画像形成装置
【課題】 認証手段の利便性を保ちつつ、消費電力を低減できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】 プリンタ1は、ストレージ23に記憶されている登録ジョブをチェックし、ユーザ認証が行われる可能性が高い場合、即ち、認証情報入力装置25が最後に使用されてからの経過時間が設定された時間閾値よりも短い場合、新規に記憶された登録ジョブがユーザ認証を必要とするジョブである場合、その登録ジョブのユーザがカード認証を行う可能性が高い場合、ユーザ認証を必要とする登録ジョブに対応するユーザ数が多い場合などに認証情報入力装置25に電力を供給する。そのため、ユーザは自ら認証情報入力装置25に電力を供給するための入力操作を行ったり、認証情報入力装置25においてユーザ認証が可能となるまでの起動時間を待つ必要が無くなる結果、利便性を向上しつつ、電力供給の無駄を低減することができる。
【解決手段】 プリンタ1は、ストレージ23に記憶されている登録ジョブをチェックし、ユーザ認証が行われる可能性が高い場合、即ち、認証情報入力装置25が最後に使用されてからの経過時間が設定された時間閾値よりも短い場合、新規に記憶された登録ジョブがユーザ認証を必要とするジョブである場合、その登録ジョブのユーザがカード認証を行う可能性が高い場合、ユーザ認証を必要とする登録ジョブに対応するユーザ数が多い場合などに認証情報入力装置25に電力を供給する。そのため、ユーザは自ら認証情報入力装置25に電力を供給するための入力操作を行ったり、認証情報入力装置25においてユーザ認証が可能となるまでの起動時間を待つ必要が無くなる結果、利便性を向上しつつ、電力供給の無駄を低減することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザ認証を行う認証手段を備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置にユーザ認証を行う認証手段を設け、ユーザ認証を行った場合に送信したジョブの印刷が開始されるように構成された画像形成装置が用いられている。認証手段としては、例えばユーザのIDが記録されたICカードを読み取るカードリーダなどが用いられている。
【0003】
認証手段を備えた画像形成装置を常時作動させておくことは不要な電力消費に繋がる。そこで、認証手段を備えた画像形成装置の消費電力を節約する技術として、次の特許文献1に示すような技術が開示されている。
【0004】
特許文献1に記載されたシステムでは、プリンタに認証キーを認証する認証インターフェースを設けている。プリンタは通常省電力モードとなっており、クライアントPCが印刷要求を行いプリンタに印刷データが送信されると、プリンタは省電力モードから通常モードへ移行する。そして、認証キーによる認証をした後に、印刷処理を実行する(特許文献1における図2、3参照)。
【0005】
また特許文献1には、認証キーをプリンタの認証インターフェースにて認証した時点で、プリンタが省電力モードから通常モードへ移行する構成も記載されている(特許文献1における図4、5参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−172493号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1に記載された構成では、プリンタの省電力については開示されているものの、認証手段の省電力については考慮されていなかった。例えば、上記特許文献1に記載された前者の構成では、プリンタは印刷データを受信した時点で通常モードに移行する。認証インターフェースを含むユーザ認証のための機構(認証手段)はプリンタの一部であるため、プリンタが通常モードに以降すると同時に作動可能な状態となる。
【0008】
印刷データの中には、例えば情報漏洩のリスクが小さいなどの理由により、ユーザ認証が不要であるものも存在する。上記プリンタでは、そのような印刷データに基づいて印刷を実行する場合においても認証手段は作動するため、認証手段はその機能が必要でない場合であっても電力を消費し続けることとなる。
【0009】
また、上記特許文献1に記載された後者の構成では、プリンタ自体は省電力モードであっても、認証キーによる認証を行うために認証手段は起動している必要がある。その結果、認証手段を常時作動させておくか、あるいは認証手段の電源を切っておきユーザが手動で認証手段を起動させる構成が考えられる。しかしながら、認証手段が作動し続ければ認証手段の省電力は達成できない。また、ユーザが認証手段を起動させる場合、ユーザは認証手段が起動するまで待機する必要があり、使い勝手が悪くなるという問題があった。
【0010】
本発明の目的は、認証手段の利便性を保ちつつ、消費電力を低減できる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した問題を解決するためになされた発明は、被記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、上記画像形成手段に画像を形成させるためのジョブを取得する取得手段と、上記取得手段により取得されたジョブを記憶する記憶手段と、上記記憶手段に記憶されているジョブがユーザ認証を必要とするジョブであるか、あるいはユーザ認証を必要としないジョブであるかを判断する判断手段と、ユーザによる所定の操作によってユーザ認証を行う認証手段と、上記ジョブが上記ユーザ認証を必要とする場合には、上記認証手段によりユーザ認証が行われたことを条件として上記画像形成手段に当該ジョブに基づく画像の形成を許可し、上記ジョブが上記ユーザ認証を必要としない場合には、上記認証手段によりユーザ認証が行われたことを条件とすることなく上記画像形成手段に当該ジョブに基づく画像の形成を許可する印刷許可手段と、上記判断手段による判断結果に基づいて、上記認証手段をユーザ認証が可能な動作状態またはユーザ認証が不能な節電状態とする制御手段と、を備えることを特徴とする画像形成装置である。
【0012】
このように構成された画像形成装置は、記憶手段に記憶されたジョブがユーザ認証を必要とするジョブであるか否かに基づいて認証手段を動作状態および節電状態のいずれかとするものである。
【0013】
つまり、認証手段によりユーザ認証を行う可能性が高いと考えられる場合には動作状態となるため、ユーザは自ら認証手段を起動させたり、認証手段が認証動作可能な状態となるまで待機したりする必要がなく、スムーズにユーザ認証を行うことができる。また、認証手段によりユーザ認証を行う可能性が低い場合には節電状態となる。従って、上記画像形成装置では認証手段の利便性の維持と消費電力の低減とを実現できる。
【0014】
なお、上述した画像処理装置とは、例えばプリンタ、FAX送受信機、コピー機や、それらの機能を複数有する複合機などが該当する。
また、上述したジョブの一例としては、プリントジョブ、受信したFAXを印刷するプリントジョブなどが該当する。
【0015】
また、上述した認証装置の一例としては、ICカード等の認証キーに記憶された情報を読み取るカードリーダ等の情報読み取り装置が該当する。
また、上記制御手段が、上記記憶手段に記憶されているジョブについて、上記判断手段によってユーザ認証を必要とするジョブであると判断された場合に、上記認証手段を上記動作状態とする一方、上記判断手段によってユーザ認証を必要としないジョブであると判断された場合に、上記認証手段を上記節電状態とするように構成してもよい。
【0016】
このように構成された画像形成装置では、記憶手段に記憶されたジョブがユーザ認証を必要とするジョブ、即ちユーザ認証が行われる可能性が高いと考えられるジョブであれば認証手段を動作状態とし、上記ジョブがユーザ認証を必要としないジョブであれば認証手段が節電状態となるため、利便性の維持と消費電力の低減を実現できる。
【0017】
また、上記記憶手段に記憶されているジョブが有するユーザ情報を取得するユーザ情報取得手段と、上記ユーザ情報取得手段により取得されたユーザ情報に基づいて、上記記憶手段に記憶されている全てのジョブのうち、上記判断手段によってユーザ認証を必要とするジョブであると判断された全てのジョブに対応するユーザ数をカウントするユーザ数カウント手段と、をさらに備え、上記制御手段が、上記記憶手段に記憶されているジョブについて、上記判断手段によってユーザ認証を必要とするジョブであると判断された場合において、上記ユーザ数カウント手段によりカウントされたユーザ数が所定の閾値以上である場合に、上記認証手段を上記動作状態とする一方、上記ユーザ数が所定の閾値未満である場合に、上記認証手段を上記節電状態とするように構成してもよい。
【0018】
このように構成された画像形成装置において、記憶手段に記憶されているジョブのうち、ユーザ認証を必要とするジョブに対応するユーザ数が多ければ認証手段が使用される可能性が高くなると考えられ、ユーザ数が少なければその可能性は低くなると考えられる。従って上記画像形成装置であれば、認証手段が使用される可能性が高い場合に認証手段を動作状態とし、可能性が低い場合に節電状態とすることで、上記ユーザ数に応じて認証手段の動作状態と節電状態との切り替えを適切に行って、認証手段の利便性の維持と消費電力の低減とを実現できる。
【0019】
また、上記認証手段によりユーザ認証を行った最新のタイミングからの経過時間をカウントする経過時間カウント手段をさらに備え、上記制御手段が、上記経過時間カウント手段によりカウントされた経過時間が所定期間を超えた場合に、上記認証手段を上記節電状態としてもよい。
【0020】
このように構成された画像形成装置では、ユーザ認証を行ってから時間が経過し、認証手段が使用される可能性が低くなったと考えられる場合に節電状態とすることができるため、適切に消費電力の低減を実現できる。
【0021】
また、上記ユーザ数カウント手段によりカウントされたユーザ数に応じて上記所定期間を設定する期間設定手段をさらに備えてもよい。
記憶手段に記憶されているジョブのうち、ユーザ認証を必要とするジョブに対応するユーザ数に応じて、認証手段が使用される可能性は変化すると考えられる。よって、上記画像形成装置であれば、ユーザ数に応じて適切に上記所定期間を設定できる。
【0022】
また、上記制御手段が、上記記憶手段に新たなジョブが記憶された場合、当該新たなジョブが上記判断手段によってユーザ認証を必要とするジョブであると判断された場合に、上記認証手段を上記動作状態とする一方、ユーザ認証を必要としないジョブであると判断された場合に、上記認証手段を上記節電状態としてもよい。
【0023】
このように構成された画像形成装置では、新に記憶手段に記憶されたジョブがユーザ認証を必要とするジョブであれば認証手段が動作状態となるため、ユーザは自ら認証手段を起動させたり、認証手段が認証動作可能な状態となるまで待機したりする必要がなく、スムーズにユーザ認証を行うことができる。また、上記ジョブがユーザ認証を必要としないジョブであれば認証手段が節電状態となるため、消費電力の低減を実現できる。
【0024】
また、上記制御手段が、上記記憶手段に新たなジョブが記憶され、かつ、当該ジョブが上記判断手段によってユーザ認証を必要とするジョブであると判断された場合において、当該ジョブが前記記憶手段に記憶されてからの経過時間が所定の閾値以下である場合に、上記認証手段を上記動作状態とする一方、上記経過時間が所定の閾値を超えている場合には上記認証手段を上記節電状態としてもよい。
【0025】
このように構成された画像形成装置において、新に記憶手段に記憶されたジョブがユーザ認証を必要とするジョブである場合、ジョブが記憶されてからの経過時間が短ければ、ユーザ認証が行われる可能性が高いと考えられ、上記経過時間が長ければ、ユーザ認証が行われる可能性が低いと考えられるため、経過時間に応じて認証手段の動作状態と節電状態との切り替えを適切に行って、認証手段の利便性の維持と消費電力の低減とを実現できる。
【0026】
また、上記判断手段によりユーザ認証を必要としないと判断されるジョブとして、FAXジョブを含んでもよい。
FAXジョブは外部から送信されることが多く、送信元からいつ送信されるかが分からない場合も多い。よって、ユーザがFAXジョブの受信後にすぐ印刷を行う可能性、すなわち、すぐユーザ認証を行う可能性が低いと考えられる。よって、上記画像形成装置であれば、FAXジョブを記憶したことに基づいて認証手段を作動させることがなく、適切に消費電力の低減を実現できる。
【0027】
また、上記判断手段によりユーザ認証を必要としないと判断されるジョブとして、パスワード入力を受け付けるパスワード受付手段に対するパスワード入力により上記画像形成装置による画像の形成が許可されるジョブを含んでもよい。
【0028】
パスワード入力により画像の形成が許可されるジョブは、ユーザ認証を必要とする可能性が低いと考えられる。よって、上記画像形成装置であれば、そのようなジョブを記憶したことに基づいて認証手段を作動させることがなく、適切に消費電力の低減を実現できる。
【0029】
また、上記認証手段に電力を供給する電力供給手段を備え、上記制御手段は、上記電力供給手段の動作モードを、通常モードと、上記通常モードよりも供給する電力量の小さい省電力モードと、のいずれかに設定可能であり、上記認証手段は、上記電力供給手段が上記通常モードである場合に上記動作状態となり、上記電力供給手段が上記省電力モードの場合に上記節電状態となるように構成してもよい。
【0030】
このように構成された画像形成装置であれば、認証手段への電力供給を制御することで、認証手段を動作状態と節電状態とに切り替えることができる。
また、上記制御手段が、上記認証装置に対して上記認証装置の状態を制御する制御信号を送信可能に構成されており、上記認証手段が、上記制御信号に基づいて、上記動作状態と、上記動作状態よりも消費電力の小さい上記節電状態と、のいずれかの状態となるように構成してもよい。
【0031】
このように構成された画像形成装置であれば、認証手段に制御信号を送信することにより、認証手段を動作状態と節電状態とに切り替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】プリンタの構成を表すブロック図
【図2】電源制御装置による電力供給の構成を示すブロック図
【図3】ジョブのデータ内容を示す図
【図4】ストレージに記憶されるジョブ情報を示す図
【図5】電源制御処理の処理手順を示すフローチャート
【図6】電源OFF判断処理の処理手順を示すフローチャート
【図7】ユーザ管理テーブルを示す図
【図8】(A)が電源をOFFにすると判断する条件を示す表、(B)が電源をONにすると判断する条件を示す表
【図9】電源ON判断処理の処理手順を示すフローチャート
【図10】電源制御処理の処理手順を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
[実施例1]
(1)プリンタの構成
図1は、本実施例のプリンタ1の構成を表すブロック図である。プリンタは1ネットワークプリンタ機能とファクシミリ機能などを備えた装置であり、制御装置11、印刷処理装置13、表示・入力装置15、NCU(Network Control Unit)17、ネットワークインタフェース19、電源制御装置21、ストレージ23、認証情報入力装置25、読取処理装置39などを備える。
【0034】
制御装置11は、CPU31と、CPU31が実行するプログラム等を記憶するROM33と、CPU31によるプログラム実行時に作業領域として使用されるRAM35と、電気的にデータ書換可能なフラッシュメモリ、EEPROM等の不揮発性メモリとしてのNVRAM37などを備え、プログラムの実行によりプリンタ1を統括制御してプリンタ1の各機能を実現する。
【0035】
制御装置11とプリンタ1を構成する各装置とは、直線で示されるバス27を介して電気的に接続されている。
この制御装置11は周知のリアルタイムクロック(図示しない)を備えており、現在時刻を知ることができる。また、認証情報入力装置25において最後にユーザ認証を行った時刻を記憶している。
【0036】
また、NVRAM37には図7に示すユーザ管理テーブルが記録されている。このユーザ管理テーブルの詳細については後述する。
印刷処理装置13は、制御装置11に制御されて、給紙トレイから用紙等の被記録媒体を取り出し、この用紙に、画像を形成させるためのジョブの印刷データに基づく画像を形成する(以降、この処理のことを単に印刷ともいう)。制御装置11は、ジョブがユーザ認証あるいはパスワード入力を必要とする場合には、認証情報入力装置25によりユーザ認証が行われたこと、あるいは表示・入力装置15にパスワード入力が行われたことを条件として当該ジョブに基づく印刷を印刷処理装置13に許可する。ジョブがユーザ認証およびパスワード入力を必要としない場合には、ユーザ認証やパスワード入力を条件とすることなく印刷が許可される。
【0037】
表示・入力装置15は、液晶ディスプレイおよびその表示面に配置されたタッチパネルで構成され、制御装置11の出力に応じて各種情報を表示すると共に、タッチパネルの操作により利用者から入力されたプリンタ1に対する操作情報を制御装置11に入力する。
【0038】
NCU17は、プリンタ1と公衆通信網とを接続するための装置であり、公衆通信網に接続された外部のファクシミリ送受信機と接続してファクシミリデータの送受信を行う。
ネットワークインタフェース19は、プリンタ1がLANを介して複数のコンピュータシステムと相互にデータ通信を行うための周知のインターフェース装置であって、LANから受信したプリンタ1宛のデータを制御装置11に入力する。
【0039】
電源制御装置21は、図2に示すように、プリンタ1を構成する各装置に対して破線で示される電源制御線29を介して電力を供給する装置である。またこの電源制御装置21は制御装置11の制御に応じて、認証情報入力装置25がユーザ認証を行うことが可能な電力量を供給する通常モードと、認証情報入力装置25への電力の供給を停止する省電力モードと、のいずれかに切り替えるように構成されている。
【0040】
この他、電源制御装置21は、印刷処理を開始する際に印刷処理装置13への電力の供給を開始し、印刷処理を終了してから所定時間経過すると印刷処理装置13への電力の供給を停止する。同様に、電源制御装置21は、読取処理を開始する際に読取処理装置39への電力の供給を開始し、読取処理を終了してから所定時間経過すると読取処理装置39への電力の供給を停止する。
【0041】
このように、電源制御装置21はプリンタ1を構成する装置ごとに決められたタイミングで、それぞれの装置の電力の供給を切り換えることができる。
ストレージ23は、ハードディスクドライブ等の記憶装置であって、制御装置11の制御に応じて、NCU17、ネットワークインタフェース19を介して受信したジョブの情報を記憶したり読み出したりする。ストレージ23に記憶されたジョブを、以降、登録ジョブという。登録ジョブは、そのジョブに基づく印刷処理が実行された後にストレージ23から削除される。
【0042】
プリンタ1に送信されるジョブは、図3に示すように、ユーザID、認証方法、パスワード、プリンタ1に出力した出力時刻、および画像を形成するための印刷データからなるデータである。
【0043】
ストレージ23には、図4に示すジョブの情報が記憶される。記憶されるジョブの情報は、図3に示す各情報のほか、ジョブごとに与えられる識別番号であるJobIDと、プリンタ1がジョブを受信した受信時刻と、ジョブを受信したインターフェースがネットワークインタフェース19(Net)であるかNCU17(NCU)であるかを示すI/F情報などである。
【0044】
なお、上述した認証方法としては、ICカードによるユーザ認証を行うカード認証及び、表示・入力装置15に対してパスワード入力を行うパスワード認証の2種類がある。
ここでいうカード認証を必要とするジョブとは、印刷を許可するためにICカードによるユーザ認証が必要なSecurePrintJob、または、受信したFAXの印刷を許可するためにICカードによる認証が必要なSecureFAXJobである。一方、パスワード認証に該当するジョブとは、印刷を許可するために表示・入力装置15に対してパスワード入力が必要なジョブである。なお、カード認証、パスワード認証の両方に該当するジョブは、いずれか一方を用いることで印刷が許可される。なお、本実施例におけるICカードを用いたユーザ認証が、本発明におけるユーザ認証に相当する。
【0045】
認証情報入力装置25は、ユーザが携帯する図示しないIDカードに記憶されている情報を読み取るためのカードリーダを備える装置である。ユーザが携帯するIDカードは、例えば非接触型ICタグや磁気カード等で構成されており、当該ユーザを認証するためのユーザIDを記憶している。
【0046】
認証情報入力装置25は、カードリーダに挿入あるいは接触されたIDカードに記録されているユーザIDを読み取り、その読み取ったユーザIDを制御装置11へ入力する。制御装置11は認証情報入力装置25から送信されてきたユーザIDによってユーザ認証を行う。なお、本実施例においては、ストレージ23に記憶されている登録ジョブの中から、ユーザ認証を行ったユーザのユーザIDと同一のユーザIDを有する登録ジョブを抽出し、当該登録ジョブに基づく印刷処理を許可し、印刷処理装置13に印刷処理を実行させる。
【0047】
なお、この認証情報入力装置25は、電源制御装置21が通常モードであり、電源制御装置21からの電力供給がある場合にはユーザ認証が可能な電源ON状態、すなわち、本発明における動作状態となる。また、電源制御装置21が省電力モードであり、電力供給が停止されるとユーザ認証が不能な電源OFF状態、すなわち、本発明における節電状態となる。
【0048】
この認証情報入力装置25には手動で電源を投入するスイッチが設けられており、当該スイッチがユーザに押されると電源制御装置21が通常モードとなって認証情報入力装置25に電力が供給され、ユーザ認証が可能となる。
【0049】
読取処理装置39は、制御装置11に制御されて、原稿を読み取ることで画像データを生成する。生成された画像データはFAXジョブとしてNCU17により公衆回線を介して送信先へ送信される。また、生成された画像データはコピージョブとして印刷処理装置13により用紙に画像が形成される。
【0050】
(2)認証情報入力装置の電源制御
制御装置11のCPU31によって実行される本発明の特徴的な処理について説明する。
【0051】
(2−1)電源制御処理
電源制御処理の処理手順を、図5に示すフローチャートに基づいて説明する。本処理は、新規にジョブがストレージ23に記憶されたタイミング、登録ジョブが削除されたタイミング、印刷指示があったタイミング、本処理を最後に実行してから所定の時間が経過したタイミング、のいずれかにおいて実行される。
【0052】
なお、登録ジョブが削除されたタイミングとは、プリンタ1とLANを介して接続するコンピュータシステムを用いてジョブの取り消しを受信したタイミング、または、登録ジョブに基づいて印刷された後に登録ジョブが削除されたタイミングである。また、印刷指示があったタイミングとは、ユーザ認証の後、制御装置11から印刷処理装置13に印刷処理の制御信号が送信されたタイミングである。
【0053】
この電源制御処理では、まず、時間閾値を設定する(S1)。具体的には、まず、図4に示すストレージ23に記憶された全ての登録ジョブから、認証方法がカード認証であるジョブを抽出し、それらのジョブに対応するユーザ数をカウントする。図4の場合、カードによるユーザ認証が必要であるジョブはJobIDが1、2、4のものである。ここで、JobIDが1、4のジョブは同一ユーザによるジョブであるため、上記ジョブに対応するユーザ数は2となる。このようにしてカウントしたユーザ数に基づいて時間閾値を決定する。本実施例では、ユーザ数が1のときに30秒であり、ユーザ数が1増えるごとに、20秒づつ加算される。よって、図4に示すジョブ情報の場合は時間閾値が50秒となる。
【0054】
次に、認証情報入力装置25が電源ON状態であるか否かを判定する(S2)。
上記S2において、電源ON状態であれば(S2:YES)、電源OFF判断処理を実行する(S3)。この電源OFF判断処理の詳細は後述する。
【0055】
次に、S3の電源OFF判断処理にて電源をOFFすると判断されたか否かを判定し(S4)、電源をOFFにすると判定されていれば(S4:YES)、処理がS5に移行する。
【0056】
次に、認証情報入力装置25の電源を切り(S5)、即ち、電源制御装置21からの電力供給をストップして電源OFF状態とし、本処理を終了する。
一方、S3にて電源をOFFにしないと判定されていれば(S4:NO)、電源ON状態としたままで本処理を終了する。
【0057】
また、上記S2において電源ON状態でなければ(S2:NO)、即ち電源OFF状態であれば、電源ON判断処理を実行する(S6)。この電源ON判断処理の詳細は後述する。
【0058】
次に、S6の電源ON判断処理にて電源をONすると判断されたか否かを判定し(S7)、電源をONにすると判定されていれば(S7:YES)、処理がS8に移行する。
次に、認証情報入力装置25の電源を入れ(S8)、即ち、電源制御装置21からの電力供給を開始して電源ON状態とし、本処理を終了する。
【0059】
一方、S6にて電源をONにしないと判定されていれば(S7:NO)、電源OFF状態としたままで本処理を終了する。
(2−2)電源OFF判断処理
次に、電源OFF判断処理の処理手順を、図6に示すフローチャートに基づいて説明する。本処理は、電源制御処理のS3において実行される処理であり、認証情報入力装置25が電源ON状態である場合に実行される。
【0060】
この電源OFF判断処理では、まず、登録ジョブのユーザ数をカウントする(S11)。具体的には、上記S1と同様に、図4に示すストレージ23に記憶された全ての登録ジョブから、カードによるユーザ認証が必要であるジョブを抽出し、それらのジョブに対応するユーザ数をカウントする。
【0061】
次に、S11にてカウントしたユーザ数が所定のユーザ数閾値未満であるか否かを判定する(S12)。ユーザ数がユーザ数閾値未満である場合、ユーザ認証が行われる可能性が低いと考えられ、逆にユーザ数閾値以上であれば、ユーザ認証が行われる可能性が高いと考えられる。
【0062】
S12において、S11にてカウントしたユーザ数が所定のユーザ数閾値未満であれば(S12:YES)、処理がS16に移行する。また、ユーザ数が所定のユーザ数閾値未満でなければ(S12:NO)、最終認証からの経過時間を計測する(S13)。最終認証とは認証情報入力装置25において最新のタイミングで行ったユーザ認証である。具体的には、図7に示されるユーザ管理テーブルをチェックする。ユーザ管理テーブルは、予めプリンタ1に登録されているユーザごとに、最終認証時刻、ICカードによるユーザ認証回数、パスワード入力回数、ジョブのストレージ23への記憶からICカードによるユーザ認証までの最小時間、が記憶されている。これらの情報は、ユーザによる印刷要求の後、ICカードによるユーザ認証あるいはパスワード入力を行うごとに更新される。そして、履歴を参照し、最終認証時刻が最も遅い時刻から現在時刻までの経過時間を計測する。
【0063】
次に、最終認証からの経過時間が時間閾値を超えているか否かを判定する(S14)。この時間閾値は、上記S1にて設定された時間であって、ユーザ数が多くなるほど長時間となる。経過時間が所定の時間閾値を超えていれば(S14:YES)、S16に処理が移行する。また、経過時間が所定の時間閾値を超えていなければ(S14:NO)、電源をOFFにしない(OFF=NO)と判定し(S15)、その後本処理を終了して電源制御処理に戻る。
【0064】
また、S16では、電源をOFFにする(OFF=YES)と判定し、その後本処理を終了して電源制御処理に戻る。
以上のように、本処理では、登録ジョブに対応するユーザ数が所定のユーザ数閾値未満であること、および、最終認証からの時間が所定の時間閾値を超えていること、という2つの条件のいずれか1つでも満たせば電源をOFFにするよう判断する。図8(A)に、電源をOFFにすると判断する条件を示す表を示す。図5のS4では、この判断結果に基づいて判定を行う。
【0065】
(2−3)電源ON判断処理
次に、電源ON判断処理の処理手順を、図9に示すフローチャートに基づいて説明する。本処理は、電源制御処理のS6において実行される処理であり、認証情報入力装置25が電源OFF状態である場合に実行される。
【0066】
この電源ON判断処理では、まず、本処理の前提となる電源制御処理が、新規にジョブがストレージ23に記憶されたこと(以降、単に新規ジョブ登録ともいう)をトリガとして実行されるものであるか否かを判定する(S21)。新規ジョブ登録でなければ(S21:NO)、処理がS31に移行する。
【0067】
また、上記S21において、新規ジョブ登録をトリガとするものであれば(S21:YES)、その登録ジョブの種別を判別する(S22)。ここでは、図4に示すストレージ23に記憶された当該新規な登録ジョブ(以降、単に新規ジョブともいう)の情報をチェックする。
【0068】
そして、I/F情報からその新規ジョブがネットワークインタフェース19経由であるかNCU17経由であるか、即ちネットワーク上のコンピュータシステムから送信されたジョブかFAXジョブかを判別する。また、認証方法の情報から、カード認証、パスワード認証にそれぞれ該当しているか否か、即ち、当該ジョブの印刷を許可するためにユーザ認証やパスワード入力が必要であるか、を判別する。
【0069】
次に、新規ジョブがFAXジョブであるか否かを判定し(S23)、FAXジョブであれば(S23:YES)、処理がS31に移行する。一方、FAXジョブでなければ(S23:NO)、処理がS24に移行する。
【0070】
次に、新規ジョブが印刷にユーザ認証を必要とするSecurePrintJobであるか否かを判定し(S24)、SecurePrintJobでなければ(S24:NO)、処理がS31に移行する。一方、新規ジョブがSecurePrintJobであれば(S24:YES)、処理がS25に移行する。
【0071】
次に、カード認証可能性が所定の閾値以上であるか否かを判定する(S25)。ここでは、新規ジョブの印刷要求を行ったユーザがICカードによるユーザ認証およびパスワード入力のいずれを利用する可能性が高いかを判断する。そのため、新規ジョブがICカードによるユーザ認証のみに対応するジョブ(例えば図4におけるJobID2の登録ジョブ)である場合にはパスワード入力の可能性がないので、カード認証可能性が所定の閾値以上であるとして(S25:YES)、処理がS26に移行する。
【0072】
そして、新規ジョブがユーザ認証とパスワード入力の両方に対応している場合においては、図7に示すユーザ管理テーブルをチェックする。
ここでは、ICカードによるユーザ認証を行った回数とパスワード入力を行った回数との合計からICカードによるユーザ認証回数の割合を算出し、所定の閾値(本実施例では70%)以上の確率でユーザ認証を行う場合には、カード認証可能性大と判定し(S25:YES)、処理がS26に移行する一方、所定の閾値未満であればカード認証可能性大ではないと判定し(S25:NO)、処理がS31に移行する。
【0073】
なお、図7の場合では、新規ジョブのユーザがUser2、4の場合には所定の閾値以上であると判断し、User1、3の場合には所定の閾値未満であると判断する。
次に、登録から認証までの時間の履歴をチェックする(S26)。ここでは、ユーザ管理テーブルにおける新規ジョブのユーザの「登録から認証までの最小時間」をチェックする。なお、この時間は、ユーザが早期にユーザ認証を行う可能性が高いか否かを判断するためのものであり、本実施例では最小時間を用いているが、最小時間に代えて、登録から認証までの平均時間など、ユーザが早期にユーザ認証を行うか否かを判断するために利用できる他の履歴情報を用いてもよい。
【0074】
次に、S26にてチェックした最小時間が所定の閾値未満であるか否かを判定する(S27)。最小時間が所定の閾値未満であれば(S27:YES)、処理がS30に移行する。
【0075】
一方、S26にてチェックした最小時間が閾値未満でなければ(S27:NO)、登録ジョブのユーザ数をカウントする(S28)。具体的には、上記S1と同様に、図4に示すストレージ23に記憶された全ての登録ジョブから、カードによるユーザ認証が必要であるジョブを抽出し、それらのジョブに対応するユーザ数をカウントする。
【0076】
次に、S28にてカウントしたユーザ数が所定のユーザ数閾値を超えているか否かを判定する(S29)。このユーザ数閾値はS12で用いた閾値と同じ値であってもよいし、異なる値であってもよい。
【0077】
S29において、ユーザ数がユーザ数閾値を超えていれば(S29:YES)、処理がS30に移行し、ユーザ数がユーザ数閾値を超えていなければ(S29:NO)、処理がS31に移行する。
【0078】
S30では、電源をONにする(ON=YES)と判定し、その後本処理を終了して電源制御処理に戻る。
また、S31では、電源をONにしない(ON=NO)と判定し、その後本処理を終了して電源制御処理に戻る。
【0079】
以上説明した本電源ON判断処理における電源をONにすると判断する条件を示す表を図8(B)に示す。図5のS7では、この判断結果に基づいて判定を行う。
(3)効果
本実施例のプリンタ1では、登録ジョブがユーザ認証を必要とするジョブであるか否かに基づいて認証情報入力装置25に電源を供給するか否かを制御するため、ユーザ認証の利便性向上と、消費電量の低減とを同時に実現できる。
【0080】
具体的には、ユーザ認証が行われる可能性が高いと考えられる場合、即ち、認証情報入力装置25が最後に使用されてからの経過時間が設定された時間閾値よりも短い場合、新規ジョブがユーザ認証を必要とするSecurePrintJobである場合、ユーザがカード認証を行う可能性が高い場合、ユーザ認証を必要とする登録ジョブに対応するユーザ数が多い場合などの条件に応じて認証情報入力装置25を電源ON状態とするため、ユーザは自ら認証情報入力装置25に電力を供給するための入力操作を行ったり、認証情報入力装置25においてユーザ認証が可能となるまでの起動時間を待つ必要が無くなり、利便性を向上できる。
【0081】
また、ユーザ認証が行われる可能性が低いと考えられる場合には認証情報入力装置25を電源OFF状態として、電力供給の無駄を低減することができる。
また、上述した時間閾値はユーザ認証が必要なジョブに対応するユーザ数が多くなるほど長くなる。ユーザ数が多いほど認証情報入力装置25が使用される可能性が高くなるため、その可能性の高さに応じて電源供給を行うことができる。
【0082】
[実施例2]
(1)プリンタの構成
実施例2のプリンタは、基本的には実施例1と同様の構成であり、制御装置11によって行われる処理のみが相違するため、その点を詳細に説明し、同一である点の説明は割愛する。
【0083】
(2)認証情報入力装置の電源制御
プリンタ1の制御装置11によって実行される特徴的な処理について説明する。本実施例では、制御装置11はプリンタ1がジョブを受信可能な状態にあるときは図10に示す電源制御処理を常時実行している。
【0084】
この電源制御処理では、まず、登録ジョブのユーザ数をカウントする(S41)。具体的には、図4に示すストレージ23に記憶された全ての登録ジョブから、カードによるユーザ認証が必要であるジョブを抽出し、それらのジョブに対応するユーザ数をカウントする。
【0085】
次に、S41にてカウントしたユーザ数が所定のユーザ数閾値未満であるか否かを判定する(S42)。所定のユーザ数閾値未満であれば(S42:YES)、S46に処理が移行する。一方、所定のユーザ数閾値未満でなければ(S42:NO)、S43に処理が移行する。
【0086】
続くS43では、最後にストレージ23にジョブが登録されてからの経過時間を計測する。
次に、最後のジョブ登録からの経過時間が所定の時間閾値を超えているか否かを判定する(S44)。経過時間が所定の時間閾値を超えていれば(S44:YES)、S46に処理が移行する。また、経過時間が所定の時間閾値を超えていなければ(S44:NO)、認証情報入力装置25に電源制御装置21からの電力供給を行う(S45)。既に電力供給を行っていた場合には、そのまま供給を継続する。その後、S41に処理が移行する。
【0087】
またS46では、認証情報入力装置25への電源制御装置21からの電力供給を停止する。既に電力供給を停止していた場合には、そのまま停止を継続する。その後、S41に処理が移行する。
【0088】
(3)効果
本実施例のプリンタ1では、ユーザ認証が必要なジョブに対応するユーザ数が所定の閾値以上である場合において認証情報入力装置25に電力を供給する。ユーザ数が多いほど認証情報入力装置25が使用される可能性が高くなるため、その可能性の高さに応じて電源供給を行うことができる。上記閾値は固定の値であってもよいし、状況に応じて変化するように構成してもよい。例えば時刻や曜日に応じて変化させることが考えられる。また、閾値を「0」とし、1つの登録ジョブでもユーザ認証が必要であれば認証情報入力装置25に電源が供給されるように構成してもよい。
【0089】
また、最後にジョブがストレージ23に記憶されてからの経過時間が所定の閾値を超えたときに電力の供給を停止するため、プリンタ1への印刷要求(ジョブの送信)が長時間行われない場合には認証情報入力装置25の作動を抑制する。印刷要求が長時間ない場合はユーザ認証が行われる可能性が低いので、適切に消費電力の低減を実現できる。
【0090】
[変形例]
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は、上記実施例に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態をとり得ることはいうまでもない。
【0091】
例えば、上記実施例においては、制御装置11が電源制御装置21から認証情報入力装置25に供給される電力を制御することで認証情報入力装置25を電源ON状態と電源OFF状態のいずれかに制御する構成を例示したが、制御装置11が制御信号を認証情報入力装置25に送信して、認証情報入力装置25の状態を認証可能な動作状態と認証不能な節電状態とに切り替える構成であってもよい。
【0092】
また、上記実施例においては、節電状態の場合には電源の供給を行わない構成を例示したが、電源の供給量を低減する構成であってもよい。
また、上記実施例においては、認証情報入力装置25を電源ON状態とするか電源OFF状態とするかを、複数の条件を組み合わせて判断する構成を例示したが、その条件の組み合わせは上記実施例に記載したものに限定されない。
【0093】
例えば上記実施例1では、図9のS23において新規ジョブがFAXジョブの場合は電源ON状態としない構成を例示したが、S23の処理を行わず、新規ジョブがFAXジョブであっても認証が必要であればS24以降の処理を実行するように構成することが考えられる。
【0094】
また、パスワード入力によって印刷が許可されるジョブは、ユーザ認証による印刷が可能であっても、電源ON状態としないように構成してもよい。
【符号の説明】
【0095】
1…プリンタ、11…制御装置、13…印刷処理装置、15…表示・入力装置、17…NCU、19…ネットワークインタフェース、21…電源制御装置、23…ストレージ、25…認証情報入力装置、27…バス、29…電源制御線、31…CPU、33…ROM、35…RAM、37…NVRAM、39…読取制御装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザ認証を行う認証手段を備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置にユーザ認証を行う認証手段を設け、ユーザ認証を行った場合に送信したジョブの印刷が開始されるように構成された画像形成装置が用いられている。認証手段としては、例えばユーザのIDが記録されたICカードを読み取るカードリーダなどが用いられている。
【0003】
認証手段を備えた画像形成装置を常時作動させておくことは不要な電力消費に繋がる。そこで、認証手段を備えた画像形成装置の消費電力を節約する技術として、次の特許文献1に示すような技術が開示されている。
【0004】
特許文献1に記載されたシステムでは、プリンタに認証キーを認証する認証インターフェースを設けている。プリンタは通常省電力モードとなっており、クライアントPCが印刷要求を行いプリンタに印刷データが送信されると、プリンタは省電力モードから通常モードへ移行する。そして、認証キーによる認証をした後に、印刷処理を実行する(特許文献1における図2、3参照)。
【0005】
また特許文献1には、認証キーをプリンタの認証インターフェースにて認証した時点で、プリンタが省電力モードから通常モードへ移行する構成も記載されている(特許文献1における図4、5参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−172493号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1に記載された構成では、プリンタの省電力については開示されているものの、認証手段の省電力については考慮されていなかった。例えば、上記特許文献1に記載された前者の構成では、プリンタは印刷データを受信した時点で通常モードに移行する。認証インターフェースを含むユーザ認証のための機構(認証手段)はプリンタの一部であるため、プリンタが通常モードに以降すると同時に作動可能な状態となる。
【0008】
印刷データの中には、例えば情報漏洩のリスクが小さいなどの理由により、ユーザ認証が不要であるものも存在する。上記プリンタでは、そのような印刷データに基づいて印刷を実行する場合においても認証手段は作動するため、認証手段はその機能が必要でない場合であっても電力を消費し続けることとなる。
【0009】
また、上記特許文献1に記載された後者の構成では、プリンタ自体は省電力モードであっても、認証キーによる認証を行うために認証手段は起動している必要がある。その結果、認証手段を常時作動させておくか、あるいは認証手段の電源を切っておきユーザが手動で認証手段を起動させる構成が考えられる。しかしながら、認証手段が作動し続ければ認証手段の省電力は達成できない。また、ユーザが認証手段を起動させる場合、ユーザは認証手段が起動するまで待機する必要があり、使い勝手が悪くなるという問題があった。
【0010】
本発明の目的は、認証手段の利便性を保ちつつ、消費電力を低減できる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した問題を解決するためになされた発明は、被記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、上記画像形成手段に画像を形成させるためのジョブを取得する取得手段と、上記取得手段により取得されたジョブを記憶する記憶手段と、上記記憶手段に記憶されているジョブがユーザ認証を必要とするジョブであるか、あるいはユーザ認証を必要としないジョブであるかを判断する判断手段と、ユーザによる所定の操作によってユーザ認証を行う認証手段と、上記ジョブが上記ユーザ認証を必要とする場合には、上記認証手段によりユーザ認証が行われたことを条件として上記画像形成手段に当該ジョブに基づく画像の形成を許可し、上記ジョブが上記ユーザ認証を必要としない場合には、上記認証手段によりユーザ認証が行われたことを条件とすることなく上記画像形成手段に当該ジョブに基づく画像の形成を許可する印刷許可手段と、上記判断手段による判断結果に基づいて、上記認証手段をユーザ認証が可能な動作状態またはユーザ認証が不能な節電状態とする制御手段と、を備えることを特徴とする画像形成装置である。
【0012】
このように構成された画像形成装置は、記憶手段に記憶されたジョブがユーザ認証を必要とするジョブであるか否かに基づいて認証手段を動作状態および節電状態のいずれかとするものである。
【0013】
つまり、認証手段によりユーザ認証を行う可能性が高いと考えられる場合には動作状態となるため、ユーザは自ら認証手段を起動させたり、認証手段が認証動作可能な状態となるまで待機したりする必要がなく、スムーズにユーザ認証を行うことができる。また、認証手段によりユーザ認証を行う可能性が低い場合には節電状態となる。従って、上記画像形成装置では認証手段の利便性の維持と消費電力の低減とを実現できる。
【0014】
なお、上述した画像処理装置とは、例えばプリンタ、FAX送受信機、コピー機や、それらの機能を複数有する複合機などが該当する。
また、上述したジョブの一例としては、プリントジョブ、受信したFAXを印刷するプリントジョブなどが該当する。
【0015】
また、上述した認証装置の一例としては、ICカード等の認証キーに記憶された情報を読み取るカードリーダ等の情報読み取り装置が該当する。
また、上記制御手段が、上記記憶手段に記憶されているジョブについて、上記判断手段によってユーザ認証を必要とするジョブであると判断された場合に、上記認証手段を上記動作状態とする一方、上記判断手段によってユーザ認証を必要としないジョブであると判断された場合に、上記認証手段を上記節電状態とするように構成してもよい。
【0016】
このように構成された画像形成装置では、記憶手段に記憶されたジョブがユーザ認証を必要とするジョブ、即ちユーザ認証が行われる可能性が高いと考えられるジョブであれば認証手段を動作状態とし、上記ジョブがユーザ認証を必要としないジョブであれば認証手段が節電状態となるため、利便性の維持と消費電力の低減を実現できる。
【0017】
また、上記記憶手段に記憶されているジョブが有するユーザ情報を取得するユーザ情報取得手段と、上記ユーザ情報取得手段により取得されたユーザ情報に基づいて、上記記憶手段に記憶されている全てのジョブのうち、上記判断手段によってユーザ認証を必要とするジョブであると判断された全てのジョブに対応するユーザ数をカウントするユーザ数カウント手段と、をさらに備え、上記制御手段が、上記記憶手段に記憶されているジョブについて、上記判断手段によってユーザ認証を必要とするジョブであると判断された場合において、上記ユーザ数カウント手段によりカウントされたユーザ数が所定の閾値以上である場合に、上記認証手段を上記動作状態とする一方、上記ユーザ数が所定の閾値未満である場合に、上記認証手段を上記節電状態とするように構成してもよい。
【0018】
このように構成された画像形成装置において、記憶手段に記憶されているジョブのうち、ユーザ認証を必要とするジョブに対応するユーザ数が多ければ認証手段が使用される可能性が高くなると考えられ、ユーザ数が少なければその可能性は低くなると考えられる。従って上記画像形成装置であれば、認証手段が使用される可能性が高い場合に認証手段を動作状態とし、可能性が低い場合に節電状態とすることで、上記ユーザ数に応じて認証手段の動作状態と節電状態との切り替えを適切に行って、認証手段の利便性の維持と消費電力の低減とを実現できる。
【0019】
また、上記認証手段によりユーザ認証を行った最新のタイミングからの経過時間をカウントする経過時間カウント手段をさらに備え、上記制御手段が、上記経過時間カウント手段によりカウントされた経過時間が所定期間を超えた場合に、上記認証手段を上記節電状態としてもよい。
【0020】
このように構成された画像形成装置では、ユーザ認証を行ってから時間が経過し、認証手段が使用される可能性が低くなったと考えられる場合に節電状態とすることができるため、適切に消費電力の低減を実現できる。
【0021】
また、上記ユーザ数カウント手段によりカウントされたユーザ数に応じて上記所定期間を設定する期間設定手段をさらに備えてもよい。
記憶手段に記憶されているジョブのうち、ユーザ認証を必要とするジョブに対応するユーザ数に応じて、認証手段が使用される可能性は変化すると考えられる。よって、上記画像形成装置であれば、ユーザ数に応じて適切に上記所定期間を設定できる。
【0022】
また、上記制御手段が、上記記憶手段に新たなジョブが記憶された場合、当該新たなジョブが上記判断手段によってユーザ認証を必要とするジョブであると判断された場合に、上記認証手段を上記動作状態とする一方、ユーザ認証を必要としないジョブであると判断された場合に、上記認証手段を上記節電状態としてもよい。
【0023】
このように構成された画像形成装置では、新に記憶手段に記憶されたジョブがユーザ認証を必要とするジョブであれば認証手段が動作状態となるため、ユーザは自ら認証手段を起動させたり、認証手段が認証動作可能な状態となるまで待機したりする必要がなく、スムーズにユーザ認証を行うことができる。また、上記ジョブがユーザ認証を必要としないジョブであれば認証手段が節電状態となるため、消費電力の低減を実現できる。
【0024】
また、上記制御手段が、上記記憶手段に新たなジョブが記憶され、かつ、当該ジョブが上記判断手段によってユーザ認証を必要とするジョブであると判断された場合において、当該ジョブが前記記憶手段に記憶されてからの経過時間が所定の閾値以下である場合に、上記認証手段を上記動作状態とする一方、上記経過時間が所定の閾値を超えている場合には上記認証手段を上記節電状態としてもよい。
【0025】
このように構成された画像形成装置において、新に記憶手段に記憶されたジョブがユーザ認証を必要とするジョブである場合、ジョブが記憶されてからの経過時間が短ければ、ユーザ認証が行われる可能性が高いと考えられ、上記経過時間が長ければ、ユーザ認証が行われる可能性が低いと考えられるため、経過時間に応じて認証手段の動作状態と節電状態との切り替えを適切に行って、認証手段の利便性の維持と消費電力の低減とを実現できる。
【0026】
また、上記判断手段によりユーザ認証を必要としないと判断されるジョブとして、FAXジョブを含んでもよい。
FAXジョブは外部から送信されることが多く、送信元からいつ送信されるかが分からない場合も多い。よって、ユーザがFAXジョブの受信後にすぐ印刷を行う可能性、すなわち、すぐユーザ認証を行う可能性が低いと考えられる。よって、上記画像形成装置であれば、FAXジョブを記憶したことに基づいて認証手段を作動させることがなく、適切に消費電力の低減を実現できる。
【0027】
また、上記判断手段によりユーザ認証を必要としないと判断されるジョブとして、パスワード入力を受け付けるパスワード受付手段に対するパスワード入力により上記画像形成装置による画像の形成が許可されるジョブを含んでもよい。
【0028】
パスワード入力により画像の形成が許可されるジョブは、ユーザ認証を必要とする可能性が低いと考えられる。よって、上記画像形成装置であれば、そのようなジョブを記憶したことに基づいて認証手段を作動させることがなく、適切に消費電力の低減を実現できる。
【0029】
また、上記認証手段に電力を供給する電力供給手段を備え、上記制御手段は、上記電力供給手段の動作モードを、通常モードと、上記通常モードよりも供給する電力量の小さい省電力モードと、のいずれかに設定可能であり、上記認証手段は、上記電力供給手段が上記通常モードである場合に上記動作状態となり、上記電力供給手段が上記省電力モードの場合に上記節電状態となるように構成してもよい。
【0030】
このように構成された画像形成装置であれば、認証手段への電力供給を制御することで、認証手段を動作状態と節電状態とに切り替えることができる。
また、上記制御手段が、上記認証装置に対して上記認証装置の状態を制御する制御信号を送信可能に構成されており、上記認証手段が、上記制御信号に基づいて、上記動作状態と、上記動作状態よりも消費電力の小さい上記節電状態と、のいずれかの状態となるように構成してもよい。
【0031】
このように構成された画像形成装置であれば、認証手段に制御信号を送信することにより、認証手段を動作状態と節電状態とに切り替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】プリンタの構成を表すブロック図
【図2】電源制御装置による電力供給の構成を示すブロック図
【図3】ジョブのデータ内容を示す図
【図4】ストレージに記憶されるジョブ情報を示す図
【図5】電源制御処理の処理手順を示すフローチャート
【図6】電源OFF判断処理の処理手順を示すフローチャート
【図7】ユーザ管理テーブルを示す図
【図8】(A)が電源をOFFにすると判断する条件を示す表、(B)が電源をONにすると判断する条件を示す表
【図9】電源ON判断処理の処理手順を示すフローチャート
【図10】電源制御処理の処理手順を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
[実施例1]
(1)プリンタの構成
図1は、本実施例のプリンタ1の構成を表すブロック図である。プリンタは1ネットワークプリンタ機能とファクシミリ機能などを備えた装置であり、制御装置11、印刷処理装置13、表示・入力装置15、NCU(Network Control Unit)17、ネットワークインタフェース19、電源制御装置21、ストレージ23、認証情報入力装置25、読取処理装置39などを備える。
【0034】
制御装置11は、CPU31と、CPU31が実行するプログラム等を記憶するROM33と、CPU31によるプログラム実行時に作業領域として使用されるRAM35と、電気的にデータ書換可能なフラッシュメモリ、EEPROM等の不揮発性メモリとしてのNVRAM37などを備え、プログラムの実行によりプリンタ1を統括制御してプリンタ1の各機能を実現する。
【0035】
制御装置11とプリンタ1を構成する各装置とは、直線で示されるバス27を介して電気的に接続されている。
この制御装置11は周知のリアルタイムクロック(図示しない)を備えており、現在時刻を知ることができる。また、認証情報入力装置25において最後にユーザ認証を行った時刻を記憶している。
【0036】
また、NVRAM37には図7に示すユーザ管理テーブルが記録されている。このユーザ管理テーブルの詳細については後述する。
印刷処理装置13は、制御装置11に制御されて、給紙トレイから用紙等の被記録媒体を取り出し、この用紙に、画像を形成させるためのジョブの印刷データに基づく画像を形成する(以降、この処理のことを単に印刷ともいう)。制御装置11は、ジョブがユーザ認証あるいはパスワード入力を必要とする場合には、認証情報入力装置25によりユーザ認証が行われたこと、あるいは表示・入力装置15にパスワード入力が行われたことを条件として当該ジョブに基づく印刷を印刷処理装置13に許可する。ジョブがユーザ認証およびパスワード入力を必要としない場合には、ユーザ認証やパスワード入力を条件とすることなく印刷が許可される。
【0037】
表示・入力装置15は、液晶ディスプレイおよびその表示面に配置されたタッチパネルで構成され、制御装置11の出力に応じて各種情報を表示すると共に、タッチパネルの操作により利用者から入力されたプリンタ1に対する操作情報を制御装置11に入力する。
【0038】
NCU17は、プリンタ1と公衆通信網とを接続するための装置であり、公衆通信網に接続された外部のファクシミリ送受信機と接続してファクシミリデータの送受信を行う。
ネットワークインタフェース19は、プリンタ1がLANを介して複数のコンピュータシステムと相互にデータ通信を行うための周知のインターフェース装置であって、LANから受信したプリンタ1宛のデータを制御装置11に入力する。
【0039】
電源制御装置21は、図2に示すように、プリンタ1を構成する各装置に対して破線で示される電源制御線29を介して電力を供給する装置である。またこの電源制御装置21は制御装置11の制御に応じて、認証情報入力装置25がユーザ認証を行うことが可能な電力量を供給する通常モードと、認証情報入力装置25への電力の供給を停止する省電力モードと、のいずれかに切り替えるように構成されている。
【0040】
この他、電源制御装置21は、印刷処理を開始する際に印刷処理装置13への電力の供給を開始し、印刷処理を終了してから所定時間経過すると印刷処理装置13への電力の供給を停止する。同様に、電源制御装置21は、読取処理を開始する際に読取処理装置39への電力の供給を開始し、読取処理を終了してから所定時間経過すると読取処理装置39への電力の供給を停止する。
【0041】
このように、電源制御装置21はプリンタ1を構成する装置ごとに決められたタイミングで、それぞれの装置の電力の供給を切り換えることができる。
ストレージ23は、ハードディスクドライブ等の記憶装置であって、制御装置11の制御に応じて、NCU17、ネットワークインタフェース19を介して受信したジョブの情報を記憶したり読み出したりする。ストレージ23に記憶されたジョブを、以降、登録ジョブという。登録ジョブは、そのジョブに基づく印刷処理が実行された後にストレージ23から削除される。
【0042】
プリンタ1に送信されるジョブは、図3に示すように、ユーザID、認証方法、パスワード、プリンタ1に出力した出力時刻、および画像を形成するための印刷データからなるデータである。
【0043】
ストレージ23には、図4に示すジョブの情報が記憶される。記憶されるジョブの情報は、図3に示す各情報のほか、ジョブごとに与えられる識別番号であるJobIDと、プリンタ1がジョブを受信した受信時刻と、ジョブを受信したインターフェースがネットワークインタフェース19(Net)であるかNCU17(NCU)であるかを示すI/F情報などである。
【0044】
なお、上述した認証方法としては、ICカードによるユーザ認証を行うカード認証及び、表示・入力装置15に対してパスワード入力を行うパスワード認証の2種類がある。
ここでいうカード認証を必要とするジョブとは、印刷を許可するためにICカードによるユーザ認証が必要なSecurePrintJob、または、受信したFAXの印刷を許可するためにICカードによる認証が必要なSecureFAXJobである。一方、パスワード認証に該当するジョブとは、印刷を許可するために表示・入力装置15に対してパスワード入力が必要なジョブである。なお、カード認証、パスワード認証の両方に該当するジョブは、いずれか一方を用いることで印刷が許可される。なお、本実施例におけるICカードを用いたユーザ認証が、本発明におけるユーザ認証に相当する。
【0045】
認証情報入力装置25は、ユーザが携帯する図示しないIDカードに記憶されている情報を読み取るためのカードリーダを備える装置である。ユーザが携帯するIDカードは、例えば非接触型ICタグや磁気カード等で構成されており、当該ユーザを認証するためのユーザIDを記憶している。
【0046】
認証情報入力装置25は、カードリーダに挿入あるいは接触されたIDカードに記録されているユーザIDを読み取り、その読み取ったユーザIDを制御装置11へ入力する。制御装置11は認証情報入力装置25から送信されてきたユーザIDによってユーザ認証を行う。なお、本実施例においては、ストレージ23に記憶されている登録ジョブの中から、ユーザ認証を行ったユーザのユーザIDと同一のユーザIDを有する登録ジョブを抽出し、当該登録ジョブに基づく印刷処理を許可し、印刷処理装置13に印刷処理を実行させる。
【0047】
なお、この認証情報入力装置25は、電源制御装置21が通常モードであり、電源制御装置21からの電力供給がある場合にはユーザ認証が可能な電源ON状態、すなわち、本発明における動作状態となる。また、電源制御装置21が省電力モードであり、電力供給が停止されるとユーザ認証が不能な電源OFF状態、すなわち、本発明における節電状態となる。
【0048】
この認証情報入力装置25には手動で電源を投入するスイッチが設けられており、当該スイッチがユーザに押されると電源制御装置21が通常モードとなって認証情報入力装置25に電力が供給され、ユーザ認証が可能となる。
【0049】
読取処理装置39は、制御装置11に制御されて、原稿を読み取ることで画像データを生成する。生成された画像データはFAXジョブとしてNCU17により公衆回線を介して送信先へ送信される。また、生成された画像データはコピージョブとして印刷処理装置13により用紙に画像が形成される。
【0050】
(2)認証情報入力装置の電源制御
制御装置11のCPU31によって実行される本発明の特徴的な処理について説明する。
【0051】
(2−1)電源制御処理
電源制御処理の処理手順を、図5に示すフローチャートに基づいて説明する。本処理は、新規にジョブがストレージ23に記憶されたタイミング、登録ジョブが削除されたタイミング、印刷指示があったタイミング、本処理を最後に実行してから所定の時間が経過したタイミング、のいずれかにおいて実行される。
【0052】
なお、登録ジョブが削除されたタイミングとは、プリンタ1とLANを介して接続するコンピュータシステムを用いてジョブの取り消しを受信したタイミング、または、登録ジョブに基づいて印刷された後に登録ジョブが削除されたタイミングである。また、印刷指示があったタイミングとは、ユーザ認証の後、制御装置11から印刷処理装置13に印刷処理の制御信号が送信されたタイミングである。
【0053】
この電源制御処理では、まず、時間閾値を設定する(S1)。具体的には、まず、図4に示すストレージ23に記憶された全ての登録ジョブから、認証方法がカード認証であるジョブを抽出し、それらのジョブに対応するユーザ数をカウントする。図4の場合、カードによるユーザ認証が必要であるジョブはJobIDが1、2、4のものである。ここで、JobIDが1、4のジョブは同一ユーザによるジョブであるため、上記ジョブに対応するユーザ数は2となる。このようにしてカウントしたユーザ数に基づいて時間閾値を決定する。本実施例では、ユーザ数が1のときに30秒であり、ユーザ数が1増えるごとに、20秒づつ加算される。よって、図4に示すジョブ情報の場合は時間閾値が50秒となる。
【0054】
次に、認証情報入力装置25が電源ON状態であるか否かを判定する(S2)。
上記S2において、電源ON状態であれば(S2:YES)、電源OFF判断処理を実行する(S3)。この電源OFF判断処理の詳細は後述する。
【0055】
次に、S3の電源OFF判断処理にて電源をOFFすると判断されたか否かを判定し(S4)、電源をOFFにすると判定されていれば(S4:YES)、処理がS5に移行する。
【0056】
次に、認証情報入力装置25の電源を切り(S5)、即ち、電源制御装置21からの電力供給をストップして電源OFF状態とし、本処理を終了する。
一方、S3にて電源をOFFにしないと判定されていれば(S4:NO)、電源ON状態としたままで本処理を終了する。
【0057】
また、上記S2において電源ON状態でなければ(S2:NO)、即ち電源OFF状態であれば、電源ON判断処理を実行する(S6)。この電源ON判断処理の詳細は後述する。
【0058】
次に、S6の電源ON判断処理にて電源をONすると判断されたか否かを判定し(S7)、電源をONにすると判定されていれば(S7:YES)、処理がS8に移行する。
次に、認証情報入力装置25の電源を入れ(S8)、即ち、電源制御装置21からの電力供給を開始して電源ON状態とし、本処理を終了する。
【0059】
一方、S6にて電源をONにしないと判定されていれば(S7:NO)、電源OFF状態としたままで本処理を終了する。
(2−2)電源OFF判断処理
次に、電源OFF判断処理の処理手順を、図6に示すフローチャートに基づいて説明する。本処理は、電源制御処理のS3において実行される処理であり、認証情報入力装置25が電源ON状態である場合に実行される。
【0060】
この電源OFF判断処理では、まず、登録ジョブのユーザ数をカウントする(S11)。具体的には、上記S1と同様に、図4に示すストレージ23に記憶された全ての登録ジョブから、カードによるユーザ認証が必要であるジョブを抽出し、それらのジョブに対応するユーザ数をカウントする。
【0061】
次に、S11にてカウントしたユーザ数が所定のユーザ数閾値未満であるか否かを判定する(S12)。ユーザ数がユーザ数閾値未満である場合、ユーザ認証が行われる可能性が低いと考えられ、逆にユーザ数閾値以上であれば、ユーザ認証が行われる可能性が高いと考えられる。
【0062】
S12において、S11にてカウントしたユーザ数が所定のユーザ数閾値未満であれば(S12:YES)、処理がS16に移行する。また、ユーザ数が所定のユーザ数閾値未満でなければ(S12:NO)、最終認証からの経過時間を計測する(S13)。最終認証とは認証情報入力装置25において最新のタイミングで行ったユーザ認証である。具体的には、図7に示されるユーザ管理テーブルをチェックする。ユーザ管理テーブルは、予めプリンタ1に登録されているユーザごとに、最終認証時刻、ICカードによるユーザ認証回数、パスワード入力回数、ジョブのストレージ23への記憶からICカードによるユーザ認証までの最小時間、が記憶されている。これらの情報は、ユーザによる印刷要求の後、ICカードによるユーザ認証あるいはパスワード入力を行うごとに更新される。そして、履歴を参照し、最終認証時刻が最も遅い時刻から現在時刻までの経過時間を計測する。
【0063】
次に、最終認証からの経過時間が時間閾値を超えているか否かを判定する(S14)。この時間閾値は、上記S1にて設定された時間であって、ユーザ数が多くなるほど長時間となる。経過時間が所定の時間閾値を超えていれば(S14:YES)、S16に処理が移行する。また、経過時間が所定の時間閾値を超えていなければ(S14:NO)、電源をOFFにしない(OFF=NO)と判定し(S15)、その後本処理を終了して電源制御処理に戻る。
【0064】
また、S16では、電源をOFFにする(OFF=YES)と判定し、その後本処理を終了して電源制御処理に戻る。
以上のように、本処理では、登録ジョブに対応するユーザ数が所定のユーザ数閾値未満であること、および、最終認証からの時間が所定の時間閾値を超えていること、という2つの条件のいずれか1つでも満たせば電源をOFFにするよう判断する。図8(A)に、電源をOFFにすると判断する条件を示す表を示す。図5のS4では、この判断結果に基づいて判定を行う。
【0065】
(2−3)電源ON判断処理
次に、電源ON判断処理の処理手順を、図9に示すフローチャートに基づいて説明する。本処理は、電源制御処理のS6において実行される処理であり、認証情報入力装置25が電源OFF状態である場合に実行される。
【0066】
この電源ON判断処理では、まず、本処理の前提となる電源制御処理が、新規にジョブがストレージ23に記憶されたこと(以降、単に新規ジョブ登録ともいう)をトリガとして実行されるものであるか否かを判定する(S21)。新規ジョブ登録でなければ(S21:NO)、処理がS31に移行する。
【0067】
また、上記S21において、新規ジョブ登録をトリガとするものであれば(S21:YES)、その登録ジョブの種別を判別する(S22)。ここでは、図4に示すストレージ23に記憶された当該新規な登録ジョブ(以降、単に新規ジョブともいう)の情報をチェックする。
【0068】
そして、I/F情報からその新規ジョブがネットワークインタフェース19経由であるかNCU17経由であるか、即ちネットワーク上のコンピュータシステムから送信されたジョブかFAXジョブかを判別する。また、認証方法の情報から、カード認証、パスワード認証にそれぞれ該当しているか否か、即ち、当該ジョブの印刷を許可するためにユーザ認証やパスワード入力が必要であるか、を判別する。
【0069】
次に、新規ジョブがFAXジョブであるか否かを判定し(S23)、FAXジョブであれば(S23:YES)、処理がS31に移行する。一方、FAXジョブでなければ(S23:NO)、処理がS24に移行する。
【0070】
次に、新規ジョブが印刷にユーザ認証を必要とするSecurePrintJobであるか否かを判定し(S24)、SecurePrintJobでなければ(S24:NO)、処理がS31に移行する。一方、新規ジョブがSecurePrintJobであれば(S24:YES)、処理がS25に移行する。
【0071】
次に、カード認証可能性が所定の閾値以上であるか否かを判定する(S25)。ここでは、新規ジョブの印刷要求を行ったユーザがICカードによるユーザ認証およびパスワード入力のいずれを利用する可能性が高いかを判断する。そのため、新規ジョブがICカードによるユーザ認証のみに対応するジョブ(例えば図4におけるJobID2の登録ジョブ)である場合にはパスワード入力の可能性がないので、カード認証可能性が所定の閾値以上であるとして(S25:YES)、処理がS26に移行する。
【0072】
そして、新規ジョブがユーザ認証とパスワード入力の両方に対応している場合においては、図7に示すユーザ管理テーブルをチェックする。
ここでは、ICカードによるユーザ認証を行った回数とパスワード入力を行った回数との合計からICカードによるユーザ認証回数の割合を算出し、所定の閾値(本実施例では70%)以上の確率でユーザ認証を行う場合には、カード認証可能性大と判定し(S25:YES)、処理がS26に移行する一方、所定の閾値未満であればカード認証可能性大ではないと判定し(S25:NO)、処理がS31に移行する。
【0073】
なお、図7の場合では、新規ジョブのユーザがUser2、4の場合には所定の閾値以上であると判断し、User1、3の場合には所定の閾値未満であると判断する。
次に、登録から認証までの時間の履歴をチェックする(S26)。ここでは、ユーザ管理テーブルにおける新規ジョブのユーザの「登録から認証までの最小時間」をチェックする。なお、この時間は、ユーザが早期にユーザ認証を行う可能性が高いか否かを判断するためのものであり、本実施例では最小時間を用いているが、最小時間に代えて、登録から認証までの平均時間など、ユーザが早期にユーザ認証を行うか否かを判断するために利用できる他の履歴情報を用いてもよい。
【0074】
次に、S26にてチェックした最小時間が所定の閾値未満であるか否かを判定する(S27)。最小時間が所定の閾値未満であれば(S27:YES)、処理がS30に移行する。
【0075】
一方、S26にてチェックした最小時間が閾値未満でなければ(S27:NO)、登録ジョブのユーザ数をカウントする(S28)。具体的には、上記S1と同様に、図4に示すストレージ23に記憶された全ての登録ジョブから、カードによるユーザ認証が必要であるジョブを抽出し、それらのジョブに対応するユーザ数をカウントする。
【0076】
次に、S28にてカウントしたユーザ数が所定のユーザ数閾値を超えているか否かを判定する(S29)。このユーザ数閾値はS12で用いた閾値と同じ値であってもよいし、異なる値であってもよい。
【0077】
S29において、ユーザ数がユーザ数閾値を超えていれば(S29:YES)、処理がS30に移行し、ユーザ数がユーザ数閾値を超えていなければ(S29:NO)、処理がS31に移行する。
【0078】
S30では、電源をONにする(ON=YES)と判定し、その後本処理を終了して電源制御処理に戻る。
また、S31では、電源をONにしない(ON=NO)と判定し、その後本処理を終了して電源制御処理に戻る。
【0079】
以上説明した本電源ON判断処理における電源をONにすると判断する条件を示す表を図8(B)に示す。図5のS7では、この判断結果に基づいて判定を行う。
(3)効果
本実施例のプリンタ1では、登録ジョブがユーザ認証を必要とするジョブであるか否かに基づいて認証情報入力装置25に電源を供給するか否かを制御するため、ユーザ認証の利便性向上と、消費電量の低減とを同時に実現できる。
【0080】
具体的には、ユーザ認証が行われる可能性が高いと考えられる場合、即ち、認証情報入力装置25が最後に使用されてからの経過時間が設定された時間閾値よりも短い場合、新規ジョブがユーザ認証を必要とするSecurePrintJobである場合、ユーザがカード認証を行う可能性が高い場合、ユーザ認証を必要とする登録ジョブに対応するユーザ数が多い場合などの条件に応じて認証情報入力装置25を電源ON状態とするため、ユーザは自ら認証情報入力装置25に電力を供給するための入力操作を行ったり、認証情報入力装置25においてユーザ認証が可能となるまでの起動時間を待つ必要が無くなり、利便性を向上できる。
【0081】
また、ユーザ認証が行われる可能性が低いと考えられる場合には認証情報入力装置25を電源OFF状態として、電力供給の無駄を低減することができる。
また、上述した時間閾値はユーザ認証が必要なジョブに対応するユーザ数が多くなるほど長くなる。ユーザ数が多いほど認証情報入力装置25が使用される可能性が高くなるため、その可能性の高さに応じて電源供給を行うことができる。
【0082】
[実施例2]
(1)プリンタの構成
実施例2のプリンタは、基本的には実施例1と同様の構成であり、制御装置11によって行われる処理のみが相違するため、その点を詳細に説明し、同一である点の説明は割愛する。
【0083】
(2)認証情報入力装置の電源制御
プリンタ1の制御装置11によって実行される特徴的な処理について説明する。本実施例では、制御装置11はプリンタ1がジョブを受信可能な状態にあるときは図10に示す電源制御処理を常時実行している。
【0084】
この電源制御処理では、まず、登録ジョブのユーザ数をカウントする(S41)。具体的には、図4に示すストレージ23に記憶された全ての登録ジョブから、カードによるユーザ認証が必要であるジョブを抽出し、それらのジョブに対応するユーザ数をカウントする。
【0085】
次に、S41にてカウントしたユーザ数が所定のユーザ数閾値未満であるか否かを判定する(S42)。所定のユーザ数閾値未満であれば(S42:YES)、S46に処理が移行する。一方、所定のユーザ数閾値未満でなければ(S42:NO)、S43に処理が移行する。
【0086】
続くS43では、最後にストレージ23にジョブが登録されてからの経過時間を計測する。
次に、最後のジョブ登録からの経過時間が所定の時間閾値を超えているか否かを判定する(S44)。経過時間が所定の時間閾値を超えていれば(S44:YES)、S46に処理が移行する。また、経過時間が所定の時間閾値を超えていなければ(S44:NO)、認証情報入力装置25に電源制御装置21からの電力供給を行う(S45)。既に電力供給を行っていた場合には、そのまま供給を継続する。その後、S41に処理が移行する。
【0087】
またS46では、認証情報入力装置25への電源制御装置21からの電力供給を停止する。既に電力供給を停止していた場合には、そのまま停止を継続する。その後、S41に処理が移行する。
【0088】
(3)効果
本実施例のプリンタ1では、ユーザ認証が必要なジョブに対応するユーザ数が所定の閾値以上である場合において認証情報入力装置25に電力を供給する。ユーザ数が多いほど認証情報入力装置25が使用される可能性が高くなるため、その可能性の高さに応じて電源供給を行うことができる。上記閾値は固定の値であってもよいし、状況に応じて変化するように構成してもよい。例えば時刻や曜日に応じて変化させることが考えられる。また、閾値を「0」とし、1つの登録ジョブでもユーザ認証が必要であれば認証情報入力装置25に電源が供給されるように構成してもよい。
【0089】
また、最後にジョブがストレージ23に記憶されてからの経過時間が所定の閾値を超えたときに電力の供給を停止するため、プリンタ1への印刷要求(ジョブの送信)が長時間行われない場合には認証情報入力装置25の作動を抑制する。印刷要求が長時間ない場合はユーザ認証が行われる可能性が低いので、適切に消費電力の低減を実現できる。
【0090】
[変形例]
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は、上記実施例に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態をとり得ることはいうまでもない。
【0091】
例えば、上記実施例においては、制御装置11が電源制御装置21から認証情報入力装置25に供給される電力を制御することで認証情報入力装置25を電源ON状態と電源OFF状態のいずれかに制御する構成を例示したが、制御装置11が制御信号を認証情報入力装置25に送信して、認証情報入力装置25の状態を認証可能な動作状態と認証不能な節電状態とに切り替える構成であってもよい。
【0092】
また、上記実施例においては、節電状態の場合には電源の供給を行わない構成を例示したが、電源の供給量を低減する構成であってもよい。
また、上記実施例においては、認証情報入力装置25を電源ON状態とするか電源OFF状態とするかを、複数の条件を組み合わせて判断する構成を例示したが、その条件の組み合わせは上記実施例に記載したものに限定されない。
【0093】
例えば上記実施例1では、図9のS23において新規ジョブがFAXジョブの場合は電源ON状態としない構成を例示したが、S23の処理を行わず、新規ジョブがFAXジョブであっても認証が必要であればS24以降の処理を実行するように構成することが考えられる。
【0094】
また、パスワード入力によって印刷が許可されるジョブは、ユーザ認証による印刷が可能であっても、電源ON状態としないように構成してもよい。
【符号の説明】
【0095】
1…プリンタ、11…制御装置、13…印刷処理装置、15…表示・入力装置、17…NCU、19…ネットワークインタフェース、21…電源制御装置、23…ストレージ、25…認証情報入力装置、27…バス、29…電源制御線、31…CPU、33…ROM、35…RAM、37…NVRAM、39…読取制御装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段に画像を形成させるためのジョブを取得する取得手段と、
前記取得手段により取得されたジョブを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されているジョブがユーザ認証を必要とするジョブであるか、あるいはユーザ認証を必要としないジョブであるかを判断する判断手段と、
ユーザによる所定の操作によってユーザ認証を行う認証手段と、
前記ジョブが前記ユーザ認証を必要とする場合には、前記認証手段によりユーザ認証が行われたことを条件として前記画像形成手段に当該ジョブに基づく画像の形成を許可し、前記ジョブが前記ユーザ認証を必要としない場合には、前記認証手段によりユーザ認証が行われたことを条件とすることなく前記画像形成手段に当該ジョブに基づく画像の形成を許可する印刷許可手段と、
前記判断手段による判断結果に基づいて、前記認証手段をユーザ認証が可能な動作状態またはユーザ認証が不能な節電状態とする制御手段と、を備える
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記記憶手段に記憶されているジョブについて、前記判断手段によってユーザ認証を必要とするジョブであると判断された場合に、前記認証手段を前記動作状態とする一方、前記判断手段によってユーザ認証を必要としないジョブであると判断された場合に、前記認証手段を前記節電状態とする
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記記憶手段に記憶されているジョブが有するユーザ情報を取得するユーザ情報取得手段と、
前記ユーザ情報取得手段により取得されたユーザ情報に基づいて、前記記憶手段に記憶されている全てのジョブのうち、前記判断手段によってユーザ認証を必要とするジョブであると判断された全てのジョブに対応するユーザ数をカウントするユーザ数カウント手段と、をさらに備え、
前記制御手段は、前記記憶手段に記憶されているジョブについて、前記判断手段によってユーザ認証を必要とするジョブであると判断された場合において、前記ユーザ数カウント手段によりカウントされたユーザ数が所定の閾値以上である場合に、前記認証手段を前記動作状態とする一方、前記ユーザ数が所定の閾値未満である場合に、前記認証手段を前記節電状態とする
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記認証手段によりユーザ認証を行った最新のタイミングからの経過時間をカウントする経過時間カウント手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記経過時間カウント手段によりカウントされた経過時間が所定期間を超えた場合に、前記認証手段を前記節電状態とする
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記ユーザ数カウント手段によりカウントされたユーザ数に応じて前記所定期間を設定する期間設定手段をさらに備える
ことを特徴とする、請求項3を引用する請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記記憶手段に新たなジョブが記憶された場合、当該新たなジョブが前記判断手段によってユーザ認証を必要とするジョブであると判断された場合に、前記認証手段をユーザ認証が可能な動作状態とする一方、ユーザ認証を必要としないジョブであると判断された場合に、前記認証手段を前記節電状態とする
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記記憶手段に新たなジョブが記憶され、かつ、当該ジョブが前記判断手段によってユーザ認証を必要とするジョブであると判断された場合において、当該ジョブが前記記憶手段に記憶されてからの経過時間が所定の閾値以下である場合に、前記認証手段を前記動作状態とする一方、前記経過時間が所定の閾値を超えている場合には前記認証手段を前記節電状態とする
ことを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記判断手段によりユーザ認証を必要としないと判断されるジョブとして、FAXジョブを含む
ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記判断手段によりユーザ認証を必要としないと判断されるジョブとして、パスワード入力を受け付けるパスワード受付手段に対するパスワード入力により前記画像形成装置による画像の形成が許可されるジョブを含む
ことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記認証手段に電力を供給する電力供給手段を備え、
前記制御手段は、前記電力供給手段の動作モードを、通常モードと、前記通常モードよりも供給する電力量の小さい省電力モードと、のいずれかに設定可能であり、
前記認証手段は、前記電力供給手段が前記通常モードである場合に前記動作状態となり、前記電力供給手段が前記省電力モードの場合に前記節電状態となる
ことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記制御手段は、前記認証手段に対して前記認証手段の状態を制御する制御信号を送信可能に構成されており、
前記認証手段は、前記制御信号に基づいて、前記動作状態と、前記動作状態よりも消費電力の小さい前記節電状態と、のいずれかの状態となる
ことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項1】
被記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段に画像を形成させるためのジョブを取得する取得手段と、
前記取得手段により取得されたジョブを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されているジョブがユーザ認証を必要とするジョブであるか、あるいはユーザ認証を必要としないジョブであるかを判断する判断手段と、
ユーザによる所定の操作によってユーザ認証を行う認証手段と、
前記ジョブが前記ユーザ認証を必要とする場合には、前記認証手段によりユーザ認証が行われたことを条件として前記画像形成手段に当該ジョブに基づく画像の形成を許可し、前記ジョブが前記ユーザ認証を必要としない場合には、前記認証手段によりユーザ認証が行われたことを条件とすることなく前記画像形成手段に当該ジョブに基づく画像の形成を許可する印刷許可手段と、
前記判断手段による判断結果に基づいて、前記認証手段をユーザ認証が可能な動作状態またはユーザ認証が不能な節電状態とする制御手段と、を備える
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記記憶手段に記憶されているジョブについて、前記判断手段によってユーザ認証を必要とするジョブであると判断された場合に、前記認証手段を前記動作状態とする一方、前記判断手段によってユーザ認証を必要としないジョブであると判断された場合に、前記認証手段を前記節電状態とする
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記記憶手段に記憶されているジョブが有するユーザ情報を取得するユーザ情報取得手段と、
前記ユーザ情報取得手段により取得されたユーザ情報に基づいて、前記記憶手段に記憶されている全てのジョブのうち、前記判断手段によってユーザ認証を必要とするジョブであると判断された全てのジョブに対応するユーザ数をカウントするユーザ数カウント手段と、をさらに備え、
前記制御手段は、前記記憶手段に記憶されているジョブについて、前記判断手段によってユーザ認証を必要とするジョブであると判断された場合において、前記ユーザ数カウント手段によりカウントされたユーザ数が所定の閾値以上である場合に、前記認証手段を前記動作状態とする一方、前記ユーザ数が所定の閾値未満である場合に、前記認証手段を前記節電状態とする
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記認証手段によりユーザ認証を行った最新のタイミングからの経過時間をカウントする経過時間カウント手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記経過時間カウント手段によりカウントされた経過時間が所定期間を超えた場合に、前記認証手段を前記節電状態とする
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記ユーザ数カウント手段によりカウントされたユーザ数に応じて前記所定期間を設定する期間設定手段をさらに備える
ことを特徴とする、請求項3を引用する請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記記憶手段に新たなジョブが記憶された場合、当該新たなジョブが前記判断手段によってユーザ認証を必要とするジョブであると判断された場合に、前記認証手段をユーザ認証が可能な動作状態とする一方、ユーザ認証を必要としないジョブであると判断された場合に、前記認証手段を前記節電状態とする
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記記憶手段に新たなジョブが記憶され、かつ、当該ジョブが前記判断手段によってユーザ認証を必要とするジョブであると判断された場合において、当該ジョブが前記記憶手段に記憶されてからの経過時間が所定の閾値以下である場合に、前記認証手段を前記動作状態とする一方、前記経過時間が所定の閾値を超えている場合には前記認証手段を前記節電状態とする
ことを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記判断手段によりユーザ認証を必要としないと判断されるジョブとして、FAXジョブを含む
ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記判断手段によりユーザ認証を必要としないと判断されるジョブとして、パスワード入力を受け付けるパスワード受付手段に対するパスワード入力により前記画像形成装置による画像の形成が許可されるジョブを含む
ことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記認証手段に電力を供給する電力供給手段を備え、
前記制御手段は、前記電力供給手段の動作モードを、通常モードと、前記通常モードよりも供給する電力量の小さい省電力モードと、のいずれかに設定可能であり、
前記認証手段は、前記電力供給手段が前記通常モードである場合に前記動作状態となり、前記電力供給手段が前記省電力モードの場合に前記節電状態となる
ことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記制御手段は、前記認証手段に対して前記認証手段の状態を制御する制御信号を送信可能に構成されており、
前記認証手段は、前記制御信号に基づいて、前記動作状態と、前記動作状態よりも消費電力の小さい前記節電状態と、のいずれかの状態となる
ことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図5】
【図6】
【図9】
【図10】
【図4】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図5】
【図6】
【図9】
【図10】
【図4】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2012−206334(P2012−206334A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−72973(P2011−72973)
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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