説明

空気コンプレッサ

コンプレッサは、圧縮空気の供給源に接続される油セパレータを備え、前記油セパレータは、内部に空洞を規定する壁を有するチャンバーと、前記壁の内部の通気路と、を備え、 前記通気路は、前記圧縮空気の前記供給源に第1の端で連通するとともに、前記空洞と(第2の開口を介して)連通し、前記壁の外周表面に略平行に延設されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気コンプレッサに関する機器、システム、方法に関連し、特にそれに限るものではないが、ファイバー吹込み方法で用いられる光ファイバーユニット及びケーブルの設備において用いられるコンプレッサに関連する。
【背景技術】
【0002】
欧州特許出願公開第108590号明細書、及び、後述する公開公報から、ファイバー吹込み技術は、流体媒体(実際は、空気コンプレッサからの圧縮空気)の高速流れにより発生する粘性抵抗を用いて、光ファイバーチューブ又はダクトの内部に光ファイバー伝達ラインを装備することを、伴うことは周知である。重要な要素として、まずプラスチックのチューブ又は導管が、経路に沿って、又は、光ファイバーの接続に望ましい又は要求される位置に、設置される必要がある。(単一のファイバーの束を備える)光ファイバーユニットをこれらの経路に沿って配置する重要な決定として、導管を通過する“吹込み(blowing)”によってファイバーを導管に通し、装備する決定が行われる。
【0003】
このような装備過程に必要な機器には、吹込みヘッド及び空気コンプレッサが含まれる。装備過程では、ファイバーチューブの一端が吹込みヘッドに取付けられ、チューブの孔が吹込みヘッドの内部の孔と連通している。ファイバーユニット及び空気は、吹込みヘッドの孔を通って、チューブの孔に挿入される。このように、吹込みヘッドは2つの主な機能を有し、この機能は、一対の駆動車輪を用いてファイバーユニットをチューブ内へ機械的に駆動することと、空気ホースを介してコンプレッサからの加圧空気をチューブ内へ向けることである。
【0004】
従来、ファイバー吹込み装備において、大きいサイズ及び重い(sheer)重量等の様々な理由により、少なくとも2人のオペレータが必要であった。出願人によって従来使用されているコンプレッサは、重量が85kgで、1人では持ち上げることができない。コンプレッサが車輪フレームに取付けられている場合、コンプレッサをバン(van)から取り外すことは、非現実的で、難しく、危険である。このコンプレッサ又は同様のものが、ファイバー吹込みの専門家によって、英国(UK)及び世界中で用いられ、このようなコンプレッサには、例えばガソリンエンジン駆動の6Aファイバー吹込みコンプレッサ(6A Petrol Engine Driven Blown Fibre Compressor)、(イタリア、ミラノのプリズミアン(Prismian)S.p.a社の)シロッコガソリンコンプレッサ(Sirocco Petrol Compressor)等がある。
【0005】
供給された空気は、適切なファイバー吹込みに必要な特定の判断基準を満たす必要がある。判断基準には、
・ 圧力
・ 体積
・ 温度
・ 乾燥度
・ 油の残留(carryover)
・ パルスのない、円滑な配給
が含まれる。
【0006】
空気は、十分な速度でチューブの内部を流れる必要があり、これにより流体抵抗を発生させ、ファイバーチューブ内にファイバーユニットが運ばれる。ファイバー吹込み装備過程で要求される空気圧力及び流れレベルは、(前述の) 欧州特許出願公開第108590号明細書で議論されている。ファイバー吹込み装備におけるコンプレッサにより空気のパルスのない、円滑な供給が行われることを、出願人は必要としている。空気が相対的に乾燥していることにより、凝縮による湿気が装備過程に干渉しなくなる。一方、空気が乾燥していないことにより、チューブを通過するファイバーユニットの移動によって静電気が発生する。空気温度は空気乾燥度に関連するため、コンプレッサによって生成される空気は大気(ambient)において2℃以下であることを、出願人は必要としている。
【0007】
既に認識のように、コンプレッサの加圧された空気は、吹込みヘッドの孔を介してファイバーチューブ内に向けられる。典型的な吹込みヘッドは、互いに固定された2つの部分を備え、半分より多い加圧空気が、吹込みヘッドの狭い孔へ汲み出され、シーム(seam)を通って逃げる。結果として、吹込みヘッドで廃棄され、決してチューブに到達しない空気を補う必要性から、出願人は、大量の空気を供給可能な、サイズ及び出力が大きいコンプレッサを用いる必要がある。従来では、出願人は、1分当たりに200リットル供給可能なコンプレッサを使用している。
【0008】
従来のファイバー吹込み装備の処理では、2人のオペレータを必要とする労働基準であり、空気の廃棄により、厳密に必要な量を出力する装備よりサイズ及び出力の大きい装備を使用する必要がある。したがって、装備におけるコストが高くなる。例えば光ファイバーが高価値の商用顧客に提供されるサービスであったため、かつてはこのような支出は許容範囲であった。しかし、光ファイバーは、ネットワークを通して世界中に大量に展開されるようになっている。例えば英国では、次世代ネットワーク(BT“21世紀ネットワーク”)への移行計画、場外取引市場(Kerb)又はホーム(Home)でのファイバーへの移行等、すべての地点において様々なレベルでネットワークを通して大量の光ファイバーがますます展開され、これらの光ファイバーでは装備方法として吹込みが選択されている。コストを減らす圧力は、特に価格に敏感な住居顧客への光接続の提供において、起こる。
【0009】
対応として、出願人は廃棄空気のレベルを減少させた改良した吹込みヘッドを開発し、これによりコンプレッサからファイバーチューブ内へより大量の空気が配給される。このことは、国際公開第2006/103424号パンフレットに開示されている。改良の結果として、国際公開第2006/103424号パンフレットの発明特定事項を含む吹き込みヘッドと伴に、より出力の小さいコンプレッサを使用可能となる。
【0010】
結果として、小型かつ軽量であるため、1人のオペレータにより持ち上げ、安全に装備位置へ配給可能で、かつ、安全にセットアップ及び管理可能な、持ち運び可能なコンプレッサの使用により、装備における時間及びコストのマンパワー(manpower)が実質的に半分になる。このような軽量のコンプレッサにおいても、連続して行われるファイバー吹き込み装備で必要とされる前述の工業特性の空気を、確実に生成することが必要となる。
【0011】
従来、信頼性の高い連続する装備の過程において要求される基準の空気を生成可能で、工業で適用されるコンプレッサは、25kgより重く、25kgは1人のオペレータによって現実的に持ち運べる限界である。したがって、コスト効率が良く、広範囲に及ぶ(widespread)ファイバー吹込みの装備の実現には、適用されるコンプレッサの必須要素の配置において厳密な設計上の制約を受ける。
【発明の概要】
【0012】
本発明の第1の態様では、圧縮空気の供給源に接続される油セパレータを備え、前記油セパレータは、内部に空洞を規定する壁を有するチャンバーと、前記壁の内部の通気路と、を備え、前記通気路は、前記圧縮空気の前記供給源に第1の端で連通するとともに、前記空洞と第2の開口を介して連通し、前記壁の外周表面に略平行に延設されるコンプッレサを提供する。
【0013】
全体の型を小さくし、重量を約3.5分の1にしたため、コンプレッサの様々な構成要素のサイズがスケールダウンし、構成要素が互いに対して再配列及び再配置された小さいバージョン(versions)に置き換えられる。1つの重要な変化は、大きいモータエンジンが小さいエンジンに置き換えられたことであり、小さいエンジンは要求される10barまで加圧された空気を生成するが、空気の漏れ及び廃棄の少ない吹込みヘッドに改善されたため、従来と同一の量の空気を生成する必要はない。
【0014】
本発明にかかる実施形態のコンプレッサでは、必須でない全ての構成要素を省き、要求されたサイズ及び重量パラメータにすることにより、油セパレーションユニットが空気に対して直接的に露出する。少なくとも英国では、空気は典型的にコンプレッサの操作温度よりも冷たく、空気は確実にコンプレッサチャンバーから流出する圧縮空気より冷たい。圧縮空気は大量の湿気を運ぶこともあり、湿気は油セパレータ内に流入して急激に冷却されることにより、セパレーションチャンバー内に水として留置される(dumped)。チャンバー内に過度の量の水が存在することにより、油フィルタの操作が干渉される。
【0015】
この課題を解決するために、圧縮空気とともに運ばれる水蒸気を、セパレーションチャンバーに流入する前に除去する。このことは、セパレーションユニットの壁に沿って延設され、温かく、湿気を多く含む空気が通る通気路(vents)によって行われ、チャンバー内に流入する前に、湿気の少なくとも一部が凝縮する。
【0016】
好ましい実施形態では、通気路はチャンバー本体の表面に沿って設けられるチャンネル又は溝の形状であり、ハウジングがチャンバー本体を覆うことにより、孔が形成され、孔に沿ってチャンバー内へ向かう途中の圧縮空気が移動する。
【0017】
本発明の特定の実施において、コンプレッサユニットに対してモータの設備を、サイズ及び重量を小さくする設計となっている。周知のように、小さいモータは、大きいモータより高速で最適に(すなわち、高い効率で)起動される。したがって、小さいモータによって直接的に駆動される場合、回転する回転子に取付けられたコンプレッサブレードは、高速で移動する。ブレードの高速は最適ではなく、実際に圧縮空気の生産性は低下する。これは、流入する空気が間の(interlobe)スペース全体を占める十分な時間がないため、取込み段階において空気が間のスペースに流入不可能な程度まで、移動するブレードの間のスペースが効果的に減少するからである。
【0018】
好ましい実施形態では、コンプレッサはモータによってベルト駆動される(すなわち、間接的に駆動される。)。コンプレッサとモータとの間でギア比を変化させることにより、小さいモータを用いて、適切な速度で操作されることにより、最適でないとしても、良いコンプレッサ性能を実現可能となる。有利なことに、ベルト及びプーリを用いることにより、コンプレッサ及びモータが互いに対して平行に配置され、コンプレッサの全体の本体(bulk)及び型(footprint)が直接的に減少し、1人のオペレータによって容易に扱うことが可能に改善される。
【0019】
本発明の第2の態様では、本発明のコンプレッサによって供給される加圧空気を用いて、チューブの内部に光ファイバーを装着するシステムを提供する。
【0020】
本発明の第3の態様では、本発明のコンプレッサによって供給される加圧空気を用いて、チューブに光ファイバーを挿入する方法を提供する。
【0021】
本発明に係るコンプレッサは、装着の際に吹込みヘッドを介してチューブ内へ空気を供給する状況において有用であるが、本発明は工業、商業等のその他の分野でも有用である。
【0022】
本発明の実施形態を、添付の図面を参照して、例示的に後述する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】ファイバー吹込み方法を用いた光ファイバーの装着に用いられる周知の機器を示す概略図。
【図2】周知のコンプレッサの主な構成要素を示す概略図。
【図3】本発明に係る例示的なコンプレッサの構成要素の側面図。
【図4A】本発明に係る例示的なコンプレッサの特定の構成要素を詳細に示す図。
【図4B】本発明に係る例示的なコンプレッサの特定の構成要素を詳細に示す図。
【図5】油セパレータをコンプレッサのその他の部分から独立させて示す図。
【図6】油セパレータをハウジングがない状態で示す図。
【図7】油セパレータの内部構成を示す切断図。
【発明の詳細な説明】
【0024】
図1は、周知のファイバー吹込み設備を示し、ここではファイバーユニット(F)は、吹込みヘッド(20)を介して、圧縮空気(22)の供給によって補助された状態で、矢印“X”の方向について吹込みチューブ(T)の内部へ挿入されている。
【0025】
図2は、設備に圧縮空気(22)を供給する典型的な回転羽根式コンプレッサ(30)を概略的に示している。コンプレッサは、径方向スロット(6)を備える固定子又は回転子(4)を有し、径方向スロットには羽根又はブレード(8)が挿入されている。ハウジングには油が収容され、操作の間ではハウジングの内部のすべての表面が油(10)のフィルムで覆われている。回転子は、ハウジング(10)内の片寄った(offset)位置に取付けられ、ブレードの外端又は先端は、(典型的に断面が円形の)ハウジングの壁にかすめる、接触する、又は、ほとんど接触している。結果的に、囲まれた間の(interlobe)セル又は空間がブレードとハウジング壁の間に形成され、これらのセル又は空間は図においてS1〜S8で示されている。囲まれた空間は、ハウジングに対する回転子の位置の片寄り又は偏心のため、互いに異なる体積を有する。使用において、回転子は、ここでは矢印“Y”の方向に、回転する。例えば遠心力の結果として、スロットの油フィルム上でブレードが対応するスロットの中へ及び外へスライドする。ブレードの外端は、ハウジングの壁に連続して接触したままであり、ハウジングの壁は、ブレード先端及びハウジング壁を覆う油フィルムを、間のスペースである密封チャンバーを形成している。
【0026】
使用の間、大気空気は、矢印“Z”の方向にコンプレッサの中に移動し、コンプレッサを通って、最終的にはコンプレッサの外に移動する。矢印“Y”の方向に沿ってブレードが移動するため、回転子が回転するにつれて、最初に存在する、又は、空気流入口(12)から囲まれたスペースS1内へコンプレッサに流入した空気の体積は減少する(矢印の方向に回転子が進むにつれて、順にスペースS2〜S6の体積と相当量になると想定される。)。この過程では、特定の部分の空気が空気流出口(14)に到達するまで、囲まれたスペースに収容される空気が徐々に圧縮され、最終的に空気がコンプレッサから排出するまで空気圧力を維持する設計のダクトに空気が流出される。ハウジングからの出口において、圧縮空気は、ハウジングに流入する前に比べ、温かく、湿っている。また、空気には、ハウジング内で移動する間に油が含有される。このため、コンプレッサから流出され、吹込みファイバーに流入する空気が適切な温度/乾燥度にされ、比較的にオイルフリーとなる状態に、圧縮空気が処理されなければならない。
【0027】
空気の油を除去するために、空気は、特定の長さの経路及びコンプッレサの本体内の構成を通って、内部の空気圧力を通過し、経路及び本体内の構成では、未処理の空気が様々な油セパレータ、フィルタ、ドライア、クーラへ導かれるとともに、通過し(これらの油セパレータ等はコンプレッサの一部と一体であるか、又は、コンプレッサと別体である。)、これにより空気が処理され、所望の特性が得られる。処理された空気は最終的に圧縮空気(22)としてコンプレッサから流出し、図1に示すように、コンプレッサを介してファイバーチューブ内に供給される。コンプレッサを起動する典型的なモータは、Honda GX240QX オーバーヘッドバルブ(OHV)ガソリンエンジンであり、コンプレッサハウジング内で、例えばギア比を変化させることなく、直接的に回転子(40)を駆動する。
【0028】
図3は、本発明に係るコンプレッサ(50)を例示的に示す側面図である。ファクテイア社(Factair)の6Aコンプレッサと比較すると、このコンプレッサはかなり小さい(6AコンプレッサがL900mm×W500mm×H750mmに対し、L520mm×W300mm×H460mm)。また重要なことに、このコンプレッサは軽く(6Aコンプレッサが85kgに対し、23.5kg)、持ち上げることが可能である。また、本発明のコンプレッサは、6Aコンプレッサに比べ生成される体積が小さいにもかかわらず(6Aコンプレッサが200l/minに対し、70l/min)、10barに圧縮された空気を生成可能であり、空気損失がかなり減少させる改良した吹込みヘッドを用いた十分な設備である。
【0029】
要するに、コンプレッサは、ベルト(72)によってモータエンジン(58)に連結されるコンプレッサハウジング(56)を備える。コンプレッサは燃料タンク(60)を備え、主電源又はバッテリを介しての電気が切られた構成においても、コンプレッサはガソリンによって作動される。コンプレッサハウジングに流入した空気は、コンプレッサに連結された空気フィルタ(66)及びセパレータ(64)によって濾過され、油を圧縮空気から除去することが可能となる。ファン(70)は、コンプレッサチャンバーから油クーら(62)内に到達した熱い油を冷却する位置に、配置されている。また、圧力ゲージ(68)が設けられている。軽量のコンプレッサ(50)は、フレーム(52)と、コンプレッサを持ち上げることを可能にするハンドル(52)と、を備える。
【0030】
本発明のコンプレッサは、サイズ、重量、及び、必要な動力の減少を考慮して、より小さいエンジンで作動される。適切なモータは、Honda GXH50であり、約4200〜7700rpmの範囲で操作する。コンプレッサ回転子の回転速度の増加により、あるポイントまで生成される空気体積が増加し、このポイントからさらに速度を増加させても、反対に生成効率は低下する。生産効率の低下は、ブレードの回転速度が増加するにつれて、空気流入口(図2の12)を通って(図2の)間のスペースS1に流入する空気が利用可能な露出部(exposure)又は流れるクリアランス等の囲まれた又は間のスペースが、効果的に減少するためである。空気がスペースS1に流入不可能であることに加え、さらに高速では、スペース内に発生する高圧によりスペース内の空気が流入チューブに逆流する。また、超高速コンプレッサでは、ブレードとハウジング壁との間の油フィルムが弱まり、密封効果が軽減される。
【0031】
本発明の例示的なコンプレッサでは、配置される小さいエンジンが、コンプレッサ回転子の適切な走行速度を超える速度で、適切に駆動される。コンプレッサが所望の低走行速度に適応するように、システムは、詳細が図4A及び図4Bに示されるギア機構を備える。
【0032】
モータ(58)は、コンプレッサプーリ(74)を介してベルト(72)を用いてコンプレッサ(56)を駆動するプーリ(76)を備える。当業者は、同一の部分にいかなるその他のタイプのギア機構又は技術を適用してもよい。図4A及び図4Bの2つの図に示すように、コンプレッサプーリ(74)はモータプーリ(76)より大きく、高速のモータによりハウジング内のコンプレッサ回転子が減速された速度で駆動する。例示的なこのコンプレッサでは、ギア比が2:1であり、出力5350rpmのエンジンにより、2675rpmの速度でコンプレッサが起動する。
【0033】
前述のようにコンプレッサをエンジンと伴にギア取付け及び位置決めすることにより、コンプレッサの型(footprint)を小さくすることが可能となる。ファイバー吹込み設備において必要な空気圧力及び体積に適切な出力の、より小さく、より軽いモータが使用可能であるため、装置の重量及びサイズが小さくなる。
【0034】
当業者は、前述の構成を、同様にサイズ及び重量が小さくされたいかなる型の専門用のコンプレッサに使用してもよく、このコンプレッサは工業目的において高品質で空気を供給し、回転羽根を使用することに加えて、例えばピストン又は回転ネジコンプレッサを備える。また、コンプレッサの作動は回転移動に制限されるものではなく、ピストンコンプレッサにおいてシリンダ内のピストンが移動してもよい。
【0035】
特定の構成によりコンプレッサの重量及び型の両方が小さくなる結果として、油セパレータ(64)(図5ではコンプレッサの他の部分から分離して示されている。)が相対的に露出する。前述し、かつ、図3で示すように、油セパレータは、一端がコンプレッサ(56)に接続されている。コンプレッサから油セパレータに流入する圧縮空気は、油を多く含んでいる。また、圧縮されるため、空気は温かく又は熱く、蒸気の形態である空気の湿度は高い。
【0036】
露出された位置のため、油セパレータは、コンプレッサユニットから到達する空気に対して冷たい。急激な温度減少により空気に含まれる水蒸気は、凝縮し、油セパレータ内へ流入する。このことは、チャンバー内に蓄積した水によって、油フィルタの効率を減少させる等、圧縮空気からの油の除去の過程に干渉するため、課題となる。また、コンプレッサシステムへの水の流入により、経時的に油が希釈され、最終的にコンプレッサが損傷するか、又は、厳密には少なくとも操作性が低下する。慣用のコンプレッサでは、油セパレータはアセンブリ内の相対的に閉鎖された領域に位置し、周囲環境との直接接触から保護され、アセンブリ内のその他の構成要素の操作によって温められていることもある。結果として、慣用のコンプレッサの油セパレータ内での凝縮レベルは、低い。サイズ及び重量を小さくすることを強調したコンパクトな設計により生じ、かつ、必要となるセパレータの相対的に露出した配置のため、本発明のコンプレッサでは少なくとも一部でより高い凝縮レベルが生じ、慣用のコンプレッサ設備と比較して、分離されたチャンバーが到達する空気より冷たくなる。
【0037】
図5に戻って、図5はハウジング(74)を備える油セパレータを示し、ハウジングはプレート(72)を介して一端がコンプレッサに接続され、他端に圧力ゲージ(68)が取付けられている。図から認識可能であるが、油セパレータは略シリンダ状であり、内部に形成されるチャンバー(80)は、シリンダの一端が取付けられるプレートによって一部が囲まれ、ハウジングによってその他のサイドが囲まれている。
【0038】
図6及び図7は、過度の凝縮という特定の課題を処理する油セパレータの構成を示している。図6は、例示的なこの油セパレータにおいて、ハウジングを省略して、内蔵の油セパレータチャンバー(8)を示している。チャンバーの表面には、チャンネル又は溝(88)が設けられている。図で示される実施形態では、シリンダの長さだけ延設され、中央開口(aperture)又は孔(bore)まで径方向に延設される1つ以上のチャンネルであり、開口又は孔はシリンダ状のチャンバーを貫通して、中央空洞まで延設されている。ハウジング(74)を伴ってある箇所では、空気の流れが通過する通路に適切な孔又は通気路(vents)を、チャンネルがハウジングの内壁と協働して形成している。
【0039】
使用において、コンプレッサユニットからの圧縮空気は、これらの通気路を通って導かれる。チャンバーの表面に沿ったこれらのチャンネル/通気路を通る空気の移動方向は、図6において矢印で示され、コンプレッサユニットへ及びコンプレッサユニットから連通する開口(82)からの流れは、シリンダの長さ又は高さに沿ったチャンネル(88)に沿って流れ、角の近傍から開口(90)へ径方向に向かい、油セパレーションチャンバーの内部に導かれる。すなわち、孔又は通気路は、セパレータチャンバーの表面に平行に延設されている。
【0040】
図7は、油セパレータ(64)の切断図又は断面図であり、長手軸に沿ったチャンバーの内部を示している。図から認識可能なように、開口(90)は中央空孔(hollow)又は空洞に連通し、空孔又は空洞では慣用の方法を用いて圧縮空気から油が分離される。空気は開口(90)を介してチャンバー内に流入し、チャンバー内をチャンバーに沿って通過し、最終的には矢印で示すようにチャンバーから流出する。
【0041】
油セパレータの内部構成により特定の空気流れの経路が形成されるため、セパレータの位置によって生じる過度の凝縮が軽減される。既に認識のように、油セパレータの露出部分はコンプレッサ及びモータの平行配置から引き出され(derived)、代わりに高効率の出力を維持しつつ、コンプレッサの全体のサイズ及び重量を小さくする目的が実現される。
【0042】
使用において、油及び水蒸気の両方を多く含む圧縮チャンバーから到達する熱い空気は、油セパレーションユニットの表面の近傍の通気路又はチャンネルに沿って導かれることにより、冷却され、通気路又はチャンネルは典型的に構成要素全体で最も冷たい部分である。通気路と記載される経路は、ハウジングの表面の近傍でかつ略平行に延設されることが好ましく、これにより冷却の効果が増す。
【0043】
この経路に沿って圧縮空気が導かれることにより、そうでなければセパレーションチャンバー内へ放出される水の量が減少するとともに、熱い空気及び油の温度が低下し、そして結果として、油セパレータの効率が改善され、ほとんど油が残留しなくなる。
【0044】
当業者により、図面に示す構成の様々な変形例が想到される。例えば、油セパレーションチャンバーの表面のチャンネル又は孔(88)の機能が、空気通気路として作用するセパレータハウジングと同軸の壁との間の環状スペースの全体又は一部によって、行われてもよい。ハウジングは、チャンバーから取り外し可能でもよく、チャンバーに固定されてもよい。後者の場合、分離可能なハウジングは設けられず、一体のチャンバーの壁の内部に空気が流れる構成の通気路がドリルされ、又は、設けられ、孔又は通気路は油セパレーションチャンバーの外周表面に略平行に又は沿って延設されている。
【0045】
前述の及び図面の方法及び構成は、説明を容易にするものであり、機器又は方法を使用される特定の設備又は処理に限定するものではない。既に認識のように、前述の方法及び機器は例示的なものであり、様々な流体のコンプレッサにおいて有効に適用される。同様に、本発明はファイバー吹込みの分野での適用に限るものではなく、工業又はその他の適切な分野にて適用可能である。また、開示された発明の範囲内において、前述の方法及び機器の並び替え及び置換を当業者が可能であることは、明らかである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮空気の供給源に接続される油セパレータを備え、
前記油セパレータは、
内部に空洞を規定する壁を有するチャンバーと、
前記壁の内部の通気路と、
を備え、
前記通気路は、前記圧縮空気の前記供給源に第1の端で連通するとともに、前記空洞と第2の開口を介して連通し、前記壁の外周表面に略平行に延設されるコンプッレサ。
【請求項2】
前記通気路は、孔を備える請求項1のコンプレッサ。
【請求項3】
前記通気路から回収された水を除去する手段をさらに備える請求項1又は2のコンプレッサ。
【請求項4】
油セパレータハウジングをさらに備え、
前記壁の前記外周表面に沿ってチャンネルが設けられ、
前記チャンネルが前記ハウジングの内周表面と協働して、前記通気路を形成する請求項1乃至3のいずれか1のコンプレッサ。
【請求項5】
コンプレッサハウジングと、
流体媒体が利用可能なスペースを減少させることによる前記流体媒体の圧縮に用いられる、前記コンプレッサハウジングの内部の可動要素と、
操作の間に前記可動要素を移動させるモータであって、前記可動アームが前記モータの操作速度と異なる速度で移動する状態に、ギアリングを介して平行配置で前記可動要素に連結されるモータと、
をさらに備える請求項1乃至4のいずれか1のコンプレッサ。
【請求項6】
前記可動要素は、前記モータの前記操作速度より低速度で移動する請求項5のコンプレッサ。
【請求項7】
前記可動要素は、回転羽根状のブレードを備え、
前記モータは、操作の間に前記ブレードを回転させる状態に配置されている請求項6又は7のコンプレッサ。
【請求項8】
前記流体媒体は、空気である請求項5乃至7のいずれか1のコンプレッサ。
【請求項9】
前記ギアリングは、ベルト及びプーリを含む設備を備える請求項5乃至8のいずれか1のコンプレッサ。
【請求項10】
前記圧縮流体媒体は、10barまで加圧される請求項5乃至9のいずれか1のコンプレッサ。
【請求項11】
前記流体媒体は、パルスのない円滑な空気を得る状態にさらに処理され、前記処理により過度の湿気、過度の乾燥、過度の熱性、及び/又は、過度の油がなくなる請求項5乃至請求項10のいずれか1のコンプレッサ。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれか1のコンプレッサによって供給される加圧空気を用いて、チューブの内部に光ファイバーを装着するシステム。
【請求項13】
請求項1乃至11のいずれか1のコンプレッサによって供給される加圧空気を用いて、チューブに光ファイバーを挿入する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2012−522172(P2012−522172A)
【公表日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−502761(P2012−502761)
【出願日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際出願番号】PCT/GB2010/000383
【国際公開番号】WO2010/112800
【国際公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【出願人】(390028587)ブリティッシュ・テレコミュニケーションズ・パブリック・リミテッド・カンパニー (104)
【氏名又は名称原語表記】BRITISH TELECOMMUNICATIONS PUBLIC LIMITED COMPANY
【Fターム(参考)】