説明

空気圧作動式液体分配弁及び方法

【課題】ピストンおよび付随する動的シールを用いない液体分配弁を提供する。
【解決手段】弁部材30が開放位置と閉鎖位置との間で液体排出口18に対して移動するように取り付けられ、作動部分40が、液体分配部分12と連結されており、膨張式ブラダー構造体50を含む。膨張式ブラダー構造体は正圧空気の空気供給部72と流体連通して連結される内側部60aを含む。ブラダー構造体は正圧空気によって拡張して、弁部材を開放位置か閉鎖位置のうちの少なくとも一方から開放位置か閉鎖位置のうちの他方へ移動させることができ、ホットメルト接着剤等の液体を分配する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、空気圧作動式液体分配弁、例えば、液体ホットメルト接着剤を分配するように設計されている空気圧作動式液体分配弁に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、ホットメルト接着剤等の液体を受け入れる液体注入口と、ビード、ドット、渦巻き状フィラメント又は噴霧形態等の種々の形態で液体を排出する液体排出口とを含む液体分配部分を空気圧作動式液体分配弁は用いる。開放位置と閉鎖位置との間で往復移動するように取り付けられている弁棒やニードル等の弁部材を分配弁は更に備える。弁棒とともに移動するように連結されているピストン等の空気圧アクチュエーターを作動部分は含む。ピストンはピストンチャンバ内にあり、液体がピストンチャンバへ漏洩することや加圧空気がピストンチャンバから液体分配部分へ漏洩することを防止するために、ピストンチャンバと液体分配部分との間に動的シールが位置決めされている。弁棒は動的シールを貫通して延在する。加圧空気がピストンチャンバに導入されて、ピストンと取り付けられている弁棒とを開放位置から閉鎖位置へ及び/又は閉鎖位置から開放位置へ移動させる。従来の空気圧作動式弁はエアオーバーエア式(air-over-air type)であってもよく、当該エアオーバーエア式では、加圧空気がピストンチャンバの下側部分に導入されてピストンチャンバの上側部分から排出されると同時にピストンと弁棒とを上昇させ、また加圧空気がピストンチャンバの上側部分に導入されてピストンチャンバの下側部分から排出されるとピストンと弁棒とを下方に押している。代替的に、そのような弁はスプリングリターン式であってもよく、当該スプリングリターン式では、弁を開放するのに加圧空気が用いられ、弁を閉鎖するのにばねが用いられる。弁棒と弁座の設計に応じて、弁棒の上方移動及び下方移動により弁を開放し閉鎖することができる。
【0003】
現用の分配弁に関連する動的シールは摩擦と摩耗とを生じる。これは最終的に漏洩につながってシールや弁全体を交換する必要性をもたらす可能性がある。動的シールと弁棒との間の摩擦により、加えられた空気圧に対する弁棒の移動の応答が遅れる可能性がある。現用の空気圧分配弁に伴う別の可能性は、空気圧がピストンの一方の側から他方の側へ漏出することである。これもまた弁の性能に悪影響を及ぼす可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
1つ又は複数の動的シールを用いることに関連する問題に対処する液体分配弁、及びそのような弁を空気圧作動させる方法を提供することが望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、概して、液体を受け入れる液体注入口と、液体を放出する液体排出口とを有する液体分配部分を含む液体分配弁を提供する。液体通路が液体注入口と液体排出口との間を連通する。開放位置と閉鎖位置との間で液体排出口に対して移動するように弁部材が取り付けられている。作動部分が、液体分配部分と連結されているとともに、膨張式ブラダー構造体を含む。膨張式ブラダー構造体は、少なくとも1つの内側部であって、正圧空気の供給源と流体連通して連結されるようになっているとともに、正圧空気によって拡張して弁部材を開放位置か閉鎖位置のうちの少なくとも一方から開放位置か閉鎖位置のうちの他方へ移動させる、少なくとも1つの内側部を含む。2つの異なる例示的な実施形態では、弁部材を一方向に移動させる単一の膨張式ブラダー、又は弁部材を2つの異なる方向にそれぞれ移動させる2つのブラダーをブラダー構造体は含む。
【0006】
一実施形態では、上述したような液体分配部分と、液体注入口と液体排出口との間の液体通路内に位置付けられる弁座とが液体分配弁に設けられる。第1の端と第2の端とを有し、開放位置と閉鎖位置との間で液体通路内を往復移動するように取り付けられている弁棒を弁部材は含む。第1の端は、閉鎖位置で弁座と係合して液体排出口からの液体の流れを阻止し、開放位置で弁座から離脱して液体排出口からの液体の流れを可能にする。作動部分の膨張式ブラダー構造体は、弁棒の第2の端を受け入れる中央開口部を有する環状構造体を更に含む。
【0007】
他の態様では、弁部材や弁棒と連結されている付勢用のリターン機構を液体分配弁は更に備えることができる。ブラダー構造体を膨張させることにより弁部材が閉鎖位置から開放位置へ移動し、加圧空気がブラダー構造体の内側部から排出されると付勢用のリターン機構は弁部材を開放位置から閉鎖位置へ移動させる。
【0008】
別の実施の形態では、第1の内側部を有するとともに、正圧空気が第1の内側部に導入されると弁部材を開放位置から閉鎖位置へ移動させる第1の拡張可能な部分と、第2の内側部を有するとともに、正圧空気が第2の内側部に導入されると弁部材を閉鎖位置から開放位置へ移動させる第2の拡張可能な部分とを膨張式ブラダー構造体は更に含む。作動部分はチャンバを更に含むことができ、膨張式ブラダー構造体をチャンバ内に取り付けることができる。正圧空気の供給源と流体連通して連結されるとともにブラダー構造体の内側部(単数又は複数)にも連結されるようになっている空気注入口をチャンバは含む。内側部(単数又は複数)を正圧空気によって加圧することによりブラダー構造体が拡張して、弁部材が開放位置か閉鎖位置のうちの少なくとも一方へ移動する。
【0009】
本発明は、液体注入口と液体排出口とを有する液体分配部分と、開放位置と閉鎖位置との間で移動するように取り付けられている弁部材と、内側部を有する膨張式ブラダー構造体とを備える弁から液体を分配する方法を更に提供する。液体注入口を通して加圧液体を導入することと、ブラダー構造体を拡張するためにブラダー構造体の内側部に加圧空気を導入することと、ブラダー構造体を拡張することにより弁部材を閉鎖位置から開放位置へ移動させることと、ブラダー構造体が拡張するとともに弁部材が開放位置にくると液体排出口から加圧液体を分配することとを本方法は含む。
【0010】
本方法は更なる変形形態とステップとを含むことができる。例えば、弁部材と連結されるスプリングリターン機構を弁が更に含むこともでき、ブラダー構造体の内側部から加圧空気を排出することと、ブラダー構造体の内側部から加圧空気を排出するとスプリングリターン機構によって弁部材を開放位置から閉鎖位置へ移動させることとを本方法が更に含むこともできる。
【0011】
第1の内側部を有する第1の拡張可能な部分と第2の内側部を有する第2の拡張可能な部分とを膨張式ブラダー構造体は含むこともできる。この実施形態では、第1の拡張可能な部分を拡張するために第1の拡張可能な部分の第1の内側部に加圧空気を導入することを本方法は更に含む。第1の拡張可能な部分を拡張すると同時に弁部材を閉鎖位置から開放位置へ移動させる。第1の拡張可能な部分が拡張するとともに弁部材が開放位置にくると、加圧液体が液体排出口から分配される。次いで加圧空気は第1の内側部から排出され、第2の拡張可能な部分の第2の内側部に導入され、第2の拡張可能な部分が拡張される。次いで第2の拡張可能な部分を拡張すると同時に弁部材を開放位置から閉鎖位置へ移動させる。第2の拡張可能な部分が拡張するとともに弁部材が閉鎖位置にくると、加圧液体の排出が停止する。拡張可能な部分が2つある設計の代替案として、第2の拡張可能な部分を用いる代わりにばねによって弁棒を閉鎖位置へ移動させてもよい。膨張式ブラダー構造体はチャンバ内に取り付けることもでき、ブラダー構造体を膨張させることは、チャンバ内の注入口を通してブラダー構造体の内側部(単数又は複数)に空気を導入することも含み得る。本方法において用いる液体は液体ホットメルト接着剤や他の液体等の多様な形態であるものとすることもできる。
【0012】
種々の更なる特徴及び利点は、添付の図面と併せて例示的な実施形態の以下の詳細な説明を検討すれば当業者には容易に明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】液体分配弁の長手方向軸に沿った部分断面を示すとともに開放位置での弁を示す、弁の第1の実施形態を示す概略図である。
【図2】図1に示されている弁であるが、閉鎖位置での弁を示す図である。
【図3】図1と同様であるが、弁の作動部分の代替的な実施形態を示すとともに開放位置での弁を示す図である。
【図4】図3に示されている弁であるが、閉鎖位置での弁を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1と図2とにおいては、液体分配弁10の第1の実施形態が示されている。加圧供給源16からホットメルト接着剤等の液体を受け入れる液体注入口14を有する液体分配部分12を弁10は備える。ノズル20のインサート20aと関連付けられて液体22を基材23上へ放出する液体排出口18を液体分配部分12は更に含む。ノズル20は概略的に示されており、多様な形態をとるとともに多様なやり方で液体を放出することができることが理解されるであろう。液体ホットメルト接着剤を分配する際、例えば、渦巻きパターン、ビードパターン、ドット及び他の噴霧パターンを放出することができる。液体通路24が液体注入口14と液体排出口18との間を連通する。図1及び図2にそれぞれ示されている開放位置と閉鎖位置との間で液体排出口18に対して移動するように弁部材30が取り付けられている。より具体的には、この実施形態での弁部材30は、液体分配部分12内に位置付けられている弁座34と相互作用する遠位端すなわち下端32を含む弁棒である。図示の実施形態では、弁部材30とその先端すなわち遠位端32とは「スナッフバック」式として示されている。弁棒が遠位方向に移動して弁座を閉鎖するとともに近位方向に移動して開放するタイプを含む任意の他の所望の設計を代わりに用いることができることが理解されるであろう。液体分配部分12内に固定されてOリング36によってシールされた状態で弁座34は示されている。接着剤供給源16と液体注入口14とを連通する液体通路24の一部を弁座34は画定している。弁棒30の上端38が弁10の作動部分40と動作可能に連結されている。この例示的な実施形態では、作動部分40は概して、キャップ40bに固定されている本体40aを含む。液体分配部分12を作動部分40から遮断してシールするように弁棒30のまわりにシール(図示せず)が位置決めされている。概略的に示されているように作動部分40は液体分配部分12とも連結されており、その接続(図示せず)は任意の適したやり方で行うことができる。例えば液体分配部分12と関連付けられた支持構造体(図示せず)によって、弁棒30はその往復移動時に側方すなわち左右から支持される。
【0015】
より具体的には、弁棒30に動作可能に連結されている膨張式ブラダー構造体50を作動部分40は含む。戻しばね52の形態の付勢用のリターン機構を作動部分は更に含む。例えば弁棒30の上端すなわち近位端38のねじ56と、固定ナット58とによって、ディスク54は弁棒30に強固に固着される。この実施形態では、加圧空気を受け入れる環状の内側部60aと、弁棒の上端38が中に延在する中央穴60bとを有する単一の環状ブラダー60をブラダー構造体50は含む。リテーナー61が弁棒30に固定されており、ブラダー50の下側リップ63と係合してブラダー60を上端38の適所に保持する。ブラダー60は天然ゴムや合成ゴム等の弾性の可撓性材料から形成される。ディスク54、ブラダー60及び戻しばね52はチャンバ62内に収納又は収容されている。ベント65がチャンバと連通する。弁棒30とナット58とを受け入れるとともにディスク54の下側とチャンバの底面62aとの間に延在するように戻しばね52は取り付けられている。チャンバ62はキャップ40b内の空気通路64と連通する。ブラダー60のポート66が空気通路64と連通する。作動部分40のフィッティング70と、例えば80psiの通常の「工場」空気のような加圧空気供給源72とに空気通路64は更に連通する。三方ソレノイド弁80を用いて、ブラダー60への加圧空気の供給とブラダー60からの加圧空気の排出とを制御する。具体的には、図1に示されているように、ソレノイド弁80が起動すると、加圧空気がフィッティング70に流れ込み、空気通路64を通ってチャンバ62に入る。ブラダー60のポート66を通ってブラダー60の内側部60aにこの空気は導入される。これにより、図1に示されているように(かつ図2と比較して)ブラダー60が拡張する。ブラダー60の上面60cがチャンバ62の上側の内面62bに接して止められているため、ブラダー60はディスク54を押して下方に拡張して伸張し、ディスク54と取り付けられている弁棒30とをばね52の付勢に抗して下方に移動させる。これによりばね52が圧縮し、弁棒30の遠位端32が弁座34から離脱する。図1に示されているように弁棒30の遠位端32が弁座34から離脱すると、加圧接着剤22が弁座34を通過して液体通路24の下流部分24aに入り、液体排出口18を通って基材23上に流れる。
【0016】
図2に示されているように、ソレノイド80が起動停止するか又はさもなくば作動してブラダー60から加圧空気を排出すると、これにより、拡張したブラダー60によってもたらされた力が低減するとともに、圧縮したばね52の力が打ち勝つ。ばね52が拡張し、ディスク54を上方に押すことで、ブラダー60を圧縮し収縮させ、かつ、ディスク54と取り付けられている弁棒30とを、弁棒30の遠位端32が弁座34と係合するまで上方に移動させる。弁棒30と弁座34とのこの係合により弁10が閉鎖され、排出口18からの液体22の流れが遮断される。加圧空気がブラダー60内に封じ込められるため、チャンバ62と液体通路24との間にロバストな動的シールは必要ない。液体22が分配部分12からチャンバ62へ著しく移動することを防止する動的シール(図示せず)は依然として存在し得ることが理解されるであろう。
【0017】
図3と図4においては、図1及び図2に関して説明した弁10と同様であるが以下で更に説明するような種々の相違点を有する別の実施形態の弁100が示されている。この実施形態では、同様の参照符号は、第1の実施形態と第2の実施形態との間の同様の構造要素と同様の機能とを示しているため、種々の構造及び機能の更なる説明は必ずしも繰り返さない。プライム(’)記号の付いた参照符号は、図1と図2とにおいて同じ符号を有する要素と同様の要素を示しており、相違点は以下で説明されるか又は図面から容易に明らかである。この実施形態においては、ディスク54の上に位置決めされている第1のブラダー112と、ディスク54の下に位置決めされている第2のブラダー114とをブラダー構造体110が更に含む。四方ソレノイド弁80’によって、各ポート70a、70bを通ってこれらのブラダー112、114へ加圧空気72が供給される。環状の内側部112a、114a及びポート112b、114bと、チャンバの各上壁62b’及び下壁62a’に当接する外面112c、114cとを有する環状のシールユニットとしてブラダー112、114のそれぞれは構成されている。ねじ部分を長くするのであれば、ナットやリテーナー61と同様の円筒ナット(図示せず)を弁棒の端38にねじ込んで下側ブラダー114を保持することができる。各ブラダー112、114は弁棒30を受け入れる中央開口部113、115を有する。第1の実施形態の場合と同様に、好ましくは、ブラダー112、114は天然ゴムや合成ゴム等の弾性の可撓性材料から形成される。第2のブラダーすなわち下側ブラダー114が第1の実施形態の戻しばね52に代わることができる。しかしながら実際には、通常、戻しばねは弁の閉鎖を確実にするのに用いられる。そのようなばねは別個の構成部材とすることができるか、又は成形してブラダー114にすることができる。大きい方のブラダー114が下にある、ブラダー112、114の図示の位置は、弁の設計及び/又は所望の効果に応じて逆にすることができる。加えて、ブラダー112、114は図示のような異なるサイズではなく、同一のサイズであってもよい。ポート114bと通路116とを通って下側ブラダー114の内側部114aから加圧空気が排出されるにつれ、ポート112bと空気通路64とを通って上側ブラダー112の内側部112aに加圧空気が導入されることにより、ディスク54と取り付けられている弁棒30とが下方に押されて弁棒30の遠位端32が弁座34から離脱する。具体的には、上面112cがチャンバの静止壁62b’に当接するとともに下面112dがディスク54に押し当ってディスク54を移動させるとブラダー112が下方に拡張する。この結果第1の実施形態と同様にして、弁座34を通過して液体通路部分24aと液体排出口18とを通って接着剤や他の液体22が流れる。
【0018】
弁100を閉鎖するには、図4に示されているように、下側ブラダー114の内側部114aに空気が導入されてこの下側ブラダー114を拡張させるにつれ、ソレノイド80の作動によって上側ブラダー112の内側部112aから空気を排出する。具体的には、通路116とポート114bとを通って加圧空気が導入されるにつれ、ポート112bと通路64とを通って加圧空気が排出される。上側ブラダー112が収縮するにつれ下側ブラダー114が拡張することにより、下側ブラダーの面114cがチャンバの下面62a’に当接するとともに上側ブラダーの面114dがディスク54に当接するにつれ、ディスク54とディスク54に接続されている弁棒30とが上方に押される。ブラダー114を拡張することにより、弁棒30の遠位端32が弁座34と係合するまで、ディスク54と取り付けられている弁棒30とが移動する。これにより弁100が閉鎖し、液体通路24を通って弁座34を通過する液体22の流れが停止し、排出口18からの液体22の放出が停止する。ここでも同様に、加圧空気が自封型ブラダー112、114に導入されるため、弁100の液体分配部分12と空気作動部分40’との間にロバストな動的シールは必要ない。
【0019】
本発明を種々の好ましい実施形態の記載によって説明し、これらの実施形態を幾らか詳細に説明してきたが、添付の特許請求の範囲の範囲をそのような詳細に制限するか又はいかようにも限定することは本出願人の意図ではない。更なる利点及び変更形態は当業者には容易に明らかであろう。本発明の種々の特徴は、単独で、又はユーザーの必要性及び好みに応じて任意の組み合わせで用いることができる。本明細書では、現在知られているような本発明を実施する好ましい方法とともに、本発明を記載した。しかしながら、本発明自体は添付の特許請求の範囲によってのみ規定されるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体分配弁であって、
液体を受け入れる液体注入口と、前記液体を放出する液体排出口と、前記液体注入口と前記液体排出口との間を連通する液体通路とを含む液体分配部分と、
開放位置と閉鎖位置との間で前記液体排出口に対して移動するように取り付けられている弁部材と、
前記液体分配部分と連結され、膨張式ブラダー構造体を含む作動部分であって、前記膨張式ブラダー構造体は、内側部であって、正圧空気の供給源と流体連通して連結され、前記正圧空気によって拡張して前記弁部材を前記開放位置か前記閉鎖位置のうちの少なくとも一方から前記開放位置か前記閉鎖位置のうちの他方へ移動させる内側部を含む、作動部分と、
を備える、液体分配弁。
【請求項2】
前記液体分配弁は前記液体分配部分内に弁座を更に備え、前記弁部材は第1の端と第2の端とを有する弁棒を更に含み、前記第1の端は前記閉鎖位置で前記弁座と係合し、前記膨張式ブラダー構造体は前記弁棒の前記第2の端のまわりに位置決めされている環状部材を更に含む、請求項1に記載の液体分配弁。
【請求項3】
前記液体分配弁は前記弁部材と連結されている付勢用のリターン機構を更に備え、前記ブラダー構造体を膨張させることにより前記閉鎖位置から前記開放位置へ前記弁部材が移動し、加圧空気が前記ブラダー構造体の前記内側部から排出されると前記付勢用のリターン機構は前記弁部材を前記開放位置から前記閉鎖位置へ移動させる、請求項1に記載の液体分配弁。
【請求項4】
前記膨張式ブラダー構造体は、
第1の内側部を有し、前記正圧空気が前記第1の内側部に導入されると前記弁部材を前記開放位置から前記閉鎖位置へ移動させる第1の拡張可能な部分と、
第2の内側部を有し、前記正圧空気が前記第2の内側部に導入されると前記弁部材を前記閉鎖位置から前記開放位置へ移動させる第2の拡張可能な部分と、
を更に含む、請求項1に記載の液体分配弁。
【請求項5】
前記第1の拡張可能な部分は第1の直径を有し、前記第2の拡張可能な部分は第2の直径を有し、前記第1の直径は前記第2の直径と異なる、請求項4に記載の液体分配弁。
【請求項6】
前記液体分配弁はディスクを更に備え、前記第1の拡張可能な部分と前記第2の拡張可能な部分とは前記ディスクによって互いから離間している、請求項4に記載の液体分配弁。
【請求項7】
前記作動部分はチャンバを更に含み、前記膨張式ブラダー構造体は前記チャンバ内に取り付けられており、前記チャンバは前記正圧空気の供給源と流体連通して連結される空気注入口を含み、前記内側部は前記空気注入口と連通し、前記内側部を前記正圧空気によって加圧することにより前記ブラダー構造体が拡張する、請求項1に記載の液体分配弁。
【請求項8】
前記液体分配弁は前記液体分配部分内に弁座を更に備え、前記弁部材は、弁棒であって、第1の端と第2の端とを有し、前記第1の端が前記弁座から離脱している前記開放位置と、前記第1の端が前記弁座に対して係合している前記閉鎖位置とへ往復移動するように取り付けられている弁棒を更に含む、請求項1に記載の液体分配弁。
【請求項9】
液体分配弁であって、
液体を受け入れる液体注入口と、前記液体を放出する液体排出口と、前記液体注入口と前記排出口との間を連通する液体通路と、前記液体注入口と前記液体排出口との間の前記液体通路内に位置付けられている弁座とを含む液体分配部分と、
第1の端と第2の端とを有し、開放位置と閉鎖位置との間で前記液体通路内を往復移動するように取り付けられている弁棒であって、前記第1の端は、前記閉鎖位置で前記弁座と係合して前記液体排出口からの液体の流れを阻止し、前記開放位置で前記弁座から離脱して前記排出口からの液体の流れを可能にする、弁棒と、
前記液体分配部分と連結され、前記弁棒の前記第2の端を受け入れる中央開口部を有する環状の膨張式ブラダー構造体を含む作動部分であって、前記ブラダー構造体は、正圧空気の供給源と流体連通して連結されるようになっている内側部を含み、前記正圧空気を前記ブラダー構造体の前記内側部に導入することにより前記ブラダー構造体が拡張し、前記弁棒が前記閉鎖位置から前記開放位置へ移動する、作動部分と、
を備える、液体分配弁。
【請求項10】
前記液体分配弁は前記弁棒と連結されているスプリングリターン機構を更に備え、正圧空気が前記ブラダー構造体の前記内側部から排出されると該スプリングリターン機構は前記弁棒を前記開放位置から前記閉鎖位置へ移動させる、請求項9に記載の液体分配弁。
【請求項11】
前記環状の膨張式ブラダー構造体は、
第1の内側部を有し、前記正圧空気が前記第1の内側部に導入されると前記弁棒を前記開放位置から前記閉鎖位置へ移動させる第1の環状の拡張可能な部分と、
第2の内側部を有し、前記正圧空気が前記第2の内側部に導入されると前記弁棒を前記閉鎖位置から前記開放位置へ移動させる第2の環状の拡張可能な部分と、
を更に含む、請求項9に記載の液体分配弁。
【請求項12】
前記作動部分はチャンバを更に含み、前記膨張式ブラダー構造体は前記チャンバ内に取り付けられており、前記チャンバは前記正圧空気の供給源と流体連通して連結される空気注入口を含み、前記内側部は前記空気注入口と連通し、前記内側部を前記正圧空気によって加圧することにより前記ブラダー構造体が拡張する、請求項9に記載の液体分配弁。
【請求項13】
液体注入口と液体排出口とを有する液体分配部分と、開放位置と閉鎖位置との間で移動するように取り付けられている弁部材と、内側部を有する膨張式ブラダー構造体とを備える弁から液体を分配する方法であって、
前記液体注入口を通して加圧液体を導入するステップと、
前記ブラダー構造体を拡張し、前記弁部材を前記閉鎖位置から前記開放位置へ移動させるように、前記ブラダー構造体の前記内側部に加圧空気を導入するステップと、
前記ブラダー構造体が拡張して前記弁部材が前記開放位置にくると、前記液体排出口から前記加圧液体を分配するステップと、
を含む、方法。
【請求項14】
前記弁は前記弁部材と連結されているスプリングリターン機構を更に備え、前記方法は、
前記ブラダー構造体の前記内側部から前記加圧空気を排出するステップと、
前記弁部材を前記開放位置から前記閉鎖位置へ移動させるように、前記ブラダー構造体の前記内側部から前記加圧空気を排出すると前記ブラダー構造体を前記スプリングリターン機構によって収縮させるステップと、
を更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
第1の拡張可能な部分を拡張するように、該第1の拡張可能な部分の第1の内側部に加圧空気を導入するステップと、
前記第1の拡張可能な部分を拡張すると同時に前記弁部材を前記閉鎖位置から前記開放位置へ移動させるステップと、
前記第1の拡張可能な部分が拡張し、前記弁部材が前記開放位置にくると、前記液体排出口から前記加圧液体を分配するステップと、
前記第1の内側部から前記加圧空気を排出するステップと、
第2の拡張可能な部分を拡張するように、該第2の拡張可能な部分の第2の内側部に加圧空気を導入するステップと、
前記第2の拡張可能な部分を拡張すると同時に前記弁部材を前記開放位置から前記閉鎖位置へ移動させるステップと、
前記第2の拡張可能な部分が拡張し、前記弁部材が前記閉鎖位置にくると、前記液体排出口からの前記加圧液体の分配を停止するステップと、
を更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
ばねによって前記弁部材を前記閉鎖位置へ移動させるステップを更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記ブラダー構造体を拡張するように、空気注入口を通して前記ブラダー構造体の前記内側部に正圧空気を導入するステップを更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記液体はホットメルト接着剤である、請求項13に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−94779(P2013−94779A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−239689(P2012−239689)
【出願日】平成24年10月31日(2012.10.31)
【出願人】(391019120)ノードソン コーポレーション (150)
【氏名又は名称原語表記】NORDSON CORPORATION
【Fターム(参考)】