説明

生体認証装置およびそれを備えた自動取引装置

【課題】生体認証装置による認証操作において、操作の不慣れや理解不足、動作のバラツキ、登録と認証で認証装置の設置場所や高さが異なることなどに起因する誤認識を防止する。
【解決手段】生体情報を検知する第1の検知部と、前記第1の検知部が検知する生体と異なる部位の接触位置を検知する第2の検知部と、前記生体情報および前記第1の検知部が検知する生体と異なる部位の接触位置を記憶する記憶部と、操作ガイダンスを表示する表示部と、それらを制御する制御部とを備えた生体認証装置であって、前記生体情報を登録する場合に、前記第1の検知部が検知した生体情報と前記第2の検知部が検知した接触位置とを前記記憶部に記憶し、前記生体情報を認証する場合に、前記記憶部に記憶した前記接触位置に応じた操作ガイダンスを表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体認証装置およびそれを備えた自動取引装置に関する。
【背景技術】
【0002】
生体情報を用いて利用者を認証する生体認証装置が様々な機器やシステムで利用されている。生体認証装置で本人認証する際には、利用者は指や目といった身体の所定部位を認証装置にかざす動作または覗く動作(認証操作)を行うことで生体情報を読み取りし、生体情報から抽出した特徴量と、あらかじめ本人が登録した生体情報の特徴量とを照合して照合一致度を算出し、一致度が所定の閾値を超えるか否かによって、本人の判定を行う。
【0003】
生体認証装置の認証精度を確保するために、特開2010−73085号公報、特開2008−70926号公報に示されている技術が提案されている。
【0004】
特許文献1には、「撮像された指の静脈情報を用いて指が適切に配置されているか否かを判断し、指が適切に配置されていないと判断したときに、指の不適切な配置状態及び部分のうちのいずれか1つ以上の通知をガイダンス表示部へのメッセージの表示を介して行う」と記載されている。
【0005】
また特許文献2には、「生体情報取得部が生体情報を取得しようとする際に、撮影部を制御して、利用者が操作する際の所定部位を撮影して認証時操作画像を取得すると共に、認証時操作画像と、所定部位について予め登録されている登録操作画像と、を比較して、その比較結果に応じて、案内通知部を制御して操作案内を通知する。」と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−73085号公報
【特許文献2】特開2008−70926号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1の生体認証装置や特許文献2の生体認証装置では、操作の不慣れや理解不足、動作のバラツキ、登録と認証で認証装置の設置場所や高さが異なる、などに起因して、正しい認証操作が行われず、本人であるにも関わらず認証に失敗することが発生し得る、という課題がある。
【0008】
そこで、本発明は、生体認証時の認証操作において、利用者に適切な案内を表示し、認証操作の不具合に起因する認証失敗を抑制することができる生体認証装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。
生体情報を検知する第1の検知部と、前記第1の検知部が検知する生体と異なる部位の接触位置を検知する第2の検知部と、前記生体情報および前記第1の検知部が検知する生体と異なる部位の接触位置を記憶する記憶部と、操作ガイダンスを表示する表示部と、それらを制御する制御部とを備えた生体認証装置であって、前記生体情報を登録する場合に、前記第1の検知部が検知した生体情報と前記第2の検知部が検知した接触位置とを前記記憶部に記憶し、前記生体情報を認証する場合に、前記記憶部に記憶した前記位置に応じた操作ガイダンスを表示する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、利用者に適切な案内通知が表示され、操作の不慣れな利用者の認証操作の不具合に起因する認証失敗を抑制することができる。
【0011】
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】生体認証装置の構成を説明する図である。
【図2(a)】生体認証装置の概観を説明する斜視図である。
【図2(b)】生体認証装置の概観を説明する側面図である。
【図3】タッチパネルによる生体の検知座標である。
【図4】登録処理フローを説明する図である。
【図5(a)】登録ガイダンス表示である。
【図5(b)】登録ガイダンス表示である。
【図6】登録データテーブルである。
【図7】認証処理を説明するフローチャートである。
【図8(a)】認証ガイダンス表示である。
【図8(b)】認証ガイダンス表示である。
【図9】認証失敗ガイダンス表示である。
【図10】生体認証装置のマーキングである。
【図11(a)】生体認証装置の概観を説明する側面図である。
【図11(b)】認証ガイダンス表示である。
【図12】認証処理を説明するフローチャートである。
【図13】認証ガイダンス表示である。
【図14】生体認証装置をATMに搭載した図である。
【図15】生体認証装置をATMに搭載した図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0013】
本発明の実施例を図1〜図10によって説明する。
本実施形態における生体認証装置の構成を説明する。図1は、本実施形態における生体認証装置100の構成図であり、制御部110、表示入力部101、生体画像撮像部104、生体情報格納部105、通信部106によって構成される。
【0014】
制御部110は、生体認証装置100の各部の制御等を実施するとともに、生体画像撮像部104で取得された生体画像から本人認証時の特徴となる生体特徴情報を抽出し、抽出された生体情報を登録データとして生体情報格納部105に格納する登録処理を実施する。また、制御部110は、生体画像撮像部104で入力された生体画像から本人認証時の特徴となる生体特徴情報を抽出し、抽出され生体情報とあらかじめ本人が登録した生体情報の特徴量を照合して一致度を算出し、算出した一致度が所定の閾値を超えるか否かによって一致・不一致を判断し、本人の判定を行うことで認証処理を実施する。
【0015】
表示入力部101は、表示部102と入力部103から構成され、表示部102は、生体認証装置100におけるメニュー画面や生体認証装置の操作案内等を表示する。入力部103は、タッチパネルにより構成され、生体認証装置におけるID番号の入力や登録する指情報の入力といった情報入力操作を受け付ける。また、後述する生体画像撮像部104に生体の部位(例えば、指)をかざす操作を行う際に、生体画像撮像部104にかざす生体の部位とは異なる生体(例えば、手首)が置かれたことを検知する。
【0016】
なお、表示部102および入力部103は、タッチパネル液晶ディスプレイのように、画面表示機能とタッチパネル入力機能が一体となったデバイスを用いることが好ましいが、各々が独立したデバイスであってもかまわない。例えば、入力部103はセンサやボタンなどタッチパネル以外を用いた構成であってもかまわない。また、生体画像撮像部104にかざす生体の部位を第1の生体部位、表示入力部101にて検知する生体の部位を第2の生体部位と表すこともできる。
【0017】
生体画像撮像部104は、生体認証を実施する使用者の生体画像を取得する。なお生体情報としては、他人が本人としてなりすますことが困難な、指静脈パターン、掌静脈パターン、指紋、掌形、虹彩、顔など、個人ごとに固有の情報を用いる。生体情報格納部105は、あらかじめ本人から取得した生体情報を登録データとして格納する。格納する登録データの例を図6に示し、詳細は後述する。通信部106は、上位ホストから生体認証装置100への登録処理、認証処理等のコマンドの受信や、各コマンドの処理結果を上位ホストへ送信する。
【0018】
次に、本実施例における生体認証装置の外観と生体検知について説明する。図2は、本実施例による生体認証装置100の概観図である。生体画像撮像部104装置の奥側に配置し、表示入力部101を装置の手前側に配置する構造とすることで、生体認証装置の登録処理または認証処理において、生体画像撮像部104に生体201の所定部位(例えば、指)をかざす操作を行う。
【0019】
この際に、生体(例えば、手首)と表示入力部101が接触部分202で触れることによって、生体201が生体認証装置100の上に置かれたことを検知することができる。また、生体画像撮像部104に生体201の所定部位(例えば、指)をかざし、生体画像を撮影する際に、生体(例えば、手首)とタッチパネルとが触れることで生体201を静止させ安定した状態とし画像ブレの無い好適な生体画像を取得することができる。
【0020】
図3は、本実施例による生体認証装置100における、生体認証装置の登録処理または認証処理において、生体画像撮像部104に生体201の所定部位(例えば、指)をかざす操作を行う際の、タッチパネル上に置かれた生体の位置情報の例である。生体は、タッチパネル入力部301上の奥側、手前側、右側、左側といった様々な位置に置かれる。
【0021】
このとき、生体とタッチパネルは手のひらの下部や手首付近などの接触部分302によって接触し、その1つの点の接触部位302の座標情報(x,y)として検知される。なお、複数の点の座標情報(x1,y1)〜(xn,yn)を接触部位の座標として検知してもよい。また、複数の点の座標情報から接触部分の接触領域を算出し、接触領域を検知するものとしてもよい。
【0022】
次に、本実施例における生体認証装置の生体情報の登録処理動作について説明をする。図4は、本実施例による生体認証装置の登録処理フローを示す図である。以下に、図4を用いて生体認証装置100の動作の登録処理の各処理ステップを説明する。
【0023】
ステップ401では、使用者を識別するID番号を、入力部103を用いて入力する。ステップ402では、例えば「右手人差指」等の、生体情報を登録する生体の部位の種類に関する情報を、入力部103を用いて入力する。
【0024】
ステップ403では、表示部102へ登録のための操作ガイダンス表示を行う。ここで表示するガイダンスの内容は、ステップ402で入力された生体の部位の種類に応じて、適切な内容の操作ガイダンス表示(生体の外形の表示)を行う。例えば、ステップ402で入力された情報が「右手人差指」であった場合は、図5の表示例501に示すように、右手人差指の生体情報の読取に適切な操作ガイダンスの表示を行う。また、ステップ402で入力された情報が「左手中指」であった場合は、図5の表示例502に示すように、左手中指の生体情報の読取に適切な操作ガイダンスの表示を行う。
【0025】
ステップ404では、入力部103を用いて生体が触れた検知を行う。検知が無い場合はステップ404を繰り返し、生体が触れた(検知あり)場合は次のステップ405へ進む。本実施例では、検知されたタッチパネルの座標を(xT,yT)とする。
【0026】
ステップ405では、生体画像撮像部104を用いて使用者の生体画像を取得し、読取った生体情報から本人認証のための照合に適切なデータ形態に抽出・変換することを意図し特徴量情報を抽出する。
【0027】
ステップ406では、生体画像を撮影し特徴量情報抽出が成功したか否かの判定を行なう。失敗の場合はステップ407へ進み、成功の場合はステップ408へ進む。
【0028】
ステップ407では、生体画像撮影および特徴量情報抽出が失敗した際に、表示部102へ生体画像撮影を再度実施するための操作ガイダンス表示を行なう。ここで表示するガイダンスの内容も、ステップ402で入力された生体の部位の種類に応じて、適切な内容の操作ガイダンス表示を行う。
【0029】
操作ガイダンス表示を実施した後、生体画像撮影の再実施のため、ステップ404から繰り返す。
【0030】
ステップ408では、生体情報格納部105へ、図6で示す使用者の登録データ600を格納する。ここで格納する登録データ600は、登録処理で取得、生成した使用者のID番号601、左右どちらの手であるかおよびどの指の情報であるかを示す生体の種類情報602、タッチパネルが検出した生体検知座標(xT,yT)603、指の静脈データをしめす生体特徴量情報604とする。
【0031】
なお、これらに示す情報以外を登録データとしてもよい。また通信部106を介して、登録処理が完了したことを上位システムへ通知する。
【0032】
次に、本実施例における生体認証装置の認証処理動作について説明する。図7は、本実施例による生体認証装置の認証処理フローを示す図である。以下に、図7を用いて生体認証装置100の認証処理動作の各処理ステップを説明する。
【0033】
ステップ701では、使用者を識別するID番号を、入力部103を用いて入力する。
【0034】
ステップ702では、表示部102へ認証のための操作ガイダンス表示を行う。ここで表示するガイダンスの内容は、本人の登録データにある種類情報に応じて適切な内容の操作ガイダンス表示を行う。
【0035】
例えば、種類情報が「右手人差指」であった場合は、右手人差指の生体情報の読取に適切な操作ガイダンスの表示を行う。また、ここで表示する操作ガイダンスの内容は、本人の登録データにあるタッチパネル座標に応じて適切な内容のガイダンス表示を行なう。例えば、図8(a)に示すように、登録データのタッチパネル座標803がタッチパネル802の奥側にあるときは、ガイダンス表示801のようにガイダンス表示位置を奥側とする。また、図8(b)に示すように登録データのタッチパネル座標813がタッチパネル812の手前側にあるときは、ガイダンス表示811のようにガイダンス表示位置を手前側とする。
【0036】
なお、本実施例では図8に示すように手の形を表示する操作ガイダンス表示を行っているが、別の表示であってもよい。例えば、手のひら等の接触部分を表示するようにしてもよい。図8のように表示を行うことで、正しい指の認証位置を利用者に提示することが可能となる。また、図8ではガイダンス表示801とタッチパネル802と分けて図示しているが、説明の都合上分けているにすぎない。図9についても同様である。
【0037】
ステップ703では、入力部103を用いて、生体が触れた検知を行う。検知が無い場合はステップ703を繰り返し、生体が触れた検知が有る場合は次のステップ705へ進む。ここで検知されたタッチパネルの座標を(xN,yN)とする。生体の検知を確認することで、正しい置き方をしているか否かを判断し、認証率の高い生体画像の取得を可能となる。
【0038】
ステップ704では、生体画像撮像部104を用いて、使用者の生体画像を取得し、読取った生体情報から特徴量情報を抽出し、本人の登録データの生体特徴量情報と前記の読取った生体特徴量情報とを照合し、照合一致度を算出する。
【0039】
ステップ705では、ステップ704で算出した照合一致度を用いて本人認証の判定を行う。登録データとの照合一致度が既定の認証判定閾値を超えて高い場合は、登録データのIDに該当する本人認証が成功(一致)と判定されステップ706へ進む。また、照合一致度が認証判定閾値より低い場合は、認証失敗(不一致)と判定されステップ707へ進む。
【0040】
ステップ706では、通信部106を介して、本人認証が成功したという認証結果を上位システムへ通知する。
【0041】
ステップ707では、認証失敗(不一致)となった際に、表示部102へ認証を再度実施するための操作ガイダンス表示を行なう。ここで表示するガイダンスの内容も、登録データの種類情報に応じて、適切な内容の操作ガイダンス表示を行う。また、ここで表示する操作ガイダンス内容は、登録データのタッチパネル座標(xT,yT)と、認証時のタッチパネル座標(xN,yN)とを比較し、適切な生体の置き直しができる内容のガイダンス表示を行う。
【0042】
例えば、図9に示すように、タッチパネル902において、認証時失敗となった時のタッチパネル座標903と登録時のタッチパネル座標904とを比較し、認証失敗時には手前側へ位置がズレて生体を置かれたと判定した際には、ガイダンス表示901のように奥側への置き直しを促すような操作ガイダンス表示を行なう。操作ガイダンスを表示した後、再度認証実施のためステップ703から繰り返す。
【0043】
以上が本実施例に係る生体認証装置の構成および動作である。本構成を採用することにより、生体情報を用いた生体認証装置において、認証時の認証操作をする前に利用者に適切な案内通知が表示され、認証操作の不具合に起因する認証失敗を抑制することができる。また、認証失敗時であっても操作ガイダンスにより、適切な位置に生体を置く事ができ、再度の認証失敗を防ぐことができる。
【0044】
なお、本実施例の生体認証装置をATM(Automated Teller Machine)に適用した一例を図15に示す。
【実施例2】
【0045】
本実施例について、図12を用いて説明する。なお、実施例2の構成は実施例1と同様であり、生体認証の登録処理についても同様の処理を行うため、説明を省略する。
【0046】
図12は、実施例2の生体認証装置の生体認証時の動作を示すフローチャートである。以下、図12を用いて実施例2の生体認証装置100の認証処理動作を説明する。
【0047】
生体認証装置100を使用する使用者は、本人の認証を実施する際に認証処理を開始する。
【0048】
ステップ1201では、使用者を識別するID番号を、入力部103を用いて入力する。
【0049】
ステップ1202では、表示部102へ認証のための操作ガイダンス表示を行う。ここで表示するガイダンスの内容の例を図13に示す。図13は、本実施例における認証のための操作ガイダンス表示の一例である。本実施例では、種類情報が「右手人差指」であった場合、右手人差指の生体情報の読取に適切な操作ガイダンスの表示を行う。
【0050】
図13に示すように、ガイダンス表示1301に、登録データのタッチパネル座標1303を加えて表示する。この様に表示を行うことで、利用者に正しい位置に手を置くことを促し、登録時との差異が無い状態で生体認証をすることを可能とする。
【0051】
ステップ1203では、入力部103および生体画像撮像部104を用いて、生体が触れた検知を行う。検知が無い場合はステップ1203を繰り返し、生体が触れた検知が有る場合は次のステップ1204へ進む。ここで検知されたタッチパネルの座標を(xN,yN)とする。
【0052】
ステップ1204では、生体画像撮像部104を用いて、使用者の生体画像を取得し、読取った生体情報から特徴量情報を抽出する。
【0053】
ここで、本人の登録データの生体特徴量情報と前記の読取った生体特徴量情報および登録データのタッチパネル座標と検知されたタッチパネル座標とを照合し、照合一致度および座標一致範囲を算出する。
【0054】
生体特徴量情報における照合一致度の算出は、実施例1と同様である。タッチパネル座標における座標一致範囲の算出は、登録データのタッチパネル座標からの所定の範囲内に検知されたタッチパネル座標があれば一致と判断し、所定の範囲外であれば不一致と判断する。
【0055】
ステップ1205では、ステップ1204で算出した照合一致度を用いて本人認証の判定を行う。登録データとの照合一致度が既定の認証判定閾値を超えて高く座標一致範囲内である場合は、登録データのIDに該当する本人認証が成功と判定されステップ1206へ進む。
【0056】
また、照合一致度が認証判定閾値より低い場合または座標一致範囲外である場合は、認証失敗と判定されステップ1207へ進む。
【0057】
ステップ1207は、認証失敗となった際に、表示部102へ認証を再度実施するための操作ガイダンス表示を行なう。ここで表示するガイダンスの内容も、登録データの種類情報に応じて、適切な内容の操作ガイダンスの表示を行う。
【0058】
また、ここで表示するガイダンス内容は、登録データのタッチパネル座標(xT,yT)と、認証時のタッチパネル座標(xN,yN)とを比較し、適切な生体の置き直しができる内容の操作ガイダンスの表示を行う。
【0059】
ここで、操作ガイダンス表示は実施例1にて説明した図9と同様の操作ガイダンス表示を行うため、説明は省略する。操作ガイダンスを表示した後、再度認証実施のためステップ1203から繰り返す。
【0060】
ステップ1206は、通信部106を介して、認証結果を上位システムへ通知する。
【0061】
以上が本実施例に係る生体認証装置の構成および動作である。本構成をとることで、より精度の高い生体認証が行うことができる。
【0062】
上記の実施例1および実施例2の変形例として図10に示す構成であってもよい。図10は、本実施例による生体認証装置100の別の外観図(斜視図)である。
【0063】
生体画像撮像部104の周囲に、生体を置く位置を示すマーキング1002を設け、表示入力部101に表示されるガイダンス1001は、マーキング1002と一体的なデザインとすることで、使用者に分かり易いガイダンスとすることができる。
【0064】
ここで一体的なデザインとは、マーキング1002と表示入力部101に表示されるガイダンスと合わせることで一つの表示(例えば手)と認識できるように表示されたデザインを示す。なお、マーキング1002と操作ガイダンスとは完全に一致していなくともよく、一つの表示として認識できればよい。また、前記マーキング1002は生体を置く位置を示すガイド構造であってもかまわない。
【0065】
他の変形例として、図11に示す構成であってもよい。図11(a)は、実施例1と異なる生体部位を用いた生体認証装置の側面図の例である。図11(b)は、その生体認証装置を用いた認証ガイダンス表示の例である。
【0066】
実施例1では生体認証部位として指静脈を取得していたが、本変形例では生体認証部1101が指紋を取得し生体認証に用いる。なお、登録時の動作および生体認証時の動作は実施例と同様の動作を行う。また、指紋だけではなく掌紋や手のひらの静脈を生体認証に用いることも可能である。
【0067】
また、他の変形例として、図14に示す構成であってもよい。図14では、本実施例の表示入力部101の代わりにATM(Automated Teller Machine)1501に用いられている表示入力部1402を利用し、生体認証部1403を図14に示す位置に配置することで、本実施例を実施可能となっている。
【0068】
ATMの表示入力部1402を用いることで、例えば、特許文献2のようにATMの表示入力部の横に生体認証装置が取り付けられている場合に比べ、省スペースで実施することができる。
【0069】
なお、本発明は、生体認証装置に限らず、生体認証機能を備えた多機能携帯電話機(スマートフォン)にも適用可能である。また、タブレット型PC等と生体認証部を組み合わせた、表示入力部101と生体画像撮像部104がそれぞれ別装置であるような生体認証装置にも適用可能である。
【0070】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
【0071】
また、ある実施例の構成の一部の構成を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換することが可能である。
【符号の説明】
【0072】
100 生体認証装置
101 表示入力部
102 表示部
103 入力部
104 生体画像撮像部
105 生体情報格納部
106 通信部
110 制御部
201 生体
202 接触部分
301 タッチパネル入力部
302 位置座標
501 ガイダンス表示
511 ガイダンス表示
600 登録データ
801 ガイダンス表示
802 タッチパネル入力部
803 位置座標
811 ガイダンス表示
812 タッチパネル入力部
813 位置座標
901 ガイダンス表示
902 タッチパネル入力部
903 認証位置座標
904 登録位置座標
1001 ガイダンス表示
1002 マーキング
1101 生体認証部
1301 ガイダンス表示
1401 ATM
1402 表示入力部
1501 ATM

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体情報を検知する第1の検知部と、
前記第1の検知部が検知する生体と異なる部位の接触位置を検知する第2の検知部と、
前記生体情報および前記第1の検知部が検知する生体と異なる部位の接触位置を記憶する記憶部と、
操作ガイダンスを表示する表示部と、
それらを制御する制御部とを備えた生体認証装置であって、
前記生体情報を登録する場合に、前記第1の検知部が検知した生体情報と前記第2の検知部が検知した接触位置とを前記記憶部に記憶し、
前記生体情報を認証する場合に、前記記憶部に記憶した前記接触位置に応じた操作ガイダンスを表示することを特徴とする生体認証装置。
【請求項2】
請求項1に記載の生体認証装置であって、
前記操作ガイダンスは、前記第1の検知部が検知する生体と異なる部位の外形を表示することを特徴とする生体認証装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の生体認証装置であって、
前記第2の検知部は登録する生体の情報を入力する入力部を有し、
前記生体情報を登録する場合に、前記入力部により入力された登録する生体の情報に応じて、前記第1の検知部が検知する生体と異なる部位の外形を表示することを特徴とする生体認証装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1つに記載の生体認証装置であって、
前記第2の検知部が前記第1の検知部が検知する生体と異なる部位の接触を検知する場合に、生体認証を行うことを特徴とする生体認証装置。
【請求項5】
請求項4に記載の生体認証装置であって、
前記生体認証をする場合、前記記憶した生体情報と第1の検知部が取得した生体情報とを比較し、
生体認証に失敗した場合、前記記憶した第2の検知部が検知した接触位置と第2の検知部が検知した位置とを比較し、前記記憶された第2の検知部が検知した接触位置に前記第1の検知部が検知する生体と異なる部位を置くよう案内を表示することを特徴とする生体認証装置。
【請求項6】
請求項5に記載の生体認証装置であって、
前記記憶した第2の検知部が検知した接触位置を生体認証に用いることを特徴とする生体認証装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1つに記載の生体認証装置であって、
前記操作ガイダンスは、前記記憶した第2の検知部が検知した接触位置を表示することを特徴とする生体認証装置。
【請求項8】
第1の生体部位の生体情報を検知する第1の検知部と、
前記第1の検知部に隣接して設置され、生体認証をする場合に利用者の操作に応じて異なる操作ガイダンスを表示する表示部とを備えることを特徴とする生体認証装置。
【請求項9】
請求項8に記載の生体認証装置であって、
前記第1の検知部が検知する生体と異なる第2の生体部位の位置を検知する第2の検知部と、
前記第1の生体部位の生体情報および前記第2の生体部位の位置を記憶する記憶部とを備え、
前記生体情報を登録する場合に、第1の生体部位の生体情報と第2の生体部位の位置とを関連付けて前記記憶部に記憶し、
前記記憶した前記第2の生体部位の位置に応じた操作ガイダンスを表示することを特徴とする生体認証装置。
【請求項10】
請求項9に記載の生体認証装置であって、
前記操作ガイダンスは、前記第2の生体部位の外形を表示することを特徴とする生体認証装置。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1つに記載の生体認証装置であって、
前記第1の検知部の周囲には、生体をかざす場所を示すマーキングを備え、
前記マーキングは、前記表示部に表示される前記操作ガイダンスと合わせて一体的な表示をすることを特徴とする生体認証装置。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか1つに記載の生体認証装置であって、
前記第1の検知部が検知する生体情報は、指に関する生体情報であり、
前記第2の検知部が検知する生体の部位は、前記手のひらの何れかの部位または手首の何れかの部位または前記第1の検知部で検知される前記指以外の指の何れかの部位の少なくとも1つであることを特徴とする生体認証装置。
【請求項13】
生体情報を検知する第1の検知部と、
前記第1の検知部が検知する生体と異なる部位の接触位置を検知する第2の検知部と、
前記生体情報および前記接触位置を記憶する記憶部と、
操作ガイダンスを表示する表示部と、
それらを制御する制御部とを備えた自動取引装置であって、
前記生体情報を登録する場合に、前記第1の検知部の検知結果と前記第2の検知部の検知結果とを前記記憶部に記憶し、
前記生体情報を認証する場合に、前記記憶部に記憶された接触位置に応じた操作ガイダンスを表示することを特徴とする生体認証装置。
【請求項14】
請求項13の自動取引装置であって、
生体情報を認証する場合に、前記第2の検知部が接触を検知し、
前記記憶された前記生体情報と前記第1の検知部が検知した生体情報とを比較し、生体認証に失敗した場合、前記記憶された接触位置と第2の検知部が検知した接触位置とを比較し、
前記記憶された接触位置に前記第1の検知部が検知する生体と異なる部位を置く案内を表示することを特徴とする自動取引装置。
【請求項15】
請求項13または請求項14に記載の自動取引装置であって、
前記表示部は、前記第1の検知部に隣接して設置され、生体認証をする場合に利用者の操作に応じて異なる前記操作ガイダンスを表示することを特徴とする自動取引装置。

【図1】
image rotate

【図2(a)】
image rotate

【図2(b)】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5(a)】
image rotate

【図5(b)】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8(a)】
image rotate

【図8(b)】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11(a)】
image rotate

【図11(b)】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2013−105222(P2013−105222A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−247025(P2011−247025)
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【出願人】(504373093)日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社 (1,225)
【Fターム(参考)】