説明

画像形成装置、処理方法、プログラム

【課題】 複合機の掲示板機能において、ユーザに通知すべき必要なメッセージをユーザが見落とすことを防止するための仕組みを提供することを目的とする
【解決手段】 認証に関する処理を実行する認証アプリケーションをインストール可能に構成され、当該画像処理装置に記憶されたメッセージを認証アプリケーションの画面上に表示する画像処理装置であって、当該メッセージを認証処理の実行後にも表示すると判断される場合には、当該メッセージを認証処理の実行後にも表示する画像処理装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メッセージを表示する画像処理装置と、画像処理装置における処理方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複合機を使用する際に、利用者に情報を通知する目的から、例えば管理者がオペレータ/ユーザに印刷装置の故障やメンテナンス告知等のメッセージを伝えるための掲示板機能が既に存在する。
【0003】
掲示板機能について、例えば特許文献1には、掲示板機能に表示されるメッセージを設定する仕組みが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−067452号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、複合機では、ICカードを用いた認証技術が広く普及しており、そのような認証システムは、ICカードから読み取った製造番号等のカード情報を、例えば予め登録された認証用サーバに問い合わせて、認証用サーバに当該カード情報が登録されている場合には複合機を利用可能とする仕組みである。
【0006】
また、このような認証システムには、掲示板機能が設定されているケースも存在する。
【0007】
掲示板機能は、複合機のメッセージ表示画面を用いて利用者に情報を通知することができる機能である。
【0008】
しかし、ユーザが認証システムの操作を習熟することで認証システムを素早く利用するようになると、掲示板機能により提供されているメッセージを確認せずに、認証システムを利用してしまう。
【0009】
これにより、ユーザに通知すべき必要なメッセージを表示させている掲示板機能の役割を果たさない結果を生じてしまう。
【0010】
そこで、本発明は、ユーザに通知すべき必要なメッセージについて、ユーザが見落とすことを防止するための仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、認証に関する処理を実行する認証アプリケーションをインストール可能に構成された画像処理装置であって、当該画像処理装置で表示するメッセージを記憶するメッセージ記憶手段と、前記メッセージ記憶手段に記憶されたメッセージを前記認証アプリケーションの画面に表示するメッセージ表示手段と、前記メッセージ記憶手段に記憶されたメッセージを認証処理の実行後にも表示するか否かを判断する再通知判断手段と、前記再通知判断手段により認証処理の実行後にも表示すると判断された場合、当該メッセージを認証処理の実行後にも表示するメッセージ再表示手段と、を備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、認証に関する処理を実行する認証アプリケーションをインストール可能に構成され、当該画像処理装置で表示するメッセージを記憶する画像処理装置における処理方法であって、前記画像処理装置のメッセージ表示手段が、前記記憶されたメッセージを前記認証アプリケーションの画面に表示するメッセージ表示工程と、前記画像処理装置の再通知判断手段が、前記記憶されたメッセージを認証処理の実行後にも表示するか否かを判断する再通知判断工程と、前記画像処理装置のメッセージ再表示手段が、前記再通知判断工程により認証処理の実行後にも表示すると判断された場合、当該メッセージを認証処理の実行後にも表示するメッセージ再表示工程と、を備えることを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、認証に関する処理を実行する認証アプリケーションをインストール可能に構成された画像処理装置において実行可能なプログラムであって、前記画像処理装置を、当該画像処理装置で表示するメッセージを記憶するメッセージ記憶手段と、前記メッセージ記憶手段に記憶されたメッセージを前記認証アプリケーションの画面に表示するメッセージ表示手段と、前記メッセージ記憶手段に記憶されたメッセージを認証処理の実行後にも表示するか否かを判断する再通知判断手段と、前記再通知判断手段により認証処理の実行後にも表示すると判断された場合、当該メッセージを認証処理の実行後にも表示するメッセージ再表示手段として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ユーザに通知すべき必要なメッセージについて、ユーザが見落とすことを防止するための仕組みを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明のシステムの構成の一例を示すシステム構成図である。
【図2】図1に示したクライアントPC100、メッセージ送信クライアント200、認証サーバ500に適用可能な情報処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示した複合機300のコントローラユニットのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図4】図1に示した複合機300上で動作するアプリケーション構成の一例を示すブロック図である。また、認証システムは認証アプリケーション2008として示している。
【図5】本発明におけるメッセージ送信クライアント200とメッセージ受信モジュール2007におけるアラートフラグを用いた掲示板メッセージ再通知の情報制御の一例を示すフローチャートである。
【図6】本発明における認証アプリケーション2008における複合機300の起動後にアラートフラグが存在する場合の制御手順の一例を示すフローチャートである。
【図7】本発明におけるメッセージ送信クライアント200とメッセージ受信モジュール2007におけるアラート時刻を用いた掲示板メッセージ再通知の情報制御の一例を示すフローチャートである。
【図8】本発明における認証アプリケーション2008における複合機300の起動後にアラート時刻が存在する場合の制御手順の一例を示すフローチャートである。
【図9】本発明におけるメッセージ送信クライアント200とメッセージ受信モジュール2007におけるカード検知までの閾値を用いた掲示板メッセージ再通知の情報制御の一例を示すフローチャートである。
【図10】本発明における認証アプリケーション2008における複合機300の起動後にカード検知までの閾値が存在する場合の制御手順の一例を示すフローチャートである。
【図11】図1に示した複合機300上で動作する認証アプリケーション2008が参照するデータイメージの一例を示すデータ構成図である。
【図12】本発明における認証アプリケーション2008において、掲示板メッセージが表示されている認証画面の一例を示す図である
【図13】本発明における認証アプリケーション2008において、掲示板メッセージが表示されていない認証画面の一例を示す図である。
【図14】本発明における認証アプリケーション2008において、掲示板メッセージの再通知が実施された場合の画面の一例を示す図である。
【図15】本発明における認証アプリケーション2008において、掲示板メッセージの再通知が実施されなかった場合の画面の一例を示す図である。
【図16】本発明におけるメッセージ送信クライアント200による設定画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明に係るクライアントPC100、メッセージ送信クライアント200、複合機300、認証サーバ500により構成される掲示板機能および認証システムの構成の一例を示す図である。
【0018】
図1は、1つ又は複数の複合機300、クライアントPC100、メッセージ送信クライアント200および1つ又は複数の認証サーバ500が、ローカルエリアネットワーク(LAN)400を介して接続される構成となっている。
【0019】
ここで、複合機300は、1つ又は複数台で構成されていても良い。その場合に複合機300は、例えば階毎に設置され、クライアントPC100は、例えば管理者に1台設置され、メッセージ送信クライアント200、認証サーバは例えば拠点ごとに設置される。
【0020】
以下、本発明の情報処理システムを構成する各装置について説明する。
【0021】
クライアントPC100は、複合機300の設定を行う情報処理装置であり、ネットワークを介してHTTP(Hyper Text Transfer Protocol)で複合機300と通信することができる。
【0022】
また、クライアントPC100は、例えばマイクロソフト社のInternetExplorer(登録商標)などのWebブラウザ機能を搭載した情報処理装置である。
【0023】
メッセージ送信クライアント200は、複合機300で動作するアプリケーションに対してメッセージの送信を行う情報処理装置である。
【0024】
認証サーバ500は、ユーザ情報(複合機を利用するユーザを識別する情報)を保持している情報処理装置である。複合機300により送信されたユーザ情報にしたがってユーザを検索し、ユーザ情報を複合機300に返信する。
【0025】
以下、図2を用いて、図1に示したクライアントPC100、メッセージ送信クライアント200、認証サーバ500に適用可能な情報処理装置のハードウエア構成の一例について説明する。
【0026】
図2において、201はCPUで、システムバス204に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。また、ROM203あるいは外部メモリ211には、CPU201の制御プログラムであるBIOS(Basic Input / Output System)やオペレーティングシステムプログラム(以下、OS)や、各サーバ或いは各PCの実行する機能を実現するために必要な各種プログラム等が記憶されている。
【0027】
202はRAMで、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をROM203あるいは外部メモリ211からRAM202にロードして、該ロードしたプログラムを実行することで各種動作を実現するものである。
【0028】
また、205は入力コントローラで、入力装置209等からの入力を制御する。206はビデオコントローラで、液晶ディスプレイ等のディスプレイ装置210への表示を制御する。なお、ディスプレイ装置は、液晶ディスプレイに限られず、CRTディスプレイなどであっても良い。これらは必要に応じてクライアントが使用するものである。
【0029】
207はメモリコントローラで、ブートプログラム,各種のアプリケーション,フォントデータ,ユーザファイル,編集ファイル,各種データ等を記憶するハードディスク(HD)や、フレキシブルディスク(FD)、或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリ等の外部メモリ211へのアクセスを制御する。
【0030】
ハードディスクには、ブートプログラム、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、各種データ等が記憶される。
【0031】
認証システムと連携して動作する認証サーバ500は、不図示のICカード認証用テーブル(カード番号、ユーザ名、パスワードなどを保持した情報)を記憶し、複合機300からのICカードによる認証依頼、またはユーザ名とパスワードによる認証依頼に応じて、ICカード認証用テーブルを用いて認証処理をおこなう。
【0032】
208は通信I/Fコントローラで、ネットワーク(例えば、図1に示したLAN400)を介して外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いた通信等が可能である。
【0033】
なお、CPU201は、例えばRAM202内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、ディスプレイ装置210上での表示を可能としている。また、CPU201は、ディスプレイ装置210上の不図示のマウスカーソル等でのユーザ指示を可能とする。
【0034】
ハードウエア上で動作する各種プログラムは、外部メモリ211に記録されており、必要に応じてRAM202にロードされることによりCPU201によって実行されるものである。
【0035】
なお、全ての装置がこれらの構成を備えているわけではなく、必要なものを夫々備えていればよい。
【0036】
次に、図3を用いて、本発明の複合機300を制御するコントローラユニットのハードウエア構成について説明する。
【0037】
図3は、複合機300のコントローラユニット316のハードウエア構成例を示すブロック図である。
【0038】
図3において、コントローラユニット316は、画像入力デバイスとして機能するスキャナ314や、画像出力デバイスとして機能するプリンタ312と接続されるとともに、図1に示したLAN400のようなローカルエリアネットワークや、例えばPSTNまたはISDN等の公衆回線(WAN)と接続することで、画像データやデバイス情報の入出力を行なう。
【0039】
図3に示すように、コントローラユニット316は、CPU301、RAM302、ROM303、外部記憶装置(ハードディスクドライブ(HDD))304、ネットワークインタフェース(Network I/F)305、モデム(Modem)306、操作部インタフェース(操作部I/F)307、外部インタフェース(外部I/F)318、イメージバスインタフェース(IMAGE BUS I/F)320、ラスタイメージプロセッサ(RIP)310、プリンタインタフェース(プリンタI/F)311、スキャナインタフェース(スキャナI/F)313、画像処理部317等で構成される。
【0040】
CPU301は、システム全体を制御するプロセッサである。
【0041】
RAM302は、CPU301が動作するためのシステムワークメモリであり、プログラムを記録するためのプログラムメモリや、画像データを一時記憶するための画像メモリである。
【0042】
ROM303は、システムのブートプログラムや各種制御プログラムが格納されている。
【0043】
外部記憶装置(ハードディスクドライブHDD)304は、システムを制御するための各種プログラム、画像データ等を格納する。
【0044】
操作部インタフェース(操作部I/F)307は、操作部(UI)308とのインタフェース部であり、操作部308に表示する画像データを操作部308に対して出力する。
【0045】
また、操作部I/F307は、操作部308から本システム使用者が入力した情報(例えば、ユーザ情報等)をCPU301に伝える役割をする。なお、操作部308はタッチパネルを有する表示部を備え、該表示部に表示されたボタンを、ユーザが押下(指等でタッチ)することにより、各種指示を行うことができる。
【0046】
ネットワークインタフェース(Network I/F)305は、ネットワーク(LAN)に接続し、データの入出力を行なう。
【0047】
モデム(MODEM)306は公衆回線に接続し、FAXの送受信等のデータの入出力を行う。
【0048】
外部インタフェース(外部I/F)318は、USB、IEEE1394、プリンタポート、RS−232C等の外部入力を受け付けるインタフェース部であり、本実施形態においては、認証で必要となるICカード読み取り用のカードリーダ319が接続されている。
【0049】
そして、CPU301は、この外部I/F318を介してカードリーダ319によるICカードからの情報の読み取りを制御し、該ICカードから読み取られた情報を取得可能である。尚、ICカードに限らず、ユーザを特定することが可能な記憶媒体であればよい。この場合、記憶媒体には、ユーザを識別するための識別情報が記憶される。この識別情報は、記憶媒体の製造番号でも、ユーザが企業内で与えられるユーザコードであってもよい。
以上のデバイスがシステムバス上に配置される。
【0050】
一方、イメージバスインタフェース(IMAGE BUS I/F)320は、システムバス309と画像データを高速で転送する画像バス315とを接続し、データ構造を変換するバスブリッジである。
【0051】
画像バス315は、PCIバスまたはIEEE1394で構成される。画像バス315上には以下のデバイスが配置される。
【0052】
ラスタイメージプロセッサ(RIP)310は、例えば、PDLコード等のベクトルデータをビットマップイメージに展開する。
【0053】
プリンタインタフェース(プリンタI/F)311は、プリンタ312とコントローラユニット316を接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。
【0054】
また、スキャナインタフェース(スキャナI/F)313は、スキャナ314とコントローラユニット316を接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。
【0055】
画像処理部317は、入力画像データに対し、補正、加工、編集を行ったり、プリント出力画像データに対して、プリンタの補正、解像度変換等を行う。また、これに加えて、画像処理部317は、画像データの回転や、多値画像データに対してはJPEG、2値画像データはJBIG、MMR、MH等の圧縮伸張処理を行う。
【0056】
スキャナI/F313に接続されるスキャナ314は、原稿となる紙上の画像を照明し、CCDラインセンサで走査することで、ラスタイメージデータとして電気信号に変換する。原稿用紙は原稿フィーダのトレイにセットし、装置使用者が操作部308から読み取り起動指示することにより、CPU301がスキャナに指示を与え、フィーダは原稿用紙を1枚ずつフィードし、原稿画像の読み取り動作を行う。
【0057】
プリンタI/F311に接続されるプリンタ312は、ラスタイメージデータを用紙上の画像に変換する部分であり、その方式は感光体ドラムや感光体ベルトを用いた電子写真方式、微小ノズルアレイからインクを吐出して用紙上に直接画像を印字するインクジェット方式等があるが、どの方式でも構わない。プリント動作の起動は、CPU301からの指示によって開始する。尚、プリンタ部312には、異なる用紙サイズまたは異なる用紙向きを選択できるように複数の給紙段を持ち、それに対応した用紙カセットがある。
【0058】
操作部I/F307に接続される操作部308は、液晶ディスプレイ(LCD)表示部を有する。LCD上にはタッチパネルシートが貼られており、システムの操作画面を表示するとともに、表示してあるキーが押されると、その位置情報を操作部I/F307を介してCPU301に伝える。また、操作部308は、各種操作キーとして、例えば、スタートキー、ストップキー、IDキー、リセットキー、ログアウトボタン等を備える。
【0059】
ここで、操作部308のスタートキーは、原稿画像の読み取り動作を開始する時などに用いる。スタートキーの中央部には、緑と赤の2色のLEDがあり、その色によってスタートキーが使える状態であるか否かを示す。また、操作部308のストップキーは、稼動中の動作を止める働きをする。また、操作部308のIDキーは、使用者のユーザIDを入力する時に用いる。リセットキーは、操作部308からの設定を初期化する時に用いる。ログアウトボタンは、ユーザが複合機からログアウトする際に押下されるボタンであり、当該ボタンが押下されることで、複合機からのログアウト処理が実行される。
【0060】
外部I/F318に接続されるカードリーダ319は、CPU301からの制御により、ICカード(例えば、ソニー社のFeliCa(登録商標))内に記憶されている情報を読み取り、読み取った情報を外部I/F318を介してCPU301へ通知する。
【0061】
センサー321は、CPU301からの制御により、人が複合機300の前にいることを感知し、感知したことを外部I/F318を介してCPU301に通知する。
【0062】
以上のような構成により、複合機300は、スキャナ314から読み込んだ画像データをLANに送信し、LANから受信した印刷データをプリンタ312により印刷出力することができる。
【0063】
また、複合機300は、スキャナ314から読み込んだ画像データをモデム306により、公衆回線上にFAX送信し、公衆回線からFAX受信した画像データをプリンタ312により出力することができる。
【0064】
上述したように、複合機300では、複合機300を制御するためのプラットフォームが存在し、このプラットフォーム上で、認証サーバ500と通信するための認証アプリケーションが動作している。認証アプリケーションはHDD304に記憶されている。プラットフォームが管理するログイン時にユーザ情報を格納するログインコンテキストや、掲示板機能や認証アプリケーションが利用する掲示板メッセージはHDD上に領域が確保されている。
【0065】
次に図4を用いて、複合機300内の環境の前提を説明する。追加で設けられたソフトウェア動作環境はアプリケーションプラットフォーム2009(以下、プラットフォームということがある。)と呼ばれる。このプラットフォーム2009は、インタプリタとひとそろいのアプリケーションプログラムインタフェース(以下、API)群やフレームワーク群から構成される。そして、このプラットフォーム2009は、その上で動作するソフトウェアのために一種の疑似OSあるいはコンピューティングプラットフォームというべきものを提供する。インタプリタは、所定の命令セットに含まれる命令からなる一連の命令列を逐次的に読み出し解釈し実行する。この命令セットをハードウェアのCPUのための命令セットと同等の位置づけに捉える場合、インタプリタは特に仮想マシンと呼ばれることもある。API群およびフレームワーク群は、このソフトウェア動作環境の下層に内在する実際にリアルタイムOSが提供する資源やハードウェア資源を抽象化した各種の資源群に対するアクセスを、ソフトウェア動作環境上で動作するソフトウェアのために提供する。資源にはプロセッサによる命令実行コンテクストやメモリ、ファイルシステム、ネットワークインターフェイスを含む各種入出力(I/O)などがある。特に、命令実行コンテクストは実際のCPUとリアルタイムOSが提供するマルチタスク機構とは独立に、ソフトウェア動作環境が独自にインタプリタ上の命令実行コンテクストを管理できる。また、メモリも同様にソフトウェア動作環境が独自のメモリ管理を提供できる。
【0066】
プラットフォームで動作するソフトウェアはインタプリタによって逐次的に読み込み解釈実行されるため、これらの処理の過程で命令列を監視しシステムに悪影響を与える動作を除外できる可能性がある。また、ソフトウェア実行環境上のソフトウェアから各種資源に対するアクセスは、プラットフォームが提供するAPI群やフレームワーク群を経由して間接的に資源を操作するため、この過程でシステムに悪影響を与える動作を除外できる。したがって、ファームウェア内部にインタプリタおよびAPI群とフレームワーク群からなるソフトウェア実行環境の階層を設けるアプローチは、基本的には静的かつ固定的に構成されるべき低コスト組み込みシステムのファームウェアにおいて、ソフトウェアの動的な特性を部分的に導入するために非常に有効である。また、プラットフォーム2009上には、アプリケーション1(2005)およびアプリケーション2(2006)などが配置される。これらアプリケーション1などは、プラットフォームのAPIを用いて実行される。
【0067】
2007は、メッセージ受信モジュールで、メッセージ送信クライアント200より、掲示板メッセージを受け取り、掲示板メッセージをRTOS上に格納するアプリケーションプラットフォーム上で動作するアプリケーションである。
【0068】
2008は、アプリケーションプラットフォーム上で動作する認証アプリケーションであり、RTOS上に格納された掲示板メッセージを定期的に確認し、掲示板メッセージ情報が存在する場合には、そのメッセージを表示する認証アプリケーションシステムである。なお、定期的にメッセージを確認する際、掲示板メッセージが変更されている場合は、操作部I/F307上に表示するメッセージも更新する。また、この認証アプリケーションシステムでのログインとは、複合機認証システムでのログインを示すものである。
【0069】
以下、掲示板メッセージをユーザに再通知するための処理の流れについて説明する。図5、図6、図7、図8、図9および図10は掲示板メッセージをユーザに再通知するための制御を示すフローチャートであり、動作詳細については後述する。
【0070】
図11は、図1に示した複合機300上で動作する認証アプリケーション2008が参照するデータの一例を示すデータ構成図であり、データは、複合機300上で動作するメッセージ受信モジュール2007によって、データファイル2011に書き込まれる。
【0071】
図12は、掲示板メッセージを持つ、複合機300上で動作する認証アプリケーション2008が図3の操作部308に表示されている一例を示す図である。
【0072】
図13は、掲示板メッセージを持たない、複合機300上で動作する認証アプリケーション2008が図3の操作部308に表示されている一例を示す図である。
【0073】
図14は、複合機300上で動作する認証アプリケーション2008の掲示板メッセージが、複合機認証システムにログインした後に、図3の操作部308に、再通知され表示されている一例を示す図である。ユーザは、再通知されたメッセージを閉じる(画面を閉じる)ことによって、複合機300の操作が実施可能となる。内容については、本発明でその仕組みを提供しており、動作詳細については、図5、図6、図7、図8、図9および図10のフローチャートの説明において後述する。
【0074】
図15は、複合機300上で動作する認証アプリケーション2008の掲示板メッセージが、複合機認証システムにログインした後に、図3の操作部308に、再通知されない一例を示す図である。ユーザは、即座に複合機300の操作が実施可能となる。内容については、図5、図6、図7、図8、図9および図10のフローチャートの説明において後述する。
【0075】
図16は、メッセージ送信クライアント200の一例を示す図である。ここで示す情報をメッセージ受信モジュール2007へ送信する。内容については、図5、図7および図9のフローチャートの説明において後述する。
【0076】
次に、図5を用いて、本発明の実施形態におけるメッセージ送信クライアント200とメッセージ受信モジュール2007におけるメッセージ再通知のためのアラートフラグに関する処理の流れについて説明する。
【0077】
ステップS100では、メッセージ送信クライアント200は、予め設定されたメッセージ送信時刻が到来したか否かを判断する。
【0078】
メッセージ送信時刻が到来したと判断した場合(ステップS100:YES)は、処理をステップS101に移行する。
【0079】
メッセージ送信時刻が到来していないと判断した場合(ステップS100:NO)は、メッセージ送信時刻が到来するまで待機する。
【0080】
ステップS101では、メッセージ送信クライアント200は、複合機300のメッセージ受信モジュール2007と通信が可能であるか否かを確認する。
【0081】
通信が可能であると判断すると(ステップS101:YES)、処理をステップS102に移行する。
【0082】
通信が不可能であると判断すると(ステップS101:NO)、本フローチャートの処理を終了し、再度、設定されたメッセージ送信時刻が到来するまで待機する。
【0083】
ステップS102では、メッセージ送信クライアント200は、メッセージ受信モジュール2007に送信する掲示板メッセージが再通知する必要があるメッセージであるか否かの情報(アラートフラグがONであるかOFFであるか)を取得する。
【0084】
ステップS103では、メッセージ送信クライアント200は、ステップS102で取得した情報(アラートフラグ)を複合機300のメッセージ受信モジュール2007に送信する。
【0085】
ステップS104では、メッセージ受信モジュール2007は、ステップS103でメッセージ送信クライアント200から送信されたアラートフラグを受信する。
【0086】
ステップS105では、メッセージ受信モジュール2007は、ステップS104で受信したアラートフラグが「ON」であるか「OFF」であるかを判断する。
【0087】
ステップS105にてアラートフラグが「ON」であると判断された場合(ステップS105:ON)は、処理をステップS107に移行する
【0088】
ステップS105にてアラートフラグが「OFF」であると判断された場合(ステップS105:NO)は、処理をステップS106に移行する。
【0089】
ステップS106では、メッセージ受信モジュール2007は、図11におけるデータファイル2011にアラートフラグを「OFF」で情報を書き込み、処理をステップS108に移行する。
【0090】
ステップS107では、メッセージ受信モジュール2007は、図11におけるデータファイル2011にアラートフラグを「ON」で情報を書き込み、処理をステップS108に移行する。
【0091】
ステップS108では、メッセージ受信モジュール2007は、メッセージ送信クライアントに対して、処理結果を返信する。
【0092】
ステップS109では、メッセージ送信クライアント200は、ステップS108でメッセージ受信モジュールから送信された処理結果を受信する。
【0093】
ステップ110では、メッセージ送信クライアント200は、ステップS109で受信した処理結果がエラーであるか否かを判断する。例えば、メッセージ受信モジュール2007がデータファイル2011に情報書き込みを失敗した場合などがエラーに該当する。
【0094】
ステップS110でエラーであると判断した場合(ステップS110:YES)は、処理をステップS111へ移行する。
【0095】
エラーではないと判断した場合(ステップS110:NO)は、処理をステップS112へ移行する。
【0096】
ステップS111では、メッセージ送信クライアント200は、エラーメッセージを表示し、本フローチャートに示す処理を終了する。なお、次のメッセージ送信時刻が到来すると、再度本フローチャートに示す処理が開始される。
【0097】
ステップS112では、メッセージ送信クライアント200は、掲示板メッセージをメッセージ受信モジュール2007へ送信する。
【0098】
ステップS113では、メッセージ受信モジュール2007は、ステップS112でメッセージ送信クライアントから送信された掲示板メッセージを受信する。なお、メッセージが存在しない場合は、空メッセージを受信する。
【0099】
ステップS114では、メッセージ受信モジュール2007は、ステップS113で受信した掲示板メッセージを、図11におけるデータファイル2011の「掲示板メッセージ行1」、「掲示板メッセージ行2」、「掲示板メッセージ行3」、「掲示板メッセージ行4」へ書き込む。なお、ステップS113で受信した掲示板メッセージが空メッセージの場合は、「「掲示板メッセージ行1」、「掲示板メッセージ行2」、「掲示板メッセージ行3」、「掲示板メッセージ行4」に空文字を書き込む。
【0100】
ステップS115では、メッセージ受信モジュール2007は、メッセージ送信クライアント200に対して、処理結果を送信する。
【0101】
ステップS116では、メッセージ送信クライアント200は、ステップS115でメッセージ受信モジュール2007から送信された処理結果を受信する。
【0102】
ステップS117では、メッセージ送信クライアント200は、ステップS116で受信した処理結果がエラー(例えばメッセージ受信モジュール2007がデータファイル2011に情報書き込みを失敗した等)であるか否かを判断する。
【0103】
エラーであると判断した場合(ステップS117:YES)は、処理をステップS118に移行し、エラーメッセージを表示して(ステップS118)、本フローチャートに示す処理を終了する。
【0104】
エラーではないと判断した場合(ステップS117:NO)は、本フローチャートの処理を終了する。
【0105】
なお、次のメッセージ送信時刻が到来すると、再度本フローチャートに示す処理が開始される。
【0106】
次に、図6を用いて、複合機300における認証アプリケーション2008において実行される、アラートフラグを用いた処理および掲示板メッセージの再通知について説明する。
【0107】
ステップS200では、ユーザの電源ON操作などにより、複合機300が起動される。そして、複合機300が起動すると処理がステップS201に移行する。
【0108】
ステップS201では、複合機300の起動時に、図11におけるデータファイル2011の「掲示板メッセージ行1」、「掲示板メッセージ行2」、「掲示板メッセージ行3」、「掲示板メッセージ行4」および「アラートフラグ」の情報を取得する。
【0109】
ステップS202では、ステップS201で取得した情報のうち「掲示板メッセージ行1」、「掲示板メッセージ行2」、「掲示板メッセージ行3」、「掲示板メッセージ行4」のいずれかにメッセージが存在するか否かを判断する。
【0110】
いずれかにメッセージが存在すると判断した場合(ステップS202:YES)は、処理をステップS203に移行する。
【0111】
いずれにもメッセージが存在しない(空メッセージである)と判断した場合(ステップS202:NO)は、処理をステップS204に移行する。
まず、メッセージが存在する場合の処理について説明する。
【0112】
ステップS203では、複合機300の操作部308に表示される認証アプリケーション2008のトップ画面に掲示板メッセージを表示する。なお表示される掲示板メッセージの一例を図12に示す。
【0113】
ステップS205では、複合機300の認証アプリケーション2008は認証が行われるまで待機する。ユーザによりICカードがカードリーダにかざされる等の処理があった場合には、処理をステップS207に移行する。
【0114】
ステップS207では、複合機300における認証アプリケーション2008は、認証処理を実行する。
【0115】
なお、認証処理とは、複合機300のカードリーダ319にかざされたICカードから、カード情報等の識別情報を取得し、取得した識別情報を認証サーバ500に送信し、認証サーバによる認証処理(認証サーバが記憶する認証用テーブルと識別情報とを照合する処理)の結果を受信する処理をいう。
【0116】
なお、本実施例においては、認証に成功した旨の結果を受信することを前提としている。認証に失敗した場合(認証サーバ500の認証用テーブルに送信した識別情報が登録されていない場合や、認証サーバ500との通信が不可能である場合等)には、ステップS209以降の処理は実行されず、エラーとして本フローチャートの処理を終了する。
【0117】
ステップS209では、複合機300は、ステップS201で取得したメッセージに含まれる「アラートフラグ」の状態を確認する。
【0118】
「アラートフラグ」が「ON」である場合(ステップS209:YES)には、処理をステップS210に移行する。「アラートフラグ」が「OFF」である場合(ステップS209:NO) には、処理をステップS211に移行する。
【0119】
ステップS210では、複合機300における認証アプリケーション2008による認証処理が成功した後、操作部に図14に一例を示す画面(掲示板メッセージ)を表示し、掲示板メッセージの再通知を行う。
【0120】
なお、掲示板メッセージの再通知内容を閉じると、操作部は、図15に一例を示す画面に移行し、本フローチャートに示す処理を終了する。
【0121】
次に、メッセージが存在しない場合の処理について説明する。
【0122】
ステップS204では、複合機300の表示部に認証アプリケーション2008のトップ画面に図13に一例を示す画面(掲示板メッセージが表示されていない画面)を表示する。
【0123】
ステップS206では、複合機300の認証アプリケーション2008は認証が行われるまで待機する。ユーザによりICカードがカードリーダにかざされる等の処理があった場合には、処理をステップS208に移行する。
【0124】
ステップS208では、複合機300における認証アプリケーション2008は、認証処理を実行する(ステップS207で説明した処理と同じ処理である)。
【0125】
ステップS211では、ステップS208で複合機300における認証アプリケーション2008による認証処理が実行されると、複合機300の表示部に図15に一例を示す画面(掲示板メッセージを再通知しない画面)を表示する。
そして、本フローチャートの処理を終了する。

【0126】
図5および図6に示す処理を実行することにより、アラートフラグが設定された掲示板メッセージについては、認証画面(図12)だけでなく認証処理が行われ複合機300にログインした後にも再度掲示板メッセージが表示されることになる(図14)。これにより、ユーザに対して確実に伝えたいメッセージを伝えることが可能となる。
【0127】
次に、図7のフローチャートを用いて、本発明におけるメッセージ送信クライアント200とメッセージ受信モジュール2007におけるメッセージ再通知のためのアラート時刻設定に関する処理について説明する。
【0128】
なお、図7のフローチャートでは、本来、メッセージ送信クライアント200により掲示板メッセージの送信も行われるが、掲示板メッセージの送信処理については図5に示す処理と同様(ステップS112〜S118に相当)であるため、ここでは説明を省略する。
【0129】
ステップS300では、メッセージ送信クライアント200は、予め設定されたメッセージ送信時刻が到来したか否かを判断する。
【0130】
メッセージ送信時刻が到来したと判断した場合(ステップS300:YES)は、処理をステップS301に移行する。
【0131】
メッセージ送信時刻が到来していないと判断した場合(ステップS300:NO)は、メッセージ送信時刻が到来するまで待機する。
【0132】
ステップS301では、メッセージ送信クライアント200は、複合機300のメッセージ受信モジュール2007と通信が可能であるか否かを確認する。
【0133】
通信が可能であると判断すると(ステップS301:YES)、処理をステップS302に移行する。
【0134】
通信が不可能であると判断すると(ステップS301:NO)、本フローチャートの処理を終了し、再度、設定されたメッセージ送信時刻が到来するまで待機する。
【0135】
ステップS302では、メッセージ送信クライアント200は、「アラート時刻」をメッセージ受信モジュールに送信する。
【0136】
なお、「アラート時刻」とは、図16に示す「アラート開始時刻」および「アラート終了時刻」の双方を示すものである。
【0137】
ステップS303では、メッセージ受信モジュール2007は、ステップS302でメッセージ送信クライアント200から送信されたアラート時刻を受信する。
【0138】
ステップS304では、メッセージ受信モジュール2007は、図11に示すデータファイル2011に、ステップS303で受信した「アラート開始時刻」「アラート終了時刻」の情報を書き込む。
【0139】
ステップS305では、メッセージ受信モジュール2007は、メッセージ送信クライアント200に対して、処理結果を返信する。
【0140】
ステップS306では、メッセージ送信クライアント200は、ステップS305でメッセージ送信クライアント200から送信された処理結果を受信する。
【0141】
ステップS307では、メッセージ送信クライアント200は、ステップS306で受信した処理結果がエラーであるか否かを判断する。なお、エラーである場合とは、例えばステップS304においてメッセージ受信モジュール2007がデータファイル2011に情報の書き込みを失敗した場合などがある。
【0142】
処理結果がエラーであると判断した場合(ステップS307:YES)は、処理をステップS308に移行し、処理結果がエラーである旨のメッセージを表示する。そして、本フローチャートの処理を終了し、次回のメッセージ送信時刻が到来するまで待機する。
【0143】
処理結果がエラーではないと判断した場合(ステップS307:NO)は、本フローチャートの処理を終了し、次回のメッセージ送信時刻が到来するまで待機する。
【0144】
次に、図8に示すフローチャートを用いて、複合機300における認証アプリケーション2008による、アラート時刻(アラート開始時刻およびアラート終了時刻)を用いた処理および掲示板メッセージの再通知処理について説明する。
【0145】
なお、図8に示すフローチャートでは本来、掲示板メッセージが存在するか否かによって、掲示板メッセージの再通知が実施されるか否かが決定するが、掲示板メッセージの存在を判断する動作については、図6に示すフローチャートと同様(掲示板メッセージが存在しない場合には、アラート時刻にかかわらず掲示板メッセージは再通知されない)であるため、ここではその処理の説明については省略する。
【0146】
ステップS400では、ユーザの電源ON操作などにより、複合機300が起動される。そして、複合機300が起動すると処理がステップS401に移行する。
【0147】
ステップS401では、複合機における認証アプリケーション2008は、認証が行われるまで待機する。ユーザによりICカードがカードリーダにかざされる等の処理があった場合には、処理をステップS402に移行する。
【0148】
ステップS402では、複合機300における認証アプリケーション2008は、認証処理を実行する。
【0149】
ステップS403では、複合機300の起動時に、図11に示すデータファイル2011の「アラート開始時刻」および「アラート終了時刻」を取得する。
【0150】
ステップS404では、複合機300は、現在時刻が「アラート開始時刻」と「アラート終了時刻」との間であるか否かを判断する。
【0151】
現在時刻が「アラート開始時刻」と「アラート終了時刻」との間にあると判断した場合(ステップS404:YES)は、処理をステップS405に移行する。
【0152】
現在時刻が「アラート開始時刻」と「アラート終了時刻」との間ではないと判断した場合(ステップS404:NO)は、処理をステップS406に移行する。
【0153】
ステップS405では、複合機300は、認証アプリケーション2008による認証処理が成功すると、操作部に掲示板メッセージを再通知する(図14に示す画面を表示する)。そして、表示された掲示板メッセージの再通知内容が閉じられると、表示部に図15に示す画面を表示し、ステップS407に処理を移行し、本フローチャートに示す処理終了する。
【0154】
ステップS406では、複合機300は、認証アプリケーション2008による認証処理が成功すると、表示部に図15に示す画面を表示し、ステップS407に処理を移行し、本フローチャートに示す処理終了する。
【0155】
図7および図8に示す処理を実行することにより、アラート時刻内にログインされた場合には、認証画面(図12)だけでなく認証処理が行われ複合機300にログインした後にも再度掲示板メッセージが表示されることになる(図14)。これにより、ユーザに対して確実に伝えたいメッセージを伝えることが可能となる。
【0156】
次に、図9に示すフローチャートを用いて、本発明におけるメッセージ送信クライアント200とメッセージ受信モジュール2007におけるカード検知までの時間とメッセージ再通知に関する処理について説明する。
【0157】
なお、図9に示すフローチャートでは、本来、メッセージ送信クライアント200により、掲示板メッセージの送信も行われるが、図5で示すフローチャートと同様(ステップS112〜S118に相当)であるため、ここではその処理についての説明は省略する。
【0158】
ステップS500では、メッセージ送信クライアント200は、予め設定されたメッセージ送信時刻が到来したか否かを判断する。
【0159】
メッセージ送信時刻が到来したと判断した場合(ステップS500:YES)は、処理をステップS501に移行する。
【0160】
メッセージ送信時刻が到来していないと判断した場合(ステップS500:NO)は、メッセージ送信時刻が到来するまで待機する。
【0161】
ステップS501では、メッセージ送信クライアント200は、複合機300のメッセージ受信モジュール2007と通信が可能であるか否かを確認する。
【0162】
通信が可能であると判断すると(ステップS501:YES)、処理をステップS502に移行する。
【0163】
通信が不可能であると判断すると(ステップS501:NO)、本フローチャートの処理を終了し、再度、設定されたメッセージ送信時刻が到来するまで待機する。
【0164】
ステップS502では、メッセージ送信クライアント200は、「カード検知までの閾値」をメッセージ受信モジュールに送信する。
【0165】
なお、「カード検知までの閾値」とは、図16に示す値であり、人検知時刻(複合機300の周辺に人がいることを検知した時刻)からカード検知時刻(ユーザにより認証処理のためにICカードがカードリーダ319にかざされた(認証処理が開始された)時刻)までの時間により掲示板メッセージを再通知するか否かを決定するための閾値である。
【0166】
ステップS503では、メッセージ受信モジュール2007は、ステップS502でメッセージ送信クライアント200から送信された「カード検知までの閾値」を受信する。
【0167】
ステップS504では、メッセージ受信モジュール2007は、図11におけるデータファイル2011に「カード検知までの閾値」の情報を書き込み、ステップS505に処理を移行する。
【0168】
ステップS505では、メッセージ受信モジュール2007は、処理結果をメッセージ送信クライアント200に対して送信する。
【0169】
ステップS506では、メッセージ送信クライアント200は、ステップS505でメッセージ送信クライアント200から送信された処理結果を受信する。
【0170】
ステップS507では、メッセージ送信クライアント200は、ステップS506で受信した処理結果がエラーであるか否かを判断する。なお、エラーである場合とは、例えばステップS504においてメッセージ受信モジュール2007がデータファイル2011に情報の書き込みを失敗した場合などがある。
【0171】
処理結果がエラーであると判断した場合(ステップS507:YES)は、処理をステップS508に移行し、処理結果がエラーである旨のメッセージを表示する。そして、本フローチャートの処理を終了し、次回のメッセージ送信時刻が到来するまで待機する。
【0172】
処理結果がエラーではないと判断した場合(ステップS507:NO)は、本フローチャートの処理を終了し、次回のメッセージ送信時刻が到来するまで待機する。
【0173】
次に、図10に示すフローチャートを用いて、複合機300における認証アプリケーション2008により実行されるカード検知までの閾値を用いた処理および掲示板メッセージの再通知について説明する。
【0174】
なお、図10のフローチャートでは、本来、掲示板メッセージが存在するか否かで、掲示板メッセージの再通知が実施されるか否かが決定するが、掲示板メッセージの存在による動作については、図6に示すフローチャートと同様(掲示板メッセージが存在しない場合は、カード検知までの閾値に関わらず、掲示板メッセージは再通知されない)であるため、ここではその処理の説明については省略する。
【0175】
ステップS600において、複合機300は、図3におけるセンサー321が人を検知するまで待機する。センサー321が人を検知した場合は、検知した旨の情報が図3における外部I/F318に伝わり、認証アプリケーション2008が人を検知したことを判別する。そして、処理をステップS601に移行する。なお、センサー321が人を検知したことを判別し、センサー321が検知できる範囲で人が操作し続ける限りは、新たな検知を実施しない。検知したことを判別し、ステップS601に進むのは、センサー321が人を検知していない状態から、センサー321が人を検知した状態に遷移した場合である。
【0176】
ステップS601では、複合機300における認証アプリケーション2008は「人検知時刻」(ステップS600でセンサー321が人を検知した時刻)をRAM302に記録し、処理をステップS602に移行する。なお、センサー321が新たに人を検知した際は、新しい「人検知時刻」がRAM302に記録されるものとし、「人検知時刻」は複数保持することができない。つまり、前回の「人検知時刻」は新たに上書きされる。
【0177】
ステップS602において、複合機300は、認証アプリケーション2008のログイン状態を確認し、認証アプリケーション2008がログオフ状態にある場合(ステップS602:NO)は、ステップS612に処理を移行する。他方、ログオフ状態にない場合(ログインしている状態)(ステップS602:YES)は、処理をステップS603に移行する。
【0178】
ステップS603では、認証アプリケーション2008は、ユーザによりICカードがかざされる操作(認証操作)を待機し、ユーザによる認証操作を検知すると、ステップS604に処理を移行する。
【0179】
なお、ユーザの認証操作を待機している間に、センサー321が新たな人を検知し、ステップS601、S602の処理を経て、ステップS603に到達した場合、ステップS603は当該新たなユーザの認証操作を待機する。
【0180】
ステップS604において、複合機300は、ユーザによりICカードがかざされた時刻(「カード検知時刻」)をRAM302に記録し、ステップS605に処理を移行する。
【0181】
なお、本実施例において、RAM302で記録される「カード検知時刻」は複数保持しない。すなわち、前回の「カード検知時刻」は新たに上書きされる。
【0182】
ステップS605では、複合機300における認証アプリケーション2008の認証処理が実施される。
【0183】
ステップS606では、複合機300は、図11におけるデータファイル2011の「カード検知までの閾値」の情報を取得する。
【0184】
ステップS607では、複合機300の認証アプリケーション2008は、RAM302に記録された「カード検知時刻」と「人検知時刻」の差(人を検知してからカードを検知するまでの時間)を算出し、その値がステップS606で取得した「カード検知までの閾値」未満であるかを判断する。
【0185】
閾値未満であると判断した場合(ステップS607:NO)は、処理をステップS608に移行する。
【0186】
閾値以上であると判断した場合(ステップS607:YES)は、処理をステップS609に移行する。
【0187】
ステップS608では、複合機300は、認証アプリケーション2008による認証処理が成功すると、操作部に掲示板メッセージを再通知する(図14に示す画面を表示する)。そして、表示された掲示板メッセージの再通知内容が閉じられると、表示部に図15に示す画面を表示し、ステップS610に処理を移行する。
【0188】
ステップS609では、複合機300は、認証アプリケーション2008による認証処理が成功すると、表示部に図15に示す画面を表示し、ステップS610に処理を移行する。
【0189】
ステップS611では、複合機300は、RAM302に記録された「カード検知時刻」をリセットする。
【0190】
ステップS612では、複合機300は、RAM302に記録された「人検知時刻」をリセットし、本フローチャートに示す処理を終了する。そして、次の利用者を検知するまで待機する。
【0191】
図9および図10に示す処理を実行することにより、複合機300が人を検知してからカードを検知するまでの時間差が閾値以下である場合(すなわち、複合機にログインしたユーザが認証画面に表示された掲示板メッセージを確認せずに認証処理を行った可能性が高い場合)には、認証画面(図12)だけでなく認証処理が行われ複合機300にログインした後にも再度掲示板メッセージが表示されることになる(図14)。これにより、ユーザに対して確実に伝えたいメッセージを伝えることが可能となる。
【0192】
上述したように、複合機300における認証アプリケーション2008において、掲示板メッセージを再通知する仕組みとして、図5および図6では、アラートフラグを用いる仕組みについて示した。また、図7および図8では、アラート時刻、つまりはアラート開始時刻およびアラート終了時刻を用いる仕組みについて示した。また、図9および図10では、カード検知までの閾値を用いる仕組みについて示した。これらは、それぞれを独立して動作させることで、メッセージ再通知を実現することが可能である。
【0193】
また、各仕組みを組み合わせて動作させることでも、メッセージ再通知を実現することが可能である。例えば、アラートフラグとアラート時刻の仕組みを組み合わせて、メッセージ再通知の仕組みを実現する場合は、アラートフラグとアラート時刻の双方がメッセージ再通知の条件を満たす場合に、再通知が実施されるという動作となる。
【0194】
同様に、アラートフラグとカード検知までの閾値との組み合わせや、アラート時刻とカード検知までの閾値との組み合わせや、全て仕組みの組み合わせによって、メッセージ再通知の仕組みを実現することも可能である。
【0195】
なお、上述した各種データの構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されることは言うまでもない。
【0196】
また、本発明におけるプログラムは、図5〜図10の処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムである。なお、本発明におけるプログラムは図5〜図10の各装置の処理方法ごとのプログラムであってもよい。
【0197】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するプログラムを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムを読み出し、実行することによっても本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0198】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムを記録した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0199】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、DVD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、EEPROM、シリコンディスク等を用いることが出来る。
【0200】
また、コンピュータが読み出したプログラムを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0201】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0202】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、ひとつの機器から成る装置に適用しても良い。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0203】
さらに、本発明を達成するためのプログラムをネットワーク上のサーバ、データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。なお、上述した各実施形態およびその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0204】
100 クライアントPC
200 メッセージ送信クライアント
300 複合機
400 LAN
500 認証サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
認証に関する処理を実行する認証アプリケーションをインストール可能に構成された画像処理装置であって、
当該画像処理装置で表示するメッセージを記憶するメッセージ記憶手段と、
前記メッセージ記憶手段に記憶されたメッセージを前記認証アプリケーションの画面に表示するメッセージ表示手段と、
前記メッセージ記憶手段に記憶されたメッセージを認証処理の実行後にも表示するか否かを判断する再通知判断手段と、
前記再通知判断手段により認証処理の実行後にも表示すると判断された場合、当該メッセージを認証処理の実行後にも表示するメッセージ再表示手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記再通知判断手段は、メッセージ毎に設定された再通知するか否かを示す情報に従い判断することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記再通知判断手段は、メッセージ毎に設定されたアラート開始時刻とアラート終了時刻とから判断することを特徴とし、
前記メッセージ再表示手段は、現在時刻が前記アラート開始時刻と前記アラート終了時刻の間である場合に、当該メッセージを再表示することを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
画像処理装置周辺の人の存在を検知する人検知手段と、
前記人検知手段により人の存在を検知した時刻を取得する人検知時刻取得手段と、
前記認証処理が開始された時刻を取得する認証時刻取得手段と、
をさらに備え、
前記再通知判断手段は、前記人検知時刻取得手段で取得した時刻と、前記認証時刻取得手段で取得した時刻との時間差に従い判断することを特徴とし、
前記メッセージ再表示手段は、前記再通知判断手段により前記時間差が予め設定された時間差よりも大きい場合に、メッセージを再表示することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
認証に関する処理を実行する認証アプリケーションをインストール可能に構成され、当該画像処理装置で表示するメッセージを記憶する画像処理装置における処理方法であって、
前記画像処理装置のメッセージ表示手段が、前記記憶されたメッセージを前記認証アプリケーションの画面に表示するメッセージ表示工程と、
前記画像処理装置の再通知判断手段が、前記記憶されたメッセージを認証処理の実行後にも表示するか否かを判断する再通知判断工程と、
前記画像処理装置のメッセージ再表示手段が、前記再通知判断工程により認証処理の実行後にも表示すると判断された場合、当該メッセージを認証処理の実行後にも表示するメッセージ再表示工程と、
を備えることを特徴とする処理方法。
【請求項6】
認証に関する処理を実行する認証アプリケーションをインストール可能に構成された画像処理装置において実行可能なプログラムであって、
前記画像処理装置を、
当該画像処理装置で表示するメッセージを記憶するメッセージ記憶手段と、
前記メッセージ記憶手段に記憶されたメッセージを前記認証アプリケーションの画面に表示するメッセージ表示手段と、
前記メッセージ記憶手段に記憶されたメッセージを認証処理の実行後にも表示するか否かを判断する再通知判断手段と、
前記再通知判断手段により認証処理の実行後にも表示すると判断された場合、当該メッセージを認証処理の実行後にも表示するメッセージ再表示手段として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−213905(P2012−213905A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−80389(P2011−80389)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(390002761)キヤノンマーケティングジャパン株式会社 (656)
【出願人】(312000206)キヤノンMJアイティグループホールディングス株式会社 (259)
【出願人】(301015956)キヤノンソフトウェア株式会社 (364)
【上記1名の代理人】
【識別番号】100126103
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 幹郎
【Fターム(参考)】