磨耗に耐えるように構成されている保護部材及びノズル組立体
保護部材14及び該保護部材14を組み込むノズル組立体11が提供される。保護部材14は、材料の糸状体16を受ける糸状体案内通路18を有するノズル12と共に使用するためのものである。保護部材14は、ノズル12の糸状体案内通路18に受け入れられるように構成された本体60を備える。保護部材14の本体60は、糸状体16のための通路63を有し、糸状体案内通路18と、移動している糸状体16との間に配置される。保護部材14の本体60は、少なくともその一部が、案内されている糸状体16によって引き起こされる磨耗に耐えるのに十分な耐磨耗性を有する材料から成る。代替的には、本体60の一部を、糸状体16によって引き起こされる磨耗に耐えるのに十分な耐磨耗性を有する材料で被覆してもよい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包括的には液体吐出システムに関し、より詳細には、繊維状液体を材料の糸状体上へ吐出するように構成される液体吐出装置のノズル組立体に関する。
【0002】
[関連出願の相互参照]
本願は、2007年4月3日に出願された(係属中である)米国仮特許出願第60/909,817号の優先権を主張し、当該出願はその全体がこの参照によって本明細書に援用される。
【背景技術】
【0003】
ホットメルト接着剤等の液体接着剤を、細い繊維形状でパターンを制御して吐出するのには多くの理由がある。パターンを制御して細い繊維を吐出することができる1つの技術は、制御繊維化法(例えば、ノードソン コーポレーションのCF(登録商標)技術)として知られている。CF(登録商標)技術は、0.010インチ(約0.245ミリメートル)〜0.060インチ(約1.524ミリメートル)程度のような小径を有するノズル通路から、単一繊維状体又は複数の並列した繊維状体として吐出される接着剤によって基材のより広い領域を正確に被覆するのに特に有用である。
【0004】
CF(登録商標)技術は多くの場合、接着剤配置のより優れた制御を行うのに用いられる。これは、特に、基材の縁に沿わせるのに、また、例えば、おむつの脚周り帯体に用いられる材料(例えばINVISTAによるLYCRA(登録商標))の糸状体などの非常に狭い基材に特に有用であり得る。
【0005】
従来の旋回ノズル又はダイチップは、通常、複数の空気通路によって囲まれている中央の接着剤吐出通路を有する。接着剤吐出通路は、接着剤吐出通路を一周するように、すなわち半径方向に対称である突出部上の中心に位置する。この突出部の一般的な構成は、円錐状又は円錐台状であり、頂上に接着剤吐出通路が開いている。空気通路は、中央の接着剤吐出通路を中心に半径方向に対称なパターンで配置されている。空気通路は、接着剤吐出通路に対して概ね接線方向に向いており、中央の接着剤吐出通路を中心に時計回り方向又は反時計回り方向に全て傾いている。
【0006】
従来のメルトブロー接着剤吐出装置は、通常、楔形部材の頂部に沿って配置されている複数の接着剤すなわち液体吐出通路と、楔形部材の基部に沿って配置されている任意の形状の空気通路とを有するノズル本体を備える。楔形部材は、半径方向に対称な要素ではない。むしろ、楔形部材は、通常、幅に比べて長さが長い。空気は、空気放出通路から楔形部材の側面に概ね沿って頂部へ向かい、接着剤又は他の液体材料が液体吐出通路から吐出されるときにこれらと衝突し、繊維を下方へ引き伸ばして細くする。繊維は、概ね無作為に吐出される。
【0007】
上述のタイプのノズル本体のような様々なタイプのノズル本体が、接着剤繊維を1つ又は複数の弾性糸状体上へ吐出するのに使用されている。それぞれの糸状体は、通常、対応する接着剤吐出通路と近接する糸状体通路によって位置合わせされて方向付けられる。糸状体は、液体接着剤吐出装置の周りの環境中に存在する浮遊している微粒子を捕捉する傾向にある。これらの浮遊している微粒子は、製造ラインが行う処理作業から主に生じる塵埃及び他の汚染物質から成る。加えて、特に、Fulflex, Inc.から入手可能な糸状体は、梱包材料から取り出すときに容易に引き離すことができるようにタルク等の微粒子によって意図的に被覆されている場合がある。加えて、他の糸状体製造業者は、糸状体を着色するために糸状体の材料に顔料を添加する場合がある。通常、着色顔料はノズル本体を研磨し、したがって着色された糸状体材料の場合、ノズルの磨耗速度はかなり速くなる可能性がある。
【0008】
さらに、それぞれの糸状体が、対応する糸状体通路と相互作用すると、微粒子は、その出所にかかわらず、拭き取られて堆積するか又は凝集し、より大きな塊になる可能性がある。凝集した微粒子の塊は、糸状体通路から払い落とされて、吐出される接着剤繊維に取り込まれる可能性がある。例えば、凝集した塊は、連続した糸状体を提供するために接合される第1の長さの糸状体材料の後端部と第2の長さの糸状体材料の前縁との間に形成される結び目によって払い落とされ得る。或いは、凝集した塊は、案内部内に留まったままとなって、糸状体自身が案内部からずらされる、すなわち取り外される程度まで寸法を増す可能性がある。複数糸状体の吐出動作では、隣接する案内部が、ずれてきた糸状体を取り込むと、糸状体が不適切な位置で基材に接着剤で固定されるため、これが糸状体への接着剤の塗布をめちゃくちゃにして、最終的には欠陥製品を生成する可能性がある。この製品品質の低下は重大であり、製造費用を増大させる可能性がある。
【0009】
案内されて移動している糸状体上へ接着剤を吐出することに関連するさらに別の問題は、糸状体と糸状体通路との接触から生じる。具体的には、糸状体は、摩擦磨耗によってノズル本体の金属面及び糸状体通路の金属面を磨耗する。最終的には、磨耗によってノズル本体の取替えが必要となる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、液体繊維を基材上へ吐出するためのノズル本体において、糸状体の案内に関連する問題を低減するか又はなくすことが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
一実施の形態では、ノズルと共に使用するための保護部材が提供される。ノズルは、糸状体案内通路及び液体吐出口を有する。糸状体案内通路は、ノズルに対して移動中の材料の糸状体を受け取るようになっている。液体吐出口は、糸状体が糸状体案内通路を通過した後で、繊維状液体を糸状体上に吐出するようになっている。保護部材は、ノズルの糸状体案内通路に受け入れられるように構成された本体を備える。本体は、糸状体を受け入れると共に、糸状体が糸状体案内通路と接触することを防止する通路を有する。本体は、少なくとも本体の一部が、案内されている糸状体によって引き起こされる磨耗に耐えるのに十分な耐磨耗性を有する材料から構成される。
【0012】
別の実施の形態では、本体は、ステンレス鋼、工具鋼、高速度鋼、又はこれらの組合せから選択される金属から成る。さらに別の実施の形態では、本体はセラミック材料から成る。また別の実施の形態では、本体は、第1の材料から成り、本体は、通路の周りに延在する管状の側壁を含み、糸状体に面する内面を有し、さらに、内面を被覆する第2の材料から成る。第2の材料は、本体の第1の材料よりも糸状体による接触に対する耐磨耗性が高い。
【0013】
別の実施の形態では、ノズル組立体に対して相対的に移動している材料の糸状体上に繊維状液体を吐出するノズル組立体が提供される。ノズル組立体は、ノズル及び保護部材を備える。ノズルは、ノズルに対して相対移動する材料の糸状体を受ける糸状体案内通路を有する。ノズルは、材料の糸状体が糸状体案内通路を通過した後で、繊維状液体を糸状体上に吐出する液体吐出口を有する。保護部材は、上記糸状体案内通路に受け入れられるように構成された本体を有する。本体は、通路を有し、通路は、糸状体を受けると共に、糸状体が糸状体案内通路と接触することを防止する。ノズルは、第1の材料から構成され、上記保護部材は、少なくとも一部が、第1の材料よりも耐磨耗性が高い第2の材料から成る。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態による例示的な吐出モジュール及びノズル組立体の部分的に破断した斜視図である。
【図1A】図1の線1A−1Aに概ね沿うノズル組立体の断面図である。
【図1B】図1Aの囲まれた領域1Bの拡大図である。
【図1C】保護部材の被覆を示す、図1Aの囲まれた領域1Bの拡大図である。
【図2】図1、図1A、図1B及び図1Cのノズル組立体の後方斜視図である。
【図3】図1、図1A、図1B及び図1Cのノズル組立体の正面斜視図である。
【図4】保護部材をノズル組立体のノズル本体から取り外した、図3と同様の分解図である。
【図5】図4の保護部材のうちの1つの拡大斜視図である。
【図6】図5の保護部材の底面図である。
【図7】図5の保護部材の正面図である。
【図7A】内面の被覆を示す、図5の保護部材の正面図である。
【図8】図5の保護部材の側面図である。
【図9】図5の保護部材の後面図である。
【図10】図4の保護部材の別の実施形態の拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本説明のために、「上方」、「垂直方向」、「水平方向」、「右」、「左」、「前」、「後」、「側部」、「上部」、「底部」等の方向に関する用語は、分かり易くするために図面と併せて適用され、本説明の基準座標系を与えるものに過ぎない。既知のように、液体吐出装置は、実質的に任意の向きであってもよいため、これらの方向に関する用語は、本発明と一致する装置の特定の絶対的な方向を示唆するために使用されるべきではない。
【0016】
図1、図1A、図2、図3及び図4を参照すると、代表的な吐出モジュール10が、ノズル組立体11と連結されている。ノズル組立体11は、本発明の一実施形態に従って構成されるノズル12及び複数の保護部材14を含む。吐出モジュール10は、繊維状液体15をノズル組立体11から材料の糸状体16上へ吐出するように構成されており、材料の糸状体16は、静止しているノズル組立体11に対して(図1及び図1Aの単頭矢印25によって示されるように)流れ方向に給送及び移動される。好適なノズル12及び液体吐出装置の例としては、米国特許第6,911,232号明細書及び米国特許出願公開第2004/0144494号明細書及び同第2004/0164180号明細書に開示されているものが挙げられ、これらの開示はこの参照によって全てが本明細書に援用される。例示的な一実施形態では、ノズル12は、図3及び図4に最もよく示されるように、複数の糸状体案内通路18をさらに含み、糸状体案内通路18のそれぞれに対して等しい数の保護部材14が協働可能であるように位置付けられている。代替的な実施形態では、ノズル12は、1つの糸状体案内通路18、したがって1つの保護部材14しか含まなくてもよいことが理解される。
【0017】
保護部材14は、糸状体案内通路18内に受け入れられているスリーブ(筒状はめ込み部材)又はライナー(内張り部材)として機能する。この構成の結果として、流れ方向25に給送される糸状体16は、吐出中に、ノズル12ではなく保護部材14と接触する。したがって、ノズル12のために選択される材料は、より詳細に後述するように、糸状体案内通路18内で糸状体16との接触によって引き起こされる磨耗を考慮する必要なく、最適化することができる。
【0018】
吐出モジュール10は、一般的に、2001年3月22日に出願され、本願の出願人に譲渡されている米国特許第6,619,566号明細書により完全に記載されているような、中央本体部分(図示せず)、下側本体部分22、及び様々なノズルすなわちダイを吐出モジュール10に対して装着及び取り外しするのを容易にする急速着脱機構24を有する。ノズル組立体11は、吐出モジュール10に連結され、急速着脱機構24によって固定される。ノズル組立体11は、液体及び加圧空気を吐出モジュール10から受け取って、加圧空気を液体材料繊維15へ向けつつ、液体材料繊維15を、ノズル組立体11に対して概ね矢印25の方向へ移動している基材材料の糸状体16上へパターンを制御して吐出する。
【0019】
ノズル組立体11のノズル12は、ノズル組立体11と吐出モジュール10との連結を容易にするために、米国特許第6,619,566号明細書により完全に記載されているような突出部26、27及び傾斜カム面28、29を含む。ノズル12は、吐出モジュール10の下側本体部分22(図1)に取り付けるように構成される第1の側面30を含む。ノズル12の第1の側面30は、吐出モジュール10の対応する液体及び空気の供給通路(図示せず)と適合する液体供給口32及び処理空気供給口34を含む。ノズル12は、第2の(すなわち下流の)側面36及び第3の(すなわち上流の)側面38を含む概ね楔形の断面を有する。円錐台形状の突出部40は、ノズル12の第2の側面36から第3の側面38へ延在している。
【0020】
液体吐出口42は、液体吐出通路44と流体連通しており、これがさらに液体通路46によって液体供給口32と連通しており、それによって、モジュール10からの液体材料を、液体吐出口42から図1Aに示す基材材料の糸状体16へ吐出することができる。液体吐出通路44の少なくとも一部は、矢印25によって概ね示される糸状体16の移動に対応する方向に対して一定の角度を成すように方向付けられる。例示的な実施形態の液体吐出通路44が傾いていることによって、液体材料は液体吐出口42から糸状体16上へ、概ね糸状体の移動方向25に吐出される。
【0021】
ノズル12の第2の側面36は、液体吐出口42に近接する複数の空気放出口48をさらに含む。空気放出口48は、ノズル12の第1の側面30の空気供給口34まで延在している空気通路53のそれぞれによって空気放出通路52(図1A)と流体連通している。例示的なノズル12の空気放出通路52は、液体吐出通路44を通る軸線に対して傾斜していてもよい。空気放出口48は、液体吐出通路44から吐出される繊維状液体15に向かって処理空気を向かわせるように構成されている。ノズル12は、第2の側面36から第3の側面38へ延在する複数の糸状体案内通路18を含み、糸状体案内通路18は、例えば円錐台形状の突出部40に形成された切込み部であってもよい。
【0022】
複数の糸状体案内通路18は、円錐台形状の突出部40に形成されており、第2の側面36から第3の側面38へ延在している。図3及び図4に最もよく示されるように、保護部材14は、ノズル12に画定されるそれぞれの穴55内、及び糸状体案内通路18内に配置されており、突出部40の上流側38と交差する。しかし、ノズル12は、保護部材14のための穴55が下流側36と交差するように設計してもよい。代替的には、穴55は、突出部40の全厚さにわたって側面36と側面38との間に延在していてもよく、それによって、保護部材14は、側面36、38のいずれかからも挿入することができ、側面36、38のいずれかからも取り外すことができる。複数の保護部材14は、同じ物理的構成を有するものとして図示されているが、ノズル12の穴55は、様々な異なる物理的構成の保護部材14と協働するように設計されていてもよい。さらに、ノズル12と共に使用される保護部材14は、全て同じ物理的構成を有する必要はなく、また、保護部材14は、全て同じ材料若しくは材料の組合せから成る必要もない。
【0023】
図1、図1A及び図1Bから明らかであるように、糸状体16のそれぞれは、糸状体案内通路18のうちの1つを通って案内される。ノズル12の寿命すなわち耐用寿命を延ばすために、保護部材14のうちの1つをそれぞれの糸状体案内通路18に設けることができる。例示に過ぎないが、保護部材14は、移動している糸状体16がノズル12ではなく保護部材14と絶えず又は断続的に接触するように、ノズル12の糸状体案内通路18の穴55に、又は、穴55中に、又は穴55の範囲内に、圧入、接着、ボルト締め、ねじ留め又は他の方法で固定され得る。
【0024】
図1A及び図1Bに最もよく示されるように、各糸状体16は、保護部材14のうちの1つと接触することができ、より詳細には、図示のように、ノズル12ではなく保護部材14のうちの1つの内面54と接触することができる。特に、各糸状体16がそれぞれの保護部材14を通って移動する際、糸状体16の長さに沿った任意の位置が、保護部材14の第1のすなわち前端部56から保護部材14の第2のすなわち後端部58まで通過する。この構成の結果として、ノズル12のために選択される材料は、糸状体16が保護部材14に摩擦接触することによって引き起こされる磨耗を考慮する必要なく、最適化することができる。保護部材14は、要因の中でも特に所望の磨耗速度又は糸状体16の特定の材料特性に従って、又はこれらに応じて選択される材料から構成され得る。一実施形態では、保護部材14の材料は、ノズル12の材料よりも耐磨耗性が高い。保護部材14の材料はノズル12の材料よりも硬く且つ/又は靭性があり得るが、保護部材14はさらに又は代替的に、保護部材の材料の硬さ及び/又は靭性が改善されているにもかかわらず、他の理由から糸状体16との接触に対してより化学的に耐食性(対侵食性、耐腐食性)であってもよい。例えば、保護部材14の構成は、着色又は他の目的のための顔料を含有している材料の糸状体を考慮することができる。顔料は、ノズル12を研磨するか、腐食させるか又はそうでなければ劣化させる可能性があり得る。したがって、ノズル12は、材料費用及び被削性の観点から経済的であり得る第1の材料から形成することができ、保護部材14は、糸状体案内通路18内で案内する糸状体16との接触によって引き起こされる劣化に対する耐性がより高い第2の材料から形成することができる。
【0025】
本明細書において、本発明の実施形態を、液体吐出口42、1つ又は複数の空気放出口48、糸状体案内通路18、及び糸状体案内通路18内に設けられている保護部材14を有して構成される一部品構造体としてのノズル12により包括的に図示及び説明したが、本発明はこれらの代表的な実施形態に限定されない。例えば、他の実施形態は、1つの部品に1つ又は複数の糸状体案内通路を設け、別の部品に液体吐出口及び/又は空気放出口を構成したノズルを含み得る。換言すると、1つ又は複数の糸状体案内通路は、液体吐出口及び/又は空気放出口を含む同じ部品の一体部分ではなくてもよく、その代わり、液体吐出口及び/又は空気放出口を含む別の部品に取り付けられる非一体型部品に含まれていてもよい。したがって、これらの実施形態では、糸状体案内通路を有する部品は、液体吐出口及び/又は空気放出口を有して構成される他の部品を取り外すことなく、ノズルから取り外すことができる。
【0026】
特定の一実施形態では、ノズル12は真鍮から構成することができ、保護部材14はステンレス鋼から構成することができる。他の特定の実施形態では、保護部材14は、少なくとも一部が、高い耐磨耗性を示す金属、例えば限定するものではないが、Crucible Specialty Metals(米国ニューヨーク州シラキュース)から入手可能なCPM金属(例えば9V、10V及び12V)及び極端に高い耐磨耗性を示す高速度鋼又は工具鋼から構成することができる。一実施形態では、保護部材14は、少なくとも一部が、モース硬度が9以上である硬さを示す材料から構成され得る。モース硬度は、様々な材料の相対硬度を評価する、一般的に認められている1つの尺度である。特に、モース硬度は、1つの材料の別の材料に対する引っ掻き性に関する情報を提供する。モース硬度は、材料を1(最も柔らかい)から10(最も硬い)までで評価する。例えば、タルクはモース硬度では1と評価されており、アルミナはモース硬度では概ね9と評価されている。他の実施形態では、保護部材14は、モース硬度で9よりも低い硬さであってもよいが、例えばモース硬度で9と評価された材料から作製される保護部材の寿命に比例してノズル12の寿命を延ばす。またさらなる実施形態では、広範な他の材料を保護部材14に使用することができ、限定するものではないが、アルミナ及びジルコニアのような耐磨耗性酸化物セラミック材料、又は窒化物セラミック材料が挙げられる。
【0027】
代替的な実施形態では、図1C〜図7Aを参照して、保護部材14の耐劣化性をさらに高めるために、各保護部材14を、この目的で設計された材料で被覆してもよい。保護部材14の、糸状体16と接触する領域に被覆61を施すことができる。特に、被覆61は、図7Aに示すように、通路63全体又はその一部のみに施すことができる。例えば、保護部材14のそれぞれは、ステンレス鋼等の母材から成り、耐劣化性を与えるのに有効であると当業者が理解している好適な厚さを有する窒化チタン等の耐磨耗材料から成る被覆61を有していてもよい。一実施形態では、窒化チタン層は、およそ0.0001インチ(およそ2.54μm)〜およそ0.0005インチ(およそ12.7μm)の厚さであり得る。他の厚さとしては、およそ0.0003インチ(およそ7.62μm)の厚さが挙げられ得る。しかし、被覆61の厚さは、所望の磨耗速度に従って選択するか又は被覆61を施すのに使用される方法によって決定してもよいことが理解される。被覆を蒸着するのに使用することができる例示的な技法は、物理気相成長法(PVD)、例えば限定するものではないが、スパッタリング、イオンめっき、イオンビーム支援蒸着、フィルタード陰極アーク真空技術、及びイオン注入等が挙げられる。同様に適用可能であり得る他の既知の蒸着技法又は被覆処理法としては、例えば、プラズマCVDのような化学気相成長法(CVD);例えば硬質クロムめっき等の電気めっき;化学めっきのような無電解析出法;ディップ塗布;陽極処理;及び大気圧プラズマ、高速フレーム溶射(HVOF)又はフレーム溶射タイプのプロセスのような様々な溶射プロセスのうちのいずれかが挙げられる。他の好適な被覆材料としては、限定するものではないが、窒化チタンアルミニウム、チタン炭窒化物及び窒化ジルコニウムが挙げられ得る。別の実施形態では、被覆61は、少なくとも一部が、例えばモース硬度で9以上であると評価されている材料から作製され得る。
【0028】
ここで図1A、図1B及び図5〜図9を参照し、本発明の一実施形態によると、保護部材14のうちの1つがより詳細に示されており、代表的な物理的構成を有する。保護部材14は、前端部56と後端部58との間に延在する管状の側壁62を有する本体60を含む。一実施形態では、糸状体16が保護部材14内にある間に内面54が糸状体16を少なくとも部分的に囲むように、管状の側壁62は本体60内に通路63を形成する。本体60は、糸状体案内通路18と糸状体16との間のそれぞれの穴55に概ね配置されている。本体60は、概ね円筒形の断面を有するが、管状の側壁62を通って延在する細長い穴64を含み、細長い穴64は、前述したように前端部56と後端部58との間で糸状体に面するように構成されている内面54(図6に見える)を含む。図5及び図9で最もよく示されているように、ドーム形であり得る後端部58では、細長い穴64は、半円形すなわち弓状の上部分66と、実質的に矩形の中間部分68と、朝顔形(フレア状)の鍵穴に似た広がった下部分70とによって画定されている。後端部58のドーム形表面は、対応する糸状体案内通路18内の凹面59と一致する形状である。例えば、ドーム形の後端部58(図5に示す)は、ドリルビットの端部の形状をとるように設計することができ、したがって、同様の形状のドリルビットで機械加工され得る凹面59の形状をほとんど再現することを容易にする。この構成は、保護部材14とノズル12とが或る程度密に接触することを確実にすることができる。例えば、保護部材14は、約0.215インチ(約5.461mm)の全長及び約0.110インチ(約2.794mm)の直径を有することができるが、これらの寸法には限定されず、例えば様々な直径の糸状体の案内を容易にするために寸法を変えることができる。
【0029】
保護部材14の別の実施形態が図10に示されている。この例示的な保護部材14は、上記のドーム形の後端部58ではなく平坦な後端部58と交差するテーパ状面84を有する。この実施形態は、保護部材14のノズル12内への設置及び位置決めも容易にし得る。図5に示される保護部材14のように、図10に示される例示的な保護部材14は、ノズル12に穴55を形成するために使用される工具の形状を有するように設計され得る。
【0030】
図1A、図1Bを参照すると、保護部材14を収容する穴55は、対応する糸状体案内通路18内を部分的に延在している。しかし、保護部材14を収容する穴55は、代替的には、対応する糸状体案内通路18内を全体的に延在してもよいことが理解される。各糸状体案内通路18の形状は、管状の側壁62の形状と概ね一致すると共に管状の側壁62と協働し、保護部材14が糸状体案内通路18に挿入されると自身で位置合わせするようにする。
【0031】
ここで図5〜図9を参照すると、上部分66の唇部72は、細長い穴64が後端部58から延在するにつれて推移する遷移部を提供し得るが、広がった下部分70は、細長い穴64が前端部56に向かって延在しても一定の距離に概ね維持される。さらに、図8に見えるように、上部分66は、経路74に沿って本体60の中心軸線76に対して概ね平行に延在してから、経路78に沿って、中心軸線76に対してわずかに角度を付けて又は湾曲して延在し得る。この実施形態では、管状の側壁62は、中心軸線76に沿って後端部58に向かって断面積が増える。特定の一実施形態では、経路78は、前端部56において朝顔形(フレア状)に広がっており、したがって図7に最もよく示されるように「朝顔形(フレア状)の鍵穴」構成に見える。
【0032】
図7及び図8に最もよく示されるように、細長い穴64は、「朝顔形(フレア状)の鍵穴」構成で本体60内を部分的に延在してから半径方向外方に朝顔形に広がり、最終的には概ね円形の断面構成を呈し、前端部56に拡大開口80を画定する。したがって、細長い穴64は、前端部56に近づくにつれて円錐形の遷移部分82によって画定される。各糸状体16は、図1、図1A及び図1Bに示すように保護部材14内を通るときに、内面54によって経路74、また場合によっては経路78に沿って保護部材14内の中心に位置決めされ、液体吐出口42(図1A)の真下に位置決めされるようにする。朝顔形(フレア状)の鍵穴構成は、糸状体上のタルクのような浮遊している汚染物質又は微粒子が、糸状体の破損につながる可能性がある堆積を形成することなく、保護部材14内を通ることを可能にする。
【0033】
保護部材14は、図に示す形状を有するように、保護部材14を作製するのに使用される材料のタイプに応じて機械加工又は成形され得る。例示に過ぎず、また限定するものではないが、保護部材14は、ステンレス鋼等の金属又は上述した別の金属から構成される場合は機械加工され得る。代替的に、保護部材14は、アルミナ等のセラミック材料から構成される場合は、当該技術分野で既知であるようにセラミック粉末を成形することによって形成してもよい。保護部材14は、ノズル12に画定される穴55及び糸状体案内通路18内に挿入することができ、又は代替的には、ノズル12及び保護部材14は、異なる方法で組み立ててノズル組立体11を形成してもよい。
【0034】
本発明を、その1つ又は複数の実施形態の説明によって示し、また実施形態をかなり詳細に説明したが、これは、添付の特許請求の範囲をそのような詳細に制限するか又は決して限定することを意図するものでもない。さらなる利点及び変更が当業者には容易に明らかであろう。したがって、本発明は、その広範な態様では、特定の詳細、代表的な装置及び方法、並びに図示及び記載された説明するための例に限定されない。したがって、包括的な発明の概念の範囲又は精神からは逸脱することなく、そのような詳細から逸脱することができる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、包括的には液体吐出システムに関し、より詳細には、繊維状液体を材料の糸状体上へ吐出するように構成される液体吐出装置のノズル組立体に関する。
【0002】
[関連出願の相互参照]
本願は、2007年4月3日に出願された(係属中である)米国仮特許出願第60/909,817号の優先権を主張し、当該出願はその全体がこの参照によって本明細書に援用される。
【背景技術】
【0003】
ホットメルト接着剤等の液体接着剤を、細い繊維形状でパターンを制御して吐出するのには多くの理由がある。パターンを制御して細い繊維を吐出することができる1つの技術は、制御繊維化法(例えば、ノードソン コーポレーションのCF(登録商標)技術)として知られている。CF(登録商標)技術は、0.010インチ(約0.245ミリメートル)〜0.060インチ(約1.524ミリメートル)程度のような小径を有するノズル通路から、単一繊維状体又は複数の並列した繊維状体として吐出される接着剤によって基材のより広い領域を正確に被覆するのに特に有用である。
【0004】
CF(登録商標)技術は多くの場合、接着剤配置のより優れた制御を行うのに用いられる。これは、特に、基材の縁に沿わせるのに、また、例えば、おむつの脚周り帯体に用いられる材料(例えばINVISTAによるLYCRA(登録商標))の糸状体などの非常に狭い基材に特に有用であり得る。
【0005】
従来の旋回ノズル又はダイチップは、通常、複数の空気通路によって囲まれている中央の接着剤吐出通路を有する。接着剤吐出通路は、接着剤吐出通路を一周するように、すなわち半径方向に対称である突出部上の中心に位置する。この突出部の一般的な構成は、円錐状又は円錐台状であり、頂上に接着剤吐出通路が開いている。空気通路は、中央の接着剤吐出通路を中心に半径方向に対称なパターンで配置されている。空気通路は、接着剤吐出通路に対して概ね接線方向に向いており、中央の接着剤吐出通路を中心に時計回り方向又は反時計回り方向に全て傾いている。
【0006】
従来のメルトブロー接着剤吐出装置は、通常、楔形部材の頂部に沿って配置されている複数の接着剤すなわち液体吐出通路と、楔形部材の基部に沿って配置されている任意の形状の空気通路とを有するノズル本体を備える。楔形部材は、半径方向に対称な要素ではない。むしろ、楔形部材は、通常、幅に比べて長さが長い。空気は、空気放出通路から楔形部材の側面に概ね沿って頂部へ向かい、接着剤又は他の液体材料が液体吐出通路から吐出されるときにこれらと衝突し、繊維を下方へ引き伸ばして細くする。繊維は、概ね無作為に吐出される。
【0007】
上述のタイプのノズル本体のような様々なタイプのノズル本体が、接着剤繊維を1つ又は複数の弾性糸状体上へ吐出するのに使用されている。それぞれの糸状体は、通常、対応する接着剤吐出通路と近接する糸状体通路によって位置合わせされて方向付けられる。糸状体は、液体接着剤吐出装置の周りの環境中に存在する浮遊している微粒子を捕捉する傾向にある。これらの浮遊している微粒子は、製造ラインが行う処理作業から主に生じる塵埃及び他の汚染物質から成る。加えて、特に、Fulflex, Inc.から入手可能な糸状体は、梱包材料から取り出すときに容易に引き離すことができるようにタルク等の微粒子によって意図的に被覆されている場合がある。加えて、他の糸状体製造業者は、糸状体を着色するために糸状体の材料に顔料を添加する場合がある。通常、着色顔料はノズル本体を研磨し、したがって着色された糸状体材料の場合、ノズルの磨耗速度はかなり速くなる可能性がある。
【0008】
さらに、それぞれの糸状体が、対応する糸状体通路と相互作用すると、微粒子は、その出所にかかわらず、拭き取られて堆積するか又は凝集し、より大きな塊になる可能性がある。凝集した微粒子の塊は、糸状体通路から払い落とされて、吐出される接着剤繊維に取り込まれる可能性がある。例えば、凝集した塊は、連続した糸状体を提供するために接合される第1の長さの糸状体材料の後端部と第2の長さの糸状体材料の前縁との間に形成される結び目によって払い落とされ得る。或いは、凝集した塊は、案内部内に留まったままとなって、糸状体自身が案内部からずらされる、すなわち取り外される程度まで寸法を増す可能性がある。複数糸状体の吐出動作では、隣接する案内部が、ずれてきた糸状体を取り込むと、糸状体が不適切な位置で基材に接着剤で固定されるため、これが糸状体への接着剤の塗布をめちゃくちゃにして、最終的には欠陥製品を生成する可能性がある。この製品品質の低下は重大であり、製造費用を増大させる可能性がある。
【0009】
案内されて移動している糸状体上へ接着剤を吐出することに関連するさらに別の問題は、糸状体と糸状体通路との接触から生じる。具体的には、糸状体は、摩擦磨耗によってノズル本体の金属面及び糸状体通路の金属面を磨耗する。最終的には、磨耗によってノズル本体の取替えが必要となる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、液体繊維を基材上へ吐出するためのノズル本体において、糸状体の案内に関連する問題を低減するか又はなくすことが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
一実施の形態では、ノズルと共に使用するための保護部材が提供される。ノズルは、糸状体案内通路及び液体吐出口を有する。糸状体案内通路は、ノズルに対して移動中の材料の糸状体を受け取るようになっている。液体吐出口は、糸状体が糸状体案内通路を通過した後で、繊維状液体を糸状体上に吐出するようになっている。保護部材は、ノズルの糸状体案内通路に受け入れられるように構成された本体を備える。本体は、糸状体を受け入れると共に、糸状体が糸状体案内通路と接触することを防止する通路を有する。本体は、少なくとも本体の一部が、案内されている糸状体によって引き起こされる磨耗に耐えるのに十分な耐磨耗性を有する材料から構成される。
【0012】
別の実施の形態では、本体は、ステンレス鋼、工具鋼、高速度鋼、又はこれらの組合せから選択される金属から成る。さらに別の実施の形態では、本体はセラミック材料から成る。また別の実施の形態では、本体は、第1の材料から成り、本体は、通路の周りに延在する管状の側壁を含み、糸状体に面する内面を有し、さらに、内面を被覆する第2の材料から成る。第2の材料は、本体の第1の材料よりも糸状体による接触に対する耐磨耗性が高い。
【0013】
別の実施の形態では、ノズル組立体に対して相対的に移動している材料の糸状体上に繊維状液体を吐出するノズル組立体が提供される。ノズル組立体は、ノズル及び保護部材を備える。ノズルは、ノズルに対して相対移動する材料の糸状体を受ける糸状体案内通路を有する。ノズルは、材料の糸状体が糸状体案内通路を通過した後で、繊維状液体を糸状体上に吐出する液体吐出口を有する。保護部材は、上記糸状体案内通路に受け入れられるように構成された本体を有する。本体は、通路を有し、通路は、糸状体を受けると共に、糸状体が糸状体案内通路と接触することを防止する。ノズルは、第1の材料から構成され、上記保護部材は、少なくとも一部が、第1の材料よりも耐磨耗性が高い第2の材料から成る。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態による例示的な吐出モジュール及びノズル組立体の部分的に破断した斜視図である。
【図1A】図1の線1A−1Aに概ね沿うノズル組立体の断面図である。
【図1B】図1Aの囲まれた領域1Bの拡大図である。
【図1C】保護部材の被覆を示す、図1Aの囲まれた領域1Bの拡大図である。
【図2】図1、図1A、図1B及び図1Cのノズル組立体の後方斜視図である。
【図3】図1、図1A、図1B及び図1Cのノズル組立体の正面斜視図である。
【図4】保護部材をノズル組立体のノズル本体から取り外した、図3と同様の分解図である。
【図5】図4の保護部材のうちの1つの拡大斜視図である。
【図6】図5の保護部材の底面図である。
【図7】図5の保護部材の正面図である。
【図7A】内面の被覆を示す、図5の保護部材の正面図である。
【図8】図5の保護部材の側面図である。
【図9】図5の保護部材の後面図である。
【図10】図4の保護部材の別の実施形態の拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本説明のために、「上方」、「垂直方向」、「水平方向」、「右」、「左」、「前」、「後」、「側部」、「上部」、「底部」等の方向に関する用語は、分かり易くするために図面と併せて適用され、本説明の基準座標系を与えるものに過ぎない。既知のように、液体吐出装置は、実質的に任意の向きであってもよいため、これらの方向に関する用語は、本発明と一致する装置の特定の絶対的な方向を示唆するために使用されるべきではない。
【0016】
図1、図1A、図2、図3及び図4を参照すると、代表的な吐出モジュール10が、ノズル組立体11と連結されている。ノズル組立体11は、本発明の一実施形態に従って構成されるノズル12及び複数の保護部材14を含む。吐出モジュール10は、繊維状液体15をノズル組立体11から材料の糸状体16上へ吐出するように構成されており、材料の糸状体16は、静止しているノズル組立体11に対して(図1及び図1Aの単頭矢印25によって示されるように)流れ方向に給送及び移動される。好適なノズル12及び液体吐出装置の例としては、米国特許第6,911,232号明細書及び米国特許出願公開第2004/0144494号明細書及び同第2004/0164180号明細書に開示されているものが挙げられ、これらの開示はこの参照によって全てが本明細書に援用される。例示的な一実施形態では、ノズル12は、図3及び図4に最もよく示されるように、複数の糸状体案内通路18をさらに含み、糸状体案内通路18のそれぞれに対して等しい数の保護部材14が協働可能であるように位置付けられている。代替的な実施形態では、ノズル12は、1つの糸状体案内通路18、したがって1つの保護部材14しか含まなくてもよいことが理解される。
【0017】
保護部材14は、糸状体案内通路18内に受け入れられているスリーブ(筒状はめ込み部材)又はライナー(内張り部材)として機能する。この構成の結果として、流れ方向25に給送される糸状体16は、吐出中に、ノズル12ではなく保護部材14と接触する。したがって、ノズル12のために選択される材料は、より詳細に後述するように、糸状体案内通路18内で糸状体16との接触によって引き起こされる磨耗を考慮する必要なく、最適化することができる。
【0018】
吐出モジュール10は、一般的に、2001年3月22日に出願され、本願の出願人に譲渡されている米国特許第6,619,566号明細書により完全に記載されているような、中央本体部分(図示せず)、下側本体部分22、及び様々なノズルすなわちダイを吐出モジュール10に対して装着及び取り外しするのを容易にする急速着脱機構24を有する。ノズル組立体11は、吐出モジュール10に連結され、急速着脱機構24によって固定される。ノズル組立体11は、液体及び加圧空気を吐出モジュール10から受け取って、加圧空気を液体材料繊維15へ向けつつ、液体材料繊維15を、ノズル組立体11に対して概ね矢印25の方向へ移動している基材材料の糸状体16上へパターンを制御して吐出する。
【0019】
ノズル組立体11のノズル12は、ノズル組立体11と吐出モジュール10との連結を容易にするために、米国特許第6,619,566号明細書により完全に記載されているような突出部26、27及び傾斜カム面28、29を含む。ノズル12は、吐出モジュール10の下側本体部分22(図1)に取り付けるように構成される第1の側面30を含む。ノズル12の第1の側面30は、吐出モジュール10の対応する液体及び空気の供給通路(図示せず)と適合する液体供給口32及び処理空気供給口34を含む。ノズル12は、第2の(すなわち下流の)側面36及び第3の(すなわち上流の)側面38を含む概ね楔形の断面を有する。円錐台形状の突出部40は、ノズル12の第2の側面36から第3の側面38へ延在している。
【0020】
液体吐出口42は、液体吐出通路44と流体連通しており、これがさらに液体通路46によって液体供給口32と連通しており、それによって、モジュール10からの液体材料を、液体吐出口42から図1Aに示す基材材料の糸状体16へ吐出することができる。液体吐出通路44の少なくとも一部は、矢印25によって概ね示される糸状体16の移動に対応する方向に対して一定の角度を成すように方向付けられる。例示的な実施形態の液体吐出通路44が傾いていることによって、液体材料は液体吐出口42から糸状体16上へ、概ね糸状体の移動方向25に吐出される。
【0021】
ノズル12の第2の側面36は、液体吐出口42に近接する複数の空気放出口48をさらに含む。空気放出口48は、ノズル12の第1の側面30の空気供給口34まで延在している空気通路53のそれぞれによって空気放出通路52(図1A)と流体連通している。例示的なノズル12の空気放出通路52は、液体吐出通路44を通る軸線に対して傾斜していてもよい。空気放出口48は、液体吐出通路44から吐出される繊維状液体15に向かって処理空気を向かわせるように構成されている。ノズル12は、第2の側面36から第3の側面38へ延在する複数の糸状体案内通路18を含み、糸状体案内通路18は、例えば円錐台形状の突出部40に形成された切込み部であってもよい。
【0022】
複数の糸状体案内通路18は、円錐台形状の突出部40に形成されており、第2の側面36から第3の側面38へ延在している。図3及び図4に最もよく示されるように、保護部材14は、ノズル12に画定されるそれぞれの穴55内、及び糸状体案内通路18内に配置されており、突出部40の上流側38と交差する。しかし、ノズル12は、保護部材14のための穴55が下流側36と交差するように設計してもよい。代替的には、穴55は、突出部40の全厚さにわたって側面36と側面38との間に延在していてもよく、それによって、保護部材14は、側面36、38のいずれかからも挿入することができ、側面36、38のいずれかからも取り外すことができる。複数の保護部材14は、同じ物理的構成を有するものとして図示されているが、ノズル12の穴55は、様々な異なる物理的構成の保護部材14と協働するように設計されていてもよい。さらに、ノズル12と共に使用される保護部材14は、全て同じ物理的構成を有する必要はなく、また、保護部材14は、全て同じ材料若しくは材料の組合せから成る必要もない。
【0023】
図1、図1A及び図1Bから明らかであるように、糸状体16のそれぞれは、糸状体案内通路18のうちの1つを通って案内される。ノズル12の寿命すなわち耐用寿命を延ばすために、保護部材14のうちの1つをそれぞれの糸状体案内通路18に設けることができる。例示に過ぎないが、保護部材14は、移動している糸状体16がノズル12ではなく保護部材14と絶えず又は断続的に接触するように、ノズル12の糸状体案内通路18の穴55に、又は、穴55中に、又は穴55の範囲内に、圧入、接着、ボルト締め、ねじ留め又は他の方法で固定され得る。
【0024】
図1A及び図1Bに最もよく示されるように、各糸状体16は、保護部材14のうちの1つと接触することができ、より詳細には、図示のように、ノズル12ではなく保護部材14のうちの1つの内面54と接触することができる。特に、各糸状体16がそれぞれの保護部材14を通って移動する際、糸状体16の長さに沿った任意の位置が、保護部材14の第1のすなわち前端部56から保護部材14の第2のすなわち後端部58まで通過する。この構成の結果として、ノズル12のために選択される材料は、糸状体16が保護部材14に摩擦接触することによって引き起こされる磨耗を考慮する必要なく、最適化することができる。保護部材14は、要因の中でも特に所望の磨耗速度又は糸状体16の特定の材料特性に従って、又はこれらに応じて選択される材料から構成され得る。一実施形態では、保護部材14の材料は、ノズル12の材料よりも耐磨耗性が高い。保護部材14の材料はノズル12の材料よりも硬く且つ/又は靭性があり得るが、保護部材14はさらに又は代替的に、保護部材の材料の硬さ及び/又は靭性が改善されているにもかかわらず、他の理由から糸状体16との接触に対してより化学的に耐食性(対侵食性、耐腐食性)であってもよい。例えば、保護部材14の構成は、着色又は他の目的のための顔料を含有している材料の糸状体を考慮することができる。顔料は、ノズル12を研磨するか、腐食させるか又はそうでなければ劣化させる可能性があり得る。したがって、ノズル12は、材料費用及び被削性の観点から経済的であり得る第1の材料から形成することができ、保護部材14は、糸状体案内通路18内で案内する糸状体16との接触によって引き起こされる劣化に対する耐性がより高い第2の材料から形成することができる。
【0025】
本明細書において、本発明の実施形態を、液体吐出口42、1つ又は複数の空気放出口48、糸状体案内通路18、及び糸状体案内通路18内に設けられている保護部材14を有して構成される一部品構造体としてのノズル12により包括的に図示及び説明したが、本発明はこれらの代表的な実施形態に限定されない。例えば、他の実施形態は、1つの部品に1つ又は複数の糸状体案内通路を設け、別の部品に液体吐出口及び/又は空気放出口を構成したノズルを含み得る。換言すると、1つ又は複数の糸状体案内通路は、液体吐出口及び/又は空気放出口を含む同じ部品の一体部分ではなくてもよく、その代わり、液体吐出口及び/又は空気放出口を含む別の部品に取り付けられる非一体型部品に含まれていてもよい。したがって、これらの実施形態では、糸状体案内通路を有する部品は、液体吐出口及び/又は空気放出口を有して構成される他の部品を取り外すことなく、ノズルから取り外すことができる。
【0026】
特定の一実施形態では、ノズル12は真鍮から構成することができ、保護部材14はステンレス鋼から構成することができる。他の特定の実施形態では、保護部材14は、少なくとも一部が、高い耐磨耗性を示す金属、例えば限定するものではないが、Crucible Specialty Metals(米国ニューヨーク州シラキュース)から入手可能なCPM金属(例えば9V、10V及び12V)及び極端に高い耐磨耗性を示す高速度鋼又は工具鋼から構成することができる。一実施形態では、保護部材14は、少なくとも一部が、モース硬度が9以上である硬さを示す材料から構成され得る。モース硬度は、様々な材料の相対硬度を評価する、一般的に認められている1つの尺度である。特に、モース硬度は、1つの材料の別の材料に対する引っ掻き性に関する情報を提供する。モース硬度は、材料を1(最も柔らかい)から10(最も硬い)までで評価する。例えば、タルクはモース硬度では1と評価されており、アルミナはモース硬度では概ね9と評価されている。他の実施形態では、保護部材14は、モース硬度で9よりも低い硬さであってもよいが、例えばモース硬度で9と評価された材料から作製される保護部材の寿命に比例してノズル12の寿命を延ばす。またさらなる実施形態では、広範な他の材料を保護部材14に使用することができ、限定するものではないが、アルミナ及びジルコニアのような耐磨耗性酸化物セラミック材料、又は窒化物セラミック材料が挙げられる。
【0027】
代替的な実施形態では、図1C〜図7Aを参照して、保護部材14の耐劣化性をさらに高めるために、各保護部材14を、この目的で設計された材料で被覆してもよい。保護部材14の、糸状体16と接触する領域に被覆61を施すことができる。特に、被覆61は、図7Aに示すように、通路63全体又はその一部のみに施すことができる。例えば、保護部材14のそれぞれは、ステンレス鋼等の母材から成り、耐劣化性を与えるのに有効であると当業者が理解している好適な厚さを有する窒化チタン等の耐磨耗材料から成る被覆61を有していてもよい。一実施形態では、窒化チタン層は、およそ0.0001インチ(およそ2.54μm)〜およそ0.0005インチ(およそ12.7μm)の厚さであり得る。他の厚さとしては、およそ0.0003インチ(およそ7.62μm)の厚さが挙げられ得る。しかし、被覆61の厚さは、所望の磨耗速度に従って選択するか又は被覆61を施すのに使用される方法によって決定してもよいことが理解される。被覆を蒸着するのに使用することができる例示的な技法は、物理気相成長法(PVD)、例えば限定するものではないが、スパッタリング、イオンめっき、イオンビーム支援蒸着、フィルタード陰極アーク真空技術、及びイオン注入等が挙げられる。同様に適用可能であり得る他の既知の蒸着技法又は被覆処理法としては、例えば、プラズマCVDのような化学気相成長法(CVD);例えば硬質クロムめっき等の電気めっき;化学めっきのような無電解析出法;ディップ塗布;陽極処理;及び大気圧プラズマ、高速フレーム溶射(HVOF)又はフレーム溶射タイプのプロセスのような様々な溶射プロセスのうちのいずれかが挙げられる。他の好適な被覆材料としては、限定するものではないが、窒化チタンアルミニウム、チタン炭窒化物及び窒化ジルコニウムが挙げられ得る。別の実施形態では、被覆61は、少なくとも一部が、例えばモース硬度で9以上であると評価されている材料から作製され得る。
【0028】
ここで図1A、図1B及び図5〜図9を参照し、本発明の一実施形態によると、保護部材14のうちの1つがより詳細に示されており、代表的な物理的構成を有する。保護部材14は、前端部56と後端部58との間に延在する管状の側壁62を有する本体60を含む。一実施形態では、糸状体16が保護部材14内にある間に内面54が糸状体16を少なくとも部分的に囲むように、管状の側壁62は本体60内に通路63を形成する。本体60は、糸状体案内通路18と糸状体16との間のそれぞれの穴55に概ね配置されている。本体60は、概ね円筒形の断面を有するが、管状の側壁62を通って延在する細長い穴64を含み、細長い穴64は、前述したように前端部56と後端部58との間で糸状体に面するように構成されている内面54(図6に見える)を含む。図5及び図9で最もよく示されているように、ドーム形であり得る後端部58では、細長い穴64は、半円形すなわち弓状の上部分66と、実質的に矩形の中間部分68と、朝顔形(フレア状)の鍵穴に似た広がった下部分70とによって画定されている。後端部58のドーム形表面は、対応する糸状体案内通路18内の凹面59と一致する形状である。例えば、ドーム形の後端部58(図5に示す)は、ドリルビットの端部の形状をとるように設計することができ、したがって、同様の形状のドリルビットで機械加工され得る凹面59の形状をほとんど再現することを容易にする。この構成は、保護部材14とノズル12とが或る程度密に接触することを確実にすることができる。例えば、保護部材14は、約0.215インチ(約5.461mm)の全長及び約0.110インチ(約2.794mm)の直径を有することができるが、これらの寸法には限定されず、例えば様々な直径の糸状体の案内を容易にするために寸法を変えることができる。
【0029】
保護部材14の別の実施形態が図10に示されている。この例示的な保護部材14は、上記のドーム形の後端部58ではなく平坦な後端部58と交差するテーパ状面84を有する。この実施形態は、保護部材14のノズル12内への設置及び位置決めも容易にし得る。図5に示される保護部材14のように、図10に示される例示的な保護部材14は、ノズル12に穴55を形成するために使用される工具の形状を有するように設計され得る。
【0030】
図1A、図1Bを参照すると、保護部材14を収容する穴55は、対応する糸状体案内通路18内を部分的に延在している。しかし、保護部材14を収容する穴55は、代替的には、対応する糸状体案内通路18内を全体的に延在してもよいことが理解される。各糸状体案内通路18の形状は、管状の側壁62の形状と概ね一致すると共に管状の側壁62と協働し、保護部材14が糸状体案内通路18に挿入されると自身で位置合わせするようにする。
【0031】
ここで図5〜図9を参照すると、上部分66の唇部72は、細長い穴64が後端部58から延在するにつれて推移する遷移部を提供し得るが、広がった下部分70は、細長い穴64が前端部56に向かって延在しても一定の距離に概ね維持される。さらに、図8に見えるように、上部分66は、経路74に沿って本体60の中心軸線76に対して概ね平行に延在してから、経路78に沿って、中心軸線76に対してわずかに角度を付けて又は湾曲して延在し得る。この実施形態では、管状の側壁62は、中心軸線76に沿って後端部58に向かって断面積が増える。特定の一実施形態では、経路78は、前端部56において朝顔形(フレア状)に広がっており、したがって図7に最もよく示されるように「朝顔形(フレア状)の鍵穴」構成に見える。
【0032】
図7及び図8に最もよく示されるように、細長い穴64は、「朝顔形(フレア状)の鍵穴」構成で本体60内を部分的に延在してから半径方向外方に朝顔形に広がり、最終的には概ね円形の断面構成を呈し、前端部56に拡大開口80を画定する。したがって、細長い穴64は、前端部56に近づくにつれて円錐形の遷移部分82によって画定される。各糸状体16は、図1、図1A及び図1Bに示すように保護部材14内を通るときに、内面54によって経路74、また場合によっては経路78に沿って保護部材14内の中心に位置決めされ、液体吐出口42(図1A)の真下に位置決めされるようにする。朝顔形(フレア状)の鍵穴構成は、糸状体上のタルクのような浮遊している汚染物質又は微粒子が、糸状体の破損につながる可能性がある堆積を形成することなく、保護部材14内を通ることを可能にする。
【0033】
保護部材14は、図に示す形状を有するように、保護部材14を作製するのに使用される材料のタイプに応じて機械加工又は成形され得る。例示に過ぎず、また限定するものではないが、保護部材14は、ステンレス鋼等の金属又は上述した別の金属から構成される場合は機械加工され得る。代替的に、保護部材14は、アルミナ等のセラミック材料から構成される場合は、当該技術分野で既知であるようにセラミック粉末を成形することによって形成してもよい。保護部材14は、ノズル12に画定される穴55及び糸状体案内通路18内に挿入することができ、又は代替的には、ノズル12及び保護部材14は、異なる方法で組み立ててノズル組立体11を形成してもよい。
【0034】
本発明を、その1つ又は複数の実施形態の説明によって示し、また実施形態をかなり詳細に説明したが、これは、添付の特許請求の範囲をそのような詳細に制限するか又は決して限定することを意図するものでもない。さらなる利点及び変更が当業者には容易に明らかであろう。したがって、本発明は、その広範な態様では、特定の詳細、代表的な装置及び方法、並びに図示及び記載された説明するための例に限定されない。したがって、包括的な発明の概念の範囲又は精神からは逸脱することなく、そのような詳細から逸脱することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノズルに対して相対的に移動する材料の糸状体を受ける糸状体案内通路と、前記糸状体が前記糸状体案内通路を通過した後で、繊維状液体を前記糸状体上に吐出する液体吐出口とを有するノズルと共に使用するための保護部材であって、
前記保護部材は、前記ノズルの前記糸状体案内通路に受け入れられるように構成された本体を有し、前記本体は、通路を有し、前記通路は、前記糸状体を受けると共に、前記糸状体が前記糸状体案内通路と接触することを防止するように構成されており、前記本体の少なくとも一部は、前記本体により案内されている糸状体によって引き起こされる磨耗に耐えるのに十分な耐磨耗性を有する材料から構成されている保護部材。
【請求項2】
前記本体は、ステンレス鋼、工具鋼、高速度鋼、又はこれらの組合せから選択される金属から成る請求項1に記載の保護部材。
【請求項3】
前記本体は、セラミック材料から成る請求項1に記載の保護部材。
【請求項4】
前記セラミック材料は、アルミナ、ジルコニア、又はこれらの組合せから選択される請求項3に記載の保護部材。
【請求項5】
前記本体は、第1の材料から成り、前記本体は、前記通路の周りに延在する管状の側壁を含み、前記管状の側壁は、前記糸状体に面する内面を有し、
前記本体は、さらに、前記内面上に第2の材料から成る被覆を有し、前記第2の材料は、前記本体の前記第1の材料よりも前記糸状体による接触に対する耐磨耗性が高い請求項1に記載の保護部材。
【請求項6】
ノズル組立体であって、前記ノズル組立体に対して相対的に移動する材料の糸状体上へ繊維状液体を吐出する前記ノズル組立体は、
ノズルと、
保護部材と、
を有し、
前記ノズルは、前記ノズルに対して相対的に移動する材料の糸状体を受ける糸状体案内通路と、前記糸状体が前記糸状体案内通路を通過した後で前記繊維状液体を前記糸状体上に吐出する液体吐出口とを有し、
前記保護部材は、前記糸状体案内通路に受け入れられるように構成された本体を有し、前記本体は、通路を有し、前記通路は、前記糸状体を受けると共に、前記糸状体が前記糸状体案内通路と接触することを防止するように構成されており、前記ノズルは、第1の材料から構成され、前記保護部材の少なくとも一部は、前記第1の材料よりも耐磨耗性が高い第2の材料から成るノズル組立体。
【請求項7】
前記ノズルは、複数の前記糸状体案内通路と複数の前記保護部材とを有し、前記複数の保護部材のそれぞれは、前記複数の糸状体案内通路のそれぞれに位置決めされる請求項6に記載のノズル組立体。
【請求項8】
前記第1の材料は、真鍮であり、前記第2の材料は、ステンレス鋼、工具鋼、高速度鋼、又はこれらの組合せから選択される金属である請求項6に記載のノズル組立体。
【請求項9】
前記第2の材料は、セラミック材料である請求項6に記載のノズル組立体。
【請求項10】
前記保護部材は、前記糸状体案内通路内を部分的に延在している請求項6に記載のノズル組立体。
【請求項11】
前記本体は、前記通路の周りに延在する管状の側壁を含み、前記管状の側壁は、前記糸状体に面する内面を有し、
前記本体は、さらに、前記内面上に第3の材料から成る被覆を有し、前記第3の材料は、前記保護部材の前記第2の材料よりも前記移動している糸状体による接触に対する耐磨耗性が高い請求項6に記載のノズル組立体。
【請求項1】
ノズルに対して相対的に移動する材料の糸状体を受ける糸状体案内通路と、前記糸状体が前記糸状体案内通路を通過した後で、繊維状液体を前記糸状体上に吐出する液体吐出口とを有するノズルと共に使用するための保護部材であって、
前記保護部材は、前記ノズルの前記糸状体案内通路に受け入れられるように構成された本体を有し、前記本体は、通路を有し、前記通路は、前記糸状体を受けると共に、前記糸状体が前記糸状体案内通路と接触することを防止するように構成されており、前記本体の少なくとも一部は、前記本体により案内されている糸状体によって引き起こされる磨耗に耐えるのに十分な耐磨耗性を有する材料から構成されている保護部材。
【請求項2】
前記本体は、ステンレス鋼、工具鋼、高速度鋼、又はこれらの組合せから選択される金属から成る請求項1に記載の保護部材。
【請求項3】
前記本体は、セラミック材料から成る請求項1に記載の保護部材。
【請求項4】
前記セラミック材料は、アルミナ、ジルコニア、又はこれらの組合せから選択される請求項3に記載の保護部材。
【請求項5】
前記本体は、第1の材料から成り、前記本体は、前記通路の周りに延在する管状の側壁を含み、前記管状の側壁は、前記糸状体に面する内面を有し、
前記本体は、さらに、前記内面上に第2の材料から成る被覆を有し、前記第2の材料は、前記本体の前記第1の材料よりも前記糸状体による接触に対する耐磨耗性が高い請求項1に記載の保護部材。
【請求項6】
ノズル組立体であって、前記ノズル組立体に対して相対的に移動する材料の糸状体上へ繊維状液体を吐出する前記ノズル組立体は、
ノズルと、
保護部材と、
を有し、
前記ノズルは、前記ノズルに対して相対的に移動する材料の糸状体を受ける糸状体案内通路と、前記糸状体が前記糸状体案内通路を通過した後で前記繊維状液体を前記糸状体上に吐出する液体吐出口とを有し、
前記保護部材は、前記糸状体案内通路に受け入れられるように構成された本体を有し、前記本体は、通路を有し、前記通路は、前記糸状体を受けると共に、前記糸状体が前記糸状体案内通路と接触することを防止するように構成されており、前記ノズルは、第1の材料から構成され、前記保護部材の少なくとも一部は、前記第1の材料よりも耐磨耗性が高い第2の材料から成るノズル組立体。
【請求項7】
前記ノズルは、複数の前記糸状体案内通路と複数の前記保護部材とを有し、前記複数の保護部材のそれぞれは、前記複数の糸状体案内通路のそれぞれに位置決めされる請求項6に記載のノズル組立体。
【請求項8】
前記第1の材料は、真鍮であり、前記第2の材料は、ステンレス鋼、工具鋼、高速度鋼、又はこれらの組合せから選択される金属である請求項6に記載のノズル組立体。
【請求項9】
前記第2の材料は、セラミック材料である請求項6に記載のノズル組立体。
【請求項10】
前記保護部材は、前記糸状体案内通路内を部分的に延在している請求項6に記載のノズル組立体。
【請求項11】
前記本体は、前記通路の周りに延在する管状の側壁を含み、前記管状の側壁は、前記糸状体に面する内面を有し、
前記本体は、さらに、前記内面上に第3の材料から成る被覆を有し、前記第3の材料は、前記保護部材の前記第2の材料よりも前記移動している糸状体による接触に対する耐磨耗性が高い請求項6に記載のノズル組立体。
【図1】
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図7A】
【図8】
【図9】
【図10】
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図7A】
【図8】
【図9】
【図10】
【公表番号】特表2010−523318(P2010−523318A)
【公表日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−502291(P2010−502291)
【出願日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際出願番号】PCT/US2008/059261
【国際公開番号】WO2008/124498
【国際公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【出願人】(391019120)ノードソン コーポレーション (150)
【氏名又は名称原語表記】NORDSON CORPORATION
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際出願番号】PCT/US2008/059261
【国際公開番号】WO2008/124498
【国際公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【出願人】(391019120)ノードソン コーポレーション (150)
【氏名又は名称原語表記】NORDSON CORPORATION
【Fターム(参考)】
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