説明

画像形成装置、画像形成装置の制御方法、及びプログラム

【課題】電源オフ期間中に電源スイッチがオンされても、消費電力が増大するのを抑制することが可能な画像形成装置を得る。
【解決手段】記憶手段が記憶する時間内に電源スイッチがオンされた場合に、当該電源スイッチがオンされた時間が記憶手段により記憶される時間内か否かを判断する。ここで、電源スイッチがオンされた時間が記憶手段により記憶される時間内だと判断された場合に、前記複数の機能の各々に対応する複数の選択部を表示手段に表示する。そして、表示手段に表示される複数の選択部の何れかが選択された場合に、当該選択された選択部に対応する機能を実行するためのユニットに電力を供給し、選択されなかった選択部に対応する機能を実行するためのユニットに電力を供給しないように制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所望の設定時刻に自動的に電源断と電源復帰を切り換えるタイマ機能を備えた画像形成装置、画像形成装置の制御方法、及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置の電源のオンおよびオフをタイマにより制御する画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このような画像形成装置においては、タイマに従った電源制御により、毎朝始業時刻に自動的に画像形成装置の電源をオンして、終業時刻に自動的に画像形成装置の電源をオフするなどの使い方をする。これによって、ユーザが手動で電源スイッチをオン/オフすることなく、画像形成装置を所定時刻に自動的に電源オンまたは電源オフにする機能を実現している。
ここで、画像形成装置がタイマ機能による電源オフ期間中に、ユーザが手動で電源スイッチをオンにして画像形成装置の電源をオンにした場合、画像形成装置の機能の全てが電源復帰する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−166251号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画像形成装置をタイマ機能により電力管理を行っている場合、電源オフ期間中の消費電力を低減化することが望まれる。一方で、電源オフ期間中であっても、ユーザが画像形成装置を利用したい場合もある。
この際、たとえば、ユーザがスキャナ機能のみで画像形成装置のハードディスクに情報を取り込みたい場合、ドキュメントBOXに情報を取り込みたい場合、FAXでデータの送信のみに使用したい場合を想定する。この場合、従来の電源制御によれば、電源がオフされている画像形成装置の電源スイッチをオンにすると、当該画像形成装置で全ての機能が実行可能な状態に電源供給がなされてしまう。
このため、上記した情報の取り込みやデータ送信以外に他の機能を使用しない場合でも、他の機能を実行するためのユニットに電源が供給されてしまう。例えば、FAXでデータの送信のみを使用したい場合でも、使用する必要のないプリンタ機能を実行するエンジンまで電源が供給されてしまう。このように、画像形成装置において、ユーザが使用しない機能を実行するユニットまで電力を供給するので、電源オフ期間において、消費電力を十分に低減化することができない状況が発生していた。
【0005】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、電源オフ期間中に電源スイッチがオンされても、消費電力が増大するのを防止することが可能な画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成する本発明の画像形成装置は以下に示す構成を備える。
複数の機能を実行することが可能な画像形成装置であって、前記複数の機能を実行するための各ユニットに供給される電力を停止する時間を記憶する記憶手段と、前記記憶手段が記憶する前記時間内に電源スイッチがオンされた場合に、当該電源スイッチがオンされた時間が前記記憶手段により記憶される時間内か否かを判断する判断手段と、前記判断手段により前記電源スイッチがオンされた時間が前記記憶手段により記憶される時間内だと判断された場合に、前記複数の機能の各々に対応する複数の選択部を表示する表示手段と、前記表示手段に表示される前記複数の選択部の何れかが選択された場合に、当該選択された選択部に対応する機能を実行するためのユニットに電力を供給し、選択されなかった選択部に対応する機能を実行するためのユニットに電力を供給しない電力制御手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、電源オフ期間中に電源スイッチがオンされても、消費電力が増大するのを抑制することが可能な画像形成装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本実施形態を示す画像形成装置の構成を示す断面図である。
【図2】コントローラ制御部を含む制御部の全体構成を示すブロック図である。
【図3】図2に示したコントローラ制御部の構成を示すブロック図である。
【図4】図2に示した画像形成装置の操作部の構成を示す平面図である。
【図5】画像形成装置の制御方法を説明するフローチャートである。
【図6】画像形成装置のユーザインタフェース画面の一例を示す図である。
【図7】画像形成システムの制御方法を説明するフローチャートである。
【図8】画像形成装置のユーザインタフェース画面の一例を示す図である。
【図9】画像形成装置の電源オン/オフ状態を示すタイミングチャートである。
【図10】画像形成装置のユーザインタフェース画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
<システム構成の説明>
〔第1実施形態〕
【0010】
図1は、本実施形態を示す画像形成装置の構成を示す断面図である。本実施形態に示す画像形成装置1は、タイマ機能で設定される所定時間に画像形成装置1の電源をオンまたは電源をオフする自動電源オフ機能を備えている。本実施形態では、複合機を想定した画像形成装置1を示すが、本実施形態に示す全ての機能を備えていない画像形成装置1であっても本発明を適用可能である。
本例の画像形成装置1は、イメージリーダ200およびプリンタ300からなる画像形成装置本体、折り装置500およびフィニッシャ600を含んで構成されている例である。なお、イメージリーダ200の上部には、原稿搬送装置100が装着されている。また、フィニッシャ600の上部には、インサータ700が装着されている。なお、本実施形態では、スキャナユニット、プリンタユニット等の複数のユニットを備え、後述するように各ユニットに供給される電源を停止する時間内に、電源スイッチがオンされた場合に、当該時間が終了するまで、複数の機能を実行するための各ユニットの一部に電力が供給されるのを制限する機能を備える。
【0011】
図1において、原稿搬送装置100は、原稿トレイ105上にセットされた原稿を先頭頁から順に1枚ずつ給紙し、湾曲したパスを介して原稿台ガラス205の上へと搬送する。片面原稿を読取る方法としては、原稿台ガラス205上の読取位置R1へ原稿の後端を搬送、停止させ、スキャナユニット206を左から右へ移動させることにより、原稿の読取りを行う原稿固定読取モードを備える。さらに、片面原稿を読取る方法としては、原稿をある読取り速度で読取位置R1へ搬送し、スキャナユニット206を読取位置R1で固定したまま原稿の読取りを行う原稿流し読取モードを備える。その後、いずれのモードの場合も、読取った原稿を排紙トレイ106に排出する。
【0012】
両面原稿を読取る方法としては、スキャナユニット206で表面を読取り、原稿搬送装置100内に配置した光学ユニット110を使用して裏面を読取る方法がある。詳細な説明は後述する。光学ユニット110内には図示しないイメージセンサおよび光源等が配置されている。
【0013】
レンズ207を介してイメージセンサ208により読取られた原稿の画像は、プリンタ制御部301を介して露光制御部305に送られる。露光制御部305は、画像信号に応じたレーザ光を出力する。このレーザ光が感光ドラム306に照射されると、感光ドラム306上には静電潜像が形成される。感光ドラム306上の静電潜像は現像器307により現像され、感光ドラム306上の現像剤はカセット308、309、手差し給紙部310および両面搬送パス311のいずれかから給送されたシートに転写部312で転写される。
【0014】
現像剤が転写されたシートは定着部313に導かれると、現像剤の定着処理が施される。定着部313を通過したシートを、図示しないフラッパにより、一旦、パス315からパス314に導き、シートの後端がパス315を抜けた後、シートをスイッチバックさせてパス316から排出ローラ317に導く。これにより、現像剤が転写された面を下向きの状態(フェイスダウン)にして排出ローラ317によりプリンタ300から排出することが可能である。これを反転排紙という。このように、フェイスダウンで排出することにより、原稿搬送装置100を用いて複数枚の原稿を読取った画像をプリントする場合など、先頭頁から正しい頁順で画像形成を行うことが可能である。
【0015】
尚、手差し給紙部310からOHPシートなどの硬いシートに画像形成を行う場合、パス315に導くことなく、現像剤が転写された面を上向きの状態(フェイスアップ)のままで排出ローラ317から排出する。
【0016】
また、シートの両面に画像形成を行う場合、シートを定着部313からパス315、パス314に導き、シートの後端がパス315を抜けた直後にシートをスイッチバックさせ、図示しないフラッパにより両面搬送パス311に導く。両面搬送パス311に導かれたシートに対し、再度、転写部312で静電潜像が転写され、定着部313で定着処理が施される。
【0017】
このように、転写部312から両面搬送パス311を経由して再び転写部312に戻る一巡のパスの中に、A4、B5等のハーフサイズ用紙が5枚入った状態でも搬送可能なように、パス長、ローラ配置、駆動系の分割がなされている。尚、これらの処理による排出頁順は、奇数頁が下向きになるように排出されるので、両面コピー時の頁順を合わせることができる。
【0018】
排出ローラ317から排出されたシートは折り装置500に送り込まれる。折り装置500はシートをZ折りに折りたたむ処理を行う。A3サイズやB4サイズのシートで折り処理の指定がなされている場合、折り装置500で折り処理が行われた後にフィニッシャ600に送り込まれるが、それ以外のサイズのシートはそのままフィニッシャ600に送り込まれる。フィニッシャ600は製本処理、綴じ処理、穴あけなどの処理を行う。また、フィニッシャ600の上部には、インサータ700が設けられており、表紙、合紙等をフィニッシャ600に給送する。
コントローラ制御部400はイメージリーダ200、プリンタ300、折り装置500およびフィニッシャ600と通信を行い、画像形成装置1の全体の制御を司る。
図2は、図1に示したコントローラ制御部400を含む制御部の全体構成を示すブロック図である。本例は、画像形成装置1を制御するコントローラ制御部400を中心に構成されている。なお、図2に示すサーバ装置453は図1に示した画像形成装置1と通信することで画像形成システムを構築し、後述する図6に示すS602で、画像形成装置1から通知される時刻がタイマ機能の電源オフから次回電源オン期間中であるかを判定する判定処理を行う。そして、サーバ装置453のCPUが電源オフ期間中でないと判定した場合、画像形成装置1の全体のシステムの電源復帰を行うためのパケットを画像形成装置1に送信する。同様に、サーバ装置453のCPUが電源オフ期間中であると判定した場合、画像形成装置1の一部のシステムの電源復帰を行うためのパケットを画像形成装置1に送信する。
【0019】
図2において、コントローラ制御部400は、操作部800の設定やサーバ装置453からの指示に基づいて原稿搬送装置100を制御する原稿搬送装置制御部101、イメージリーダ200を制御するイメージリーダ制御部201と通信を行い入力される原稿の画像データを取得する。また、コントローラ制御部400は、プリンタ300を制御するプリンタ制御部301と通信を行い、画像データをシートに印刷する。さらに、コントローラ制御部400は、折り装置500を制御する折り装置制御部501、フィニッシャ600を制御するフィニッシャ制御部601と通信を行い、印刷されたシートにステイプルやパンチ穴といった所望の出力を実現する。
【0020】
通信I/F451はサーバ装置453を接続するインターフェースであり、例えばネットワークやUSBなどの外部バス452で接続しサーバ装置453からのプリントデータを画像に展開して出力することを行う。
また、記憶部409は、例えばタイマ機能の設定情報やイメージリーダ制御部201より入力された画像データを一時的に保存することを行う。
【0021】
図3は、図2に示したコントローラ制御部400の構成を示すブロック図である。
図3において、コントローラ制御部400は主制御部408で制御され、オペレーティングシステム(以下、OS)で制御される。また、ネットワークやUSBインターフェースを制御する通信制御部405が接続される。主制御部408は、原稿搬送装置制御部101、イメージリーダ制御部201、プリンタ制御部301、折り装置制御部501、フィニッシャ制御部601、操作部800と接続され制御を司る。
第1の電源ON/OFF切り替え器403は、第1の電源404のON/OFFを切り替える。第2の電源ON/OFF切り替え器406は、主制御部408に電源を供給している第2の電源407のON/OFFを切り替える。第1の電源404および第2の電源407は、商用電源に接続されている。なお、第2の電源407は、電源スイッチ412を介して上記した商用電源411に接続されている。
補助電源401は、電源制御タイマ402に常時電源を供給し、電源制御タイマ402は独立に動作できる構成になっている。電源制御タイマ402は、第1の電源ON/OFF切り替え器403に接続され、第1の電源404のON/OFFをタイマ制御する。
【0022】
通信制御部405は、第2の電源ON/OFF切り替え器406に接続され、通信I/F451を介して受信したパケットを判断して第2の電源407のON/OFFを制御する。また、通信制御部405は、電源制御タイマ402の次回起動時刻を設定する。
また、主制御部408は、記憶部409に格納されたタイマ設定情報を取得し、通信制御部405を介して電源制御タイマ402に次回起動時刻を設定する。ここで、サーバ装置453は所定の時刻に通信I/F451を介して通信制御部405にパケットを送信するタイマ機能を有する。
【0023】
図4は、図2に示した画像形成装置1の操作部800の構成を示す平面図である。
図4において、LCD表示部900は、LCD上にタッチパネルシートが貼られており、システムの操作画面を表示するとともに、表示してあるキーが押されるとその位置情報をコントローラ制御部400に伝える。
テンキー801はコピー枚数など、数字の入力時に使用する。スタートキー802は、ユーザ所望の条件を設定した後、複写動作、原稿の読取り動作を開始する時などに用いる。ストップキー803は稼働中の動作を止めるときに使用する。省エネキー804はユーザが省電力モードへの移行、復帰を行うのに使用する。
【0024】
また、805はガイドキーであり、キーの機能が解らないとき押すとそのキーの説明が表示される。806はコピーモードキーであり、複写を行うときに押す。807はファクスキーであり、ファクスに関する設定を行うときに押す。808はファイルキーであり、ファイルデータを出力したいときに押す。809はプリンタキーであり、コンピュータ等の外部装置からのプリント出力に関する設定などを行うときに使用する。
【0025】
〔第1の電源復帰制御〕
図5は、本実施形態を示す画像形成装置1の制御方法を説明するフローチャートである。本例は、電力制御における第1の電源復帰制御例である。
【0026】
図6は、本実施形態を示す画像形成装置1のユーザインタフェース画面の一例を示す図である。本例は、電源復帰を複数の機能に対応づけられた選択部の選択状態に応じて実行するためにユーザが選択可能な機能をボタンBT1〜BT6に対応づけて表示した例である。ユーザは、このボタンBT1〜BT6のいずれか1つ、あるいは実行させたい機能に応じてボタンBT1〜BT6のうちの複数のボタンを選択する。なお、全てのボタンBT1〜BT6が選択された場合には、機能選択モードが解消され、通常起動モードに従って各部への電源復帰処理が実行される。なお、ボタンBT7は、シャットダウンボタンとして機能する。
【0027】
S501で、ユーザが手動で画像形成装置11が備える電源スイッチ412を操作してオン状態に移行させると、図3に示した第2の電源407がON状態になり、主制御部408に電源が供給される。このとき、主制御部408は、記憶部409に格納されたタイマ設定情報及び通信制御部405を介して電源制御タイマ402にアクセスし、現時刻を取得する。
【0028】
次に、S502で、主制御部408は、S501で取得したタイマ設定情報と現時刻を比較し、現時刻が電源オフ期間中(時間内)か否かを判断する。ここで、電源オフ期間中であると主制御部408が判断した場合は、S503へ進み、主制御部408は、画像形成装置1の機能を選択させる機能選択モードに移行する。なお、主制御部408が使用する電源オフ期間に関する情報(タイマ設定情報)は、記憶部409に記憶されている。
一方、S502で、電源オフ期間中でないと主制御部408が判断した場合は、時間外と判断してS506へ進む。そして、S506で、画像形成装置1の機能すべてを選択可能な通常起動モードに移行する。これにより、主制御部408は各制御部を介して、各機能に対応するユニットに対して電源復帰をさせる。
【0029】
ここで、通常起動モードとは、図1の画像形成装置1のイメージリーダ200およびプリンタ300からなる画像形成装置本体、折り装置500およびフィニッシャ600、原稿搬送装置100といった全てのシステムを各制御に介して電源復帰状態にすることである。
次に、S504で、主制御部408は、機能選択モードに従って操作部800の電源復帰を行い、図6に示すような選択画面(ユーザインタフェース画面)を図4のLCD表示部900に表示する。この時点では、表示された機能に対応する各部への電源復帰はなされておらず、画像形成装置本体は、節電状態にある。
【0030】
次に、S505で、ユーザは、図6に示した機能選択画面より使用する機能の項目を選択すると、主制御部408は、使用する機能(ユーザにより選択された機能)に応じて図1に示した画像形成装置1の各ユニットを図2に示した各制御部を介して電源復帰を行い、本処理を終了する。
例えば、図6に示した機能選択画面において、ボタンBT2を押下してスキャナ機能が選択された場合、主制御部408はイメージリーダ制御部201を介して、イメージリーダ200の電源復帰を行い、それ以外の電源復帰は行わない。また、例えば、図6に示した機能選択画面において、ボタンBT1を押下してコピー機能が選択された場合、主制御部408はプリンタ制御部301を介して、プリンタ300の電源復帰を行い、それ以外の電源復帰は行わない。
【0031】
〔第2実施形態〕
図7は、本実施形態を示す画像形成システムの制御方法を説明するフローチャートである。本例は、電力制御における第2の電源復帰制御例である。
なお、S602に伴い、サーバ装置453が備えるCPUは、図示しないステップにおいて、画像形成装1置から通知される電源をオン状態に移行した時刻がタイマ機能の電源オフ期間中であるかを判定する。ここで、サーバ装置453が備えるCPUが電源オフ期間中でないと判定した場合、画像形成装置1の全体のシステムの電源復帰を行うためのパケット(以下、パケットAとする)を画像形成装置1に送信する。サーバ装置453が備えるCPUが電源オフ期間中であると判定した場合、画像形成装置1の一部のシステムの電源復帰を行うためのパケット(以下、パケットBとする)を前記画像形成装置1に送信する。
以下、画像形成装置1の主制御部408がサーバ装置453と通信して行う電源復帰処理の流れを説明する。
画像形成装置1の主制御部408は、サーバ装置453から受信するパケットがパケットBであるかどうかを判断(S603の第1の判断)する。ここで、受信するパケットがパケットBでないと主制御部408が判断した場合、画像形成装置1によるタイマ機能の電源オフ期間中であるかどうかを判断する(S607の第2の判断)。そして、パケットBであると主制御部408が判断した場合、主制御部408が画像形成装置1の一部のシステムの電源復帰を行う。同様に、パケットBでないと主制御部408が判断し、かつ、画像形成装置1によるタイマ機能の電源オフ期間中であると判断した場合、画像形成装置1の一部のシステムの電源復帰を行う。以下、図7に示す手順に基づいて、本実施形態に示す画像形成システムにおける電源復帰処理の詳細例を説明する。
【0032】
S601で、ユーザが手動で画像形成装置1が備える電源スイッチを操作して電源をオン状態に移行させると、図3に示した第2の電源407がON状態になり、主制御部408に電源が供給される。このとき、主制御部408は、記憶部409に格納されたタイマ設定情報を取得する。また、主制御部408は、通信制御部405を介して電源制御タイマ402にアクセスし、現時刻を取得する。
【0033】
次に、S602では、S601で電源オン状態になることを、主制御部408は通信制御部405、通信I/F451および外部バス452を介して、所定のプロトコルを用いてサーバ装置453に通知する。ここで、サーバ装置453は、電源オンが通知された時間とサーバ装置453が有するタイマ設定情報を比較し、現在画像形成装置1が電源オフ期間中であるか否かを比較結果から判断する。ここで、電源オフ期間中であるとサーバ装置453が判断した場合、「電源オフ期間中」であることを通知するパケットBを通信制御部405に送信する。
【0034】
S603で、通信制御部405は、サーバ装置453から電源オフ期間中であることを通知するパケットBを受信したかどうかを判断する。ここで、サーバ装置453から電源オフ期間中であることを通知するパケットBを受信したと通信制御部405が判断した場合、通信制御部405は、その旨を主制御部408に通知する。このようにして、主制御部408が電源オフ期間中である旨の通知を受信すると、S604へ進み、電源オフ期間中である旨の通知を受信していないと判断した場合は、S607へ処理を進める。
【0035】
なお、S604〜S606は第1の電源復帰制御に示したS503〜S505と同様で、S607〜S611は、第1の電源復帰制御に示したS502〜S506と同様の処理を行う。
このように画像形成装置1の電源状態を管理する装置が、ネットワークのサーバ装置453である場合でも、サーバ装置453が個別的に管理する画像形成装置1の電源オフ期間を通知するパケットを用いて第2の電源復帰制御を実現できる。
【0036】
〔第3実施形態〕
図8は、本実施形態を示す画像形成装置1のユーザインタフェース画面の一例を示す図である。図8に示した画面は、次に電源をオフにする時間を設定するための画面であって、ボタンBT11〜BT16が表示されている。当該画面において、ユーザがボタンBT11〜BT16を選択することで、各ボタンBT11〜16に対応した時間経過後、あるいは指定時刻を、次に画像形成装置1の電源をオフにする時間を設定することができる。なお、ボタンBT17は、選択したボタンBT11〜BT16に対応した機能を確定するためのボタンとして機能する。
なお、自動電源オフ機能は、第1および第2の電源復帰制御のようにタイマ機能による電源オフ期間中にユーザが手動で画像形成装置1の電源スイッチを電源オンにしたときに有効となる。
【0037】
なお、次に画像形成装置1の電源をオフにする時間は、例えば30分といった決められた時間がデフォルトで設定されていても良い。
本実施形態によれば、自動電源オフ機能が有効なとき、コントローラ制御部400は操作部800に図8に示すようなユーザインタフェース画面をLCD表示部900に表示する。
【0038】
これにより、画像形成装置1を以下のタイミングで起動した後、ユーザがボタンBT11〜BT16を選択してから所定時間経過後、あるいは指定された時刻を次回の電源オフ時刻として画像形成装置1の電源を制御することができる。
ここで、画像形成装置1を起動するタイミングとは、画像形成装置1がタイマ機能による電源オフ期間中において、ユーザが手動で画像形成装置1の電源スイッチをオンにした時、サーバ装置453から送信されるパケットを受信した時である。
【0039】
このとき、図8に示したユーザインタフェース画面でユーザが選択したボタンBT11〜BT16等に対応する自動電源オフ時間は、操作部800から主制御部408を介して、電源制御タイマ402に設定される。そして、自動電源オフ時間となったとき、電源制御タイマ402は、通信制御部405を介して第2の電源ON/OFF切り替え器406に通知し、第2の電源ON/OFF切り替え器406は、第2の電源407をOFFに切り替え画像形成装置の電源をオフ状態に遷移させる。
【0040】
〔第4実施形態〕
図9は、本実施形態を示す画像形成装置1の電源がオン又はオフになるタイミングを示したタイミングチャートである。本例は、電源オフ期間内において、ユーザが手動で電源をオンした場合における画像形成装置1の電源がオン又はオフになるタイミングを示す。
【0041】
上述したようにタイマ機能により画像形成装置1の電源がオンになる時間またはオフになる時間が設定されていて、かつ第3実施形態の自動電源オフ機能が設定されている場合に、図9のようにタイマ機能により画像形成装置1の電源がオンになる時間(以下、タイマ機能による電源オン時間)と、自動電源オフ機能により画像形成装置の電源がオフになる時間(以下、自動電源オフ時間)とが競合する可能性がある。
【0042】
そこで、主制御部408は、タイマ機能による電源オン時間と、自動電源オフ時間とが、競合するかどうかを以下のように判断する。具体的には、主制御部408が記憶部409に保存されているタイマ設定情報を読み出す。なお、主制御部408は、図8に示すUI画面において、ユーザが選択するボタンに対応づけた自動電源オフ時間を操作部800から受け付けて、自動電源オフ時間とタイマ機能による電源オン時間とを比較する。
【0043】
ここで、主制御部408が、自動電源オフ時間がタイマ機能による電源オン時間を超えると判断した場合、主制御部408は設定された自動電源オフ時間を電源制御タイマ402に設定せずに無効とする。
また、主制御部408は記憶部409に保存されているタイマ機能による電源オン時間を読み出し、当該電源オン時間を超えない選択時間のみを表示するよう操作部800を制御してもよい。
〔第5実施形態〕
【0044】
上記第1実施形態では、記憶部409に記憶されているタイマ設定情報に基づいて画像形成装置1の電源をオンまたはオフにする例について説明した。また、上記第2実施形態では、サーバ装置435が有するタイマ設定情報に基づいて画像形成装置1の電源をオンまたはオフにする例について説明した。
本実施形態では、後述する図10に示すUI画面を用いてユーザが、画像形成装置1の電源をオフにするために、いずれのタイマ(画像形成装置1内のタイマ、又は、サーバのタイマ)を優先できるかを選択できるように構成している。
【0045】
図10は、本実施形態を示す画像形成装置1のユーザインタフェース画面の一例を示す図である。本例は、タイマ優先度選択画面である。本実施形態では、画像形成装置1内のタイマ機能による画像形成装置1の電源のオンまたはオフと、サーバ装置453が送信するパケットによる画像形成装置1の電源のオンまたはオフと、のいずれを優先させるかをユーザがボタンを操作して選択する例を示す。
主制御部408は、以下に示す第1または第2の表示タイミングで図10に示すUI画面を操作部800に表示する制御を実行する。
第1の表示タイミングは、サーバ装置453に設定されているタイマ設定情報を読み出した時である。第2の表示タイミングは、記憶部409に記憶されているタイマ設定情報を読み出した時である。
【0046】
これにより、主制御部408が図10に示すUI画面を操作部800に表示した際に、ユーザは、ボタンBT21、BT22のいずれかを選択することで、画像形成装置の電源を制御するデバイスを選択する。なお、BT23は、選択したボタンBT21およびボタンBT22に対応したタイマを確定するためのOKボタンとして機能する。
〔第6実施形態〕
上記実施形態では、タイマ機能による電源オン/オフ時間と、サーバ装置453が送信する電源オン/オフ指示パケット送信時間とのいずれを優先させるかをユーザがボタンを操作して選択する例を説明した。
これに対して、画像形成装置1において、自動で電源をオフする所定時間と、タイマ機能による次回電源オン時間とが競合する場合に、所定時間または次回電源オン時間のいずれを優先させるかをユーザが選択できるように構成してもよい。
〔第7実施形態〕
上記実施形態において、自動で電源をオフする所定時間にジョブが投入された場合に、当該ジョブの処理を終了した後、自動で電源をオフする制御を各実施形態に組み入れてもよい。
また、各実施形態の処理の一部あるいは、一部の処理に代えて他の実施形態の処理を組み入れてなる実施形態も本発明の趣旨に反するものではない。
【0047】
本発明の各工程は、ネットワーク又は各種記憶媒体を介して取得したソフトウエア(プログラム)をパソコン(コンピュータ)等の処理装置(CPU、プロセッサ)にて実行することでも実現できる。
【0048】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
【符号の説明】
【0049】
400 コントローラ制御部
401 補助電源
402 電源制御タイマ
403 第1の電源ON/OFF切り替え器
404 第1の電源
405 通信制御部
406 第2の電源ON/OFF切り替え器
407 第2の電源
408 主制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の機能を実行することが可能な画像形成装置であって、
前記複数の機能を実行するための各ユニットに供給される電力を停止する時間を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段が記憶する時間内に電源スイッチがオンされた場合に、当該電源スイッチがオンされた時間が前記記憶手段により記憶される時間内か否かを判断する判断手段と、
前記判断手段により前記電源スイッチがオンされた時間が前記記憶手段により記憶される時間内だと判断された場合に、前記複数の機能の各々に対応する複数の選択部を表示する表示手段と、
前記表示手段に表示される前記複数の選択部の何れかが選択された場合に、当該選択された選択部に対応する機能を実行するためのユニットに電力を供給し、選択されなかった選択部に対応する機能を実行するためのユニットに電力を供給しない電力制御手段と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記判断手段により前記電源スイッチがオンされた時間が前記記憶手段により記憶される時間外だと判断された場合に、前記電力制御手段は、前記複数の機能を実行するための各ユニットに電力を供給する、ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記電力制御手段が前記選択された選択部に対応する機能を実行するためのユニットに電力を供給する場合、当該電力が供給されるユニットへの電力の供給を停止する時間を設定する設定手段をさらに備え、
前記電力制御手段は、前記設定手段により設定された時間に基づいて、電力が供給されるユニットへの電力の供給を停止する、ことを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記設定手段により設定される時間と、前記記憶手段に記憶される時間とを比較する比較手段をさらに備え、
前記電力制御手段は、前記比較手段による比較結果に基づいて、電力が供給されるユニットへの電力の供給を停止するタイミングを制御する、ことを特徴とする請求項3または4に記載の画像形成装置。
【請求項5】
複数の機能を実行することが可能な画像形成装置であって、
前記複数の機能を実行するための各ユニットに供給される電力を停止する時間を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段が記憶する時間内に電源スイッチがオンされた場合に、当該電源スイッチがオンされた時間が前記記憶手段により記憶される時間内か否かを判断する判断手段と、
前記判断手段により前記電源スイッチがオンされた時間が前記記憶手段により記憶される時間内だと判断された場合に、前記記憶手段が記憶する時間が終了するまで、前記複数の機能を実行するための各ユニットの一部に電力が供給されるのを制限する制限手段と、を備えることを特徴とする、画像形成装置。
【請求項6】
複数の機能を実行することが可能な画像形成装置の制御方法であって、
前記複数の機能を実行するための各ユニットに供給される電力を停止する時間を記憶手段に記憶する記憶工程と、
前記記憶手段が記憶する時間内に電源スイッチがオンされた場合に、当該電源スイッチがオンされた時間が前記記憶手段により記憶される時間内か否かを判断する判断工程と、
前記判断工程により前記電源スイッチがオンされた時間が前記記憶手段により記憶される時間内だと判断された場合に、前記複数の機能の各々に対応する複数の選択部を表示手段に表示する表示工程と、
前記表示手段に表示される前記複数の選択部の何れかが選択された場合に、当該選択された選択部に対応する機能を実行するためのユニットに電力を供給し、選択されなかった選択部に対応する機能を実行するためのユニットに電力を供給しない電力制御工程と、を備えることを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項7】
複数の機能を実行することが可能な画像形成装置を制御するコンピュータを、
前記複数の機能を実行するための各ユニットに供給される電力を停止する時間を記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、
前記記憶手段が記憶する時間内に電源スイッチがオンされた場合に、当該電源スイッチがオンされた時間が前記記憶手段により記憶される時間内か否かを判断する判断手段と、
前記判断手段により前記電源スイッチがオンされた時間が前記記憶手段により記憶される時間内だと判断された場合に、前記複数の機能の各々に対応する複数の選択部を表示手段に表示させる表示制御手段と、
前記表示手段に表示される前記複数の選択部の何れかが選択された場合に、当該選択された選択部に対応する機能を実行するためのユニットに電力を供給し、選択されなかった選択部に対応する機能を実行するためのユニットに電力を供給しない電力制御手段として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−111755(P2013−111755A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−256960(P2011−256960)
【出願日】平成23年11月25日(2011.11.25)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】