説明

画像形成装置

【課題】 省エネ性能を従来より向上することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】 通常状態と、通常状態よりエネルギーの消費が少ないStandby状態との少なくとも2つの状態を有しているMFP20のメイン制御部31は、MFP20を通常状態からStandby状態に移行させる所定の条件が生じた場合、MFP20の状態が移行可能状態ではないときにエンジン制御部41にStandby状態移行通知を送信せず、MFP20の状態が移行可能状態であるときにエンジン制御部41にStandby状態移行通知を送信し、エンジン制御部41は、MFP20を通常状態からStandby状態に移行させる場合にエンジン制御部41自身への電力の供給を停止せずにメイン制御部31への電力の供給を停止することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通常状態よりエネルギーの消費が少ない省エネ状態に移行することができる画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、通常状態よりエネルギーの消費が少ない省エネ状態に移行することができる画像形成装置として、ADFと、画像読取部と、画像処理部と、画像形成部と、給紙部と、後処理部と、通信部と、ファクシミリ部と、全体を制御するCPUとを備えているMFPが知られている(例えば、特許文献1参照。)。このMFPのCPUは、通常状態である時に外部のPCから遠隔操作によって電源を制御するための指示を受け付けた場合、実行するためのジョブが存在するときにADF、画像読取部、画像処理部、画像形成部、給紙部、後処理部などへの電力の供給を停止せず、実行するためのジョブの全てを実行したときに通信部、ファクシミリ部およびCPU自身を除いたMFP全体の電力の供給を停止して省エネ状態に移行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−320051号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のMFPにおいては、MFP全体を制御することができる消費電力が大きいCPUに、通常状態である時だけでなく省エネ状態である時にも電力が供給されるので、省エネ性能が十分ではないという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、省エネ性能を従来より向上することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の画像形成装置は、通常状態と、前記通常状態よりエネルギーの消費が少ない省エネ状態との少なくとも2つの状態を有している画像形成装置であって、前記画像形成装置の電力の供給を制御する電力供給制御部と、前記電力供給制御部に前記画像形成装置を前記通常状態から前記省エネ状態に移行させるための通知である省エネ状態移行通知を前記電力供給制御部に送信する移行通知送信部とを備えており、前記移行通知送信部は、前記画像形成装置を前記通常状態から前記省エネ状態に移行させる所定の条件が生じた場合、前記画像形成装置の状態が前記通常状態から前記省エネ状態に移行することが可能である状態である移行可能状態ではないときに前記電力供給制御部に前記省エネ状態移行通知を送信せず、前記画像形成装置の状態が前記移行可能状態であるときに前記電力供給制御部に前記省エネ状態移行通知を送信し、前記電力供給制御部は、前記画像形成装置を前記通常状態から前記省エネ状態に移行させる場合に前記電力供給制御部自身への電力の供給を停止せずに前記移行通知送信部への電力の供給を停止することを特徴とする。
【0007】
この構成により、本発明の画像形成装置の移行通知送信部は、画像形成装置の状態が移行可能状態であるか否かを判断するので、処理能力が高い必要がある。処理能力が高いということは、消費電力が大きいということである。したがって、本発明の画像形成装置は、消費電力が大きい移行通知送信部への電力の供給を、画像形成装置が省エネ状態である時に停止するので、省エネ性能を従来より向上することができる。
【0008】
また、本発明の画像形成装置の前記移行通知送信部は、前記画像形成装置全体を制御するハードウェアであっても良い。
【0009】
この構成の場合、本発明の画像形成装置は、移行通知送信部が画像形成装置全体を制御するハードウェアではない構成と比較して、移行通知送信部の処理能力が高い。すなわち、本発明の画像形成装置は、移行通知送信部が画像形成装置全体を制御するハードウェアではない構成と比較して、移行通知送信部の消費電力が大きい。したがって、本発明の画像形成装置は、省エネ状態である時に移行通知送信部への電力の供給を停止する意義が大きい。
【発明の効果】
【0010】
本発明の画像形成装置は、省エネ性能を従来より向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施の形態に係るネットワークシステムのブロック図である。
【図2】図1に示すMFPのブロック図である。
【図3】MFPが通常状態からStandby状態に移行する場合の図2に示すメイン制御部の動作のフローチャートである。
【図4】MFPが通常状態からStandby状態に移行する場合の図2に示すエンジン制御部の動作のフローチャートである。
【図5】Standby状態である場合の図2に示すMFPのブロック図である。
【図6】MFPがStandby状態から通常状態に移行する場合の図2に示すエンジン制御部の動作のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0013】
まず、本実施の形態に係るネットワークシステムの構成について説明する。
【0014】
図1は、本実施の形態に係るネットワークシステム10のブロック図である。
【0015】
図1に示すように、ネットワークシステム10は、画像形成装置であるMFP(Multifunction Peripheral)20と、MFP20の外部の装置であるPC(Personal Computer)80とを備えている。MFP20およびPC80は、LAN(Local Area Network)、インターネットなどのネットワーク11を介して互いに通信可能に接続されている。
【0016】
MFP20は、通常状態と、通常状態よりエネルギーの消費が少ない省エネ状態であるStandby状態と、後述の主電源スイッチ21が切断された電源OFF状態との3つの状態を有している。
【0017】
PC80の構成は、一般的なPCの構成であるので、詳細な説明を省略する。
【0018】
図2は、MFP20のブロック図である。
【0019】
図2に示すように、MFP20は、外部の電源90から電力が供給される主電源スイッチ21と、用紙などの記録媒体に印刷を実行する印刷デバイスであるプリンター22と、原稿から画像を読み取る読取デバイスであるスキャナー23と、MFP20を通常状態からStandby状態に移行させるためのボタンであるStandbyボタン24と、プリンター22のうち記録媒体を供給するカセットの開閉を検知する開閉センサーとしてのカセットセンサー25と、プリンター22のうちプリンター22の内部構造を覆うカバーの開閉を検知する開閉センサーとしてのカバーセンサー26と、MFP20全体を制御するハードウェアであるメイン制御部31が搭載されているメイン基板30と、プリンター22を制御するハードウェアであるエンジン制御部41が搭載されているエンジン基板40と、MFP20の操作パネルを制御するハードウェアであるパネル制御部51が搭載されているパネル基板50とを備えている。
【0020】
主電源スイッチ21は、電源90から後述のエンジン制御部41、メインスイッチ42、パネルスイッチ43、LED53およびボタン54への電力の供給状態を切り替えるスイッチである。
【0021】
メイン基板30は、上述のメイン制御部31と、メイン制御部31の機能を補助するハードウェアであるサブ制御部32と、図示していない外部のファクシミリ装置と公衆電話回線などの通信回線経由でファックス通信を行うファックスデバイスであるファックス通信部33と、ネットワーク11経由で外部の装置と通信を行うネットワーク通信デバイスであるネットワーク通信部34とを備えている。
【0022】
メイン制御部31は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、プログラムおよび各種のデータを予め記憶しているROM(Read Only Memory)と、CPUの作業領域として用いられるRAM(Random Access Memory)とを備えている。CPUは、ROMに記憶されているプログラムを実行するようになっている。
【0023】
メイン制御部31は、エンジン制御部41にMFP20を通常状態からStandby状態に移行させるための通知である省エネ状態移行通知としてのStandby状態移行通知をエンジン制御部41に送信するようになっており、本発明の移行通知送信部を構成している。
【0024】
サブ制御部32は、例えば、CPUと、プログラムおよび各種のデータを予め記憶しているROMと、CPUの作業領域として用いられるRAMとを備えている。CPUは、ROMに記憶されているプログラムを実行するようになっている。
【0025】
エンジン基板40は、上述のエンジン制御部41と、主電源スイッチ21からメイン基板30のメイン制御部31、サブ制御部32、ファックス通信部33およびネットワーク通信部34への電力の供給状態を切り替えるスイッチであるメインスイッチ42と、主電源スイッチ21からパネル基板50のパネル制御部51および後述のLCD(Liquid Crystal Display)52への電力の供給状態を切り替えるスイッチであるパネルスイッチ43とを備えている。
【0026】
エンジン制御部41は、例えば、CPUと、プログラムおよび各種のデータを予め記憶しているROMと、CPUの作業領域として用いられるRAMとを備えている。CPUは、ROMに記憶されているプログラムを実行するようになっている。
【0027】
エンジン制御部41は、MFP20の電力の供給を制御するようになっており、本発明の電力供給制御部を構成している。
【0028】
パネル基板50は、上述のパネル制御部51と、種々の情報を表示する表示デバイスであるLCD52およびLED(Light Emitting Diode)53と、利用者による種々の操作が入力される入力デバイスであるボタン54とを備えている。
【0029】
パネル制御部51は、例えば、CPUと、プログラムおよび各種のデータを予め記憶しているROMと、CPUの作業領域として用いられるRAMとを備えている。CPUは、ROMに記憶されているプログラムを実行するようになっている。
【0030】
LCD52、LED53およびボタン54は、MFP20の操作パネルを構成している。
【0031】
図2において、各構成を繋ぐ実線は、信号を伝達するための信号線を示している。
【0032】
具体的には、メイン制御部31は、サブ制御部32、エンジン制御部41およびパネル制御部51と信号線で接続されている。サブ制御部32は、メイン制御部31の他、ファックス通信部33、ネットワーク通信部34、エンジン制御部41およびボタン54と信号線で接続されている。エンジン制御部41は、メイン制御部31およびサブ制御部32の他、プリンター22、スキャナー23、Standbyボタン24、カセットセンサー25、カバーセンサー26、メインスイッチ42、パネルスイッチ43、LED53およびボタン54と信号線で接続されている。パネル制御部51は、メイン制御部31の他、LCD52、LED53およびボタン54と信号線で接続されている。
【0033】
図2において、各構成を繋ぐ破線は、電力を供給するための電力線を示している。
【0034】
具体的には、主電源スイッチ21は、エンジン制御部41、メインスイッチ42、パネルスイッチ43、LED53、ボタン54および電源90と電力線で接続されている。メインスイッチ42は、主電源スイッチ21の他、メイン制御部31、サブ制御部32、ファックス通信部33およびネットワーク通信部34と電力線で接続されている。パネルスイッチ43は、主電源スイッチ21の他、パネル制御部51およびLCD52と電力線で接続されている。
【0035】
次に、MFP20の動作について説明する。
【0036】
<通常状態の動作>
MFP20が通常状態である場合、メイン制御部31は、サブ制御部32、エンジン制御部41およびパネル制御部51と連携して、例えば、プリンター22による印刷、スキャナー23による画像の読み取り、ファックス通信部33によるファックス通信およびネットワーク通信部34による通信などの動作を実行する。
【0037】
ここで、カセットセンサー25は、例えば記録媒体の補充などのために、記録媒体を供給するカセットが開閉されると、エンジン制御部41に信号を出力する。同様に、カバーセンサー26は、例えばプリンター22のメンテナンスなどのために、プリンター22の内部構造を覆うカバーが開閉されると、エンジン制御部41に信号を出力する。
【0038】
エンジン制御部41は、カセットセンサー25またはカバーセンサー26の出力信号を受信すると、カセットセンサー25またはカバーセンサー26の出力信号に基づいてプリンター22の動作を停止させるなど、プリンター22に所定の動作を実行させる。
【0039】
<通常状態からStandby状態への移行>
MFP20が通常状態からStandby状態に移行する場合の動作について説明する。
【0040】
図3は、MFP20が通常状態からStandby状態に移行する場合のメイン制御部31の動作のフローチャートである。
【0041】
図3に示すように、メイン制御部31は、MFP20が所定の動作を実行していない連続した時間(以下「無動作連続時間」という。)が所定の時間に到達したか否かを判断する(S101)。
【0042】
ここで、無動作連続時間は、メイン制御部31によって計測される。メイン制御部31は、無動作連続時間の計測中にMFP20が所定の動作を実行すると、計測中の無動作連続時間をゼロに設定し、所定の動作の実行が終了すると、再び無動作連続時間の計測を開始する。
【0043】
メイン制御部31は、無動作連続時間が所定の時間に到達していないとS101において判断すると、Standbyボタン24が押されたか否かを判断する(S102)。
【0044】
ここで、MFP20の利用者は、MFP20が通常状態である場合にStandbyボタン24を押すことによって、MFP20を通常状態からStandby状態に移行させることをMFP20に指示することができる。Standbyボタン24が押されると、エンジン制御部41は、Standbyボタン24が押されたことをメイン制御部31に通知する。したがって、メイン制御部31は、Standbyボタン24が押されたことを判断することができる。
【0045】
メイン制御部31は、Standbyボタン24が押されていないとS102において判断すると、MFP20を通常状態からStandby状態に移行させる命令であるStandby状態移行命令をMFP20の外部の装置から受信したか否かを判断する(S103)。
【0046】
ここで、MFP20の利用者は、PC80を操作することによって、Standby状態移行命令をネットワーク11経由でMFP20に送信することをPC80に指示することができる。PC80は、この指示を受けて、Standby状態移行命令をネットワーク11経由でMFP20に送信する。Standby状態移行命令がMFP20に送信されると、サブ制御部32は、PC80から送信されてきたStandby状態移行命令をネットワーク通信部34を介して受信し、Standby状態移行命令をMFP20の外部の装置から受信したことをメイン制御部31に通知する。したがって、メイン制御部31は、Standby状態移行命令をMFP20の外部の装置から受信したことを判断することができる。
【0047】
メイン制御部31は、Standby状態移行命令をMFP20の外部の装置から受信していないとS103において判断すると、再びS101の処理に戻る。
【0048】
メイン制御部31は、無動作連続時間が所定の時間に到達したとS101において判断するか、Standbyボタン24が押されたとS102において判断するか、Standby状態移行命令をMFP20の外部の装置から受信したとS103において判断すると、MFP20の状態が通常状態からStandby状態に移行することが可能である状態(以下「移行可能状態」という。)であると判断するまで、MFP20の状態が移行可能状態であるか否かを判断する(S104)。
【0049】
ここで、移行可能状態は、MFP20の設定次第である。例えば、移行可能状態は、プリンター22による印刷、スキャナー23による画像の読み取り、ファックス通信部33によるファックス通信、ネットワーク通信部34による通信およびボタン54による操作の入力の何れもが実行中ではない状態とされることが可能である。
【0050】
メイン制御部31は、MFP20の状態が移行可能状態であるとS104において判断すると、エンジン制御部41にStandby状態移行通知を送信して(S105)、図3に示す処理を終了する。
【0051】
すなわち、図3に示す処理において、メイン制御部31は、MFP20を通常状態からStandby状態に移行させる所定の条件が生じた場合(S101でYES、S102でYES、または、S103でYES)、MFP20の状態が移行可能状態ではないとき(S104でNO)にエンジン制御部41にStandby状態移行通知を送信せず、MFP20の状態が移行可能状態であるとき(S104でYES)にエンジン制御部41にStandby状態移行通知を送信する(S105)。
【0052】
エンジン制御部41は、メイン制御部31からStandby状態移行通知を受信すると、図4に示す処理を実行する。
【0053】
図4は、MFP20が通常状態からStandby状態に移行する場合のエンジン制御部41の動作のフローチャートである。
【0054】
図4に示すように、エンジン制御部41は、エンジン制御部41自身が制御するプリンター22およびスキャナー23への電力の供給を停止する(S121)。
【0055】
次いで、エンジン制御部41は、パネルスイッチ43の状態を変更することによって、パネル基板50上のパネル制御部51およびLCD52への電力の供給を停止する(S122)。
【0056】
次いで、エンジン制御部41は、メインスイッチ42の状態を変更することによって、メイン基板30上のメイン制御部31、サブ制御部32、ファックス通信部33およびネットワーク通信部34への電力の供給を停止して(S123)、図4に示す処理を終了する。
【0057】
なお、図4に示す処理において、エンジン制御部41は、エンジン制御部41自身への電力の供給を停止しない。
【0058】
図4に示す処理が終了すると、MFP20は、図5に示すようにStandby状態になる。
【0059】
図5は、Standby状態である場合のMFP20のブロック図である。
【0060】
図5において、ハッチングで示す構成には、電力が供給されていない。すなわち、MFP20は、Standby状態である場合、プリンター22およびスキャナー23と、メイン基板30上のメイン制御部31、サブ制御部32、ファックス通信部33およびネットワーク通信部34と、パネル基板50上のパネル制御部51およびLCD52とに電力が供給されていない。
【0061】
なお、MFP20の利用者は、Standby状態であっても電力が供給されているLED53の発光によって、MFP20が電源OFF状態ではなくStandby状態であることを認識することができる。
【0062】
<Standby状態から通常状態への復帰>
MFP20がStandby状態から通常状態に復帰する場合の動作について説明する。
【0063】
なお、カセットセンサー25は、例えば記録媒体の補充などのために、記録媒体を供給するカセットが開閉されると、エンジン制御部41に信号を出力する。同様に、カバーセンサー26は、例えばプリンター22のメンテナンスなどのために、プリンター22の内部構造を覆うカバーが開閉されると、エンジン制御部41に信号を出力する。
【0064】
MFP20が図5に示すStandby状態である場合、エンジン制御部41は、Standbyボタン24またはボタン54の何れかが押されるか、カセットセンサー25またはカバーセンサー26の出力信号を受信すると、図6に示す処理を開始する。
【0065】
図6は、MFP20がStandby状態から通常状態に復帰する場合のエンジン制御部41の動作のフローチャートである。
【0066】
図6に示すように、エンジン制御部41は、メインスイッチ42の状態を変更することによって、メイン基板30上のメイン制御部31、サブ制御部32、ファックス通信部33およびネットワーク通信部34への電力の供給を開始する(S141)。ここで、メイン制御部31およびサブ制御部32は、電力の供給が開始されると、それぞれ起動のための所定の動作を開始する。
【0067】
次いで、エンジン制御部41は、パネルスイッチ43の状態を変更することによって、パネル基板50上のパネル制御部51およびLCD52への電力の供給を開始する(S142)。ここで、パネル制御部51は、電力の供給が開始されると、起動のための所定の動作を開始する。
【0068】
次いで、エンジン制御部41は、エンジン制御部41自身が制御するプリンター22およびスキャナー23への電力の供給を開始して(S143)、図6に示す処理を終了する。
【0069】
以上に説明したように、メイン制御部31は、MFP20の状態が移行可能状態であるか否かを判断するので、処理能力が高い必要がある。処理能力が高いということは、消費電力が大きいということである。したがって、MFP20は、消費電力が大きいメイン制御部31への電力の供給を、MFP20がStandby状態である時に停止するので、省エネ性能を従来より向上することができる。
【0070】
また、MFP20は、MFP20の状態が移行可能状態であるか否かを判断する移行通知送信部がMFP20全体を制御するハードウェア、すなわち、メイン制御部31であるので、移行通知送信部がメイン制御部31ではない構成と比較して、移行通知送信部の処理能力が高い。すなわち、MFP20は、移行通知送信部がメイン制御部31ではない構成と比較して、移行通知送信部の消費電力が大きい。したがって、MFP20は、Standby状態である時に移行通知送信部への電力の供給を停止する意義が大きい。
【0071】
なお、MFP20は、メイン制御部31によって無動作連続時間を計測するようになっているが、例えばサブ制御部32など、メイン制御部31以外の構成によって無動作連続時間を計測するようになっていても良い。
【0072】
MFP20は、メイン基板30上にメイン制御部31およびサブ制御部32を備えているが、メイン制御部31およびサブ制御部32を統合した1つの制御部のみを備えていても良い。
【0073】
以上においては、通常状態からStandby状態への移行について説明しているが、MFP20は、MFP20を通常状態から電源OFF状態に移行させる命令である電源OFF状態移行命令をMFP20の外部の装置から受信した場合に、通常状態から電源OFF状態に移行するようになっていても良い。MFP20は、電源OFF状態移行命令を受信した場合に通常状態から電源OFF状態に移行するようになっているとき、図3に示す動作と同様に、MFP20の状態が通常状態から電源OFF状態に移行することが可能である状態であると判断するまで、待機するようになっていても良い。
【0074】
ネットワークシステム10は、MFP20の外部の装置としてPC80を備えているが、MFP20の外部の装置としてPC以外の装置を備えていても良い。
【0075】
本発明の画像形成装置は、本実施の形態においてMFPであるが、プリンター専用機、ファックス専用機、コピー専用機など、MFP以外の画像形成装置であっても良い。
【符号の説明】
【0076】
20 MFP(画像形成装置)
31 メイン制御部(移行通知送信部)
41 エンジン制御部(電力供給制御部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通常状態と、前記通常状態よりエネルギーの消費が少ない省エネ状態との少なくとも2つの状態を有している画像形成装置であって、
前記画像形成装置の電力の供給を制御する電力供給制御部と、前記電力供給制御部に前記画像形成装置を前記通常状態から前記省エネ状態に移行させるための通知である省エネ状態移行通知を前記電力供給制御部に送信する移行通知送信部とを備えており、
前記移行通知送信部は、前記画像形成装置を前記通常状態から前記省エネ状態に移行させる所定の条件が生じた場合、前記画像形成装置の状態が前記通常状態から前記省エネ状態に移行することが可能である状態である移行可能状態ではないときに前記電力供給制御部に前記省エネ状態移行通知を送信せず、前記画像形成装置の状態が前記移行可能状態であるときに前記電力供給制御部に前記省エネ状態移行通知を送信し、
前記電力供給制御部は、前記画像形成装置を前記通常状態から前記省エネ状態に移行させる場合に前記電力供給制御部自身への電力の供給を停止せずに前記移行通知送信部への電力の供給を停止することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記移行通知送信部は、前記画像形成装置全体を制御するハードウェアであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−115572(P2013−115572A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−259327(P2011−259327)
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】