の化学物質は、リポソーム送達システム、例えば小型単層ベシクル、大型単層ベシクル、及び多層ベシクルの形態で局所投与されてもよい。リポソームは、種々のリン脂質、例えばコレステロール、ステアリルアミン及びホスファチジルコリンから形成することができる。
【0157】
化学物質の全身送達を達成するために有用な他の組成物は、舌下、口腔、及び鼻腔投与形態を含む。このような組成物は典型的には、可溶性充填剤物質、例えばスクロース、ソルビトール、及びマンニトール、及びバインダー、例えばアカシア、微結晶性セルロース、カルボキシメチルセルロース、及びヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む。上に開示した流動促進剤、潤滑剤、甘味剤、着色剤、抗酸化剤、及び矯味矯臭剤が含まれてもよい。
【0158】
吸入用組成物は典型的に、溶液、懸濁液又はエマルジョンの形態で提供することができる。この形態は、乾燥粉末として投与するか、又はコンベンショナルな駆出剤(例えばジクロロジフルオロメタン又はトリクロロフルオロメタン)を使用してエアロゾルの形態で投与することができる。
【0159】
本発明の組成物は、任意には活性促進剤を含むこともできる。活性促進剤は、本明細書中に記載された化学物質の治療効果を向上させるように種々異なる形で機能する種々様々な分子から選択することができ、又は治療効果とは独立していることも可能である。特定のクラスの活性促進剤は、皮膚浸透促進剤及び吸収促進剤を含む。
【0160】
本発明の組成物は、種々様々な分子から選択することができる付加的な活性物質を含有することもできる。これらの分子は、本明細書中に記載された化学物質の治療効果を向上させるように種々異なる形で機能することができる。これらの任意のその他の活性物質は、これらが存在するときには、典型的には、0.01%〜15%のレベルで本発明の組成物中に採用される。いくつかの実施態様は、0.1〜10重量%の組成物を含有する。他の実施態様は、0.5〜5重量%の組成物を含有する。
【0161】
本発明はパッケージ化医薬製剤を含む。このようなパッケージ化製剤は、式1の化合物、並びにその医薬的に許容される塩、溶媒和物、キレート、非共有結合複合体、プロドラッグ、及び混合物から選択された少なくとも1種の化学物質を含む医薬組成物と、哺乳動物(典型的にはヒトの患者)を治療するために組成物を使用するための指示書とを含む。いくつかの実施態様の場合、指示書は、Btk活性の阻害/B細胞活性の阻害に対して応答する疾患の患者を治療するためにこの医薬組成物を使用する際の指示書である。本発明は、処方情報を、例えば患者又は医療関係者に、又はパッケージ化医薬製剤におけるラベルとして提供することを含むことができる。処方情報は、例えば効能、用量及び投与法、医薬組成物に関連する禁忌及び有害反応情報を含んでいてよい。
【0162】
前記のものの全てにおいて、化学物質は単独で、又は混合物として、又は他の活性物質との組み合わせで投与することができる。
【0163】
従って、本発明は、Btk活性の阻害に対して応答する疾患を有する患者、例えばヒトのような哺乳動物を治療する方法を含み、この方法は、このような疾患の患者に、式1化合物、並びにその医薬的に許容される塩、溶媒和物、キレート、非共有結合複合体、プロドラッグ、及び混合物から選択された少なくとも1種の化学物質の有効量を投与することを含む。
【0164】
Btkが疾患に関与している限り、疾患、疾患症状の緩和、予防的治療が本発明の範囲に含まれる。いくつかの実施態様の場合、本明細書中に記載された化学物質は他のキナーゼを阻害することもできるので、これらのキナーゼと関連する疾患、疾患症状の緩和、これらのキナーゼと関連する状態の予防的治療が本発明の範囲に含まれる。
【0165】
治療方法はまた、Btk活性の阻害に対して応答する疾患を有する患者において、Btkによる又は他のメカニズムによるATP結合又は加水分解をin vivoで阻害することにより、又は式1化合物、並びにその医薬的に許容される塩、溶媒和物、キレート、非共有結合複合体、プロドラッグ、及び混合物から選択された少なくとも1種の化学物質の有効濃度を投与することにより、Btk活性を阻害すること及び/又はB細胞活性を阻害することを含む。有効濃度の一例は、Btk活性をin vitroで阻害するのに十分な濃度となる。有効濃度は、例えば、化学物質の血中濃度をアッセイすることにより実験に基づいて確認することができ、或いは生体利用能を計算することにより、理論に基づいて確認することもできる。
【0166】
いくつかの実施態様の場合、Bkt活性及び/又はB細胞活性の阻害に対して応答する状態は、癌、アレルギー性疾患、及び/又は自己免疫疾患、及び/又は炎症性疾患、及び/又は急性炎症反応である。
【0167】
本発明は、式1化合物、並びにその医薬的に許容される塩、溶媒和物、キレート、非共有結合複合体、プロドラッグ、及び混合物から選択された少なくとも1種の化学物質の有効量を投与することにより、癌、アレルギー性疾患、及び/又は自己免疫疾患、及び/又は炎症性疾患、及び/又は急性炎症反応を有する患者を治療する方法を含む。
【0168】
いくつかの実施態様の場合、本明細書中に記載された化学物質を使用して影響を及ぼすことができる状態及び疾患は、一例として:
アレルギー性疾患(一例として湿疹、アレルギー性鼻炎又はコリーザ、花粉症、気管支喘息、じんましん、及び食物アレルギー、及び他のアトピー状態を含む);
自己免疫疾患、及び/又は炎症性疾患(一例として乾癬、クローン病、過敏性腸症候群、シェーグレン病、組織移植片拒絶反応、及び移植器官の超急性拒絶反応、喘息、全身性エリテマトーデス(及び関連糸球体腎炎)、皮膚筋炎、多発性硬化症、強皮症、血管炎(ANCA関連及びその他の血管炎)、自己免疫性溶血性貧血状態及び血小板減少状態、グッドパスチャー症候群(及び関連糸球体腎炎及び肺出血)、アテローム性動脈硬化症、関節リウマチ、慢性突発性血小板減少性紫斑病(ITP)、アジソン病、パーキンソン病、アルツハイマー病、糖尿病(1型)、敗血性ショック、重症筋無力症、潰瘍性大腸炎、再生不良性貧血、セリアック病、ヴェーゲナー肉芽腫症、及び細胞及び抗体が個体の自己組織から生じ、そして個体の自己組織に向けられる他の疾患を含む);
急性炎症反応(一例として、日焼け、炎症性骨盤疾患、炎症性大腸炎、尿道炎、ブドウ膜炎、副鼻腔炎、肺炎、脳炎、髄膜炎、心筋炎、腎炎、骨髄炎、筋炎、肝炎、胃炎、腸炎、皮膚炎、歯肉炎、虫垂炎、膵炎、及び胆嚢炎を含む);及び
(一例として血液悪性腫瘍、例えばB細胞リンパ腫、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性及び急性リンパ性白血病、ヘアリ細胞白血病、ホジキン病、非ホジキン・リンパ腫、多発性骨髄腫、及び血液又はリンパ系の癌によって特徴付けられる他の疾患を含む)
が挙げられる。
【0169】
Btkは、リンパ腫B細胞におけるアポトーシスの周知の阻害物質である。アポトーシスの欠如は、ヒトの白血病及びリンパ腫の発病及び薬物耐性に関与する。従って、細胞と、式1の化合物、並びにその医薬的に許容される塩、溶媒和物、キレート、非共有結合複合体、プロドラッグ、及び混合物から選択された少なくとも1種の化学物質とを接触させることを含む、Btk発現細胞におけるアポトーシスを促進又は誘発する方法も提供される。
【0170】
本発明は、式1の化合物、並びにその医薬的に許容される塩、溶媒和物、キレート、非共有結合複合体、プロドラッグ、及び混合物から選択された少なくとも1種の化学物質が、患者に与えられる唯一の活性物質である治療方法を提供し、また、式1の化合物、並びにその医薬的に許容される塩、溶媒和物、キレート、非共有結合複合体、プロドラッグ、及び混合物から選択された少なくとも1種の化学物質が、1種又は2種以上の付加的な活性物質との組み合わせで患者に与えられる治療方法をも含む。
【0171】
こうして1実施態様の場合、本発明は、癌、アレルギー性疾患、及び/又は自己免疫疾患、及び/又は炎症性疾患、及び/又は急性炎症反応を治療する方法であって、式1化合物、並びにその医薬的に許容される塩、溶媒和物、キレート、非共有結合複合体、プロドラッグ、及び混合物から選択された少なくとも1種の化学物質の有効量を、癌、アレルギー性疾患、及び/又は自己免疫疾患、及び/又は炎症性疾患、及び/又は急性炎症反応を治療するのに有用であり得る第2の活性物質と一緒に、治療を必要とする患者に投与することを含む方法を提供する。例えば、第2の活性物質は抗炎症薬であってよい。第2の活性物質による治療は、式1化合物、並びにその医薬的に許容される塩、溶媒和物、キレート、非共有結合複合体、プロドラッグ、及び混合物から選択された少なくとも1種の化学物質による治療の前、この治療と同時、又はこの治療の後に行われてよい。或る実施態様の場合、式1化合物、並びにその医薬的に許容される塩、溶媒和物、キレート、非共有結合複合体、プロドラッグ、及び混合物から選択された少なくとも1種の化学物質は、単回投与形態で別の活性物質と組み合わされる。本明細書中に記載された少なくとも1種の化学物質との組み合わせで使用することができる好適な抗癌治療薬の一例としては、化学療法薬、例えばマイトマイシンC、カルボプラチン、タキソール、シスプラチン、パクリタキセル、エトポシド、ドキソルビシン、又は前記化学療法薬のうちの少なくとも1種を含む組み合わせを含む。放射線治療用抗癌薬を、単独又は化学療法薬との組み合わせで使用することもできる。
【0172】
本明細書中に記載された化学物質は、化学増感剤として有用であることが可能であり、ひいては、他の化学療法薬、具体的にはアポトーシスを誘発する薬物との組み合わせにおいて有用であることが可能である。
【0173】
化学療法に対する癌細胞の感受性を高める方法であって、化学療法薬に対する癌細胞の感受性を高めるのに十分な量の、式1化合物、並びにその医薬的に許容される塩、溶媒和物、キレート、非共有結合複合体、プロドラッグ、及び混合物から選択された少なくとも1種の化学物質と一緒に、化学療法薬を、化学療法を受けている患者に投与することを含む方法もここに提供される。
【0174】
本明細書中に記載された化学物質と組み合わせて使用することができる他の化学療法薬の例は、トポイソメラーゼI阻害物質(カンプトテシン又はトポテカン)、トポイソメラーゼII阻害物質(例えばダウノマイシン及びエトポシド)、アルキル化剤(例えばシクロホスファミド、メルファラン及びBCNU)、チューブリン指向薬(例えばタキソール及びビンブラスチン)、及び生物学的物質(例えば抗体、例えば抗CD20抗体、IDEC 8、免疫毒素、及びサイトカイン)、及びチロシンキナーゼ阻害物質(例えばGleevac)、などを含む。
【0175】
式1化合物、並びにその医薬的に許容される塩、溶媒和物、キレート、非共有結合複合体、プロドラッグ、及び混合物から選択された少なくとも1種の化学物質が、抗炎症薬との組み合わせで投与される治療方法がここに含まれる。抗炎症薬の一例としては、NSAID、非特異的及びCOX−2特異的なシクロオキシゲナーゼ酵素阻害物質、金化合物、コルチコステロイド、メトトレキサート、腫瘍壊死因子受容体(TNF)受容体拮抗物質、免疫抑制物質、及びメトトレキサートが挙げられる。
【0176】
NSAIDの一例としては、イブプロフェン、フルルビプロフェン、ナプロキセン及びナプロキセンナトリウム、ジクロフェナク、ジクロフェナクナトリウムとミソプロストールとの組み合わせ、スリンダク、オキサプロジン、ジフルニサル、ピロキシカム、インドメタシン、エトドラク、フェノプロフェンカルシウム、ケトプロフェン、ナトリウムナブメトン、スルファサラジン、トルメチンナトリウム、及びヒドロキシクロロキンが挙げられる。NSAIDの例はまた、COX−2特異的阻害物質(すなわち、COX−1に対するIC50の50分の1以下のIC50でCOX−2を阻害する化合物)、例えばセレコキシブ、バルデコキシブ、ルミラコキシブ、エトリコキシブ、及び/又はロフェコキシブを含む。
【0177】
更なる実施態様の場合、抗炎症薬はサリチル酸塩である。サリチル酸塩の一例としては、アセチルサリチル酸又はアスピリン、サリチル酸ナトリウム、及びサリチル酸コリン及びサリチル酸マグネシウムが挙げられる。
【0178】
抗炎症薬はコルチコステロイドであってもよい。例えば、コルチコステロイドは、コルチゾン、デキサメタソン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、リン酸プレドニゾロンナトリウム、及びプレドニゾンから選択されてよい。
【0179】
更なる実施態様において、抗炎症治療薬は、金化合物、例えば金チオリンゴ酸ナトリウム又はオーラノフィンである。
【0180】
本発明はさらに、抗炎症薬が代謝阻害物質、例えばジヒドロ葉酸レダクターゼ阻害物質、例えばメトトレキサート、又はジヒドロオロチン酸デヒドロゲナーゼ阻害物質、例えばレフルノミドである実施態様を含む。
【0181】
本発明の他の実施態様は、少なくとも1種の抗炎症化合物が抗C5モノクローナル抗体(例えばエクリズマブ又はペキセリズマブ)、TNF拮抗物質、例えばエンタナーセプト、又は抗TNFアルファ・モノクローナル抗体であるインフリキシマブであるような組み合わせに関する。
【0182】
本発明のさらに別の実施態様は、少なくとも1種の活性物質が、免疫抑制剤化合物、例えばメトトレキサート、レフルノミド、シクロスポリン、タクロリムス、アザチオプリン、又はミコフェノール酸モフェチルであるような組み合わせに関する。
【0183】
例えば、1日当たり体重1キログラム当たり0.1mg〜140mgのオーダーの投与量レベルが、上記状態の治療に有用であり得る(1日当たり1患者当たり0.5mg〜7g)。単回投与形態を形成するために媒体と組み合わされてよい活性成分の量は、治療を受ける宿主及び具体的な投与様式に応じて変化することになる。投与単位形態は一般に、1mg〜500mgの活性成分を含有することになる。
【0184】
投与頻度も、使用される化合物、及び治療される具体的な疾患に応じて変化することになる。いくつかの実施態様の場合、例えば、アレルギー性疾患、及び/又は自己免疫疾患、及び/又は炎症性疾患の治療のためには、一日4回以下の投与計画が用いられる。いくつかの実施態様の場合、一日1又は2回の投与計画が用いられる。しかしながら言うまでもなく、特定の患者に対する特定の投与レベルは、採用される特定の化合物の活性、治療を受ける患者における年齢、体重、全体的な健康状態、性別、食事、投与時間、投与経路、及び排泄速度、薬物の組み合わせ、特定の疾患の重症度を含む種々の因子に依存することになる。
【0185】
本明細書中に記載されたキナーゼの活性を変調する機能を有する化合物を同定及び/又は獲得するための診断手段として、本発明の化合物の標識付き形態を使用することができる。本発明の化合物は加えて、バイオアッセイを認証し、最適化し、そして標準化するために使用することもできる。
【0186】
本明細書中の「標識付き」とは、化合物に直接的又は間接的に標識が付けられていることを意味する。この標識は、検出可能なシグナル、例えば放射性同位体、蛍光タグ、酵素、抗体、粒子、例えば磁性粒子、化学発光タグ、又は特異的結合分子などを提供する。特異的結合分子は対を成すもの、例えばビオチンとストレプトアビジン、ジゴキシンと抗ジゴキシン、などを含む。特異的結合員に対しては、相補的な員に通常の場合、上記に概要を示す周知の手順に従って、検出を可能にする分子が標識付けされることになる。標識は直接的又は間接的に、検出可能なシグナルを提供することができる。
【実施例】
【0187】
下記非限定的な例によって、本発明をさらに詳しく説明する。
例1
【化13】

3,5−ジブロモ−1−メチル−1H−ピリジン−2−オン
【化14】

【0188】
磁気攪拌器を備えた1L丸底フラスコに、3,5−ジブロモ−1H−ピリジン−2−オン(7.0g、27.7mmol)、無水DMF(280mL)、及び粉末炭酸カリウム(−350メッシュ、8.4g、61.1mmol)を装入し、そしてこの懸濁液を周囲温度で15分間にわたって攪拌した。この後、ヨウ化メチル(4.3g、30.5mmol)を添加し、そして混合物をさらに18時間にわたって窒素下において室温で攪拌した。次いで反応混合物を水(200mL)で希釈し、酢酸エチル(3X250mL)で抽出し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして真空中で濃縮した。結果として生じた残留物をシリカ上でフラッシュ・クロマトグラフィによって精製することにより、収率84%(6.2g)の3,5−ジブロモ−1−メチル−1H−ピリジン−2−オンをオフホワイト固形物として得た;mp 87−88℃;MS(ESI+)m/z 266(M+H)。
【化15】

5−ブロモ−3−(5−tert−ブチル−1H−ピラゾル−3−イルアミノ)−1−メチル−1H−ピリジン−2−オン
【0189】
ジオキサン(10mL)中の3,5−ジブロモ−1−メチル−1H−ピリジン−2−オン(267mg;1.0mmol)の溶液に、5−tert−ブチル−1H−ピラゾル−3−イルアミン(167mg;1.2mmol)、9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン(87mg、0.15mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(70mg、0.10mmol)及び炭酸セシウム(977mg、3mmol)を次いで添加した。次いでフラスコを、還流冷却器下で6時間にわたって120℃で加熱した。混合物を室温まで冷却し、水(50mL)で希釈し、そしてEtOAc(3x50mL)で抽出した。粗有機層をシリカゲル上に吸着させ、フラッシュ・クロマトグラフィ(9:1 CH2Cl2:MeOH)によって精製することにより、5−ブロモ−3−(5−tert−ブチル−1H−ピラゾル−3−イルアミノ)−1−メチル−1H−ピリジン−2−オンをオフホワイト固形物として得た(250mg)。
【化16】

4−tert−ブチル−N−{3−[5−(5−tert−ブチル−1H−ピラゾル−3−イルアミノ)−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル]−2−メチル−フェニル}−ベンズアミド
【0190】
5−ブロモ−3−(5−tert−ブチル−1H−ピラゾル−3−イルアミノ)−1−メチル−1H−ピリジン−2−オン(125mg;0.38mmol)、4−tert−ブチル−N−[2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−フェニル]−ベンズアミド(180mg;0.46mmol)、テトラキス−(トリフェニルホスフィン)パラジウム(24mg;0.02mmol)、炭酸ナトリウム(400mg;1.2mmol)、及び1,2−ジメトキシエタン(4mL)、及び水(mL)の混合物を、5分間にわたって密閉マイクロ波反応器内で加熱した(135℃、300W)。混合物を酢酸エチルで希釈し、シリカゲル上に吸着させ、フラッシュ・クロマトグラフィ(9:1 CH2Cl2:MeOH)によって精製することにより、4−tert−ブチル−N−{3−[5−(5−tert−ブチル−1H−ピラゾル−3−イルアミノ)−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル]−2−メチル−フェニル}−ベンズアミドを黄褐色固形物として得た(205mg)。
【0191】
例2
4−tert−ブチル−N−(2−メチル−3−(1−メチル−5−(6−モルホリノピリダジン−3−イルアミノ)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)フェニル)ベンズアミド(4)
【化17】

3−アミノ−5−ブロモ−1−メチル−1H−ピリジン−2−オン(2)
【化18】

【0192】
磁気攪拌棒を備えた48mL封管に、ジオキサン(15mL)中のベンゾフェノンイミン(0.43g、2.4mmol)、3,5−ジブロモ−1−メチル−1H−ピリジン−2−オン(1)(0.51g、2.0mmol)、Pd(OAc)2(0.025g、0.040mmol)、rac−BINAP(0.082g、0.13mmol)、及びCs2CO3(0.92g、2.8mmol)を装入した。混合物を15分間にわたって脱ガスした後、これを16時間にわたって95℃で加熱した。次いで、反応混合物を室温まで冷却し、そしてH2O(10mL)中に注いだ。これにジクロロメタンを添加し、そして層を分離した。水性相をジクロロメタン(3x10mL)で抽出し、そして合体させた有機抽出物をH2O(5mL)及びブライン(5mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、そして濃縮した。粗生成物を1N HCl/MeOH(3ml)中に溶解し、そして室温で1時間にわたって攪拌した。次いで、反応混合物に、飽和NaHCO3(10mL)及びジクロロメタン(10mL)を添加し、そしてこれらの相を分離した。水性相をジクロロメタンで抽出し、そして合体させた有機層をH2O(5mL)及びブライン(5mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、そして濃縮した。粗生成物をジクロロメタン/エーテル(1/1)中の勾配0〜10%MeOHのカラム・クロマトグラフィによって精製することにより、0.22g(54%)の3−アミノ−5−ブロモ−1−メチル−1H−ピリジン−2−オン(2)を固形物として得た。
N−[3−(5−アミノ−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−2−メチル−フェニル]−4−tert−ブチル−ベンズアミド(3)
【化19】

【0193】
磁気攪拌棒を備えた48mL封管に、DME(10mL)及び1N Na2CO3(5mL)中の3−アミノ−5−ブロモ−1−メチル−1H−ピリジン−2−オン(2)(0.10g、0.50mmol)、4−tert−ブチル−N−[2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−フェニル]−ベンズアミド(0.24g;0.70mmol)、及びPd(PPh34(0.030g;0.025mmol)を装入した。混合物を15分間にわたって脱ガスした後、これを16時間にわたって95℃で加熱した。次いで、反応混合物を室温まで冷却し、そしてH2O(10mL)中に注いだ。これにジクロロメタンを添加し、そして相を分離した。水性相をジクロロメタンで抽出し、そして合体させた有機層をH2O(5mL)及びブライン(5mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、そして濃縮した。粗生成物をジクロロメタン/エーテル(1/1)中の勾配0〜10%MeOHのカラム・クロマトグラフィによって精製することにより、0.14g(68%)のN−[3−(5−アミノ−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−2−メチル−フェニル]−4−tert−ブチル−ベンズアミド(3)を固形物として得た。
4−tert−ブチル−N−(2−メチル−3−(1−メチル−5−(6−モルホリノピリダジン−3−イルアミノ)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)フェニル)ベンズアミド(4)
【0194】
磁気攪拌棒を備えた48mL封管に、ジオキサン(10mL)中のN−[3−(5−アミノ−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−2−メチル−フェニル]−4−tert−ブチル−ベンズアミド(3)(0.39g、1.0mmol)、4−(6−クロロピリダジン−3−イル)モルホリン(0.30g、1.5mmol)、Pd2(dba)3(0.064g、0.070mmol)、9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン(0.058g、0.10mmol)、及び及びCs2CO3(652g、2.0mmol)を装入した。混合物を15分間にわたって脱ガスした後、これを16時間にわたって95℃で加熱した。次いで、反応混合物を室温まで冷却し、そしてH2O(10mL)中に注いだ。これにジクロロメタン(10mL)を添加し、そして層を分離した。水性相をジクロロメタン(3x10mL)で抽出し、そして合体させた有機抽出物をH2O(5mL)及びブライン(5mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、そして濃縮した。粗生成物をジクロロメタン中の勾配0〜33%MeOHのカラム・クロマトグラフィによって精製することにより、0.210g(38%)の4−tert−ブチル−N−(2−メチル−3−(1−メチル−5−(6−モルホリノピリダジン−3−イルアミノ)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)フェニル)ベンズアミド(4)を固形物として得た;LCMS m/z 553.3365(M+)。
例3
4−tert−ブチル−N−(2−メチル−3−(5−(6−モルホリノピリダジン−3−イルアミノ)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)フェニル)ベンズアミド(8)
【化20】

N−(3−(5−アミノ−6−メトキシピリジン−3−イル)−2−メチルフェニル)−4−tert−ブチル−ベンズアミド(6)
【化21】

【0195】
磁気攪拌棒を備えた48mL封管に、DME(10mL)及び1N 炭酸ナトリウム(10mL)中の2−メトキシ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン−3−アミン(5)(1.0g;4.0mmol)、及びN−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−4−tert−ブチルベンズアミド(1.8g;5.0mmol)、及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.20g;0.02mmol)を装入した。混合物を15分間にわたって脱ガスした後、これを16時間にわたって95℃で加熱した。次いで、反応混合物を室温まで冷却し、そしてH2O(10mL)中に注いだ。これにジクロロメタン(20mL)を添加し、そして層を分離した。水性相をジクロロメタン(3x10mL)で抽出し、そして合体させた有機抽出物をH2O(5mL)及びブライン(5mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、そして濃縮した。粗生成物をジクロロメタン中の勾配0〜10%MeOHのカラム・クロマトグラフィによって精製することにより、1.0g(64%)のN−(3−(5−アミノ−6−メトキシピリジン−3−イル)−2−メチルフェニル)−4−tert−ブチル−ベンズアミド(6)を固形物として得た。
4−tert−ブチル−N−(3−(6−メトキシ−5−(6−モルホリノピリダジン−3−イルアミノ)ピリジン−3−イル)−2−メチルフェニル)ベンズアミド(7)
【化22】

【0196】
磁気攪拌棒を備えた48mL封管に、ジオキサン(15mL)中のN−(3−(5−アミノ−6−メトキシピリジン−3−イル)−2−メチルフェニル)−4−tert−ブチル−ベンズアミド(6)(0.39g、1.0mmol)、4−(6−クロロピリダジン−3−イル)モルホリン(0.30g、1.5mmol)、Pd2(dba)3(0.083g、0.10mmol)、9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン(0.075g、0.13mmol)、及び及びCs2CO3(0.65g、2.0mmol)を装入した。混合物を15分間にわたって脱ガスした後、これを16時間にわたって95℃で加熱した。次いで、反応混合物を室温まで冷却し、そしてH2O(10mL)中に注いだ。これにジクロロメタン(20mL)を添加し、そして層を分離した。水性相をジクロロメタン(3x10mL)で抽出し、そして合体させた有機抽出物をH2O(5mL)及びブライン(5mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、そして濃縮した。粗生成物をジクロロメタン中の勾配0〜33%MeOHのカラム・クロマトグラフィによって精製することにより、0.12g(22%)の4−tert−ブチル−N−(3−(6−メトキシ−5−(6−モルホリノピリダジン−3−イルアミノ)ピリジン−3−イル)−2−メチルフェニル)ベンズアミド(7)を固形物として得た。
4−tert−ブチル−N−(2−メチル−3−(5−(6−モルホリノピリダジン−3−イルアミノ)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)フェニル)ベンズアミド(8)
【0197】
磁気攪拌器を備えた25mL丸底フラスコに、4−tert−ブチル−N−(3−(6−メトキシ−5−(6−モルホリノピリダジン−3−イルアミノ)ピリジン−3−イル)−2−メチルフェニル)ベンズアミド(7)(0.10g、0.18mmol)、ジオキサン(3mL)、H2O(1mL)、及び濃HCl(0.3mL)を装入した。反応混合物を2時間にわたって還流させたあと、これを10N NaOH(1mL)で塩基性化した。次いで反応混合物を水(5mL)で希釈し、ジクロロメタン(3x5mL)で抽出し、H2O(5mL)及びブライン(5mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして真空中で濃縮した。粗生成物をジクロロメタン中の勾配0〜33%MeOHのカラム・クロマトグラフィによって精製することにより、0.040g(41%)の4−tert−ブチル−N−(2−メチル−3−(5−(6−モルホリノピリダジン−3−イルアミノ)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)フェニル)ベンズアミド(8)を固形物として得た;LCMS m/z 552.2342(M+)。
例4
【0198】
例1、2及び3に記載したものと同様の手順を用いて、下記化合物を調製した。
【表1】

【表2】

【表3】

【表4】

【表5】

【表6】

【表7】

【表8】

【表9】

【表10】

【表11】

【表12】

【表13】

例5
生化学Btkアッセイ
【0199】
本出願において開示された化合物を試験するために用いることができる1つの標準生化学Btkキナーゼ・アッセイのための一般化手順は、下記の通りである。
【0200】
1XCell Signalingキナーゼ緩衝剤(25mM Tris−HCl、pH7.5、5mM ベータ−グリセロホスフェート、2mM ジチオスレイトール、0.1mM Na3VO4、10mM MgCl2)、0.5μM Promega PTKビオチン化ペプチド基質2、及び0.01% BSAを含有するマスターミックス・マイナスBtk酵素を調製する。1XCell Signalingキナーゼ緩衝剤、0.5μM PTKビオチン化ペプチド基質2、0.01% BSA、及び100ng/ウェル(0.06mU/ウェル)Btk酵素を含有するマスターミックス・プラスBtk酵素を調製する。Btk酵素は以下のように調製する:C末端V5及び6x Hisタグを有する完全長ヒト野生型Btk(受入番号NM−000061)を、このエピトープ・タグ付きBtkを担持するバキュロウィルスを形成するために、pFastBacベクター中にサブクローニングした。バキュロウィルスの発生は、刊行されたプロトコル“Bac-toBac Baculovirus Expression Systems”(Cat. Nos. 10359-016及び10608-016)に詳細に記されたInvitrogenの指示書に基づいて行われる。Sf9細胞に感染するために3代継代ウィルスを使用することにより、組み換えBtkタンパク質を過剰発現させる。次いで、Ni−NTAカラムを使用して、Btkタンパク質を均質になるまで精製する。最終タンパク質調製物の純度は、感受性Sypro-Ruby染色に基づいて95%を上回る。200μM ATPの溶液を水中で調製し、そして1N NaOHでpH7.4に調節する。5%DMSO中の1.25μLの量の化合物を96ウェル1/2エリアCostarポリスチレン板に移す。化合物を単一に、そして11点用量−応答曲線を用いて試験する(出発濃度は10μM;1:2希釈)。18.75μLの量のマスターミックス・マイナス酵素(陰性対照として)及びマスターミックス・プラス酵素を96ウェル1/2エリアCostarポリスチレン板内の好適なウェルに移す。最終ATP濃度を40μMにするために、96ウェル1/2エリアCostarポリスチレン板内の混合物に、5μLの200μMを添加する。室温で1時間にわたって、反応物をインキュベートさせておく。30mM EDTA、20nM SA−APC、及び1nM PT66 Abを含有するPerkin Elmer 1X検出緩衝剤で、反応を停止させる。励起フィルタ330nm、発光フィルタ665nm、及び第2の発光フィルタ615nmを使用するPerkin Elmer Envisionによって、時間分解蛍光を用いて板を読み取る。続いてIC50値を計算する。
例6
ラモス(Ramos)細胞Btkアッセイ
【0201】
本出願において開示された化合物を試験するために用いることができる標準細胞Btkキナーゼ・アッセイのための一般化手順は、下記の通りである。
【0202】
ラモス細胞を、試験化合物の存在において0.5x107細胞/mlの密度で、37℃で1時間にわたってインキュベートする。次いで、37℃で5分間にわたって10μg/mlの抗ヒトIgM F(ab)2と一緒にインキュベートすることにより、細胞を刺激する。細胞をペレット化し、溶解し、そして清澄化された溶解物上でタンパク質アッセイを行う。各試料の等しい量のタンパク質に、SDS−PAGEを施し、またBtk自己リン酸化を評価するために抗ホスホBtk(Tyr223)抗体(Cell Signaling Technology #3531)を用いるか、又は各溶解物中のBtkの総量をコントロールするために抗Btk抗体(Bd Transduction Labs #611116)を用いて、ウェスタン・ブロッティングを施す。
例7
B細胞増殖アッセイ
【0203】
本出願において開示された化合物を試験するために用いることができる標準細胞B細胞増殖アッセイのための一般化手順は、下記の通りである。
【0204】
B細胞単離キット(Miltenyi Biotech, Cat # 130-090-862)を使用して8〜16週齢のBalb/cマウスの脾臓から、B細胞を精製する。試験化合物を0.25% DMSO中に希釈し、そして、最終容積100μl中10μg/mlの抗マウスIgM抗体(Southern Biotechnology Associates Cat # 1022-01)を添加する前に30分間にわたって2.5 x 105個の精製済マウス脾臓B細胞と一緒にインキュベートする。24時間のインキュベーションに続いて、1μCi3H−チミジンを添加し、そしてSPA[3H]チミジン取り込みアッセイ・システム(Amersham Biosciences # RPNQ 0130)に関する製造業者のプロトコルを使用して採取する前にさらに36時間にわたって板をインキュベートする。SPA−ビードに基づく蛍光をマイクロベータ・カウンタ内でカウントする(Wallace Triplex 1450, Perkin Elmer)。
例8
T細胞増殖アッセイ
【0205】
本出願において開示された化合物を試験するために用いることができる標準細胞T細胞増殖アッセイのための一般化手順は、下記の通りである。
【0206】
Pan T細胞単離キット(Miltenyi Biotech, Cat # 130-090-861)を使用して8〜16週齢のBalb/cマウスの脾臓から、T細胞を精製する。試験化合物を0.25% DMSO中に希釈し、そして、それぞれ10μg/mlの抗CD3(BD# 553057)抗体及び抗CD28(BD# 553294)抗体で90分間にわたって37℃で前塗布された透明平底板内で最終容積100μl中2.5 x 105個の精製済マウス脾臓T細胞と一緒にインキュベートする。24時間のインキュベーションに続いて、1μCi3H−チミジンを添加し、そしてSPA[3H]チミジン取り込みアッセイ・システム(Amersham Biosciences # RPNQ 0130)に関する製造業者のプロトコルを使用して採取する前にさらに36時間にわたって板をインキュベートする。SPA−ビードに基づく蛍光をマイクロベータ・カウンタ内でカウントする(Wallace Triplex 1450, Perkin Elmer)。
例9
CD86阻害アッセイ
【0207】
本出願において開示された化合物を試験するために用いることができるB細胞活性の阻害に対する標準アッセイのための一般化手順は、下記の通りである。
【0208】
赤血球溶解(BD Pharmingen #555899)によって8〜16週齢のBalb/cマウスの脾臓から、総マウス脾細胞を精製する。試験化合物を0.5% DMSO中に希釈し、そして、透明平底板(Falcon 353072)内で最終容積200μl中1.25 x 106個の脾細胞と一緒に、37℃で60分間にわたってインキュベートする。次いで、15μ[g/ml IgM(Jackson ImmunoResearch 115-006-020)を添加することにより、細胞を刺激し、そして、37℃の5%CO2において24時間にわたってインキュベートする。24時間のインキュベーションに続いて、細胞を円錐底の透明な96ウェル板に移し、そして1200xgx5分で遠心分離することによりペレット化する。細胞をCD16/CD32(BD Pharmingen #553142)によって前ブロック形成し、続いてCD19−FITC(BD Pharmingen #553785)、CD86−PE(BD Pharmingen #553692)、及び7AAD(BD Pharmingen #51-68981E)による三重染色をこれに施す。細胞をBD FACSCalibur上で分類し、CD19+/7AAD個体群においてゲーティングする。ゲーティングされた個体群におけるCD86表面発現のレベルを、試験化合物濃度に対して測定する。
例10
B−ALL細胞生残アッセイ
【0209】
以下は、生存可能な細胞の数を測定するためにXTT読み取りを用いる、標準B−ALL細胞生残試験の手順である。このアッセイは、培養液中のB−ALL細胞の生残を阻害する能力に関して、本出願において開示された化合物を試験するために用いることができる。使用することができる1種のヒトB細胞急性リンパ芽球性白血病細胞株は、SUP−B15、すなわちATCCから入手可能なヒトPre−B−細胞ALL細胞株である。
【0210】
SUP−B15 Pre−B−ALL細胞を複数の96ウェル・マイクロタイター板内で、5 x 105細胞/mlの濃度で100μmのIscove培地+20% FBS中に平板培養する。次いで試験化合物を最終濃度の0.4% DMSO一緒に添加する。細胞を最大3日間にわたって5% CO2とともに37℃でインキュベートする。3日後、細胞を1:3に分割して、試験化合物を含有する新しい96ウェル板内に入れ、そしてさらに最大3日成長させておく。24時間後毎に、複製96ウェル板のうちの1つに50ulのXTT溶液(Roche)を添加し、製造業者の指示に従って2、4及び20時間目に吸光度を測定する。アッセイの線形範囲(0.5〜1.5)内のDMSOだけで処理された細胞に対応するODで測定された読み取り値を次いで求め、そして化合物で処理されたウェル内の生存可能な細胞のパーセンテージを、DMSOだけで処理された細胞に対して測定する。
例11
【0211】
上記例に開示された化合物を、本明細書に記載したBtk生化学アッセイ(例5)において試験し、これらの化合物のうちの或るものは、1マイクロモル以下のIC50値を示した。これらの化合物のうちの或るものは、100nM以下のIC50値を示した。これらの化合物のうちの或るものは、10nM以下のIC50値を示した。
【0212】
上記例に開示された化合物のいくつかを、B細胞増殖アッセイ(例7に記載)において試験し、そしてこれらは、10マイクロモル以下のIC50値を示した。これらの化合物のうちの或るものは、1マイクロモル以下のIC50値を示した。これらの化合物のうちの或るものは、500nM以下のIC50値を示した。
【0213】
これらの化合物のうちの或るものは、T細胞増殖を阻害せず、本明細書中に記載された条件下でアッセイすると(例8に記載)、5マイクロモル以上のIC50値を有した。
【0214】
本明細書中に開示された或る化合物は、B細胞増殖阻害に対応するこれらの化合物のIC50値の少なくとも3倍、いつかの例では5倍、又は10倍大きい、T細胞増殖阻害のIC50値を示した。
【0215】
本明細書中に開示された化合物のいくつかを、B細胞活性の阻害に関するアッセイにおいて(例9に記載された条件下で)試験し、これらは10マイクロモル以下のIC50値を示した。これらの化合物のうちの或るものは、1マイクロモル以下のIC50値を示した。これらの化合物のうちの或るものは、このアッセイにおいて500nM以下のIC50値を示した。
【0216】
本明細書中に開示された化合物のいくつかを、B細胞白血病細胞生残アッセイアッセイにおいて(例10に記載された条件下で)試験し、これらは10マイクロモル以下のIC50値を示した。
【0217】
本明細書中に開示された化合物のいくつかは、生化学活性、及び細胞に基づく活性の両方を示した。例えば、本明細書中に開示された化合物のいくつかは、本明細書中に記載されたBtk生化学アッセイ(例5)において10マイクロモル以下のIC50値を示し、また、本明細書中に記載された、細胞に基づくアッセイのうちの少なくとも1つ(T細胞アッセイ以外)において10マイクロモル以下のIC50値を示した。これらの化合物のいくつかは、本明細書中に記載されたBtk生化学アッセイ(例5)において1マイクロモル以下のIC50値を示し、また、本明細書中に記載された、細胞に基づくアッセイのうちの少なくとも1つ(T細胞アッセイ以外)において10マイクロモル以下のIC50値を示した(例6、7、9又は10)。これらの化合物のいくつかは、0.1マイクロモル以下のIC50値を示し、また、本明細書中に記載された、細胞に基づくアッセイのうちの少なくとも1つ(T細胞アッセイ以外)において10マイクロモル以下のIC50値を示した(例6、7、9又は10)。
【0218】
いくつかの実施態様を示し説明してきたが、本発明の思想及び範囲を逸脱することなしに、種々の変更形及び代用形を形成することができる。例えば、特許請求の範囲を解釈する上で、以後に示される請求項は、文字通りの言語よりも狭く解釈するべきでは決してなく、ひいては、明細書の実施態様は特許請求の範囲の意味に読み取られるものではない。従って言うまでもなく、本発明は説明のために記載されたものであって、特許請求の範囲を限定するものではない。
【0219】
これ以上詳述しなくても、当業者ならば前述の説明を用いて本発明を最大限利用することができる。従って、前記好ましい具体的な実施態様は、単に例示したものにすぎず、開示の残りの部分を限定するものでは決してない。
【0220】
前述の内容及び例において、全ての温度は摂氏で修正せずに示し、また全ての部及びパーセンテージは特に断りのない限り重量で示す。
【0221】
本明細書中に記載した全ての出願明細書、特許明細書、特許出願公開明細書、及び、2006年9月11日付けで出願された対応する米国仮出願第60/843,851号明細書の開示全体を、参考のため本明細書中に引用する。
【0222】
前記例は、一般的又は具体的に記載された反応物質、及び/又は本発明の作業条件を、前記例において用いられたものの代わりに利用することによって、同様に成功裡に繰り返すことができる。
【0223】
前記記載内容から、当業者ならば、本発明の本質的な特徴を容易に確認することができ、また本発明の思想及び範囲を逸脱することなしに、発明の種々の変更及び改変を加えることにより、本発明を種々の用途及び条件に適合させることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式1:
【化1】

の化合物、並びにその医薬的に許容される塩、溶媒和物、キレート、非共有結合複合体、プロドラッグ、及び混合物から選択された化合物であって、上記式中、
Rは、任意に置換されたアリール及び任意に置換されたヘテロアリールから選択され;
4は、水素、任意に置換された低級アルキル、任意に置換された低級アルコキシ、ハロ、及びヒドロキシから選択され;
21及びR22は独立して、水素、及び任意に置換された低級アルキルから選択され;
16は、水素、シアノ、任意に置換されたシクロアルキル、及び任意に置換された低級アルキルから選択され;
Aは、任意に置換された5員ヘテロアリール、任意に置換されたピリダジニル;任意に置換されたピリミジニル;及び任意に置換されたピラジニルから選択され;
Lは、任意に置換されたC0−C4アルキレン、−O−任意に置換されたC0−C4アルキレン、−(C0−C4アルキレン)(SO)−、−(C0−C4アルキレン)(SO2)−;及び−(C0−C4アルキレン)(C=O)−であり;そして
Gは、水素、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、ニトロ、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアミノ、任意に置換されたカルバミミドイル、任意に置換されたヘテロシクロアルキル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたアリール、及び任意に置換されたヘテロアリールから選択される、化合物。
【請求項2】
前記式中、Rは、4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン−2−イルと、一置換、二置換及び三置換型の4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン−2−イルから選択された置換型4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン−2−イルとから選択され、ここで該置換基は独立して、ヒドロキシ、低級アルキル、スルホニル、ハロ、低級アルコキシ、及びヘテロアリールから選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
前記式中、Rは、4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン−2−イルと、一置換、二置換及び三置換型の4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン−2−イルから選択された置換型4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン−2−イルとから選択され、ここで該置換基は低級アルキルである、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
前記式中、Rは、4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン−2−イルから選択される、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
前記式中、Rは、5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−シクロヘプタ[b]チオフェン−2−イルと、一置換、二置換及び三置換型の5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−シクロヘプタ[b]チオフェン−2−イルから選択された置換型5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−シクロヘプタ[b]チオフェン−2−イルとから選択され、ここで該置換基は独立して低級アルキルから選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
前記式中、Rは、5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−シクロヘプタ[b]チオフェン−2−イルから選択される、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
前記式中、Rは、6,7−ジヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピラン−2−イル及びベンゾ[b]チオフェン−2−イルから選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
前記式中、Rは、一置換、二置換及び三置換型のフェニルから選択された置換型のフェニルであり、ここで該置換基は独立して、ヒドロキシ、低級アルキル、スルファニル、スルホニル、ニトロ、任意に置換されたアミノ、低級アルコキシ、1又は複数のハロで置換された低級アルキル、1又は複数のハロで置換された低級アルコキシ、ヒドロキシで置換された低級アルキル、低級アルコキシで置換された低級アルキル、及びヘテロアリールから選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
前記式中、Rは、一置換、二置換及び三置換型のフェニルから選択された置換型のフェニルであり、ここで該置換基は独立して、ヒドロキシ、低級アルキル、スルホニル、ハロ、低級アルコキシ、及びヘテロアリールから選択される、請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
前記式中、Rは4−低級アルキル−フェニルである、請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
前記式中、Rは4−tert−アルキル−フェニルである、請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
前記式中、Rは、ヘテロシクロアルキルで置換されたフェニルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
前記式中、Rは、一置換、二置換及び三置換型のピリジニルから選択された置換型のピリジニルであり、ここで該置換基は独立して、ヒドロキシ、低級アルキル、スルファニル、スルホニル、任意に置換されたアミノ、低級アルコキシ、1又は複数のハロで置換された低級アルキル、1又は複数のハロで置換された低級アルコキシ、ヒドロキシで置換された低級アルキル、低級アルコキシで置換された低級アルキル、及びヘテロアリールから選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
前記式中、Rは6−低級アルキル−ピリジニルである、請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
前記式中、Rは6−tert−アルキル−ピリジニルである、請求項14に記載の化合物。
【請求項16】
式1の化合物が式2:
【化2】

の化合物から選択され、
上記式中、
5は、水素、ヒドロキシ、低級アルキル、スルホニル、任意に置換されたアミノ、低級アルコキシ、1又は複数のハロで置換された低級アルキル、1又は複数のハロで置換された低級アルコキシ、ヒドロキシで置換された低級アルキル、任意に置換されたヘテロシクロアルキル、及び任意に置換されたヘテロアリールから選択され;そして
Xは、N及びCHから選択される、
請求項1に記載の化合物。
【請求項17】
式2の化合物が式3:
【化3】

の化合物から選択され、
上記式中、
1、Y2、及びY3は独立してN及びCHから選択され、但し、Y1、Y2、及びY3のうちの1つがNであることを条件とする、
請求項16に記載の化合物。
【請求項18】
式3の化合物が式4:
【化4】

の化合物から選択される、請求項17に記載の化合物。
【請求項19】
式2の化合物が式5:
【化5】

の化合物から選択され、
上記式中、
1はO、S、及びNR10から選択され、そして
10は、水素、及び任意に置換された低級アルキルから選択される、
る、請求項16に記載の化合物。
【請求項20】
式5の化合物が式6:
【化6】

の化合物から選択される、請求項19に記載の化合物。
【請求項21】
式2の化合物が式7:
【化7】

の化合物から選択され、
上記式中、
2はO、S、及びNR11から選択され;そして
11は、水素、及び任意に置換された低級アルキルから選択される、
る、請求項16に記載の化合物。
【請求項22】
式7の化合物が式8:
【化8】

の化合物から選択される、請求項21に記載の化合物。
【請求項23】
前記式中、Lは、任意に置換されたC0−C4アルキレン、−O−任意に置換されたC0−C4アルキレン、−(C0−C4アルキレン)(SO2)−;及び−(C0−C4アルキレン)(C=O)−から選択される、請求項1から22までのいずれか1項に記載の化合物。
【請求項24】
前記式中、Lは、任意に置換されたC0−C4アルキレン、及び−(C0−C4アルキレン)(C=O)−から選択される、請求項23に記載の化合物。
【請求項25】
前記式中、Lは共有結合である、請求項24に記載の化合物。
【請求項26】
前記式中、Lは−(C=O)−である、請求項24に記載の化合物。
【請求項27】
前記式中、Gは、水素、任意に置換されたシクロアルキル、及び任意に置換されたアルキルから選択される、請求項1から26までのいずれか1項に記載の化合物。
【請求項28】
前記式中、Gは、水素、任意に置換されたシクロアルキル、及び任意に置換された低級アルキルから選択される、請求項27に記載の化合物。
【請求項29】
前記式中、Gは、水素、シクロアルキル、及び低級アルキルから選択される、請求項28に記載の化合物。
【請求項30】
前記式中、Gは、−NR78(R7及びR8は独立して、水素、任意に置換されたシクロアルキル、及び任意に置換された(C1−C6)アルキルから選択されるか;或いはR7及びR8は、これらが結合されている窒素と一緒に、任意に置換された5〜7員窒素含有ヘテロシクロアルキルを形成し、該ヘテロシクロアルキルは任意にはさらにN、O、及びSから選択された1つ又は2つの付加的なヘテロ原子を含む);並びに、低級アルコキシ、及び1又は複数のヒドロキシルで置換された低級アルコキシから選択される、請求項1から26までのいずれか1項に記載の化合物。
【請求項31】
前記式中、Gは、
−NR78(R7及びR8は独立して、水素、任意に置換されたシクロアルキル、及び任意に置換された(C1−C6)アルキルから選択される);
任意に置換されたピペラジン−1−イル;
任意に置換されたピペリジン−1−イル;
任意に置換されたピロリジニル;及び
1又は複数のヒドロキシルで置換された低級アルコキシ
から選択される、請求項30に記載の化合物。
【請求項32】
前記式中、Gは、
−NH−シクロプロピル;
−NR78(R7及びR8は独立して、水素、及び、OH、(C1−C4)アルコキシ、アミノ、NH(C1−C4アルキル)及びN(C1−C4アルキル)2から選択された1又は複数の置換基で任意に置換された(C1−C6)アルキルから選択される);及び
−OCH2CH2OH
から選択される、請求項31に記載の化合物。
【請求項33】
前記式中、Gは、
モルホリン−4−イル;
4−低級アルキル−ピペラジン−1−イル;
4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル;
4−低級アルキル−ピペラジン−1−イル(該アルキルは、CN、OH、及びSO2−低級アルキルから選択された1又は複数の置換基で置換されている);
4−低級アルキル−ピペリジン−1−イル(該アルキルは、OHで置換されている);
4−ヒドロキシ−4−低級アルキル−ピペリジン−1−イル;
3−カルボキサミド−ピペリジン−1−イル;
4−モルホリノ−ピペリジン−1−イル;
ピロリジン−1−イル;
3−ヒドロキシ−3−低級アルキル−ピロリジン−1−イル;及び
ピロリジン−2−イル
から選択される、請求項31に記載の化合物。
【請求項34】
前記式中、Gは、
モルホリン−4−イル;
4−メチル−ピペラジン−1−イル;
4−エチル−ピペラジン−1−イル;
4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル;
4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル;
4−HOCH2CH2−ピペラジン−1−イル;
4−NCCH2CH2−ピペラジン−1−イル;
4−SO2(Me)CH2CH2−ピペラジン−1−イル;
4−HOCH2−ピペリジン−1−イル;
4−ヒドロキシ−4−メチル−ピペリジン−1−イル;
3−カルボキサミド−ピペリジン−1−イル;
4−モルホリノ−ピペリジン−1−イル;
ピロリジン−1−イル;
3−ヒドロキシ−3−メチル−ピロリジン−1−イル;及び
ピロリジン−2−イル
から選択される、請求項33に記載の化合物。
【請求項35】
前記式中、R4は、水素、任意に置換された低級アルキル、任意に置換された低級アルコキシ、シアノ、ハロ、及びヒドロキシから選択される、請求項1から34までのいずれか1項に記載の化合物。
【請求項36】
前記式中、R4は、水素、任意に置換された低級アルキル、任意に置換された低級アルコキシ、ハロ、及びヒドロキシから選択される、請求項35に記載の化合物。
【請求項37】
前記式中、R4は、メチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、メトキシ、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、及びフルオロから選択される、請求項36に記載の化合物。
【請求項38】
前記式中、R4はメチルである、請求項37に記載の化合物。
【請求項39】
前記式中、R22は水素及び低級アルキルから選択される、請求項1から38までのいずれか1項に記載の化合物。
【請求項40】
前記式中、R22は水素及びメチルから選択される、請求項39に記載の化合物。
【請求項41】
前記式中、R22は水素である、請求項40に記載の化合物。
【請求項42】
前記式中、R16は、水素、低級アルキル、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたアミノ、及び、任意に置換されたアシルから選択された基で置換された低級アルキルから選択される、請求項1から41までのいずれか1項に記載の化合物。
【請求項43】
前記式中、R16は、水素及び低級アルキルから選択される、請求項42に記載の化合物。
【請求項44】
前記式中、R16は、水素、メチル及びエチルから選択される、請求項43に記載の化合物。
【請求項45】
前記式中、R16は、メチル及びエチルから選択される、請求項44に記載の化合物。
【請求項46】
前記式中、R21は、水素及び低級アルキルから選択される、請求項1から45までのいずれか1項に記載の化合物。
【請求項47】
前記式中、R21は、水素及びメチルから選択される、請求項46に記載の化合物。
【請求項48】
前記式中、R21は水素である、請求項47に記載の化合物。
【請求項49】
前記式中、XがCHである、請求項16から48までのいずれか1項に記載の化合物。
【請求項50】
前記式中、XがNである、請求項16から48までのいずれか1項に記載の化合物。
【請求項51】
前記式中、R5は、水素、任意に置換されたピペリジニル、及び低級アルキルから選択される、請求項16から50までのいずれか1項に記載の化合物。
【請求項52】
前記式中、R5は、水素、任意に置換されたピペリジニル、イソ−プロピル、及びtert−ブチルから選択される、請求項51に記載の化合物。
【請求項53】
前記式中、R5はtert−ブチルである、請求項52に記載の化合物。
【請求項54】
前記化合物は、Btk活性のin vitro生化学アッセイで、10マイクロモル以下のIC50を示す、請求項1から53までのいずれか1項に記載の化合物。
【請求項55】
前記化合物は、Btk活性のin vitro生化学アッセイで、1マイクロモル以下のIC50を示す、請求項41に記載の化合物。
【請求項56】
前記化合物は、Btk活性のin vitro生化学アッセイで、0.1マイクロモル以下のIC50を示す、請求項55に記載の化合物。
【請求項57】
前記化合物はB細胞活性阻害アッセイで、10マイクロモル以下のIC50を示す、請求項1から56までのいずれか1項に記載の化合物。
【請求項58】
前記化合物はB細胞活性阻害アッセイで、1マイクロモル以下のIC50を示す、請求項57に記載の化合物。
【請求項59】
前記化合物はB細胞活性阻害アッセイで、500ナノモル以下のIC50を示す、請求項58に記載の化合物。
【請求項60】
前記化合物はT細胞増殖阻害アッセイで、B細胞増殖阻害アッセイで示すIC50値の少なくとも3倍のIC50値を示す、請求項1から59までのいずれか1項に記載の化合物。
【請求項61】
前記化合物はT細胞増殖阻害アッセイで、B細胞増殖阻害アッセイで示すIC50値の少なくとも5倍のIC50値を示す、請求項60に記載の化合物。
【請求項62】
前記化合物はT細胞増殖阻害アッセイで、B細胞増殖阻害アッセイで示すIC50値の少なくとも10倍のIC50値を示す、請求項61に記載の化合物。
【請求項63】
前記化合物はB−ALL細胞生残アッセイで、10マイクロモル以下のIC50を示す、請求項1から62までのいずれか1項に記載の化合物。
【請求項64】
式1の化合物が、例1〜3の標記化合物及び例4の化合物から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項65】
担体、アジュバント、及び賦形剤から選択される少なくとも1種の医薬的に許容される媒体と一緒に、請求項1から64までのいずれか1項に記載の化合物を含んでなる、医薬組成物。
【請求項66】
前記組成物が、注射用の流体、エアロゾル、クリーム、ゲル、錠剤、丸剤、カプセル、シロップ、眼科用溶液、及び経皮パッチの形態で処方される、請求項65に記載の医薬組成物。
【請求項67】
請求項65又は66に記載の医薬組成物;及び
Btk活性の阻害に対して応答する疾患の患者を治療するために該組成物を使用するための指示書、を含んでなるパッケージ化医薬組成物。
【請求項68】
前記Btk活性の阻害に対して応答する疾患が癌である、請求項67に記載のパッケージ化医薬組成物。
【請求項69】
前記Btk活性の阻害に対して応答する疾患が、アレルギー性疾患、自己免疫疾患、炎症性疾患、及び急性炎症反応から選択される、請求項67に記載のパッケージ化医薬組成物。
【請求項70】
Btk活性の阻害に対して応答する疾患を有する患者を治療する方法であって、請求項1から64までのいずれか1項に記載の化合物の有効量を該患者に投与することを含む、患者を治療する方法。
【請求項71】
前記患者がヒトである、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
前記患者が猫及び犬から選択される、請求項70に記載の方法。
【請求項73】
前記Btk活性の阻害に対して応答する疾患が癌である、請求項70から72までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項74】
前記Btk活性の阻害に対して応答する疾患が、B細胞リンパ腫及び白血病である、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
前記化合物の有効量が、静脈内、筋内、及び非経口から選択される方法によって投与される、請求項70から74までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項76】
前記化合物の有効量が経口投与される、請求項70から74までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項77】
癌、自己免疫疾患、炎症性疾患、急性炎症反応、及びアレルギー性疾患から選択される疾患を有する患者を治療する方法であって、請求項1から64までのいずれか1項に記載の化合物の有効量を該患者に投与することを含む、患者を治療する方法。
【請求項78】
前記患者がヒトである、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
前記患者が猫及び犬から選択される、請求項77に記載の方法。
【請求項80】
前記化合物の有効量が、静脈内、筋内、及び非経口から選択された方法によって投与される、請求項77から79までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項81】
前記化合物の有効量が経口投与される、請求項77から79までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項82】
化学療法に対する癌細胞の感受性を高める方法であって、
化学療法薬に対する癌細胞の感受性を高めるのに十分な量の、請求項1から64までのいずれか1項に記載の化合物を、化学療法薬と一緒に、化学療法を受けている患者に投与することを含んでなる、方法。
【請求項83】
投薬ミスを減らし、そしてBtk活性の阻害に対して応答する疾患に対する治療を受ける患者の治療コンプライアンスを高める方法であって、該方法が、請求項65に記載のパッケージ化医薬組成物を提供することを含み、ここで指示書がパッケージ化医薬組成物に関連する禁忌及び有害反応情報を追加的に含んでなる、方法。
【請求項84】
ATP加水分解を阻害する方法であって、該方法が、Btkを発現させる細胞と、in vitroのATP加水分解レベルを検出可能に低減するのに十分な量の、請求項1から64までのいずれか1項に記載の化合物とを接触させることを含んでなる、方法。
【請求項85】
前記細胞が哺乳動物中に存在する、請求項84に記載の方法。
【請求項86】
前記哺乳動物がヒトである、請求項85に記載の方法。
【請求項87】
前記哺乳動物が猫及び犬から選択される、請求項85に記載の方法。
【請求項88】
試料中のBtkの存在を判定する方法であって、Btk活性の検出を可能にする条件下で該試料と請求項1から64までのいずれか1項に記載の化合物とを接触させ、該試料中のBtk活性レベルを検出し、そしてこれにより該試料中のBtkの有無を判定することを含んでなる、方法。
【請求項89】
B細胞活性を阻止する方法であって、Btkを発現させる細胞と、in vitroのB細胞活性を検出可能に低減するのに十分な量の、請求項1から64までのいずれか1項に記載の化合物とを接触させることを含んでなる、方法。
【請求項90】
Btk活性の阻害に対して応答する疾患を治療するための医薬の製造における、請求項1から89までのいずれか1項に記載の化合物又は組成物の使用。
【請求項91】
癌を治療するための、請求項90に記載の使用。
【請求項92】
自己免疫疾患、炎症性疾患、急性炎症反応、又はアレルギー性疾患を治療するための、請求項90に記載の使用。
【請求項93】
Btk活性の阻害に対して応答する疾患を治療するための、請求項1から92までのいずれか1項に記載の化合物又は組成物。
【請求項94】
化学療法を受けている患者において化学療法に対する癌細胞の感受性を高めるための医薬の製造における、請求項1から93までのいずれか1項に記載の化合物又は組成物の使用。

【公表番号】特表2010−502750(P2010−502750A)
【公表日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−527626(P2009−527626)
【出願日】平成19年9月11日(2007.9.11)
【国際出願番号】PCT/US2007/078185
【国際公開番号】WO2008/033857
【国際公開日】平成20年3月20日(2008.3.20)
【出願人】(507303114)シージーアイ ファーマシューティカルズ,インコーポレイティド (7)
【Fターム(参考)】