説明

発光装置用金属錯体

【課題】装置からの発光が速やかになるように対イオンが実質的に移動しない発光装置を提供する。
【解決手段】アノード、カソード、前記アノードとカソードの間に位置する発光層を含む発光装置であって、前記発光層は発光用の帯電金属及び前記帯電金属上の電荷をバランスするに十分な電荷を有する対イオンを含み、一般式Iの結合された帯電金属錯体及び対イオンを有せず、対イオンは実質的に移動しない発光装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は発光装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この10年間、高効率の材料又は高効率の装置構造の開発のいずれかによる、発光装置(LED)の発光効率の改良に関する多大な努力がなされてきた。
【0003】
図1は、典型的なLEDの断面図を示す。この装置はアノード2、カソード5及び前記アノードとカソードの間に位置する発光層4を有する。例えば、アノードは透明なインジウム錫酸化物層でもよい。例えば、カソードはLiAlであり得る。装置に注入された正孔と電子は発光層で再結合放射を起こす。装置のさらなる特徴は選択的な正孔輸送層3である。正孔輸送層は、例えばポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)の層であり得る。これは、アノードから注入された正孔が発光層に到達するのを助けるエネルギーレベルをもたらす。
【0004】
公知のLED構造は、カソード5と発光層4の間に位置する電子輸送層も有することができる。これはカソードから放出された電子が発光層に到達するのを助けるエネルギーレベルをもたらす。
【0005】
LEDにおいては、対極の電極から注入された電子と正孔が結合して2つのタイプの励起子を形成する。すなわち、スピン対称3重項とスピン反対称1重項である。1重項(蛍光)からの放射崩壊は速いが、3重項(燐光)からの崩壊はスピン保存の必要性から形式的に禁止されている。
【0006】
この数年間、混合によって燐光性材料が発光層に組み込まれる多くの研究がなされてきた。しばしば、燐光性材料は金属錯体であるが、これに限定されない。さらに、金属錯体はときどき蛍光性でもある。
【0007】
金属錯体は配位子で囲まれた金属イオンを含むことになろう。金属錯体中の配位子はいくつかの役割を有することがある。配位子は金属から電子を受け取った後、発光する「発光」配位子となり得る。あるいは、単に金属のエネルギーレベルに影響を与えるために配位子は存在し得る。例えば、配位子から発光がある場合、非放射崩壊経路によってエネルギーが損失するのを防止するために、金属に配位した強い配位子場の配位子を有することが有利である。一般的な強力な配位子場の配位子は当業者に知られており、CO,PPh3及び負荷電炭素原子が金属に結合する配位子を含む。N−ドナー配位子は、前述のものほど強くはないが強力な配位子場を有する配位子である。
【0008】
強力な配位子場の配位子の効果は金属錯体から光が放出されるメカニズムの理解によって評価され得る。このメカニズムが認識できる発光金属錯体の3つの研究が下記に引用される。
【0009】
Chem.Rev.,1987,87,711−7434は有機金属錯体の発光特性に関するものである。この総説論文は有機金属錯体に共通して見られる励起状態の簡潔な要約を提供する。検討される励起状態は、金属中心軌道から配位子局在軌道への電子遷移を伴う金属−配位子電荷移動(MLCT)状態を含む。したがって、形式的な意味ではこの励起は金属の酸化と配位子の還元をもたらす。これらの遷移は、金属中心の低原子価性と多くの配位子におけるアクセプター軌道の低エネルギー位置のために、有機金属錯体に共通して観察される。配位子局在軌道から金属中心軌道への電子遷移を伴う配位子−金属電荷移動(LMCT)状態についても言及されている。
【0010】
光ルミネセンスに関する論文のセクションにおいては、最も感光性の高い無機材料のいくつかとして認識されると言われている、金属カルボニル錯体に関するサブセクションが設けられている。例としては、M(CO)-6(M=V,Nb,Ta)及びM(CO)6(M=Cr,Mo,W)が挙げられる。
【0011】
M(CO)5L錯体(M=Mo又はW及びL=ピリジン、3−ブロモピリジン、ピリダジン、ピペリジン、トリメチルホスフィン又はトリクロロホスフィン)のマトリックス分離研究も報告されており、これは置換金属カルボニルからの蛍光の最初の報告を提供したと言われている。
【0012】
いくつかのMo(CO)5L錯体(L=置換ピリジン配位子)についても言及されており、これは流体の状態で発光することが知られていると言われている。この発光は、低位MLCT励起状態に割り当てられている。
【0013】
この総説論文における他のサブセクションは、二窒素錯体、メタロセン、金属イソシアニド、アルケン及びオルトメタル化錯体に関するものである。
【0014】
オルトメタル化錯体の多くの例が室温の溶液中で発光することが示されたと言われている。例えば、[Ru(bpy)2(NPP)]+の発光スペクトルは、MLCT発光に関連する構造を示すと言われている。いくつかのオルトメタル化Pt(II)錯体も言及されており、発光はMLCT励起状態に割り当て得ると言われている。
【0015】
総説論文は、有機金属錯体における低原子価の金属中心及び配位子アクセプターの低エネルギー空軌道のため、低位MLCT励起状態がしばしば観察されることを要約している。さらに、励起状態レベルのエネルギー順序と観察される光物理的及び光化学的性質との間に関係が存在すると報告されている。さらに、室温発光の例の大多数がMLCT励起状態に由るものであったと言われている。
【0016】
Analytical Chemistry,Vol.63,No.17,September 1,1991,829A〜837Aは、高発光遷移金属錯体、特に白金族金属(Ru,Os,Re,Rh及びIr)を有するものの設計及びその応用に関係する。
【0017】
Analytical Chemistry論文における表Iには、発光効率によって分類される代表的な金属錯体が掲げられている。この系は、2,2’−ビピリジン(bpy)又は1,10−フェナントロリン(phen)のような少なくとも1つのα−ジイミン配位子を含むものに限定されているが、多くの設計規則及び基本原則が他の種類の発光金属錯体に適用されると言われている。
【0018】
この論文においては、遷移金属錯体は部分占有d軌道によって特徴付けられること、及びこれら軌道の順序及び占有がかなりの程度発光特性を決めることが説明されている。
【0019】
代表的な8面体MX6型のd6金属錯体(Mは金属であり、Xは1つの位置に配位する配位子)については、その配位子の8面体結晶場は5つの縮重d軌道を3つの縮重tレベルと2つの縮重eレベルに分裂させると説明されている。分裂の大きさは、錯体の発光特性を決める特に重要なパラメーターである結晶場分裂によって与えられ、その大きさは配位子及び中心金属イオンの結晶度強度によって決められる。したがって、錯体の発光特性は、配位子、幾何学的構造及び金属イオンを変更することによって制御される。
【0020】
この論文において述べられている3つのタイプの励起状態がある。すなわち、金属中心d−d状態、配位子系π−π*状態及び電荷移動状態である。
【0021】
電荷移動(CT)状態は有機配位子及び金属を伴う。上記のように、金属−配位子電荷移動(MLCT)は金属軌道から配位子軌道への電子の昇位を伴い、配位子−金属電荷移動(LMCT)は配位子軌道から金属軌道への電子の昇位を含む。
【0022】
この論文によれば、発光遷移金属錯体の最も重要な設計ルールは、発光は常に最低の励起状態から生じることである。したがって、錯体の発光特性の制御は、相対的な状態エネルギー並びに最低励起状態の性質及びエネルギーを制御することによって決まる。この点において、いずれの金属中心d−d状態も、その熱励起を防止するために発光レベルを十分上回らなければならないが、熱励起があれば光化学的不安定性及び急速な励起状態の崩壊を招こうとこの論文には述べられている。したがって、より重要な基準の1つは、発光レベルとの競合から最低d−d状態を除くことにある。したがって、望ましい設計目標は、発光性のMLCT又はπ−π状態からd−d状態を可能な限り熱的に遮断することである。d−d状態のエネルギーの制御は、結晶場分裂に影響を与えるように配位子又は中心金属イオンを変化させることによって達成される。より強い結晶場強度の配位子又は金属はd−d状態エネルギーを上昇させ、結晶場強度はCl<py<<bpy、phen<CN<CO(pyはピリジンを表す)の順で増加する。
【0023】
金属については、結晶場分裂は周期律表におけるカラムを下がると増加する。CT状態エネルギーは、配位子と金属イオンの酸化/還元の容易さによって影響を受ける。MLCT遷移においては、より還元しやすい配位子及びより酸化しやすい金属がMLCT状態を低くする。π−π*状態エネルギーは配位子自体によって大きく影響される。しかしながら、π−π*遷移のエネルギー及び強度は、置換基、芳香環のヘテロ原子又はπ共役の程度のいずれかを変えることによって変更され得る。
【0024】
Photochemistry And Luminescence Of Cyclometallated Complexes, Advances in Photochemistry, Volume 17, 1992, p. 1-68は、この分野における注目の大部分は、ポリピリジン型系の錯体(原型:Ru(bpy)2+、bpy=2,2’ビピリジン)であったと記載している。
【0025】
シクロメタル化錯体の光化学的及び光物理的特性に対する関心は、この延長であると言われている。
【0026】
この刊行物における表2は、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、パラジウム及び白金のシクロメタル化錯体及びこれらの配位子の吸収及び発光特性を示す。こうした錯体には、荷電したものもあれば、中性のものもある。
【0027】
荷電錯体がLED又は光ルミセンス研究で使用されてきた例がいくつかある。例えば、特開2002−203678号公報は遷移金属荷電錯体をいくつか開示している。
【0028】
また、"Divalent Osmium Complexes: Synthesis, Characterisation, Strong Red Phosphorescence, and Electrophosphorescence" J. Am. Chem. Soc. 2002, 124, 14162-14172 においては、金属−配位子電荷移動による強い赤の燐光及び電気燐光を特徴とする2価のオスミウム錯体が開示されている。赤のLEDは、Os(II)錯体をポリ(N−ビニルカルバゾール)(PVK)及び2−tert−ブチルフェニル−5−ビフェニル−1,3,4−オクサジアゾール(PBD)の混合物中にドープすることによって作製された。
【0029】
Adv. Mater. 2002, 14, No. 6, March 18 "Efficient Electroluminescent Devices Based on a chelated Osmium (II) Complex"(下記非特許文献1)は、効率的な固体電子発光材料の開発のために現在調査中の多くの異なる種類の材料の中にあって、遷移金属錯体(特に、Ruの1,2ジイミン錯体)が現れてきたことを記載している。この論文は、Lがシス−1,2,ビス(ジフェニルホスフィノ)エチレンであるOs錯体[Os(bpy)L]2+(PF-2の作成と特性決定について報告している。この錯体の構造は、この論文の図1の挿入図に示されている。この錯体は、赤−オレンジ色発光を示した発光材料として報告されている。この論文において、[Ru(bpy)32+(PF6-2の装置についての引用がなされている。
【0030】
J. Am. Chem. Soc. 2004, 126, 2763-2767 "Efficient Yellow Electroluminescence from a Single Layer of a Cyclometallated Iridium Complex"(下記非特許文献2)は、[Ir(ppy)2−(dtb-bpy)]+(PF6(ppy:2−フェニルピリジン、dtp−bpy:4,4’−ジ−tert−ブチル−2,2’−ジピリジル)の特性に関する。この論文によれば、単一層の装置が作成され、黄色の発光をすることが見出された。イリジウム錯体の化学構造がこの論文の図2の挿入図に示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0031】
【非特許文献1】Adv. Mater. 2002, 14, No. 6, March 18 "Efficient Electroluminescent Devices Based on a chelated Osmium (II) Complex"
【非特許文献2】J. Am. Chem. Soc. 2004, 126, 2763-2767 "Efficient Yellow Electroluminescence from a Single Layer of a Cyclometallated Iridium Complex"
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0032】
上記の従来技術において、帯電金属錯体と共に使用される対イオンは小さい。これらの装置はターンオン時間が長く、電位の印加と発光の間に相当の遅れがある。これら従来の装置にスイッチを入れると、これら対イオンが移動すると仮定される。例えば、小さい対アニオンはカソードに移動する。この移動が完了して初めて装置が導電性になる。これは、従来の装置が長いデバイスターンオン時間を有することを意味する。また、カソードにおける小さいアニオンの蓄積は、層境界における高い電界と一定電圧に対する発光出力のバラツキをもたらす。この結果、帯電金属錯体から、研究が大幅に方向転換された。帯電金属錯体について研究が継続されている場合、低い電圧で動かすことができるので、小さい対イオンの使用に絞られている。
【課題を解決するための手段】
【0033】
本発明の発明者らは異なるアプローチを採用し、帯電金属錯体を使用する新しい発光装置の設計を試みた。
【0034】
このように、本発明の第1の側面は、アノード、カソード、前記アノードとカソードの間に位置する発光層を含む発光装置であり、前記発光層が発光用の帯電金属錯体及び帯電金属錯体上の電荷とバランスするのに十分な電荷を有する1つ又は複数の対イオンを含む発光装置において、前記装置からの光出力が即時となるように1つ又は複数の対イオンが実質的に移動しないが、但し、結合した帯電金属錯体及び対イオンは一般式I又はIIを有しないことを特徴とする発光装置を提供する。
【0035】
【化3】

【0036】
【化4】

ここで、C−Nは、シクロメタル化配位子である。
【0037】
上記一般式I又はIIを有する化合物は、一般式IV及びVとしてWO2004/017043に開示されている。WO2004/017043は非発光アニオン配位子の導入による燐光性金属錯体の発光の青色シフトに関係する。WO2004/017043には「発光材料」が中性であることは要求されておらず、例えば、WO2004/017043の20頁の一般式IIは負に帯電した発光材料を含む。
【0038】
本発明の第2の側面は、第1の側面に関連して定義される対イオンと共に、第1の側面に関連して定義される帯電金属錯体を提供する。1つ又は複数の対イオンは、結合された帯電金属錯体及び対イオンが中性であるように帯電金属錯体上の電荷を中性化するのに十分な量で存在する。
【0039】
本発明の第3の側面は、本発明の第2の側面に関連して定義される対イオンと共に帯電金属錯体を含む混合物を提供する。
【0040】
本発明の第4の側面は、(i)第2の側面に関連して定義される1つ又は複数の対イオンを有する帯電金属錯体、又は(ii)第3の側面に関連して定義される混合物、の発光のための使用を提供する。
【0041】
本発明の第5の側面は、本発明の第1の側面に関連して定義される装置を製造する方法を提供する。
【0042】
本発明の第1の側面による装置においては、装置をターンオンしたとき対イオンの移動はほとんど又は全くないことがわかる。これは、従来技術と比較すると、対イオンが装置を通過するときに生じる発光に関する時間的遅れがないことを意味する。これは、装置が、一定の電圧において一定の光出力を提供することも意味する。さらに、本発明装置に帯電金属錯体が収容され得るという事実は特定の金属中心に対してより広い範囲の配位子を使用できることを意味している。これは帯電配位子を使用できることを意味する。利用可能な配位子のこのより広い選択は、これによって、発光色の選択及び効率の改善のためにより高い可能性を提供する。
【0043】
帯電金属錯体は蛍光性又は燐光性であり得る。好ましくは、帯電金属錯体は燐光性である。この点において、本発明の装置には公知の帯電金属錯体が使用できる。
【0044】
帯電金属錯体は、金属M及び配位した配位子Lを含む。適切な金属Mは次のものを含む。
1)セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、ジスプロシウム、タリウム、エルビウム及びネオジムのようなランタニド金属
2)d−ブロック金属、特に2列及び3列のもの、すなわち、39〜48及び72〜80の元素、特に、ルテニウム、銅、クロミウム、モリブデン、ロジウム、パラジウム、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金及び金属、及び
3)アルミニウム、ベリリウム、亜鉛、水銀、カドミウム及びガリウムのような蛍光性錯体を形成する金属
金属錯体における配位子(L)は、1座、2座又は3座でもよい。2座及び3座配位子においては、配位性原子は、Mに配位するとき7、6、5又は4員環を形成するように結合することができる。6員環が好ましく、5員環が最も好ましい。適切な配位子は当業者に公知である。
【0045】
3座配位子の例は次の通りである。
【0046】
【化5】

1、X2及びX3は独立してN,C,O及びSから選択される。好ましくは、X1=X2=X3=Nである。
【0047】
Mに配位すべき好ましい基はフェノール基である。
【0048】
【化6】

【0049】
したがって、特に好ましい2座配位子はキノリネートである。
【0050】
f−ブロック金属用の適切な配位基は、カルボン酸、1,3−ジケトネート、ヒドロキシカルボン酸、アシルフェノール及びイミノアシル基を含むシッフ塩基のような酸素又は窒素ドナー系を含む。公知のように、発光ランタニド金属錯体は、金属イオンの1重項励起状態より高い3重項励起エネルギーレベルを有する増感基を必要とする。発光は、金属のf−f遷移より行われ、したがって、発光色は金属の選択によって決められる。鋭い発光は通常狭く、ディスプレイへの応用に有用な純色発光をもたらす。
【0051】
d−ブロック金属は、好ましくは、式IIIのポルフィリン又は2座配位子のような炭素又は窒素ドナーと錯体を形成する。
【0052】
【化7】

Ar2及びAr3は同じか異なってもよく、選択的に置換されるアリール又はヘテロアリールから独立して選択される。Y1及びYは同じか異なってもよく、炭素又は窒素から独立して選択される。Ar2及びAr3は共に縮合され得る。Yが炭素でY1が窒素であるか、又はY及びY1が共に窒素である配位子は、特に好ましい。
【0053】
2座配位子の例は下記に示される。
【0054】
【化8】

Ar及びArの1つ又は両方は1又は2以上の置換基を有することができる。好ましい置換基は前述の通りである。
【0055】
d−ブロック元素との使用に適する他の配位子は、ジケトネート、特にアセチルアセトネート(acac)、トリアリールホスフィン及びピリジンを含み、それぞれは置換されていてもよい。
【0056】
前述したように、本発明の長所の1つは、通常金属錯体が中性でなければならない従来技術に比較して、広い範囲の配位子を金属錯体に使用し得ることである。したがって、帯電配位子も使用できる。さらに、本発明の発光装置において、金属錯体が帯電され、この電荷をバランスするための対イオンが存在する。したがって、中性のある一定数の配位子を使用する必要性もない。対イオンが存在しない中性の金属錯体が望まれる場合は別であるが、結果として、通常の数より多い数の中性配位子が使用され得る。
【0057】
発光層においては、帯電金属錯体及び対イオンがホスト材料と共に存在することが望ましいこともある。
【0058】
帯電金属錯体及び対イオンは発光層中のホスト材料に物理的に混合されるか、又はホスト材料に共有結合され得る。1つの好ましい実施形態においては、帯電金属錯体は発光層中のホスト材料と混合される。他の実施形態においては、帯電金属錯体は、ポリマーの繰返し単位、側鎖置換基及び/又は末端基として供給される。他の実施形態においては、金属錯体はデンドリマー中に供給される。デンドリマーの核は金属Mを含む。
【0059】
したがって、本発明は、上記で定義した帯電金属錯体及び対イオン並びにホスト材料を含む混合物を提供する。本発明は、ポリマーの繰返し単位、側鎖置換基及び/又は末端基として上記に定義される帯電金属錯体を含むポリマーをさらに提供する。本発明は、さらに上記に定義される帯電金属錯体を含むデンドリマーを提供する。
【0060】
ホスト材料は電荷輸送特性も有することができる。次の式を有する選択的に置換される正孔輸送アリールアミンのような正孔輸送ホスト材料が特に好ましい。
【0061】
【化9】

Ar5は、フェニル又は下式のような選択的に置換される芳香基であり、
【0062】
【化10】

Ar6、Ar7、Ar8及びAr9は選択的に置換される芳香基又は複素芳香基である(Shi et al (Kodak) US 5,554,450. Van Slyke et al, US 5,061,569. So et al (Motorola) US 5,853,905 (1997))。Arは、好ましくはビフェニルである。Ar6、Ar7、Ar8及びAr9の少なくとも2つは、チオール基又は反応性不飽和炭素−炭素結合を含む基のいずれかに結合し得る。Ar6とAr7及び/又はAr8とAr9は選択的に結合してN含有環を形成し、それにより、例えば、Nがカルバゾール単位の一部、例えば、下式を形成する。
【0063】
【化11】

【0064】
ホスト材料は代わりに電子輸送特性を有することもできる。電子輸送ホスト材料の例は、アゾール、ジアゾール、トリアゾール、オキサジアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンザゾール及びフェナントロリンであり、それぞれ選択的に置換され得る。特に好ましい置換基はアリール基であり、特にフェニルオキサジアゾールであり、特にアリール置換オキサジアゾールである。これらホスト材料は低分子の形で存在するか、又はポリマーの繰返し単位、特にポリマーの主鎖中に位置する繰返し単位又はポリマー主鎖からのペンダント置換基として供給され得る。電子輸送ホスト材料の特定の例は、3−フェニル−4−(1−ナフチル)−5−フェニル−1,2,4−トリアゾール及び2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−フェナントロリンを含む。
【0065】
ホスト材料は双極性、すなわち、正孔及び電子を輸送することができる。適切な双極性材料は好ましくは少なくとも2つのカルバゾール単位を含む。(Shirota, J. Mater. Chem., 2000, 10, 1-25)。1つの好ましい化合物において、上記のAr6とAr7及びAr8とAr9は、共にカルバゾール環を形成するために結合され、Ar5はフェニルである。あるいは、双極性ホスト材料は正孔輸送セグメント及び電子輸送セグメントを含む材料でもよい。そのような材料の例としては、正孔輸送がポリマー主鎖内に位置するトリアリールアミン繰り返し単位によって行われ、電子輸送がポリマー主鎖内の共役ポリフルオレン鎖によって行われる、国際公開00/55927号パンフレットに開示されるような正孔輸送セグメントと電子輸送セグメントを含むポリマーがある。あるいは、正孔輸送及び電子輸送特性は共役又は非共役ポリマー主鎖からのペンダント繰返し単位によって提供されてもよい。
「低分子」ホストの特定の例は、Ikai et al. (Appl. Phys. Lett., 79 no. 2, 2001, 156)に開示される、CBPとして知られる4,4’−ビス(カルバゾール−9−イル)ビフェニル)、及びTCTAとして知られる(4,4’,4”−トリス(カルバゾール−9−イル)トリフェニルアミン)、並びにMTDATAとして知られるトリス−4−(N−3−メチルフェニル−N−フェニル)フェニルアミンのようなトリアリールアミンを含む。
【0066】
ホモポリマー及びコポリマーは、前記正孔輸送層に関して上記したポリフルオレン、ポリスピロフルオレン、ポリインデノフルオレン又はポリフェニレンのような選択的に置換されるポリアリーレンを含めて、ホストとして使用され得る。
【0067】
従来技術で開示されているホストポリマーの特定の例は、例えば、Appl. Phys. Lett. 2000, 77 (15), 2280に開示されるポリ(ビニルカルバゾール)、Synth. Met. 2001, 116, 379, Phys. Rev. B 2001, 63, 235206及びAppl. Phys. Lett. 2003, 82 (7), 1006に開示されるポリフルオレン、Adv. Mater. 1999, 11(4), 285に開示されるポリ[4−(N−4−ビニルベンジルオキシエチル、N−メチルアミノ)−N−(2,5−ジ−tert−ブチルフェニルナプタルイミド)]、J. Mater. Chem. 2003, 13, 50-55に開示されるポリ(パラ−フェニレン)、J. Chem. Phys. (2003), 118 (6), 2853-2864に開示されるfac−トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(III)及び2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−21H,23H−ポルフィリン白金(II)に対するホストとしてのポリ[9,9’−ジ−n−ヘキシル−2,7−フルオレン−alt−1,4−(2,5−ジ−n−へキシロキシ)フェニレン]、Mat. Res. Symp. Spring Meeting 2003 Book of Abstracts, Heeger, p. 214に開示されるジオクチルフルオレン及びジシアノ−ベンゼンのランダムコポリマーホスト、並びにMat. Res. Soc. Symp. Proc. 708, 2002, 131に開示されるフルオレン繰返し単位とフェニレン繰返し単位のABコポリマーを含む。
【0068】
ホスト材料中の帯電金属錯体の濃度は、その膜が高い電子発光効率を有するようにすべきである。発光種の濃度が高すぎると、発光のクエンチが生じ得る。濃度の範囲は、0.01〜49wt%、より好ましくは0.5〜10wt%、最も好ましくは1〜3wt%が通常適当である。
【0069】
好ましくは、対イオンXは置換又は未置換アリール又はヘテロアリール基を含む。
【0070】
選択的に、対イオンXは電荷輸送基、好ましくは正孔輸送基のような官能基を含む。
【0071】
本発明はそのように限定されないが、対イオンは本装置において機能性になり得る。この点において、対イオンは正孔及び/又は電子輸送性対イオンになり得る。対イオンが正孔及び/又は電子輸送性対イオンであるとき、ホスト材料は必要とされないことがある。
【0072】
典型的には、帯電金属錯体は正に帯電することになろう。この場合、対アニオンが使用される。この場合、好ましくは、金属錯体は+1〜+4の範囲の電荷を有する。
【0073】
本発明の第1の側面の第1の実施形態においては、対イオンは帯電金属錯体に結合していない。この第1の実施形態においては、対イオンはその大きさのため実質的に不動性になる。対イオンは大きいか又はかさ高く、帯電金属錯体と共に充填されたとき発光層の中を移動することができない。
【0074】
第1の実施形態における好ましい金属はルテニウム、銅、クロム、モリブデン、ロジウム、パラジウム、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金及び金である。
【0075】
この第1の実施形態において、帯電金属錯体及び対イオンXのための好ましい一般式は、一般式IV〜XIとして下記に示される。一般式Vは特に好ましい。
【0076】
レニウム錯体
【化12】

【0077】
Aは中性の発光配位子であり、各Lは独立して中性配位子である。レニウムの場合、Lは好ましくは強配位子場の配位子であり、例えば、C=O又はPR3であり、各Rは独立して選択的に置換されたアルキル、アリール又は複素アリール基を表す。
【0078】
2又は3以上のL基は結合していてもよい、例えば、L=トリアルキルホスフィンであるとき2つの基は次を形成することができる。
【0079】
【化13】

A及びBは、選択的に結合し得る中性の発光配位子を表し、例えば、ビピリジル又はフェナントロリンであり、各Lは独立して中性配位子である。
【0080】
イリジウム錯体
【化14】

イリジウムについては、適切なL基は、単座、2座又は3座配位子を含み、例えば、ビピリジル、フェナントロリン、トリアリールホスフィン、ターピリジンなどである。
また、好ましくは少なくとも1つのLは強配位子場の配位子を含む。
又は
【化15】

又は
【化16】

Yは帯電配位子(例えば、塩素を含む)を表し、Zは中性配位子(例えば、トリアリールホスフィン)を表す。好ましい実施形態においては、X及びYは結合され、例えば、X−Y=フェニルピリジンである。
Y又はZが強配位子場の配位子であれば、Lは強配位子場の配位子であってもなくてもよい。
又は
【化17】

【0081】
オスミウム錯体
【化18】

及び上記のイリジウム錯体に類似する他の化合物。
【0082】
蛍光錯体
前記Ir及びOs錯体のAl類縁物、特に、
【0083】
【化19】

【0084】
ベリリウム、ガリウム及び亜鉛は他の蛍光金属である。
好ましくは、Alについては、Y−Zはキノリネートであり、特に8−キノリネートである。
すなわち、
【化20】

【0085】
前述したように、帯電金属錯体はポリマー又はデンドリマーに組み込み得る。したがって、本発明の第1の側面の第1の実施形態の好ましい発光層は、付随する非配位性アニオンと共に、ポリマー中に組み込まれたカチオン金属錯体を含む。
【0086】
第1の実施形態における対イオンに移ると、かさ高い/大きい対イオンの1種類は、対イオンXが好ましくは置換又は未置換アリール又は複素アリール基、特にフェニル(例えば、テトラフェニルボレート)を含むものである。アリール又は複素アリール基は、より大きな電荷輸送基(下記に示されるトリアリールアミン置換単位のような)の一部を形成するか、又は電荷輸送基で置換され得る(下記に示されるカルバゾールで置換されたテトラフェニルボレートのような)。カルバゾール及びトリアリールアミンは好ましい電荷輸送基である。有利には、カルバゾール及びトリアリールアミンは正孔輸送基である。したがって、カルバゾール及びトリアリールアミンは高い3重項エネルギーの金属錯体にとって特に好ましい。
【0087】
第1の実施形態において特に有用なかさ高い/大きいアニオンの種類は、一般式BAr(4-x)xを有するテトラフェニルボレート核に基づいており、Arはアリール又は複素アリール基(好ましくは、フェニル)であり、xは1〜4の範囲にあり、Aは機能部位である。
【0088】
x=1である場合の有用なかさ高い/大きいアニオンは下記に示される。
【化21】


【0089】
カルバゾール単位が存在する場合、それは芳香族炭素によってテトラアリールボレート基にも結合することができる。この場合、窒素原子が置換されないか、又は(より好ましくは)特に、溶解性を増大させ得るアルキル基で置換され得る。J Am Chem Soc 126, 19, 2004, p. 6035は、3重項及び1重項エネルギーレベルに対するカルバゾールの置換位置の影響について述べている。
【0090】
例を示すと、このタイプのアニオンを製造するための一般的な合成手法は次のとおりである。
【0091】
【化22】

【0092】
かさ高い/大きい対イオンの他の種類は、金属を含む対イオンから構成される。この場合、帯電金属錯体及び対イオンは、共に独立して金属を含む。多数の公知の対イオン錯体、特に金属を含むアニオンがあり、当業者は適切な候補を選択することができよう。簡単な例は[Fe(CN)である。
対イオンが錯体に結合されていない対イオンを有する錯体の合成は、当業者に良く知られた多数の方法によって達成することができる。例としては、次のものがある。
1)小さなイオンの大きなイオンによる置換
このタイプの置換の例は下記に示される。典型的には、錯体は大過剰の新しいイオンの塩によって処理される。同時に生成する単純な塩、この例ではNaClが、大きな対イオンとの錯塩の方へ平衡を推進するために、反応溶媒中で溶解しないように反応条件を調整できる。
【0093】
【化23】

【0094】
2)レドックス合成
目標とする錯体は、かさ高いイオンの存在下における、前駆体錯体の化学的又は電気化学的な酸化又は還元によって合成することができる。酸化の例は以下のとおりである。
【0095】
【化24】

【0096】
Mは、括弧内に示される酸化状態を有する金属イオンである。L−Lは2座の単アニオン配位子であり、L’は単座の中性配位子であり、Aはカチオンであり、Xはかさ高いアニオンであり、eは化学的又は電気化学的に除去された電子である。
【0097】
この反応は、典型的には、アセトニトリル、ジクロロメタン又はジメチルホルムアミドのような不活性溶媒中で実行される。
【0098】
本発明の第1の側面の第2の実施形態においては、対イオンは金属錯体中の配位子に結合されている。したがって、対イオンは、帯電金属錯体に有効に束縛されているので実質的に不動性である。
【0099】
第2の実施形態においては、対イオンの帯電中心は金属錯体中の金属Mに直接結合していないことが理解されよう。
【0100】
第2の実施形態において、好ましい金属はルテニウム、銅、クロム、モリブデン、ロジウム、パラジウム、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金、アルミニウム、ベリリウム、亜鉛、水銀、カドミウム及びガリウムを含む。
【0101】
さらに、第2の実施形態において、対イオンXは好ましくはアンモニウム基又はホウ酸塩を表す。例えば、Xが金属錯体中の一箇所において結合されると、Xは好ましくは一般式R3+−又はR3-−を有する。又は、Xが金属錯体中の2箇所において結合されると、Xは好ましくは一般式−(R)2+−又は−(R)2-−を有する。各Rは独立してアリール、ヘテロアリール、アルキル、ハロゲン化物又は水素である。
【0102】
好ましくは、対イオンXが結合している1つ又は複数の配位子は、キレート性の2座又は3座配位子である。これは錯体に安定性をもたらす。いくつかの例が下記の一般式XII〜XVに示される。
【0103】
【化25】

【0104】
好ましいL及びL’は、フェニレン、ピリジル及びフェノレートのようなアリール又はヘテロアリール基を含む。好ましいヘテロアリール基はN−ドナーヘテロアリール基を含む。選択的に、ヘテロアリール基は単一環中に2以上のヘテロ原子を含むことができる。
【0105】
配位子に結合する対イオンの例は、次のとおりである。
【0106】
【化26】

【0107】
これは次のような錯体の形成を可能にする。
【0108】
【化27】

【0109】
第1及び第2の実施形態のための装置構造一般及び図1を参照すると、本発明の発光装置は、基板1、アノード2(好ましくは、インジウム錫酸化物)、有機正孔注入材料の層3、電子発光層4及びカソード5を含むことができる。
【0110】
図1に示されるように、通常、アノードは本発明のLEDにおいて基板上に設けられる。光学装置は、湿気及び酸素に敏感な傾向を示す。したがって、基板は好ましくは、湿気及び酸素が装置に侵入するのを防止する良好な遮断特性を有する。基板は、一般的にはガラスであるが、特に、装置の柔軟性が望まれる場合は代替基板も使用することができる。例えば、基板は、プラスチック・バリヤー交互層の基板を開示するUS6268695におけるようなプラスチック、又はEP0949850に開示されるような薄いガラス及びプラスチックの積層体を含むことができる。
【0111】
必須ではないが、アノードと発光層の間の正孔注入層の存在は、アノードから発光層への正孔の注入を促進するので望ましい。有機正孔注入材料の例は、EP0901176及びEP0947123に開示されるポリ(スチレンスルホネート)又はUS5723873及びUS5798170に開示されるようなポリアニリンのような適切な対イオンと共にポリエチレンジオキシチオフェン(PEDT)を含む。
【0112】
半導体材料を含む電荷輸送層(図示しない)も供給されることができる。正孔輸送層はアノードと発光層の間に供給されることができ、電子輸送層がカソードと発光層の間に供給されることができる。
【0113】
カソードは電子が効率的に装置に注入されるように選択され、したがってアルミニウム層のような単一の導電性材料を含むことができる。あるいは、それは複数の金属、例えば、WO98/10621に開示されるようなカルシウムとアルミニウムの2層を含むことができる。フッ化リチウムのような誘電材料の薄い層は、例えば、WO00/48258に開示されるように、電子注入を促進するために発光層とカソードの間に供給されることができる。
【0114】
装置は、好ましくは、湿気及び酸素の侵入を防ぐために封止材によって封止される。適切な封止材は、ガラスのシート、例えばWO01/81649に開示されるようなポリマーと誘電層の交互積層体のような適切なバリヤー特性を有するフィルム、又は例えばWO01/19142に開示されるような選択的に乾燥剤を有する気密容器を含む。
【0115】
実際の装置においては、少なくとも1つの電極は発光できるように半透明である。アノードが透明である場合、典型的にはインジウム錫酸化物を含む。透明カソードの例は、例えばGB2348316に開示されている。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】本発明の発光装置の該略図を示す。
【符号の説明】
【0117】
1 基板
2 アノード
3 有機正孔注入材料の層
4 電子発光層
5 アノード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アノード、カソード、前記アノードとカソードの間に位置する発光層を含む発光装置であって、前記発光層は発光用の帯電金属錯体及び前記帯電金属錯体上の電荷をバランスするに十分な電荷を有する対イオンを含み、
ここで、前記対イオンXと結合した前記帯電金属錯体は一般式XIIからXVのいずれかを有し、
【化1】

但し、前記金属Mは、ルテニウム、銅、クロム、モリブデン、ロジウム、パラジウム、レニウム、オスミウム、イリジウム、プラチナ、金、アルミニウム、ベリリウム、亜鉛、水銀、カドミウム及びガリウムから選ばれ、
前記対イオンXはアンモニウム基又はホウ酸塩を含み、帯電金属錯体中の配位子L及び/又はL’に結合され、
前記結合された帯電金属錯体及び対イオンは次の一般式I又はIIを有しない発光装置:
【化2】

【化3】

C−Nは、シクロメタレート配位子である。
【請求項2】
前記帯電金属錯体は燐光性である請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記帯電金属錯体及び対イオンが発光層中においてホスト材料と共に混合されている請求項1又は2に記載の発光装置。
【請求項4】
ポリマー又はデンドリマーが前記金属錯体を含む請求項1ないし3のいずれかに記載の発光装置。
【請求項5】
前記対イオンが正孔及び/又は電子輸送対イオンである請求項1ないし4のいずれかに記載の発光装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかで定義される帯電金属錯体。
【請求項7】
請求項6に定義される帯電金属錯体の発光のための使用。
【請求項8】
前記発光層が前記アノードと前記カソードの間に配置されるように前記アノード、前記カソード及び前記発光層を形成する工程を含む請求項1ないし5のいずれかで定義された発光装置を製造する方法。

【図1】
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【公開番号】特開2011−258958(P2011−258958A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−132887(P2011−132887)
【出願日】平成23年6月15日(2011.6.15)
【分割の表示】特願2007−514071(P2007−514071)の分割
【原出願日】平成17年5月16日(2005.5.16)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】