説明

磁気記録媒体

【課題】磁気記録媒体のような被エッチング材料の表裏両面へのプラズマ処理を行う際、基板の材質に関わらず被エッチング材料両表面に効率よくバイアスを印加し、両面処理ができるプラズマエッチング装置及びその方法を提供する。
【解決手段】略円環状の被エッチング材料に高周波電力を印加する一対の導電体を有し、略円環状の被エッチング材料の内縁を一対の導電体で挟持することで、略円環状の被エッチング材料の両面をエッチングするプラズマエッチング装置において、前記一対の導電体の一方に設置された導電体接続部材により、該略円環状の被エッチング材料の両面が電気的に導通するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマエッチング装置及び磁気記録媒体の製造方法及び磁気記録媒体に係り、特に、磁気記録媒体の両面に凹凸パターンで形成されている磁気記録層を形成するのに適したプラズマエッチング装置及びそれを用いた磁気記録媒体の製造方法及び磁気記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
ハードディスク装置は、円環状の磁気記録媒体を高速で回転させ、磁気ヘッドによりディジタル信号を記録・再生している。従来、磁気記録媒体として、表面が非常に平坦な円環状のアルミニウム基板、もしくはガラス基板に、磁性体をスパッタリング等により蒸着して、水平記録方式の連続磁性膜を形成する方法が行なわれている。記録密度の上昇に伴い、磁気記録媒体に対し、記録層を構成する磁性体の微粒子化、磁性体材料の変更、磁性体の積層構造の工夫、垂直記録方式の採用等により、面記録密度の向上が図られてきた。
【0003】
しかるに、媒体に起因したノイズやクロストーク、熱ゆらぎ耐性等の問題により、既存の記録媒体では記録密度向上の限界が見え始めた。そこで、磁気記録層にトラックピッチに対応する周期的な凹凸を設ける事により、さらなる記録密度向上を実現できる磁気記録媒体、いわゆるディスクリートトラックメディアや、パターンドメディア等の記録媒体が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、特許文献2には、ハードディスクに用いられるような略円環状の被エッチング材料の表裏両面に凹凸加工を施す装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−97419号公報
【特許文献2】特開平10−324980号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
磁気記録媒体は、媒体一枚あたりの記録容量を上げるために媒体の表裏両面を記録層として用いている。したがって、ディスクリートトラックメディアやパターンドメディアも、表裏両面に凹凸加工を施す必要が生じる。
【0007】
マスクを施された基板もしくは基板に堆積させた非磁性体膜もしくは磁性体をエッチングする方法としては、ウェットエッチングや、プラズマエッチング、イオンビームエッチング、イオンミリング、中性ビームエッチング等のドライエッチングが考えられる。特に、半導体デバイスの製造で広く用いられているプラズマエッチング技術は、量産性まで考慮した、基板もしくは基板に堆積させた非磁性体膜もしくは磁性体の凹凸加工への応用が期待できる。
【0008】
特許文献2に開示された被エッチング材料の表裏両面に凹凸加工を施す装置は、図17に示すように、略円環状の被エッチング材料105の内縁を台盤2201と抑え盤2202で挟持し、台盤2201に電力を給電することで、該被エッチング材料の両面をエッチングするようになっている。
【0009】
しかし、図17に記載のプラズマプラズマエッチング装置では、被エッチング材料105の内縁を台盤2201と抑え盤2202で挟持した際に、台盤2201と抑え盤2202の間に軸方向の隙間Dが生じているため、被エッチング材料内部の基板を通してのみ被エッチング材料両面を電気的に導通できる。そのため、基板の材質にアルミニウムなどの導電体材料を用いた場合は、基板を介して被エッチング材料両面を電気的に導通する経路ができるが、基板の材質にガラス等の絶縁体材料を用いた場合、被エッチング材料両面を電気的に導通する経路をつくることができず、エッチング電力が印加された片側の面2203にしかエッチング電力を印加することができないと考えられる。
【0010】
本発明の目的は、磁気記録媒体のような被エッチング材料の表裏両面へのプラズマ処理を行う際、基板の材質に関わらず被エッチング材料両表面に効率よくバイアスを印加し、両面処理ができるプラズマエッチング装置及びそれを用いた磁気記録媒体の製造方法及び磁気記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の代表的なものの一例を示せば以下の通りである。即ち、本発明のプラズマエッチング装置は、真空容器内に対向して配置された一対の電極と、該一対の電極間に配置され略円環状の被処理基板の内孔の縁付近を挟持する一対の基板支持部材と、前記一対の電極と前記被処理基板の両面間にプロセスガスを供給するガス供給手段と、前記各基板支持部材に設けられ前記一対の電極と前記被処理基板の両面間に高周波電力を印加する一対の導電体部材とを有し、一方の前記導電体部材の先端付近に導電体接続部材が設置されており、該導電体接続部材は前記被処理基板が前記一対の基板支持部材に保持された状態で該被処理基板の前記内孔を介して他方の前記導電体部材と接触し得るように構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、該略円環状の被エッチング材料の内縁を一対の導電体で挟持した際に、一対の導電体の一方に設置された導電体接続部材を介し、一対の導電体を電気的に導通させることができる。これにより、たとえ基板の材質にガラス等の絶縁体材料を用いた場合でも、被エッチング材料両面は一対の導電体と導電体接続部材を介し電気的に導通する経路ができる。そのため、基板両面に効率よくエッチング電力を印加することが可能となる。
【0013】
また、前記導電体接続部材が導電体部材間の隙間に合わせて変形する機能を有することで、被エッチング材料の両面が一対の導電体部材と導電体接続部材を介し電気的に導通する経路は確実なものとなり、基板両面に確実に効率よく電力を印加することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第一の実施例を表す平板アンテナ型のプラズマエッチング装置の縦断面図である。
【図2】図1の基板支持部材部分の横断面図である。
【図3A】第一の実施例において、可動式基板支持部材と固定式基板支持部材で被エッチング材料を挟持した際の断面の拡大図である。
【図3B】図3Aの状態における導電体接続部材を被エッチング材料の横方向から見た拡大図である。
【図3C】図1の一対の導電体で被エッチング材料を挟持する直前の断面図である。
【図4】第一の実施例において、被エッチング材料を搬入室から真空容器内へ搬送し、図1の状態にする各ステップを示す図である。
【図5A】本発明の他の実施例になる第一の導電体部材及び第二の導電体接続部材を示す断面図である。
【図5B】本発明の他の実施例になる第一の導電体部材及び第二の導電体接続部材を示す断面図である。
【図6】本発明の他の実施例を表すプラズマエッチング装置の断面図である。
【図7】本発明の他の実施例になるプラズマエッチング装置の断面図である。
【図8】本発明の他の実施例を表すプラズマエッチング装置の断面図である。
【図9】図8のX−X’断面図である。
【図10】本発明の他の実施例を表すプラズマエッチング装置の断面図である。
【図11】本発明の他の実施例を表すプラズマエッチング処理システム概念図である。
【図12】被エッチング材料を縦方向に設置した本発明の他の実施例になるプラズマエッチング装置の断面図である。
【図13】本発明の装置を用いて、多層磁性膜に凹凸パターンを作製し、パターンドメディアを作製するためのプロセス工程の概略図である。
【図14】本発明の他の実施例になる、多層磁性膜に凹凸パターンを作製し、パターンドメディアを作製するためのプロセス工程の概略図である。
【図15】図13のエッチングプロセスにおける、導電体部材を被エッチング材料表面の内縁付近に接触させる方法について、説明する図である。
【図16】図14のエッチングプロセスにおける、導電体部材を被エッチング材料表面の内縁付近に接触させる本発明の他の実施例を説明する図である。
【図17】従来例になる基板支持部材の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の代表的な実施例によれば、該略円環状の被エッチング材料に高周波電力を印加する一対の導電体部材、該導電体部材がそれぞれ設置された一対の基板支持部材を有し、略円環状の被エッチング材料の内縁を一対の導電体部材で挟持することで、略円環状の被エッチング材料の両面をエッチングするプラズマエッチング装置において、前記一対の導電体部材のうち一方に導電体接続部材が設置されている。
【0016】
また、前記導電体接続部材は基板面鉛直方向に伸縮する機能を有しており、略円環状の被エッチング材料の内縁を一対の導電体部材で挟持した際に、導電体間の隙間にあわせて該導電体接続部材が変形することができる。
【0017】
これにより、たとえ基板の材質にガラス等の絶縁体材料を用いた場合でも、被エッチング材料両面は一対の導電体と導電体接続部材を介し電気的に導通する経路ができるため、基板両面に効率よくエッチング電力を印加することが可能となる。
【0018】
なお、磁気記録層の周期的な凹凸パターンを形成するプロセスは、大まかに二種類に分類できる。一つ目は、基板に磁性体を蒸着したものに所望のマスクを施し、非マスク部の磁性体を直接エッチングする方法である。もう一つは、基板自体もしくは、基板に堆積させた窒化シリコンや酸化シリコン等の非磁性体膜に所望のマスクを施し、該基板自体もしくは、基板に堆積させた非磁性体膜にエッチングにより凹凸加工を施したものに、磁性体を蒸着させる方法である。
【0019】
本明細書では、「基板」、「基板に堆積させた非磁性体膜もしくは磁性体」、「基板に堆積させた非磁性体膜上もしくは磁性体上に形成されたマスク」の3者を含め被処理基板もしくは被エッチング材料と称する。
【0020】
また、被処理基板に対するプラズマエッチングは、減圧された処理室に処理用のガスを導入し、平板アンテナやコイル状アンテナ等を介して、処理室にソース電源より高周波電力を投入することで該ガスをプラズマ化し、これにより発生したイオンやラジカルを被エッチング材料に照射することにより進行する。プラズマ源には、プラズマを発生させる方式の違いにより、有磁場マイクロ波タイプ、誘導結合(ICP:Inductively Coupled Plasma)タイプ、容量結合(CCP: Capacitively Coupled Plasma)タイプ等、様々な方式が存在している。
【0021】
さらに、被エッチング材料を載置する電極に高周波バイアスを印加することにより、プラズマ中のイオンを積極的に被エッチング材料に引き込む事ができ、これによりエッチング速度の向上や、垂直加工性の向上が実現できる。該高周波バイアスは、プラズマ生成に用いられるソース電源の周波数よりも一桁から三桁低い周波数を用いる事が多い。
以下、図面を用いて発明の実施例を説明する。
【実施例1】
【0022】
本発明の第一の実施例を図1ないし図2で説明する。図1は、板アンテナ型のプラズマエッチング装置の縦断面図を示す。図2は、図1の支持部材部分の横断面図である。
真空容器101内には、一対の平行平板電極100が相対向する位置に設置されている。一対の平板電極の半径方向の中心付近には、可動式基板支持部材102と固定式基板支持部材103とが対向して設置されている。可動式基板支持部材102は、平板電極100を貫通しさらに真空ベローズ104を通して真空容器の外に飛出した構造をしており、基板面鉛直方向、つまり矢印(a)の方向に可動できる。被処理基板すなわち中央に内孔を有する略円環状の被エッチング材料105は、内孔の縁付近が可動式基板支持部材102と固定式基板支持部材103の間に挟まれることで機械的に固定される。また、可動式基板支持部材102に設けられた導電体接続部材106と、可動式基板支持部材102及び固定式基板支持部材103に設けられた一対の導電体部材とを介して、被エッチング材料105の両面が電気的に接続される。一対の平板電極100には、被エッチング材料の両面に対向して配置されガス分散機能を有するシャワープレート110が設けられている。真空容器101を構成する壁部材はアースに接続されており、従って、一対の平板電極100もアースに接続されている。また、真空容器101内は真空排気手段で真空排気される。
【0023】
ソース電源107から供給されたソース電力は、固定式基板支持部材103内部の高周波伝達経路109、導電体接続部材106を通り、被エッチング材料105の両面から電磁波として放出される。この電磁波により、ガス供給手段からマスフローコントローラー120を介して一対のシャワープレート110から被エッチング材料105の両面に均一に導入されたプロセスガスがプラズマ化される。また、バイアス電源108から供給されたバイアス電力は、固定式基板支持部材103内部の高周波伝達経路109、導電体接続部材106を通り、被エッチング材料105の両面に印加される。このバイアス電力により、被エッチング材料の両面とシャワープレート110の空間に生成されたプラズマ中のイオンを被エッチング材料に積極的に引き込むことができ、被エッチング材料の両面を一度にエッチングすることが可能となる。
【0024】
ソース電源107は、被エッチング材料105の両面にプラズマを生成するためのソース電力を印加するための電源であり、10MHz以上200MHz以下が望ましい。また、バイアス電源108は、被エッチング材料両面に生成されたプラズマ中のイオンを積極的に被エッチング材料に引き込むためのバイアス電力を印加するための電源であり、100kHz以上10MHz未満が望ましい。
【0025】
ソース電源107と被エッチング材料105は、第一の整合器112を介して接続されている。第一の整合器112は、ソース電源107から供給されたソース電力の反射を抑える機能に加え、ソース電力のみを通過させるハイパスフィルターの機能を有している。このハイパスフィルターの機能により、バイアス電源108から供給されバイアス電力がソース電源107に流入するのを防ぐことができる。また、バイアス電源108と被エッチング材料105は第二の整合器113を介して接続されており、第二の整合器113はバイアス電源108から供給されたバイアス電力の反射を抑える機能に加え、バイアス電力のみを通過させるローパスフィルターの機能を有している。前記ローパスフィルターの機能により、ソース電源107から供給したソース電力がバイアス電源108に流入するのを防ぐことができる。
【0026】
なお、図1では、プラズマ中に発生したイオンを積極的に被エッチング材料に引き込むため、バイアス電源108よりバイアス電力を印加しているが、プラズマ中に発生したイオンを積極的に被エッチング材料に引き込む必要がないプラズマ処理をおこなう場合、バイアス電源108及び第二の整合器113はなくてもよい。この場合、第一の整合器112はソース電源107から供給されたソース電力の反射を抑える機能のみを有する。
【0027】
ガス供給手段からシャワープレート110を介して導入されたプロセスガスは、このシャワープレートにより被エッチング材料両面に均一に供給される。また、シャワープレート110は、平板電極100と接触する導電体真空容器101を通してアースに接続されている。シャワープレートがアースに接続されていることで、被エッチング材料105とシャワープレート110の間にプラズマを閉じ込めることができる。これにより被エッチング材料両表面上に均一にプラズマを作製することができ、基板両面を均一に加工することが可能となる。
【0028】
そのためシャワープレートは、導電性やプラズマ耐性が高く、プラズマに長時間さらされても異物や汚染などの要因とならない材質でできていることが望ましい。すなわち、アルミニウム、各種アルミ合金、チタン合金、ステンレス、ボロンドープシリコン等が好ましい。もしくはアルミニウム等の金属表面にアルマイト処理を施したり、アルミナ、イットリア等の溶射膜を形成したりした物も好ましい。
【0029】
図2に示したように、真空容器101はゲートバルブ115を介して搬入出室114に接続されている。被エッチング材料105は、基板搬送ロボットの基板搬送部材で保持され、搬入出室114から真空容器101に至る搬入出経路117を経て可動式基板支持部材102と固定式基板支持部材103の間へ搬入されるように構成されている。なお、処理済みの被エッチング材料105は、基板搬送部材で保持され、搬入出室114へ搬出される。
【0030】
図1に戻って、プラズマエッチング装置はコントローラ(図示略)を備えている。また、可動式基板支持部材102または固定式基板支持部材103のどちらか一方には、熱電対もしくは蛍光温度計などの温度計測器が備わっており、被エッチング材料105の温度を計測し、コントローラを介してソース電源107及びバイアス電源108にフィードバックすることで、ソース電源107およびバイアス電源108からの供給電力を制御することができる。つまり、計測した基板温度がある設定値を超えた場合は、ソース電源107から供給されるソース電力及びバイアス電源108から供給されるバイアス電力を一旦停止し、被エッチング材料両面に生成された放電を中止させる。一定時間放電を中止することで、被エッチング材料が設定温度以下に冷えたのを確認した後、再びソース電源107及びバイアス電源108から電力を供給し、被エッチング材料両面で放電を開始する。前記のような間欠放電を繰り返すことで、被エッチング材料の温度上昇を抑制しつつ、被エッチング材料に所定の加工を施すことができる。
【0031】
また、予め被エッチング材料をある設定温度以上にしてエッチングをしたい場合は、エッチングを施したい膜をほとんどエッチングしないガス、例えばHe、Ar、Xeガス等の希ガスを用いたプラズマを生成し、目標温度まで基板温度を上昇させた後、所定のプラズマ処理を施す。前記エッチングを施したい膜をほとんどエッチングしないガスで生成したプラズマにより基板温度を上昇させる方法において、被エッチング膜をほとんどエッチングさせないためにはバイアス電力を印加せずにプラズマ処理をおこなうことが望ましい。
【0032】
なお、被エッチング材料の温度を計測する手段に関しては、被エッチング材料の温度を計測しソース電源107およびバイアス電源108へのフィードバック制御ができるものであれば、その温度計測手段や方法は問わない。
【0033】
次に、可動式基板支持部材102と固定式基板支持部材103の具体的な構成例について、図3(図3A,図3B,図3C)で説明する。
【0034】
まず、図3Aに、可動式基板支持部材102と固定式基板支持部材103で被エッチング材料105を挟持した際の断面の拡大図を示す。
【0035】
可動式基板支持部材102における被エッチング材料と接触する面には第一の導電体部材201が設置されており、固定式基板支持部材103における被エッチング材料と接触する面には第二の導電体部材202が設置されている。第一の導電体部材201及び第二の導電体部材202は、ソース電源及びバイアス電源から供給された電力を効率よく基板に印加するため、導電性が高い材質でできていることが望ましい。
【0036】
第二の導電体部材202は、第二の導電体部材202の一部に接続された高周波伝達経路109を介し、ソース電源107及びバイアス電源108と接続されている。また、第一の導電体部材201には、導電体接続部材106が設置されており、可動式基板支持部材102と固定式基板支持部材103で被エッチング材料105を挟持した際に、該導電体接続部材106が第二の導電体部材202と接触する構造になっている。
【0037】
図3Bは、図3Aの状態における導電体接続部材106を被エッチング材料105の横方向から見た拡大図である。119は被エッチング材料105の内孔である。
【0038】
図3B、図3Aから明らかな通り、導電体接続部材106は、例えば、平バネまたは板バネまたはコイルスプリング状の部材のような構造を有しており、かつ、被エッチング材料105の内孔119に出入り可能な大きさとなっている。
【0039】
かかる構成とすることで、たとえ基板の材質にガラス等の絶縁体材料を用いた場合でも、被エッチング材料両面は第二の導電体部材202、導電体接続部材106、第一の導電体部材201を介し電気的に導通する経路を作ることができ、ソース電源107及びバイアス電源108から供給された高周波電力を被エッチング材料両面に効率よく印加することができる。
【0040】
導電体接続部材106は基板面鉛直方向、つまり矢印( b )の方向に伸縮する機能を有している。被エッチング材料両面に高周波電力を効率よく印加するための電気的導通経路を確実に作るためには、第一の導電体部材201を被エッチング材料105と接触させたとき、導電体接続部材106と第二の接合部材202を隙間なく確実に接触することが求められる。導電体接続部材106が第一の導電体部材201と第二の導電体部材202の間隔に合わせて伸縮する機能を有していることで、該伸縮機能により導電体接続部材106と第二の導電体部材202を確実に接触させることができ、被エッチング材料の両面に高周波電力を効率よく印加するための電気的導通経路を確実に形成することができる。
【0041】
次に、図3Cに可動式基板支持部材102と固定式基板支持部材103で被エッチング材料105の内縁を挟持し、図3Aの状態にする直前の断面図を示す。
【0042】
図3Cに示すように、可動式基板支持部材102と固定式基板支持部材103で被エッチング材料105の内縁を挟持する前に、可動式基板支持部材102上の第一の導電体部材201に設置された導電体接続部材106が第二の導電体部材202と接触する構造になっている。その後、被エッチング材料105を挟持するために可動式基板支持部材103が矢印(a)の方向に可動するのに合わせて、第一の導電体部材201と被エッチング材料105が接触するまで導電体接続部材106が基板面鉛直方向、即ち矢印(i)の方向に縮むことで、導電体接続部材106と第二の導電体部材202を接触させたまま、第一の導電体部材201と被エッチング材料105を接触させ、被エッチング材料105を挟持することができる。かかる構成とすることで、導電体接続部材106と第二の導電体部材202を接触させたまま、第一の導電体部材201と被エッチング材料105を確実に接触させることができ、被エッチング材料両面は第二の導電体部材202、導電体接続部材106、第一の導電体部材201を介し電気的に導通する経路を確実に作ることができる。
【0043】
導電体接続部材106の構造としては、図3Cに示すように被エッチング材料105の厚さよりも確実に凸部が高い構造となっていることが望ましい。また、導電性接合部材106の材質としては導電性が高く、弾力性に富み、耐衝撃性に優れた材料でできていることが望ましい。
【0044】
尚、本実施例では、導電体接続部材106を第一の導電体部材201上に設置したが、第二の導電体接続部材202上に導電体接続部材106を設置しても構わない。
【0045】
可動式基板支持部材102の被エッチング材料105と接触する面の角204は丸みをおびた構造をしており、被エッチング材料105の表面と可動式基板支持部材102が接触した衝撃で可動式基板支持部材の角が欠けるのを防ぐことができる。同様に、固定式基板支持部材103の被エッチング材料105と接触する面の角205は丸みをおびた構造をしており、被エッチング材料105表面と固定式基板支持部材103が接触した衝撃で可動式基板支持部材の角が欠けるのを防いでいる。第一の導電体部材201および第二の導電体部材202の後ろにはバネやゴム材料等でできた伸縮材206が備わっており、可動式基板支持部材102が被エッチング材料105と固定式基板支持部材103と接触したときの衝撃を該伸縮材206が吸収することで、可動式基板支持部材102及び固定式基板支持部材103及び被エッチング材料105が損傷するのを防ぐことができる。
【0046】
また、概伸縮材が第一の導電体部材201、第二の導電体部材202、被エッチング材料にかかる圧力を低減するため、可動式基板支持部材102により第一の導電体部材201を被エッチング材料に一定の圧力で押しつけた状態、つまり第一の導電体部材201と被エッチング材料105の密着性及び、第二の導電体部材202と被エッチング材料105の密着性が向上した状態での加工が可能となる。
【0047】
また、図3Aでは、伸縮材206は可動式基板支持部材102及び固定式基板支持部材103の両者に備わっているが、可動式基板支持部材102と固定式基板支持部材103と被エッチング材料105の損傷を防ぎ、第一の導電体部材201と被エッチング材料105の密着性、および第二の導電体部材202と被エッチング材料105の密着性が向上した状態で加工することができれば、可動式基板支持部材102及び固定式基板支持部材103のどちらか一方に備わっている構造であっても構わない。
【0048】
次に、図4により、被エッチング材料105の搬送方法について述べる。図4の(1)〜(4)は、被エッチング材料105を搬入出室114から真空容器101内へ搬送し、可動式基板支持部材102と固定式基板支持部材103の間へ挟持した図1の状態にする各ステップを示している。
【0049】
まず、ゲートバルブ115が閉じた状態で被エッチング材料105を大気雰囲気の搬入出室114にセットする。次に、搬入出室内が減圧され、ゲートバルブ115が開く。その後、被エッチング材料105はその一部を基板搬送部材118で保持され、搬入経路117を通り、真空容器101内の可動式基板支持部材102と固定式基板支持部材103の間へ搬入され、図4の(1)の状態になる。
【0050】
そして、基板搬送部材118が矢印(i)の方向に移動し、図4の(2)に示すように可動式基板支持部材102に設置された導電体接続部材106と略円環状の被エッチング材料の内孔119と固定式基板支持部材103が一直線に並ぶ位置に、被エッチング材料が設置される。その後、可動式基板支持部材102が矢印(j)の方向に移動することで、略円環状の被エッチング材料105は可動式基板支持部材102と固定式基板支持部材103で挟持され図4の(3)の状態になる。最後に、基板搬送部材118は被エッチング材料105を離し、矢印(k)の方向に移動し、図4の(4)の状態、つまり図1の状態にする。この状態で、前記のとおり、基板両面に対するエッチング処理がなされる。
【0051】
以上述べたとおり、本実施例によれば、略円環状の被エッチング材料の内縁を一対の導電体で挟持した際に、一対の導電体の一方に設置された導電体接続部材を介し、一対の導電体を電気的に導通することができる。これにより、たとえ基板の材質にガラス等の絶縁体材料を用いた場合でも、被エッチング材料両面は一対の導電体と導電体接続部材を介し電気的に導通する経路ができるため、基板両面に効率よくエッチング電力を印加することが可能となる。
【0052】
また、前記導電体接続部材が導電体部材間の隙間に合わせて変形する機能を有することで、被エッチング材料両面が一対の導電体部材と導電体接続部材を介し電気的に導通する経路は確実なものとなり、基板両面に確実に効率よく電力を印加することができる。
【実施例2】
【0053】
本発明において、基板の材質によらず被エッチング材料の両面を電気的に導通させる方法は、被エッチング材料両面を電気的に導通させることができればその方法は問わない。図5(図5A、図5B)により、基板の材質によらず被エッチング材料両面を電気的に導通させる他の方法を示す。
【0054】
まず、図5Aは、実施例2として、可動式基板支持部材102と固定式基板支持部材103で被エッチング材料105の内縁を挟持する直前の断面図の一例を示している。図5Aに示すように第一の導電体部材201は凸型構造をしており、第一の導電体部材が被エッチング材料と接触する面には導電体伸縮機構3001が設置されている。
【0055】
図5Aに示すように、第一の導電体部材201が可動式基板支持部材102と固定式基板支持部材103で被エッチング材料105の内縁を挟持する前に、固定式基板支持部材103の第一の導電体部材201上に設置された導電体伸縮機構3001が被エッチング材料105と接触する構造になっている。その後、被エッチング材料105を挟持するために可動式基板支持部材103が矢印(a)の方向に可動するのに合わせて、第一の導電体部材201と第二の導電体部材202が接触するまで導電体伸縮機構3001が基板面鉛直方向、即ち矢印(j)の方向に縮むことで、被エッチング材料105を導電体伸縮機構3001と接触させたまま、第一の導電体部材201と第二の導電体部材202を接触させることができる。
【0056】
かかる構成とすることで、第一の導電体部材201と第二の導電体部材202を接触させたまま、第一の導電体部材201と被エッチング材料105を確実に接触させることができ、被エッチング材料105の両面は第二の導電体部材202、第一の導電体部材201、導電体伸縮機構3001を介し電気的に導通する経路を確実に作ることができる。導電体伸縮機構3001の材質としては導電性が高く、弾力性に富み、耐衝撃性に優れた材料でできていることが望ましい。
【0057】
次に、図5Bは、可動式基板支持部材102と固定式基板支持部材103で被エッチング材料105の内縁を挟持する直前の断面図の他の例を示している。図5Bに示すように第一の導電体部材201が凸型の、第二の導電体接続部材202が凹型の構造をしており、第一の導電体部材201の先端に導電体接続部材106が設置された構造をしている。
【0058】
図5Bに示すように、可動式基板支持部材102と固定式基板支持部材103で被エッチング材料105の内縁を挟持する前に、凸型の第一の導電体部材201に設置された導電体接続部材106が凹型の第二の導電体部材202と接触する構造になっている。その後、被エッチング材料105を挟持するために可動式基板支持部材103が矢印(a)の方向に可動するのに合わせて、凸型の第一の導電体部材201と被エッチング材料105が接触するまで導電体接続部材106が基板面鉛直方向、即ち矢印(k)の方向に縮むことで、導電体接続部材106と凹型の第二の導電体部材202を接触させたまま、凸型の第一の導電体部材201と被エッチング材料105を確実に接触させ、被エッチング材料105を挟持することができる。
【0059】
かかる構成とすることで、導電体接続部材106と凹型の第二の導電体部材202を接触させたまま、凸型の第一の導電体部材201と被エッチング材料105を確実に接触させることができ、被エッチング材料両面は凹型の第二の導電体部材202、導電体接続部材106、凸型の第一の導電体部材201を介し電気的に導通する経路を確実に作ることができる。
【0060】
尚、凹型の第二の導電体接続部材202上に導電体接続部材106を設置しても構わない。また、第一の導電体部材201が凹型の、第二の導電体部材202が凸型の構造をしていても構わない。
【0061】
このように、凸型の導電体部材を凹型の導電体部材に挿入する構造とすることで、第一の導電体部材と第二の導電体部材を基板面水平方向にずれることなく、接触させることが可能となる。
【0062】
本実施例によれば、基板の材質によらず被エッチング材料両面を電気的に導通させるので、基板両面に効率よくエッチング電力を印加することが可能となる。
【実施例3】
【0063】
ソース電源及びバイアス電源から被エッチング材料やその両側に形成された一対の電極に対する高周波電力の供給方法は上記実施例の方法に限定されるものではない。
【0064】
本発明の他の高周波電力の供給方法を図6で説明する。図6は、本発明の第三の実施形態に示すプラズマエッチング装置の断面図である。
【0065】
本実施例では、ソース電源107が被エッチング材料の両側に形成された一対の電極1002に接続されている。プラズマを生成するためにソース電源107から供給されたソース電力は、一対の電極1002から電磁波として放出される。電極1002と真空容器101の間には絶縁体材料1001が設置されており、電極1002はアースに接続された真空容器101と直接接触しない構造になっている。電極1002には被エッチング材料両面に均一にガスを導入するシャワープレートが設けられており、電極1002の内部に備わったガス導入経路を通り、シャワープレートから被エッチング材料両面に均一に導入されたプロセスガスを、前記電極1002から放出された電磁波でプラズマ化する。
【0066】
プラズマ中で発生したイオンを積極的に引き込むためにバイアス電源108から供給されたバイアス電力は、固定式基板支持部材103の内部の高周波伝達経路109、固定式基板支持部材103における被エッチング材料と接触する面に設置された第二の導電体部材、導電体接続部材106、及び可動式基板支持部材102における被エッチング材料と接触する面に設置された第一の導電体部材を通り、被エッチング材料105両面に印加される。このバイアス電力により、プラズマ中のイオンを基板両面に積極的に引き込むことができ、基板両面を一度にエッチングすることが可能となる。
【0067】
電極1002の材質としては、導電性やプラズマ耐性が高く、プラズマに長時間さらされても異物や汚染などの要因とならない材質でできていることが望ましい。すなわち、アルミニウム、各種アルミ合金、チタン合金、ステンレス、ボロンドープシリコン等が好ましい。もしくはアルミニウム等の金属表面にアルマイト処理を施したり、アルミナ、イットリア等の溶射膜を形成したりした物も好ましい。
【0068】
本実施例によれば、基板の材質によらず被エッチング材料両面を電気的に導通させるので、基板両面に効率よくエッチング電力を印加することが可能となる。
【0069】
なお、図6ではプラズマ中に発生したイオンを積極的に被エッチング材料に引き込むため、バイアス電源108よりバイアス電力を印加しているが、これに限定されるものではない。プラズマ中に発生したイオンを積極的に被エッチング材料に引き込む必要がないプラズマ処理をおこなう場合、図7に示すように被エッチング材料105をアースに接続する構造であってもかまわない。
【実施例4】
【0070】
次に、図8に、本発明の第四の実施形態を示すプラズマエッチング装置の断面図を示す。図8のプラズマエッチング装置は、同一平面上に複数の被エッチング材料を設置することで、複数のエッチング材料を同時にエッチングすることができ、スループットをあげることができる。以下、図8のプラズマエッチング装置について概略を述べる。
【0071】
真空容器101内には上下二段に二つの可動式基板支持部材102とそれらの各々と対向する位置に配置された固定式基板支持部材103が備わっている。各可動式基板支持部材102は真空ベローズ104を通し、真空容器の外に飛出した構造をしており、夫々基板面鉛直方向、つまり矢印(a)の方向に可動できる。可動式基板支持部材102と固定式基板支持部材103の間に夫々被エッチング材料105が挟まれることで機械的に固定される。複数の被エッチング材料105を固定した際、可動式基板支持部材102に設けられた導電体接続部材106により可動式基板支持部材102と固定式基板支持部材103が接続される。ソース電源107から供給されたソース電力は、複数の固定式基板支持部材103内部の高周波伝達経路109、複数の導電体接続部材106を通り、複数の被エッチング材料105両面から電磁波として放出され、被エッチング材料両側の対向する位置に設置されたシャワープレート110から複数の被エッチング材料両面に均一に導入されたプロセスガスは、この電磁波によりプラズマ化される。
【0072】
また、バイアス電源108から供給されたバイアス電力は、夫々固定式基板支持部材103内部の高周波伝達経路109、導電体接続部材106を通り、各被エッチング材料105両面に印加される。バイアス電力により各被エッチング材料両面に生成されたプラズマ中のイオンを各エッチング材料に積極的に引き込むことができる。このようにして、複数の被エッチング材料両面を一度にエッチングすることが可能となる。
【0073】
なお、図8ではプラズマ中に発生したイオンを積極的に被エッチング材料に引き込むため、バイアス電源108よりバイアス電力を印加しているが、プラズマ中に発生したイオンを積極的に被エッチング材料に引き込む必要がないプラズマ処理をおこなう場合、バイアス電源108及び第二の整合器113はなくてもよい。この場合、第一の整合器112はソース電源108から供給されたソース電力の反射を抑える機能のみを有する。
【0074】
図8におけるX−X’断面を図9に示す。図9に示すように、同一平面上に被エッチング材料105(105A〜105D)が上下二段に設置されており、各々の被エッチング材料の内孔にはそれぞれ導電体接続部材106が備わった構造になっている。図9のように同一平面上に複数の被エッチング材料を設置することで、複数のエッチング材料を同時にエッチングすることができる。
【0075】
第四の実施形態における搬入出室から真空容器101内への被エッチング材料の搬入は、例えば、1つの基板搬送部材を用いて、被エッチング材料105A、105B、105C、105Dの順に搬入する。
【0076】
尚、図9では4枚の被エッチング材料が同平面上に設置しているが、被エッチング材料の数はこれに限られる必要がない。したがって、基板の数に応じて可動式基板支持部材の数、固定式基板支持部材の数、導電体接続部材の数を変更してもよい。
【0077】
なお、図8の例では複数の被エッチング材料内縁にバイアス電力とソース電力の両方を印加しているが、前の実施例に示したとおり、被エッチング材料両側に設置した対向する電極にソース電力を印加することで、複数の被エッチング材料両側にプラズマを生成する構造であっても当然かまわない。
【0078】
本実施例によれば、複数のエッチング材料を同時にエッチングする場合であっても、各被エッチング材料の両面は一対の導電体と導電体接続部材を介し電気的に導通する経路ができるため、基板両面に効率よくエッチング電力を印加することが可能となる。
【実施例5】
【0079】
図10に、本発明の第五の実施形態を示すプラズマエッチング装置の断面図を示す。真空容器101内には、可動式基板支持部材102と固定式基板支持部材103で内縁を保持された略円環状の被エッチング材料105が設置される。可動式基板支持部材102と固定式基板支持部材103は回転機構(図示略)により回転可能に構成されている。プラズマを生成するためにソース電源107から供給されたソース電力及び、プラズマ中で発生したイオンを積極的に被エッチング材料に引き込むためにバイアス電源108から供給されたバイアス電力は固定式基板支持部材103の内部の高周波伝達経路109、固定式基板支持部材103における被エッチング材料と接触する面に設置された第二の導電体部材、導電体接続部材106、及び可動式基板支持部材102における被エッチング材料と接触する面に設置された第一の導電体部材を通り被エッチング材料105の表裏両面から電磁波として放出される。
【0080】
前記基板両面から放出された電磁波のうちソース電源から供給されたソース電力はガス噴出口403から基板両面に導入されたプロセスガスをプラズマ化する。図10ではガス噴出孔403は二個設置されているが、基板両面にガスを均一に噴出することができればガス噴出孔403の数は一個でも構わない。また、前記基板両面から放出された電磁波のうちバイアス電源108から供給されたバイアス電力がプラズマ中で生成されたイオンを基板両面に積極的に引き込むことで、基板両面を一度に処理することが可能となる。
【0081】
被エッチング材料両面に生成されたプラズマはガス噴出孔403側つまり図10の上部程プラズマ密度が濃くなるが、エッチング中に被エッチング材料を保持した可動式基板支持部材102と固定式基板支持部材103が回転機構により、被エッチング材料面鉛直方向を軸に回転する、つまり矢印(d)の方向に回転することで、被エッチング材料105も矢印(d)の方向に回転し、被エッチング材料面内を均一に加工することができる。
【0082】
本実施例によれば、基板の材質によらず被エッチング材料両面を電気的に導通させることができるので、基板両面に効率よくエッチング電力を印加することが可能となる。
【0083】
なお、上記各実施例において、固定式基板支持部材103に設置された第二の導電体部材が高周波伝達経路109と接続された構造になっているが、可動式基板支持部材102に設置された第一の導電体接続部材が高周波伝達経路109と接続されている構造であっても構わない。
【実施例6】
【0084】
図11に、本発明の第六の実施形態を示すプラズマエッチング処理システムの概略図を示す。本実施例は、すでに述べた本発明のいずれかの実施例のエッチング装置を複数用い、基板両面に各種エッチング処理を連続で施すものである。図11は、処理システムを上方から見た状態で概略的に示している。
【0085】
図11を用い、被エッチング材料両面に各種プラズマ処理を連続で施す一例を説明する。プラズマエッチング処理システムは、概略、搬入室1201、第一の処理室1203、第二の処理室1205、第三の処理室1207、搬出室1209から成り立っている。前記各室の相互間にはゲートバルブと基板搬送ロボットを備えた搬送室1202、1204、1206、1208が設けられており、前記各室間の被エッチング材料の移動と各処理室の個別の雰囲気設定を可能としている。
【0086】
被エッチング材料105を大気雰囲気の搬入室1201にセットすると、搬入室内が減圧され、ゲートバルブ1202が開く。被エッチング材料は基板搬送ロボットにより搬送室1202を経て第一の処理室1203に搬入される。第一の処理室1203ではレジスト直下に形成された反射防止膜の除去、レジスト直下に形成されたベース層の除去、レジストトリミング等のレジストマスクを所定の形状に加工するプロセスが行われる。第一の処理室1203で所定の加工が行われた被エッチング材料105は搬送室1204を通り、第二の処理室1205に搬入される。第二の処理室1205では例えば磁性膜やSiN、SiO等の膜をマスク形状に合わせて加工する。第二の処理室で所定の加工を行った被エッチング材料は搬送室1206を通り、第三の処理室1207に搬入される。
【0087】
第三の処理室1207では、被エッチング材料に付着した塩素等のプロセスガスの除去、エッチング中に付着した反応性生物の除去、レジスト、ハードマスクの除去等のプロセスを行う。第三の処理室1207で所定の加工が行われた被エッチング材料105は基板搬送ロボットにより搬送室1208を経て搬出室1209に搬出される。搬出室では減圧雰囲気から大気雰囲気に戻された後、大気中に取り出される。各処理室で行われるプロセスにおいてバイアス電力が必要ない場合、バイアス電源118及び第二の整合器113はなくてもよい。
【0088】
なお、図11では3つの処理室を用い連続処理するシステム構成を記載したが、処理室の数、各処理室で行う処理工程については特に限定しない。つまり、図11では被処理基板に各種エッチングを施すプロセスのみを述べたが、処理室の内壁についた反応生成物を除去するプロセスや、ある処理室でスパッタ等の成膜をおこなうプロセスを導入しても構わない。
【0089】
また、複数の処理室をシリーズに接続する代わりに、これらの処理室を共通の搬送室の周囲に放射状に配置した構成とし、これら複数の処理室で順次処理を行なうようにしても差し支えない。
【0090】
さらに、本実施例の処理システムは、前記に述べたレジスト処理、ハードマスクのエッチング、磁性膜加工、アッシング等の処理を同一の処理室で連続しておこなうことも可能である。この場合、必要であれば処理室内側壁についてデポ物の除去等、処理室のコンディションを整えるための処理工程を入れても構わない。
【0091】
本実施例によれば、基板の材質によらず被エッチング材料両面を電気的に導通させるので、基板両面に各種エッチング処理を連続で施す場合でも、基板両面に効率よくエッチング電力を印加することが可能となる。
【実施例7】
【0092】
図1に記載したプラズマエッチング装置は被エッチング材料をチャンバー内に縦置きに配置しているが、図12に示すように、図1と同様の装置構成で被エッチング材料をチャンバー内に横置きに配置した装置構成にしてもよい。同様に、図6、図7、図8、図10、図11に記載したプラズマエッチング装置も全て、チャンバー内に被エッチング材料を横置きに配置した構成にしても構わない。
【実施例8】
【0093】
次に、本発明の第八の実施形態として、すでに述べた本実施例の処理装置を用いた磁気記録媒体の製造方法、すなわち被処理基板の両面に凹凸パターンを作製するパターンドメディアの製造方法を説明する。図13に、多層磁性膜にトラックピッチもしくはビット周期に対応する周期的な凹凸パターンを作製し、パターンドメディアを作製するまでの第一のプロセス工程を表す概略図を示す。
【0094】
まず、アルミやガラス等の材料でできた基板2001の両面に多層磁性膜2002を堆積させ、その上にハードマスク2003を堆積させる(ステップ1)。多層磁性膜2002はCo、Cr、Pt、Ni、Fe、Ta、B、W、SiO等の材料でできており、ハードマスク2003はTi、Ta、TiN、SiO、SiN、あるいはAlO等の材料でできている。
【0095】
その後、フォトリソグラフィー、電子線描画、極端紫外線露光、ナノインプリント法等を用いて、ハードマスク2003上にトラックピッチもしくはビット周期に対応する周期的なレジストパターン2004を作製する(ステップ2)。
【0096】
次に、レジストパターン2004を用いて基板2001の両面のハードマスク2003と多層磁性膜2002を所定のパターンにエッチングする。その後、レジストパターン2004とハードマスク2003を除去し、基板2001両面の多層磁性膜2002に所定の凹凸パターンを作製する(ステップ3)。
【0097】
次に、SiOなどの非磁性材料2005で多層磁性膜2002に作製された凹凸パターンの溝を平坦化し、ダイヤモンドライクカーボン、SiO、Cr膜などの保護膜2006と潤滑層2007を堆積させ、基板両面に周期的な凹凸パターンを有するパターンドメディアができる(ステップ4)。
【0098】
上記ステップ2で作成された被エッチング材料の両面に、上記ステップ3において、所定のレジストパターン2004を用いてエッチングを行い、多層磁性膜2002または下地層2008に所定の凹凸パターンを作製する際に、前記した各実施例のプラズマエッチング装置を用い、被エッチング材料にソース電力及びバイアス電力を供給するための導電体部材を被エッチング材料表面の内縁に接触させ、該導電体部材から被エッチング材料表面にバイアス電力及びソース電力を印加することでプラズマエッチングを行う。
【0099】
本実施例によれば、基板両面にエッチング処理により凹凸パターンを作製するステップにおいて、ガラス等の絶縁性材料からなる基板の両面上に多層磁性膜を堆積させてパターンドメディアを政策する場合でも、被エッチング材料両面を電気的に導通させるので、パターンドメディアを精度良くかつ効率的に製造することが可能となる。
【実施例9】
【0100】
本実施例の処理装置を用いた磁気記録媒体すなわちパターンドメディアの他の製造方法を説明する。
【0101】
図14に、多層磁性膜に凹凸パターンを作製し、パターンドメディアを作製するまでの第二のプロセス工程を表す概略図を示す。
【0102】
まず、アルミやガラス等の材料でできた基板2001の上面側の全面にわたり高電気伝導膜2105を堆積させ、さらにその上に全面にわたり下地層2008を堆積させる。さらにその上にトラックピッチもしくはビット周期に対応する周期的なレジストパターン2004を作製する(ステップ1)。高電気伝導膜2105は電気伝導度が高く、ガラスとの密着性がよい材料でできていることが望ましい。具体例を挙げると、Al、Co、Cr、Cu、Fe、Mg、Mo、Ni、W、Taのいずれかもしくはそれらの合金が望ましい。下地層2008はSiN、SiO等の材料でできていることが望ましい。
【0103】
その後、レジストパターン2004を用いて、下地層2008をエッチングした後、レジストパターン2004を除去し、下地層2008に所定の凹凸パターンを作製する(ステップ2)。なお、図示した例では、下地層2008の非マスク部を下地層2008の途中までエッチングしているが、下地層2008の非マスク部の全てをエッチングしても構わない。
【0104】
次に、周期的な凹凸パターンが作製された下地層2008に、多層磁性膜2002を堆積させ、この多層磁性膜2002に凹凸パターンを作製する(ステップ3)。
【0105】
その後、SiOなどの非磁性材料2005で多層磁性膜2002及び下地層2008に作製された凹凸パターンの溝を平坦化し、ダイヤモンドライクカーボン、SiO、Cr膜などの保護膜2006と潤滑層2007を堆積させ、パターンドメディアができる(ステップ4)。
【0106】
上記ステップ1で作成された被エッチング材料の両面に、ステップ2において、作製した所定のレジストパターン2004を用いてエッチングを行い、多層磁性膜2002または下地層2008に所定の凹凸パターンを作製する際に、前記した各実施例のプラズマエッチング装置を用い、被エッチング材料にソース電力及びバイアス電力を供給するための導電体部材を被エッチング材料表面の内縁に接触させ、該導電体部材から被エッチング材料表面にバイアス電力及びソース電力を印加することでプラズマエッチングを行う。
【0107】
本実施例によれば、基板両面にエッチング処理により凹凸パターンを作製するステップにおいて、基板の材質によらず被エッチング材料両面を電気的に導通させるので、パターンドメディアを精度良くかつ効率的に製造することが可能となる。
【実施例10】
【0108】
次に、前記実施例、特に前記実施例8乃至実施例9に示したエッチング処理に際して、導電体部材を被エッチング材料表面の内縁に接触させ、該導電体部材から被エッチング材料表面にバイアス電力及びソース電力を印加する方法において、該導電体部材から被エッチング材料表面に効率よく電力を印加し、レジストから発生する異物を低減させる方法について、説明する。
【0109】
前記各実施例では導電体部材を被エッチング材料表面の内縁に接触させ、被エッチング材料表面の内縁の導電体部材から被エッチング材料表面全体にバイアス電力及びソース電力を印加する方法を記載したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0110】
導電体部材を被エッチング材料表面に接触させ、該導電体部材と被エッチング材料表面の導電体部材から被エッチング材料にバイアス電力及びソース電力を印加する方法であれば、その接触場所は内縁に限定せず適応可能である。
【0111】
以下、図13の(ステップ3)の導電体部材を被エッチング材料表面に接触させ、該導電体部材と被エッチング材料表面の導電体部材から被エッチング材料にバイアス電力及びソース電力を供給するエッチングプロセスについて説明する。
【0112】
図15Aに示した本実施例は、所定のパターンが形成されたレジストパターン2004を用い、Ti、Ta、TiN、SiO、SiN、あるいはAlO等の材料でできたハードマスク2003を加工した後、Co、Cr、Pt、Ni、Fe、Ta、B、W、SiO等の材料でできた多層磁性膜2002を加工する場合に、導電体部材2102から被エッチング材料にバイアス電力及びソース電力を効率よく印加し、レジストから発生する異物を低減させる方法である。
【0113】
導電体部材2102と接触させるハードマスク2003上部に形成されたレジスト2004は、図13のステップ2のレジストパターンを作製する工程で除去される。そのため、ハードマスク2003と導電体部材2102を直接接触させた状態でエッチングすることができる。
【0114】
絶縁体であるレジストと導電体接続部材を直接接触させた状態で高周波電力を印加した場合、導電体部材と接触したレジストが加熱され、加熱により変質したレジストが異物となり、処理室及び被エッチング材料を汚染するが、前記したように導電体部材と接触するレジスト2004をエッチング前に取り除き、導電体部材とレジストを直接接触させないことで、導電体部材でのレジストの加熱をなくし、レジストが異物源となることを防ぐことができる。
【0115】
導電体部材と接触するハードマスク2003上部に形成されたレジスト2004をプラズマ処理する前に予め除去する方法としては、フォトリソグラフィー、電子線描画、極端紫外線露光によりレジストパターンを作製する場合は前記接触部のレジストを露光後の現像工程で同時に除去できるように露光するのが望ましい。ナノインプリント法によりレジストパターンを作製した場合も、導電体部材と接触するハードマスク2003上部に形成されたレジストをプラズマ処理する前に予め除去する工程を導入することが望ましいが、新たに工程を導入することが難しい場合は前記接触部のレジスト膜厚をできるだけ薄くし、接触部のレジストの抵抗を低減させる構造にしてもかまわない。
【0116】
ハードマスク2003の材料は、ハードマスクの抵抗を低減させるためTi、Ta、TiN等の導電体材料でできていることが望ましい。また、ハードマスクの材料にSiO、SiN、AlO等の絶縁体材料を用いた場合は、多層磁性膜2002に効率よく高周波電力を印加するため、ハードマスクの厚さを数百ナノメートル以下にしなければならない。
【0117】
導電体部材2102の側面は、耐熱ガラス、石英、アルミナ、ジルコニア、窒化シリコン、ポリイミド樹脂などの絶縁体材料でできた絶縁体カバー2103で覆われており、バイアス電力及びソース電力の印加された導電体部材2102がプラズマと直接接触するのを防ぐことができる。
【0118】
本実施例によれば、導電体部材から被エッチング材料表面に効率よく高周波電力を印加し、レジストから発生する異物を低減することができる。
【0119】
なお、被エッチング材料に効率よくバイアス電力及びソース電力を印加し、レジストから発生する異物を低減させる方法としては、導電体部材と接触するハードマスク2003上部に形成されたレジストを残したままで行う方法もある。すなわち、図15Bに示すように、導電体部材2102上に針状の導電体突起物2104が形成されており、該導電体突起物2104がレジスト2004を貫通することでハードマスク2003と接触する構造であってもよい。導電体突起物2104はレジスト材を貫通する強度を出すため、突起物の回りをSiCやダイヤモンドライクカーボンでコーティングしてあることが望ましい。この場合、ハードマスク2003と接触する導電体突起物2104の先端はコーティングを除去しており導電体突起物2104とハードマスク2003が電気的に導通していなければならない。なお、導電体突起物2104はレジスト2004を貫通することができれば、その形状は問わない。
【0120】
また、上記コーティングにより、高周波電力がレジストに印加されるのを防ぎ、高周波電力によりレジストが加熱され、レジストから異物が発生することを防ぐことができる。つまり、上記、導電体部材2102上に導電体突起物2104を形成することで、導電体部材2102と接触するハードマスク2003上部に形成されたレジストを除去しなくても被エッチング材料に効率よくバイアス電力及びソース電力を印加し、レジストから発生する異物を低減させることができる。
【実施例11】
【0121】
次に、図16(図16A、図16B)により、図14のステップ2の導電体部材を被エッチング材料表面に接触させ、該導電体部材と被エッチング材料表面の導電体部材から被エッチング材料にバイアス電力及びソース電力を供給するエッチングプロセスにおいて、被エッチング材料に効率よく高周波電力を印加し、レジストから発生する異物を低減させる方法について、説明する。
【0122】
すなわち、図14のステップ2の導電体部材2102を被エッチング材料表面に接触させ、該導電体部材と被エッチング材料表面の導電体部材から被エッチング材料にバイアス電力及びソース電力を供給するエッチングプロセスにおいて、所定のパターンが形成されたレジストパターン2004を用い、SiN、SiO等の下地層2008を加工する場合に、該導電体部材と被エッチング材料表面の導電体部材から被エッチング材料にバイアス電力及びソース電力を効率よく印加する方法について、説明する。
【0123】
ここでは、導電体部材2102と接触させる下地層2008の上部に形成されたレジスト2004は、図14(ステップ1)のレジストパターンを作製する工程で除去してあるものとする。こうすることで、高周波電力によりレジストが加熱され、レジストが異物源となることを防ぐことができる。
【0124】
まず、図16Aで比較例を説明する。図16Aに示すように、基板2001の材質にアルミニウム等の導電性材料を用いた場合、図14(ステップ2)の工程で、下地層2008と導電体部材2102を直接接触させた状態で基板2001を通る電気的な経路(矢印(f))を通り、基板全面に効率よく高周波電力を印加することができる。
【0125】
しかし、基板2001の材質にガラス等の絶縁体材料を用いた場合は、電気的な経路(矢印(f))が形成されない。さらに、下地層(被エッチング材料)2008がSiN、SiO等の絶縁体材料であるため、導電体部材2102を下地層2008の表面に接触させても、下地層を通る電気的な経路(矢印(e))も形成されない。そのため、図14(ステップ2)の工程で、基板全面に効率よく高周波電力を印加できなくなる。
【0126】
これに対し、図16Bに、基板2001の材質にガラス等の絶縁体材料を用いた場合でも、図14(ステップ2)の工程で、基板全面に効率よく高周波電力を印加する方法を示す。
【0127】
すなわち、図16Bに示すように、基板2001の全面に高電気伝導膜2105を設けることで、電気的な経路(矢印(h))が形成されない場合でも、高電気伝導膜2105を通る電気的な経路(矢印(g))を作ることができる。この場合、下地層2008の厚さが薄い(数百ナノメートル以下)ため、基板2001の材質にガラス等の絶縁体材料を用いた場合でも、導電体部材2102を下地層2008の表面に接触させて、高電気伝導膜2105の電気的な経路矢印(g)を通り、基板全面に効率よく高周波電力を印加することが可能となる。高電気伝導膜2105は、図14(ステップ1)の工程で基板2001と下地層2008の間に作製する。
【0128】
本実施例によれば、基板両面にエッチング処理により凹凸パターンを作製するステップにおいて、基板の材質によらず被エッチング材料両面を電気的に導通させるので、パターンドメディアを精度良くかつ効率的に製造することが可能となる。
【0129】
尚、実施例では多層磁性膜への適用について説明したが、本発明は、導電体部材を被エッチング材料表面に接触させバイアス電力及びソース電力を被エッチング材料に印加するプロセスであれば、エッチング対象は多層磁性膜に限らず適応可能である。
【符号の説明】
【0130】
100…平板電極、101… 真空容器、102… 可動式基板支持部材、103… 固定式基板支持部材、104… 真空ベローズ、105… 略円環状被エッチング材料、106… 導電体接続部材、107… ソース電源、108… バイアス電源、109… 高周波伝達経路、110… シャワープレート、112… 第一の整合器、113… 第二の整合器、114…搬入出室、115…ゲートバルブ、117…搬入出経路、118…基板搬送部材、119…被エッチング材料の内孔、120…マスフローコントローラー、201… 第一の導電体部材、202… 第二の導電体部材、204… 可動式基板支持部材の被エッチング材料と接触する面の角、205… 固定式基板支持部材の被エッチング材料と接触する面の角、206… 伸縮材、403… ガス噴出口、1001… 絶縁体材料、1002… 電極、1201… 搬入室、1202…搬送室、1203… 第一の処理室、1204… 搬送室、1205… 第二の処理室、1206… 搬送室、 1207… 第三の処理室、1208… 搬送室、1209… 搬出室、2001… 基板、2002… 多層磁性膜、2003… ハードマスク、2004… レジストパターン、2005… 被磁性材料、2006… 保護膜、2007… 潤滑層 、2008…下地層、2102… 導電体部材、2103… 絶縁体カバー、2104… 導電体突起物、2105… 高電気伝導膜、3001… 導電体伸縮機構。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気絶縁材料からなり内孔を有する略円環状の平坦な基板と、
該基板の両面の全面にわたり形成された電気伝導度の高い材料からなる高電気伝導膜と、
前記各高電気伝導膜の上に全面にわたり形成された電気絶縁体の材料からなる下地層と、
前記各下地層の上に全面にわたり形成された少なくとも1層の磁性膜と、
前記各下地層及び前記磁性膜に形成されたトラックピッチに対応する周期的な凹凸パターンと、
前記各凹凸パターンの溝に堆積された非磁性材料膜とを備えた
ことを特徴とする磁気記録媒体。
【請求項2】
請求項1において、
前記高電気伝導膜が、Al、Co、Cr、Cu、Fe、Mg、Mo、Ni、W、Taのいずれかもしくはそれらの合金からなる
ことを特徴とする磁気記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2013−69405(P2013−69405A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−252984(P2012−252984)
【出願日】平成24年11月19日(2012.11.19)
【分割の表示】特願2007−276518(P2007−276518)の分割
【原出願日】平成19年10月24日(2007.10.24)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】