説明

異方導電性シートおよび異方導電性シートの製造方法

【課題】異物の付着による導電性の悪化を抑えることができる異方導電性シートおよび異方導電性シートの製造方法を提供を提供する。
【解決手段】異方導電性シート10はシート体20を備え、このシート体20の非導電部30は、絶縁性を有すると共に弾性を有する弾性樹脂を材質として形成され、導電部40は、金属を材料として含む複数の導電性粒子が弾性樹脂42で覆われる状態で形成され、導電部40のうち厚み方向における少なくとも一方の端部では、複数の導電性粒子41が弾性樹脂42に覆われずに露出し、その露出により隣り合う導電性粒子41の間には凹部43が形成され、露出している導電性粒子41の厚み方向における突出頂部41aには、当該厚み方向において最も高い第1位置に位置するものが複数存在し、露出している導電性粒子41の周囲には隆起部44が設けられ、この隆起部44は当該隆起部44以外の部位よりも厚み方向において突出している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異方導電性シートおよび異方導電性シートの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プリント回路基板などの検査対象物の電気的性能を検査するために、各種の異方導電性シートが提案されている。このような異方導電性シートの中には、特許文献1および特許文献2に示すものがある。特許文献1には、所定の粒子径の導電性磁性体粒子を磁場の作用によって絶縁性高分子弾性体のシート内において再配列させ、絶縁部と加圧導電部とが明瞭に分離できる異方導電性シートが開示されている。また、特許文献2にも、同様の構成を有する異方導電性シートが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特公昭56−19817号公報
【特許文献2】特開昭58−152033号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記の電気的性能の検査のために、異方導電性シートを用いる場合、コンタミネーションによって導電性が悪化する、という問題がある。すなわち、電気的性能の検査を行うにつれて、加圧導電部のうち検査対象物との接触部位には、徐々に異物が付着していき、異方導電性シートの検査能力が悪化していく、という問題がある。そのため、異方導電性シートの加圧導電部においては、異物の付着による導電性の悪化を抑えることができることが求められている。
【0005】
しかしながら、上述の特許文献1および特許文献2に開示の技術を用いても、そのような異方導電性シートの実現は困難である。
【0006】
本発明は上記の事情にもとづきなされたもので、その目的とするところは、異物の付着による導電性の悪化を抑えることができる異方導電性シートおよび異方導電性シートの製造方法を提供しよう、とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の異方導電性シートの第1の側面は、絶縁性を有すると共に弾性を有する弾性樹脂を材質とする非導電部と、金属を材料として含む複数の導電性粒子とこの導電性粒子を覆う弾性樹脂とを材質とする導電部と、を有するシート体を備え、非導電部は、絶縁性を有すると共に弾性を有する弾性樹脂を材質として形成され、導電部は、金属を材料として含む複数の導電性粒子が弾性樹脂で覆われる状態で形成され、導電部は、導電性粒子を互いに接触させることによって導電性を発現し、導電部のうちシート体の厚み方向における少なくとも一方の端部では、複数の導電性粒子が弾性樹脂に覆われずに露出し、その露出により隣り合う導電性粒子の間には凹部が形成され、露出している導電性粒子の前記厚み方向における突出頂部には、当該厚み方向において導電部で最も突出する位置である第1位置に位置するものが複数存在し、導電部のうち露出している導電性粒子の周囲には隆起部が設けられていて、この隆起部は当該隆起部以外の部位よりも厚み方向において突出して設けられている、ものである。
【0008】
このように構成する場合、導電部において異物の付着による導電性の悪化を抑えることが可能となる。すなわち、導電性粒子が弾性樹脂で覆われて略面一となり、隣り合う導電性粒子の間に凹部が存在しない状態の場合、異物は層状に堆積していき、その堆積によって導電性が徐々に悪化していく。しかしながら、本発明のように、導電性粒子が弾性樹脂によって覆われずに露出し、しかも隣り合う導電性粒子の間に凹部が存在する場合には、検査対象物の電極部と導電部との接触は面状とはならずに、当該電極部と導電性粒子とが局部的に接触する状態となる。それにより、導電性粒子のうち電極部に対する接触部位に作用する荷重は大幅に増大し、それによって異物の除去効果が得られ、異物が堆積し難くなる。そのため、異物の堆積による導電性の悪化を抑えることが可能となる。また、異物は、露出している導電性粒子の突出頂部よりも、凹部側により堆積し易くなるため、導電性粒子のうち電極部と接触する部位における異物の堆積は、相対的に少なくなる。それによっても、異物の堆積による導電性の悪化を抑えることが可能となる。さらに、導電性粒子の露出による導電部が凹凸形状となって導電部の表面積が増加する。そのため、仮に異物が層状に堆積したとしてもその厚みが薄くなり、それによって異物の層状の堆積による導電性の悪化を抑えることが可能となる。
【0009】
また、導電部のうちシート体の厚み方向における少なくとも一方の端部では、導電性粒子が弾性樹脂によって覆われずに露出し、しかも隣り合う導電性粒子の間には凹部が存在する。そのため、導電性粒子が弾性樹脂によって覆われている場合と比較して、検査対象物の電極部に対する導電性を向上させることが可能となる。すなわち、導電性粒子の露出によって、導電部のうち従来は弾性樹脂で覆われていた部分も露出するため、導電部のうち露出する部分の表面積が増加する。さらには、弾性樹脂が、導電性粒子の露出の分だけ取り除かれることにより、導電性粒子が動き易くなる(自由度が増す)。そのため、検査対象物の電極部に導電性粒子が押し付けられる場合、従来は、それぞれの導電性粒子に存在する凸部のうち、たとえば1つの凸部で電極部に接触していたものが、それぞれの導電性粒子に存在する複数の凸部で電極部に接触する状態が実現される。それにより、導電性を向上させることが可能となる。加えて、上述のように異物が導電性粒子に堆積し難くなることによっても、導電性を向上させることが可能となる。また、本発明では、複数の導電性粒子の突出頂部が厚み方向における第1位置に位置し、その第1位置は厚み方向において導電部で最も突出している位置となっている。そのため、電極部に対して多点接触を確保でき、それによって導電性を向上させることが可能となる。
【0010】
また、単純に弾性樹脂を除去して導電性粒子を露出させただけでは、導電性粒子が導電部から脱落し易くなり、長期の使用に耐えられないものとなる。しかしながら、本発明では、導電部のうち露出している導電性粒子の周囲には隆起部が設けられていて、この隆起部は当該隆起部以外の部位よりも厚み方向において突出して設けられている。このような隆起部の存在により、導電性粒子が脱落するのを抑えることが可能となり、それによって異方導電性シートを長期に亘って使用することが可能となる。
【0011】
また、本発明の異方導電性シートの他の側面は、上述の発明に加えて更に、突出頂部には、厚み方向において第1位置よりも突出していない部位に位置するものが複数存在する、ことが好ましい。
【0012】
このように構成する場合には、第1位置よりも突出していない(低い)位置に位置する突出頂部が複数存在する状態となる。このような導電性粒子においても、弾性樹脂で覆われずに露出することで、導電性を向上させることが可能となる。すなわち、検査対象物の電極部に導電性粒子が押し付けられ、その導電性粒子が若干シート体側(低い側)に向かうと、第1位置よりも突出していない(低い)位置に位置する導電性粒子の突出頂部にも、電極部が新たに接触する状態が実現できる。このような新たな接触に関する導電性粒子は、従前は弾性樹脂で覆われて接触不能となっていたものの、本発明では、このような導電性粒子も電極部に接触させる状態を実現可能となるため、導電性を向上させることが可能となる。
【0013】
さらに、本発明の異方導電性シートの他の側面は、上述の発明に加えて更に、隆起部の厚み方向に沿う突出側の頂部と突出頂部との間の厚み方向における寸法は、複数の導電性粒子の粒子径の平均値の半分以下である、ことが好ましい。
【0014】
このように構成する場合には、隆起部の突出側の頂部と突出頂部の間の厚み方向における寸法が、複数の導電性粒子の粒子径の平均値の半分以下であるため、隆起部は、導電性粒子を保持する機能を十分に有したものとなる。それにより、導電性粒子が導電部から脱落するのを抑えることが可能となる。また、このようにすると、弾性樹脂で覆われずに露出する導電性粒子が多くなるため、導電部における導電性を向上させることが可能となる。
【0015】
また、本発明の異方導電性シートの他の側面は、上述の発明に加えて更に、隆起部の厚み方向に沿う突出側の頂部と突出頂部との間の厚み方向における寸法は、導電性粒子の粒子径の最小値の半分以下である、ことが好ましい。
【0016】
このように構成する場合には、隆起部の突出側の頂部と突出頂部の間の厚み方向における寸法が、導電性粒子の粒子径の最小値の半分以下であるため、隆起部は、導電性粒子を保持する機能を十分に有したものとなる。それにより、導電性粒子が導電部から脱落するのを一層良好に抑えることが可能となる。
【0017】
また、本発明の他の側面は、異方導電性シートの製造方法であって、絶縁性を有すると共に弾性を有する弾性樹脂を材質とする非導電部と、金属を材料として含む複数の導電性粒子とこの導電性粒子を覆う弾性樹脂とを材質とする導電部と、を有するシート体を形成するシート形成工程と、シート体の厚み方向における端面の少なくとも一方の面側にレーザ光を照射するレーザ光照射工程と、を有し、導電部は、導電性粒子を互いに接触させることによって導電性を発現し、レーザ光照射工程により、導電部のうちシート体の厚み方向における少なくとも一方の端部には、弾性樹脂に覆われずに露出する複数の導電性粒子が設けられると共に、その露出により隣り合う導電性粒子の間には凹部が形成され、レーザ光照射工程により、露出している導電性粒子の厚み方向における突出頂部であって当該厚み方向において導電部で最も突出する位置である第1位置に位置するものが複数形成され、さらにレーザ光照射工程により、導電部のうち露出している導電性粒子の周囲には隆起部が形成され、この隆起部は当該隆起部以外の部位よりも厚み方向において突出して設けられている、ことが好ましい。
【0018】
このように構成する場合には、導電部において異物の付着による導電性の悪化を抑える異方導電性シートを作製することが可能となる。すなわち、導電性粒子が弾性樹脂で覆われて略面一となり、隣り合う導電性粒子の間に凹部が存在しない状態の場合、異物は層状に堆積していき、その堆積によって導電性が徐々に悪化していく。しかしながら、本発明のように、レーザ光照射工程によって弾性樹脂に覆われずに露出する複数の導電性粒子が設けられ、しかも隣り合う導電性粒子の間に凹部が形成される場合には、検査対象物の電極部と導電部との接触は面状とはならずに、当該電極部と導電性粒子とが局部的に接触する状態となる。それにより、導電性粒子のうち電極部に対する接触部位に作用する荷重は大幅に増大し、それによって異物の除去効果が得られ、異物が堆積し難くなる。そのため、異物の堆積による導電性の悪化を抑えることが可能となる。また、異物は、露出している導電性粒子の突出頂部よりも、凹部側により堆積し易くなるため、導電性粒子のうち電極部と接触する部位における異物の堆積は、相対的に少なくなる。それによっても、異物の堆積による導電性の悪化を抑えることが可能となる。さらに、導電性粒子の露出による導電部が凹凸形状となって導電部の表面積が増加する。そのため、仮に異物が層状に堆積したとしてもその厚みが薄くなり、それによって異物の層状の堆積による導電性の悪化を抑えることが可能となる。
【0019】
また、導電部のうちシート体の厚み方向における少なくとも一方の端部では、導電性粒子が弾性樹脂によって覆われずに露出し、しかも隣り合う導電性粒子の間には凹部が存在する。そのため、導電性粒子が弾性樹脂によって覆われている場合と比較して、検査対象物の電極部に対する導電性を向上させることが可能となる。すなわち、導電性粒子の露出によって、導電部のうち従来は弾性樹脂で覆われていた部分も露出するため、導電部のうち露出する部分の表面積が増加する。さらには、弾性樹脂が、導電性粒子の露出の分だけ取り除かれることにより、導電性粒子が動き易くなる(自由度が増す)。そのため、検査対象物の電極部に導電性粒子が押し付けられる場合、従来は、それぞれの導電性粒子に存在する凸部のうち、たとえば1つの凸部で電極部に接触していたものが、それぞれの導電性粒子に存在する複数の凸部で電極部に接触する状態が実現される。それにより、導電性を向上させることが可能となる。加えて、上述のように異物が導電性粒子に堆積し難くなることによっても、導電性を向上させることが可能となる。また、本発明では、複数の導電性粒子の突出頂部が厚み方向における第1位置に位置し、その第1位置は厚み方向において導電部で最も突出している位置となっている。そのため、電極部に対して多点接触を確保でき、それによって導電性を向上させることが可能となる。
【0020】
また、単純に弾性樹脂を除去して導電性粒子を露出させただけでは、導電性粒子が導電部から脱落し易くなり、長期の使用に耐えられないものとなる。しかしながら、本発明では、レーザ光照射工程によって導電部のうち露出している導電性粒子の周囲には隆起部が形成され、この隆起部は当該隆起部以外の部位よりも厚み方向において突出して設けられている。このような隆起部の存在により、導電性粒子が脱落するのを抑えることが可能となり、それによって異方導電性シートを長期に亘って使用することが可能となる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によると、異物の付着による導電性の悪化を抑えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施の形態に係る異方導電性シートのシート体の構成を示す部分的な側断面図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る異方導電性シートの構成を示す平面図である。
【図3】図1のシート体の導電部付近を拡大して示す部分的な側断面図である。
【図4】図3の導電部における導電性粒子を拡大して示す部分的な側断面図である。
【図5】本発明の一実施の形態における製造方法で用いられる金型の形状を示す側断面図であり、(A)は下型と上型とが加圧を行う前の状態を示し、(B)は下型と上型とが加圧を行っている状態を示す。
【図6】本発明の一実施の形態においてシート体を作製するための処理フローを示す図である。
【図7】図1のシート体の導電部を検査対象物の電極に押し付けた状態を示す部分的な側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の一実施の形態に係る、異方導電性シート10について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明においては、シート体20の厚み方向を、高さ方向(Z方向)として説明し、「高い」とは高さ方向においてシート体20から離間している状態を指し、「低い」とは、「高い」場合と比較してシート体20に近接している状態を指すものとする。
【0024】
図2に示すように、異方導電性シート10は、シート体20を有している。シート体20は、異方導電性シート10の主要な構成要素であり、このシート体20が図2に示すようなフレーム11に支持されることによって、異方導電性シート10が構成される。ただし、異方導電性シート10は、フレーム11を具備しないものとしても良い。
【0025】
シート体20は、絶縁性を有すると共に可撓性を有すゴム材料(請求項でいう弾性樹脂)を主要な材質として形成されている。詳細を述べると、シート体20は、非導電部30と導電部40とを有している。非導電部30は、上述のゴム材料(ゴムマトリックス)を材質として形成されている。また、導電部40は、上述のゴム材料と、このゴム材料の中に偏在して分散する導電性粒子41とを材質として形成されている。なお、以下の説明においては、導電部40のうち、導電性粒子41を除いたゴム材料の部分を、ゴム部42と称呼する。
【0026】
なお、ゴムマトリックスであるゴム材料としては、公知のゴム材料が利用でき、たとえば、シリコーンゴム、ポリブタジエンゴム、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、ウレタンゴム、ポリエステル系ゴム、クロロプレンゴム、エピクロルヒドリンゴムなどを挙げることができる。なお、これらの中でもゴム材料としてはシリコーンゴムが好ましい。
【0027】
また、導電性粒子41としては、少なくともその表面が導電性材料から構成されると共に、粒子全体としては磁性を有するものであれば特に限定されないが、通常は、芯材粒子と、この芯材粒子を被覆する被覆層とを有するものであることが好ましい。ここで、芯材粒子としては、磁性を示す材料を含む磁性粒子、あるいは、非磁性材料のみからなる非磁性粒子を用いることができる。ここで、磁性粒子としては、たとえば、ニッケル、鉄、コバルト等の金属やこれらの合金からなる粒子が利用でき、非磁性粒子としては、非磁性金属粒子、ガラスビーズ、樹脂粒子などが利用できる。一方、被覆層としては、芯材粒子として磁性粒子を用いる場合には、たとえば、金、銀、パラジウム、ロジウムなどの導電性材料が用いられ、芯材粒子として非磁性粒子を用いる場合には、たとえば、ニッケル、コバルトなどの導電性磁性材料を用いられる。ここで、被覆層は、メッキ法などの公知のコーティング方法により芯材粒子表面に形成することができる。なお、コスト、導電性能および耐腐食性をバランス良く両立させることができる観点からは、芯材粒子としてニッケル粒子を用い、被覆層としては銀を用いることが好ましい。
【0028】
また、上述の導電性粒子41の平均粒径としては、特に限定されないが、導電部40における導電性粒子41間の電気的接触を確保する等の実用上の観点から、10μm〜100μmの範囲内が好ましく、20μm〜80μmの範囲内がより好ましい。
【0029】
また、導電部40の中に占める導電性粒子41の体積割合は、導電部40がその厚み方向(Z方向)に対して加圧された際に抵抗値が減少する導電特性(加圧導電性)が発揮できるのであれば特に限定されないが、3体積%以上30体積%以下が好ましく、5体積%以上20体積%以下がより好ましい。体積割合を上記範囲内とすることにより、回路基板等の検査対象物50(図7参照)の電気的検査に適した加圧力範囲内で加圧導電性が発現できる。
【0030】
また、導電性粒子41とゴム部42とでは、後述する特定波長のレーザー光を照射した場合のエネルギー吸収率に差が存在している。すなわち、特定波長のレーザー光を照射した場合においては、ゴム部42の方が、導電性粒子41よりもエネルギー吸収率が高い状態となっている。そのため、ゴム部42では特定波長のレーザー光の照射により温度が上昇して、ゴム材料が気化(蒸発)する。一方、導電性粒子41では、特定波長のレーザー光を照射しても、温度がさほど上昇せず、当該導電性粒子41に気化(蒸発)が生じない状態となっている。なお、特定波長のレーザー光としては、炭酸ガスレーザーがあり、その波長は、9.4μmから10.6μmの範囲内となっている。なお、上記の特定波長には、多少の誤差が許容され、約9.4μmから約10.6μmの範囲内とすることもできる。なお、導電性粒子41を露出させつつ、後述する隆起部44を形成可能なものであれば、レーザー光は、どのような波長のものであっても良い。
【0031】
図3は、シート体20のうち、導電部40の表面付近を拡大して示す側断面図である。図3に示すように、導電部40においては、導電性粒子41がゴム部42の表面42aよりも突出していて、非導電部30の表面30aよりも突出している。すなわち、導電部40の表面においては、導電性粒子41の突出頂部41aは、ゴム部42の表面42aよりも高く突出していて、導電性粒子41にはゴム部42(弾性樹脂)で覆われずに露出している部分が存在している。また、図3に示すように、導電性粒子41の表面42aからの突出により、隣り合う導電性粒子41と表面42aとで囲まれる部分が窪んだ凹部43となっている。
【0032】
ここで、突出頂部41aは、導電部40において最も高く突出している。しかしながら、突出頂部41aには、高さ方向(Z方向)において最も高い位置(第1位置)に位置する突出頂部41a1と、突出頂部41a1よりも高さ方向(Z方向)において低い位置に位置する突出頂部41a2とが存在している。また、図3に示すように、第1位置に位置する突出頂部41a1は複数存在している。そのため、ある導電部40においては、検査対象物50の電極部51(図7参照)に対して多点接触を実現できるものとなっている。
【0033】
また、図4に示すように、導電性粒子41の露出部分と表面42aとの境界部分には、隆起部44が設けられている。隆起部44は、表面42aのうち導電性粒子41に近接する部分が、上方(高くなる向き)に向かって突出(隆起)する状態に設けられている。この隆起部44の存在により、導電性粒子41が表面42aから突出していても、当該導電性粒子41が脱落するのを抑えることが可能となっている。ここで、隆起部44は、表面42aに沿って導電性粒子41から離間するにつれて、高さが低くなるように設けられている。すなわち、隆起部44は、いわば裾野状に設けられている。
【0034】
なお、隆起部44の高さ方向(Z方向)に沿う突出側の頂部44aと突出頂部41aとの間の高さ方向(Z方向)における寸法は、複数の導電性粒子41の粒子径の平均値の半分以下であることが好ましい。しかしながら、隆起部44の高さ方向(Z方向)に沿う突出側の頂部44aと突出頂部41aとの間の高さ方向(Z方向)における寸法は、複数の導電性粒子41の粒子径の最小値の半分以下であっても良い。
【0035】
また、隆起部44の頂部44aは、その全周に亘って均一な高さに設けられていても良いが、通常は周方向に沿って凹凸する形状に設けられている。なお、頂部44aは、隆起部44aのうち最も高い部分とすることも可能であり、高さ方向(Z方向)に沿う隆起部44の任意の断面において最も高い部分とすることも可能であり、高さ方向(Z方向)に沿う隆起部44の任意の断面において最も高い部分の平均値とすることも可能である。
【0036】
また、導電部40における導電性粒子41の突出は、シート体20の表面または裏面の少なくとも一方に存在しているが、好ましくは、シート体20の表裏両面において、導電部40における導電性粒子41の突出が存在するものとすることが好ましい。ここで、シート体20の表面または裏面のいずれか一方は、請求項における少なくとも一方の端部に対応する。
【0037】
<異方導電性シート10の製造方法について>
次に、上述した異方導電性シート10の製造方法について説明する。本実施の形態における異方導電性シートの製造は、以下には、異方導電性シート10のうちシート体20を作製するフローを、図6に示しつつ説明する。
【0038】
まず、流動性のある原料混合物にて、金型100のキャビティ部を充填する(ステップS01)。ここで、原料混合物とは、ゴム原料および導電性粒子41を含み、流動性を有するものである。なお、充填においては、上型110の上側キャビティ部111と、下型120の下側キャビティ部121とのそれぞれに、原料混合物を充填するようにするのが好ましい。
【0039】
その充填の後に、不図示の掻き取り部材を用いて、余分な原料混合物を掻き取るようにする(ステップS02)。その後に、上型110と下型120とを押し付けて、加圧する(ステップS03)。その加圧と同時または後に、原料混合物に磁場を印加する(ステップS04)。ここで図5に示すように、上型110と下型120のそれぞれには、磁性ピン130が設けられている。このとき、上型110側に位置する磁性ピン130Aと、下型120側に位置する磁性ピン130Bとは、同一の中心線P上に位置するように設けられている。このとき、磁性ピン130A,130Bの直径は、導電部40に対応するものとなっている。
【0040】
なお、対向する一対の磁性ピン130A,130Bの間に磁場を印加すると、それぞれの磁力線は略平行を為す状態となる。しかしながら、磁性ピン130A,130Bの端部での磁力線の向きを勘案すると、磁性ピン130A,130Bの直径は、作製される導電部40の直径よりも小さいものとすることができる。また、磁性ピン130A,130Bは、原料混合物に磁場を印加可能であれば、永久磁石を用いても良く、電磁石を用いても良い。
【0041】
以上のようにして、原料混合物に対して磁場を印加して導電性粒子41を導電部40に対応する部位に偏在させつつ、原料混合物を硬化させる(ステップS05)。
【0042】
次に、硬化したシート体20を金型100から取り出し、取り出したシート体20にマスクを位置させ、加工対象部位以外を覆う状態とする(ステップS06)。その状態で、マスクに覆われていない部位(加工対象部位)に、特定波長のレーザー光を照射する(ステップS07)。このレーザー光の照射は、以下の性質に着目してなされている。すなわち、種々の波長のレーザー光を照射して実験したところ、特定波長のレーザー光を照射した場合には、導電性粒子41は、ゴム材料よりもエネルギー吸収率が低いことが確認された。そして、この性質に着目して、シート体20の表面に特定波長のレーザー光を照射したところ、その照射部位のうち、導電性粒子41以外のゴム部42および非導電部30においては、ゴム材料が気化(蒸発)して、表面42aおよび表面30aの高さが低くなることが確認された。一方、導電性粒子41は、ゴム材料よりもエネルギー吸収率が低い。そのため、導電性粒子41にレーザー光が照射されても、導電性粒子41は気化(蒸発)しないことが確認された。そのため、相対的に表面42aおよび表面30aから、導電性粒子41が突出する状態となり、図4に示す状態が実現される。
【0043】
ここで、特定波長のレーザー光の照射においては、隆起部44が形成される、ということも確認された。この隆起部44は、以下の原理によって形成されると考えられる。すなわち、特定波長のレーザー光が照射されると、エネルギーの吸収によって、ゴム部42のゴム材料または非導電部30のゴム材料の温度が上昇する。しかしながら、導電性粒子41は、ゴム材料よりもエネルギー吸収率が低いため、当該導電性粒子41においては、温度がさほど上昇しない。そのため、ゴム材料のうち導電性粒子41の近傍に位置するものは、相対的に温度の低い導電性粒子41の存在によって、温度の上昇が抑えられる。それにより、導電性粒子41の周囲には、図4に示すような隆起部44が形成される状態となる、と考えられる。
【0044】
なお、シート体20に平行な平面をXY平面とすると、レーザー光を加工対象部位に照射する場合、たとえばX方向に沿って所定の速度で移動しながら特定波長のレーザー光を照射し(第1走査ステップ)、次にY方向に移動させ(Y移動ステップ)、その後に再びX方向に沿って所定の速度で移動しながら特定波長のレーザー光を照射する(第2走査ステップ)。このとき、第1走査ステップの照射部位と第2走査ステップの照射部位との間に段差等の明確な境界を形成させないために、第1走査ステップの照射部位と第2走査ステップの照射部位とが若干重なるようにする。以後、同じようにして、特定波長のレーザー光を、加工対象部位の全面に照射させる。
【0045】
以上のようなレーザー光の照射を行うことにより、図4および図5に示すような、ゴム部42(弾性樹脂)で覆われずに露出している部分が存在する導電性粒子41を有するシート体20が作製される。そして、このシート体20をフレーム11で支持させることによって、異方導電性シート10が作製される。
【0046】
<効果>
以上のような構成の異方導電性シート10および異方導電性シート10の製造方法によれば、導電部40において異物の付着による導電性の悪化を抑えることが可能となる。
【0047】
すなわち、導電性粒子41がゴム部42(弾性樹脂)で覆われて略面一となり、隣り合う導電性粒子41の間に凹部43が存在しない状態の場合、異物は層状に堆積していき、その堆積によって導電性が徐々に悪化していく。しかしながら、導電性粒子41がゴム部42(弾性樹脂)によって覆われずに露出し、しかも隣り合う導電性粒子41の間に凹部43が存在する場合には、図7に示す検査対象物50の電極部51と導電部40との接触は面状とはならずに、電極部51と導電性粒子41とが局部的に接触する状態となる。それにより、導電性粒子41のうち電極部51に対する接触部位に作用する荷重は大幅に増大し、それによって異物の除去効果が得られ、異物が堆積し難くなる。そのため、異物の堆積による導電性の悪化を抑えることが可能となる。
【0048】
また、本実施の形態では、異物は、露出している導電性粒子41の突出頂部41aよりも、凹部43側により堆積し易くなる。そのため、導電性粒子41のうち電極部51と接触する部位における異物の堆積は、相対的に少なくなる。それによっても、異物の堆積による導電性の悪化を抑えることが可能となる。さらに、導電性粒子41の露出によって導電部40が凹凸形状となり、導電部40の表面積が増加する。そのため、仮に異物が層状に堆積したとしてもその厚みが薄くなり、それによって異物の層状の堆積による導電性の悪化を抑えることが可能となる。
【0049】
また、本実施の形態では、導電部40のうちシート体20の厚み方向(Z方向)における表面および裏面のうち少なくとも一方側では、導電性粒子41がゴム部42(弾性樹脂)によって覆われずに露出し、しかも隣り合う導電性粒子41の間には凹部43が存在する。そのため、導電性粒子41がゴム部42(弾性樹脂)によって覆われている場合と比較して、電極部51に対する導電性を向上させることが可能となる。
【0050】
すなわち、本実施の形態では、導電性粒子41の露出によって、導電部40のうち従来はゴム部42(弾性樹脂)で覆われていた部分も露出するため、導電部40のうち露出する部分の表面積が増加する。さらには、ゴム部42(弾性樹脂)が、導電性粒子41の露出の分だけ取り除かれることにより、導電性粒子41が動き易くなる(自由度が増す)。そのため、検査対象物50の電極部51に導電性粒子41が押し付けられる場合、従来は、それぞれの導電性粒子41に存在する凸部のうち、たとえば1つの凸部で電極部51に接触していたものが、それぞれの導電性粒子41に存在する複数の凸部で電極部51に接触する状態が実現される(図7参照)。それにより、本実施の形態では、導電性を向上させることが可能となる。加えて、上述のように異物が導電性粒子41に堆積し難くなることによっても、導電性を向上させることが可能となる。
【0051】
また、本実施の形態では、突出頂部41aには、高さ方向(Z方向)において最も高い位置(第1位置)に位置する突出頂部41a1が存在している。そのため、検査対象物50の電極部51に対して多点接触を確保でき、それによって導電性を向上させることが可能となる。
【0052】
ところで、導電性粒子41を露出させるに当たり、単純にゴム部42(弾性樹脂)を除去して導電性粒子41を露出させただけでは、導電性粒子41が導電部40から脱落し易くなり、長期の使用に耐えられないものとなる。しかしながら、本実施の形態では、導電部40のうち露出している導電性粒子41の周囲には隆起部44が設けられていて、この隆起部44は当該隆起部44以外の部位よりも厚み方向(Z方向)において突出して設けられている。このような隆起部44の存在により、導電性粒子41が脱落するのを抑えることが可能となり、それによって異方導電性シート10を長期に亘って使用することが可能となる。
【0053】
また、本実施の形態では、突出頂部41aには、高さ方向(Z方向)において最も高い位置(第1位置)に位置する突出頂部41a1以外にも、突出頂部41a1よりも高さ方向(Z方向)において低い位置に位置する突出頂部41a2が存在している。そのため、突出頂部41a2を有する導電性粒子41の存在によっても、導電性を向上させることが可能となる。
【0054】
すなわち、図7に示すように、検査対象物50の電極部51に導電性粒子41が押し付けられ、その導電性粒子41が若干シート体20側(低い側)に向かうと、突出頂部41a1よりも突出していない(低い)位置に位置する突出頂部41a2にも、電極部51が新たに接触する状態が実現できる。すなわち、検査対象物50の電極部51が突出頂部51a1に押し付けられる場合には、この突出頂部51a1を有する導電性粒子41が凹部43の存在によって移動したり当該導電性粒子41が沈み込むことにより、新たに突出頂部41a2が電極部51に接触する、と考えられる。ここで、このような新たな接触に関する突出頂部41a2を有する導電性粒子41は、従前はゴム部42(弾性樹脂)で覆われて接触不能となっているが、本実施の形態では、このような導電性粒子41も電極部51に接触させる状態を実現可能となるため、導電性を向上させることが可能となる。
【0055】
また、本実施の形態において、隆起部44の高さ方向(Z方向)に沿う突出側の頂部44aと突出頂部41aとの間の高さ方向(Z方向)における寸法は、導電性粒子41の粒子径の最小値の半分以下とする場合には、隆起部44は、導電性粒子41を保持する機能を十分に有したものとなる。それにより、導電性粒子41が導電部40から脱落するのを一層良好に抑えることが可能となる。
【0056】
さらに、本実施の形態において、隆起部44の高さ方向(Z方向)に沿う突出側の頂部44aと突出頂部41aとの間の高さ方向(Z方向)における寸法は、複数の導電性粒子41の粒子径の平均値の半分以下とする場合には、隆起部44は、導電性粒子41を保持する機能を十分に有したものとなる。それにより、導電性粒子41が導電部40から脱落するのを抑えることが可能となる。また、このようにすると、ゴム部42(弾性樹脂)で覆われずに露出する導電性粒子41が多くなるため、導電部40における導電性を向上させることが可能となる。
【0057】
なお、上述した導電性の悪化を抑えること、および導電性粒子41が脱落するのを防止することは、長期に亘って、安定的に検査対象物50の電気的特性の検査を行えることにつながる。それにより、導電性が悪化する場合および導電性粒子41が脱落する場合と比較して、電気的特性の検査におけるコストを低減することが可能となる。
【0058】
<変形例>
以上、本発明の一実施の形態に係る、異方導電性シート10および異方導電性シート10の製造方法について説明したが、本発明はこれ以外にも種々変形可能となっている。以下、それについて述べる。
【0059】
上述の実施の形態においては、異方導電性シート10として、一体的なシート体20を用いた場合について説明している。しかしながら、たとえばフレーム11に対して着脱自在な導電性ピン部材を採用する場合に、当該導電性ピン部材の少なくとも一方の端面において、導電性粒子を露出させる構成を採用しても良い。このようにした場合でも、上述の実施の形態の場合と同様の効果を得ることが可能となる。
【0060】
また、上述の実施の形態において、導電部40の形状は特に問わない。たとえば、四角形状、六角形状のような多角形状、楕円形状、長円形状、星型等、種々の形状とすることが可能である。
【符号の説明】
【0061】
10…異方導電性シート
11…フレーム
20…シート体
30…非導電部
30a…表面
40…導電部
41…導電性粒子
41a,41a1,41a2…突出頂部
42…ゴム部
42a…表面
43…凹部
44…隆起部
44a…頂部
100…金型
110…上型
111…上側キャビティ部
120…下型
121…下側キャビティ部
130A,130B…磁性ピン


【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁性を有すると共に弾性を有する弾性樹脂を材質とする非導電部と、金属を材料として含む複数の導電性粒子とこの導電性粒子を覆う前記弾性樹脂とを材質とする導電部と、を有するシート体を備え、
前記非導電部は、絶縁性を有すると共に弾性を有する弾性樹脂を材質として形成され、
前記導電部は、金属を材料として含む複数の導電性粒子が前記弾性樹脂で覆われる状態で形成され、
前記導電部は、前記導電性粒子を互いに接触させることによって導電性を発現し、
前記導電部のうち前記シート体の厚み方向における少なくとも一方の端部では、複数の前記導電性粒子が前記弾性樹脂に覆われずに露出し、
その露出により隣り合う前記導電性粒子の間には凹部が形成され、
露出している前記導電性粒子の前記厚み方向における突出頂部には、当該厚み方向において前記導電部で最も突出する位置である第1位置に位置するものが複数存在し、
前記導電部のうち露出している前記導電性粒子の周囲には隆起部が設けられていて、この隆起部は当該隆起部以外の部位よりも前記厚み方向において突出して設けられている、
ことを特徴とする異方導電性シート。
【請求項2】
請求項1記載の異方導電性シートであって、
前記突出頂部には、前記厚み方向において前記第1位置よりも突出していない部位に位置するものが複数存在する、
ことを特徴とする異方導電性シート。
【請求項3】
請求項1または2記載の異方導電性シートであって、
前記隆起部の前記厚み方向に沿う突出側の頂部と前記突出頂部との間の前記厚み方向における寸法は、複数の前記導電性粒子の粒子径の平均値の半分以下である、
ことを特徴とする異方導電性シート。
【請求項4】
請求項1または2記載の異方導電性シートであって、
前記隆起部の前記厚み方向に沿う突出側の頂部と前記突出頂部との間の前記厚み方向における寸法は、前記導電性粒子の粒子径の最小値の半分以下である、
ことを特徴とする異方導電性シート。
【請求項5】
絶縁性を有すると共に弾性を有する弾性樹脂を材質とする非導電部と、金属を材料として含む複数の導電性粒子とこの導電性粒子を覆う前記弾性樹脂とを材質とする導電部と、を有するシート体を形成するシート形成工程と、
前記シート体の前記厚み方向における端面の少なくとも一方の面側にレーザ光を照射するレーザ光照射工程と、
を有し、
前記導電部は、前記導電性粒子を互いに接触させることによって導電性を発現し、
前記レーザ光照射工程により、前記導電部のうち前記シート体の厚み方向における少なくとも一方の端部には、前記弾性樹脂に覆われずに露出する複数の前記導電性粒子が設けられると共に、その露出により隣り合う前記導電性粒子の間には凹部が形成され、
前記レーザ光照射工程により、露出している前記導電性粒子の前記厚み方向における突出頂部であって当該厚み方向において前記導電部で最も突出する位置である第1位置に位置するものが複数形成され、
さらに前記レーザ光照射工程により、前記導電部のうち露出している前記導電性粒子の周囲には隆起部が形成され、この隆起部は当該隆起部以外の部位よりも前記厚み方向において突出して設けられている、
ことを特徴とする異方導電性シートの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−190633(P2012−190633A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−52437(P2011−52437)
【出願日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(000190116)信越ポリマー株式会社 (1,394)
【Fターム(参考)】