説明

画像形成装置

【課題】 画像形成装置において、異常が発生した場合に、実行待ちジョブの実行遅れを低減する。
【解決手段】 画像形成装置1において、ジョブ管理部21は、ジョブを順番に実行し、通知処理部23は、異常によりジョブの実行が中断されたことを検知すると、ジョブ管理部21において実行中のジョブの要求元、およびジョブ管理部21において実行待ちとなっている少なくとも1つのジョブの要求元に対して異常を通知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ある画像形成装置は、ホスト装置から要求されたジョブを実行し、エラーなどの異常が発生した場合、ホスト装置へ異常の発生を通知し、ジョブの要求元であるユーザーのホスト装置は、その通知を受け付けると、異常の発生を示すメッセージを表示したりする(例えば特許文献1,2参照)。
【0003】
ジャム、印刷用紙切れなどのように、画像形成装置において発生した異常がユーザーにより除去可能な異常である場合、上述のようにユーザーのホスト装置へ異常発生の通知を行うことで、ユーザーが画像形成装置の異常に気付き画像形成装置の異常を除去することができ、ジョブの実行を再開することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−32430号公報
【特許文献2】特開2004−46337号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のようにユーザーのホスト装置へ異常を通知したときに、ユーザーがその通知に気付かなかったり、ユーザーが不在であったりした場合、そのユーザーによって画像形成装置の異常が除去されない。そのときに画像形成装置において実行待ちジョブが存在する場合、異常が除去されないため、実行待ちジョブの実行が長時間遅れてしまう。
【0006】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、異常が発生した場合に、実行待ちジョブの実行遅れを低減する画像形成装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明では以下のようにした。
【0008】
本発明に係る画像形成装置は、ジョブを順番に実行するジョブ管理部と、異常によりジョブの実行が中断されたことを検知すると、ジョブ管理部において実行中のジョブの要求元、およびジョブ管理部において実行待ちとなっている少なくとも1つのジョブの要求元に対して異常を通知する通知処理部とを備える。
【0009】
これにより、実行中のジョブの要求元のユーザーが異常を除去しない場合でも、実行待ちのジョブの要求元のユーザーが異常に気付きその異常を除去することができる。したがって、異常が発生した場合に、実行待ちジョブの実行遅れが低減される。
【0010】
また、本発明に係る画像形成装置は、上記の画像形成装置に加え、次のようにしてもよい。この場合、通知処理部は、異常の初回の通知を行った後、異常の初回の通知または異常の検出から所定の設定時間の経過後に異常が解消されていない場合には、異常の追加の通知を、ジョブ管理部において実行待ちとなっているジョブの要求元のうちの未通知である要求元における所定数の要求元に対して行う。
【0011】
これにより、複数のユーザーに対して段階的に異常が通知されるため、必要以上に多くのユーザーに異常が通知されずに済む。
【0012】
また、本発明に係る画像形成装置は、上記の画像形成装置のいずれかに加え、次のようにしてもよい。この場合、通知処理部は、実行待ちの順番で、実行待ちとなっている最初のジョブから順番に所定数の要求元を選択し、選択した要求元に対して追加の通知を行う。
【0013】
また、本発明に係る画像形成装置は、上記の画像形成装置のいずれかに加え、次のようにしてもよい。この場合、通知処理部は、実行待ちの順番とは逆の順番で、実行待ちとなっている最後のジョブから順番に所定数の要求元を選択し、選択した要求元に対して追加の通知を行う。
【0014】
これにより、最近、ジョブの要求を発行したユーザーから優先的に異常の通知が届くため、その通知に気付く可能性が高くなる。
【0015】
また、本発明に係る画像形成装置は、上記の画像形成装置のいずれかに加え、次のようにしてもよい。この場合、通知処理部は、ジョブ管理部において実行待ちとなっているジョブの要求元のうち、所定のユーザーグループに属するユーザーのみに対して異常を通知する。
【0016】
これにより、管理責任者などの特定のユーザーに対して異常が通知され、異常除去の作業を行わないユーザーに通知されずに済むようにすることができる。
【0017】
また、本発明に係る画像形成装置は、上記の画像形成装置のいずれかに加え、次のようにしてもよい。この場合、通知処理部は、上述の通知を行った要求元について、前回の通知から所定の設定時間の経過後に異常が解消されていない場合には、その要求元に対して異常の通知を再度行う。
【0018】
また、本発明に係る画像形成装置は、上記の画像形成装置のいずれかに加え、次のようにしてもよい。この場合、上述のジョブは、印刷ジョブであり、上述の異常は、ジャムまたは消耗品切れである。
【0019】
これにより、実行中の印刷ジョブの要求元のユーザーがジャムまたは印刷用紙、トナーなどの消耗品切れを解消しない場合でも、実行待ちの印刷ジョブの要求元のユーザーがジャムまたは消耗品切れに気付きそのジャムまたは消耗品切れを解消することができる。したがって、ジャムまたは消耗品切れが発生した場合に、実行待ち印刷ジョブの実行遅れが低減される。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、画像形成装置において、異常が発生した場合に、実行待ちジョブの実行遅れが低減される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置を含むシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、図1における画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、図2に示す画像形成装置において異常が発生したときの通知処理部の動作を説明するフローチャートである。
【図4】図4は、図2に示す画像形成装置のジョブ管理部によるジョブリストの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0023】
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置を含むシステムの構成を示すブロック図である。図1に示すシステムでは、画像形成装置1にネットワーク2を介して複数の端末装置3−1〜3−5が接続されている。なお、図1では、5台の端末装置3−1〜3−5が記載されているが、システムに含まれる端末装置は5台に限定されるものではない。
【0024】
画像形成装置1は、プリンター機能、スキャナー機能、ファクシミリ通信機能などを有し、端末装置3−i(i=1,・・・,5)からの要求に応じたジョブ(印刷ジョブ、ファクシミリ送信ジョブなど)を実行する。なお、この実施の形態では、画像形成装置1は、複合機であるが、プリンター、ファクシミリ機などでもよい。
【0025】
端末装置3−iは、それぞれ、画像形成装置1のドライバーをインストールされたパーソナルコンピューターなどであり、ユーザー操作に従って、印刷などのジョブの要求をドライバーで画像形成装置1へ送信する。例えば、1台の端末装置3−iが1人のユーザーにより操作される。
【0026】
図2は、図1における画像形成装置1の構成を示すブロック図である。画像形成装置1は、印刷装置11、画像読取装置12、ファクシミリ装置13、操作パネル14、ネットワークインターフェイス15、演算処理装置16、および記憶装置17を備える。
【0027】
印刷装置11は、各印刷ジョブに基づく印刷データに基づいて文書画像を印刷する内部装置である。画像読取装置12は、文書から文書画像を光学的に読み取り、文書画像の画像データを生成する内部装置である。ファクシミリ装置13は、ファクシミリ送信ジョブに基づく送信すべき文書データからファクシミリ信号を生成し送信するとともに、ファクシミリ信号を受信し文書データに変換する内部装置である。
【0028】
また、操作パネル14は、画像形成装置1の筐体表面に配置され、ユーザーに対して各種情報を表示する表示装置と、ユーザー操作を検出する入力装置とを有する。表示装置としては例えば液晶ディスプレイが使用される。入力装置としては、キースイッチ、タッチパネルなどが使用される。
【0029】
また、ネットワークインターフェイス15は、ネットワーク2に接続され、そのネットワーク2に接続された端末装置3−iなどとデータ通信を行う回路である。
【0030】
また、演算処理装置16は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などを有するコンピューターであり、ROMや記憶装置17などからRAMへプログラムをロードし、そのプログラムをCPUで実行することにより、各種処理部を実現する。この実施の形態では、演算処理装置16において、ジョブ管理部21、画像処理部22、および通知処理部23が実現される。
【0031】
ジョブ管理部21は、ユーザー操作に基づく端末装置3−iからの要求を受け付け、その要求に応じたジョブを生成し、待ち行列でジョブの実行順番を管理し、ジョブを順番に実行する。なお、ジョブ管理部21は、ジョブの要求元のユーザーを、端末装置3−iから画像形成装置1へのログイン時のユーザーIDや端末装置3−iから受信される要求に付加されているユーザーIDなどから特定する。
【0032】
例えば ジョブ管理部21は、ネットワークインターフェイス15で、端末装置3−iからの印刷データ(PDL(Page Description Language)データなど)を伴う印刷要求を受信すると、印刷ジョブを生成し、印刷ジョブの待ち行列で、その印刷ジョブを管理し、その印刷ジョブの画像を印刷装置11に順番に印刷させる。
【0033】
画像処理部22は、印刷データに対して、ラスタライズなどの画像処理を行い、印刷装置11により処理可能な形式のデータを生成する。
【0034】
通知処理部23は、印刷装置11などの内部装置の異常によりジョブの実行が中断されたことを検知すると、ジョブ管理部において実行中のジョブの要求元、およびジョブ管理部21において実行待ちとなっているジョブの要求元に対して異常を通知する。
【0035】
この実施の形態における「異常」とは、ジョブの実行が中断され、ユーザーにより除去可能なものをいう。例えば、印刷ジョブの場合のジャム、消耗品切れ(例えば、トナー切れ、ドラム寿命切れ、または印刷用紙切れ)などが、この「異常」に該当する。
【0036】
この実施の形態では、通知処理部23は、ジョブの要求元のユーザーの電子メールアドレスを宛先とした電子メールをネットワークインターフェイス15で送信することにより、異常を通知する。
【0037】
この実施の形態では、通知処理部23は、異常の初回の通知または異常の検出から所定の設定時間の経過後に異常が解消されていない場合には、その異常についての追加の通知を行う。詳細には、通知処理部23は、初回の通知において、ジョブ管理部21において実行中ジョブの要求元と実行待ちジョブの要求元のうちの所定数の要求元とに対して異常を通知し、追加の通知において、ジョブ管理部21において実行待ちとなっているジョブの要求元のうちの未通知である要求元のうちの所定数の要求元に対して異常を通知する。
【0038】
また、この実施の形態では、通知処理部23は、通知設定データ31における設定値に応じて、(a)実行待ちの順番で、実行待ちとなっている最初のジョブから順番に所定数の要求元を選択し、選択した要求元に対して追加の通知を行うか、(b)実行待ちの順番とは逆の順番で、実行待ちとなっている最後のジョブから順番に所定数の要求元を選択し、選択した要求元に対して追加の通知を行う。
【0039】
また、記憶装置17は、各種データを格納可能な装置である。記憶装置17としては、不揮発性メモリ、ハードディスクドライブなどの不揮発性の大容量記憶媒体が使用される。記憶装置17には、通知設定データ31、およびユーザー登録データ32が予め記憶されている。
【0040】
通知設定データ31は、通知処理部23による異常通知の設定データであって、(a)異常検出時の初回通知の宛先数、(b)設定時間経過後の追加通知の宛先数、(c)追加通知までの設定時間、(d)通知順、(e)反復通知回数、(f)追加通知の回数などの設定項目に対する設定値を有する。
【0041】
「異常検出時の初回通知の宛先数」の設定値は、(a1)通知設定データ31に予め記述されたユーザー指定の宛先数、(a2)異常時に実行中のジョブの要求元のみ、(a3)異常時に実行中のジョブの要求元および異常時に実行待ちのジョブの要求元のすべて、並びに(a4)通知しない、のいずれかとされる。
【0042】
「設定時間経過後の追加通知の宛先数」の設定値は、通知設定データ31に予め記述されたユーザー指定の宛先数とされる。
【0043】
「追加通知までの設定時間」の設定値は、通知設定データ31に予め記述されたユーザー指定の時間とされる。この時間は、例えば分単位で指定される。
【0044】
「通知順」の設定値は、(d1)実行待ちのジョブの待ち行列の最初のジョブの要求元から正順に通知の宛先を選択する正順モード、および(d2)実行待ちのジョブの待ち行列の最後のジョブの要求元から逆順に通知の宛先を選択する逆順モード、のいずれかとされる。
【0045】
「反復通知回数」の設定値は、(e1)各宛先に対して1度のみの通知、および(e2)各宛先に対して所定時間経過ごとの反復通知、のいずれかとされる。
【0046】
「追加通知の回数」の設定値は、通知設定データ31に予め記述されたユーザー指定の追加通知を行う回数とされる。
【0047】
ユーザー登録データ32は、各登録ユーザーについて、ユーザーIDと、そのユーザーの属性情報(電子メールアドレス、所属ユーザーグループなど)とを、互いに関連付けた状態で有する。
【0048】
次に、上記画像形成装置の動作について説明する。
【0049】
ジョブ管理部21は、印刷ジョブなどの要求を受け付けると、要求されたジョブを生成し、実行中のジョブが存在しない場合には、そのジョブをただちに実行し、実行中のジョブが存在する場合には、そのジョブを待ち行例に追加する。
【0050】
そして、ジョブ管理部21は、ジョブの実行が完了すると、そのときに待ち行列にジョブが存在すれば、待ち行列の先頭のジョブを実行する。
【0051】
ジョブの実行中に、印刷装置11などの内部装置に異常が発生し、内部装置の動作が中断されると、その内部装置は、異常の発生をジョブ管理部21に通知する。ジョブ管理部21は、ジョブの実行中に、印刷装置11などの内部装置における異常を検出すると、以下の異常通知処理を通知処理部23に実行させる。
【0052】
図3は、図2に示す画像形成装置1において異常が発生したときの通知処理部23の動作を説明するフローチャートである。
【0053】
通知処理部23は、異常通知処理において、まず、ジョブ管理部21からその時点のジョブリストを取得するとともに、記憶装置17から通知設定データ31を取得する(ステップS1)。
【0054】
図4は、図2に示す画像形成装置1のジョブ管理部21によるジョブリストの一例を示す図である。図4に示すように、ジョブリストでは、ジョブの状態(実行中、または待ちの順位)とジョブの要求元のユーザーIDが、ジョブ管理部21によりジョブ生成時にジョブに割り当てられるジョブIDに関連付けられている。
【0055】
そして、通知処理部23は、そのジョブリストおよび通知設定データ31に基づいて初回通知先ユーザーを特定する(ステップS2)。
【0056】
このとき、通知設定データ31における「異常検出時の初回通知の宛先数」の設定値が「異常時に実行中のジョブの要求元のみ」である場合には、通知処理部23は、初回通知先ユーザーとして、実行中のジョブの要求元のユーザーを選択する。
【0057】
また、このとき、通知設定データ31における「異常検出時の初回通知の宛先数」の設定値がユーザー指定の宛先数である場合には、通知処理部23は、初回通知先ユーザーとして、実行中のジョブの要求元のユーザーと、実行待ちのジョブの要求元のユーザーのうちの、その宛先数より1だけ少ない数のユーザーを選択する。実行待ちのジョブの要求元のユーザーから選択されるユーザーは、上述の「通知順」の設定値に応じて、実行待ちのジョブの待ち行列の最初のジョブの要求元から正順に、または、最後のジョブの要求元から逆順に選択される。
【0058】
また、このとき、通知設定データ31における「異常検出時の初回通知の宛先数」の設定値が「異常時に実行中のジョブの要求元および異常時に実行待ちのジョブの要求元のすべて」である場合、通知処理部23は、初回通知先ユーザーとして、実行中のジョブの要求元のユーザーと、実行待ちのすべてのジョブの要求元のユーザーとを選択する。
【0059】
そして、通知処理部23は、特定した初回通知先ユーザーに対して初回の異常通知を行う(ステップS3)。具体的には、通知処理部23は、特定した初回通知先ユーザーのユーザーIDに関連付けられている電子メールアドレスを、ユーザー登録データ32で特定し、特定した電子メールアドレスを宛先として、異常発生、異常の種別、除去方法などを示すメッセージを含む電子メールを図示せぬメールサーバーへ送信する。通知処理部23は、異常を通知したユーザーのユーザーIDを、その異常が解消されるまで記憶している。
【0060】
その後、通知処理部23は、通知設定データ31における「追加通知までの設定時間」が経過するまで待機し(ステップS4)、その「追加通知までの設定時間」が経過すると、ステップS3で通知した異常が解消されているか否かを判定する(ステップS5)。
【0061】
ステップS3で通知した異常が解消されていない場合、通知処理部23は、追加通知を行うため、上述のジョブリストおよび通知設定データ31に基づいて追加通知先ユーザーを特定する(ステップS6)。なお、追加通知先ユーザーは、未通知のユーザーから選択され、通知済みのユーザーからは選択されない。
【0062】
具体的には、通知処理部23は、ジョブリスト内の実行待ちジョブの要求元ユーザーにおける未通知のユーザーから、上述の「設定時間経過後の追加通知の宛先数」だけのユーザーを、上述の「通知順」の設定値に応じて選択する。
【0063】
そして、通知処理部23は、特定した追加通知先ユーザーに対して追加の異常通知を行う(ステップS7)。具体的には、通知処理部23は、ステップS6で特定した追加通知先ユーザーのユーザーIDに関連付けられている電子メールアドレスを、ユーザー登録データ32で特定し、特定した電子メールアドレスを宛先として、異常発生、異常の種別、除去方法などを示すメッセージを含む電子メールを送信する。通知処理部23は、異常を通知したユーザーのユーザーIDを、その異常が解消されるまで記憶している。
【0064】
その後、通知処理部23は、通知設定データ31における「追加通知までの設定時間」が経過するまで待機し(ステップS8)、その「追加通知までの設定時間」が経過すると、ステップS3およびステップS7で通知した異常が解消されているか否かを判定する(ステップS9)。
【0065】
その異常が解消されていない場合、通知処理部23は、通知設定データ31における「追加通知の回数」に基づいて、さらに追加通知を行うか否かを判定する(ステップS10)。具体的には、ステップS7の追加通知の実行回数が上述の「追加通知の回数」未満であれば、通知処理部23は、さらに追加通知を行うと判定する。
【0066】
さらに追加通知を行うと判定した場合、通知処理部23は、ステップS6に戻り、未通知のユーザーから追加通知先ユーザーを同様に選択し、同様に追加の通知を行う(ステップS7)。
【0067】
さらなる追加通知を行わないと判定した場合、通知処理部23は、上述の「反復通知回数」の設定値が「1度のみの通知」であれば、異常通知処理を終了する。一方、「反復通知回数」の設定値が「反復通知」である場合には、通知処理部23は、既に通知した宛先に対して、異常が解消されるまで、所定の時間ごとに繰り返し通知を行う。
【0068】
また、ステップS5において異常が解消されたと判定した場合、通知処理部23は、初回異常通知(ステップS3)で通知したユーザーに対して、異常解消を通知する(ステップS11)。ステップS9において異常が解消されたと判定した場合には、通知処理部23は、初回異常通知(ステップS3)および1回または複数回の追加異常通知(ステップS7)で通知したすべてのユーザーに対して、異常解消を通知する(ステップS11)。具体的には、通知処理部23は、そのユーザーのユーザーIDに関連付けられている電子メールアドレスを宛先として、異常解消などを示すメッセージを含む電子メールを送信する。
【0069】
例えば、ジョブリストが図4に示すものであり、「異常検出時の初回通知の宛先数」が3であり、「設定時間経過後の追加通知の宛先数」が2であり、「通知順」が「逆順モード」であり、「追加通知の回数」が2である場合、まず、初回異常通知において、ユーザーIDがA537、A509、A001である3ユーザーに対して異常通知が行われ、次に、1回目の追加異常通知において、ユーザーIDがA110、A718である2ユーザーに対して異常通知が行われ、2回目の追加異常通知において、ユーザーIDがA438、A119である2ユーザーに対して異常通知が行われる。また、例えば、ジョブリストが図4に示すものであり、「異常検出時の初回通知の宛先数」が2であり、「設定時間経過後の追加通知の宛先数」が3であり、「通知順」が「正順モード」であり、「追加通知の回数」が2である場合、まず、初回異常通知において、ユーザーIDがA537、A101である2ユーザーに対して異常通知が行われ、次に、1回目の追加異常通知において、ユーザーIDがA119、A438、A718である3ユーザーに対して異常通知が行われ、2回目の追加異常通知において、ユーザーIDがA110、A001、A509である3ユーザーに対して異常通知が行われる。
【0070】
以上のように、上記実施の形態によれば、ジョブ管理部21は、ジョブを順番に実行し、通知処理部23は、異常によりジョブの実行が中断されたことを検知すると、ジョブ管理部21において実行中のジョブの要求元、およびジョブ管理部21において実行待ちとなっているジョブの要求元に対して異常を通知する。
【0071】
これにより、実行中のジョブの要求元のユーザーが異常を除去しない場合でも、実行待ちのジョブの要求元のユーザーが異常に気付きその異常を除去することができる。したがって、異常が発生した場合、いずれかのユーザーにより短時間で異常が解消される可能性が高く、実行待ちジョブの実行遅れが低減される。
【0072】
なお、上述の実施の形態は、本発明の好適な例であるが、本発明は、これらに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の変形、変更が可能である。
【0073】
例えば、上記実施の形態において、通知処理部23は、ジョブ管理部21において実行待ちとなっているジョブの要求元のうち、所定のユーザーグループに属するユーザーのみに対して異常を通知するようにしてもよい。なお、ユーザーの属するユーザーグループは、ユーザー登録データ32で特定される。これにより、管理責任者などの特定のユーザーに対して異常が通知され、異常除去の作業を行わないユーザーに通知されずに済むようにすることができる。
【0074】
また、上記実施の形態では、要求元をユーザーIDで特定しているが、端末装置3−iの識別子(ネットワークアドレスなど)で特定するようにしてもよい。
【0075】
また、上記実施の形態では、通知方法として電子メールを使用しているが、通知処理部23は、所定の通信プロトコルを使用して端末装置3−iのドライバーに対して通知を行い、異常発生などを示すメッセージをドライバーに表示させるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明は、例えば、プリンター、複合機などの画像形成装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0077】
1 画像形成装置
21 ジョブ管理部
23 通知処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジョブを順番に実行するジョブ管理部と、
異常によりジョブの実行が中断されたことを検知すると、前記ジョブ管理部において実行中のジョブの要求元、および前記ジョブ管理部において実行待ちとなっている少なくとも1つのジョブの要求元に対して異常を通知する通知処理部と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記通知処理部は、前記異常の初回の通知を行った後、前記異常の初回の通知または前記異常の検出から所定の設定時間の経過後に前記異常が解消されていない場合には、前記異常の追加の通知を、前記ジョブ管理部において実行待ちとなっているジョブの要求元のうちの未通知である要求元における所定数の要求元に対して行うことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記通知処理部は、前記実行待ちの順番で、実行待ちとなっている最初のジョブから順番に所定数の要求元を選択し、選択した要求元に対して前記追加の通知を行うことを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記通知処理部は、前記実行待ちの順番とは逆の順番で、実行待ちとなっている最後のジョブから順番に所定数の要求元を選択し、選択した要求元に対して前記追加の通知を行うことを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記通知処理部は、前記ジョブ管理部において実行待ちとなっているジョブの要求元のうち、所定のユーザーグループに属するユーザーのみに対して異常を通知すること、
を特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記通知処理部は、前記通知を行った前記要求元について、前回の前記通知から所定の設定時間の経過後に前記異常が解消されていない場合には、その要求元に対して前記異常の通知を再度行うことを特徴とする請求項1から請求項5のうちのいずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記ジョブは、印刷ジョブであり、
前記異常は、ジャムまたは消耗品切れであること、
を特徴とする請求項1から請求項6のうちのいずれか1項記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−111855(P2013−111855A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−260121(P2011−260121)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】