説明

甲状腺受容体におけるシクロアルキル含有アニリドリガンド

本発明は、一般式(I):
【化1】


[式中、
X、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10およびR11は本明細書中に定義する通りである]
を有する新規な甲状腺受容体リガンドを提供する。本発明はまた、代謝性機能不全に関係しまたはT調節遺伝子の発現に依存する、疾患または障害を予防し、抑制しまたは治療する方法を提供し、該方法においては上記の化合物を治療学的に有効な量で投与する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
(関連出願のクロスリファレンス)
本出願は、米国仮特許出願番号60/442,659(2003年1月24日出願)(このものは、本明細書の一部を構成する)の利益を主張する。
【0002】
(技術分野)
本発明は、甲状腺受容体リガンドである新規な化合物、該化合物の製造方法、および代謝の調節における該化合物そのものの使用方法に関する。
【0003】
(背景技術)
ヒトの代謝の調節における甲状腺ホルモンの広範な役割は十分に認識されているが、甲状腺機能亢進症および甲状腺機能低下症の処置を改善するための新規な特有の薬物の発見および開発は遅い。このことはまた、他の重要な臨床的な徴候(例えば、高コレステロール血症、肥満症および心不整脈)の処置のための甲状腺作動薬および拮抗薬の開発をも制限する。
【0004】
甲状腺ホルモンは、身体の実質的な全ての細胞の代謝に影響を及ぼす。正常なレベルの場合には、これらのホルモンは体重、代謝の割合、体温および気分を維持し、そして血清低密度リポタンパク質(LDL)の血中レベルに影響を及ぼす。従って、甲状腺機能低下症においては、体重の増加、高レベルのLDLコレステロール、およびうつ病が存在する。甲状腺機能亢進症の場合には、これらのホルモンは、体重の減少、異化亢進、血清中LDLレベルの低下、心不整脈、心不全、筋脱力(muscle weakness)、閉経後の女性における骨減少、および不安症を生じる。
【0005】
甲状腺ホルモンは、第1に甲状腺機能低下症を有する患者のための補充療法として現在使用されている。L−チロキシンを用いる療法は、代謝の機能を正常にまで回復させ、そして甲状腺刺激ホルモン(TSH)、チロキシン(3,5,3',5'−テトラヨード−L−サイクロニンまたはT4)およびトリヨードサイクロニン(3,5,3'−トリヨード−L−サイクロニンまたはT3)のレベルの通常の血清中測定法を用いて容易に追跡することができる。しかしながら、補充療法(特に、老人個体の場合)は、甲状腺ホルモン由来のある有害な影響によって制限され得る。
【0006】
加えて、甲状腺ホルモンの効果は、有害な効果が最小となりまたは除かれ得る場合には、非甲状腺障害において治療学的に有用であり得る。これらの潜在的に有用な影響としては例えば、体重の減少、血清中LDLレベルの低下、うつ病の軽減、および骨形成の刺激を含む。これらの障害を処置するために甲状腺ホルモンを薬理学的に使用する従来の試みは、甲状腺機能亢進症の徴候、特に心血管毒性によって制限される。
【0007】
更に、有用な甲状腺作動薬は、局部誘発性の甲状腺機能低下症、すなわち、ある組織または臓器における甲状腺ホルモン活性の正常以下のレベルに起因する望まない結果の可能性を最小とする。このことは、循環する甲状腺ホルモン作動薬の濃度の増大は下垂体に甲状腺刺激ホルモン(TSH)の分泌を抑制させることができ、従って甲状腺による甲状腺ホルモンの合成を低下させる(負のフィードバックコントロール)ために、生じ得る。内因性の甲状腺ホルモンレベルが低下する理由で、局在化する甲状腺機能低下症は、投与した甲状腺作動薬が特定の組織における内因性ホルモンレベルの低下を補償しないいずれの場所に置いても生じ得る。例えば、甲状腺作動薬が血液−脳関門を透過しない場合には、TSH抑制の効果はCNS甲状腺機能低下症および関連する危険(例えば、うつ病)を生じ得る。
【0008】
特有の且つ選択的な甲状腺ホルモン受容体リガンド、特に甲状腺ホルモン受容体の作動薬の開発は、これらの共通の障害のための具体的な療法を与え、一方で天然の甲状腺ホルモンの心血管および他の毒性を回避する。組織−選択的な甲状腺ホルモン作動薬は、選択的な組織の取り込みもしくは放出、局所的もしくは局部的な運搬、該作動薬と結合する他のリガンドによる細胞への標的化、および受容体サブタイプの標的化によって得ることができる。組織選択性はまた、組織特有の様式での甲状腺ホルモン応答性遺伝子の選択的な調節によっても達成され得る。
【0009】
従って、甲状腺ホルモン受容体リガンド、特に甲状腺ホルモン受容体の選択的作動薬は甲状腺ホルモンの活性に関係する疾患または障害の処置または予防において有用性を示し得る。例えば、(1)循環器合併症の危険がある甲状腺機能低下症を有する老人被験者における補充療法;(2)循環器合併症の危険がある無症状性甲状腺機能低下症を有する老人被験者における補充療法;(3)肥満症;(4)血清中LDLレベルの上昇が原因の高コレステロール血症;(5)うつ病;および(6)骨再吸収インヒビターとの組み合わせの骨粗しょう症が挙げられる。
【0010】
(発明の概要)
本発明によれば、甲状腺ホルモン受容体リガンドである化合物を提供し、そしてこのものは、一般式:
【化1】

[式中、
Xは、酸素(−O−)、セレン(−Se−)、硫黄(−S−)、スルフェニル(SO)、スルホニル(SO2)、カルボニル(−CO)、メチレン(−CH2−)または−NH−から選ばれ;
1は、水素、ハロゲン、CF3またはC1〜C6アルキルから選ばれ;
2は、ハロゲン、CF3、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C3〜C7シクロアルキル、C4〜C7シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールアルコキシ、シクロアルコキシ、N(R12)COR13、CO(NR1213)、N(R12)SO213、SO2(NR1213)、SR14、SOR14、SO214、COR14、CR12(OR5)R13またはCH2NR1213から選ばれ;
3は、水素、アルキル、ベンジル、アロイルまたはアルカノイルから選ばれ;
4およびR5は各々独立して、水素、ハロゲンまたはアルキルから選ばれ;
6およびR7は各々独立して、水素、ハロゲン、シアノ、C1〜C4アルキルまたはC3〜C6シクロアルキルから選ばれ、ここで、R6およびR7の少なくとも1つは水素以外であり;
8およびR9は各々独立して、水素、ハロゲン、アルコキシ、ヒドロキシ、シアノ、CF3またはアルキルから選ばれ;
10は、水素またはアルキルであり;
11は、CO213またはテトラゾールであり;
各R12およびR13は各々独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキルまたはヘテロアリールアルキルから選ばれ;
14は、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキルまたはヘテロアリールアルキルから選ばれ;そして、
nは1〜4の整数である]
を有する。
【0011】
上記の式Iの定義は、式Iの全てのプロドラッグ−エステル、立体異性体もしくは医薬的に許容し得る塩を含む。
【0012】
式Iの化合物は甲状腺ホルモン受容体リガンドであり、そしてこのものは例えば、甲状腺受容体の選択的作動薬、拮抗薬、部分作動薬または部分拮抗薬である化合物を含む。式Iの化合物は、甲状腺受容体の作動薬としての活性を有し、そして甲状腺受容体活性に関係する疾患または障害の処置において使用することができる事が好ましい。特に、式Iの化合物は、代謝性機能不全に関係するかあるいはT3調節遺伝子の発現に依存する、疾患または障害(例えば、肥満症、高コレステロール血症、アテローム硬化症、心不整脈、うつ病、骨粗しょう症、甲状腺機能低下症、甲状腺腫、甲状腺癌、緑内障、皮膚の障害もしくは疾患、およびうっ血性心不全)の処置において使用することができる。
【0013】
本発明は、式Iの化合物、該化合物を使用する医薬組成物、および該化合物の使用方法を提供する。特に、本発明は、治療学的に有効な量の式Iの化合物を単独でまたは医薬的に許容し得る担体と組み合わせて含有する医薬組成物を提供する。
【0014】
更に、本発明によれば、甲状腺受容体と関係する疾患または障害(例えば、本明細書中に上または下で定義する疾患または障害)の進行または発症を予防し、抑制しまたは治療するための方法を提供し、該方法においては、治療学的に有効な量の式Iの化合物を処置が必要な哺乳動物(すなわち、ヒト)の患者に投与する。
【0015】
本発明の化合物は、単独で、または本発明の他の化合物と組み合わせてもしくは本明細書中に記載する治療学的な分野における1個以上の他の薬物と組み合わせて、使用することができる。
【0016】
加えて、本明細書中に上または下で定義する疾患を予防し、抑制しまたは治療するための方法を提供し、該方法においては、式Iの化合物および本発明の別の化合物および/または別のタイプの治療学的な薬物の組み合わせの治療学的に有効な量を処置が必要な哺乳動物患者に投与する。
【0017】
(発明の詳細な記載)
[1]従って、第1の実施態様において、本発明は、式I:
【化2】

で示される化合物、並びにそれらの全てのプロドラッグ、立体異性体および医薬的に許容し得る塩を提供する。上記式中、
Xは、酸素(−O−)、セレン(−Se−)、硫黄(−S−)、スルフェニル(SO)、スルホニル(SO2)、カルボニル(−CO)、メチレン(−CH2−)または−NH−から選ばれ;
1は、水素、ハロゲン、CF3またはC1〜C6アルキルから選ばれ;
2は、ハロゲン、CF3、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C3〜C7シクロアルキル、C4〜C7シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールアルコキシ、シクロアルコキシ、N(R12)COR13、CO(NR1213)、N(R12)SO213、SO2(NR1213)、SR14、SOR14、SO214、COR14、CR12(OR5)R13またはCH2NR1213から選ばれ;
3は、水素、アルキル、ベンジル、アロイルまたはアルカノイルから選ばれ;
4およびR5は各々独立して、水素、ハロゲンまたはアルキルから選ばれ;
6およびR7は各々独立して、水素、ハロゲン、シアノ、C1〜C4アルキルまたはC3〜C6シクロアルキルから選ばれ、ここで、R6およびR7の少なくとも1つは水素以外であり;
8およびR9は各々独立して、水素、ハロゲン、アルコキシ、ヒドロキシ、シアノ、CF3またはアルキルから選ばれ;
10は、水素またはアルキルであり;
11は、CO213またはテトラゾールであり;
各R12およびR13は各々独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキルまたはヘテロアリールアルキルから選ばれ;
14は、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキルまたはヘテロアリールアルキルから選ばれ;そして、
nは1〜4の整数である。
【0018】
[2]好ましい実施態様において、本発明は、式I(式中、Xは酸素である)で示される化合物、並びにそれらの全てのプロドラッグ、立体異性体および医薬的に許容し得る塩を提供する。
【0019】
[3]別の好ましい実施態様において、本発明は、式Iで示される化合物、並びにそれらの全てのプロドラッグ、立体異性体および医薬的に許容し得る塩を提供する。上記式中、
1は、水素であり;
2は、C1〜C6アルキルまたはC3〜C7シクロアルキルであり;
3は、水素であり;
4は、水素、ハロゲンまたはアルキルであり;
5は、水素であり;
6およびR7は各々独立して、ブロモ、クロロまたはC1〜C4アルキルであり;
8は、水素、ハロゲンまたはアルキルであり;
9は、水素またはハロゲンであり;
10は、水素であり;
11は、カルボキシルであり;そして、
nは、2または3である。
【0020】
[4]別の好ましい実施態様において、本発明は、式I(式中、R2はイソプロピルである)で示される化合物、並びにそれらの全てのプロドラッグ、立体異性体および医薬的に許容し得る塩を提供する。
【0021】
[5]別の好ましい実施態様において、本発明は、式Iで示される化合物、並びにそれらの全てのプロドラッグ、立体異性体および医薬的に許容し得る塩を提供する。上記式中、
1は、水素であり;
2は、イソプロピルであり;
3は、水素であり;
4は、クロロまたはC1〜C4アルキルであり;
5は、水素であり;
6およびR7は各々独立して、ブロモ、クロロまたはメチルであり;
8は、水素、クロロまたはC1〜C4アルキルであり;
9は、水素であり;
10は、水素であり;
11は、カルボキシルであり;そして、
nは、2である。
【0022】
[6]別の好ましい実施態様において、本発明は、式Iで示される化合物、並びにそれらの全てのプロドラッグ、立体異性体および医薬的に許容し得る塩を提供する。上記式中、
1は、水素であり;
2は、イソプロピルであり;
3は、水素であり;
4は、クロロまたはメチルであり;
5は、水素であり;
6およびR7は、ブロモであり;
8は、水素またはメチルであり;
9は、水素であり;
10は、水素であり;
11は、カルボキシルであり;そして、
nは、2である。
【0023】
[7]より好ましい実施態様において、本発明は、式:
【化3】

またはそれらのアルキルエステルから選ばれる、式Iで示される化合物、並びにそれらの全てのプロドラッグ、立体異性体および医薬的に許容し得る塩を提供する。
【0024】
[8]別のより好ましい実施態様において、本発明は、式:
【化4】

またはそれらのアルキルエステルから選ばれる、式Iで示される化合物、並びにそれらの全てのプロドラッグ、立体異性体および医薬的に許容し得る塩を提供する。
【0025】
[9]別のより好ましい実施態様において、本発明は、式:
【化5】

から選ばれる、式Iで示される化合物、並びにそれらの全てのプロドラッグ、立体異性体および医薬的に許容し得る塩を提供する。
【0026】
[10]第2の実施態様において、本発明は、上で定義する式1の化合物および医薬的に許容し得る担体を含有する医薬組成物を提供する。
【0027】
[11]好ましい実施態様において、本発明は、更に、式Iの他の化合物、抗糖尿病薬、抗骨粗しょう症薬、抗肥満症薬、成長促進薬、抗炎症薬、抗不安症薬、抗うつ病薬、血圧降下薬、強心配糖体、コレステロール/脂質低下薬、食欲減退薬、骨吸収インヒビター、甲状腺擬態薬、タンパク質同化薬、抗腫瘍薬またはレチノイドから選ばれる少なくとも1つの更なる治療学的な薬物を含有する、上で定義する医薬組成物を提供する。
【0028】
[12]別の好ましい実施態様において、本発明は、該更なる治療学的な薬物が、ビグアナイド、グルコシダーゼインヒビター、メグリチナイド、スルホニルウレア、チアゾリジンジオン、PPAR−アルファ作動薬、PPAR−ガンマ作動薬、PPARアルファ/ガンマ二重作動薬、SGLT2インヒビター、グリコーゲンホスホリラーゼインヒビター、aP2インヒビター、グルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)、ジペプチジルペプチダーゼIVインヒビター、またはインスリンから選ばれる抗糖尿病薬である、上で定義する医薬組成物を提供する。
【0029】
[13]別の好ましい実施態様において、本発明は、該更なる治療学的な薬物が、メトホルミン、グリブリド、グリメピリド、グリピリド、グリピジド、クロルプロパミド、グリクラジド、アカルボース、ミグリトール、トログリダゾン、ピオグリダゾン、エングリダゾン、ダルグリダゾン、ロシグリダゾンまたはインスリンから選ばれる抗糖尿病薬である、上で定義する医薬組成物を提供する。
【0030】
[14]別の好ましい実施態様において、本発明は、該更なる治療学的な薬物が、aP2インヒビター、PPARガンマ拮抗薬、PPARデルタ拮抗薬、ベータ3アドレナリン作動薬、リパーゼインヒビター、セロトニン再取り込みインヒビター、カンビノイド−1受容体拮抗薬および摂食障害薬から選ばれる、上で定義する医薬組成物を提供する。
【0031】
[15]別の好ましい実施態様において、本発明は、該更なる治療学的な薬物が、チアゾリジンジオン、MTPインヒビター、スクアレンシンセターゼインヒビター、HMG CoA還元酵素インヒビター、フィブル酸誘導体、ACATインヒビター、コレステロール吸収インヒビター、回腸Na+/胆汁共輸送体インヒビター、胆汁酸捕捉剤またはニコチン酸もしくはその誘導体から選ばれる抗高脂血症薬である、上で定義する医薬組成物を提供する。
【0032】
[16]第3の実施態様において、本発明は、代謝性機能不全に関連するかまたはT3調節遺伝子の発現に依存する疾患を予防し、抑制しまたは治療するための方法であって、処置が必要な哺乳動物患者に治療学的に有効な量の式Iの化合物を投与することを含む、該方法を提供する。
【0033】
[17]好ましい実施態様において、本発明は、肥満症、高コレステロール血症、アテローム硬化症、うつ病、骨粗しょう症、甲状腺機能低下症、無症状性甲状腺機能亢進症、非毒性甲状腺腫、骨の量、密度もしくは成長の低下、摂食障害、認知機能の低下、甲状腺癌、緑内障、心不整脈、うっ血性心不全、または皮膚の障害もしくは疾患の進行または発症を処置しまたは遅延するための上で定義する方法であって、処置が必要な哺乳動物患者に治療学的に有効な量の式Iの化合物を投与することを含む、該方法を提供する。
【0034】
[18]好ましい実施態様において、本発明は、皮膚の障害または疾患が、真皮萎縮症、レーザー剥皮が原因の外科手術後の挫傷、ケロイド、線条、セルライト、荒れた皮膚、光線性皮膚損傷、扁平苔癬、魚鱗癬、ざ瘡、乾癬、ダリエ病、湿疹、アトピー性皮膚炎、塩素ざ瘡、ひこう疹または皮膚瘢痕である、上で定義する方法を提供する。
【0035】
[19]別の好ましい実施態様において、本発明は、更に、他の式Iの化合物、抗糖尿病薬、抗骨粗しょう症薬、抗肥満症薬、成長促進薬、抗炎症薬、抗不安症薬、抗うつ病薬、血圧降下薬、強心配糖体、コレステロール/脂質低下薬、食欲減退薬、骨吸収インヒビター、甲状腺擬態薬、タンパク質同化薬、抗腫瘍薬またはレチノイドから選ばれる少なくとも1つの更なる治療学的な薬物の治療学的に有効な量を同時にまたは連続的に投与することを含む、上で定義する方法を提供する。
【0036】
[20]別の好ましい実施態様において、本発明は、皮膚の障害または疾患の進行または発症を処置しまたは遅延する方法であって、哺乳動物患者に、治療学的に有効な量の式Iの化合物をレチノイドまたはビタミンDアナログと組み合わせて投与することを含む、該方法を提供する。
【0037】
[22]別の好ましい実施態様において、本発明は、肥満症の進行または発症を処置しまたは遅延するための方法であって、処置の必要な哺乳動物患者に治療学的に有効な量の式Iの化合物を投与することを含む、該方法を提供する。
【0038】
[22]別の好ましい実施態様において、本発明は、更に、抗肥満薬または食欲減退薬から選ばれる少なくとも1つの更なる治療学的な薬物の治療学的に有効な量を同時にまたは連続的に投与することを含む、該方法を提供する。
【0039】
[23]別の好ましい実施態様において、本発明は、抗肥満症薬がaP2インヒビター、PPARガンマ拮抗薬、PPARデルタ拮抗薬、ベータ3アドレナリン作動薬、リパーゼインヒビター、セロトニン(および、ドーパミン)再取り込みインヒビター、カンビノイド−1受容体拮抗薬、他の甲状腺受容体薬または摂食障害薬から選ばれる、上で定義する方法を提供する。
【0040】
[24]第4の好ましい実施態様において、本発明は、式Iの化合物を含有する甲状腺ホルモン受容体の選択的作動薬として機能する、医薬組成物を提供する。
【0041】
以下の略号を、本明細書中に使用する:
Ph=フェニル;
Bn=ベンジル;
t−Bu=tertブチル;
Me=メチル;
Et=エチル;
THF=テトラヒドロフラン;
Et2O=ジエチルエーテル;
EtOAc=酢酸エチル;
DMF=ジメチルホルムアミド;
MeOH=メタノール;
EtOH=エタノール;
i−PrOH=イソプロパノール;
HOAcまたはAcOH=酢酸;
TFA=トリフルオロ酢酸;
i−Pr2NEt=ジイソプロピルエチルアミン;
Et3N=トリエチルアミン;
DMAP=4−ジメチルアミノピリジン;
NaBH4=水素化ホウ素ナトリウム;
KOH=水酸化カリウム;
NaOH=水酸化ナトリウム;
LiOH=水酸化リチウム;
2CO3=炭酸カリウム;
NaHCO3=炭酸水素ナトリウム;
Ph3P=トリフェニルホスフィン;
Ar=アルゴン;
2=窒素;
min=分;
hまたはhr=時間;
L=リットル;
mL=ミリリットル;
μL=マイクロリットル;
g=グラム;
mg=ミリグラム;
mol=モル;
mmol=ミリモル;
meq=ミリ当量;
RT=室温;
satまたはsat'd=飽和;
aq.=水性または水溶液;
NMR=核磁気共鳴;
EDC(もしくは、EDC.HCl)、EDCI(もしくは、EDCI.HCl)またはEDAC=3−エチル−3'−(ジメチルアミノ)プロピル−カルボジイミド・塩酸塩(または、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド・塩酸塩);
HOBTまたはHOBT.H2O=1−ヒドロキシベンゾトリアゾール・水和物;
HOAT=1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール;
TLC=薄層クロマトグラフィー;
HPLC=高速液体クロマトグラフィー;
LC/MS=高速液体クロマトグラフィー/質量分析;
MSまたはMass Spec=質量分析。
【0042】
特に具体例に限定されない限り、以下の定義は本明細書中で使用する通り該用語に適用する。
【0043】
本明細書中で使用する用語「甲状腺受容体リガンド」とは、甲状腺受容体と結合するいずれかの分子を包含することを意図する。該リガンドは、作動薬、拮抗薬、部分作動薬または部分拮抗薬として機能し得る。「甲状腺受容体リガンド」についての別の用語は、「甲状腺類似(thyromimetic)」である。
【0044】
特に断らない限り、本明細書中で単独でまたは別の基の一部として使用する用語「アルキル」とは、通常の鎖内に炭素数1〜12個(1〜4個が好ましい)(アルキルまたはアルカの場合)を含有する、直鎖または分枝の両方の炭化水素を含み、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、4,4−ジメチルペンチル、オクチル、2,2,4−トリメチルペンチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシルを含む。本明細書中で定義しそして本請求の範囲において特許請求する用語「アルキル」とは、1〜4個の置換基で場合により置換された上で定義するアルキル基を含む。ここで、該置換基は、ハロ(例えば、F、Br、ClまたはI)、CF3、アルキル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アリール(アリール)またはジアリール、アリールアルキル、アリールアルコキシ、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアルコキシ、場合により置換されたアミノ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アシル、オキソ、アルカノイル、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、シクロヘテロアルキル、アリールヘテロアリール、アリールアルコキシカルボニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルコキシ、アリールオキシアルキル、アリールオキシアリールアルキルアミド、アルカノイルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ニトロ、シアノ、チオール、ハロアルキル、トリハロアルキル、アルキルチオ、またはカルボキシル(もしくは、そのアルキルエステル)であり得る。
【0045】
特に断らない限り、本明細書中で単独でまたは別の基の一部として使用する用語「シクロアルキル」とは、1個の環および該環を形成するのに総計3〜8個の炭素(3〜6個の炭素が好ましい)を含有する、飽和の環状炭化水素基または部分的に不飽和(1または2個の二重結合を含有する)の環状炭化水素基を含む。
【0046】
本明細書中で定義しおよび特許請求する用語「シクロアルキル」とは、場合により1個以上の置換基(該置換基は、例えばアルキルについて定義するもの)で置換された上で定義するシクロアルキル基を含む。
【0047】
本明細書中で単独でまたは別の基の一部として使用する用語「アリール」または「Ar」とは、環部分内の炭素数が6〜10個を含有する単環式および二環式の芳香族基(例えば、フェニルまたは(例えば、1−ナフチルおよび2−ナフチルを含む))を意味する。本明細書中で定義しおよび特許請求する用語「アリール」とは、いずれかの利用可能な炭素原子が1個以上の置換基で場合により置換された上で定義するアリール基を含む。ここで、該置換基は例えば、ハロ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルケニル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、アルキニル、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、カルボキシル(または、そのアルキルエステル)またはアルキルについて記載する他の置換基のいずれかが挙げられる。
【0048】
特に断らない限り、本明細書中で単独または別の基の一部として使用する用語「アルケニル」とは、通常の鎖内の炭素数が2〜20個(炭素数2〜12個が好ましく、炭素数2〜8個がより好ましい)であって、通常の鎖内に1個以上の二重結合を含む、直鎖または分枝の基を意味する。例えば、ビニル、2−プロペニル、3−ブテニル、2−ブテニル、4−ペンテニル、3−ペンテニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、2−へプテニル、3−へプテニル、4−へプテニル、3−オクテニル、3−ノネニル、4−デセニル、3−ウンデセニル、4−ドデセニル、4,8,12−テトラデカトリエニルなどが挙げられる。本明細書中で定義しおよび特許請求する用語「アルケニル」とは、いずれかの利用可能な炭素原子が1個以上の置換基(このものは、アルキルまたはアリールについて記載する置換基のいずれか)で場合により置換された上で定義するアルケニル基を含む。
【0049】
特に断らない限り、本明細書中で単独でまたは別の基の一部として使用する用語「アルキニル」とは、通常の鎖内の炭素数が2〜20個(炭素数2〜12個が好ましく、炭素数2〜8個がより好ましい)であって、通常の鎖内に1個以上の三重結合を含む、直鎖または分枝の基を意味する。例えば、2−プロピニル、3−ブチニル、2−ブチニル、4−ペンチニル、3−ペンチニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル、2−へプチニル、3−へプチニル、4−へプチニル、3−オクチニル、3−ノニニル、4−デシニル、3−ウンデシニル、4−ドデシニルなどを挙げられる。本明細書中で定義しおよび特許請求する用語「アルキニル」とは、いずれかの利用可能な炭素原子が1個以上の置換基(例えば、アルキルまたはアリールについて記載する置換基のいずれか)で場合により置換された上で定義するアルキニル基を含む。
【0050】
本明細書中で単独でまたは別の基の一部として使用する用語「シクロアルケニル」とは、炭素数が3〜12個(炭素数5〜10個が好ましい)であって且つ1または2個の二重結合を含有する環状の炭化水素を意味する。典型的なシクロアルケニル基は、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、およびシクロヘプタジエニルを含み、これらは場合によりシクロアルキルについて定義する通り置換され得る。本明細書中に定義しおよび特許請求する用語「シクロアルケニル」とは、いずれかの利用可能な炭素が1個以上の置換基(例えば、アルキルまたはアリールについて定義する置換基のいずれか)で場合により置換された上で定義するシクロアルケニル基を含む。
【0051】
特に断らない限り、本明細書中で単独でまたは別の基の一部として使用する用語「ヘテロアリール」または「ヘテロ芳香族」とは、1、2、3または4個のヘテロ原子(例えば、窒素、酸素または硫黄)を含む5−または6−員の芳香族環、およびアリール、シクロアルキル、ヘテロアリールまたはシクロへテロアルキル環と縮合した該環(例えば、ベンゾチオフェニル、インドール)を含み、そしてこのものは可能なN−オキシドを含む。「置換ヘテロアリール」基は、1個以上の置換基(例えば、上記のアルキルまたはアリール置換基のいずれか)で場合により置換されたヘテロアリールを含む。本明細書中で定義しおよび特許請求する用語「ヘテロアリール」とは、いずれかの利用可能な炭素原子が1個以上の置換基(例えば、アルキルまたはアリールについて記載する置換基のいずれか)で場合により置換された上で定義するヘテロアリール基を含む。
【0052】
本明細書中で単独でまたは別の基の一部として使用する用語「ハロゲン」または「ハロ」とは、塩素、臭素、フッ素およびヨウ素、並びにCF3を意味するが、塩素または臭素が好ましい。
【0053】
本明細書中で単独でまたは別の基の一部として使用する用語「アルカノイル」とは、カルボニル基と連結したアルキル基である。
【0054】
本明細書中で単独でまたは別の基の一部として使用する用語「アロイル」とは、カルボニル基と連結したアリールである。
【0055】
本明細書中で使用する用語「テトラゾール」とは、構造式:
【化6】

を有するものと定義する。
【0056】
特に断らない限り、本明細書中で単独でまたは別の基の一部として使用する用語「アルコキシ」、「アリールオキシ」または「ヘテロアリールオキシ」は、酸素原子で連結した上記のアルキル、アリールまたはヘテロアリール基のいずれかを含む。
【0057】
本明細書中で使用する用語「シアノ」とは、−CN基を意味する。
【0058】
本明細書中で単独でまたは別の基の一部として使用する用語「アリールアルキル」および「ヘテロアリールアルキル」とは、アリールまたはヘテロアリール置換基を有する上で記載するアルキル基を意味する。アリールアルキルの代表的な例は、ベンジル、2−フェニルエチル、3−フェニルプロピルを含むが、これらに限定されない。
【0059】
特に断らない限り、本明細書中で単独でまたは別の基の一部として使用する用語「アリールアルコキシ」および「シクロアルコキシ」とは、酸素原子で連結したアリールシクロアルキル基を含む。
【0060】
本明細書中で使用する用語「カルボン酸」または「カルボキシル」とは、−COOH基を意味する。
【0061】
本明細書中で使用する用語「ベンジル」とは、−CH265を意味し、このものは場合によりアルキルについて上で定義する通り置換され得る。
【0062】
式Iの化合物は、塩、特に医薬的に許容し得る塩として存在し得る。少なくとも1つの酸基(例えば、COOH)を含有する式Iの化合物はまた、塩基との塩を形成し得る。塩基との適当な塩は例えば、金属塩(例えば、アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩)(例えば、ナトリウム、カリウム、マグネシウムの塩)、アンモニアもしくは有機アミン(例えば、モルホリン、チオモルホリン、ピペリジン、ピロリジン、モノ−、ジ−もしくはトリ−低級アルキルアミン(例えば、エチル、tertブチル、ジエチル、ジイソプロピル、トリエチル、トリブチルもしくはジメチルプロピルアミン)、またはモノ−、ジ−もしくはトリ−ヒドロキシ低級アルキルアミン(例えば、モノ−、ジ−またはトリ−エタノールアミン))を含む。対応する内部塩が、更に形成し得る。医薬的な使用に不適当であるが、例えば化合物Iまたはそれらの医薬的に許容し得る塩の単離または精製に使用することができる塩をも含む。
【0063】
酸基を含む式Iの化合物の好ましい塩としては、ナトリウム、カリウムおよびマグネシウムの塩、および医薬的に許容し得る有機アミンを含む。
【0064】
式Iの化合物はまた、プロドラッグ形態を有し得る。インビボで生物学的に活性な薬物(すなわち、式Iの化合物)に変換するいずれかの化合物は、本発明の範囲および精神の範囲内にあるプロドラッグである。
【0065】
様々な形態のプロドラッグが、当該分野においてよく知られる。プロドラッグおよびプロドラッグ誘導体の包括的な記載は、
a)The Practice of Medicinal Chemistry, Camille G. Wermuthらによる, Ch 31, (Academic Press, 1996);
b)Design of Prodrug(H. Bundgaardらによる編), (Elsevier, 1985);および、
c)A Textbook of Drug Design and Development, P. Krogsgaard-LarsonおよびH. Bundgaardによる編, Ch 5, 頁113-191(Harwood Academic Publishers, 1991)
中で知られ得る。
【0066】
好ましいプロドラッグとしては、アルキルエステル(例えば、エチルエステル)、またはアシルオキシアルキルエステル(例えば、ピバロイルオキシメチル(POM))を含む。
【0067】
本発明の化合物の全ての立体異性体は、混合物または純粋なもしくは実質的に純粋な形態のいずれかで企図される。本発明の化合物は、いずれか1つのまたはR置換基を含有する炭素原子のいずれか上で不斉中心を有し得る。結果として、式Iの化合物は、エナンチオマーもしくはジアステレオマーの形態またはそれらの混合物で存在し得る。製造方法は。出発物質としてラセミ体、エナンチオマーまたはジアステレオマーを使用することができる。ジアステレオマーまたはエナンチオマーの生成物を製造する場合には、それらは通常の方法(例えば、クロマトグラフィー法または分別結晶法)によって分離することができる。
【0068】
本発明の治療学的な薬物の投与は、本発明の薬物の治療学的に有効な量の投与を含む。本明細書中で使用する用語「治療学的に有効な量」とは、本発明の組成物の投与によって処置することができる疾患を治療しまたは予防するための治療学的な薬物の量を意味する。該量は、検出可能な治療学的な、予防学的なまたは軽減的な効果を示すのに十分な量である。該効果は例えば、本明細書中に例示する疾患の治療または予防を含み得る。被験者にとっての正確な有効量は、被験者の大きさおよび健康、処置する疾患の性質および大きさ、処置する医師の勧告、および投与のために選択した治療もしくは治療の組み合わせに依存するであろう。従って、正確な有効量を予め具現化するのは有用ではない。
【0069】
式Iの化合物は、以下の反応式に記載する典型的な方法、並びに関連する公開された刊行物の方法(このものは、当該分野の当業者によって使用される)によって製造され得る。これらの反応式にとっての典型的な試薬および方法を、以下および実施例中において記載する。以下の反応式中の保護および脱保護は、当該分野において通常知られる方法によって実施することができる(例えば、T. W. Greene & P. G. M. Wutsによる「Protecting Groups in Organic Synthesis」, 3版, Wiley, 1999を参照)。
【0070】
【化7】

反応式1は、式I(式中、X=Oである)の化合物に対する一般的な合成方法を示し、このものは、適当に置換されたヨードニウム塩1の適当なフェノール2へのカップリング反応を用いて、中間体3を得る。構造式1および以下に記載する更なる反応式中に含まれる全ての他の利用可能な構造において、PGは示す官能基にとって適当な保護基(この場合には、フェノール性酸素)を意味する。各特定の中間体にとっての具体的な保護基は、当該分野の当業者によって十分に理解される(上で引用する引用文献:「Protecting Groups in Organic Synthesis」をも参照)。続く保護基および官能基の操作により、式Iの目的の化合物を得る。例えば、中間体2は、ニトロフェノール(R'およびR''は酸素である)であり得て、そして得られたカップリング生成物は、ジアリールーエーテルニトロ化合物3(R'およびR''はOである)である。このニトロ中間体は、対応するアリールアミン(以下の記載を参照)に容易に還元することができる。次いで、得られたアリールアミンを容易にアシル化して、式I(式中、X=O)の目的の化合物を得ることができる。中間体2はまた、例えばR'=R5およびR''=PGである保護されたアミノ官能基であり得る。該保護基(PG)は、カルバメート(例えば、t−ブチルオキシカルボニル(BOC)またはベンジルオキシカルボニル(CBZ))であり得て、このものは後に、標準的な条件下での酸分解および/または水素化分解によって除去され得る。当該分野の当業者にとってよく知られる方法によって再び、得られたアリールアミンをアシル化することにより、式Iの目的の化合物を得る。加えて、ニトロベンゼンカップリング生成物の還元から得られるアリールアミン(中間体3(R'=R''=H))を、還元的なアミノ化反応中でアルデヒドと反応させ、その結果、基R5(このものは、アルデヒド部分由来である)を導入することができる。還元的なアミノ化方法(例えば、シアノ水素化ホウ素ナトリウムまたはトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムの使用による)は、当該分野の当業者にとってよく知られる。次いで、得られた生成物を標準的な方法によってアシル化して、式Iの化合物を得ることができる。
【0071】
反応式1中に示すヨードニウム塩方法論は、甲状腺ホルモンアナログ(「Novel Thyroid Receptor Ligands and Methods, Y.-L. Li, Y. Liu, A. Hedfors, J. Malm, C. Mellin, M. Zhangによる, PCT国際特許出願WO 9900353 A1 990107;D. M. B. Hickeyらによる, J. Chem. Soc. Perkin Trans. I, 3103-3111, 1988;N. Yokoyamaらによる, J. Med. Chem., 38, 695-707, 1995)、および一般的なジアリールエーテル(E. A. Couladouros, V. I. Moutsosによる, Tetrahedron Lett., 40, 7023-7026, 1999)の合成についての刊行物中で詳細に記載されている。
【0072】
【化8】

反応式2は、式I(式中、X=O)の化合物についての別の一般的な合成方法を示す。ここで、適当に置換されたニトロベンゼン中間体5を、適当に置換されたフェノール4と縮合させて、ニトロ中間体6を得る。該中間体の6のニトロ官能基を、当該分野においてよく知られる方法(例えば、例えばラネーニッケルまたはパラジウム−炭素触媒の存在下、極性溶媒(例えば、氷酢酸またはエタノール)中での触媒的な水素添加の使用)によって、アミノ基に還元することができる。別に、該還元反応は、氷酢酸水溶液中、周囲温度で鉄粉を用いて達成することができる。続く保護基および官能基の操作により、式Iの目的の化合物を得る。
【0073】
【化9】

式I(式中、X=O)の化合物の合成に対する別の一般的な方法を、反応式3中に示す。この方法において、適当に置換されたヨードニウム塩1を、適当に置換された4−ヒドロキシ安息香酸中間体7にカップリングさせる。次いで、得られたカップリング生成物8中の該カルボキシル保護基(PG')を除去する。次いで、8に対応する得られた遊離カルボン酸中間体について、該変換のための公知の試薬(例えば、ジフェニルホスホリルアジド(DPPA))の使用によるクルチウス転位反応を行なう。該クルチウス転位反応中間体を、t−ブタノールまたはベンジルアルコールのいずれかによってトラップして、生成物9、それぞれt−ブチルオキシカルボニル(BOC)またはベンジルオキシカルボニル(CBZ)保護のアニリンを得ることができる。これらの保護基は、当該分野においてよく知られる方法によって除去して、対応する遊離アミン基を得ることができる。次いで、該アミンを、いずれかの多数のよく確立された方法の1つによってアシル化して、式I(式中、X=O)の化合物を得ることができる。例えば、カップリング試薬(例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)または(1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド(EDCI))を用いることによる、遊離のカルボン酸のアシル化が挙げられる。別に、該遊離のアミンを、等量の第3級有機アミン(例えば、トリエチルアミンまたはN−メチルモルホリン)の存在下でカルボン酸クロリドを用いてアシル化することができる。
【0074】
上記の合成について引用する場合に、甲状腺様についてのジアリールエーテルの一般的な合成は以下の刊行物中に十分に先例がある(P. D. Leeson, J. C. Emmettによる, J. Chem. Perkin Trans. I, 3085-3096, 1988;N. Yokoyamaらによる, J. Med. Chem., 38, 695-707, 1995)。
【0075】
式I(式中、X=Oであり、R6およびR7は独立して水素、ハロゲン、およびアルキルとして可変である)の化合物の合成に利用可能な方法は、「Novel Thyroid Receptor Ligands and Methods, Y.-L. Li, Y. Liu, A. Hedfors, J. Malm, C. Mellin, M. Zhangによる, PCT国際特許出願WO 9900353 A1 990107」中に記載されている。
【0076】
式I(式中、X=O、NH、S、COまたはCH2である)の化合物を合成するための更なる方法は、以下の刊行物中に一般的に記載されている(X=Oの場合、D. M. B. Hickeyらによる, J. Chem. Soc. Perkin Trans. I, 3097-3102, 1988;Z.-W. Guoらによる, J. Org. Chem., 62, 6700-6701, 1997;D. M. T. Chanらによる, Tetrahedron Lett., 39, 2933-2936, 1998;D. A. Evansらによる, Tetrahedron Lett., 39, 2937-2940, 1998;G. M. Salamonczykらによる, Tetrahedron Lett., 38, 6965-6968, 1997;J.-F. Marcouxによる, J. Am. Chem. Soc., 119, 10539-10540, 1997;A. V. Kalininらによる, J. Org. Chem., 64, 2986-2987, 1999;X=Nの場合、D. M. T. Chanらによる, Tetrahedron Lett., 39, 2933-2936, 1998;J. P. Wolfeらによる, J. Am. Chem. Soc., 118, 7215, 1996;M. S. Driver, J. F. Hartwigによる, J. Am. Chem. Soc., 118, 7217, 1996;C. G. Frost, P. Mendoncaらによる総説, J. Chem. Soc. Perkin I, 2615-2623, 1998を参照;X=Sの場合、C. R. Harringtonによる, Biochem. J., 43, 434-437, 1948;A. Dibboらによる, J. Chem. Soc., 2890-2902, 1961;N. Yokoyamaらによる, 米国特許第5,401,772号, 1995;X=COまたはCH2の場合、L. Horner, H. H. G.による, Medem, Chem. Ber., 85, 520-530, 1952;G. Chielliniらによる, Chemistry & Biology, 5, 299-306, 1998を参照)。
【0077】
【化10】

式I(式中、X=S、SOまたはSO2である)の化合物を、反応式4中に概説する通り製造することができる。適当なフェノール性エーテル9を出発とし、溶媒(例えば、CH2Cl2)中でクロロスルホン酸を用いてクロロスルホン化(chlorosulfonolation)し、続いてH2SO4またはAcOHの水溶液中で金属(例えば、Zn)を用いて還元することにより、アリールチオール10を得る。該アリールチオール中間体10を、構造式5のアリールハライドとカップリングさせ、次いで還元し、アシル化し、そして脱保護して、式I(式中、X=Sである)の化合物を得ることができる。式I(式中、X=SOまたはSO2である)の化合物を、同様な方法(脱保護前に、硫黄をm−クロロ安息香酸を用いて適当な酸化状態にまで酸化することを除く)で製造することができる。上記の該フェノール性エーテルは、商業的に入手可能であるか、またはR2がiPrである場合には、R. M. Jonesらによる, J. Org. Chem., 2001, 66, 3435-3441に記載の方法に従って適当な置換サリチルアルデヒドをBOC無水物および過剰量のアルキルリチウムを用いて連続処置することによって、容易に製造する。
【0078】
【化11】

同様な方法(反応式5)において、式I(式中、X=NHである)の化合物を、中間体9(反応式4由来)のニトロ化、該アニリン11への還元、続いて5とのカップリングによって製造して、目的のジアリールアミン12を得ることができる。12によって示されるアニリンは、還元、アシル化および脱保護に従って、式I(式中、X=NHである)の化合物に変換することができる。
【0079】
【化12】

式I(式中、X=COまたはCH2である)の化合物(反応式6)は、化合物9をルイス酸触媒(例えば、AlCl3)の存在下、溶媒(例えば、CS2またはCH2Cl2)中で酸クロリド(例えば、13)を用いてアシル化することによって製造して、前もって必要なケトン14を得ることができる。14によって示されるケトンを式I(式中、XはCOである)の化合物に変換し、続いて該NO2基のFe媒介による還元、アシル化および脱保護を行なう。引き続いて、該ケトンカルボニルをEt3SiH/BF3・Et2Oを用いて還元することにより、式I(式中、X=CH2である)の化合物を得る。
【0080】
(有用性および組み合わせ)
A.有用性
本発明の化合物は甲状腺受容体リガンドであり、そしてこのものは例えば甲状腺受容体の選択的作動薬、部分作動薬、拮抗薬または部分拮抗薬である化合物を含む。本発明の化合物は、甲状腺受容体の作動薬としての活性を有し、そしてこのものは甲状腺受容体の活性に関連する疾患または障害の処置において使用することができる。特に、本発明の化合物は、代謝性機能不全に関連するかまたはT3調節遺伝子の発現に依存する疾患または障害の処置において使用することができる。
【0081】
従って、本発明の化合物は、様々な病気および障害の処置のために哺乳動物(ヒトが好ましい)に投与することができる。該処置としては例えば、甲状腺機能低下症、無症状性甲状腺機能亢進症、非毒性甲状腺腫、アテローム硬化症、甲状腺ホルモン補充療法(例えば、老人の場合)、甲状腺受容体を含有する悪性腫瘍細胞、乳頭もしくは卵胞の癌の処置;筋肉の強さおよび機能の維持(例えば、老人の場合);老人における虚弱性もしくは加齢関連の機能の低下(「ARFD」)(例えば、筋肉減少症)の修復もしくは予防;グルココルチコイドの異化副作用の処置;骨の量、密度もしくは成長の減少(例えば、骨粗しょう症およびオステオペニア)の予防および/または治療;慢性疲労症候群(CFS)の処置;複雑骨折の治癒の促進(例えば、骨延長法(distraction osteogenesis));関節置換術;摂食障害(例えば、食欲不振症);肥満症および肥満症に関連する成長遅延の処置;うつ病、神経質、被刺激性およびストレスの処置:精神的エネルギーおよび自尊心の無さ(low self-esteem)の低下の処置(例えば、動機付け/アサーティブネス(assertiveness));認知機能の改善(例えば、痴呆(例えば、アルツハイマー疾患および短期間の記憶喪失を含む)の処置);肺機能不全および人工呼吸依存性に関連する異化作用の処置;心臓機能不全(例えば、弁膜症、心筋梗塞、心肥大またはうっ血性心不全に関係する)の処置;血圧の低下;心室機能不全に対する予防または再灌流事象の予防;高インスリン血症の処置;造骨細胞の刺激、骨の再構築および軟骨の成長;食物摂取の調節;哺乳動物(例えば、ヒト)におけるインスリン耐性の処置(例えば、NIDDMを含む);心臓におけるインスリン耐性の処置;うっ血性心不全の処置;筋骨格障害の処置(例えば、老人の場合);総肺機能(overall pulmonary function)の改善;皮膚の障害もしくは疾患(例えば、グルココルチコイド誘発性真皮萎縮症(例えば、局所グルココルチコイドによって誘発される真皮萎縮症の修復、局所グルココルチコイドによって誘発される真皮萎縮症の予防(例えば、局所グルココルチコイドまたは薬理学的な製品(グルココルチコイドおよび本発明の化合物の両方を含有する)を用いる同時処置)、グルココルチコイドを用いる全身性処置によって誘発される真皮萎縮症の修復/予防、グルココルチコイドを用いる局所処置によって誘発される呼吸器系における萎縮症、UV誘発性の真皮萎縮症、加齢によって誘発される真皮萎縮症(しわなど)の処置;創傷治癒、ケロイド、線条、セライト、荒れた皮膚、光線性皮膚損傷、扁平苔癬、魚鱗癬、ざ瘡、乾癬、ダリエ病、湿疹、アトピー性皮膚炎、塩素ざ瘡、ひこう疹および皮膚瘢痕の処置を含むが、これらに限定されない。
【0082】
用語「処置」とはまた、予防学的な処置を含むと意図する。
【0083】
加えて、JohannssonによるJ. Clin. Endocrinol. Metab., 82, 727-34 (l997)中に詳述されている「X症候群」または代謝性症候群とまとめて呼ばれる病気、疾患および病弊は、本発明の化合物を用いて処置することができる。
【0084】
B.組み合わせ
本発明は、その範囲内に、活性成分として少なくとも1つの式Iの化合物の治療学的に有効な量を単独で、または医薬的な担体もしくは希釈物と組み合わせて含有する医薬組成物を含む。場合により、本発明の化合物は、単独で、本発明の他の化合物と組み合わせて、または1つ以上の他の治療学的な薬物(例えば、抗糖尿病薬)もしくは他の医薬的に活性な物質と組み合わせて、使用することができる。
【0085】
本発明の化合物は、上記の疾患の処置に有用な甲状腺受容体の他の調節剤および/またはリガンド、あるいは他の適当な治療学的な薬物と組み合わせて使用することができる。例えば、抗糖尿病薬;抗骨粗鬆症薬;抗肥満症薬;成長促進薬(例えば、成長ホルモン分泌促進物質を含む);抗炎症薬;抗不安症薬;抗うつ病薬;血圧降下薬;強心配糖体;コレステロール/脂質低下薬;食欲抑制薬;骨再吸収インヒビター;甲状腺擬態薬(例えば、他の甲状腺受容体作動薬を含む);タンパク質同化薬;および抗腫瘍薬が挙げられる。
【0086】
本発明の化合物と組み合わせて使用するのに適当な抗糖尿病薬物の例としては、例えばビグアナイド(例えば、メトホルミンまたはフェンホルミン)、グルコシダーゼインヒビター(例えば、アカルボースまたはミグリトール)、インスリン(例えば、インスリン分泌促進薬またはインスリン増感薬を含む)、メグリチニド(例えば、レパグリニド)、スルホニル尿素(例えば、グリメピリド、グリブリド、グリクラジド、クロルプロパミドおよびグリピジド)、ビグアナイド/グリブリドの組み合わせ(例えば、グルコバンス(登録商標))、チアゾリジンジオン(例えば、トログリタゾン、ロシグリタゾンおよびピオグリタゾン)、PPAR−アルファ作動薬、PPAR−ガンマ作動薬、PPARアルファ/ガンマ二重作動薬、SGLT2インヒビター、グリコーゲンホスホリラーゼインヒビター、脂肪酸結合タンパク質のインヒビター(aP2)、グルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)、およびジペプチジルペプチダーゼIV(DP4)インヒビターを含む。
【0087】
本発明の化合物と組み合わせて使用するのに適当な抗骨粗しょう症薬としては例えば、アレンドロネート、リセドロネート、PTH、PTHフラグメント、ラロキシフェン、カルシトニン、RANKリガンド拮抗薬、カルシウム感知受容体拮抗薬、TRAPインヒビター、選択的エストロゲン受容体調節物質(SERM)およびAP−1インヒビターを含む。
【0088】
本発明の化合物と組み合わせて使用するのに適当な抗肥満症薬の例としては、aP2インヒビター、PPARガンマ拮抗薬、PPARデルタ拮抗薬、ベータ3アドレナリン作動薬(例えば、AJ9677(武田/大日本)、L750355(メルク)、CP331648(ファイザー)、または他の公知のベータ3作動薬(例えば、米国特許第5,541,204号、第5,770,615号、第5,491,134号、第5,776,983号、および第5,488,064号中に開示するもの)、リパーゼインヒビター(例えば、オルリスタット(orlistat)またはATL−962(Alizyme))、セロトニン(およびドーパミン)再取り込みインヒビター(例えば、シブトラミン(sibutramine)、トピラメート(topiramate)(ジョンソンアンドジョンソン社製)またはアクソキン(axokine)(Regeneron))、他の甲状腺受容体ベータ薬物(例えば、甲状腺受容体リガンド(例えば、WO97/21993(U. Cal SF)、WO99/00353 (KaroBio)およびGB98/284425 (KaroBio)中に開示されているもの))、カンビノイド−1受容体拮抗薬(例えば、SR−141716(サノフィー社製)および/または摂食障害薬(例えば、デキサムフェタミン(dexamphetamine)、フェンタミン、フェニルプロパノールアミンまたはマジンドール)を含む。
【0089】
本発明の化合物は、成長促進薬(例えば、TRH、ジエチルスチルベストロール、テオフィリン、エンケファリン、プロスタグランジンE群(E series)、米国特許第3,239,345号中に開示されている化合物(例えば、ゼラノール(zeranol))、および米国特許第4,036,979号中に開示されている化合物(例えば、米国特許第4,4ll,890号中に開示されているスルベノックス(sulbenox)またはペプチド)を含むが、これらに限定されない)と組み合わせることができる。
【0090】
本発明の化合物はまた、成長ホルモン分泌促進薬(例えば、GHRP−6、GHRP−1(米国特許第4,4ll,890号、国際公開WO 89/07ll0およびWO 89/07lll中に開示)、GHRP−2(WO 93/04081中に開示)、NN703(ノバ・ノルディスク(Novo Nordisk)社製)、LY444711(リリー社製)、MK−677(メルク社製)、CP424391(ファイザー社製)およびB−HT920);成長ホルモン放出因子およびそのアナログまたは成長ホルモンおよびそのアナログまたはソマトメジン(例えば、IGF−lおよびIGF−2);アルファアドレナリン作動薬(例えば、クロニジン)、セロトニン5−HTD作動薬(例えば、スマトリプタン)またはソマトスタチンもしくはその放出を阻害する薬物(例えば、フィゾスチグミンおよびピリドスチグミン);と、組み合わせて使用することもできる。本発明の開示されている化合物の別の更なる使用は、副甲状腺ホルモン、PTH(1−34)またはビスフォスフォネート(例えば、MK−2l7(アレンドロネート))との組み合わせである。
【0091】
本発明の化合物の別の更なる使用は、エストロゲン、テストステロン、選択的エストロゲン受容体調節物質(例えば、タモキシフェンまたはラロキシフェン)、または他のアンドロゲン受容体調節物質(例えば、Edwards, J. P.らによる, Bio. Med. Chem. Let., 9, 1003-1008 (1999)およびHamann, L. G.らによる, J. Med. Chem., 42, 210-212 (1999)中に開示されているもの)との組み合わせである。
【0092】
本発明の化合物の更なる使用は、ステロイド性または非ステロイド性のプロゲステロン受容体作動薬(「PRA」)(例えば、レボノルゲストレル(levonorgestrel)、メドロキシプロゲステロン・アセテート(MPA))と組み合わせである。
【0093】
本発明の化合物と組み合わせて使用するのに適当な抗炎症薬としては例えば、プレドニゾン、デキサメタゾン、エンブレル(Enbrel)(登録商標)、シクロオキシゲナーゼインヒビター(すなわち、COX−1および/またはCOX−2インヒビター(例えば、NSAID、アスピリン、インドメタシン、イブプロフェン、ピロキシカム、ナプロキセン(登録商標)、セレブレックス(登録商標)、ビオックス(Vioxx)(登録商標))、CTLA4−Igの作動薬/拮抗薬、CD40リガンド拮抗薬、IMPDHインヒビター(例えば、ミコフェノール酸(セルセプト(CellCept)(登録商標))、インテグリン拮抗薬、アルファ−4ベータ−7インテグリン拮抗薬、細胞接着インヒビター、インターフェロンガンマ拮抗薬、ICAM−1、腫瘍壊死因子(TNF)拮抗薬(例えば、インフリキシマブ、OR1384)、プロスタグランジン合成インヒビター、ブデソニド、クロファジミン、CNI−1493、CD4拮抗薬(例えば、プリリキシマブ(priliximab))、p38マイトジェン活性化プロテインキナーゼインヒビター、タンパク質チロシンキナーゼ(PTK)インヒビター、IKKインヒビター、および過敏性大腸症候群の処置のための治療薬(例えば、ゼルマック(Zelmac)(登録商標)およびMaxi−K(登録商標)オープナー(例えば、米国特許第6,184,231 B1中に開示されているもの))を含む。
【0094】
本発明の化合物と組み合わせて使用するのに適当な抗不安症薬としては例えば、ジアゼパム、ロラゼパム、ブスピロン、オキサゼパム、およびパモ酸ヒドロキシジンを含む。
【0095】
本発明の化合物と組み合わせて使用するのに適当な抗うつ病薬としては例えば、シタロプラム、フルオキセチン、ネファゾドン、セルトラリンおよびパロキセチンを含む。
【0096】
上記の皮膚の障害または疾患の処置のために、本発明の化合物を単独でまたは場合によりレチノイド(例えば、トレチノインまたはビタミンDアナログ)と組み合わせて使用することができる。
【0097】
本発明の化合物と組み合わせて使用するのに適当な血圧降下薬としては例えば、ベータアドレナリン作動性ブロッカー、カルシウムチャンネルブロッカー(L−タイプおよびT−タイプ;例えばジルチアゼム、ベラパミル、ニフェジピン、アムロジピンおよびミベフラジル(mybefradil)、利尿薬(例えば、クロロチアジド、ヒドロクロロチアジド、フルメチアジド(flumethiazide)、ヒドロフルメチアジド、ベンドロフルメチアジド、メチルクロロチアジド、トリクロロメチアジド、ポリチアジド、ベンゾチアジド、エタクリル酸トリクリナフェン(tricrynafen)、クロルサリドン(chlorthalidone)、フロセミド、ムソリミン(musolimine)、ブメタニド、トリアムトレン(triamtrenene)、アミロライド、スピロノラクトン)、レニンインヒビター、ACEインヒビター(例えば、カプトプリル、ゾフェノプリル(zofenopril)、フォシノプリル(fosinopril)、エナラプリル、セラノプリル(ceranopril)、シラゾプリル(cilazopril)、デラプリル、ペントプリル(pentopril)、キナプリル、ラミプリル、リシノプリル)、AT−1受容体拮抗薬(例えば、ロサルタン、イルベサルタン、バルサルタン)、ET受容体拮抗薬(例えば、シタキセンタン(sitaxsentan)、アトルセンタン(atrsentan)および米国特許第5,612,359号および第6,043,265号に開示されている化合物)、二重ET/AII拮抗薬(例えば、WO 00/01389に開示されている化合物)、中性エンドペプチダーゼ(NEP)インヒビター、バソペプシダーゼ(vasopepsidase)インヒビター(二重NEP−ACEインヒビター)(例えば、オパマトリラット(omapatrilat)およびゲモパトリラット(gemopartrilat)、および硝酸塩を含む。
【0098】
本発明の化合物と組み合わせて使用するのに適当な強心配糖体としては例えば、ジギタリスおよびウアバインを含む。
【0099】
本発明の化合物と組み合わせて使用するのに適当なコレステロール/脂質低下薬としては例えば、HMG CoA還元酵素インヒビター、スクアレンシンセターゼインヒビター、フィブレート、胆汁酸捕捉剤、ACATインヒビター、MTPインヒビター、リポキシゲナーゼインヒビター、回腸Na+/胆汁酸共輸送体インヒビター、LDL受容体活性の上方調節因子、胆汁酸金属イオン捕捉剤(sequestrant)、コレステロール吸収インヒビター、およびコレステロールエステル転送タンパク質インヒビター(例えば、CP−529414)を含む。
【0100】
1個以上の式Iの化合物と組み合わせて本明細書中で使用することができるMTPインヒビターとしては例えば、米国特許第5,595,872号、米国特許第5,739,135号、米国特許第5,712,279号、米国特許第5,760,246号、米国特許第5,827,875号、米国特許第5,885,983号および米国特許第5,962,440号(これらは全て本明細書の一部を構成する)に開示されているものを含む。
【0101】
1つ以上の式Iの化合物と組み合わせて使用することができるHMG CoA還元酵素インヒビターとしては、メバスタチンおよび関連化合物(米国特許第3,983,140号に開示)、ロバスタチン(メビノリン)および関連化合物(米国特許第4,231,938号に開示)、プラバスタチンおよび関連化合物(例えば、米国特許第4,346,227号に開示)、シンバスタチンおよび関連化合物(米国特許第4,448,784号および4,450,171号に開示)を含む。本明細書中で使用することができる更なるHMG CoA還元酵素インヒビターとしては例えば、フルバスタチン(fluvastatin)(米国特許第5,354,772号に開示)、セリバスタチン(米国特許第5,006,530号および第5,177,080号に開示)、アトルバスタチン(米国特許第4,681,893号、第5,273,995号、第5,385,929号および第5,686,104号に開示)、メバロノラクトン(mevalonolactone)誘導体のピラゾールアナログ(米国特許第4,613,610号に開示)、メバロノラクトン誘導体のインデン誘導体(PCT出願WO 86/03488に開示)、6−[2−(置換−ピロール−1−イル)−アルキル)ピラン−2−オンおよびその誘導体(米国特許第4,647,576号に開示)、シアル(Searle')製SC−45355(3−置換ペンタン二酸誘導体)ジクロロアセテート、メバロノラクトンのイミダゾールアナログ(PCT出願WO 86/07054に開示)、3−カルボキシ−2−ヒドロキシ−プロパン−ホスホン酸誘導体(仏国特許第2,596,393号に開示)、2,3−ジ置換ピロール、フランおよびチオフェン誘導体(欧州特許出願番号0221025に開示)、メバロノラクトンのナフチルアナログ(米国特許第4,686,237号に開示)、オクタヒドロナフタレン(例えば、米国特許第4,499,289号に開示)、メビノリンのケトアナログ(ロバスタチン)(欧州特許出願番号0142146 A2に開示)、並びに他の公知のHMG CoA還元酵素インヒビターを含むが、これらに限定されない。
【0102】
本発明の化合物と組み合わせて使用することができるスクアレンシンセターゼインヒビターとしては例えば、α−ホスホノ−スルホネート(米国特許第5,712,396号に開示)、BillerらによるJ. Med. Chem., 1988, 31巻, No. 10, 1869-1871頁に開示されているもの(これは、イソプレノイド(ホスフィニルメチル)ホスホネートを含む)、テルペノイドピロホスフェート(P. Ortiz de MontellanoらによるJ. Med. Chem., 1977, 20, 243-249に開示)、ファルネシルジホスフェートアナログAおよびプレスクアレンピロホスフェネート(PSQ−PP)アナログ(CoreyおよびVolanteによるJ. Am. Chem. Soc., 1976, 98, 1291-1293に開示)、ホスフィニルホスホネート(McClard, R. W.らによるJ.A.C.S., 1987, 109, 5544によって報告)、およびシクロプロパン(Capson, T. L., PhD dissertation, June, 1987, Dept. Med. Chem. U of Utah, Abstract, Table of Contents, 16, 17, 40-43, 48-51頁によって報告)、並びに他のスクアレンシンセターゼインヒビター(例えば、米国特許第4,871,721号および第4,924,024号、並びにBiller, S. A., Neuenschwander, K., Ponpipom, M. M.およびPoulter, C. D.によるCurrent Pharmaceutical Design, 2, 1-40 (1996)に開示されているもの)を含むが、これらに限定されない。
【0103】
本発明の化合物と組み合わせて使用することができる胆汁酸捕捉剤としては例えば、コレスチラミン、コレスチポールおよびDEAE−セファデックス(セコレックス(Secholex)(登録商標)、ポリセキシド(Policexide)(登録商標))、並びにリポスタビル(lipostabil)(Rhone-Poulenc)、エイザイ(Eisai)E−5050(N−置換エタノールアミン誘導体)、イマニキシル(imanixil)(HOE−402)、テトラヒドロリプスタチン(tetrahydrolipstatin)(THL)、イスチグマスタニルホスホリルコリン(istigmastanylphos-phorylcholine)(SPC, Roche)、アミノシクロデキストリン(田辺製薬)、アジノモト(Ajinomoto)AJ−814(アズレン誘導体)、メリナミド(住友)、Sandoz58−035、アメリカンシアナミド(Cyanamid)CL−277,082およびCL−283,546(ジ置換尿素誘導体)、ニコチン酸、アシピモックス(acipimox)、アシフラン(acifran)、ネオマイシン、p−アミノサリチル酸、アスピリン、ポリ(ジアリルメチルアミン)誘導体(例えば、米国特許第4,759,923号に開示)、第4級アミンポリ(ジアリルメチルアンモニウムクロリド)およびイオネン(ionenes)(例えば、米国特許第4,027,009号に開示)、および他の公知の血清中コレステロール低下薬を含む。
【0104】
本発明の化合物と組み合わせて使用するのに適当なACATインヒビターとしては、例えばDrugs of the Future 24, 9-15 (1999), (アバシミベ(Avasimibe));「The ACAT inhibitor, Cl-1011 is effective in the prevention and regression of aortic fatty streak area in hamsters」、NicolosiらによるAtherosclerosis (シャノン(Shannon), Irel). (1998), 137(1), 77-85;「The pharmacological profile of FCE 27677: a novel ACAT inhibitor with potent hypolipidemic activity mediated by selective suppression of the hepatic secretion of ApoB100-containing lipoprotein」、Ghiselli, GiancarloによるCardiovasc. Drug Rev. (1998), 16(1), 16-30;「RP 73163: a bioavailable alkylsulfinyl-diphenylimidazole ACAT inhibitor」, Smith, C.らによるBioorg. Med. Chem. Lett. (1996), 6(1), 47-50;「ACAT inhibitors: physiologic mechanisms for hypolipidemic and anti-atherosclerotic activities in experimental animals」, Krauseらによる編: Ruffolo, Robert R., Jr.; Hollinger, Mannfred A.によるInflammation: Mediators Pathways (1995), 173-98, Publisher: CRC, Boca Raton, Fla.;「ACAT inhibitors: potential anti-atherosclerotic agents」, SliskovicらによるCurr. Med. Chem. (1994), 1(3), 204-25;「Inhibitors of acyl-CoA: cholesterol O-acyl transferase (ACAT) as hypocholesterolemic agents. 6. The first water-soluble ACAT inhibitor with lipid-regulating activity. Inhibitors of acyl-CoA: cholesterol acyltransferase (ACAT). 7. Development of a series of substituted N-phenyl-N'-[(1- phenylcyclopentyl)methyl]ureas with enhanced hypocholesterolemic activity」, StoutらによるChemtracts: Org. Chem. (1995), 8(6), 359-62中に開示されているACATインヒビターを含む。
【0105】
本発明の化合物と組み合わせて使用するのに適当なコレステロール吸収インヒビターとしては例えば、SCH48461(Schering-Plough製)、並びにAtherosclerosis 115, 45-63 (1995)およびJ. Med. Chem. 41, 973 (1998)中に開示されているものを含む。
【0106】
本発明の化合物と組み合わせて使用するのに適当な回腸Na+/胆汁酸共輸送体インヒビターとしては、Drugs of the Future, 24, 425-430 (1999)中に開示されている化合物を含む。
【0107】
本発明の化合物と組み合わせて使用するのに適当な甲状腺擬態薬としては例えば、甲状腺刺激ホルモン、ポリチロイド(polythyroid)、KB−130015およびドロネダロンを含む。
【0108】
本発明の化合物と組み合わせて使用するのに適当なタンパク質同化薬としては例えば、テストステロン、TRHジエチルスチルベステロール、エストロゲン、β−作動薬、テオフィリン、タンパク質同化性ステロイド、デヒドロエピアンドロステロン、エンケファリン、プロスタグランジンE群、レチノイン酸および米国特許第3,239,345号中に開示されている化合物(例えば、ゼラノール(登録商標);米国特許第4,036,979号、例えばスルベノックス(Sulbenox)(登録商標)または米国特許第4,411,890号中に開示されているペプチド)を含む。
【0109】
上記の特許および特許出願は、本明細書の一部を構成する。
【0110】
本発明の化合物と組み合わせて使用する場合に、上記の他の治療学的な薬物は、例えば医師用卓上参考書(PDR)中に示されているか、またはさもなければ当該分野の当業者によって決定される量で使用することができる。
【0111】
本発明の化合物を1個以上の他の治療学的な薬物と組み合わせて同時にまたは連続的にのいずれかで使用する場合には、以下の組み合わせ比率および用量範囲が好ましい。
【0112】
低脂血症薬、抗うつ薬、骨再吸収インヒビターおよび/または食欲抑制薬と組み合わせる場合には、式Iの化合物は、該更なる薬物に対する重量比が約500:1〜約0.005:1の範囲内(約300:1〜約0.01:1が好ましい)で使用することができる。
【0113】
抗糖尿病薬がビグアナイドである場合には、式Iの化合物は、ビグアナイドに対する重量比が約0.01:1〜約100:1の範囲内(約0.5:1〜約2:1が好ましい)で使用することができる。
【0114】
式Iの化合物は、グルコシダーゼインヒビターに対する重量比が約0.01:1〜約100:1の範囲内(約0.5:1〜約50:1が好ましい)で使用することができる。
【0115】
式Iの化合物は、スルホニルウレアに対する重量比が約0.01:1〜約100:1の範囲内(約0.2:1〜約10:1が好ましい)で使用することができる。
【0116】
式Iの化合物は、チアゾリジンジオンに対する重量比が約0.01:1〜約100:1の範囲内(約0.5:1〜約5:1が好ましい)で使用することができる。
【0117】
チアゾリジンジオンは、約0.01〜約2000mg/kgの範囲内の量で使用することができ、このものは場合により、1日当たり1〜4回の1回または分けた服用で投与することができる。
【0118】
更に、スルホニルウレアおよびチアゾリジンジオンが約150mg以下の量で経口投与される場合には、これらの更なる薬物は治療学的に有効な量の式Iの化合物との組み合わせ1回錠剤中に含有することができる。
【0119】
メトホルミンまたはその塩は、式Iの化合物と一緒に1日当たり約500〜約2000mgの範囲内の量で使用することができ、このものは、1日に1〜4回の1回または分けた服用で投与することができる。
【0120】
式Iの化合物は、PPAR−アルファ作動薬、PPAR−ガンマ作動薬、PPARアルファ/ガンマ二重作動薬、SGLT2インヒビターおよび/またはaP2インヒビターに対する重量比が約0.01:1〜約100:1の範囲内で(約0.5:1〜約5:1が好ましい)使用することができる。
【0121】
MTPインヒビターは、式Iの化合物と一緒に約0.01mg/kg〜約100mg/kgの範囲内の量(約0.1mg/kg〜約75mg/kgが好ましい)を、1日当たり1回〜4回で経口投与することができる。
【0122】
好ましい経口剤形(例えば、錠剤またはカプセル剤)は、MTPインヒビターを約1〜約500mg(約2〜約400mgが好ましく、約5〜約250mgがより好ましい)の量で含み得て、このものは1日当たり1回〜4回の投与計画で投与する。
【0123】
非経口投与の場合には、該MTPインヒビターは、約0.005mg/kg〜約10mg/kgの範囲内の量(約0.005mg/kg〜約8mg/kgが好ましい)で使用することができ、これらは1日当たり1回〜4回の投与計画で投与する。
【0124】
HMG CoA還元インヒビターは、式Iの化合物と一緒に、約1〜2000mgの範囲内の量(約4〜約200mgが好ましい)で経口投与することができる。
【0125】
好ましい経口剤形(例えば、錠剤またはカプセル剤)は、HMG CoA還元酵素インヒビターを約0.1〜約100mg(約5〜約80mgが好ましく、約10〜約40mgがより好ましい)の量で含む。
【0126】
スクアレンシンセターゼインヒビターは、約10mg〜約2000mgの範囲内(約25mg〜約200mgが好ましい)の式Iの化合物と一緒に投与することができる。
【0127】
好ましい経口剤形(例えば、錠剤またはカプセル剤)は、約10〜約500mg(約25〜約200mgが好ましい)の量のスクアレンシンセターゼインヒビターを含む。
【0128】
本発明の式の化合物は、該病弊を被っていることが知られる様々な哺乳動物種(例えば、ヒト)に、経口または非経口(例えば、皮下または静脈内)、並びに鼻腔適用、直腸または舌下で約0.01μg/kg〜約1000μg/kg(約0.1μg/kg〜100μg/kgが好ましく、約0.2μg/kg〜約50μg/kgがより好ましい)(または、約0.5〜約2500mgであり、約1〜2000mgが好ましい)の用量範囲内の有効な量で1回、または2回もしくは4回の分けた1日服用の投与計画で投与することができる。
【0129】
式Iの化合物は、いずれかの適当な方法によって本明細書中に記載するいずれかの使用のために投与することができる。例えば、経口(例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤または散剤の形態);舌下;頬側;非経口(例えば、皮下、静脈内、筋肉内または胸骨内の注射もしくは注入の方法(例えば、減菌注射可能な水性液剤または非水性液剤または懸濁剤);鼻腔(例えば、鼻粘膜への投与を含む)(例えば、吸入スプレーによる);局所(例えば、クリーム剤または軟膏剤の形態);または、直腸(例えば、坐剤の形態);非毒性の医薬的に許容し得るビヒクルもしくは希釈物を含有する1回用量製剤が挙げられる。本発明は例えば、速効性放出または長期間放出に適当な形態で投与することができる。速効性放出または長期間放出は、本発明の化合物を含有する適当な医薬組成物の使用によって、または特に長期間放出の場合には、皮下インプラントもしくは浸透圧性ポンプなどのデバイスの使用によって達成することができる。本発明の化合物はまた、リポソーム的に投与することもできる。
【0130】
経口投与のための典型的な組成物は、懸濁剤を含む。該懸濁剤は例えば、バルクを分けるための微結晶性セルロース、懸濁化剤としてのアルギン酸またはアルギン酸ナトリウム、増粘剤としてのメチルセルロース、および甘味剤または芳香剤(例えば、当該分野において知られるもの);および速効性放出錠剤(このものは例えば、微結晶性セルロース、リン酸ジカルシウム、デンプン、ステアリン酸マグネシウムおよび/またはラクトース、および/または他の賦形剤、結合剤、増量剤、崩壊剤、希釈剤および滑沢剤(例えば、当該分野の当業者によって知られるもの)を含み得る)を含み得る。式Iの化合物はまた、舌下および/または頬側の投与によって口腔を通して運搬することもできる。成型錠剤、圧縮錠剤または凍結乾燥錠剤は、使用することができる典型的な形態である。典型的な組成物としては、速く溶解するための希釈剤(例えば、マンニトール、ラクトース、スクロースおよび/またはシクロデキストリン)と一緒に本発明の化合物を製剤化する組成物を含む。該製剤中に、高分子量の賦形剤(例えば、セルロース(アビセル(avicel))またはポリエチレングリコール(PEG))を含み得る。該製剤はまた、粘膜接着を助ける賦形剤(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(SCMC)、無水マレイン酸共重合体(例えば、ガントレズ(Gantrez))および放出を制御するための薬剤(例えば、ポリアクリル酸共重合体(例えば、カルボポール(Carbopol)934))をも含み得る。滑沢剤、流動促進剤(glidants)、芳香剤、着色剤および安定化剤もまた、製造および使用の容易さのために加えることもできる。
【0131】
鼻腔エアロゾールまたは吸入投与のための典型的な組成物は、生理食塩水中の液剤を含む。このものは、例えばベンジルアルコールまたは他の適当な保存剤、生物学的利用可能性を増大するための吸収促進剤、および/または他の溶解剤もしくは崩壊剤(例えば、当該分野において知られるもの)を含み得る。
【0132】
非経口投与のための典型的な組成物としては例えば、注射可能な液剤または懸濁剤を含む。このものは、適当な非毒性の非経口的に許容し得る希釈剤もしくは溶媒(例えば、マンニトール、1,3−ブタンジオール、水、リンガー溶液、および等張性塩化ナトリウム溶液)、または他の適当な崩壊剤もしくは湿潤剤および懸濁剤(例えば、合成モノ−またはジ−グリセリドおよび脂肪酸(例えば、オレイン酸またはクレモフォアを含む)を含み得る。
【0133】
直腸投与のための典型的な組成物としては、坐剤を含む。このものは、例えば適当な非刺激性の賦形剤(例えば、ココアバター、合成グリセリドエステルまたはポリエチレングリコール)を含み得て、このものは通常の温度で固体であるが、しかし、直腸腔中で液化しおよび/または溶解して該薬物を放出する。
【0134】
局所投与のための典型的な組成物としては例えば、局所用担体(例えば、プラスチベース(ポリエチレンを用いてゲル化した鉱油))を含む。
【0135】
いずれかの特定の被験者における具体的な用量レベルおよび投与回数は変えることができ、そしてこれらは様々な因子(例えば、使用する具体的な化合物の活性、該化合物の代謝安定性および作用の長さ、被験者の種類、年齢、体重、通常の健康状態、性別および食餌、投与の様式および時間、排泄の速度、薬物の組み合わせ、および病気の激しさを含む)に依存することは理解されるであろう。
【0136】
以下の実施例は、本発明の好ましい実施態様のいくつかをよりよく例示するのに役立つが、これらに限定されない。
【0137】
(実施例1)
【化13】

N−[3,5−ジブロモ−4−[4−ヒドロキシ−3−(1−メチルエチル)−フェノキシ]フェニル]−1−カルバミルシクロブタン−1−カルボン酸
【0138】
1A.
【化14】

ビス(3−イソプロピル−4−メトキシフェニル)ヨードニウム・テトラフルオロボレート(32.8g、64mmol)(製造については、ヨコヤマ(Yokayama)らによる、J. Med. Chem., 1995, 38, 695-707を参照)、2,6−ジブロモ−4−ニトロフェノール(12.6g、42mmol)およびCu粉[ランカスター(Lancaster)製、300メッシュ(6.8g、108mmol)]を、アルミ箔で覆ったフラスコ内のCH2Cl2(400mL)中に懸濁した。撹拌しながら、Et3N(18.4mL、219mmol)を加え、そして該反応混合物をアルゴン下、暗中で4日間撹拌した。該粗反応混合物を約70mLにまで濃縮し、次いでこのものを2回に分けてクロマトグラフィー精製(メルクシリカゲル使用、3%〜5%のEtOAc/ヘキサンを用いて溶出)を行なった。3−イソプロピル−4−メトキシ−2',6'−ジブロモ−4'−ニトロジフェニルエーテルの合わせた収量は、15.4g(81.9%)であった。
【0139】
よりスケールアップが容易な化合物1Aを合成するための別の経路は、2−イソプロピルフェノールを3−イソプロピル−4−メトキシフェノールへの変換、および4−ニトロ−2,6−ジブロモフェノールの対応するヨウ化物への変換を包含し、ここで、これらの2個の実体は縮合して化合物1Aを与える。
【0140】
2O(5.6L)中にKOH(1154g、4.75mol)およびBu4+HSO4-(140g、0.41mol)を含有する20℃の撹拌溶液に、CH2Cl2(5.6L)中の商業的に入手可能な2−イソプロピルフェノール(590g、4.33mol)を加えた。30分後に、MeI(741g、5.22mol)を加え、その後に、該反応液を終夜撹拌した。相分離後に、Et3N(185mL、1.3mol)をCH2Cl2画分に加えて、残留MeIを破壊した。15分後に、該CH2Cl2を真空下で除去し、そして該塩をろ過前にシクロヘキサン(4L)中に懸濁した。該シクロヘキサンのろ液を、2N HCl、続いて2ブライン洗浄液を用いて連続して洗浄した。真空下で濃縮することにより、淡黄色油状物の2−イソプロピルアニソール(621g、94%)を得た。
【0141】
2下、80℃で2−イソプロピルアニソール(859g、5.85mol)およびPOCl3(2690g、17.5mol)の撹拌溶液に、DMF(1584mL、20.46mol)を、温度を80〜90℃の間に保つような割合でゆっくりと加えた。85℃で16時間撹拌後に、該暗溶液を氷(7kg)上に注意深く注いだ(激しい(iolent)発熱が原因で、クエンチは1.5時間を要した)。該混合物を、EtOAcを用いて2回抽出した(総量16L)。該EtOAc層を合わせて、NaHCO3水溶液で1回、次いでブラインを用いて洗浄した。濃縮後に、4−ホルミル−2−イソプロピルアニソール(881g)を得た。
【0142】
THF(4.56L)およびシクロヘキサン(3.74L)中の4−ホルミル−2−イソプロピルアニソール(880g、4.94mol)の溶液に20℃で、H2O(4.36L)中のNaHSO3(1.31kg、12.56mol)の溶液を加えた。終夜撹拌後に、該結晶をろ過によって集め、シクロヘキサン/THF(3:1)を用いて洗浄し、その後、真空下で乾燥し、亜硫酸水素付加物(1.3kg)を得た。p−TosOH・H2O(908g、4.77mol)を含有する該H2O:MeOH(1:4)(13L)中の乾燥付加物の撹拌溶液に、30%H22(1.625L、16.1mol)を、温度を0〜5℃の間に保つような割合で1.75時間かけてゆっくりと加えた。20℃で終夜撹拌後に、該反応液をHPLCによって追跡した。出発物質が残っている場合には、更なるH22を加えた。完結後に、該反応液を4℃まで冷却し、その後に、H2O(6.5L)中のNa2SO3(1.86kg、10.68mol)の溶液を、温度が34℃を超えないような割合で加えた。1時間撹拌後に、該固体をろ過し、そしてEtOAcを用いて洗浄した。該水相をEtOAcを用いて抽出した。該EtOAc画分を合わせて、NaHCO3水溶液およびブラインを用いて連続して洗浄した。濃縮後に、3−イソプロピル−4−メトキシフェノール(510g、67%変換)を93%純度で得た。
【0143】
CH2Cl2(3.2L)中の2,6−ジブロモ−4−ニトロフェノール(0.8kg、2.69M)の0℃の撹拌溶液にN2下で、ピリジン(436mL、5.39mol)を加えた。0℃で5分間撹拌後に、CH2Cl2(400mL)中の無水トリフリック酸(544mL、3.23mol)を、温度を<10℃に保つような割合で加えた。添加が完結後に、該反応液をHPLCによって完結したと見なされるまで、20℃で約30分間撹拌した。該反応液を、温度を<35℃のままになるように、1N HCl(1.6L)を滴下することによってクエンチした。相分離後に、該CH2Cl2層を飽和NaHCO3、次いでブラインを用いて洗浄した。真空下、20℃で終夜乾燥後に、2,6−ジブロモ−4−ニトロフェニルトリフレート(1140g、99%)を得た。
【0144】
2,6−ジブロモ−4−ニトロフェニル・トリフレート(46.7g、109mmol)およびNaI(65.3g、436mmol)の溶液を、DMF(121mL)中、Ar下で100℃まで20時間加熱した。冷却後に、該スラリーを氷(H2O)中に移した。10分間撹拌後に、該懸濁液をろ過した。該ろ過ケーキを水洗し、そして風乾して、茶色がかった黄色固体の3,5−ジブロモ−4−ヨードニトロベンゼン(30.5g、69%)を得た。
【0145】
3−イソプロピル−4−メトキシフェノール(10g、60mmol)を含有する−10℃の撹拌したDMF溶液(45mL)にN2下で、油中の60%NaH(3.36g、84mmol)を数回に分けて加えた。H2ガスの発生が30分間かけて止んだ後に(該反応液は5℃まで昇温する)、THF(85mL)中の3,5−ジブロモニトロベンゼン(24.5g、60mmol)の溶液を15分間かけて加えた。
【0146】
得られた濃厚なスラリーは、DMFおよびTHFの両方の更なる25mLの添加を必要とした。20℃で20時間撹拌後に、該反応液をH2Oを注意深く加えることによってクエンチし、EtOAc(500mL)およびH2O(650mL)の間で分配した。2回の抽出由来のEtOAc画分を合わせて、飽和NH4Clを用いて洗浄し、MgSO4を用いて乾燥し、そして乾固するまで真空下で濃縮して、3−イソプロピル−4−メトキシ−2',6'−ジブロモ−4'−ニトロジフェニルエーテル(27.1g)を得た。
【0147】
1B.
【化15】

1A部の該3−イソプロピル−4−メトキシ−2',6'−ジブロモ−4'−ニトロジフェニルエーテル(15.2g、34.15mmol)を氷HOAc(129mL)およびH2O(13mL)中に溶解した。鉄粉(アルドリッチ製、<10ミクロン、12g、215mmol)を加え、そして該反応液をアルゴン下で終夜撹拌した。該反応混合物をセライトを通してろ過し、そして該パッドをHOAc(約50mL)を用いて洗浄した。該ろ液を約60mLにまで濃縮し、そしてこのものをNa2CO3(400g)上にそそいだ。H2O(400mL)を加え、そして生成物をEtOAc(各3×500mL)を用いて抽出した。該EtOAc層を濃縮後に、該残渣(13.2g)をクロマトグラフィー精製(メルクシリカゲルを使用、25%EtOAc:ヘキサンの混合物を用いて溶出する)を行なった。固体の目的アニリン(8.75g、61.7%収率)を得た。
【0148】
1C.
【化16】

1B部のアニリン(8.1g、19.7mmol)をCH2Cl2(20mL)中に溶解し、そしてこの溶液を予め冷却した(約−60℃)CH2Cl2(180mL)中のBBr3の溶液(約18mL、約10当量)にアルゴン下で滴下した。この低温で、固体が沈降した。該反応液をゆっくりと0℃まで昇温させて、次いでこのものを0℃で1時間撹拌した。該反応液をCH2Cl2(200mL)を用いて希釈し、そしてこのものを飽和Na2CO3水溶液(300mL)およびCH2Cl2(300mL)の冷却し激しく撹拌した溶液にそそぐことによってクエンチした。該有機相を分離し、MeOH(100mL)を用いて希釈し、そして真空下で濃縮し、このものをMeOH(100mL)中に溶かし、そして3回再度濃縮した。該残渣をEtOAc(400mL)中に溶解し、飽和NaHCO3(2回)、ブラインを用いて洗浄し、ろ過し(Na2SO4を使用)、ろ過し、そして真空下で濃縮して固体の遊離フェノール(7.2g、91%収率)を得た。
【0149】
1D.シクロブタン−1,1−ジカルボン酸・モノ酸クロリド・モノエチルエステル
2O(180mg)を含有するEtOH(20mL)中のKOH(560mg、10mmol)の20℃の撹拌溶液に、シクロブタン−1,1−ジカルボン酸ジエチル(2g、10mmol)を滴下した。16時間撹拌後に、該反応液を真空下で濃縮し、その後に、1N HClを用いてクエンチした。Et2Oを添加後に、該有機相をNH4Cl水溶液を用いて洗浄し、Na2SO4を用いて乾燥し、そして濃縮して明黄色油状物の目的の半エステル・半酸(1.6g)を得た。後者は、必要に応じて目的の半酸クロリドに変換した。
【0150】
CH2Cl2(4mL)中の半エステル・半酸(124mg、0.72mmol)の撹拌溶液に、2M塩化オキサリル/CH2Cl2(0.54mL、1.1mmol)を加え、続いてDMF(1滴)を加えた。1時間撹拌後に、揮発物を真空下で除去し、そして生成物を直接に使用した。
【0151】
1E.
【化17】

THF/H2O(3:1)(4mL)中の1C部由来のアニリン(250mg、0.62mmol)およびNaHCO3(167mg、2mmol)の0℃の撹拌溶液に、THF(2mL)中のシクロブタン−1,1−ジカルボン酸・モノ酸クロリド・モノエチルエステル(135mg、0.72mmol)(1D部で製造する通り)を加えた。0℃で30分間撹拌後に、該反応液を20℃で3時間撹拌した。THFを回転蒸発器を用いて除去し、その後に、Et2Oを用いて希釈した。該有機相をNH4Cl水溶液およびブラインを用いて洗浄し、その後に、Na2SO4を用いて乾燥した。揮発物を真空下で除去後に、該残渣をシリカゲルクロマトグラフィー精製(10%EtOAc/ヘキサンを使用)を行なって、目的の生成物(260mg、76%収率)を溶出した。
【0152】
1F.
【化18】

THF/H2O(2:1)(3mL)中の1E部由来のマロン酸エステル(260mg、0.47mmol)の0℃の撹拌溶液に、LiOH・H2O(42mg、1mmol)を加えた。20℃まで1.5時間かけてゆっくりと昇温させた後に、該反応は完結に達した。THFを回転蒸発器を用いて除去し、H2O(1.5mL)を加えた後に、該反応混合物をEtOAc/ヘキサン(1:1)(3mL)を用いて1回抽出した。該有機相を0.05MLiOH水溶液(2mL)を用いて洗浄後に、該水相を合わせた。該pHを1N HClを用いて1にまで調節後に、該懸濁液をEtOAc(3×)を用いて抽出した。Na2SO4を用いて乾燥しそして濃縮後に、明黄色油状物の目的の最終生成物を単離した。該後者を真空下で発泡するまで誘発させて、黄色固体(230mg、93%)を得て、このものを更に精製することなく使用した。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.56 (s, 1H), 7.87 (s, 2H), 6.78 (d, J = 3.1 Hz, 1H), 6.62 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.34 (dd, J = 3.1, 8.8 Hz, 1H), 3.17 (m, 1H), 2.68-2.75 (m, 4H), 2.08 (m, 2H), 1.20 (d, J = 7.0 Hz, 6H)。
13C NMR (400 MHz, CDCl3) δ 177.85, 168.84, 150.79, 148.00, 146.24, 136.25, 135.87, 124.28, 118.70, 115.70, 113.92, 112.06, 53.43, 29.61, 27.24, 22.40, 16.12。
HPLC:LUNA 4.6×50mm、0〜100%のBを4分間、4mL/分、ホールド時間が1分間、A=10%メタノール/水+10mm NH4OAc、B=90%メタノール/水+10mm NH4OAc、保持時間=3.00分。
LCMS(実測値)526.11(M+H)+。LRMS(実測値)525.9(M−H)-
【0153】
(実施例2)
【化19】

N−[3,5−ジブロモ−4−[5−クロロ−4−ヒドロキシ−3−(1−メチルエチル)−フェノキシ]フェニル]−1−カルバミルシクロブタン−1−カルボン酸
MeCN(2mL)中の実施例1(20mg、0.038mmol)の撹拌溶液に−30℃で、次亜塩素酸t−ブチル(5μL、0.041mmol)および1N NaHCO3水溶液(7.6μL、0.078mmol)を加えた。−20℃〜−30℃で1時間撹拌後に、該反応液を1%NaHSO3(0.5mL)を加えることによってクエンチした。該MeCNを回転蒸発器を用いて真空下で除去して、その後に該EtOAcを用いて希釈した。該有機相を飽和NH4Cl(2回)、次いでブラインを用いて洗浄し、その後にMgSO4を用いて乾燥した。揮発物を除去後に、該残渣をプレパHPLC(0.1%TFAを含有するMeCN/H2Oを使用)によって精製して、目的の生成物(15mg)を溶出した。
1H NMR (400 MHz, d6-アセトン) δ 9.24 (s, 1H), 8.18 (s, 2H), 6.78 (d, J = 3.1 Hz, 1H), 6.58 (d, J = 3.1 Hz, 1H), 3.35 (m, 1H), 2.59-2.80 (m, 4H), 2.04 (m, 2H), 1.20 (d, J = 6.6 Hz, 6H)。
13C NMR (400 MHz, d6-アセトン) δ 175.06, 171.87, 152.14, 147.12, 146.45, 140.42, 125.75, 122.57, 119.82, 114.46, 114.31, 109.44, 56.18, 31.42, 30.01, 23.78, 17.90。
HPLC:LUNA 4.6×50mm、0〜100%のBを4分間、4mL/分、ホールド時間が1分間、A=10%メタノール/水+10mm NH4OAc、B=90%メタノール/水+10mm NH4OAc、保持時間=3.75分。
LCMS(実測値)560.21(M+H)+、558.17(M−H)-。LRMS(実測値)559.7(M+NH4)+
【0154】
(実施例3)
【化20】

N−[3,5−ジブロモ−4−[4−ヒドロキシ−3−(1−メチルエチル)−フェノキシ]フェニル]−1−カルバミルシクロペンタン−1−カルボン酸
実施例1のEおよびF部に記載の様式と同じ様式で、実施例1のC部の生成物(250mg、0.62mmol)をシクロペンタン−1,1−ジカルボン酸・モノ酸クロリド・モノエチルエステル(0.68mmol)を用いてアシル化して、このものはシクロペンタン−1,1−ジカルボン酸ジエチルから実施例1のD部に記載の方法によって製造した。シリカゲルクロマトグラフィーによる精製後に、得られた半アミド・半エステル(250mg)を引き続いて、目的の半アミド・半酸に変換した。EtOAc抽出物の濃縮後に、H2O中に該物質を溶解し、続いて凍結乾燥してふわふわした白色固体の目的物質(220mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, d6-アセトン) δ 9.14 (s, 1H), 8.11 (s, 2H), 6.73 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 6.73 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.36 (dd, J = 4.0, 8.0 Hz, 1H), 3.26 (m, 1H), 2.20-2.40 (m, 4H), 1.71 (m, 4H), 1.18 (d, J = 7.0 Hz, 6H)。
13C NMR (400 MHz, d6-アセトン) δ 174.91, 171.00, 151.06, 150.21, 145.91, 138.77, 136.78, 124.64, 118.75, 116.12, 114.05, 112.74, 62.61, 35.21, 29.00, 25.99, 22.66。
HPLC:SHIMAZU VP−ODS(S−5)4.6×50mm、0〜100%のBを4分間、4mL/分、ホールド時間が1分間、A=10%メタノール/水+0.2% H3PO4、B=90%メタノール/水+0.2% H3PO4、保持時間=3.89分。
LCMS(実測値)540.09(M+H)+
【0155】
(実施例4)
【化21】

N−[3,5−ジブロモ−4−[5−クロロ−4−ヒドロキシ−3−(1−メチルエチル)−フェノキシ]フェニル]−1−カルバミルシクロペンタン−1−カルボン酸
実施例3の化合物を、実施例2に記載の方法によって次亜塩素酸t−ブチルを用いる塩素化によって標題化合物に変換した。
1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.97 (s, 2H), 6.61 (d, J = 3.0 Hz, 1H), 6.45 (d, J = 3.0 Hz, 1H), 3.30 (m, 1H), 2.28 (m, 4H), 1.76 (m, 4H), 1.16 (d, J = 7.0 Hz, 6H)。
HPLC:SHIMAZU VP−ODS(S−5)4.6×50mm、0〜100%のBを4分間、4mL/分、ホールド時間が1分間、A=10%メタノール/水+0.2% H3PO4、B=90%メタノール/水+0.2% H3PO4、保持時間=4.07分。
LCMS(実測値)576.07(M+H)+
【0156】
(実施例5)
【化22】

N−[3,5−ジブロモ−4−[4−ヒドロキシ−3−(1−メチルエチル)−フェノキシ]フェニル]−1−カルバミルシクロプロパン−1−カルボン酸
実施例1のEおよびF部に記載の様式と同じ様式で、実施例1のC部の生成物(250mg、0.62mmol)を、シクロプロパン−1,1−ジカルボン酸・モノ酸クロリド・モノエチルエステル(このものは、実施例1のD部に記載の方法によってシクロプロパン−1,1−ジカルボン酸ジエチルから製造する)を用いて、アシル化した。得られた半アミド・半エステルを引き続いて、目的の半アミド・半酸に変換した。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 10.72 (s, 1H), 7.89 (s, 2H), 6.78 (d, J = 3.1 Hz, 1H), 6.62 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.40 (dd, J = 3.1, 8.8 Hz, 1H), 3.16 (m, 1H), 2.17 (s, 2H), 1.88 (m, 4H), 1.22 (d, J = 7.0 Hz, 6H)。
13C NMR (400 MHz, CDCl3) δ 177.38, 167.37, 150.82, 148.02, 146.13, 136.19, 135.91, 124.56, 118.63, 115.64, 113.89, 112.07, 27.23, 26.31, 22.39, 22.22。
HPLC:LUNA 4.6×50mm、0〜100%のBを4分間、4mL/分、ホールド時間が1分間、A=10%メタノール/水+10mm NH4OAc、B=90%メタノール/水+10mm NH4OAc、保持時間=2.94分。
LCMS(実測値)512.08(M+H)+、510.05(M−H)-。LRMS(実測値)511.9(M−H)-
【0157】
(実施例6)
【化23】

N−[3,5−ジブロモ−4−[4−ヒドロキシ−3−(1−メチルエチル)−フェノキシ]フェニル]−1−カルバミルシクロヘキサン−1−カルボン酸
実施例1のEおよびF部に記載の様式と同じ様式で、実施例1のC部の生成物(250mg、0.62mmol)を、シクロヘキサン−1,1−ジカルボン酸・モノ酸クロリド・モノエチルエステル(このものは、実施例1のD部に記載の方法によって、シクロヘキサン−1,1−ジカルボン酸ジエチルから製造する)を用いてアシル化した。得られた半アミド・半エステルを引き続いて、目的の半アミド・半酸に変換した。
1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.95 (s, 2H), 6.63 (d, J = 3.0 Hz, 1H), 6.62 (d, J = 8.0 Hz, 1H),6.32 (dd, J = 3.0, 8.0 Hz, 1H), 3.23 (septet, 1H), 2.08 (m, 4H), 1.61 (m, 4H), 1.50 (m, 2H), 1.15 (d, J = 7.0 Hz, 6H)。
HPLC:SHIMAZU VP−ODS(S−5)4.6×50mm、0〜100%のBを4分間、4mL/分、ホールド時間が1分間、A=10%メタノール/水+0.2% H3PO4、B=90%メタノール/水+0.2% H3PO4、保持時間=3.05分。
LCMS(実測値)556.0(M+H)+、554.0(M−H)-
【0158】
(実施例7)
【化24】

N−[3,5−ジクロロ−4−[5−クロロ−4−ヒドロキシ−3−(1−メチルエチル)−フェノキシ]フェニル]−1−カルバミルシクロブタン−1−カルボン酸
7A.
【化25】

ビス−(3−イソプロピル−4−メトキシフェニル)ヨードニウム・テトラフルオロボレート(15.0g、29.4mmol)、2,6−ジクロロ−4−ニトロフェノール(4.16g、20mmol)およびCu粉[ランカスター製、300メッシュ(3.2g、50mmol)]をアルミ箔で覆ったフラスコ内のCH2Cl2(200mL)中に懸濁した。撹拌後に、Et3N(8.4mL、100mmol)を加え、そして該反応混合物をアルゴン下、暗中で5日間撹拌した。該粗反応混合物を約50mLにまで濃縮し、次いで、クロマトグラフィー精製(メルクシリカゲルの2.0Lを使用、3%EtOAc/ヘキサンを使用)を行なって、4.9g(68.8%)を得た。
【0159】
7B.
【化26】

CH2Cl2(20mL)中の化合物7a(2.0g、5.6mmol)の−78℃溶液に、BBr3(14g、56mmol)を加えた。2時間撹拌後に、該反応液をNH4Cl水溶液、続いてEtOAcを加えることによってクエンチした。該スラリーを20分間撹拌し、その後に相分離した。該水相をEtOAc(2×)を用いて抽出した。該EtOAc層を合わせて、NH4Clおよびブラインを用いて連続して洗浄し、その後にMgSO4を用いて乾燥した。該溶媒を真空下で除去後に、該残渣をシリカゲルクロマトグラフィー精製(5%EtOAc/ヘキサンを使用)を行なって、目的のフェノール(1.4g)を溶出した。
【0160】
7C.
【化27】

MeCN(4mL)中の化合物7b(600mg、1.7mmol)の撹拌溶液に−40℃で、次亜塩素酸t−ブチル(230mg、2.1mmol)および1N NaHCO3水溶液(350μL、0.35mmol)を加えた。−20℃〜−30℃で3時間撹拌後に、該反応液を10%NaHSO3水溶液(1mL)を加えることによってクエンチした。該MeCNを回転蒸発器を用いて真空下で除去し、その後にEtOAcを用いて希釈した。該有機相を、飽和NH4Cl水溶液(2回)、続いてNH4Clを含有するブラインを用いて洗浄して、その後にNa2SO4を用いて乾燥した。揮発物を除去後に、不純な赤色残留油状物(0.76g)を、H2O/HOAc(1:10)(10mL)中のFe粉(0.56g、10mmol)と一緒に20℃で終夜撹拌することによって直ぐに還元した。該反応混合物を濃縮し、EtOAcを用いて希釈し、次いでセライトを用いてろ過し、そして該パッドをメタノール(約50mL)を用いて十分に洗浄した。該ろ液を合わせて、真空下で濃縮した。飽和Na2CO3(400mL)を加え、そして生成物をEtOAc(3×)を用いて抽出した。濃縮後に、該残渣をシリカゲルクロマトグラフィー精製(EtOAc:ヘキサン(1:4)を使用)を行なって、目的物(118mg)を溶出した。
【0161】
7D.
【化28】

実施例1のEおよびF部に記載の様式と同じ様式で、上記のアニリン(50mg、0.14mmol)を、シクロブタン−1,1−ジカルボン酸・モノ酸クロリド・モノエチルエステル(このものは、実施例1のD部に記載の方法によって、シクロブタン−1,1−ジカルボン酸ジエチルから製造する)を用いてアシル化した。シリカゲルクロマトグラフィー(25%EtOAc/ヘキサンを使用)によって精製後に、得られた半アミド・半エステル(71mg)を引き続いて、NaOH水溶液/EtOHを用いて加水分解して目的の半アミド・半酸を得て、その後に、プレパラティブ逆相HPLC精製(溶出液として、0.1%TFAを含有するMeCN/H2Oを使用)を行なって26mgを得た。
1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.81 (s, 2H), 6.64 (d, J = 3.1 Hz, 1H), 6.476 (d, J = 3.1, 1H), 3.31 (m, 1H), 2.65 (m, 4H), 2.1 (m, 1H), 1.94 (m, 1H), 1.17 (d, J = 7.0 Hz, 6H)。
HPLC:LUNA 4.6×50mm、4.6×50mm、0〜100%のBを4分間、4mL/分、ホールド時間が1分間、A=10%メタノール/水+0.2% H3PO4、B=90%メタノール/水+0.2% H3PO4、保持時間=4.55分。
LCMS(実測値)472.3, 474.35, 476.35(M+H)+。LRMS(実測値)470.3, 472.3(M−H)-
【0162】
(実施例8)
【化29】

N−[3,5−ジブロモ−4−[4−ヒドロキシ−3−(1−メチルエチル−5−メチル)−フェノキシ]フェニル]−1−カルバミルシクロブタンカルボン酸
8A.
【化30】

N. JacobsenによるJ. C. S. Perkin Trans. 1979, 2, 569に記載の方法に従って、30%H22水溶液(2.6mL、23.3mmol)をTFA/THF(2.5:1)中の3−イソプロピル−5−メチル−フェノール(1g、6.6mmol)の撹拌溶液に20℃を保つような割合で加えた。18時間後に、該褐色橙色溶液をEt2Oを用いて希釈し、そしてこのものを固体のNaHCO3を加えることによってクエンチした。紫色の有機相を、該紫色がもはや残らなくなるまで5%K2CO3を用いて繰り返して洗浄した。MgSO4を用いて乾燥しそして該揮発物を除去後に、黄色油状物(0.48g)を得た。該粗キノンは分解して2個以上の極性化合物を形成する傾向があるので、そのものを直接に使用した。
【0163】
8B.
【化31】

75%EtOH水溶液(4mL)中の3−イソプロピル−5−メチルキノン(68mg、0.4mmol)の撹拌溶液に、Na224(72mg、0.4mmol)を加えた。60℃で1時間加熱することにより、約50%の変換を得た。引き続いて、更なる当量のNa224を加え、そして2時間加熱することにより、残りのキノンを生成物に変換した。NH4Cl水溶液を用いて希釈後に、該反応液をEtOAc(3×)を用いて抽出した。該EtOAc相を合わせてブラインを用いて洗浄し、その後にNa2SO4を用いて乾燥した。真空下で該揮発物を除去後に該残渣をシリカゲルクロマトグラフィー精製(15%EtOAc/ヘキサンを使用)を行なって、白色固体の目的のヒドロキノン(45mg)を溶出した。
【0164】
8C.
【化32】

ピリジン(1mL)中の3−イソプロピル−5−メチルヒドロキノン(50mg、0.3mmol)およびDMAP(4mg、0.1mmol)の撹拌溶液に、AcCl(55μL、2.5mmol)を加えた。20℃までゆっくりと昇温させた後に、該反応液を4時間撹拌し、その後に、1N HClを用いてクエンチし、そしてEtOAc(3×)を用いて抽出した。該残渣(このものは、EtOAc層を合わせて、Na2SO4を用いて乾燥し、そして濃縮した後に得た)を、シリカゲルクロマトグラフィー精製(20%EtOAc/ヘキサンを使用)を行なって、ビスアセチル化ヒドロキノン(69mg)を溶出した。EtOH(1mL)中の上記のビスアセテート(50mg、0.3mmol)の選択的な加水分解は、H2O(0.1mL)中のNaOH(12mg、0.29mmol)およびNa224(13mg、0.75mmol)の溶液をゆっくりと加えることによって達成した。30分後に、該反応液を1N HClを加えることによってクエンチし、続いて真空下でEtOHを除去した。EtOAc中に溶解後の該残渣を、NH4Cl、続いてブラインを用いて洗浄し、その後にMgSO4を乾燥した。揮発物を除去後に、シリカゲルクロマトグラフィー精製(15%EtOAc/ヘキサンを使用)により、目的の3−イソプロピル−5−メチル−4−アセトキシフェノール(45mg)を溶出した。
【0165】
8D.
【化33】

DMF(37mL)中のK2CO3(271mg、1.96mmol)、8c部由来の3−イソプロピル−5−メチル−4−アセトキシフェノール(371mg、1.78mmol)および4−ヨード−3,5−ジブロモニトロベンゼン(724mg、178mmol、実施例1のA部)の撹拌混合物を70℃で16時間加熱し、その後に、TLC分析は、該反応が完結したことを示した。Et2Oおよび1N HClを用いて希釈後に、該混合物をEt2O(2×)を抽出した。該Et2O層を合わせてNH4Cl、続いてブラインを用いて洗浄し、その後にMgSO4を用いて乾燥した。揮発物の除去後に、シリカゲルクロマトグラフィー精製(15%EtOAc/ヘキサンを使用)により、白色固体の目的のジアリールエーテル(747mg)を溶出した。
【0166】
8E.
【化34】

2O/AcOH(1:9)(40mL)中のニトロジアリールーエーテル(このものは、実施例8のD部において製造する)(747mg、1.53mmol)の撹拌溶液に、Fe粉(428mg、7.67mmol)を加えた。20℃で3時間撹拌後に、出発物質はHPLC分析によって消費されたものと見なした。AcOHを真空下で除去後に、該残渣をEtOAcおよびH2Oを用いて希釈し、そしてこのものをEtOAc(2×)を用いて抽出した。NaHCO3およびNH4Clの水溶液を用いて洗浄しそしてMgSO4を用いて乾燥後に、該EtOAc層を合わせて、このものを濃縮して、白色発泡体の生成物(726mg)を得て、このものは更に精製することなく使用した。
【0167】
8F.
【化35】

N−[3,5−ジブロモ−4−[4−ヒドロキシ−3−(1−メチルエチル−5−メチル)−フェノキシ]フェニル]−1−カルバミルシクロブタンカルボン酸
引き続いて、THF(1mL)中の化合物8eの4−アミノジアリールエーテル(726mg、1.59mmol)の20℃の撹拌溶液に、1−カルボエトキシシクロブタン−1−カルボニルクロリド(このものは、実施例1のD部に記載する通り、1−カルボエトキシシクロブタン−1−カルボン酸(410mg、2.38mmol)を塩化オキサリルを用いて、続いてEt3N(402mg、3.97mmol)を用いて処理することによって予め製造する)を含有するTHF(1mL)を加えた。終夜撹拌後に、飽和NH4Cl水溶液(5mL)を加えてクエンチし、その後に、揮発物を真空下で除去した。得られた残渣をEtOAc/NH4Cl水溶液中に溶解した。該2回のEtOAc抽出後に、該EtOAc画分を合わせてNH4Cl水溶液を用いて洗浄し、MgSO4を用いて乾燥し、そして濃縮して褐色ガラス(1.08g)を得て、このものを更に精製しなかった。該粗生成物をTHF/H2O(4:1)(60mL)中に溶解し、そしてLiOH・H2O(370mg、8.8mmol)を加えた。撹拌後に、得られた溶液を40℃で終夜撹拌後に、該揮発物を真空下で除去した。該残渣をEtOAc/1N塩酸中に溶解した。該2回のEtOAc抽出後に、該EtOAc画分を合わせてNH4Cl水溶液を用いて洗浄し、MgSO4を用いて乾燥し、そして濃縮して橙色発泡体(903mg)を得て、このものをプレパラティブHPLC(C18逆相を使用、溶出液として0.1%TFAを含有するMeCN/H2Oを使用)によって精製した。該混合した画分のリサイクルおよび真空下での濃縮後に、淡橙色発泡体の目的生成物(総計440mg)を単離した。
1H NMR (400 MHz, d6-アセトン) δ 9.19 (s, 1H), 8.13 (s, 2H), 6.56 (d, J = 3.1 Hz, 1H), 6.36 (d, J = 3.1 Hz, 1H), 3.31 (septet, J = 7 Hz, 1H), 2.69 (m, 2H), 2.57 (m, 2H), 2.18 (s, 3H), 2.04 (m, 1H), 1.94 (m, 2H), 1.14 (d, J = 7.0 Hz, 6H)。
HPLC:Phenominex 4.6×50mm、4.6×50mm、0〜100%のBを8分間、2.5mL/分、ホールド時間が3分間、A=10%メタノール/水+0.2% H3PO4、B=90%メタノール/水+0.2% H3PO4、保持時間=8.17分。
LRMS(実測値)537.8, 539.7, 541.7(M−H)-
【0168】
(実施例9)
【化36】

N−[3,5−ジクロロ−4−[4−ヒドロキシ−3−(1−メチルエチル−5−メチル)−フェノキシ]フェニル]−1−カルバミルシクロブタンカルボン酸
9A.
【化37】

8c部の4−アセトキシ−3−イソプロピル−5−メチルフェノール(50mg、0.24mmol)および3,4,5−トリクロロニトロベンゼン(55mg、0.24mmol)をDMF(5mL)中、70℃で16時間加熱して、実施例8のD部に記載の方法に従って目的のニトロジアリールエーテル(85mg)を得た。
【0169】
9B.
【化38】

9A部中で製造したニトロジアリールエーテル(85mg、0.21mmol)を、実施例8のE部に記載の方法に従ってH2O:AcOH(1:9)(4.5mL)中のFe粉(60mg、1.1mmol)を用いて還元して、黄色油状物の生成物(79mg)を得て、このものを直接に使用した。
【0170】
9C.
【化39】

実施例1のEおよびF部に記載の方法に従って、9Bの上記のアニリン(79mg、0.22mmol)をシクロブタン−1,1−ジカルボン酸モノ酸クロリド・モノエチルエステル(0.25mmol)を用いてアシル化した。引き続いて、得られた半アミド・半エステルを目的の半アミド・半酸に変換して、このものをプレパラティブHPLC(溶媒として、0.1%TFAを含有するMeCN水溶液を使用する)によって精製して、白色固体の目的の最終生成物(50mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, d6-アセトン) δ 9.24 (s, 1H), 7.94 (s, 2H), 6.60 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 6.38 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 3.32 (m, 1H), 2.59-2.77 (m, 4H), 2.18 (s, 3H), 1.95 (m, 2H), 1.15 (d, J = 7.0 Hz, 6H)。
13C NMR (400 MHz, d6-アセトン) δ 172.55, 169.40, 150.20, 146.83, 142.68, 136.97, 136.12, 129.02, 125.15, 119.50, 113.17, 109.86, 53.84, 28.21, 21.77, 15.76, 15.24。
HPLC:Phenominex 4.6×50mm、4.6×50mm、0〜100%のBを4分間、4mL/分、ホールド時間が1分間、A=10%メタノール/水+10mm NH4OAc、B=90%メタノール/水+10mm NH4OAc、保持時間=3.53分。
LCMS(実測値)449.87(M−H)-
【0171】
(実施例10)
【化40】

N−[3,5−ジメチル4−[5−クロロ−4−ヒドロキシ−3−(1−メチルエチル)−フェノキシ]フェニル]−1−カルバミルシクロブタンカルボン酸
10A.
【化41】

CH2Cl2(50mL)中の2,6−ジメチル−4−ニトロフェノール(5g、30mmol)の撹拌溶液に0℃で、ピリジン(2.9mL、36mmol)およびTf2O(5mL、36mmol)を連続して加えた。該反応液を20℃まで2時間かけてゆっくりと昇温させ、H2Oを用いてクエンチした後に、該混合物をEt2O(2×)を用いて抽出した。該Et2O層を合わせて、1N NaOH(1×)、1N HClおよびブラインを用いて洗浄し、その後にMgSO4を用いて乾燥した。揮発物を回転蒸発器を用いて除去後に、該残渣をN−メチルピロリジノン(80mL)中に溶解した。LiCl(1.9g、45mmol)を加えた後に、該溶液を120℃で3日間加熱し、その後に、該溶媒を真空下で除去した。EtOAcおよびH2Oを該残渣に加えた後に、該懸濁液をろ過して黒色固体を除去した。該EtOAc層をH2O(2×)およびブライン(1回)を用いて洗浄し、その後にMgSO4を用いて乾燥した。該暗溶液をシリカゲルのプラグを通してろ過し、その後に濃縮した。得られた褐色固体は、出発フェノールに対するアリールクロリドの3:1の混合物で構成された。シリカゲルクロマトグラフィー精製(5%EtOAc/ヘキサンを用いて溶出する)により、白色針状晶の2,6−ジメチル−4−ニトロクロロベンゼン(3.3g、全収率60%)を得た。
【0172】
10B.
【化42】

10A部由来の2,6−ジメチル−4−ニトロクロロベンゼン(625mg、3.4mmol)、K2CO3(466mg、3.4mmol)および実施例1のA部由来の3−イソプロピル−4−メトキシフェノール(560mg、3.4mmol)を含有するDMF溶液(10mL)を、Ar下、120℃で4日間加熱した。冷却後に、該反応液をEt2Oを用いて希釈した。得られた溶液を1N HCl(1×)、次いでNH4Cl水溶液を用いて洗浄し、その後にMgSO4を用いて乾燥した。該粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー精製(溶出液として、ヘキサン〜5%EtOAc/ヘキサンを使用)を行なって、目的のジアリールエーテル(704mg)および回収した2,6−ジメチル−4−ニトロクロロベンゼン(126mg)を得た。
【0173】
10C.
【化43】

10B部由来のジアリールエーテル(385mg、1.22mmol)を含有する−20℃のCH2Cl2の撹拌溶液に、BBr3(0.13mL、1.34mmol)を滴下した。−15℃以下で1時間撹拌後に、該反応液を0℃で更に2時間保ち、その後にH2Oをクエンチとして加えて、その後に2回のEtOAc抽出を行なった。該EtOAc層を合わせて、NH4Cl水溶液を用いて2回洗浄し、MgSO4を用いて乾燥し、そして濃縮した。得られた残渣のシリカゲルクロマトグラフィー精製(10〜25%のEtOAcを用いて溶出)により、目的のフェノール(350mg)を得た。
【0174】
10D.
【化44】

10C部のフェノール性ジアリールエーテル(330mg、1.1mmol)を含有する20℃のHOAcの撹拌溶液(8mL)に、BnNMe3+ICL4-を加えた。1時間後に、該固体をろ過し、その後にH2O(2mL)およびFe末(250mg、7mmol)を該ろ液に加えた。該反応液を20℃で16時間、次いで45℃で更に2時間撹拌して、完結させた。HOAcを真空下で除去後に、EtOAcおよびNaHCO3水溶液を加え、そして該懸濁液をろ過して残留固体を除去した。該ろ液をNaHCO3水溶液を用いて2回洗浄し、その後にMgSO4を用いて乾燥した。シリカゲルクロマトグラフィー精製(10〜25%のEtOAcを用いて溶出)により、目的の塩素化アニリン(291mg)を得た。
【0175】
10E.
【化45】

THF/H2O(10:1)(9mL)中の10D部由来のアニリン(290mg、0.95mmol)およびNaHCO3(200mg、2.5mmol)の0℃の撹拌溶液に、実施例1のD部において製造したシクロブタン−1,1−ジカルボン酸・モノ酸クロリド・モノエチルエステル(188mg、1.1mmol)のTHF溶液(5mL)を加えた。30分間撹拌後に、該反応液を20℃で2時間撹拌し、その後にNH4Cl水溶液を用いてクエンチした。THFを回転蒸発器を用いて除去し、その後にEtOAcを用いて希釈した。該有機相をNH4Cl水溶液(2回)およびブラインを用いて洗浄し、その後にMgSO4を用いて乾燥した。揮発物を真空下で除去後に、該残渣をシリカゲルクロマトグラフィー精製(15%EtOAc/ヘキサンを使用)を行なって、目的の生成物(340mg、78%収率)を溶出した。
【0176】
10F.
【化46】

THF/H2O(5:1)(6mL)中の10E部由来のエチルエステル(325mg、0.71mmol)の20℃の撹拌溶液に、LiOH・H2O(104mg、2.5mmol)を加えた。1.5時間後に、THFを回転蒸発器を用いて除去した。該pHを1N HClを用いて1に調節し、その後にEtOAc(3×)抽出を行なった。該EtOAc層を合わせてNH4Cl水溶液(2×)を用いて洗浄し、そしてMgSO4を用いて乾燥後に、濃縮することにより、白色固体の目的の生成物(305mg、100%)を得た。
1H NMR (400 MHz, d6-アセトン) δ 8.88 (s, 1H), 7.53 (s, 2H), 6.75 (d, J = 3.1 Hz, 1H), 6.49 (d, J = 3.1 Hz, 1H), 3.36 (m, 1H), 2.61-2.72 (m, 4H), 2.11 (s, 6H), 1.95 (m, 2H), 1.21 (d, J = 7.0 Hz, 6H)。
13C NMR (400 MHz, d6-アセトン) δ 174.36, 169.92, 152.28, 147.75, 145.11, 139.34, 137.02, 132.11, 121.52, 121.08, 112.59, 112.34, 54.91, 28.61, 22.61, 16.54, 16.45。
HPLC:LUNA 4.6×50mm、4.6×50mm、0〜100%のBを4分間、4mL/分、ホールド時間が1分間、A=10%メタノール/水+10mm NH4OAc、B=90%メタノール/水+10mm NH4OAc、保持時間=3.51分。
LRMS(実測値)432.37(M+H)+。HRMS(実測値)430.1427(C2325ClNO5として計算、(M−H)-)。
【0177】
本発明は上記の具体的な実施態様の観点で本明細書中に詳述するが、該実施態様は本発明の一般的な原理の例示で提示するものであって、本発明は必ずしもそれらに限定されるものではないと理解されるべきである。いずれの示す物質、操作の工程または化学式における改変および変化は、本発明の真の精神および範囲を逸脱することなく当該分野における当業者にとって容易に明らかであって、そして全ての該改変および変化は特許請求の範囲の範囲内にあると考えるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

[式中、
Xは、酸素(−O−)、セレン(−Se−)、硫黄(−S−)、スルフェニル(SO)、スルホニル(SO2)、カルボニル(−CO)、メチレン(−CH2−)または−NH−から選ばれ;
1は、水素、ハロゲン、CF3またはC1〜C6アルキルから選ばれ;
2は、ハロゲン、CF3、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C3〜C7シクロアルキル、C4〜C7シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールアルコキシ、シクロアルコキシ、N(R12)COR13、CO(NR1213)、N(R12)SO213、SO2(NR1213)、SR14、SOR14、SO214、COR14、CR12(OR5)R13またはCH2NR1213から選ばれ;
3は、水素、アルキル、ベンジル、アロイルまたはアルカノイルから選ばれ;
4およびR5は各々独立して、水素、ハロゲンまたはアルキルから選ばれ;
6およびR7は各々独立して、水素、ハロゲン、シアノ、C1〜C4アルキルまたはC3〜C6シクロアルキルから選ばれ、ここで、R6およびR7の少なくとも1つは水素以外であり;
8およびR9は各々独立して、水素、ハロゲン、アルコキシ、ヒドロキシ、シアノ、CF3またはアルキルから選ばれ;
10は、水素またはアルキルであり;
11は、CO213またはテトラゾールであり;
各R12およびR13は各々独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキルまたはヘテロアリールアルキルから選ばれ;
14は、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキルまたはヘテロアリールアルキルから選ばれ;そして、
nは1〜4の整数である]
で示される化合物、またはそれらの全てのプロドラッグ、立体異性体もしくは医薬的に許容し得る塩。
【請求項2】
Xは酸素である、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
1は、水素であり;
2は、C1〜C6アルキルまたはC3〜C7シクロアルキルであり;
3は、水素であり;
4は、水素、ハロゲンまたはアルキルであり;
5は、水素であり;
6およびR7は各々独立して、ブロモ、クロロまたはC1〜C4アルキルであり;
8は、水素、ハロゲンまたはアルキルであり;
9は、水素またはハロゲンであり;
10は、水素であり;
11は、カルボキシルであり;そして、
nは、2または3である、
請求項2記載の化合物。
【請求項4】
2はイソプロピルである、請求項3記載の化合物。
【請求項5】
1は、水素であり;
2は、イソプロピルであり;
3は、水素であり;
4は、クロロまたはC1〜C4アルキルであり;
5は、水素であり;
6およびR7は各々独立して、ブロモ、クロロまたはメチルであり;
8は、水素、クロロまたはC1〜C4アルキルであり;
9は、水素であり;
10は、水素であり;
11は、カルボキシルであり;そして、
nは、2である、
請求項2記載の化合物。
【請求項6】
1は、水素であり;
2は、イソプロピルであり;
3は、水素であり;
4は、クロロまたはメチルであり;
5は、水素であり;
6およびR7は、ブロモであり;
8は、水素またはメチルであり;
9は、水素であり;
10は、水素であり;
11は、カルボキシルであり;そして、
nは、2である、
請求項2記載の化合物。
【請求項7】
構造式:
【化2】

またはそのアルキルエステルを有する、請求項1記載の化合物。
【請求項8】
構造式:
【化3】

またはそのアルキルエステルを有する、請求項1記載の化合物。
【請求項9】
構造式:
【化4】

を有する、請求項1記載の化合物。
【請求項10】
請求項1記載の化合物および医薬的に許容し得る担体を含有する、医薬組成物。
【請求項11】
更に、式Iの他の化合物、抗糖尿病薬、抗骨粗しょう症薬、抗肥満症薬、成長促進薬、抗炎症薬、抗不安症薬、抗うつ病薬、血圧降下薬、強心配糖体、コレステロール/脂質低下薬、食欲減退薬、骨吸収インヒビター、甲状腺擬態薬、タンパク質同化薬、抗腫瘍薬またはレチノイドから選ばれる少なくとも1つの更なる治療学的な薬物を含有する、請求項10記載の医薬組成物。
【請求項12】
該治療学的な薬物は、ビグアナイド、グルコシダーゼインヒビター、メグリチナイド、スルホニルウレア、チアゾリジンジオン、PPAR−アルファ作動薬、PPAR−ガンマ作動薬、PPARアルファ/ガンマ二重作動薬、SGLT2インヒビター、グリコーゲンホスホリラーゼインヒビター、aP2インヒビター、グルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)、ジペプチジルペプチダーゼIVインヒビター、またはインスリンから選ばれる抗糖尿病薬である、請求項11記載の医薬組成物。
【請求項13】
治療学的な薬物は、メトホルミン、グリブリド、グリメピリド、グリピリド、グリピジド、クロルプロパミド、グリクラジド、アカルボース、ミグリトール、トログリダゾン、ピオグリダゾン、エングリダゾン、ダルグリダゾン、ロシグリダゾンまたはインスリンから選ばれる抗糖尿病薬である、請求項11記載の医薬組成物。
【請求項14】
治療学的な薬物は、aP2インヒビター、PPARガンマ拮抗薬、PPARデルタ拮抗薬、ベータ3アドレナリン作動薬、リパーゼインヒビター、セロトニン再取り込みインヒビター、カンビノイド−1受容体拮抗薬および摂食障害薬から選ばれる、請求項11記載の医薬組成物。
【請求項15】
治療学的な薬物は、チアゾリジンジオン、MTPインヒビター、スクアレンシンセターゼインヒビター、HMG CoA還元酵素インヒビター、フィブル酸誘導体、ACATインヒビター、コレステロール吸収インヒビター、回腸Na+/胆汁共輸送体インヒビター、胆汁酸捕捉剤またはニコチン酸もしくはその誘導体から選ばれる抗高脂血症薬である、請求項11記載の医薬組成物。
【請求項16】
代謝性機能不全に関連するかまたはT3調節遺伝子の発現に依存する疾患を予防し、抑制しまたは治療するための方法であって、処置が必要な哺乳動物患者に治療学的に有効な量の請求項1記載の化合物を投与することを含む、該方法。
【請求項17】
肥満症、高コレステロール血症、アテローム硬化症、うつ病、骨粗しょう症、甲状腺機能低下症、無症状性甲状腺機能亢進症、非毒性甲状腺腫、骨の量、密度もしくは成長の低下、摂食障害、認知機能の低下、甲状腺癌、緑内障、心不整脈、うっ血性心不全、または皮膚の障害もしくは疾患の進行または発症を処置しまたは遅延するための方法であって、処置が必要な哺乳動物患者に治療学的に有効な量の請求項1記載の化合物を投与することを含む、該方法。
【請求項18】
皮膚の障害または疾患は、真皮萎縮症、レーザー剥皮が原因の外科手術後の挫傷、ケロイド、線条、セルライト、荒れた皮膚、光線性皮膚損傷、扁平苔癬、魚鱗癬、ざ瘡、乾癬、ダリエ病、湿疹、アトピー性皮膚炎、塩素ざ瘡、ひこう疹または皮膚瘢痕である、請求項17記載の方法。
【請求項19】
更に、他の式Iの化合物、抗糖尿病薬、抗骨粗しょう症薬、抗肥満症薬、成長促進薬、抗炎症薬、抗不安症薬、抗うつ病薬、血圧降下薬、強心配糖体、コレステロール/脂質低下薬、食欲減退薬、骨吸収インヒビター、甲状腺擬態薬、タンパク質同化薬、抗腫瘍薬またはレチノイドから選ばれる少なくとも1つの更なる治療学的な薬物の治療学的に有効な量を同時にまたは連続的に投与することを含む、請求項17記載の方法。
【請求項20】
皮膚の障害または疾患の進行または発症を処置しまたは遅延する方法であって、哺乳動物患者に、治療学的に有効な量の請求項1記載の化合物をレチノイドまたはビタミンDアナログと組み合わせて投与することを含む、該方法。
【請求項21】
肥満症の進行または発症を処置しまたは遅延するための方法であって、処置の必要な哺乳動物患者に治療学的に有効な量の請求項1記載の化合物を投与することを含む、該方法。
【請求項22】
更に、抗肥満薬または食欲減退薬から選ばれる少なくとも1つの更なる治療学的な薬物の治療学的に有効な量を同時にまたは連続的に投与することを含む、請求項21記載の方法。
【請求項23】
抗肥満症薬は、aP2インヒビター、PPARガンマ拮抗薬、PPARデルタ拮抗薬、ベータ3アドレナリン作動薬、リパーゼインヒビター、セロトニン(および、ドーパミン)再取り込みインヒビター、カンビノイド−1受容体拮抗薬、他の甲状腺受容体薬または摂食障害薬から選ばれる、請求項22記載の方法。
【請求項24】
請求項1記載の化合物を含有する、甲状腺ホルモン受容体の選択的作動薬として機能する、医薬組成物。

【公表番号】特表2006−516620(P2006−516620A)
【公表日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−502947(P2006−502947)
【出願日】平成16年1月23日(2004.1.23)
【国際出願番号】PCT/US2004/001779
【国際公開番号】WO2004/066929
【国際公開日】平成16年8月12日(2004.8.12)
【出願人】(391015708)ブリストル−マイヤーズ スクイブ カンパニー (494)
【氏名又は名称原語表記】BRISTOL−MYERS SQUIBB COMPANY
【Fターム(参考)】