説明

発電装置

【課題】水位の変化の影響を受けにくく、設置が容易であり、小型化も可能であって、安定的な発電を図ることが可能な発電装置、及び発電方法を提供する。
【解決手段】円筒形の胴体で密閉された浮き機能を持ち、胴体の周囲に多数の羽を持つ水車と、羽付き水車内部に、水車が取り付けられ、一定長さをもって支点を中心に揺動自由に支持されたアームと、水車の回転軸からチェーン等で連結されて増速して伝動される伝動手段と、アームの支点に対して水車と反対側に取り付けられた発電機と、発電機に近い位置に増減自在に設けられたオモリとで構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電装置、及び発電方法に関し、特に、水路の水の流れを伝達して発電装置を回転させることにより発電を行う発電装置、及び発電方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本年3月の東日本大震災に端を発した原子力発電所の事故に起因する電力不足への対応が強く求められている。この対応策の一つとして、安全で環境にやさしい再生可能エネルギーが期待されている。再生可能エネルギーの中で、24時間、365日の稼働が可能で、比較的天候に左右されにくく、手軽に導入が可能な小水力発電への関心が高まりつつあり、現在、その導入事例が増えつつある。従来の小水力発電装置の一例として、例えば、特許文献1に開示のようなものがある。
【0003】
特許文献1の小水力発電装置では、1台の開放周流型水車の、水路方向前後に、それぞれ浮き機能をもった浮き子を備え、水位が変化しても追従できるようになっている。また、水位の変化に追従する水車は、チェーンによって、発電機まで増速比をもって伝道され、発電機が動作する構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−205342号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
小水力発電装置は、天候には比較的左右されにくいものの、水路、河川等の水位の変化は避けられず、そのように変動する条件の下でも常に安定的な発電効率が求められる。また、設置が容易であることも重要である。その観点からすると、特許文献1の技術では、浮き子が必要であるため、装置が大型化する、という問題がある。また、特許文献1の浮き子方式は、浮力の調整が難しく、設置条件に対応して、都度最適な条件を設定することが困難である、という問題もある。即ち、特許文献1の技術は、広く普及させるために、種々の立地条件に柔軟に対応することが困難であるとともに、装置が大型化してしまう。
【0006】
本発明は上記の諸点に鑑みてなされたものであって、水位の変化の影響を受けにくく、設置が容易であり、小型化も可能であって、安定的な発電を図ることが可能な発電装置、及び発電方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の問題点を解決するために、本発明に係る発電装置は、円筒形の胴体で密閉された浮き機能を持ち、胴体の周囲に多数の羽を持つ水車と、羽付き水車内部に、前記水車が取り付けられ、一定長さをもって支点を中心に揺動自由に支持されたアームと、前記水車の回転軸からチェーン等で連結されて増速して伝動される伝動手段と、前記アームの支点に対して水車と反対側に取り付けられた発電機と、前記発電機に近い位置に増減自在に設けられたオモリとを含むことを特徴としている。
【0008】
この構成では、支点を中心に、羽付き水車に浮き機能を持たせ、水車と反対側におもりをつけることで、水位の変化の影響を受けにくく、設置が容易であり、小型化も可能であって、安定的な発電を図ることが可能な
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る発電装置、発電方法によれば、水路、河川などの水位の変化に対応し、安定的な発電を図ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態における発電装置の設置形態の一例について説明するための模式図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態について説明するための側面図、及び正面図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態について説明するための側面図、及び正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施の形態1)
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態における発電装置の設置形態の一例について説明するための模式図である。
【0013】
本実施の形態の発電装置は、例えば農業用水路、河川などの水路にまたがって設置され得る。例えば、図1における矢印A方向へと流れる水流で、羽付き水車が回転し、その回転がアームを通じて、発電機を回転させる。羽付き水車内には、図2の正面図に一例が示されるように、例えばポリタンクが瀬地され、このポリタンクが、羽付き水車に適度な浮力を与える。
【0014】
水路流れる水流により回転する羽付き水車は、内部に中空のポリタンクを備えており。このポリタンクによる浮力により、羽付き水車は、変動する水路の水位の推移に追従する。
【0015】
(本発明による解決方法)
本発明の浮き水車式の開放周流型小水力発電方法、及び発電装置において、従来例にある浮き子を設ける代わりに多数の羽根が固定された円筒形の水車の胴体に浮きの機能を持たせることで、小型化が実現でき有効である。
【0016】
また、実施事例1の図に示す通り、単一の浮き機能をもつ水車がアームで支持されて、支点軸を中心に揺動ができる構成にし、支点に対して水車側と反対側に水車から増速されて伝動される発電機と、重さ調節が可能なオモリを取り付けることにより、浮力の調整が可能となり、水流に対して最適な水車の回転条件をオモリの調節によって容易に実現することができる。
【0017】
更に実施事例2に示す通り、この浮き機能をもつ多数の羽根が固定された水車を複数個一定の間隔を確保して並べて回動自由に共通の筏本体に取り付けられ、複数の水車の回転駆動をチェーン等で連結された発電機まで増速して伝動することにより、複数の水車からの駆動の伝達により発電が可能となり、発電電力を高めることが可能となる。この筏を構成する複数の浮き機能をもつ水車は両岸に鎖などで連結することにより、簡単な付帯工事で小水力発電装置を設置することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0018】
本発明は、例えば、小水力発電装置に適用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒形の胴体で密閉された浮き機能を持ち、胴体の周囲に多数の羽を持つ水車と、羽付き水車内部に、前記水車が取り付けられ、一定長さをもって支点を中心に揺動自由に支持されたアームと、前記水車の回転軸からチェーン等で連結されて増速して伝動される伝動手段と、前記アームの支点に対して水車と反対側に取り付けられた発電機と、前記発電機に近い位置に増減自在に設けられたオモリとを含むことを特徴とする開放周流型小水力発電装置。
【請求項2】
水面の変動に応じた浮力をもつ水車の動きに合わせてアームが支点軸を
中心に揺動することで、水面下略一定距離で水車が浸水回転して安定して発電電力を得る請求項1に記載の発電装置。
【請求項3】
円筒形の胴体で、当該内部に空気が密閉された浮き機能をもち、胴体の周囲に多数の羽根をもつ水車と、前記水車の複数個を略一定の間隔で並べて共通の台に取り付けて構成される複数の水車付き筏状本体と、前記複数の水車の各回転軸からチェーン等で、連結されて増速して伝動される伝動手段と、前記伝動手段によって駆動され発電する発電機と、前記筏状の水車本体と水路の両岸とを連結する一定の長さをもつ鎖状、または紐状の連結手段からなる浮き水車式の開放周流型小水力発装置。
【請求項4】
一定長さをもって、支店を中心に揺同自在に支持されたアームと、
前記水車の回転軸からチェーン等で連結されて増速度ぢて、伝道される電動手段と、前記アームの支点に対し、前記水車の回転軸から、水車と反対側に取り付けられた発電機と、前記発電機に近い位置に可能に
特徴とする竹粉製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−96264(P2013−96264A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−238061(P2011−238061)
【出願日】平成23年10月29日(2011.10.29)
【出願人】(504237050)独立行政法人国立高等専門学校機構 (656)
【Fターム(参考)】