説明

真偽判別可能な印刷物

【課題】 本発明は、偽造防止効果を必要とするセキュリティ印刷物である銀行券、パスポート、有価証券、身分証明書、カード、通行券等の貴重印刷物の分野において、観察角度によって異なる画像が確認されることによって真偽判別を可能とする印刷物に関するものである。
【解決手段】 印刷画像は、第1の印刷画像と第2の印刷画像を有し、第1の印刷画像は、基材と異なる色を有する光輝性顔料を配合したインキで形成され、第2の印刷画像は、第1の印刷画像上の少なくとも一部に透明性インキで重ね刷りして形成され、第2の印刷画像は、n(nは3以上の整数)個の領域に分割して形成し、n個の領域は、第1の領域、第2の領域、第3の領域、・・・第n−1の領域及び第nの領域に分割して形成され、n個に分割された各領域は、第1の万線、第2の万線、・・・第n−1万線及び第nの万線(nは3以上)に振り分けられた印刷物である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、偽造防止効果を必要とするセキュリティ印刷物である銀行券、パスポート、有価証券、身分証明書、カード、通行券等の貴重印刷物の分野において、観察角度によって異なる画像が確認されることによって真偽判別を可能とする印刷物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
銀行券、パスポート、有価証券、身分証明書、カード、通行券等の貴重印刷物は、その価値を保証・維持するために、偽造防止技術が施されている。そのため、このような貴重印刷物には、複写機での再現が困難な干渉マイカ、酸化フレークマイカ、顔料コートアルミニウムフレーク、光学的変化フレーク等の特殊な光輝性材料を配合したインキで印刷が施され、複写防止、真偽判別が行なわれている。
【0003】
例えば、光輝性材料を配合したインキで印刷された印刷物としては、シート状又は帯状の支持体の凹凸表面に光輝性領域が設けられるとともに、その光輝性領域の少なくとも一部に、光輝性領域と同一・同質及び/又は異質の他の光輝性領域がインキにより積層して形成された偽造防止用表示体であって、支持体の凹凸表面に形成された光輝性領域が支持体表面の凹凸によって入射光に対して乱反射を示し、その光輝性領域の上面に積層した他の光輝性領域が平坦面によって入射光に対して正反射を示すことを特徴とする偽造防止用表示体とその製法が開示されている(特許文献1参照)。
【0004】
また、基材に基材の平滑度より高い少なくとも一つの情報パターンを形成し、情報パターン上及びその周辺の背景領域は、金属光沢インキによって刷り重ねて金属光沢インキ領域が形成され、金属光沢インキ領域は、情報パターンに刷り重ねられた金属光沢情報パターン領域と、背景領域に刷り重ねられた金属光沢背景領域に区分けされてなる偽造防止印刷物が開示されている(特許文献2参照)。
【0005】
また、最近では、貴重印刷物には、意匠性を保ちつつ、偽造防止効果の高い偽造防止要素及び印刷技術が望まれている。例えば、第1の視認性情報の情報画像領域及び背景画像領域の一方に、密な基材隠蔽率の光輝性隠蔽層を形成し、他方に、疎な基材隠蔽率の光輝性隠蔽層を形成するとともに、第2の視認性情報の情報画像領域及び背景画像領域の両領域に、密な基材隠蔽率の光輝性隠蔽層を形成し、該密な光輝性隠蔽層の少なくとも一部分に可視光吸収性の高い極めて疎な隠蔽率の隠蔽層を形成することによって、観察角度を変化させることで視認性情報が変化する偽造防止用情報担持体が開示されている(特許文献3参照)。
【0006】
また、基材と、基材の一表面上の印刷画像領域全面に基材と異なる色を有する光輝性材料で形成された第1の印刷画像と、印刷画像領域内の少なくとも一部に透明性材料から形成された第2の印刷画像を備え、第1の印刷画像上に第2の印刷画像を形成することを特徴とする偽造防止用情報担持体が開示されている(特許文献4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第3449690号公報
【特許文献2】特許第4590614号公報
【特許文献3】特許第3398758号公報
【特許文献4】特許第4604209号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1は、下地と情報パターンの両方を光輝性インキで形成し、情報パターンの明暗が変化するか否かによって、その貴重品が本物か否か真偽判別されるものである。しかしながら、光輝性インキは高コストであるため、実際に得られる印刷物も高コストであった。さらに、下地と情報パターンの両方を光輝性インキで印刷するため、下地と情報パターンの光沢差が少ないものとなり、情報パターンの視認性は優れるものではなく、改良の余地があった。特許文献1及び2は、所定の観察角度によって特定の画像のみが出現する印刷物であり、偽造防止、真偽判別効果を向上させるために、特許文献3及び4のようにある特定の画像から観察角度を異ならせることによって別の画像が出現する技術が求められている。しかしながら、特許文献3及び4は、二つの画像がスイッチする印刷物であって、複雑な濃度階調を有した画像が潜像画像として出現することで偽造防止、真偽判別効果を向上させることが求められている。また、印刷物自体の構成が複雑であっても作製が容易であることが求められている。
【0009】
本発明は、前述した課題の解決を目的とするものであり、製造の難易度が低く、かつ、安定した連続製造が可能で、印刷物を第1の角度で観察した場合に第1の印刷画像が視認され、第2の角度から徐々に傾けて観察した場合に第2の印刷画像の濃度が連続的に変化することで動画的に視認されることを特徴とする、画像のチェンジ効果に優れた真偽判別可能な印刷物に関わるものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、基材上に印刷画像を形成し、印刷画像は、第1の印刷画像と第2の印刷画像を有し、第1の印刷画像は、基材と異なる色を有する光輝性顔料を配合したインキで形成され、第2の印刷画像は、第1の印刷画像上の少なくとも一部に透明性インキで重ね刷りして形成され、第2の印刷画像は、n(nは3以上の整数)個の領域に分割して形成し、n個の領域は、第1の領域、第2の領域、第3の領域、・・・第n−1の領域及び第nの領域に分割して形成され、n個に分割された各領域は、50μm〜200μmの画線が複数配置された第1の万線、第2の万線、・・・第n−1万線及び第nの万線(nは3以上)に振り分けられ、第1の領域の少なくとも一部が隣接するように第2の領域が形成され、第2の領域の少なくとも一部が隣接するように第3の領域が形成され、・・・第n−1の領域の少なくとも一部が隣接するように第nの領域が形成され、万線画線の配列方向は第1の領域、第2の領域、第3の領域、・・・第n−1の領域及び第nの領域ごとに異なる方向に配列され、万線画線の配列方向は、第1の領域の第1の万線の配列方向の角度をα1、第2の領域の第2の万線の配列方向の角度をα2、第3の領域の第3の万線の配列方向の角度をα3、・・・第n−1の領域の第n−1万線の配列方向の角度をαn−1、第nの領域の第nの万線の配列方向の角度をαnとした場合に、α1<α2<α3<・・・<αn−1<αn又はα1>α2>α3>・・・>αn−1>αnの条件を満たすことを特徴とする印刷物であって、印刷物を第1の角度で観察した場合に第1の印刷画像が視認され、第2の角度から徐々に傾けて観察した場合に第2の印刷画像の濃度が連続的に変化して視認されることを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、隣接する状態が、第1の領域の周囲を囲むように第2の領域が形成され、第2の領域の周囲を囲むように第3の領域が形成され、・・・第n−1の領域の周囲を囲むように第nの領域が形成されたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明の第1の万線画線、第2の万線画線、・・・第n−1の万線画線及び第nの万線画線(nは3以上)は、等間隔の直万線パターンで画線と非画線部の割合が1:2〜2:1の範囲であることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の第1の印刷画像の網点面積率は、50%〜100%の面積率の範囲で、網点面積率の差が15%以上50%以下の範囲で第1の階調画像が形成されていたことを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、n個の領域の輪郭が、画線によって形成されたことを特徴とする。
【0015】
また、本発明の第1の印刷画像は、i)網点形状の大小及び疎密、ii)万線形状の太細及び疎密、iii)波線形状の太細及び疎密、iv)破線形状の太細及び疎密、i)乃至iv)のいずれか一つによって形成されていることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の第1の印刷画像は、アルミニウム粉末、銅粉末、亜鉛粉末、錫粉末、真鍮粉末又はリン化鉄のいずれかの光輝性顔料を配合したインキで形成することを特徴とする。
【0017】
また、本発明の第2の印刷画像を形成する透明性インキは、透明ニス、インキワニス、透明インキ又はメジウムインキのいずれかであることを特徴とする。
【0018】
また、本発明の透明性インキは、蛍光材料又は赤外線吸収性材料を含むことを特徴とする。
【0019】
また、本発明の第2の印刷画像は、10〜150μmの盛り上がりを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明の真偽判別可能な印刷物は、印刷物を第1の角度で観察した場合に第1の印刷画像が視認され、第2の角度から徐々に傾けて観察した場合に第2の印刷画像の濃度が連続的に変化することで動画的に視認されることを特徴とする、画像のチェンジ効果に優れているため、偽造防止、真偽判別効果に優れる。
【0021】
本発明の真偽判別可能な印刷物は、生産性の高い印刷方式であるオフセット印刷で製造可能であることからコストパフォ−マンスに優れ、厳密に刷り合わせを制御する必要がなく、製造の難易度が低く、かつ、安定した連続製造が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明における真偽判別可能な印刷物(1)を示す図である。
【図2】第2の印刷画像(5)において分割した領域を示す図である。
【図3】真偽判別可能な印刷物(1)を拡散光領域で観察、拡散光領域から正反射光領域に徐々に視点を変えて観察したときの照明光源、視点及び真偽判別可能な印刷物(1)の二つの位置関係を図示したものである。
【図4】真偽判別可能な印刷物(1)の作用を示す図である。
【図5】真偽判別可能な印刷物(1)の作用を示す図である。
【図6】真偽判別可能な印刷物(1)の作用を示す図である。
【図7】本発明における真偽判別可能な印刷物(1−1)を示す図である。
【図8】真偽判別可能な印刷物(1−1)の作用を示す図である。
【図9】真偽判別可能な印刷物(1−1)の作用を示す図である。
【図10】真偽判別可能な印刷物(1−1)の作用を示す図である。
【図11】第2の印刷画像(5、5−1)の変形例を示す図である。
【図12】第2の印刷画像(5、5−1)の変形例を示す図である。
【図13】第2の印刷画像(5、5−1)の変形例を示す図である。
【図14】第2の印刷画像(5、5−1)の変形例を示す図である。
【図15】第2の印刷画像(5、5−1)の変形例を示す図である。
【図16】本発明における真偽判別可能な印刷物(1−2)を示す図である。
【図17】真偽判別可能な印刷物(1−2)の作用を示す図である。
【図18】真偽判別可能な印刷物(1−2)の作用を示す図である。
【図19】真偽判別可能な印刷物(1−2)の作用を示す図である。
【図20】本発明における真偽判別可能な印刷物(1−3)を示す図である。
【図21】真偽判別可能な印刷物(1−3)の作用を示す図である。
【図22】真偽判別可能な印刷物(1−3)の作用を示す図である。
【図23】真偽判別可能な印刷物(1−3)の作用を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。しかしながら、本発明は、以下に述べる実施するための形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲記載における技術的思想の範囲内であれば、その他のいろいろな実施の形態が含まれる。
【0024】
(実施の形態1)
図1に、本発明における真偽判別可能な印刷物(1)を示す。真偽判別可能な印刷物(1)は、基材(2)の上に、印刷画像(3)が形成されて成る。印刷画像(3)は、第1の印刷画像(4)と第2の印刷画像(5)を有し、第1の印刷画像(4)は、基材と異なる色を有する光輝性顔料を配合したインキで形成される。図1に示す第1の印刷画像(4)は、所定の観察状態で第一の有意情報である「円」の図柄が視認できる例を示す。第2の印刷画像(5)は、第1の印刷画像(4)上の少なくとも一部に透明性インキで重ね刷りして形成される。図1に示す第2の印刷画像(5)は、所定の観察状態で第二の有意情報である動画的な「円」の図柄が視認できる例を示す。さらに、詳細に第2の印刷画像(5)を説明する。
【0025】
図2は、第2の印刷画像(5)において分割した領域を示す図である。第2の印刷画像(5)は、第1の領域(5a)、第2の領域(5b)及び第3の領域(5c)の三つの領域に分割されている。第2の印刷画像(5)は、これに限定されることなく、n(nは3以上の整数)個の領域に分割することができ、n個の領域は、第1の領域、第2の領域、第3の領域、・・・第n−1の領域及び第nの領域に分割して形成することができる。さらに、第1の領域(5a)、第2の領域(5b)及び第3の領域(5c)の領域は、画線(7)及び非画線(8)が交互に配列された第1の万線画線(6a)、第2の万線画線(6b)及び第3の万線画線(6c)が形成される。第1の万線画線(6a)、第2の万線画線(6b)及び第3の万線画線(6c)は、万線画線ごとに配列方向(角度)が相違している。一例を図2に示すように、第1の領域(5a)を形成する第1の万線画線(6a)の配列方向を0度とした場合、第2の領域(5b)を形成する第2の万線画線(6b)の配列方向は45度、第3の領域(5c)を形成する第3の万線画線(6c)の配列方向は90°としている。また、第1の万線画線(6a)、第2の万線画線(6b)及び第3の万線画線(6c)の配列方向を0°、45°、90°としているが本発明はこれに限定されることなく、第1の万線画線(6a)<第2の万線画線(6b)<第3の万線画線(6c)、又は、第3の万線画線(6c)<第2の万線画線(6b)<第1の万線画線(6a)の角度の条件を満足すればよい。つまり、隣り合った領域ごとに万線の配列方向(角度)は、徐々に異ならせる必要がある。図2では、第1の万線画線(6a)乃至第3の万線画線(6c)の配列方向を左回りに形成しているが、第1の万線画線(6a)乃至第3の万線画線(6c)の配列方向を右回りに形成しても良い。第1の万線画線(6a)、第2の万線画線(6b)及び第3の万線画線(6c)は、50μm〜200μmの画線が一定のピッチで複数配列される。50μm〜200μmの画線の範囲については、50μm以下の画線は、作製上困難であり、200μm以上であると下記の効果を得られ難くなる問題が生じる。また、第1の万線画線(6a)、第2の万線画線(6b)及び第3の万線画線(6c)の画線は、等間隔の直万線パターンで画線と非画線部の割合が1:2〜2:1の範囲であることが好ましい。また、第1の万線画線(6a)、第2の万線画線(6b)及び第3の万線画線(6c)は、それぞれ画線の太さを異ならせてもよい。図2に示した各領域が万線画線で形成された第2の印刷画像(5)は、第1の印刷画像(4)上に重ね刷りされて真偽判別可能な印刷物(1)が得られる。
【0026】
図3は、真偽判別可能な印刷物(1)を拡散光領域で観察、拡散光領域から正反射光領域に徐々に視点を変えて観察したときの照明光源、視点及び真偽判別可能な印刷物(1)の二つの位置関係を図示したものである。照明光源(21a)と視点(22a)と真偽判別可能な印刷物(1)が位置関係(a)にあるとき、拡散光領域で観察したことになり、照明光源(21b)と視点(22b)と真偽判別可能な印刷物(1)が位置関係(b)にあるとき、拡散光領域から正反射光領域に徐々に視点を変えて観察したことになる。
【0027】
図4乃至6に真偽判別可能な印刷物(1)の作用を示す。図4に示すように拡散光領域で観察する場合、第1の印刷画像(4)である「円」の図柄のみが視認できる。この原理は、拡散光領域で第2の印刷画像は、第1の印刷画像上に透明性インキで重ね刷りして形成されているため、視認することができず、第1の印刷画像(4)のみが視認できることとなる。
【0028】
図5に示すように拡散光が正反射光よりも強い領域では、第1の印刷画像(4)である「円」の図柄内に第2の印刷画像(5)である「円」の図柄が一定の濃度で視認される。
【0029】
図6に示すように拡散光より正反射光の方が強い領域に視点を変えて観察するに従って、図6(a)、図6(b)及び図6(c)の順に視認される。図6(a)に示すように第1の印刷画像(4)である「円」の図柄内の第2の印刷画像(5)のうち、第3の万線画線(6c)の配列方向が90°又は270°である第3の領域(5c)の反射光量は、第1の領域(5a)及び第2の領域(5b)の反射光量よりも上回る。よって、第3の領域(5c)は、第1の領域(5a)及び第2の領域(5b)よりも明るく視認される。図6(b)に示すように第2の万線画線(6c)の配列方向が45°又は135°である第1の印刷画像(4)である「円」の図柄内の第2の印刷画像(5)のうち、第2の領域(5b)の反射光量は、第1の領域(5a)及び第3の領域(5c)の反射光量よりも上回る。よって、第2の領域(5b)は、第1の領域(5a)及び第3の領域(5c)よりも明るく視認される。図6(c)に示すように第1の印刷画像(4)である「円」の図柄内の第2の印刷画像(5)のうち、第1の万線画線(6a)の配列方向が0°である第1の領域(5a)の反射光量は、第2の領域(5b)及び第3の領域(5c)の反射光量よりも上回る。よって、第1の領域(5a)は、第2の領域(5b)及び第3の領域(5c)よりも明るく視認される。
【0030】
この原理は、第1の領域(5a)、第2の領域(5b)及び第3の領域(5c)の領域は、それぞれの万線画線の配列方向が異なった第1の万線画線(6a)、第2の万線画線(6b)及び第3の万線画線(6c)で形成されているため、それぞれの領域(5a、5b、5c)を形成する万線画線(6a、6b、6c)における正反射光量及び拡散光量に差が生じる。このように拡散光領域から正反射光領域に徐々に視点を変えて観察する場合、各領域の万線画線の配列方向が異なっているため、各領域を形成する万線画線の反射光量に差が生じ、第1の領域(5a)から第3の領域(5c)に向かうに従い、明暗が徐々に変化するため、第2の印刷画像(5)が躍動感を有して動画的に視認できる。図面では、第1の領域(5a)から第3の領域に(5c)向かうに従い、明暗が徐々に変化しているが、観察の仕方によっては、第3の領域(5c)から第1の領域(5a)に向かうに従い、明暗が徐々に変化して視認される。さらに、印刷物を傾けなくとも、スポット光等の入射光の角度を連続的に変化させることによって本発明の効果を奏することができる。
【0031】
(実施の形態2)
実施の形態2は、実施の形態1の真偽判別可能な印刷物(1)と異なる点を説明する。図7に、本発明における真偽判別可能な印刷物(1−1)を示す。真偽判別可能な印刷物(1−1)は、基材(2−1)の上に、印刷画像(3−1)が形成されて成る。印刷画像(3−1)は、第1の印刷画像(4−1)と第2の印刷画像(5−1)を有し、第1の印刷画像(4−1)は、基材と異なる色を有する光輝性顔料を配合したインキで形成される。図7(b)に示す第1の印刷画像(4−1)は、所定の観察状態で第一の有意情報である背景と「A」の文字が視認できる例を示す。第1の印刷画像(4−1)は、i)網点形状の大小及び疎密、ii)万線形状の太細及び疎密、iii)波線形状の太細及び疎密、iv)破線形状の太細及び疎密、i)乃至iv)のいずれか一つによって形成される。第1の印刷画像(4−1)の網点面積率は、50%〜100%の面積率の範囲で、網点面積率の差が15%以上50%以下の範囲で濃度階調が形成されることを特徴とする。網点面積率及び網点面積率の差が範囲内でないと正反射光下でも第1の印刷画像(4−1)が視認されてしまうため、画像スイッチの効果を得ることができない問題が生じる。第1の印刷画像(4−1)の「A」の文字は連続階調画像で形成していないが、本発明は、これに限定されることなく、連続階調画像であってもよい。図7(c)に示す第2の印刷画像(5−1)は、第1の印刷画像(4−1)上の少なくとも一部に透明性インキで重ね刷りして形成される。第2の印刷画像(5−1)は、所定の観察状態で第二の有意情報である動画的な「円」の図柄が視認できる例を示す。第2の印刷画像(5−1)の構成は、図2で示した構成と同一である。
【0032】
図8乃至10に真偽判別可能な印刷物(1−1)の作用を示す。図8に示すように拡散光領域で観察する場合、第1の印刷画像(4)である背景と「A」の文字が視認できる。この原理は、拡散光領域で第2の印刷画像は、第1の印刷画像上に透明性インキで重ね刷りして形成されているため、視認することができず、第1の印刷画像(4)のみが視認できることとなる。
【0033】
図9に示すように拡散光が正反射光よりも強い領域では、「A」の文字は視認され難くなり、第1の印刷画像(4−1)の一定濃度となった第1の印刷画像(4−1)である「円」の図柄内に第2の印刷画像(5−1)である「円」の図柄が一定の濃度で視認される。
【0034】
図10に示すように拡散光より正反射光の方が強い領域に視点を変えて観察するに従って、図10(a)、図10(b)及び図10(c)の順に視認される。図10(a)に示すように第1の印刷画像(4−1)である「円」の図柄内の第2の印刷画像(5−1)のうち、第3の万線画線(6c−1)の配列方向が90°又は270°である第3の領域(5c−1)の反射光量は、第1の領域(5a−1)及び第2の領域(5b−1)の反射光量よりも上回る。よって、第3の領域(5c−1)は、第1の領域(5a−1)及び第2の領域(5b−1)よりも明るく視認される。図6(b)に示すように第2の万線画線(6c−1)の配列方向が45°又は135°である第1の印刷画像(4−1)である「円」の図柄内の第2の印刷画像(5−1)のうち、第2の領域(5b−1)の反射光量は、第1の領域(5a−1)及び第3の領域(5c−1)の反射光量よりも上回る。よって、第2の領域(5b−1)は、第1の領域(5a−1)及び第3の領域(5c−1)よりも明るく視認される。図6(c)に示すように第1の印刷画像(4−1)である「円」の図柄内の第2の印刷画像(5−1)のうち、第1の万線画線(6a−1)の配列方向が0°である第1の領域(5a−1)の反射光量は、第2の領域(5b−1)及び第3の領域(5c−1)の反射光量よりも上回る。よって、第1の領域(5a−1)は、第2の領域(5b−1)及び第3の領域(5c−1)よりも明るく視認される。
【0035】
実施の形態1及び2で示した第2の印刷画像(5、5−1)を形成する第2の領域(5、5b−1)及び第3の領域(5c、5c−1)は、円で形成されているが本発明は円形状に限定されることなく、例えば、図11(a)に示すように三角形、図11(b)に示すように四角形、図11(c)に示すようにロゴマーク等、任意の形状を選択できる。
【0036】
また、第2の印刷画像(5、5−1)を形成する第1の領域(5a、5a−1)、第2の領域(5b、5b−1)及び第3の領域(5c、5c−1)は、一定間隔の波紋形状で形成しているが、本発明はこれに限定されることなく、例えば、図12(a)に示すように、第2の印刷画像は、上側に広がる波紋形状、図12(b)に示すように、第2の印刷画像は、下側に広がる波紋形状、図12(c)に示すように、第2の印刷画像は、右側に広がる波紋形状、図12(d)に示すように、第2の印刷画像は、左側に広がる波紋形状であってもよい。
【0037】
また、第2の印刷画像(5、5−1)を形成する第1の領域(5a、5a−1)、第2の領域(5b、5b−1)及び第3の領域(5c、5c−1)の形状は、全て同じ形状としているが、本発明はこれに限定されることなく、図13(a)に示すように第1の領域(5a、5a−1)が円形状で第3の領域(5c、5c−1)に向かうに従って楕円形状に変形していく形態であってもよく、この場合、隣り合った領域を形状が近似している必要があり、観察角度によって形状が徐々に円から楕円又は楕円から円に変化し観察することができる。また、図13(b)に示すように第1の領域(5a、5a−1)、第2の領域(5b、5b−1)及び第3の領域(5c、5c−1)の形状が全く相関のない形状であってもよい。ただし、図13(b)の形態は、動画的効果を得る難いものとなる。
【0038】
また、第2の印刷画像(5、5−1)を形成する第1の領域(5a、5a−1)、第2の領域(5b、5b−1)及び第3の領域(5c、5c−1)は、第1の領域(5a、5a−1)内に第2の領域(5b、5b−1)が形成され、第2の領域(5b、5b−1)内に第3の領域(5c、5c−1)が形成されているが、本発明はこれに限定されることなく、図14(a)に示すように第1の領域(5a、5a−1)、第2の領域(5b、5b−1)及び第3の領域(5c、5c−1)が、それぞれ隣接している形状であってもよい。また、図14(b)に示すように第1の領域(5a、5a−1)、第2の領域(5b、5b−1)及び第3の領域(5c、5c−1)が、それぞれ近接している形状であってもよい。ここで言う、隣接とは第1の領域(5a、5a−1)、第2の領域(5b、5b−1)又は第3の領域(5c、5c−1)の少なくとも一部が接していること、又は領域の少なくとも一部が重なり合って接していることであり、近接とは、第1の領域(5a、5a−1)、第2の領域(5b、5b−1)及び第3の領域(5c、5c−1)が接してはいないが近くにあることを言う。本発明の近接の距離、つまり、各領域間の距離は5mm以下が好ましい。
【0039】
本発明の真偽判別可能な印刷物は、上記に説明した図11乃至図14の形態を組み合わせることが可能である。
【0040】
図15(a)に示すように第2の印刷画像(5、5−1)を形成する第1の領域(5a、5a−1)、第2の領域(5b、5b−1)及び第3の領域(5c、5c−1)の輪郭(9a、9b、9c)は、画線によって形成しているが、図15(b)に示すように輪郭(9a、9b、9c)は、画線を形成しなくても本発明の効果を奏することができる。
【0041】
第2の印刷画像(5、5−1)を形成する第1の領域(5a、5a−1)、第2の領域(5b、5b−1)及び第3の領域(5c、5c−1)の隣り合った領域の画線の成す角度の差が、5度以上45度以下の範囲であることが望ましい。この範囲内であると第2の印刷画像の濃度が連続的に変化する視認性に優れる。
【0042】
第1の印刷画像(4、4−1)で用いられる光輝性顔料が、アルミニウム粉末、銅粉末、亜鉛粉、錫粉、又はリン化鉄などを成分とする銀色、青味金色又は赤味金色を示すいずれかの光輝性顔料を配合したインキであり、これらのインキは、紫外線硬化型インキや酸化重合型インキに限定するものではなく、浸透型インキ、過熱乾燥インキ、蒸発乾燥インキなどの印刷インキであってもよい。
【0043】
第2の印刷画像(5、5−1)で用いられるに透明性インキは、着色顔料を使用しない透明なニス、インキワニス、透明インキ又はメジウムインキのいずれかであり、これらのインキは、紫外線硬化型インキや酸化重合型インキに限定するものではなく、浸透型インキ、過熱乾燥インキ、蒸発乾燥インキなどの印刷インキであってもよい。また、本発明の透明性インキは、蛍光材料又は赤外線吸収性材料を含有させることによって偽造防止及び真偽判別効果が向上する。また、多少の着色顔料を含有させても本発明の効果を得ることができる。
【0044】
基材は、白色用紙に限定するものではなく、上質紙、コート紙、プラスチックカードなどの印刷画像を担持できる平面を有していればよい。
【0045】
印刷方式は、ウェットオフセット印刷、ドライオフセット印刷、凸版印刷、水無平版印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷、凹版印刷又はプリンタなど特に限定されるものではない。
【0046】
以下、前述の発明を実施するため形態に従って、具体的に作製した真偽判別可能な印刷物の実施例について詳細に説明するが、本発明は、この実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
【0047】
図16は、第1の実施例である真偽判別可能な印刷物(1−2)である。真偽判別可能な印刷物(1−2)は、基材である白色のコート紙(2−2)上の一部分に、第1の印刷画像(4−2)を、光輝性顔料を配合したインキである紫外線硬化型の金属光沢インキ「T&K TOKA UV NO3 シルバー」を用いて、ウェットオフセット印刷によって網点面積率100%で「円」の図柄を印刷した。次に、第1の印刷画像(4−2)の「円」の図柄上に第2の印刷画像(5−2)を、酸化重合型の透明ニスである「New Champion マット OPニス」を用いて、ウェットオフセット印刷によって画線部100μm、非画線部100μmで「円」の図柄を重ね刷りした。
【0048】
図16に示すように、第2の印刷画像(5−2)は、第1の領域(5a−2)、第2の領域(5b−2)及び第3の領域(5c−2)の三つの領域に分割した。第2の印刷画像(5−2)を形成する第1の領域(5a−2)、第2の領域(5b−2)及び第3の領域(5c−2)は、第1の領域(5a−2)内に第2の領域(5b−2)を形成し、第2の領域(5b−2)内に第3の領域(5c−2)を形成した。第1の領域(5a−2)、第2の領域(5b−2)及び第3の領域(5c−2)の領域内は、万線画線で形成し、さらに、第1の領域(5a−2)を形成する第1の万線画線(6a−2)の配列方向を0°とした場合、第2の領域(5b−2)を形成する第2の万線画線(6b−2)の配列方向は45°、第3の領域(5c−2)を形成する第3の万線画線(6c−2)の配列方向は90°として形成した。
【0049】
図17に示すように真偽判別可能な印刷物(1−2)を拡散光領域で観察する場合、第1の印刷画像(4−2)である「円」の図柄が視認でき、図18に示すように拡散光が正反射光よりも強い領域では、第1の印刷画像(4−2)である「円」の図柄内に第2の印刷画像(5−2)である「円」の図柄が一定の濃度で視認できた。
【0050】
図19に示すように拡散光より正反射光の方が強い領域に視点を変えて観察するに従って、図19(a)、図19(b)及び図19(c)の順に視認された。図19(a)に示すように第1の印刷画像(4−2)である「円」の図柄内の第2の印刷画像(5−2)のうち、万線画線の配列方向が90°である第3の領域(5c−2)が最も明るく視認された。次に、図19(b)に示すように万線画線の配列方向が45°である第2の領域(5b−2)が最も明るく視認された。次に、図19(c)に示すように万線画線の配列方向が0°である第1の領域(5a−2)が最も明るく視認された。このように第1の領域(5a−2)、第2の領域(5b−2)及び第3の領域(5c−2)が順に濃度変化することによって第2の印刷画像が躍動感のある動画のように視認できた。
(実施例2)
【0051】
図20(a)は、第2の実施例である真偽判別可能な印刷物(1−3)である。真偽判別可能な印刷物(1−3)は、図20(b)に示すように基材である白色のコート紙(2−3)上の一部分に、第1の印刷画像(4−3)を、光輝性顔料を配合したインキである紫外線硬化型の金属光沢インキ「T&K TOKA UV NO3 シルバー」を用いて、ウェットオフセット印刷によって網点面積率60%〜100%まで使用した背景と「A」の文字を印刷した。次に、図20(c)に示す第2の印刷画像(5−3)を第1の印刷画像(4−3)の図柄上に、酸化重合型の透明ニスである「New Champion マット OPニス」を用いて、ウェットオフセット印刷によって画線部120μm、非画線部120μmで「円」の図柄を重ね刷りした。第2の印刷画像(5−3)の構成は、実施例1の第2の印刷画像(5−2)の構成と同様とした。
【0052】
図21に示すように真偽判別可能な印刷物(1−3)を拡散光領域で観察する場合、第1の印刷画像(4−3)である背景と「A」の文字が視認でき、図22に示すように拡散光が正反射光よりも強い領域では、第1の印刷画像(4−3)の「A」の文字は視認され難くなり、第1の印刷画像(4−3)である「円」の図柄内に第2の印刷画像(5−3)である「円」の図柄が一定の濃度で視認できた。
【0053】
図23に示すように拡散光より正反射光の方が強い領域に視点を変えて観察するに従って、図23(a)、図23(b)及び図23(c)の順に視認された。図23(a)に示すように第1の印刷画像(4−3)である「円」の図柄内の第2の印刷画像(5−3)のうち、万線画線の配列方向が90°である第3の領域(5c−3)が最も明るく視認された。次に、図23(b)に示すように万線画線の配列方向が45°である第2の領域(5b−3)が最も明るく視認された。次に、図23(c)に示すように万線画線の配列方向が0°である第1の領域(5a−3)が最も明るく視認された。このように第1の領域(5a−3)、第2の領域(5b−3)及び第3の領域(5c−3)が順に濃度変化することによって第2の印刷画像が躍動感のある動画のように視認できた。
(実施例3)
【0054】
実施例1乃至2の第2の印刷画像を、下記の配合のスクリーン印刷用インキを用いてスクリーン印刷機によって、第1の印刷画像上に重ね刷りした。その他の構成は、実施例1及び2と同様である。
顔料 10重量部
(SiO2 シリカ粉)
ウレタンアクリレート 50重量部
(日本化薬社製UX−4101)
モノマー 30重量部
(日本化薬社製PEG−400DA)
開始剤 9重量部
(チバスペシャルティーケミカルズ社製イルガキュア819)
禁止剤 0.5重量部
(東京化成工業社製メチルヒドロキノン)
消泡剤 0.5重量部
(東レ・ダウコーニングシリコン社製SC5540)
第2の印刷画像のインキの盛りは、50μm程度であった。正反射領域で観察する場合、実施例1乃至2よりも第2の画像内に施された潜像画像の視認性が優れる結果であった。
【0055】
第1乃至3の実施例における真偽判別可能な印刷物をカラーコピー機でコピーした複写物は、オリジナルの真偽判別可能な印刷物とは全く視感性が異なり、光反射性及び観察角度による第1の印刷画像及び第2の印刷画像の変化を示すことはなく、第1乃至3の実施例における真偽判別可能な印刷物は、カラーコピーによる複写に対する複写防止効果にも優れていた。
【符号の説明】
【0056】
1、1−1、1−2、1−3 真偽判別可能な印刷物
2、2−1、2−2、2−3 基材
3、3−1、3−2、3−3 印刷画像
4、4−1、4−2、4−3 第1の印刷画像
5、5−1、5−2、5−3 第2の印刷画像
5a 第1の領域
5b 第2の領域
5c 第3の領域
6a 第1の万線画線
6b 第2の万線画線
6c 第3の万線画線
7 画線
8 非画線
9a、9b、9c 輪郭
21a、21b 照明光源
22a、22b 視点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材上に印刷画像を形成し、
前記印刷画像は、第1の印刷画像と第2の印刷画像を有し、
前記第1の印刷画像は、前記基材と異なる色を有する光輝性顔料を配合したインキで形成され、
前記第2の印刷画像は、前記第1の印刷画像上の少なくとも一部に透明性インキで重ね刷りして形成され、
前記第2の印刷画像は、n(nは3以上の整数)個の領域に分割して形成し、前記n個の領域は、第1の領域、第2の領域、第3の領域、・・・第n−1の領域及び第nの領域に分割して形成され、
前記n個に分割された各領域は、50μm〜200μmの画線が複数配置された第1の万線、第2の万線、・・・第n−1万線及び第nの万線(nは3以上)に振り分けられ、
前記第1の領域の少なくとも一部が隣接するように前記第2の領域が形成され、前記第2の領域の少なくとも一部が隣接するように前記第3の領域が形成され、・・・前記第n−1の領域の少なくとも一部が隣接するように前記第nの領域が形成され、前記万線画線の配列方向は前記第1の領域、前記第2の領域、前記第3の領域、・・・前記第n−1の領域及び前記第nの領域ごとに異なる方向に配列され、前記万線画線の配列方向は、前記第1の領域の第1の万線の配列方向の角度をα1、前記第2の領域の第2の万線の配列方向の角度をα2、前記第3の領域の第3の万線の配列方向の角度をα3、・・・前記第n−1の領域の第n−1万線の配列方向の角度をαn−1、前記第nの領域の第nの万線の配列方向の角度をαnとした場合に、α1<α2<α3<・・・<αn−1<αn又はα1>α2>α3>・・・>αn−1>αnの条件を満たすことを特徴とする印刷物であって、
前記印刷物を第1の角度で観察した場合に第1の印刷画像が視認され、第2の角度から徐々に傾けて観察した場合に前記第2の印刷画像の濃度が連続的に変化して視認されることを特徴とする真偽判別可能な印刷物。
【請求項2】
前記隣接する状態が、前記第1の領域の周囲を囲むように前記第2の領域が形成され、前記第2の領域の周囲を囲むように前記第3の領域が形成され、・・・前記第n−1の領域の周囲を囲むように前記第nの領域が形成されたことを特徴とする請求項1記載の真偽判別可能な印刷物。
【請求項3】
前記第1の万線画線、前記第2の万線画線、・・・第n−1の万線画線及び前記第nの万線画線(nは3以上)は、等間隔の直万線パターンで画線と非画線部の割合が1:2〜2:1の範囲であることを特徴とする請求項1又は2記載の真偽判別可能な印刷物。
【請求項4】
前記第1の印刷画像の網点面積率は、50%〜100%の面積率の範囲で、網点面積率の差が15%以上50%以下の範囲で第1の階調画像が形成されていたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項記載の真偽判別可能な印刷物。
【請求項5】
前記n個の領域の輪郭が、画線によって形成されたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項記載の真偽判別可能な印刷物。
【請求項6】
第1の印刷画像は、
i)網点形状の大小及び疎密、
ii)万線形状の太細及び疎密、
iii)波線形状の太細及び疎密、
iv)破線形状の太細及び疎密、
前記i)乃至iv)のいずれか一つによって形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項記載の真偽判別可能な印刷物。
【請求項7】
前記第1の印刷画像は、アルミニウム粉末、銅粉末、亜鉛粉末、錫粉末、真鍮粉末又はリン化鉄のいずれかの光輝性顔料を配合したインキで形成することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項記載の真偽判別可能な印刷物。
【請求項8】
前記第2の印刷画像を形成する透明性インキは、透明ニス、インキワニス、透明インキ又はメジウムインキのいずれかであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項記載の真偽判別可能な印刷物。
【請求項9】
前記透明性インキは、蛍光材料又は赤外線吸収性材料を含むことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項記載の真偽判別可能な印刷物。
【請求項10】
前記第2の印刷画像は、10〜150μmの盛り上がりを有することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項記載の真偽判別可能な印刷物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2013−111783(P2013−111783A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−257517(P2011−257517)
【出願日】平成23年11月25日(2011.11.25)
【出願人】(303017679)独立行政法人 国立印刷局 (471)
【Fターム(参考)】