説明

環状アミン化合物および有害生物防除剤

【課題】効果が確実で安全に使用できる有害生物防除剤、および、有害生物防除剤の有効成分として有用な環状アミン化合物またはその塩を提供する。
【解決手段】式(I)で表される環状アミン化合物またはその塩。


式(I)中、Cy1はフェニル基などを、R1a、R1b、R2a、R2b、R3a、R3b、R4a、R4b、およびR5aは、それぞれ独立に、水素原子やメチル基などを、R10は、それぞれ独立に、メチル基やハロゲン原子などを、mはR10の数を示し且つ0〜5のいずれかの整数を、Xは、エチレン基やプロピレン基などをそれぞれ示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、効果が確実で安全に使用できる有害生物防除剤、特に殺ダニ剤に関する。また、本発明は、有害生物防除剤の、特に殺ダニ剤の有効成分として有用な環状アミン化合物またはその塩に関する。
【背景技術】
【0002】
既存の殺ダニ剤の多くは、工業的に有利に合成でき、安全に使用できるものであっても、残効性などの物性その他の特性上の欠点が効力低下を招くと共に、長年の使用による薬剤抵抗性を有するダニの発生といった問題が生じていた。さらに、植物に対する薬害の低減や人畜魚類に対する低毒化または無毒化などの安全性に対する要求レベルは、年々高くなってきている。そのため、かかる欠点の少ない薬剤の出現が強く要望されている。
【0003】
本発明の化合物に構造上関連する化合物として、特許文献1に、式(B)で表される化合物、式(B)で表される化合物の塩、N−酸化物、および式(B)で表される化合物などを有効成分として含有する有害生物防除剤が開示されている。
【0004】
【化1】

(式(B)中、R1は、水酸基など、mは0または1〜5の整数を示し、R2は、ハロゲン原子など、kは0または1〜4の整数を示し、R3、R31、R4、R41、R5、R51、R6、R61およびR7は、それぞれ独立して水素原子などを示し、Xは、酸素原子などを示し、nは0または1を示す。)
【0005】
また、特許文献2には、式(C)で表されるN−ピリジルピペリジン化合物が開示されている。式(C)で表される化合物は、ハダニ類およびサビダニ類に対して殺ダニ活性を有することが開示されている。
【0006】
【化2】

(式(C)中、R1は、ハロゲン原子、C1〜4ハロアルキル基、シアノ基、ニトロ基、またはC1〜4アルコキシカルボニル基を示す。R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8およびR9は、各々水素原子またはC1〜4アルキル基を示す。R10は、水素原子などを示す。R11はハロゲン原子などを示す。Xは、酸素原子または硫黄原子を示す。mは1〜4の整数を示す。nは1または2の整数を示す。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】WO2005/095380
【特許文献2】WO2008/026658
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、効果が確実で安全に使用できる有害生物防除剤、特に殺ダニ剤を提供することを課題とする。また、本発明は、有害生物防除剤の、特に殺ダニ剤の有効成分として有用な環状アミン化合物またはその塩を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した。その結果、特定構造の環状アミン化合物またはその塩を得るに至った。そして、この環状アミン化合物は有害生物防除剤、特に殺ダニ剤の有効成分として効果が確実で安全に使用できることを見出した。本発明は、これらの知見に基づきさらに検討を重ね完成するに至ったものである。
【0010】
すなわち、本発明は、以下のものを含む。
〔1〕 式(I)で表される環状アミン化合物またはその塩。
【0011】
【化3】

【0012】
〔式(I)中、
Cy1は、C6〜10アリール基、またはヘテロシクリル基を示す。
1a、R1b、R2a、R2b、R3a、R3b、R4a、R4b、およびR5aは、それぞれ独立に、水素原子、または無置換の若しくは置換基を有するC1〜6アルキル基を示す。R1aとR2aまたはR3aとR4aは、一緒になって、それぞれ独立に、無置換の若しくは置換基を有するC2〜6アルキレン基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜6アルケニレン基、−OCH2−で表される基、−CH2O−で表される基、−CH2OCH2−で表される基、−SCH2−で表される基、−CH2S−で表される基、−CH2SCH2−で表される基、−C(=O)CH2−で表される基、−CH2C(=O)−で表される基、−CH2C(=O)CH2−で表される基、−CH2NR6−で表される基、−NR6CH2−で表される基、または−CH2NR6CH2−で表される基(ただし、R6は、水素原子、無置換の若しくは置換基を有するC1〜6アルキル基、無置換の若しくは置換基を有するC1〜7アシル基、または無置換の若しくは置換基を有するC1〜6アルコキシカルボニル基を示す。)を形成してもよい。
10は、Cy1の置換基であり、それぞれ独立に、無置換の若しくは置換基を有するC1〜6アルキル基、無置換の若しくは置換基を有するC3〜8シクロアルキル基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜6アルケニル基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜6アルキニル基、水酸基、無置換の若しくは置換基を有するC1〜6アルコキシ基、無置換の若しくは置換基を有するC3〜8シクロアルコキシ基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜6アルケニルオキシ基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜6アルキニルオキシ基、カルボキシル基、無置換の若しくは置換基を有するC1〜7アシル基、無置換の若しくは置換基を有するC1〜6アルコキシカルボニル基、無置換の若しくは置換基を有するC3〜8シクロアルキルオキシカルボニル基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜6アルケニルオキシカルボニル基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜6アルキニルオキシカルボニル基、無置換の若しくは置換基を有するC6〜10アリールオキシカルボニル基、無置換の若しくは置換基を有するヘテロシクリルオキシカルボニル基、無置換の若しくは置換基を有するC1〜7アシルオキシ基、無置換の若しくは置換基を有するC1〜6アルコキシカルボニルオキシ基、無置換の若しくは置換基を有するC3〜8シクロアルキルオキシカルボニルオキシ基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜6アルケニルオキシカルボニルオキシ基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜6アルキニルオキシカルボニルオキシ基、無置換の若しくは置換基を有するC6〜10アリール基、無置換の若しくは置換基を有するヘテロシクリル基、無置換の若しくは置換基を有するC6〜10アリールオキシ基、無置換の若しくは置換基を有するヘテロシクリルオキシ基、アミノ基、無置換の若しくは置換基を有するC1〜6アルキルアミノ基、無置換の若しくは置換基を有するC3〜8シクロアルキルアミノ基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜6アルケニルアミノ基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜6アルキニルアミノ基、無置換の若しくは置換基を有するC6〜10アリールアミノ基、無置換の若しくは置換基を有するヘテロシクリルアミノ基、ペンタフルオロスルファニル基、シアノ基、ニトロ基、またはハロゲン原子を示す。
mはR10の数を示し且つ0〜5のいずれかの整数である。mが2以上のとき、R10同士は互いに同一でも異なっていてもよい。
mが2以上である場合、複数のR10と、Cy1を構成する原子とが一緒になって環を形成してもよい。
Xは、無置換の若しくは置換基を有するC2〜6アルキレン基、または無置換の若しくは置換基を有するC2〜6アルケニレン基を示す。〕
【0013】
〔2〕 式(I)において、Cy1が、フェニル基、ピラゾリル基、チアジアゾリル基、ピリジル基、ピリミジニル基、またはピリダジニル基である、〔1〕に記載の環状アミン化合物またその塩。
【0014】
〔3〕 前記〔1〕または〔2〕に記載の環状アミン化合物またはその塩から選ばれる少なくとも1種を有効成分として含有する有害生物防除剤。
〔4〕 前記〔1〕または〔2〕に記載の環状アミン化合物またはその塩から選ばれる少なくとも1種を有効成分として含有する殺ダニ剤。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る環状アミン化合物またはその塩は、農作物や衛生面において有害生物などを、特にダニ類を、効果的に防除することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
〔環状アミン化合物〕
本発明に係る環状アミン化合物は、式(I)で表される化合物(以下、環状アミン化合物(I)と表記することがある。)である。また本発明に係る環状アミン化合物の塩は、式(I)で表される化合物の塩である。
【0017】
本明細書における、「無置換の」の用語は、母核となる基のみであることを意味する。「置換基を有する」との記載がなく母核となる基の名称のみで記載しているときは、別段の断りがない限り「無置換の」意味である。
一方、「置換基を有する」の用語は、母核となる基のいずれかの水素原子が、母核と同種又は異種の構造を有する基で置換されていることを意味する。置換基は1つであってもよいし、2つ以上であってもよい。2つ以上の置換基は同一であってもよいし、異なるものであってもよい。
「C1〜6」などの用語は、母核となる基の炭素原子数が1〜6個などであることを表している。この炭素原子数には、置換基の中に在る炭素原子の数を含まない。例えば、置換基としてエトキシ基を有するブチル基は、C2アルコキシC4アルキル基に分類する。
【0018】
「置換基」は化学的に許容され、本発明の効果を有する限りにおいて特に制限されない。
「置換基」となり得る基としては、 フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子; メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基などのC1〜6アルキル基; シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基などのC3〜8シクロアルキル基; ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−メチル−2−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−メチル−2−ブテニル基、2−メチル−2−ブテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基などのC2〜6アルケニル基; 2−シクロプロペニル基、2−シクロペンテニル基、3−シクロヘキセニル基、4−シクロオクテニル基などのC3〜8シクロアルケニル基; エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、1−メチル−2−プロピニル基、2−メチル−3−ブチニル基、1−ペンチニル基、2−ペンチニル基、3−ペンチニル基、4−ペンチニル基、1−メチル−2−ブチニル基、2−メチル−3−ペンチニル基、1−ヘキシニル基、1,1−ジメチル−2−ブチニル基などのC2〜6アルキニル基;
【0019】
メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基などのC1〜6アルコキシ基; ビニルオキシ基、アリルオキシ基、プロペニルオキシ基、ブテニルオキシ基などのC2〜6アルケニルオキシ基; エチニルオキシ基、プロパルギルオキシ基などのC2〜6アルキニルオキシ基; フェニル基、ナフチル基などのC6〜10アリール基; フェノキシ基、1−ナフトキシ基などのC6〜10アリールオキシ基; ベンジル基、フェネチル基などのC7〜11アラルキル基; ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基などのC7〜11アラルキルオキシ基; ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基、シクロヘキシルカルボニル基などのC1〜7アシル基; ホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、シクロヘキシルカルボニルオキシ基などのC1〜7アシルオキシ基; メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基などのC1〜6アルコキシカルボニル基; カルボキシル基;
【0020】
水酸基; オキソ基; クロロメチル基、クロロエチル基、トリフルオロメチル基、1,2−ジクロロ−n−プロピル基、1−フルオロ−n−ブチル基、パーフルオロ−n−ペンチル基などのC1〜6ハロアルキル基; 2−クロロ−1−プロペニル基、2−フルオロ−1−ブテニル基などのC2〜6ハロアルケニル基; 4,4−ジクロロ−1−ブチニル基、4−フルオロ−1−ペンチニル基、5−ブロモ−2−ペンチニル基などのC2〜6ハロアルキニル基; 2−クロロ−n−プロポキシ基、2,3−ジクロロブトキシ基などのC1〜6ハロアルコキシ基; 2−クロロプロペニルオキシ基、3−ブロモブテニルオキシ基などのC2〜6ハロアルケニルオキシ基; 4−クロロフェニル基、4−フルオロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基などのC6〜10ハロアリール基; 4−フルオロフェニルオキシ基、4−クロロ−1−ナフトキシ基などのC6〜10ハロアリールオキシ基; クロロアセチル基、トリフルオロアセチル基、トリクロロアセチル基、4−クロロベンゾイル基などのハロゲン置換C1〜7アシル基;
【0021】
シアノ基;イソシアノ基;ニトロ基;イソシアナト基;シアナト基;アミノ基; メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基などのC1〜6アルキルアミノ基; アニリノ基、ナフチルアミノ基などのC6〜10アリールアミノ基; ベンジルアミノ基、フェニルエチルアミノ基などのC7〜11アラルキルアミノ基; ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、プロパノイルアミノ基、ブチリルアミノ基、i−プロピルカルボニルアミノ基、ベンゾイルアミノ基などのC1〜7アシルアミノ基; メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、n−プロポキシカルボニルアミノ基、i−プロポキシカルボニルアミノ基などのC1〜6アルコキシカルボニルアミノ基; アミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、N−フェニル−N−メチルアミノカルボニル基などの無置換の若しくは置換基を有するアミノカルボニル基; イミノメチル基、(1−イミノ)エチル基、(1−イミノ)−n−プロピル基などのイミノ基で置換されたC1〜6アルキル基;メトキシイミノメチル基、(1−メトキシイミノ)エチル基などのアルコキシイミノ基で置換されたC1〜6アルキル基; ヒドロキシイミノメチル基、(1−ヒドロキシイミノ)エチル基、(1−ヒドロキシイミノ)プロピル基などのヒドロキシイミノ基で置換されたC1〜6アルキル基;
【0022】
メルカプト基;イソチオシアナト基;チオシアナト基; メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、i−プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、i−ブチルチオ基、s−ブチルチオ基、t−ブチルチオ基などのC1〜6アルキルチオ基; ビニルチオ基、アリルチオ基などのC2〜6アルケニルチオ基; エチニルチオ基、プロパルギルチオ基などのC2〜6アルキニルチオ基; フェニルチオ基、ナフチルチオ基などのC6〜10アリールチオ基; チアゾリルチオ基、ピリジルチオ基などのヘテロシクリルチオ基; ベンジルチオ基、フェネチルチオ基などのC7〜11アラルキルチオ基; (メチルチオ)カルボニル基、(エチルチオ)カルボニル基、(n−プロピルチオ)カルボニル基、(i−プロピルチオ)カルボニル基、(n−ブチルチオ)カルボニル基、(i−ブチルチオ)カルボニル基、(s−ブチルチオ)カルボニル基、(t−ブチルチオ)カルボニル基などの(C1〜6アルキルチオ)カルボニル基;
【0023】
メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、t−ブチルスルフィニル基などのC1〜6アルキルスルフィニル基; アリルスルフィニル基などのC2〜6アルケニルスルフィニル基; プロパルギルスルフィニル基などのC2〜6アルキニルスルフィニル基; フェニルスルフィニル基などのC6〜10アリールスルフィニル基; チアゾリルスルフィニル基、ピリジルスルフィニル基などのヘテロシクリルスルフィニル基; ベンジルスルフィニル基、フェネチルスルフィニル基などのC7〜11アラルキルスルフィニル基; メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、t−ブチルスルホニル基などのC1〜6アルキルスルホニル基; アリルスルホニル基などのC2〜6アルケニルスルホニル基; プロパルギルスルホニル基などのC2〜6アルキニルスルホニル基; フェニルスルホニル基などのC6〜10アリールスルホニル基; チアゾリルスルホニル基、ピリジルスルホニル基などのヘテロシクリルスルホニル基; ベンジルスルホニル基、フェネチルスルホニル基などのC7〜11アラルキルスルホニル基;
【0024】
ピロリル基、フリル基、チエニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、トリアゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、テトラゾリル基などの5員ヘテロアリール基; ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基などの6員ヘテロアリール基; アジリジニル基、エポキシ基、ピロリジニル基、テトラヒドロフラニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、モルホリニル基などの飽和ヘテロシクリル基; トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基などのトリC1〜6アルキル置換シリル基; トリフェニルシリル基;などを挙げることができる。
【0025】
また、これらの「置換基」は、その基のいずれかの水素原子が、その基と同種又は異種の構造を有する基でさらに置換されているものであってもよい。
【0026】
〔Cy1
式(I)中のCy1は、C6〜10アリール基、またはヘテロシクリル基を示す。
【0027】
Cy1における、「C6〜10アリール基」は、単環であってもよいし、多環であってもよい。多環アリール基は、少なくとも一つの環が芳香環であれば、残りの環が飽和脂環、不飽和脂環または芳香環のいずれであってもよい。C6〜10アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アズレニル基、インデニル基、インダニル基、テトラリニル基などが挙げられる。これらのうち、Cy1における、「C6〜10アリール基」としては、フェニル基が好ましい。
【0028】
Cy1における、「ヘテロシクリル基」は、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれる1〜4個のヘテロ原子を環を構成する原子として含むものである。ヘテロシクリル基は、単環であってもよいし、多環であってもよい。
ヘテロシクリル基としては、5員ヘテロアリール基、6員ヘテロアリール基、縮合ヘテロアリール基、飽和ヘテロシクリル基、部分不飽和ヘテロシクリル基などが挙げられる。
【0029】
5員ヘテロアリール基としては、 ピロール−1−イル基、ピロール−2−イル基、ピロール−3−イル基などのピロリル基; フラン−2−イル基、フラン−3−イル基などのフリル基; チオフェン−2−イル基、チオフェン−3−イル基などのチエニル基; イミダゾール−1−イル基、イミダゾール−2−イル基、イミダゾール−4−イル基、イミダゾール−5−イル基などのイミダゾリル基; ピラゾール−1−イル基、ピラゾール−3−イル基、ピラゾール−4−イル基、ピラゾール−5−イル基などのピラゾリル基;オキサゾール−2−イル基、オキサゾール−4−イル基、オキサゾール−5−イル基などのオキサゾリル基; イソオキサゾール−3−イル基、イソオキサゾール−4−イル基、イソオキサゾール−5−イル基などのイソオキサゾリル基; チアゾール−2−イル基、チアゾール−4−イル基、チアゾール−5−イル基などのチアゾリル基; イソチアゾール−3−イル基、イソチアゾール−4−イル基、イソチアゾール−5−イル基などのイソチアゾリル基; 1,2,3−トリアゾール−1−イル基、1,2,3−トリアゾール−4−イル基、1,2,3−トリアゾール−5−イル基、1,2,4−トリアゾール−1−イル基、1,2,4−トリアゾール−3−イル基、1,2,4−トリアゾール−5−イル基などのトリアゾリル基; 1,2,4−オキサジアゾール−3−イル基、1,2,4−オキサジアゾール−5−イル基、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル基などのオキサジアゾリル基; 1,2,4−チアジアゾール−3−イル基、1,2,4−チアジアゾール−5−イル基、1,3,4−チアジアゾール−2−イル基などのチアジアゾリル基; テトラゾール−1−イル基、テトラゾール−2−イル基などのテトラゾリル基;などが挙げられる。
【0030】
6員ヘテロアリール基としては、 ピリジン−2−イル基、ピリジン−3−イル基、ピリジン−4−イル基などのピリジル基; ピラジン−2−イル基、ピラジン−3−イル基などのピラジニル基; ピリミジン−2−イル基、ピリミジン−4−イル基、ピリミジン−5−イル基などのピリミジニル基; ピリダジン−3−イル基、ピリダジン−4−イル基などのピリダジニル基;トリアジニル基;などが挙げられる。
【0031】
縮合ヘテロアリール基としては、 インドール−1−イル基、インドール−2−イル基、インドール−3−イル基、インドール−4−イル基、インドール−5−イル基、インドール−6−イル基、インドール−7−イル基; ベンゾフラン−2−イル基、ベンゾフラン−3−イル基、ベンゾフラン−4−イル基、ベンゾフラン−5−イル基、ベンゾフラン−6−イル基、ベンゾフラン−7−イル基; ベンゾチオフェン−2−イル基、ベンゾチオフェン−3−イル基、ベンゾチオフェン−4−イル基、ベンゾチオフェン−5−イル基、ベンゾチオフェン−6−イル基、ベンゾチオフェン−7−イル基; ベンゾイミダゾール−1−イル基、ベンゾイミダゾール−2−イル基、ベンゾイミダゾール−4−イル基、ベンゾイミダゾール−5−イル基、ベンゾオキサゾール−2−イル基、ベンゾオキサゾール−4−イル基、ベンゾオキサゾール−5−イル基、ベンゾチアゾール−2−イル基、ベンゾチアゾール−4−イル基、ベンゾチアゾール−5−イル基; キノリン−2−イル基、キノリン−3−イル基、キノリン−4−イル基、キノリン−5−イル基、キノリン−6−イル基、キノリン−7−イル基、キノリン−8−イル基;などが挙げられる。
【0032】
その他のヘテロシクリル基としては、 アジリジン−1−イル基、アジリジン−2−イル基、エポキシ基; ピロリジン−1−イル基、ピロリジン−2−イル基、ピロリジン−3−イル基、テトラヒドロフラン−2−イル基、テトラヒドロフラン−3−イル基; [1,3]ジオキシラン−2−イル基、[1,3]ジオキシラン−4−イル基; ピペリジン−1−イル基、ピペリジン−2−イル基、ピペリジン−3−イル基、ピペリジン−4−イル基、ピペラジン−1−イル基、ピペラジン−2−イル基、モルホリン−2−イル基、モルホリン−3−イル基、モルホリン−4−イル基; 1,3−ベンゾジオキソール−4−イル基、1,3−ベンゾジオキソール−5−イル基、1,4−ベンゾジオキサン−5−イル基、1,4−ベンゾジオキサン−6−イル基、3,4−ジヒドロ−2H−1,5−ベンゾジオキセピン−6−イル基、3,4−ジヒドロ−2H−1,5−ベンゾジオキセピン−7−イル基、2,3−ジヒドロベンゾフラン−4−イル基、2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル基、2,3−ジヒドロベンゾフラン−6−イル基、2,3−ジヒドロベンゾフラン−7−イル基;などが挙げられる。
【0033】
これらのうち、Cy1における、「ヘテロシクリル基」としては、5員ヘテロアリール基、または6員ヘテロアリール基が好ましく、ピラゾリル基、チアジアゾリル基、ピリジル基、ピリミジニル基、またはピリダジニル基が好ましい。
本発明に係る環状アミン化合物においては、Cy1がフェニル基であることがより好ましい。
【0034】
〔R1a、R1b、R2a、R2b、R3a、R3b、R4a、R4bおよびR5a
式(I)中のR1a、R1b、R2a、R2b、R3a、R3b、R4a、R4b、およびR5a(以下、これらをR1aなどと表記することがある。)は、それぞれ独立に、水素原子、または無置換の若しくは置換基を有するC1〜6アルキル基を示す。
1aとR2aまたはR3aとR4aは、一緒になって、それぞれ独立に、無置換の若しくは置換基を有するC2〜6アルキレン基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜6アルケニレン基、−OCH2−で表される基、−CH2O−で表される基、−CH2OCH2−で表される基、−SCH2−で表される基、−CH2S−で表される基、−CH2SCH2−で表される基、−C(=O)CH2−で表される基、−CH2C(=O)−で表される基、−CH2C(=O)CH2−で表される基、−CH2NR6−で表される基、−NR6CH2−で表される基、または−CH2NR6CH2−で表される基(ただし、R6は、水素原子、無置換の若しくは置換基を有するC1〜6アルキル基、無置換の若しくは置換基を有するC1〜7アシル基、または無置換の若しくは置換基を有するC1〜6アルコキシカルボニル基を示す。)を形成してもよい。なお、R1aとR2aまたはR3aとR4aが一緒になって形成する基を、「架橋部分」と表記することがある。
【0035】
1aなどにおける「C1〜6アルキル基」は、直鎖であってもよいし、分岐鎖であってもよい。アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、i−プロピル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、i−ペンチル基、ネオペンチル基、2−メチルブチル基、2,2−ジメチルプロピル基、i−ヘキシル基などが挙げられる。
【0036】
1aなどにおける「置換基を有するC1〜6アルキル基」としては、 シクロプロピルメチル基、2−シクロプロピルエチル基、シクロペンチルメチル基、2−シクロヘキシルエチル基、2−シクロオクチルエチル基などのC3〜8シクロアルキルC1〜6アルキル基; フルオロメチル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、ジフルオロメチル基、ジクロロメチル基、ジブロモメチル基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリブロモメチル基、2,2,2−トルフルオロエチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、ペンタフルオロエチル基、4−フルオロブチル基、4−クロロブチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル基、パーフルオロヘキシル基、パークロロヘキシル基、パーフルオロクチル基、パークロロオクチル基、2,4,6−トリクロロヘキシル基、ヘキサフルオロイソプロピル基、ペンタフルオロイソプロピル基、パーフルオロメトキシ基などのC1〜6ハロアルキル基;
【0037】
ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基などのヒドロキシC1〜6アルキル基; メトキシメチル基、エトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、メトキシ−n−プロピル基、n−プロポキシメチル基、i−プロポキシメチル基、i−プロポキシエチル基、s−ブトキシメチル基、t−ブトキシエチル基などのC1〜6アルコキシC1〜6アルキル基; メトキシメトキシメチル基、1−メトキシエトキシメチル基、2−メトキシエトキシメチル基、2−(1−メトキシエトキシ)エチル基、2−(2−メトキシエトキシ)エチル基などのC1〜6アルコキシC1〜6アルコキシC1〜6アルキル基; ジメトキシメチル基、ジエトキシメチル基、2,2−ジメトキシエチル基、1,2−ジメトキシエチル基、3,3−ジメトキシ−n−プロピル基、2,2−ジエトキシエチル基などのジC1〜6アルコキシC1〜6アルキル基; ホルミルオキシメチル基、アセトキシメチル基、2−アセトキシエチル基、プロピオニルオキシメチル基、プロピオニルオキシエチル基などのC1〜7アシルオキシC1〜6アルキル基; イミノメチル基、(1−イミノ)エチル基、(1−イミノ)プロピル基などのイミノ基で置換されたC1〜6アルキル基; メトキシイミノメチル基、(1−メトキシイミノ)エチル基などのアルコキシイミノ基で置換されたC1〜6アルキル基; ヒドロキシイミノメチル基、(1−ヒドロキシイミノ)エチル基、(1−ヒドロキシイミノ)−n−プロピル基などのヒドロキシイミノ基で置換されたC1〜6アルキル基; 無置換の若しくは置換基を有するベンジル基、無置換の若しくは置換基を有するフェネチル基などの無置換の若しくは置換基を有するC7〜11アラルキル基;などが挙げられる。
【0038】
1aとR2a、またはR3aとR4aが一緒になって形成する「C2〜6アルキレン基」としては、エチレン基(別名:エタン−1,2−ジイル基)、トリメチレン基(別名:プロパン−1,3−ジイル基)、テトラメチレン基(別名:ブタン−1,4−ジイル基)、プロピレン基(別名:プロパン−1,2−ジイル基)、エタンエチレン基(別名:ブタン−1,2−ジイル基)などが挙げられる。これらのうち、C2〜4アルキレン基が好ましい。
また、「C2〜6アルケニレン基」としては、ビニレン基(別名:エテン−1,2−ジイル基)、プロペニレン基(別名:プロパ−1−エン−1,3−ジイル基)、2−ブテニレン基(別名:ブタ−2−エン−1,4−ジイル基)、1−メチル−1−ブテニレン基(別名:ペンタ−3−エン−1,4−ジイル基)などが挙げられる。これらのうち、C3〜4アルケニレン基が好ましい。
置換基を有するC2〜6アルキレン基または置換基を有するC2〜6アルケニレン基において、置換基となり得る好ましい基としては、 フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子; メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基などのC1〜6アルキル基; シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などのC3〜6シクロアルキル基; メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基などのC1〜6アルコキシ基; 水酸基; クロロメチル基、クロロエチル基、トリフルオロメチル基、1,2−ジクロロ−n−プロピル基、1−フルオロ−n−ブチル基、パーフルオロ−n−ペンチル基などのC1〜6ハロアルキル基;などを挙げることができる。
【0039】
−CH2NR6−で表される基、−NR6CH2−で表される基、および−CH2NR6CH2−で表される基において、R6は、水素原子、無置換の若しくは置換基を有するC1〜6アルキル基、無置換の若しくは置換基を有するC1〜7アシル基、または無置換の若しくは置換基を有するC1〜6アルコキシカルボニル基を示す。
6における、「無置換の若しくは置換基を有するC1〜6アルキル基」としては、前記R1aなどにおいて例示したそれと同じものを挙げることができる。
6における、「C1〜7アシル基」としては、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基、シクロヘキシルカルボニル基などが挙げられる。
6における、「置換基を有するC1〜7アシル基」としては、クロロアセチル基、トリフルオロアセチル基、トリクロロアセチル基、4−クロロベンゾイル基などが挙げられる。
【0040】
6における、「C1〜6アルコキシカルボニル基」としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基などが挙げられる。
6における、「置換基を有するC1〜6アルコキシカルボニル基」としては、 シクロプロピルメトキシカルボニル基、シクロブチルメトキシカルボニル基、シクロペンチルメトキシカルボニル基、シクロヘキシルメトキシカルボニル基、2−メチルシクロプロピルメトキシカルボニル基、2,3−ジメチルシクロプロピルメトキシカルボニル基、2−クロロシクロプロピルメトキシカルボニル基、2−シクロプロピルエトキシカルボニル基などのC3〜8シクロアルキルC1〜6アルコキシカルボニル基; フルオロメトキシカルボニル基、クロロメトキシカルボニル基、ブロモメトキシカルボニル基、ジフルオロメトキシカルボニル基、ジクロロメトキシカルボニル基、ジブロモメトキシカルボニル基、トリフルオロメトキシカルボニル基、トリクロロメトキシカルボニル基、トリブロモメトキシカルボニル基、2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基、ペンタフルオロエトキシカルボニル基、4−フルオロブトキシカルボニル基、3,3,3−トリフルオロプロポキシカルボニル基、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエトキシカルボニル基、パーフルオロヘキシルオキシカルボニル基などのC1〜6ハロアルコキシカルボニル基;などが挙げられる。
【0041】
架橋部分とその立体配置を具体的に説明するために、例えば、下記の部分構造式(a1)〜(a4)を挙げることができる。式(a1)〜(a4)中の*1はXとの結合位置を表し、*2は酸素原子との結合位置を表す。Aは、2価の有機基、すなわち架橋部分を示す。架橋部分とR5aの関係が、exoもしくはendoの関係にある異性体およびこれらの混合物も本発明に含まれる。
【0042】
【化4】

【0043】
〔R10
式(I)中のR10は、Cy1の置換基である。R10は、それぞれ独立に、無置換の若しくは置換基を有するC1〜6アルキル基、無置換の若しくは置換基を有するC3〜8シクロアルキル基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜6アルケニル基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜6アルキニル基、水酸基、無置換の若しくは置換基を有するC1〜6アルコキシ基、無置換の若しくは置換基を有するC3〜8シクロアルコキシ基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜6アルケニルオキシ基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜6アルキニルオキシ基、カルボキシル基、無置換の若しくは置換基を有するC1〜7アシル基、無置換の若しくは置換基を有するC1〜6アルコキシカルボニル基、無置換の若しくは置換基を有するC3〜8シクロアルキルオキシカルボニル基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜6アルケニルオキシカルボニル基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜6アルキニルオキシカルボニル基、無置換の若しくは置換基を有するC6〜10アリールオキシカルボニル基、無置換の若しくは置換基を有するヘテロシクリルオキシカルボニル基、無置換の若しくは置換基を有するC1〜7アシルオキシ基、無置換の若しくは置換基を有するC1〜6アルコキシカルボニルオキシ基、無置換の若しくは置換基を有するC3〜8シクロアルキルオキシカルボニルオキシ基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜6アルケニルオキシカルボニルオキシ基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜6アルキニルオキシカルボニルオキシ基、無置換の若しくは置換基を有するC6〜10アリール基、無置換の若しくは置換基を有するヘテロシクリル基、無置換の若しくは置換基を有するC6〜10アリールオキシ基、無置換の若しくは置換基を有するヘテロシクリルオキシ基、アミノ基、無置換の若しくは置換基を有するC1〜6アルキルアミノ基、無置換の若しくは置換基を有するC3〜8シクロアルキルアミノ基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜6アルケニルアミノ基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜6アルキニルアミノ基、無置換の若しくは置換基を有するC6〜10アリールアミノ基、無置換の若しくは置換基を有するヘテロシクリルアミノ基、ペンタフルオロスルファニル基、シアノ基、ニトロ基、またはハロゲン原子を示す。
【0044】
mは、R10の数を示し且つ0〜5のいずれかの整数である。mが2以上のとき、R10同士は互いに同一でも異なっていてもよい。
【0045】
10における「無置換の若しくは置換基を有するC1〜6アルキル基」としては、前記R1aなどにおいて例示したそれと同じものを挙げることができる。
さらにR10における「無置換の若しくは置換基を有するC1〜6アルキル基」としては、前記R1aなどにおいて例示したもの以外にも、クロロシクロヘキシルオキシメチル基、ブロモシクロヘキシルオキシメチル基、2−メチルシクロプロピルオキシメチル基、2,3−ジメチルシクロプロピルオキシメチル基、スピロ[2.2]ペンタ−1−イルオキシメチル基、1−メチル−スピロ[2.2]ペンタ−1−イルオキシメチル基、1−ヒドロキシメチルスピロ[2.2]ペンタ−1−イルオキシメチル基、4,4−ジフルオロ−スピロ[2.2]ペンタ−1−イルオキシメチル基、ビシクロプロピル−2−イル基オキシメチル基などの置換基を有するC3〜8シクロアルコキシC1〜6アルキル基; クロロシクロヘキシルメトキシメチル基、ブロモシクロヘキシルメトキシメチル基、2−メチルシクロプロピルメトキシメチル基、2,3−ジメチルシクロプロピルメトキシメチル基、スピロ[2.2]ペンタ−1−イルメトキシメチル基、1−メチル−スピロ[2.2]ペンタ−1−イルメトキシメチル基、1−ヒドロキシメチルスピロ[2.2]ペンタ−1−イルメトキシメチル基、4,4−ジフルオロ−スピロ[2.2]ペンタ−1−イルメトキシメチル基、ビシクロプロピル−2−イル基メトキシメチル基などの置換基を有するC3〜8シクロアルキルC1〜6アルコキシC1〜6アルキル基; などが挙げられる。
【0046】
10における「C3〜8シクロアルキル基」としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基などが挙げられる。
10における「置換基を有するC3〜8シクロアルキル基」としては、クロロシクロヘキシル基、ブロモシクロヘキシル基、2−メチルシクロプロピル基、2,3−ジメチルシクロプロピル基、スピロ[2.2]ペンタ−1−イル基、1−メチル−スピロ[2.2]ペンタ−1−イル基、1−ヒドロキシメチルスピロ[2.2]ペンタ−1−イル基、4,4−ジフルオロ−スピロ[2.2]ペンタ−1−イル基、ビシクロプロピル−2−イル基などが挙げられる。
【0047】
10における「C2〜6アルケニル基」としては、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−メチル−2−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−メチル−2−ブテニル基、2−メチル−2−ブテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基などが挙げられる。
10における「置換基を有するC2〜6アルケニル基」としては、2−クロロ−1−プロペニル基、2−フルオロ−1−ブテニル基などのC2〜6ハロアルケニル基;などが挙げられる。
【0048】
10における「C2〜6アルキニル基」としては、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、1−メチル−2−プロピニル基、2−メチル−3−ブチニル基、1−ペンチニル基、2−ペンチニル基、3−ペンチニル基、4−ペンチニル基、1−メチル−2−ブチニル基、2−メチル−3−ペンチニル基、1−ヘキシニル基、1,1−ジメチル−2−ブチニル基などが挙げられる。
10における「置換基を有するC2〜6アルキニル基」としては、4,4−ジクロロ−1−ブチニル基、4−フルオロ−1−ペンチニル基、5−ブロモ−2−ペンチニル基などのC2〜6ハロアルキニル基;などが挙げられる。
【0049】
10における「C1〜6アルコキシ基」としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、i−ペンチルオキシ基、2−メチルブトキシ基、ネオペンチル基、n−ヘキシルオキシ基などが挙げられる。これらのアルコキシ基のうち、C3〜6アルコキシ基が好ましい。
10における「置換基を有するC1〜6アルコキシ基」としては、 フルオロメトキシ基、クロロメトキシ基、ブロモメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、ジクロロメトキシ基、ジブロモメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、トリクロロメトキシ基、トリブロモメトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、2,2,2−トリクロロエトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、4−フルオロブトキシ基、3,3,3−トリフルオロプロポキシ基、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエトキシ基、パーフルオロヘキシルオキシ基などのC1〜6ハロアルコキシ基; 2−ヒドロキシエトキシ基、2−ヒドロキシプロポキシ基などのヒドロキシC1〜6アルコキシ基; メトキシメトキシ基、1−メトキシエトキシ基、2−メトキシエトキシ基、エトキシメトキシ基、1−エトキシエトキシ基、2−エトキシエトキシ基、1−メトキシ−n−プロポキシ基、2−メトキシ−n−プロポキシ基、3−メトキシ−n−プロポキシ基などのC1〜6アルコキシC1〜6アルコキシ基; シクロプロピルメトキシ基、シクロブチルメトキシ基、シクロペンチルメトキシ基、シクロヘキシルメトキシ基、2−メチルシクロプロピルメトキシ基、2,3−ジメチルシクロプロピルメトキシ基、2−シクロプロピルエトキシ基などのC3〜8シクロアルキルC1〜6アルコキシ基;ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基などのC7〜11アラルキルオキシ基; アセチルメトキシ基、2−アセチルエトキシ基などのC1〜7アシルC1〜6アルコキシ基; シアノメトキシ基、2−シアノエトキシ基などのシアノC1〜6アルコキシ基; クロロシクロヘキシルメトキシ基、ブロモシクロヘキシルメトキシ基、2−メチルシクロプロピルメトキシ基、2,3−ジメチルシクロプロピルメトキシ基、スピロ[2.2]ペンタ−1−イルメトキシ基、1−メチル−スピロ[2.2]ペンタ−1−イルメトキシ基、1−ヒドロキシメチルスピロ[2.2]ペンタ−1−イルメトキシ基、4,4−ジフルオロ−スピロ[2.2]ペンタ−1−イルメトキシ基、ビシクロプロピル−2−イル基メトキシなどの置換基を有するC3〜8シクロアルキルC1〜6アルコキシ基;などが挙げられる。
【0050】
10における「C3〜8シクロアルコキシ基」としては、シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロヘプチルオキシ基などが挙げられる。
10における「置換基を有するC3〜8シクロアルキルオキシ基」としては、クロロシクロヘキシルオキシ基、ブロモシクロヘキシルオキシ基、2−メチルシクロプロピルオキシ基、2,3−ジメチルシクロプロピルオキシ基、スピロ[2.2]ペンタ−1−イルオキシ基、1−メチル−スピロ[2.2]ペンタ−1−イルオキシ基、1−ヒドロキシメチルスピロ[2.2]ペンタ−1−イルオキシ基、4,4−ジフルオロ−スピロ[2.2]ペンタ−1−イルオキシ基、ビシクロプロピル−2−イル基オキシなどが挙げられる。
【0051】
10における「C2〜6アルケニルオキシ基」としては、ビニルオキシ基、1−プロペニルオキシ基、2−プロペニルオキシ基、1−ブテニルオキシ基、2−ブテニルオキシ基、3−ブテニルオキシ基、1−メチル−2−プロペニルオキシ基、2−メチル−2−プロペニルオキシ基、1−ペンテニルオキシ基、2−ペンテニルオキシ基、1−メチル−2−ブテニルオキシ基、2−メチル−2−ブテニルオキシ基、3−メチル−2−ブテニルオキシ基、1−ヘキセニルオキシ基、2−ヘキセニルオキシ基などが挙げられる。
10における「置換基を有するC2〜6アルケニルオキシ基」としては、2−クロロ−1−プロペニルオキシ基、3,3−ジクロロ−2−プロペニルオキシ基、2−フルオロ−1−ブテニルオキシ基などのC2〜6ハロアルケニルオキシ基;などが挙げられる。
【0052】
10における「C2〜6アルキニルオキシ基」としては、エチニルオキシ基、1−プロピニルオキシ基、2−プロピニルオキシ基、1−ブチニルオキシ基、2−ブチニルオキシ基、3−ブチニルオキシ基、1−メチル−2−プロピニルオキシ基、2−メチル−3−ブチニルオキシ基、1−ペンチニルオキシ基、2−ペンチニルオキシ基、1−メチル−2−ブチニルオキシ基、2−メチル−3−ペンチニルオキシ基、1−ヘキシニルオキシ基などが挙げられる。
10における「置換基を有するC2〜6アルキニルオキシ基」としては、4,4−ジクロロ−1−ブチニルオキシ基、4−フルオロ−1−ペンチニルオキシ基、5−ブロモ−2−ペンチニルオキシ基などのC2〜6ハロアルキニルオキシ基;などが挙げられる。
【0053】
10における「C1〜7アシル基」としては、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基などが挙げられる。
10における「置換基を有するC1〜7アシル基」としては、クロロアセチル基、トリフルオロアセチル基、トリクロロアセチル基、4−クロロベンゾイル基などのハロゲン置換C1〜7アシル基;などが挙げられる。
【0054】
10における「C1〜6アルコキシカルボニル基」としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基などが挙げられる。
10における「置換基を有するC1〜6アルコキシカルボニル基」としては、 シクロプロピルメトキシカルボニル基、シクロブチルメトキシカルボニル基、シクロペンチルメトキシカルボニル基、シクロヘキシルメトキシカルボニル基、2−メチルシクロプロピルメトキシカルボニル基、2,3−ジメチルシクロプロピルメトキシカルボニル基、2−クロロシクロプロピルメトキシカルボニル基、2−シクロプロピルエトキシカルボニル基などのC3〜8シクロアルキルC1〜6アルコキシカルボニル基; フルオロメトキシカルボニル基、クロロメトキシカルボニル基、ブロモメトキシカルボニル基、ジフルオロメトキシカルボニル基、ジクロロメトキシカルボニル基、ジブロモメトキシカルボニル基、トリフルオロメトキシカルボニル基、トリクロロメトキシカルボニル基、トリブロモメトキシカルボニル基、2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基、ペンタフルオロエトキシカルボニル基、4−フルオロブトキシカルボニル基、3,3,3−トリフルオロプロポキシカルボニル基、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエトキシカルボニル基、パーフルオロヘキシルオキシカルボニル基などのC1〜6ハロアルコキシカルボニル基;ベンジルオキシカルボニル基、1−フェニルエトキシカルボニル基などのC6〜10ありリールC1〜6アルキルオキシカルボニル基;テトラヒドロフラン−2−イルメトキシカルボニル基、ピラゾリルメトキシカルボニル基、チアジアゾリルメトキシカルボニル基、ピリジルメトキシカルボニル基、ピリミジニルメトキシカルボニル基、ピリダジニルメトキシカルボニル基などのヘテロシクリルC1〜6アルコキシカルボニル基;などが挙げられる。
【0055】
10における「C3〜8シクロアルキルオキシカルボニル基」としては、シクロプロピルオキシカルボニル基、シクロブトキシカルボニル基などが挙げられる。
【0056】
10における「C2〜6アルケニルオキシカルボニル基」としては、エテニルオキシカルボニル基、2−プロペニルオキシカルボニル基、1−プロペニルオキシカルボニル基などが挙げられる。
10における「置換基を有するC2〜6アルケニルオキシカルボニル基」としては、1−メチル−2−プロペニルオキシカルボニル基、2−メチル−1−プロペニルオキシカルボニル基などが挙げられる。
【0057】
10における「C2〜6アルキニルオキシカルボニル基」としては、エチニルオキシカルボニル基、プロパルギルオキシカルボニル基、2−ブチニルオキシカルボニル基などが挙げられる。
10における「置換基を有するC2〜6アルキニルオキシカルボニル基」としては、1−メチルプロパルギルオキシカルボニル基などが挙げられる。
【0058】
10における「C6〜10アリールオキシカルボニル基」としては、フェニルオキシカルボニル基、ナフトキシカルボニル基などが挙げられる。
【0059】
10における「ヘテロシクリルオキシカルボニル基」としては、ピリジルオキシカルボニル基、ピリダジニルオキシカルボニル基などが挙げられる。
【0060】
10における「C1〜7アシルオキシ基」としては、ホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基などが挙げられる。
10における「置換基を有するC1〜7アシルオキシ基」としては、クロロアセチルオキシ基、トリフルオロアセチルオキシ基、トリクロロアセチルオキシ基、4−クロロベンゾイルオキシ基などのハロゲン置換C1〜7アシルオキシ基;などが挙げられる。
【0061】
10における「C1〜6アルコキシカルボニルオキシ基」としては、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、i−プロポキシカルボニルオキシ基などが挙げられる。
【0062】
10における「C3〜8シクロアルキルオキシカルボニルオキシ基」としては、シクロプロピルオキシカルボニルオキシ基、シクロブチルオキシカルボニルオキシ基、シクロペンチルオキシカルボニルオキシ基、シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ基などが挙げられる。
【0063】
10における「C2〜6アルケニルオキシカルボニルオキシ基」としては、ビニルオキシカルボニルオキシ基、1−プロペニルオキシカルボニルオキシ基、2−プロペニルオキシカルボニルオキシ基、1−ブテニルオキシカルボニルオキシ基、2−ブテニルオキシカルボニルオキシ基、3−ブテニルオキシカルボニルオキシ基、1−メチル−2−プロペニルオキシカルボニルオキシ基などが挙げられる。
【0064】
10における「C2〜6アルキニルオキシカルボニルオキシ基」としては、エチニルオキシカルボニルオキシ基、1−プロピニルオキシカルボニルオキシ基、2−プロピニルオキシカルボニルオキシ基、1−ブチニルオキシカルボニルオキシ基、2−ブチニルオキシカルボニルオキシ基、3−ブチニルオキシカルボニルオキシ基などが挙げられる。
【0065】
10における「C6〜10アリール基」としては、前記Cy1において例示したそれと同じものを挙げることができる。
【0066】
10における「ヘテロシクリル基」としては、前記Cy1において例示したそれと同じものを挙げることができる。
【0067】
10における「C6〜10アリールオキシ基」としては、フェノキシ基、ナフトキシ基などが挙げられる。
【0068】
10における「ヘテロシクリルオキシ基」としては、ピリジルオキシ基、ピリダジニルオキシ基などが挙げられる。
【0069】
10における「C1〜6アルキルアミノ基」としては、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、i−ブチルアミノ基などが挙げられる。
【0070】
10における「C3〜8シクロアルキルアミノ基」としては、シクロプロピルアミノ基、シクロブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基などが挙げられる。
【0071】
10における「C2〜6アルケニルアミノ基」としては、ビニルアミノ基、1−プロペニルアミノ基、2−プロペニルアミノ基、1−ブテニルアミノ基などが挙げられる。
【0072】
10における「C2〜6アルキニルアミノ基」としては、エチニルアミノ基、1−プロピニルアミノ基、2−プロピニルアミノ基、1−ブチニルアミノ基などが挙げられる。
【0073】
10における「C6〜10アリールアミノ基」としては、アニリノ基、ナフチルアミノ基などが挙げられる。
【0074】
10における「ヘテロシクリルアミノ基」としては、ピリジルアミノ基、ピリダジニルアミノ基などが挙げられる。
【0075】
10における「ハロゲン原子」としては、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
【0076】
mが2以上である場合、複数のR10と、Cy1を構成する原子とが一緒になって環を形成してもよい。
形成してもよい環としては、ベンゼン環などの芳香族炭化水素環; シクロペンテン環、シクロヘキセン環、シクロヘプテン環などのC5〜7シクロアルケン環; フラン環、チオフェン環、ピロ−ル環、イミダゾール環、ピラゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、アゼピン環、ジアゼピン環などの芳香族5〜7員ヘテロ環; ジヒドロ−2H−ピラン環、ジヒドロ−2H−チオピラン環、テトラヒドロピリジン環などの不飽和5〜7員ヘテロ環;などが挙げられる。
これらの環は、環上に置換基を有していてもよい。
環上の置換基となり得る好ましい基としては、 フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子; メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基などのC1〜6アルキル基; シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などのC3〜6シクロアルキル基; メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基などのC1〜6アルコキシ基; 水酸基; クロロメチル基、クロロエチル基、トリフルオロメチル基、1,2−ジクロロ−n−プロピル基、1−フルオロ−n−ブチル基、パーフルオロ−n−ペンチル基などのC1〜6ハロアルキル基;などを挙げることができる。
【0077】
〔X〕
式(I)中のXは、無置換の若しくは置換基を有するC2〜6アルキレン基、または無置換の若しくは置換基を有するC2〜6アルケニレン基を示す。
Xにおける「C2〜6アルキレン基」としては、エチレン基(別名:エタン−1,2−ジイル基)、トリメチレン基(別名:プロパン−1,3−ジイル基)、テトラメチレン基(別名:ブタン−1,4−ジイル基)、プロピレン基(別名:プロパン−1,2−ジイル基)、エタンエチレン基(別名:ブタン−1,2−ジイル基)などが挙げられる。これらのうち、C2〜4アルキレン基が好ましい。
また、「C2〜6アルケニレン基」としては、ビニレン基(別名:エテン−1,2−ジイル基)、プロペニレン基(別名:プロパ−1−エン−1,3−ジイル基)、2−ブテニレン基(別名:ブタ−2−エン−1,4−ジイル基)、1−メチル−1−ブテニレン基(別名:ペンタ−3−エン−1,4−ジイル基)などが挙げられる。これらのうち、C3〜4アルケニレン基が好ましい。
置換基を有するC2〜6アルキレン基または置換基を有するC2〜6アルケニレン基において、置換基となり得る好ましい基としては、 フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子; メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基などのC1〜6アルキル基; シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などのC3〜6シクロアルキル基; メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基などのC1〜6アルコキシ基; 水酸基; クロロメチル基、クロロエチル基、トリフルオロメチル基、1,2−ジクロロ−n−プロピル基、1−フルオロ−n−ブチル基、パーフルオロ−n−ペンチル基などのC1〜6ハロアルキル基;などを挙げることができる。
【0078】
〔環状アミン化合物の塩〕
本発明に係る環状アミン化合物の塩は、農園芸学的に許容される塩であれば、特に制限されない。例えば、塩酸、硫酸などの無機酸の塩;酢酸、乳酸などの有機酸の塩;リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属の塩;カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属の塩;鉄、銅などの遷移金属の塩;アンモニア、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、ヒドラジンなどの有機塩基の塩などが挙げられる。本発明に係る環状アミン化合物の塩は、式(I)で表わされる環状アミン化合物から、公知の手法によって得ることができる。
【0079】
本発明の環状アミン化合物またはその塩は、殺成虫、殺若虫、殺幼虫、および殺卵などの作用を有することから、農作物に付く害虫、ダニ、衛生害虫、貯殻害虫、衣類害虫、家屋害虫などの有害生物の防除に使用できる。本発明の環状アミン化合物またはその塩は、特にダニ類に対する防除効果に優れるので、殺ダニ剤の有効成分として有用である。
【0080】
〔製造方法〕
本発明に係る環状アミン化合物またはその塩の製造方法は、特に制限されない。例えば、製造中間体として式(II)で表される化合物を用い、これにエチレン性不飽和基を有するニトリル化合物を反応させる方法が挙げられる。
【0081】
【化5】

(式(II)中の、Cy1、R1a、R1b、R2a、R2b、R3a、R3b、R4a、R4b、R5a、R10、mは、式(I)中のそれらと同じ意味を示す。)
【0082】
ここでは、式(I)で表される環状アミン化合物のうちで、式(β)で表される化合物(式中、Cy1、R10、およびmは、前記と同様の意味を示す。Aは、C2〜6アルキレンなどの2価の有機基を示す。以下、「化合物(β)」と表記することがある。)の製造方法を代表例として挙げて、本発明に係る環状アミン化合物またはその塩の製造方法の理解に資することにする。
【0083】
【化6】

【0084】
先ず、公知の方法により、式(α)で表される2級アミン化合物(以下、「化合物(α)」と表記することがある。)を用意する。そして、該化合物(α)をアクリロニトリルにて、N−アルキル化することによって式(β)で表される環状アミン化合物を得ることができる。
【0085】
本発明に係る環状アミン化合物またはその塩は製造中間体としても有用である。例えば、本発明に係る化合物(β)を、適当な酸化剤により酸化することによって、系中で、N−オキシド体とし、これを、Cope脱離反応させることで、化合物(γ)を得ることができる。この反応はTetrahedron Letters 48 (2007) 1683-1686などに記載されている。化合物(γ)にヘテロアリールハライドを塩基の存在下で反応させる。これによって、式(δ)で表されるヘテロアリールオキシアミン化合物を得ることができる。この反応は米国特許5286865号公報などに記載されている。
【0086】
【化7】

(式(γ)中、A、Cy1、R10、およびmは、前記と同様の意味を示す。)
【0087】
【化8】

(式(δ)中、A、Cy1、R10、およびmは、前記と同様の意味を示す。Cy2は無置換の若しくは置換基を有するヘテロアリール基、無置換の若しくは置換基を有するC6〜10アリール基などを示す。)
【0088】
〔有害生物防除剤または殺ダニ剤〕
本発明の有害生物防除剤または殺ダニ剤は、式(I)で表わされる環状アミン化合物またはその塩から選ばれる少なくとも1種を有効成分として含有するものである。
本発明の有害生物防除剤または殺ダニ剤では、式(I)で表わされる環状アミン化合物またはその塩を1種単独でまたは2種以上を組み合わせて含有することができる。
また、本発明の有害生物防除剤または殺ダニ剤は、式(I)で表わされる環状アミン化合物またはその塩のみを含有するものであってもよいし、固体担体、液体担体、ガス状担体などの担体を含有していてもよい。また、本発明の有害生物防除剤または殺ダニ剤は、式(I)で表わされる環状アミン化合物またはその塩を多孔セラミック板や不織布などの基材に含浸させたものであってもよい。さらに、必要に応じて界面活性剤、その他の補助剤を添加したものであってもよい。
本発明に係る有害生物防除剤または殺ダニ剤は、一般の農薬のとり得る形態、即ち、水和剤、粒剤、粉剤、乳剤、水溶剤、懸濁剤、顆粒水和剤、フロアブル、エアゾール、煙霧剤、加熱蒸散剤、燻煙剤、毒餌、マイクロカプセルなどの形態に製剤化することができる。
【0089】
固体製剤にする際に使用される添加剤および担体としては、大豆粒、小麦粉などの植物性粉末;珪藻土、燐灰石、石こう、タルク、ベントナイト、パイロフィライト、クレイなどの鉱物性微粉末;安息香酸ソーダ、尿素、芒硝などの有機および無機化合物などが挙げられる。
液体製剤にする際に使用される溶剤としては、ケロシン、キシレン;ソルベントナフサなどの石油留分;シクロヘキサン、シクロヘキサノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アルコール、アセトン、メチルイソブチルケトン、鉱物油、植物油、水などが挙げられる。
噴射剤に製剤化する際に使用されるガス状担体としては、ブタンガス、LPG、ジメチルエーテル、炭酸ガスなどが挙げられる。
【0090】
毒餌の基材としては、穀物粉、植物油、糖、結晶セルロースなどの餌成分、ジブチルヒドロキシトルエン、ノルジヒドログアイアレチン酸などの酸化防止剤、デヒドロ酢酸などの保存料、トウガラシ末などの子供やペットによる誤食防止剤、チーズ香料、タマネギ香料などの害虫誘引性香料などが挙げられる。
【0091】
製剤化において均一かつ安定な形態をとり得るようにするために界面活性剤を添加することができる。界面活性剤としては、ポリオキシエチレンが付加したアルキルエーテル、ポリオキシエチレンが付加した高級脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンが付加したソルビタン高級脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンが付加したトリスチリルフェニルエーテルなどの非イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンが付加したアルキルフェニルエーテルの硫酸エステル塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ポリカルボン酸塩、リグニンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩のホルムアルデヒド縮合物、イソブチレン−無水マレイン酸の共重合物などが挙げられる。
【0092】
本発明の有害生物防除剤または殺ダニ剤は、製剤中における本発明の環状アミン化合物またはその塩の含有量を、0.01〜90重量%にすることが好ましく、0.05〜85重量%にすることがより好ましい。
水和剤、乳剤、懸濁剤、フロアブル剤、水溶剤または顆粒水和剤の形態で供給された有害生物防除剤または殺ダニ剤は、水で所定の濃度に希釈して、溶解液、懸濁液あるいは乳濁液にして植物或いは土壌に散布することができる。また、粉剤・粒剤の形態で供給された殺ダニ剤は、そのまま植物或いは土壌に散布することができる。
【0093】
また、乳剤、水和剤、フロアブル剤などの形態で供給された有害生物防除剤または殺ダニ剤は、水で所定の濃度に希釈して施用することができる。水で希釈して施用する場合、その施用濃度は好ましくは1〜1000ppm、より好ましくは10〜250ppmである。また油剤、エアゾール、煙霧剤、毒餌、防ダニシートなどの形態で供給された有害生物防除剤または殺ダニ剤はそのまま使用することができる。
【0094】
本発明の有害生物防除剤または殺ダニ剤の圃場や植物への施用量は、気象条件、製剤形態、施用時期、施用方法、施用場所、防除対象病害、対象作物などにより異なるが、1ヘクタール当たりの有効成分化合物量にして、好ましくは1〜1,000g、より好ましくは10〜100gである。
【0095】
本発明の有害生物防除剤または殺ダニ剤を、ウシ、ブタなどの家畜類、イヌ、ネコなどのペット類の動物寄生ダニ防除用とする場合には、宿主動物1kgに対して、本発明の環状アミン化合物が、0.01〜1000mgの割合となる量で使用することができる。本発明に係る殺ダニ剤は、公知の獣医学的な手法で施用することができる。その方法として、例えば、全身的抑制(systemic control)を目的とする場合には、錠剤、カプセル、浸漬液、飼料混入、坐薬、注射(筋肉内、皮下、静脈内、腹腔内など)などにより動物に投与する方法などが挙げられ、非全身的抑制(non-systemic control)を目的とする場合は、油性または水性液剤を噴霧、注ぎかけ(pour-on)、滴下(spot-on)などにより投与する方法、樹脂に殺ダニ剤を練り込み、該混練物を首輪、耳札などの適当な形状に成形し、それを動物に装着する方法などが挙げられる。
【0096】
本発明の有害生物防除剤または殺ダニ剤には、殺菌剤、他の殺虫・殺ダニ剤、殺線虫剤、殺土壌害虫剤、植物調節剤、共力剤、肥料、土壌改良剤、動物用飼料などと混用または併用してもよい。
このような態様で使用することができる殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、植物生長調節剤などの代表例を以下に示す。
【0097】
殺菌剤:
ベノミル、カルベンダジム、フベリダゾール、チアベンダゾール、チオファネート メチルなどのベンゾイミダゾール系;
クロゾリネート、イプロジオン、プロシミドン、ビンクロゾリンなどのジカルボキシイミド系;
イマザリル、オキスポコナゾール、ペフラゾエート、プロクロラズ、トリフルミゾール、トリホリン、ピリフェノックス、フェナリモル、ヌアリモル、アザコナゾール、ビテルタノール、ブロムコナゾール、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、ジニコナゾール、エポキシコナゾール、フェンブコナゾール、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルトリアホル、ヘキサコナゾール、イミベンコナゾール、イプコナゾール、メトコナゾール、ミクロブタニル、ペンコナゾール、プロピコナゾール、プロチオコナゾール、シメコナゾール、テブコナゾール、テトラコナゾール、トリアジメホン、トリアジメノール、トリチコナゾール、エタコナゾール、ファーコナゾールシス、イプコナゾール、イミベンコナゾール、などのDMI−殺菌剤;
ベナラキシル、フララキシル、メタラキシル、メタラキシル−M、オキサジキシル、オフラセなどのフェニルアミド系;
アルジモルフ、ドデモルフ、フェンプロピモルフ、トリデモルフ、フェンプロピジン、ピペラリン、スピロキサミンなどのアミン系;
EDDP、イプロベンホス、ピラゾホスなどのホスホロチオレート系;
イソプロチオランなどのジチオラン系;
ベノダニル、ボスカリド、カルボキシン、フェンフラン、フルトラニル、フラメトピル、メプロニル、オキシカルボキシン、ペンチオピラド、チフルザミドなどのカルボキサミド;
ブピリメート、ジメチリモル、エチリモルなどのヒドロキシ−(2−アミノ)ピリミジン;
【0098】
シプロジニル、メパニピリム、ピリメタニルなどのAP殺菌剤 (アニリノピリミジン) ;
ジエトフェンカルブなどのN−フェニルカーバメート;アゾキシストロビン、ピコキシストロビン、ピラクロストロビン、クレソキシム-メチル、トリフロキシストロビン、ジモキシストロビン、メトミノストロビン、オリザストロビン、ファモキサドン、フルオキサストロビン、フェンアミドン、メトミノフェン、ピリベンカルブなどのQoI−殺菌剤 (Qo阻害剤);
フェンピコニル、フルジオキソニルなどのPP殺菌剤 (フェニルピロール) ;
キノキシフェンなどのキノリン系 ;
ビフェニル、クロロネブ、ジクロラン、キントゼン、テクナゼン、トルクトフォス−メチルなどのAH殺菌剤 (芳香族炭化水素);
フサライド、ピロキロン、トリシクラゾールなどのMBI−R;
カルプロパミド、ジクロシメット、フェノキサニルなどのMBI−D;
フェンヘキサミド、ピリブチカルブ、タービナフィンなどのSBI剤;
ペンシクロンなどのフェニルウレア;
シアゾファミドなどのQiI−殺菌剤(Qi阻害剤);
ゾキサミドなどのベンズアミド;
ブラストサイジン、ミルディオマイシンなどのエノピランウロン;
カスガマイシンなどのへキソピラノシル;
ストレプトマイシン、バリダマイシンなどのグルコピラノシル;
シモキサニルなどのシアノアセトアミド;
プロパモカルブ、プロチオカルブ、ポリカーバメートなどのカーバメート;
ビナパクリル、ジノカップ、フェリムゾン、フルアジナムなどの脱共役剤;
酢酸トリフェニルスズ、塩化トリフェニルスズ、水酸化トリフェニルスズなどの有機スズ化合物;
【0099】
亜リン酸、トルクロホスメチル、ホセチルなどのリン酸エステル;
テクロフタラムなどのフタルアミド酸;
トリアゾキシドなどのベンゾトリアジン;
フルスルファミドなどのベンゼンスルフォナミド;
ジクロメジンなどのピリダジノン;
ジメトモルフ、フルモルフ、ベンチアバリカルブ、イプロバリカルブ、マンジプロパミドなどのCAA殺菌剤 (カルボン酸アミド);
オキシテトラサイクリンなどのテトラサイクリン;
メタスルホカルブなどのチオカーバメート;
エトリジアゾール、ポリオキシン、オキソリニック酸、ヒドロキシイソキサゾール、オクチリノン、シルチオファム、ジフルメトリム、アシベンゾラルSメチル、プロベナゾール、チアジニル、エタボキサム、シフルフェナミド、プロキナジド、メトラフェノン、フルオピコリド、水酸化第二銅、有機銅、硫黄、ファーバム、マンゼブ、マンネブ、メチラム、プロピネブ、チウラム、ジネブ、ジラム、キャプタン、カプタホール、フォルペット、クロロタロニル、ジクロフルアニド、トリルフルアニド、ドジン、グアザチン、イミノクタジン、アニラジン、ジチアノン、クロロピクリン、ダゾメット、メタムナトリウム塩、キノメチオネート、シプロフラム、シルチオファム、アグロバクテリウム、フルオルイミドなどのその他の化合物。
【0100】
殺虫・殺ダニ剤、殺線虫剤、殺土壌害虫剤:
(1)有機(チオ)ホスフェート系:アセフェート、アザメチホス、アジンホスメチル、クロルピリホス、クロルピリホスメチル、クロルフェンビンホス、ダイアジノン、ジクロルボス、ジクロトホス、ジメトエート、ジスルホトン、エチオン、EPN、フェナミホス、フェニトロチオン、フェンチオン、イソキサチオン、マラソン、メタミドホス、メチダチオン、メチルパラチオン、メビンホス、モノクロトホス、オキシデメトンメチル、パラオキソン、パラチオン、フェントエート、ホサロン、ホスメット、ホスファミドン、ホレート、ホキシム、ピリミホスメチル、プロフェノホス、プロチオホス、スルプロホス、テトラクロルビンホス、テルブホス、トリアゾホス、トリクロルホン、
ホスチアゼート、ホスホカルブ、カズサホス、ジスルホトン、デメトン-S-メチル、BRP、CYAP、エトプロホス、キナルホス、ジメチルビンホス、バミドチオン、ピラクロホス;
(2)カルバメート系:アラニカルブ、アルジカルブ、ベンダイオカルブ、ベンフラカルブ、カルバリル、カルボフラン、カルボスルファン、フェノキシカルブ、フェノチオカルブ、メチオカルブ、メソミル、オキサミル、ピリミカルブ、プロポキスル、チオジカルブ、トリアザメート、
エチオフェンカルブ、フェノブカルブ、MIPC、MPMC、MTMC、ピリダフェンチオン、フラチオカルブ、XMC;
(3)ピレトロイド系:アレスリン、ビフェントリン、シフルトリン、シハロトリン、シフェノトリン、シペルメトリン、アルファシペルメトリン、ベータシペルメトリン、ゼータシペルメトリン、デルタメトリン、エスフェンバレレート、エトフェンプロックス、フェンプロパトリン、フェンバレレート、イミプロトリン、ラムダシハロトリン、ペルメトリン、プラレトリン、ピレトリンIおよびII、レスメトリン、シラフルオフェン、タウフルバリネート、テフルトリン、テトラメトリン、トラロメトリン、トランスフルトリン、プロフルトリン、ジメフルトリン、
アクリナトリン、シクロプロトリン、ハルフェンプロックス、フルシトリネート;
【0101】
(4)成長調節物質:
(a)キチン合成阻害剤:クロルフルアズロン、ジフルベンズロン、フルシクロクスロン、フルフェノクスロン、ヘキサフルムロン、ルフェヌロン、ノバルロン、テフルベンズロン、トリフルムロン;
ビストリフルロン、ノビフルムロン、ブプロフェジン、ジオフェノラン、ヘキシチアゾクス、エトキサゾール、クロフェンタジン;
(b)エクジソンアンタゴニスト:ハロフェノジド、メトキシフェノジド、テブフェノジド、アザジラクチン;
クロマフェノジド;
(c)幼若ホルモン様物質: ピリプロキシフェン、メトプレン、フェノキシカルブ;
(d)脂質生合成阻害剤:スピロジクロフェン、スピロメシフェン、スピロテトラマト;
【0102】
(5)ニコチン受容体アゴニスト/アンタゴニスト化合物:アセタミプリド、クロチアニジン、ジノテフラン、イミダクロプリド、ニテンピラム、チアクロプリド、チアメトキサム;
(6)GABAアンタゴニスト化合物:アセトプロール、エンドスルファン、エチピロール、フィプロニル、バニリプロール、ピラフルプロール、ピリプロール;
(7)大環状ラクトン殺虫剤:アバメクチン、エマメクチン、ミルベメクチン、レピメクチン、スピノサド;
イベルメクチン;
(8)METI I化合物:フェナザキン、ピリダベン、テブフェンピラド、トルフェンピラド、フルフェネリム;
(9)METI IIおよびIII化合物:アセキノシル、フルアシプリム、ヒドラメチルノン;
(10)脱共役剤化合物:クロルフェナピル;
(11)酸化的リン酸化阻害剤化合物:シヘキサチン、ジアフェンチウロン、フェンブタチンオキシド、プロパルギット;
(12)脱皮かく乱化合物:シロマジン;
(13)混合機能オキシダーゼ阻害剤化合物:ピペロニルブトキシド;
(14)ナトリウムチャネル遮断剤化合物:インドキサカルブ、メタフルミゾン;
(15)微生物農薬:BT剤、昆虫病原ウイルス剤、昆虫病原糸状菌剤、線虫病原糸状菌剤;
(16)その他のもの:ベンクロチアズ、ビフェナゼート、カルタップ、フロニカミド、ピリダリル、ピメトロジン、硫黄、チオシクラム、フルベンジアミド、シエノピラフェン、フルピラゾホス、シフルメトフェン、アミドフルメット、ベンスルタップ、ジコホル、テトラジホン、フェンピロキシメート、アミトラズ、クロルジメホルム、ピメトロジン、ピリミジフェン、1,3−ジクロロプロペン、クロフェンテジン、フルアクリピリム、ロテノン、DCIP、フェニソブロモレート、ベンゾメート、メタアルデヒド、クロラントラニリプロールスピネトラム、ピリフルキナゾン;
【0103】
植物生長調節剤:
アブシジン酸、インドール酪酸、ウニコナゾール、エチクロゼート、エテホン、クロキシホナック、クロルメコート、クロレラ抽出液、過酸化カルシウム、シアナミド、ジクロルプロップ、ジベレリン、ダミノジッド、デシルアルコール、トリネキサパックエチル、メピコートクロリド、パクロブトラゾール、パラフィンワックス、ピペロニルブトキシド、ピラフルフェンエチル、フルルプリミドール、プロヒドロジャスモン、プロヘキサジオンカルシウム塩、ベンジルアミノプリン、ペンディメタリン、ホルクロルフェニュロン、マレイン酸ヒドラジドカリウム、1−ナフチルアセトアミド、4−CPA、MCPB、コリン、硫酸オキシキノリン、エチクロゼート、ブトルアリン、1-メチルシクロプロペン、アビグリシン塩酸塩;
【0104】
さらに、本発明の環状アミン化合物またはその塩は、殺虫活性を有することから、農作物に付く害虫、ダニ、衛生害虫、貯殻害虫、衣類害虫、家屋害虫などの有害生物の防除にも使用できる。
その代表例として、下記のものが挙げられる。
鱗翅目害虫、例えば、ハスモンヨトウ、ヨトウガ、タマナヤガ、アオムシ、タマナギンウワバ、コナガ、チャノコカクモンハマキ、チャハマキ、モモシンクイガ、ナシヒメシンクイ、ミカンハモグリガ、チャノホソガ、キンモンホソガ、マイマイガ、チャドクガ、ニカメイガ、コブノメイガ、ヨーロピアンコーンボーラー、アメリカシロヒトリ、スジマダラメイガ、ヘリオティス属、ヘリコベルパ属、アグロティス属、イガ、コドリンガ、ワタアカミムシなど、
半翅目害虫、例えば、モモアカアブラムシ、ワタアブラムシ、ニセダイコンアブラムシ、ムギクビレアブラムシ、ホソヘリカメムシ、アオクサカメムシ、ヤノネカイガラムシ、クワコナカイガラムシ、オンシツコナジラミ、タバココナジラミ、シルバーリーフコナジラミ、ナシキジラミ、ナシグンバイムシ、トビイロウンカ、ヒメトビウンカ、セジロウンカ、ツマグロヨコバイなど、
甲虫目害虫、例えば、キスジノミハムシ、ウリハムシ、コロラドハムシ、イネミズゾウムシ、コクゾウムシ、アズキゾウムシ、マメコガネ、ヒメコガネ、ジアブロティカ属、タバコシバンムシ、ヒラタキクイムシ、マツノマダラカミキリ、ゴマダラカミキリ、アグリオティス属、ニジュウヤホシテントウ、コクヌスト、ワタミゾウムシなど、
双翅目害虫、例えば、イエバエ、オオクロバエ、センチニクバエ、ウリミバエ、ミカンコミバエ、タネバエ、イネハモグリバエ、キイロショウジョウバエ、サシバエ、コガタアカイエカ、ネッタイシマカ、シナハマダラカなど、
アザミウマ目害虫、例えば、ミナミキイロアザミウマ、チャノキイロアザミウマなど、
膜翅目害虫、例えば、イエヒメアリ、キイロスズメバチ、カブラハバチなど、
直翅目害虫、例えば、トノサマバッタ、チャバネゴキブリ、ワモンゴキブリ、クロゴキブリなど、
シロアリ目害虫、例えば、イエシロアリ、ヤマトシロアリなど、
隠翅目害虫、例えば、ヒトノミ、ネコノミなど、シラミ目害虫、例えば、ヒトジラミなど、
植物寄生性線虫類、例えば、サツマイモネコブセンチュウ、ネグサレセンチュウ、ダイズシストセンチュウ、イネシンガレセンチュウ、マツノザイセンチュウなど、そして、ダニ類である。
【0105】
ダニ類としては、
ハダニ科(Tetranychidae)に属するダニ:ブドウヒメハダニ(Brevipalpus lewisi)、チャノヒメハダニ(Brevipalpus obovatus)、ミナミヒメハダニ(Brevipalpus phoenicis)、クローバーハダニ(Bryobia praetiosa)、ニセクローバーハダニ(Bryobia rubrioculus)、パイナップルヒメハダニ(Dolichotetranychus floridanus)、アンズハダニ(Eotetranychus boreus)、ミチノクハダニ(Eotetranychus geniculatus)、クリハダニ(Eotetranychus pruni)、コウノシロハダニ(Eotetranychus sexmanaculatus)、スミスハダニ(Eotetranychus smithi)、クルミハダニ(Eotetranychus uncatus)、スギノハダニ(Oligonychus hondoensis)、チビコブハダニ(Oligonychus ilicis)、カラマツハダニ(Oligonychus karamatus)、イネハダニ(Oligonychus shinkajii)、ミカンハダニ(Panonychus citri)、クワオオハダニ(Panonychus mori)、リンゴハダニ(Panonychus ulmi)、カキヒメハダニ(Tenuipalpus zhizhilashviliae)、ニセナミハダニ(Tetranychus cinnabarinus)、カンザワハダニ(Tetranychus kanzawai)、ナミハダニ(Tetranychus urticae)、オウトウハダニ(Tetranychus viennensis)、ナミケナガハダニ(Tuckerella pavoniformis)など;
【0106】
フシダニ科(Eriophyidae)に属するダニ:チャノナガサビダニ(Acaphylla theavagrans)、カーネーションサビダニ(Aceria paradianthi)、チューリップサビダニ(Aceria tulipae)、トマトサビダニ(Aculops lycopersici)、ミカンサビダニ(Aculops pelekassi)、モモサビダニ(Aculus fockeui)、リンゴサビダニ(Aculus schlechtendali)、チャノサビダニ(Calacarus carinatus)、ブドウサビダニ(Calepitrimerus vitis)、ブドウハモグリダニ(Colomerus vitis)、ナシサビダニ(Epitrimerus pyri)、クコフシダニ(Eriophes kuko)、ニセナシサビダニ(Eriophyes chibaensis)など;
【0107】
コナダニ科(Astigmata)に属するダニ:アシブトコナダニ(Acarus siro)、ムギコナダニ(Aleuroglyphus ovatus)、サトウダニ(Carpoglyphus lactis)、コウノホシカダニ(Lardoglyphus konoi)、ネダニ(Rhizoglyphus echinopus)、ロビンネダニ(Rhizoglyphus robini)、ケナガコナダニ(Tyrophagus putrescentiae)、ホウレンソウケナガコナダニ(Tyrophagus similis)など;
ホコリダニ科(Tarsonemidae)に属するダニ:シクラメンホコリダニ(Phytonemus pallidus)、チャノホコリダニ(Polyphagotarsonemus latus)、スジブトホコリダニ(Tarsonemus bilobatus)、アシボソホコリダニ(Tarsonemus waitei)など;
ハシリダニ科(Eupodidae)に属するダニ:ハクサイダニ(Penthaleus erythrocephalus)、ムギダニ(Penthaleus major)など
を挙げることができる。
【0108】
また、従来公知の殺ダニ剤に対して耐性を持つようになった耐性ダニ類を挙げることができる。
【0109】
本発明の環状アミン化合物またはその塩は、薬害が少なく、魚類や温血動物への毒性が低く、特に安全性の高い化合物である。
【実施例】
【0110】
次に、実施例を示し、本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施例によってその範囲が限定されるものではない。
【0111】
実施例1
3−エンド−[2−シクロプロピルメトキシ−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−8−(2−シアノエチル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン(化合物1−1)の製造
【0112】
【化9】

【0113】
原料となる3−エンド−[2−シクロプロピルメトキシ−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン(化合物(1))を、 WO2005/095380 に記載された方法で合成した。
化合物(1)2gをN,N−ジメチルホルムアミド20mlに溶解してなる溶液に、3-ブロモプロピオニトリル1g、無水炭酸カリウム1.15g、およびヨウ化カリウム0.2gを加えた。該混合物を90℃で3時間撹拌し、次いで室温まで冷やした。その後、それを水に注ぎ入れ、次いで酢酸エチルで抽出した。有機相を水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、減圧濃縮した。残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物(1−1)1.5gを得た。
【0114】
実施例2
3−オキサ−7−エンド−[5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジルオキシ]−9−(2−シアノエチル)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン (化合物3−2)の製造
【0115】
工程1 : 9−ベンジル−7−エンド−ヒドロキシ−3−オキサ−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン(化合物(4))の製造
【0116】
【化10】

【0117】
9−ベンジル−3−オキサ−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン−7−オン(化合物(3))を、WO 2007/022502に記載された方法で合成した。
化合物(3)4gをエタノール50mlに溶解してなる溶液に、室温下で、水素化ホウ素ナトリウム0.785gを加え、該混合物を3時間加熱還流した。当該混合物を冷却した後、減圧濃縮した。それを水に注いで、次いで酢酸エチルで抽出した。有機相を水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、減圧濃縮した。残査をカラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物(4)3.62gを得た。
【0118】
工程2 : 9−ベンジル−3−オキサ−7−エンド−[5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジルオキシ]−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン(化合物(6))の製造
【0119】
【化11】

【0120】
化合物(4)2.45gと2−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン(化合物(5))2.86gとをN,N−ジメチルホルムアミド30mlに溶解してなる溶液を、80℃に加熱し、その溶液に60%水素化ナトリウム0.42gを加えた。該混合物を30分間撹拌した。それに60%水素化ナトリウム0.42gを加えた。当該混合物を2時間撹拌した。該混合物を室温まで冷却し、冷水に注いで、次いで酢酸エチルで抽出した。有機相を水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、減圧濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物(6)3.05gを得た。
【0121】
工程3 : 3−オキサ−7−エンド−[5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジルオキシ]−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン(化合物(7))の製造
【0122】
【化12】

【0123】
化合物(6)3.05gをエタノール50mlに溶解してなる溶液に、20%水酸化パラジウム−炭素 0.92gを加えた。この懸濁液を水素雰囲気下、50℃で6時間撹拌した。該混合物を冷却した。その後、セライトを通してろ過し、ろ液から溶媒を減圧留去した。得られた化合物(7)は精製することなく次の工程に用いた。
【0124】
工程4 : 3−オキサ−7−エンド−[5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジルオキシ]−9−(2−シアノエチル)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン (化合物3−2)の製造
【0125】
【化13】

【0126】
粗製の化合物(7)2.3gをメタノール50mlに溶解した。該溶液に、室温下で、アクリロニトリル1.06gを加えた。該混合物を一晩撹拌した。溶媒を減圧留去した。その後、残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物(3−2)2.11gを得た。
【0127】
実施例3
3−エンド−[2−メトキシメトキシ−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−9−(2−シアノエチル)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン (化合物1−7)の製造
【0128】
工程1 : 3−エンド−(2−メトキシメトキシ−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ)−9−ベンジル−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン(化合物(11))の製造
【0129】
【化14】

【0130】
3−エンド−ヒドロキシ−9−ベンジル−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン(化合物(10))を、WO 2007/039563に記載された方法で合成した。
2−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)フェノール2.83gをN,N−ジメチルホルムアミド20mlに溶解してなる溶液に、氷冷下で、60%水素化ナトリウム0.75gを加えた。該混合物を室温下で30分間撹拌した。その後、氷冷下で、クロロメチルメチルエーテル1.39gを滴下した。該混合物を室温に昇温して30分間撹拌し、さらに80℃に昇温して1時間撹拌した。該混合物に化合物(10)4gと60%水素化ナトリウム0.94gを加えて3時間撹拌した。該混合物を室温まで冷却し、水に注いで、次いで酢酸エチルで抽出した。有機相を水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、減圧濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物(11)6.27gを得た。
【0131】
工程2 : 3−エンド−(2−メトキシメトキシ−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン(化合物(12))の製造
【0132】
【化15】

【0133】
化合物(11)6.27gをエタノール100mlに溶解した。この溶液に、20%水酸化パラジウム−炭素 1.25gを加えた。この懸濁液を水素雰囲気下50℃で2時間撹拌し、次いで室温で一晩撹拌した。該混合物を、セライトを通してろ過し、ろ液から溶媒を減圧留去した。得られた化合物(12)は精製することなく次の工程に用いた。
【0134】
工程3 : 3−エンド−[2−メトキシメトキシ−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−9−(2−シアノエチル)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン (化合物1−7)の製造
【0135】
【化16】

【0136】
粗製の化合物(12)4.71gをメタノール50mlに溶解させた。この溶液に、室温下で、アクリロニトリル1.45gを加えて、該混合物を一晩撹拌した。溶媒を減圧留去した。その後、残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物(1−7)5.09gを得た。
【0137】
実施例4
8β−[1−ブチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル]オキシ−3−(2−シアノエチル)−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタン(化合物4−4)の製造
【0138】
工程1 : N−(2−シアノエチル)−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8β−オール(化合物(16))の製造
【0139】
【化17】

【0140】
N−ベンジル−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8β−オール(化合物(14))を、J.Med.Chem.2003,46,1456-1464に記載された方法で合成した。
化合物(14)3.77gをエタノール80mlに溶解した。この溶液に、10%パラジウム−炭素 (wet)1gを加えた。この懸濁液を水素雰囲気下70℃で8時間撹拌した。該混合物を冷却した。その後、セライトを通してろ過し、ろ液から溶媒を減圧留去した。得られた化合物(15)は精製することなく次の反応に用いた。
粗製の化合物(15)1.9gをメタノール20mlに溶解させた。該溶液に、室温下で、アクリロニトリル1.6gを加え、混合物を一晩放置した。溶媒を減圧留去した。その後、残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物(16)2.1gを得た。
化合物(16)の融点およびNMR分析の結果は以下のとおりであった。
m.p. 30-35℃
1H-NMR(CDCl3, δppm) 3.76(s, 1H), 2.72-2.60(m, 4H), 2.44(t, 2H), 2.21(d, 2H), 2.11(brs, 2H), 1.87-1.67(m, 4H)
【0141】
工程2 : 8β−[1−ブチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル]オキシ−3−(2−シアノエチル)−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタン(化合物4−4)の製造
【0142】
【化18】

化合物(16)0.2gと1−ブチル−3−トリフルオロメチル−5−メチルスルホニル−1H−1,2,4−トリアゾール(化合物(17))0.3gとをN,N−ジメチルホルムアミド3mlに溶解してなる溶液に、50〜60℃で、55%水素化ナトリウム70mgを加えた。該混合物を70〜80℃に昇温して3時間撹拌した。該混合物を室温まで冷却し、水に注いで、次いで酢酸エチルで抽出した。有機相を水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、減圧濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーによって精製して、油状の化合物(4−4)0.309gを得た。
【0143】
上記の製造方法と同様の方法によって得ることができる本発明に係る環状アミン化合物を表1〜7に示す。表1〜7において、置換基の前に付された数値は置換位置を示している。また、iPrはイソプロピル基、nPrはn−プロピル基、nBuはn−ブチル基、cPrはシクロプロピル基、Pyはピリジル基、Phはフェニル基をそれぞれ示している。また、表1〜7に物性値として融点(m.p.)または屈折率(nD)を示す。
【0144】
【表1】

【0145】
【表2】

【0146】
【表3】

【0147】
【表4】

【0148】
【表5】

【0149】
【表6】

【0150】
【表7】

【0151】
表1〜7の化合物の一部について1H−NMR(CDCl3, δppm)分析を行った。その結果は以下のとおりであった。
【0152】
化合物1−1: 7.14(d, 1H), 7.04(s, 1H), 6.78(d, 1H), 4.59(t, 1H), 3.85(d, 2H), 3.21(brs, 2H), 2.64(t, 2H), 2.49(t, 2H), 2.28-2.17(m, 2H), 2.14-1.88(m, 6H), 1.34-1.24(m, 1H), 0.66-0.60(m, 2H), 0.39-0.34(m, 2H)
化合物1−2: 7.96(s, 1H), 7.66(d, 1H), 7.03(d, 1H), 5.24(t, 1H), 4.74-4.66(m, 1H), 3.23(brs, 2H), 2.63(t, 2H), 2.49(t, 2H), 2.22-2.17(m, 2H), 2.07-1.85(m, 6H), 1.41(d, 6H)
化合物1−3: 7.14(d, 1H), 7.06(s, 1H), 6.90(d, 1H). 4.67-4.63(m, 1H), 3.77(d, 2H), 3.06(brs, 2H), 2.91(t, 2H), 2.58-2.39(m, 4H), 2.18-2.09(m, 1H), 1.96-1.69(m, 4H), 1.49-1.24(m, 4H), 1.05(d, 6H)
化合物1−4: 7.15(d, 1H), 7.05(s, 1H), 6.77(s, 1H), 4.58(t, 1H), 3.93(t, 2H), 3.21(brs, 2H), 2.63(t, 2H), 2.47(t, 2H), 2.25-1.80(m, 10H), 1.07(t, 3H)
化合物1−5: 7.15(d, 1H), 7.07(s, 1H), 6.92(d, 1H), 4.70-4.64(m, 1H), 3.88(d, 2H), 3.07(brs, 2H), 2.92(t, 2H), 2.56-2.41(m, 4H), 1.98-1.69(m, 4H), 1.57-1.45(m, 2H), 1.31-1.26(m, 3H), 0.65-0.59(m, 2H), 0.39-0.34(m, 2H)
【0153】
化合物1−6: 8.00(s, 1H), 7.70(d, 1H), 7.04(d, 1H), 5.38-5.33(m, 1H), 3.94(s, 3H), 3.09(brs, 2H), 2.94(t, 2H), 2.56-2.41(m and t, 4H), 2.31-2.23(m, 1H), 2.04-1.80(m, 3H), 1.66-1.49(m, 2H), 1.32-1.24(m, 2H)
化合物1−7: 7.34(s, 1H), 7.23(d, 1H), 6.97(d, 1H), 5.21(s, 2H), 4.76-4.71(m, 1H), 3.53(s, 3H), 3.10(brs, 2H), 2.928t, 2H), 2.55-2.39(m and t, 5H), 2.01-1.78(m, 2H), 1.73-1.65(m, 2H), 1.53-1.48(m, 1H), 1.28-1.21(m, 2H)
化合物1−8: 7.14(d, 1H), 7.08(s, 1H), 6.98(d, 1H), 4.74-4.66(m, 1H), 3.86(d, 2H), 3.77(d, 2H), 3.60(d, 2H), 2.96(t, 2H), 2.84(d, 2H), 2.48-2.34(t and m, 4H), 2.18-2.09(m, 1H), 1.94-1.88(m, 2H), 1.05(d, 6H)
化合物1−9: 7.65(s, 1H), 7.48(d, 1H), 6.91(d, 1H), 4.76-4.72(m, 1H), 4.50(s, 2H), 3.47(s, 3H), 3.12(brs, 2H), 2.92(t, 2H), 2.57-2.27(m and t, 5H), 2.00-1.81(m, 2H), 1.68-1.55(m, 3H), 1.28-1.24(m, 2H)
化合物1−10: 7.67(s, 1H), 7.47(d, 1H), 6.90(d, 1H), 4.76-4.71(m, 1H), 4.54(s, 2H), 3.61(q, 2H), 3.11(brs, 2H), 2.92(t, 2H), 2.56-2.28(m and t, 5H), 2.00-1.81(m, 2H), 1.68-1.55(m, 3H), 1.30-1.22(t and m, 5H)
化合物1−11: 6.87(d, 1H), 6.78-6.73(s and d, 2H), 4.72-4.69(m, 1H), 4.42(brs, 1H), 3.11(brs, 2H), 2.98-2.90(m and t, 4H), 2.56-2.48(m, 2H), 2.44(t, 2H), 2.33-2.27(m, 1H), 1.97-1.82(m, 4H), 1.69-1.50(m, 4H), 1.00(d, 6H)
【0154】
化合物2−1: 7.15(d, 1H), 7.09(s, 1H), 6.95(d, 1H), 4.35(s, 1H), 3.85(d, 2H), 2.78(dd, 2H), 2.70(t, 2H), 2.48(t, 2H), 2.39(brs, 2H), 2.30(d, 2H), 1.94-1.84(m, 2H), 1.77-1.73(m, 2H), 1.32-1.25(m, 1H), 0.66-0.59(m, 2H), 0.41-0.33(m, 2H)
化合物2−2: 7.14(d, 1H), 7.10(s, 1H), 6.94(d, 1H), 4.34(brs, 1H), 3.89(d, 2H), 3.04(d, 2H), 2.62-2.42(m and t, 7H), 2.17-2.04(m, 3H), 1.61-1.48(m, 4H), 1.31-1.24(m, 1H), 0.66-0.59(m, 2H), 0.40-0.34(m, 2H)
化合物2−6: 7.33(d, 1H), 7.23(s, 1H), 6.97(d, 1H), 5.17(s, 2H), 4.32(s, 1H), 3.52(s, 3H), 2.80(dd, 2H), 2.70(t, 2H), 2.48(t, 2H), 2.41(brs, 2H), 2.33(d, 2H), 1.90-1.74(m, 4H)
化合物2−9: 7.16(d, 1H), 7.08(s, 1H), 6.94(d, 1H), 4.32(s, 1H), 3.87(s, 3H), 2.79(dd, 2H), 2.70(t, 2H), 2.48(t, 2H), 2.40(brs, 2H), 2.32(d, 2H), 1.94-1.71(m, 4H)
化合物2−11: 7.55(d, 1H), 7.44(t, 1H), 6.99-6.94(m, 2H), 4.34(s, 1H), 2.80(dd, 2H), 2.69(t, 2H), 2.48(t, 2H), 2.40(brs, 2H), 2.34(d, 2H), 1.90-1.72(m, 4H)
【0155】
化合物3−3: 8.42(d, 1H), 7.74(dd, 1H), 6.76(d, 1H), 5.47-5.37(m, 1H), 3.11(brs, 2H), 2.94(t, 2H), 2.57-2.43(m and t, 4H), 2.31-2.20(m, 1H), 2.00-1.79(m, 3H), 1.64-1.50(m, 2H), 1.28-1.24(m, 2H)
化合物3−4: 7.17(d, 1H), 7.06(d, 1H), 4.74-4.45(m, 1H), 4.35(t, 2H), 3.08(brs, 2H), 2.92(t, 2H), 2.53-2.42(m and t, 5H), 1.91-1.68(m, 5H), 1.55-1.39(m, 2H), 1.28-1.24(m, 2H), 1.03(t, 3H)
化合物3−5: 5.75(s, 1H), 4.60-4.51(m, 1H), 4.00(t, 2H), 3.10(brs, 2H), 2.91(t, 2H), 2.58-2.41(m and t, 4H), 2.30-2.16(m, 1H), 1.92-1.57(m, 7H), 1.38-1.20(m, 4H), 0.94(t, 3H)
化合物3−6: 5.25-5.20(m, 1H), 3.96(t, 2H), 3.12(brs, 2H), 2.92(t, 2H), 2.64-2.54(m, 2H), 2.44(t, 2H), 2.25-2.16(m, 1H), 1.94-1.60(m, 9H), 1.37-1.24(m, 2H), 0.95(t. 3H)
【0156】
化合物4−1: 8.41(d, 1H), 7.74(dd, 1H), 6.75(d, 1H), 4.99(s, 1H), 2.80-2.64(m, 4H), 2.51-2.39(m, 6H), 1.87-1.74(m, 4H)
化合物4−2: 6.61(s, 1H), 5.31-5.23(m, 1H), 5.07(s, 1H), 2.81-2.68(m, 4H), 2.51-2.39(m, 6H), 1.86-1.76(m, 4H), 1.41(d, 6H)
化合物4−3: 5.10(s, 1H), 2.80(dd, 2H), 2.68(t, 2H), 2.58(brs, 2H), 2.49(t, 2H), 2.45(d, 2H), 1.85-1.73(m, 4H)
化合物4−4: 4.88(s, 1H), 3.92(t, 2H), 2.77(dd, 2H), 2.67(t, 2H), 2.48(t and brs, 4H), 2.39(d, 2H), 1.86-1.71(m, 6H), 1.37-1.24(m, 2H), 0.94(t, 3H)
化合物4−7: 5.74(s, 1H), 4.16(s, 1H), 3.94(t, 2H), 2.81(dd, 2H), 2.70(t, 2H), 2.51-2.42(t and brs, 4H), 2.32(d, 2H), 1.83-1.70(m, 6H), 1.44-1.24(m, 2H), 0.97(t, 3H)
【0157】
化合物5−1: 7.15(d, 1H), 7.08(s, 1H), 6.98(d, 1H), 5.25-4.90(m, 1H), 3.77(d, 2H), 3.07(brs, 2H), 2.94(t, 2H), 2.45(t, 2H), 2.17-1.90(m, 7H), 1.71-1.51(m, 4H), 1.05(d, 6H)
化合物6−1: 7.16(d, 1H), 7.08(s, 1H), 6.97(d, 1H), 4.49(t, 1H), 3.89(d, 2H), 2.82-2.73(m, 4H), 2.54-2.45(m, 4H), 2.36(brs, 2H), 1.92-1.72(m, 4H), 1.32-1.24(m, 1H), 0.68-0.62(m, 2H), 0.41-0.36(m, 2H)
化合物7−1: 7.53(d, 2H), 6.95(d, 2H), 4.46-4.39(m, 1H), 2.79-2.71(m and t, 4H), 2.55-2.40(t and m, 4H), 2.06-1.97(m, 2H), 1.92-1.81(m, 2H)
化合物7−2: 6.64(s, 1H), 5.33-5.22(m, 2H), 2.77-2.70(m, 4H), 2.54-2.41(m, 4H), 2.08-1.99(m, 2H), 1.92-1.81(m, 2H), 1.38(d, 6H)
化合物7−4: 7.35(d, 1H), 7.18(t, 1H), 6.94-6.89(m, 2H), 4.45-4.40(m, 1H), 2.76-2.71(m and t, 4H), 2.52-2.40(t and m, 4H), 2.00-1.87(m, 4H)
【0158】
本発明に係る環状アミン化合物の製造に用いる製造中間体を表8〜12に示す。表8〜12において、置換基の前に付された数値は置換位置を示している。また、iPrはイソプロピル基、nPrはn−プロピル基、nBuはn−ブチル基、cPrはシクロプロピル基、Pyはピリジル基をそれぞれ示している。
【0159】
【表8】

【0160】
【表9】

【0161】
【表10】

【0162】
【表11】

【0163】
【表12】

【0164】
表8〜12の化合物の一部について1H−NMR(CDCl3, δppm)、融点(m.p.)または屈折率(nD)を測定した。その結果は以下のとおりであった。
化合物a−1: m.p. 222.5-224.5℃
化合物a−7: 7.35(s, 1H), 7.23(d, 1H), 6.97(d, 1H), 5.21(s, 2H), 4.70-4.60(m, 1H), 3.56(s, 3H), 3.49-3.40(m, 2H), 2.49-2.18(m, 5H), 1.70-1.53(m, 5H)
化合物a−13: nD20.3℃ 1.5034
化合物a−19: nD20℃ 1.5330
化合物c−2: 8.40(s, 1H), 7.74(d, 1H), 6.79(d, 1H), 5.45-5.36(m, 1H), 3.77-3.67(m, 4H), 3.11(d, 2H), 2.48-2.39(m, 2H), 1.96-1.88(m, 2H)
【0165】
化合物e−2: (測定温度20.4℃) 7.95(s, 1H), 7.63(d, 1H), 7.23-7.34(m, 5H), 7.01(d,1H), 5.23-5.29(m, 1H), 4.85-4.89(m, 1H), 3.82(s, 2H), 3.06(brs, 2H), 2.25-2.57(m, 3H), 1.93-2.05(m, 2H), 1.50-1.72(m,3H), 1.41(d, 6H), 1.17-1.30(m, 2H)
化合物e−5: (測定温度20.7℃) 7.16-7.37(m, 6H), 7.08(s, 1H), 6.95(d, 1H), 4.75-4.80(m, 1H), 3.87(d, 2H), 3.82(s, 2H), 3.04(brs, 2H), 2.42-2.52(m, 3H), 1.94-2.05(m, 2H), 1.48-1.73(m, 3H), 1.21-1.31(m, 3H), 0.59-0.65(m, 2H), 0.36-0.39(m, 2H)
化合物e−6: (測定温度20.4℃) 8.02(d, 1H), 7.69-7.74(m, 1H), 7.21-7.38(m, 5H), 7.04(d, 1H), 5.49-5.54 (m, 1H), 3.93(s, 3H), 3.83(s, 2H), 3.09(brs, 2H), 2.47-2.57(m, 2H), 1.93-2.31(m, 3H), 1.57-1.64(m, 3H), 1.19-1.26(m, 2H)
化合物e−7: (測定温度20.4℃) 7.02-7.40(m, 7H), 6.98(d, 1H), 5.21(s, 2H), 4.80-4.84 (m, 1H), 3.82(s, 2H), 3.52(s, 3H), 3.06(brs, 2H), 2.39-2.54(m, 3H), 1.92-2.03(m, 2H), 1.52-1.70(m, 3H), 1.17-1.26(m, 2H)
化合物e−12: (測定温度21.7℃) 7.22-7.38(m, 6H), 7.11-7.17(d and s, 2H), 6.94(d, 1H), 5.79(brs, 1H), 4.86-4.91(m 1H), 3.82(s, 2H),3.11(brs, 2H), 2.51-2.61(m, 2H), 1.86-2.19(m, 3H), 1.60-1.75(m, 3H), 1.14-1.19(m, 2H)
化合物e−13: (測定温度20.7℃) 7.14-7.38(m, 6H), 7.07(s, 1H), 6.93(d, 1H), 4.74-4.78(m, 1H), 3.97(t, 2H), 3.82(s, 2H), 3.03(brs, 2H), 2.40-2.55(m, 3H), 1.79-2.04(m, 4H), 1.49-1.71(m, 3H), 1.20-1.28(m, 2H), 1.06(t, 3H)
化合物e−15: (測定温度23.0℃) 7.80(d, 1H), 7.49(d, 1H), 7.25-7.38(m, 5H), 6.95(d, 1H), 4.81-4.85(m, 1H), 3.83(s, 2H),3.06(brs, 2H), 2.46-2.56(m, 3H), 1.98-2.01(m, 2H), 1.59-1.74(m, 3H), 1.21-1.26(m, 2H)
化合物e−16: (測定温度21.0℃) 7.15-7.37(m, 6H), 7.08(s, 1H), 6.95(d, 1H), 4.77-4.81(m, 1H), 4.08(q, 2H), 3.82(s, 2H), 3.03(brs, 2H), 2.41-2.55(m, 3H), 1.93-2.05(m, 2H), 1.47-1.72(m, 3H), 1.45(t, 3H), 1.19-1.25(m, 2H)
【0166】
本発明の有害生物防除剤の製剤実施例を若干示すが、添加物および添加割合は、これら実施例に限定されるべきものではなく、広範囲に変化させることが可能である。製剤実施例中の部は重量部を示す。
【0167】
製剤実施例1 水和剤
本発明化合物 40部
珪藻土 53部
高級アルコール硫酸エステル 4部
アルキルナフタレンスルホン酸塩 3部
以上を均一に混合して微細に粉砕して、有効成分40%の水和剤を得た。
【0168】
製剤実施例2 乳剤
本発明化合物 30部
キシレン 33部
ジメチルホルムアミド 30部
ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル 7部
以上を混合溶解して、有効成分30%の乳剤を得た。
【0169】
本発明の環状アミン化合物(I)が、有害生物防除剤の有効成分として有用であることを以下の試験例で示す。
【0170】
(試験例1) タバココナジラミに対する効力確認試験
前記の製剤実施例2に示された処方に従って乳剤を調製した。これを化合物濃度が125ppmになるように水で希釈した。その薬液をトマト切り取り葉に散布し、風乾した。その後、フラスコに脱脂綿を用いて葉表が上方に向くように固定した。この容器内にタバココナジラミtypeB成虫7ペアを接種し、温度25℃、湿度65%の恒温恒湿室内に置いた。2日間経過後に、生死を調べ、殺虫率を求めた。試験は2反復で行った。
表1〜7の化合物番号3−3、および7−3の化合物について、試験を行った。その結果、いずれの化合物も75%以上の優れた殺虫率を示した。
【0171】
(試験例2)ナミハダニに対する効力確認試験
3寸鉢に播種したインゲンの発芽後7〜10日間を経過した第1本葉上に、有機リン剤抵抗性のナミハダニ雌成虫を17頭接種した。次いで前記製剤実施例2に示された処方に従って得た乳剤を、化合物濃度が125ppmになるように水で希釈した。該薬液を散布した。温度25℃、湿度65%の恒温恒湿室内に置いた。4日間経過後に殺成虫率を調査した。試験は2反復で行った。
表1〜7の化合物番号1−1、1−3、1−4、1−5、1−8、2−1、2−2、2−3、2−4、2−6、2−10、3−1、3−3、3−4、4−1、4−8、および7−2の化合物について、試験を行った。その結果、いずれの化合物も75%以上の優れた殺成虫率を示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)で表される環状アミン化合物またはその塩。



〔式(I)中、
Cy1は、C6〜10アリール基、またはヘテロシクリル基を示す。
1a、R1b、R2a、R2b、R3a、R3b、R4a、R4b、およびR5aは、それぞれ独立に、水素原子、または無置換の若しくは置換基を有するC1〜6アルキル基を示す。R1aとR2aまたはR3aとR4aは、一緒になって、それぞれ独立に、無置換の若しくは置換基を有するC2〜6アルキレン基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜6アルケニレン基、−OCH2−で表される基、−CH2O−で表される基、−CH2OCH2−で表される基、−SCH2−で表される基、−CH2S−で表される基、−CH2SCH2−で表される基、−C(=O)CH2−で表される基、−CH2C(=O)−で表される基、−CH2C(=O)CH2−で表される基、−CH2NR6−で表される基、−NR6CH2−で表される基、または−CH2NR6CH2−で表される基(ただし、R6は、水素原子、無置換の若しくは置換基を有するC1〜6アルキル基、無置換の若しくは置換基を有するC1〜7アシル基、または無置換の若しくは置換基を有するC1〜6アルコキシカルボニル基を示す。)を形成してもよい。
10は、Cy1の置換基であり、それぞれ独立に、無置換の若しくは置換基を有するC1〜6アルキル基、無置換の若しくは置換基を有するC3〜8シクロアルキル基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜6アルケニル基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜6アルキニル基、水酸基、無置換の若しくは置換基を有するC1〜6アルコキシ基、無置換の若しくは置換基を有するC3〜8シクロアルコキシ基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜6アルケニルオキシ基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜6アルキニルオキシ基、カルボキシル基、無置換の若しくは置換基を有するC1〜7アシル基、無置換の若しくは置換基を有するC1〜6アルコキシカルボニル基、無置換の若しくは置換基を有するC3〜8シクロアルキルオキシカルボニル基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜6アルケニルオキシカルボニル基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜6アルキニルオキシカルボニル基、無置換の若しくは置換基を有するC6〜10アリールオキシカルボニル基、無置換の若しくは置換基を有するヘテロシクリルオキシカルボニル基、無置換の若しくは置換基を有するC1〜7アシルオキシ基、無置換の若しくは置換基を有するC1〜6アルコキシカルボニルオキシ基、無置換の若しくは置換基を有するC3〜8シクロアルキルオキシカルボニルオキシ基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜6アルケニルオキシカルボニルオキシ基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜6アルキニルオキシカルボニルオキシ基、無置換の若しくは置換基を有するC6〜10アリール基、無置換の若しくは置換基を有するヘテロシクリル基、無置換の若しくは置換基を有するC6〜10アリールオキシ基、無置換の若しくは置換基を有するヘテロシクリルオキシ基、アミノ基、無置換の若しくは置換基を有するC1〜6アルキルアミノ基、無置換の若しくは置換基を有するC3〜8シクロアルキルアミノ基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜6アルケニルアミノ基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜6アルキニルアミノ基、無置換の若しくは置換基を有するC6〜10アリールアミノ基、無置換の若しくは置換基を有するヘテロシクリルアミノ基、ペンタフルオロスルファニル基、シアノ基、ニトロ基、またはハロゲン原子を示す。
mはR10の数を示し且つ0〜5のいずれかの整数である。mが2以上のとき、R10同士は互いに同一でも異なっていてもよい。
mが2以上である場合、複数のR10と、Cy1を構成する原子とが一緒になって環を形成してもよい。
Xは、無置換の若しくは置換基を有するC2〜6アルキレン基、または無置換の若しくは置換基を有するC2〜6アルケニレン基を示す。〕
【請求項2】
式(I)において、Cy1が、フェニル基、ピラゾリル基、チアジアゾリル基、ピリジル基、ピリミジニル基、またはピリダジニル基である、請求項1に記載の環状アミン化合物またその塩。
【請求項3】
請求項1または2に記載の環状アミン化合物またはその塩から選ばれる少なくとも1種を有効成分として含有する有害生物防除剤。
【請求項4】
請求項1または2に記載の環状アミン化合物またはその塩から選ばれる少なくとも1種を有効成分として含有する殺ダニ剤。

【公開番号】特開2013−47203(P2013−47203A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−287665(P2011−287665)
【出願日】平成23年12月28日(2011.12.28)
【出願人】(000004307)日本曹達株式会社 (434)
【Fターム(参考)】