説明

状態現出装置

【課題】簡易な構造で所定の状態を無作為に現出できる状態現出装置を提供すること。
【解決手段】環状に延びた環状路5を備えた支持体2と、環状路5の延長方向に沿って各々が移動可能に配置された、複数個から成る移動体3,3‥と、移動体3,3‥に摩擦接触しており、環状路5に沿って移動操作可能に配置された操作体4とを少なくとも有し、各体が互いに重合して構成されており、移動体3,3‥若しくは操作体4の少なくとも何れかに、操作体4の移動操作により移動する識別子3aが設けられ、操作体4の移動操作により複数個の移動体3,3‥を環状路5の延長方向に沿って移動させることで、各体が互いに相対移動し、各体が漸次減速して静止することで、各体の静止状態における識別子3aの位置に基づき、所定の状態が現出されるように成っている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者の操作の結果として所定の状態が無作為に現出される状態現出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の状態現出装置には、例えば占い等の分野で用いられる状態現出装置があり、予め色分けされた複数個の玉から無作為に所定数の玉を選出し、選出した所定数の玉の色に基づいて、複数の表示部の中から特定の表示部が現出されるものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、他の状態現出装置には、複数の数字が表示された盤に玉を投じることで、この玉が投入された溝に応じた数字が特定の数字として現出される、いわゆるルーレット盤がある(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−224368号公報(第3頁、第1図)
【特許文献2】特開2006−346374号公報(第3頁、第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1,2にあっては、所定の状態を現出するために用いる状態現出装置の構造が複雑という問題がある。
【0006】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、簡易な構造で所定の状態を無作為に現出できる状態現出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明の状態現出装置は、
環状に延びた環状路を備えた支持体と、
前記支持体の前記環状路の延長方向に沿って各々が移動可能に配置された、少なくとも一群の複数個から成る移動体と、
前記移動体に摩擦接触しており、該移動体を前記環状路に沿って移動操作可能に配置された操作体とを少なくとも有し、前記各体が互いに重合して構成されており、
前記移動体若しくは前記操作体の少なくとも何れかに、該操作体の移動操作により移動する識別子が設けられ、
前記操作体の移動操作により前記複数個の移動体を前記環状路の延長方向に沿って移動させることで、前記各体が互いに相対移動し、該各体の相対移動が漸次減速して静止することで、前記各体の静止状態における前記識別子の位置に基づき、所定の状態が現出されるように成っていることを特徴としている。
この特徴によれば、操作体の移動操作により複数個の移動体を環状路の延長方向に沿って移動させることで、操作体及び前記移動体の各体が互いに相対移動し、各体の相対移動が漸次減速して静止することで、各体の静止状態における識別子の位置に基づき、所定の状態が現出されるように成っており、状態現出装置の互いに重合した各体の摩擦接触による相対移動のみの簡易な構造で、所定の状態を無作為に現出することができる。
【0008】
本発明の状態現出装置は、
前記複数個の移動体及び前記操作体は、各々が略球体形状に形成されており、前記環状路は、平面視略円環形状に形成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、平面視略円環形状に形成された環状路の上方から、略球体形状に形成された操作体を載置することで、操作体が略球体形状に形成された移動体のみに摩擦接触して支持されるため、略球体形状の操作体の支持構造を簡略化して位置決めできる。
【0009】
本発明の状態現出装置は、
前記複数個の移動体は、各々が略同径の略球体形状に形成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、複数個の移動体は、各々が略同径の略球体形状に形成されていることで、略球面形状に形成された操作体の外周面を、環状路に配置した複数の移動体に等しく且つ安定的に載置して支持でき、この操作体を環状路の周方向に回転させることで、各々の移動体に対し環状路に沿って移動させる駆動力を均一に与えることができる。
【0010】
本発明の状態現出装置は、
前記識別子は、前記複数個の移動体のうち視覚的に識別された少なくとも1個の識別体であることを特徴としている。
この特徴によれば、識別子が、操作体を介して移動する複数個の移動体のうちの識別体であることで、所定の状態を現出する無作為性が高まるばかりか、識別体を目視で容易に識別できる。
【0011】
本発明の状態現出装置は、
前記支持体に、該支持体の前記環状路を延長方向に所定数に区分けした各延長域に対応し各々が表示された複数の表示部が設けられ、前記所定の状態は、前記各体の静止状態における前記識別子と前記複数の表示部との相対位置に基づき、現出されるように成っていることを特徴としている。
この特徴によれば、所定の状態が、支持体の環状路を延長方向に所定数に区分けした各延長域に対応し各々が表示された複数の表示部と、識別子との相対位置に基づき現出されるため、状態現出装置単体で所定の状態を現出できる。
【0012】
本発明の状態現出装置は、
前記操作体と前記複数個の移動体とは、何れもガラス体から成ることを特徴としている。
この特徴によれば、互いに摩擦接触している操作体と移動体とが、何れもガラス体から成るため、互いの摩擦抵抗を低く抑え、各体の相対移動が漸次減速し静止するまでの時間、すなわち特定表示部が選出されるまでの時間を長く取ることができ、期待感がより一層高まる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施例における状態現出装置を示す斜視図である。
【図2】実施例における環状路を開放した状態を示す斜視図である。
【図3】実施例における(a)は、状態現出装置を示す正面図であり、(b)は、(a)と同じく正面断面図である。
【図4】実施例における状態現出装置を示す平面図である。
【図5】変形例における状態現出装置を示す正面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明に係る状態現出装置を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例】
【0015】
実施例に係る状態現出装置につき、図1から図4を参照して説明する。
【0016】
本発明の状態現出装置は、例えば吉凶が表示された複数の表示部から所定の状態としての占形を無作為に現出する易・風水等の占いの類として用いられ、若しくは所定の状態としての数字を無作為に選出するさいころ又はルーレットの類として用いられる装置である。図1に示されるように、本実施例における状態現出装置1は、表示部E,E‥として「1」乃至「12」の数字の中から所定の状態として特定の数字を選出するために用いられる。
【0017】
状態現出装置1は、環状に延びた環状路5と複数の表示部E,E‥とを備えた支持体2と、環状路5上に載置された複数個の移動体としての移動玉3,3‥と、複数個の移動玉3,3‥を環状路5の延長方向に沿って移動操作可能に載置された操作体としての操作玉4とを有し、上方から下方に向けて支持体2、移動玉3,3‥、操作玉4の順に、重力により互いに重合して構成されている。
【0018】
支持体2は、平面視略円形状であって底面が平面状に形成された支持板2aと、この支持板2aに一体に固着された略円錐台形状の台座2bとから成り、これ等支持板2a及び台座2bは、透光性を有するガラス体を研磨加工したものである。
【0019】
図2,図4に示されるように、台座2bの上面には、平面視略円環形状であって全周に亘って側断面視略凹形状の環状路5が形成されており、また環状路5の内径側に平面視凹状の曲面を成す窪み部6が形成されている。環状路5について詳しくは、水平方向に平面状に形成された内底面5aと、垂直方向に平面状に形成された外径側の内側面5bとを備え、後述する複数個の移動玉3,3‥を内部に収容している。
【0020】
また台座2bの外周面には、台座2bの平面視中心点Oから放射方向に延びる仕切線L,L‥が、所定角の等角度毎に複数本(本実施例では30度毎に12本)描かれており、隣り合った仕切線L,L‥同士の間に、表示部E,E‥として「1」から「12」までの互いに異なる数字が表示されている。これ等仕切線L,L‥は、各々の仕切線L,L‥と中心点Oとを結ぶ仮想延長線L’,L’‥により、環状路5を延長方向に等間隔の12区域の延長域に区分けしていることを意味し、「1」から「12」までの数字は、環状路5を区分けした各延長域に対応して表示されていることを意味する。
【0021】
表示部E,E‥は、台座2bの外周面に描かれていてもよいし、本実施例のように台座2b及び支持板2aが透光性を有している場合であれば、表示部E,E‥は台座2b若しくは支持板2aの内部、または支持板2aの底面に描かれていてもよい。
【0022】
尚、延長域の区分けは、必ずしも本実施例のように全ての延長域が等間隔に区分けされているものに限られず、例えば比較的延長方向に幅広の延長域と幅狭の延長域とが混在していてもよい。
【0023】
更に尚、各延長域に対応して表示された表示部E,E‥の表示内容は、複数が表示されていれば必ずしも本実施例のように数字に限られず、例えば、「子」,「丑」,「寅」‥から成る十二支であってもよいし、また例えば、「北」,「北北東」,「北東」‥から成る十六方位であってもよいし、更に例えば、「大吉」,「中吉」,「吉」‥から成る占形であっても構わない。
【0024】
図3(b),図4に示されるように、環状路5の内底面5a上に、複数個(本実施例では12個)から成る一群の移動玉3,3‥が、環状路5の延長方向に沿って各々が移動可能に載置されている。12個の移動玉3,3‥は、各々が同径の略球体形状に研磨加工されたガラス体から成り、内1個の移動玉のみが、予め視覚的に識別された識別子としての識別玉3aであり、他の11個の移動玉3,3‥とは異なる色(本実施例では青色)が施され、識別玉3aを除く11個の移動玉3,3‥は無色透明である。
【0025】
尚、移動玉3,3‥の個数、若しくは識別玉3aの個数は、必ずしも本実施例に限られず、環状路に収容可能な所定個数であればよい。更に尚、本発明の複数個の移動体は、本実施例のように球体形状の移動玉3に限られず、例えば偏心した曲面から成る曲面体形状でもよいし、平面視略円形若しくは矩形等の平面体形状でも構わない。
【0026】
更に尚、複数個の移動玉のうち、所定数の複数個(例えば3個)を識別子として識別する場合、これ等識別玉同士のうち少なくとも一部を互いに異なる色(例えば、赤色、赤色、及び黄色)で着色し、これ等識別玉同士を互いに異なる態様で識別してもよい。また、複数個の移動玉の一部に限らず、移動玉の全部が予め互いに識別された識別子であって、互いに異なる色で着色されても構わない。
【0027】
図3(a),(b)に示されるように、操作玉4は、環状路5の外側の内側面5bの径よりも大径の略球体形状に研磨加工された、透光性を有する無色透明のガラス体から成る。操作玉4は、その中心点を環状路5の中心点と平面視略同軸上に配置した位置で、すなわち12個の移動玉3,3‥の何れとも当接する位置で、各々の移動玉3,3‥の内径側上面に載置されている。
【0028】
尚、操作玉4の形状は、必ずしも本実施例に限られず、例えば操作体は複数個の移動玉に当接する球面形状を下半部のみに有した略半球体形状であってもよい。
【0029】
各々の移動玉3,3‥は、各々の移動玉3,3‥の内径側上面に戴く操作玉4の重量により、環状路5内を外径方向に押圧され、外径側の内側面5bに当接することに成る。従って、略球体形状に形成された各々の移動玉3,3‥は、略球体形状の操作玉4と点接触し、水平方向に平面形状の環状路5の内底面5aと点接触し、及び垂直方向に平面形状の環状路5の内側面5bとも点接触している。
【0030】
窪み部6は、操作玉4の曲率半径よりも大きい曲率半径の凹形状に形成されており、操作玉4を移動玉3,3‥上に載置しても、操作玉4の下面と当接せず離間している。
【0031】
従って、略球体形状の操作玉4は、窪み部6に向けて若干沈んだ位置で、すなわち操作玉4の下端よりも若干上側の外周面が周方向に沿って12個の移動玉3,3‥の何れとも点接触しており、安定的な態様で12個の移動玉3,3‥上に載置されている。
【0032】
次に、状態現出装置1を用いた所定の状態の現出方法について、図3(a),(b)及び図4を参照して説明する。
【0033】
状態現出装置1の使用者は、複数の移動玉3,3‥上に載置された操作玉4を把持し、操作玉4が12個の移動玉3,3‥上に載置された状態のままで環状路5の周方向に向けて自回転させる回転力を与える。
【0034】
この操作玉4の自回転により、操作玉4に摩擦接触している12個の移動玉3,3‥は駆動力を得て、操作玉4の自回転方向に環状路5の延長に沿って転がり移動し始める。尚、操作玉4及び12個の移動玉3,3‥は、比較的摩擦係数の低いガラス体から成るため、12個の移動玉3,3‥は、操作玉4よりも遅い速度で環状路5内を転がり周回移動する。
【0035】
識別玉3aを含む12個の移動玉3,3‥は、操作玉4の経時的な自回転速度の減速により、環状路5内を漸次減速しながら周回移動し続け、最終的に静止する。このとき、識別玉3aが静止した環状路5の何れかの延長域に対応した表示部Eが、所定の状態である特定表示部E’として、状態現出装置1の使用者の無作為に現出されることに成る(本実施例では、所定の状態として特定表示部E’「3」が現出)。
【0036】
以上説明したように、本発明の状態現出装置1によれば、操作玉4の移動操作により複数個の移動玉3,3‥を環状路5の延長方向に沿って移動させることで、操作玉4、移動玉3,3‥及び支持体2の各体が互いに相対移動し、各体2,3,3‥、4の相対移動が漸次減速して静止することで、各体2,3,3‥、4の静止状態における識別子としての識別玉3aの位置に基づき、所定の状態として複数の表示部E,E‥の中から所定の状態として特定表示部E’が現出されるように成っており、状態現出装置1の互いに重合した各体2,3,3‥、4の摩擦接触による相対移動のみの簡易な構造で、所定の状態としての特定表示部E’を無作為に現出することができる。
【0037】
また、移動玉3,3‥を直接に接触して移動操作することなく、複数の移動玉3,3‥に摩擦接触した操作玉4を介して移動操作できるため、特定表示部E’を予め狙うなどの恣意性が排除され、無作為に特定表示部E’が現出されることになり、複数の表示部E,E‥の中から何れの表示部が現出されるかを期待する期待感が高まる。
【0038】
また、複数個の移動玉3,3‥の各々が略球体形状に形成されているため、環状路5の延長方向に転がり移動し易い。更に、略球体形状に形成された移動玉3,3‥と摩擦接触している操作玉4が、略球体形状に形成されていることで、操作玉4を使用者の任意方向に回転操作しても、環状路5の延長方向成分の力を移動玉3,3‥に与えて、移動玉3,3‥を環状路5の延長方向に沿って移動させることが出来る。このとき、使用者の任意方向に回転操作した操作玉4自体は、環状路5の延長方向に沿って各々の移動玉3,3‥と摩擦接触していることで、その回転方向を前記した任意方向から漸次環状路5の延長方向に変えて回転することになる。
【0039】
更に、平面視略円環形状に形成された環状路5の上方から、略球体形状に形成された操作玉4を載置することで、操作玉4が環状路5に配置された略球体形状の移動玉3,3‥のみに点接触で摩擦接触して支持されるため、略球体形状の操作玉4の支持構造を簡略化して位置決めできる。
【0040】
また、複数個の移動玉3,3‥が、識別玉3aを含め各々が同径の略球体形状に形成されていることで、略球体形状に形成された操作玉4の外周面を、環状路5に配置した複数の移動玉3,3‥に等しく且つ安定的に載置して支持でき、この操作玉4を環状路5の周方向に回転させることで、識別玉3aを含めた各々の移動玉3,3‥に対し環状路5に沿って移動させる駆動力を均一に与えることができる。
【0041】
また本発明の識別子が、操作玉4を介して移動する複数個の移動玉3,3‥のうち視覚的に識別された識別玉3aであることで、所定の状態を現出する無作為性が高まるばかりか、識別体としての識別玉3aを目視で容易に識別できる。尚、本発明の識別子は、必ずしも視覚的に識別されるものに限られず、例えば特定の移動体若しくは操作体の特定箇所に埋設されたチップ等から成り、所定の検知手段により電子・電磁的に検知することで識別可能であってもよい。
【0042】
更に、本発明の所定の状態が、支持体2の環状路5を延長方向に所定数に区分けした各延長域に対応し各々が表示された複数の表示部E,E‥と、識別子としての識別玉3aとの相対位置に基づき現出されるため、状態現出装置1単体で所定の状態を現出できるばかりか、現出する所定の状態を予め適宜設定できる。
【0043】
また、互いに摩擦接触している操作玉4と移動玉3,3‥とが、何れもガラス体から成るため、材質が統一されて製作し易いばかりか、比較的互いに滑り易いため、各体2、3,3‥、4の相対移動が漸次減速し静止するまでの時間、すなわち特定表示部E’が選出されるまでの時間を長く取ることができ、期待感がより一層高まる。上記に加え、支持体2もガラス体から成るため、更に、状態現出装置1が製作し易く、移動玉3,3‥と環状路5とが滑り易くなる。
【0044】
また、環状路5が断面視略凹形状に形成されていることで、複数の移動玉3,3‥が環状路5に沿って移動して遠心力を得ても、移動玉3,3‥が環状路5から飛び出てしまうことなく、略凹形状の環状路5の内部に保持できる。
【0045】
また、複数の移動玉3,3‥を移動させる操作玉4が、透光性を備えていることで、環状路5の各延長域に対応し各々が表示された表示部E,E‥が見易くなる。
【0046】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0047】
例えば、前記実施例では、複数個から成る移動玉3,3‥が一群のみ配置されていたが、例えば本発明の変形例として図5に示されるように、状態現出装置10は、各群が複数個から成る移動体3,3‥、3’,3’‥が、上面に環状路8、下面に環状路9を夫々備えた介在体7を介し、上下に重ねて複数群配置されており、すなわち上方から下方に向けて操作体4、複数個から成る一群の移動体3,3‥、介在体7、複数個から成る別の一群の移動体3’,3’‥、支持体2の順に重合して構成されており、各体4、3,3‥、7、3’,3’‥、2が互いに相対移動することで、所定の状態を現出するようにしてもよい。尚、各群が複数個から成る移動体の群数は、上記変形例に限られず、各群間に夫々介在体を介在させて多数群配置されてもよい。
【0048】
また例えば、前記実施例では、環状路5を区分けした延長域数すなわち表示部E,E‥の数と、識別玉3aを含む移動玉3,3‥の個数とが、何れも「12」で同数であるが、例えば表示部の数が移動玉の個数よりも多くてもよいし、或いは表示部の数が移動玉の個数よりも少なくても構わない。
【0049】
また例えば、前記実施例では、支持体2が平面視略円形状の支持板2aと略円錐台形状の台座2bとから成っているが、支持体の形状は、例えば上面に環状路を備え下方に向けて漸次小径の外周面を有する略杯形状であってもよい。
【0050】
更に例えば、前記実施例では、状態現出装置1を構成する支持体2、移動体としての移動玉3,3‥及び操作体としての操作玉4が、何れもガラス体から成っているが、支持体、移動体及び操作体の少なくとも何れか一体若しくは全体が、例えば水晶など所定種の鉱物若しくは金属から成っていてもよいし、或いは樹脂等から成っていても構わない。また、支持体、移動体若しくは操作体の加工方法については、必ずしも前記実施例で示した研磨加工に限られず、例えば金属等の材料をプレス加工するものであってよいし、または樹脂等の材料を研削加工するものであってもよいし、或いは所定の材料をプレス加工、研削加工、研磨加工を適宜組合せて加工するものであっても構わない。
【0051】
また例えば、前記実施例では、複数個の移動玉3,3‥の中で識別玉3aが、他の移動玉3,3‥と異なる着色により識別されているが、識別玉が視覚的に識別される態様は着色によるものに限られず、例えば識別玉が他の移動玉と異なる透明度の透明性を備えていてもよいし、また例えば識別玉が他の移動玉より若干小径の球体形状に形成されていてもよいし、更に例えば識別体が他の移動玉と異なり矩形状等の別形状に形成されていても構わない。
【0052】
また例えば、前記実施例では、複数の表示部E,E‥は、支持体2に表示されているが、例えば表示部は、支持体に替えて或いは支持体に加えて、移動体若しくは操作体或いはこれ等両体に表示されていても構わない。尚、表示部が支持体、移動体、操作体の何れか複数体に表示されていれば、これ等複数体の静止状態における表示部同士の組合せにより、特定表示部のヴァリエーションを増やすことができる。更に、状態現出装置は、上記した表示部を有さずに識別子のみが設けられていてもよく、例えば、静止状態における当該識別子と前記状態現出装置の使用者との相対位置や、静止状態における当該識別子と前記状態現出装置の周辺に存在する固定物との相対位置や、或いは静止状態における当該識別子が位置する方位・方角に基づき、所定の状態を現出するようにしても構わない。
【符号の説明】
【0053】
1、10 状態現出装置
2 支持体
3 移動玉(移動体)
3a 識別玉(識別子、識別体)
4 操作玉(操作体)
5、8、9 環状路
7 介在体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状に延びた環状路を備えた支持体と、
前記支持体の前記環状路の延長方向に沿って各々が移動可能に配置された、少なくとも一群の複数個から成る移動体と、
前記移動体に摩擦接触しており、該移動体を前記環状路に沿って移動操作可能に配置された操作体とを少なくとも有し、前記各体が互いに重合して構成されており、
前記移動体若しくは前記操作体の少なくとも何れかに、該操作体の移動操作により移動する識別子が設けられ、
前記操作体の移動操作により前記複数個の移動体を前記環状路の延長方向に沿って移動させることで、前記各体が互いに相対移動し、該各体の相対移動が漸次減速して静止することで、前記各体の静止状態における前記識別子の位置に基づき、所定の状態が現出されるように成っていることを特徴とする状態現出装置。
【請求項2】
前記複数個の移動体及び前記操作体は、各々が略球体形状に形成されており、前記環状路は、平面視略円環形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の状態現出装置。
【請求項3】
前記複数個の移動体は、各々が略同径の略球体形状に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の状態現出装置。
【請求項4】
前記識別子は、前記複数個の移動体のうち視覚的に識別された少なくとも1個の識別体であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の状態現出装置。
【請求項5】
前記支持体に、該支持体の前記環状路を延長方向に所定数に区分けした各延長域に対応し各々が表示された複数の表示部が設けられ、前記所定の状態は、前記各体の静止状態における前記識別子と前記複数の表示部との相対位置に基づき、現出されるように成っていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の状態現出装置。
【請求項6】
前記操作体と前記複数個の移動体とは、何れもガラス体から成ることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の状態現出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−78621(P2011−78621A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−234164(P2009−234164)
【出願日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【出願人】(390001535)旭栄研磨加工株式会社 (9)