説明

画像処理装置及び画像処理方法

【課題】画像が合成された場合、色が表示上変化するのを防ぐことができる画像処理装置及び画像処理方法を提供する。
【解決手段】複数の画像信号を合成し、合成画像信号を生成するビデオ・グラフィック・プロセッサ12と、合成画像信号を伝送する場合、合成画像信号の色空間規格として第1の色空間規格又は第1の色空間規格で規定される色域よりも広い色域の第2の色空間規格のいずれかの識別フラグを伝送するHDMITx14とを備え、ホストCPU13は、色の表示上の変化を防ぐように第1又は第2の色空間規格を決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、色空間情報が異なる複数の画像データを処理する画像処理装置及び画像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ディスプレイやHDTV(High Definition TeleVision)の放送では、sRGB(IEC(International Electrotechnical Commission)61966−2−1)やITU−R(International Telecommunication Union-Radiocommunication Sector) BT.709で規格化された色空間が広く使われているが、近年、広色域パネルの出現により、受像機側でsRGBを超える広色域の色表現が可能となっている。
【0003】
このような受像機には、パネルの広色域を活かすために、sRGBの色空間の映像コンテンツに対して信号処理によって色域を伸長する技術(以下、「色域伸長処理」と呼ぶ。)が採用されており、受像機は、sRGB色空間でクリップされてしまうような彩度の高い色を色域伸長処理することで、より鮮やかな色を再現することができる。また、ユーザは、受像機の画質モードを選択することにより、色域伸長処理をオン/オフすることが可能となっている。
【0004】
また、受像機は、例えば、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)を使って、映像信号とともに色空間情報を、ソース機器から受信することも可能となっており、色空間情報に従って、BT.709の場合は、色域伸長処理をオン状態にし、他の広色域の色空間情報の場合は、色域伸長処理をオフ状態にする、といった制御を自動的に行うことができる。
【0005】
一方、撮像素子やカメラ信号処理も広色域化しており、カメラで撮影したsRGBを超える色域の広色域信号を、ディスクやテープへ記録し、再生することも可能となっている。また、ディスクやテープに記録された広色域信号を、IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)1394などのデジタルインターフェースを介して光ディスクレコーダにダビングしたり、広色域信号が記録された該ディスクを光ディスクレコーダやプレーヤで再生したりすることも可能となっている。また、カメラやレコーダは、HDMIを使って、これらの広色域信号や色空間情報などを受像機に伝送することもできる。
【0006】
【特許文献1】特開2006−180477号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、受像機の色域伸長処理をオン/オフすると、表示される画像の色味、色の濃さなどが変化する。例えば、一定色のグラフィックスの背景に動画/静止画をブレンディングする場合、背景の動画/静止画の属性によって色空間情報を変化させると、受像機は該色空間情報に従って色域伸長処理を切り換えるため、一定色であるはずのグラフィックスの色が表示上変化してしまう。このため、ユーザにとって、表示上見苦しく感じることがあった。
【0008】
また、複数の動画/静止画やグラフィックスなどを合成する場合、例えば、合成画の色空間規格が、全てBT.709の状態から、一つの動画/静止画が広色域に変化した際にも、動画/静止画の属性によって色空間情報を変化させると、受像機は該色空間情報に従って色域伸長処理を切り換えるため、グラフィックスや他の動画/静止画の色が表示上変化してしまい、見苦しく感じることがあった。
【0009】
本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、画像が合成された場合、色が表示上変化するのを防ぐことができる画像処理装置及び画像処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の課題を解決するために、本発明に係る画像処理装置は、第1の色空間規格の画像信号と当該第1の色空間規格で規定される色域よりも広い色域の第2の色空間規格の画像信号とを信号処理する画像処理装置であって、複数の画像信号を合成し、合成画像信号を生成する画像処理手段と、上記合成画像信号の色空間情報を上記第1の色空間規格又は第2の色空間規格のいずれかに決定する制御手段と、所定のデジタル映像信号伝送規格にて上記合成画像信号と上記決定された色空間情報とを伝送する伝送手段とを備え、上記制御手段は、上記画像処理手段にて合成される複数の画像信号の色空間規格、上記合成画像信号に切り換える前に伝送された色空間情報のうち少なくとも1つに応じて上記合成画像信号の色空間情報を決定する。
【0011】
また、本発明に係る画像処理方法は、第1の色空間規格の画像信号と当該第1の色空間規格で規定される色域よりも広い色域の第2の色空間規格の画像信号とを信号処理する画像処理方法であって、複数の画像信号を合成し、合成画像信号を生成する画像処理工程と、上記合成画像信号の色空間情報を上記第1の色空間規格又は第2の色空間規格のいずれかに決定する制御工程と、所定のデジタル映像信号伝送規格にて上記合成画像信号と上記決定された色空間情報とを伝送する伝送工程とを備え、上記制御工程では、上記画像処理手段にて合成される複数の画像信号の色空間規格、上記合成画像信号に切り換える前に伝送された色空間情報のうち少なくとも1つに応じて上記合成画像信号の色空間情報を決定する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、合成画像信号の色空間情報が固定されているため、受像機側で色が表示上変化するのを防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明の一実施の形態に係る再生システムを示す図である。この再生システムは、記録再生装置1と、受像機2とが、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)ケーブル3を介して接続されており、受像機2は、第1の色空間規格の画像データを、第1の色空間規格で規定される色域よりも広い色域の第2の色空間規格の画像データに擬似的に色域を伸張して表示することが可能となっている。第1の色空間規格の例としては、sRGB(IEC61966−2−1)、ITU−R BT.709等が挙げられる。また、第2の色空間規格の例としては、xvYCC等が挙げられる。
【0015】
xvYCCは、国際電気標準会議(IEC)が国際標準(IEC 61966−2−4)として発行した規格であり、HDTV(High Definition TeleVision)で利用するITU−R BT.709の色域(sRGBと同等)との互換性を確保しながら、色空間を広げたものである。そして、このxvYCCによれば、現行の動画コンテンツの色空間規格「ITU−R BT.709」(静止画ではsRGBに相当)では表現できない色を表現することができる。
【0016】
図2は、xvYCCの色域を平面に投射した場合の模式図である。この図2において、色域aはsRGBの色域であり、色域bはxvYCCで拡張された色域である。図2に示すようにsRGBでは、R,G,Bそれぞれを0〜1で表現する色のみを利用してきたのに対し、xvYCCでは負の値や1を超える色も定義されている。したがって、例えば、受像機2がsRGBの色域aの映像コンテンツを色域bにまで伸長する処理(以下、「色域伸長処理」と呼ぶ。)を行って、物体の素材感・立体感を忠実に再現すれば、ユーザは広色域のカラー画像を楽しむことができる。
【0017】
HDMIケーブル3の規格であるHDMIは、IEEE1394の上位互換とされており、物理層にはTMDS(Transition Minimized Differential Signaling)、信号の暗号化にはHDCP(High-bandwidth Digital Content Protection)、機器間認証にはEDID(Extended Display Identification Data)、系全体の制御系接続にはCEC(Consumer Electronics Control)が採用されている。また、HDMIバージョン1.3には、メタデータとxvYCC色空間の定義が追加されている。したがって、例えば、受像機2が記録再生装置1から受信したメタデータと自身の色域情報とに基づいて画像データを色域伸張処理すれば、より具体的には画像データに対し機器間の色空間の変換処理(Gamut Mapping Algorithm)をすれば、正しい色を再現することができる。
【0018】
図1に戻って、再生システムの構成について説明する。記録再生装置1は、MPEG(Moving Picture Expert Group)デコーダ11と、ビデオ・グラフィック・プロセッサ12と、ホストCPU(Central Processing Unit)13と、HDMI Tx(トランスミッタ)14と、HDMIコネクタ15とを備えている。
【0019】
MPEGデコーダ11は、MPEG1、MPEG2、MPEG4、MPEG4−AVC/H.264などのビデオストリームをデコードし、ベースバンド信号を生成する。
【0020】
ビデオ・グラフィック・プロセッサ12は、MPEGデコーダ11にて生成されたベースバンド信号を所望の画枠サイズへ変換処理したり、複数のベースバンド信号を合成処理したりする。
【0021】
ホストCPU13は、MPEGデコーダ11及びビデオ・グラフィック・プロセッサ12を制御する。例えば、MPEGデコーダ11に所望のビデオストリームのデコードを指示し、ビデオ・グラフィック・プロセッサ12にデコードされたベースバンド信号を用いた合成画像の生成を指示する。また、合成画像の色空間規格を決定し、その色空間情報をHDMI Tx14に送る。また、ホストCPU13は、HDMIケーブル3のDDC(Display Data Channel)ラインにより受像機2と通信を行う。
【0022】
HDMI Tx14は、ビデオ・グラフィック・プロセッサ12にて信号処理された映像音声信号とともに、ホストCPU13から送られた色空間規格を示す色域識別フラグ、メタデータなどの属性データをTMDS信号に変換し、HDMIコネクタ15に出力する。この属性データは、HDMI規格で定義されているAVI(Auxiliary Video Information)InfoFrameを使って伝送することができる。
【0023】
HDMIコネクタ15は、HDMIケーブル3と接続され、HDMI Tx14にて変換されたTMDS信号を受像機2に伝送する。
【0024】
次に、受像機2の構成について説明する。受像機2は、HDMIコネクタ21と、HDMI Rx(レシーバ)22と、ホストCPU23と、EDIDROM(Extended Display Identification Data Read Only Memory)24と、ビデオ・グラフィック・プロセッサ25と、ディスプレイデバイス26とを備えている。
【0025】
HDMIコネクタ21は、HDMIケーブル3と接続され、TMDS信号を受信する。
【0026】
HDMI Rx22は、TMDS信号から映像音声信号と属性データとを取得し、映像信号をビデオ・グラフィック・プロセッサ25に送る。
【0027】
ホストCPU23は、属性データに基づいてビデオ・グラフィック・プロセッサ25の色域伸長処理のオン/オフを制御する。具体的には、例えば、属性データの色空間情報がITU−R BT.709の場合、ビデオ・グラフィック・プロセッサ25の色域伸長処理をオン状態にし、属性データの色空間情報がxvYCCの場合、ビデオ・グラフィック・プロセッサ25の色域伸長処理をオフ状態にする。
【0028】
EDIDROM24には、受像機2のディスプレイ情報が記憶されており、例えば、受像機2の対応解像度情報、色域の種別を示す色空間情報が書き込まれている。EDIDROM24に記憶されたディスプレイ情報は、HDMIケーブル3のDDC(Display Data Channel)ラインを介して記録再生装置1に提供される。
【0029】
図3は、ビデオ・グラフィック・プロセッサ25の構成を示すブロック図である。ビデオ・グラフィック・プロセッサ25は、メモリ251と、スケーラ252と、カラーエキスパンダ253と、ビデオエンコーダ254とを備えている。HDMI Rx22から入力された映像信号は、メモリ251のビデオ・プレーンに書き込まれる。メモリ251に書き込まれた映像信号は、各プレーンから読み出され、スケーラ252で所望のサイズへのスケーリングが施される。また、ホストCPU23からの命令に応じてカラーエキスパンダ253で色域拡張処理が施される。カラーエキスパンダ253は、例えば、BT.709の映像信号を擬似的にxvYCCの映像信号の色域に拡張する。また、xvYCCの映像信号を色域伸張処理した場合、xvYCCの映像信号の色域を擬似的に拡張されたxvYCCの映像信号の色域と同じにする。ビデオエンコーダ254は、所望の出力仕様になるようにタイミング生成、同期信号の付加などを行う。
【0030】
ディスプレイデバイス26は、広色域パネルを有し、ビデオ・グラフィック・プロセッサ25にて信号処理された画面を表示する。
【0031】
このように、受像機2は、映像音声信号とともに受信した属性データに応じて色伸張処理をオン/オフすることにより、画面内の物体を広色域の色空間で忠実に再現することができる。
【0032】
ところで、このような再生システムにおいて、受像機2は該色空間情報に従って色域伸長処理を切り換えるため、例えば、記録再生装置1が一定色のグラフィックスの背景に動画/静止画をブレンディングし、背景の動画/静止画の属性によって色空間情報を変化させた場合、受像機2において一定色であるはずのグラフィックスの色が表示上変化してしまうことがある。以下では、このような問題を防ぐ方法について説明する。
【0033】
図4は、記録再生装置1の構成を具体的に示すブロック図である。記録再生装置1は、ライン入力端子41と、アナログチューナ42と、ディスクドライブ43と、ハードディスクドライブ44と、IEEE1394端子45と、デジタルチューナ46と、ライン入力端子41又はアナログチューナ42からの入力信号のいずれか1つを選択するセレクタ47と、セレクタ47からの映像音声信号をデコードするビデオデコーダ48と、ビデオデコーダ48にてデコードされたベースバンド信号又はビデオ・グラフィック・プロセッサ54にて画像合成等の信号処理が施されたベースバンド信号のいずれか1つを選択するセレクタ49と、セレクタ49からのベースバンド信号をエンコードするMPEGエンコーダ50と、HDV(High-Definition Video)プロセッサ51と、ストリームプロセッサ52と、MPEGデコーダ53a,53bと、ビデオ・グラフィック・プロセッサ54と、HDMI Tx55と、DAC56と、HDMIコネクタ57と、コンポーネント端子58と、コンポジット端子59と、ホストCPU60とを備えている。
【0034】
ここで、MPEGデコーダ53a,53b、ビデオ・グラフィック・プロセッサ54、HDMI Tx55、HDMIコネクタ57、ホストCPU60は、それぞれ図1に示すMPEGデコーダ11、ビデオ・グラフィック・プロセッサ12、HDMI Tx14、HDMIコネクタ15、ホストCPU13に対応するものである。
【0035】
続いて、記録再生装置1における記録動作について説明する。ライン入力端子41から入力される映像信号と、アナログチューナ42から出力される映像信号は、セレクタ47で所望の入力が選択された後、ビデオデコーダ48に入力される。ビデオデコーダ48は、例えば入力されたNTSC方式のアナログ映像信号をA/D変換した後、輝度信号とクロマ信号とに分離するとともにデコード処理を施す。デコードされたベースバンドビデオ信号は、セレクタ49、及びビデオ・グラフィック・プロセッサ54に入力される。セレクタ49で、ビデオデコーダ48からの出力と、ビデオ・グラフィック・プロセッサ54からの出力とのいずれかを選択した後、選択されたベースバンド信号がMPEGエンコーダ50に入力される。MPEGエンコーダ50は、MPEG1、MPEG2、MPEG4、MPEG4−AVC/H.264など所望のエンコードを行う。エンコードされたストリームは、ストリームプロセッサ52に入力される。ストリームプロセッサ52から、BD(Blu-ray Disc、商標)、DVD(Digital Versatile Disc)などのディスクドライブ43やハードディスクドライブ44などにストリームが送られ、所望のメディアに記録される。
【0036】
また、IEEE1394入力端子45から入力されたストリームは、HDVプロセッサ51を経てストリームプロセッサ52に入力され、デジタルチューナ46からのストリームもストリームプロセッサ52に入力される。ストリームプロセッサ52に入力されたストリームは、BD、DVDなどのディスクドライブ43やハードディスクドライブ44などの所望のメディアに記録される。
【0037】
また、ストリームプロセッサ52に入力されたストリームは、ストリームプロセッサ52で所望のビデオストリームの抜き出しやパーズなどの処理を施し、MPEGデコーダ53でデコードした後、ビデオ・グラフィック・プロセッサ54、セレクタ49を経由してMPEGエンコーダ50に入力される。MPEGエンコーダ50は、MPEG1、MPEG2、MPEG4、MPEG4−AVC/H.264など所望のエンコードを行い、エンコードされたストリームは、ストリームプロセッサ52に入力される。ストリームプロセッサ52から、BD、DVDなどのディスクドライブ43やハードディスクドライブ44などにストリームが送られ、所望のメディアに記録される。
【0038】
次に、記録再生装置1における再生動作について説明する。BD、DVDなどのディスクドライブ43やハードディスクドライブ44で再生されたストリームは、ストリームプロセッサ52に入力される。ストリームプロセッサ52は、所望のビデオストリームの抜き出しや、ストリームから画像データの色空間属性に関する情報などのパーズを行った後、MPEGデコーダ53a、53bに送る。MPEGデコーダ53a、53bは、画像データをデコードする。MPEGデコーダ53a、53bでデコードされたベースバンドビデオ信号は、ビデオ・グラフィック・プロセッサ54に入力される。ビデオ・グラフィック・プロセッサ54では、所望の画枠サイズへの変換処理や種々のビデオ信号処理を施し、該映像信号にグラフィックス信号などを合成した後、HDMI Tx55に送られる。HDMI Tx55では、入力されたベースバンド信号をTMDS信号に変換して、制御信号とともにHDMIコネクタ57に出力する。また、ビデオ・グラフィック・プロセッサ54の出力は、DAC56に入力され、D/A変換したアナログコンポーネント信号がコンポーネント端子58に出力されるとともに、D/A変換したアナログコンポジットビデオ信号(あるいは、Y/Cセパレートビデオ信号)もコンポジットビデオ端子(あるいは、S端子)59に出力される。
【0039】
次に、図1〜4を参照して記録再生装置1における伝送動作について説明する。ここで、BD、DVDなどのディスクドライブ43やハードディスクドライブ44で再生されたストリームには、広色域映像信号とともに、色域の種別を識別するための識別フラグ、及び色域の付随情報であるメタデータが含まれているものとする。
【0040】
再生された映像音声信号、及び識別フラグ等のメタデータを含んだストリームは、ストリームプロセッサ52に入力される。ストリームプロセッサ52は、ストリームのパーズを行い、識別フラグ及び、メタデータを抽出し、ホストCPU60は、ストリームの識別フラグ等のメタデータをストリームプロセッサ52から取得する。識別フラグ及びメタデータは、エレメンタリーストリームの付加情報として記録してあるので、ビデオ信号との同期は常に保たれる。広色域信号を含んだストリームは、前述の再生系の説明の通り、MPEGデコーダ53a、53bでデコードされた後、ビデオ・グラフィック・プロセッサ54を経てHDMI Tx55に送られる。
【0041】
また、ホストCPU60は、HDMIコネクタ57に接続されたHDMIケーブル3のDDC(Display Data Channel)ラインにより受像機2と通信を行い、受像機2に内蔵するHDMI Rx(レシーバ)22、ホストCPU23を介して、EDID(Extended Display Identification Data) ROM24に書かれているディスプレイ情報を取得する。EDID ROM24には、受像機2の対応解像度情報などの他に、色域の種別を示す色空間情報も書かれている。したがって、ホストCPU60は、ディスプレイ情報を取得することにより、接続している受像機2が広色域映像信号に対応しているか否かを判別することができる。そして、HDMIケーブル3によって接続された受像機2が広色域映像信号に対応している場合、ホストCPU60は、広色域映像信号を伝送する際、映像信号の属性としてディスクから取得した色域識別フラグ、及びメタデータをHDMI Tx55にセットすることができる。
【0042】
また、後述するように、ホストCPU60は、ビデオ・グラフィック・プロセッサ54にて合成される各画像のメタデータを取得し、HDMI Tx55にセットする色域識別フラグを所望の値に変更する。具体的には、画像合成される各画像の色空間規格や画像合成前の色空間規格に基づいてHDMI Tx55にセットする色域識別フラグを決定する。
【0043】
HDMI Tx55は、映像音声信号とともに色域識別フラグ、メタデータなどの属性データをTMDS信号に変換し、HDMIコネクタ57から出力する。色域の種別を示す識別フラグ、メタデータは、HDMI規格で定義されているAVI(Axiliary Video Information) InfoFrameを使って伝送することができる。例えば、色域識別フラグは、AVI InfoFrameパケット内のColorimetryやExtended Colorimetryで定義される。また、オーディオ信号の属性データは、Audio InfoFrameを用いることができる。
【0044】
図5は、画像を合成する際のビデオ・グラフィック・プロセッサ54の機能ブロック図である。ビデオ・グラフィック・プロセッサ54は、メモリ541と、合成処理部542a〜542dと、グラフィックエンジン543と、JPEGエンジン544とを備えている。ここで、合成処理部542a〜542dは、出力フォーマット毎に用意されており、それぞれスケーラ545と、ブレンダ546と、ビデオエンコーダ547とを備えている。
【0045】
ビデオデコーダ48の出力、及びMPEGデコーダ53a、53bの出力は、メモリ541のビデオ・プレーンに書き込まれる。また、グラフィックエンジン543は、メモリ541のグラフィックス・プレーンにグラフィックス・データを書き込む。JPEGエンジン544は、JPEGファイルをデコードして、メモリ541のビデオ・プレーンにJPEGデータを書き込む。メモリ541に書き込まれた画像データは、各プレーンから読み出され、スケーラ545で所望のサイズへのスケーリングなどが行われ、ブレンダ546に送られる。ブレンダ546は、各プレーンから読み出された画像の合成を行う。ビデオエンコーダ547は、所望の出力仕様になるようにタイミング生成、同期信号の付加などを行う。
【0046】
以下、画像合成処理する際のホストCPU60の動作について具体例を挙げて説明する。なお、具体的な色空間規格として、BT.709を挙げ、それよりも広い色域の色空間規格としてxvYCC(xvYCC709)を挙げて説明する。
【0047】
図6は、画面合成を行わない場合、すなわち、1つの色空間規格からなる画像を出力する場合の映像信号の色空間規格と属性データの色空間情報との関係を示す模式図である。時刻t0において、映像信号の色空間規格がBT.709からxvYCCに切り換わる際、ホストCPU60は、映像信号の色空間規格と同期して、HDMI Tx55にセットする色域識別フラグをBT.709からxvYCC709に切り換える。また、時刻t1において、映像信号の色空間規格がxvYCCからBT.709に切り換わる際、ホストCPU60は、映像信号の色空間規格と同期して、HDMI Tx55にセットする色域識別フラグをBT.709からxvYCC709に切り換える。
【0048】
図7〜図10は、画面合成を行う場合の画面イメージ、出力映像信号、及び色空間情報の具体例1〜具体例4を示す模式図である。これらの具体例では、画像a、画像b、画像cの3つの画像が合成された合成画面の映像信号を出力する。時刻t0及び時刻t1において、画像の色空間規格が変化し、それに伴い出力する映像信号の色空間規格も変化している。これらの場合において、ホストCPU60は、色空間情報を固定して出力する。
【0049】
図7に示す具体例1では、時刻t0の前において、BT.709の画像a、BT.709の画像b、xvYCCの画像cの3つの画像が合成された合成画面の映像信号を出力している。そして、時刻t0において画像aの映像信号の色空間規格がBT.709からxvYCCに切り換わり、時刻t1において画像aの映像信号の色空間規格がxvYCCからBT.709に切り換わっている。この具体例1において、ホストCPU60は、合成する画像の色空間規格と関係なく、HDMI Tx55にセットする色域識別フラグを常にxvYCC709に固定する。具体例1では、色空間情報が常にxvYCC709に固定されるため、面積の広い画像cの色変化がないだけでなく、子画面の画像a,bへの影響も少なく、合成画面全体の色変化を小さくすることができる。
【0050】
図8に示す具体例2では、時刻t0の前において、BT.709の画像a、BT.709の画像b、BT.709の画像cの3つの画像が合成された合成画面の映像信号を出力している。そして、時刻t0において画像aの映像信号の色空間規格がBT.709からxvYCCに切り換わり、時刻t1において画像aの映像信号の色空間規格がxvYCCからBT.709に切り換わっている。この具体例2において、ホストCPU60は、合成する画像の色空間規格と関係なく、HDMI Tx55にセットする色域識別フラグを常にxvYCC709に固定する。具体例2では、色空間情報が常にxvYCC709に固定されるため、面積の広い画像cの色変化がないだけでなく、子画面の画像a,bへの影響も少なく、合成画面全体の色変化を小さくすることができる。
【0051】
図9に示す具体例3では、時刻t0の前において、BT.709の画像a、BT.709の画像b、xvYCCの画像cの3つの画像が合成された合成画面の映像信号を出力している。そして、時刻t0において画像aの映像信号の色空間規格がBT.709からxvYCCに切り換わり、時刻t1において画像aの映像信号の色空間規格がxvYCCからBT.709に切り換わっている。この具体例3において、ホストCPU60は、合成する画像の色空間規格と関係なく、HDMI Tx55にセットする色域識別フラグを常にBT.709に固定する。具体例3では、色空間情報が常にBT.709に固定されるため、面積の広い画像cの色変化がないだけでなく、子画面の画像a,bへの影響も少なく、合成画面全体の色変化を小さくすることができる。
【0052】
図10に示す具体例4では、時刻t0の前において、BT.709の画像a、BT.709の画像b、BT.709の画像cの3つの画像が合成された合成画面の映像信号を出力している。そして、時刻t0において画像aの映像信号の色空間規格がBT.709からxvYCCに切り換わり、時刻t1において画像aの映像信号の色空間規格がxvYCCからBT.709に切り換わっている。この具体例4において、ホストCPU60は、合成する画像の色空間規格と関係なく、HDMI Tx55にセットする色域識別フラグを常にBT.709に固定する。具体例4では、色空間情報が常にBT.709に固定されるため、面積の広い画像cの色変化がないだけでなく、子画面の画像a,bへの影響も少なく、合成画面全体の色変化を小さくすることができる。
【0053】
このように合成する画面の色空間規格と関係なく、1つの色空間規格の色域識別フラグをHDMI Tx55にセットすることにより、画面合成を行う際、色が表示上変化するのを防ぐことができる。
【0054】
また、合成画面を出力する際の色空間規格は、ユーザが選択可能とすることが好ましい。例えば、「広色域設定」=[自動/オフ]の切り換えをユーザが設定できるようにする。自動設定の場合には、ソースである記録再生装置1から出力される映像信号が広色域であって、シンクである受像機2が広色域対応可能な装置である場合にのみ、xvYCC709の色空間情報を出力し、オフ設定の場合は、BT.709を固定して出力する。
【0055】
また、例えば、「広色域設定」=[オン/オフ]の切り換えをユーザが設定できるようにする。オン設定の場合は、受像機2が広色域対応可能な装置である場合に、xvYCC709固定で色空間情報を伝送し、オフ設定の場合は、BT.709に固定して出力する。
【0056】
なお、シンクである受像機2が広色域対応可能な装置であるか否かは、受像機2のEDID ROM24に書かれているディスプレイ情報を取得することにより検知することができる。
【0057】
図11〜図15は、画面合成を行う場合の画面イメージ、出力映像信号、及び色空間情報の具体例5〜具体例9を示す模式図である。これらの具体例では、時刻t0において、画像a、画像b、画像cの3つの画像が合成された画面の映像信号が出力される。また、時刻t1において画像aの映像信号の色空間規格が変化する。これらの場合において、ホストCPU60は、色空間情報を前時刻のものに固定して出力する。
【0058】
図11に示す具体例5では、時刻t0の前において、xvYCCの画面の映像信号を出力している。そして、時刻t0においてxvYCCの画像a、BT.709の画像b、xvYCCの画像cの3つの画像が合成された合成画面の映像信号を出力し、時刻t1において画像aの映像信号の色空間規格がxvYCCからBT.709に切り換わっている。この具体例5において、ホストCPU60は、HDMI Tx55にセットする色域識別フラグを合成画面の映像信号よりも前に出力された映像信号のxvYCC709に固定して出力する。この具体例5において、例えば、〜t0の画像と画像cとのタイトルが同じであって、映像信号の色空間規格も同じ場合、時刻t0からの合成画面を違和感なく表示させることができる。
【0059】
図12に示す具体例6では、時刻t0の前において、BT.709の画面の映像信号を出力している。そして、時刻t0においてxvYCCの画像a、BT.709の画像b、xvYCCの画像cの3つの画像が合成された合成画面の映像信号を出力し、時刻t1において画像aの映像信号の色空間規格がxvYCCからBT.709に切り換わっている。この具体例6において、ホストCPU60は、HDMI Tx55にセットする色域識別フラグを合成画面の映像信号よりも前に出力された映像信号のBT.709に固定して出力する。この具体例6において、例えば、〜t0の画像と画像bとのタイトルが同じであって、映像信号の色空間規格も同じ場合、時刻t0からの合成画面を違和感なく表示させることができる。
【0060】
図13に示す具体例7では、時刻t0の前において、xvYCCの画面の映像信号を出力している。そして、時刻t0においてxvYCCの画像a、BT.709の画像b、BT.709の画像cの3つの画像が合成された合成画面の映像信号を出力し、時刻t1において画像aの映像信号の色空間規格がxvYCCからBT.709に切り換わっている。この具体例7において、ホストCPU60は、HDMI Tx55にセットする色域識別フラグを合成画面の映像信号よりも前に出力された映像信号のxvYCC709に固定して出力する。この具体例7において、例えば、〜t0の画像と画像aとのタイトルが同じであって、映像信号の色空間規格も同じ場合、時刻t0からの合成画面を違和感なく表示させることができる。
【0061】
図14に示す具体例8では、時刻t0の前において、BT.709の画面の映像信号を出力している。そして、時刻t0においてxvYCCの画像a、BT.709の画像b、BT.709の画像cの3つの画像が合成された合成画面の映像信号を出力し、時刻t1において画像aの映像信号の色空間規格がxvYCCからBT.709に切り換わっている。この具体例8において、ホストCPU60は、HDMI Tx55にセットする色域識別フラグを合成画面の映像信号よりも前に出力された映像信号のBT.709に固定して出力する。この具体例8において、例えば、〜t0の画像と画像cとのタイトルが同じであって、映像信号の色空間規格も同じ場合、時刻t0からの合成画面を違和感なく表示させることができる。
【0062】
図15に示す具体例9では、時刻t0の前において、xvYCCの画面の映像信号を出力している。そして、時刻t0においてxvYCCの画像a、BT.709の画像bの2つの画像が合成された合成画面の映像信号を出力し、時刻t1において画像aの画面における面積が変更されている。この具体例9において、ホストCPU60は、HDMI Tx55にセットする色域識別フラグを合成画面の映像信号よりも前に出力された映像信号のxvYCC709に固定して出力する。この具体例9において、例えば、〜t0の画像と画像aとのタイトルが同じであって、映像信号の色空間規格も同じ場合、時刻t0からの合成画面を違和感なく表示させることができる。
【0063】
このように、画面合成を行う直前の色空間情報の状態を、画面合成モードに遷移した後も保持することにより、画面合成を行う際、色が表示上変化するのを防ぐことができる。
【0064】
図16及び図17は、画面合成を行う場合の画面イメージ、出力映像信号、及び色空間情報の具体例10及び具体例11を示す模式図である。これらの具体例では、時刻t0において、画像a、画像b、画像cの3つの画像が合成された画面の映像信号が出力される。また、時刻t1において画像aの映像信号の色空間規格が変化する。これらの場合において、ホストCPU60は、色空間情報を面積やサイズ(画角)が最も大きい画像の色空間規格に合わせる。合成画面における各画像の大きさは、ビデオ・グラフィック・プロセッサ54のスケーラ545からの情報を取得することにより、検知することができる。
【0065】
図16に示す具体例10では、時刻t0の前において、BT.709の画面の映像信号を出力している。そして、時刻t0においてxvYCCの画像a、BT.709の画像b、xvYCCの画像cの3つの画像が合成された合成画面の映像信号を出力し、時刻t1において画像aの映像信号の色空間規格がxvYCCからBT.709に切り換わっている。この具体例10において、ホストCPU60は、HDMI Tx55にセットする色域識別フラグを、合成画面を構成する画像の中で最も面積が大きい映像信号のxvYCC709にして出力する。具体的には、ホストCPU60は、時刻t0において、ビデオ・グラフィック・プロセッサ54のスケーラ545で所望の大きさにスケーリングされたxvYCCの画像a及び画像cの方がBT.709の画像bよりも大きいと判断し、xvYCC709をHDMI Tx55にセットする。また、時刻t1において、ビデオ・グラフィック・プロセッサ54のスケーラ545で所望の大きさにスケーリングされたxvYCCの画像cの方がBT.709の画像a及び画像bよりも大きいと判断し、xvYCC709をHDMI Tx55にセットする。
【0066】
図17に示す具体例11では、時刻t0の前において、xvYCCの画面の映像信号を出力している。そして、時刻t0においてxvYCCの画像a、BT.709の画像b、BT.709の画像cの3つの画像が合成された合成画面の映像信号を出力し、時刻t1において画像aの映像信号の色空間規格がxvYCCからBT.709に切り換わっている。この具体例11において、ホストCPU60は、HDMI Tx55にセットする色域識別フラグを、合成画面を構成する画像の中で最も面積が大きい映像信号のBT.709にして出力する。具体的には、ホストCPU60は、時刻t0において、ビデオ・グラフィック・プロセッサ54のスケーラ545で所望の大きさにスケーリングされたBT.709の画像b及び画像cの方がxvYCCの画像aよりも大きいと判断し、BT.709をHDMI Tx55にセットする。また、時刻t1において、すべてBT.709の画像となるため、BT.709をHDMI Tx55にセットする。
【0067】
このように合成画面のサイズや表示面積が一番大きい映像の色空間情報に従うことにより、画面合成を行う際、色が表示上変化する箇所が少なくなるため、表示上の見苦しさを防ぐことができる。
【0068】
図18及図19は、画面合成を行う場合の画面イメージ、出力映像信号、及び色空間情報の具体例12及び具体例13を示す模式図である。これらの具体例では、時刻t0において、サイズが同じ画像a、画像bの2つの画像が合成された画面の映像信号が出力される。また、時刻t1において画像aの映像信号の色空間規格が変化する。これらの場合において、ホストCPU60は、サイズが同じ場合は、色空間情報を前時刻のものにして出力する。
【0069】
図18に示す具体例12では、時刻t0の前において、xvYCCの画面の映像信号を出力している。そして、時刻t0においてxvYCCの画像a、BT.709の画像bの2つの画像が合成された合成画面の映像信号を出力し、時刻t1において画像aの映像信号の色空間規格がxvYCCからBT.709に切り換わっている。ホストCPU60は、時刻t0において、ビデオ・グラフィック・プロセッサ54のスケーラ545で所望の大きさにスケーリングされたxvYCCの画像aとBT.709の画像bとの大きさが等しいと判断し、時刻t0よりも前時刻の色空間情報のxvYCC709をHDMI Tx55にセットする。また、時刻t1において、すべてBT.709の画像となるため、BT.709の識別フラグをHDMI Tx55にセットする。
【0070】
図19に示す具体例13では、時刻t0の前において、xvYCCの画像a、BT.709の画像bの2つの画像が合成された映像信号を出力している。そして、時刻t0においてxvYCCの画像a、BT.709の画像bの2つの画像の大きさが等しくなり、時刻t1において画像aの映像信号の色空間規格がxvYCCからBT.709に切り換わっている。ホストCPU60は、時刻t0において、ビデオ・グラフィック・プロセッサ54のスケーラ545で所望の大きさにスケーリングされたxvYCCの画像aとBT.709の画像bとの大きさが等しいと判断し、時刻t0よりも前時刻の色空間情報のxvYCC709をHDMI Tx55にセットする。また、時刻t1において、すべてBT.709の画像となるため、BT.709の識別フラグをHDMI Tx55にセットする。
【0071】
このように合成画面のサイズや表示面積が等しい場合、直前の色空間情報を保持することにより、画面合成を行う際、色が表示上変化する頻度が少なくなるため、表示上の見苦しさを防ぐことができる。
【0072】
図20及図21は、画面合成を行う場合の画面イメージ、出力映像信号、及び色空間情報の具体例14及び具体例15を示す模式図である。これらの具体例では、時刻t0、t1において、合成された画像a、画像bの大きさが逆転している。これらの場合において、ホストCPU60は、時刻t0から時刻t1までの期間に応じて色空間情報を切り換えるか否かを判断する。具体的には、ホストCPU60は、プログラムによって合成される画像サイズの切り換え制御を行う場合など、時刻t0から時刻t1までの切り換え期間を予め検出できる場合は、検出された期間と閾値とを比較し、色空間情報を切り換えるか否かを判断する。
【0073】
切り換え期間の検出方法として、ハードディスクドライブ44等にデータベースとして保持され、タイトルを構成する画像データの色空間属性がメタ情報として記録された情報を用いることができる。具体的には、現在の再生時刻の情報と、タイトルのメタ情報とから次回の色空間規格の切り換わりの発生までの所要時間、すなわち時刻t0から時刻t1までの期間を導出することができる。また、タイトルのメタ情報から、映像信号の色空間属性が頻繁に切り換わる区間を予め検出しておき、頻繁に切り換わる区間は色空間属性の切り換えを行わないようにしてもよい。
【0074】
図20に示す具体例14では、時刻t0の前において、xvYCCの画像a、BT.709の画像bの2つの画像が合成された映像信号を出力している。そして、時刻t0においてxvYCCの画像aがBT.709の画像bよりも小さくなり、時刻t1においてxvYCCの画像aがBT.709の画像bよりも大きくなっている。ここでは、ホストCPU60は、検出された期間と閾値とを比較し、検出された期間が閾値よりも大きいと判断している。そして、時刻t0において、ビデオ・グラフィック・プロセッサ54のスケーラ545で所望の大きさにスケーリングされたxvYCCの画像aとBT.709の画像bとの大きさ比較し、サイズ(面積)が大きい画像bの色空間情報BT.709をHDMI Tx55にセットする。また、時刻t1において、ビデオ・グラフィック・プロセッサ54のスケーラ545で所望の大きさにスケーリングされたxvYCCの画像aとBT.709の画像bとの大きさ比較し、サイズ(面積)が大きい画像bの色空間情報xvYCC709をHDMI Tx55にセットする。
【0075】
図21に示す具体例15では、時刻t0の前においてxvYCCの画像a、BT.709の画像bの2つの画像が合成された映像信号を出力している。そして、時刻t0においてxvYCCの画像aがBT.709の画像bよりも小さくなり、時刻t1においてxvYCCの画像aがBT.709の画像bよりも大きくなっている。ここでは、ホストCPU60は、検出された期間と閾値とを比較し、検出された期間が閾値よりも小さいと判断している。そして、時刻t0において、時刻t0より前の色空間情報の状態を保持し、xvYCC709をHDMI Tx55にセットする。また、時刻t1において、ビデオ・グラフィック・プロセッサ54のスケーラ545で所望の大きさにスケーリングされたxvYCCの画像aとBT.709の画像bとの大きさ比較し、サイズ(面積)が大きい画像aの色空間情報xvYCC709をHDMI Tx55にセットする。
【0076】
このように合成画面のサイズや表示面積が短期間に変化する場合、直前の色空間情報を保持することにより、色が表示上変化する頻度が少なくなるため、表示上の見苦しさを防ぐことができる。
【0077】
また、予め時刻t0から時刻t1までの期間を検出しなくても、色空間の切り換わりが発生してからの時間をカウントし、次の色空間の切り換わりの際に、カウントした所定期間が閾値よりも大きいか否かで色空間情報を切り換えるか否かを制御してもよい。
【0078】
図22は、画面合成を行う場合の画面イメージ、出力映像信号、及び色空間情報の具体例16を示す模式図である。この具体例では、時刻t0において、画像a、画像b、画像cの3つの画像が合成された合成画面の映像信号を出力し、時刻t1において画像aの映像信号の色空間規格がxvYCCからBT.709に切り換わっている。また、時刻t0において画像aの音声信号が出力され、時刻t1において画像bの音声信号が出力されている。この場合において、ホストCPU60は、音声信号が出力されている画像の色空間情報を出力する。具体的には、ホストCPU60は、ビデオ・グラフィック・プロセッサ54にて合成される複数の映像信号のうち主画像の映像信号を選択し、その映像信号の音声信号をHDMI Tx55にセットする。また、主画像は、ユーザが選択可能とすることが好ましい。
【0079】
このように音声が出力される画面を主画面とし、主画面の映像の色空間情報に従うことにより、ユーザが注視する画像の色をより鮮やかに再現することができる。
【0080】
次に、図23〜図25を参照して記録再生装置1の他の構成例について説明する。図23は、合成処理部の他の構成を示すブロック図である。なお、図5に示す合成処理部542と同じ構成には、同じ符号を付し、ここでは説明を省略する。この合成処理部70では、図5に示す合成処理部542の機能にさらにsRGBの色域を擬似的にxvYCCの色域にエキスパンド(色域伸長処理)することが可能となっている。また、複数画像のブレンド比率も変更することが可能となっている。
【0081】
この合成処理部70は、スケーラ545と、色域伸長処理するカラーエキスパンダ71と、ブレンダ546と、ビデオエンコーダ547とを備えている。
【0082】
図24は、ブレンダ546の構成例を示すブロック図である。このブレンダ546は、3つのブレンダ546a、546b、546cから構成され、各々、同じ機能を有している。この構成例では、4つの入力映像信号の任意のブレンド合成が可能である。
【0083】
また、図25は、ブレンダ546a、546b、546cの各構成を示すブロック図である。各ブレンダ546a、546b、546cは、2系統の入力信号IN1,IN2をブレンド比率αで合成を行う。すなわち、2つの画像を係数(α値)により合成する。セレクタ81は、ブレンド比率αを選択する。セレクタ81には、入力信号IN1、入力信号IN2とともに、画素毎にα1、α2が入力される。また、ホストCPU60から画面単位のブレンド比率αHostとともに、α値を選択する制御信号αSelectが入力され、該αSelectにより、所望のα値が選択される。2系統の入力信号IN1,IN2は、差分器82で差分が計算され、セレクタ83で選択されたブレンド比率αが乗算器83にて乗算される。ブレンド比率αが乗算された差分は、加算器84にて入力信号IN1と加算され、出力される。すなわち、出力信号OUTは、次式で計算することができる。
【0084】
【数1】

【0085】
図23に戻って、スケーラ545で所望のサイズへのスケーリングされた画像データは、カラーエキスパンダ71に送られる。カラーエキスパンダ71では、後述するように、例えばsRGBの色域を擬似的にxvYCCの色域にエキスパンド(色域伸長処理)することができる。カラーエキスパンダ71から出力された画像データは、ブレンダ546に入力され、複数の画像がブレンド比率αで合成される。ビデオエンコーダ547は、所望の出力仕様になるようにタイミング生成、同期信号の付加などを行う。
【0086】
次に、カラーエキスパンダ71にて、擬似的にxvYCCの色域にエキスパンドする方法について説明する。BT.601やBT.709ではクロマ(Cr,Cb)信号のレベルは、16−240の値で規定されている。xvYCCでは、更に色域を拡張するために、1−254の値の信号レベルを扱うことができる。これを擬似xvYCC信号に変換する場合、36−220までの信号はそのまま通過させ、16−36の信号と221−240までの信号はそれぞれ線形処理にてレベル変換(レベル伸張)を行い、16−36の信号を1−36の信号に、221−240の信号を221−254の信号に変換する。この結果、源信号の比較的飽和度の高い色信号が更に伸張され、擬似xvYCC信号が生成される。Cbについても同様に伸張を行うことができる。なお、RGB信号にて同様の色域伸張を行っても構わない。また、レベルの閾値を変えても構わないし、レベル変換を非線形処理することでも同様の効果を得ることができる。
【0087】
また、xvYCCの色域にエキスパンドする他の方法を、以下に説明する。IDW(International Display Workshops)2006学会における「Recent Trend of Wide Gamut Standards for Color Imaging」(T.Matsumotoらによる)の文献中でも記載されているように、R’,G’,B’からY’709,Cb’709,Cr’709への変換式は、式(1)で表される。また、式(1)より、式(2)が得られる。
【0088】
【数2】

【0089】
BT.709の色域では、式(3)の条件を満たす必要がある。例えば、Cb=Crという条件を更に付加した場合(Cb=Cr=Cと置く)、式(2)、式(3)より、式(4)の条件式が得られる。
【0090】
【数3】

【0091】
図26は、上記条件におけるBT.709の色域をY−Cb,Cb空間上に示す模式図である。この菱形のBT.709の色域領域の境界付近の信号を、境界の外の領域までエキスパンド(色域伸長処理)する。なお、上記条件に限らず、BT.709の色域の境界付近の信号に対してエキスパンド(色域伸長処理)してもよい。
【0092】
このようにBT.709等の色域をxvYCC等の広色域に変換することにより、HDMIで伝送する色空間情報を、常にxvYCC709固定で出力することができる。また、色空間情報が切り換わらないので、色が表示上変化するのを防ぐことができる。
【0093】
また、上術とは逆に、広色域の信号が入力された場合でも、BT.709、sRGBの狭い色空間情報に圧縮し、常にBT.709等の色空間情報に固定で出力してもよい。
【0094】
図27は、色空間情報を圧縮する場合の合成処理部の構成例を示すブロック図である。なお、図5に示す合成処理部542と同じ構成には、同じ符号を付し、ここでは説明を省略する。この合成処理部90では、図5に示す合成処理部542の機能にさらにxvYCCの色域をBT.709の色域に圧縮処理することが可能となっている。また、複数画像のブレンド比率も変更することが可能となっている。
【0095】
カラーコンプレッサ91は、BT.709の色域の信号を、そのまま出力し、xvYCCの色域の信号を、BT.709に圧縮して出力する。
【0096】
これにより、色空間情報が常にBT.709固定で出力され、色空間情報が切り換わらないので、色が表示上変化するのを防ぐことができる。
【0097】
図28及図29は、画面合成を行う場合の画面イメージ、出力映像信号、及び色空間情報の具体例17及び具体例18を示す模式図である。これらの具体例では、ブレンド比率αによってGUI表画像が裏画像と合成されている。そして、時刻t0、t1において、裏画像の色空間規格が切り換えられている。これらの場合において、ホストCPU60はブレンダ546a、546b、546cからブレンド比率αを取得し、ブレンド比率αに応じて色空間情報を切り換えるか否かを判断する。具体的には、ブレンドする表画面(GUI)のα値が50%以上の場合、表画面(GUI)の色空間情報を出力する。
【0098】
図28に示す具体例17では、xvYCCのGUI表画像が裏画像にα値が50%以上でブレンディングされている。そして、時刻t0において、BT.709の裏画像がxvYCCの裏画像に切り換わり、時刻t1において、xvYCCの裏画像がBT.709の裏画像に切り換わる。ホストCPU60は、ブレンド比率αが50%以上であることを検知し、表画像の色空間情報xvYCC709をHDMI Tx55にセットする。
【0099】
図29に示す具体例18では、BT.709のGUI表画像が裏画像にα値が50%以上でブレンディングされている。そして、時刻t0において、BT.709の裏画像がxvYCCの裏画像に切り換わり、時刻t1において、xvYCCの裏画像がBT.709の裏画像に切り換わる。ホストCPU60は、ブレンド比率αが50%以上であることを検知し、表画像の色空間情報BT.709をHDMI Tx55にセットする。
【0100】
このようにブレンド比率αが50%以上の場合、表画像の色空間情報を伝送することにより、表画像の色が表示上変化する頻度が少なくなるため、表示上の見苦しさを防ぐことができる。
【0101】
図30〜図32は、画面合成を行う場合の画面イメージ、出力映像信号、及び色空間情報の具体例19〜具体例21を示す模式図である。これらの具体例では、時刻t1において、GUI表画像が裏画像と合成されている。これらの場合において、ホストCPU60は、画面合成を行う直前の色空間情報の状態を保持する。
【0102】
図30に示す具体例19では、時刻t0よりも前の時刻において、xvYCCの色空間規格の映像信号が出力されている。時刻t0において、xvYCCのGUI表画像がxvYCCの裏画像にブレンディングされる。そして、時刻t1において、xvYCCの裏画像がBT.709の裏画像に切り換わる。この場合、ホストCPU60は、時刻t0において、直前の画像の色空間情報を保持し、xvYCC709をHDMI Tx55にセットする。また、時刻t1において、直前の色空間情報を保持し、xvYCC709をHDMI Tx55にセットする。
【0103】
図31に示す具体例20では、時刻t0よりも前の時刻において、BT.709の色空間規格の映像信号が出力されている。時刻t0において、xvYCCのGUI表画像がxvYCCの裏画像にブレンディングされる。そして、時刻t1において、xvYCCの裏画像がBT.709の裏画像に切り換わる。この場合、ホストCPU60は、時刻t0において、直前の画像の色空間情報を保持し、BT.709をHDMI Tx55にセットする。また、時刻t1において、直前の色空間情報を保持し、BT.709をHDMI Tx55にセットする。
【0104】
図32に示す具体例21では、時刻t0よりも前の時刻において、BT.709の色空間規格の映像信号が出力されている。時刻t0において、xvYCCのGUI表画像がBT.709の裏画像にブレンディングされる。そして、時刻t1において、xvYCCの画像の映像信号に切り換わる。この場合、ホストCPU60は、時刻t0において、直前の画像の色空間情報を保持し、BT.709をHDMI Tx55にセットする。また、時刻t1においては、合成画像ではないので、画像の色空間であるxvYCC709をHDMI Tx55にセットする。
【0105】
このようにブレンディングにより画面合成を行う場合、画面合成を行う直前の色空間情報の状態を保持することにより、色が表示上変化するのを防ぐことができる。
【0106】
以上、詳細に説明したように、画面を合成する際に、HDMIで伝送する色空間情報を固定することにより、該色空間情報に従って色域伸長処理を切り換える受像機側でグラフィックスや合成画像の色が表示上変化する問題を回避できる。
【0107】
また、画面を合成する前の色空間情報を保持し、画面合成後も該色空間情報を伝送することにより、該色空間情報に従って色域伸長処理を切り換える受像機側でグラフィックスや合成画像の色が表示上変化する問題を回避できる。
【0108】
また、合成画面のサイズや面積に従ってHDMIで伝送する色空間情報を決定することにより、該色空間情報に従って色域伸長処理を切り換える受像機側でグラフィックスや合成画像の色が表示上変化した際にも、視覚的にその変化を目立ちにくくすることができる。
【0109】
また、合成画面のサイズや面積に従ってHDMIで伝送する色空間情報を決定する際、サイズや面積が同じ場合、前の色空間情報を保持して伝送することにより、該色空間情報に従って色域伸長処理を切り換える受像機側でグラフィックスや合成画像の色が表示上変化した際にも、視覚的にその変化を目立ちにくくすることができる。
【0110】
また、アルファ・ブレンドによって全画面の画面合成を行う際、画面内のアルファ値の最小値が50%以上の表画面(GUI)の色空間情報を伝送することにより、該色空間情報に従って色域伸長処理を切り換える受像機側でグラフィックスや合成画像の色が表示上変化する問題を回避できる。
【0111】
また、合成画面のサイズや面積に従ってHDMIで伝送する色空間情報を決定する際、切り換え間隔が所定の時間以下の場合、前の色空間情報を保持して伝送することにより、該色空間情報に従って色域伸長処理を切り換える受像機側でグラフィックスや合成画像の色が表示上変化した際にも、視覚的にその変化を目立ちにくくすることができる。
【0112】
また、画面を合成する際、通常色域の信号に対して色域伸長処理を施し擬似広色域信号を生成して合成し、HDMIで伝送する色空間情報を広色域に固定にすることにより、該色空間情報に従って色域伸長処理を切り換える受像機側でグラフィックスや合成画像の色が表示上変化する問題を回避できる。
【0113】
また、画面を合成する際、広色域の信号に対して色域圧縮処理を施し、通常色域信号を生成して合成し、HDMIで伝送する色空間情報を通常色域に固定にすることにより、該色空間情報に従って色域伸長処理を切り換える受像機側でグラフィックスや合成画像の色が表示上変化する問題を回避できる。
【0114】
なお、本発明は上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。例えば、上記実施の形態では、HDMIを用いた伝送例に挙げて説明したが、これに限られるものではない。色域識別フラグ、メタデータなどの属性データを伝送することはできないが、例えば、コンポーネント端子58、コンポジットビデオ端子(あるいは、S端子)59から、広色域のアナログコンポーネント信号、アナログコンポジットビデオ信号(あるいは、Y/Cセパレートビデオ信号)を出力し、ホストCPU60が、例えば、TCP/IP(Transmission Control Protocol / Internet Protocol)等により受像機2のホストCPU23と通信するようにすればよい。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1】本発明の一実施の形態に係る再生システムを示す図である。
【図2】xvYCCの色域を平面に投射した場合の模式図である。
【図3】ビデオ・グラフィック・プロセッサの構成を示すブロック図である。
【図4】記録再生装置の構成を具体的に示すブロック図である。
【図5】画像を合成する際のビデオ・グラフィック・プロセッサの機能ブロック図である。
【図6】1つの色空間規格からなる画像を出力する場合の映像信号の色空間規格と属性データの色空間情報との関係を示す模式図である。
【図7】画面合成を行う場合の画面イメージ、出力映像信号、及び色空間情報の具体例1を示す模式図である。
【図8】画面合成を行う場合の画面イメージ、出力映像信号、及び色空間情報の具体例2を示す模式図である。
【図9】画面合成を行う場合の画面イメージ、出力映像信号、及び色空間情報の具体例3を示す模式図である。
【図10】画面合成を行う場合の画面イメージ、出力映像信号、及び色空間情報の具体例4を示す模式図である。
【図11】画面合成を行う場合の画面イメージ、出力映像信号、及び色空間情報の具体例5を示す模式図である。
【図12】画面合成を行う場合の画面イメージ、出力映像信号、及び色空間情報の具体例6を示す模式図である。
【図13】画面合成を行う場合の画面イメージ、出力映像信号、及び色空間情報の具体例7を示す模式図である。
【図14】画面合成を行う場合の画面イメージ、出力映像信号、及び色空間情報の具体例8を示す模式図である。
【図15】画面合成を行う場合の画面イメージ、出力映像信号、及び色空間情報の具体例9を示す模式図である。
【図16】画面合成を行う場合の画面イメージ、出力映像信号、及び色空間情報の具体例10を示す模式図である。
【図17】画面合成を行う場合の画面イメージ、出力映像信号、及び色空間情報の具体例11を示す模式図である。
【図18】画面合成を行う場合の画面イメージ、出力映像信号、及び色空間情報の具体例12を示す模式図である。
【図19】画面合成を行う場合の画面イメージ、出力映像信号、及び色空間情報の具体例13を示す模式図である。
【図20】画面合成を行う場合の画面イメージ、出力映像信号、及び色空間情報の具体例14を示す模式図である。
【図21】画面合成を行う場合の画面イメージ、出力映像信号、及び色空間情報の具体例15を示す模式図である。
【図22】画面合成を行う場合の画面イメージ、出力映像信号、及び色空間情報の具体例16を示す模式図である。
【図23】合成処理部の他の構成を示すブロック図である。
【図24】ブレンダの構成例を示すブロック図である。
【図25】ブレンダの各構成を示すブロック図である。
【図26】ある条件におけるBT.709の色域をY−Cb,Cb空間上に示す模式図である。
【図27】色空間情報を圧縮する場合の合成処理部の構成例を示すブロック図である。
【図28】画面合成を行う場合の画面イメージ、出力映像信号、及び色空間情報の具体例17を示す模式図である。
【図29】画面合成を行う場合の画面イメージ、出力映像信号、及び色空間情報の具体例18を示す模式図である。
【図30】画面合成を行う場合の画面イメージ、出力映像信号、及び色空間情報の具体例19を示す模式図である。
【図31】画面合成を行う場合の画面イメージ、出力映像信号、及び色空間情報の具体例20を示す模式図である。
【図32】画面合成を行う場合の画面イメージ、出力映像信号、及び色空間情報の具体例21を示す模式図である。
【符号の説明】
【0116】
1 記録再生装置、 2 受像機、 3 HDMIケーブル、 11 MPEGデコーダ、 12 ビデオ・グラフィック・プロセッサ、 13 ホストCPU、 14 HDMI Tx、 15 HDMIコネクタ、 21 HDMIコネクタ、 22 HDMI Rx、 23 ホストCPU、 24 EDIDROM、 25 ビデオ・グラフィック・プロセッサ、 26 ディスプレイデバイス、 41 ライン入力端子、 42 アナログチューナ、 43 ディスクドライブ、 44 ハードディスクドライブ、 45 IEEE1394入力端子、 46 デジタルチューナ、 47 セレクタ、 48 ビデオデコーダ、 49 セレクタ、 50 MPRGエンコーダ、 51 HDVプロセッサ、 52 ストリームプロセッサ、 53 MPEGデコーダ、 54 ビデオ・グラフィック・プロセッサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の色空間規格の画像信号と当該第1の色空間規格で規定される色域よりも広い色域の第2の色空間規格の画像信号とを信号処理する画像処理装置であって、
複数の画像信号を合成し、合成画像信号を生成する画像処理手段と、
上記合成画像信号の色空間情報を上記第1の色空間規格又は第2の色空間規格のいずれかに決定する制御手段と、
所定のデジタル映像信号伝送規格にて上記合成画像信号と上記決定された色空間情報とを伝送する伝送手段とを備え、
上記制御手段は、上記画像処理手段にて合成される複数の画像信号の色空間規格、上記合成画像信号に切り換える前に伝送された色空間情報のうち少なくとも1つに応じて上記合成画像信号の色空間情報を決定することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
上記制御手段は、上記画像処理手段にて合成された複数の画像信号の色空間規格のうち、最も画面サイズが大きくなるように合成された画像信号の色空間規格に決定することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
上記制御手段は、上記画像処理手段にて合成された複数の画像信号の画面サイズが同じ場合、上記合成画像信号が伝送される前の色空間規格に決定することを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
【請求項4】
上記制御手段は、上記画像処理手段にて合成される2つの画像の合成比率に基づいて上記合成画像信号の色空間規格を決定することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項5】
上記制御手段は、色空間情報の切り換え間隔が所定時間以下の場合、上記合成画像信号に切り換える前に伝送された色空間情報の色空間規格に決定することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項6】
上記画像処理手段は、上記第1の色空間規格の画像信号に対して擬似的な第2の色空間規格となるように伸張処理し、
上記制御手段は、上記第2の色空間規格に決定することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項7】
上記制御手段は、上記画像処理手段にて合成される複数の画像信号の色空間規格が異なる場合、上記合成画像信号に切り換える前に伝送された色空間情報の色空間規格に決定することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項8】
上記画像処理手段にて合成された複数の画像信号のうち主画像の画像信号を選択する選択手段を備え、
上記制御手段は、上記主画像の画像信号の色空間規格に決定することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項9】
上記主画像は、音声が出力される画像であることを特徴とする請求項8記載の画像処理装置。
【請求項10】
上記画像処理手段は、上記第2の色空間規格の画像信号に対して擬似的な第1の色空間規格となるように圧縮処理し、
上記制御手段は、上記第1の色空間規格に決定することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項11】
第1の色空間規格の画像信号と当該第1の色空間規格で規定される色域よりも広い色域の第2の色空間規格の画像信号とを信号処理する画像処理方法であって、
複数の画像信号を合成し、合成画像信号を生成する画像処理工程と、
上記合成画像信号の色空間情報を上記第1の色空間規格又は第2の色空間規格のいずれかに決定する制御工程と、
所定のデジタル映像信号伝送規格にて上記合成画像信号と上記決定された色空間情報とを伝送する伝送工程とを備え、
上記制御工程では、上記画像処理手段にて合成される複数の画像信号の色空間規格、上記合成画像信号に切り換える前に伝送された色空間情報のうち少なくとも1つに応じて上記合成画像信号の色空間情報を決定することを特徴とする画像処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【公開番号】特開2009−38682(P2009−38682A)
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−202379(P2007−202379)
【出願日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】