説明

発光体

【課題】高電圧部の充電状態を容易に確認する。
【解決手段】複数の発光粒子を形成する無機EL材料と、複数の発光粒子を分散支持する誘電体材料と、を有し、誘導電場下で発光するべく、誘導電場を発生する物体に隣接するように設けられる発光体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば高電圧部の充電中標示に用いられる発光体に関する。
【背景技術】
【0002】
キュービクル(高圧受変電設備)内には、高電圧の充電部が露出している箇所がある。熟練した技術者であれば危険な充電部の位置をすぐに判断できるが、一般の人や若年技術者は充電部に対する認識が低いので、誤って充電部に接近して感電するおそれがある。
【特許文献1】特開2004−164855号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
経験や技術力のない一般の人や若年技術者であっても、充電部が高電圧であることが当該充電部又はその直近に標示されていれば、その標示されたものを視認することで故意に当該充電部に接近することはしないと考えられる。ところが、露出した充電部の充電中/停電中の情報を、当該充電部から直接取得し、標示する手段がなかった。なお、特許文献1には、発光感度を増大させた電界発光素子について開示されている。
【0004】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、高電圧部の充電状態を容易に確認することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するための発明は、複数の発光粒子を形成する無機EL材料と、前記複数の発光粒子を分散支持する誘電体材料と、を有し、誘導電場下で発光するべく、前記誘導電場を発生する物体に隣接するように設けられる発光体である。
【0006】
この発光体によれば、設置した場所における誘導電場と、この誘導電場により誘電体材料に発生した分極電荷が当該設置した場所に更に形成する電場と、を合わせた電場下で、無機EL材料からなる複数の発光粒子が発光する。この発光体は、物体が発生する誘導電場を電気エネルギーの唯一の供給源としているため、電源を別途用意する必要がない。また、一般に、電場が高いほど、この電場下の複数の発光粒子からの光量は多くなるとされている。よって、たとえ物体の誘導電場が一定であっても、例えば分極電荷の形成する電場がより高くなるような誘電体材料を選択すれば、発光体に対する電場がより高まって、この発光体は所定の光量を維持し得る。以上から、この発光体は、電源が不要である一方、所定の光量を維持可能となる。
【0007】
また、前記課題を解決するための発明は、複数の発光粒子を形成する無機EL材料と、前記複数の発光粒子を発光し易くするための複数の誘電粒子を形成する第2誘電体材料と、前記複数の発光粒子と前記複数の誘電粒子とを分散支持する、前記第2誘電体材料の誘電率より小なる誘電率の第1誘電体材料と、を有し、誘導電場下で発光するべく、前記誘導電場を発生する物体に隣接するように設けられる発光体である。
【0008】
この発光体によれば、設置した場所における誘導電場と、この誘導電場により第2誘電体材料からなる複数の誘電粒子及び第1誘電体材料の両方に発生した分極電荷が当該設置した場所に更に形成する電場と、を合わせた電場下で、無機EL材料からなる複数の発光粒子が発光する。そして、この光は主として第1誘電体材料を透過して発光体の外部に放出される。この発光体は、物体が発生する誘導電場を電気エネルギーの唯一の供給源としているため、電源を別途用意する必要がない。また、第1誘電体材料は、第2誘電体材料よりも誘電率が小であるが、第2誘電体材料よりも光の透過性が高くなり得る。一方、第2誘電体材料は、第1誘電体材料よりも誘電率が大であるために、分極電荷の形成する電場がより高くなり得る。そこで、光の透過機能を主として第1誘電体材料にもたせるとともに、貼付した場所における電場の集中機能を主として第2誘電体材料にもたせれば、可視光に対する透明度及び電場の集中度がともに高くなるような第1誘電体材料及び第2誘電体材料を選択できる。従って、この発光体は所定の光量を維持し得る。以上から、この発光体は、電源が不要である一方、所定の光量を維持可能となる。
【0009】
また、前記課題を解決するための発明は、複数の発光粒子を形成する無機EL材料と、前記複数の発光粒子を分散支持する第1誘電体材料と、前記複数の発光粒子を発光し易くするための複数の誘電粒子を形成する、前記第1誘電体材料の誘電率より大なる誘電率の第2誘電体材料と、前記第1誘電体材料の周囲で前記複数の誘電粒子を分散支持する、前記第2誘電体材料の誘電率より小なる誘電率の第3誘電体材料と、を有し、誘導電場下で発光するべく、前記誘導電場を発生する物体に隣接するように設けられる発光体である。
【0010】
この発光体によれば、設置した場所における誘導電場と、この誘導電場により、第1誘電体材料、第2誘電体材料からなる複数の誘電粒子、及び第3誘電体材料に発生した分極電荷が当該設置した場所に更に形成する電場と、を合わせた電場下で、無機EL材料からなる複数の発光粒子が発光する。そして、この光は主として第1誘電体材料及び第3誘電体材料を透過して発光体の外部に放出される。この発光体は、物体が発生する誘導電場を電気エネルギーの唯一の供給源としているため、電源を別途用意する必要がない。また、第1誘電体材料及び第3誘電体材料は、第2誘電体材料よりも誘電率が小であるが、第2誘電体材料よりも光の透過性が高くなり得る。一方、第2誘電体材料は、第1誘電体材料及び第3誘電体材料よりも誘電率が大であるために、分極電荷の形成する電場がより高くなり得る。そこで、光の透過機能を主として第1誘電体材料及び第3誘電体材料にもたせるとともに、設置した場所における電場の集中機能を主として第2誘電体材料にもたせれば、可視光に対する透明度及び電場の集中度がともに高くなるような第1誘電体材料、第2誘電体材料、及び第3誘電体材料を選択できる。従って、この発光体は所定の光量を維持し得る。以上から、この発光体は、電源が不要である一方、所定の光量を維持可能となる。更に、この発光体の構造は、複数の発光粒子を分散支持する第1誘電体材料が主として第3誘電体材料により被覆されたものとなるため、これらの発光粒子が発光体から欠落することを抑制するとともに、これらの発光粒子を防湿する機能も有する。よって、所定の光量の維持期間がより長くなる。
【0011】
また、かかる発光体において、前記第1誘電体材料と、前記第3誘電体材料とは、同種の材料であることが好ましい。
同種とは、化学構造が全く同一であること、或いは、例えばホモポリマ(homopolymer)と少量の共重合成分を含有しているコポリマ(copolymer)との関係のように基本的に類似であること、を意味する。この発光体によれば、第1誘電体材料から、その周囲にある第3誘電体材料が剥離し難いため、発光粒子が外部に露出し難い。よって、所定の光量の維持期間がより長くなるとともに、発光体の耐久期間もより長くなる。
【0012】
また、かかる発光体において、前記各発光粒子の周囲を被覆する防湿材料を、更に有することが好ましい。
この発光体によれば、発光粒子を形成する無機EL材料が水分に曝され難くなるために、変質し難くなる。よって、所定の光量の維持期間が長くなるとともに、発光体の耐久期間もより長くなる。
【0013】
また、かかる発光体において、前記複数の発光粒子は、複数の波長で発光する前記無機EL材料からなることとしてもよい。
この発光体によれば、例えば赤(R)、緑(G)、青(B)に発光する3種類の無機EL材料を所定の比率で含有する無機EL材料から複数の発光粒子を形成すれば、発光体は任意の発光色で発光し得る。或いは、例えば前記RGBそれぞれに発光する単一の無機EL材料からなる発光粒子を所定の比率で混合し分散させれば、発光体は任意の発光色で発光し得る。また、前記RGBのうちの何れか2つを所定の比率で組み合わせても、多様な発光色を実現できる。
【0014】
また、かかる発光体において、シート状に加工されることが好ましい。
この発光体によれば、誘導電場を発生する物体に対し、当該物体の一部が複数の発光粒子で色付けられるように設置可能である。よって、この発光体が設置された物体の一部は、所定の光量を維持しつつ発光するように見えることになる。
【0015】
また、かかる発光体において、誘電体材料に積層される光透過性を有する導電層と、その導電層に接続される導電アンテナとをさらに備えることが好ましい。
この発光体によれば、誘導電場を発生する場所に設置された場合、該導電性アンテナは前記誘導電場を効果的に集め、接続されている導電層に導かれた電場は誘電体材料に高電場を印可させることができる。また、光透過性を有する導電層から無機EL材料の発光を視認可能であり、標識の広がりやメッセージの意味が認識し易い。
【0016】
また、かかる発光体において、前記物体は、前記発光体が設置されるキュービクルの母線であることとしてもよい。
この発光体によれば、キュービクルの母線における例えば交流電流によりその周囲に発生する誘導電場を利用して発光体が発光する。このように、発光体は、キュービクルが本来供給する電力に付随する誘導電場を電源とすることができるため、別途電源を必要としない。この発光体をキュービクルの母線に設置して、例えば、充電状態の標示灯として使用すれば、この標示灯は、電源が不要な上に、キュービクルの周囲に対しても所定の光量を維持しつつ発光することになる。よって、例えば標示灯の設備コスト及び維持コストを節減できる。
【0017】
その他、本願が開示する課題及びその解決方法は、発明を実施するための最良の形態の欄、及び図面により明らかにされる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、高電圧部の充電状態を容易に確認することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
===発光体の概要===
本実施の形態の発光体は、無機EL材料と、この無機EL材料を内部に分散支持する誘電体材料とを備え、例えばキュービクルの母線に隣接して設けられるものである。以下、本実施の形態の無機EL材料及び誘電体材料の概要を述べる。
【0020】
<<<無機EL材料>>>
本実施の形態の無機EL材料は、いわゆる真性EL材料であり、例えば交流電場等の印加により発光するものである(電場発光)。この電場発光の原理は、以下の通りである。
【0021】
先ず、誘電体材料と無機EL材料との界面、或いは、誘電体材料近傍の無機EL材料における電子が電場により加速され(ホットエレクトロン)、無機EL材料における発光中心の電子を励起する。尚、このメカニズムは、例えば特開2005−116503号公報又は国際出願公開第02/080626号に開示されている通りである。
次に、この発光中心は、励起状態にある電子が基底状態に戻る際のエネルギーの差分を光として放出する。
【0022】
この無機EL材料は、例えば、硫化亜鉛に対し発光中心として銅、塩素が添加された物質(ZnS:Cu,Cl)、硫化亜鉛に対し発光中心として銅、アルミニウムが添加された物質(ZnS:Cu,Al)、硫化亜鉛に対し発光中心として銅、マンガン、塩素が添加された物質(ZnS:Cu,Mn,Cl)等からなる材料である。
【0023】
或いは、本実施の形態の無機EL材料は、例えば、(1)赤色光の発光体として、(Zn,Mg)S:Mn、CaS:Eu、ZnS:Sm,F、Ga2O3:Cr、MgGa2O4:Eu、(2)緑色光の発光体として、(Zn,Mg)S:Mn、ZnS:Tb,F、Ga2O3:Mn、Zn2SiO4:Mn、(3)青色光の発光体として、BaAl2S4:Eu、CaS:Pb、SrS:Ce、SrS:Cu、CaGa2S4:Ce、CaAl2O4:Eu等であってよい。
【0024】
後述する無機EL粒子20は、例えば赤(R)、緑(G)、青(B)に発光する3種類の無機EL材料を所定の比率で含有する無機EL材料からなる粒子であってもよい。或いは、後述する無機EL粒子20は、例えば、赤(R)に発光する無機EL粒子と、緑(G)に発光する無機EL粒子と、青(B)に発光する無機EL粒子とが所定の比率で混合した粒子であってもよい。更に、上記2つの場合について、RGBのうちの何れか2つを所定の比率で組み合わせたものであってもよい。この所定の比率を調整することにより、多様な発光色を実現できる。
【0025】
<<<誘電体材料>>>
本実施の形態の誘電体材料は、例えば有機高分子材料である。この有機高分子材料は、無機EL材料の発光を透過し易い、即ち可視光に対し透明な樹脂が好ましく、例えば、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等が挙げられる。尚、この有機高分子材料は、水分により変質する虞のある無機EL材料に対する防湿性を有するもの(例えばフッ素系樹脂)が好ましい。また、この有機高分子材料は、より高い電場を印加可能とするべく、誘電率がより高いものであることが好ましい。この有機高分子材料に分散支持された無機EL材料に印加される電場が高いほど、例えば前述したホットエレクトロンのエネルギーが高くなる等の理由により、この無機EL材料の光量が向上するとされている。
【0026】
ポリアミド系樹脂としては、例えば、ナイロン6(登録商標)、ナイロン66(登録商標)、ナイロン12(登録商標)等の脂肪族ポリアミド及びその共重合体、芳香族ジアミン及びジカルボン酸から形成される半芳香族ポリアミド及びその共重合体等が挙げられる。
【0027】
ポリエステル系樹脂としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタリン2,6ジカルボン酸、フタル酸、α,β-(4-カルボキシフェノキシ)エタン、4,4'-ジカルボキシフェニル、5-ナトリウムスルホイソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸が挙げられる。また、ポリエステル系樹脂としては、例えば、アジピン酸やセバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸又はそのエステル類と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン-1,4-ジメタノール、ポリエチレングリコール、テトラメチレングリコール等のジオール化合物とから重縮合されて得られるポリエステル及びその共重合体が挙げられる。
【0028】
フッ素系樹脂としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリモノクロロトリフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、及びその共重合体等が挙げられる。
【0029】
ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ4-メチル-1-ペンテン等が挙げられる。
【0030】
===発光体の構成例===
以下、図面を参照しつつ、本実施の形態の発光体の構成例について説明する。尚、本実施の形態の発光体は、繊維状又はシート状をなすものとする。
【0031】
<<<第1の実施の形態>>>
図1(a)に例示されるように、第1の実施の形態の発光体10は、例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)からなる例えば幅8mm、厚さ2mmの誘電体繊維(誘電体材料)30が、例えば銅を添加した硫化亜鉛(ZnS:Cu)からなる中心粒径20μmの無機EL粒子(無機EL材料、発光粒子)20を、重量比20重量%で均一分散支持したものである。
【0032】
尚、図1(a)は、第1の実施の形態の発光体10の繊維軸(Z軸)方向に垂直な面(XY面)での断面図である。また、第1の実施の形態の無機EL粒子20の表面には、当該表面の防湿のためにベーマイト(AlO(OH))のコーティング(防湿材料)20aが施されている。これにより、無機EL粒子20が水分に曝され難くなるために、変質し難くなる。よって、発光体10からの所定の光量の維持期間が長くなるとともに、この発光体10の耐久期間もより長くなる。
【0033】
前述した無機EL粒子20の重量比は、20重量%に限定されるものではなく、例えば5重量%〜50重量%であればよい。もし重量比が5重量%より小さい場合、発光体10からの光が所定の光量に達せず、よって、この発光体10を例えば高圧部の充電状態の標識灯とした場合の当該標識灯の発光輝度は、遠距離から視認可能なレベルに達し得ない。一方、もし重量比が50重量%より大きい場合、発光体10の繊維強度が低下する虞がある。また、一般に、無機EL材料は高価なため、無機EL粒子20の重量比が大きいほど、発光体10の製造コストが嵩むことになる。そこで、無機EL粒子20の重量比を5重量%〜50重量%とすることにより、例えば、発光輝度及び耐久性が高く、製造コストが低い標識灯を実現できる。
【0034】
前述した無機EL粒子20の中心粒径は、20μmに限定されるものではなく、例えば0.01μm〜数百μmであってもよい。但し、無機EL粒子20の中心粒径が小さいほど、発光体10の光量が少なくなる一方、この中心粒径が大きいほど、発光体10を繊維状に加工することが困難となる傾向にあるため、中心粒径は、0.1μm〜数百μmが好ましい。
【0035】
<<<第2の実施の形態>>>
図1(b)に例示されるように、第2の実施の形態の発光体11は、例えば幅8mm、厚さ2mmの誘電体繊維31が、例えば銅を添加した硫化亜鉛(ZnS:Cu)からなる中心粒径20μmの無機EL粒子(無機EL材料、発光粒子)20を、重量比20重量%で均一分散支持したものである。この誘電体繊維31は、例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)からなる誘電体繊維(第2誘電体材料)30が、チタン酸バリウム(BaTiO3)からなる例えば中心粒径が1μmの高誘電体粒子(第1誘電体材料、誘電粒子)40を、重量比20重量%で分散支持したものである。
【0036】
尚、図1(b)は、第2の実施の形態の発光体11の繊維軸(Z軸)方向に垂直な面(XY面)での断面図である。また、第2の実施の形態の無機EL粒子20の表面には、当該表面の防湿のためにベーマイト(AlO(OH))のコーティング20aが施されている。
【0037】
高誘電体粒子40の誘電率をε1とし、誘電体繊維30の誘電率をε2とすれば、誘電体繊維31の平均の誘電率はε1及びε2の間の値をとり得る(但し、ε1>ε2)。これにより、誘電体繊維30を、たとえ誘電率が相対的に小さくても光の透過性が相対的に高い材料とする一方、高誘電体粒子40を、たとえ光の透過性が相対的に低くても誘電率が相対的に大きい材料とすれば、これらを合わせた誘電体繊維31は、可視光に対する所定の透明度を有するとともに、所定の誘電率を有する材料とすることができる。誘電体繊維31の透明度が高いほど、これが分散支持する無機EL粒子20からの可視光が透過し易くなるため、発光体11の光量が多くなる。一方、誘電体繊維31の誘電率が大きいほど、これが分散支持する無機EL粒子20に対する電場の集中度が高まり、よって、この電場下の無機EL粒子20からの光量は多くなる。
【0038】
前述した無機EL粒子20の重量比は、20重量%に限定されるものではなく、第1の実施の形態の場合と同じ理由から、例えば5重量%〜50重量%であればよい。
【0039】
前述した高誘電体粒子40の重量比は、20重量%に限定されるものではなく、例えば5重量%〜50重量%であればよい。もし重量比が5重量%より小さい場合、無機EL粒子20に対する電場の集中度が高まらないため、発光体11からの光が所定の光量に達しない虞がある。一方、もし重量比が50重量%より大きい場合、発光体11の繊維強度が低下する上に、可視光に対して不透明な高誘電体粒子40の割合が増えることにより、発光体11が全体的に不透明になる虞がある。また、一般に、高誘電体材料は高価なため、高誘電体粒子40の重量比が大きいほど、発光体11の製造コストが嵩むことになる。
【0040】
以上から、無機EL粒子20及び高誘電体粒子40の重量比をそれぞれ5重量%〜50重量%とすることにより、例えば、発光輝度及び耐久性が高く、製造コストが低い標識灯を実現できる。更に、無機EL粒子20及び高誘電体粒子40の合計重量比は、10重量%〜50重量%であることが好ましい。これにより、発光輝度及び耐久性がより高く、製造コストがより低い標識灯を実現できる。
【0041】
前述した無機EL粒子20の中心粒径は、20μmに限定されるものではなく、第1の実施の形態の場合と同じ理由から、例えば0.01μm〜数百μmであってもよい。
【0042】
前述した高誘電体粒子40は、チタン酸バリウム(BaTiO3)に限定されるものではなく、誘電率が相対的に高いものであれば有機系材料及び無機系材料の何れでもよい。有機系材料としては、例えば、シアノエチルセルロースが好ましく、他の無機系材料としては、例えば、SrTiO3、TiO2、Al2O3、Si3N4が好ましい。
【0043】
<<<第3の実施の形態>>>
図2に例示されるように、第3の実施の形態の発光体12は、芯部及び鞘部からなるものである。尚、同図は、第3の実施の形態の発光体12の繊維軸(Z軸)方向に垂直な面(XY面)での断面図である。
【0044】
芯部は、例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)からなる例えば幅6mm、厚さ1mmの誘電体繊維(第1誘電体材料)30aが、例えば銅を添加した硫化亜鉛(ZnS:Cu)からなる中心粒径20μmの無機EL粒子(無機EL材料、発光粒子)20を、重量比20重量%で均一分散支持したものである。
【0045】
鞘部は、芯部の外周面に対し被覆層をなすものであり幅8mm、厚さ2mmとし、例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)からなる誘電体繊維(第3誘電体材料)30bが、チタン酸バリウム(BaTiO3)からなる例えば中心粒径が1μmの高誘電体粒子(第2誘電体材料、誘電粒子)40を、重量比20重量%で分散支持したものである。
【0046】
第3の実施の形態では、芯部及び鞘部を形成する誘電体繊維30a、30bは、同種のポリフッ化ビニリデン(PVDF)である。同種とは、化学構造が全く同一であること、或いは、ホモポリマ(homopolymer)と少量の共重合成分を含有しているコポリマ(copolymer)との関係のように基本的に類似であること、を意味する。同種であることにより、芯部と鞘部との界面での剥離が抑制され、誘電体繊維30aから、その周囲にある誘電体繊維30bが剥離し難いため、無機EL粒子20が発光体12の外部に露出し難い(例えば、特開2001−131829号公報参照。)。よって、所定の光量の維持期間が長くなるとともに、発光体12の耐久期間もより長くなる。但し、同種に限定されるものではなく、芯部及び鞘部を形成する誘電体繊維30a、30bは、異種の有機高分子材料からなるものであってもよい。この場合、例えば、鞘部に対し、芯部よりも透明度の高い誘電体繊維を使用すれば、発光体12からの光量がより多くなる。
【0047】
尚、第3の実施の形態の無機EL粒子20の表面には、当該表面の防湿のためにベーマイト(AlO(OH))のコーティング20aが施されている。
【0048】
高誘電体粒子40の誘電率をε1とし、誘電体繊維30a、30bの誘電率をε2とすれば、誘電体繊維32の平均の誘電率はε1及びε2の間の値をとり得る(但し、ε1>ε2)。これにより、誘電体繊維30a、30bを、たとえ誘電率が相対的に小さくても光の透過性が相対的に高い材料とする一方、高誘電体粒子40を、たとえ光の透過性が相対的に低くても誘電率が相対的に大きい材料とすれば、これらを合わせた誘電体繊維32は、可視光に対する所定の透明度を有するとともに、所定の誘電率を有する材料とすることができる。誘電体繊維32の透明度が高いほど、これが分散支持する無機EL粒子20からの可視光が透過し易くなるため、発光体12の光量が多くなる。一方、誘電体繊維32の誘電率が大きいほど、これが分散支持する無機EL粒子20に対する電場の集中度が高まり、よって、この電場下の無機EL粒子20からの光量は多くなる。
【0049】
第3の実施の形態の発光体12の構造は、無機EL粒子20を分散支持する誘電体繊維30aが主として誘電体繊維30bにより被覆されたものとなるため、無機EL粒子20が発光体12から欠落することを抑制するとともに、無機EL粒子20を防湿する機能も有する。よって、所定の光量の維持期間がより長くなる。
【0050】
前述した無機EL粒子20の重量比は、20重量%に限定されるものではなく、第1、2の実施の形態の場合と同じ理由から、例えば5重量%〜50重量%であればよい。また、前述した高誘電体粒子40の重量比は、20重量%に限定されるものではなく、第2の実施の形態の場合と同じ理由から、例えば5重量%〜50重量%であればよい。これにより、例えば、発光輝度及び耐久性が高く、製造コストが低い標識灯を実現できる。
【0051】
前述した無機EL粒子20の中心粒径は、20μmに限定されるものではなく、第1、2の実施の形態の場合と同じ理由から、例えば0.01μm〜数百μmであってもよい。
【0052】
前述した高誘電体粒子40は、チタン酸バリウム(BaTiO3)に限定されるものではなく、誘電率が相対的に高いものであれば、例えば、シアノエチルセルロース(有機系材料)、SrTiO3、TiO2、Al2O3、Si3N4(以上、無機系材料)等でもよい。
【0053】
<<<第4の実施の形態>>>
図3に例示されるように、第4の実施の形態の発光体100は、以下述べる発光体15を、例えば厚さ50μm(Y軸方向)及び幅20mm(X軸方向)の2枚のポリプロピレンシート(誘電体材料)60で挟持してシート状をなすものである。尚、同図は、第4の実施の形態の発光体100の長さ(Z軸)方向に垂直な面(XY面)での断面図である。
【0054】
発光体15は、例えばアクリル系樹脂からなる厚さ40μm(Y軸方向)及び幅10mm(X軸方向)のバインダ(誘電体材料)35が、例えば銅を添加した硫化亜鉛(ZnS:Cu)からなる中心粒径20μmの無機EL粒子(無機EL材料、発光粒子)20を重量比50重量%で均一分散支持したものである。
【0055】
前述した発光体15に対する無機EL粒子20の重量比は、50重量%に限定されるものではなく、例えば5重量%〜80重量%であればよい。もし重量比が5重量%より小さい場合、発光体15からの光が所定の光量に達せず、よって、この発光体100を例えば高圧部の充電状態の標示灯とした場合の当該標示灯の発光輝度は、遠距離から視認可能なレベルに達し得ない。一方、もし重量比が80重量%より大きい場合、無機EL粒子20をバインダ35中に均一に分散し難く、さらに粘度が高くなりすぎ塗布性が低下する。また、発光体15の強度が低下する虞がある。また、一般に、無機EL材料は高価なため、無機EL粒子20の重量比が大きいほど、発光体100の製造コストが嵩むことになる。そこで、無機EL粒子20の重量比を5重量%〜80重量%とすることにより、例えば、発光輝度及び耐久性が高く、製造コストが低い標示灯を実現できる。
【0056】
前述したポリプロピレンシート60の厚さは、50μmに限定されるものではなく、例えば20μmm〜500μmであればよい。もし20μmより薄い場合、ポリプロピレンシート60が損傷し易くなる一方、500μmより厚い場合、発光体100が柔軟性を失って加工することが困難となる傾向にある。
【0057】
===製造手順===
前述した実施の形態の発光体10、11、12、100を実際に製造した。以下、図4及び図5を参照しつつ、その製造手順について説明する。尚、図4は、実施例1〜3の発光体10、11、12の製造手順の一例を示すフローチャートである。図5は、実施例4の発光体100の製造手順の一例を示すフローチャートである。
【0058】
<<<実施例1の製造手順>>>
図4に例示されるように、先ず、誘電体繊維30(図1(a))の素材であるポリフッ化ビニリデン(PVDF)の粒子と、前述した無機EL粒子20(図1(a))とを、80:20の重量比でドライブレンドにて混合した。ポリフッ化ビニリデン(PVDF)の粒子、及び、無機EL粒子20は市販されているものを使用した。尚、無機EL粒子20の表面には、ベーマタイト(AlO(OH))のコーティング20a(図1(a))が周知の方法により予め施されている(S100)。
次に、ステップS100で得られた混合体に対し、周知のエクストルーダ型紡糸装置により、溶融紡糸を実施した(S101)。
次に、ステップS101で得られた繊維状素材を35℃の水浴中で冷却した(S102)。
次に、ステップS102で得られた繊維状素材をグリセリン浴中で延伸し、第1の実施の形態の発光体10を得た(S103)。
次に、ステップS103で得られた発光体10を周知の巻き取り手段により巻き取った(S104)。
【0059】
<<<実施例2の製造手順>>>
第2の実施の形態の発光体11の場合、前述したステップS100において、誘電体繊維30(図1(b))の素材であるポリフッ化ビニリデン(PVDF)の粒子と、前述した高誘電体粒子40(図1(b))と、前述した無機EL粒子20(図1(b))とを、60:20:20の重量比でドライブレンドにて混合した。高誘電体粒子40も市販されているものを使用した。この後の手順は、実施例1の製造手順と同様である。
【0060】
<<<実施例3の製造手順>>>
第3の実施の形態の発光体12の場合、前述したステップS100において、誘電体繊維30a(図2)の素材であるポリフッ化ビニリデン(PVDF)の粒子と、前述した無機EL粒子20(図2)とを、30:20の重量比でドライブレンドにて混合して芯部用の混合体とした。また、同ステップS100において、誘電体繊維30b(図2)の素材であるポリフッ化ビニリデン(PVDF)の粒子と、前述した高誘電体粒子40(図2)とを、30:20の重量比でドライブレンドにて混合して鞘部用の混合体とした。
【0061】
第3の実施の形態の発光体12の場合、前述したステップS101において、ステップS100で得られた2つの混合体に対し、前述したエクストルーダ型紡糸装置に対し周知の複合紡糸口金を用いて、溶融紡糸を実施した。この後の手順は、実施例1の製造手順と同様である。
【0062】
<<<実施例4の製造手順>>>
図5に例示されるように、先ず、有機溶媒(例えばアセトン)に対して、バインダ35(図3)の素材であるアクリル系樹脂の粒子を、80:20の重量比で混合し周知のペイントシェーカで完全に溶解させた。アクリル系樹脂の粒子及び有機溶媒は市販されているものを使用した(S200)。
次に、ステップS200で得られた溶液に対し、前述した無機EL粒子20(図3)を、50:50の重量比で混合し、周知の攪拌手段により均一になるまで攪拌し分散液を得た。無機EL粒子20は市販されているものを使用した(S201)。
次に、ステップS201で得られた分散液を、周知のバーコートにより、一方のポリプロピレンシート60(図3)に塗布した(S202)。
次に、ステップS202で塗布した分散液を室温で乾燥させ、発光体15を得た(S203)。
次に、ステップS203で乾燥した発光体15の露出面に対し、他方のポリプロピレンシート60(図3)を被覆し、2つのポリプロピレンシート60どうしを貼り合せ、第4の実施の形態の発光体100を得た(S204)。
【0063】
<<<発光体の実施例5>>>
発光体の実施例5について、図6を参照しながら説明する。実施例5は、発光体を電線に設置する(隣接して設ける)方法の具体例を示すものである。
図6(a)は、発光体100を電線Lに直接接着剤71(両面粘着テープ等でもよい)で貼り付ける例を示す。図6(b)は、発光体100を電線Lにアダプタ72を挟んで取り付ける例を示す。ここで、電線Lとアダプタ72間及びアダプタ72と電線L間は、接着剤又は両面粘着テープで貼り付けるものとする。これによれば、貼り付け面積を大きくすることができるので、貼り付けの強度を上げることができる。図6(c)は、発光体100を電線Lにハサミ73を用いて取り付ける例を示す。これによれば、電線Lに対して発光体100を何回でも簡単に着脱することができる。
【0064】
≪発光体の実施例6≫
発光体の実施例6について、図7を参照しながら説明する。図7は、発光体をキュービクルに貼付する(隣接して設ける)方法の具体例を示す図であり、7.2kV金属閉鎖型スイッチギア(キュービクル)の配電線(母線)の導体に発光体101が貼付された状態を示す。なお、発光体101は、各導体に対して接着剤又は両面粘着テープで貼り付けるものとする。また、発光体101においては、L字形に折れ曲がった透明な導電体シート(例えば、酸化インジウムスズ(ITO:Indium Tin Oxide)等からなる)が前方のポリプロピレンシート60(各設備に貼付された方とは反対側のポリプロピレンシート60)の前面に設けられる。導電体シートの前方に突き出た部分は導電アンテナと呼ばれ、導電層に接続され、無機EL材料の電場発光を強める効果を有する。
【0065】
スイッチギアのように狭く、充電部分と、停電部分とが複雑に入り組んでいる場合には、作業時に停電箇所及び充電箇所を誤認するおそれがある。このような箇所(導体)にシート状の発光体101を貼り付けることによって、導体の充電状態を視認できるので、充電部分及び停電部分を容易かつ確実に確認できるようになる。これによれば、キュービクルに対する作業時の安全性を確保、向上することができる。
【0066】
===その他の実施の形態===
前述した実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく変更、改良されるとともに、本発明にはその等価物も含まれる。
【0067】
前述した実施の形態では、誘導電場を発生する物体を電線や配電線としたが、これに限定されるものではない。要するに、周囲に誘導電場を発生すれば如何なる物体でもよい。
【0068】
また、前述した実施の形態では、発光体の形状をシート状としたが、このような形状に限定されるものではない。要するに、誘導電場を発生する物体に隣接して設けられる形状であれば如何なる形状であってもよい。
【0069】
さらに、無機ELの発光色は青、緑、オレンジなどであるが、各無機ELを調合したり、着色剤を添加したり、フィルタ(カバーシート)を設けたりして所望の色を表示することができる。電力会社では、3つの位相を赤相・白相・青相と呼称することで、関係者間の作業連絡等を行っている場合もあるが、充電確認に加えて、例えば、対象箇所(相)を現場で確実に確認することを目的として、取付場所(相)に応じた発光色を設定するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】(a)は、第1の実施の形態の発光体の繊維軸(Z軸)方向に垂直な面(XY面)での断面図であり、(b)は、第2の実施の形態の発光体の繊維軸(Z軸)方向に垂直な面(XY面)での断面図である。
【図2】第3の実施の形態の発光体の繊維軸(Z軸)方向に垂直な面(XY面)での断面図である。
【図3】第4の実施の形態の発光体の繊維軸(Z軸)方向に垂直な面(XY面)での断面図である。
【図4】第1〜3の実施の形態の発光体の製造手順の一例を示すフローチャートである。
【図5】第4の実施の形態の発光体の製造手順の一例を示すフローチャートである。
【図6】架空送電線に対する本発明の標識灯の設置例を示す側面図である。
【図7】発光体をキュービクルに貼付する方法の具体例を示す図である。
【符号の説明】
【0071】
10、11、12、15 発光体
20 無機EL粒子
20a コーティング
30、30a、30b 誘電体繊維
31、32 誘電体繊維
35 バインダ
40 高誘電体粒子
50 誘電体繊維
60 ポリプロピレンシート
100、101 発光体
101a、102a 接合部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の発光粒子を形成する無機EL材料と、
前記複数の発光粒子を分散支持する誘電体材料と、を有し、
誘導電場下で発光するべく、前記誘導電場を発生する物体に隣接するように設けられることを特徴とする発光体。
【請求項2】
複数の発光粒子を形成する無機EL材料と、
前記複数の発光粒子を発光し易くするための複数の誘電粒子を形成する第2誘電体材料と、
前記複数の発光粒子と前記複数の誘電粒子とを分散支持する、前記第2誘電体材料の誘電率より小なる誘電率の第1誘電体材料と、を有し、
誘導電場下で発光するべく、前記誘導電場を発生する物体に隣接するように設けられることを特徴とする発光体。
【請求項3】
複数の発光粒子を形成する無機EL材料と、
前記複数の発光粒子を分散支持する第1誘電体材料と、
前記複数の発光粒子を発光し易くするための複数の誘電粒子を形成する、前記第1誘電体材料の誘電率より大なる誘電率の第2誘電体材料と、
前記第1誘電体材料の周囲で前記複数の誘電粒子を分散支持する、前記第2誘電体材料の誘電率より小なる誘電率の第3誘電体材料と、を有し、
誘導電場下で発光するべく、前記誘導電場を発生する物体に隣接するように設けられることを特徴とする発光体。
【請求項4】
前記第1誘電体材料と、前記第3誘電体材料とは、同種の材料であることを特徴とする請求項3に記載の発光体。
【請求項5】
前記各発光粒子の周囲を被覆する防湿材料を、更に有することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の発光体。
【請求項6】
前記複数の発光粒子は、複数の波長で発光する前記無機EL材料からなることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の発光体。
【請求項7】
シート状に加工されることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の発光体。
【請求項8】
前記誘電体材料に積層される光透過性を有する導電層と、
前記導電層に接続される導電アンテナと、
をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の発光体。
【請求項9】
前記物体は、前記発光体が貼付されるキュービクルの母線であることを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の発光体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2008−251458(P2008−251458A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−93913(P2007−93913)
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【出願人】(000004503)ユニチカ株式会社 (1,214)
【Fターム(参考)】