説明

空気浮上式ベルトコンベヤの復路側ベルト支持構造

【課題】復路側のベルトの走行抵抗を減少させ、駆動モータの容量を小さくし得ると共に、該ベルトの接触箇所における摩耗を抑制し得、且つ現地での加工工数並びに加工据付費の削減と据付工期の短縮化を図り得る空気浮上式ベルトコンベヤの復路側ベルト支持構造を提供する。
【解決手段】ベルト3の復路下面側に、空気の吹出口18が上面側に穿設された複数の空気吹出パイプ20を、ベルト3の移動方向へ延びるよう前記ベルト3の幅方向へ所要間隔をあけて配設し、該空気吹出パイプ20に空気供給手段17の給気配管15を接続し、前記空気吹出パイプ20の吹出口18が穿設される上面側に、空気溜部21を凹設する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気浮上式ベルトコンベヤの復路側ベルト支持構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、鉱石や石炭等のバラ物を搬送する搬送装置として、コンベヤベルトを空気層によって浮上保持する空気浮上式ベルトコンベヤが利用されている。
【0003】
前記空気浮上式ベルトコンベヤは、例えば、図6及び図7に示されるように、所要間隔をあけてそれぞれ回転自在に配置された駆動プーリ1と従動プーリ2との間にベルト3を無端状に掛け回し、該ベルト3の下面側に支持部材としてのトラフ部材4,5を延設し、該トラフ部材4,5の幅方向中央下面側に、ブロワ6によって空気が供給される空気ダクト7,8を設けると共に、前記トラフ部材4,5の幅方向中央部に、前記空気ダクト7,8に供給される空気をトラフ部材4,5の上面側に噴出させる吹出口9,10を穿設し、更に、前記ベルト3の往路(バラ物を搬送する側)における上流端位置に、バラ物をベルト3上に供給する供給シュート11を設置し、前記ベルト3の往路における下流端位置に、ベルト3によって搬送されたバラ物を払い出す排出シュート12を設置してなる構成を有している。
【0004】
尚、図中、13は前記ブロワ6からの空気を空気ダクト7へ導く給気配管、14は該給気配管13途中に設けられた流量調整バルブ、15は前記ブロワ6からの空気を空気ダクト8へ導く給気配管、16は該給気配管15途中に設けられた流量調整バルブであり、これらブロワ6、給気配管13,15、及び流量調整バルブ14,16により空気供給手段17が構成されている。
【0005】
前記空気浮上式ベルトコンベヤにおいては、前記駆動プーリ1を回転駆動しつつ、前記空気供給手段17のブロワ6によって圧送される空気を流量調整バルブ14,16の開度調整により流量調整しつつ給気配管13,15から空気ダクト7,8へ供給すると、該空気ダクト7,8へ供給された空気が吹出口9,10からトラフ部材4,5の上面側に噴出し、該トラフ部材4,5とベルト3との間に空気層が形成されベルト3が浮上した状態で往路と復路とを循環移動する形となり、この状態で、前記供給シュート11からベルト3上にバラ物を供給すると、該バラ物は前記ベルト3によって搬送され排出シュート12へ払い出される。
【0006】
尚、前記ベルト3の断面形状は、図7の例では往路は上面側が谷状に凹む円弧形状、復路は上面側が谷状に凹むV字形状となっているが、復路を上面側が山状に突出する円弧形状とするものもある。
【0007】
このような構成により、前記空気浮上式ベルトコンベヤにおいては、極めて低抵抗で騒音や振動を生ずることなくベルト3を移動させることができ、一般的なベルトをキャリアローラで支持する形式のローラベルトコンベヤのようにローラの回転によって生ずる騒音や振動によって作業環境や周囲環境に影響を与えることがない。
【0008】
尚、従来の空気浮上式ベルトコンベヤの一般的技術水準を示すものとしては、例えば、特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2009−269749号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、前述の如き従来の空気浮上式ベルトコンベヤにおいては、往路側のトラフ部材4に倣うように湾曲するベルト3の癖により、V字形状とされた平坦な鋼板製の復路側のトラフ部材5から前記ベルト3全面が完全に浮き上がらず、特にベルト3の端部がトラフ部材5に接触しやすくなり、ベルト3の走行抵抗が増加し駆動プーリ1を回転駆動する駆動モータ(図示せず)の容量を大きくする必要が生じると共に、該ベルト3及びトラフ部材5の互いの接触箇所における摩耗が激しくなるという欠点を有していた。
【0011】
又、前記ベルト3が接触する部位を極力減らすために、トラフ部材5の表面をグラインダ等で滑らかに仕上げる必要があり、現地での加工工数が増加し、加工据付費が嵩むと共に、据付に要する工期が長引くという欠点をも有していた。
【0012】
本発明は、斯かる実情に鑑み、復路側のベルトの走行抵抗を減少させ、駆動モータの容量を小さくし得ると共に、該ベルトの接触箇所における摩耗を抑制し得、且つ現地での加工工数並びに加工据付費の削減と据付工期の短縮化を図り得る空気浮上式ベルトコンベヤの復路側ベルト支持構造を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、所要間隔をあけてそれぞれ回転自在に配置された複数のプーリ間にベルトを無端状に掛け回し、該ベルトの往路における下面側に、湾曲形成されるトラフ部材を延設し、該トラフ部材上面側に空気を供給することにより、前記ベルトを前記トラフ部材から浮上させつつ循環移動させる空気浮上式ベルトコンベヤの復路側ベルト支持構造において、
前記ベルトの復路下面側にその移動方向へ延び且つ前記ベルトの幅方向へ所要間隔をあけて配設され、上面側に空気の吹出口が穿設された複数の空気吹出パイプと、
該空気吹出パイプへ空気を供給する空気供給手段と
を備え、
前記空気吹出パイプの吹出口が穿設される上面側に、空気溜部を凹設したことを特徴とする空気浮上式ベルトコンベヤの復路側ベルト支持構造にかかるものである。
【0014】
上記手段によれば、以下のような作用が得られる。
【0015】
前述の如く構成すると、ベルトの復路において、トラフ部材により面接触的に支持されていたベルトが、上面側に空気溜部を凹設した空気吹出パイプにより線接触的に支持されつつ空気浮上される形となるため、往路側のトラフ部材に倣うように湾曲するベルトの癖があったとしても、復路側のベルトの端部が空気吹出パイプに接触することが避けられ、ベルトの走行抵抗が減少しプーリを回転駆動する駆動モータの容量を大きくする必要がなくなると共に、該ベルト及び空気吹出パイプの互いの接触箇所における摩耗が抑えられる。
【0016】
又、従来のように、前記ベルトが接触する部位を極力減らすために、復路側のトラフ部材の表面をグラインダ等で滑らかに仕上げる必要がなくなり、現地での加工工数が減り、加工据付費が安く済むと共に、据付に要する工期が短縮可能となる。
【0017】
しかも、前記複数本の空気吹出パイプの吹出口が穿設される上面側には、空気溜部を凹設してあるため、前記空気吹出パイプから吹き出される空気の圧力が空気溜部に蓄えられてベルトに効率良く作用する形となり、該ベルトを浮上させる上で有効となる。
【0018】
前記空気浮上式ベルトコンベヤの復路側ベルト支持構造においては、前記空気吹出パイプの空気溜部の両縁部におけるベルト当接部位に、該空気吹出パイプより摩擦係数の低い耐摩耗性部材を埋め込むことができ、このようにすると、前記ベルト及び空気吹出パイプの互いの接触箇所における摩耗が更に抑えられると共に、摩耗が進行した場合、前記空気吹出パイプ全体を交換せずに耐摩耗性部材だけを交換するだけで済む。
【0019】
又、前記空気浮上式ベルトコンベヤの復路側ベルト支持構造においては、前記空気吹出パイプのベルト幅方向配設位置を、該空気吹出パイプの所定長さ毎に所要量だけずらすようにすることもでき、このようにすると、前記ベルト及び空気吹出パイプの互いの接触箇所を分散させることが可能となり、摩耗を更に抑える上で有効となる。
【0020】
更に又、前記空気浮上式ベルトコンベヤの復路側ベルト支持構造においては、前記ベルトの復路を、該ベルトの往路の上方に配置することもでき、このようにすると、ベルトに付着したバラ物は、往路側のベルト上に落下する形となって、自動的に回収することが可能となる一方、往路側のベルトと復路側のベルトをコンパクトにまとめて、省スペース化を図ることも可能となる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の空気浮上式ベルトコンベヤの復路側ベルト支持構造によれば、復路側のベルトの走行抵抗を減少させ、駆動モータの容量を小さくし得ると共に、該ベルトの接触箇所における摩耗を抑制し得、且つ現地での加工工数並びに加工据付費の削減と据付工期の短縮化を図り得るという優れた効果を奏し得る。
【0022】
更に、前記ベルトの復路を、該ベルトの往路の上方に配置した場合、ベルトに付着したバラ物を往路側のベルト上に自動的に回収でき、且つ省スペース化をも図り得るという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の空気浮上式ベルトコンベヤの復路側ベルト支持構造の第一実施例を示す正断面図である。
【図2】本発明の空気浮上式ベルトコンベヤの復路側ベルト支持構造の第一実施例における空気吹出パイプを示す断面図である。
【図3】本発明の空気浮上式ベルトコンベヤの復路側ベルト支持構造の第一実施例における空気吹出パイプのベルト幅方向配設位置を示す平面図である。
【図4】本発明の空気浮上式ベルトコンベヤの復路側ベルト支持構造の第二実施例を示す全体概要構成図である。
【図5】本発明の空気浮上式ベルトコンベヤの復路側ベルト支持構造の第二実施例を示す正断面図である。
【図6】従来の空気浮上式ベルトコンベヤの一例を示す全体概要構成図である。
【図7】従来の空気浮上式ベルトコンベヤの一例を示す正断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
【0025】
図1〜図3は本発明の空気浮上式ベルトコンベヤの復路側ベルト支持構造の第一実施例であって、図中、図6及び図7と同一の符号を付した部分は同一物を表わしており、基本的な構成は図6及び図7に示す従来のものと同様であるが、本第一実施例の特徴とするところは、図1〜図3に示す如く、ベルト3の復路下面側に、空気の吹出口18が上面側に穿設された複数(図の例では四本)の空気吹出パイプ20を、ベルト3の移動方向へ延びるよう前記ベルト3の幅方向へ所要間隔をあけて配設し、該空気吹出パイプ20に空気供給手段17の給気配管15を接続し、前記空気吹出パイプ20の吹出口18が穿設される上面側に、空気溜部21を凹設した点にある。
【0026】
本第一実施例の場合、前記空気吹出パイプ20の空気溜部21の両縁部におけるベルト3当接部位には、図2に示す如く、該空気吹出パイプ20より摩擦係数の低い耐摩耗性部材24を埋め込むようにしてある。該耐摩耗性部材24としては、例えば、高分子樹脂等を用いることができる。
【0027】
更に又、前記空気吹出パイプ20のベルト3幅方向配設位置は、図3に示す如く、該空気吹出パイプ20の所定長さ毎に所要量だけずらすようにしてある。
【0028】
次に、上記第一実施例の作用を説明する。
【0029】
前述の如く構成すると、ベルト3の復路において、トラフ部材5(図7参照)により面接触的に支持されていたベルト3が、上面側に空気溜部21を凹設した空気吹出パイプ20により線接触的に支持されつつ空気浮上される形となるため、往路側のトラフ部材4に倣うように湾曲するベルト3の癖があったとしても、復路側のベルト3の端部が空気吹出パイプ20に接触することが避けられ、ベルト3の走行抵抗が減少し駆動プーリ1を回転駆動する駆動モータ(図示せず)の容量を大きくする必要がなくなると共に、該ベルト3及び空気吹出パイプ20の互いの接触箇所における摩耗が抑えられる。
【0030】
又、従来のように、前記ベルト3が接触する部位を極力減らすために、復路側のトラフ部材5(図7参照)の表面をグラインダ等で滑らかに仕上げる必要がなくなり、現地での加工工数が減り、加工据付費が安く済むと共に、据付に要する工期が短縮可能となる。
【0031】
しかも、前記複数本の空気吹出パイプ20の吹出口18が穿設される上面側には、空気溜部21を凹設してあるため、前記空気吹出パイプ20から吹き出される空気の圧力が空気溜部21に蓄えられてベルト3に効率良く作用する形となり、該ベルト3を浮上させる上で有効となる。
【0032】
又、前記空気吹出パイプ20の空気溜部21の両縁部におけるベルト3当接部位には、図2に示す如く、該空気吹出パイプ20より摩擦係数の低い耐摩耗性部材24を埋め込んであるため、前記ベルト3及び空気吹出パイプ20の互いの接触箇所における摩耗が更に抑えられると共に、摩耗が進行した場合、前記空気吹出パイプ20全体を交換せずに耐摩耗性部材24だけを交換するだけで済む。
【0033】
更に又、前記空気吹出パイプ20のベルト3幅方向配設位置は、図3に示す如く、該空気吹出パイプ20の所定長さ毎に所要量だけずらすようにしてあるため、前記ベルト3及び空気吹出パイプ20の互いの接触箇所を分散させることが可能となり、摩耗を更に抑える上で有効となる。
【0034】
尚、前記空気吹出パイプ20の配置は、図1の例では、前記ベルト3の復路における断面形状がV字形状となるようにしてあるが、該ベルト3の復路における断面形状が平坦な形状、或いはその上面側が山状に突出する円弧形状となるように、前記空気吹出パイプ20の配置を変更することも可能である。
【0035】
こうして、復路側のベルト3の走行抵抗を減少させ、駆動モータの容量を小さくし得ると共に、該ベルト3の接触箇所における摩耗を抑制し得、且つ現地での加工工数並びに加工据付費の削減と据付工期の短縮化を図り得る。
【0036】
図4及び図5は本発明の空気浮上式ベルトコンベヤの復路側ベルト支持構造の第二実施例であって、図中、図1〜図3と同一の符号を付した部分は同一物を表わしており、基本的な構成は図1〜図3に示す第一実施例と同様であるが、本第二実施例の特徴とするところは、図4及び図5に示す如く、前記ベルト3の復路を、該ベルト3の往路の上方に配置した点にある。
【0037】
本第二実施例の場合、往路側から駆動プーリ1に掛け回されるベルト3を、複数の従動プーリ22a,22b,22c,22dに順次掛け回して方向変換させることにより、前記ベルト3の往路の上方に復路が配置されるようにし、更に、前記ベルト3を複数の従動プーリ23a,23b,23c,23dに順次掛け回して方向変換させることにより、前記ベルト3の従動プーリ2に掛け回して往路へ導くようにしてある。
【0038】
尚、図4中、30は図4の紙面と直交する方向へ延びるよう供給シュート11の上方に配設されたバラ物の供給用コンベヤ、31は図4の紙面と直交する方向へ延びるよう排出シュート12の下方に配設されたバラ物の排出用コンベヤであり、前記供給用コンベヤ30によって供給されるバラ物を供給シュート11からベルト3上に投下する一方、前記排出シュート12へ払い出されたバラ物を排出用コンベヤ31上に投下して外部へ搬出するようにしてある。
【0039】
図4及び図5に示す第二実施例の如く構成すると、図1〜図3に示す第一実施例と同様に、ベルト3の復路において、トラフ部材5(図7参照)により面接触的に支持されていたベルト3が、上面側に空気溜部21を凹設した空気吹出パイプ20により線接触的に支持されつつ空気浮上される形となるため、往路側のトラフ部材4に倣うように湾曲するベルト3の癖があったとしても、復路側のベルト3の端部が空気吹出パイプ20に接触することが避けられ、ベルト3の走行抵抗が減少し駆動プーリ1を回転駆動する駆動モータ(図示せず)の容量を大きくする必要がなくなると共に、該ベルト3及び空気吹出パイプ20の互いの接触箇所における摩耗が抑えられ、又、従来のように、前記ベルト3が接触する部位を極力減らすために、復路側のトラフ部材5(図7参照)の表面をグラインダ等で滑らかに仕上げる必要がなくなり、現地での加工工数が減り、加工据付費が安く済むと共に、据付に要する工期が短縮可能となり、しかも、前記複数本の空気吹出パイプ20の吹出口18が穿設される上面側には、空気溜部21を凹設してあるため、前記空気吹出パイプ20から吹き出される空気の圧力が空気溜部21に蓄えられてベルト3に効率良く作用する形となり、該ベルト3を浮上させる上で有効となるが、更に、前記ベルト3の復路を、該ベルト3の往路の上方に配置したことにより、ベルト3に付着したバラ物は、往路側のベルト3上に落下する形となって、自動的に回収することが可能となる一方、図5に示す如く、往路側のベルト3と復路側のベルト3をコンパクトにまとめて、省スペース化を図ることも可能となる。
【0040】
因みに、前記ベルト3の復路を、該ベルト3の往路の上方に配置できる理由は、前記複数本の空気吹出パイプ20の吹出口18が穿設される上面側に空気溜部21を凹設し、前記空気吹出パイプ20から吹き出される空気の圧力が空気溜部21に蓄えられてベルト3に効率良く作用し、間隔をあけて配設される空気吹出パイプ20だけで、特にベルト3の下面が覆われるような空気室を形成せずに、該ベルト3を浮上させることが可能となるためである。
【0041】
尚、図4及び図5に示す第二実施例の場合、図2に示す例と同様な形で、前記空気吹出パイプ20の空気溜部21の両縁部におけるベルト3当接部位に、該空気吹出パイプ20より摩擦係数の低い耐摩耗性部材24を埋め込むことができ、このようにすると、前記ベルト3及び空気吹出パイプ20の互いの接触箇所における摩耗が更に抑えられると共に、摩耗が進行した場合、前記空気吹出パイプ20全体を交換せずに耐摩耗性部材24だけを交換するだけで済む。
【0042】
又、図4及び図5に示す第二実施例の場合、図3に示す例と同様な形で、前記空気吹出パイプ20のベルト3幅方向配設位置を、該空気吹出パイプ20の所定長さ毎に所要量だけずらすようにすることもでき、このようにすると、前記ベルト3及び空気吹出パイプ20の互いの接触箇所を分散させることが可能となり、摩耗を更に抑える上で有効となる。
【0043】
更に又、前記空気吹出パイプ20の配置は、図5の例では、前記ベルト3の復路における断面形状が平坦な形状となるようにしてあるが、該ベルト3の復路における断面形状がV字形状、或いはその上面側が山状に突出する円弧形状となるように、前記空気吹出パイプ20の配置を変更することも可能である。
【0044】
こうして、図4及び図5に示す第二実施例においても、図1〜図3に示す第一実施例と同様に、復路側のベルト3の走行抵抗を減少させ、駆動モータの容量を小さくし得ると共に、該ベルト3の接触箇所における摩耗を抑制し得、且つ現地での加工工数並びに加工据付費の削減と据付工期の短縮化を図り得、更に、前記ベルト3の復路を、該ベルト3の往路の上方に配置したことにより、ベルト3に付着したバラ物を往路側のベルト3上に自動的に回収でき、且つ省スペース化をも図り得る。
【0045】
尚、本発明の空気浮上式ベルトコンベヤの復路側ベルト支持構造は、上述の実施例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0046】
1 駆動プーリ(プーリ)
2 従動プーリ(プーリ)
3 ベルト
4 トラフ部材
6 ブロワ
7 空気ダクト
9 吹出口
13 給気配管
14 流量調整バルブ
15 給気配管
16 流量調整バルブ
17 空気供給手段
18 吹出口
20 空気吹出パイプ
21 空気溜部
22a 従動プーリ(プーリ)
22b 従動プーリ(プーリ)
22c 従動プーリ(プーリ)
22d 従動プーリ(プーリ)
23a 従動プーリ(プーリ)
23b 従動プーリ(プーリ)
23c 従動プーリ(プーリ)
23d 従動プーリ(プーリ)
24 耐摩耗性部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所要間隔をあけてそれぞれ回転自在に配置された複数のプーリ間にベルトを無端状に掛け回し、該ベルトの往路における下面側に、湾曲形成されるトラフ部材を延設し、該トラフ部材上面側に空気を供給することにより、前記ベルトを前記トラフ部材から浮上させつつ循環移動させる空気浮上式ベルトコンベヤの復路側ベルト支持構造において、
前記ベルトの復路下面側にその移動方向へ延び且つ前記ベルトの幅方向へ所要間隔をあけて配設され、上面側に空気の吹出口が穿設された複数の空気吹出パイプと、
該空気吹出パイプへ空気を供給する空気供給手段と
を備え、
前記空気吹出パイプの吹出口が穿設される上面側に、空気溜部を凹設したことを特徴とする空気浮上式ベルトコンベヤの復路側ベルト支持構造。
【請求項2】
前記空気吹出パイプの空気溜部の両縁部におけるベルト当接部位に、該空気吹出パイプより摩擦係数の低い耐摩耗性部材を埋め込んだ請求項1記載の空気浮上式ベルトコンベヤの復路側ベルト支持構造。
【請求項3】
前記空気吹出パイプのベルト幅方向配設位置を、該空気吹出パイプの所定長さ毎に所要量だけずらすようにした請求項1又は2記載の空気浮上式ベルトコンベヤの復路側ベルト支持構造。
【請求項4】
前記ベルトの復路を、該ベルトの往路の上方に配置した請求項1〜3のうちいずれか一つに記載の空気浮上式ベルトコンベヤの復路側ベルト支持構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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