説明

突起物探索装置および突起物探索方法

【課題】屋内における水平面から立ち上がっている面を対象にして、突起物の有無を探索することができる探索装置を提供する。
【解決手段】突起物探索装置は、長手方向に並ぶ複数の接触センサを有する複数の棒状体が横方向に配列した接触体1と、棒状体の長手方向が屋内における立ち上がり面(床等の水平面とは異なる面)と直交する状態で、棒状体の先端部分を屋内の側面と接触させつつ接触体を上下方向に移動させる接触体駆動部2と、接触体駆動部に接触体を移動させるための制御信号を出力する接触体移動制御部3と、接触体1が移動しているときに複数の棒状体における接触センサの検出信号を入力する接触情報入力部4と、接触情報入力部4が入力した検出信号にもとづいて、立ち上がり面における突起物の有無を検出し、突起物を検出した場合に突起物の形状を判別する突起物検出部5とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内の壁等に存在する突起物の有無を探索する突起物探索装置および突起物探索方法に関する。
【背景技術】
【0002】
室内の壁や家具の側面上に存在する釘やとげなどの突起物は、大人子供を問わず怪我の本となり危険である。突起物を見いだす簡便な方法は、人間の視力や触覚にもとづいて探索する方法である。視認にもとづく探索方法を実施する場合には、照明が必要であり、暗い場所では作業は困難である。また、突起物を見落とす可能性もある。さらに、探索面積が広くなった場合には、時間および人件費が増大する。
【0003】
触覚にもとづく探索方法を実施する場合には、手で壁や家具に触れて探すことになるが、突起物が探索者に害を及ぼす可能性があるので好ましくない。人間の代わりに装置が探索する場合には探索者に害を及ぼす可能性はないので、ロボットが探索を行うことも考えられる(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2001−125641号公報(段落0005,0006)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、自律的に移動可能なロボットは、室内の空間における物体を検索することはできるが、部屋の壁等の水平面(例えば、床)から立ち上がっている面を対象にして物体を検索することは、ロボットにとって容易ではない。
【0006】
そこで、本発明は、屋内における水平面から立ち上がっている面を対象にして、突起物の有無を探索することができる探索装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による突起物探索装置は、屋内における水平面から立ち上がっている立ち上がり面に存在する突起物を探索する突起物探索装置であって、長手方向に並ぶ複数の接触センサを有する複数の棒状体が横方向に配列した接触体と、棒状体の長手方向が屋内における立ち上がり面と直交する状態で、棒状体の先端部分を立ち上がり面と接触させつつ接触体を上下方向に移動させる接触体駆動部と、接触体駆動部に接触体を移動させるための制御信号を出力する接触体移動制御部と、接触体が移動しているときに複数の棒状体における接触センサの検出信号を入力する接触情報入力部と、接触情報入力部が入力した検出信号にもとづいて、立ち上がり面における突起物の有無を検出し、突起物を検出した場合に突起物の形状を判別する突起物検出部とを備えたことを特徴とする。
【0008】
本発明による突起物探索方法は、屋内における水平面から立ち上がっている立ち上がり面に存在する突起物を探索する突起物探索方法であって、長手方向に並ぶ複数の接触センサを有する複数の棒状体が横方向に配列した接触体の長手方向が屋内における立ち上がり面と直交する状態で、棒状体の先端部分を立ち上がり面と接触させつつ接触体を上下方向に移動させ、接触体が移動しているときに複数の棒状体における接触センサの検出信号を入力し、接触情報入力部が入力した検出信号にもとづいて、立ち上がり面における突起物の有無を検出し、突起物を検出した場合に突起物の形状を判別することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、人手によらず、屋内における水平面から立ち上がっている面を対象にして、突起物の有無を探索することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1は、本発明による突起物探索装置の主要部を示す説明図である。図1に示すように、突起物探索装置は、長手方向に並ぶ複数の接触センサを有する複数の棒状体が横方向に配列した接触体1(図2に示す構成におけるタッチブラシ116に相当)と、棒状体の長手方向が屋内における立ち上がり面(床等の水平面とは異なる面)と直交する状態で、棒状体の先端部分を屋内の側面と接触させつつ接触体を上下方向に移動させる接触体駆動部2(図2に示す構成における首振り機構部121に相当)と、接触体駆動部2に接触体を移動させるための制御信号を出力する接触体移動制御部3(図2に示す構成における首振り制御部104に相当)と、接触体1が移動しているときに複数の棒状体における接触センサの検出信号(図2における接触情報に相当)を入力する接触情報入力部4(図2に示す構成におけるタッチブラシ制御部103に相当)と、接触情報入力部4が入力した検出信号にもとづいて、立ち上がり面における突起物の有無を検出し、突起物を検出した場合に突起物の形状を判別する突起物検出部5(図2に示す構成における制御部21および危険物調査処理部23に相当)とを備えている。
【0011】
接触情報入力部4は、棒状体における複数の接触センサの検出信号が物体との接触状態を示している場合に、それらの接触センサのうち屋内における立ち上がり面から最も遠い位置に配置されている接触センサのみが物体との接触状態を示していることを表す検出信号を突起物検出部5に出力する(例えば、接触情報における最も遠い位置に配置されている接触センサに対応する情報のみを「1」にする。)ことが好ましい。
【0012】
接触体駆動部2は、接触体を定速で移動させ、接触情報入力部4は、接触体が一定量(例えば、5mm)移動する毎に棒状体における接触センサの検出信号を入力し、突起物検出部5は、接触センサの検出信号が物体との接触状態を示している棒状体の位置(例えば、X座標値)、および接触情報入力部4が検出信号を入力した接触センサの位置(例えば、Y座標値)にもとづいて突起物の形状を判別する。
【0013】
実施形態1.
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
【0014】
図2は、突起物探索装置の第1の実施の形態(実施の形態1)の装置構成を示すブロック図である。突起物探索装置は、突起物を探索する突起物探索機10と、インターネット100を介して突起物探索機10と通信可能に接続され、突起物探索機10の探索結果を基にプログラム制御により処理を行う突起センタ20とを備えている。図2に示す突起センタ20における各ブロックは、例えばサーバ装置で実現される。よって、突起センタ20は、実際には、例えばサーバ装置である。
【0015】
突起物探索機10は、本体11、首振りローラ部120およびタイヤ125を備えている。本体11には、本体11に搭載されている電気回路等の駆動源であるバッテリ131が内蔵されている。首振りローラ部120には、突起物が接触しているか否かを示す接触情報を出力するタッチブラシ116が設けられている。
【0016】
本体11は、マイクロコンピュータ101、本体側通信制御部150、突起処理フラグ133、内部圧スイッチ107、上部センサ108および下部センサ109〜113を備えている。マイクロコンピュータ101は、部屋移動制御部102、タッチブラシ制御部103、首振り制御部104、タイヤ軸切替制御部105および入出力制御部106を含む。具体的には、部屋移動制御部102、タッチブラシ制御部103、首振り制御部104、タイヤ軸切替制御部105および入出力制御部106は、マイクロコンピュータ101におけるCPUと制御プログラムとで実現される。
【0017】
部屋移動制御部102は、突起物探索機10に設置されているセンサの出力信号を利用して突起物探索機10を移動させる制御を行う。タッチブラシ制御部103は、タッチブラシ116から出力される接触情報、3個の壁センサ117A〜117C、温度センサ118および磁場センサ119から出力される検出信号を入力し、各センサからの接触情報および検出信号にもとづいてタッチブラシ116の動作を制御する。
【0018】
首振り制御部104は、首振り機構部121に対して制御信号を出力する。首振り機構部121は、首振り制御部104からの制御信号に従って首振りローラ部120を上下に垂直移動させる。首振り機構部121は、首振り制御部104からの垂直方向に移動させる制御信号の入力回数を、縦カウンタ141に設定する。縦カウンタ141に設定された数は、適宜、突起センタ20に送信される。
【0019】
タイヤ軸切替制御部105は、突起物探索機10を前後左右に移動させるために、車軸を回転させる指示信号と、前進、後退または停止を指示する指示信号をタイヤ駆動部122に出力する。タイヤ駆動部122は、タイヤ軸切替制御部105からの指示信号に応じて、突起物探索機10を、前進、後退、左移動または停止させる。ただし、左に壁または家具があるときには、一旦右移動させて左へ90度転回させて壁または家具に向き合うようにし、その後、左移動させる。突起物探索機10は、壁や家具に正対しつつ、左横移動を繰り返す。左横移動を行った回数は、突起物表示に使用される横カウンタ140に登録される。
【0020】
タイヤ駆動部122は、タイヤ軸切替制御部105から入力した信号のうち、突起物探索機10を左方向に移動させるための信号(左に進むように車軸を回転させる指示信号)の入力回数すなわち横移動指示数を横カウンタ140に設定する。横カウンタ140に設定された数は、適宜、突起センタ20に送信される。なお、横カウンタ140および縦カウンタ141は、記憶装置(図示せず)の領域に形成されている。
【0021】
入出力制御部106は、表示盤126、操作パネル(OPパネル)127、マイクロフォン/スピーカ(以下、マイク/スピーカという。)128、カメラ・ライト部129の動作を制御する。表示盤126は、カメラ・ライト部129が撮影した画像を表示する。OPパネル127は、ユーザが初期設定入力を行ったり警告解除を行ったりする操作盤である。マイク/スピーカ128は、警告音を出力したり警告音解除用の音声を入力する。カメラ・ライト部129は、ライトを当ながら、突起物や警告対象と判定された対象物等を撮影する。
【0022】
本体側通信制御部150は、本体11のマイクロコンピュータ101と突起センタ20との間のインターネット100を介した情報通信を制御する。
【0023】
突起処理フラグ133は、上フラグ、下フラグおよびLASTフラグと、戻りアドレス、起点アドレスおよび突起番号とを含む。なお、突起処理フラグ133は、記憶装置(図示せず)の一領域で実現される。
【0024】
タッチブラシ制御部103は、突起物である可能性があるものが発見された場合に、タッチブラシ116を上昇させた後に下降させて、上昇時および下降時に、タッチブラシ116に設けられている複数の接触センサから接触情報を入力する。突起処理フラグ133は、それに関する接触情報が既に収集されている突起物に関する接触情報入力処理が再度実行されることがないようにするために使用される。
【0025】
内部圧スイッチ107は、荷重がかかると作動する。例えば、人が突起物探索機10に乗ってきた場合に安全確保のために作動する。内部圧スイッチ107が作動すると、部屋移動制御部102は、突起物探索機10の移動を停止させ、タッチブラシ制御部103は、タッチブラシ116を首振りローラ部120内の格納エリア123に格納させる指示を首振り機構部121に出力する。さらに、入出力制御部106は、マイク/スピーカ128から警告音を出力させ、本体側通信制御部105は、依頼元携帯端末装置(依頼元携帯端末)400にメール送信を行う。内部圧スイッチ107の作動は、荷重が解除されるか、依頼者が解除操作を行った場合に解除される。
【0026】
なお、本実施の形態では、突起物探索サービスを提供する事業者が突起物探索装置を保有している。依頼元携帯端末400は、突起物探索サービスの提供を依頼したユーザ(依頼者)が保持する携帯電話機などの端末装置である。しかし、突起物探索機10がユーザによって保有され、事業者が突起物センタ20を運営する形態でもよい。
【0027】
上部センサ108、下部センサ109〜113、および頭上センサ114は、突起物探索機10が壁や家具などに接触したときに作動する接触型センサである。これらのセンサの作動は、首振りローラ部120の上昇や本体11の前後左右への移動といった動作の停止要因または開始要因になる。
【0028】
首振りローラ部120には、タッチブラシ116、頭上センサ114、鼻先センサ115、壁センサ117A〜117C、温度センサ118、磁場センサ119、カメラ・ライト部129および首振り機構部121が設けられている。
【0029】
タッチブラシ116は、非探索時には首振りローラ部120内の格納エリア123に格納され、突起物探索時に突出し探索終了後に再度格納エリア123に格納される。
【0030】
頭上センサ114は、首振りローラ部120の上移動の上限を検出するために、首振りローラ部120が天井や机などに当たったときに作動する。また、鼻先センサ115が壁や家具への接触を検知するまで突起物探索機10は前進し、壁や家具への接触が検知されると、突起物探索機10は10cm後退する。突起物探索機10が壁や家具から10cm離れると、タッチブラシ116が首振りローラ部120から突出する。壁センサ117A〜117Cは、タッチブラシ116の先端に設置され、壁センサ117A〜117Cが壁等との接触を検知すると、突起物探索が開始される。
【0031】
温度センサ118および磁場センサ119は、コンセント差し込み不良、電源コード加圧による発熱および漏電等を検知するために、タッチブラシ116に内蔵されている。部屋移動制御部102は、温度センサ118が検出した温度が異常温度として定められている特定温度以上になった場合、または磁場センサ119が検出した磁界の強さが所定値以上になった場合に、カメラ・ライト部129に、前方に存在すると推測される危険物を撮影させる。そして、依頼元携帯端末400に対して、緊急検知通知として、音声通知およびメール送信を行う。また、カメラ・ライト部129が撮影した画像を表示盤126に表示する。
【0032】
突起センタ20は、制御部21、センタ側通信制御部22、危険度調査処理部23、突起物MAP作成部24、表示情報格納部25およびレジスタ26を備えている。
【0033】
制御部21は、突起センタ20全体をプログラムに従って制御する。センタ側通信制御部22は、突起物探索機10の本体側通信制御部150との通信制御を行う。危険度調査処理部23は、図形処理部23Aおよび接触情報記憶部23Bを有する。図形処理部23Aは、突起物探索機10から危険度調査処理部23に送信されたXY座標値の接触情報にもとづいて図形処理を行って突起物の形状を判別する。そして、判別した突起物の形状にもとづいて危険度を判定する。その後、接触情報は、突起物の検知順に接触情報記憶部23Bに格納される。なお、接触情報記憶部23Bには、検出された全ての突起物の接触情報が格納されることになる。また、レジスタ26は、所定の範囲にある接触情報を保持する。レジスタ26には、タッチブラシ116に設けられている複数の接触センサから接触情報が読み取られる毎に、読み取られた接触情報が順次書き込まれる。なお、レジスタ26に書き込まれる接触情報は、「1」または「0」である。「1」は接触センサが作動(接触センサの押下を検出した状態)に対応し、「0」は接触センサが非作動に対応する。
【0034】
表示情報格納部25は、突起物の水平位置情報、突起物の垂直位置情報およびカメラ・ライト部129が撮影した画像の撮影データを、検出された突起物に対して順に付される番号である突起番号別に格納する。突起物メモリ27は、突起番号、水平位置情報、垂直位置情報および撮影データを記憶する。突起物メモリ27の内容は、所定の時期に、表示情報格納部25に転送される。
【0035】
図3〜図5は、突起物探索機10を模式的に示す模式図である。図3は、突起物探索機10を横から見た場合の模式図、図4は、突起物探索機10を上から見た場合の模式図、図5は、突起物探索機10を下から見た場合の模式図である。
【0036】
図3〜図5に示すように、本体11における左側(首振りローラ部120が設けられている側を前側とした場合)の下部には、下部センサ109,110が設けられ、右側の下部には、下部センサ112,113が設けられている。本体11における後側には、下部センサ111が設けられている。
【0037】
首振りローラ部120において、頭上センサ114は上部に設置され、鼻先センサ115は先端部に設けられている。また、首振り機構部1231は、首振りローラ部120における下部に設置されているが、首振りローラ部120の一部は、本体11にかかっている。
【0038】
図6は、首振りローラ部120の動作を説明するための説明図である。図6に示すように、首振りローラ部120は、首振り機構部121の一部である昇降機構によって上下方向に移動される。この実施形態で突起物探索対象の部屋を、高さが5mであり、底面の四辺全長が100mである直方体の部屋とする。
【0039】
よって、昇降機構は、例えば、非探索時には本体11に折り曲げられて収納され、探索時には、モータによって駆動され5mまで伸張可能な部材を含むものである。そして、首振りローラ部120の上昇に伴ってタッチブラシ116は上昇し、首振りローラ部120の下降に伴ってタッチブラシ116は下降する。
【0040】
図7は、タッチブラシの形状を説明するための説明図である。図7に示すように、タッチブラシ116には、20本の棒状体が設けられている。それぞれの棒状体の長さは10cmである。また、棒状体は、合成樹脂等の撓む材質で形成されている。なお、図7には、突起物201が存在する屋内における立ち上がり面300に、棒状体の先端が接触している状態が示されている。なお、屋内における水平面から立ち上がっている立ち上がり面は、壁面に限定されないが、以下、立ち上がり面の代表例である壁面を例にして説明を行う。
【0041】
それぞれの棒状体の上面側には、長手方向に50個の凸状の接触部材が等間隔で設けられている。棒状体の内部には、接触部材によって押下されると、そのことを検知する接触センサが形成されている。以下、接触部材の設置位置(Y方向に延びるY座標に相当)を、先端の反対側から順にY[1]、Y[2]、Y[3]、・・・、Y[50]とする。よって、それぞれの棒状体には、50個の接触センサが設けられていることになる。また、20本の棒状体は、Y方向と直交するX方向に、等間隔に並んで配置されている。以下、20本の棒状体の設置位置(X座標に対応)を、一方の側から順にX[1]、X[2]、X[3]、・・・、X[20]とする。なお、各棒状体と隣接する棒状体との間隔は5mmである。
【0042】
図8は、それぞれの棒状体を拡大して示す説明図である。図8には、X[1]の棒状体、X[2]の棒状体およびX[20]のみが示されている。それぞれの棒状体における接触部材には、合成樹脂等の柔軟な材質で形成されたドーム状のキャップが被されている。ドーム状のキャップを設けることによって、タッチブラシ116は、突起物に引っかかることなく円滑に壁面に沿って移動できる。よって、壁面等に存在する突起物との接触角度や突起物の大きさに関係なく確実な接触情報が得られることが期待される。
【0043】
図9は、一般的なタッチパネルの作用を説明するための説明図である。タッチパネルが押下されることによる押下位置における抵抗値変化等を検出することによって、タッチパネルのXY平面における押下位置が検出される。
【0044】
タッチブラシ116には20本の棒状体がX方向に並べて配置されているが、20本の棒状体の長手方向(Y方向)には接触部材が配置されているので、20本の棒状体は、等価的に、10cm×10cmのタッチパネルを形成している。
【0045】
図10は、タッチブラシ116に等価的に形成されたタッチパネルの作用を説明するための説明図である。図10に示すように、形状(高さ、幅、大きさ)が異なる突起物から様々な方向の力(f、f2、f3)が棒状体に加わる可能性があるが、接触部材181にはドーム状のキャップ182に被せられているので、様々な方向の力(f、f2、f3)は、ほぼもれなく、接触部材181に伝達される。すなわち、ドーム状のキャップ182は、接触部材181を介して棒状体における接触センサに対して複数の異なる方向からの力を伝達可能である。よって、精度よく、棒状体における力が加えられて位置を検出できる。なお、図10には、1つの突起物200も示されている。
【0046】
図11は、壁センサの設置位置を示す説明図である。図11に示すように、壁センサ117A〜117Cは、タッチブラシ116における20本の棒状体のうち1本目(X[1])、10本目(X「10」)および20本目(X[20])の先端に内蔵されている。タッチブラシ116が突起物探索を行うときに、全ての壁センサ117A〜117Cが非作動(何も検知しない状態)であれば、突起物探索機10は前進する。壁センサ117A〜117Cのうち1つ以上が作動した場合(何かを検知した状態)には、突起物探索を開始する。また、所定距離進んでも全ての壁センサ117A〜117Cが作動しない場合には、壁面が存在しないと判断されるので、突起物探索機10は前進を中止する。
【0047】
突起物探索時には、略球形の首振り機構部121が首振りローラ部120全体を上下に動かす。突起物探索機10の本体において、マイクロコンピュータ101は、タッチブラシ116における接触センサからの接触情報を用いて突起物探索処理を実行する。タッチブラシ制御部103は、タッチブラシ116が上に向かって、または下に向かって5mm移動する毎に、接触センサからの接触情報を読み取る。
【0048】
棒状体において50個の接触センサのうち複数の接触センサが作動(接触センサの押下を検出した状態)したことを示す接触情報を出力する場合には、タッチブラシ制御部103は、そのうちの壁面から最も遠い位置に配置されている接触センサからの接触情報のみを、突起物探索処理において使用する。具体的には、突起センタ20におけるレジスタ26に格納される接触情報のうち、壁面から最も遠い位置に配置されている接触センサからの接触情報のみを「1」にする。突起物の高さを検知するには、壁面から最も遠い位置に配置されている接触センサからの接触情報のみがあればよいからである。
【0049】
タッチブラシ制御部103は、それぞれの棒状体から入力した接触情報を、本体側通信制御部150を介して突起センタ20に送信する。突起センタ20において、接触情報は、センタ側通信制御部22を介して制御部21に入力される。制御部21は、接触情報をレジスタ26に格納する。
【0050】
図12は、突起物の形状を判別する処理を説明するための説明図である。図12における右側には、移動する1番目の棒状体が破線で模式的に記載されている。図12における左側において、横方向右向きに記載されている矢印は、棒状体の位置を示す。また、上向きの矢印、斜め上向きの矢印、および斜め下向きの矢印は、棒状体が撓んでいることを示す。棒状体は、突起物A、とげBおよび突起物Cに接触すると、撓むことによって突起物A、とげBおよび突起物Cを乗り越える。
【0051】
棒状体は、図12において上側から下側に移動しているとする。図12の右側における矢印は、突起物A、とげ(突起物の一種)Bおよび突起物Cの存在にもとづいて、作動した接触センサのうちの壁面から最も遠い位置に配置されている接触センサが変化することを示す。なお、接触センサが変化するとは、作動した接触センサのうちの壁面から最も遠い位置に配置されている接触センサが他の接触センサになることを意味する。また、図12の右側には、作動した接触センサのうちの壁面から最も遠い位置に配置されている接触センサに対応する座標値の例が示されている。
【0052】
図13は、突起物探索機10による屋内における壁面の突起物探索の方法を説明するための説明図である。図13は、部屋の平面図に相当する。図13に示す例では、A辺およびC辺の長さは40mであり、B辺およびD辺の長さは10mであって、計100mである。また、図13には、家具などの設置物P,Q,R,Sも示されている。図13において、矢印は、壁面に向かう突起物探索機10の進行方向を示す。なお、突起物探索機10は、壁面だけでなく設置物P,Q,R,Sの側面も対象にして突起物探索を行うが、説明を簡単にするために、突起物探索機10は壁面の突起物を探索するというように表現する。
【0053】
基本的に、突起物探索機10は、壁面に向かって前進し、壁面における突き当たった領域について突起物探索を実行し、次いで、後退した後に左に移動し、壁面における突き当たった領域について突起物探索を実行する処理を繰り返す。左に壁(家具等の場合もある。)があるときには、突起物探索機10は、一旦右に移動した後、左に90度回転して、再び壁に向き合う。
【0054】
図14は、突起センタ20におけるレジスタ26の構成例を示す説明図である。また、図15は、突起物探索範囲とレジスタ26との関係を示す説明図である。タッチブラシ116において20本の棒状体(X1〜X20に相当)が設けられ、各棒状体には50個の接触センサが設けられているので、図14に示す例では、レジスタ26には、タッチブラシ116における計1000(50×20)個の接触センサからの接触情報が格納される。なお、タッチブラシ116において20本の棒状体は5mm間隔で設置され、突起物探索機10はタッチブラシ116が壁面を5mm移動する毎に1回接触情報を収集するので、図14において、「幅10cm相当」、「高さ5mm」と表記されている。なお、図14には、タッチブラシ116が収集した1回分の接触情報が格納されている例が示されているが、突起物探索の壁面の高さが5mであり、突起物探索の壁面の全幅が100mであるとすると、図15に示すように、接触情報は、図14に例示されたレジスタ26に1000(5m/5mm)×1000(100m/10cm)回格納される(家具等が設置されていない場合)。ただし、突起物が検知された場合には、レジスタ26に接触情報が格納される回数は、1000×1000を越えることがある。
【0055】
図15には簡略化された構成が示されているが、実際には、縦方向に1000(5m/5mm)個のデータ(1個のデータは、1000個の接触情報を含む)が並び、横方向に1000(100m/10cm)個のデータが並んでいる。なお、図15では、横方向の1000個目のデータが、「レジスタ1000個目」と表記されている。また、図15において、横向き矢印は、突起物探索機10の壁に沿った移動を示し、縦向き矢印は、首振りローラ部120の移動を示す。
【0056】
図16は、突起物検索処理の具体例を示す説明図である。突起物200の形状をより正確に把握するために、突起物が発見された可能性がある場合には、図16に示すように、タッチブラシ116が上昇した後、下降しながら接触情報を収集し、上昇時と下降時に収集された接触情報を用いて壁面に突起物200が存在するか否か判定される。そして、突起物200が存在すると判定した場合には、突起物200の形状を判別する処理が実行される。
【0057】
本体11において、突起処理フラグ133、上フラグ、下フラグおよびLASTフラグの各フラグは、オン(ON)またはオフ(OFF)に設定される。初期値はOFFである。突起物探索機10は、首振り機構部121の動き始めの位置を起点アドレスとする。起点アドレスの位置からタッチブラシ116を上昇させて1回目の接触情報を収集する。1回目の突起物探索で突起物が検知されると、突起物探索機10は、LASTフラグを立てて突起物が検知されなくなるまでタッチブラシ116を上昇させる。突起物が検知されなくなって上昇停止した位置を戻りアドレスとする。その後、タッチブラシ116を下降させて、2回目の接触情報を収集する。タッチブラシ116の上昇時には上フラグがONに設定され、下降時には下フラグがONに設定される。
【0058】
同じ探索エリアについて2回接触情報が収集されると、タッチブラシ制御部103は、突起処理フラグ133をセットする。また、首振り機構部121は、次の探索エリアについて突起物201の探索を実行するために、起点アドレスの位置から戻りアドレスの位置まで上昇する。なお、検出された突起物に対して、昇順の突起番号が割り当てられる。また、上りの突起物探索時に接触情報が収集され、下りの突起物探索時に接触情報が収集されるので、1つの突起物に対して2つの突起番号が割り当てられる。
【0059】
突起センタ20において、レジスタ26に格納された接触情報は、危険度調査処理部23に転送される。転送された接触情報は、接触情報記憶部23Bに格納される。図形処理部23Aは、2つの突起番号について図形処理を行う。
【0060】
図17は、突起物マップ作成部24等の処理を説明するための説明図である。タイヤ駆動部122は、タイヤ軸切替制御部105から入力した信号のうち、突起物探索機10を左方向に移動させるための信号(左に進むように車軸を回転させる指示信号)の入力回数すなわち横移動指示数を横カウンタ140に設定する。横カウンタ140に設定された数は、適宜、突起センタ20に送信される。首振り機構部121は、首振り制御部104からの垂直方向に移動させる制御信号の入力回数を、縦カウンタ141に設定する。縦カウンタ141に設定された数は、適宜、突起センタ20に送信される。
【0061】
突起センタ20において、突起物が検出されたときに、突起物マップ作成部24は、横カウンタ140に設定された数に10cmを乗算した値を水平カウンタ24Aに設定する。また、縦カウンタ141に設定された数に5mmを乗算した値を垂直カウンタ24Bに設定する。
【0062】
突起物マップ作成部24は、さらに、水平カウンタ24Aに設定された値および垂直カウンタ24Bに設定された値を、表示盤126の表示画面のサイズに変換する。突起物探索の壁面の高さが5mであり突起物探索の壁面の全幅が100mであるとすると、表示盤126の全画面のサイズは、100m×5mの探索領域全体に対応する。表示画面のサイズに変換された水平カウンタ24Aに設定された値および垂直カウンタ24Bに設定された値は、表示盤126の画面における突起物の表示位置に対応する。
【0063】
突起物メモリ27には、レジスタ26から転送された突起番号と、水平位置情報および垂直位置情報と、カメラ・ライト部129で撮影された画像の撮影データとが記憶される。なお、水平位置情報および垂直位置情報は、突起物マップ作成部24が水平カウンタ24Aに設定された値および垂直カウンタ24Bに設定された値を変換した値である。危険度調査処理部23は、接触情報にもとづいて図形処理を行って突起物の形状を判別し、判別した突起物の形状にもとづいて危険度を判定するのであるが、突起物が検出されたときに、突起物メモリ27の記憶内容を表示情報格納部25に転送する制御を行う。制御部21は、表示情報格納部25に格納されたデータを突起物探索機10の本体11に送信する。本体11において、入出力制御部106は、転送されたデータにもとづく画像を表示盤126に表示する。
【0064】
次に、図18〜図23のフローチャートを参照して突起物探索機10の動作を説明する。
【0065】
突起物探索の依頼主は、突起物探索の対象である部屋の入口に突起物探索機10を置く(ステップS1)。次に、依頼主は、初期設定を行う(ステップS2)。初期設定において、突起物探索機10に対して、音声またはOPパネル127に対する操作によって、設定したい異常温度、依頼主のメールアドレスおよび対象とする部屋の四辺長等を入力する。さらに、依頼主は、突起物探索機10における全てのカウンタおよびフラグをリセットする。また、表示情報格納部25の内容を初期化する要求を入力する。
【0066】
次に、依頼主は、突起物探索機10に音声またはOPパネル127に対する操作によって開始の指示を出す(ステップS3)。以後、突起物探索装置は、自動的に処理を実行する。
【0067】
タイヤ軸切替制御部105は、タイヤ駆動部122を介して、突起物探索機10を前進させる(ステップS4)。部屋移動制御部102が鼻先センサ115が作動した(物を検知した)ことを検知すると、マイクロコンピュータ101は、鼻先センサ115が壁面を検知したと判断し、ステップS11の処理を開始する。鼻先センサ115が作動する前に他のセンサが作動した場合には、各センサの作動状況に応じて、以下のような処理を行う。
【0068】
頭上センサ114が作動した場合には、部屋移動制御部102は、頭部が進入できない程度に狭い空間に突起物探索機10が存在すると判断し、タイヤ軸切替制御部105に、その旨を通知する。タイヤ軸切替制御部105は、タイヤ駆動部122を介して、突起物探索機10を全てのセンサが作動しなくなるまで後退させる(ステップS22)。なお、入出力制御部106は、カメラ・ライト部129に前方の狭い空間を撮影させる(ステップS22)。また、マイクロコンピュータ101は、依頼主に対してマイク/スピーカ部128におけるスピーカを介して音声通知を行うとともに依頼元携帯端末400にメール送信を行う(ステップS23)。音声通知およびメールの内容は、狭い空間があって突起物探索を行えなかったことである。部屋移動制御部102が全てのセンサが作動しなくなったことを確認すると、タイヤ軸切替制御部105は、タイヤ駆動部122を介して、突起物探索機10を左に10cm移動させる(ステップS24)。そして、ステップS4に戻る。なお、タイヤ駆動部122は、突起物探索機10が左に10cm移動する毎に横カウンタ140の値を+1する。
【0069】
突起物探索機10の左側に設けられている下部センサ109または下部センサ110のみが作動した場合には、部屋移動制御部102は、左側に壁(または家具)があると判断し、タイヤ軸切替制御部105に、その旨を通知する。タイヤ軸切替制御部105は、タイヤ駆動部122を介して、突起物探索機10を右に移動させる(ステップS31)。部屋移動制御部102が移動中に全てのセンサが作動しなかったことを確認した場合には、タイヤ軸切替制御部105は、タイヤ駆動部122を介して、突起物探索機10を停止させ、さらに、左へ90度旋回させて、正面を壁面に向き合わせる(ステップS32,S34)。そして、ステップS4に戻る。
【0070】
部屋移動制御部102が移動中にいずれかのセンサが作動したことを確認した場合には、旋回できないため、タイヤ軸切替制御部105は、タイヤ駆動部122を介して、全てのセンサが作動しない状態にまで突起物探索機10を後退させる。その後、タイヤ軸切替制御部105は、タイヤ駆動部122を介して、突起物探索機10を停止させ、さらに、突起物探索機10を左に移動させる(ステップS32,S33)。そして、ステップS4に戻る。
【0071】
突起物探索機10の左側に設けられている下部センサ109または下部センサ110と、右側に設けられている下部センサ112または113とが、ともに作動した場合には、部屋移動制御部102は、突起物探索機10が進入できない幅の隙間であると判断する。その場合には、マイクロコンピュータ101は、依頼主に音声通知を行うとともに依頼元携帯端末400にメール送信を行う(ステップS41)。音声通知およびメールの内容は、隙間が狭く突起物探索を行えなかったことである。また、タイヤ軸切替制御部105は、タイヤ駆動部122を介して、突起物探索機10を後退させた後、左に10cm移動させる(ステップS42)。そして、ステップS4に戻る。
【0072】
下部センサ112または下部センサ113のみが作動した場合には、タイヤ軸切替制御部105は、タイヤ駆動部122を介して、突起物探索機10を左に10cm移動させる(ステップS51)。そして、ステップS4に戻る。
【0073】
ステップS11では、突起物探索機10は突起物探索を開始するための処理を行う。すなわち、タイヤ軸切替制御部105は、タイヤ駆動部122を介して、突起物探索機10を10cm後退させ、タッチブラシ116を突出させる空間を確保する。次いで、首振り制御部104は、首振りローラ部120にタッチブラシ116を突出する指示信号を出力する。首振りローラ部120は、指示信号に応じて、タッチブラシ116を格納エリア123から突出させる(ステップS12)。
【0074】
部屋移動制御部102がタッチブラシ116の先端に設置されている壁センサ117A〜117Cのうちのいずれかが作動したことを確認するまで、タイヤ軸切替制御部105は、タイヤ駆動部122を介して、突起物探索機10を前進させる(ステップS13,S14)。部屋移動制御部102が壁センサ117A〜117Cのうちのいずれかが作動したことを確認すると、ステップS61に移行する。
【0075】
なお、突起物探索機10が所定距離前進しても壁センサ117A〜117Cが作動しない場合には、部屋移動制御部102は、壁が存在しないと判断する。その場合、首振り制御部104は、首振り機構部121に対して首振りローラ部120を下降させる指示信号を出力する。また、タイヤ軸切替制御部105は、突起物探索機10を次の探索エリアに移動させるために、タイヤ駆動部122を介して突起物探索機10を左に10cm移動させる。そして、ステップS4に戻る。首振りローラ部120を下降させる指示信号を出力するのは、首振りローラ部120が上昇した後に、ステップS11の処理が実行されることがあるからである。
【0076】
ステップS61では、接触情報の収集を開始するために、首振り制御部104は、首振り機構部121に対して首振りローラ部120を上昇させる指示信号を出力する。首振り機構部121は、指示信号に応じて、首振りローラ部120を一定速で上昇させる。そして、タッチブラシ制御部103は、首振りローラ部120が5mm移動する毎に接触情報を収集する(ステップS62)。なお、接触情報の収集を開始したときには、首振りローラ部120の上昇開始時に、タッチブラシ制御部103は接触情報を収集する。すなわち、首振りローラ部120が最も低い位置にあるときに、最初の接触情報の収集が行われる。また、首振り機構部121は、5mm上昇する毎に、縦カウンタ141の値を+1する。
【0077】
ステップS62の処理では、タッチブラシ制御部103は、突出したタッチブラシ116におけるそれぞれの棒状体に設けられている接触センサから接触情報を読み取る。読み取り周期は、首振りローラ部120が5mm移動する毎である。タッチブラシ制御部103は、読み取った接触情報を、本体側通信制御部150を介して突起センタ20に送信する。突起センタ20において、制御部21は、接触情報をレジスタ26に格納する。上記のように、各々の棒状体において複数の接触センサが作動したことを示す接触情報が出力された場合には、タッチブラシ制御部103は、そのうちの壁面から最も遠い位置に配置されている接触センサからの接触情報のみを「1」にする。また、レジスタ26には、1回の接触情報収集領域である高さ5mmで幅10cm分の接触情報が格納される。部屋の探索範囲が、高さ5m、四辺長100mである場合には、それに応じた回数だけレジスタ26に接触情報が格納される。
【0078】
マイクロコンピュータ101は、接触情報にもとづいて突起物を検知したか否か確認する(ステップS63)。具体的には、接触情報において「1」があるか否か確認する。接触情報中に「1」がある場合には、ステップS91に移行する。接触情報中に「1」がない場合には、下フラグがONになっているか否か確認する(ステップS64)。
【0079】
下フラグがONであるということは、首振りローラ部120(具体的には、タッチブラシ116)が上昇しているときに突起物を検知した後に首振りローラ部120が下降していることを意味する。
【0080】
マイクロコンピュータ101は、下フラグがOFFである場合には、首振りローラ部120(具体的には、タッチブラシ116)の現在位置を示すデータを起点アドレスに設定する(ステップS71)。また、突起処理フラグをOFFにする(ステップS72)。
【0081】
突起処理フラグは、首振りローラ部120が上昇しているときに突起物が検知されたとき、および首振りローラ部120が上昇しているときに突起物が検知された後に首振りローラ部120が下降するときにONされる。
【0082】
次いで、マイクロコンピュータ101は、上フラグがONしているか否か確認し(ステップS73)、上フラグがONしていない場合には、ステップS62に戻る。上フラグがONしている場合には、突起処理フラグをONし、上フラグをOFFし、下フラグをONする(ステップS74)。また、突起番号を+1し、首振りローラ部120(具体的には、タッチブラシ116)の現在位置を示すデータを戻りアドレスに設定する(ステップS75)。なお、更新された突起番号(+1された突起番号)は、本体側通信制御部150を介して突起センタ20に送信される。
【0083】
そして、首振り制御部104は、首振り機構部121に対して首振りローラ部120を下降させる指示信号を出力する(ステップS76)。首振り機構部121は、指示信号に応じて、首振りローラ部120を一定速で下降させる。その後、ステップS62に戻る。
【0084】
マイクロコンピュータ101は、ステップS64の処理で下フラグがONであることを確認した場合には、LASTフラグがONであるか否か確認する(ステップS65)。LASTフラグがOFFである場合には、ステップS62に戻る。LASTフラグがONである場合には、上フラグ、下フラグおよびLASTフラグをOFFにして、ステップS81に移行する。
【0085】
なお、マイクロコンピュータ101は、下フラグがONである場合に、首振りローラ部120の位置が戻りアドレスに設定されているデータが示す位置になったときには、上フラグ、下フラグおよびLASTフラグをOFFにし、首振り制御部104に対して、戻りアドレスに設定されているデータが示す位置まで首振りローラ部120を上昇させる指示を首振り機構部121に出力させる。そして、ステップS62に戻る。
【0086】
LASTフラグは、下フラグがONであるときに突起物が検知された場合にONにされる。突起物が検知されず下フラグがONであるということは、首振りローラ部120が上昇しているときに突起物が検知された後に首振りローラ部120が下降しているときに、突起物が検知されない状況であることを意味する。そして、その状況において、LASTフラグがONであるということは、首振りローラ部120(具体的には、タッチブラシ116)の下降時に少なくとも1回は突起物が検知されたことを意味する。従って、LASTフラグがONである場合、すなわち首振りローラ部120の下降時にも突起物が検知されていた場合には、ステップS81に移行する。
【0087】
ステップS81では、突起センタ20における危険度調査処理部23の図形処理部23Aが、突起番号(N)に対応する接触情報と、次の番号の突起番号(N+1)に対応する接触情報とを用いて図形処理を行う。なお、突起センタ20において、「1」を含む接触情報がレジスタ26に格納された場合には、レジスタ26の内容は、突起番号に対応付けられて接触情報記憶部23Bに転送されている。
【0088】
図形処理とは、接触情報記憶部23Bに格納されている接触情報から、図12の右側における矢印のような図形を作成することである。ただし、実際に図形を作成する必要はなく、接触情報記憶部23Bに格納されている接触情報にもとづいて、図12の右側における矢印のような図形を認識すればよい。接触情報は位置情報(Y方向の座標値)を含むので、危険度調査処理部23は、棒状体における物体との接触状態を示した接触センサの位置にもとづいて突起物の形状を判別することになる。また、上記の説明は1本の棒状体に着目した説明であるが、タッチブラシ116には水平方向に20本の棒状体が設けられているので、危険度調査処理部23は、物体との接触状態を示した接触センサを有する棒状体にもとづいて、すなわちX方向の座標値にもとづいて、図12における紙面に垂直方向の突起物の形状を把握することができる。つまり、危険度調査処理部23は、接触センサの検出信号が物体との接触状態を示している棒状体の位置にもとづいて突起物の形状を判別する。
【0089】
また、突起番号(N)に対応する接触情報は、首振りローラ部120の上昇時に収集された接触情報であり、突起番号(N+1)に対応する接触情報は、同じエリアについて首振りローラ部120の下降時に収集された接触情報であるから、それらは一致するはずである。しかし、一致しない場合には、例えば、突起番号(N)に対応する接触情報と突起番号(N+1)に対応する接触情報とのいずれかにおいて「1」になっている箇所について、接触情報において「1」であるとみなす。
【0090】
危険度調査処理部23は、図形処理の結果にもとづいて、突起物が危険であるか否か確認する(ステップS82)。例えば、認識された突起物の先端の面積が、あらかじめ定められている面積以下である場合(警報出力対応形状範囲に入っている場合の一例)に、突起物が危険であると判定される。突起物が危険であると判定された場合には、ステップS101に移行する。また、例えば突起物の高さが1cm以上である場合にも、ステップS101に移行する。
【0091】
突起物が危険であるとはいえず、また、突起物の高さが1cm未満である場合には、突起センタ20における制御部21は、センタ側通信制御部22を介して、突起物探索機10の本体11に、依頼主に対して音声通知を行うとともに依頼元携帯端末400にメール送信を行うように指示する。本体11におけるマイクロコンピュータ101は、依頼主に対して音声通知を行うとともに依頼元携帯端末400にメール送信を行う(ステップS84)。音声通知およびメールの内容は、突起物が発見されたことである。
【0092】
また、突起物探索機10の本体11において、首振り制御部104は、首振り機構部121を介して、首振りローラ部120を戻りアドレスに設定されているデータが示す位置まで上昇させる指示を出す(ステップS85)。その後、ステップS61に戻る。
【0093】
ステップS101では、突起センタ20の制御部21は、センタ側通信制御部22を介して、突起物探索機10の本体11に、撮像指示を送信する。本体11において、入出力制御部106は、カメラ・ライト部129に前方を撮影させる。マイクロコンピュータ101は、カメラ・ライト部129が撮影した画像の撮像データを、本体側通信制御部150を介して突起センタ20に送信する。突起センタ20において、制御部21は、撮像データを受信し、突起物メモリ27に格納する。また、突起物マップ作成部24は、横カウンタ140に設定された数に10cmを乗算した値を水平カウンタ24Aに設定する。また、縦カウンタ141に設定された数に5mmを乗算した値を垂直カウンタ24Bに設定する。そして、水平カウンタ24Aに設定された値および垂直カウンタ24Bに設定された値を、表示盤126の表示画面のサイズに変換した後、水平位置情報および垂直位置情報として、突起物メモリ27に格納する。
【0094】
また、危険度調査処理部23は、突起物メモリ27の記憶内容を表示情報格納部25に転送する。その後、制御部21は、表示情報格納部25に格納されたデータを、センタ側通信制御部22を介して、突起物探索機10の本体11に送信する。突起物探索機10の本体11において、入出力制御部106は、突起センタ20から受信したデータを表示盤126に出力し、表示盤126の表示させる。
【0095】
また、突起センタ20における制御部21は、センタ側通信制御部22を介して、突起物探索機10の本体11に、依頼元携帯端末400にメール送信を行うように指示する。本体11におけるマイクロコンピュータ101は、依頼元携帯端末400にメール送信を行う(ステップS102)。メールの内容は、注意すべき突起物が検出されたことである。
【0096】
さらに、突起センタ20における制御部21は、センタ側通信制御部22を介して、突起物探索機10に、突起物探索機10を後退させる指示を送信する(ステップS103)。突起物探索機10の本体11において、タイヤ軸切替制御部105は、タイヤ駆動部122を介して、突起物探索機10を後退させる(ステップS103)。さらに、タイヤ軸切替制御部105は、タイヤ駆動部122を介して、突起物探索機10を左に移動させる(ステップS104)。そして、ステップS4に戻る。
【0097】
ステップS91では、マイクロコンピュータ101は、突起処理中フラグがONしているか否か確認する。突起処理中フラグがOFFである場合には、突起番号を+1し、突起処理中フラグおよび上フラグをONにする(ステップS92)。そして、ステップS93に移行する。突起処理中フラグがONしている場合には、ステップS92の処理を実行せず、ステップS93に移行する。
【0098】
突起センタ20において、制御部21は、レジスタ26の内容を、突起番号に対応させて接触情報記憶部23Bに格納する(ステップS93)。
【0099】
また、マイクロコンピュータ101は、下フラグがONしているか否か確認し(ステップS94)。下フラグがOFFである場合には、ステップS62に戻る。下フラグがONしている場合には、LASTフラグをONにして(ステップS95)、ステップS62に戻る。
【0100】
突起物探索機10が動作しているときに、タッチブラシ制御部103が温度センサ118または磁場センサ119が作動したことを検出した場合には、入出力制御部106は、カメラ・ライト部129で前方を撮影し、撮影した画像を表示盤126に表示させる(ステップS201)。また、入出力制御部106は、依頼主に音声通知を行うとともに依頼元携帯端末400にメール送信を行う(ステップS202)。音声通知およびメールの内容は、異常温度を検出したことまたは磁気を検出したことである。さらに、タイヤ軸切替制御部105は、タイヤ駆動部122を介して、突起物探索機10を後退させる(ステップS203)。そして、突起物探索機10は、再開のための依頼主によるOPパネル127への操作があるまで待機する。
【0101】
突起物探索機10が動作しているときに、タッチブラシ制御部103が内部圧スイッチ107が作動したことを検出した場合には、タイヤ軸切替制御部105は、タイヤ駆動部122を介して、突起物探索機10を停止させる(ステップS301)。また、首振り制御部104は、首振り機構部121を介して、首振りローラ部120を格納エリア123に格納する(ステップS302)。また、入出力制御部106は、依頼主に音声通知を行うとともに依頼元携帯端末400にメール送信を行う(ステップS303)。音声通知およびメールの内容は、人が突起物探索機10に乗ってきたこと等に起因して突起物探索機10に荷重がかかったことである。
【0102】
さらに、入出力制御部106は、マイク/スピーカ128におけるスピーカから、警告音声を出力させる(ステップS304)。入出力制御部106は、依頼主がOPパネル127に中止指示を入力するまで、警告音声の出力を継続する(ステップS305)。OPパネル127に中止指示が入力されると、警告音声の出力を停止する。また、入出力制御部106は、内部圧スイッチ107が作動しなくなった場合にも、警告音声の出力を停止する。
【0103】
以上のように、この実施形態では、ユーザ(依頼主)が自身で作業を行うことなく、室内の壁や家具の側面上の突起物を探索することができる。また、室内灯等が存在しない環境などの突起物を視認しづらい環境でも、突起物を探索することができる。さらに、ユーザが探索しづらい狭い空間についても突起物を探索することができる。
【0104】
なお、この実施形態では、マイクロコンピュータ101は、突起物を検知したときに、タッチブラシ116の上昇させて接触情報を収集し、また、タッチブラシ116の下降させて接触情報を収集したが、すなわち2回接触情報を収集したが、突起物を検知したときに1回だけ接触情報を収集するようにしてもよい。
【0105】
また、高さ5m、四辺長100mの部屋を探索する場合を例にしたが、そのようなサイズは一例である。また、この実施形態でのタッチブラシ116における棒状体のサイズ等も一例である。
【0106】
また、タッチブラシ116によって、壁面等の平面における突起物探索を行うことができるだけでなく、凹凸がある面を対象にした突起物探索を行うこともできる。
【産業上の利用可能性】
【0107】
本発明は、室内の壁等に存在する突起物の有無を探索する用途に好適に適用される。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】本発明による突起物探索装置の主要部を示す説明図である。
【図2】突起物探索装置の装置構成を示すブロック図である。
【図3】突起物探索機を横から見た場合の模式図である。
【図4】突起物探索機を上から見た場合の模式図である。
【図5】突起物探索機を下から見た場合の模式図である。
【図6】首振りローラ部の動作を説明するための説明図である。
【図7】タッチブラシの形状を説明するための説明図である。
【図8】棒状体を拡大して示す説明図である。
【図9】一般的なタッチパネルの作用を説明するための説明図である。
【図10】タッチブラシに等価的に形成されたタッチパネルの作用を説明するための説明図である。
【図11】壁センサの設置位置を示す説明図である。
【図12】突起物と接触情報の関係を示すモデル図である。
【図13】突起物探索機による屋内における壁面の突起物探索の方法を説明するための説明図である。
【図14】突起センタにおけるレジスタの構成例を示す説明図である。
【図15】突起物探索範囲とレジスタとの関係を示す説明図である。
【図16】突起物検索処理の具体例を示す説明図である。
【図17】突起物マップ作成部等の処理を説明するための説明図である。
【図18】突起物探索機の動作を示すフローチャートである。
【図19】突起物探索機の動作を示すフローチャートである。
【図20】突起物探索機の動作を示すフローチャートである。
【図21】突起物探索機の動作を示すフローチャートである。
【図22】突起物探索機の動作を示すフローチャートである。
【図23】突起物探索機の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0109】
10 突起物探索機
11 本体
20 突起センタ
21 制御部
22 センタ側通信制御部
23 危険度調査処理部
23A 図形処理部
23B 接触情報記憶部
24 突起物マップ作成部
25 表示情報格納部
26 レジスタ
27 突起物メモリ
100 インターネット
101 マイクロコンピュータ
102 部屋移動制御部
103 タッチブラシ制御部
104 首振り制御部
105 タイヤ切替制御部
106 入出力制御部
107 内部圧スイッチ
108 上部センサ
109,110,111,112,113 下部センサ
114 頭上センサ
115 鼻先センサ
116 タッチブラシ
117A,117B,117C 壁センサ
118 温度センサ
119 磁場センサ
120 首振りローラ部
121 首振り機構部
122 タイヤ駆動部
125 タイヤ
126 表示盤
127 OPパネル
128 マイク/スピーカ
129 カメラ・ライト部
131 バッテリ
133 突起処理フラグ
140 横カウンタ
141 縦カウンタ
150 本体側通信制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋内における水平面から立ち上がっている立ち上がり面に存在する突起物を探索する突起物探索装置であって、
長手方向に並ぶ複数の接触センサを有する複数の棒状体が横方向に配列した接触体と、
前記棒状体の長手方向が屋内における立ち上がり面と直交する状態で、前記棒状体の先端部分を立ち上がり面と接触させつつ前記接触体を上下方向に移動させる接触体駆動部と、
前記接触体駆動部に接触体を移動させるための制御信号を出力する接触体移動制御部と、
前記接触体が移動しているときに前記複数の棒状体における接触センサの検出信号を入力する接触情報入力部と、
前記接触情報入力部が入力した検出信号にもとづいて、立ち上がり面における突起物の有無を検出し、突起物を検出した場合に突起物の形状を判別する突起物検出部とを備えた
ことを特徴とする突起物探索装置。
【請求項2】
接触情報入力部は、棒状体における複数の接触センサの検出信号が物体との接触状態を示している場合に、それらの接触センサのうち屋内における立ち上がり面から最も遠い位置に配置されている接触センサのみが物体との接触状態を示していることを表す検出信号を突起物検出部に出力する
請求項1記載の突起物探索装置。
【請求項3】
接触体駆動部は、接触体を定速で移動させ、
接触情報入力部は、前記接触体が一定量移動する毎に棒状体における接触センサの検出信号を入力し、
突起物検出部は、接触センサの検出信号が物体との接触状態を示している前記棒状体の位置、および接触情報入力部が検出信号を入力した接触センサの位置にもとづいて突起物の形状を判別する
請求項2記載の突起物探索装置。
【請求項4】
突起物検出部が判定した突起物の形状が、あらかじめ定められている警報出力対応形状範囲に含まれる場合に、警報を出力する警報出力部を備えた
請求項1から請求項3のうちのいずれか1項に記載の突起物探索装置。
【請求項5】
棒状体は、撓む材質で形成されている
請求項1から請求項4のうちのいずれか1項に記載の突起物探索装置。
【請求項6】
棒状体における接触センサに対して複数の異なる方向からの力を伝達可能なドーム状被覆部が、それぞれの接触センサに装着されている
請求項1から請求項5のうちのいずれか1項に記載の突起物探索装置。
【請求項7】
接触体、接触体駆動部、接触体移動制御部および接触情報入力部が搭載された突起物探索機と、
前記突起物探索機と通信ネットワークを介して通信可能に接続され、突起物検出部を備えたサーバ装置とを含む
請求項1から請求項6のうちのいずれか1項に記載の突起物探索装置。
【請求項8】
突起物探索機は、接触体移動制御部および接触情報入力部が搭載された突起物探索機の本体と、接触体および接触体駆動部が搭載された探索機構部とを含み、
前記探索機構部は、前記接触体を収納する収納部を備え、
前記突起物探索機の本体は、本体を移動させる本体駆動部を備え、
前記本体駆動部は、前記接触体が前記収納部に収納された状態で、接触体の先端部分が屋内における立ち上がり面に向かうように本体を移動させた後、接触体の先端部分が立ち上がり面に接触する位置に本体が到達したときに、接触体の長さに相当する距離だけ本体を後退させ、
前記接触体駆動部は、本体が後退した後、前記接触体を前記収納部から突出させる
請求項7記載の突起物探索装置。
【請求項9】
屋内における水平面から立ち上がっている立ち上がり面に存在する突起物を探索する突起物探索方法であって、
長手方向に並ぶ複数の接触センサを有する複数の棒状体が横方向に配列した接触体の長手方向が屋内における立ち上がり面と直交する状態で、前記棒状体の先端部分を立ち上がり面と接触させつつ前記接触体を上下方向に移動させ、
前記接触体が移動しているときに前記複数の棒状体における接触センサの検出信号を入力し、
前記接触情報入力部が入力した検出信号にもとづいて、立ち上がり面における突起物の有無を検出し、突起物を検出した場合に突起物の形状を判別する
ことを特徴とする突起物探索方法。
【請求項10】
棒状体における複数の接触センサの検出信号が物体との接触状態を示している場合に、それらの接触センサのうち屋内における立ち上がり面から最も遠い位置に配置されている接触センサの検出信号を用いて突起物の高さを判別する
請求項9記載の突起物探索方法
【請求項11】
接触体を定速で移動させ、
前記接触体が一定量移動する毎に棒状体における接触センサの検出信号を入力し、
接触センサの検出信号が物体との接触状態を示している前記棒状体の位置、および接触情報入力部が検出信号を入力した接触センサの位置にもとづいて突起物の形状を判別する
請求項10記載の突起物探索方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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