説明

空調システム

【課題】除霜運転時において空調対象空間にいる人の快適性を向上させると共に、除霜運転の効率化を図る。
【解決手段】各室内機40a,40bは、ケーシング41と人検知センサ群46とを有し、室外機20と冷媒連絡管P5,P6によって接続されている。ケーシング41には、空調空気を空調対象室RAに吹き出すための吹き出し口41aa〜41ad,41ba〜41bdが形成されている。人検知センサ群46は、空調対象室RA内の人の存在の有無を検知する。統括コントローラ60の制御部62は、室外熱交換器23に付着した霜を取り除く除霜運転時、人検知センサ群46の検知結果に基づいて各室内機40a,40bに流れる冷媒の流量を決定する。各室内機40a,40bの冷媒流量制御部53は、制御部62により決定された冷媒の流量に基づき、各室内機40a,40bについて冷媒流量制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空調システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、オフィス等の比較的広い空間には、複数の吹き出し口を有する室内機と室外機とで構成される空調システムが備えられている。空調システムには、室内機の各吹き出し口から均等に空調空気を吹き出させて空調を行うものや、単に空調空気を吹き出させるだけではなく空調対象空間について気流制御を行うものがある。気流制御を行う空調システムとしては、例えば特許文献1(特許第3807305号公報)に開示されているものがある。特許文献1に係る空調システムでは、赤外線センサを用いて空調対象空間内の利用者の位置を検知し、この検知結果に基づいて気流制御が行われている。この空調システムによると、例えば室内機の各吹き出し口から均等に吹き出されていた空調空気は、当該センサの検知結果によっていずれかの吹き出し口から局所的に吹き出されるようになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、特許文献1に係る空調システムにおいて暖房運転が行われている間、室外機の内部に設けられている室外熱交換器は蒸発器として機能する。そのため、室外熱交換器には霜が付着し、当該室外熱交換器自体の性能が低下してしまう。
【0004】
これに対し、暖房運転を一時的に停止して除霜運転を行うことが考えられるが、除霜運転時に空調対象空間内の人の有無に応じて何らかの制御がなされるといった発想は、従来はなかった。従って、たとえ室外熱交換器に付着していた霜が除霜運転によって取り除かれたとしても、除霜運転が行われている間は空調対象空間内には冷やされた空気が吹き出されることから、空調対象空間にいる人の快適性は損なわれてしまうことなる。
【0005】
本発明の課題は、除霜運転時において空調対象空間にいる人の快適性を向上させると共に、除霜運転の効率化を図ることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1観点に係る空調システムは、室外機と、複数の室内機と、冷媒流量決定部と、冷媒流量制御部とを備える。室外機は、室外熱交換器を有する。各室内機は、ケーシングと人検知センサとを有し、室外機と冷媒配管によって接続されている。ケーシングには、空調空気を空調対象空間に吹き出すための吹き出し口が形成されている。人検知センサは、空調対象空間内の人の存在の有無を検知する。冷媒流量決定部は、室外熱交換器に付着した霜を取り除く除霜運転時、人検知センサの検知結果に基づいて各室内機に流れる冷媒の流量を決定する。冷媒流量制御部は、冷媒流量決定部により決定された冷媒の流量に基づき、各室内機について冷媒流量制御を行う。
【0007】
この空調システムによると、除霜運転時、人のいる空調対象空間内に空調空気を送る室内機については、冷媒の流量を少なくし、人のいない空調対象空間内に空調空気を送る室内機については、冷媒の流量を多くするといった制御が可能である。このように、複数の室内機それぞれに流れる冷媒の流量を、空調対象空間内の人の有無に応じて決定することで、除霜運転時に空調対象空間内にいる人の快適性ならびに除霜運転の効率化を、バランス良く向上させることができる。
【0008】
本発明の第2観点に係る空調システムは、第1観点に係る空調システムにおいて、各室内機は流量調節弁を更に備える。流量調節弁は、各室内機に流れる冷媒の流量を変えることが可能である。そして、冷媒流量制御部は、冷媒流量決定部により決定された各室内機の冷媒の流量に基づいて、流量調節弁の開度を可変させる。
【0009】
この空調システムでは、流量調節弁の開度の調節によって、空調対象空間内の人の有無に応じて決定された冷媒量が各室内機に流れることとなる。これにより、各室内機の流量は簡単かつ確実に調節される。
【0010】
本発明の第3観点に係る空調システムは、第1観点または第2観点に係る空調システムにおいて、各室内機は、吹き出し口から吹き出される空調空気の流れを生成する室内ファンを更に有している。そして、空調システムは、ファン制御部を更に備える。ファン制御部は、除霜運転時、人検知センサの検知結果に基づいて、各室内ファンに対し運転又は運転を停止させる制御を行う。
【0011】
この空調システムでは、除霜運転時、人のいる空調対象空間内に空調空気を送る室内機については、室内ファンの運転が停止され、人のいない空調対象空間内に空調空気を送る室内機については、室内ファンが運転することができる。このように、複数の室内機それぞれの室内ファンの運転制御を、空調対象空間内の人の有無に応じて決定することで、除霜運転時に空調対象空間内にいる人の快適性ならびに除霜運転の効率化を、よりバランス良く向上させることができる。
【0012】
本発明の第4観点に係る空調システムは、第3観点に係る空調システムにおいて、ファン制御部は、除霜運転時、人検知センサの検知結果に基づいて、各室内ファンの回転数制御を更に行う。
【0013】
この空調システムによると、除霜運転時、人のいる空調対象空間内に空調空気を送る室内機については、室内ファンの回転数が小さくなり、人のいない空調対象空間内に空調空気を送る室内機については、室内ファンの回転数を大きくすることができる。このように、複数の室内機それぞれの室内ファンの回転数を、空調対象空間内の人の有無に応じて決定することで、除霜運転時に空調対象空間内にいる人の快適性ならびに除霜運転の効率化を、よりバランス良く向上させることができる。
【0014】
本発明の第5観点に係る空調システムは、第1観点から第4観点に係る空調システムにおいて、各室内機は、フラップを更に有する。フラップは、吹き出し口を開閉可能に設けられており、吹き出し口から吹き出される空調空気を案内する。そして、空調システムは、フラップ制御部を更に備える。フラップ制御部は、除霜運転時、人検知センサの検知結果に基づいて、各フラップによる各吹き出し口の開閉及び各フラップの風向角度の制御を行う。
【0015】
この空調システムによると、除霜運転時、人のいる空調対象空間内に空調空気を送る室内機のフラップは、吹き出し口を閉じるかまたは約水平の角度を採ることができる。一方、人のいない空調対象空間内に空調空気を送る室内機のフラップは、吹き出し口を開放することができる。このように、複数の室内機それぞれのフラップの開閉及び風向角度を、空調対象空間内の人の有無に応じて決定することで、除霜運転時に空調対象空間内にいる人の快適性をより向上させることができる。
【0016】
本発明の第6観点に係る空調システムは、第1観点から第5観点に係る空調システムにおいて、吹き出し口は、1つのケーシングに対し複数設けられている。人検知センサは、1つの室内機に対し1または複数設けられている。そして、人検知センサは、各吹き出し口から吹き出される空調空気の気流が到着する吹き出しエリアに基づいて空調対象空間が複数のエリアに分割された分割エリアそれぞれにおける、人の有無の存在を検知する。
【0017】
この空調システムでは、複数の人検知センサが備えられており、各人検知センサが人の有無を検知するエリアは、各室内機の吹き出し口から吹き出される空調空気の気流の届く範囲によって決定されている。これにより、除霜運転時における各室内機への冷媒の流量は、各人検知センサによって検知された検知結果に基づき、より効果的に決定することができる。
【0018】
本発明の第7観点に係る空調システムは、第6観点に係る空調システムにおいて、記憶部を更に備える。記憶部は、各分割エリアにおける人の存在の有無を示す在/不在情報の組み合わせを、各室内機に流す冷媒の流量と対応づけて室内機関連データとして記憶する。そして、冷媒流量決定部は、除霜運転時、各人検知センサの検知結果を室内機関連データに当てはめることにより、各室内機に流れる冷媒の流量を決定する。
【0019】
この空調システムによると、除霜運転時における各室内機への冷媒の流量は、人検知センサの検知結果及び予め記憶されている室内機関連データによって決定される。そのため、人の存在の有無に対する冷媒の流量を予めきめ細かく設定しておくことで、実際に除霜運転を行う際の冷媒の流量を、その時々の分割エリア毎の人の有無に応じてきめ細かく制御することが可能となる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の第1観点、第3観点及び第4観点に係る空調システムによると、除霜運転時において空調対象空間内にいる人の快適性ならびに除霜運転の効率化を、バランス良く向上させることができる。
【0021】
本発明の第2観点に係る空調システムによると、各室内機の流量は簡単かつ確実に調節される。
【0022】
本発明の第5観点に係る空調システムによると、除霜運転時に空調対象空間内にいる人の快適性をより向上させることができる。
【0023】
本発明の第6観点に係る空調システムによると、除霜運転時における各室内機への冷媒の流量は、各人検知センサによって検知された検知結果に基づき、より効果的に決定することができる。
【0024】
本発明の第7観点に係る空調システムによると、人の存在の有無に対する冷媒の流量を予めきめ細かく設定しておくことで、実際に除霜運転を行う際の冷媒の流量を、その時々の分割エリア毎の人の有無に応じてきめ細かく制御することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本実施形態に係る空調システムの概略構成図。
【図2】本実施形態に係る冷媒回路の構成を簡単に示す図。
【図3】本実施形態に係る室内機の構成を概略的に示す図。
【図4】本実施形態に係る各室内機の吹出口から吹き出される空調空気の気流、及び、人検知センサ群に係る各赤外線センサの検知範囲(分割エリア)を示す模式図。
【図5】本実施形態に係る人検知センサ群の構成を模式的に示す図。
【図6】本実施形態に係る各室内機の側面視における人検知センサ群に係る各赤外線センサの検知範囲(分割エリア)を模式的に示す図。
【図7】本実施形態に係る各フラップが採り得るフラップ位置を模式的に示す図。
【図8】本実施形態に係る統括コントローラの構成を模式的に示す図。
【図9】本実施形態に係る室内機関連データを概念的に示す図。
【図10】本実施形態に係る操作パネル上に表示される、判断基準である所定比率の設定画面。
【図11】本実施形態に係る空調システムの全体動作を示すフロー図。
【図12】本実施形態に係る空調システムの全体動作を示すフロー図。
【図13】変形例Aに係る人検知センサの構成を模式的に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明に係る空調システムについて、図面を用いて詳細に説明する。
【0027】
<第1実施形態>
(1)空調システムの概要
図1は、本発明の一実施形態に係る空調システム100の構成を概略的に示す図である。空調システム100は、建物内の空調対象室(空調対象空間に相当)RAの天井に設置された複数の天井設置型室内機40a,40b,・・・を、主に統括コントローラ60で統括して制御するシステムである。図1の空調システム100は、主として、空調対象室RAの外(より具体的には、建物外)に設置された室外機20と、空調対象室RA内に空調空気を供給する複数の室内機40a,40b,・・・と、統括コントローラ60とを備える。
【0028】
なお、以下では、説明の便宜上、空調システム100が2台の室内機40a,40bを備える場合を例に採る。
【0029】
室外機20及び各室内機40a,40bは、液冷媒連絡管P5及びガス冷媒連絡管P6(いずれも冷媒配管に相当)によって接続されており、図2に示すような蒸気圧縮式の冷媒回路10を構成している。このような空調システム100は、冷房運転、暖房運転に加え、暖房運転時に室外熱交換器23に付着した霜を取り除く除霜運転を行うことができる。
【0030】
統括コントローラ60は、室外機20及び各室内機40a,40bと配線L7を介して電気的に接続されている。なお、統括コントローラ60は、室内機40a,40bと同じ空調対象室RA内に設置されていてもよく、空調対象室RAではないが建物内の他の部屋に設置されていてもよい。また、統括コントローラ60は、当該建物とは異なる建物に設置されることもできるが、本実施形態では、一例として、統括コントローラ60が室内機40a,40bの設置されている空調対象室RA内に設置された場合を例に採る。
【0031】
(2)詳細構成
次に、空調システム100が備える室外機20、室内機40a,40b及び統括コントローラ60それぞれの詳細な構成について、順に説明していく。
【0032】
(2−1)室外機
室外機20は、図2に示すように、主として、圧縮機21、四路切換弁22、室外熱交換器23、膨張弁24、液側閉鎖弁25、ガス側閉鎖弁26、室外ファン27及び室外制御部28を有する。
【0033】
圧縮機21は、低圧のガス冷媒を吸入し、圧縮して高圧のガス冷媒とした後に吐出する機構である。ここでは、圧縮機21として、ケーシング(図示せず)内に収容されたロータリ式やスクロール式等の容積式の圧縮要素(図示せず)が、同じくケーシング内に収容された圧縮機モータ21aによって駆動される密閉式圧縮機が採用されている。圧縮機モータ21aは、インバータ装置(図示せず)によって、その回転数(すなわち、運転周波数)を可変でき、これにより、圧縮機21の容量制御が可能になっている。
【0034】
四路切換弁22は、冷房運転(または除霜運転)と暖房運転との切換時に、冷媒の流れの方向を切り換えるための弁である。四路切換弁22は、冷房運転(または除霜運転)時には、圧縮機21の吐出側と室外熱交換器23のガス側とを接続するとともにガス側閉鎖弁26と圧縮機21の吸入側とを接続することが可能である(図2における四路切換弁22の実線を参照)。また、四路切換弁22は、暖房運転時には、圧縮機21の吐出側とガス側閉鎖弁26とを接続するとともに室外熱交換器23のガス側と圧縮機21の吸入側とを接続することが可能である(図2における四路切換弁22の破線を参照)。
【0035】
室外熱交換器23は、冷房運転(または除霜運転)時には冷媒の放熱器として機能し、暖房運転時には冷媒の蒸発器として機能する熱交換器である。室外熱交換器23は、その液側が膨張弁24に接続されており、ガス側が四路切換弁22に接続されている。
【0036】
膨張弁24は、電動膨張弁である。膨張弁24は、冷房運転(または除霜運転)時には、室外熱交換器23において放熱した高圧の液冷媒を各室内熱交換器43(後述)に送る前に減圧する。また、膨張弁24は、暖房運転時には、各室内熱交換器43において放熱した高圧の液冷媒を室外熱交換器23に送る前に減圧する。
【0037】
液側閉鎖弁25及びガス側閉鎖弁26は、外部の機器・配管(具体的には、液冷媒連絡管P5及びガス冷媒連絡管P6)との接続口に設けられた弁である。液側閉鎖弁25は、膨張弁24に接続されている。ガス側閉鎖弁26は、四路切換弁22に接続されている。
【0038】
室外ファン27は、室外機20内に室外空気を吸入して、室外熱交換器23に室外空気を供給した後に、空気を室外機20の外に排出する。この室外ファン27により、室外熱交換器23は、室外空気を冷却又は加熱させて冷媒を放熱または蒸発させることができる。ここで、室外ファン27としては、室外ファンモータ27aによって駆動されるプロペラファンが採用されている。室外ファンモータ27aは、インバータ装置(図示せず)によって、その回転数(すなわち、運転周波数)を可変でき、これにより、室外ファン27の風量制御が可能になっている。
【0039】
室外制御部28は、CPU及びメモリからなるマイクロコンピュータで構成されており、室外機20を構成する各機器と接続されている。室外制御部28は、室外機20を構成する各機器の動作を制御する。また、室外制御部28は、各室内機40a,40bの室内制御部50及び統括コントローラ60との間で、制御信号等の各種信号の送受信を行うことができるようになっている。
【0040】
また、室外機20には、図示してはいないが、吸入圧力や吐出圧力を検知するセンサ、室外熱交換器23の液側における冷媒の温度を検知するセンサ、外気温度を検知するセンサ等が設けられている。
【0041】
(2−2)室内機
次に、室内機40a,40bの構成について、図1〜7を用いて説明する。なお、本実施形態では、室内機40aと室内機40bとは同じ構成を有しているが、後述する制御の説明の都合上、吹き出し口及び吸い込み口のみ、各室内機40a,40bにおいて異なる符号を付している。従って、吹き出し口及び吸い込み口以外の他の構成については、各室内機40a,40bにおいて共通の符号を付している。
【0042】
図1〜3に示すように、各室内機40a,40bは、主として、ケーシング41、室内ファン42、室内熱交換器43、流量調節弁44、4つのフラップ45a,45b,45c,45d、人検知センサ群46、床温度センサ47、室外機用通信部48、コントローラ用通信部49及び室内制御部50を有する。
【0043】
(2−2−1)ケーシング
ケーシング41は、空調対象室RAの天井に形成された開口(図示せず)に挿入されて配置されており、箱状の形状を有している。具体的には、ケーシング41の側面は、上面視において長辺と短辺とが交互に連続して形成された約8角形の形状となっており、下面は、略4角形の形状となっている。
【0044】
そして、室内機40aのケーシング41の下面には、下面の周縁部に沿うようにして4つの吹き出し口41aa,41ab,41ac,41adが形成されている。同様にして、室内機40bのケーシング41の下面には、下面の周縁部に沿うようにして4つの吹き出し口41ba,41bb,41bc,41bdが形成されている。即ち、本実施形態においては、1つのケーシング41に対し、複数の吹き出し口41aa〜41ad,41ba〜41bdが設けられている。これらの吹き出し口41aa〜41ad,41ba〜41bdそれぞれによって囲まれた各ケーシング41の下面の位置には、1つの吸い込み口41ae,41beが設けられている。つまり、吸い込み口41ae,41beは、各室内機40a,40bのケーシング41の下面の略中央に設けられている。吹き出し口41aa〜41ad,41ba〜41bdは、それぞれケーシング41の下面の周縁方向に細長い略4角形状を有しており、吸い込み口41ae,41beは、それぞれ略4角形状を有している。吸い込み口41ae,41beからは、空調対象室RA内の空調空気が各ケーシング41の内部に吸い込まれ、吹き出し口41aa〜41ad,41ba〜41bdからは、各ケーシング41内にて調和された後の空気が空調対象室RAへと吹き出される。
【0045】
なお、ケーシング41の側面には、室内熱交換器43と各冷媒連絡管P5,P6とを接続するための室内冷媒管P8が貫通する部分(図示せず)が形成されている。また、各吸い込み口41ae,41be付近には、各吸い込み口41ae,41beから吸入される空気中の塵埃を除去するための吸入フィルタ(図示せず)等が設けられている。
【0046】
ここで、本実施形態においては、図4に示すように、各吹き出し口41aa〜41ad,41ba〜41bdから吹き出される空調空気の気流が到着するエリア(即ち、図4の吹き出しエリアA’,B’,C’,D’,E’,F’,G’,H’)に基づき、空調対象室RA内が複数のエリアA,B,C,D,E、F、G,H(以下、分割エリアという)に分割されている。具体的には、室内機40aの吹き出し口41aa,41ab,41ac,41adそれぞれにおける吹き出しエリアA’,B’,C’,D’に対応するようにして、分割エリアA,B,C,Dが定義されている。同様にして、室内機40bの吹き出し41ba,41bb,41bc,41bdそれぞれにおける吹き出し口エリアE’,F’,G’,H’に対応するようにして、分割エリアE,F,G,Hが定義されている。言い換えると、平面視における分割エリアA〜Dは、各吹き出しエリアA’〜D’に合わせられている。
【0047】
(2−2−2)室内ファン
室内ファン42は、空調対象室RA内の空気を吸い込み口41ae,41beを介してケーシング41内に吸い込むと共に、室内熱交換器43にて熱交換された後の空気を各吹き出し口41aa〜41ad,41ba〜41bdを介してケーシング41内から吹き出す遠心送風機である。つまり、室内ファン42は、各吹き出し口41aa〜41ad,41ba〜bdから吹き出される空調空気の流れを生成する。
【0048】
この室内ファン42は、ケーシング41の下面の約中央に設けられた室内ファンモータM42と、該モータM42に連結されて回転駆動される羽根車(図示せず)とを有している。羽根車は、ターボ翼を有する羽根車であり、下方から羽根車の内部に空気を吸い込み、平面視における羽根車の外周側に向かって吹き出すことができる。室内ファンモータM42は、インバータ装置(図示せず)によって、その回転数(すなわち、運転周波数)を可変でき、これにより、室内ファン42の風量制御が可能になっている。
【0049】
(2−2−3)室内熱交換器
室内熱交換器43は、ケーシング41の内部に配置されている。室内熱交換器43は、室内冷媒管P8を介して各冷媒連絡管P5,P6に接続されており、平面視における室内ファン42の周囲を囲むように曲げられて配置されたフィンチューブ型熱交換器で構成されている。室内熱交換器43は、吸い込み口41ae,41beから吸い込まれた空調対象室RA内の空気と熱交換を行う。
【0050】
具体的には、室内熱交換器43は、冷房運転(または除霜運転)時には冷媒の蒸発器として機能する。これにより、吸い込み口41ae,41beを介してケーシング41内に吸い込まれた空気は、室内熱交換器43を構成する伝熱管(図示せず)内を流れる冷媒に熱を奪われ、冷やされることとなる。逆に、室内熱交換器43は、暖房運転時には冷媒の放熱器として機能する。これにより、吸い込み口41ae,41beを介してケーシング41内に吸い込まれた空気は、室内熱交換器43を構成する伝熱管内を流れる冷媒から熱を奪い、温められることとなる。室内熱交換器43によって熱交換が行われた後の空気は、開放された吹き出し口41aa〜41ad,41ba〜41bdを介して再度空調対象室RA内に戻される。
【0051】
また、室内熱交換器43の下側かつケーシング41の下部には、ドレンパン(図示せず)が設置されている。ドレンパンは、室内熱交換器43によって空気中の水分が凝縮されて生じるドレン水を受けるためのものである。また、ドレンパン付近には、吸い込み口41ae,41beから吸い込まれる空気を室内ファン42へと案内するためのベルマウス(図示せず)が配置されている。
【0052】
(2−2−4)流量調節弁
流量調節弁44は、室内冷媒菅P8上に設けられており、各冷媒連絡管P5,P6を介して室内冷媒管P8上を流れることで各室内機40a,40b内を流れる冷媒の流量を調節する。流量調節弁44は、室内熱交換器43の液側に接続された電動膨張弁で構成されており、当該弁自身の開度が変化することによって、各室内機40a,40b内を流れる冷媒量を増減させたり、冷媒の通過を遮断させたりすることもでき、つまりは冷媒の流量を変えることができる。
【0053】
このような流量調節弁44は、図3に示すように、調節弁駆動モータM44と接続されており、該モータM44が駆動することにより、開度が変化する構成となっている。
【0054】
(2−2−5)フラップ
4つのフラップ45a〜45dは、それぞれケーシング41の下面の周縁部の各辺に対応するように位置すると共に、各吹き出し口41aa〜41ad,41ba〜41bdを開閉可能に設けられている。そして、フラップ45a〜45dは、各吹き出し口41aa〜41ad,41ba〜41bdに対し回動自在に設けられており、各吹き出し口41aa〜41ad,41ba〜41bdから吹き出される空調空気の上下方向の風向角度を変更することが可能となっている。つまり、各フラップ45a〜45dは、各吹き出し口41aa〜41ad,41ba〜41bdから吹き出される空調空気を空調対象室RA内へと案内するためのものである。
【0055】
このようなフラップ45a〜45dは、各吹き出し口41aa〜41ad,41ba〜41bdの長辺方向に沿って細長く延びる板状の部材である。各フラップ45a〜45dの長手方向の両端部は、支持部材(図示せず)によって当該長手方向の軸周りに回動可能になるようにして、ケーシング41の下面に支持されている。そして、各フラップ45a〜45dは、各フラップ45a〜45dに対応するフラップ用モータM45a,M45b,M45c,M45cそれぞれによって駆動されるようになっている。これにより、フラップ45a〜45dは、それぞれ独立して上下方向の風向角度を変更することが可能であり、各吹き出し口41aa〜41ad,41ba〜41bdに対し上下方向に往復回動することができるようになっている。なお、フラップ用モータM45a〜M45dは、上記支持部材に連結されている。
【0056】
(2−2−6)人検知センサ群
人検知センサ群46は、空調対象室RA内の人の存在の有無を検知する。人検知センサ群46は、ケーシング41の下面の配置可能な位置、ここでは、ケーシング41の下面の1つの角部において当該下面の表面から下方に突出するようにして配置されている(図1,4参照)。人検知センサ群46は、図5に示すように、4つの赤外線センサ46a,46b,46c,46dと、赤外線を透過する素材からなる略半球形状の1つのカバー部材(図示せず)で構成されている。カバー部材は、4つの赤外線センサ46a〜46dを覆っており、これにより、人検知センサ群46は、ケーシング41の下面の平面視における形状が略円形となっている。
【0057】
具体的に、本実施形態に係る各赤外線センサ46a〜46dは、各室内機40a,40bの吹き出し口41aa〜41ad,41ba〜41bdそれぞれに対応するようにして配置されており、図4に係る分割エリアA〜D,E〜Hそれぞれにおける人の存在の有無を検知する。即ち、各赤外線センサ46a〜46dは、物体から放射される赤外線放射エネルギーの変動によって、各分割エリアA〜D,E〜H内における人の有無を検知する。
【0058】
また、各赤外線センサ46a〜46dの検知範囲である分割エリアA〜D,E〜Hは、それぞれ平面視において各検知角度α,β,γ,δが約90度となるようなエリアであり、各赤外線センサ46a〜46dは、室内機40aにおける分割エリアA〜D同士、または室内機40bにおけるE〜H同士が重ならないように配置されている(図5)。また、当該分割エリアA〜D,E〜Hは、図6に示すように、側面視においていずれの吹き出しエリアA’〜D’,E’〜H’における人の存在の有無を赤外線センサ46a〜46dが検知する場合も、各検知角度εが約135度になるようなエリアとなっている。更に、各赤外線センサ46a〜46dは、ケーシング41の下面の角部のうち、それぞれ異なった角部側を向くようにして、かつ、斜め下方を向くように設けられており、これにより、互いに異なる分割エリアA〜D,E〜Hの人の存在の有無を検知できるようになっている。
【0059】
更に、本実施形態に係る各赤外線センサ46a〜46dは、単に各分割エリアA〜D,E〜H内の人の存在の有無を検知するだけではなく、赤外線の放射エネルギー量に基づいて、各分割エリアA〜D,E〜Hにいる人の人数を検知することが可能となっている。例えば、人数が多い程、各人から放射される放射エネルギー量の合計値は大きくなるため、分割エリアA〜D,E〜H内の人の人数に応じて赤外線の放射エネルギー量は変化する。そこで、赤外線センサ46a〜46dは、各分割エリアA〜D,E〜Hにおける赤外線の放射エネルギー量を、所定時間毎(例えば1分毎)に検知する。特に、このような各赤外線センサ46a〜46dによるきめ細かい各分割エリアA〜D,E〜H毎の人数の把握動作は、除霜運転時に行われる。各赤外線センサ46a〜46dによって検知された赤外線の放射エネルギー量は、検知される度に、コントローラ用通信部49を介して統括コントローラ60へと送られる。
【0060】
(2−2−7)その他センサ
床温度センサ47は、空調対象室RA内における床面の温度を検知する赤外線センサである。床温度センサ47は、人検知センサ群46と同様、各室内機40a,40bにおけるケーシング41の下面の角部に配置されており、物体から放射される赤外線放射エネルギーによって、空調対象室RA内の床面の温度を検知する。
【0061】
その他、室内機40a,40bは、吸込空気温度センサ(図示せず)を有している。吸込空気温度センサは、吸い込み口41ae,41be付近に設けられており、吸い込み口41ae,41beを通じてケーシング41内に吸い込まれる空調対象室RA内の空気の温度を検出する。
【0062】
(2−2−8)各種通信部
室外機用通信部48は、室外機20と各種信号の送受信を行うためのものであって、室外機20と電気的に接続されている。例えば、室外機用通信部48は、統括コントローラ60を介して空調システム100の利用者により冷房運転または暖房運転の開始指示がなされた場合には、四路切換弁22の切り換え指示、室外ファンモータ27a及び圧縮機モータ21aの駆動指示を室外機20に出力する。
【0063】
コントローラ用通信部49は、統括コントローラ60と各種信号の送受信を行うためのものであって、統括コントローラ60と電気的に接続されている。例えば、コントローラ用通信部49は、統括コントローラ60から冷房運転または暖房運転の開始指示を受信する。特に、本実施形態に係るコントローラ用通信部49は、除霜運転時、人検知センサ群46の各赤外線センサ46a〜46dによる検知結果を統括コントローラ60に送信する。更に、コントローラ用通信部49は、除霜運転時、流量調節弁44の開度情報、室内ファン42の動作情報、風量情報、風向角度の情報、及び各吹き出し口41aa〜41ad,41ba〜41bdの開閉情報を取得する。
【0064】
(2−2−9)室内制御部
室内制御部50は、CPU及びメモリからなるマイクロコンピュータであって、図3に示すように、室内ファンモータM42、フラップ用モータM45a〜M45d、調節弁駆動モータM44、各種センサ46,47、各種通信部48,49と電気的に接続されている。室内制御部50は、接続されたこれらの各機器の動作を制御する。
【0065】
例えば、室内制御部50は、各種センサ46,67の検知結果や統括コントローラ60を介して行われた各種指示、室外制御部28から送られてきた制御信号に基づいて、室内ファンモータM42の駆動制御を行ったり、各フラップ用モータM45a〜M45dの駆動制御を行ったりする。例えば、利用者により統括コントローラ60を介して暖房運転や冷房運転の開始指示がなされた場合には、室内制御部50は、各モータM42,M45a〜M45dの駆動を開始させる。また、室内制御部50は、統括コントローラ60を介して運転の停止指示がなされた場合には、各モータM42,M45a〜M45dの駆動を停止させる。
【0066】
特に、本実施形態に係る室内制御部50は、除霜運転時、統括コントローラ60から送られてきた冷媒の流量指示、風向指示及び風量指示、及び各吹き出し口41aa〜41ad,41ba〜41bdの開閉状態の指示に基づいて、各モータM42,M45a〜M45dの駆動制御を行う。このような動作を行うため、室内制御部50は、ファン制御部51、フラップ制御部52及び冷媒流量制御部53として機能する。
【0067】
−ファン制御部−
ファン制御部51は、室内ファンモータM42の駆動を制御することで、室内ファン42の動作制御を行う。特に、ファン制御部51は、除霜運転時、人検知センサ群46による検知結果に基づき統括コントローラ60が決定した室内ファン42の動作情報に応じて、室内ファン42を運転または運転を停止させる制御を行う。更に、除霜運転時において、室内ファン42の動作情報と共に風量情報を統括コントローラ60から取得した場合には、ファン制御部51は、当該情報に基づいて室内ファン42の回転数を増減させる回転数制御を行う。ここで、本実施形態に係る室内ファン42の風量としては、“弱”“強”“急”の、3通りがある場合を例に採る。なお、風量“急”とは、室内ファン42が最大回転数で回転する際の風量であり、“強”よりも強いものとなっている。
【0068】
−フラップ制御部−
フラップ制御部52は、フラップ用モータM45a〜M45dの駆動を個々に制御することで、各フラップ45a〜45dの風向角度を独立制御する。特に、フラップ制御部52は、除霜運転時、人検知センサ群46による検知結果に基づき統括コントローラ60が決定した風向角度の情報及び各吹き出し口41aa〜41ad,41ba〜41bdの開閉情報に応じて、各吹き出し口41aa〜41ad,41ba〜41bdの開閉及び各フラップ45a〜45dの風向角度の制御を行う。つまり、フラップ制御部52は、除霜運転時、人検知センサ群46の検知結果に基づき、各フラップ用モータM45a〜M45dを駆動させる。
【0069】
ここで、本実施形態に係るフラップ45a〜45dが採り得る状態としては、大まかには、図7に示すように、吹き出し口41aa〜41ad,41ba〜41bdを閉じる閉状態(フラップ位置0)、及び吹き出し口41aa〜41ad,41ba〜41bdを開放する開状態が挙げられる。そして、フラップ45a〜45dが開状態を採る際には、更に5つのフラップ位置1〜5が設定されている。フラップ位置1は、フラップ45a〜45dがケーシング41の下面から約15度だけ下方に回動した状態を言い、この場合には、空調空気は約水平方向に送られることとなる。フラップ位置2は、フラップ45a〜45dがケーシング41の下面から約30度だけ下方に回動した状態を言い、この場合には、空調空気は水平方向よりも若干下方である“上方向”に送られることとなる。同様にして、フラップ位置3,4,5は、フラップ45a〜45dがケーシング41の下面からそれぞれ約45度,約60度、約75度だけ下方に回動した状態を言い、この場合には、空調空気はそれぞれ上方向よりも更に下方となる“中方向”、中方向よりも更に下方となる“下方向”、下方向よりも更に下方である“約鉛直方向”に送られることとなる。特に、除霜運転時には、フラップ位置0〜4のいずれかが採用される。
【0070】
−冷媒流量制御部−
冷媒流量制御部53は、調節弁駆動モータM44の駆動を制御することで、室内機40a,40bに流れる冷媒の流量制御を行う。特に、冷媒流量制御部53は、除霜運転時、人検知センサ群46による検知結果に基づき統括コントローラ60が決定した調節弁の開度情報に応じて、当該制御部53を有する室内機40a,40b自身に対し、冷媒流量制御を行う。具体的には、冷媒流量制御部53は、除霜運転時、調節弁の開度情報に基づいて調節弁駆動モータM44の回転方向や駆動時間等を制御することで、流量調節弁44の開度を可変させる。
【0071】
ここで、本実施形態に係る流量調節弁44の開度としては、“大”“中”“小”“最小”の、4通りが挙げられる。開度“大”は、流量調節弁44の開度が全開である場合を示しており、開度“中”は、流量調節弁44の開度が半開である場合を示している。開度“小”は、流量調節弁44の開度が開度“中”よりも小さい場合を示しており、開度“最小”は、流量調節弁44が若干開いた状態である場合を示している。
【0072】
(2−3)統括コントローラ
統括コントローラ60は、図8に示すように、主として、記憶部61、制御部62(冷媒流量決定部に相当)、第1通信部63、第2通信部64、第3通信部65及び操作パネル66を有する。
【0073】
(2−3−1)記憶部
記憶部61は、例えばHDDやフラッシュメモリ等で構成されている。記憶部61は、除霜運転時に制御部62が用いる室内機関連データ61aを主に記憶している。室内機関連データ61aとは、図9に示すように、各室内機40a,40bにおける冷媒の流量等を含む各種動作情報と、在/不在情報の組み合わせとが、対応付けられたデータである。
【0074】
−室内機関連データ−
各室内機40a,40bの各種動作情報には、ファンの動作情報、風量情報、風向角度の情報、調節弁の開度情報、及び室内機40a,40bそれぞれが有する吹き出し口41aa〜41ad,41ba〜41bdの開閉情報が含まれている。室内機関連データ61aの各レコードにおけるファンの動作情報には、室内ファン42が運転するかまたは運転を停止するかのうち、いずれかが選択されている。風量情報には、室内ファン42の風量が“強”、“弱”及び“急”のうち、いずれかが選択されている。風向角度の情報には、フラップ45a〜45dの風向角度“水平”“上”“中”“下”のうち、いずれかが選択されている。調節弁の開度情報には、個々の室内機40a,40bに流す冷媒の流量を定義する情報として、流量調節弁44の開度“最小”“小”“大”のうちいずれかが選択されている。吹き出し口41aa〜41ad,41ba〜41bdの開閉情報には、個々の室内機40a,40bの各吹き出し口41aa〜41ad,41ba〜41bdが採り得る状態“開状態”“閉状態”のうち、いずれかが選択されている。なお、図9では、室内ファン42が運転する場合を“回転”、運転を停止する場合を“停止”と表し、吹き出し口41aa〜41ad,41ba〜41bdが開状態となる場合を“○”、閉状態となる場合を“×”で表している。
【0075】
在/不在情報は、個々の分割エリアA〜D,E〜Hにおける人の存在の有無を示す情報であって、室内機関連データ61aには、各分割エリアA〜D,E〜Hにおける在/不在情報の組み合わせが、1レコードとして記憶されている。図9に示す在/不在情報の組み合わせは、除霜運転が行われている際に人検知センサ群46によって検知された実際の検知結果が履歴として反映されたものではなく、除霜運転時に各室内機40a,40bの各種動作情報を決定する際に、実際の人検知センサ群46による検知結果を当てはめるために利用されるものであって、除霜運転が行われる前から決定されている。従って、除霜運転が行われている時に、分割エリアA〜Dには人がいるが、分割エリアE〜Hには人がいない場合には、分割エリアA〜Dの在/不在情報“在”かつ分割エリアE〜Hの在/不在情報“不在”の組み合わせを有する図9のNo,2のレコードが、各種動作情報の決定に用いられる。このNo.2レコードでは、室内機40a側においては室内ファン42は運転を停止、全ての吹き出し口41aa〜41adは閉状態、かつ流量調節弁44の開度が“最小”と設定されている。一方で、このNo.2レコードでは、室内機40b側においては、室内ファン42は風量“強”で運転、全ての吹き出し口41ba〜41bdが開状態となり各フラップ45a〜45dの風向角度は“上方向”、かつ流量調節弁44の開度が“大”と設定されている。
【0076】
更に、上記在/不在情報は、各分割エリアA〜D,E〜H内にいる人の人数の所定人数に対する比率が、判断基準となる所定比率よりも高い分割エリアについては、人がいることを示す“在”となっている。逆に、各分割エリアA〜D,E〜H内にいる人の人数の所定人数に対する比率が、所定比率よりも低い分割エリアについては、人がいないことを示す“不在(図9では、簡単のため“−”で表している)”となっている。除霜運転時における各分割エリアA〜D,E〜H内の人数に対する比率は、後述する制御部62によって各分割エリアA〜D,E〜H毎に演算され、当該演算結果と所定比率との比較結果が、図9に示す在/不在情報に当てはめられることとなる。なお、図9では、説明を簡単にするため、一例として所定比率が“20%”である場合の室内機関連データ61aの一部であって、かつ在/不在情報を単に“在”“不在”の2通りで表している。
【0077】
図9に示す室内機関連データ61aでは、各室内機40a,40bが空調を行う分割エリアA〜D,E〜Hのうち、在/不在情報が“在”である分割エリアA〜D,E〜Hに対応する吹き出し口41aa〜41ad,41ba〜41bdは“閉状態”、在/不在情報が“不在”である分割エリアA〜D,E〜Hに対応する吹き出し口41aa〜41ad,41ba〜41bdは“開状態”と決定される。一例として、レコードNo.4では、室内機40b側の分割エリアE,Hの在/不在情報は“在”であるが、分割エリアF,Gの在/不在情報は“不在”となっている。そして、このレコードNo.4では、分割エリアE,Hに対応する吹き出し口41ba,41bdは“閉状態”、分割エリアF,Gに対応する吹き出し口41bb,41bcは“開状態”と決定されている。これは、人のいると判断された分割エリアA〜D、E〜Hへは、除霜運転時に熱交換により冷やされた空気が送られないようにすることで、人の快適性が損なわれないようにしているのである。そして、人のいないと判断された分割エリアA〜D,E〜Hへ冷やされた空気を送っても、人の快適性が著しく損なわれることはなく、代わりに除霜運転が短時間で終了するように除湿運転を促進させているのである。
【0078】
そして、図9に示す室内機関連データ61aでは、室内機40aが空調を行う分割エリアA〜Dのうち、在/不在情報が“在”である分割エリアA〜Dの数と、室内機40bが空調を行う分割エリアE〜Hのうち在/不在情報が“在”である分割エリアE〜Hの数との関係によって、ファンの動作情報、風量情報、風向角度の情報、及び調節弁の開度情報が決定されている。基本的に、在/不在情報が“在”である数が他方よりも少ない分割エリアA〜D(または分割エリアE〜H)に対する室内機40a(または室内機40b)については、ファンの動作情報“運転”、ファンの風量情報“強”が決定されている(図9のレコードNo.2〜7参照)。そして、当該室内機40a(または室内機40b)における風向角度の情報及び調節弁の開度情報の組み合わせは、在/不在情報が“在”である分割エリアA〜D(または分割エリアE〜H)の数“0”“1”“2”の順に応じて、“上方向”“大”の組み合わせ、“水平方向”“大”の組み合わせ、“水平方向”“小”の組み合わせに決定されている。
【0079】
逆に、在/不在情報が“在”である数が他方よりも多い分割エリアA〜D(または分割エリアE〜H)に対する室内機40a(または室内機40b)については、調節弁の開度情報“最小”が決定されている(図9のレコードNo.2〜7参照)。そして、当該室内機40a(または室内機40b)におけるファンの動作情報、風量情報及び風向角度の情報の組み合わせは、在/不在情報が“在”である数が少ない方の室内機40b(または室内機40a)側とのバランスを考慮して決定されている。例えば、図9のレコードNo.5では、室内機40a側の在/不在情報が“在”である数は“0”であり、室内機40b側の在/不在情報が“在”である数は“4”である。この場合、室内機40a側には室内機40b側に比して極端に人が少なく、室内機40a側にて除霜運転を大いに促進させることができるため、室内機40b側のファンの動作情報は、人の快適性を保つべく“停止”と決定されている。また、図9のレコードNo.6では、室内機40a側の在/不在情報が“在”である数は“1”であり、室内機40b側の在/不在情報が“在”である数は“3”である。この場合、室内機40a側は室内機40b側に比して相対的に人が少ないものの、人が全くもっていないわけではない。そのため、室内機40a側では除霜運転の促進を優先させつつ人の快適性を保護し、室内機40b側では人の快適性の保護を優先させつつ除霜運転の促進を補うべく、室内機40b側のファンの動作情報は“運転”、風量情報及び風向角度の情報はそれぞれ“弱”“水平方向”の組み合わせに決定されている。
【0080】
特に、図9において、調節弁の開度情報に着目すると、在/不在情報が“在”である数が少ない方の室内機40a(または室内機40b)の流量調節弁44の開度は、当該数が多い方の室内機40b(または室内機40a)の流量調節弁44の開度よりも、常に大きくなっている。一例として、図9のレコードNo.3によると、室内機40a側では3つの分割エリアA,B,Dの在/不在情報が“在”であるのに対し、室内機40b側では1つの分割エリアEの在/不在情報が“在”となっている。この場合、室内機40b側の調節弁の開度情報は“大”、室内機40a側の調節弁の開度情報は“最小”と決定されている。これは、人が多いと判断された分割エリアA〜D(または分割エリアE〜H)に対応する室内機40a(または室内機40b)については、除霜運転の促進よりも人の快適性を保護することを優先させ、逆に人が少ないと判断された分割エリアE〜H(または分割エリアA〜D)に対応する室内機40b(または室内機40a)については、人の快適性の保護をよりも除霜運転の促進を優先させるためである。即ち、本実施形態においては、人の快適性保護を優先させるか、または除霜運転の促進を優先させるかが、各室内機40a,40bの守備範囲である各分割エリアA〜D,E〜Hにおける人の在/不在の数によって決定されていると言える。
【0081】
なお、各室内機40a,40b側の在/不在情報が“在”である数が共に“0”であって等しい場合には(図9のレコードNo.1)、どちらの室内機40a,40b側においても人の快適性を考慮する必要がないため、各室内機40a,40bにおけるファンの動作情報は“運転”、風量情報は“強”、風向角度の情報は“上方向”、調節弁の開度は“小”に決定されている。また、各室内機40a,40b側の在/不在情報が“在”である数が共に“4”であって等しい場合には(図9のレコードNo.8)、どちらの室内機40a,40b側においても人の快適性を保護するため、各室内機40a,40bにおけるファンの動作情報は“停止”、調節弁の開度は“最小”に決定されている。
【0082】
まとめると、図9に係る室内機関連データ61aでは、室内機40a側の人の在/不在の数と室内機40b側の人の在/不在の数とを比較した上で、人がいると判断された分割エリアの数が多い室内機40a(または室内機40b)に対しては、除霜運転の促進ではなく人への快適性保護を優先させるための制御がなされるように、各種動作情報が決定されている。逆に、人がいると判断された分割エリアの数が少ない室内機40b(または、室内機40a)に対しては、人への快適性保護よりも除霜運転の促進を優先させる制御がなされるように、各種動作情報が決定されている。
【0083】
(2−3−2)制御部
制御部62は、CPU及びメモリからなるマイクロコンピュータであって、図8に示すように、記憶部61、各種通信部63〜65、及び操作パネル66と電気的に接続されている。制御部62は、接続された各機器の動作を制御する。また、制御部62は、室外機20から取得した室外熱交換器23の液側における冷媒の温度を所定温度と比較し、当該温度が所定温度以下である場合には、除霜運転の開始を決定する。
【0084】
特に、本実施形態に係る制御部62は、除霜運転時、各室内機40a,40bにおける人検知センサ群46の赤外線センサ46a〜46dによる検知結果に基づき、各室内機40a,40bに流れる冷媒の流量等を決定する。具体的には、制御部62は、赤外線センサ46a〜46dの検知結果、つまりは各分割エリアA〜D,E〜H内にいる人の人数から、当該人数の所定人数あたりの比率を各分割エリアA〜D,E〜H毎に演算する。そして、制御部62は、当該演算結果が所定比率よりも高いか否かを各分割エリアA〜D,E〜H毎に判断し、その結果を室内機関連データ61aの在/不在情報に当てはめる。そして制御部62は、該当する室内機関連データ61a内のレコードによって各室内機40a,40bの調節弁の開度情報、室内ファン42の動作情報、風量情報、風向角度の情報、及び各吹き出し口41aa〜41ad,41ba〜41bdの開閉情報を決定する。
【0085】
ここで、所定人数は、各分割エリアA〜D,E〜H内に人がいることのできる最大人数を言い、各分割エリアA〜D,E〜Hの面積や環境等に基づきシミュレーションや机上計算等によって適宜決定される。なお、所定人数は、各分割エリアA〜D,E〜Hにおいて共通した値であってもよいし、各エリア毎に異なる値であってもよい。
【0086】
(2−3−3)各種通信部
第1通信部63は室内機40aと各種信号の送受信を行うためのものであって、第2通信部64は、室内機40bと各種信号の送受信を行うためのものである。第1通信部63は、操作パネル66を介して利用者により冷房運転または暖房運転を開始する旨が入力された場合には、各室内機40a,40bに冷房運転または暖房運転の開始指示を送信する。また、第1通信部63及び第2通信部64は、制御部62が除霜運転の開始を決定した場合には、除霜運転開始の指示を各室内機40a,40bへ送信する。
【0087】
特に、第1通信部63及び第2通信部64は、除霜運転時、各室内機40a,40bにおける人検知センサ群46の各赤外線センサ46a〜46dによる検知結果を、各室内機40a,40bから受信する。そして、上述した制御部62が各赤外線センサ46a〜46dによる検知結果に基づいて各室内機40a,40bの流量調節弁44の開度等を決定した場合、第1通信部63は、室内機40aに対する各種動作情報を室内機40aへ送信し、第2通信部64は、室内機40bに対する各種動作情報を室内機40bへ送信する。
【0088】
第3通信部65は、室外機20と各種信号の送受信を行うためのものである。具体的に、第3通信部65は、室外熱交換器23の液側における冷媒の温度を室外機20から受信する。そして、制御部62が除霜運転の開始を決定した場合には、第3通信部65は、除霜運転の開始指示を室外機20へ送信する。また、第3通信部65は、操作パネル66を介して利用者により冷房運転または暖房運転を開始する旨が入力された場合には、室外機20に冷房運転または暖房運転の開始指示を送信する。
【0089】
(2−3−4)操作パネル
操作パネル66は、例えば液晶ディスプレイ及びマトリクススイッチ等で構成されるタッチパネルであって、メニュー画面等の各種画面を表示することができると共に、各種指示を受け付けることができる。例えば、空調システム100の利用者は、操作パネル66上から、冷房運転及び暖房運転の開始を入力したり、風向、風量の設定を入力したりすることができる。
【0090】
ここで、操作パネル66が表示するメニュー画面以外の画面として、図10に示す画面が挙げられる。図10は、上述した制御部62が各分割エリアA〜D,E〜Hにおける人の在/不在を判断する際に用いられる所定比率、つまりは判断基準の設定画面の一例を示している。図10では、所定比率が“10%”“20%”“30%”“40%”“50%”の5段階のいずれかに設定可能となっている。所定比率が高い程、各分割エリアA〜D,E〜H内の人数が多くないと“人がいる”とは判断されなくなり、逆に所定比率が低い程、各分割エリアA〜D,E〜H内の人数が少なくても“人がいる”と判断され易くなる。これにより、空調システム100の利用者は、空調対象室RAの環境等(例えば、オフィスや店舗といった空調対象室RAの利用目的等)に応じて、各分割エリアA〜D,E〜Hにおける人の人数の所定人数に対する比率がどの程度の比率以上であれば“人がいる”とみなされるかを、設定することができる。例えば、空調対象室RAが店舗である場合においては、店舗内の顧客に除霜運転中の冷たい空気があたってしまうのは好ましくないため、利用者は、所定比率を、人がいると判断され易い“10%”と設定することができる。逆に、空調対象室RAがオフィスである場合においては、オフィスへの人の出入りが激しいため、早く除霜運転を終わらせて室内を暖めることを優先すべきである。よって、この場合には、利用者は、所定比率を、人がいると判断されにくい“50%”と設定することで、人の快適性保護よりも除霜運転の促進を優先させるようにすることができる。このように、本実施形態に係る空調システム100は、空調システム100が構築される環境に応じて、人の存在の有無の判断基準である所定比率を変更することができ、より空調システムを構築された環境に適応させることが可能な柔軟性の高いシステムであると言える。
【0091】
操作パネル66を介して所定比率の設定がなされると、当該所定比率は記憶部61の室内機関連データ61aとは別の領域に格納され、その後の除霜運転時の制御部62の判断において用いられる。
【0092】
なお、利用者によって図10の画面から所定比率の設定がなされない場合には、各分割エリアA〜D,E〜Hにおける人の存在の有無の判断においては、デフォルトの所定比率(例えば、“20%”)が用いられる。
【0093】
(3)全体動作
(3−1)空調システムの全体的な動作の流れ
図11,12は、本実施形態に係る空調システム100の全体的な動作の流れを示すフロー図である。
【0094】
ステップS1〜S2:統括コントローラ60を介して、利用者により空調システム100の冷房運転が指示された場合(S1のYes)、室外機20及び各室内機40a,40bは、冷房運転を開始する(S2)。この時、室内制御部50は、空調対象室RA内が所望の設定に応じて冷房されるように、統括コントローラ60を介して要求された風向及び風量に基づいて風量制御などを行う。
【0095】
ステップS3〜S4:統括コントローラ60を介して、利用者により空調システム100の暖房運転が指示された場合(S3のYes)、室外機20及び各室内機40a,40bは、暖房運転を開始する(S4)。この時、室内制御部50は、空調対象室RA内が所望の設定に応じて暖房されるように、統括コントローラ60を介して要求された風向及び風量に基づいて風量制御などを行う。
【0096】
ステップS5:室外熱交換器23の液側における冷媒の温度が所定温度以下となった等により、除霜運転が必要であると統括コントローラ60の制御部62が判断した場合には(S5のYes)、この旨が各室内機40a,40b及び室外機20に送られる。
【0097】
ステップS6:ステップS5の後、各室内機40a,40bの人検知センサ群46の各赤外線センサ46a〜46dは、各分割エリアA〜D,E〜Hにおける人の検知(具体的には、各分割エリアA〜D,E〜Hにおける人数の検知)を行う。各赤外線センサ46a〜46dの検知結果は、全て統括コントローラ60へと送られる。
【0098】
ステップS7:統括コントローラ60の制御部62は、各赤外線センサ46a〜46dの検知結果から所定人数に対する人数の比率を各分割エリアA〜D,E〜H毎に演算する。そして、制御部62は、演算結果を室内機関連データ61aの在/不在情報に当てはめることで、該当するレコードを割り出す。そして、制御部62は、該当するレコードに基づいて、ファンの動作情報、風量情報、風向角度の情報、調節弁の開度情報、及び室内機40a,40bそれぞれが有する吹き出し口41aa〜41ad,41ba〜41bdの開閉情報を決定する。
【0099】
ステップS8:各室内機40a,40b及び室外機20において、除霜運転が開始される。この時、各室内機40a,40bの室内制御部50は、ステップS7で決定された各種情報に基づき、各流量調節弁44の開度制御、室内ファン42の風量制御、各吹き出し口41aa〜41ad,41ba〜41bdの開閉状態の制御、及び各フラップ45a〜45dの風向角度制御を行う。
【0100】
ステップS9〜S10:ステップS8で除霜運転が開始されたが、なおも室外熱交換器23の液側における冷媒の温度が所定温度以下である場合には(S9のNo)、統括コントローラ60の制御部62は、除霜運転を継続して行うと判断する。この場合、各室内機40a,40bにおける人検知センサ群46の各赤外線センサ46a〜46dは、所定時間毎に各分割エリアA〜D,E〜Hにおける人の検知(具体的には、分割エリアA〜D,E〜H毎の人数の検知)を行う(S10)。
【0101】
ステップS11:統括コントローラ60の制御部62は、ステップS10における各赤外線センサ46a〜46dの検知結果に基づき、ステップS8と同様にしてファンの動作情報、風量情報、風向角度の情報、調節弁の開度情報、及び室内機40a,40bそれぞれが有する吹き出し口41aa〜41ad,41ba〜41bdの開閉情報を決定し直す。これにより、各室内機40a,40bにおいては、各流量調節弁44の開度、室内ファン42の動作及び風量、各フラップ45a〜45dの風向角度、各吹き出し口41aa〜41ad,41ba〜41bdの開閉状態が変更される(S11)。なお、ステップS9において、室外熱交換器23の液側における冷媒の温度が所定温度以上となり除霜運転を終了するべきと制御部62が判断した場合(S9のYes)、ステップS4以降の動作、つまりは暖房運転が再度行われることとなる。
【0102】
ステップS12:ステップS2に係る冷媒運転が行われている間、ステップS5において除霜運転が不要と判断されると共に暖房運転が行われている間(S5のNo)、冷房運転または暖房運転の終了指示が利用者によってなされるまでは(S12のNo)、ステップS1以降の動作、つまりは冷房運転または暖房運転が継続して行われる。しかし、冷房運転または暖房運転の終了指示が統括コントローラ60を介して利用者によりなされた場合には(S12のYes)、空調システム100は、一連の動作を終了する。
【0103】
(3−2)冷房運転及び除霜運転
以下では、空調システム100が上述した冷房運転(図11のS1〜S2)及び除霜運転(図11のS8)を行う場合の、冷媒回路10の動作について説明する。
【0104】
冷房運転及び除霜運転は、室外熱交換器23が冷媒の放熱器として機能し、かつ、各室内機40a,40bの室内熱交換器43が冷媒の蒸発器として機能するように冷媒回路10内の冷媒を循環させることによって、空調室内の空気を冷却して空調室内に空調空気として供給する運転である。
【0105】
まずは、室外熱交換器23が冷媒の放熱器として機能し、かつ、室内熱交換器43が冷媒の蒸発器として機能する状態(すなわち、図2の四路切換弁22の実線で示される状態)になるように、四路切換弁22が切り換えられる。
【0106】
このような状態の冷媒回路10において、冷凍サイクルにおける低圧の冷媒は、圧縮機21に吸入され、冷凍サイクルにおける高圧まで圧縮された後に吐出される。圧縮機21から吐出された高圧の冷媒は、四路切換弁22を通じて、室外熱交換器23に送られる。室外熱交換器23に送られた高圧の冷媒は、室外熱交換器23において、室外ファン27によって供給される室外空気と熱交換を行って放熱する。室外熱交換器23において放熱した高圧の冷媒は、膨張弁24に送られて、冷凍サイクルにおける低圧まで減圧される。膨張弁24において減圧された低圧の冷媒は、液側閉鎖弁25及び液冷媒連絡管P5を通じて、各室内機40a,40bの流量調節弁44に送られる。そして、各室内機40a,40bの流量調節弁44の開度に応じた流量の冷媒が、各室内機40a,40bの室内熱交換器43に送られる。室内熱交換器43に送られた低圧の冷媒は、それぞれ室内熱交換器43において、各室内ファン42によって供給される空調室内の空気と熱交換を行って蒸発する。これにより、空調室内の空気は、冷却されて空調空気となり、開放されている吹き出し口41aa〜41ad,41ba〜41bdから各分割エリアA〜D,E〜Hに吹き出される。室内熱交換器43において蒸発した低圧の冷媒は、ガス冷媒連絡管P6、ガス側閉鎖弁26及び四路切換弁22を介して、再び圧縮機21に吸入される。
【0107】
尚、冷房運転においては、吸込空気温度が統括コントローラ60等から要求された目標空気温度になるように制御される。すなわち、冷房運転において、吸込空気温度が目標空気温度よりも高い場合には、上記の運転制御を行う。そして、吸込空気温度が目標空気温度に達した場合には、圧縮機21を停止して冷媒回路10内の冷媒の循環を行わないようにするとともに、室内ファン42の風量を風量“急”に変更する制御を行う。
【0108】
また、冷房運転において、ステップS2に係る要求風向及び要求風量に基づく制御がなされる場合には、空調対象室RA内の利用者快適性を高めることができるように、室内制御部50は、人検知センサ群46及び床温度センサ47等の検知結果に基づいて、各フラップ45a〜45dの風向角度及び室内ファン42の風量を種々の風向・風量に設定しつつ制御することができる。例えば、室内機40aの人検知センサ群46が分割エリアA〜Dの人の存在を検知した場合、室内機40aの室内制御部50は、該センサ群46の検知結果に基づいて、人の存在が検知された分割エリアA〜Dに対応する吹き出し口41aa〜41adのフラップ45a〜45dの風向角度を“水平方向”に設定することができる。一方、人が不在である分割エリアA〜Dにおいては、室内制御部50は、“水平方向“よりも下向きの風向“上方向”等に設定することができる。これにより、分割エリアA〜Dにいる利用者のドラフトによる不快感を抑え、利用者の快適性の向上が図れる。
【0109】
(3−3)暖房運転
以下では、空調システム100が上述した暖房運転(図11のS3〜S4)を行う場合の動作について説明する。
【0110】
暖房運転は、室外熱交換器23が冷媒の蒸発器として機能し、かつ、各室内機40a,40bの室内熱交換器43が冷媒の放熱器として機能するように冷媒回路10内の冷媒を循環させることによって、空調室内の空気を加熱して空調室内に空調空気として供給する運転である。
【0111】
まずは、室外熱交換器23が冷媒の蒸発器として機能し、かつ、室内熱交換器43が冷媒の放熱器として機能する状態(すなわち、図2の四路切換弁22の破線で示される状態)になるように、四路切換弁22が切り換えられる。
【0112】
このような状態の冷媒回路10において、冷凍サイクルにおける低圧の冷媒は、圧縮機21に吸入され、冷凍サイクルにおける高圧まで圧縮された後に吐出される。圧縮機21から吐出された高圧の冷媒は、四路切換弁22、ガス側閉鎖弁26及びガス冷媒連絡管P6を通じて、各室内機40a,40bの室内熱交換器43に送られる。ここで、各室内熱交換器43に送られる冷媒の流量は、各室内機40a,40bの流量調節弁44の開度に応じた量となっている。各室内熱交換器43に送られた高圧の冷媒は、室内熱交換器43において、各室内ファン42によって供給される空調室内の空気と熱交換を行って放熱する。これにより、空調室内の空気は、加熱されて空調空気となり、開放されている各吹き出し口41aa〜41ad,41ba〜41bdから各分割エリアA〜D,E〜Hに吹き出される。室内熱交換器43において放熱した高圧の冷媒は、液冷媒連絡管P5及び液側閉鎖弁25を介して膨張弁24に送られ、冷凍サイクルにおける低圧まで減圧される。膨張弁24において減圧された低圧の冷媒は、室外熱交換器23に送られる。室外熱交換器23に送られた低圧の冷媒は、室外熱交換器23において、室外ファン27によって供給される空調室内の空気と熱交換を行って蒸発する。室外熱交換器23において蒸発した低圧の冷媒は、四路切換弁22を介して、再び圧縮機21に吸入される。
【0113】
尚、このような暖房運転においては、吸込空気温度が統括コントローラ60等から要求された目標空気温度になるように制御される。すなわち、暖房運転において、吸込空気温度が目標空気温度よりも低い場合には、上記の運転制御を行う。そして、吸込空気温度が目標空気温度に達した場合には、圧縮機21を停止して冷媒回路10内の冷媒の循環を行わないようにするとともに、室内ファン42の風量を風量“急”に変更する制御を行う。
【0114】
また、ステップS4に係る要求風向及び要求風量に基づく制御がなされる場合には、空調対象室RA内の利用者の快適性を高めることができるように、室内制御部50は、人検知センサ群46及び床温度センサ47等の検知結果に基づいて、各フラップ45a〜45dの風向角度及び室内ファン42の風量を種々の風向・風量に設定しつつ制御することができる。例えば、室内機40aの人検知センサ群46が分割エリアA〜Dの人の存在を検知した場合、室内機40aの室内制御部50は、該センサ群46の検出結果に基づいて、人の存在が検知された分割エリアA〜Dに対応する吹き出し口41aa〜41adのフラップ45a〜45dの風向角度を“水平方向”に設定することができる。一方、人が不在である分割エリアA〜Dにおいては、室内制御部50は、“水平方向“よりも下向きの風向“上方向”等に設定することができる。これにより、分割エリアA〜Dにいる利用者のドラフトによる不快感を抑え、利用者の快適性の向上が図れる。
【0115】
また、床温度センサ47が検知した空調対象室RA内の床面の温度が目標床面温度よりも低い場合には、室内制御部50は、各フラップ45a〜45dの風向角度を下向きの風向“下方向”等に設定することができる。一方、空調対象室RA内の床面の温度が目標床面温度に達している場合には、各フラップ45a〜45dの風向角度を上向きの風向“上方向”等に設定することができる。これにより、空調対象室RA内の床面付近が十分に暖まっていない場合に、暖気を床面まで到達させることができ、空調対象室RA内の利用者の快適性の向上を図ることができる。
【0116】
(4)特徴
(4−1)
本実施形態に係る空調システム100によると、除霜運転時、人検知センサ群446の検知結果に基づいて、各室内機40a,40bに流れる冷媒の流量制御が行われる。例えば、除霜運転時、人のいる空調対象室RA内に空調空気を送る室内機40aについては、冷媒の流量を少なくし、人のいない空調対象室RA内に空調空気を送る室内機40bについては、冷媒の流量を多くするといった制御が可能である。このように、複数の室内機40a,40bそれぞれに流れる冷媒の流量を、空調対象室RA内の人の有無に応じて決定することで、除霜運転時に空調対象室RA内にいる人の快適性ならびに除霜運転の効率化を、バランス良く向上させることができる。
【0117】
(4−2)
また、本実施形態に係る空調システム100では、人検知センサ群46の検知結果に基づく流量調節弁44の開度の調節によって、空調対象室RA内の人の有無に応じて決定された冷媒量が各室内機40a,40bに流れることとなる。これにより、各室内機40a,40bの流量は、簡単かつ確実に調節される。
【0118】
(4−3)
また、本実施形態に係る空調システム100によると、除霜運転時、人検知センサ群46の検知結果に基づいて、各室内機40a,40bの室内ファン42に対し、運転又は運転を停止させる制御が行われる。例えば、除霜運転時、人のいる空調対象室RA内に空調空気を送る室内機40aについては、室内ファン42の運転が停止され、人のいない空調対象室RA内に空調空気を送る室内機40bについては、室内ファン42が運転することができる。このように、複数の室内機40a,40bそれぞれの室内ファン42の運転制御を、空調対象室RA内の人の有無に応じて決定することで、除霜運転時に空調対象室RA内にいる人の快適性ならびに除霜運転の効率化を、よりバランス良く向上させることができる。
【0119】
(4−4)
また、本実施形態に係る空調システム100によると、除霜運転時、人検知センサ群46の検知結果に基づいて、各室内機40a,40bの室内ファン42の回転数制御が更に行われる。例えば、除霜運転時、人のいる空調対象室RA内に空調空気を送る室内機40aは、室内ファン42の回転数が小さくなり、人のいない空調対象室RA内に空調空気を送る室内機40bは、室内ファン42の回転数を大きくすることができる。このように、複数の室内機40a,40bそれぞれの室内ファン42の回転数を、空調対象室RA内の人の有無に応じて決定することで、除霜運転時に空調対象室RA内にいる人の快適性ならびに除霜運転の効率化を、よりバランス良く向上させることができる。
【0120】
(4−5)
また、本実施形態に係る空調システム100によると、除霜運転時、人検知センサ群46の検知結果に基づいて、各室内機40a,40bの各吹き出し口41aa〜41ad,45ba〜45bdの開閉及び各フラップ45a〜45dの角度制御が行われる。例えば、除霜運転時、人のいる空調対象室RA内に空調空気を送る室内機40aのフラップ45a〜45dは、吹き出し口41aa〜41adを閉じるかまたは約水平の角度を採るおとができる。一方、人のいない空調対象室RA内に空調空気を送る室内機40bのフラップ45a〜45dは、吹き出し口45ba〜45bdを開放することができる。このように、複数の室内機40a,40bそれぞれのフラップ45a〜45dの開閉及び風向角度を、空調対象室RA内の人の有無に応じて決定することで、除霜運転時に空調対象室RA内にいる人の快適性をより向上させることができる。
【0121】
(4−6)
また、本実施形態に係る空調システム100では、それぞれの室内機40a,40bにおいて、複数の人検知センサ46a〜46dで構成される人検知センサ群46が設けられている。そして、各人検知センサ46a〜46dが人の有無を検知する分割エリアA〜D,E〜Hは、各室内機40a,40bの各吹き出し口41aa〜41ad,41ba〜41bdから吹き出される空調空気の気流の届く範囲によって決定されている。これにより、除霜運転時における各室内機40a,40b,・・・への冷媒の流量は、各人検知センサ46a〜46dによって検知された検知結果に基づき、より効果的に決定することができる。
【0122】
(4−7)
また、本実施形態に係る空調システム100に係る統括コントローラ60には、室内機関連データ61aを記憶する記憶部61が備えられている。室内機関連データ61aでは、各分割エリアA〜D,E〜Hにおける人の存在の有無を示す在/不在情報の組み合わせが、各室内機40a,40bに流す冷媒の流量と対応づけられている。そして、除霜運転時における各室内機40a,40bへの冷媒の流量は、人検知センサ群46の検知結果と、予め記憶されている室内機関連データ61aとによって決定される。そのため、人の存在の有無に対する冷媒の流量を予めきめ細かく設定しておくことで、実際に除霜運転を行う際の冷媒の流量を、その時々の分割エリアA〜D,E〜H毎の人の有無に応じてきめ細かく制御することが可能となる。
【0123】
(5)変形例
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、上記実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【0124】
(5−1)変形例A
上記実施形態では、図5に示すように、各室内機40a,40bに対し、4つの赤外線センサ46a〜46dの集合体からなる人検知センサ群46が設けられていると説明した。しかし、本発明に係る人検知センサは、各分割エリアA〜D,E〜H毎の人の有無の存在を検知できるのであれば、どのような構成であってもよい。従って、本発明では、1つの室内機40a,40bに対し、複数のセンサの集合体であるセンサ群が設けられているのではなく、1つのセンサが設けられていても良い。
【0125】
人検知センサ46’の他の例としては、図13に示すように、赤外線受光素子(図示せず)に赤外線を受光させるための開口部46’fが形成されており、この開口部46’fがケーシング41の下面の平面視において約360度回転する構成が挙げられる。この場合、開口部46’fは、赤外線受光素子に赤外線を受光させることが可能な透過性部材によって覆われていてもよい。
【0126】
更に、人検知センサの他の例としては、開口部46’fが回転するのではなく、赤外線受光素子が回転する構成などが挙げられる。
【0127】
(5−2)変形例B
上記実施形態では、1台の室内機40a,40bに対し、吹き出し口41aa〜41ad,41ba〜41bdがケーシング41の下面の周縁部に沿うようにして4つ設けられている場合について説明した。しかし、本発明に係る吹き出し口の数はこれに限定されず、例えばケーシング41の下面の4つの角部それぞれに対応するようにして、更に4つが設けられていても良い。これにより、ケーシング41の下面の4角形の各辺に対応する方向だけでなく、当該下面の各角部に対応する方向にも、空調空気が吹き出されるようになる。
【0128】
また、上記実施形態においては、空調システム100内の室内機が2台である場合について説明した。しかし、本発明に係る空調システムの室内機の台数は、2台以上であればよく、2台に限定されるものではない。
【0129】
(5−3)変形例C
上記実施形態では、図9に示すように、ファンの風量情報及び風向角度の組み合わせとして“強”“上”または“強”“水平”、“弱““水平”の3通りを一例として示していた。しかし、ファンの風量情報及び風向角度の組み合わせは、これらに限定されない。更なる在/不在情報の組み合わせの状態や、人の快適性保護及び除霜運転の促進の観点から、ファンの風量情報及び風向角度の組み合わせが適宜決定されればよいため、例えば“急”“下”などの組み合わせがあってもよい。
【0130】
また、図9では、レコードNo.2,5に示されるように、いずれかの分割エリアA〜D(または分割エリアE〜H)の在/不在情報全てが“在”であって、他方の分割エリアE〜H(または分割エリアA〜D)の在/不在情報全てが“不在”である場合には、人のいる方の室内機は室内ファンの運転が停止し、人のいない方の室内機の室内ファンは運転すると説明した。しかし、人のいる方の室内機においても、微弱な風量としつつ室内ファンを運転させてもよい。
【0131】
(5−4)変形例D
上記実施形態では、図9に示すように、除霜運転時、1つの室内機40a(または室内機40b)におけるフラップ45a〜45dは、全て同じ風向角度を採るように制御される場合について説明した。しかし、除霜運転時、1つの室内機40a(または室内機40b)におけるフラップ45a〜45dであっても、それぞれが異なった風向角度を採るように制御がなされてもよい。即ち、除霜運転時、各室内機40a,40bのフラップ45a〜45dは、採り得る角度について独立制御がなされてもよい。
【0132】
(5−5)変形例E
上記実施形態では、図9の室内機関連データ61aが除霜運転時にのみ用いられると説明した。しかし、室内機関連データ61aは、除霜運転時のみならず、暖房運転時に利用されてもよい。
【0133】
(5−6)変形例F
上記実施形態では、統括コントローラ60が各室内機40a,40bの冷媒の流量等を決定する場合について説明した。しかし、本発明においては、各室内機40a,40bの冷媒の流量等は、統括コントローラ60ではなく、各室内機40a,40b自身が決定してもよい。この場合、各室内機40a,40bは、図9の室内機関連データ61aを記憶する記憶部を有し、除霜運転時には、他の室内機40a,40bからの人検知センサ群46の検知結果全てを取得する。即ち、各室内機40a,40bは、人検知センサ群46の検知結果全てから所定人数に対する各分割エリアA〜D,E〜Hの人数の比率を演算し、室内機関連データ61aの在/不在情報に当てはめることで、該当するレコードから自身の室内機40aの各種動作を決定する。
【0134】
(5−7)変形例G
上記実施形態では、各室内機40a,40bによって空調されるエリアが4つの分割エリアA〜D,E〜Hに分割されている場合について説明した。しかし、分割エリアの数は、これに限定されず、各室内機40a,40bによって空調されるエリアが複数の分割エリアに分割されていればよい。
【符号の説明】
【0135】
100 空調システム
P5,P6 冷媒連絡管
20 室外機
23 室外熱交換器
40a,40b 室内機
41 ケーシング
41aa〜41ad,41ba〜41bd 吹き出し口
41ae,41be 吸い込み口
42 室内ファン
43 室内熱交換器
44 流量調節弁
45a〜45d フラップ
46 人検知センサ群
46a〜46d 赤外線センサ
50 室内制御部
51 ファン制御部
52 フラップ制御部
53 冷媒流量制御部
60 統括コントローラ
61 記憶部
61a 室内機関連データ
62 制御部
66 操作パネル
【先行技術文献】
【特許文献】
【0136】
【特許文献1】特許第3807305号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
室外熱交換器(23)を有する室外機(20)と、
空調空気を空調対象空間に吹き出すための吹き出し口(41aa〜41ad,41ba〜41bd)が形成されたケーシング(41)と、空調対象空間内の人の存在の有無を検知する人検知センサ(46)とを有し、前記室外機と冷媒配管(R5,R6)によって接続された複数の室内機(40a,40b)と、
前記室外熱交換器に付着した霜を取り除く除霜運転時、前記人検知センサの検知結果に基づいて各前記室内機に流れる冷媒の流量を決定する冷媒流量決定部(62)と、
前記冷媒流量決定部により決定された冷媒の流量に基づき各前記室内機について冷媒流量制御を行う冷媒流量制御部(53)と、
を備える、空調システム(100)。
【請求項2】
各前記室内機は、各前記室内機に流れる冷媒の流量を変えることが可能な流量調節弁(44)を更に有しており、
前記冷媒流量制御部は、前記冷媒流量決定部により決定された各前記室内機の冷媒の流量に基づいて、前記流量調節弁の開度を可変させる、
請求項1に記載の空調システム(100)。
【請求項3】
各前記室内機は、前記吹き出し口から吹き出される空調空気の流れを生成する室内ファン(42)を更に有しており、
前記除霜運転時、前記人検知センサの検知結果に基づいて、各前記室内ファンに対し運転又は運転を停止させる制御を行うファン制御部(51)、
を更に備える、
請求項1または2に記載の空調システム(100)。
【請求項4】
前記ファン制御部は、前記除霜運転時、前記人検知センサの検知結果に基づいて、各前記室内ファンの回転数制御を更に行う、
請求項3に記載の空調システム(100)。
【請求項5】
各前記室内機は、前記吹き出し口を開閉可能に設けられ前記吹き出し口から吹き出される空調空気を案内するフラップ(45a〜45d)を更に有しており、
前記除霜運転時、前記人検知センサの検知結果に基づいて、各前記フラップによる各前記吹き出し口の開閉及び各前記フラップの風向角度の制御を行うフラップ制御部(52)、
を更に備える、
請求項1から4のいずれか1項に記載の空調システム(100)。
【請求項6】
前記吹き出し口は、1つの前記ケーシングに対し複数設けられており、
前記人検知センサは、
1つの前記室内機に対し1または複数設けられており、
各前記吹き出し口から吹き出される空調空気の気流が到着する吹き出しエリア(A’,B’,C’,D’,E’,F’,G’,H’)に基づいて空調対象空間が複数のエリアに分割された分割エリア(A,B,C,D,E,F,G,H)それぞれにおける人の有無の存在を検知する、
請求項1から5のいずれか1項に記載の空調システム(100)。
【請求項7】
各前記分割エリアにおける人の存在の有無を示す在/不在情報の組み合わせを、各前記室内機に流す冷媒の流量と対応づけて室内機関連データ(61a)として記憶する記憶部(61)、
を更に備え、
前記冷媒流量決定部は、前記除霜運転時、各前記人検知センサの検知結果を前記室内機関連データに当てはめることにより、各前記室内機に流れる冷媒の流量を決定する、
請求項6に記載の空調システム(100)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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