玩具
【課題】磁力展開式の玩具を転動自在にすることにより、玩具の商品価値を格段に向上させ、遊戯者に新鮮な驚きや知的興奮を与える。
【解決手段】外部構造体と、外部構造体の内部に収納される内部構造体と、を備える玩具1であって、外部構造体は、外部係止部5c、7cと、外部構造体を転動自在な第1の形状から第2の形状へと変形させるスプリング30〜32と、を有し、内部構造体は、磁石11と、磁石11とともに移動する内部係止部10cと、内部係止部10cを特定の方向に付勢するスプリング12と、を有する。磁力が作用しない場合に内部係止部10cと外部係止部5c、7cとの係止状態が実現されて外部構造体の第1の形状が維持される一方、磁力が作用した場合に磁石11及び内部係止部10cが移動し内部係止部10cと外部係止部5c、7cとの係止状態が解除されて外部構造体が第2の形状へと変形する。
【解決手段】外部構造体と、外部構造体の内部に収納される内部構造体と、を備える玩具1であって、外部構造体は、外部係止部5c、7cと、外部構造体を転動自在な第1の形状から第2の形状へと変形させるスプリング30〜32と、を有し、内部構造体は、磁石11と、磁石11とともに移動する内部係止部10cと、内部係止部10cを特定の方向に付勢するスプリング12と、を有する。磁力が作用しない場合に内部係止部10cと外部係止部5c、7cとの係止状態が実現されて外部構造体の第1の形状が維持される一方、磁力が作用した場合に磁石11及び内部係止部10cが移動し内部係止部10cと外部係止部5c、7cとの係止状態が解除されて外部構造体が第2の形状へと変形する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、玩具に関し、特に、磁力の作用により変形する玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、磁力の作用により各種遊戯効果を発揮させる玩具が提案され、実用化されている。例えば、永久磁石が設けられた人形と、磁性体が設けられたハウス本体と、を備え、磁力の作用により展開する玩具が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。かかる玩具は、人形がハウス本体に接近した場合に、人形に設けられた磁石がハウス本体に設けられた磁性体を吸引することにより、ハウス本体の展開やドアの開放を自動的に実現させるものである。
【特許文献1】実公平6−160号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、前記した特許文献1に記載されたような従来の磁力展開式の玩具(例えばハウス本体の玩具)は、磁力により作動する機構をその内部に組み込む必要があるが、特定の場所に載置された状態で使用に供されるものであるため、設計の際にその形状や大きさが制約されることは少ない。
【0004】
しかし、例えば、磁力展開式の玩具をシュートするシュータを用いて、レールや各種トラップが設けられた走行玩具の上でこの玩具を走行させるようなシューティングゲームを開発しようとした場合には、玩具自体の小型化や形状の改良が必要となるが、この際に以下のような問題が発生する。
【0005】
すなわち、磁力展開式の玩具の小型化を実現させるためには、(1)磁力により作動する各種機構を内蔵するための空間と、(2)展開される部分を収納するための空間と、の双方を設ける必要があるが、これら双方の空間を小型の玩具の内部に確保することは設計上多大な困難を伴う。また、磁力展開式の玩具を用いたシューティングゲームを可能にするためには、この玩具を転動自在な形状(例えば球形状)にする必要があるが、かかる転動自在な形状を採用しながら小型化を図ることは設計上さらなる困難が伴い、従来の技術によっては未だ実現されていなかった。
【0006】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、磁力展開式の玩具を転動自在にすることにより、玩具の商品価値を格段に向上させ、遊戯者に新鮮な驚きや知的興奮を与えることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため、本発明に係る玩具は、転動自在な第1の形状から第2の形状へと変形するように構成された外部構造体と、この外部構造体の内部に収納される内部構造体と、を備える玩具であって、外部構造体は、外部係止部と、外部構造体を第1の形状から第2の形状へと変形させる変形手段と、を有し、内部構造体は、玩具の外部から作用する磁力により移動する磁性体と、磁性体の移動に連動して移動する内部係止部と、この内部係止部を特定の方向に移動又は回動させるための力を作用させる付勢手段と、を有し、玩具の外部から磁力が作用しない場合に、付勢手段の力により特定の方向に移動又は回動した内部係止部と外部係止部との係止状態が実現されて外部構造体の第1の形状が維持される一方、玩具の外部から磁力が作用した場合に、磁性体及び内部係止部が付勢手段の力に抗して移動又は回動し内部係止部と外部係止部との係止状態が解除されて、変形手段により外部構造体が第1の形状から第2の形状へと変形することを特徴とするものである。
【0008】
かかる構成によれば、玩具の外部から磁力が作用しない場合には、付勢手段の力により特定の方向に移動又は回動した内部係止部と外部係止部との係止状態が実現されて、外部構造体の転動自在な第1の形状(例えば略球形状)が維持される。一方、玩具の外部から磁力が作用した場合には、磁性体及び内部係止部が付勢手段の力に抗して移動又は回動し、内部係止部と外部係止部との係止状態が解除されて、変形手段により外部構造体が第1の形状から第2の形状へと変形する。
【0009】
すなわち、玩具の外部から磁性体を吸引する力(磁力)が作用しない限り、玩具は転動自在な第1の形状を維持することができる。従って、例えば、本発明に係る玩具を走行玩具上で走行させるようなシューティングゲーム等の遊戯を実現させることが可能となる。また、玩具の外部から磁力を作用させるだけで、玩具内部の磁性体及び内部係止部が移動又は回動して、内部構造体の内部係止部と外部構造体の外部係止部との係止状態が解除されるので、玩具は第1の形状から第2の形状へと自動的に変形することができる。従って、例えば、走行玩具の特定位置に磁石を配置することにより、転動自在な第1の形状で走行玩具上を走行している玩具を特定位置で突然別の形状(第2の形状)に変形させることが可能となる。また、玩具を第1の形状から第2の形状へと変形させるための機構が比較的簡素であるので、玩具の小型化を実現させることも可能となる。この結果、玩具の商品価値を格段に向上させることができ、遊戯者に新鮮な驚きや知的興奮を与えることが可能となる。
【0010】
前記玩具において、磁性体と一体的に玩具の中心位置と表面近傍位置との間を直線的に移動する内部係止部を採用することができる。かかる場合においては、内部係止部を玩具の表面近傍位置から中心位置に向けて移動させるための力を作用させる付勢手段を採用することができる。
【0011】
また、前記玩具において、内部構造体として、第1の内部回動軸を中心に磁性体と一体的に回動する第1の内部回動部と、この第1の内部回動部の回動に連動して第2の内部回動軸を中心に回動する第2の内部回動部と、を設けることができる。かかる場合においては、第2の内部回動部と一体的に回動する内部係止部を採用するとともに、第2の内部回動部及び内部係止部を特定方向に回動させるための力を作用させる付勢手段を採用することができる。
【0012】
また、前記玩具において、外部構造体として、第1の外部回動軸を中心に回動する第1の外部回動部材と、第2の外部回動軸を中心に回動する第2の外部回動部材と、を設けることができる。かかる場合においては、変形手段として、第1及び第2の外部回動部材を回動させるような力を作用させる回動手段を採用することができる。また、玩具の外部から磁力が作用して内部係止部と外部係止部との係止状態が解除された場合に、第1の外部回動部材の回動と、第2の外部回動部材の回動と、がこの順で実現されるような構成を採用することもできる。
【0013】
また、前記玩具において、外部構造体は第2の形状から第1の形状へと復元自在な構成とされ、外部構造体を第2の形状から第1の形状へと復元させた場合に、内部係止部と外部係止部との係止状態が実現され、外部構造体の第1の形状が再度維持されるような構成を採用することが好ましい。
【0014】
かかる構成を採用すると、磁力の作用により玩具が第1の形状から第2の形状へと変形した後においても、玩具を転動自在な第1の形状に復元して再使用することができるので、シューティングゲーム等の遊戯を繰り返し行うことができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、磁力展開式の玩具を転動自在とすることができるので、玩具の商品価値を格段に向上させ、遊戯者に新鮮な驚きや知的興奮を与えることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
<第1実施形態>
以下、図1〜図7を参照して、本発明の第1実施形態に係る玩具1について説明する。本実施形態に係る玩具1は、磁力の作用により、転動自在な球形状(第1の形状:図2〜図4)から、「邪悪な天使」を象徴する架空のキャラクタの形状(第2の形状:図7)へと変形するものである。
【0017】
まず、本実施形態に係る玩具1の構成について説明する。
【0018】
玩具1は、図1〜図4に示すように、玩具1の外側に配置され全体として球形状を形成する外部構造体と、外部構造体の内部に収納される内部構造体と、から構成されている。外部構造体は、玩具1の下方部分を構成する下方部材2、玩具1の上方部分を構成する上方部材3、玩具1の上下方向中央領域の環状部分を構成する4つの側方部材4〜7等を有している。また、内部構造体は、玩具1の内部前方位置に配置されキャラクタの前面部を構成する前方部材8、玩具1の内部後方位置に配置されキャラクタの背面部を構成する後方部材9、前方部材8と後方部材9との間に配置される係止部材10、係止部材10の下方に固着される磁石11、係止部材10を上方に移動させるための力を作用させるスプリング12、後方部材9の左右後方に配置され側方部材4〜7を支持する支持部材13、14等を有している。
【0019】
外部構造体の下方部材2は、図1〜図3等に示すように、球体の一部を切断したような薄いドーム形状を呈しており、その外表面は球形状の一部(下方部分)を構成する。下方部材2の中央部には、図1及び図5に示すように、円形の貫通孔2aが設けられている。貫通孔2aの内部空間には、内部構造体の係止部材10、磁石11及びスプリング12が玩具1の中央位置と表面近傍位置との間で直線的に移動自在に配置される。この際、図5に示すように、磁石11と玩具1の表面近傍付近との間に、磁石移動用の空間が形成される。これら係止部材10等については後に詳述する。
【0020】
外部構造体の上方部材3は、図1〜図3等に示すように、球体の一部を切断したような薄いドーム形状を呈しており、その外表面は球形状の一部(上方部分)を構成する。上方部材3の内部には、図1及び図6に示すように、前方部材8及び後方部材9の上部(キャラクタの頭部)を収納するための凹部3aが形成されている。また、上方部材3の縁部には、図1及び図2に示すように切欠部3bが設けられている。この切欠部3bには、内部構造体の後方部材9の後方突出部9aが嵌め込まれる。そして、上方部材3は、図2に示すように、回動軸20を介して後方部材9の後方突出部9aに回動自在に連結される。この際、上方部材3と後方部材9との間に配置されるスプリング30の弾性力により、上方部材3が上方(すなわち後方部材9に対して離隔する方向)に回動するように付勢されている。
【0021】
また、上方部材3の縁部の切欠部3bと対向する位置には、図1及び図6に示すように、断面L字状の凸部3cが設けられており、この凸部3cは、側方部材4の凹部4bに係止するようになっている。側方部材4が閉じられている場合には、図6(a)に示すように、上方部材3の凸部3cが側方部材4の凹部4bに係止しているため、上方部材3が上方に回動することはない。一方、側方部材4が側方に開かれた場合には、図6(b)に示すように、上方部材3の凸部3cと側方部材4の凹部4bとの係止状態が解除されるため、スプリング30の弾性力により、上方部材3が上方に回動することとなる。
【0022】
外部構造体の側方部材4〜7は、図1等に示すように、所定の厚さ及び幅を有する略円弧形状の殻状部材であり、組み合わせられることによりその外表面は球形状の一部(上下方向中央領域の環状部分)を構成する。側方部材4〜7の一方の端部には、軸受部4a〜7aが設けられている。図1及び図3等において右側に配置される上下2つの側方部材4、5の各軸受部4a、5aは、右側に配置される支持部材13の切欠部13aに嵌め込まれる。そして、これら右側の側方部材4、5は、回動軸21を介して支持部材13に連結される。この際、側方部材4と支持部材13との間に配置されるスプリング31の弾性力により、側方部材4が外方(すなわち開く方向)に回動するように付勢されている。一方、図1及び図3等において左側に配置される上下2つの側方部材6、7の各軸受部6a、7aは、左側に配置される支持部材14の切欠部14aに嵌め込まれる。そして、これら左側の側方部材6、7は、回動軸22を介して支持部材14に連結される。この際、側方部材6と支持部材14との間に配置されるスプリング32の弾性力により、側方部材6が外方(すなわち開く方向)に回動するように付勢されている。
【0023】
また、図1及び図3等において下方に配置される左右2つの側方部材5、7の上方には、各々、突片5b、7bが設けられている。下方に配置される右側の側方部材5の突片5bは、上方に配置される右側の側方部材4の図示されていない溝部に嵌め込まれる。これにより、スプリング31の弾性力により右側上方の側方部材4が回動軸21を中心に回動すると、この側方部材4と一体的に右側下方の側方部材5が回動することとなる。また、下方に配置される左側の側方部材7の突片7bは、上方に配置される左側の側方部材6の図示されていない溝部に嵌め込まれる。これにより、スプリング32の弾性力により左側上方の側方部材6が回動軸22を中心に回動すると、この側方部材6と一体的に左側下方の側方部材7が回動することとなる。
【0024】
また、図1及び図3等において下方に配置される左右2つの側方部材5、7の内側には、図1及び図5に示すように、内部構造体の係止部材10の左右2つの内部係止部10c、10cに各々係止されるコ字状の外部係止部5c、7cが設けられている。玩具1に磁力が作用せず内部構造体の係止部材10がスプリング12の弾性力により上方に付勢されている場合には、図5(a)に示すように、右側の側方部材5の外部係止部5cが係止部材10の右側の内部係止部10cに、左側の側方部材7の外部係止部7cが係止部材10の左側の内部係止部10cに、各々係止しているため、側方部材5、7が外方に回動することはない。一方、玩具1に磁力が作用して内部構造体の係止部材10が下方に移動した場合には、図5(b)に示すように、係止部材10の内部係止部10c、10cと側方部材5、7の外部係止部5c、7cとの係止状態が解除されるため、スプリング31、32の弾性力により、側方部材4、6(及びこれらと同時に回動する側方部材5、7)が外方に回動することとなる。
【0025】
なお、外部構造体の側方部材4〜7は本発明における第1の外部回動部材に相当し、回動軸21、22は本発明における第1の外部回動軸に相当する。また、上方部材3は本発明における第2の外部回動部材に相当し、回動軸20は本発明における第2の外部回動軸に相当する。また、上方部材3を回動させるための力を作用させるスプリング30及び側方部材4〜7を回動させるための力を作用させるスプリング31、32は、本発明における回動手段及び変形手段に相当する。
【0026】
内部構造体の前方部材8及び後方部材9は、図1及び図5等に示すように、外部構造体の下方部材2の上方に配置され、組み合わせられてネジ40で結合されることによりキャラクタの胴部及び頭部を構成する。前方部材8及び後方部材9が結合されて構成される胴部内には、図5に示すように、係止部材10を上下方向に移動自在に収納するための空間が形成される。この空間は、下方部材2の貫通孔2aの内部空間に連通するように玩具1の中心位置から玩具1の表面近傍側に向けて形成されており、この空間と磁石11とがほぼ直線上に配置されるようになっている。また、後方部材9の左右後方には、支持部材13、14が装着される。
【0027】
内部構造体の係止部材10は、図1及び図5等に示すように、左右方向に延在する左右延在部10aと、左右延在部10aの中央部から下方に延在する先細筒状部10bと、を有する略T字形状を呈している。そして、左右延在部10aの両端には内部係止部10c、10cが設けられており、先細筒状部10bの下端部には磁石11が固着されている。内部係止部10c、10cは、外部構造体の外部係止部5c、7cに各々係止される。磁石11は、図5に示すように、玩具1の表面(外部構造体の下方部材2の表面)近傍に配置される。スプリング12は、図5に示すように、その下端が下方部材2の貫通孔2aに設けられた支持部2bによって支持されており、係止部材10の先細筒状部10bの外周面を上方に押し上げるような弾性力を作用させる。なお、磁石11は本発明における磁性体に相当し、スプリング12は本発明における付勢手段に相当する。
【0028】
次に、本実施形態に係る玩具1の変形動作について説明する。
【0029】
玩具1の内部構造体の磁石11の近傍に金属等の磁性体が存在しない場合には、磁石11が磁力により移動することはなく、内部構造体のスプリング12の弾性力により係止部材10が玩具1の外部から中央部へと押圧された状態が維持される。この状態においては、図5(a)に示すように、内部構造体の係止部材10の左右の内部係止部10c、10cに外部構造体の外部係止部5c、7cが係止されて、図2〜図4に示すように外部構造体の球形状(第1の形状)が維持される。
【0030】
一方、図5(b)に示すように、玩具1の内部構造体の磁石11の近傍に金属等の磁性体(金属が埋め込まれているカードM)が存在する場合には、磁石11と磁性体とが引き合うような磁力が作用する。かかる磁力の作用により、玩具1の内部構造体の磁石11及び係止部材10が、スプリング12の弾性力に抗して一体的に玩具1の中央部から外部に向けて移動するため、内部構造体の係止部材10の左右の内部係止部10c、10cと外部構造体の外部係止部5c、7cとの係止状態が解除される。
【0031】
この結果、スプリング30、31、32の弾性力により、外部構造体が図7に示すようなキャラクタの形状(第2の形状)へと変形する。この際、まず、内部係止部10c、10cと外部係止部5c、7cとの係止状態が解除されるとスプリング31、32の力により側方部材4〜7が回動する。次いで、側方部材4〜7の回動により、図6(b)に示すように上方部材3の凸部3cと側方部材4の凹部4bとの係止状態が解除されるため、スプリング30の弾性力により上方部材3が上方に回動することとなる。
【0032】
また、玩具1の形状を、キャラクタの形状(第2の形状)から球形状(第1の形状)に復元するには、まず、スプリング30の弾性力に抗して外部構造体の上方部材3を下方に回動させる。次いで、スプリング31、32の弾性力に抗して外部構造体の側方部材4〜7を前方中央に向けて回動させ、上方部材3の凸部3cと側方部材4の凹部4bとを係止させるとともに、外部構造体の外部係止部5c、7cと、内部構造体の内部係止部10c、10cと、を係止させる。かかる操作により、玩具1の外部構造体の形状は球形状に復元される。そして、再度磁力が作用するまで玩具1の球形状は維持されることとなる。
【0033】
以上説明した実施形態に係る玩具1においては、玩具1の外部から磁石11を吸引する力(磁力)が作用しない限り、玩具1は転動自在な球形状(第1の形状)を維持することができる。従って、例えば、本実施形態に係る玩具1を走行玩具上で走行させるようなシューティングゲーム等の遊戯を実現させることが可能となる。また、玩具1の外部から磁力を作用させるだけで、玩具1の内部の磁石11及び係止部材10が移動して内部構造体の内部係止部10c、10cと外部構造体の外部係止部5c、7cとの係止状態が解除されるので、玩具1は球形状からキャラクタの形状(第2の形状)へと自動的に変形することができる。従って、例えば、走行玩具の特定位置に金属等の磁性体を配置しておくことにより、転動自在な球形状で走行玩具上を走行する玩具1を特定位置で突然別の形状(第2の形状)に変形させることが可能となる。また、玩具1を変形させるための機構が比較的簡素であるので、玩具1の小型化を実現させることも可能となる。この結果、玩具1の商品価値を格段に向上させることができ、遊戯者に新鮮な驚きや知的興奮を与えることが可能となる。
【0034】
また、以上説明した実施形態に係る玩具1においては、外部構造体がキャラクタの形状(第2の形状)から球形状(第1の形状)へと復元自在な構成とされており、しかも、外部構造体を球形状へと復元させた場合に内部係止部10c、10cと外部係止部5c、7cとの係止状態が実現され、その球形状が再度維持されることとなる。従って、磁力の作用により玩具1が球形状からキャラクタの形状へと変形した後においても、玩具1を転動自在な球形状に復元して再使用することができるので、シューティングゲーム等の遊戯を繰り返し行うことができる。
【0035】
<第2実施形態>
次に、図8〜図15を参照して、本発明の第2実施形態に係る玩具1Aについて説明する。本実施形態に係る玩具1Aは、磁力の作用により、転動自在な球形状(第1の形状:図9〜図11)から、「凶悪な竜」を象徴する架空のキャラクタの形状(第2の形状:図13〜図15)へと変形するものである。
【0036】
まず、本実施形態に係る玩具1Aの構成について説明する。
【0037】
玩具1Aは、図8〜図11に示すように、玩具1Aの外側に配置され全体として球形状を形成する外部構造体と、外部構造体の内部に収納される内部構造体と、から構成されている。外部構造体は、玩具1Aの下方に配置される半球部を構成する半球構成部材2A、2B、玩具1Aの半球部の下方に回動自在に取り付けられる脚部材3A、3B、玩具1Aの半球部の上方中央部に回動自在に取り付けられる中央回動部材4A、4B、玩具1Aの半球部の上方左右側方部に回動自在に取り付けられる側方回動部材7A、7B等を有している。また、内部構造体は、玩具1Aの半球部の内部に回動自在に配置される内部回動部材8A、内部回動部材8Aの下方に固定される磁石9A、内部回動部材8Aの回動に連動して回動する回動係止部材10A、回動係止部材10Aを特定方向に回動させるための力を作用させるスプリング11A等を有している。
【0038】
外部構造体の半球構成部材2A、2Bは、図8に示すように、半球を中央で切断したような形状を呈しており、左右一対組み合わせられてボルト40Aで結合されることにより半球部を構成する。半球構成部材2A、2Bにより構成された半球部内には中空部が形成されており、この中空部に内部構造体の内部回動部材8A、磁石9A、回動係止部材10A等が収納される。また、半球構成部材2A、2Bにより構成された半球部の下方には孔部が形成されており、この孔部から磁石9Aが外部に露出するようになっている。内部回動部材9A等については後に詳述する。
【0039】
外部構造体の脚部材3A、3Bは、キャラクタの脚部に相当する部分であり、図8及び図10等に示すように、半球構成部材2A、2Bの下方側部に、各々回動軸を介して回動自在に連結されている。脚部材3A、3Bは、遊戯者が指でその一部を把持して略180°回動させることにより、図13及び図15に示すようにキャラクタの脚部として使用することができる。また、脚部材3A、3Bを脚部として使用しない場合には、図10及び図11に示すように、脚部材3A、3Bの外表面が球形状の一部を構成するようになっている。
【0040】
外部構造体の中央回動部材4A、4Bは、図8〜図10等に示すように、所定の厚さを有する略円弧形状の部材であり、その外周面は球形状の一部を構成する。中央回動部材4A、4Bは、図8及び図12等に示すように、連結回動部材5Aを介して半球構成部材2A、2Bに連結されている。半球構成部材2A、2Bの上部には、各々、左右方向の回動軸20A(図12)を介して連結回動部材5Aを回動自在に連結するための第1の軸受部2Aa、2Baが設けられている。連結回動部材5Aの一方の端部は、これら半球構成部材2A、2Bの第1の軸受部2Aa、2Baに回動軸20Aを介して回動自在に連結される。また、連結回動部材5Aの他方の端部は、中央回動部材4A、4Bの一方の端部に回動軸21Aを介して回動自在に連結される。この際、連結回動部材5Aは中央回動部材4A、4Bの間に挟みこまれるように配置される。また、連結回動部材5Aと中央回動部材4A、4Bとの間に配置されるスプリング30Aの弾性力により、中央回動部材4A、4Bが後方に回動するように付勢されている。
【0041】
また、連結回動部材5Aには、図8及び図12に示すように、内部構造体の回動係止部材10Aの内部係止部10Acに係止されるL字状の外部係止部5Aaが設けられている。玩具1Aに磁力が作用せず内部構造体の内部係止部10Acがスプリング11Aの弾性力により前方に回動するように付勢されている場合には、図12(a)に示すように、連結回動部材5Aの外部係止部5Aaが内部係止部10Acに係止しているため、連結回動部材5A及び中央回動部材4A、4Bが上方に回動することはない。一方、玩具1Aに磁力が作用して内部構造体の内部係止部10Acが後方に回動した場合には、図12(b)に示すように、内部係止部10Acと外部係止部5Aaとの係止状態が解除されるため、スプリング30Aの弾性力により、中央回動部材4A、4Bが後方に回動する。すると、半球構成部材2Bの後方に設けられた凸部2Bbに中央回動部材4A、4Bの外表面が当接し、この凸部2Bbからの反力により中央回動部材4A、4B及び連結回動部材5Aが上方へ押し上げられる。また、スプリング31A、31Bの弾性力で回動する側方回動部材7A、7Bの各後端部により、中央回動部材4A、4Bが前方へ押圧される。この結果、中央回動部材4A、4B及び連結回動部材5Aは上方及び前方へ回動することとなる。
【0042】
また、中央回動部材4A、4Bの間には、角部材6Aが回動軸22Aを介して回動自在に連結されている。角部材6Aは、遊戯者が指でその先端を把持して所定角度回動させることにより、図13〜図15に示すようにキャラクタの角部として使用することができる。また、角部材6Aを角部として使用しない場合には、図9〜図11に示すように、角部材6Aの外表面が球形状の一部を構成するようになっている。
【0043】
外部構造体の側方回動部材7A、7Bは、図8〜図11等に示すように、半球を中央で切断したような形状を呈しており、そのサイズは半球構成部材2A、2Bよりも若干小さくされている。側方回動部材7A、7Bは、図8及び図14に示すように、半球構成部材2A、2Bの上部に回動自在に連結されている。半球構成部材2A、2Bの上部には、各々、上下方向の回動軸23A、23Bを介して側方回動部材7A、7Bを回動自在に連結するための第2の軸受部2Ac、2Bcが設けられている。側方回動部材7A,7Bの一方の端部は、これら半球構成部材2A、2Bの第2の軸受部2Ac、2Bcに回動軸23A、23Bを介して回動自在に連結される。この際、側方回動部材7A、7Bと半球構成部材2A、2Bとの間に配置されるスプリング31A、31Bの弾性力により、側方回動部材7A、7Bが後方に回動するように付勢されている。
【0044】
玩具1Aに磁力が作用せず中央回動部材4A、4B及び連結回動部材5Aが回動しない場合には、図12(a)に示すように、側方回動部材7A、7Bの各後端部が、中央回動部材4A、4Bの各後端部に当接しているため、側方回動部材7A、7Bが回動することはない。一方、玩具1Aに磁力が作用して中央回動部材4A、4Bが上方に回動した場合には、中央回動部材4A、4Bの各後端部の後方に、側方回動部材7A、7Bの各後端部が入り込むような若干の間隙が形成されるため、側方回動部材7A、7Bの回動が許容される。そして、側方回動部材7A、7Bの各後端部によって前方へ押圧された中央回動部材4A、4Bは、上方及び前方へと回動することとなる。
【0045】
なお、外部構造体の中央回動部材4A、4B及び連結回動部材5Aは本発明における第1の外部回動部材に相当し、回動軸20A、21Aは本発明における第1の外部回動軸に相当する。また、側方回動部材7A、7Bは本発明における第2の外部回動部材に相当し、回動軸23A、23Bは本発明における第2の外部回動軸に相当する。また、中央回動部材4A、4Bを回動させるための力を作用させるスプリング30A及び側方回動部材7A、7Bを回動させるための力を作用させるスプリング31A、31Bは、本発明における回動手段及び変形手段に相当する。
【0046】
内部構造体の内部回動部材8Aは、図8及び図12等に示すように、大円筒部8Aaと、大円筒部8Aaから一方向に延在するように設けられた延在部8Abと、大円筒部8Aaから延在部8Abの延在方向と略直角な方向に延在するように設けられた2本の突片8Ac、8Acと、を有している。内部回動部材8Aの大円筒部8Aaは、半球構成部材2Bの内部に設けられた回動軸部2Bbにボルト40Bで連結される。これにより、内部回動部材8Aは左右方向の回動軸(第1の内部回動軸)を中心に回動自在となっている。また、内部回動部材8Aの延在部8Abの下端には磁石9Aが固着されている。磁石9Aは、図12に示すように、玩具1Aの表面(外部構造体の半球構成部材2A、2Bの表面)近傍に配置される。また、磁石9Aと玩具1Aの表面近傍付近の間には、図12に示すように、磁石9Aが回動できるだけの空間が設けられており、玩具1Aの中心位置から玩具1Aの表面近傍付近の間に、この空間と磁石9Aとがほぼ直線上に位置している。
【0047】
内部構造体の回動係止部材10Aは、図8及び図12等に示すように、小円筒部10Aaと、小円筒部10Aaから一方向に突出するように設けられた突部10Abと、小円筒部10Aaから突部10Abと反対方向に延在するように設けられたL字状の内部係止部10Acと、を有している。回動係止部材10Aの小円筒部10Aaは、半球構成部材2Bの内部に設けられた内部軸受部2Beにピン50Aを介して連結される。これにより、回動係止部材10Aは、左右方向の回動軸(第2の内部回動軸)を中心に回動自在となっている。この際、回動係止部材10Aと半球構成部材2Bとの間に配置されるスプリング11Aの弾性力により、回動係止部材10Aが特定の方向(上方に位置した内部係止部10Acが前方に回動する方向)に回動するように付勢されている。回動係止部材10Aの突部10Abは、図12に示すように、内部回動部材8Aの2本の突片8Ac、8Acの間に揺動自在に嵌め込まれる。また、内部回動部材8Aの内部係止部10Acは、外部構造体の連結回動部材5Aの外部係止部5Aaに係止される。なお、内部構造体の内部回動部材8Aは本発明における第1の内部回動部に相当し、回動係止部材10Aは本発明における第2の内部回動部に相当し、スプリング11Aは本発明における付勢手段に相当する。
【0048】
次に、本実施形態に係る玩具1Aの変形動作について説明する。
【0049】
玩具1Aの内部構造体の磁石9Aの近傍に金属等の磁性体が存在しない場合には、磁石9Aが磁力により移動することはなく、内部構造体のスプリング11Aの弾性力により回動係止部材10Aが特定の方向(上方に位置した内部係止部10Acが前方に回動するような方向)に付勢された状態が維持される。この状態においては、図12(a)に示すように、内部構造体の回動係止部材10Aの内部係止部10Acに外部構造体の連結回動部材5Aの外部係止部5Aaが係止されて、図9〜図11に示すように外部構造体の球形状が維持される。
【0050】
一方、図12(b)に示すように、玩具1Aの内部構造体の磁石9Aの近傍に金属等の磁性体(金属が埋め込まれているカードM)が存在する場合には、磁石9Aと磁性体とが引き合うような磁力が作用する。これにより、玩具1Aの内部構造体の磁石9A及び内部回動部材8Aが一体的に図12のR1方向に回動する。内部回動部材8Aがこのように回動すると、内部回動部材8Aの2本の突片8Ac、8Acに嵌め込まれていた回動係止部材10Aの突部10Abが前方に揺動し、回動係止部材10Aが図12のR2方向に回動するため、回動係止部材10Aの内部係止部10Acと連結回動部材5Aの外部係止部5Aaとの係止状態が解除される。
【0051】
この結果、スプリング30A、31A、31Bの弾性力により、外部構造体が図13〜図15に示すようなキャラクタ形状(第2の形状)へと変形する。この際、まず、内部係止部10Acと外部係止部5Aaとの係止状態が解除されると、スプリング30Aの弾性力により中央回動部材4A、4B及び連結回動部材5Aが回動する。次いで、中央回動部材4A、4Bの回動により、側方回動部材7A、7Bの回動が許容されるため、スプリング31A、31Bの弾性力により側方回動部材7A、7Bが後方に回動することとなる。
【0052】
また、玩具1Aの形状を、キャラクタの形状(第2の形状)から球形状(第1の形状)に復元するには、まず、スプリング31A、31Bの弾性力に抗して外部構造体の側方回動部材7A、7Bを前方に回動させる。次いで、スプリング30Aの弾性力に抗して外部構造体の中央回動部材4A、4B及び連結回動部材5Aを後方に回動させ、外部構造体の外部係止部5Aaと、内部構造体の内部係止部10Acと、を係止させる。かかる操作により、玩具1Aの外部構造体の形状は球形状に復元される。そして、再度磁力が作用するまで玩具1Aの球形状は維持されることとなる。
【0053】
以上説明した実施形態に係る玩具1Aにおいては、玩具1Aの外部から磁石9Aを吸引する力(磁力)が作用しない限り、玩具1Aは転動自在な球形状(第1の形状)を維持することができる。従って、例えば、本実施形態に係る玩具1Aを走行玩具上で走行させるようなシューティングゲーム等の遊戯を実現させることが可能となる。また、玩具1Aの外部から磁力を作用させるだけで、玩具1Aの内部の磁石9Aや内部回動部材8Aが回動して内部構造体の内部係止部10Acと外部構造体の外部係止部材5Aaとの係止状態が解除されるので、玩具1Aは球形状からキャラクタの形状(第2の形状)へと自動的に変形することができる。従って、例えば、走行玩具の特定位置に金属等の磁性体を配置することにより、転動自在な球形状で走行玩具上を走行する玩具1Aを特定位置で突然別の形状(第2の形状)に変形させることが可能となる。また、玩具1Aを変形させるための機構が比較的簡素であるので、玩具1Aの小型化を実現させることも可能となる。この結果、玩具1Aの商品価値を格段に向上させることができ、遊戯者に新鮮な驚きや知的興奮を与えることが可能となる。
【0054】
また、以上説明した実施形態に係る玩具1Aにおいては、外部構造体がキャラクタの形状(第2の形状)から球形状(第1の形状)へと復元自在な構成とされており、しかも、外部構造体を球形状へと復元させた場合に内部係止部10Acと外部係止部5Aaとの係止状態が実現され、その球形状が再度維持されることとなる。従って、磁力の作用により玩具1Aが球形状からキャラクタの形状へと変形した後においても、玩具1Aを転動自在な球形状に復元して再使用することができるので、シューティングゲーム等の遊戯を繰り返し行うことができる。
【0055】
なお、本発明は以上の各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変形が可能である。例えば、以上の各実施形態においては、玩具の内部に磁石を移動(回動)自在に配置し、玩具の外部に金属等の磁性体を配置して玩具内の磁石を移動(回動)させることにより、玩具の変形を実現させた例を示したが、玩具の内部に金属等の磁性体を移動(回動)自在に配置し、玩具の外部に磁石を配置して玩具内の磁性体を吸引して移動(回動)させることにより、玩具の変形を実現させてもよい。
【0056】
また、以上の各実施形態においては、玩具内の磁性体(磁石)を吸引して、玩具の中央位置から表面近傍位置へと移動(回動)させることにより、玩具の変形を実現させた例を示したが、玩具内の磁性体(磁石)の移動(回動)の態様はこれに限られるものではない。例えば、外部の磁性体の磁極と玩具内の磁性体の磁極とを互いに反発させる等により玩具内の磁性体を玩具の表面近傍位置から中央位置へと移動(回動)させて、玩具の変形を実現させるような構成を採用することもできる。かかる構成を採用する場合には、玩具の中心位置と玩具の表面近傍付近との間に配置される磁石(例えば前記実施形態における磁石11、9A)と磁石の移動空間との位置を入れ替え、少なくとも玩具中心と磁石との間にこの空間を設けるようにする。
【0057】
また、以上の各実施形態においては、玩具の第1の形状として「球形状」を採用した例を示したが、転動自在な他の形状(例えば、ラグビーボールの形状や円筒形状)を玩具の第1の形状として採用することもできる。また、玩具の第2の形状は特に限定されることはなく、種々の形状を採用することができる。
【0058】
また、以上の各実施形態においては、付勢手段、変形手段及び回動手段としてスプリングを採用した例を示したが、ゴム等の他の弾性体を付勢手段等として採用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の第1実施形態に係る玩具の分解斜視図である。
【図2】図1に示した玩具の変形前の状態の平面図である。
【図3】図1に示した玩具の変形前の状態の正面図である。
【図4】図1に示した玩具の変形前の状態の斜視図である。
【図5】図1に示した玩具の図2におけるV−V部分の部分断面図であって、(a)は変形前の状態を示すもの、(b)は変形後の状態を示すものである。
【図6】図1に示した玩具の図3におけるVI−VI部分の部分断面図であって、(a)は変形前の状態を示すもの、(b)は変形後の状態を示すものである。
【図7】図1に示した玩具の変形後の状態の斜視図である。
【図8】本発明の第2実施形態に係る玩具の分解斜視図である。
【図9】図8に示した玩具の変形前の状態の平面図である。
【図10】図8に示した玩具の変形前の状態の正面図である。
【図11】図8に示した玩具の変形前の状態の斜視図である。
【図12】図8に示した玩具の図10におけるXII−XII部分の部分断面図であって、(a)は変形前の状態を示すもの、(b)は変形中の状態を示すものである。
【図13】図8に示した玩具の変形後の状態を示す左側面図である。
【図14】図8に示した玩具の変形後の状態を示す平面図である。
【図15】図8に示した玩具の変形後の状態の斜視図である。
【符号の説明】
【0060】
1・1A…玩具、3…上方部材(第2の外部回動部材)、4〜7…側方部材(第1の外部回動部材)、4A・4B…中央回動部材(第1の外部回動部材)、5A…連結回動部材(第1の外部回動部材)、7A・7B…側方回動部材(第2の外部回動部材)、5c・7c・5Aa…外部係止部、8A…内部回動部材(第1の内部回動部)、10A…回動係止部材(第2の内部回動部)、10c・10Ac…内部係止部、11・9A…磁石(磁性体)、12・11A…スプリング(付勢手段)、20…回動軸(第2の外部回動軸)、21・22…回動軸(第1の外部回動軸)、30・31・32…スプリング(変形手段、回動手段)。
【技術分野】
【0001】
本発明は、玩具に関し、特に、磁力の作用により変形する玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、磁力の作用により各種遊戯効果を発揮させる玩具が提案され、実用化されている。例えば、永久磁石が設けられた人形と、磁性体が設けられたハウス本体と、を備え、磁力の作用により展開する玩具が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。かかる玩具は、人形がハウス本体に接近した場合に、人形に設けられた磁石がハウス本体に設けられた磁性体を吸引することにより、ハウス本体の展開やドアの開放を自動的に実現させるものである。
【特許文献1】実公平6−160号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、前記した特許文献1に記載されたような従来の磁力展開式の玩具(例えばハウス本体の玩具)は、磁力により作動する機構をその内部に組み込む必要があるが、特定の場所に載置された状態で使用に供されるものであるため、設計の際にその形状や大きさが制約されることは少ない。
【0004】
しかし、例えば、磁力展開式の玩具をシュートするシュータを用いて、レールや各種トラップが設けられた走行玩具の上でこの玩具を走行させるようなシューティングゲームを開発しようとした場合には、玩具自体の小型化や形状の改良が必要となるが、この際に以下のような問題が発生する。
【0005】
すなわち、磁力展開式の玩具の小型化を実現させるためには、(1)磁力により作動する各種機構を内蔵するための空間と、(2)展開される部分を収納するための空間と、の双方を設ける必要があるが、これら双方の空間を小型の玩具の内部に確保することは設計上多大な困難を伴う。また、磁力展開式の玩具を用いたシューティングゲームを可能にするためには、この玩具を転動自在な形状(例えば球形状)にする必要があるが、かかる転動自在な形状を採用しながら小型化を図ることは設計上さらなる困難が伴い、従来の技術によっては未だ実現されていなかった。
【0006】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、磁力展開式の玩具を転動自在にすることにより、玩具の商品価値を格段に向上させ、遊戯者に新鮮な驚きや知的興奮を与えることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため、本発明に係る玩具は、転動自在な第1の形状から第2の形状へと変形するように構成された外部構造体と、この外部構造体の内部に収納される内部構造体と、を備える玩具であって、外部構造体は、外部係止部と、外部構造体を第1の形状から第2の形状へと変形させる変形手段と、を有し、内部構造体は、玩具の外部から作用する磁力により移動する磁性体と、磁性体の移動に連動して移動する内部係止部と、この内部係止部を特定の方向に移動又は回動させるための力を作用させる付勢手段と、を有し、玩具の外部から磁力が作用しない場合に、付勢手段の力により特定の方向に移動又は回動した内部係止部と外部係止部との係止状態が実現されて外部構造体の第1の形状が維持される一方、玩具の外部から磁力が作用した場合に、磁性体及び内部係止部が付勢手段の力に抗して移動又は回動し内部係止部と外部係止部との係止状態が解除されて、変形手段により外部構造体が第1の形状から第2の形状へと変形することを特徴とするものである。
【0008】
かかる構成によれば、玩具の外部から磁力が作用しない場合には、付勢手段の力により特定の方向に移動又は回動した内部係止部と外部係止部との係止状態が実現されて、外部構造体の転動自在な第1の形状(例えば略球形状)が維持される。一方、玩具の外部から磁力が作用した場合には、磁性体及び内部係止部が付勢手段の力に抗して移動又は回動し、内部係止部と外部係止部との係止状態が解除されて、変形手段により外部構造体が第1の形状から第2の形状へと変形する。
【0009】
すなわち、玩具の外部から磁性体を吸引する力(磁力)が作用しない限り、玩具は転動自在な第1の形状を維持することができる。従って、例えば、本発明に係る玩具を走行玩具上で走行させるようなシューティングゲーム等の遊戯を実現させることが可能となる。また、玩具の外部から磁力を作用させるだけで、玩具内部の磁性体及び内部係止部が移動又は回動して、内部構造体の内部係止部と外部構造体の外部係止部との係止状態が解除されるので、玩具は第1の形状から第2の形状へと自動的に変形することができる。従って、例えば、走行玩具の特定位置に磁石を配置することにより、転動自在な第1の形状で走行玩具上を走行している玩具を特定位置で突然別の形状(第2の形状)に変形させることが可能となる。また、玩具を第1の形状から第2の形状へと変形させるための機構が比較的簡素であるので、玩具の小型化を実現させることも可能となる。この結果、玩具の商品価値を格段に向上させることができ、遊戯者に新鮮な驚きや知的興奮を与えることが可能となる。
【0010】
前記玩具において、磁性体と一体的に玩具の中心位置と表面近傍位置との間を直線的に移動する内部係止部を採用することができる。かかる場合においては、内部係止部を玩具の表面近傍位置から中心位置に向けて移動させるための力を作用させる付勢手段を採用することができる。
【0011】
また、前記玩具において、内部構造体として、第1の内部回動軸を中心に磁性体と一体的に回動する第1の内部回動部と、この第1の内部回動部の回動に連動して第2の内部回動軸を中心に回動する第2の内部回動部と、を設けることができる。かかる場合においては、第2の内部回動部と一体的に回動する内部係止部を採用するとともに、第2の内部回動部及び内部係止部を特定方向に回動させるための力を作用させる付勢手段を採用することができる。
【0012】
また、前記玩具において、外部構造体として、第1の外部回動軸を中心に回動する第1の外部回動部材と、第2の外部回動軸を中心に回動する第2の外部回動部材と、を設けることができる。かかる場合においては、変形手段として、第1及び第2の外部回動部材を回動させるような力を作用させる回動手段を採用することができる。また、玩具の外部から磁力が作用して内部係止部と外部係止部との係止状態が解除された場合に、第1の外部回動部材の回動と、第2の外部回動部材の回動と、がこの順で実現されるような構成を採用することもできる。
【0013】
また、前記玩具において、外部構造体は第2の形状から第1の形状へと復元自在な構成とされ、外部構造体を第2の形状から第1の形状へと復元させた場合に、内部係止部と外部係止部との係止状態が実現され、外部構造体の第1の形状が再度維持されるような構成を採用することが好ましい。
【0014】
かかる構成を採用すると、磁力の作用により玩具が第1の形状から第2の形状へと変形した後においても、玩具を転動自在な第1の形状に復元して再使用することができるので、シューティングゲーム等の遊戯を繰り返し行うことができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、磁力展開式の玩具を転動自在とすることができるので、玩具の商品価値を格段に向上させ、遊戯者に新鮮な驚きや知的興奮を与えることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
<第1実施形態>
以下、図1〜図7を参照して、本発明の第1実施形態に係る玩具1について説明する。本実施形態に係る玩具1は、磁力の作用により、転動自在な球形状(第1の形状:図2〜図4)から、「邪悪な天使」を象徴する架空のキャラクタの形状(第2の形状:図7)へと変形するものである。
【0017】
まず、本実施形態に係る玩具1の構成について説明する。
【0018】
玩具1は、図1〜図4に示すように、玩具1の外側に配置され全体として球形状を形成する外部構造体と、外部構造体の内部に収納される内部構造体と、から構成されている。外部構造体は、玩具1の下方部分を構成する下方部材2、玩具1の上方部分を構成する上方部材3、玩具1の上下方向中央領域の環状部分を構成する4つの側方部材4〜7等を有している。また、内部構造体は、玩具1の内部前方位置に配置されキャラクタの前面部を構成する前方部材8、玩具1の内部後方位置に配置されキャラクタの背面部を構成する後方部材9、前方部材8と後方部材9との間に配置される係止部材10、係止部材10の下方に固着される磁石11、係止部材10を上方に移動させるための力を作用させるスプリング12、後方部材9の左右後方に配置され側方部材4〜7を支持する支持部材13、14等を有している。
【0019】
外部構造体の下方部材2は、図1〜図3等に示すように、球体の一部を切断したような薄いドーム形状を呈しており、その外表面は球形状の一部(下方部分)を構成する。下方部材2の中央部には、図1及び図5に示すように、円形の貫通孔2aが設けられている。貫通孔2aの内部空間には、内部構造体の係止部材10、磁石11及びスプリング12が玩具1の中央位置と表面近傍位置との間で直線的に移動自在に配置される。この際、図5に示すように、磁石11と玩具1の表面近傍付近との間に、磁石移動用の空間が形成される。これら係止部材10等については後に詳述する。
【0020】
外部構造体の上方部材3は、図1〜図3等に示すように、球体の一部を切断したような薄いドーム形状を呈しており、その外表面は球形状の一部(上方部分)を構成する。上方部材3の内部には、図1及び図6に示すように、前方部材8及び後方部材9の上部(キャラクタの頭部)を収納するための凹部3aが形成されている。また、上方部材3の縁部には、図1及び図2に示すように切欠部3bが設けられている。この切欠部3bには、内部構造体の後方部材9の後方突出部9aが嵌め込まれる。そして、上方部材3は、図2に示すように、回動軸20を介して後方部材9の後方突出部9aに回動自在に連結される。この際、上方部材3と後方部材9との間に配置されるスプリング30の弾性力により、上方部材3が上方(すなわち後方部材9に対して離隔する方向)に回動するように付勢されている。
【0021】
また、上方部材3の縁部の切欠部3bと対向する位置には、図1及び図6に示すように、断面L字状の凸部3cが設けられており、この凸部3cは、側方部材4の凹部4bに係止するようになっている。側方部材4が閉じられている場合には、図6(a)に示すように、上方部材3の凸部3cが側方部材4の凹部4bに係止しているため、上方部材3が上方に回動することはない。一方、側方部材4が側方に開かれた場合には、図6(b)に示すように、上方部材3の凸部3cと側方部材4の凹部4bとの係止状態が解除されるため、スプリング30の弾性力により、上方部材3が上方に回動することとなる。
【0022】
外部構造体の側方部材4〜7は、図1等に示すように、所定の厚さ及び幅を有する略円弧形状の殻状部材であり、組み合わせられることによりその外表面は球形状の一部(上下方向中央領域の環状部分)を構成する。側方部材4〜7の一方の端部には、軸受部4a〜7aが設けられている。図1及び図3等において右側に配置される上下2つの側方部材4、5の各軸受部4a、5aは、右側に配置される支持部材13の切欠部13aに嵌め込まれる。そして、これら右側の側方部材4、5は、回動軸21を介して支持部材13に連結される。この際、側方部材4と支持部材13との間に配置されるスプリング31の弾性力により、側方部材4が外方(すなわち開く方向)に回動するように付勢されている。一方、図1及び図3等において左側に配置される上下2つの側方部材6、7の各軸受部6a、7aは、左側に配置される支持部材14の切欠部14aに嵌め込まれる。そして、これら左側の側方部材6、7は、回動軸22を介して支持部材14に連結される。この際、側方部材6と支持部材14との間に配置されるスプリング32の弾性力により、側方部材6が外方(すなわち開く方向)に回動するように付勢されている。
【0023】
また、図1及び図3等において下方に配置される左右2つの側方部材5、7の上方には、各々、突片5b、7bが設けられている。下方に配置される右側の側方部材5の突片5bは、上方に配置される右側の側方部材4の図示されていない溝部に嵌め込まれる。これにより、スプリング31の弾性力により右側上方の側方部材4が回動軸21を中心に回動すると、この側方部材4と一体的に右側下方の側方部材5が回動することとなる。また、下方に配置される左側の側方部材7の突片7bは、上方に配置される左側の側方部材6の図示されていない溝部に嵌め込まれる。これにより、スプリング32の弾性力により左側上方の側方部材6が回動軸22を中心に回動すると、この側方部材6と一体的に左側下方の側方部材7が回動することとなる。
【0024】
また、図1及び図3等において下方に配置される左右2つの側方部材5、7の内側には、図1及び図5に示すように、内部構造体の係止部材10の左右2つの内部係止部10c、10cに各々係止されるコ字状の外部係止部5c、7cが設けられている。玩具1に磁力が作用せず内部構造体の係止部材10がスプリング12の弾性力により上方に付勢されている場合には、図5(a)に示すように、右側の側方部材5の外部係止部5cが係止部材10の右側の内部係止部10cに、左側の側方部材7の外部係止部7cが係止部材10の左側の内部係止部10cに、各々係止しているため、側方部材5、7が外方に回動することはない。一方、玩具1に磁力が作用して内部構造体の係止部材10が下方に移動した場合には、図5(b)に示すように、係止部材10の内部係止部10c、10cと側方部材5、7の外部係止部5c、7cとの係止状態が解除されるため、スプリング31、32の弾性力により、側方部材4、6(及びこれらと同時に回動する側方部材5、7)が外方に回動することとなる。
【0025】
なお、外部構造体の側方部材4〜7は本発明における第1の外部回動部材に相当し、回動軸21、22は本発明における第1の外部回動軸に相当する。また、上方部材3は本発明における第2の外部回動部材に相当し、回動軸20は本発明における第2の外部回動軸に相当する。また、上方部材3を回動させるための力を作用させるスプリング30及び側方部材4〜7を回動させるための力を作用させるスプリング31、32は、本発明における回動手段及び変形手段に相当する。
【0026】
内部構造体の前方部材8及び後方部材9は、図1及び図5等に示すように、外部構造体の下方部材2の上方に配置され、組み合わせられてネジ40で結合されることによりキャラクタの胴部及び頭部を構成する。前方部材8及び後方部材9が結合されて構成される胴部内には、図5に示すように、係止部材10を上下方向に移動自在に収納するための空間が形成される。この空間は、下方部材2の貫通孔2aの内部空間に連通するように玩具1の中心位置から玩具1の表面近傍側に向けて形成されており、この空間と磁石11とがほぼ直線上に配置されるようになっている。また、後方部材9の左右後方には、支持部材13、14が装着される。
【0027】
内部構造体の係止部材10は、図1及び図5等に示すように、左右方向に延在する左右延在部10aと、左右延在部10aの中央部から下方に延在する先細筒状部10bと、を有する略T字形状を呈している。そして、左右延在部10aの両端には内部係止部10c、10cが設けられており、先細筒状部10bの下端部には磁石11が固着されている。内部係止部10c、10cは、外部構造体の外部係止部5c、7cに各々係止される。磁石11は、図5に示すように、玩具1の表面(外部構造体の下方部材2の表面)近傍に配置される。スプリング12は、図5に示すように、その下端が下方部材2の貫通孔2aに設けられた支持部2bによって支持されており、係止部材10の先細筒状部10bの外周面を上方に押し上げるような弾性力を作用させる。なお、磁石11は本発明における磁性体に相当し、スプリング12は本発明における付勢手段に相当する。
【0028】
次に、本実施形態に係る玩具1の変形動作について説明する。
【0029】
玩具1の内部構造体の磁石11の近傍に金属等の磁性体が存在しない場合には、磁石11が磁力により移動することはなく、内部構造体のスプリング12の弾性力により係止部材10が玩具1の外部から中央部へと押圧された状態が維持される。この状態においては、図5(a)に示すように、内部構造体の係止部材10の左右の内部係止部10c、10cに外部構造体の外部係止部5c、7cが係止されて、図2〜図4に示すように外部構造体の球形状(第1の形状)が維持される。
【0030】
一方、図5(b)に示すように、玩具1の内部構造体の磁石11の近傍に金属等の磁性体(金属が埋め込まれているカードM)が存在する場合には、磁石11と磁性体とが引き合うような磁力が作用する。かかる磁力の作用により、玩具1の内部構造体の磁石11及び係止部材10が、スプリング12の弾性力に抗して一体的に玩具1の中央部から外部に向けて移動するため、内部構造体の係止部材10の左右の内部係止部10c、10cと外部構造体の外部係止部5c、7cとの係止状態が解除される。
【0031】
この結果、スプリング30、31、32の弾性力により、外部構造体が図7に示すようなキャラクタの形状(第2の形状)へと変形する。この際、まず、内部係止部10c、10cと外部係止部5c、7cとの係止状態が解除されるとスプリング31、32の力により側方部材4〜7が回動する。次いで、側方部材4〜7の回動により、図6(b)に示すように上方部材3の凸部3cと側方部材4の凹部4bとの係止状態が解除されるため、スプリング30の弾性力により上方部材3が上方に回動することとなる。
【0032】
また、玩具1の形状を、キャラクタの形状(第2の形状)から球形状(第1の形状)に復元するには、まず、スプリング30の弾性力に抗して外部構造体の上方部材3を下方に回動させる。次いで、スプリング31、32の弾性力に抗して外部構造体の側方部材4〜7を前方中央に向けて回動させ、上方部材3の凸部3cと側方部材4の凹部4bとを係止させるとともに、外部構造体の外部係止部5c、7cと、内部構造体の内部係止部10c、10cと、を係止させる。かかる操作により、玩具1の外部構造体の形状は球形状に復元される。そして、再度磁力が作用するまで玩具1の球形状は維持されることとなる。
【0033】
以上説明した実施形態に係る玩具1においては、玩具1の外部から磁石11を吸引する力(磁力)が作用しない限り、玩具1は転動自在な球形状(第1の形状)を維持することができる。従って、例えば、本実施形態に係る玩具1を走行玩具上で走行させるようなシューティングゲーム等の遊戯を実現させることが可能となる。また、玩具1の外部から磁力を作用させるだけで、玩具1の内部の磁石11及び係止部材10が移動して内部構造体の内部係止部10c、10cと外部構造体の外部係止部5c、7cとの係止状態が解除されるので、玩具1は球形状からキャラクタの形状(第2の形状)へと自動的に変形することができる。従って、例えば、走行玩具の特定位置に金属等の磁性体を配置しておくことにより、転動自在な球形状で走行玩具上を走行する玩具1を特定位置で突然別の形状(第2の形状)に変形させることが可能となる。また、玩具1を変形させるための機構が比較的簡素であるので、玩具1の小型化を実現させることも可能となる。この結果、玩具1の商品価値を格段に向上させることができ、遊戯者に新鮮な驚きや知的興奮を与えることが可能となる。
【0034】
また、以上説明した実施形態に係る玩具1においては、外部構造体がキャラクタの形状(第2の形状)から球形状(第1の形状)へと復元自在な構成とされており、しかも、外部構造体を球形状へと復元させた場合に内部係止部10c、10cと外部係止部5c、7cとの係止状態が実現され、その球形状が再度維持されることとなる。従って、磁力の作用により玩具1が球形状からキャラクタの形状へと変形した後においても、玩具1を転動自在な球形状に復元して再使用することができるので、シューティングゲーム等の遊戯を繰り返し行うことができる。
【0035】
<第2実施形態>
次に、図8〜図15を参照して、本発明の第2実施形態に係る玩具1Aについて説明する。本実施形態に係る玩具1Aは、磁力の作用により、転動自在な球形状(第1の形状:図9〜図11)から、「凶悪な竜」を象徴する架空のキャラクタの形状(第2の形状:図13〜図15)へと変形するものである。
【0036】
まず、本実施形態に係る玩具1Aの構成について説明する。
【0037】
玩具1Aは、図8〜図11に示すように、玩具1Aの外側に配置され全体として球形状を形成する外部構造体と、外部構造体の内部に収納される内部構造体と、から構成されている。外部構造体は、玩具1Aの下方に配置される半球部を構成する半球構成部材2A、2B、玩具1Aの半球部の下方に回動自在に取り付けられる脚部材3A、3B、玩具1Aの半球部の上方中央部に回動自在に取り付けられる中央回動部材4A、4B、玩具1Aの半球部の上方左右側方部に回動自在に取り付けられる側方回動部材7A、7B等を有している。また、内部構造体は、玩具1Aの半球部の内部に回動自在に配置される内部回動部材8A、内部回動部材8Aの下方に固定される磁石9A、内部回動部材8Aの回動に連動して回動する回動係止部材10A、回動係止部材10Aを特定方向に回動させるための力を作用させるスプリング11A等を有している。
【0038】
外部構造体の半球構成部材2A、2Bは、図8に示すように、半球を中央で切断したような形状を呈しており、左右一対組み合わせられてボルト40Aで結合されることにより半球部を構成する。半球構成部材2A、2Bにより構成された半球部内には中空部が形成されており、この中空部に内部構造体の内部回動部材8A、磁石9A、回動係止部材10A等が収納される。また、半球構成部材2A、2Bにより構成された半球部の下方には孔部が形成されており、この孔部から磁石9Aが外部に露出するようになっている。内部回動部材9A等については後に詳述する。
【0039】
外部構造体の脚部材3A、3Bは、キャラクタの脚部に相当する部分であり、図8及び図10等に示すように、半球構成部材2A、2Bの下方側部に、各々回動軸を介して回動自在に連結されている。脚部材3A、3Bは、遊戯者が指でその一部を把持して略180°回動させることにより、図13及び図15に示すようにキャラクタの脚部として使用することができる。また、脚部材3A、3Bを脚部として使用しない場合には、図10及び図11に示すように、脚部材3A、3Bの外表面が球形状の一部を構成するようになっている。
【0040】
外部構造体の中央回動部材4A、4Bは、図8〜図10等に示すように、所定の厚さを有する略円弧形状の部材であり、その外周面は球形状の一部を構成する。中央回動部材4A、4Bは、図8及び図12等に示すように、連結回動部材5Aを介して半球構成部材2A、2Bに連結されている。半球構成部材2A、2Bの上部には、各々、左右方向の回動軸20A(図12)を介して連結回動部材5Aを回動自在に連結するための第1の軸受部2Aa、2Baが設けられている。連結回動部材5Aの一方の端部は、これら半球構成部材2A、2Bの第1の軸受部2Aa、2Baに回動軸20Aを介して回動自在に連結される。また、連結回動部材5Aの他方の端部は、中央回動部材4A、4Bの一方の端部に回動軸21Aを介して回動自在に連結される。この際、連結回動部材5Aは中央回動部材4A、4Bの間に挟みこまれるように配置される。また、連結回動部材5Aと中央回動部材4A、4Bとの間に配置されるスプリング30Aの弾性力により、中央回動部材4A、4Bが後方に回動するように付勢されている。
【0041】
また、連結回動部材5Aには、図8及び図12に示すように、内部構造体の回動係止部材10Aの内部係止部10Acに係止されるL字状の外部係止部5Aaが設けられている。玩具1Aに磁力が作用せず内部構造体の内部係止部10Acがスプリング11Aの弾性力により前方に回動するように付勢されている場合には、図12(a)に示すように、連結回動部材5Aの外部係止部5Aaが内部係止部10Acに係止しているため、連結回動部材5A及び中央回動部材4A、4Bが上方に回動することはない。一方、玩具1Aに磁力が作用して内部構造体の内部係止部10Acが後方に回動した場合には、図12(b)に示すように、内部係止部10Acと外部係止部5Aaとの係止状態が解除されるため、スプリング30Aの弾性力により、中央回動部材4A、4Bが後方に回動する。すると、半球構成部材2Bの後方に設けられた凸部2Bbに中央回動部材4A、4Bの外表面が当接し、この凸部2Bbからの反力により中央回動部材4A、4B及び連結回動部材5Aが上方へ押し上げられる。また、スプリング31A、31Bの弾性力で回動する側方回動部材7A、7Bの各後端部により、中央回動部材4A、4Bが前方へ押圧される。この結果、中央回動部材4A、4B及び連結回動部材5Aは上方及び前方へ回動することとなる。
【0042】
また、中央回動部材4A、4Bの間には、角部材6Aが回動軸22Aを介して回動自在に連結されている。角部材6Aは、遊戯者が指でその先端を把持して所定角度回動させることにより、図13〜図15に示すようにキャラクタの角部として使用することができる。また、角部材6Aを角部として使用しない場合には、図9〜図11に示すように、角部材6Aの外表面が球形状の一部を構成するようになっている。
【0043】
外部構造体の側方回動部材7A、7Bは、図8〜図11等に示すように、半球を中央で切断したような形状を呈しており、そのサイズは半球構成部材2A、2Bよりも若干小さくされている。側方回動部材7A、7Bは、図8及び図14に示すように、半球構成部材2A、2Bの上部に回動自在に連結されている。半球構成部材2A、2Bの上部には、各々、上下方向の回動軸23A、23Bを介して側方回動部材7A、7Bを回動自在に連結するための第2の軸受部2Ac、2Bcが設けられている。側方回動部材7A,7Bの一方の端部は、これら半球構成部材2A、2Bの第2の軸受部2Ac、2Bcに回動軸23A、23Bを介して回動自在に連結される。この際、側方回動部材7A、7Bと半球構成部材2A、2Bとの間に配置されるスプリング31A、31Bの弾性力により、側方回動部材7A、7Bが後方に回動するように付勢されている。
【0044】
玩具1Aに磁力が作用せず中央回動部材4A、4B及び連結回動部材5Aが回動しない場合には、図12(a)に示すように、側方回動部材7A、7Bの各後端部が、中央回動部材4A、4Bの各後端部に当接しているため、側方回動部材7A、7Bが回動することはない。一方、玩具1Aに磁力が作用して中央回動部材4A、4Bが上方に回動した場合には、中央回動部材4A、4Bの各後端部の後方に、側方回動部材7A、7Bの各後端部が入り込むような若干の間隙が形成されるため、側方回動部材7A、7Bの回動が許容される。そして、側方回動部材7A、7Bの各後端部によって前方へ押圧された中央回動部材4A、4Bは、上方及び前方へと回動することとなる。
【0045】
なお、外部構造体の中央回動部材4A、4B及び連結回動部材5Aは本発明における第1の外部回動部材に相当し、回動軸20A、21Aは本発明における第1の外部回動軸に相当する。また、側方回動部材7A、7Bは本発明における第2の外部回動部材に相当し、回動軸23A、23Bは本発明における第2の外部回動軸に相当する。また、中央回動部材4A、4Bを回動させるための力を作用させるスプリング30A及び側方回動部材7A、7Bを回動させるための力を作用させるスプリング31A、31Bは、本発明における回動手段及び変形手段に相当する。
【0046】
内部構造体の内部回動部材8Aは、図8及び図12等に示すように、大円筒部8Aaと、大円筒部8Aaから一方向に延在するように設けられた延在部8Abと、大円筒部8Aaから延在部8Abの延在方向と略直角な方向に延在するように設けられた2本の突片8Ac、8Acと、を有している。内部回動部材8Aの大円筒部8Aaは、半球構成部材2Bの内部に設けられた回動軸部2Bbにボルト40Bで連結される。これにより、内部回動部材8Aは左右方向の回動軸(第1の内部回動軸)を中心に回動自在となっている。また、内部回動部材8Aの延在部8Abの下端には磁石9Aが固着されている。磁石9Aは、図12に示すように、玩具1Aの表面(外部構造体の半球構成部材2A、2Bの表面)近傍に配置される。また、磁石9Aと玩具1Aの表面近傍付近の間には、図12に示すように、磁石9Aが回動できるだけの空間が設けられており、玩具1Aの中心位置から玩具1Aの表面近傍付近の間に、この空間と磁石9Aとがほぼ直線上に位置している。
【0047】
内部構造体の回動係止部材10Aは、図8及び図12等に示すように、小円筒部10Aaと、小円筒部10Aaから一方向に突出するように設けられた突部10Abと、小円筒部10Aaから突部10Abと反対方向に延在するように設けられたL字状の内部係止部10Acと、を有している。回動係止部材10Aの小円筒部10Aaは、半球構成部材2Bの内部に設けられた内部軸受部2Beにピン50Aを介して連結される。これにより、回動係止部材10Aは、左右方向の回動軸(第2の内部回動軸)を中心に回動自在となっている。この際、回動係止部材10Aと半球構成部材2Bとの間に配置されるスプリング11Aの弾性力により、回動係止部材10Aが特定の方向(上方に位置した内部係止部10Acが前方に回動する方向)に回動するように付勢されている。回動係止部材10Aの突部10Abは、図12に示すように、内部回動部材8Aの2本の突片8Ac、8Acの間に揺動自在に嵌め込まれる。また、内部回動部材8Aの内部係止部10Acは、外部構造体の連結回動部材5Aの外部係止部5Aaに係止される。なお、内部構造体の内部回動部材8Aは本発明における第1の内部回動部に相当し、回動係止部材10Aは本発明における第2の内部回動部に相当し、スプリング11Aは本発明における付勢手段に相当する。
【0048】
次に、本実施形態に係る玩具1Aの変形動作について説明する。
【0049】
玩具1Aの内部構造体の磁石9Aの近傍に金属等の磁性体が存在しない場合には、磁石9Aが磁力により移動することはなく、内部構造体のスプリング11Aの弾性力により回動係止部材10Aが特定の方向(上方に位置した内部係止部10Acが前方に回動するような方向)に付勢された状態が維持される。この状態においては、図12(a)に示すように、内部構造体の回動係止部材10Aの内部係止部10Acに外部構造体の連結回動部材5Aの外部係止部5Aaが係止されて、図9〜図11に示すように外部構造体の球形状が維持される。
【0050】
一方、図12(b)に示すように、玩具1Aの内部構造体の磁石9Aの近傍に金属等の磁性体(金属が埋め込まれているカードM)が存在する場合には、磁石9Aと磁性体とが引き合うような磁力が作用する。これにより、玩具1Aの内部構造体の磁石9A及び内部回動部材8Aが一体的に図12のR1方向に回動する。内部回動部材8Aがこのように回動すると、内部回動部材8Aの2本の突片8Ac、8Acに嵌め込まれていた回動係止部材10Aの突部10Abが前方に揺動し、回動係止部材10Aが図12のR2方向に回動するため、回動係止部材10Aの内部係止部10Acと連結回動部材5Aの外部係止部5Aaとの係止状態が解除される。
【0051】
この結果、スプリング30A、31A、31Bの弾性力により、外部構造体が図13〜図15に示すようなキャラクタ形状(第2の形状)へと変形する。この際、まず、内部係止部10Acと外部係止部5Aaとの係止状態が解除されると、スプリング30Aの弾性力により中央回動部材4A、4B及び連結回動部材5Aが回動する。次いで、中央回動部材4A、4Bの回動により、側方回動部材7A、7Bの回動が許容されるため、スプリング31A、31Bの弾性力により側方回動部材7A、7Bが後方に回動することとなる。
【0052】
また、玩具1Aの形状を、キャラクタの形状(第2の形状)から球形状(第1の形状)に復元するには、まず、スプリング31A、31Bの弾性力に抗して外部構造体の側方回動部材7A、7Bを前方に回動させる。次いで、スプリング30Aの弾性力に抗して外部構造体の中央回動部材4A、4B及び連結回動部材5Aを後方に回動させ、外部構造体の外部係止部5Aaと、内部構造体の内部係止部10Acと、を係止させる。かかる操作により、玩具1Aの外部構造体の形状は球形状に復元される。そして、再度磁力が作用するまで玩具1Aの球形状は維持されることとなる。
【0053】
以上説明した実施形態に係る玩具1Aにおいては、玩具1Aの外部から磁石9Aを吸引する力(磁力)が作用しない限り、玩具1Aは転動自在な球形状(第1の形状)を維持することができる。従って、例えば、本実施形態に係る玩具1Aを走行玩具上で走行させるようなシューティングゲーム等の遊戯を実現させることが可能となる。また、玩具1Aの外部から磁力を作用させるだけで、玩具1Aの内部の磁石9Aや内部回動部材8Aが回動して内部構造体の内部係止部10Acと外部構造体の外部係止部材5Aaとの係止状態が解除されるので、玩具1Aは球形状からキャラクタの形状(第2の形状)へと自動的に変形することができる。従って、例えば、走行玩具の特定位置に金属等の磁性体を配置することにより、転動自在な球形状で走行玩具上を走行する玩具1Aを特定位置で突然別の形状(第2の形状)に変形させることが可能となる。また、玩具1Aを変形させるための機構が比較的簡素であるので、玩具1Aの小型化を実現させることも可能となる。この結果、玩具1Aの商品価値を格段に向上させることができ、遊戯者に新鮮な驚きや知的興奮を与えることが可能となる。
【0054】
また、以上説明した実施形態に係る玩具1Aにおいては、外部構造体がキャラクタの形状(第2の形状)から球形状(第1の形状)へと復元自在な構成とされており、しかも、外部構造体を球形状へと復元させた場合に内部係止部10Acと外部係止部5Aaとの係止状態が実現され、その球形状が再度維持されることとなる。従って、磁力の作用により玩具1Aが球形状からキャラクタの形状へと変形した後においても、玩具1Aを転動自在な球形状に復元して再使用することができるので、シューティングゲーム等の遊戯を繰り返し行うことができる。
【0055】
なお、本発明は以上の各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変形が可能である。例えば、以上の各実施形態においては、玩具の内部に磁石を移動(回動)自在に配置し、玩具の外部に金属等の磁性体を配置して玩具内の磁石を移動(回動)させることにより、玩具の変形を実現させた例を示したが、玩具の内部に金属等の磁性体を移動(回動)自在に配置し、玩具の外部に磁石を配置して玩具内の磁性体を吸引して移動(回動)させることにより、玩具の変形を実現させてもよい。
【0056】
また、以上の各実施形態においては、玩具内の磁性体(磁石)を吸引して、玩具の中央位置から表面近傍位置へと移動(回動)させることにより、玩具の変形を実現させた例を示したが、玩具内の磁性体(磁石)の移動(回動)の態様はこれに限られるものではない。例えば、外部の磁性体の磁極と玩具内の磁性体の磁極とを互いに反発させる等により玩具内の磁性体を玩具の表面近傍位置から中央位置へと移動(回動)させて、玩具の変形を実現させるような構成を採用することもできる。かかる構成を採用する場合には、玩具の中心位置と玩具の表面近傍付近との間に配置される磁石(例えば前記実施形態における磁石11、9A)と磁石の移動空間との位置を入れ替え、少なくとも玩具中心と磁石との間にこの空間を設けるようにする。
【0057】
また、以上の各実施形態においては、玩具の第1の形状として「球形状」を採用した例を示したが、転動自在な他の形状(例えば、ラグビーボールの形状や円筒形状)を玩具の第1の形状として採用することもできる。また、玩具の第2の形状は特に限定されることはなく、種々の形状を採用することができる。
【0058】
また、以上の各実施形態においては、付勢手段、変形手段及び回動手段としてスプリングを採用した例を示したが、ゴム等の他の弾性体を付勢手段等として採用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の第1実施形態に係る玩具の分解斜視図である。
【図2】図1に示した玩具の変形前の状態の平面図である。
【図3】図1に示した玩具の変形前の状態の正面図である。
【図4】図1に示した玩具の変形前の状態の斜視図である。
【図5】図1に示した玩具の図2におけるV−V部分の部分断面図であって、(a)は変形前の状態を示すもの、(b)は変形後の状態を示すものである。
【図6】図1に示した玩具の図3におけるVI−VI部分の部分断面図であって、(a)は変形前の状態を示すもの、(b)は変形後の状態を示すものである。
【図7】図1に示した玩具の変形後の状態の斜視図である。
【図8】本発明の第2実施形態に係る玩具の分解斜視図である。
【図9】図8に示した玩具の変形前の状態の平面図である。
【図10】図8に示した玩具の変形前の状態の正面図である。
【図11】図8に示した玩具の変形前の状態の斜視図である。
【図12】図8に示した玩具の図10におけるXII−XII部分の部分断面図であって、(a)は変形前の状態を示すもの、(b)は変形中の状態を示すものである。
【図13】図8に示した玩具の変形後の状態を示す左側面図である。
【図14】図8に示した玩具の変形後の状態を示す平面図である。
【図15】図8に示した玩具の変形後の状態の斜視図である。
【符号の説明】
【0060】
1・1A…玩具、3…上方部材(第2の外部回動部材)、4〜7…側方部材(第1の外部回動部材)、4A・4B…中央回動部材(第1の外部回動部材)、5A…連結回動部材(第1の外部回動部材)、7A・7B…側方回動部材(第2の外部回動部材)、5c・7c・5Aa…外部係止部、8A…内部回動部材(第1の内部回動部)、10A…回動係止部材(第2の内部回動部)、10c・10Ac…内部係止部、11・9A…磁石(磁性体)、12・11A…スプリング(付勢手段)、20…回動軸(第2の外部回動軸)、21・22…回動軸(第1の外部回動軸)、30・31・32…スプリング(変形手段、回動手段)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
転動自在な第1の形状から第2の形状へと変形するように構成された外部構造体と、この外部構造体の内部に収納される内部構造体と、を備える玩具であって、
前記外部構造体は、外部係止部と、前記外部構造体を前記第1の形状から前記第2の形状へと変形させる変形手段と、を有し、
前記内部構造体は、前記玩具の外部から作用する磁力により移動する磁性体と、この磁性体の移動に連動して移動する内部係止部と、この内部係止部を特定の方向に移動又は回動させるための力を作用させる付勢手段と、を有し、
前記玩具の外部から磁力が作用しない場合に、前記付勢手段の力により特定の方向に移動又は回動した前記内部係止部と前記外部係止部との係止状態が実現されて前記外部構造体の第1の形状が維持される一方、
前記玩具の外部から磁力が作用した場合に、前記磁性体及び前記内部係止部が前記付勢手段の力に抗して移動又は回動し前記内部係止部と前記外部係止部との係止状態が解除されて、前記変形手段により前記外部構造体が前記第1の形状から前記第2の形状へと変形することを特徴とする玩具。
【請求項2】
前記内部係止部は、前記磁性体と一体的に前記玩具の中心位置と表面近傍位置との間を直線的に移動するものであり、
前記付勢手段は、前記内部係止部を前記玩具の表面近傍位置から中心位置に向けて移動させるための力を作用させるものであることを特徴とする請求項1に記載の玩具。
【請求項3】
前記内部構造体は、第1の内部回動軸を中心に前記磁性体と一体的に回動する第1の内部回動部と、前記第1の内部回動部の回動に連動して第2の内部回動軸を中心に回動する第2の内部回動部と、を有し、
前記内部係止部は、前記第2の内部回動部と一体的に回動するものであり、
前記付勢手段は、前記第2の内部回動部及び前記内部係止部を特定方向に回動させるための力を作用させるものであることを特徴とする請求項1に記載の玩具。
【請求項4】
前記外部構造体は、第1の外部回動軸を中心に回動する第1の外部回動部材と、第2の外部回動軸を中心に回動する第2の外部回動部材と、を有し、
前記変形手段は、前記第1及び第2の外部回動部材を回動させるような力を作用させる回動手段であることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の玩具。
【請求項5】
前記玩具の外部から磁力が作用して前記内部係止部と前記外部係止部との係止状態が解除された場合に、前記第1の外部回動部材の回動と、前記第2の外部回動部材の回動と、がこの順で実現されるように構成されてなることを特徴とする請求項4に記載の玩具。
【請求項6】
前記外部構造体の前記第1の形状は、略球形状であることを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の玩具。
【請求項7】
前記外部構造体は、前記第2の形状から前記第1の形状へと復元自在に構成され、
前記外部構造体を前記第2の形状から前記第1の形状へと復元させた場合に、前記内部係止部と前記外部係止部との係止状態が実現され、前記外部構造体の前記第1の形状が再度維持されるように構成されてなることを特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載の玩具。
【請求項1】
転動自在な第1の形状から第2の形状へと変形するように構成された外部構造体と、この外部構造体の内部に収納される内部構造体と、を備える玩具であって、
前記外部構造体は、外部係止部と、前記外部構造体を前記第1の形状から前記第2の形状へと変形させる変形手段と、を有し、
前記内部構造体は、前記玩具の外部から作用する磁力により移動する磁性体と、この磁性体の移動に連動して移動する内部係止部と、この内部係止部を特定の方向に移動又は回動させるための力を作用させる付勢手段と、を有し、
前記玩具の外部から磁力が作用しない場合に、前記付勢手段の力により特定の方向に移動又は回動した前記内部係止部と前記外部係止部との係止状態が実現されて前記外部構造体の第1の形状が維持される一方、
前記玩具の外部から磁力が作用した場合に、前記磁性体及び前記内部係止部が前記付勢手段の力に抗して移動又は回動し前記内部係止部と前記外部係止部との係止状態が解除されて、前記変形手段により前記外部構造体が前記第1の形状から前記第2の形状へと変形することを特徴とする玩具。
【請求項2】
前記内部係止部は、前記磁性体と一体的に前記玩具の中心位置と表面近傍位置との間を直線的に移動するものであり、
前記付勢手段は、前記内部係止部を前記玩具の表面近傍位置から中心位置に向けて移動させるための力を作用させるものであることを特徴とする請求項1に記載の玩具。
【請求項3】
前記内部構造体は、第1の内部回動軸を中心に前記磁性体と一体的に回動する第1の内部回動部と、前記第1の内部回動部の回動に連動して第2の内部回動軸を中心に回動する第2の内部回動部と、を有し、
前記内部係止部は、前記第2の内部回動部と一体的に回動するものであり、
前記付勢手段は、前記第2の内部回動部及び前記内部係止部を特定方向に回動させるための力を作用させるものであることを特徴とする請求項1に記載の玩具。
【請求項4】
前記外部構造体は、第1の外部回動軸を中心に回動する第1の外部回動部材と、第2の外部回動軸を中心に回動する第2の外部回動部材と、を有し、
前記変形手段は、前記第1及び第2の外部回動部材を回動させるような力を作用させる回動手段であることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の玩具。
【請求項5】
前記玩具の外部から磁力が作用して前記内部係止部と前記外部係止部との係止状態が解除された場合に、前記第1の外部回動部材の回動と、前記第2の外部回動部材の回動と、がこの順で実現されるように構成されてなることを特徴とする請求項4に記載の玩具。
【請求項6】
前記外部構造体の前記第1の形状は、略球形状であることを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の玩具。
【請求項7】
前記外部構造体は、前記第2の形状から前記第1の形状へと復元自在に構成され、
前記外部構造体を前記第2の形状から前記第1の形状へと復元させた場合に、前記内部係止部と前記外部係止部との係止状態が実現され、前記外部構造体の前記第1の形状が再度維持されるように構成されてなることを特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載の玩具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2007−215898(P2007−215898A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−41918(P2006−41918)
【出願日】平成18年2月20日(2006.2.20)
【出願人】(599064214)株式会社セガ トイズ (32)
【出願人】(000132471)株式会社セガ (811)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年2月20日(2006.2.20)
【出願人】(599064214)株式会社セガ トイズ (32)
【出願人】(000132471)株式会社セガ (811)
【Fターム(参考)】
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