説明

画像形成装置及び画像形成プログラム

【課題】処理を簡素化しながらユーザー所望の印刷結果を得ることが可能な画像形成装置及び画像形成プログラムを提供する。
【解決手段】同種のPDLデータを解析可能な機能の異なる第1及び第2のデータ解析部13,15と、ユーザー側から入力されたPDLデータをデフォルト設定された第1及び第2のデータ解析部15の何れかに解析を行わせる解析制御部17と、少なくともデフォルト設定された第1及び第2のデータ解析部13,15の何れかに対する入力されたPDLデータの対応傾向を判断する傾向判断部19と、対応傾向に応じて第1及び第2のデータ解析部13,15の何れかを再デフォルト設定するデフォルト設定部21とを備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザー側からの入力された印刷データに基づいて印刷出力を行う画像形成装置及び画像形成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の画像形成装置としては、複数のインタープリターを備え、複数のインタープリターがPDFやPostScript等の異種言語にそれぞれ対応しているものがある。この画像形成装置では、入力された印刷データを、その言語に対応したインタープリターにより解析して印刷出力を行うことができる(例えば特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら、従来の画像形成装置では、各言語に対して1つずつのインタープリターを備えた構成であるため、例えばインタープリターの保存先の故障や読み込みエラーが発生した場合に印刷データが印刷不能(処理不能)になる問題があった。
【0004】
これに対し、プログラムの更新時等に旧プログラムも保持しておき、新プログラムの実行時にエラーが発生すると旧プログラムに移行する技術がある。この技術では、新プログラムでのエラー時にも同種の旧プログラムによる処理続行が可能となる(例えば特許文献2参照)。
【0005】
しかしながら、新プログラムでのエラーが発生しない限り旧プログラムに移行しないため、旧プログラムを積極的に利用することができなかった。
【0006】
例えば、ユーザーによっては、新プログラムでエラーを生じさせる処理対象データを相対的に多く保持していることもある。この場合、ユーザー所望の処理結果を得るには、常に新プログラムでエラーを発生させてから旧プログラムに移行する必要があり、処理が煩雑となっていた。
【0007】
また、データによっては、旧プログラムが処理に適しているような場合もあるが、常に新プログラムで処理されてユーザー所望の処理結果を得ることができないおそれもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−173801号公報
【特許文献2】特開平7−261989号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明が解決しようとする問題点は、ユーザー所望の印刷結果を得るには処理が煩雑となる点である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、処理を簡素化しながらユーザー所望の印刷結果を得るため、同種の印刷データを解析可能な機能の異なる複数のデータ解析部と、ユーザー側から入力された印刷データをデフォルト設定された前記複数のデータ解析部の何れかに前記解析を行わせる解析制御部と、少なくとも前記複数のデータ解析部の何れかに対する前記入力された印刷データの対応傾向を判断する傾向判断部と、前記対応傾向に応じて前記複数のデータ解析部の何れかを再デフォルト設定するデフォルト設定部とを備えたことを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、再度デフォルト設定後は、ユーザーの印刷データの対応傾向に応じたデータ解析部を通じて印刷処理を行わせることができ、処理を簡素化しながらユーザー所望の印刷結果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】画像形成装置の概略構成を示す要部ブロック図である(実施例1)。
【図2】画像形成処理のフローチャートである(実施例1)。
【図3】再デフォルト設定処理のフローチャートである(実施例1)。
【図4】再デフォルト設定処理のフローチャートである(実施例2)。
【発明を実施するための形態】
【0013】
処理を簡素化しながらユーザー所望の印刷結果を得るという目的を、ユーザー側から入力された印刷データの対応傾向に応じ、複数の同種のデータ解析部の何れかをデフォルトに設定することで実現した。
【0014】
対応傾向としては、エラー頻度或いは印刷データ内の各オブジェクト種別のカウント数等とすることができる。対応傾向の判断においては、過去数回分等の所定数の印刷データから判断するのが好ましい。
【0015】
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0016】
[画像形成装置の構成]
図1は本発明の実施例1に係る画像形成装置の概略構成を示す要部ブロック図である。
【0017】
本実施例の画像形成装置1は、例えばデジタル複合機等のプリンタに適用され、ユーザー側から入力された印刷データを解析して印刷出力を行うものである。この画像形成装置1は、制御部3及び記憶部5を備えている。
【0018】
制御部3は、ソフトウェアプログラムを実行して各種制御や作業を行わせるCPU(Central Process Unit)等の制御要素である。
【0019】
記憶部5は、各種制御のアプリケーション、制御に必要なデータ或いは処理対象のデータを記憶するROM(Read Only Memory)7、RAM(Random Access Memory)9、HDD(Hard Disk Drive)11等を含む記憶装置である。
【0020】
本実施例の画像形成装置1では、制御部3において記憶部5内のプログラムを実行することで、第1及び第2のデータ解析部13,15と、解析制御部17と、傾向判断部19と、デフォルト設定部21とを機能構成として備える。
【0021】
第1及び第2のデータ解析部13,15は、データ解析手順を実現するものであり、いわゆるインタープリターからなる。従って、第1及び第2のデータ解析部13,15は、ユーザー側から入力された印刷データとしてのPDL(ページ記述言語)データを解析可能となっている。
【0022】
なお、解析可能なPDLデータは、POSTSCRIPT、PDF、PCL、XPS等の所定の言語で記述されるが、本実施例では、PDLデータがPDFで記述されている場合を例に説明する。
【0023】
第1のデータ解析部13は、記憶部5のROM7内のプログラムを実行することで構成される。この第1のデータ解析部13は、例えばPOSTSCRIPT3インタープリターであり、少なくともPDF及びPOSTSCRIPTで記述されたPDLデータを解析できる。
【0024】
第2のデータ解析部15は、記憶部5のHDD11内のプログラムを実行することで構成される。第2のデータ解析部15は、例えばPDFインタープリターであり、PDFで記述されたPDLデータを解析できる。
【0025】
なお、データ解析部としては、第1及び第2のデータ解析部13,15以外にも、例えばPCLやXPSインタープリターからなるデータ解析部を更に備えることも可能である。
【0026】
第1及び第2のデータ解析部13,15は、上記のように同種(PDF)のPDLデータを解析可能であるが、その機能が異なっている。例えば、第2のデータ解析部15は、第1のデータ解析部13とは新旧異なるバージョンのPDFに対応し、第1のデータ解析部13では処理できない透明化処理が可能となっている。なお、かかる機能の相違は、一例であり、他の異なる機能を有するようにすることも可能である。
【0027】
これらの第1及び第2のデータ解析部13,15は、何れか一方がデフォルト設定されており、PDFで記述されたPDLデータが入力されるとデフォルト設定された第1及び第2のデータ解析部13,15の一方で解析を行う。本実施例では、第2のデータ解析部15がデフォルト設定されている。なお、デフォルト設定は、ユーティリティソフトやプリンタの操作パネル等からユーザー毎に行わせることができる。
【0028】
PDLデータの解析結果からは、ディスプレイリスト等の中間データが生成され、中間データからは、ビットマップ形式等の描画データが図示しない描画処理部において生成される。生成された描画データからは、図示しない出力エンジンによって用紙上への印刷出力が行われる。
【0029】
解析制御部17は、解析制御手順を実現するものであり、ユーザー側から入力されたPDLデータをデフォルト設定された第2のデータ解析部15で解析させる。第2のデータ解析部15でエラーが生じた場合には、デフォルト設定ではない第1のデータ解析部13で解析を行わせる。
【0030】
なお、第2のデータ解析部15でのエラーとしては、その解析処理前に発生する装置に依存した状態エラー及び解析処理時に発生する処理エラーがある。状態エラーは、例えば第2のデータ解析部15の保存先であるHDD11の故障等であり、処理エラーは、例えば第2のデータ解析部15読み込みエラーやPDFのバージョンに対する機能の対応不良等である。
【0031】
また、解析制御部17は、ユーザー毎にPDLデータの入力数及びエラー数をカウントする。それらのカウント数は、記憶部5のHDD11内に記憶される。
【0032】
傾向判断部19は、傾向判断手順を実現するものであり、第1及び第2のデータ解析部13,15に対し、入力されたPDLデータの対応傾向を判断する。本実施例の対応傾向は、所定数のPDLデータに対するエラー発生回数(エラー頻度)であり、ユーザー毎に判断される。これにより、特定のユーザーからのPDLデータが第2のデータ解析部15でエラーを生じさせ易いか否か(エラー頻度が高いか否か)を判断できる。
【0033】
デフォルト設定部21は、デフォルト設定手順を実現するものであり、判断された対応傾向に応じて第1のデータ解析部13を再デフォルト設定する。具体的には、第2のデータ解析部15でエラー頻度が高い場合に、そのユーザーに対して第1のデータ解析部13をデフォルトに設定し直す。
[画像形成処理]
図2は、本発明の実施例1に係る画像形成処理のフローチャートである。
【0034】
画像形成装置1では、PDLデータがユーザー側から入力されると、図2の画像形成処理のフローチャートが開始する。
【0035】
画像形成処理では、まずステップS1において「状態エラーなし?」の処理が実行される。すなわち、解析制御部17は、第2のデータ解析部15でHDD11の故障等による状態エラーが発生しているか否かを判断する。
【0036】
状態エラーが発生していない場合(YES)は、ステップS2へ移行し、発生している場合(NO)は、ステップS3へ移行する。
【0037】
ステップS2では、「第2のデータ解析部を通じた印刷開始」の処理が実行される。すなわち、解析制御部17は、第2のデータ解析部15によるPDLデータの解析を行わせ、第2のデータ解析部15を通じた印刷を開始させる。こうしてステップS2が完了すると、ステップS4へ移行する。
【0038】
ステップS4では、「処理エラーなし?」の処理が実行される。すなわち、解析制御部17は、ステップS2において、第2のデータ解析部15の読み込みエラーやPDFへの対応不良等による処理エラーが発生したか否かを判断する。
【0039】
処理エラーがない場合(YES)は、ステップS5へ移行し、処理エラーがあった場合(NO)は、ステップS3へ移行する。
【0040】
ステップS3では、「第1のデータ解析部を通じた印刷開始」の処理が実行される。すなわち、解析制御部17は、第2のデータ解析部15で状態エラー又は処理エラーが生じていることから、第1のデータ解析部13で解析を行わせる。これにより、デフォルト設定ではない第1のデータ解析部13を通じた印刷が開始され、ステップS5へ移行する。
【0041】
ステップS5では、「印刷出力」の処理が実行される。すなわち、状態エラー及び処理エラーがない場合は第2のデータ解析部15が、状態エラー又は処理エラーがあった場合は第1のデータ解析部13が、それぞれPDLデータの解析による中間データを生成する。
【0042】
中間データからは、描画処理部により描画データが生成され、描画データからは、出力エンジンにより用紙上に画像形成(印刷)が行われる。
【0043】
このように画像形成処理では、デフォルト設定の第2のデータ解析部15においてエラーが発生した場合でも、デフォルト設定されていない第1のデータ解析部13によるPDLデータの解析を通じた印刷処理を続行することができる。
【0044】
また、第1及び第2のデータ解析部13,15は、保存先が異なるプログラムに基づくため、解析処理時の処理エラーだけでなく解析処理前の装置に依存した状態エラーにも対応することができる。
【0045】
かかる画像形成処理とは別に、本実施例ではデータ解析部の再デフォルト設定処理が行われる。
【0046】
図3は、本発明の実施例1に係る再デフォルト設定処理のフローチャートである。
【0047】
図3の再デフォルト設定処理のフローチャートは、画像形成処理の場合と同様に、ユーザー側からPDLデータが入力されると開始する。
【0048】
再デフォルト設定処理は、まずステップS11において、「PDLデータの入力数カウント」の処理が実行される。すなわち、解析制御部17は、PDLデータを入力したユーザー(以下、「入力ユーザー」と称することがある)について、PDLデータの入力数をカウントする。カウントは、例えばPDLデータが入力される度に記憶部5のHDD11内の入力数に「1」を加算すればよい。
【0049】
こうしてステップS11が完了し、ステップS12へ移行する。
【0050】
ステップS12では、「処理エラーあり?」の処理が実行される。この処理は、図2の画像形成処理のステップS4と同一処理である。処理エラーがある場合(YES)はステップS13へ移行し、処理エラーがない場合は再デフォルト設定処理が終了して第2のデータ解析部15のデフォルト設定が維持される。
【0051】
ステップS13では、「エラー数カウント」の処理が実行される。この処理は、上記ステップS11と同様にして、解析制御部17が入力ユーザーについて処理エラー数をカウントする。こうしてステップS13が完了し、ステップS14へ移行する。
【0052】
ステップS14では、「入力数が所定回数?」の処理が実行される。すなわち、傾向判断部19は、入力ユーザーについて、PDLデータ入力の累積カウント数が所定回数に達しているか否かを判断する。所定回数に達している場合(YES)はステップS15へ移行し、達していない場合(NO)は再デフォルト設定処理が終了して第2のデータ解析部15のデフォルト設定が維持される。
【0053】
ステップS15では、「エラー頻度が高い?」の処理が実行される。すなわち、傾向判断部19は、所定回数のPDLデータの入力に対して蓄積されたエラー発生数やエラー発生割合を所定の閾値と比較し、エラー頻度の高低を判断する。
【0054】
エラー頻度が高い場合(YES)はステップS16へ移行し、低い場合(NO)は再デフォルト設定処理が終了して第2のデータ解析部15のデフォルト設定が維持される。
【0055】
ステップS16では、「再デフォルト設定」が行われる。すなわち、デフォルト設定部21は、第2のデータ解析部15に代えて第1のデータ解析部13をデフォルトに設定し直す。
【0056】
これにより、特定のユーザーからのPDLデータが第2のデータ解析部15で処理エラーを生じさせ易い傾向があっても(エラー傾向が高い場合であっても)、その後のPDLデータに対する処理エラーの発生を抑制することができる。
【0057】
なお、第1のデータ解析部13をデフォルト設定している場合は、上記とは逆に第2のデータ解析部15が再デフォルト設定されるように処理を行えばよい。また、再デフォルト設定処理を繰り返し行えば、両データ解析部13,15に対する対応傾向に応じた再デフォルト設定が可能となる。
[実施例1の効果]
本実施例の画像形成装置1では、同種のPDLデータを解析可能な機能の異なる第1及び第2のデータ解析部13,15と、ユーザー側から入力されたPDLデータをデフォルト設定された第1及び第2のデータ解析部15の何れかに解析を行わせる解析制御部17と、少なくとも第1及び第2のデータ解析部13,15の何れかに対する入力されたPDLデータの対応傾向を判断する傾向判断部19と、対応傾向に応じて第1及び第2のデータ解析部13,15の何れかを再デフォルト設定するデフォルト設定部21とを備えている。
【0058】
従って、再度デフォルト設定後は、ユーザーのPDLデータの対応傾向に応じたデータ解析部を通じて印刷処理を行わせることができる。この結果、本実施例では、処理を簡素化しながらユーザー所望の印刷結果を得ることができる。
【0059】
本実施例の対応傾向は、エラー頻度であり、デフォルト設定部21は、デフォルト設定の第2のデータ解析部15でのエラー頻度が高い場合に第1のデータ解析部13を再デフォルト設定する。
【0060】
すなわち、本実施例では、特定ユーザーに対して再度デフォルト設定後のPDLデータの処理エラーの発生を抑制して、処理を簡素化しながらユーザー所望の印刷結果を得ることができる。
【0061】
また、本実施例では、デフォルト設定部21が所定数のPDLデータから判断された対応傾向に応じて再デフォルト設定を行うので、より確実にユーザーからのPDLデータの対応傾向を判断することができる。
【実施例2】
【0062】
以下、本発明の実施例2に係る画像形成装置について説明する。なお、本実施例の画像形成装置については、上記実施例1の画像形成装置と同一構成であるため、図1を参照しながら説明する。ただし、上記実施例1と対応する部分については重複した説明を省略する。
【0063】
実施例2の画像形成装置1は、上記実施例1のエラー頻度による対応傾向に代えて、PDLデータ内のオブジェクト種別毎のカウント数を対応傾向としたものである。
【0064】
このため、第1及び第2のデータ解析部13,15は、PDLデータの解析時に文字(フォント)や図画(イメージ)のオブジェクト種別毎に処理数をカウントする。カウント数は、記憶部5のHDD11内に記憶される。
【0065】
傾向判断部19は、所定数のPDLデータに対し、相対的にカウント数の多いオブジェクト種別を判断する。これにより、特定のユーザーからのPDLデータが、第1及び第2のデータ解析部13,15の何れで処理するのが適しているかを判断できる。本実施例では、フォントのカウント数が相対的に高い場合に第2のデータ解析部15が、イメージのカウント数が相対的に高い場合に第1のデータ解析部13が適している。
【0066】
デフォルト設定部21は、フォントのカウント数が相対的に高い場合に第2のデータ解析部15を、イメージのカウント数が相対的に高い場合に第1のデータ解析部13を再デフォルト設定する。
【0067】
図4は、本発明の実施例2に係る再デフォルト設定処理のフローチャートである。
【0068】
本実施例の再デフォルト設定処理のフローチャートは、上記実施例1の再デフォルト設定と同様に、ユーザー側からPDLデータが入力されると開始する。
【0069】
再デフォルト設定は、まずステップS21において、実施例1のステップS11と同様に「PDLデータの入力数カウント」の処理が実行されてステップS22へ移行する。
【0070】
ステップS22では、「オブジェクト種別毎の処理数カウント」の処理が実行される。この処理では、PDLデータの解析時にフォント及びイメージの処理数をカウントする。なお、ステップS22は、上記実施例1の画像形成処理のステップS2又はS4のように印刷開始の処理が実行された時に行われる。
【0071】
こうしてステップS22が完了すると、ステップS23へ移行する。
【0072】
ステップS23では、実施例1のステップS14と同様に「入力数が所定回数?」の処理が実行される。所定回数に達している場合(YES)はステップS24へ移行し、達していない場合(NO)は再デフォルト設定処理が終了する。
【0073】
ステップS24では、「カウント数が高いオブジェクト抽出」の処理が実行される。すなわち、傾向判断部19は、オブジェクト毎のカウント数を相互に比較して、カウント数が相対的に高いオブジェクトを抽出する。これにより、ステップS24が完了して、ステップS25へ移行する。
【0074】
ステップS25では、「再デフォルト設定」の処理が実行される。この処理では、ステップS24で抽出されたオブジェクトに適した第1及び第2のデータ解析部13,15の何れかを再デフォルト設定する。
【0075】
すなわち、デフォルト設定部21は、フォントのオブジェクトが抽出された場合に第2のデータ解析部15を、イメージのオブジェクトが抽出された場合に第1のデータ解析部13を再デフォルト設定する。ただし、本実施例では、第2のデータ解析部15が事前にデフォルト設定されているため、フォントのオブジェクトが抽出された場合にはそのデフォルト設定が維持されることになる。
【0076】
再デフォルト設定後は、特定のユーザーのPDLデータに対し、相対的に多いオブジェクト種別に適したデータ解析部を通じて印刷処理を行わせることができ、処理を簡素化しながらユーザー所望の印刷結果を得ることができる。
【0077】
その他、本実施例においても、上記実施例1と同様の作用効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0078】
1 画像形成装置
13 第1のデータ解析部
15 第2のデータ解析部
17 解析制御部
19 傾向判断部
21 デフォルト設定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
同種の印刷データを解析可能な機能の異なる複数のデータ解析部と、
ユーザー側から入力された印刷データをデフォルト設定された前記複数のデータ解析部の何れかに前記解析を行わせる解析制御部と、
少なくとも前記複数のデータ解析部の何れかに対する前記入力された印刷データの対応傾向を判断する傾向判断部と、
前記対応傾向に応じて前記複数のデータ解析部の何れかを再デフォルト設定するデフォルト設定部と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像形成装置であって、
前記デフォルト設定部は、所定数の印刷データから判断された対応傾向に応じて前記再デフォルト設定を行う、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の画像形成装置であって、
前記対応傾向は、エラー頻度であり、
前記デフォルト設定部は、前記デフォルト設定のデータ解析部でのエラー頻度が高い場合に他のデータ解析部の何れかを再デフォルト設定する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1又は2記載の画像形成装置であって、
前記対応傾向は、前記印刷データ内のオブジェクト種別毎のカウント数であり、
前記デフォルト設定部は、相対的に前記カウント数の多いオブジェクト種別に適したデータ解析部を再デフォルト設定する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
同種の印刷データを解析可能な機能の異なる複数のデータ解析手順と、
ユーザー側から入力された印刷データをデフォルト設定された前記複数のデータ解析手順の何れかで前記解析を行わせる解析制御手順と、
少なくとも前記複数のデータ解析手順の何れかに対する前記入力された印刷データの対応傾向を判断する傾向解析手順と、
前記対応傾向に応じて前記複数のデータ解析手順の何れかを再デフォルト設定するデフォルト設定手順と、
をコンピューターに実行させることを特徴とする画像形成プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−111779(P2013−111779A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−257456(P2011−257456)
【出願日】平成23年11月25日(2011.11.25)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】