説明

移動体電子装置

【課題】情報通信系から移動体制御系への不適切情報を排除することにより、移動体制御系の正常動作を確保することができ、移動体走行において信頼性の高い移動体電子装置を得る。
【解決手段】情報通信系機器を接続する情報通信系ネットワーク100に接続される第1のゲートウェイ110と、第1のゲートウェイ110と移動体制御系機器を接続する移動体制御系ネットワーク300、400との間を接続する第2のゲートウェイ210を備えた移動体電子装置1おいて、第2のゲートウェイ210は、第1のゲートウェイ110の動作状態を判定する判定手段と、判定結果に基づいて第1のゲートウェイ110との接続を停止・開始する接続切換手段を備えるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体に搭載される移動体電子装置の分野に属し、特にネットワーク化された移動体電子装置の高信頼化に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、移動体に搭載される移動体電子装置は、移動体走行の快適性や安全性を向上するための高機能化や高信頼化が進められている。移動体電子装置のなかで、特に自動車に搭載される車載電子装置には、車両走行系の監視や制御に関連する機器や、カーラジオ、カーステレオ、カーナビゲーションシステム等のエンターテイメント(娯楽)に関連する機器等が含まれ、これらを関連機能毎に通信により接続することによりネットワーク化が進められている。例えば、特許文献1では、複数の電子制御装置を共通信号線で接続し、電子制御装置間でデータリンクを構成する車両内通信制御装置が示されている。
【0003】
また、特許文献2では、自動車外部との通信機能を有するとともに、車両速度等の車両走行状態の監視情報に合せて外部通信情報を配信する方法を変更する機能等を有し、外部通信、車両走行監視、車両走行制御の各機能部間での情報通信を行う車両内情報配信システムが示されている。
【0004】
【特許文献1】特公平7−7957号公報
【特許文献2】特開平11−122162号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、外部通信、車両走行監視、車両走行制御等の機能がネットワーク化され高機能化が進んでいる一方で、特に外部通信系からの種々の不適切な外部情報により、自動車の走行制御に関する信頼性が低下する可能性があることが問題となっている。
すなわち、車両外部との通信機能を持つ車載電子装置においては、外部からのウィルスやハッカー等の侵入や妨害により、車両走行監視・制御系の機器に何らか機能不全が起こり、車両走行に影響を及ぼす可能性があることが懸念されている。
このように、従来の移動体電子装置においては、外部通信系からの種々の不適切な外部情報に対するセキュリティー(security、安全性)を如何に確保するかが課題となっている。
【0006】
本発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、情報通信系から移動体制御系への不適切情報を排除することにより、移動体制御系の正常動作を確保することができ、移動体走行において信頼性の高い移動体電子装置を得ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る移動体電子装置においては、情報通信系機器を接続する情報通信系ネットワークと、情報通信系ネットワークと移動体制御系機器を接続する移動体制御系ネットワークとの間を接続するゲートウェイを備えた移動体電子装置おいて、ゲートウェイは、情報通信系ネットワークの動作状態を判定する判定手段と、判定結果に基づいて情報通信系ネットワークとの接続を停止・開始する接続切換手段を備えるようにしたものである。
【0008】
この発明に係る移動体電子装置においては、ゲートウェイは、判定手段の判定結果に基づいて情報通信系ネットワークを正常状態に復旧する復旧手段を備えるようにしたものである。
【0009】
この発明に係る移動体電子装置においては、判定手段は、情報通信系ネットワークからの状態情報、或いは所定処理の実行結果、或いは所定データの照合結果に基づいて、情報通信系ネットワークの動作状態を判定するようにしたものである。
【0010】
この発明に係る移動体電子装置においては、ゲートウェイは、情報通信系ネットワークに接続された情報通信系機器或いは移動体制御系ネットワークに接続された移動体制御系機器の何れかに含まれるようにしたものである。
【0011】
この発明に係る移動体電子装置においては、ネットワークへの機器接続構成は、リング構成であるようにしたものである。
【0012】
この発明に係る移動体電子装置においては、リング構成は、双方向通信が可能であるようにしたものである。
【0013】
この発明に係る移動体電子装置においては、リング構成は、2重であるようにしたものである。
【0014】
この発明に係る移動体電子装置においては、ネットワークへの機器接続構成は、スター構成であるようにしたものである。
【0015】
この発明に係る移動体電子装置においては、ネットワークへの機器接続構成は、バス構成であるようにしたものである。
【発明の効果】
【0016】
このように本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に示すような効果がある。
【0017】
この発明によれば、情報通信系機器を接続する情報通信系ネットワークと、情報通信系ネットワークと移動体制御系機器を接続する移動体制御系ネットワークとの間を接続するゲートウェイを備えた移動体電子装置おいて、ゲートウェイは、情報通信系ネットワークの動作状態を判定する判定手段と、判定結果に基づいて情報通信系ネットワークとの接続を停止・開始する接続切換手段を備えるようにしたので、情報通信系ネットワークから移動体制御系ネットワークへの不適切情報をゲートウェイにより排除することができ、また情報通信系ネットワークが動作不良の場合でも移動体制御系ネットワークの正常動作を確保することができ、移動体走行において信頼性の高い移動体電子装置を実現することができるという効果がある。
【0018】
この発明によれば、ゲートウェイは、判定手段の判定結果に基づいて情報通信系ネットワークを正常状態に復旧する復旧手段を備えるようにしたので、情報通信系ネットワークが一旦動作不良となった場合でも正常状態に復旧することにより、情報通信系ネットワークと移動体制御系ネットワークとの情報伝送を再開することができ、移動体走行においてさらに信頼性の高い移動体電子装置を実現することができるという効果がある。
【0019】
この発明によれば、判定手段は、情報通信系ネットワークからの状態情報、或いは所定処理の実行結果、或いは所定データの照合結果に基づいて、情報通信系ネットワークの動作状態を判定するようにしたので、情報通信系ネットワークの動作状態について、信頼性の高い判定ができるという効果がある。
【0020】
この発明によれば、ゲートウェイは、情報通信系ネットワークに接続された情報通信系機器或いは移動体制御系ネットワークに接続された移動体制御系機器の何れかに含まれるようにしたので、ゲートウェイとして専用機器を設置する必要がなくなり、装置構成が簡単となり、装置の低価格化をはかることができるという効果がある。
【0021】
この発明によれば、ネットワークへの機器接続構成は、リング構成であるようにしたので、ネットワークを安価に構築できるという効果がある。
【0022】
この発明によれば、リング構成は、双方向通信が可能であるようにしたので、断線しても断線部分で折り返し通信を行うことで通信遮断とならないという効果がある。
【0023】
この発明によれば、リング構成は、2重であるようにしたので、断線に対する耐性の大きいネットワークシステムを構築することができるという効果がある。
【0024】
この発明によれば、ネットワークへの機器接続構成は、スター構成であるようにしたので、ネットワークでの通信速度を速くすることができるという効果がある。
【0025】
この発明によれば、ネットワークへの機器接続構成は、バス構成であるようにしたので、ネットワーク構成を簡単で安価にできるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1を示す移動体電子装置としての車載電子装置1の構成図である。
車載電子装置1は、複数の異なるネットワーク100、200、300、400が、プロセッサを備えた処理部110、210、310、410によって結合されて実現される分散システム構成を持っており、自動車での通信、エンターテイメント、走行監視、走行制御等の処理を行っている。
【0027】
100は、シリアル通信または無線通信による通信情報を伝送する情報通信系ネットワークの一つとしての無線通信ネットワークである。100aには車外との通信用機器、100bには車内機器との通信用或いは車内機器経由の車外との通信用機器が接続され、無線通信に関連する制御処理部である第1のゲートウェイとしてのゲートウェイ110により両者が接続されている。この無線通信ネットワーク100には、交通情報等を受信する電波ビーコン受信機130及び光ビーコン受信機131、GPS衛星電波を受信し自車位置・方位・速度を計測するGPS(Global Positioning System)受信機132、FM(Frequency Modulation)多重放送からの交通情報を受信するVICS(Vehicle Information & Communication System)受信機133、料金所通過時に自動料金収受の通信を行うETC(Electronic Toll Collection)通信機140、狭域通信を行うDSRC(Dedicated Short Range Communication)通信機141、携帯電話150、電話用ヘッドセット151、FAX(Facsimile)/モデム152、緊急通報を行うEmergency Callシステム153、パソコン(PC、Personal Computer)160、LAN(Local Area Network)161、携帯端末のPDA(Personal Digital Assistants)162、各アンテナ170〜190等の機器が接続されている。
【0028】
200は、オーディオやビデオ等のマルチメディア情報を伝送する情報通信系ネットワークの一つとしての車載マルチメディアネットワークである。これには、ナビゲーション機能を備えるとともに車載マルチメディアに関連する制御処理部である第2のゲートウェイとしてのナビゲーション+車載マルチメディア通信部210の他、地図、映像、画像等を表示するための前席用の表示モニター220aと後席用の表示モニター220b、ラジオ付きカーステレオ230、ラジオのアンテナ240、ディジタルAV(オーディオ・ビデオ)機器250、DVD−ROM(Digital Versatile Disk - Read Only Memory)等に記憶された地図データベース260a等の機器が接続されている。
【0029】
300は、車両走行監視に関する情報を伝送する移動体制御系ネットワークの一つとしての走行監視系ネットワークである。これには、走行監視に関連する制御処理部である走行監視通信部310の他、車両周辺の障害物等を検知するステレオカメラ320、赤外線カメラ330、超音波センサ340、ミリ波レーダ350、レーザレーダ360及び、ランプ、ドアロック、シートベルト等の状態を検知する室内センサ類370、燃料、タイヤ空気圧、ブレーキパッド等の状態を検知する車両センサ類380等の機器が接続されている。また、走行監視通信部310は、車両周辺の地理情報を監視するため、地図データベース260bを参照する場合もある。
【0030】
400は、車両走行制御に関する情報を伝送する移動体制御系ネットワークの一つとしての走行制御系ネットワークである。これには、走行制御に関連する制御処理部である走行制御通信部410の他、速度、加速度、操舵角等の状態を検知する走行センサ類430及び、エンジン制御部440、ステアリング制御部450、パワートレイン制御部460、ブレーキ制御部470等の機器が接続されている。
【0031】
上記の各ネットワークは、各機器の接続において、多電圧への対応がなされており、12V(Volts)系、24V系だけでなく36V等の高電圧機器へも対応している。また、車両バッテリー消耗時等の電圧低下時でのネットワーク及び各接続機器の動作ができるだけ確保され、電源電圧に拘らず各機器の接続認証や動作チェック等が行えるようになっている。また、電源印加中の各機器の接続や切断にも対処できるようホットプラグアンドプレイ(Hot Plug and Play)に対応しており、さらに、車両のアクセサリ電源停止中の各機器の接続や切断に対しても、プラグアンドプレイ(Plug and Play)により機器認証が行えるようになっている。
【0032】
また、新しい機器が各ネットワークに接続された場合に、接続時の機器認証を実施した後接続するだけでなく、接続後においても、その機器の動作に異常や不良がある場合には、その接続を遮断するようになっている。
【0033】
次に、車載電子装置1の各部の機能や動作について説明する。
車載電子装置1は、車外或いは車内との通信情報を伝送する無線通信ネットワーク100、オーディオ・ビデオやナビゲーション等の情報を伝送する車載マルチメディアネットワーク200、車両状態及び周辺監視に関する情報を伝送する走行監視系ネットワーク300、エンジン制御やパワートレイン制御等の走行制御に関する情報を伝送する走行制御系ネットワーク400を備え、車両の運転者が、周辺の状況を確認しつつナビゲーションシステムのガイドに従って安全に走行しながら、ラジオ付きカーステレオ230等のカーオーディオ機器が再生する音楽を聴いたり、携帯電話150のヘッドセット151経由での通話をしたり、インターネットへの無線接続により表示モニター220aに表示された外部情報を確認したりすることを可能にしている。
【0034】
自動車が安全に走行するには、走行制御系ネットワーク400に接続されている各種走行制御系機器が正常に動作することが最も重要である。次に、走行監視系ネットワーク300により車両の状態や車両周辺の状況を正確に把握できることが重要である。さらに、無線通信ネットワーク100により無線やインターネット経由での正確な交通情報等が通信されることが必要である。
【0035】
走行制御系ネットワーク400では、自動車の走行において最も重要な走行制御に関するデータ情報が伝送され、走行センサ類430の情報に基づいてエンジン制御、ステアリング制御、パワートレイン制御、ブレーキ制御等が行われる。
【0036】
走行監視系ネットワーク300では、ステレオカメラ321、赤外線カメラ330、超音波センサ340、ミリ波レーダ350、レーザレーダ360等からの情報に基づいて車両周辺状況の監視を行う。
【0037】
無線通信ネットワーク100では、GPS受信機132からの車両位置情報、VICS通信機140、電波ビーコン受信機130、光ビーコン受信機131からの交通情報、携帯電話150によるインターネットからの交通や気象関連情報等を受信し、これらの情報を他のネットワークへ配信する。
【0038】
車載マルチメディアネットワーク200では、ラジオ付きカーステレオ230やデジタルAV機器250からのオーディオやビデオ等のエンタテイメント情報をスピーカや表示モニター220bにより再生・表示する。また、上記無線通信ネットワーク100からの車両位置情報、交通情報等を受信し、ナビゲーション情報として地図データベース260aからの地図情報とともに表示モニター220aへ表示し、車両運転者の安全で快適なドライブを支援する。
【0039】
上記の無線通信ネットワーク100からの車両位置情報、交通情報等の情報は、走行監視系ネットワーク300でも参照され、総合的な車両走行監視が行われる。さらに、この車両走行監視結果は、走行制御系ネットワーク400において反映され、渋滞回避のための迂回や、道路上の障害物や危険物を避ける運転制御等の安全走行を実現する。
【0040】
ゲートウェイ110は、無線通信ネットワーク100内の通信を行う他、ナビゲーション+車載マルチメディア通信部210との通信を行う。さらに、特に重要な第1のゲートウェイとしての機能として、無線通信ネットワーク100からの情報のセキュリティーチェック(security check、安全性確認)機能を備える。すなわち、無線通信ネットワーク100からの外部情報が安全な所からのものであるか否かを確認し、不適切な相手との通信は直ちに切断する等、外部からのハッカー等の不法侵入を防ぐファイアウォール(firewall)機能や、必要に応じて通信相手を認証する認証機能や、通信データ中に含まれるウィルスの侵入を防止するウィルスチェック機能や、暗号の照合による認証を行う守秘機能等を備え、外部情報からのセキュリティーを確保するために可能な限りの手段を講じる。
【0041】
ナビゲーション+車載マルチメディア通信部210は、車載マルチメディアネットワーク200内の通信を行う他、ゲートウェイ110との通信、走行監視通信部310との通信を行う。
また、ナビゲーション機能として、GPS受信機132からの車両位置計測情報等に基づき車両位置を演算し、地図データベース260aからの地図情報に重畳して表示モニター220に車両位置を表示し、さらに音声案内等により目的地までの経路案内を行う。
また、ゲートウェイ110からの通信データのセキュリティーチェックを行う第2のゲートウェイとしてのゲートウェイ機能を備える。
第2のゲートウェイとして、さらに重要な機能として、第1のゲートウェイであるゲートウェイ110の動作確認機能を備え、ゲートウェイ110との通信においては、ゲートウェイ110の動作が正常であるか否かを常に判定しながら通信を行う。
【0042】
走行監視通信部310は、走行監視系ネットワーク300内の通信を行う他、ナビゲーション+車載マルチメディア通信部210との通信、走行制御通信部410との通信を行う。また、必要に応じて走行監視に関する画像処理エンジンとしても機能し、ステレオカメラ320からのステレオ画像処理や顔認識・指紋識別等の処理を行う。さらに、ナビゲーション+車載マルチメディア通信部210からの通信データのセキュリティーチェックを行うゲートウェイ機能を備える。
【0043】
走行制御通信部410は、走行制御系ネットワーク400内の通信を行うとともに、これに接続されるエンジン制御部、パワートレイン制御部等の走行制御系機器の制御処理を行う。また、走行監視通信部310からの通信データのセキュリティーチェックを行うゲートウェイ機能を備える。
【0044】
ゲートウェイ110は、前記のように無線通信ネットワーク100からの情報のセキュリティーチェックを行う第1のゲートウェイとしての機能を備えるが、セキュリティーチェックには限界があり万全とは言えない。すなわち、現実には、不特定の外部と通信するインターネットや電子メイルを経由して新種のウィルス等が侵入し、障害が発生する等の可能性が残されている。最悪の場合には、ゲートウェイ110内部のデータやファイルが盗まれたり、或いは破壊されてゲートウェイ110の制御が不能になり、さらにはゲートウェイ110に接続された他の処理部や機器の制御が不能になる場合が想定される。
【0045】
このような事態を防止するために、第2のゲートウェイとしてのナビゲーション+車載マルチメディア通信部210は、前記のように第1のゲートウェイであるゲートウェイ110の動作確認機能を備えている。
この動作確認機能として、ゲートウェイ110の動作状態を判定する判定手段と、判定結果に基づいてゲートウェイ110との接続を停止・開始する接続切換手段と、判定結果に基づいてゲートウェイ110を正常状態に復旧する復旧手段を備えている。
【0046】
図2は、この動作確認機能の処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS1にて、ナビゲーション+車載マルチメディア通信部210は、ゲートウェイ110の機能が正常か否かを確認するため、ゲートウェイ110に対して周期的に割り込みを発生させ、乱数等を含む所定データを送信する。次に、ステップS2にて、ゲートウェイ110は受信したデータを用いて所定の処理を行いその処理結果をナビゲーション+車載マルチメディア通信部210へ返送する。次に、ステップS3にて、ナビゲーション+車載マルチメディア通信部210は、返送された処理結果の処理時間や処理結果が正常か否かを確認する。具体的には、「所定のデータ転送が行われているか。」、「所定時間内にデータ転送が完了しているか。」、「所定処理の結果が誤っていないか。」等を確認する。
【0047】
次に、ステップS4にて、これらの確認結果に基づいて、判定手段によりゲートウェイ110の動作や機能が正常か否かを判定する。
ここで正常と判定された場合は、ステップS1に戻り、以後ステップS1からステップS4の処理を周期的に繰り返し行う。
ステップS4にて異常と判定された場合には、ステップS5へ進み、ゲートウェイ110に対してその出力を禁止させる出力禁止信号801を送信し、接続切換手段によりゲートウェイ110との通信を遮断する。その後、ステップS6へ進み、ゲートウェイ110の機能が異常であることを使用者(ユーザ)に通知し、使用者に対応方法を提示する。次に、ステップS7にて、使用者の指示を受けた後、復旧手段によりゲートウェイ110の機能を復旧する。具体的には、例えばゲートウェイ110のフラッシュメモリー等の書き換え可能メモリーに記憶されているゲートウェイ110用処理プログラムの全てを、ナビゲーション+車載マルチメディア通信部210のROM等の読み出し専用メモリーに記憶されているゲートウェイ110用処理プログラムにより書き換える等の再初期化処理を行うことにより、ゲートウェイ110の機能を復旧する。復旧がうまく完了した場合は、接続切換手段によりゲートウェイ110との通信を再開し、その後は上記の一連の確認処理を周期的に繰り返し行う。
【0048】
ゲートウェイ110の動作が正常か否かを確認する方法としては、以下のような方法が用いられる。
図2で示したようなウォッチドッグタイマの機能の一種である周期的に通信を行う方法、同様の通信を定時的に行う方法、状態情報として各処理部が動作していることを他の処理部に通報する生存通報による方法、周期的或いは定時的通信の所定時間からのばらつきをチェックする方法、結果が既知のデータ処理をゲートウェイ110に送りその実行結果を返送する方法、所定の処理プログラムのプログラム変更がなされたか否かをチェックサム等により確認する方法、処理プログラムの全てが所定のプログラムと同一であるか否かを照合結果により確認する方法、さらには、イベントモニターやパフォーマンスモニター等のデータを正常時と比較する方法等がある。
上記のうち、周期的或いは定時的通信の所定時間からのばらつきをチェックする方法や、イベントモニターやパフォーマンスモニター等のモニターデータを正常時と比較する方法では、データの統計的処理結果に基づいて判定することが可能である。具体的には、例えば過去の通信時間やモニターデータの値を所定個数以上記憶するとともに、それらの統計的処理結果である標準偏差値を算出しておき、今回の値が標準偏差値以下であれば正常、標準偏差値以上であれば異常と判定することが可能である。
以上のような動作確認方法を単独に或いは複合して用いることにより、ゲートウェイ110の動作状態について、信頼性の高い判定をすることができる。
【0049】
このように、実施の形態1によれば、情報通信系機器を接続する情報通信系ネットワークとしての無線通信ネットワーク100に接続される第1のゲートウェイとしてのゲートウェイ110と、ゲートウェイ110と移動体制御系機器を接続する移動体制御系ネットワークとしての走行監視系ネットワーク300或いは走行制御系ネットワーク400との間を接続する第2のゲートウェイとしてのナビゲーション+車載マルチメディア通信部210を備えた移動体電子装置おいて、ナビゲーション+車載マルチメディア通信部210は、ゲートウェイ110の動作状態を判定する判定手段と、判定結果に基づいてゲートウェイ110との接続を停止・開始する接続切換手段を備えるようにしたので、無線通信ネットワーク100から走行監視系ネットワーク300或いは走行制御系ネットワーク400への不適切情報を2つのゲートウェイ110、210により排除することができ、またゲートウェイ110が動作不良の場合でも走行監視系ネットワーク300或いは走行制御系ネットワーク400の正常動作を確保することができ、車両走行において信頼性の高い車載電子装置1を実現することができる。
【0050】
また、実施の形態1によれば、ナビゲーション+車載マルチメディア通信部210は、判定手段の判定結果に基づいてゲートウェイ110を正常状態に復旧する復旧手段を備えるようにしたので、ゲートウェイ110が一旦動作不良となった場合でも正常状態に復旧することにより、無線通信ネットワーク100と走行監視系ネットワーク300或いは走行制御系ネットワーク400との情報伝送を再開することができ、車両走行においてさらに信頼性の高い車載電子装置1を実現することができる。
【0051】
また、実施の形態1によれば、ナビゲーション+車載マルチメディア通信部210の備える判定手段は、ゲートウェイ110からの状態情報、或いは所定処理の実行結果、或いは所定データの照合結果に基づいて、ゲートウェイ110の動作状態を判定するようにしたので、ゲートウェイ110の動作状態について、信頼性の高い判定ができる。
【0052】
実施の形態2.
次に、車載電子装置1の他の内部構成例について述べる。
図3は、本発明の実施の形態2を示す車載電子装置1の構成図である。510は、実施の形態1の図1で示したゲートウェイ110とナビゲーション+車載マルチメディア通信部210を一体化して構成したゲートウェイ+ナビゲーション+車載マルチメディア通信部である。その他の構成は、実施の形態1の図1と同様である。
【0053】
ゲートウェイ+ナビゲーション+車載マルチメディア通信部510は、実施の形態1のゲートウェイ110及びナビゲーション+車載マルチメディア通信部210とほぼ同様の機能を備える。すなわち、ゲートウェイ機能、ナビゲーション機能を備えるとともに、無線通信ネットワーク100との通信、車載マルチメディアネットワーク200との通信、並びに走行監視通信部310との通信を行う。第1のゲートウェイとしてのゲートウェイ機能は、実施の形態1と同様に、無線通信ネットワーク100からの通信データのセキュリティーチェックを行う。
【0054】
走行監視通信部310は、実施の形態1と同様の機能を備える。すなわち、走行監視系ネットワーク300内の通信を行う他、ゲートウェイ+ナビゲーション+車載マルチメディア通信部510との通信、走行制御通信部410との通信を行う。
また、ゲートウェイ+ナビゲーション+車載マルチメディア通信部510からの通信データのセキュリティーチェックを行う第2のゲートウェイとしてのゲートウェイ機能を備える。
第2のゲートウェイとして、さらに重要な機能として、ゲートウェイ+ナビゲーション+車載マルチメディア通信部510の第1のゲートウェイとしてのゲートウェイ機能の動作確認機能を備え、ゲートウェイ+ナビゲーション+車載マルチメディア通信部510との通信においては、ゲートウェイ機能の動作が正常であるか否かを常に判定しながら通信を行う。
【0055】
ゲートウェイ+ナビゲーション+車載マルチメディア通信部510のゲートウェイ機能が異常と判定された場合は、走行監視通信部310は、ゲートウェイ+ナビゲーション+車載マルチメディア通信部510に対して走行監視通信部310への出力を禁止させる信号801を送り、ゲートウェイ+ナビゲーション+車載マルチメディア通信部510との通信を遮断する。
【0056】
このように、実施の形態2によれば、ゲートウェイ+ナビゲーション+車載マルチメディア通信部510のゲートウェイ機能が異常になった場合でも、走行監視通信部310及び走行制御通信部410と、これに接続された走行監視系ネットワーク300及び走行制御系ネットワーク400と、これらのネットワークに接続された各走行監視系及び走行制御系機器の正常動作を確保することにより、自動車の安全な走行を保障することができる。
【0057】
また、実施の形態2によれば、ゲートウェイ110とナビゲーション+車載マルチメディア通信部210を一体として構成したゲートウェイ+ナビゲーション+車載マルチメディア通信部510を備えるようにしたので、ゲートウェイ専用機器を設置する必要がなくなり、装置構成が簡単となり、装置の低価格化をはかることができる。
【0058】
実施の形態3.
図4は、本発明の実施の形態3を示す車載電子装置1の構成図である。610は、実施の形態2の図3で示した走行監視通信部310と走行制御通信部410を一体化して構成した走行監視通信部+走行制御通信部である。その他の構成は、実施の形態2の図3と同様である。
【0059】
走行監視通信部+走行制御通信部610は、実施の形態1或いは2の走行監視通信部310及び走行制御通信部410とほぼ同様の機能を備える。すなわち、走行監視系ネットワーク300内の通信、走行制御系ネットワーク400内の通信を行う他、ゲートウェイ+ナビゲーション+車載マルチメディア通信部510との通信を行う。
また、ゲートウェイ+ナビゲーション+車載マルチメディア通信部510からの通信データのセキュリティーチェックを行う第2のゲートウェイとしてのゲートウェイ機能を備える。
第2のゲートウェイとして、さらに重要な機能として、ゲートウェイ+ナビゲーション+車載マルチメディア通信部510の第1のゲートウェイとしてのゲートウェイ機能の動作確認機能を備え、ゲートウェイ+ナビゲーション+車載マルチメディア通信部510との通信においては、ゲートウェイ機能の動作が正常であるか否かを常に判定しながら通信を行う。
【0060】
ゲートウェイ+ナビゲーション+車載マルチメディア通信部510のゲートウェイ機能が異常と判定された場合は、走行監視通信部+走行制御通信部610は、ゲートウェイ+ナビゲーション+車載マルチメディア通信部510に対して走行監視通信部+走行制御通信部610への出力を禁止させる出力禁止信号801を送り、ゲートウェイ+ナビゲーション+車載マルチメディア通信部510との通信を遮断する。
【0061】
このように、実施の形態3によれば、ゲートウェイ+ナビゲーション+車載マルチメディア通信部510のゲートウェイ機能が異常になった場合でも、走行監視通信部+走行制御通信部610と、これに接続された走行監視系ネットワーク300及び走行制御系ネットワーク400と、これらのネットワークに接続された各走行監視系及び走行制御系機器の正常動作を確保することにより、自動車の安全な走行を保障することができる。
【0062】
また、実施の形態3によれば、走行監視通信部310と走行制御通信部410を一体化して構成した走行監視通信部+走行制御通信部610を備えるようにしたので、走行監視及び走行制御の各通信部を機器として別々に設置する必要がなくなり、装置構成が簡単となり、装置の低価格化をはかることができる。
【0063】
実施の形態4.
図5は、本発明の実施の形態4を示す車載電子装置1の構成図である。この実施の形態4では、実施の形態2の図3で示したゲートウェイ+ナビゲーション+車載マルチメディア通信部510から走行監視通信部310への通信を車載マルチメディアネットワーク200経由により行い、走行監視通信部310から走行制御通信部410への通信を走行監視系ネットワーク300経由により行うように構成している。その他の構成は、実施の形態2の図3と同様である。
【0064】
走行監視通信部310は、実施の形態1或いは2とほぼ同様の機能を備える。すなわち、走行監視系ネットワーク300内の通信により走行制御通信部410との通信を行う他、車載マルチメディアネットワーク200内の通信によりゲートウェイ+ナビゲーション+車載マルチメディア通信部510との通信を行う。
また、ゲートウェイ+ナビゲーション+車載マルチメディア通信部510からの通信データのセキュリティーチェックを行う第2のゲートウェイとしてのゲートウェイ機能を備える。
第2のゲートウェイとして、さらに重要な機能として、ゲートウェイ+ナビゲーション+車載マルチメディア通信部510の第1のゲートウェイとしてのゲートウェイ機能の動作確認機能を備え、ゲートウェイ+ナビゲーション+車載マルチメディア通信部510との通信においては、ゲートウェイ機能の動作が正常であるか否かを常に判定しながら通信を行う。
【0065】
ゲートウェイ+ナビゲーション+車載マルチメディア通信部510のゲートウェイ機能が異常と判定された場合は、走行監視通信部310は、ゲートウェイ+ナビゲーション+車載マルチメディア通信部510に対して、走行監視通信部310への出力を禁止させる出力禁止信号801を送り、ゲートウェイ+ナビゲーション+車載マルチメディア通信部510との通信を遮断する。
【0066】
実施の形態4によれば、ゲートウェイ+ナビゲーション+車載マルチメディア通信部510と走行監視通信部310の間の通信及び、走行監視通信部310と走行制御通信部410の間の通信に必要な信号線を、車載マルチメディアネットワーク100及び走行監視系ネットワーク200に代行させて減少させたので、各処理部の出力端子数が減り、装置の低価格化をはかることができる。
【0067】
実施の形態5.
図6は、本発明の実施の形態5を示す車載電子装置1の構成図である。
710は、実施の形態1の図1で示したゲートウェイ110、ナビゲーション+車載マルチメディア通信部210、走行監視通信部310、走行制御通信部410を一体化して構成したゲートウェイ+ナビゲーション+車載マルチメディア通信部+走行監視通信部+走行制御通信部である。その他の構成は、実施の形態1の図1と同様である。
【0068】
ゲートウェイ+ナビゲーション+車載マルチメディア通信部+走行監視通信部+走行制御通信部710では、実施の形態1において説明したゲートウェイ、ナビゲーション、車載マルチメディア通信部、走行監視通信部、走行制御通信部の個々の機能をソフトウェアにて全てエミュレーション(模倣)する。
【0069】
ゲートウェイ+ナビゲーション+車載マルチメディア通信部+走行監視通信部+走行制御通信部710に備える第1のゲートウェイとしてのゲートウェイ機能は、実施の形態1のゲートウェイ110と同様に、接続された無線通信ネットワーク100からの通信データのセキュリティーチェックを行う。
【0070】
また、ゲートウェイ機能以外の他の機能部は、第2のゲートウェイとして機能し、ゲートウェイ機能の動作確認機能を備え、エミュレーションにより実行されるゲートウェイ機能の動作が正常であるか否かを、常に自己診断する。もしゲートウェイ機能の異常を検知した場合には、ゲートウェイ機能の中断・復旧・再開を自動で行う。ゲートウェイ機能を復旧する方法としては、その機能プログラムを刷新して再起動する方法等が有効である。
【0071】
また、ゲートウェイ機能に限らず各機能部のエミュレーションプログラムを、他の装置類では使われていない特殊命令等で記述することにより、外部からのウィルス等により各機能部の制御を奪われる等の障害が発生する可能性は大きく低下する。
【0072】
実施の形態5によれば、ゲートウェイ110とナビゲーション+車載マルチメディア通信部210と走行監視通信部310と走行制御通信部410とを一体化して構成したゲートウェイ+ナビゲーション+車載マルチメディア通信部+走行監視通信部+走行制御通信部710を備えるようにしたので、各処理部の機器を別々に設置する必要がなくなり、装置構成が簡単となり、装置の低価格化をはかることができる。
【0073】
実施の形態6.
次に、以上のような車載電子装置1における各ネットワーク部の具体的構成例について述べる。
図7は、本発明の実施の形態6を示す車載電子装置1における各ネットワーク部のリング構成を示す構成図である。図7において、900はネットワーク、902a1から902anは処理機器、910aは通信部である。例えば、通信部910aは、実施の形態1の図1におけるナビゲーション+車載マルチメディア通信部210、走行監視通信部310、走行制御通信部410等に相当し、処理機器902a1から902anは、車載マルチメディアネットワーク200、走行監視系ネットワーク300、走行制御系ネットワーク400等に接続される各マルチメディア機器、走行監視系機器、走行制御系機器等に相当する。
【0074】
図7におけるリング構成では、一重の一方向通信であり、通信部910aからネットワーク900a経由の時計廻りでデータ通信が行われる。この一方向通信による一重のリング構成では、リング構成の一個所に断線が生じた場合に、その断線部分以降の処理機器との通信が行えなくなることが欠点であるが、ネットワークを安価に構築できることが長所である。
【0075】
リング構成の一方向通信を双方向通信とすると、リング構成の一個所が断線しても、断線部分で折り返し通信を行うことで、通信遮断とならないという長所がある。
【0076】
さらに、リング構成を二重化することにより、断線に対してさらに耐性の大きいネットワークを構築することができる。
【0077】
実施の形態7.
図8は、本発明の実施の形態7を示す車載電子装置1における各ネットワーク部のスター構成を示す構成図である。図8において、900bはネットワーク、902b1から902bnは処理機器、910bは通信部である。
スター構成の場合、ネットワーク900b内にカプラーを持ち、通信する信号は行き先別に切り換えて送られる。ピア・ツー・ピア(peer to peer)の2端の通信に適した構成である。ピア・ツー・ピア通信を使うと、階層化することでツリー構成も実現できる。カプラー等のスイッチ回路を使った場合は、価格は高くなるが、通信速度を速くすることできる。
【0078】
実施の形態8.
図9は、本発明の実施の形態8を示す車載電子装置1における各ネットワーク部のバス構成を示す構成図である。図9において、900cはネットワーク、902c1から902cnは処理機器、910cは通信部である。ネットワーク900cの端部のTはターミネータであり終端整合を行う。バス構成であるので、同時には一つのデータ転送しか行われないが、ネットワークの構成を簡単で安価にできることが長所である。
【0079】
尚、実施の形態6から8では、本発明にて適用可能なネットワーク構成の例を示したが、これらに限定されるものではなく、ブルートゥース(Bluetooth、登録商標、短距離無線通信の一種)による無線ネットワーク等の他のネットワーク構成を用いても良い。
【0080】
また、実施の形態1から8においては、移動体として自動車に搭載される車載電子装置1を例として説明したが、飛行機や船舶等のその他の移動体に搭載される移動体電子装置に対しても、本発明が同様に適用できることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の実施の形態1を示す車載電子装置の構成図である。
【図2】本発明の実施の形態1における車載電子装置の動作確認機能の処理の一例を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施の形態2を示す車載電子装置の構成図である。
【図4】本発明の実施の形態3を示す車載電子装置の構成図である。
【図5】本発明の実施の形態4を示す車載電子装置の構成図である。
【図6】本発明の実施の形態5を示す車載電子装置の構成図である。
【図7】本発明の実施の形態6を示す車載電子装置の各ネットワーク部のリング構成を示す構成図である。
【図8】本発明の実施の形態7を示す車載電子装置の各ネットワーク部のスター構成を示す構成図である。
【図9】本発明の実施の形態8を示す車載電子装置の各ネットワーク部のバス構成を示す構成図である。
【符号の説明】
【0082】
1 車載電子装置、100 無線通信ネットワーク、110 ゲートウェイ、130 電波ビーコン受信機、131 光ビーコン受信機、132 GPS受信機、133 VICS受信機、140 ETC通信機、141 DSRC通信機、150 携帯電話、151 電話用ヘッドセット、152 FAX/モデム、153 Emergency Callシステム、160 パソコン、161 LAN、162 PDA、170〜190 アンテナ、200 車載マルチメディアネットワーク、210 ナビゲーション+車載マルチメディア通信部、220 表示モニター、230 ラジオ付きカーステレオ、240 アンテナ、250 ディジタルAV機器、260 地図データベース、300 走行監視系ネットワーク、310 走行監視通信部、320 ステレオカメラ、330 赤外線カメラ、340 超音波センサ、350 ミリ波レーダ、360 レーザレーダ、370 室内センサ類、380 車両センサ類、400 走行制御系ネットワーク、410 走行制御通信部、430 走行センサ類、440 エンジン制御部、450 ステアリング制御部、460 パワートレイン制御部、470 ブレーキ制御部、510 ゲートウェイ+ナビゲーション+車載マルチメディア通信部、610 走行監視通信部+走行制御通信部、710 ゲートウェイ+ナビゲーション+車載マルチメディア通信部+走行監視通信部+走行制御通信部、801 出力禁止信号、900 ネットワーク、902 処理部、910 通信部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報通信系機器を接続する情報通信系ネットワークと、前記情報通信系ネットワークと移動体制御系機器を接続する移動体制御系ネットワークとの間を接続するゲートウェイを備えた移動体電子装置において、前記ゲートウェイは、前記情報通信系ネットワークの動作状態を判定する判定手段と、判定結果に基づいて前記情報通信系ネットワークとの接続を停止・開始する接続切換手段を備えたことを特徴とする移動体電子装置。
【請求項2】
ゲートウェイは、判定手段の判定結果に基づいて情報通信系ネットワークを正常状態に復旧する復旧手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の移動体電子装置。
【請求項3】
判定手段は、情報通信系ネットワークからの状態情報、或いは所定処理の実行結果、或いは所定データの照合結果に基づいて、情報通信系ネットワークの動作状態を判定することを特徴とする請求項1記載の移動体電子装置。
【請求項4】
ゲートウェイは、情報通信系ネットワークに接続された情報通信系機器或いは移動体制御系ネットワークに接続された移動体制御系機器の何れかに含まれることを特徴とする請求項1記載の移動体電子装置。
【請求項5】
ネットワークへの機器接続構成は、リング構成であることを特徴とする請求項1記載の移動体電子装置。
【請求項6】
リング構成は、双方向通信が可能であることを特徴とする請求項5記載の移動体電子装置。
【請求項7】
リング構成は、2重であることを特徴とする請求項5記載の移動体電子装置。
【請求項8】
ネットワークへの機器接続構成は、スター構成であることを特徴とする請求項1記載の移動体電子装置。
【請求項9】
ネットワークへの機器接続構成は、バス構成であることを特徴とする請求項1記載の移動体電子装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−240610(P2006−240610A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−45564(P2006−45564)
【出願日】平成18年2月22日(2006.2.22)
【分割の表示】特願2000−255612(P2000−255612)の分割
【原出願日】平成12年8月25日(2000.8.25)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】