説明

生体分子の貯蔵および安定化のためのマトリックスおよび媒体

本発明は、水溶性無機化合物、安定化剤、またはこれらの組合せを含む、生体分子の貯蔵に有用な組成物を提供する。本発明は、乾燥状態でおよび溶液状態で生体分子を貯蔵するために本発明の組成物を使用する方法、並びにサンプルキャリア、および本発明の組成物を含むキットも提供する。一局面において、無機化合物と、安定化剤、可塑剤、またはこれらの組合せとを含む乾燥状態マトリックスが提供され、ここで、上記安定化剤は、一重項酸素クエンチャー、ヒドロキシルラジカルスカベンジャー、ヒドロペルオキシド除去剤、還元剤、金属キレート剤、洗浄剤、カオトロープ、またはこれらの任意の組合せからなる群より選択され、上記無機化合物は水溶性であり、上記マトリックスは固体状態にある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2008年9月12日に出願された米国仮出願第61/096,747号(この内容は、参考として明確に本明細書に援用される)の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
薬学および医学研究、法的処置、および軍人身分証明などの多くの適用例では、数多くの生体サンプルを貯蔵しかつそのサンプルを利用できることが、しばしば望ましい。従来のバイオレポジトリーまたはその他のサンプル貯蔵施設は、サンプル貯蔵のために、液体または低い温度の極低温システムを利用する。これらの液体および極低温システムは、製造および維持の両方に費用がかかり、したがって現行の技術は一般に、複雑で労働集約的な維持および管理上の責任をシステムオペレータにもたらす。さらに、これらのシステムは、多数のサンプルが同時に処理されるときに生ずる作業の流れの問題に対処していない。そのような条件下で、サンプルは、長時間にわたり周囲温度に曝され、その結果、サンプルが劣化する可能性がある。
【0003】
作業の流れの問題に関連し、サンプルを遠隔地で分析および/または貯蔵することができるように、現場でまたはその他の場所で収集されたサンプルを輸送することが、益々重要になっている。しかし、ドライアイスを用いてサンプルを輸送することは、費用かかかり危険であり、FedExなどの輸送業者により用いられるような標準的な輸送形態は、生体サンプル中に存在する生体分子を変性または劣化させる可能性がある、高温を含めた大きな温度変動に、サンプルを曝す可能性がある。例えばFedExは、南方の気候の夏の間、密閉され駐車した輸送車内では、輸送車内の温度が140°F(60℃)に達する可能性があることを警告している。同様に、世界的規模の輸送の適用例の場合、米軍は、サンプルが160°F(71℃)程度の高い温度に曝されるという最悪の場合のシナリオを想定している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
当技術分野では、さらなる生体分子貯蔵材料およびシステムを開発することが、求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、一部には、ある化合物、特に水溶性無機化合物と、一重項酸素クエンチャーとして機能する化合物とが、高温を含めた乾燥状態での生体分子の安定化および/または貯蔵に有用であるという発見に基づく。本発明は、一部には、化合物のある組合せが、水溶液中でRNAを含めた生体分子を安定化させるという発見にも基づく。したがって本発明は、生体分子の安定化および貯蔵に有用な組成物、デバイス、および方法を提供する。
【0006】
一態様において、本発明は、生体分子の貯蔵および/または安定化に有用な組成物を提供する。ある実施形態では、組成物は、水溶性無機化合物、安定化剤(例えば、小分子安定化剤)、またはこれらの組合せを含むマトリックス(例えば、固体状態のマトリックス)である。他の実施形態では、組成物は、水溶性無機化合物、安定化剤(例えば、小分子安定化剤)、またはこれらの組合せを含む媒体(例えば、水性媒体)である。さらに他の実施形態では、組成物は、無機化合物、一重項酸素クエンチャー、ヒドロキシルラジカルスカベンジャー、ヒドロペルオキシド除去剤、還元剤、金属キレート剤、洗浄剤、および可塑剤からなるリストから選択される少なくとも3種の成分を含む、マトリックス(例えば、固体状態のマトリックス)または媒体(例えば、水性媒体)である。ある実施形態では、マトリックスまたは媒体は、可塑剤をさらに含む。ある実施形態では、マトリックスまたは媒体は、RNase阻害剤をさらに含む。ある実施形態では、マトリックスまたは媒体は、生体分子(例えば、DNAやRNAなどの核酸)をさらに含む。例えば、マトリックスまたは媒体は、生体分子を含有する生体サンプルなどのサンプルを含むことができる。
【0007】
別の態様では、本発明は、生体分子を貯蔵するのに有用なサンプルキャリアを提供する。ある実施形態では、サンプルキャリアは、容器およびサンプルノード(sample node)を含み、このサンプルノードは本明細書に開示される組成物(例えば、本明細書に開示されるマトリックスまたは媒体)である。容器は、例えば、サンプルノードを支持することができる。ある実施形態では、サンプルキャリアは、複数の容器と複数の個別のサンプルノードを含む。複数のサンプルノードのそれぞれは、例えば、単一の容器で個々に支持することができる。ある実施形態では、サンプルキャリアは、生体分子をさらに含む。例えば、サンプルキャリアは、生体分子を含有する生体サンプルなどの1種または複数のサンプルを含むことができる。生体分子は、例えば、サンプルノード(例えば、本明細書に開示されるマトリックスまたは媒体と混合されたもの)に貯蔵することができる。ある実施形態では、サンプルキャリアは識別表示を含む。ある実施形態では、容器またはサンプルノードは識別表示を含む。
【0008】
別の態様では、本発明は、本明細書に開示される組成物(例えば、本明細書に開示されるマトリックスまたは媒体)と、生体分子を貯蔵および/または安定化する(例えば、乾燥状態での貯蔵または水性媒体中での安定化)ための組成物を使用する取扱説明書とを含むキットを提供する。ある実施形態では、キットは、組成物を含有する容器を含む。ある実施形態では、キットは、本明細書に開示されるサンプルキャリアを含む。
【0009】
別の態様では、本発明は、生体分子を貯蔵および/または安定化する方法を提供する。ある実施形態では、この方法は、生体サンプルなどの生体分子を含有するサンプルと、本明細書に開示される組成物(例えば、本明細書に開示されるマトリックスまたは媒体)とを混合して、混合物を形成するステップ、およびこの混合物を乾燥するステップを含む。ある実施形態では、サンプルは、体液、細胞溶解物、または組織ホモジネートなどの液体サンプルである。ある実施形態では、サンプルは、綿棒、濾紙、またはスポンジなどの固体支持体によって保持される。ある関連ある実施形態では、混合するステップは、サンプルを保持する固体担体を、本明細書に開示される媒体で濯ぐステップを含む。
【0010】
本発明の追加の態様および詳細は、以下の詳細な記述から明らかにされよう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、複数の容器および複数の個別のサンプルノードを有するサンプルキャリアの画像である。この実施形態において、容器は、マルチウェルプレートのウェルである。図示される容器のそれぞれは、単一の個別のサンプルノードを支持する。個別のサンプルノードのそれぞれは、ホウ酸およびDNAを含有する貯蔵媒体の蒸発によって形成された、固体状態の貯蔵マトリックスからなる。
【図2】図2(a)は、ホウ酸からなるマトリックス中、室温(RT)、37℃、および56℃の乾燥状態で貯蔵した後、1μgのDNAサンプルから回収された約100ngのDNAを示すゲルの図である。図2(b)は、ホウ酸およびヒスチジンからなるマトリックス中、RT、37℃、56℃、および76℃の乾燥状態で貯蔵した後、1μgのDNAサンプルから回収された約100ngのDNAを示すゲルの図である。乾燥状態で貯蔵する前に、DNAサンプルを水またはTE緩衝液に溶解した状態で維持した。
【図3a】図3(a)は、ホウ酸からなるマトリックス中、室温、37℃、および56℃の乾燥状態で貯蔵した後、250ngのDNAサンプルから回収されたDNAに関する、リアルタイムPCRの結果を示す図である。
【図3b】図3(b)は、ホウ酸およびヒスチジンからなるマトリックス中、室温、37℃、56℃、および76℃の乾燥状態で貯蔵した後、250ngのDNAサンプルから回収されたDNAに関するリアルタイムPCRの結果を示す図である。
【図4】図4は、ホウ酸、またはホウ酸およびヒスチジンからなるマトリックス中、室温で、乾燥状態で貯蔵した後、1μgのDNAサンプルから回収されたDNAに関する、マイクロアレイデータを示す図である。
【図5】図5は、ボレート、シトレート、EDTA、ピルベート、およびデキストランからなるマトリックス中、(A)25℃または(B)76℃の乾燥状態で7日間貯蔵した後の、精製された全RNA 1マイクログラムに関するAgilent Bioanalyzerのデータを示す、一組のグラフである。約41および約48秒に現れる2つのピークは、リボソームRNAに該当する。
【図6】図6は、トリス、ボレート、マンニトール、およびEDTAからなるマトリックス中、(A)25℃または(B)76℃の乾燥状態で7日間貯蔵した後の、精製された全RNA 1マイクログラムに関するAgilent Bioanalyzerのデータを示す、一組のグラフである。約41および約48秒に現れる2つのピークは、リボソームRNAに該当する。
【図7】図7は、ボレート、シトレート、マンニトール、およびデキストランからなるマトリックス中、(A)25℃または(B)76℃の乾燥状態で7日間貯蔵した後の、精製された全RNA 1マイクログラムに関するAgilent Bioanalyzerのデータを示す、一組のグラフである。約41および約48秒に現れる2つのピークは、リボソームRNAに該当する。
【図8】図8は、ボレート、シトレート、マンニトール、およびピルベートからなるマトリックス中、(A)25℃または(B)76℃の乾燥状態で7日間貯蔵した後の、精製された全RNA 1マイクログラムに関するAgilent Bioanalyzerのデータを示す、一組のグラフである。約41および約48秒に現れる2つのピークは、リボソームRNAに該当する。
【図9】図9は、ボレート、シトレート、ピルベート、およびデキストランからなるマトリックス中、(A)25℃または(B)76℃の乾燥状態で7日間貯蔵した後の、精製された全RNA 1マイクログラムに関するAgilent Bioanalyzerのデータを示す、一組のグラフである。約41および約48秒に現れる2つのピークは、リボソームRNAに該当する。
【図10】図10は、ボレート、シトレート、EDTA、およびデキストランからなるマトリックス中、(A)25℃または(B)76℃の乾燥状態で7日間貯蔵した後の、精製された全RNA 1マイクログラムに関するAgilent Bioanalyzerのデータを示す、一組のグラフである。約41および約48秒に現れる2つのピークは、リボソームRNAに該当する。
【図11】図11は、ボレート、EDTA、およびピルベートからなるマトリックス中、(A)25℃または(B)76℃の乾燥状態で7日間貯蔵した後の、精製された全RNA 1マイクログラムに関するAgilent Bioanalyzerのデータを示す、一組のグラフである。約41および約48秒に現れる2つのピークは、リボソームRNAに該当する。
【図12】図12は、ボレート、シトレート、およびピルベートからなるマトリックス中、(A)25℃または(B)76℃の乾燥状態で7日間貯蔵した後の、精製された全RNA 1マイクログラムに関するAgilent Bioanalyzerのデータを示す、一組のグラフである。約41および約48秒に現れる2つのピークは、リボソームRNAに該当する。
【図13】図13は、ボレート、シトレート、およびマンニトールからなるマトリックス中、(A)25℃または(B)76℃の乾燥状態で7日間貯蔵した後の、精製された全RNA 1マイクログラムに関するAgilent Bioanalyzerのデータを示す、一組のグラフである。約41および約48秒に現れる2つのピークは、リボソームRNAに該当する。
【図14】図14は、ボレート、シトレート、およびEDTAからなるマトリックス中、(A)25℃または(B)76℃の乾燥状態で7日間貯蔵した後の、精製された全RNA 1マイクログラムに関するAgilent Bioanalyzerのデータを示す、一組のグラフである。約41および約48秒に現れる2つのピークは、リボソームRNAに該当する。
【図15】図15は、マトリックスが存在しない状態で、(A)25℃または(B)76℃の乾燥状態で7日間貯蔵した後の、精製された全RNA 1マイクログラムに関するAgilent Bioanalyzerのデータを示す一組のグラフである。約41および約48秒に現れる2つのピークは、リボソームRNAに該当する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書で使用される以下の用語は、以下の意味を有するものとする。
【0013】
「生体分子」という用語は、天然に存在するものであろうと合成されたものであろうと、さらに修飾アミノ酸またはヌクレオチドのように修飾されていてもいなくても、DNA、RNA、タンパク質、免疫グロブリン、および炭水化物などのポリマー分子を含むがこれらに限定されない、短いおよび長いバイオポリマーを明確に含むものとする。したがって、例えばこの用語は、短いオリゴマー核酸分子(例えば、長さが50塩基未満)、長い核酸分子(例えば、長さが50kBよりも長い)の両方と、これらの値の間の任意の長さを含む。この用語は同様に、短いペプチド配列(例えば、10未満のアミノ酸)、長いポリペプチド配列(例えば、長さが1000よりも長いアミノ酸)の両方と、これらの値の間の任意の長さを包含する。さらに、「生体分子」という用語は、脂質、補酵素、代謝産物、および薬剤、およびこれらの代謝産物など、生体サンプル中に見出される小分子を明確に含むものとする。
【0014】
本明細書で使用される「タンパク質」という用語は、「ポリペプチド」という用語と同義に使用される。
【0015】
「核酸」、「オリゴヌクレオチド」および「ポリペプチド」という用語は同義に使用され、一本鎖であろうと二本鎖であろうとDNA、RNA、cDNAを包含し、並びにそれらの化学的修飾物および人工核酸(例えば、PNA、LNAなど)も包含する。
【0016】
(組成物)
本発明は、一部には、ある化合物、特に水溶性無機化合物と、一重項酸素クエンチャーとして機能する化合物とが、高温を含めた乾燥状態での生体分子の安定化および/または貯蔵に有用であるという発見に基づく。本発明は、一部には、化合物のある組合せが、水溶液中でRNAを含めた生体分子を安定化させるという発見にも基づく。
【0017】
したがって一態様では、本発明は、生体分子の貯蔵および/または安定化に有用な組成物を提供する。ある実施形態では、組成物は、水溶性である無機化合物を含む。
【0018】
本明細書で使用される「無機化合物」は、炭素を含まない分子式を有する化合物である。ある実施形態では、無機化合物が酸(即ち、水に溶解したときに7.0未満のpHを有する溶液をもたらす化合物)である。ある実施形態では、無機化合物が塩基(即ち、水に溶解したときに7.0よりも高いpHを有する溶液をもたらす化合物)である。他の実施形態では、無機化合物が塩基ではない(例えば、無機化合物はルイス塩基ではない。)。さらに他の実施形態では、無機化合物が塩である。
【0019】
ある実施形態では、無機化合物が金属キレート剤である。本明細書で使用される「金属キレート剤」は、単一の金属イオンと2つ以上の結合を形成する化合物である。ある実施形態では、無機化合物は、マグネシウムイオン、クロムイオン、マンガンイオン、鉄イオン、コバルトイオン、ニッケルイオン、銅イオン、亜鉛イオン、鉛イオン、またはこれらの任意の組合せからなる群より選択される金属イオンの、少なくとも1つのタイプとキレートする。ある実施形態では、無機化合物は、金属イオンの少なくとも1つのタイプとキレートし、そのようなイオンと組成物中に存在する生体分子との間の金属依存性反応を阻害する。ある実施形態では、無機化合物は、金属イオンの少なくとも1つのタイプとキレートし、そのようなイオンが、組成物中に存在する生体分子を分解するのを防止する。好ましい実施形態では、無機化合物は、マグネシウムイオンおよび/またはマンガンイオンとキレートし、そのようなイオンと、組成物中に存在する生体分子との間の金属依存性反応を阻害する。その他の好ましい実施形態では、無機化合物は、マグネシウムイオンおよび/またはマンガンイオンとキレートし、そのようなイオンが、組成物中に存在する生体分子を分解するのを防止する。
【0020】
ある実施形態では、無機化合物が殺菌剤(microcidal agent)である。本明細書で使用する「殺菌剤」は、微生物の成長を遅くしまたは停止させる任意の化合物である。ある実施形態では、無機化合物は、細菌、原生生物、および/または真菌などの1種または複数の微生物を死滅させる。ある実施形態では、無機化合物は、細菌、原生生物、ウイルス、または真菌などの1種または複数の微生物の成長を阻害する。
【0021】
ある実施形態では、無機化合物は、水分子を吸収しまたは封鎖することが可能であり、それによって、生体分子の加水分解が防止される。ある実施形態では、無機化合物は、50%の大気湿度と平衡になると、質量で約70%、60%、50%、45%、40%、38%、36%、35%、34%、33%、32%、31%、30%、またはそれ以下まで水和する。
【0022】
ある実施形態では、無機化合物は、乾燥により濃縮し、結晶質または準結晶質構造を形成する。ある実施形態では、無機化合物は、乾燥によってガラス構造を形成しない。本明細書で使用される「ガラス構造」という用語は、ガラス構造を含む分子が互いに対して長距離結晶秩序ではなく短距離秩序のみ示す、固体状態の構造を指す。ある実施形態では、無機化合物は、生体分子と共局在化することが可能である。例えば、ある実施形態では、無機化合物は乾燥により濃縮し、生体分子と直接接触して結晶質または準結晶質状態を形成する。
【0023】
ある実施形態では、無機化合物は、生体分子の1つまたは複数のタイプに対して不活性である。この文脈において本明細書で使用される「不活性」は、無機化合物が、生体分子の1種もしくは複数と結合せず、またはそのような結合の結果生体分子が分解しないように可逆的に結合することを意味する。好ましい実施形態では、無機化合物は、核酸、タンパク質、炭水化物、脂質、補酵素、代謝産物、薬剤、薬剤の代謝産物、またはこれらの任意の組合せに対して不活性である。
【0024】
ある実施形態では、無機化合物は、本発明の組成物中に貯蔵されかつ/またはこの組成物によって安定化されている生体分子を分析するのに使用してもよい、1つまたは複数の下流の方法に対して不活性である。この文脈において本明細書で使用される「不活性」は、サンプル中に無機化合物が存在することによって、この方法の速度が50%を超えて低減せず、この方法の忠実度が著しく低下することを意味する。ある実施形態では、無機化合物は、核酸転写および/または増幅(例えば、逆転写、PCR、リアルタイムPCRなど)、エンドヌクレアーゼ消化(例えば、EcoRI、BamHI、HindIII、NotI、SmaI、BglIIなどのII型エンドヌクレアーゼを含む反応)、クローニング技法(例えば、ライゲーション)、タンパク質消化(例えば、プロテイナーゼK、トリプシン、キモトリプシン、サビナーゼなどのプロテイナーゼを含む反応)、マイクロアレイ分析(例えば、核酸またはタンパク質の)、イムノアッセイ(例えば、免疫沈降、ELISAなど)、質量分析、またはこれらの任意の組合せからなる群より選択される方法に対して不活性である。ある実施形態では、無機化合物は、希釈(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、または20倍以上に希釈)後に不活性である。他の実施形態では、無機化合物は、未希釈形態で不活性である。ある実施形態では、無機化合物は、0.075mg/ml、0.1mg/ml、0.2mg/ml、0.3mg/ml、0.4mg/ml、0.5mg/ml、0.6mg/ml、0.7mg/ml、0.8mg/ml、0.9mg/ml、1.0mg/ml、2.0mg/ml、5.0mg/ml、10.0mg/ml、またはそれ以上の濃度で反応中に存在する場合、1つまたは複数のそのような方法に対して不活性である。
【0025】
この文脈において、本明細書で使用される「水溶性」は、無機化合物の、25℃の水に対する溶解度が1.0mg/ml以上であることを意味する。ある実施形態では、無機化合物は、25℃の水に対して少なくとも1.5mg/ml、2.0mg/ml、3.0mg/ml、4.0mg/ml、5.0mg/ml、7.5mg/ml、10mg/ml、15mg/ml、20mg/ml、25mg/ml、30mg/ml、35mg/ml、40mg/ml、50mg/ml、60mg/ml、70mg/ml、80mg/ml、90mg/ml、100mg/ml、125mg/ml、150mg/ml、200mg/mlまたはそれ以上の溶解度を有する。ある実施形態では、無機化合物は、水中に容易に溶解することができる。例えば、ある実施形態では、無機化合物は、75、60、50、40、30、25、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2分、またはそれ以下の時間で、25℃の水中に溶解することができる。他の実施形態では、無機化合物は、7、6、5、4、3、2、1.5時間またはそれ以下の時間で、25℃の水中に溶解することができる。ある実施形態では、無機化合物は、撹拌(例えば、ピペット操作、振盪、または渦流撹拌)を用いてまたは用いずに25℃の水中に溶解することができる。
【0026】
ある実施形態では、無機化合物は、元素の周期表の第1(例えば、IA)、第3(例えば、IIIAまたはIIIB)、第5(例えば、VAまたはVB)、第6(例えば、VIA)、もしくは第7(例えば、VIIA)族の元素、またはこれらの組合せを含む分子式を有する。例えば、ある実施形態では、無機化合物は、水素、ナトリウム、カリウム、ホウ素、アルミニウム、リン、バナジウム、酸素、硫黄、塩化物、またはこれらの組合せを含む分子式を有する。ある実施形態では、無機化合物は、元素の周期表の少なくとも第3(例えば、IIIAまたはIIIB)または第5(例えば、VAまたはVB)族の元素を含む分子式を有する。ある実施形態では、無機化合物は、ホウ素、アルミニウム、リン、またはバナジウムを含む分子式を有する。他の実施形態では、無機化合物は、ホウ素、アルミニウム、リン、バナジウム、またはこれらの組合せからなる群より選択される元素を含まない分子式を有する。
【0027】
ある実施形態では、無機化合物は、ホウ酸または対応するホウ酸の塩(例えば、ホウ砂)である。ある実施形態では、無機化合物は、リン酸または対応するリン酸の塩(例えば、NaPO、NaHPO、NaHPO、KPO、KHPO、KHPO)である。ある実施形態では、無機化合物は、バナジウム酸塩(例えば、NaVO、KVO)である。ある実施形態では、無機化合物は、アルミニウム塩(例えば、カリウムミョウバン(KAl(SO・12HO)、ソーダミョウバン(NaSOAl(SO・24HO)、またはアンモニウムミョウバン(NHAl(SO・12HO)などのミョウバン)である。ある実施形態では、無機化合物は、塩化ナトリウムまたは塩化カリウムである。ある実施形態では、無機化合物は、ホウ酸、対応するホウ酸の塩(例えば、ホウ砂)、リン酸、対応するリン酸の塩(例えば、NaPO、NaHPO、NaHPO、KPO、KHPO、KHPO)、バナジウム酸塩(例えば、NaVO、KVO)、アルミニウム塩(例えば、カリウムミョウバン(KAl(SO・12HO)、ソーダミョウバン(NaSOAl(SO・24HO)、またはアンモニウムミョウバン(NHAl(SO・12HO)などのミョウバン)、塩化ナトリウム、および塩化カリウムからなる群より選択される組合せである。
【0028】
ある実施形態では、無機化合物は、ホウ酸でも対応するホウ酸の塩(例えば、ホウ砂)でもない。ある実施形態では、無機化合物は、リン酸でも対応するリン酸の塩(例えば、NaPO、NaHPO、NaHPO、KPO、KHPO、KHPO)でもない。ある実施形態では、無機化合物は、バナジウム酸塩(例えば、NaVO、KVO)ではない。ある実施形態では、無機化合物は、アルミニウム塩(例えば、カリウムミョウバン(即ち、KAl(SO・12HO)、ソーダミョウバン(即ち、NaSOAl(SO・24HO)、またはアンモニウムミョウバン(即ち、NHAl(SO・12HO)などのミョウバン)ではない。ある実施形態では、無機化合物は、塩化ナトリウムではない。ある実施形態では、無機化合物は、塩化カリウムではない。
【0029】
ある実施形態では、無機化合物は、無機鉱物ではない。本明細書で使用される「無機鉱物」は、25℃の水に溶解しない無機化合物である。無機鉱物の例には、ヒドロキシルアペタイト、Ca10(PO(OH)、および様々なクレー、例えばカオリン(即ち、Al・2SiO・2HO)、およびモンモリロナイト(即ち、Na0.2Ca0.1AlSi10(OH)(HO)10)が含まれる。
【0030】
ある実施形態では、無機化合物は、マグネシウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、または鉛を含まない分子式を有する。
【0031】
ある実施形態では、無機化合物(または無機化合物の混合物)は、組成物の主成分である。本明細書で使用される、組成物の「主成分」は、組成物中に、重量で最大限豊富に存在する単一の化合物(または化合物の特定の組)である。ある実施形態では、無機化合物(または無機化合物の混合物)は、組成物の少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、またはそれ以上を構成する。他の実施形態では、無機化合物(または無機化合物の混合物)は、組成物の、主要な水以外の成分である。ある実施形態では、無機化合物(または無機化合物の混合物)は、組成物の水以外の部分の少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、またはそれ以上を構成する。
【0032】
ある実施形態では、無機化合物(または、無機化合物の混合物)は、本発明の水性媒体の一部であり、約0.5mg/mlから約200mg/ml、約1.0mg/mlから約150.0mg/ml、約1.5mg/mlから約100.0mg/ml、約2.0mg/mlから約50.0mg/ml、約2.5mg/mlから約25.0mg/ml、または約3.0mg/mlから約10.0mg/mlの濃度で存在する。ある実施形態では、無機化合物(または、無機化合物の混合物)は、本発明の水溶液の一部であり、約0.1mg/mlから約10mg/ml、約0.2mg/mlから約8mg/ml、約0.3mg/mlから約6mg/ml、約0.4mg/mlから約4mg/ml、約0.5mg/mlから約2mg/ml、または約0.6mg/mlから約1mg/mlの濃度で存在する。ある実施形態では、無機化合物(または、無機化合物の混合物)は、本発明の水溶液の一部であり、約5.0mg/mlから約150.0mg/ml、約10.0mg/mlから約125.0mg/ml、約20.0mg/mlから約100.0mg/ml、または約25.0mg/mlから約75.0mg/mlの濃度で存在する。
【0033】
ある実施形態では、無機化合物は、本発明の水性媒体の一部であり、約5mMから約500mM、約6mMから約450mM、約7mMから約400mM、約8mMから約350mM、約9mMから約300mM、約10mMから約250mM、約10mMから約200mM、約10mMから約150mM、約15mMから約140mM、約20mMから約130mM、約25mMから約120mM、約30mMから約110mM、約35mMから約105mM、または約40mMから約100mMの濃度で存在する。ある実施形態では、無機化合物は、本発明の水性媒体の一部であり、約1mMから約100mM、約2mMから約80mM、約3mMから約60mM、約4mMから約40mM、約5mMから約30mM、約6mMから約25mM、約7mMから約20mM、または約8mMから約15mMの濃度で存在する。
【0034】
ある実施形態では、本発明の組成物はさらに、安定化剤を含む。例えば、ある実施形態では、組成物は、無機化合物および安定化剤を含む。無機化合物は、上述のようにすることができる。本明細書で使用される「安定化剤」は、少なくとも1種のタイプの生体分子が貯蔵中に損傷するのを防止することが可能な、任意の物質である。ある実施形態では、安定化剤によって保護された少なくとも1つのタイプの生体分子は、DNA、タンパク質、炭水化物、脂質、薬剤、またはその代謝産物、またはこれらの任意の組合せである。ある実施形態では、安定化剤は、生体分子と、様々な汚染物質または分解の潜在的な源であって酸素(例えば、一重項酸素、ヒドロキシル基、スーパーオキシドアニオンなどの反応性酸素種)、自由水、酵素、金属イオン、またはその他の反応性化学種を含むがこれらに限定されないものとの間の望ましくない接触を、阻害することが可能である。
【0035】
ある実施形態では、安定化剤は乾燥によって濃縮し、結晶質または準結晶質構造を形成する。ある実施形態では、安定化剤は、乾燥によりガラス構造を形成しない。ある実施形態では、安定化剤は、生体分子と共局在化することが可能である。例えば、ある実施形態では、安定化剤は乾燥によって濃縮し、生体分子と直接接触して結晶質または準結晶質状態を形成する。安定化剤および生体分子の共局在化は、生体分子の追加の安定化をもたらすことができる。
【0036】
ある実施形態では、安定化剤が小分子安定化剤である。ある実施形態では、安定化剤は、一重項酸素クエンチャー、ヒドロキシルラジカルスカベンジャー、ヒドロペルオキシド除去剤、還元剤、金属キレート剤、洗浄剤、カオトロープ、およびこれらの組合せからなる群より選択される。一重項酸素クエンチャーの例には、アルキルイミダゾール(例えば、ヒスチジン、L−カルノシン、ヒスタミン、イミダゾール4−酢酸)、インドール(例えば、トリプトファンおよびその誘導体であって、N−アセチル−5−メトキシトリプタミン、N−アセチルセロトニン、6−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−β−カルボリンなど)、硫黄含有アミノ酸(例えば、メチオニン、エチオニン、ジエンコル酸、ランチオニン、N−ホルミルメチオニン、フェリニン、S−アリルシステイン、S−アミノエチル−L−システイン)、フェノール化合物(例えば、チロシンおよびその誘導体)、芳香族の酸(例えば、アスコルベート、サリチル酸、およびこれらの誘導体)、アジド(例えば、アジ化ナトリウム)、トコフェロール、および関連するビタミンE誘導体、およびカロチン、および関連するビタミンA誘導体が含まれるが、これらに限定するものではない。ヒドロキシルラジカルスカベンジャーの例には、アジド、ジメチルスルホキシド、ヒスチジン、マンニトール、スクロース、グルコース、サリチレート、およびL−システインが含まれるが、これらに限定するものではない。ヒドロペルオキシド除去剤の例には、カタラーゼ、ピルベート、グルタチオン、およびグルタチオンペルオキシダーゼが含まれるが、これらに限定するものではない。還元剤の例には、システインおよびメルカプトエチレンが含まれるが、これらに限定するものではない。金属キレート剤の例には、EDTA、EGTA、o−フェナントロリン、およびシトレートが含まれるが、これらに限定するものではない。洗浄剤の例には、SDSおよびナトリウムラウロイルサルコシルが含まれるが、これらに限定するものではない。カオトロープの例には、塩酸グアンジニウム(guandinium)、イソチオシアネート、尿素、およびホルムアミドが含まれるが、これらに限定するものではない。
【0037】
ある実施形態では、安定化剤は、一重項酸素クエンチャー(例えば、アルキルイミダゾール、インドール、または硫黄含有アミノ酸)を含む。ある実施形態では、安定化剤は、2種以上の一重項酸素クエンチャー(例えば、アルキルイミダゾール、インドール、および硫黄含有アミノ酸からなる群より選択される。)を含む。ある実施形態では、安定化剤は、一重項酸素クエンチャー、およびヒドロキシルラジカルスカベンジャー、ヒドロペルオキシド除去剤、金属キレート剤、またはこれらの任意の組合せを含む。ある実施形態では、安定化剤は、ヒドロキシルラジカルスカベンジャーを含む。ある実施形態では、安定化剤は、ヒドロペルオキシド除去剤を含む。ある実施形態では、安定化剤は金属キレート剤を含む。ある実施形態では、安定化剤は、2種以上の金属キレート剤を含む。ある実施形態では、安定化剤は、ヒドロキシルラジカルスカベンジャー、ヒドロペルオキシド除去剤、金属キレート剤、またはこれらの任意の組合せ(例えば、ヒドロキシルラジカルスカベンジャーおよびヒドロペルオキシド除去剤;ヒドロキシルラジカルスカベンジャーおよび金属キレート剤;ヒドロペルオキシド除去剤および金属キレート剤;ヒドロキシルラジカルスカベンジャー、ヒドロペルオキシド除去剤、および金属キレート剤)を含む。
【0038】
ある実施形態では、安定化剤は、EDTA、EGTA、またはEDTAおよびEGTAの組合せを含まない。ある実施形態では、安定化剤はSDSを含まない。ある実施形態では、安定化剤は、システイン、メルカプトエチレン、またはシステインおよびメルカプトエチレンの組合せを含まない。
【0039】
ある実施形態では、組成物中の無機化合物と安定化剤の比は、重量で約20:1から約1:2、約15:1から約1:1.5、約12:1から約1:1、約10:1から約1.5:1、約8:1から約2:1、または約5:1から約2.5:1である。他の実施形態では、無機化合物と安定化剤の比は、約5:1から約1:5、約4:1から約1:4、約3:1から約1:3、約2:1から約1:2、または約1:1である。他の実施形態では、無機化合物と安定化剤の比は、約20:1から約5:1、約18:1から約10:1、または約16:1から約12:1である。
【0040】
ある実施形態では、安定化剤(または安定化剤の混合物)は、本発明の水性媒体の一部であり、約0.05mg/mlから約100.0mg/ml、約0.1mg/mlから約80.0mg/ml、約0.2mg/mlから約60.0mg/ml、約0.3mg/mlから約40.0mg/ml、約0.4mg/mlから約20.0mg/ml、約0.5mg/mlから約15.0mg/ml、約1.0mg/mlから約10.0mg/ml、または約1.5mg/mlから約5.0mg/mlの濃度で存在する。ある実施形態では、安定化剤(または安定化剤の混合物)は、本発明の水性媒体の一部であり、約0.05mg/mlから約10.0mg/ml、約0.1mg/mlから約8.0mg/ml、約0.2mg/mlから約6.0mg/ml、約0.3mg/mlから約5.0mg/ml、約0.4mg/mlから約4.0mg/ml、約0.5mg/mlから約3.0mg/ml、約0.6mg/mlから約2.5mg/ml、または約0.7mg/mlから約2.0mg/mlの濃度で存在する。
【0041】
ある実施形態では、安定化剤は、本発明の水性媒体の一部であり、約5mMから約500mM、約6mMから約400mM、約7mMから約300mM、約8mMから約250mM、約9mMから約200mM、約10mMから約150mM、約15mMから約100mM、または約20mMから約50mMの濃度で存在する。ある実施形態では、安定化剤は、本発明の水性媒体の一部であり、約0.1mMから約100mM、約0.2mMから約80mM、約0.3mMから約60mM、約0.4mMから約40mM、約0.5mMから約30mM、約0.6mMから約25mM、約0.7mMから約20mM、約0.8から約15mM、約0.9mMから約12.5mM、または約1.0mMから約10mMの濃度で存在する。
【0042】
ある実施形態では、本発明の組成物はさらに、可塑剤を含む。例えば、ある実施形態では、組成物が無機化合物および可塑剤を含む。本明細書で使用される「可塑剤」は、乾燥状態のマトリックスの貯蔵機能を促進させまたは改善することが可能な任意の物質である。したがって、ある実施形態では、可塑剤が、乾燥状態のマトリックスの機械的性質(例えば、柔軟性)を改善する。ある実施形態では、可塑剤は、乾燥状態のマトリックスの耐久性(例えば、振動損傷に対する抵抗力)を改善する。ある実施形態では、可塑剤は、乾燥状態のマトリックスの再水和によって、無機化合物と生体分子との間の可逆的解離を促進させる。他の実施形態では、可塑剤は、乾燥状態のマトリックスの再水和によって、安定化剤と生体分子との間の可逆的解離を促進させる。
【0043】
ある実施形態では、可塑剤は、本発明の乾燥状態のマトリックス中に貯蔵される生体分子の性質を、実質的に妨げない(例えば、貯蔵された生体分子の化学的または物理的安定性を妨げない。)。他の実施形態では、可塑剤は、本発明の乾燥状態のマトリックスの貯蔵中、微生物の成長(例えば、細菌または真菌の成長)を阻害する。
【0044】
ある実施形態では、可塑剤は、多価アルコールである。本明細書で使用される「多価アルコール」は、2個以上のヒドロキシル基を有する有機化合物である。ある実施形態では、可塑剤が、長鎖多価アルコール(例えば、ポリビニルアルコールまたはポリセリン)である。ある実施形態では、可塑剤が糖(例えば、単糖類、二糖類、または複合糖類(complex sugar))である。単糖類には、ヘキソース、ペントース、テトロース、セドヘプツロース、グルコース、マンノース、ガラクトース、アロース、アルトロース、グロース、イドース、タロース、フルクトース、ソルボース、プシコース、タガトース、フコース、フクロース、ラムノース、リボース、アラビノース、キシロース、リキソース、リブロース、キシルロース、デオキシリボース、エリトルロース、エリトロース、トレオース、ジヒドロキシアセトン、およびグリセルアルデヒドが含まれるが、これらに限定するものではない。二糖類には、スクロース、ラクトース、トレハロース、およびマルトースが含まれるが、これらに限定するものではない。複合糖類には、三糖、四糖、多糖、グリコサミノグリカン、アミノグリコシダーゼ、ラフィノース、メレジトース、マルトトリオース、アカルボース、スタキオース、フルクト−オリゴ糖、ガラクト−オリゴ糖、マンナン−オリゴ糖、グリコーゲン、デンプン、アミロース、アミロペクチン、セルロース、キチン、イヌリン、デキストリン、グルカン(例えば、β−グルカン、デキストラン)、ヘパリン、コンドロイチン硫酸、ヒアルロナン、ヘパリン硫酸、デルマタン硫酸、ケラタン硫酸、カナマイシン、ストレプトマイシン、トブラマイシン、ネオマイシン、パロモマイシン、アプラマイシン、ゲンタマイシン、ネチルマイシン、およびアミカシンが含まれるが、これらに限定するものではない。
【0045】
ある実施形態では、可塑剤が短鎖多価アルコール(例えば、直鎖状または分枝状の短鎖多価アルコール)である。本明細書で使用される「短鎖」多価アルコールは、6個以下の炭素原子の主鎖を有する多価アルコールである。ある実施形態では、短鎖多価アルコールは12個以下の炭素原子を含む。ある実施形態では、短鎖多価アルコールは直鎖状であり、一般式C(OH)2n+2−m(式中、n=2から6であり、m=2からnである。)を有する。ある実施形態では、短鎖多価アルコールは直鎖状であり、一般式C(OH)2n+2−m(式中、n=2から12であり、m=2からnである。)を有する。ある実施形態では、短鎖多価アルコールは分枝状であり、一般式C(OH)2n+2−m(式中、n=4から6であり、m=2からnである。)を有する。ある実施形態では、短鎖多価アルコールは分枝状であり、一般式C(OH)2n+2−m(式中、n=4から12であり、m=2からnである。)を有する。本発明の短鎖多価アルコールには、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール(1−3 propane diol)、グリセロール、ブタントリオール(例えば、n−ブタントリオールまたはイソブタントリオール)、エリトリトール、ペンタントリオール(例えば、n−ペンタントリオールまたはイソペンタントリオール)、ペンタンテトラオール(例えば、n−ペンタンテトラオール、イソペンタンテトラオール)、ペンタエリトリトール、キシリトール、ソルビトール、およびマンニトールが含まれるが、これらに限定するものではない。
【0046】
ある実施形態では、可塑剤は、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、およびエリトリトールからなる群より選択される短鎖ポリオールである。他の実施形態では、可塑剤がグルコースである。他の実施形態では、可塑剤がスクロース、トレハロース、またはマンノースである。他の実施形態では、可塑剤がフィコールまたはデキストラン(例えば、10kD未満のMWを有する短鎖デキストラン)である。さらに他の実施形態では、可塑剤がポリビニルアルコールまたはポリセリンである。したがって例えば、本発明の乾燥状態の組成物に、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、トレハロース、マンノース、フィコール、デキストラン、ポリビニルアルコール、またはポリセリンを添加することによって、組成物(例えば、マトリックス)は、振動損傷に対する抵抗力がより高くなり、再水和後の空気乾燥したマトリックスの可逆的解離が促進される。
【0047】
ある実施形態では、可塑剤は、単糖類ではない多価アルコールである。ある実施形態では、可塑剤は、ヘキソースではない多価アルコールである。ある実施形態では、可塑剤は、ペントースではない多価アルコールである。ある実施形態では、可塑剤は、テトロースではない多価アルコールである。ある実施形態では、可塑剤は、セドヘプツロース、グルコース、マンノース、ガラクトース、アロース、アルトロース、グロース、イドース、タロース、フルクトース、ソルボース、プシコース、タガトース、フコース、フクロース、ラムノース、リボース、アラビノース、キシロース、リキソース、リブロース、キシルロース、デオキシリボース、エリトルロース、エリトロース、トレオース、ジヒドロキシアセトン、およびグリセルアルデヒドからなる群より選択される1種または複数の単糖類ではない、多価アルコールである。
【0048】
ある実施形態では、可塑剤は、二糖類ではない多価アルコールである。ある実施形態では、可塑剤は、スクロース、ラクトース、トレハロース、およびマルトースからなる群より選択される1種または複数の二糖類ではない。
【0049】
ある実施形態では、可塑剤は、複合糖ではない多価アルコールである。ある実施形態では、可塑剤は、三糖ではない多価アルコールである。ある実施形態では、可塑剤は、四糖ではない多価アルコールである。ある実施形態では、可塑剤は、多糖ではない多価アルコールである。ある実施形態では、可塑剤は、グリコサミノグリカンではない多価アルコールである。ある実施形態では、可塑剤は、アミノグリコシダーゼではない多価アルコールである。ある実施形態では、可塑剤は、ラフィノース、メレジトース、マルトトリオース、アカルボース、スタキオース、フルクト−オリゴ糖、ガラクト−オリゴ糖、マンナン−オリゴ糖、グリコーゲン、デンプン、アミロース、アミロペクチン、セルロース、キチン、イヌリン、デキストリン、グルカン(例えば、β−グルカン、デキストラン)、ヘパリン、コンドロイチン硫酸、ヒアルロナン、ヘパリン硫酸、デルマタン硫酸、ケラタン硫酸、カナマイシン、ストレプトマイシン、トブラマイシン、ネオマイシン、パロモマイシン、アプラマイシン、ゲンタマイシン、ネチルマイシン、およびアミカシンからなる群より選択される1種または複数の複合糖ではない多価アルコールである。
【0050】
ある実施形態では、本発明の組成物は、無機化合物、安定化剤、および可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、無機化合物、2種以上の安定化剤、および可塑剤を含む。無機化合物および安定化剤は、本明細書に記述される任意の無機化合物または安定化剤にすることができる。
【0051】
ある実施形態では、組成物中の無機化合物と可塑剤の比は、重量で約20:1から約1:2、約15:1から約1:1.5、12:1から約1:1、約10:1から約1.5:1、約8:1から約2:1である。他の実施形態では、無機化合物と可塑剤の比は、約500:1から約50:1、約480:1から約100:1、約460:1から約150:1、約440:1から約200:1、約420:1から約250:1、または約400:1から約300:1である。
【0052】
ある実施形態では、可塑剤は、本発明の水性媒体の一部であり、約0.01%から約10%、約0.02%から約8%、約0.03%から約5%、約0.04%から約2%、約0.05%から約1%、または約0.06%から約0.5%の濃度で存在する。
【0053】
ある実施形態では、本発明の組成物はさらに、1種または複数のRNase阻害剤を含む。例えば、ある実施形態では、組成物は、無機化合物およびRNase阻害剤を含む。RNase阻害剤には、2’−シチジンモノホスフェート遊離酸(2’−CMP)、」アルミノン、アデノシン5’−ピロリン酸、5’−ジホスホアデノシン3’−リン酸(ppA−3’−p)、5’−ジホスホアデノシン2’−リン酸(ppA−2’−p)、ロイシン、ポリ−L−アスパラギン酸、チロシン−グルタミン酸ポリマー、オリゴビニスルホン酸(oligovinysulfonic acid)、アデノシン3’−リン酸との、5’−ホスホ(phopho)−2’−デオキシウリジン3’−ピロリン酸P’→5’エステル(pdUppAp)が含まれるが、これらに限定するものではない。ある実施形態では、組成物が2種以上のRNase阻害剤を含む。
【0054】
ある実施形態では、組成物は2’−CMPを含む。ある実施形態では、組成物は、2’−CMPおよびアルミノンをさらに含む。ある実施形態では、組成物は2’−CMPおよびppA−3’−pをさらに含む。ある実施形態では、組成物は2’−CMPおよびロイシンをさらに含む。ある実施形態では、組成物は2’−CMPおよびポリ−L−アスパラギン酸をさらに含む。ある実施形態では、組成物は2’−CMPおよびチロシン−グルタミン酸ポリマーをさらに含む。ある実施形態では、組成物は2’−CMPおよびオリゴビニスルホン酸をさらに含む。ある実施形態では、組成物は2’−CMPおよびpdUppApをさらに含む。ある実施形態では、組成物はアルミノンをさらに含む。ある実施形態では、組成物はアルミノンおよびppA−3’−pをさらに含む。ある実施形態では、組成物はアルミノンおよびロイシンをさらに含む。ある実施形態では、組成物はアルミノンおよびポリ−L−アスパラギン酸をさらに含む。ある実施形態では、組成物はアルミノンおよびチロシン−グルタミン酸ポリマーをさらに含む。ある実施形態では、組成物はアルミノンおよびオリゴビニスルホン酸をさらに含む。ある実施形態では、組成物はアルミノンおよびpdUppApをさらに含む。ある実施形態では、組成物はppA−3’−pをさらに含む。ある実施形態では、組成物はppA−3’−pおよびロイシンをさらに含む。ある実施形態では、組成物はppA−3’−pおよびポリ−L−アスパラギン酸をさらに含む。ある実施形態では、組成物はppA−3’−pおよびチロシン−グルタミン酸ポリマーをさらに含む。ある実施形態では、組成物はppA−3’−pおよびオリゴビニスルホン酸をさらに含む。ある実施形態では、組成物はppA−3’−pおよびpdUppApをさらに含む。ある実施形態では、組成物はロイシンをさらに含む。ある実施形態では、組成物はロイシンおよびポリ−L−アスパラギン酸をさらに含む。ある実施形態では、組成物はロイシンおよびチロシン−グルタミン酸ポリマーをさらに含む。ある実施形態では、組成物はロイシンおよびオリゴビニスルホン酸をさらに含む。ある実施形態では、組成物はロイシンおよびpdUppApをさらに含む。ある実施形態では、組成物はポリ−L−アスパラギン酸をさらに含む。ある実施形態では、組成物はポリ−L−アスパラギン酸およびチロシン−グルタミン酸ポリマーをさらに含む。ある実施形態では、組成物はポリ−L−アスパラギン酸およびオリゴビニスルホン酸をさらに含む。ある実施形態では、組成物はポリ−L−アスパラギン酸およびpdUppApをさらに含む。ある実施形態では、組成物はチロシン−グルタミン酸ポリマーをさらに含む。ある実施形態では、組成物はチロシン−グルタミン酸ポリマーおよびオリゴビニスルホン酸をさらに含む。ある実施形態では、組成物はチロシン−グルタミン酸ポリマーおよびpdUppApをさらに含む。ある実施形態では、組成物はオリゴビニスルホン酸をさらに含む。ある実施形態では、組成物はオリゴビニスルホン酸およびpdUppApをさらに含む。
【0055】
ある実施形態では、RNase阻害剤は、本発明の水性媒体の一部であり、約1mMから約250mM、約1mMから約200mM、約1mMから約150mM、約1mMから約100mM、約2mMから約50mM、約3mMから約40mM、約4mMから約30mM、約5mMから約20mM、約6mMから約15mM、または約10mMの濃度で存在する。ある実施形態では、RNase阻害剤は、本発明の水性媒体の一部であり、約1μMから約500μM、約1μMから約400μM、約1μMから約300μM、約1μMから約200μM、約1μMから約100μM、約1μMから約50μM、約2μMから約40μM、約3μMから約30μM、約4μMから約20μM、約5μMから約15μM、または約10μMの濃度で存在する。
【0056】
ある実施形態では、組成物は、無機化合物、安定化剤、およびRNase阻害剤を含む。ある実施形態では、組成物は、無機化合物、安定化剤、可塑剤、およびRNase阻害剤を含む。ある実施形態では、組成物は、無機化合物、金属キレート剤、およびRNase阻害剤を含む。ある実施形態では、組成物は、無機化合物、金属キレート剤、可塑剤、およびRNase阻害剤を含む。ある実施形態では、組成物は、無機化合物、少なくとも1種の金属キレート剤を含めた少なくとも2種の安定化剤、およびRNase阻害剤を含む。ある実施形態では、組成物は、無機化合物、金属キレート剤を含めた少なくとも2種の安定化剤、可塑剤、およびRNase阻害剤を含む。
【0057】
ある実施形態では、本発明の組成物はさらに、生体分子を含む。したがって例えば、本明細書に記述される組成物のいずれかは、生体分子をさらに含むことができる。ある実施形態では、組成物は、体液(例えば、血液、血清、脳脊髄液、尿、唾液、精液など)などの生体分子を含有する生体サンプル、組織サンプル(例えば、組織生検、組織ホモジネート、毛髪サンプルなどの固体組織の小片)、細胞溶解物(例えば、血液細胞溶解物、皮膚細胞溶解物など)、またはこれらの一部を含む。他の実施形態では、組成物は、生体分子の精製または合成サンプル(例えば、精製または合成された核酸またはタンパク質サンプル)を含む。ある実施形態では、貯蔵組成物は、生体サンプルから単離された小分子(即ち、合成によっても工業的にも生成されていない小分子)を含む。ある実施形態では、貯蔵組成物は、脂質、補酵素、代謝産物、薬剤、および薬剤の代謝産物からなる群より選択される、小分子の1種または複数のタイプを含み、前記小分子は生体サンプルから単離されたものである。
【0058】
ある実施形態では、組成物は、ゲノムDNAを含む。ある実施形態では、組成物は、約0.1kB、0.2kB、0.3kB、0.5kB、0.75kB、1kB、5kB、10kB、15kB、20kB、25kB、30kB、35kB、40kB、45kB、50kBよりも長くまたはそれ以上の長さを有するDNAを含む。ある実施形態では、組成物は、約0.1kB、0.2kB、0.3kB、0.5kB、0.75kB、1kB、2kB、3kB、5kB、10kB、15kB、20kB、25kB、30kB、35kB、40kB、45kB、50kBよりも長くまたはそれ以上の長さを有するゲノムDNA断片を発見することができるように、ゲノムDNAを安全に貯蔵する。
【0059】
ある実施形態では、組成物は、RNAを含む。ある実施形態では、RNAは、粗製溶解物中、部分的に精製されたサンプル中、またはサンプルから精製されたRNA画分中に存在する。ある実施形態では、RNAがmRNAである。他の実施形態では、RNAがrRNAまたはtRNAである。他の実施形態では、RNAがsiRNAである。さらに他の実施形態では、RNAが全RNAである。
【0060】
ある実施形態では、組成物中の無機化合物と生体分子の比が、重量で約20000:1から約2:1である。他の実施形態では、組成物中の無機化合物と生体分子の比が、重量で約10000:1から約1000:1である。他の実施形態では、無機化合物と生体分子の比が、重量で約1000:1から約100:1である。他の実施形態では、無機化合物と生体分子の比が、重量で約100:1から約10:1である。他の実施形態では、無機化合物と生体分子の比が、約10:1から約1:1である。他の実施形態では、無機化合物と生体分子の比が、約5:1から約1:5である。他の実施形態では、組成物中の無機化合物と生体分子の比が、重量で約5000:1から約50:1、約1000:1から約10:1、約500:1から約5:1、約100:1から約2:1、または約50:1から約1:2である。さらに他の実施形態では、無機化合物と生体分子の比が、重量で約50:1、約40:1、約30:1、約20:1、約10:1、または約1:1である。
【0061】
ある実施形態では、組成物は、水溶性無機化合物(例えば、ホウ素、リン、バナジウム、またはアルミニウムを含む化合物)、一重項酸素クエンチャー(例えば、アルキルイミダゾール、インドール、および/または硫黄含有アミノ酸)、および任意選択で生体分子を含む。他の実施形態では、組成物は、水溶性無機化合物(例えば、ホウ素、リン、バナジウム、またはアルミニウムを含む化合物)、一重項酸素クエンチャー(例えば、アルキルイミダゾール、インドール、および/または硫黄含有アミノ酸)、可塑剤(例えば、グリセロール、ポリビニルアルコール、トレハロース、および/またはデキストラン)、および任意選択で生体分子を含む。他の実施形態では、組成物は、水溶性無機化合物(例えば、ホウ素、リン、バナジウム、またはアルミニウムを含む化合物)、一重項酸素クエンチャー(例えば、アルキルイミダゾール、インドール、および/または硫黄含有アミノ酸)、可塑剤(例えば、グリセロール、ポリビニルアルコール、トレハロース、および/またはデキストラン)、金属キレート剤(例えば、EDTA)、および任意選択で生体分子を含む。
【0062】
ある実施形態では、組成物は、水溶性無機化合物(例えば、ホウ素、リン、バナジウム、またはアルミニウムを含む化合物)、ヒドロキシルラジカルスカベンジャー、および任意選択で生体分子を含む。他の実施形態では、組成物は、水溶性無機化合物(例えば、ホウ素、リン、バナジウム、またはアルミニウムを含む化合物)、ヒドロキシルラジカルスカベンジャー、可塑剤(例えば、グリセロール、ポリビニルアルコール、トレハロース、および/またはデキストラン)、および任意選択で生体分子を含む。他の実施形態では、組成物は、水溶性無機化合物(例えば、ホウ素、リン、バナジウム、またはアルミニウムを含む化合物)、ヒドロキシルラジカルスカベンジャー、可塑剤(例えば、グリセロール、ポリビニルアルコール、トレハロース、および/またはデキストラン)、金属キレート剤(例えば、EDTA)、および任意選択で生体分子を含む。
【0063】
ある実施形態では、組成物は、水溶性無機化合物(例えば、ホウ素、リン、バナジウム、またはアルミニウムを含む化合物)、ヒドロペルオキシド除去剤、および任意選択で生体分子を含む。他の実施形態では、組成物は、水溶性無機化合物(例えば、ホウ素、リン、バナジウム、またはアルミニウムを含む化合物)、ヒドロペルオキシド除去剤、可塑剤(例えば、グリセロール、ポリビニルアルコール、トレハロース、および/またはデキストラン)、および任意選択で生体分子を含む。他の実施形態では、組成物は、水溶性無機化合物(例えば、ホウ素、リン、バナジウム、またはアルミニウムを含む化合物)、ヒドロペルオキシド除去剤、可塑剤(例えば、グリセロール、ポリビニルアルコール、トレハロース、および/またはデキストラン)、金属キレート剤(例えば、EDTA)、および任意選択で生体分子を含む。
【0064】
ある実施形態では、組成物は、水溶性無機化合物(例えば、ホウ素、リン、バナジウム、またはアルミニウムを含む化合物)、ヒドロキシルラジカルスカベンジャー、ヒドロペルオキシド除去剤、および任意選択で生体分子を含む。他の実施形態では、組成物は、水溶性無機化合物(例えば、ホウ素、リン、バナジウム、またはアルミニウムを含む化合物)、ヒドロキシルラジカルスカベンジャー、ヒドロペルオキシド除去剤、可塑剤(例えば、グリセロール、ポリビニルアルコール、トレハロース、および/またはデキストラン)、および任意選択で生体分子を含む。他の実施形態では、組成物は、水溶性無機化合物(例えば、ホウ素、リン、バナジウム、またはアルミニウムを含む化合物)、ヒドロキシルラジカルスカベンジャー、ヒドロペルオキシド除去剤、可塑剤(例えば、グリセロール、ポリビニルアルコール、トレハロース、および/またはデキストラン)、金属キレート剤(例えば、EDTA)、および任意選択で生体分子を含む。
【0065】
ある実施形態では、組成物は、ホウ酸、ヒスチジン、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、ホウ酸、ヒスチジン、メチオニン、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、ホウ酸、ヒスチジン、トリプトファン、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、ホウ酸、トリプトファン、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、ホウ酸、トリプトファン、メチオニン、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、ホウ酸、メチオニン、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、ホウ酸、チロシン、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、ホウ酸、アスコルベート、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、ホウ酸、アジド(例えば、アジ化ナトリウム)、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、ホウ酸、トコフェロール、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、ホウ酸、カロチン、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、ホウ酸、o−フェナントロリン、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、ホウ酸、ナトリウムラウリルサルコシル、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、ホウ酸、塩酸グアニジウム、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。この段落の実施形態のそれぞれは、さらに、1種または複数のRNase阻害剤(例えば、本明細書に記述または提示される任意のRNase阻害剤またはこれらの組合せ)、および/または生体分子(例えば、生体サンプルなど、生体分子を含む任意のサンプル)を含むことができる。
【0066】
ある実施形態では、組成物は、ボレート、ヒスチジン、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、ボレート、ヒスチジン、メチオニン、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、ボレート、ヒスチジン、トリプトファン、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、ボレート、トリプトファン、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、ボレート、トリプトファン、メチオニン、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、ボレート、メチオニン、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、ボレート、チロシン、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、ボレート、アスコルベート、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、ボレート、アジド(例えば、アジ化ナトリウム)、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、ボレート、トコフェロール、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、ボレート、カロチン、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、ボレート、o−フェナントロリン、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、ボレート、ナトリウムラウリルサルコシル、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、ボレート、塩酸グアニジウム、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。この段落の実施形態のそれぞれは、1種または複数のRNase阻害剤(例えば、本明細書に記述または提示される任意のRNase阻害剤またはこれらの組合せ)、および/または生体分子(例えば、生体サンプルなど、生体分子を含む任意のサンプル)をさらに含むことができる。
【0067】
ある実施形態では、組成物は、リン酸、ヒスチジン、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、リン酸、ヒスチジン、メチオニン、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、リン酸、ヒスチジン、トリプトファン、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、リン酸、トリプトファン、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、リン酸、トリプトファン、メチオニン、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、リン酸、メチオニン、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、リン酸、チロシン、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、リン酸、アスコルベート、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、リン酸、アジド(例えば、アジ化ナトリウム)、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、リン酸、トコフェロール、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、リン酸、カロチン、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、リン酸、o−フェナントロリン、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、リン酸、ナトリウムラウリルサルコシル、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、リン酸、塩酸グアニジウム、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。この段落の実施形態のそれぞれは、1種または複数のRNase阻害剤(例えば、本明細書に記述または提示される任意のRNase阻害剤またはこれらの組合せ)、および/または生体分子(例えば、生体サンプルなど、生体分子を含む任意のサンプル)をさらに含むことができる。
【0068】
ある実施形態では、組成物は、リン酸の塩、ヒスチジン、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、リン酸の塩、ヒスチジン、メチオニン、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、リン酸の塩、ヒスチジン、トリプトファン、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、リン酸の塩、トリプトファン、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、リン酸の塩、トリプトファン、メチオニン、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、リン酸の塩、メチオニン、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、リン酸の塩、チロシン、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、リン酸の塩、アスコルベート、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、リン酸の塩、アジド(例えば、アジ化ナトリウム)、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、リン酸の塩、トコフェロール、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、リン酸の塩、カロチン、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、リン酸の塩、o−フェナントロリン、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、リン酸の塩、ナトリウムラウリルサルコシル、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、リン酸の塩、塩酸グアニジウム、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。この段落の実施形態のそれぞれは、1種または複数のRNase阻害剤(例えば、本明細書に記述または提示される任意のRNase阻害剤またはこれらの組合せ)、および/または生体分子(例えば、生体サンプルなど、生体分子を含む任意のサンプル)をさらに含むことができる。
【0069】
ある実施形態では、組成物は、バナジウム酸塩、ヒスチジン、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、バナジウム酸塩、ヒスチジン、メチオニン、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、バナジウム酸塩、ヒスチジン、トリプトファン、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、バナジウム酸塩、トリプトファン、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、バナジウム酸塩、トリプトファン、メチオニン、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、バナジウム酸塩、メチオニン、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、バナジウム酸塩、チロシン、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、バナジウム酸塩、アスコルベート、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、バナジウム酸塩、アジド(例えば、アジ化ナトリウム)、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、バナジウム酸塩、トコフェロール、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、バナジウム酸塩、カロチン、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、バナジウム酸塩、o−フェナントロリン、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、バナジウム酸塩、ナトリウムラウリルサルコシル、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、バナジウム酸塩、塩酸グアニジウム、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。この段落の実施形態のそれぞれは、1種または複数のRNase阻害剤(例えば、本明細書に記述または提示される任意のRNase阻害剤またはこれらの組合せ)、および/または生体分子(例えば、生体サンプルなど、生体分子を含む任意のサンプル)をさらに含むことができる。
【0070】
ある実施形態では、組成物は、カリウムミョウバン、ヒスチジン、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、カリウムミョウバン、ヒスチジン、メチオニン、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、カリウムミョウバン、ヒスチジン、トリプトファン、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、カリウムミョウバン、トリプトファン、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、カリウムミョウバン、トリプトファン、メチオニン、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、カリウムミョウバン、メチオニン、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、カリウムミョウバン、チロシン、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、カリウムミョウバン、アスコルベート、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、カリウムミョウバン、アジド(例えば、アジ化ナトリウム)、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、カリウムミョウバン、トコフェロール、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、カリウムミョウバン、カロチン、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、カリウムミョウバン、o−フェナントロリン、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、カリウムミョウバン、ナトリウムラウリルサルコシル、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、カリウムミョウバン、塩酸グアニジウム、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。この段落の実施形態のそれぞれは、1種または複数のRNase阻害剤(例えば、本明細書に記述または提示される任意のRNase阻害剤またはこれらの組合せ)、および/または生体分子(例えば、生体サンプルなど、生体分子を含む任意のサンプル)をさらに含むことができる。
【0071】
ある実施形態では、組成物は、ソーダミョウバン、ヒスチジン、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、ソーダミョウバン、ヒスチジン、メチオニン、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、ソーダミョウバン、ヒスチジン、トリプトファン、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、ソーダミョウバン、トリプトファン、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、ソーダミョウバン、トリプトファン、メチオニン、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、ソーダミョウバン、メチオニン、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、ソーダミョウバン、チロシン、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、ソーダミョウバン、アスコルベート、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、ソーダミョウバン、アジド(例えば、アジ化ナトリウム)、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、ソーダミョウバン、トコフェロール、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、ソーダミョウバン、カロチン、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、ソーダミョウバン、o−フェナントロリン、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、ソーダミョウバン、ナトリウムラウリルサルコシル、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、ソーダミョウバン、塩酸グアニジウム、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。この段落の実施形態のそれぞれは、1種または複数のRNase阻害剤(例えば、本明細書に記述または提示される任意のRNase阻害剤またはこれらの組合せ)、および/または生体分子(例えば、生体サンプルなど、生体分子を含む任意のサンプル)をさらに含むことができる。
【0072】
ある実施形態では、組成物は、アンモニウムミョウバン、ヒスチジン、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、アンモニウムミョウバン、ヒスチジン、メチオニン、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、アンモニウムミョウバン、ヒスチジン、トリプトファン、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、アンモニウムミョウバン、トリプトファン、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、アンモニウムミョウバン、トリプトファン、メチオニン、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、アンモニウムミョウバン、メチオニン、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、アンモニウムミョウバン、チロシン、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、アンモニウムミョウバン、アスコルベート、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、アンモニウムミョウバン、アジド(例えば、アジ化ナトリウム)、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、アンモニウムミョウバン、トコフェロール、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、アンモニウムミョウバン、カロチン、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、アンモニウムミョウバン、o−フェナントロリン、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、アンモニウムミョウバン、ナトリウムラウリルサルコシル、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、アンモニウムミョウバン、塩酸グアニジウム、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。この段落の実施形態のそれぞれは、1種または複数のRNase阻害剤(例えば、本明細書に記述または提示される任意のRNase阻害剤またはこれらの組合せ)、および/または生体分子(例えば、生体サンプルなど、生体分子を含む任意のサンプル)をさらに含むことができる。
【0073】
ある実施形態では、前述の組成物の無機化合物(例えば、ホウ酸、ボレート、リン酸、リン酸の塩、バナジウム酸、カリウムミョウバン、ソーダミョウバン、およびアンモニウムミョウバン)は、水性媒体中にあり(例えば、サンプルと混合する前または混合した後)、約5mMから約500mM、約6mMから約400mM、約7mMから約300mM、約8mMから約250mM、約9mMから約200mM、約10mMから約150mM、約20mMから約140mM、約30mMから約130mM、約40mMから約120mM、約50mMから約110mM、約60mMから約100mM、約70mMから約90mM、または約80mMの濃度を有する。ある実施形態では、前述の組成物の安定化剤(例えば、ヒスチジン、トリプトファン、メチオニン、チロシン、アスコルベート、アジ化ナトリウム、トコフェロール、カロチン、o−フェナントロリン、ナトリウムラウリルサルコシル、およびグアニジウムHCl)は、水性媒体中にあり(例えば、サンプルと混合する前または混合した後)、約1mMから約250mM、約2mMから約200mM、約3mMから約150mM、約4mMから約100mM、約5mMから約75mM、約10mMから約50mM、約15mMから約45mM、約20mMから約40mM、約25mMから約35mM、または約30mMの濃度を有する。ある実施形態では、前述の組成物の可塑剤(例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリン)は、水性媒体中にあり(例えば、サンプルと混合する前または混合した後)、約0.01%から約8.0%、約0.02%から約5.0%、約0.03%から約2.0%、約0.04%から約1.5%、約0.05%から約1%、または約0.06%から約0.5%の濃度を有する。
【0074】
ある実施形態では、組成物は、ホウ酸およびジメチルスルホキシドを含む。ある実施形態では、組成物は、ホウ酸、ジメチルスルホキシド、およびカタラーゼを含む。ある実施形態では、組成物は、ホウ酸、ジメチルスルホキシド、およびピルベートを含む。ある実施形態では、組成物は、ホウ酸、ジメチルスルホキシド、およびグルタチオンを含む。ある実施形態では、組成物は、ホウ酸、ジメチルスルホキシド、およびグルタチオンペルオキシダーゼを含む。ある実施形態では、組成物は、ホウ酸、およびヒスチジンを含む。ある実施形態では、組成物は、ホウ酸、ヒスチジン、およびカタラーゼを含む。ある実施形態では、組成物は、ホウ酸、ヒスチジン、およびピルベートを含む。ある実施形態では、組成物は、ホウ酸、ヒスチジン、およびグルタチオンを含む。ある実施形態では、組成物は、ホウ酸、ヒスチジン、およびグルタチオンペルオキシダーゼを含む。ある実施形態では、組成物は、ホウ酸、およびマンニトールを含む。ある実施形態では、組成物は、ホウ酸、マンニトール、およびカタラーゼを含む。ある実施形態では、組成物は、ホウ酸、マンニトール、およびピルベートを含む。ある実施形態では、組成物は、ホウ酸、マンニトール、およびグルタチオンを含む。ある実施形態では、組成物は、ホウ酸、マンニトール、およびグルタチオンペルオキシダーゼを含む。ある実施形態では、組成物は、ホウ酸、およびスクロースを含む。ある実施形態では、組成物は、ホウ酸、スクロース、およびカタラーゼを含む。ある実施形態では、組成物は、ホウ酸、スクロース、およびピルベートを含む。ある実施形態では、組成物は、ホウ酸、スクロース、およびグルタチオンを含む。ある実施形態では、組成物は、ホウ酸、スクロース、およびグルタチオンペルオキシダーゼを含む。ある実施形態では、組成物は、ホウ酸、およびグルコースを含む。ある実施形態では、組成物は、ホウ酸、グルコース、およびカタラーゼを含む。ある実施形態では、組成物は、ホウ酸、グルコース、およびピルベートを含む。ある実施形態では、組成物は、ホウ酸、グルコース、およびグルタチオンを含む。ある実施形態では、組成物は、ホウ酸、グルコース、およびグルタチオンペルオキシダーゼを含む。この段落の実施形態のそれぞれは、1種または複数のRNase阻害剤(例えば、本明細書に記述または提示される任意のRNase阻害剤またはこれらの組合せ)、および/または生体分子(例えば、生体サンプルなど、生体分子を含む任意のサンプル)をさらに含むことができる。
【0075】
ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EDTAを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EDTAおよびグリセロールを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EDTAおよびトレハロースを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EDTAおよびデキストランを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EDTAおよびポリビニルアルコールを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EGTAを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EGTAおよびグリセロールを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EGTAおよびトレハロースを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EGTAおよびデキストランを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EGTAおよびポリビニルアルコールを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、o−フェナントロリンを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、o−フェナントロリンおよびグリセロールを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、o−フェナントロリンおよびトレハロースを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、o−フェナントロリンおよびデキストランを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、o−フェナントロリンおよびポリビニルアルコールを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EDTAおよびシトレートを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EDTA、シトレート、およびグリセロールを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EDTA、シトレート、およびトレハロースを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EDTA、シトレート、およびデキストランを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EDTA、シトレート、およびポリビニルアルコールを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EGTAおよびシトレートを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EGTA、シトレート、およびグリセロールを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EGTA、シトレート、およびトレハロースを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EGTA、シトレート、およびデキストランを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EGTA、シトレート、およびポリビニルアルコールを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、o−フェナントロリンおよびシトレートを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、o−フェナントロリン、シトレート、およびグリセロールを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、o−フェナントロリン、シトレート、およびトレハロースを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、o−フェナントロリン、シトレート、およびデキストランを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、o−フェナントロリン、シトレート、およびポリビニルアルコールを含む。
【0076】
ある実施形態では、組成物がボレートおよびジメチルスルホキシドを含む。ある実施形態では、組成物は、ボレート、ジメチルスルホキシド、およびカタラーゼを含む。ある実施形態では、組成物は、ボレート、ジメチルスルホキシド、およびピルベートを含む。ある実施形態では、組成物は、ボレート、ジメチルスルホキシド、およびグルタチオンを含む。ある実施形態では、組成物は、ボレート、ジメチルスルホキシド、およびグルタチオンペルオキシダーゼを含む。ある実施形態では、組成物は、ボレートおよびヒスチジンを含む。ある実施形態では、組成物は、ボレート、ヒスチジン、およびカタラーゼを含む。ある実施形態では、組成物は、ボレート、ヒスチジン、およびピルベートを含む。ある実施形態では、組成物は、ボレート、ヒスチジン、およびグルタチオンを含む。ある実施形態では、組成物は、ボレート、ヒスチジン、およびグルタチオンペルオキシダーゼを含む。ある実施形態では、組成物は、ボレートおよびマンニトールを含む。ある実施形態では、組成物は、ボレート、マンニトール、およびカタラーゼを含む。ある実施形態では、組成物は、ボレート、マンニトール、およびピルベートを含む。ある実施形態では、組成物は、ボレート、マンニトール、およびグルタチオンを含む。ある実施形態では、組成物は、ボレート、マンニトール、およびグルタチオンペルオキシダーゼを含む。ある実施形態では、組成物は、ボレートおよびスクロースを含む。ある実施形態では、組成物は、ボレート、スクロース、およびカタラーゼを含む。ある実施形態では、組成物は、ボレート、スクロース、およびピルベートを含む。ある実施形態では、組成物は、ボレート、スクロース、およびグルタチオンを含む。ある実施形態では、組成物は、ボレート、スクロース、およびグルタチオンペルオキシダーゼを含む。ある実施形態では、組成物は、ボレートおよびグルコースを含む。ある実施形態では、組成物は、ボレート、グルコース、およびカタラーゼを含む。ある実施形態では、組成物は、ボレート、グルコース、およびピルベートを含む。ある実施形態では、組成物は、ボレート、グルコース、およびグルタチオンを含む。ある実施形態では、組成物は、ボレート、グルコース、およびグルタチオンペルオキシダーゼを含む。この段落の実施形態のそれぞれは、さらにRNase阻害剤(例えば、本明細書に記述または提示される任意のRNase阻害剤)、および/または生体分子(例えば、生体サンプルなど、生体分子を含む任意のサンプル)を含むことができる。
【0077】
ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EDTAを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EDTAおよびグリセロールを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EDTAおよびトレハロースを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EDTAおよびデキストランを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EDTAおよびポリビニルアルコールを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EGTAを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EGTAおよびグリセロールを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EGTAおよびトレハロースを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EGTAおよびデキストランを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EGTAおよびポリビニルアルコールを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、o−フェナントロリンを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、o−フェナントロリンおよびグリセロールを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、o−フェナントロリンおよびトレハロースを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、o−フェナントロリンおよびデキストランを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、o−フェナントロリンおよびポリビニルアルコールを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EDTAおよびシトレートを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EDTA、シトレート、およびグリセロールを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EDTA、シトレート、およびトレハロースを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EDTA、シトレート、およびデキストランを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EDTA、シトレート、およびポリビニルアルコールを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EGTAおよびシトレートを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EGTA、シトレート、およびグリセロールを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EGTA、シトレート、およびトレハロースを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EGTA、シトレート、およびデキストランを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EGTA、シトレート、およびポリビニルアルコールを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、o−フェナントロリンおよびシトレートを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、o−フェナントロリン、シトレート、およびグリセロールを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、o−フェナントロリン、シトレート、およびトレハロースを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、o−フェナントロリン、シトレート、およびデキストランを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、o−フェナントロリン、シトレート、およびポリビニルアルコールを含む。
【0078】
ある実施形態では、組成物は、リン酸またはその塩と、ジメチルスルホキシドを含む。ある実施形態では、組成物は、リン酸またはその塩と、ジメチルスルホキシド、およびカタラーゼを含む。ある実施形態では、組成物は、リン酸またはその塩と、ジメチルスルホキシド、およびピルベートを含む。ある実施形態では、組成物は、リン酸またはその塩と、ジメチルスルホキシド、およびグルタチオンを含む。ある実施形態では、組成物は、リン酸またはその塩と、ジメチルスルホキシド、およびグルタチオンペルオキシダーゼを含む。ある実施形態では、組成物は、リン酸またはその塩およびヒスチジンを含む。ある実施形態では、組成物は、リン酸またはその塩と、ヒスチジン、およびカタラーゼを含む。ある実施形態では、組成物は、リン酸またはその塩と、ヒスチジン、およびピルベートを含む。ある実施形態では、組成物は、リン酸またはその塩と、ヒスチジン、およびグルタチオンを含む。ある実施形態では、組成物は、リン酸またはその塩と、ヒスチジン、およびグルタチオンペルオキシダーゼを含む。ある実施形態では、組成物は、リン酸またはその塩およびマンニトールを含む。ある実施形態では、組成物は、リン酸またはその塩と、マンニトール、およびカタラーゼを含む。ある実施形態では、組成物は、リン酸またはその塩と、マンニトール、およびピルベートを含む。ある実施形態では、組成物は、リン酸またはその塩と、マンニトール、およびグルタチオンを含む。ある実施形態では、組成物は、リン酸またはその塩と、マンニトール、およびグルタチオンペルオキシダーゼを含む。ある実施形態では、組成物は、リン酸またはその塩およびスクロースを含む。ある実施形態では、組成物は、リン酸またはその塩と、スクロース、およびカタラーゼを含む。ある実施形態では、組成物は、リン酸またはその塩と、スクロース、およびピルベートを含む。ある実施形態では、組成物は、リン酸またはその塩と、スクロース、およびグルタチオンを含む。ある実施形態では、組成物は、リン酸またはその塩と、スクロース、およびグルタチオンペルオキシダーゼを含む。ある実施形態では、組成物は、リン酸またはその塩およびグルコースを含む。ある実施形態では、組成物は、リン酸またはその塩と、グルコース、およびカタラーゼを含む。ある実施形態では、組成物は、リン酸またはその塩と、グルコース、およびピルベートを含む。ある実施形態では、組成物は、リン酸またはその塩と、グルコース、およびグルタチオンを含む。ある実施形態では、組成物は、リン酸またはその塩と、グルコース、およびグルタチオンペルオキシダーゼを含む。この段落の実施形態のそれぞれは、1種または複数のRNase阻害剤(例えば、本明細書に記述または提示される任意のRNase阻害剤またはこれらの組合せ)、および/または生体分子(例えば、生体サンプルなど、生体分子を含む任意のサンプル)をさらに含むことができる。
【0079】
ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EDTAを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EDTAおよびグリセロールを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EDTAおよびトレハロースを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EDTAおよびデキストランを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EDTAおよびポリビニルアルコールを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EGTAを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EGTAおよびグリセロールを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EGTAおよびトレハロースを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EGTAおよびデキストランを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EGTAおよびポリビニルアルコールを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、o−フェナントロリンを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、o−フェナントロリンおよびグリセロールを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、o−フェナントロリンおよびトレハロースを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、o−フェナントロリンおよびデキストランを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、o−フェナントロリンおよびポリビニルアルコールを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EDTAおよびシトレートを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EDTA、シトレート、およびグリセロールを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EDTA、シトレート、およびトレハロースを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EDTA、シトレート、およびデキストランを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EDTA、シトレート、およびポリビニルアルコールを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EGTAおよびシトレートを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EGTA、シトレート、およびグリセロールを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EGTA、シトレート、およびトレハロースを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EGTA、シトレート、およびデキストランを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EGTA、シトレート、およびポリビニルアルコールを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、o−フェナントロリンおよびシトレートを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、o−フェナントロリン、シトレート、およびグリセロールを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、o−フェナントロリン、シトレート、およびトレハロースを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、o−フェナントロリン、シトレート、およびデキストランを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、o−フェナントロリン、シトレート、およびポリビニルアルコールを含む。
【0080】
ある実施形態では、組成物は、バナジウム酸塩およびジメチルスルホキシドを含む。ある実施形態では、組成物は、バナジウム酸塩、ジメチルスルホキシド、およびカタラーゼを含む。ある実施形態では、組成物は、バナジウム酸塩、ジメチルスルホキシド、およびピルベートを含む。ある実施形態では、組成物は、バナジウム酸塩、ジメチルスルホキシド、およびグルタチオンを含む。ある実施形態では、組成物は、バナジウム酸塩、ジメチルスルホキシド、およびグルタチオンペルオキシダーゼを含む。ある実施形態では、組成物は、バナジウム酸塩、およびヒスチジンを含む。ある実施形態では、組成物は、バナジウム酸塩、ヒスチジン、およびカタラーゼを含む。ある実施形態では、組成物は、バナジウム酸塩、ヒスチジン、およびピルベートを含む。ある実施形態では、組成物は、バナジウム酸塩、ヒスチジン、およびグルタチオンを含む。ある実施形態では、組成物は、バナジウム酸塩、ヒスチジン、およびグルタチオンペルオキシダーゼを含む。ある実施形態では、組成物は、バナジウム酸塩、およびマンニトールを含む。ある実施形態では、組成物は、バナジウム酸塩、マンニトール、およびカタラーゼを含む。ある実施形態では、組成物は、バナジウム酸塩、マンニトール、およびピルベートを含む。ある実施形態では、組成物は、バナジウム酸塩、マンニトール、およびグルタチオンを含む。ある実施形態では、組成物は、バナジウム酸塩、マンニトール、およびグルタチオンペルオキシダーゼを含む。ある実施形態では、組成物は、バナジウム酸塩およびスクロースを含む。ある実施形態では、組成物は、バナジウム酸塩、スクロース、およびカタラーゼを含む。ある実施形態では、組成物は、バナジウム酸塩、スクロース、およびピルベートを含む。ある実施形態では、組成物は、バナジウム酸塩、スクロース、およびグルタチオンを含む。ある実施形態では、組成物は、バナジウム酸塩、スクロース、およびグルタチオンペルオキシダーゼを含む。ある実施形態では、組成物は、バナジウム酸塩、およびグルコースを含む。ある実施形態では、組成物は、バナジウム酸塩、グルコース、およびカタラーゼを含む。ある実施形態では、組成物は、バナジウム酸塩、グルコース、およびピルベートを含む。ある実施形態では、組成物は、バナジウム酸塩、グルコース、およびグルタチオンを含む。ある実施形態では、組成物は、バナジウム酸塩、グルコース、およびグルタチオンペルオキシダーゼを含む。この段落の実施形態のそれぞれは、1種または複数のRNase阻害剤(例えば、本明細書に記述または提示される任意のRNase阻害剤またはこれらの組合せ)、および/または生体分子(例えば、生体サンプルなど、生体分子を含む任意のサンプル)をさらに含むことができる。
【0081】
ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EDTAを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EDTAおよびグリセロールを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EDTAおよびトレハロースを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EDTAおよびデキストランを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EDTAおよびポリビニルアルコールを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EGTAを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EGTAおよびグリセロールを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EGTAおよびトレハロースを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EGTAおよびデキストランを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EGTAおよびポリビニルアルコールを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、o−フェナントロリンを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、o−フェナントロリンおよびグリセロールを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、o−フェナントロリンおよびトレハロースを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、o−フェナントロリンおよびデキストランを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、o−フェナントロリンおよびポリビニルアルコールを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EDTAおよびシトレートを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EDTA、シトレート、およびグリセロールを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EDTA、シトレート、およびトレハロースを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EDTA、シトレート、およびデキストランを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EDTA、シトレート、およびポリビニルアルコールを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EGTAおよびシトレートを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EGTA、シトレート、およびグリセロールを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EGTA、シトレート、およびトレハロースを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EGTA、シトレート、およびデキストランを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EGTA、シトレート、およびポリビニルアルコールを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、o−フェナントロリンおよびシトレートを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、o−フェナントロリン、シトレート、およびグリセロールを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、o−フェナントロリン、シトレート、およびトレハロースを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、o−フェナントロリン、シトレート、およびデキストランを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、o−フェナントロリン、シトレート、およびポリビニルアルコールを含む。
【0082】
ある実施形態では、組成物は、ミョウバン(例えば、カリウムミョウバン、ソーダミョウバン、またはアンモニウムミョウバン)と、ジメチルスルホキシドを含む。ある実施形態では、組成物は、ミョウバン、ジメチルスルホキシド、およびカタラーゼを含む。ある実施形態では、組成物は、ミョウバン、ジメチルスルホキシド、およびピルベートを含む。ある実施形態では、組成物は、ミョウバン、ジメチルスルホキシド、およびグルタチオンを含む。ある実施形態では、組成物は、ミョウバン、ジメチルスルホキシド、およびグルタチオンペルオキシダーゼを含む。ある実施形態では、組成物は、ミョウバン(例えば、カリウムミョウバン、ソーダミョウバン、またはアンモニウムミョウバン)と、ヒスチジンを含む。ある実施形態では、組成物は、ミョウバン、ヒスチジン、およびカタラーゼを含む。ある実施形態では、組成物は、ミョウバン、ヒスチジン、およびピルベートを含む。ある実施形態では、組成物は、ミョウバン、ヒスチジン、およびグルタチオンを含む。ある実施形態では、組成物は、ミョウバン、ヒスチジン、およびグルタチオンペルオキシダーゼを含む。ある実施形態では、組成物は、ミョウバン(例えば、カリウムミョウバン、ソーダミョウバン、またはアンモニウムミョウバン)と、マンニトールを含む。ある実施形態では、組成物は、ミョウバン、マンニトール、およびカタラーゼを含む。ある実施形態では、組成物は、ミョウバン、マンニトール、およびピルベートを含む。ある実施形態では、組成物は、ミョウバン、マンニトール、およびグルタチオンを含む。ある実施形態では、組成物は、ミョウバン、マンニトール、およびグルタチオンペルオキシダーゼを含む。ある実施形態では、組成物は、ミョウバン(例えば、カリウムミョウバン、ソーダミョウバン、またはアンモニウムミョウバン)と、スクロースを含む。ある実施形態では、組成物は、ミョウバン、スクロース、およびカタラーゼを含む。ある実施形態では、組成物は、ミョウバン、スクロース、およびピルベートを含む。ある実施形態では、組成物は、ミョウバン、スクロース、およびグルタチオンを含む。ある実施形態では、組成物は、ミョウバン、スクロース、およびグルタチオンペルオキシダーゼを含む。ある実施形態では、組成物は、ミョウバン(例えば、カリウムミョウバン、ソーダミョウバン、またはアンモニウムミョウバン)と、グルコースを含む。ある実施形態では、組成物は、ミョウバン、グルコース、およびカタラーゼを含む。ある実施形態では、組成物は、ミョウバン、グルコース、およびピルベートを含む。ある実施形態では、組成物は、ミョウバン、グルコース、およびグルタチオンを含む。ある実施形態では、組成物は、ミョウバン、グルコース、およびグルタチオンペルオキシダーゼを含む。この段落の実施形態のそれぞれは、1種または複数のRNase阻害剤(例えば、本明細書に記述または提示される任意のRNase阻害剤またはこれらの組合せ)、および/または生体分子(例えば、生体サンプルなど、生体分子を含む任意のサンプル)をさらに含むことができる。
【0083】
ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EDTAを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EDTAおよびグリセロールを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EDTAおよびトレハロースを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EDTAおよびデキストランを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EDTAおよびポリビニルアルコールを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EGTAを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EGTAおよびグリセロールを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EGTAおよびトレハロースを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EGTAおよびデキストランを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EGTAおよびポリビニルアルコールを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、o−フェナントロリンを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、o−フェナントロリンおよびグリセロールを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、o−フェナントロリンおよびトレハロースを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、o−フェナントロリンおよびデキストランを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、o−フェナントロリンおよびポリビニルアルコールを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EDTAおよびシトレートを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EDTA、シトレート、およびグリセロールを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EDTA、シトレート、およびトレハロースを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EDTA、シトレート、およびデキストランを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EDTA、シトレート、およびポリビニルアルコールを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EGTAおよびシトレートを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EGTA、シトレート、およびグリセロールを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EGTA、シトレート、およびトレハロースを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EGTA、シトレート、およびデキストランを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、EGTA、シトレート、およびポリビニルアルコールを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、o−フェナントロリンおよびシトレートを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、o−フェナントロリン、シトレート、およびグリセロールを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、o−フェナントロリン、シトレート、およびトレハロースを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、o−フェナントロリン、シトレート、およびデキストランを含む。ある実施形態では、直前の段落の組成物はさらに、o−フェナントロリン、シトレート、およびポリビニルアルコールを含む。
【0084】
ある実施形態では、前述の組成物の無機化合物(例えば、ホウ酸、ボレート、リン酸またはその塩、バナジウム酸塩、ミョウバン)は、水性媒体中にあり(例えば、サンプルと混合する前または混合した後)、約5mMから約500mM、約5.5mMから約400mM、約6mMから約300mM、約6.5mMから約250mM、約7mMから約200mM、約7.5mMから約150mM、約8mMから約140mM、約8.5mMから約130mM、約9mMから約120mM、約9.5mMから約110mM、約10mMから約100mM、約10.1mMから約90mM、約10.2mMから約80mM、約10.3mMから約70mM、約10.4mMから約60mM、約10.5mMから約50mM、約10.6mMから約40mM、約10.7mMから約30mM、約10.8mMから約25mM、約10.9mMから約20mM、約11mMから約15mM、または約12.5mMの濃度を有する。ある実施形態では、前述の組成物の安定化剤(例えば、ジメチルスルホキシド、ヒスチジン、マンニトール、カタラーゼ、ピルベート、グルタチオン、およびグルタチオンペルオキシダーゼ)は、水性媒体中にあり(例えば、サンプルと混合する前または混合した後)、約1.0mMから約250mM、約1.5mMから約200mM、約2.0mMから約150mM、約2.5mMから約100mM、約3.0mMから約75mM、約3.5mMから約50mM、約4.0mMから約40mM、約4.5mMから約30mM、約5.0mMから約20mM、約5.5mMから約10mM、約6.0mMから約7.5mM、または約6.25mMの濃度を有する。
【0085】
ある実施形態では、前述の組成物の金属キレート剤(例えば、EDTA、EGTA)は、水性媒体中にあり(例えば、サンプルと混合する前または混合した後)、約0.01mMから約50mM、約0.02mMから約45mM、約0.03mMから約40mM、約0.04mMから約35mM、約0.05mMから約30mM、約0.06mMから約25mM、約0.07mMから約20mM、約0.08から約15mM、約0.09mMから約10mM、約0.1mMから約5mM、または約0.1mMの濃度を有する。ある実施形態では、前述の組成物の金属キレート剤(例えば、シトレート)は、水性媒体中にあり(例えば、サンプルと混合する前または混合した後)、約0.01mMから約200mM、約0.02mMから約180mM、約0.03mMから約160mM、約0.04mMから約140mM、約0.05mMから約120mM、約0.06mMから約100mM、約0.07mMから約80mM、約0.08から60mM、約0.09mMから約40mM、約0.1mMから約20mM、約0.1mMから約15mM、約0.1mMから約10mM、約0.2mMから約9mM、約0.3mMから約8mM、約0.4mMから約7mM、約0.5mMから約6mM、約0.6mMから約5mM、約0.7mMから約4mM、約0.8mMから約3mM、約0.9mMから約2mM、約1.0mMから約1.5mM、または約1.25mMの濃度を有する。ある実施形態では、前述の組成物の可塑剤(例えば、グリセロール、トレハロース、デキストラン、およびポリビニルアルコール)は、水性媒体中にあり(例えば、サンプルと混合する前または混合した後)、約0.01%から約8.0%、約0.02%から約5.0%、約0.03%から約2.0%、約0.04%から約1.5%、約0.05%から約1%、または約0.06%から約0.5%の濃度を有する。
【0086】
別の態様では、本発明は、安定化剤を含む組成物を提供する。安定化剤は、本明細書に開示または提示される任意の安定化剤(例えば、一重項酸素クエンチャー、ヒドロキシルラジカルスカベンジャー、ヒドロペルオキシド除去剤、還元剤、金属キレート剤、洗浄剤、カオトロープ、またはこれらの任意の組合せ)にすることができる。ある実施形態では、安定化剤は、一重項酸素クエンチャーである。一重項酸素クエンチャーは、本明細書に開示または提示される任意の一重項酸素クエンチャーにすることができる。他の実施形態では、安定化剤は、ヒドロキシルラジカルスカベンジャーである。ヒドロキシルラジカルスカベンジャーは、本明細書に記述または提示される任意のヒドロキシルラジカルスカベンジャーにすることができる。さらに他の実施形態では、安定化剤は、ヒドロペルオキシド除去剤にすることができる。ヒドロペルオキシド除去剤は、本明細書に記述または提示される任意のヒドロペルオキシド除去剤にすることができる。
【0087】
ある実施形態では、組成物は、無機塩、可塑剤、またはこれらの組合せをさらに含む。無機塩は、本明細書に開示または提示される任意の無機塩にすることができる。したがって、ある実施形態では、組成物は、安定化剤および無機塩を含む。ある実施形態では、無機塩は、元素の周期表の第1族(例えば、第1A族)からの元素を含む。ある実施形態では、無機塩が塩化ナトリウムである。他の実施形態では、無機塩が塩化カリウムである。ある実施形態では、安定化剤(例えば、一重項酸素クエンチャー、ヒドロキシルラジカルスカベンジャー、ヒドロペルオキシド除去剤)と無機塩の比は、約20:1から約1:20、約15:1から約1:15、約10:1から約1:10、約7:1から約1:7、約5:1から約1:5、約4:1から約1:4、約3:1から約1:3、約2:1から約1:2、または約1:1である。
【0088】
ある実施形態では、組成物は、安定化剤および可塑剤を含む。可塑剤は、本明細書に記述または提示される任意の可塑剤(例えば、単糖類、二糖類、複合糖類、長鎖多価アルコール、または短鎖多価アルコール)にすることができる。ある実施形態では、可塑剤は、直鎖状または分枝状の短鎖多価アルコール(例えば、グリセロール)である。ある実施形態では、可塑剤がグリセロールである。ある実施形態では、可塑剤が単糖類(例えば、グルコース)である。他の実施形態では、可塑剤が二糖類(例えば、スクロース、トレハロース、またはマンノース)である。他の実施形態では、可塑剤は、複合糖類(例えば、フィコールまたはデキストラン(例えば、10kD未満のMWを有する短鎖デキストラン))である。ある実施形態では、安定化剤と可塑剤の比は、約20:1から約1:20、約15:1から約1:15、約10:1から約1:10、約7:1から約1:7、約5:1から約1:5、約4:1から約1:4、約3:1から約1:3、約2:1から約1:2である。
【0089】
ある実施形態では、組成物が、1種または複数のRNase阻害剤をさらに含む。したがって、ある実施形態では、組成物は、安定化剤、無機塩または可塑剤(またはこれらの組合せ)、および1種または複数のRNase阻害剤を含む。RNase阻害剤は、本明細書に開示または提示される任意のRNase阻害剤にすることができる。
【0090】
ある実施形態では、組成物は、生体分子をさらに含む。生体分子は、本明細書に記述または提示される任意の生体分子にすることができる。ある実施形態では、組成物中の安定化剤(例えば、一重項酸素クエンチャー、ヒドロキシルラジカルスカベンジャー、ヒドロペルオキシド除去剤)と生体分子の比は、約20000:1から約2:1、約10000:1から約1000:1、約1000:1から約100:1、約100:1から約10:1、または約10:1から約1:1である。他の実施形態では、組成物中の安定化剤(例えば、一重項酸素クエンチャー、ヒドロキシルラジカルスカベンジャー、ヒドロペルオキシド除去剤)と生体分子の比は、約5000:1から約50:1、約1000:1から約10:1、約500:1から約5:1、約100:1から約2:1、約50:1から約1:2である。さらに他の実施形態では、無機化合物と生体分子の比は、重量で約50:1、約40:1、約30:1、約20:1、約10:1、または約1:1である。
【0091】
ある実施形態では、組成物は、一重項酸素クエンチャー(例えば、アルキルイミダゾール)を、無機塩、可塑剤、またはこれらの組合せと併せて含む。無機塩および可塑剤は、本明細書に開示または提示される任意の無機塩および可塑剤にすることができる。ある実施形態では、組成物は、追加の安定化剤をさらに含む。例えば、ある実施形態では、追加の安定化剤は、第2の一重項酸素クエンチャー(例えば、インドールまたは硫黄含有アミノ酸)である。他の実施形態では、追加の安定化剤は、一重項酸素クエンチャー(例えば、ヒドロキシルラジカルスカベンジャー、ヒドロペルオキシド除去剤、金属キレート剤、またはこれらの任意の組合せ)以外の安定化剤である。追加の安定化剤は、本明細書に開示される任意の安定化剤にすることができる。ある実施形態では、組成物は、1種または複数のRNase阻害剤、生体分子、またはこれらの組合せをさらに含む。RNase阻害剤および生体分子は、本明細書に開示されるRNase阻害剤および生体分子にすることができる。
【0092】
ある実施形態では、組成物は、ヒドロキシルラジカルスカベンジャーを、無機塩、可塑剤、またはこれらの組合せと併せて含む。無機塩および可塑剤は、本明細書に開示または提示される任意の無機塩および可塑剤にすることができる。ある実施形態では、組成物は、追加の安定化剤をさらに含む。例えば、ある実施形態では、追加の安定化剤が第2のヒドロキシルラジカルスカベンジャーである。他の実施形態では、追加の安定化剤は、ヒドロキシルラジカルスカベンジャー(例えば、一重項酸素クエンチャー、ヒドロペルオキシド除去剤、金属キレート剤、またはこれらの任意の組合せ)以外の安定化剤である。追加の安定化剤は、本明細書に開示される任意の安定化剤にすることができる。ある実施形態では、組成物は、1種または複数のRNase阻害剤、生体分子、またはこれらの組合せをさらに含む。RNase阻害剤および生体分子は、本明細書に開示される任意のRNase阻害剤および生体分子である。
【0093】
ある実施形態では、組成物は、ヒドロキシペルオキシド除去剤を、無機塩、可塑剤、またはこれらの組合せと併せて含む。無機塩および可塑剤は、本明細書に開示または提示される任意の無機塩および可塑剤にすることができる。ある実施形態では、組成物は、追加の安定化剤をさらに含む。例えば、ある実施形態では、追加の安定化剤は、第2のヒドロペルオキシド除去剤である。他の実施形態では、追加の安定化剤は、ヒドロペルオキシド除去剤(例えば、一重項酸素クエンチャー、ヒドロキシルラジカルスカベンジャー、金属キレート剤、またはこれらの任意の組合せ)以外の安定化剤である。追加の安定化剤は、本明細書に開示される任意の安定化剤にすることができる。ある実施形態では、組成物は、1種または複数のRNase阻害剤、生体分子、またはこれらの組合せをさらに含む。RNase阻害剤および生体分子は、本明細書に開示される任意のRNase阻害剤および生体分子にすることができる。
【0094】
ある実施形態では、組成物は、ヒスチジンと、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤とを含む。ある実施形態では、組成物は、ヒスチジン、塩化ナトリウムと、任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤とを含む。ある実施形態では、組成物は、ヒスチジン、塩化カリウムと、任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤とを含む。この段落の実施形態のそれぞれは、1種または複数の金属キレート剤(例えば、EDTA、EGTA、o−フェナントロリン、および/またはシトレート)、1種または複数のRNase阻害剤(例えば、本明細書に記述または提示される任意のRNase阻害剤またはこれらの組合せ)、生体分子(例えば、生体サンプルなど、生体分子を含む任意のサンプル)、またはこれらの任意の組合せをさらに含むことができる。
【0095】
ある実施形態では、組成物は、トリプトファンと、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤とを含む。ある実施形態では、組成物は、トリプトファン、塩化ナトリウム、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、トリプトファン、塩化カリウム、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。この段落の実施形態のそれぞれは、1種または複数の金属キレート剤(例えば、EDTA、EGTA、o−フェナントロリン、および/またはシトレート)、1種または複数のRNase阻害剤(例えば、本明細書に記述または提示される任意のRNase阻害剤またはこれらの組合せ)、生体分子(例えば、生体サンプルなど、生体分子を含む任意のサンプル)、またはこれらの任意の組合せをさらに含むことができる。
【0096】
ある実施形態では、組成物は、メチオニンと、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤とを含む。ある実施形態では、組成物は、メチオニン、塩化ナトリウム、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、メチオニン、塩化カリウム、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。この段落の実施形態のそれぞれは、1種または複数の金属キレート剤(例えば、EDTA、EGTA、o−フェナントロリン、および/またはシトレート)、1種または複数のRNase阻害剤(例えば、本明細書に記述または提示される任意のRNase阻害剤またはこれらの組合せ)、生体分子(例えば、生体サンプルなど、生体分子を含む任意のサンプル)、またはこれらの任意の組合せをさらに含むことができる。
【0097】
ある実施形態では、組成物は、チロシンと、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤とを含む。ある実施形態では、組成物は、チロシン、塩化ナトリウム、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、チロシン、塩化カリウム、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。この段落の実施形態のそれぞれは、1種または複数の金属キレート剤(例えば、EDTA、EGTA、o−フェナントロリン、および/またはシトレート)、1種または複数のRNase阻害剤(例えば、本明細書に記述または提示される任意のRNase阻害剤またはこれらの組合せ)、生体分子(例えば、生体サンプルなど、生体分子を含む任意のサンプル)、またはこれらの任意の組合せをさらに含むことができる。
【0098】
ある実施形態では、組成物は、アスコルベートと、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤とを含む。ある実施形態では、組成物は、アスコルベート、塩化ナトリウム、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、アスコルベート、塩化カリウム、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。この段落の実施形態のそれぞれは、1種または複数の金属キレート剤(例えば、EDTA、EGTA、o−フェナントロリン、および/またはシトレート)、1種または複数のRNase阻害剤(例えば、本明細書に記述または提示される任意のRNase阻害剤またはこれらの組合せ)、生体分子(例えば、生体サンプルなど、生体分子を含む任意のサンプル)、またはこれらの任意の組合せをさらに含むことができる。
【0099】
ある実施形態では、組成物は、アジドと、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤とを含む。ある実施形態では、組成物は、アジド、塩化ナトリウム、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、アジド、塩化カリウム、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。この段落の実施形態のそれぞれは、1種または複数の金属キレート剤(例えば、EDTA、EGTA、o−フェナントロリン、および/またはシトレート)、1種または複数のRNase阻害剤(例えば、本明細書に記述または提示される任意のRNase阻害剤またはこれらの組合せ)、生体分子(例えば、生体サンプルなど、生体分子を含む任意のサンプル)、またはこれらの任意の組合せをさらに含むことができる。
【0100】
ある実施形態では、組成物は、トコフェロールと、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤とを含む。ある実施形態では、組成物は、トコフェロール、塩化ナトリウム、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、トコフェロール、塩化カリウム、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。この段落の実施形態のそれぞれは、1種または複数の金属キレート剤(例えば、EDTA、EGTA、o−フェナントロリン、および/またはシトレート)、1種または複数のRNase阻害剤(例えば、本明細書に記述または提示される任意のRNase阻害剤またはこれらの組合せ)、生体分子(例えば、生体サンプルなど、生体分子を含む任意のサンプル)、またはこれらの任意の組合せをさらに含むことができる。
【0101】
ある実施形態では、組成物は、カロチンと、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤とを含む。ある実施形態では、組成物は、カロチン、塩化ナトリウム、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、カロチン、塩化カリウム、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。この段落の実施形態のそれぞれは、1種または複数の金属キレート剤(例えば、EDTA、EGTA、o−フェナントロリン、および/またはシトレート)、1種または複数のRNase阻害剤(例えば、本明細書に記述または提示される任意のRNase阻害剤またはこれらの組合せ)、生体分子(例えば、生体サンプルなど、生体分子を含む任意のサンプル)、またはこれらの任意の組合せをさらに含むことができる。
【0102】
ある実施形態では、組成物は、DMSOと、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤とを含む。ある実施形態では、組成物は、DMSO、塩化ナトリウム、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、DMSO、塩化カリウム、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。この段落の実施形態のそれぞれは、1種または複数の金属キレート剤(例えば、EDTA、EGTA、o−フェナントロリン、および/またはシトレート)、1種または複数のRNase阻害剤(例えば、本明細書に記述または提示される任意のRNase阻害剤またはこれらの組合せ)、生体分子(例えば、生体サンプルなど、生体分子を含む任意のサンプル)、またはこれらの任意の組合せをさらに含むことができる。
【0103】
ある実施形態では、組成物は、マンニトールと、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤とを含む。ある実施形態では、組成物は、マンニトール、塩化ナトリウム、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、マンニトール、塩化カリウム、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。この段落の実施形態のそれぞれは、1種または複数の金属キレート剤(例えば、EDTA、EGTA、o−フェナントロリン、および/またはシトレート)、1種または複数のRNase阻害剤(例えば、本明細書に記述または提示される任意のRNase阻害剤またはこれらの組合せ)、生体分子(例えば、生体サンプルなど、生体分子を含む任意のサンプル)、またはこれらの任意の組合せをさらに含むことができる。
【0104】
ある実施形態では、組成物は、カタラーゼと、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤とを含む。ある実施形態では、組成物は、カタラーゼ、塩化ナトリウム、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、カタラーゼ、塩化カリウム、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。この段落の実施形態のそれぞれは、1種または複数の金属キレート剤(例えば、EDTA、EGTA、o−フェナントロリン、および/またはシトレート)、1種または複数のRNase阻害剤(例えば、本明細書に記述または提示される任意のRNase阻害剤またはこれらの組合せ)、生体分子(例えば、生体サンプルなど、生体分子を含む任意のサンプル)、またはこれらの任意の組合せをさらに含むことができる。
【0105】
ある実施形態では、組成物は、ピルベートと、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤とを含む。ある実施形態では、組成物は、ピルベート、塩化ナトリウム、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、ピルベート、塩化カリウム、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。この段落の実施形態のそれぞれは、1種または複数の金属キレート剤(例えば、EDTA、EGTA、o−フェナントロリン、および/またはシトレート)、1種または複数のRNase阻害剤(例えば、本明細書に記述または提示される任意のRNase阻害剤またはこれらの組合せ)、生体分子(例えば、生体サンプルなど、生体分子を含む任意のサンプル)、またはこれらの任意の組合せをさらに含むことができる。
【0106】
ある実施形態では、組成物は、グルタチオンと、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤とを含む。ある実施形態では、組成物は、グルタチオン、塩化ナトリウム、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。ある実施形態では、組成物は、グルタチオン、塩化カリウム、および任意選択で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、エリトリトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マンノース、デキストラン、ポリビニルアルコール、およびポリセリンからなる群より選択される可塑剤を含む。この段落の実施形態のそれぞれは、1種または複数の金属キレート剤(例えば、EDTA、EGTA、o−フェナントロリン、および/またはシトレート)、1種または複数のRNase阻害剤(例えば、本明細書に記述または提示される任意のRNase阻害剤またはこれらの組合せ)、生体分子(例えば、生体サンプルなど、生体分子を含む任意のサンプル)、またはこれらの任意の組合せをさらに含むことができる。
【0107】
ある実施形態では、安定化剤(例えば、一重項酸素クエンチャー、ヒドロキシルラジカルスカベンジャー、ヒドロペルオキシド除去剤)が、組成物の主成分である。ある実施形態では、安定化剤は、組成物の少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、またはそれ以上を構成する。他の実施形態では、安定化剤(例えば、一重項酸素クエンチャー、ヒドロキシルラジカルスカベンジャー、ヒドロペルオキシド除去剤)は、組成物の主要な水以外の成分である。ある実施形態では、安定化剤は、組成物の水以外の成分の少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、またはそれ以上を構成する。
【0108】
ある実施形態では、安定化剤(例えば、一重項酸素クエンチャー、ヒドロキシルラジカルスカベンジャー、ヒドロペルオキシド除去剤)は、本発明の水性媒体の一部であり(例えば、サンプルと混合する前または混合した後)、約0.05mg/mlから約100.0mg/ml、約0.1mg/mlから約75.0mg/ml、約0.2mg/mlから約50.0mg/ml、約0.3mg/mlから約25.0mg/ml、約0.4mg/mlから約15.0mg/ml、または約0.5mg/mlから約10.0mg/mlの濃度で存在する。ある実施形態では、安定化剤(例えば、一重項酸素クエンチャー、ヒドロキシルラジカルスカベンジャー、ヒドロペルオキシド除去剤)は、本発明の水性媒体の一部であり(例えば、サンプルと混合する前または混合した後)、約1.0mMから約500mM、約2.0mMから約400mM、約3.0mMから約300mM、約4.0mMから約200mM、約5.0mMから約100mM、約6.0mMから約95mM、約7.0mMから約90mM、約8.0mMから約85mM、約9.0mMから約80mM、約10mMから約75mM、約11mMから約70mM、約12mMから約65mM、約13mMから約60mM、約14mMから約55mM、約15mMから約50mM、約20mMから約40mM、または約30mMの濃度で存在する。ある実施形態では、安定化剤(例えば、一重項酸素クエンチャー、ヒドロキシルラジカルスカベンジャー、ヒドロペルオキシド除去剤)は、本発明の水性媒体の一部であり(例えば、サンプルと混合する前または混合した後)、約1.0mMから約50mM、約2.0mMから約40mM、約3.0mMから約30mM、約4.0mMから約20mM、約5.0mMから約10mM、または約6.25mMの濃度で存在する。
【0109】
ある実施形態では、無機塩(例えば、塩化ナトリウムまたは塩化カリウム)は、本発明の水性媒体の一部であり(例えば、サンプルと混合する前または混合した後)、約0.05mg/mlから約100.0mg/ml、約0.1mg/mlから約75.0mg/ml、約0.2mg/mlから約50.0mg/ml、約0.3mg/mlから約25.0mg/ml、約0.4mg/mlから約15.0mg/ml、または約0.5mg/mlから約10.0mg/mlの濃度で存在する。ある実施形態では、無機塩(例えば、塩化ナトリウムまたは塩化カリウム)は、本発明の水性媒体の一部であり(例えば、サンプルと混合する前または混合した後)、約1.0mMから約500mM、約2.0mMから約450mM、約3.0mMから約400mM、約4.0mMから約350mM、約5.0mMから約300mM、約6.0mMから約250mM、約7.0mMから約200mM、約8.0mMから約150mM、約9.0mMから約125mM、約10mMから約100mM、約11mMから約90mM、約12mMから約80mM、約13mMから約70mM、約14mMから約60mM、約15mMから約50mM、約20mMから約40mM、または約30mMの濃度で存在する。ある実施形態では、無機塩(例えば、塩化ナトリウムまたは塩化カリウム)は、本発明の水性媒体の一部であり(例えば、サンプルと混合する前または混合した後)、約1.0mMから約50mM、約2.0mMから約40mM、約3.0mMから約30mM、約4.0mMから約20mM、約5.0mMから約10mM、または約6.25mMの濃度で存在する。
【0110】
ある実施形態では、可塑剤は、組成物の主成分である。ある実施形態では、可塑剤は、組成物の少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、またはそれ以上を構成する。他の実施形態では、可塑剤は、組成物の主要な水以外の成分である。ある実施形態では、可塑剤は、組成物の水以外の成分の少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、またはそれ以上を構成する。
【0111】
ある実施形態では、前述の組成物の可塑剤(例えば、グリセロール、トレハロース、デキストラン、およびポリビニルアルコール)は、水性媒体中にあり(例えば、サンプルと混合する前または混合した後)、約0.01%から約8.0%、約0.02%から約5.0%、約0.03%から約2.0%、約0.04%から約1.5%、約0.05%から約1%、または約0.06%から約0.5%の濃度を有する。
【0112】
別の態様では、本発明は、無機化合物、一重項酸素クエンチャー、ヒドロキシルラジカルスカベンジャー、ヒドロペルオキシド除去剤、還元剤、金属キレート剤、洗浄剤、および可塑剤からなるリストから選択される少なくとも3種の成分を含む組成物を提供する。無機化合物、一重項酸素クエンチャー、ヒドロキシルラジカルスカベンジャー、ヒドロペルオキシド除去剤、還元剤、金属キレート剤、洗浄剤、および可塑剤は、本明細書に記述または提示される任意の無機化合物、一重項酸素クエンチャー、ヒドロキシルラジカルスカベンジャー、ヒドロペルオキシド除去剤、還元剤、金属キレート剤、洗浄剤、および可塑剤にすることができる。ある実施形態では、組成物は、無機化合物、一重項酸素クエンチャー、ヒドロキシルラジカルスカベンジャー、ヒドロペルオキシド除去剤(hydroperoxide removing agent)、および金属キレート剤(metal chelator)からなるリストから選択される少なくとも3種の成分を含む。
【0113】
ある実施形態では、組成物は、無機化合物、ヒドロキシルラジカルスカベンジャー、およびヒドロペルオキシド除去剤を含む。他の実施形態では、組成物は、無機化合物、一重項酸素クエンチャー、およびヒドロキシルラジカルスカベンジャーを含む。他の実施形態では、組成物は、無機化合物、一重項酸素クエンチャー、およびヒドロペルオキシド除去剤を含む。他の実施形態では、組成物は、一重項酸素クエンチャー、ヒドロキシルラジカルスカベンジャー、およびヒドロペルオキシド除去剤を含む。ある関連ある実施形態では、組成物は、金属キレート剤、可塑剤、1種または複数のRNase阻害剤、またはこれらの任意の組合せをさらに含む。
【0114】
ある実施形態では、組成物は、生体分子をさらに含む(例えば、生体分子を含む、生体サンプルなどのサンプル)。
【0115】
本発明の組成物は、生体分子の貯蔵に適した任意の形で提供することができる。一実施形態では、本発明の組成物は、固体状態のマトリックスとして提供される。本発明で使用される「固体状態」は、マトリックスが、水中でのマトリックスの懸濁、再水和、または可溶化によって溶解液体形態に変換することができる固体または乾燥形態で提供されることを意味する。ある実施形態では、固体状態のマトリックスは、空気乾燥によって(例えば、ケミカルフュームフードで)得られる。他の実施形態では、固体状態貯蔵マトリックスは、真空乾燥(例えば、真空遠心分離)によって得られる。ある実施形態では、固体状態のマトリックスは、結晶質または準結晶質構造を有する。ある実施形態では、固体状態のマトリックスは、ガラス構造を持たない。ある実施形態では、固体状態のマトリックスは、大気中の相対湿度と平衡になされており、重量で70%、60%、55%、50%、48%、46%、44%、42%、40%、38%、36%、35%、34%、33%、32%、31%、30%、またはそれ以下の含水率を有する。
【0116】
他の実施形態では、本発明の組成物は、水性媒体として提供される。本明細書で使用される「水性」は、水が主要な溶媒である溶液を指す。水性媒体は、サンプルと混合される前に組成物が有する形にすることができる。あるいは、水性媒体は、乾燥状態のマトリックスと液体サンプルとを混合した結果にすることができる。好ましい実施形態では、本発明の水性媒体は、本発明の固体状態のマトリックスが得られるように乾燥することができる(例えば、空気または真空乾燥によって)。ある実施形態では、水性媒体は、乾燥によって、結晶質または準結晶質構造を有する固体状態マトリックスを形成する。ある実施形態では、水性媒体は、乾燥によって、ガラス構造を形成しない。他の実施形態では、本発明の固体状態のマトリックスは、水または液体生体サンプル(例えば、体液、組織ホモジネート、細胞溶解物、生体分子の精製されまたは合成されたサンプル)中に可溶化することができ、希釈することができ、またはその他の方法で溶解して、本発明の水性媒体を生成することができる。
【0117】
ある実施形態では、本発明の組成物は、Tris塩基、EDTA、EGTA、またはこれらの組合せを含まない。
【0118】
ある実施形態では、組成物は、マグネシウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、または鉛を実質的に含まない。この文脈において、「実質的に含まない」という用語は、組成が、0.5重量%未満のマグネシウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、または鉛であることを意味し、このパーセンテージは、(1)組成物中のマグネシウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、または鉛の重量を、(2)組成物中の水以外の化合物のすべての重量で割り、その結果に100を掛けることによって決定されるものである。好ましい実施形態では、組成物は、0.1%未満、0.05%、0.01%、0.005%、またはそれ以下のマグネシウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、または鉛を含有する。
【0119】
ある実施形態では、組成物は、ポリビニルアルコール、デキストラン、硫酸デキストラン、およびセルロースなどの、1種または複数の水溶性有機ポリマーを実質的に含まない。この文脈において、「実質的に含まない」という用語は、組成が、0.5重量%未満の特定の水溶性有機ポリマーであることを意味し、このパーセンテージは、(1)組成物中の水溶性有機ポリマーの重量を、(2)組成物中の水以外の化合物のすべての重量で割り、その結果に100を掛けることによって決定されるものである。ある実施形態では、組成物は、特定の水溶性有機ポリマーを0.1%、0.05%、0.01%、0.005%未満含有する。
【0120】
ある実施形態では、組成物は、組成物中に貯蔵されておりかつ/または組成物によって安定化されている生体分子を分析するのに使用してもよい、1種または複数の下流の方法に対して不活性である。この文脈において、本明細書で使用される「不活性な」という用語は、サンプル中に組成物が存在することによって、方法の速度が50%を超えて低下せず、方法の忠実度が著しく低下することを意味する。ある実施形態では、組成物は、核酸転写および/または増幅(例えば、逆転写、PCR、リアルタイムPCRなど)、エンドヌクレアーゼ消化(例えば、EcoRI、BamHI、HindIII、NotI、SmaI、BglIIなどのII型エンドヌクレアーゼを含む反応)、クローニング技法(例えば、ライゲーション)、タンパク質消化(例えば、プロテイナーゼK、トリプシン、キモトリプシン、サビナーゼなどのプロテイナーゼを含む反応)、マイクロアレイ分析(例えば、核酸またはタンパク質の)、イムノアッセイ(例えば、免疫沈降、ELISAなど)、質量分析、またはこれらの任意の組合せからなる群より選択される方法に対して不活性である。ある実施形態では、組成物は、希釈(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20倍またはそれ以上に希釈)後に不活性である。他の実施形態では、組成物は、未希釈形態で不活性である。
【0121】
(サンプルキャリア)
別の態様では、本発明は、本発明の組成物を含むサンプルキャリアを提供する。ある実施形態では、サンプルキャリアは、容器およびサンプルノードを含み、このサンプルノードは、本明細書に開示される組成物(例えば、本明細書に開示される固体状態のマトリックスまたは水性媒体)を含みまたはこの組成物からなる。ある実施形態では、サンプルノードは、容器に可逆的に取着される。ある実施形態では、容器は、サンプルノードを含有および/または支持する。容器は、そのような組成物を含有しまたは支持するのにかつ/または本発明の方法を実施するのに適した任意のサイズおよび形状にすることができる。例えば、ある実施形態では、容器がチューブ(例えば、試験管、サンプル管であって、容積が約0.1mlから約2.0mlのものなど)またはウェル(例えば、標準的なマルチウェルプレートなどの、プレートのウェル)である。
【0122】
ある実施形態では、容器は、約10μlから約2ml、約25μlから約1.5ml、約50μlから約1000μl、約75μlから約800μl、約100μlから約700μl、約125μlから約600μl、または約150μlから約500μlの容積を有する。
【0123】
ある実施形態では、サンプルキャリアは、光学式バーコードなどの識別表示を含む。ある実施形態では、容器は、識別表示を含む。例えば、ある実施形態では、容器は、光学式バーコードまたは生物学的バーコードを含む。生物学的バーコードは、例えば、米国特許出願第2004/0219533号および第2005/0026181号に記載されている。ある実施形態では、サンプルノードは、生物学的バーコードなどの識別表示を含む。
【0124】
ある実施形態では、サンプルノードは、本明細書に開示される固体状態マトリックスを、約10μgから約1000μg、約15μgから約900μg、約20μgから約800μg、約25μgから約700μg、約30μgから約600μg、約35μgから約500μg、約40μgから約400μg、約45μgから約300μg、約50μgから約200μg、約55μgから約150μg、約60μgから約125μg、約65μgから約100μg、または約70μgから約80μgを含む。他の実施形態では、サンプルノードは、本明細書に開示される固体状態マトリックスを、約1.0mgから約100mg、約2.0mgから約90mg、約3.0mgから約80mg、約4.0mgから約70mg、約5.0mgから約60mg、約6.0mgから約50mg、約7.0mgから約40mg、約8.0mgから約30mg、約9.0mgから約20mg、または約10mgを含む。他の実施形態では、サンプルノードは、本明細書に開示される水性媒体を約10μlから約1000μl、約15μlから約900μl、約20μlから約800μl、約25μlから約700μl、約30μlから約600μl、約35μlから約500μl、約40μlから約400μl、約45μlから約300μl、約50μlから約200μl、約55μlから約150μl、約60μlから約125μl、約65μlから約100μl、または約70μlから約90μlを含む。
【0125】
ある実施形態では、サンプルキャリアは、複数の容器および複数の個別のサンプルノードを含む。この文脈において本明細書で使用される「個別」とは、サンプルノードがサンプルキャリアのその他のサンプルノードとは物理的に切り離されており、個々に接触および操作できることを意味する。したがって、例えば複数のサンプルノードのそれぞれは、単一の容器によって個々に収容または支持することができる。ある実施形態では、複数の容器が複数のチューブである(例えば、SBSマイクロタイターフットプリントを有するスクリューキャップチューブの8×12アレイ)。ある実施形態では、複数の容器は、マルチウェルプレートの複数のウェルである(例えば、SBSマイクロタイターフットプリントを有するマイクロタイタープレート)。一般に、そのようなマルチコンパートメント容器は、自動およびロボット式の取扱いに適合されている。
【0126】
ある実施形態では、前記複数の容器のそれぞれは、識別表示を含む。例えば、ある実施形態では、前記複数の容器のそれぞれは、光学式バーコードまたは生物学的バーコードを含む。他の実施形態では、前記複数の容器のそれぞれは、サンプルキャリア内のその位置(例えば、マルチウェルプレート内のウェルの座標)によって識別することができる。
【0127】
ある実施形態では、サンプルキャリアは、生体分子をさらに含む。したがって、ある実施形態では、サンプルキャリアは、生体分子を含有する生体サンプルなどの1種または複数のサンプルを含む。サンプルは、体液、組織ホモジネート、細胞溶解物、その画分、精製されたサンプル、または合成サンプルなど、本明細書に開示される任意の生体サンプルにすることができる。
【0128】
(キット)
別の態様では、本発明は、本明細書に開示される組成物と、生体分子の貯蔵のためにこの組成物を使用する取扱説明書とを含むキットを提供する。ある実施形態では、組成物は、本明細書に開示される固体状態マトリックスである。他の実施形態では、組成物は、本明細書に開示される水性媒体である。ある実施形態では、取扱説明書は、本明細書に開示される生体分子を乾燥貯蔵するための方法について述べている。他の実施形態では、取扱説明書は、生体分子を安定化させるための方法(例えば、乾燥状態でまたは液体媒体中で)について記述した。さらに他の実施形態では、取扱説明書は、本明細書に記述される生体分子を輸送するための方法(例えば、乾燥状態で)について述べている。
【0129】
ある実施形態では、キットは、組成物を含有する容器を含む。容器は、組成物を含有するのに適した任意のサイズまたは形状にすることができる。ある実施形態では、容器はボトルである。ある実施形態では、容器は、複数のサンプル(例えば、10、20、30、40、50、75、100、150、200、またはそれ以上のサンプル)の貯蔵および/または安定化をもたらすのに十分な量で、本明細書に開示される組成物(例えば、水性媒体または乾燥状態マトリックス)を含有する。ある実施形態では、容器は、本発明の水性媒体を100μl、200μl、300μl、400μl、500μl、750μl、1.0ml、1.5ml、2.0ml、2.5ml、5.0ml、7.5ml、10.0ml、15.0ml、20.0ml、またはそれ以上含有する。他の実施形態では、容器は、本発明の乾燥状態のマトリックスを500μg、1mg、1.5mg、2.0mg、2.5mg、5.0mg、7.5mg、10.0mg、15.0mg、20.0mg、50.0mg、100mg、250mg、500mg、1g、またはそれ以上含有する。
【0130】
他の実施形態では、キットは、本明細書に開示されるサンプルキャリアを含む。例えば、ある実施形態では、キットは、複数の容器(例えば、マルチウェルプレート)を含んだサンプルキャリアを含み、前記複数のウェルのそれぞれは、本明細書に開示される貯蔵組成物を含有している。
【0131】
(方法)
ある態様では、本発明は、生体分子を貯蔵する方法を提供する。ある実施形態では、方法は、生体サンプルなどの生体分子を含有するサンプルと、本明細書に記述される組成物(例えば、本明細書に記述される固体状態マトリックスまたは水性媒体)とを混合して混合物を形成するステップと、この混合物を乾燥して、生体分子を含んだ乾燥状態マトリックスを形成するステップとを含む。サンプルは、本明細書に記述されるサンプルの、任意のタイプにすることができる。
【0132】
ある実施形態では、サンプルは、体液(例えば、血液、血清、唾液、尿、脳脊髄液(cerbrospinal fluid)など)、細胞溶解物、または組織ホモジネートなどの液体サンプルである。ある実施形態では、サンプルは、液体サンプルであり、本発明の乾燥状態マトリックスと混合される。他の実施形態では、サンプルは、液体サンプルであり、本発明の水性媒体と混合される。他の実施形態では、サンプルは、綿棒、濾紙、またはスポンジなどの固体支持体によって保持される。例えば、ある実施形態では、サンプルは、液体サンプルであり、混合するステップは、固体支持体と本発明の水性媒体とを洗浄するステップを含む。さらに他の実施形態では、サンプルは、組織の小片(例えば、生検組織)などの固体サンプルである。例えば、ある実施形態では、サンプルは、固体サンプルであり、貯蔵のため水性媒体中に貯蔵される(例えば、一晩、または1、2、3、4、5、6、7日またはそれ以上)。ある実施形態では、固体サンプルは、本発明の水性媒体と、生検組織など固体組織サンプル中に存在する生体分子を安定化させることが公知の別の液体との混合物中に配置される。例えば、ある実施形態では、サンプルは、本発明の水性媒体とRNALater(商標)(Ambion製)またはAllprotect(商標)(Qiagen製)との混合物中に配置される。
【0133】
ある実施形態では、サンプルと本発明の組成物とを混合するステップは、サンプルおよび組成物の組合せを撹拌する(例えば、反復ピペット操作、振盪、または渦流撹拌によって)ステップを含む。他の実施形態では、サンプルと本発明の組成物とを混合するステップは、サンプルおよび組成物の組合せを室温より高い温度(例えば、30℃、37℃、40℃、42℃、45℃、50℃、55℃、60℃、またはそれ以上の温度)でインキュベートするステップを含む。ある実施形態では、サンプルおよび本発明の組成物を混合するステップは、サンプルおよび組成物の組合せを70℃未満、65℃、60℃、55℃、50℃、45℃、40℃、またはそれ以下の温度でインキュベートするステップを含む。ある実施形態では、サンプルと本発明の組成物とを混合するステップは、サンプルおよび組成物の組合せを撹拌するステップと、この組合せを室温から60℃の間の温度でインキュベートするステップとを含む。本明細書で使用される「室温」は、典型的な実験室における温度である。したがって一般に、室温は約20℃から約28℃の間、または約22℃から約26℃の間である。
【0134】
ある実施形態では、貯蔵溶液を乾燥するステップは、空気乾燥する(例えば、ケミカルフュームフード内で一晩空気乾燥する)ステップを含む。他の実施形態では、貯蔵溶液を乾燥するステップは、真空乾燥する(例えば、1時間またはそれ以上にわたり真空遠心分離で乾燥する)ステップを含む。乾燥後、乾燥状態マトリックスは、例えば、サンプル保管庫に貯蔵することができる。適切な保管庫は、例えば米国特許第7,142,987号および米国特許出願第2003/0129755号に記載されている。
【0135】
ある実施形態では、貯蔵は、短期間(例えば、さらなる加工のために生体分子を遠隔地に輸送するのに要する時間)である。したがって、例えばある実施形態では、貯蔵は2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24時間、もしくはそれ以上、または1、2、3、4、5、6、7日間、もしくはそれ以上である。ある実施形態では、貯蔵は、中程度の期間(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10週間もしくはそれ以上、または1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18カ月間もしくはそれ以上)である。さらに他の実施形態では、貯蔵は長期間(例えば、保管を目的に)である。したがって、ある実施形態では、貯蔵は1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、15、20年間またはそれ以上である。
【0136】
一般に、本発明の組成物は、任意の生体分子を貯蔵するのに使用することができる。例示的な生体分子には、DNA、RNA、核酸、ポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、アミノ酸、ペプチド、ポリペプチドが含まれるが、いかなる限定もするものではない。そのような生体分子は、例えば生体サンプル、抽出物、任意のその他の中間体または半加工生体サンプル、精製サンプル、または合成サンプルなど、任意の形をとることができる。例示的な生体サンプルには、血液、血漿、尿、唾液、脳脊髄液、または任意の生体液、皮膚細胞、細胞もしくは組織サンプル、細胞溶解物、核抽出物、核酸抽出物、タンパク質抽出物、細胞質抽出物が含まれるが、いかなる限定もするものではない。
【0137】
関連ある態様において、本発明は、生体分子を輸送する方法を提供する。ある実施形態では、方法は、本発明の乾燥状態マトリックスに生体分子を貯蔵するステップ(本明細書に記述される、生体分子を貯蔵する方法による。)を含む。したがって、例えばある実施形態では、方法は、生体サンプルなどの生体分子を含有するサンプルと、本明細書に記述される組成物(例えば、本明細書に記述される固体状態マトリックスまたは水性媒体)とを混合して混合物を形成するステップと、この混合物を乾燥して、生体分子を含む乾燥状態マトリックスを形成するステップと、生体分子を含む乾燥状態マトリックスを輸送するステップとを含む。サンプルは、本明細書に記述されるサンプルの、任意のタイプにすることができる。
【0138】
ある実施形態では、生体分子を含む乾燥状態マトリックスは、生体分子をさらなる用途のために貯蔵することができる場所(例えば、保管庫)に輸送される。他の実施形態では、生体分子を含む乾燥状態マトリックスは、生体分子を分析することができる場所(例えば、実験室)に輸送される。ある実施形態では、生体分子を含む乾燥状態マトリックスは、25℃よりも高い温度で輸送される。他の実施形態では、生体分子を含む乾燥状態マトリックスは、37℃よりも高い温度で輸送される。さらに他の実施形態では、生体分子を含む乾燥状態マトリックスは、50℃よりも高い温度で輸送される。したがって例えば、ある実施形態において、生体分子を含む乾燥状態マトリックスは、前記輸送ステップ中に、約25℃から約80℃、約37℃から約75℃、または約50℃から約70℃の周囲温度に曝される。
【0139】
ある実施形態では、生体分子を含む乾燥状態マトリックスは、前記輸送中に、1時間またはそれ以上にわたり(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、14、16、18、20、22、または24時間、またはそれ以上)、高温に曝される。この文脈において本明細書で使用される「高温」は、25℃よりも高い温度を指す。したがって、例えば、ある実施形態では、生体分子を含む乾燥状態マトリックスは、1時間またはそれ以上にわたり(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、14、16、18、20、22、または24時間、またはそれ以上)、25℃よりも高く、37℃よりも高く、50℃よりも高く、かつ/または70℃よりも高い温度に曝される。ある実施形態では、乾燥状態マトリックス中の生体分子は、高温への曝露により損傷を受けない。例えば、ある実施形態では、特定のタイプの生体分子(例えば、DNA、RNA、タンパク質など)の50%超、60%、70%、80%、90%、またはそれ以上が、高温に曝された後、分析のために良好な状態で残ることになる。
【0140】
ある実施形態では、輸送は空輸によって行われる(例えば、飛行機で)。ある実施形態では、輸送は地上で行われる(例えば、運搬車両で)。
【0141】
別の態様では、本発明は、生体分子を安定化させる方法を提供する。ある実施形態では、方法は、生体分子を含んだサンプルと、本明細書に記述される組成物(例えば、本明細書に記述される乾燥状態マトリックスまたは水性媒体)とを混合して混合物を形成するステップを含み、この混合物中の少なくとも1種の生体分子は、組成物の存在によって安定化される。本明細書で使用されるように、組成物が存在しない場合に比べ、組成物の存在下では時間と共に分解するようになる可能性がより低いとき、生体分子は組成物によって「安定化される」。ある実施形態では、安定化は溶液中で生じる。したがって、例えば、本発明は、溶液中で生体分子を安定化する方法であって、生体分子を含むサンプルと本明細書に記述される水性媒体とを混合するステップを含み、少なくとも1種の生体分子が水性媒体によって安定化されている方法を提供する。他の実施形態では、この方法は、生体分子を含む液体サンプル、および本明細書に記述される乾燥状態マトリックスを混合するステップと、乾燥状態マトリックスを液体サンプル中に再懸濁して混合物を形成するステップとを含み、この混合物中の少なくとも1種の生体分子が、再懸濁したマトリックスによって安定化されている。
【0142】
ある実施形態では、混合物は、0℃よりも高い温度で維持される。この文脈において本明細書で使用される「維持される」という用語は、特定の周囲温度によって特徴付けられる特定の場所に混合物を静置することを、単に意味する。したがって、例えば、サンプルを本発明の組成物と混合した後に、得られた混合物を静置した場合(例えば、他のサンプルに対処している間)、このサンプルは、混合物が位置付けられている室内に周囲温度で維持されている。ある実施形態では、混合物は、4℃、10℃、15℃、20℃、25℃、30℃、35℃、37℃またはそれ以上よりも高い温度で維持される。ある実施形態では、生体分子は、特定の温度(例えば、25℃またはそれ以上)で5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、75、90、105、120分またはそれ以上にわたり維持される。ある実施形態では、生体分子は、特定の温度(例えば、25℃またはそれ以上)で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、18、24、30、36、42、48時間またはそれ以上にわたり、維持される。ある実施形態では、生体分子は、特定の温度(例えば、25℃またはそれ以上)で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14日間またはそれ以上にわたり維持される。
【0143】
ある実施形態では、安定化された生体分子は核酸(例えば、DNAおよび/またはRNA)である。他の実施形態では、安定化された生体分子は、タンパク質またはペプチドである。他の実施形態では、安定化された生体分子は炭水化物である。他の実施形態では、安定化された生体分子は脂質である。さらに他の実施形態では、安定化された分子は、ステロイド、薬剤、およびその代謝産物などの小分子である。
【0144】
別の態様では、本発明は、生体分子を回収する方法を提供する。ある実施形態では、方法は、再懸濁流体を、生体分子を含む本発明の乾燥状態マトリックスに添加するステップと、このマトリックスを再懸濁するステップとを含む。ある実施形態では、貯蔵マトリックスに添加される再懸濁流体の体積は、貯蔵マトリックスから乾燥させた貯蔵溶液の体積よりも大きい。例えば、ある実施形態では、貯蔵マトリックスに添加された再懸濁流体の体積は、貯蔵溶液の体積よりも1.25、1.5、1.75、2.0倍またはそれ以上大きい。他の実施形態では、貯蔵マトリックスに添加された再懸濁流体の体積は、貯蔵マトリックスから乾燥させた貯蔵溶液よりも小さい。例えば、ある実施形態では、貯蔵マトリックスに添加された再懸濁流体の体積は、貯蔵溶液の体積よりも1.25、1.5、1.75、2.0倍またはそれ以上小さい。好ましい実施形態では、貯蔵マトリックスに添加された再懸濁流体の体積は、貯蔵マトリックスから乾燥させた貯蔵溶液の体積とほぼ同じである。
【0145】
ある実施形態では、再懸濁流体が水である。他の実施形態では、再懸濁流体が緩衝液である。例えば、ある実施形態では、再懸濁流体は、Tris塩基(例えば、10mM TrisまたはTE)を含む緩衝液である。ある実施形態では、再懸濁流体は、約7.0のpHを有する。例えば、ある実施形態では、再懸濁流体は、約5.5から約8.5、または約6.0から約8.0、または約6.5から約7.5、または約7.0のpHを有する。
【0146】
本発明の乾燥状態マトリックスから回収された生体分子は、標準的な分子および生化学的技法を使用して、分析し操作することができる。例えば、回収された核酸分子は、増幅することができ(例えば、標準的なPCRまたはリアルタイムPCRを使用して)、かつ/または分析することができる(例えば、制限エンドヌクレアーゼおよびその他の核酸修飾酵素を使用して、並びにマイクロアレイやブロットなどのハイブリダイゼーションによって)。好ましい実施形態では、回収された生体分子は、そのような操作および/または分析の前に、いかなる精製も必要としない。
【実施例】
【0147】
以下の実施例は、例示を目的とし、明示的にまたは暗黙的に本発明をいかなる手法、形状、または形態にも限定するものではない。以下の実施例は、使用することが可能な実施例の典型であるが、当業者に公知のその他の手順、方法、または技法を代わりに使用してもよい。
【0148】
(実施例1)
ホウ酸乾燥状態マトリックス
水溶性無機化合物を含むマトリックスを、円錐底、ポリプロピレンの96ウェルマイクロタイタープレートに製作した。ホウ酸の4.0mg/ml水溶液からなる媒体の一定分量20μLを、個々のウェルに添加した。媒体を、引き続き、各ウェルの底面上で室温で空気乾燥して、個別の固体状態無機マトリックス(即ち、個別のサンプルノード)を形成した。乾燥プロセスは、典型的には、真空遠心分離器で2時間またはフード内で一晩要した。図1は、これらの手順により形成された代表的なマトリックスを示す。
【0149】
(実施例2)
ホウ酸およびヒスチジンの乾燥状態マトリックス
水溶性無機化合物(ホウ酸)および小分子安定化剤(ヒスチジン)を含むマトリックスを、円錐底、ポリプロピレンの96ウェルマイクロタイタープレートに製作した。ホウ酸(4.0mg/ml)およびヒスチジン(0.5mg/mlから2.5mg/ml)の水溶液からなる媒体の一定分量20μLを、個々のウェルに添加した。媒体を、引き続き、各ウェルの底面上で室温で空気乾燥して、個別の固体状態無機マトリックス(即ち、個別のサンプルノード)を形成した。乾燥プロセスは、典型的には、真空遠心分離器で2時間またはフード内で一晩要した。
【0150】
(実施例3)
ホウ酸およびグリセロールの乾燥状態マトリックス
水溶性無機化合物(ホウ酸)および可塑剤(グリセロール)を含むマトリックスを、円錐底、ポリプロピレンの96ウェルマイクロタイタープレートに製作した。ホウ酸(4.0mg/ml)およびグリセロール(0.5mg/mlから4.0mg/ml)の水溶液からなる媒体の一定分量20μLを、個々のウェルに添加した。媒体を、引き続き、各ウェルの底面上で室温で空気乾燥して、個別の固体状態無機マトリックス(即ち、個別のサンプルノード)を形成した。乾燥プロセスは、典型的には、真空遠心分離器で2時間またはフード内で一晩要した。
【0151】
(実施例4)
ホウ酸およびヒスチジンを含む、またはホウ酸を含みヒスチジンを含まない乾燥状態マトリックスでのDNAの貯蔵
実施例1〜2に記述されるマトリックスに、ヒトDNA(Roche提供)をTE緩衝液に加えた一定分量20μLを、ウェル毎に添加した。各ウェルの固体状態マトリックスを、繰り返しピペット操作することによってDNA溶液に再懸濁しかつ可溶化した。次いで得られた溶液を空気乾燥して、生体分子を含む固体状態マトリックスを形成した。各ウェルに添加されたDNAの量は、約100ngから約5000ngに及んだ。DNAを含むマトリックスが形成された後、プレートを室温(即ち、約25℃)、37℃、55℃、または76℃で貯蔵した。
【0152】
(実施例5)
水の添加による乾燥状態マトリックスからのDNAの回収
実施例4の乾燥状態貯蔵からDNAを回収するために、水20μLを各ウェルに添加し、プレートを室温で約15分間インキュベートした。DNA含有溶液を、ピペット操作により回収し、次いで「そのまま」または必要に応じて水で希釈して、さらなる分析のために使用した。
【0153】
(実施例6)
乾燥状態マトリックスから回収されたDNAのゲル電気泳動
実施例4により貯蔵され、実施例5により回収されたDNAを、ゲル電気泳動によって分析した。回収されたDNA100ng(100%回収と仮定する。)に相当するDNA含有溶液の体積を、250ボルトで1時間、0.8%アガロースゲルに流し、臭化エチジウムで染色した。その結果を図2に示す。
【0154】
(実施例7)
乾燥状態マトリックスから回収されたヒトDNAのリアルタイムPCR分析
リアルタイムPCRを使用して、実施例4の乾燥状態マトリックスからのDNAの回収を比較し評価した。DNAは、実施例5で記述したように回収した。PCR分析は、ABI(カタログ#401846)から提供された、核染色体コード遺伝子、β−アクチンをベースにした。
【0155】
PCR反応を25μLの体積で実施した。反応混合物は、1×ABI TaqMan緩衝液A、3.5mM MgCl、0.3μMプライマー−プローブ、0.2mM dNTP、および5U/μLのAmplitaq Goldを0.125μL含有していた。これらPCR試験の条件は、下記の通りであった:(1)95℃で10分間;(2)95℃で15秒間、60℃で1分間を40サイクル;および(3)4℃で保持。乾燥状態の貯蔵から回収されたDNA約80μg(100%回収と仮定する。)を、各反応の鋳型として使用した。対照に関しては、凍結したDNA80μgを鋳型として使用した。PCRの結果すべてを、ABI 7700を使用したリアルタイムPCRにより評価した。その結果を、図3に示す。
【0156】
(実施例8)
乾燥状態マトリックスから回収されたDNAのマイクロアレイ分析
マイクロアレイ分析を、実施例6の乾燥状態マトリックスから回収されたDNAに関して行った。DNAを、実施例8に記述されるように回収した。Affymetrix 6.0およびIllumina 1MマイクロアレイSNP分析を、製造業者の推奨に従い、Expression Analysis,Inc.(Durham、NC)により行った。分析の結果を図4に示す。
【0157】
(実施例9)
ホウ砂を含む乾燥状態マトリックスでの口内スワブまたは血液スワブ溶解物の貯蔵
全血または頬細胞サンプルを、綿棒に収集し、空気乾燥する。これらのスワブを、後で、ホウ砂の100mM水溶液を添加することによって再水和し、その後、95℃で10分間加熱する。スワブ抽出物を、遠心分離によってまたはスワブから流体を手で絞り取ることによって、回収する。次いで得られた溶液を、ウェル当たり約200μLを超えない体積で、96ウェルマイクロタイタープレートの1つまたは複数のウェル内に分取する。プレートを室温で乾燥させ、したがって、生体分子を含む乾燥状態マトリックスが形成される。
【0158】
得られた乾燥状態マトリックス中の生体分子を、乾燥前の当初の流体体積に等しい体積の水を添加することによって(即ち、最大200μL/ウェル)、事前に選択されたウェルから回収する。回収された核酸分子は、応用遺伝分析または予備的核酸生化学で使用できる状態にある。
【0159】
(実施例10)
ホウ砂およびヒスチジンを含む乾燥状態マトリックスでの口内スワブまたは血液スワブ溶解物の貯蔵
全血または頬細胞サンプルを、綿棒に収集し、空気乾燥する。100mMホウ砂および2mM〜100mMヒスチジンを水に溶かした溶液を添加することによって、スワブを再水和し、その後、95℃に10分間加熱する。スワブ抽出物を、遠心分離によってまたはスワブから流体を手で絞り取ることによって、スワブから回収する。次いで得られた溶液を、ウェル当たり約200μLを超えない体積で、96ウェルマイクロタイタープレートの1つまたは複数のウェルに分取する。プレートを室温で乾燥させ、したがって無機貯蔵マトリックスが形成される。
【0160】
得られた乾燥状態マトリックスの生体分子を、乾燥前の当初の流体体積に等しい体積の水を添加することによって(即ち、最大200μL/ウェル)、事前に選択されたウェルから回収する。回収された核酸分子は、応用遺伝分析または予備的核酸生化学で使用できる状態にある。
【0161】
(実施例11)
高温での乾燥状態貯蔵中のRNA安定性
精製された全RNAの1マイクログラムサンプルを、本発明の様々な組成物(以下に記述される。)と混合し、次いで(A)25℃または(B)76℃の乾燥状態で7日間貯蔵した。その時点で、サンプルを再懸濁し、Agilent Bioanalyzerで分析した。乾燥状態マトリックスは、下記の通りであった:
1)ボレート、シトレート、EDTA、ピルベート、およびデキストラン(図5に示される結果);
2)Tris、ボレート、マンニトール、およびEDTA(図6に示される結果);
3)ボレート、シトレート、マンニトール、およびデキストラン(図7に示される結果);
4)ボレート、シトレート、マンニトール、およびピルベート(図8に示される結果);
5)ボレート、シトレート、ピルベート、およびデキストラン(図9に示される結果);
6)ボレート、シトレート、EDTA、およびデキストラン(図10に示される結果);
7)ボレート、EDTA、およびピルベート(図11に示される結果);
8)ボレート、シトレート、およびピルベート(図12に示される結果);
9)ボレート、シトレート、およびマンニトール(図13に示される結果);
10)ボレート、シトレート、およびEDTA(図14に示される結果);
11)マトリックスなしの対照(図15に示される結果)。
【0162】
全RNAのAgilentバイオアナライザの軌跡では、RANが無傷の場合、全RNAのリボソームRNA相補体が、約41および48秒で移行する鋭い帯域の対として現れる。RNAが分解するにつれ、RNA主鎖の切断により鎖切断が引き起こされ、それによって、鋭いリボソームRNA帯域が広くなり、図15(B)のように最終的には検出不可能になる。
【0163】
全体として、図5〜14のデータは、代理としてリボソームRNAの使用により評価した場合、上述の組成物の10種類すべてが、76℃で高レベルのRNA安定化をもたらすことを示している。この高温は、FEDEXおよび国防省により予測される、最大限の、可能性ある周囲輸送温度を超えており、したがって、10種を超える配合物(およびその他同様のマトリックス)により、乾燥状態での極限条件下でRNAを貯蔵し輸送することが可能になることを示している。比較によれば、これら組成物が存在しない状態で乾燥状態で貯蔵されたRNAは、25℃で貯蔵したときに穏やかに分解するようになり(図15(A))、76℃で貯蔵したときは大いに分解するようになる(図15(B))。
【0164】
RNAの乾燥状態での貯蔵、輸送、および/または安定化に適した追加の組成物には、ボレート、シトレート、マンニトール、およびデキストラン;ボレート、マンニトール、ピルベート、およびデキストラン;ボレート、EDTA、マンニトール、ピルベート、およびデキストラン;ボレート、シトレート、EDTA、マンニトール、ピルベート、およびデキストランが含まれる。RNAの水性安定化では、1種または複数のRNase阻害剤(例えば、本明細書に記述されるような)を、この実施例の組成物に添加することができる。
【0165】
本明細書で言及されるすべての特許および文献は、そのような特許および文献に開示されるすべての関連文献も含めて、参照により明らかに組み込まれる。
【0166】
本発明について、現在好ましい実施形態および前述の非限定的な実施例を参照しながら記述してきたが、当業者に明らかにされ得る様々な変更および修正を、本発明の精神から逸脱することなく行うことができることを、理解すべきである。したがって本発明は、以下の特許請求の範囲によってのみ限定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無機化合物と、
安定化剤、可塑剤、またはこれらの組合せと
を含む、乾燥状態マトリックスであって、
前記安定化剤は、一重項酸素クエンチャー、ヒドロキシルラジカルスカベンジャー、ヒドロペルオキシド除去剤、還元剤、金属キレート剤、洗浄剤、カオトロープ、またはこれらの任意の組合せからなる群より選択され、
前記無機化合物は水溶性であり、前記マトリックスは固体状態にある、乾燥状態マトリックス。
【請求項2】
前記無機化合物が、金属キレート剤もしくは殺菌剤であり、または生体分子に対して不活性である、請求項1に記載のマトリックス。
【請求項3】
前記無機化合物が、元素の周期表の第IIIA族、第VA族、または第VB族の元素を含む、請求項1に記載のマトリックス。
【請求項4】
前記無機化合物が、ホウ素、リン、バナジウム、およびアルミニウムからなる群より選択される元素を含む、請求項1に記載のマトリックス。
【請求項5】
前記無機化合物が、ホウ酸、対応するホウ酸の塩、リン酸、対応するリン酸の塩、バナデートを含む塩、カリウムミョウバン、ソーダミョウバン、アンモニウムミョウバン、またはこれらの任意の組合せを含む、請求項1に記載のマトリックス。
【請求項6】
前記マトリックスが安定化剤を含み、前記安定化剤が、アルキルイミダゾール、インドール、硫黄含有アミノ酸、フェノール化合物、芳香族の酸、アジド、トコフェロール、ビタミンE誘導体、カロチン、ビタミンA誘導体、およびこれらの任意の組合せからなる群より選択される一重項酸素クエンチャーを含む、請求項1に記載のマトリックス。
【請求項7】
前記マトリックスが安定化剤を含み、前記安定化剤が、EDTA、EGTA、o−フェナントロリン、シトレート、およびこれらの任意の組合せからなる群より選択される金属キレート剤を含む、請求項1に記載のマトリックス。
【請求項8】
前記マトリックスが安定化剤を含み、前記安定化剤が、アジド、ジメチルスルホキシド、ヒスチジン、マンニトール、およびこれらの任意の組合せからなる群より選択されるヒドロキシルラジカルスカベンジャーを含む、請求項1に記載のマトリックス
【請求項9】
前記マトリックスが安定化剤を含み、前記安定化剤が、カタラーゼ、ピルベート、グルタチオン、グルタチオンペルオキシダーゼ、およびこれらの任意の組合せからなる群より選択されるヒドロペルオキシド除去剤を含む、請求項1に記載のマトリックス。
【請求項10】
前記マトリックスが、単糖類、二糖類、複合糖類、および直鎖状短鎖多価アルコールまたは分枝状短鎖多価アルコールからなる群より選択される可塑剤を含む、請求項1に記載のマトリックス。
【請求項11】
前記マトリックスが、核酸増幅、核酸消化、および/またはタンパク質消化の方法に対して不活性である、請求項1に記載のマトリックス。
【請求項12】
生体分子を含むサンプルをさらに含む、請求項1に記載のマトリックス。
【請求項13】
無機化合物と、
生体分子を含むサンプルと
を含む、乾燥状態マトリックスであって、
前記無機化合物が水溶性であり、前記マトリックスが固体状態にある、乾燥状態マトリックス。
【請求項14】
前記無機化合物が、ホウ酸、対応するホウ酸の塩、リン酸、対応するリン酸の塩、バナデートを含む塩、カリウムミョウバン、ソーダミョウバン、アンモニウムミョウバン、またはこれらの組合せを含む、請求項13に記載のマトリックス。
【請求項15】
一重項酸素クエンチャー、ヒドロキシルラジカルスカベンジャー、ヒドロペルオキシド除去剤、還元剤、キレート剤、洗浄剤、カオトロープ、またはこれらの任意の組合せを含む安定化剤と、
無機塩、可塑剤、またはこれらの任意の組合せと
を含み、固体状態にある、乾燥状態マトリックス。
【請求項16】
前記安定化剤が一重項酸素クエンチャーを含み、前記一重項酸素クエンチャーが、アルキルイミダゾール、インドール、硫黄含有アミノ酸、フェノール化合物、芳香族の酸、アジド塩、トコフェロール、ビタミンE誘導体、カロチン、ビタミンA誘導体、およびこれらの組合せからなる群より選択される、請求項15に記載のマトリックス。
【請求項17】
前記マトリックスが、単糖類、二糖類、複合糖類、および直鎖状短鎖多価アルコールまたは分枝状短鎖多価アルコールからなる群より選択される可塑剤を含む、請求項15に記載のマトリックス。
【請求項18】
生体分子を含むサンプルをさらに含む、請求項15に記載のマトリックス。
【請求項19】
無機化合物、一重項酸素クエンチャー、ヒドロキシルラジカルスカベンジャー、ヒドロペルオキシド除去剤、還元剤、金属キレート剤、洗浄剤、および可塑剤からなるリストから選択される、少なくとも3種の成分
を含む、乾燥状態マトリックスであって、
前記無機化合物が水溶性であり、前記マトリックスが固体状態にある、乾燥状態マトリックス。
【請求項20】
前記マトリックスが、無機化合物、ヒドロキシルラジカルスカベンジャー、およびヒドロペルオキシド除去剤を含む、請求項19に記載のマトリックス。
【請求項21】
可塑剤、金属キレート剤、RNase阻害剤、またはこれらの任意の組合せをさらに含む、請求項20に記載のマトリックス。
【請求項22】
生体分子を含むサンプルをさらに含む、請求項19に記載のマトリックス。
【請求項23】
無機化合物と、
安定化剤、可塑剤、またはこれらの組合せと、
任意選択で、RNase阻害剤と
を含む、水性媒体であって、
前記安定化剤が、一重項酸素クエンチャー、ヒドロキシルラジカルスカベンジャー、ヒドロペルオキシド除去剤、およびこれらの任意の組合せからなる群より選択され、
前記無機化合物が水溶性である、
水性媒体。
【請求項24】
前記無機化合物が、ホウ酸、対応するホウ酸の塩、リン酸、対応するリン酸の塩、バナデートを含む塩、カリウムミョウバン、ソーダミョウバン、アンモニウムミョウバン、またはこれらの組合せを含む、請求項23に記載の媒体。
【請求項25】
2’−シチジンモノホスフェート遊離酸(2’−CMP)、アルミノン、アデノシン5’−ピロリン酸、5’−ジホスホアデノシン3’−リン酸(ppA−3’−p)、5’−ジホスホアデノシン2’−リン酸(ppA−2’−p)、ロイシン、ポリ−L−アスパラギン酸、チロシン−グルタミン酸ポリマー、オリゴビニスルホン酸、アデノシン3’−リン酸との、5’−ホスホ(phopho)−2’−デオキシウリジン3’−ピロリン酸P’→5’エステル(pdUppAp)からなる群より選択される、RNase阻害剤を含む、請求項23に記載の媒体。
【請求項26】
還元剤、キレート剤、洗浄剤、カオトロープ、またはこれらの任意の組合せをさらに含む、請求項23に記載の媒体。
【請求項27】
生体分子を含むサンプルをさらに含む、請求項23に記載の媒体。
【請求項28】
1種または複数のヒドロキシルラジカルスカベンジャーと、
無機塩、可塑剤、またはこれらの任意の組合せと、
任意選択で、RNase阻害剤と
を含む、水性媒体。
【請求項29】
一重項酸素クエンチャー、還元剤、キレート剤、洗浄剤、カオトロープ、またはこれらの任意の組合せをさらに含む、請求項28に記載の媒体。
【請求項30】
生体分子を含むサンプルをさらに含む、請求項28に記載の媒体。
【請求項31】
容器と、
サンプルノードと
を含む、サンプルキャリアであって、
前記サンプルノードが、前記容器によって支持され、かつ請求項1、13、15、もしくは19に記載の乾燥状態マトリックス、または請求項23もしくは28に記載の水性媒体を含む、
サンプルキャリア。
【請求項32】
前記サンプルノードが、前記マトリックスを約10から約1000マイクログラム、または前記水性媒体を約10から約1000マイクロリットル含む、請求項31に記載のサンプルキャリア。
【請求項33】
識別表示をさらに含む、請求項31に記載のサンプルキャリア。
【請求項34】
前記サンプルノードが識別表示を含む、請求項31に記載のサンプルキャリア。
【請求項35】
複数の前記容器と、
複数の前記サンプルノードと
をさらに含み、
複数の前記サンプルノードのそれぞれが、複数の前記容器の1つによって支持される、請求項31に記載のサンプルキャリア。
【請求項36】
請求項1、13、15、もしくは19に記載の乾燥状態マトリックスまたは請求項23もしくは28に記載の水性媒体を含有する容器、または請求項31に記載のサンプルキャリアと、
生体分子を貯蔵するために前記乾燥状態マトリックス、前記水性媒体、または前記サンプルキャリアを使用するための取扱説明書と
を含むキット。
【請求項37】
生体分子を含むサンプルと、請求項1、13、15、もしくは19に記載の乾燥状態マトリックスまたは請求項23もしくは28に記載の水性媒体とを混合して、混合物を形成するステップと、
前記混合物を乾燥して、前記生体分子を乾燥状態で貯蔵するステップと
を含む、乾燥状態で生体分子を貯蔵する方法。
【請求項38】
前記サンプルが液体サンプルであり、前記液体サンプルが前記乾燥状態マトリックスと混合される、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記サンプルが固体支持体によって保持され、前記混合するステップが、前記固体支持体を前記水性媒体で濯ぐステップを含む、請求項37に記載の方法。
【請求項40】
前記生体分子が、約25℃から約72℃で貯蔵される、請求項37に記載の方法。
【請求項41】
生体分子を含むサンプルと、請求項23または28に記載の水性媒体とを混合して、混合物を形成するステップ
を含む、水溶液中で生体分子を安定化させる方法。
【請求項42】
前記サンプルが固体支持体によって保持される、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記サンプルが固体組織サンプルである、請求項41に記載の方法。
【請求項44】
前記方法によって安定化された生体分子がRNAを含む、請求項41に記載の方法。
【請求項45】
前記混合物が、約4℃から約37℃で維持される、請求項41に記載の方法。

【図1】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14A】
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【図14B】
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【図15A】
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【図15B】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【公表番号】特表2012−501681(P2012−501681A)
【公表日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−527031(P2011−527031)
【出願日】平成21年9月14日(2009.9.14)
【国際出願番号】PCT/US2009/056869
【国際公開番号】WO2010/031007
【国際公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【出願人】(505187666)ジェンボールト コーポレイション (7)
【Fターム(参考)】