端末装置、探索条件設定方法、および、プログラム
【課題】経路探索を行うための入力を簡略化することができる、端末装置、探索条件設定方法、および、プログラムを提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、近距離無線通信部を介して、近距離無線通信可能な媒体から送信される、地点情報を取得し、取得された地点情報を記憶部に格納して、所定時間記憶させ、記憶部に記憶された一または複数の地点情報を、経路探索条件として設定する。
【解決手段】本発明は、近距離無線通信部を介して、近距離無線通信可能な媒体から送信される、地点情報を取得し、取得された地点情報を記憶部に格納して、所定時間記憶させ、記憶部に記憶された一または複数の地点情報を、経路探索条件として設定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、端末装置、探索条件設定方法、および、プログラムに関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、近距離無線通信が可能なＩＣタグ等の媒体に、さまざまな情報を記憶して利用されている。
【０００３】
例えば、特許文献１に記載の案内システムでは、目的地までの経路上に設置されたＩＣタグに、当該設置箇所の近傍の案内図情報等を記憶させておき、携帯端末によって読取られた場合に、その案内図等を表示させることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】特開２００５−１８０９６７号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
しかしながら、従来、端末装置で経路探索を行う際には、煩雑な入力を強いられるという問題点を有していた。
【０００６】
特に、特許文献１に記載の案内システムでは、設置箇所近傍の案内地図等を表示させることができるものの、利用者が任意の目的地に行きたい場合等に応用することができない、という問題点を有していた。
【０００７】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、経路探索を行うための入力を簡略化することができる、端末装置、探索条件設定方法、および、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
このような目的を達成するため、本発明の端末装置は、近距離無線通信部と記憶部と制御部を少なくとも備えた端末装置において、上記制御部は、上記近距離無線通信部を介して、近距離無線通信可能な媒体から送信される、地点情報を取得する地点情報取得手段と、上記地点情報取得手段により取得された上記地点情報を上記記憶部に格納して、所定時間記憶させる地点情報格納手段と、上記地点情報格納手段により上記記憶部に記憶された一または複数の上記地点情報を、経路探索条件として設定する経路探索条件設定手段と、を備えたことを特徴とする。
【０００９】
また、本発明の端末装置は、上記記載の端末装置において、上記経路探索条件設定手段は、上記記憶部に記憶された上記地点情報の数に基づいて、当該地点情報に基づく位置をそれぞれ出発地、経由地、および／または、目的地として、上記経路探索条件を設定することを特徴とする。
【００１０】
また、本発明の端末装置は、上記記載の端末装置において、上記経路探索条件設定手段は、上記記憶部に記憶された上記地点情報の順序に基づいて、当該地点情報に基づく位置をそれぞれ出発地、経由地、および／または、目的地として、上記経路探索条件を設定することを特徴とする。
【００１１】
また、本発明の端末装置は、上記記載の端末装置において、現在位置情報を取得する現在位置情報取得手段を更に備え、上記経路探索条件設定手段は、現在位置情報取得手段により取得された上記現在位置情報に基づく現在位置を出発地として、当該地点情報に基づく位置を目的地および／または経由地として、上記経路探索条件を設定することを特徴とする。
【００１２】
また、本発明の端末装置は、上記記載の端末装置において、更に、入力部を備え、上記経路探索条件設定手段は、上記記憶部に記憶された上記地点情報に基づく位置および／または現在位置が、上記経路探索条件の出発地、目的地、および／または、経由地として設定されるよう、利用者に上記入力部を介して指定させることを特徴とする。
【００１３】
また、本発明の端末装置は、上記記載の端末装置において、更に、入力部を備え、上記地点情報格納手段は、上記地点情報取得手段により上記地点情報が複数同時に取得された場合、利用者に上記入力部を介して上記地点情報を指定させ、指定された当該地点情報を上記記憶部に格納することを特徴とする。
【００１４】
また、本発明の端末装置は、上記記載の端末装置において、更に、出力部を備え、上記地点情報は、更にクーポン情報を含み、上記制御部は、上記経路探索条件設定手段により設定された上記経路探索条件に基づく経路の経路案内後、上記記憶部に記憶された上記クーポン情報を上記出力部に出力する出力制御手段、を更に備えたことを特徴とする。
【００１５】
また、本発明の端末装置は、上記記載の端末装置において、上記地点情報は、位置情報と時刻情報からなるスケジュール情報を含み、上記経路探索条件設定手段は、上記地点情報格納手段により上記記憶部に格納された上記スケジュール情報に基づいて、上記位置情報に基づく位置とともに、上記時刻情報に基づく時刻を、当該地点情報の数および／または順序に基づいて上記経路探索条件として設定することを特徴とする。
【００１６】
また、本発明の端末装置は、上記記載の端末装置において、更に、出力部を備え、上記地点情報は、メッシュＩＤを含み、上記制御部は、ネットワークを介して、上記メッシュＩＤに属する施設情報を取得して、上記出力部に出力する施設情報取得手段、を更に備えたことを特徴とする。
【００１７】
また、本発明の端末装置は、上記記載の端末装置において、近距離無線通信部と記憶部と制御部を少なくとも備えた端末装置において実行される探索条件実行方法であって、上記制御部において実行される、上記近距離無線通信部を介して、近距離無線通信可能な媒体から送信される、地点情報を取得する地点情報取得ステップと、上記地点情報取得ステップにて取得された上記地点情報を上記記憶部に格納して、所定時間記憶させる地点情報格納ステップと、上記地点情報格納ステップにて上記記憶部に記憶された一または複数の上記地点情報を、経路探索条件として設定する経路探索条件設定ステップと、を含むことを特徴とする。
【００１８】
また、本発明の端末装置は、上記記載の端末装置において、近距離無線通信部と記憶部と制御部を少なくとも備えた端末装置に実行させるためのプログラムであって、上記制御部において、上記近距離無線通信部を介して、近距離無線通信可能な媒体から送信される、地点情報を取得する地点情報取得ステップと、上記地点情報取得ステップにて取得された上記地点情報を上記記憶部に格納して、所定時間記憶させる地点情報格納ステップと、上記地点情報格納ステップにて上記記憶部に記憶された一または複数の上記地点情報を、経路探索条件として設定する経路探索条件設定ステップと、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【００１９】
この発明によれば、近距離無線通信部を介して、近距離無線通信可能な媒体から送信される、地点情報を取得し、取得した地点情報を記憶部に格納して、所定時間記憶させ、記憶部に記憶された一または複数の地点情報を、経路探索条件として設定する。これにより、本発明は、経路探索を行うための入力を簡略化することができるという効果を奏する。特に、従来、目的地等の経路探索条件を入力するのは煩雑であり、また、入力した単語のヒット率が結果に影響するので、正確な位置等の把握ができない場合があるという問題点があった。本発明は、当該問題点を解決し、近距離無線通信可能な媒体から地点情報を取得するので、入力操作が簡略化され、正確な位置等を設定することができる。
【００２０】
なお、近距離無線通信ではなく、ＱＲコード（登録商標）等の二次元コードで、地点情報を読み取らせることも考えられるが、以下の問題が生じる。（１）読み取りにカメラ起動が必要となるため、手間がかかる。（２）同時読み取りができないため、情報に連続性をもたせる事ができない。（３）印刷物のため、データの書込みができない。（４）読み取りの関係上、地図上に表示することができない。（５）夜間の読み取りやバーコードが汚れた場合に読み取りが不可能になる。本発明によれば、近距離無線通信によって地点情報を取得するので、これら種々の問題を解決することができる。
【００２１】
また、本発明によれば、上記において、記憶部に記憶された地点情報の数に基づいて、当該地点情報に基づく位置をそれぞれ出発地、経由地、および／または、目的地として、経路探索条件を設定するので、煩雑な操作を必要とすることなく、正確に地点情報の数に基づいて経路探索条件を設定することができるという効果を奏する。
【００２２】
また、本発明によれば、上記において、記憶部に記憶された地点情報の順序に基づいて、当該地点情報に基づく位置をそれぞれ出発地、経由地、および／または、目的地として、経路探索条件を設定するので、煩雑な操作を必要とすることなく、正確に地点情報の順序に基づいて経路探索条件を設定することができるという効果を奏する。
【００２３】
また、本発明によれば、上記において、現在位置情報を取得し、現在位置情報に基づく現在位置を出発地として、当該地点情報に基づく位置を目的地および／または経由地として、経路探索条件を設定するので、煩雑な操作を必要とすることなく正確に経路探索条件を設定することができるという効果を奏する。
【００２４】
また、本発明によれば、上記において、更に、入力部を備え、記憶部に記憶された地点情報に基づく位置および／または現在位置が、経路探索条件の出発地、目的地、および／または、経由地として設定されるよう、利用者に入力部を介して指定させるので、利用者の所望の位置で経路探索条件を設定することができるという効果を奏する。
【００２５】
また、本発明によれば、上記において、更に、入力部を備え、地点情報が複数同時に取得された場合、利用者に入力部を介して地点情報を指定させ、指定された当該地点情報を記憶部に格納するので、煩雑な操作を必要とすることなく正確に経路探索条件を設定することができるという効果を奏する。
【００２６】
また、本発明によれば、上記において、更に、出力部を備え、地点情報は、更にクーポン情報を含み、設定した経路探索条件に基づく経路の経路案内後、記憶部に記憶されたクーポン情報を出力部に出力するので、目的地等の位置と関連付けて利用者に購買を喚起することができるという効果を奏する。
【００２７】
また、本発明によれば、上記において、地点情報は、位置情報と時刻情報からなるスケジュール情報を含み、記憶部に格納されたスケジュール情報に基づいて、位置情報に基づく位置とともに、時刻情報に基づく時刻を、当該地点情報の数および／または順序に基づいて経路探索条件として設定する。これにより、本発明は、目的地や経由地等の位置だけではなく、到着時刻や経由時刻等の時刻についての入力も簡略化することができるという効果を奏する。
【００２８】
また、本発明によれば、上記において、更に、出力部を備え、地点情報は、メッシュＩＤを含み、ネットワークを介して、メッシュＩＤに属する施設情報を取得して、出力部に出力するので、そのメッシュ範囲にある施設を、利用者に正確に且つ簡便に入力させることができるという効果を奏する。
【００２９】
なお、上記において、本発明の端末装置を一例に効果の説明をしたが、探索条件設定方法、および、プログラムにおいても同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【００３０】
【図１】図１は、本実施形態における端末装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図２】図２は、ＩＣタグ２００の設置例を示す図である。
【図３】図３は、地図の印刷物の裏側に設置されたＩＣタグ２００について、地点情報の取得方法を模式的に示した図である。
【図４】図４は、本実施形態における端末装置１００の処理の一例を示すフローチャートである。
【図５】図５は、地点情報一時ファイル１０６ａに記憶された地点情報が１つの場合の経路探索条件の設定例を示す図である。
【図６】図６は、地点情報一時ファイル１０６ａに記憶された地点情報が２つの場合の経路探索条件の設定例を示す図である。
【図７】図７は、地点情報一時ファイル１０６ａに記憶された地点情報が３つの場合の経路探索条件の設定例を示す図である。
【図８】図８は、利用者に入力部１１６を介して経路探索条件を指定させる例を示す図である。
【図９】図９は、本実施形態における端末１００の具体化処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【００３１】
以下に、本発明にかかる端末装置、探索条件設定方法、および、プログラムの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【００３２】
本発明の実施形態について、図１から図９を参照して以下に説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための経路探索システムを例示するものであって、本発明をこの経路探索システムに特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態にも等しく適用し得るものである。例えば、本実施形態で例示する経路探索システムにおける外部機器等のサーバ側と端末装置側の機能分散の形態は以下に限られず、同様の効果や機能を奏し得る範囲において、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【００３３】
［本実施形態の構成］
まず、本実施形態における端末装置および当該端末装置を備えた経路探索システムの構成の一例について、図１を参照して以下に説明する。ここで、図１は、本実施形態における端末装置の構成の一例を示すブロック図であり、該構成のうち本発明に関係する部分のみを概念的に示している。なお、本実施形態においては、スタンドアローンタイプの経路探索システムを具体例として説明することがあるが、本発明はこれに限ることなく、通信型のナビゲーションを提供する経路探索システムなどにも適用可能である。
【００３４】
図１に示すように、本実施形態の経路探索システムは、概略的に、ＩＣタグ２００、端末装置１００、および、外部機器６００を、通信可能に接続して構成される。ここで、図１に示すように、ＩＣタグ２００と端末装置１００との間は、互いの距離が近い場合に、近距離無線通信によって通信可能に接続される。本実施形態において、「近距離無線通信」とは、比較的到達距離の短い無線通信をいう。例えば、近距離無線通信として、十センチメートル程度の距離で双方向通信が可能なＮＦＣ（Ｎｅａｒ Ｆｉｅｌｄ Ｃｏｍｍｕｎｉｃａｔｉｏｎ）等の通信方式を用いてもよい。
【００３５】
この他、通信には、一例として、ネットワーク３００等を介した有線・無線通信等の遠隔通信等であってもよい。ここで、ネットワーク３００は、端末装置１００、および、外部機器６００等を相互に接続する機能を有し、例えば、インターネット、電話回線網（携帯端末回線網および一般電話回線網等）、イントラネット、または、電力線通信（ＰＬＣ）等であってもよい。
【００３６】
図１に示すように、本実施形態の経路探索システムにおいて、端末装置１００は、位置取得部１１２と出力部１１４と入力部１１６と制御部１０２と記憶部１０６とを備える。また、これら経路探索システムの各部は任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【００３７】
図１に示すように、ＩＣタグ２００は、端末装置１００と近距離無線通信可能な媒体である。ここで、ＩＣタグ２００は、少なくとも地点情報を記憶し、近距離無線通信により端末装置１００に地点情報を送信する機能を有する。ここで、本実施形態において、地点情報は、位置を特定することができる情報（位置情報）を少なくとも含む。例えば、位置情報は、メッシュＩＤ（例えば、ＪＩＳ規格の第１〜３次地域区画メッシュにおけるＩＤ等）であってもよい。なお、位置情報は、位置を直接的に特定することができる施設ＩＤや緯度経度や住所等の情報のみならず、何らかの方法で位置を特定することができる情報をも含む。例えば、位置情報は、ＩＣタグ２００の識別情報（識別子）であってもよい。すなわち、端末装置１００は、識別情報をクエリーとして、記憶部１０６のデータベースや外部機器６００に問い合わせを行うことにより、識別情報に対応する位置を特定することができる。なお、地点情報は、位置情報のみならず、クーポン情報や時刻情報等を含んでもよい。
【００３８】
ここで、ＩＣタグ２００は、非接触型ＩＣカード（ＲＦＩＤカード等）などのカード型情報記憶媒体であってもよい。また、非接触型ＩＣカードは、カード内部にアンテナの役目を果たすコイルやＩＣチップを内蔵している。利用者が、端末装置１００をＩＣタグ２００にかざした場合、端末装置１００の通信制御インターフェース部１０４を構成するセンスコイル（検出コイル）等から発生している磁界によって電磁誘導により、無線で通信データ（地点情報等）のやり取りを非接触で行うことができる。非接触型ＩＣカードの一例として、一般的な３つの通信方式のうちＴｙｐｅＡでは、ＮＴＴ（会社名）のＩＣテレホンカード、ＴｙｐｅＢでは、住民基本台帳番号カード（住基カード）、Ｆｅｌｉｃａ方式では、Ｓｕｃｉａ（登録商標）やＥｄｙ（登録商標）などが挙げられる。なお、本実施形態では、地点情報の提供元の媒体をＩＣタグ２００として説明するが、これに限られず、ＩＣタグ以外の近距離無線通信可能な媒体であってもよい。ここで、ＩＣタグ２００等の媒体の設置例について、図２を参照して説明する。図２は、ＩＣタグ２００の設置例を示す図である。
【００３９】
図２に示すように、ＩＣタグ２００は、一例として、地図の印刷物（紙等の近距離無線通信を妨げない素材）の裏側に設置される。そのため、利用者からは、ＩＣタグ２００を直接見ることはできないが、利用者が、目的とする地図上の箇所に、端末装置１００を近づけると、その位置の裏側に設置されたＩＣタグ２００から地点情報が送信されるように構成されている。すなわち、図２の例において、ＩＣタグ２００−１は、その設置箇所の表面の地図上の位置を特定する地点情報Ａを記憶する。同様に、ＩＣタグ２００−２は、その設置箇所の表面の地図上の位置を特定する地点情報Ｂを記憶する。また、同様に、ＩＣタグ２００−３は、その設置箇所の表面の地図上の位置を特定する地点情報Ｃを記憶する。このように、ＩＣタグ２００には、設置箇所に対応する地図上の位置を特定する地点情報を記憶して端末装置１００に送信する。なお、地図の形態は、看板（地図板等）、ポスター、雑誌等であってもよい。
【００４０】
［端末装置１００の構成］
再び図１に戻り、図１において、端末装置１００は、近距離無線通信部（図示せず）を介して、近距離無線通信可能なＩＣタグ２００等の媒体から送信される地点情報を取得し、取得した地点情報を記憶部１０６に格納して所定時間記憶させ、記憶部１０６に記憶された一または複数の地点情報を、経路探索条件として設定する等の機能を有する。端末装置１００は、例えば、一般に市販されるデスクトップ型またはノート型のパーソナルコンピュータ等の情報処理装置、携帯電話やＰＨＳやＰＤＡ等の携帯端末装置、および、走行経路案内等を行うナビゲーション端末等である。ここで、端末装置１００は、インターネットブラウザ等を搭載していてもよく、経路案内アプリケーションや乗換案内アプリケーション等を搭載していてもよい。また、端末装置１００は、リアルタイムに現在位置取得が行えるよう、ＧＰＳ機能やＩＭＥＳ機能等を有する位置取得部１１２を備える。また、端末装置１００は、出力部１１４と入力部１１６と記憶部１０６と制御部１０２を備える。ここで、出力部１１４は、表示案内データ等の表示画面を表示する表示手段（例えば、液晶や有機ＥＬ等から構成されるディスプレイやモニタ等）のほか、外部機器６００から受信した経路探索結果や案内データを音声として出力する音声出力手段（例えば、スピーカ等）であってもよい。また、入力部１１６としては、例えば、キー入力部、タッチパネル、キーボード、マイク等であってもよい。また、入出力制御インターフェース部１０８は、位置取得部１１２、出力部１１４、および、入力部１１６等の制御を行う。
【００４１】
ここで、位置取得部１１２は、例えば、位置発信装置５００から発信される位置情報信号を受信する位置取得手段であってもよい。ここで、位置発信装置５００は、位置情報信号（ＧＰＳ信号）を発信するＧＰＳ装置であってもよく、また、ＧＰＳ信号と類似した特徴を持つ位置情報信号を用いて屋内測位を可能とするＩＭＥＳ（Ｉｎｄｏｏｒ Ｍｅｓｓａｇｅ Ｓｙｓｔｅｍ）技術を実現するＩＭＥＳ装置であってもよい。なお、ＩＭＥＳ技術は測位衛星システムである準天頂衛星の枠組みから発案されたシステムである。また、位置発信装置５００は、屋外で受信したＧＰＳ信号を屋内で発信するＧＰＳリピータであってもよい。また、位置発信装置５００は、建物（例えば、立体駐車場等）内の各フロアや地下構造物（例えば、トンネル、地下駐車場等）の各所に任意に設置される小型発信装置であってもよい。なお、この小型発信装置には、設置場所に応じた自己位置情報（位置ＩＤ等）が割り振られている。そして、端末装置１００が通信可能範囲に入ると、端末装置１００は、小型発信装置から送信される自己位置情報を位置情報信号として受信する。この際の通信方式は、例えば、ＲＦＩＤ（Ｒａｄｉｏ Ｆｒｅｑｕｅｎｃｙ Ｉｄｅｎｔｉｆｉｃａｔｉｏｎ）タグシステムやＢｌｕｅｔｏｏｔｈ（登録商標）等の各種近距離無線方式や、赤外線通信方式等であってもよい。また、位置発信装置５００は、無線ＬＡＮのアクセスポイントであってもよい。本実施形態において、位置取得部１１２は、無線ＬＡＮ信号等を受信して、アクセスポイントの識別情報を取得してもよい。そして、制御部１０２は、位置取得部１１２にて取得したアクセスポイント固有の識別情報からアクセスポイントの位置を特定して位置情報を取得してもよい。また、本実施形態において、制御部１０２は、位置取得部１１２にて取得された位置情報信号から、緯度、経度、および、高さ情報を含む位置情報を算出してもよい。ここで、位置情報は、緯度および経度により特定される絶対位置の他、基準となる位置からの相対位置を示すものであってもよい。
【００４２】
また、位置取得部１１２は、例えば、位置取得部１１２の加速度センサにて検出した端末装置１００の加速度情報、方位センサにて検出した端末装置１００の進行方向等の方位情報、距離センサにて検出した距離情報、および、地図データに基づいて端末装置１００の利用者の現在位置を示す位置情報を取得してもよい。ここで、方位センサには、端末装置１００の絶対走行方位を検出する地磁気センサおよび端末装置１００の相対走行方位を検出する光ジャイロが使用されてもよい。また、方位センサは、地磁気センサと加速度センサを組み合わせることで方位や傾きに関する情報を取得できる電子コンパスであってもよい。
【００４３】
また、通信制御インターフェース部１０４は、通信回線や電話回線等に接続されるアンテナやルータ等の通信装置（図示せず）に接続されるインターフェースであり、端末装置１００とＩＣタグ２００との間または端末装置１００とネットワーク３００との間における通信制御を行う機能を有する。すなわち、通信制御インターフェース部１０４は、外部機器６００等と通信回線を介してデータを通信する機能を有している。なお、通信制御インターフェース部１０４は、近距離無線通信部（図示せず）を制御して近距離無線通信を制御してもよい。すなわち、通信制御インターフェース部１０４は、ＩＣタグ２００等と通信回線を介してデータ（地点情報等）を通信する機能を有している。
【００４４】
また、記憶部１０６は、ＨＤＤ（Ｈａｒｄ Ｄｉｓｋ Ｄｒｉｖｅ）等の固定ディスク装置やＳＳＤ（Ｓｏｌｉｄ Ｓｔａｔｅ Ｄｒｉｖｅ）等のストレージ手段であり、各種のデータベースやテーブル（地点情報一時ファイル１０６ａ、ネットワークデータベース１０６ｂ、および、地図データベース１０６ｃ等）を格納する。
【００４５】
これら記憶部１０６の各構成要素のうち、地点情報一時ファイル１０６ａは、地点情報を一時記憶する地点情報一時記憶手段である。例えば、地点情報一時ファイル１０６ａは、地点情報を所定時間記憶してもよい。なお、後述する地点情報格納部１０２ｂが一時記憶を制御してもよく、例えば、地点情報格納部１０２ｂが、地点情報一時ファイル１０６ａに地点情報を格納してから、内部クロックに基づいて所定時間経過した後、当該地点情報を地点情報一時ファイル１０６ａから消去してもよい。
【００４６】
また、ネットワークデータベース１０６ｂは、交通網を規定するネットワークデータを記憶するネットワークデータ記憶手段である。例えば、ネットワークデータベース１０６ｂに記憶されるネットワークデータは、道路網を規定する道路ネットワークデータであってもよく、路線網を規定する路線網ネットワークデータであってもよく、施設内ネットワークデータであってもよい。ここで、ネットワークデータベース１０６ｂに記憶されるネットワークデータは、ネットワークデータベース１０６ｂに予め記憶されており、端末装置１００の制御部１０２は、定期的に、および／または、制御部１０２による処理に応じて（例えば、制御部１０２においてデータが必要となる契機等）、ネットワーク３００を介して最新のデータを外部機器６００（例えば、ネットワークデータを提供するネットワークデータサーバなど）等からダウンロードしてネットワークデータベース１０６ｂに記憶されたネットワークデータをアップデートしてもよい。
【００４７】
一例として、ネットワークデータベース１０６ｂに記憶される道路ネットワークデータは、道路網を規定するネットワークデータであり、例えば、駅や交差点等の道路網表現上の結節点であるノードのノードデータと、ノード間の道路区間である道路リンクのリンクデータとの組み合わせによって表現されるネットワークデータである。ノードデータには、ノード番号、緯度経度等の位置座標、ノード種別、接続するリンク本数、接続ノード番号、および、交差点名称等を含んでいてもよい。また、リンクデータには、リンク番号（リンクＩＤ）、接続する道路の種別、国道や県道や市道等の路線番号、重用する路線情報、道路リンクの存在する行政区域の属性情報、リンク長、道路供用状況、異常気象時通行規制区間、車重制限、車両高さ制限、幅員、道路幅員区分、車線数、制限速度など交通規制、高架やトンネルや橋等のリンク内属性、所要時間、および、名称等を含んでいてもよい。また、利用運賃料金データは、自転車、自動車、オートバイ等で移動する場合に必要な、橋梁通行料金や高速自動車国道や自動車専用道路等の有料道路の通行料金等を表す情報等であってもよい。また、道路ネットワークデータは、自転車、徒歩、オートバイ、自動車等で移動する場合の経路上に存在する施設等の地点の緯度経度情報などの位置情報等を記憶してもよい。また、ネットワークデータベース１０６ｂに記憶されるネットワークデータは、リンクＩＤに対応付けて、当該リンクのリンクコストを含んでいてもよく、例えば、ある移動手段で、当該リンクを通過するのに必要な時間や、距離や、利用運賃料金データ等の料金に関するデータを含んでいてもよい。
【００４８】
また、ネットワークデータに含まれる路線網ネットワークデータは、鉄道、飛行機、バス、および、船等の各交通機関（例えば、公共交通機関等）の路線網を規定するネットワークデータであり、例えば、路線網表現上の結節点であるノード（例えば、交通機関の停留地点である駅、停留場、停車場、停留所、空港、港、および、ターミナル等）のノードデータと、ノード間を接続する鉄道路線、航空路線、航路、および、バス路線等のリンクのリンクデータとの組み合わせによって表現されるネットワークデータである。ここで、路線とは、交通機関が通過する出発地と目的地とを結ぶ線であってもよい。また、鉄道とは、ルート上に設置された固定式案内路（レール、および案内軌条など）等に誘導されて走行し、旅客や貨物等を輸送する交通機関であり、例えば、電車、路面電車、ロープウェイ、モノレール、ケーブルカー、および、リニアモーターカー等であってもよい。また、ノードデータには、ノード番号（例えば、ノードＩＤ等）、ノードの名称（例えば、交通機関の停留地点の名称である駅名、停留場名、停車場名、停留所名、空港名、港名、および、ターミナルの名称等）、および、緯度経度高度などの位置座標等の情報を含んでいてもよい。また、リンクデータには、リンク番号（例えば、リンクＩＤ等）、開始ノードＩＤ、終了ノードＩＤ、種別、リンク長（例えば、距離等）、高架、トンネルおよび橋等のリンク内属性、ならびに、名称（例えば、路線名など）等の情報を含んでいてもよい。また、路線網ネットワークデータは、更に、交通機関の種別（例えば、特急、急行、準急、快速、快速急行、通勤特急、通勤快速、通勤急行、区間急行、区間準急、区間快速、各駅停車、および、普通など）に対応したノード（例えば、急行停車駅、準急停車駅、および、快速停車駅等）のノードデータと、当該ノード間を接続する鉄道路線、および、バス路線等のリンクのリンクデータとの組み合わせによって表現されるネットワークデータを当該種別に対応付けて含んでいてもよい。また、路線網ネットワークデータは、各ノード（駅等）における出発時刻と到着時刻等の時刻表データを含んでもよい。
【００４９】
また、路線網ネットワークデータは、交通機関の乗降場所（例えば、駅のプラットホーム等）の位置情報（例えば、緯度経度高度等）、形状情報、配置情報（例えば、島式ホームおよび相対式ホーム等）、および、属性情報（例えば、プラットホーム番号などの乗降場所の名称および識別番号等）などを含む乗降場所情報を含んでいてもよい。また、路線網ネットワークデータは、交通機関の利用運賃料金データを含んでいてもよい。ここで、利用運賃料金データは、例えば、鉄道、飛行機、バス、および、船等の各交通機関を利用した場合に生じる利用料金（運賃）等を表す情報等であってもよい。また、路線網ネットワークデータは、乗車位置データを含んでいてもよい。ここで、乗車位置データは、例えば、電車、路面電車、モノレール、ケーブルカー、および、リニアモーターカー等の複数の車両が連結した交通機関の乗車位置（一例として、改札口に近い車両、乗換に便利な位置の車両、混雑率の低い車両、および、女性専用車両等）を表す情報等であってもよい。
【００５０】
また、ネットワークデータに含まれる施設内ネットワークデータは、施設内の経路網を規定するネットワークデータである。ここで、施設内ネットワークデータは、例えば、建造物内の店舗、会社、事務所、およびトイレ等の出入口、エレベータおよびエスカレータの乗降口、階段の出入口、飛行機等の搭乗口、駅のプラットホーム上の電車等の乗車位置、ならびに、駅の改札口等の、通路等を接続する結節点であるノードのノードデータと、ノード間を接続する通路、階段、動く歩道、エスカレータ、および、エレベータ等であるリンクのリンクデータとの組み合わせによって表現されるネットワークデータである。ここで、ノードデータには、ノード番号（例えば、ノードＩＤ等）、ノードの名称（出入口名および乗降口名等）、緯度経度高度等の位置座標、ノード種別（例えば、出入口、乗降口、通路の曲がり角、および通路の分岐点等）、接続するリンク本数、および、接続ノード番号等の情報を含んでいてもよい。また、リンクデータには、リンク番号（例えば、リンクＩＤ等）、開始ノードＩＤ、終了ノードＩＤ、リンク長、幅員、リンク種別（例えば、ノード間を接続する通路、階段、スロープ、エスカレータ、エレベータ、および動く歩道など）、および、バリアフリー化の情報を含んでいてもよい。ここで、施設とは、駅、オフィスビル、ホテル、デパート、スーパーマーケット、博物館、美術館、学校、水族館、地下通路、立体駐車場、地下駐車場、および、地下街等の屋内建造物であってもよい。また、施設とは、バスターミナル、公園、遊園地、キャンプ場、連絡通路、屋外駐車場、および、動物園等の屋外建造物であってもよい。
【００５１】
また、地図データベース１０６ｃは、地図データを記憶する地図データ記憶手段である。本実施形態において、地図データベース１０６ｃに記憶される地図データは、全国および各地方の道路地図等の地図データであってもよい。例えば、地図データベース１０６ｃに記憶される地図データは、地図上に表示される地物（例えば、ビルや住宅や駅等の建造物、道路、線路、橋、トンネル、等高線、海岸線や湖岸線等の水涯線、海、河川、湖、池、沼、公園や屋外施設等の地、行政界、行政区域、および、街区等）の形状についての形状データ、地図上に表示される注記（例えば、地名、住所、電話番号、店や公園や駅等の施設名称、名所や旧跡や河川や湖や湾や山や森林等の俗称を含む名称、道路や橋やトンネル等の名称、路線名称、地点情報、および、口コミ情報等）の注記データ、および、地図上に表示される記号（例えば、山、史跡、寺社、学校、病院、工場および墓地等の地図記号、ガソリンスタンド、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、レストラン、銀行および郵便局等の店舗記号、道路上の信号、有料道路の出入口、料金所、サービスエリア、パーキングエリアおよびインターチェンジ等の記号、駐車場、駅、ホテル、美術館および博物館等の施設記号、ならびに、口コミ地点記号等）の記号データ等のデータを含んでいてもよい。ここで、地図データは、縮尺に従ってメッシュ化された地図データ（例えば、ＪＩＳ規格の第１〜３次地域区画メッシュデータ、および、１００ｍメッシュデータ等）等であってもよい。なお、各メッシュには、メッシュＩＤが付与されていてもよい。また、地図データは、ラスタ形式、ベクタ形式等の地図描画用の画像データであってもよい。これら地図データは、地図データベース１０６ｃに予め記憶されており、端末装置１００の制御部１０２は、定期的に、および／または、制御部１０２による処理に応じて（例えば、制御部１０２においてデータが必要となる契機等）、ネットワーク３００を介して最新のデータを、外部機器６００（地図データを提供する地図提供サーバ等の外部機器等）からダウンロードして地図データベース１０６ｃに記憶された地図データをアップデートしてもよい。
【００５２】
このほか、記憶部１０６は、案内データを記憶してもよい。記憶部１０６に記憶される案内データは、案内経路上において出力される音声案内データや表示案内データ等のデータである。ここで、音声案内データは、案内経路上の分岐点等における進行方向に対応付けられた「次の交差点を左に曲がります」や、現在位置が目的地に近づいた場合に対応付けられた「まもなく目的地周辺です」等の音声案内用のデータであってもよく、この音声案内データは、端末装置１００の経路案内部１０２ｅが、案内経路に従って、音声案内等の経路案内を実行する際に用いられてもよい。また、表示案内データは、案内経路上の分岐点等における進行方向に対応付けられたターンバイターン（ＴＢＴ）や、現在位置が選択施設に近づいた旨の案内等の表示案内用のデータであってもよく、この表示案内データは、端末装置１００の経路案内部１０２ｅが表示案内を実行する際に用いられる。ここで、ＴＢＴとは、右左折等の誘導を画面に表示する矢印ナビゲーションである。これら案内データは、記憶部１０６に予め記憶されてもよく、端末装置１００の制御部１０２は、定期的に、および／または、制御部１０２による処理に応じて（例えば、制御部１０２においてデータが必要となる契機等）、ネットワーク３００を介して最新の案内データを外部機器６００（例えば、案内データを提供する案内データ提供サーバなど）等からダウンロードして記憶部１０６に記憶された案内データをアップデートしてもよい。
【００５３】
また、制御部１０２は、ＯＳ（Ｏｐｅｒａｔｉｎｇ Ｓｙｓｔｅｍ）等の制御プログラムや、各種の処理手順等を規定したプログラム、および、所要データを格納するための内部メモリを有する。そして、制御部１０２は、これらのプログラム等により、種々の処理を実行するための情報処理を行う。制御部１０２は、機能概念的に、地点情報取得部１０２ａ、地点情報格納部１０２ｂ、経路探索条件設定部１０２ｃ、経路探索部１０２ｄ、経路案内部１０２ｅ、出力制御部１０２ｆ、施設情報取得部１０２ｇ、および、現在位置情報取得部１０２ｈを備える。
【００５４】
このうち、地点情報取得部１０２ａは、近距離無線通信部を介して、近距離無線通信可能な媒体（ＩＣタグ２００等）から送信される、地点情報を取得する地点情報取得手段である。例えば、地点情報取得部１０２ａは、通信制御インターフェース部１０４を介してアンテナ等の近距離無線通信部を制御することにより電波を発信してＩＣタグ２００に電気エネルギーを与え、ＩＣタグ２００から反射波として地点情報を受信してもよい。
【００５５】
また、地点情報格納部１０２ｂは、地点情報取得部１０２ａにより取得された地点情報を地点情報一時ファイル１０６ａに格納して、所定時間（例えば数十秒）記憶させる地点情報格納手段である。なお、地点情報一時ファイル１０６ａの機能として、所定時間経過後、格納された地点情報を消去してもよく、地点情報格納部１０２ｂが、地点情報一時ファイル１０６ａに地点情報を格納してから、内部クロックに基づいて所定時間経過した後に、当該地点情報を地点情報一時ファイル１０６ａから消去してもよい。ここで、地点情報格納部１０２ｂは、地点情報に対応付けて、取得順序や取得日時等を格納してもよい。ここで、地点情報格納部１０２ｂは、地点情報取得部１０２ａにより地点情報が複数同時に取得された場合、利用者に入力部１１６を介して地点情報を指定させ、指定された当該地点情報を地点情報一時ファイル１０６ａに格納してもよい。
【００５６】
また、経路探索条件設定部１０２ｃは、地点情報格納部１０２ｂにより地点情報一時ファイル１０６ａに記憶された一または複数の地点情報を、経路探索条件として設定する経路探索条件設定手段である。例えば、経路探索条件設定部１０２ｃは、地点情報一時ファイル１０６ａに記憶された地点情報の数に基づいて、当該地点情報に基づく位置をそれぞれ出発地、経由地、および／または、目的地として、経路探索条件を設定してもよい。また、経路探索条件設定部１０２ｃは、地点情報一時ファイル１０６ａに記憶された地点情報の順序に基づいて、当該地点情報に基づく位置をそれぞれ出発地、経由地、および／または、目的地として、経路探索条件を設定してもよい。一例として、経路探索条件設定部１０２ｃは、地点情報一時ファイル１０６ａに記憶された地点情報の数に基づいて、経路探索条件の組み合せを設定してもよく、地点情報一時ファイル１０６ａに記憶された地点情報の数に基づいて、経路探索条件の順列を設定してもよい。また、経路探索条件設定部１０２ｃは、現在位置情報取得部１０２ｈにより取得された現在位置情報に基づく現在位置を出発地として、地点情報一時ファイル１０６ａに記憶された地点情報に基づく位置を目的地および／または経由地として、経路探索条件を設定してもよい。なお、一例として、経路探索条件設定部１０２ｃは、地点情報一時ファイル１０６ａに記憶された地点情報が２つの場合、最初に格納された地点情報に基づく位置を出発地として、次に格納された地点情報に基づく位置を目的地として、経路探索条件を設定してもよい。また、一例として、経路探索条件設定部１０２ｃは、地点情報一時ファイル１０６ａに記憶された地点情報が２つの場合、現在位置情報取得部１０２ｈにより取得された現在位置情報に基づく現在位置を出発地として、最初に格納された地点情報に基づく位置を経由地として、次に格納された地点情報に基づく位置を目的地として、経路探索条件を設定してもよい。また、経路探索条件設定部１０２ｃは、地点情報一時ファイル１０６ａに記憶された地点情報が３つの場合、最初に格納された地点情報に基づく位置を出発地として、次に格納された地点情報に基づく位置を経由地として、最後に格納された地点情報に基づく位置を目的地として、経路探索条件を設定してもよい。なお、経路探索条件設定部１０２ｃは、格納順序を、地点情報格納部１０２ｂにより地点情報と対応付けて地点情報一時ファイル１０６ａに格納された取得順序や取得日時等に基づいて判定してもよい。
【００５７】
ここで、経路探索条件設定部１０２ｃは、地点情報一時ファイル１０６ａに記憶された地点情報に基づく位置および／または現在位置が、経路探索条件の出発地、目的地、および／または、経由地として設定されるよう、利用者に入力部１１６を介して指定させてもよい。すなわち、上述のように、取得順序で自動的に経路探索条件が設定される場合、利用者の希望に即していない場合が考えられるが、経路探索条件設定部１０２ｃは、利用者に入力部１１６を介して指定させることによって、利用者の所望の位置で経路探索条件を設定することができる。このほか、端末装置１００の処理に自由度を持たせ、利用者が予めタッチおよびその順番に与える制御を設定可能にしてもよい。これにより、無駄な操作を省いた経路探索が可能となる。
【００５８】
また、ここで、経路探索条件設定部１０２ｃは、地点情報一時ファイル１０６ａに地点情報として、位置情報と時刻情報からなるスケジュール情報が記憶されている場合、位置情報に基づく位置とともに、時刻情報に基づく時刻を、当該地点情報の数および／または順序に基づいて経路探索条件として設定してもよい。例えば、上述したように、取得順序に従って、位置情報に基づく位置を、出発地、経由地、または、目的地として設定する場合、経路探索条件設定部１０２ｃは、同様に当該取得順序に従って、時刻情報に基づく時刻を、出発時刻、経由時刻、または、到着時刻に設定してもよい。なお、出発時刻は、現在時刻であってもよい。また、経路探索条件設定部１０２ｃは、地点情報または現在位置情報に基づいて設定されなかった経路探索条件について、利用者に入力部１１６を介して入力させるよう制御してもよく、経路探索条件設定部１０２ｃは、予め記憶部１０６に記憶された経路探索条件を設定してもよい。
【００５９】
また、経路探索部１０２ｄは、ネットワークデータベース１０６ｂに記憶されたネットワークデータに基づいて、経路探索条件設定部１０２ｃにより設定された経路探索条件を満たす経路を探索する経路探索手段である。例えば、経路探索部１０２ｄは、ダイクストラ法等の経路探索手法によって、探索経路のリンクコストを積算しながら、適切な経路を取得してもよい。また、経路探索部１０２ｄにより探索される経路は、探索した経路を示すリンクデータの組み合わせで表現されてもよく、経路の位置情報や、当該経路を示す画像データ（例えば、ポリライン等）などを含んでいてもよい。ここで、経路探索部１０２ｄは、経路探索条件設定部１０２ｃにより設定された経路探索条件を外部機器６００（例えば、経路探索結果を提供する経路探索サーバ等）に送信して、経路探索結果（案内データを含んでもよい。）を取得してもよい。
【００６０】
また、経路案内部１０２ｅは、経路探索部１０２ｄにより探索された経路を、出力部１１４に出力する経路案内手段である。ここで、経路案内部１０２ｅは、経路探索部１０２ｄにより探索された複数の経路のうち一つの経路を案内経路として利用者に入力部１１６を介して選択させてもよい。また、経路案内部１０２ｅは、案内経路に基づいて、記憶部１０６または外部機器６００（案内データを提供する案内データ提供サーバ等）から案内データ（表示案内データや音声案内データ等）を取得して出力部（表示手段や音声出力手段等）に出力してもよい。すなわち、経路案内部１０２ｅは、案内経路について、音声案内や表示案内を実行してもよい。経路案内部１０２ｅは、表示出力による経路案内を行う場合、地図データベース１０６ｃから取得した現在位置周辺の地図上に、案内経路や、現在位置や、案内データに含まれるＴＢＴ等の表示案内情報等を、重畳表示させてもよい。
また、経路案内部１０２ｅは、現在位置情報の更新に応じて、案内経路上の案内地点（分岐点）等における進行方向等に対応付けられた音声案内データ等を、音声出力してもよい。
【００６１】
また、現在位置情報取得部１０２ｈは、端末装置１００の利用者の現在位置情報を取得する現在位置情報取得手段である。ここで、現在位置情報取得部１０２ｈは、端末装置１００の利用者の現在位置情報を所定周期ごと（例えば、１秒ごと等）に取得してもよい。また、現在位置情報取得部１０２ｈは、位置取得部１１２にて位置発信装置５００から受信した位置情報信号から算出した位置情報を、端末装置１００の利用者の現在位置情報として取得してもよい。更に、位置取得部１１２の方位センサ等にて検出した端末装置１００の進行方向等の方位情報や、位置取得部１１２の加速度センサにて検出した端末装置１００の加速度情報を、端末装置１００の利用者の現在位置情報として取得してもよい。また、現在位置情報取得部１０２ｈは、利用者により入力部１１６を介して入力された現在位置についての位置座標等を端末装置１００の利用者の現在位置情報として取得してもよい。ここで、利用者により入力部１１６を介して入力された現在位置は、利用者が現実に存在する位置であってもよく、利用者により任意に選択された仮想の現在位置（一例として、東京にいる利用者により選択された大阪の駅や空港等の任意の地点）であってもよい。具体的には、現在位置情報取得部１０２ｈは、入力部１１６を介して利用者に出力部１１４に表示された地図データの表示画面上で指定（例えば、タッチパネル式の表示部での指定操作等）させた座標を端末装置１００の利用者の現在位置情報として取得してもよい。更に、入力部１１６を介して利用者に出力部１１４に表示された地図データの表示画面上で指定させた方位情報を端末装置１００の利用者の現在位置情報として取得してもよい。ここで、現在位置情報取得部１０２ｈは、利用者の現在位置情報とともに、当該現在位置情報を取得した日時情報を取得してもよい。ここで、現在位置情報取得部１０２ｈは、定期的に、または、更新毎に、取得した現在位置情報を外部機器６００に送信してもよい。
【００６２】
以上で、本実施形態における端末装置１００の構成の一例の説明を終える。
【００６３】
［端末装置１００の処理］
次に、このように構成された本実施形態における端末装置１００の処理の一例について、以下に図３から図９を参照して詳細に説明する。ここで、図３は、地図の印刷物の裏側に設置されたＩＣタグ２００について、地点情報の取得方法を模式的に示した図であり、図４は、本実施形態における端末装置１００の処理の一例を示すフローチャートである。
【００６４】
図４に示すように、まず、端末装置１００の地点情報取得部１０２ａは、近距離無線通信部を介して、ＩＣタグ２００から送信される、地点情報を取得する（ステップＳＡ−１）。ここで、地点情報は、位置を特定することができる位置情報（メッシュＩＤ、ＩＣタグ２００の識別情報、緯度経度等）のほか、クーポン情報や時刻情報等を含んでもよい。ここで、図３は、ＩＣタグ２００−１から地点情報を読取る例について地図の側面から見た図である。
【００６５】
上述した図２のように、利用者が、経路探索条件として設定したい任意の地図上の箇所に、端末装置１００をかざすと、端末装置１００は、その箇所の裏側に設置されたＩＣタグ２００と近距離無線通信を行って、地点情報を取得する。より具体的には、端末装置１００の地点情報取得部１０２ａは、通信制御インターフェース部１０４を介してアンテナ等の近距離無線通信部を制御することによって電波を発信し、ＩＣタグ２００−１に対し電気エネルギーを与え、ＩＣタグ２００から反射波として地点情報Ａを受信する。なお、この近距離無線通信の方式は、これに限られず、電磁誘導方式等の公知の近距離無線手段を用いてもよい。
【００６６】
再び図４に戻り、地点情報格納部１０２ｂは、地点情報取得部１０２ａにより取得された地点情報を地点情報一時ファイル１０６ａに格納して、所定時間（例えば数十秒）記憶させる（ステップＳＡ−２）。なお、地点情報一時ファイル１０６ａの機能として、所定時間経過後、格納された地点情報を消去してもよく、地点情報格納部１０２ｂが、地点情報一時ファイル１０６ａに地点情報を格納してから、内部クロックに基づいて所定時間経過した後に、当該地点情報を地点情報一時ファイル１０６ａから消去してもよい。ここで、地点情報格納部１０２ｂは、地点情報に対応付けて、取得順序や取得日時等を格納してもよい。ここで、地点情報格納部１０２ｂは、地点情報取得部１０２ａにより地点情報が複数同時に取得された場合、利用者に入力部１１６を介して地点情報を指定させ、指定された当該地点情報を地点情報一時ファイル１０６ａに格納してもよい。
【００６７】
そして、経路探索条件設定部１０２ｃは、地点情報の取得が終了条件を満たすか否かを判定する（ステップＳＡ−３）。例えば、経路探索条件設定部１０２ｃは、最初の地点情報の取得から所定時間経過した場合に終了すると判定してもよく、所定の数の地点情報が取得された場合に終了すると判定してもよい。そのほか、経路探索条件設定部１０２ｃは、入力部１１６を介して利用者により地点情報の取得を終了する旨の入力があった場合に、終了条件を満たすと判定してもよい。
【００６８】
経路探索条件設定部１０２ｃが終了条件を満たさないと判定した場合（ステップＳＡ−３，Ｎｏ）、端末装置１００は、上述したステップＳＡ−１〜ＳＡ−３の処理を繰り返す。
【００６９】
一方、終了条件を満すと判定した場合（ステップＳＡ−３，Ｙｅｓ）、経路探索条件設定部１０２ｃは、地点情報一時ファイル１０６ａに記憶された一または複数の地点情報を、経路探索条件として設定する（ステップＳＡ−４）。例えば、経路探索条件設定部１０２ｃは、地点情報一時ファイル１０６ａに記憶された地点情報の数および／または順序に基づいて、当該地点情報に基づく位置をそれぞれ出発地、経由地、および／または、目的地として、経路探索条件を設定してもよい。ここで、図５は、地点情報一時ファイル１０６ａに記憶された地点情報が１つの場合の経路探索条件の設定例を示す図である。
【００７０】
図５に示すように、地点情報一時ファイル１０６ａに記憶された地点情報が１つの場合、経路探索条件設定部１０２ｃは、現在位置情報取得部１０２ｈにより取得された現在位置情報に基づく現在地を出発地として、当該地点情報に基づく地点Ａを目的地として、経路探索条件を設定してもよい。なお、図５に示すように、経路探索条件設定部１０２ｃは、現在日時（０７／１５ １１：２０）を出発時刻に設定してもよい（以下の例でも同様）。ここで、図６は、地点情報一時ファイル１０６ａに記憶された地点情報が２つの場合の経路探索条件の設定例を示す図である。
【００７１】
図６に示すように、地点情報一時ファイル１０６ａに記憶された地点情報が２つの場合、経路探索条件設定部１０２ｃは、最初に格納された地点情報に基づく地点Ａを出発地として、次に格納された地点情報に基づく地点Ｂを目的地として、経路探索条件を設定してもよい。なお、これに限られず、経路探索条件設定部１０２ｃは、地点情報一時ファイル１０６ａに記憶された地点情報が２つの場合、現在位置情報取得部１０２ｈにより取得された現在位置情報に基づく現在位置を出発地として、最初に格納された地点情報に基づく位置を経由地として、次に格納された地点情報に基づく位置を目的地として、経路探索条件を設定してもよい。ここで、図７は、地点情報一時ファイル１０６ａに記憶された地点情報が３つの場合の経路探索条件の設定例を示す図である。
【００７２】
図７に示すように、地点情報一時ファイル１０６ａに記憶された地点情報が３つの場合、経路探索条件設定部１０２ｃは、最初に格納された地点情報に基づく地点Ａを出発地として、次に格納された地点情報に基づく地点Ｂを経由地として、最後に格納された地点情報に基づく地点Ｃを目的地として、経路探索条件を設定してもよい。なお、経路探索条件設定部１０２ｃは、上述した格納順序を、地点情報格納部１０２ｂにより地点情報と対応付けて地点情報一時ファイル１０６ａに格納された取得順序や取得日時等に基づいて判定してもよい。以上は、経路探索条件設定部１０２ｃが格納順序に基づいて自動的に判定して経路探索条件を設定する例であるが、端末装置１００は、利用者に、どの地点を経路探索条件の出発地、目的地、または、経由地として設定するかを指定させてもよい。ここで、図８は、利用者に入力部１１６を介して経路探索条件を指定させる例を示す図である。
【００７３】
図８に示すように、経路探索条件設定部１０２ｃは、出力部１１４および入力部１１６を制御することによってグラフィックユーザインターフェース（ＧＵＩ）としてプルダウンメニューを提供してもよい。例えば、図８に示すように、利用者が「（Ｇ）目的地」の欄の下矢印を入力部１１６を介してクリック等すると、地点情報一時ファイル１０６ａに記憶された地点情報に基づく地点および現在地の一覧を表示して、一覧の中から目的地として設定させたい地点を、クリック等により利用者に指定させてもよい。このように、経路探索条件設定部１０２ｃは、地点情報一時ファイル１０６ａに記憶された地点情報に基づく地点および現在地の中から、経路探索条件の出発地、目的地、および、経由地として設定する地点を、利用者に入力部１１６を介して指定させてもよい。これにより、利用者の所望の地点で経路探索条件を設定することができる。
【００７４】
なお、上述の例では、経路探索条件設定部１０２ｃは、現在時刻を出発時刻として設定する例について説明したが、これに限られず、例えば、地点情報一時ファイル１０６ａに地点情報として位置情報と時刻情報からなるスケジュール情報が記憶されている場合、位置情報に基づく位置とともに、時刻情報に基づく時刻を、当該地点情報の数および／または順序に基づいて経路探索条件として設定してもよい。例えば、上述した例のように、取得順序に従って、位置情報に基づく位置を、出発地、経由地、または、目的地として設定する場合、経路探索条件設定部１０２ｃは、同様に当該取得順序に従って、時刻情報に基づく時刻を、出発時刻、経由時刻、または、到着時刻に設定してもよい。
【００７５】
以上が、本実施形態における端末装置１００の処理の一例である。なお、上述のように経路探索条件が設定された場合、端末装置１００は、経路探索部１０２ｄの処理により当該経路探索条件に基づく経路探索を実行し、経路案内部１０２ｅの処理により経路探索結果に従って経路案内を実行してもよい。
【００７６】
［具体化処理］
つづいて、本実施形態における端末装置１００の上述した処理をより具体化した具体例について図９を参照して以下に説明する。この具体化処理では、施設情報を含む地点情報を取得する例について説明する。ここで、図９は、本実施形態における端末装置１００の具体化処理の一例を示すフローチャートである。
【００７７】
図９に示すように、まず、端末装置１００の地点情報取得部１０２ａは、近距離無線通信部を介して、ＩＣタグ２００から送信される施設情報を含む地点情報を取得して、地点情報格納部１０２ｂは、取得された地点情報を地点情報一時ファイル１０６ａに格納する（ステップＳＢ−１）。例えば、地点情報として、ＩＣタグ２００に格納される施設情報の例としては以下のものが挙げられる。
ａ）一般的な施設情報の場合
施設ＩＤ、位置情報（緯度経度または住所）、サイトＵＲＬ、クーポン
ｂ）映画館
施設ＩＤ、位置情報（緯度経度または住所）、サイトＵＲＬ、上映時間（スケジュール情報の時刻情報の例）
ｃ）観光地
施設ＩＤ、位置情報（緯度経度または住所）、画像
ｄ）周辺施設
メッシュＩＤのみ
【００７８】
そして、経路探索条件設定部１０２ｃは、地点情報の取得が終了条件を満たすか否かを判定する（ステップＳＢ−２）。経路探索条件設定部１０２ｃが終了条件を満たさないと判定した場合（ステップＳＢ−２，Ｎｏ）、端末装置１００は、上述したステップＳＢ−１およびＳＢ−２の処理を繰り返す。
【００７９】
一方、終了条件を満すと判定した場合（ステップＳＢ−２，Ｙｅｓ）、経路探索条件設定部１０２ｃは、取得した施設情報を含む地点情報によって、地点が確定できるか否かを判定する（ステップＳＢ−３）。例えば、緯度経度や住所等の位置情報が得られた場合は、地点が確定できると判定する。一方、メッシュＩＤや地図ＩＤのように、地域や範囲を示し地点を示すものではない場合、地点が確定できないと判定する。なお、上述のように、地図の裏側に設置されたＩＣタグ２００から識別子が得られ、当該識別子をクエリーとして、記憶部１０６のデータベースや外部機器６００に問い合わせを行うことによって、地図上の地点を確定できる場合は、地点が確定できる場合と判定する。なお、地点が確定できると判定された場合（ステップＳＢ−３，Ｙｅｓ）、以降のステップＳＢ−４およびＳＢ−５の処理を行うことなく、ステップＳＢ−６の処理に移行する。
【００８０】
地点が確定できないと判定された場合（ステップＳＢ−３，Ｎｏ）、経路探索条件設定部１０２ｃは、得られた地点情報に基づいて候補地点を出力部１１４に表示させる（ステップＳＢ−４）。例えば、施設情報取得部１０２ｇは、メッシュＩＤや地図ＩＤに基づいて地図データベース１０６ｃから施設を検索し、経路探索条件設定部１０２ｃは、検索された施設一覧を候補地点として表示させてもよい。なお、施設情報取得部１０２ｇは、メッシュＩＤや地図ＩＤ等をクエリーとして問い合わせを行い、外部機器６００から施設情報を取得して候補地点として表示してもよい。
【００８１】
そして、経路探索条件設定部１０２ｃは、利用者に入力部１１６を介して候補地点の中から地点を選択させるよう制御する（ステップＳＢ−５）。
【００８２】
そして、経路探索条件設定部１０２ｃは、地点情報一時ファイル１０６ａに記憶された一または複数の地点情報に基づく地点（地点が選択された場合はその地点）を、上述したステップＳＡ−４と同様に、経路探索条件として設定する（ステップＳＢ−６）。
【００８３】
以上が、本実施形態における端末装置１００の具体化処理の一例である。なお、上述のように経路探索条件が設定された場合、端末装置１００は、経路探索部１０２ｄの処理により当該経路探索条件に基づく経路探索を実行し、経路案内部１０２ｅの処理により経路探索結果に従って経路案内を実行してもよい。ここで、端末装置１００の出力制御部１０２ｆは、経路案内部１０２ｅの処理による経路案内後、施設のクーポン情報を出力部１１４に表示させてもよい。このほか、出力制御部１０２ｆは、ステップＳＢ−１にて取得されたサイトＵＲＬや画像等を出力部１１４に表示させてもよい。また、端末装置１００は、ＩＣタグ２００から取得した施設ＩＤ等の施設情報について、ネットワーク３００を介して外部機器６００（経路探索サーバまたは施設情報サーバ）から、当該施設情報のさらに詳細な情報を取得して出力部１１４に表示してもよい。
【００８４】
以上で、本実施形態における端末装置１００の処理の説明を終える。このように、本実施形態によれば、経路探索条件の入力が簡略化されることによって、経路探索のハードルを取り除き、サービスの向上や利用頻度の向上に繋げることができる。また、ＮＦＣ技術との連携によって、ＩＣカード型乗車券との連携や、効果的なクーポン配信を実現することも可能となる。また、多言語エリアにおける入力の手間を軽減させることができ、例えば、国内端末におけるハングル文字入力や、発音記号が含まれるＰＯＩ名称の入力等の手間を省くことができる。
【００８５】
また、緯度経度等の位置情報以外にクーポン情報をＩＣタグに含めることで、施設の公告主からＩＣタグの設置主へ利益を還元する等により、アフィリエイト事業の実現が可能となる。また、美術館や特定の観光地エリア等の施設に設置することで、美術品や観光名所の説明分をＩＣタグに含めたガイドサービスを実現することができる。また、ＩＣタグにポイント等を含めることで、スタンプラリーを実現することも可能となる。
【００８６】
また、応用例として、緯度経度等の位置情報のほか、画像・ＵＲＬなどを一緒に端末装置に渡すことで、クーポンによる来客者が、どこから情報を得て来客したかの情報を収集することができ、マーケティングへの転用も可能となる。また、他の応用例として、映画ポスター・セミナー・シンポジウムなどの場合、スケジュールに合わせた現在位置からの経路探索結果を提示することができる。
【００８７】
［他の実施の形態］
さて、これまで本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上述した実施の形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施の形態にて実施されてよいものである。
【００８８】
例えば、端末装置１００がスタンドアローンの形態で処理を行う場合を一例に説明したが、端末装置１００は、クライアント端末（端末装置１００とは別筐体である）からの要求に応じて処理を行い、その処理結果を当該クライアント端末に返却するようにしてもよい。
【００８９】
また、実施の形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【００９０】
このほか、上記文献中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【００９１】
また、端末装置１００に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【００９２】
例えば、端末装置１００の各装置が備える処理機能、特に制御部１０２にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、ＣＰＵ（Ｃｅｎｔｒａｌ Ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ Ｕｎｉｔ）および当該ＣＰＵにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、後述する、コンピュータに本発明に係る方法を実行させるためのプログラム化された命令を含む、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて端末装置１００に機械的に読み取られる。すなわち、ＲＯＭまたはＨＤＤ（Ｈａｒｄ Ｄｉｓｋ Ｄｒｉｖｅ）などの記憶部１０６などには、ＯＳ（Ｏｐｅｒａｔｉｎｇ Ｓｙｓｔｅｍ）と協働してＣＰＵに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、ＲＡＭにロードされることによって実行され、ＣＰＵと協働して制御部を構成する。
【００９３】
また、このコンピュータプログラムは、端末装置１００に対して任意のネットワーク３００を介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【００９４】
また、本発明に係るプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、ＵＳＢメモリ、ＳＤカード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ＲＯＭ、ＥＰＲＯＭ、ＥＥＰＲＯＭ、ＣＤ−ＲＯＭ、ＭＯ、ＤＶＤ、および、Ｂｌｕ−ｒａｙ Ｄｉｓｃ等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【００９５】
また、「プログラム」とは、任意の言語や記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードやバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、ＯＳ（Ｏｐｅｒａｔｉｎｇ Ｓｙｓｔｅｍ）に代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施の形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成、読み取り手順、あるいは、読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【００９６】
記憶部１０６に格納される各種のデータベース等（地点情報一時ファイル１０６ａ〜地図データベース１０６ｃ）は、ＲＡＭ、ＲＯＭ等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【００９７】
また、端末装置１００は、既知のパーソナルコンピュータ、ワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、該情報処理装置に任意の周辺装置を接続して構成してもよい。また、端末装置１００は、該情報処理装置に本発明の方法を実現させるソフトウェア（プログラム、データ等を含む）を実装することにより実現してもよい。
【００９８】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じて、または、機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【００９９】
以上詳述に説明したように、本発明によれば、経路探索を行うための入力を簡略化することができる、端末装置、探索条件設定方法、および、プログラム、並びに、記録媒体を提供することができる。
【符号の説明】
【０１００】
１００ 端末装置
１０２ 制御部
１０２ａ 地点情報取得部
１０２ｂ 地点情報格納部
１０２ｃ 経路探索条件設定部
１０２ｄ 経路探索部
１０２ｅ 経路案内部
１０２ｆ 出力制御部
１０２ｇ 施設情報取得部
１０２ｈ 現在位置情報取得部
１０４ 通信制御インターフェース部
１０６ 記憶部
１０６ａ 地点情報一時ファイル
１０６ｂ ネットワークデータベース
１０６ｃ 地図データベース
１０８ 入出力制御インターフェース部
１１２ 位置取得部
１１４ 出力部
１１６ 入力部
２００ ＩＣタグ
３００ ネットワーク
５００ 位置発信装置
６００ 外部機器
【技術分野】
【０００１】
本発明は、端末装置、探索条件設定方法、および、プログラムに関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、近距離無線通信が可能なＩＣタグ等の媒体に、さまざまな情報を記憶して利用されている。
【０００３】
例えば、特許文献１に記載の案内システムでは、目的地までの経路上に設置されたＩＣタグに、当該設置箇所の近傍の案内図情報等を記憶させておき、携帯端末によって読取られた場合に、その案内図等を表示させることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】特開２００５−１８０９６７号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
しかしながら、従来、端末装置で経路探索を行う際には、煩雑な入力を強いられるという問題点を有していた。
【０００６】
特に、特許文献１に記載の案内システムでは、設置箇所近傍の案内地図等を表示させることができるものの、利用者が任意の目的地に行きたい場合等に応用することができない、という問題点を有していた。
【０００７】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、経路探索を行うための入力を簡略化することができる、端末装置、探索条件設定方法、および、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
このような目的を達成するため、本発明の端末装置は、近距離無線通信部と記憶部と制御部を少なくとも備えた端末装置において、上記制御部は、上記近距離無線通信部を介して、近距離無線通信可能な媒体から送信される、地点情報を取得する地点情報取得手段と、上記地点情報取得手段により取得された上記地点情報を上記記憶部に格納して、所定時間記憶させる地点情報格納手段と、上記地点情報格納手段により上記記憶部に記憶された一または複数の上記地点情報を、経路探索条件として設定する経路探索条件設定手段と、を備えたことを特徴とする。
【０００９】
また、本発明の端末装置は、上記記載の端末装置において、上記経路探索条件設定手段は、上記記憶部に記憶された上記地点情報の数に基づいて、当該地点情報に基づく位置をそれぞれ出発地、経由地、および／または、目的地として、上記経路探索条件を設定することを特徴とする。
【００１０】
また、本発明の端末装置は、上記記載の端末装置において、上記経路探索条件設定手段は、上記記憶部に記憶された上記地点情報の順序に基づいて、当該地点情報に基づく位置をそれぞれ出発地、経由地、および／または、目的地として、上記経路探索条件を設定することを特徴とする。
【００１１】
また、本発明の端末装置は、上記記載の端末装置において、現在位置情報を取得する現在位置情報取得手段を更に備え、上記経路探索条件設定手段は、現在位置情報取得手段により取得された上記現在位置情報に基づく現在位置を出発地として、当該地点情報に基づく位置を目的地および／または経由地として、上記経路探索条件を設定することを特徴とする。
【００１２】
また、本発明の端末装置は、上記記載の端末装置において、更に、入力部を備え、上記経路探索条件設定手段は、上記記憶部に記憶された上記地点情報に基づく位置および／または現在位置が、上記経路探索条件の出発地、目的地、および／または、経由地として設定されるよう、利用者に上記入力部を介して指定させることを特徴とする。
【００１３】
また、本発明の端末装置は、上記記載の端末装置において、更に、入力部を備え、上記地点情報格納手段は、上記地点情報取得手段により上記地点情報が複数同時に取得された場合、利用者に上記入力部を介して上記地点情報を指定させ、指定された当該地点情報を上記記憶部に格納することを特徴とする。
【００１４】
また、本発明の端末装置は、上記記載の端末装置において、更に、出力部を備え、上記地点情報は、更にクーポン情報を含み、上記制御部は、上記経路探索条件設定手段により設定された上記経路探索条件に基づく経路の経路案内後、上記記憶部に記憶された上記クーポン情報を上記出力部に出力する出力制御手段、を更に備えたことを特徴とする。
【００１５】
また、本発明の端末装置は、上記記載の端末装置において、上記地点情報は、位置情報と時刻情報からなるスケジュール情報を含み、上記経路探索条件設定手段は、上記地点情報格納手段により上記記憶部に格納された上記スケジュール情報に基づいて、上記位置情報に基づく位置とともに、上記時刻情報に基づく時刻を、当該地点情報の数および／または順序に基づいて上記経路探索条件として設定することを特徴とする。
【００１６】
また、本発明の端末装置は、上記記載の端末装置において、更に、出力部を備え、上記地点情報は、メッシュＩＤを含み、上記制御部は、ネットワークを介して、上記メッシュＩＤに属する施設情報を取得して、上記出力部に出力する施設情報取得手段、を更に備えたことを特徴とする。
【００１７】
また、本発明の端末装置は、上記記載の端末装置において、近距離無線通信部と記憶部と制御部を少なくとも備えた端末装置において実行される探索条件実行方法であって、上記制御部において実行される、上記近距離無線通信部を介して、近距離無線通信可能な媒体から送信される、地点情報を取得する地点情報取得ステップと、上記地点情報取得ステップにて取得された上記地点情報を上記記憶部に格納して、所定時間記憶させる地点情報格納ステップと、上記地点情報格納ステップにて上記記憶部に記憶された一または複数の上記地点情報を、経路探索条件として設定する経路探索条件設定ステップと、を含むことを特徴とする。
【００１８】
また、本発明の端末装置は、上記記載の端末装置において、近距離無線通信部と記憶部と制御部を少なくとも備えた端末装置に実行させるためのプログラムであって、上記制御部において、上記近距離無線通信部を介して、近距離無線通信可能な媒体から送信される、地点情報を取得する地点情報取得ステップと、上記地点情報取得ステップにて取得された上記地点情報を上記記憶部に格納して、所定時間記憶させる地点情報格納ステップと、上記地点情報格納ステップにて上記記憶部に記憶された一または複数の上記地点情報を、経路探索条件として設定する経路探索条件設定ステップと、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【００１９】
この発明によれば、近距離無線通信部を介して、近距離無線通信可能な媒体から送信される、地点情報を取得し、取得した地点情報を記憶部に格納して、所定時間記憶させ、記憶部に記憶された一または複数の地点情報を、経路探索条件として設定する。これにより、本発明は、経路探索を行うための入力を簡略化することができるという効果を奏する。特に、従来、目的地等の経路探索条件を入力するのは煩雑であり、また、入力した単語のヒット率が結果に影響するので、正確な位置等の把握ができない場合があるという問題点があった。本発明は、当該問題点を解決し、近距離無線通信可能な媒体から地点情報を取得するので、入力操作が簡略化され、正確な位置等を設定することができる。
【００２０】
なお、近距離無線通信ではなく、ＱＲコード（登録商標）等の二次元コードで、地点情報を読み取らせることも考えられるが、以下の問題が生じる。（１）読み取りにカメラ起動が必要となるため、手間がかかる。（２）同時読み取りができないため、情報に連続性をもたせる事ができない。（３）印刷物のため、データの書込みができない。（４）読み取りの関係上、地図上に表示することができない。（５）夜間の読み取りやバーコードが汚れた場合に読み取りが不可能になる。本発明によれば、近距離無線通信によって地点情報を取得するので、これら種々の問題を解決することができる。
【００２１】
また、本発明によれば、上記において、記憶部に記憶された地点情報の数に基づいて、当該地点情報に基づく位置をそれぞれ出発地、経由地、および／または、目的地として、経路探索条件を設定するので、煩雑な操作を必要とすることなく、正確に地点情報の数に基づいて経路探索条件を設定することができるという効果を奏する。
【００２２】
また、本発明によれば、上記において、記憶部に記憶された地点情報の順序に基づいて、当該地点情報に基づく位置をそれぞれ出発地、経由地、および／または、目的地として、経路探索条件を設定するので、煩雑な操作を必要とすることなく、正確に地点情報の順序に基づいて経路探索条件を設定することができるという効果を奏する。
【００２３】
また、本発明によれば、上記において、現在位置情報を取得し、現在位置情報に基づく現在位置を出発地として、当該地点情報に基づく位置を目的地および／または経由地として、経路探索条件を設定するので、煩雑な操作を必要とすることなく正確に経路探索条件を設定することができるという効果を奏する。
【００２４】
また、本発明によれば、上記において、更に、入力部を備え、記憶部に記憶された地点情報に基づく位置および／または現在位置が、経路探索条件の出発地、目的地、および／または、経由地として設定されるよう、利用者に入力部を介して指定させるので、利用者の所望の位置で経路探索条件を設定することができるという効果を奏する。
【００２５】
また、本発明によれば、上記において、更に、入力部を備え、地点情報が複数同時に取得された場合、利用者に入力部を介して地点情報を指定させ、指定された当該地点情報を記憶部に格納するので、煩雑な操作を必要とすることなく正確に経路探索条件を設定することができるという効果を奏する。
【００２６】
また、本発明によれば、上記において、更に、出力部を備え、地点情報は、更にクーポン情報を含み、設定した経路探索条件に基づく経路の経路案内後、記憶部に記憶されたクーポン情報を出力部に出力するので、目的地等の位置と関連付けて利用者に購買を喚起することができるという効果を奏する。
【００２７】
また、本発明によれば、上記において、地点情報は、位置情報と時刻情報からなるスケジュール情報を含み、記憶部に格納されたスケジュール情報に基づいて、位置情報に基づく位置とともに、時刻情報に基づく時刻を、当該地点情報の数および／または順序に基づいて経路探索条件として設定する。これにより、本発明は、目的地や経由地等の位置だけではなく、到着時刻や経由時刻等の時刻についての入力も簡略化することができるという効果を奏する。
【００２８】
また、本発明によれば、上記において、更に、出力部を備え、地点情報は、メッシュＩＤを含み、ネットワークを介して、メッシュＩＤに属する施設情報を取得して、出力部に出力するので、そのメッシュ範囲にある施設を、利用者に正確に且つ簡便に入力させることができるという効果を奏する。
【００２９】
なお、上記において、本発明の端末装置を一例に効果の説明をしたが、探索条件設定方法、および、プログラムにおいても同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【００３０】
【図１】図１は、本実施形態における端末装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図２】図２は、ＩＣタグ２００の設置例を示す図である。
【図３】図３は、地図の印刷物の裏側に設置されたＩＣタグ２００について、地点情報の取得方法を模式的に示した図である。
【図４】図４は、本実施形態における端末装置１００の処理の一例を示すフローチャートである。
【図５】図５は、地点情報一時ファイル１０６ａに記憶された地点情報が１つの場合の経路探索条件の設定例を示す図である。
【図６】図６は、地点情報一時ファイル１０６ａに記憶された地点情報が２つの場合の経路探索条件の設定例を示す図である。
【図７】図７は、地点情報一時ファイル１０６ａに記憶された地点情報が３つの場合の経路探索条件の設定例を示す図である。
【図８】図８は、利用者に入力部１１６を介して経路探索条件を指定させる例を示す図である。
【図９】図９は、本実施形態における端末１００の具体化処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【００３１】
以下に、本発明にかかる端末装置、探索条件設定方法、および、プログラムの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【００３２】
本発明の実施形態について、図１から図９を参照して以下に説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための経路探索システムを例示するものであって、本発明をこの経路探索システムに特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態にも等しく適用し得るものである。例えば、本実施形態で例示する経路探索システムにおける外部機器等のサーバ側と端末装置側の機能分散の形態は以下に限られず、同様の効果や機能を奏し得る範囲において、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【００３３】
［本実施形態の構成］
まず、本実施形態における端末装置および当該端末装置を備えた経路探索システムの構成の一例について、図１を参照して以下に説明する。ここで、図１は、本実施形態における端末装置の構成の一例を示すブロック図であり、該構成のうち本発明に関係する部分のみを概念的に示している。なお、本実施形態においては、スタンドアローンタイプの経路探索システムを具体例として説明することがあるが、本発明はこれに限ることなく、通信型のナビゲーションを提供する経路探索システムなどにも適用可能である。
【００３４】
図１に示すように、本実施形態の経路探索システムは、概略的に、ＩＣタグ２００、端末装置１００、および、外部機器６００を、通信可能に接続して構成される。ここで、図１に示すように、ＩＣタグ２００と端末装置１００との間は、互いの距離が近い場合に、近距離無線通信によって通信可能に接続される。本実施形態において、「近距離無線通信」とは、比較的到達距離の短い無線通信をいう。例えば、近距離無線通信として、十センチメートル程度の距離で双方向通信が可能なＮＦＣ（Ｎｅａｒ Ｆｉｅｌｄ Ｃｏｍｍｕｎｉｃａｔｉｏｎ）等の通信方式を用いてもよい。
【００３５】
この他、通信には、一例として、ネットワーク３００等を介した有線・無線通信等の遠隔通信等であってもよい。ここで、ネットワーク３００は、端末装置１００、および、外部機器６００等を相互に接続する機能を有し、例えば、インターネット、電話回線網（携帯端末回線網および一般電話回線網等）、イントラネット、または、電力線通信（ＰＬＣ）等であってもよい。
【００３６】
図１に示すように、本実施形態の経路探索システムにおいて、端末装置１００は、位置取得部１１２と出力部１１４と入力部１１６と制御部１０２と記憶部１０６とを備える。また、これら経路探索システムの各部は任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【００３７】
図１に示すように、ＩＣタグ２００は、端末装置１００と近距離無線通信可能な媒体である。ここで、ＩＣタグ２００は、少なくとも地点情報を記憶し、近距離無線通信により端末装置１００に地点情報を送信する機能を有する。ここで、本実施形態において、地点情報は、位置を特定することができる情報（位置情報）を少なくとも含む。例えば、位置情報は、メッシュＩＤ（例えば、ＪＩＳ規格の第１〜３次地域区画メッシュにおけるＩＤ等）であってもよい。なお、位置情報は、位置を直接的に特定することができる施設ＩＤや緯度経度や住所等の情報のみならず、何らかの方法で位置を特定することができる情報をも含む。例えば、位置情報は、ＩＣタグ２００の識別情報（識別子）であってもよい。すなわち、端末装置１００は、識別情報をクエリーとして、記憶部１０６のデータベースや外部機器６００に問い合わせを行うことにより、識別情報に対応する位置を特定することができる。なお、地点情報は、位置情報のみならず、クーポン情報や時刻情報等を含んでもよい。
【００３８】
ここで、ＩＣタグ２００は、非接触型ＩＣカード（ＲＦＩＤカード等）などのカード型情報記憶媒体であってもよい。また、非接触型ＩＣカードは、カード内部にアンテナの役目を果たすコイルやＩＣチップを内蔵している。利用者が、端末装置１００をＩＣタグ２００にかざした場合、端末装置１００の通信制御インターフェース部１０４を構成するセンスコイル（検出コイル）等から発生している磁界によって電磁誘導により、無線で通信データ（地点情報等）のやり取りを非接触で行うことができる。非接触型ＩＣカードの一例として、一般的な３つの通信方式のうちＴｙｐｅＡでは、ＮＴＴ（会社名）のＩＣテレホンカード、ＴｙｐｅＢでは、住民基本台帳番号カード（住基カード）、Ｆｅｌｉｃａ方式では、Ｓｕｃｉａ（登録商標）やＥｄｙ（登録商標）などが挙げられる。なお、本実施形態では、地点情報の提供元の媒体をＩＣタグ２００として説明するが、これに限られず、ＩＣタグ以外の近距離無線通信可能な媒体であってもよい。ここで、ＩＣタグ２００等の媒体の設置例について、図２を参照して説明する。図２は、ＩＣタグ２００の設置例を示す図である。
【００３９】
図２に示すように、ＩＣタグ２００は、一例として、地図の印刷物（紙等の近距離無線通信を妨げない素材）の裏側に設置される。そのため、利用者からは、ＩＣタグ２００を直接見ることはできないが、利用者が、目的とする地図上の箇所に、端末装置１００を近づけると、その位置の裏側に設置されたＩＣタグ２００から地点情報が送信されるように構成されている。すなわち、図２の例において、ＩＣタグ２００−１は、その設置箇所の表面の地図上の位置を特定する地点情報Ａを記憶する。同様に、ＩＣタグ２００−２は、その設置箇所の表面の地図上の位置を特定する地点情報Ｂを記憶する。また、同様に、ＩＣタグ２００−３は、その設置箇所の表面の地図上の位置を特定する地点情報Ｃを記憶する。このように、ＩＣタグ２００には、設置箇所に対応する地図上の位置を特定する地点情報を記憶して端末装置１００に送信する。なお、地図の形態は、看板（地図板等）、ポスター、雑誌等であってもよい。
【００４０】
［端末装置１００の構成］
再び図１に戻り、図１において、端末装置１００は、近距離無線通信部（図示せず）を介して、近距離無線通信可能なＩＣタグ２００等の媒体から送信される地点情報を取得し、取得した地点情報を記憶部１０６に格納して所定時間記憶させ、記憶部１０６に記憶された一または複数の地点情報を、経路探索条件として設定する等の機能を有する。端末装置１００は、例えば、一般に市販されるデスクトップ型またはノート型のパーソナルコンピュータ等の情報処理装置、携帯電話やＰＨＳやＰＤＡ等の携帯端末装置、および、走行経路案内等を行うナビゲーション端末等である。ここで、端末装置１００は、インターネットブラウザ等を搭載していてもよく、経路案内アプリケーションや乗換案内アプリケーション等を搭載していてもよい。また、端末装置１００は、リアルタイムに現在位置取得が行えるよう、ＧＰＳ機能やＩＭＥＳ機能等を有する位置取得部１１２を備える。また、端末装置１００は、出力部１１４と入力部１１６と記憶部１０６と制御部１０２を備える。ここで、出力部１１４は、表示案内データ等の表示画面を表示する表示手段（例えば、液晶や有機ＥＬ等から構成されるディスプレイやモニタ等）のほか、外部機器６００から受信した経路探索結果や案内データを音声として出力する音声出力手段（例えば、スピーカ等）であってもよい。また、入力部１１６としては、例えば、キー入力部、タッチパネル、キーボード、マイク等であってもよい。また、入出力制御インターフェース部１０８は、位置取得部１１２、出力部１１４、および、入力部１１６等の制御を行う。
【００４１】
ここで、位置取得部１１２は、例えば、位置発信装置５００から発信される位置情報信号を受信する位置取得手段であってもよい。ここで、位置発信装置５００は、位置情報信号（ＧＰＳ信号）を発信するＧＰＳ装置であってもよく、また、ＧＰＳ信号と類似した特徴を持つ位置情報信号を用いて屋内測位を可能とするＩＭＥＳ（Ｉｎｄｏｏｒ Ｍｅｓｓａｇｅ Ｓｙｓｔｅｍ）技術を実現するＩＭＥＳ装置であってもよい。なお、ＩＭＥＳ技術は測位衛星システムである準天頂衛星の枠組みから発案されたシステムである。また、位置発信装置５００は、屋外で受信したＧＰＳ信号を屋内で発信するＧＰＳリピータであってもよい。また、位置発信装置５００は、建物（例えば、立体駐車場等）内の各フロアや地下構造物（例えば、トンネル、地下駐車場等）の各所に任意に設置される小型発信装置であってもよい。なお、この小型発信装置には、設置場所に応じた自己位置情報（位置ＩＤ等）が割り振られている。そして、端末装置１００が通信可能範囲に入ると、端末装置１００は、小型発信装置から送信される自己位置情報を位置情報信号として受信する。この際の通信方式は、例えば、ＲＦＩＤ（Ｒａｄｉｏ Ｆｒｅｑｕｅｎｃｙ Ｉｄｅｎｔｉｆｉｃａｔｉｏｎ）タグシステムやＢｌｕｅｔｏｏｔｈ（登録商標）等の各種近距離無線方式や、赤外線通信方式等であってもよい。また、位置発信装置５００は、無線ＬＡＮのアクセスポイントであってもよい。本実施形態において、位置取得部１１２は、無線ＬＡＮ信号等を受信して、アクセスポイントの識別情報を取得してもよい。そして、制御部１０２は、位置取得部１１２にて取得したアクセスポイント固有の識別情報からアクセスポイントの位置を特定して位置情報を取得してもよい。また、本実施形態において、制御部１０２は、位置取得部１１２にて取得された位置情報信号から、緯度、経度、および、高さ情報を含む位置情報を算出してもよい。ここで、位置情報は、緯度および経度により特定される絶対位置の他、基準となる位置からの相対位置を示すものであってもよい。
【００４２】
また、位置取得部１１２は、例えば、位置取得部１１２の加速度センサにて検出した端末装置１００の加速度情報、方位センサにて検出した端末装置１００の進行方向等の方位情報、距離センサにて検出した距離情報、および、地図データに基づいて端末装置１００の利用者の現在位置を示す位置情報を取得してもよい。ここで、方位センサには、端末装置１００の絶対走行方位を検出する地磁気センサおよび端末装置１００の相対走行方位を検出する光ジャイロが使用されてもよい。また、方位センサは、地磁気センサと加速度センサを組み合わせることで方位や傾きに関する情報を取得できる電子コンパスであってもよい。
【００４３】
また、通信制御インターフェース部１０４は、通信回線や電話回線等に接続されるアンテナやルータ等の通信装置（図示せず）に接続されるインターフェースであり、端末装置１００とＩＣタグ２００との間または端末装置１００とネットワーク３００との間における通信制御を行う機能を有する。すなわち、通信制御インターフェース部１０４は、外部機器６００等と通信回線を介してデータを通信する機能を有している。なお、通信制御インターフェース部１０４は、近距離無線通信部（図示せず）を制御して近距離無線通信を制御してもよい。すなわち、通信制御インターフェース部１０４は、ＩＣタグ２００等と通信回線を介してデータ（地点情報等）を通信する機能を有している。
【００４４】
また、記憶部１０６は、ＨＤＤ（Ｈａｒｄ Ｄｉｓｋ Ｄｒｉｖｅ）等の固定ディスク装置やＳＳＤ（Ｓｏｌｉｄ Ｓｔａｔｅ Ｄｒｉｖｅ）等のストレージ手段であり、各種のデータベースやテーブル（地点情報一時ファイル１０６ａ、ネットワークデータベース１０６ｂ、および、地図データベース１０６ｃ等）を格納する。
【００４５】
これら記憶部１０６の各構成要素のうち、地点情報一時ファイル１０６ａは、地点情報を一時記憶する地点情報一時記憶手段である。例えば、地点情報一時ファイル１０６ａは、地点情報を所定時間記憶してもよい。なお、後述する地点情報格納部１０２ｂが一時記憶を制御してもよく、例えば、地点情報格納部１０２ｂが、地点情報一時ファイル１０６ａに地点情報を格納してから、内部クロックに基づいて所定時間経過した後、当該地点情報を地点情報一時ファイル１０６ａから消去してもよい。
【００４６】
また、ネットワークデータベース１０６ｂは、交通網を規定するネットワークデータを記憶するネットワークデータ記憶手段である。例えば、ネットワークデータベース１０６ｂに記憶されるネットワークデータは、道路網を規定する道路ネットワークデータであってもよく、路線網を規定する路線網ネットワークデータであってもよく、施設内ネットワークデータであってもよい。ここで、ネットワークデータベース１０６ｂに記憶されるネットワークデータは、ネットワークデータベース１０６ｂに予め記憶されており、端末装置１００の制御部１０２は、定期的に、および／または、制御部１０２による処理に応じて（例えば、制御部１０２においてデータが必要となる契機等）、ネットワーク３００を介して最新のデータを外部機器６００（例えば、ネットワークデータを提供するネットワークデータサーバなど）等からダウンロードしてネットワークデータベース１０６ｂに記憶されたネットワークデータをアップデートしてもよい。
【００４７】
一例として、ネットワークデータベース１０６ｂに記憶される道路ネットワークデータは、道路網を規定するネットワークデータであり、例えば、駅や交差点等の道路網表現上の結節点であるノードのノードデータと、ノード間の道路区間である道路リンクのリンクデータとの組み合わせによって表現されるネットワークデータである。ノードデータには、ノード番号、緯度経度等の位置座標、ノード種別、接続するリンク本数、接続ノード番号、および、交差点名称等を含んでいてもよい。また、リンクデータには、リンク番号（リンクＩＤ）、接続する道路の種別、国道や県道や市道等の路線番号、重用する路線情報、道路リンクの存在する行政区域の属性情報、リンク長、道路供用状況、異常気象時通行規制区間、車重制限、車両高さ制限、幅員、道路幅員区分、車線数、制限速度など交通規制、高架やトンネルや橋等のリンク内属性、所要時間、および、名称等を含んでいてもよい。また、利用運賃料金データは、自転車、自動車、オートバイ等で移動する場合に必要な、橋梁通行料金や高速自動車国道や自動車専用道路等の有料道路の通行料金等を表す情報等であってもよい。また、道路ネットワークデータは、自転車、徒歩、オートバイ、自動車等で移動する場合の経路上に存在する施設等の地点の緯度経度情報などの位置情報等を記憶してもよい。また、ネットワークデータベース１０６ｂに記憶されるネットワークデータは、リンクＩＤに対応付けて、当該リンクのリンクコストを含んでいてもよく、例えば、ある移動手段で、当該リンクを通過するのに必要な時間や、距離や、利用運賃料金データ等の料金に関するデータを含んでいてもよい。
【００４８】
また、ネットワークデータに含まれる路線網ネットワークデータは、鉄道、飛行機、バス、および、船等の各交通機関（例えば、公共交通機関等）の路線網を規定するネットワークデータであり、例えば、路線網表現上の結節点であるノード（例えば、交通機関の停留地点である駅、停留場、停車場、停留所、空港、港、および、ターミナル等）のノードデータと、ノード間を接続する鉄道路線、航空路線、航路、および、バス路線等のリンクのリンクデータとの組み合わせによって表現されるネットワークデータである。ここで、路線とは、交通機関が通過する出発地と目的地とを結ぶ線であってもよい。また、鉄道とは、ルート上に設置された固定式案内路（レール、および案内軌条など）等に誘導されて走行し、旅客や貨物等を輸送する交通機関であり、例えば、電車、路面電車、ロープウェイ、モノレール、ケーブルカー、および、リニアモーターカー等であってもよい。また、ノードデータには、ノード番号（例えば、ノードＩＤ等）、ノードの名称（例えば、交通機関の停留地点の名称である駅名、停留場名、停車場名、停留所名、空港名、港名、および、ターミナルの名称等）、および、緯度経度高度などの位置座標等の情報を含んでいてもよい。また、リンクデータには、リンク番号（例えば、リンクＩＤ等）、開始ノードＩＤ、終了ノードＩＤ、種別、リンク長（例えば、距離等）、高架、トンネルおよび橋等のリンク内属性、ならびに、名称（例えば、路線名など）等の情報を含んでいてもよい。また、路線網ネットワークデータは、更に、交通機関の種別（例えば、特急、急行、準急、快速、快速急行、通勤特急、通勤快速、通勤急行、区間急行、区間準急、区間快速、各駅停車、および、普通など）に対応したノード（例えば、急行停車駅、準急停車駅、および、快速停車駅等）のノードデータと、当該ノード間を接続する鉄道路線、および、バス路線等のリンクのリンクデータとの組み合わせによって表現されるネットワークデータを当該種別に対応付けて含んでいてもよい。また、路線網ネットワークデータは、各ノード（駅等）における出発時刻と到着時刻等の時刻表データを含んでもよい。
【００４９】
また、路線網ネットワークデータは、交通機関の乗降場所（例えば、駅のプラットホーム等）の位置情報（例えば、緯度経度高度等）、形状情報、配置情報（例えば、島式ホームおよび相対式ホーム等）、および、属性情報（例えば、プラットホーム番号などの乗降場所の名称および識別番号等）などを含む乗降場所情報を含んでいてもよい。また、路線網ネットワークデータは、交通機関の利用運賃料金データを含んでいてもよい。ここで、利用運賃料金データは、例えば、鉄道、飛行機、バス、および、船等の各交通機関を利用した場合に生じる利用料金（運賃）等を表す情報等であってもよい。また、路線網ネットワークデータは、乗車位置データを含んでいてもよい。ここで、乗車位置データは、例えば、電車、路面電車、モノレール、ケーブルカー、および、リニアモーターカー等の複数の車両が連結した交通機関の乗車位置（一例として、改札口に近い車両、乗換に便利な位置の車両、混雑率の低い車両、および、女性専用車両等）を表す情報等であってもよい。
【００５０】
また、ネットワークデータに含まれる施設内ネットワークデータは、施設内の経路網を規定するネットワークデータである。ここで、施設内ネットワークデータは、例えば、建造物内の店舗、会社、事務所、およびトイレ等の出入口、エレベータおよびエスカレータの乗降口、階段の出入口、飛行機等の搭乗口、駅のプラットホーム上の電車等の乗車位置、ならびに、駅の改札口等の、通路等を接続する結節点であるノードのノードデータと、ノード間を接続する通路、階段、動く歩道、エスカレータ、および、エレベータ等であるリンクのリンクデータとの組み合わせによって表現されるネットワークデータである。ここで、ノードデータには、ノード番号（例えば、ノードＩＤ等）、ノードの名称（出入口名および乗降口名等）、緯度経度高度等の位置座標、ノード種別（例えば、出入口、乗降口、通路の曲がり角、および通路の分岐点等）、接続するリンク本数、および、接続ノード番号等の情報を含んでいてもよい。また、リンクデータには、リンク番号（例えば、リンクＩＤ等）、開始ノードＩＤ、終了ノードＩＤ、リンク長、幅員、リンク種別（例えば、ノード間を接続する通路、階段、スロープ、エスカレータ、エレベータ、および動く歩道など）、および、バリアフリー化の情報を含んでいてもよい。ここで、施設とは、駅、オフィスビル、ホテル、デパート、スーパーマーケット、博物館、美術館、学校、水族館、地下通路、立体駐車場、地下駐車場、および、地下街等の屋内建造物であってもよい。また、施設とは、バスターミナル、公園、遊園地、キャンプ場、連絡通路、屋外駐車場、および、動物園等の屋外建造物であってもよい。
【００５１】
また、地図データベース１０６ｃは、地図データを記憶する地図データ記憶手段である。本実施形態において、地図データベース１０６ｃに記憶される地図データは、全国および各地方の道路地図等の地図データであってもよい。例えば、地図データベース１０６ｃに記憶される地図データは、地図上に表示される地物（例えば、ビルや住宅や駅等の建造物、道路、線路、橋、トンネル、等高線、海岸線や湖岸線等の水涯線、海、河川、湖、池、沼、公園や屋外施設等の地、行政界、行政区域、および、街区等）の形状についての形状データ、地図上に表示される注記（例えば、地名、住所、電話番号、店や公園や駅等の施設名称、名所や旧跡や河川や湖や湾や山や森林等の俗称を含む名称、道路や橋やトンネル等の名称、路線名称、地点情報、および、口コミ情報等）の注記データ、および、地図上に表示される記号（例えば、山、史跡、寺社、学校、病院、工場および墓地等の地図記号、ガソリンスタンド、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、レストラン、銀行および郵便局等の店舗記号、道路上の信号、有料道路の出入口、料金所、サービスエリア、パーキングエリアおよびインターチェンジ等の記号、駐車場、駅、ホテル、美術館および博物館等の施設記号、ならびに、口コミ地点記号等）の記号データ等のデータを含んでいてもよい。ここで、地図データは、縮尺に従ってメッシュ化された地図データ（例えば、ＪＩＳ規格の第１〜３次地域区画メッシュデータ、および、１００ｍメッシュデータ等）等であってもよい。なお、各メッシュには、メッシュＩＤが付与されていてもよい。また、地図データは、ラスタ形式、ベクタ形式等の地図描画用の画像データであってもよい。これら地図データは、地図データベース１０６ｃに予め記憶されており、端末装置１００の制御部１０２は、定期的に、および／または、制御部１０２による処理に応じて（例えば、制御部１０２においてデータが必要となる契機等）、ネットワーク３００を介して最新のデータを、外部機器６００（地図データを提供する地図提供サーバ等の外部機器等）からダウンロードして地図データベース１０６ｃに記憶された地図データをアップデートしてもよい。
【００５２】
このほか、記憶部１０６は、案内データを記憶してもよい。記憶部１０６に記憶される案内データは、案内経路上において出力される音声案内データや表示案内データ等のデータである。ここで、音声案内データは、案内経路上の分岐点等における進行方向に対応付けられた「次の交差点を左に曲がります」や、現在位置が目的地に近づいた場合に対応付けられた「まもなく目的地周辺です」等の音声案内用のデータであってもよく、この音声案内データは、端末装置１００の経路案内部１０２ｅが、案内経路に従って、音声案内等の経路案内を実行する際に用いられてもよい。また、表示案内データは、案内経路上の分岐点等における進行方向に対応付けられたターンバイターン（ＴＢＴ）や、現在位置が選択施設に近づいた旨の案内等の表示案内用のデータであってもよく、この表示案内データは、端末装置１００の経路案内部１０２ｅが表示案内を実行する際に用いられる。ここで、ＴＢＴとは、右左折等の誘導を画面に表示する矢印ナビゲーションである。これら案内データは、記憶部１０６に予め記憶されてもよく、端末装置１００の制御部１０２は、定期的に、および／または、制御部１０２による処理に応じて（例えば、制御部１０２においてデータが必要となる契機等）、ネットワーク３００を介して最新の案内データを外部機器６００（例えば、案内データを提供する案内データ提供サーバなど）等からダウンロードして記憶部１０６に記憶された案内データをアップデートしてもよい。
【００５３】
また、制御部１０２は、ＯＳ（Ｏｐｅｒａｔｉｎｇ Ｓｙｓｔｅｍ）等の制御プログラムや、各種の処理手順等を規定したプログラム、および、所要データを格納するための内部メモリを有する。そして、制御部１０２は、これらのプログラム等により、種々の処理を実行するための情報処理を行う。制御部１０２は、機能概念的に、地点情報取得部１０２ａ、地点情報格納部１０２ｂ、経路探索条件設定部１０２ｃ、経路探索部１０２ｄ、経路案内部１０２ｅ、出力制御部１０２ｆ、施設情報取得部１０２ｇ、および、現在位置情報取得部１０２ｈを備える。
【００５４】
このうち、地点情報取得部１０２ａは、近距離無線通信部を介して、近距離無線通信可能な媒体（ＩＣタグ２００等）から送信される、地点情報を取得する地点情報取得手段である。例えば、地点情報取得部１０２ａは、通信制御インターフェース部１０４を介してアンテナ等の近距離無線通信部を制御することにより電波を発信してＩＣタグ２００に電気エネルギーを与え、ＩＣタグ２００から反射波として地点情報を受信してもよい。
【００５５】
また、地点情報格納部１０２ｂは、地点情報取得部１０２ａにより取得された地点情報を地点情報一時ファイル１０６ａに格納して、所定時間（例えば数十秒）記憶させる地点情報格納手段である。なお、地点情報一時ファイル１０６ａの機能として、所定時間経過後、格納された地点情報を消去してもよく、地点情報格納部１０２ｂが、地点情報一時ファイル１０６ａに地点情報を格納してから、内部クロックに基づいて所定時間経過した後に、当該地点情報を地点情報一時ファイル１０６ａから消去してもよい。ここで、地点情報格納部１０２ｂは、地点情報に対応付けて、取得順序や取得日時等を格納してもよい。ここで、地点情報格納部１０２ｂは、地点情報取得部１０２ａにより地点情報が複数同時に取得された場合、利用者に入力部１１６を介して地点情報を指定させ、指定された当該地点情報を地点情報一時ファイル１０６ａに格納してもよい。
【００５６】
また、経路探索条件設定部１０２ｃは、地点情報格納部１０２ｂにより地点情報一時ファイル１０６ａに記憶された一または複数の地点情報を、経路探索条件として設定する経路探索条件設定手段である。例えば、経路探索条件設定部１０２ｃは、地点情報一時ファイル１０６ａに記憶された地点情報の数に基づいて、当該地点情報に基づく位置をそれぞれ出発地、経由地、および／または、目的地として、経路探索条件を設定してもよい。また、経路探索条件設定部１０２ｃは、地点情報一時ファイル１０６ａに記憶された地点情報の順序に基づいて、当該地点情報に基づく位置をそれぞれ出発地、経由地、および／または、目的地として、経路探索条件を設定してもよい。一例として、経路探索条件設定部１０２ｃは、地点情報一時ファイル１０６ａに記憶された地点情報の数に基づいて、経路探索条件の組み合せを設定してもよく、地点情報一時ファイル１０６ａに記憶された地点情報の数に基づいて、経路探索条件の順列を設定してもよい。また、経路探索条件設定部１０２ｃは、現在位置情報取得部１０２ｈにより取得された現在位置情報に基づく現在位置を出発地として、地点情報一時ファイル１０６ａに記憶された地点情報に基づく位置を目的地および／または経由地として、経路探索条件を設定してもよい。なお、一例として、経路探索条件設定部１０２ｃは、地点情報一時ファイル１０６ａに記憶された地点情報が２つの場合、最初に格納された地点情報に基づく位置を出発地として、次に格納された地点情報に基づく位置を目的地として、経路探索条件を設定してもよい。また、一例として、経路探索条件設定部１０２ｃは、地点情報一時ファイル１０６ａに記憶された地点情報が２つの場合、現在位置情報取得部１０２ｈにより取得された現在位置情報に基づく現在位置を出発地として、最初に格納された地点情報に基づく位置を経由地として、次に格納された地点情報に基づく位置を目的地として、経路探索条件を設定してもよい。また、経路探索条件設定部１０２ｃは、地点情報一時ファイル１０６ａに記憶された地点情報が３つの場合、最初に格納された地点情報に基づく位置を出発地として、次に格納された地点情報に基づく位置を経由地として、最後に格納された地点情報に基づく位置を目的地として、経路探索条件を設定してもよい。なお、経路探索条件設定部１０２ｃは、格納順序を、地点情報格納部１０２ｂにより地点情報と対応付けて地点情報一時ファイル１０６ａに格納された取得順序や取得日時等に基づいて判定してもよい。
【００５７】
ここで、経路探索条件設定部１０２ｃは、地点情報一時ファイル１０６ａに記憶された地点情報に基づく位置および／または現在位置が、経路探索条件の出発地、目的地、および／または、経由地として設定されるよう、利用者に入力部１１６を介して指定させてもよい。すなわち、上述のように、取得順序で自動的に経路探索条件が設定される場合、利用者の希望に即していない場合が考えられるが、経路探索条件設定部１０２ｃは、利用者に入力部１１６を介して指定させることによって、利用者の所望の位置で経路探索条件を設定することができる。このほか、端末装置１００の処理に自由度を持たせ、利用者が予めタッチおよびその順番に与える制御を設定可能にしてもよい。これにより、無駄な操作を省いた経路探索が可能となる。
【００５８】
また、ここで、経路探索条件設定部１０２ｃは、地点情報一時ファイル１０６ａに地点情報として、位置情報と時刻情報からなるスケジュール情報が記憶されている場合、位置情報に基づく位置とともに、時刻情報に基づく時刻を、当該地点情報の数および／または順序に基づいて経路探索条件として設定してもよい。例えば、上述したように、取得順序に従って、位置情報に基づく位置を、出発地、経由地、または、目的地として設定する場合、経路探索条件設定部１０２ｃは、同様に当該取得順序に従って、時刻情報に基づく時刻を、出発時刻、経由時刻、または、到着時刻に設定してもよい。なお、出発時刻は、現在時刻であってもよい。また、経路探索条件設定部１０２ｃは、地点情報または現在位置情報に基づいて設定されなかった経路探索条件について、利用者に入力部１１６を介して入力させるよう制御してもよく、経路探索条件設定部１０２ｃは、予め記憶部１０６に記憶された経路探索条件を設定してもよい。
【００５９】
また、経路探索部１０２ｄは、ネットワークデータベース１０６ｂに記憶されたネットワークデータに基づいて、経路探索条件設定部１０２ｃにより設定された経路探索条件を満たす経路を探索する経路探索手段である。例えば、経路探索部１０２ｄは、ダイクストラ法等の経路探索手法によって、探索経路のリンクコストを積算しながら、適切な経路を取得してもよい。また、経路探索部１０２ｄにより探索される経路は、探索した経路を示すリンクデータの組み合わせで表現されてもよく、経路の位置情報や、当該経路を示す画像データ（例えば、ポリライン等）などを含んでいてもよい。ここで、経路探索部１０２ｄは、経路探索条件設定部１０２ｃにより設定された経路探索条件を外部機器６００（例えば、経路探索結果を提供する経路探索サーバ等）に送信して、経路探索結果（案内データを含んでもよい。）を取得してもよい。
【００６０】
また、経路案内部１０２ｅは、経路探索部１０２ｄにより探索された経路を、出力部１１４に出力する経路案内手段である。ここで、経路案内部１０２ｅは、経路探索部１０２ｄにより探索された複数の経路のうち一つの経路を案内経路として利用者に入力部１１６を介して選択させてもよい。また、経路案内部１０２ｅは、案内経路に基づいて、記憶部１０６または外部機器６００（案内データを提供する案内データ提供サーバ等）から案内データ（表示案内データや音声案内データ等）を取得して出力部（表示手段や音声出力手段等）に出力してもよい。すなわち、経路案内部１０２ｅは、案内経路について、音声案内や表示案内を実行してもよい。経路案内部１０２ｅは、表示出力による経路案内を行う場合、地図データベース１０６ｃから取得した現在位置周辺の地図上に、案内経路や、現在位置や、案内データに含まれるＴＢＴ等の表示案内情報等を、重畳表示させてもよい。
また、経路案内部１０２ｅは、現在位置情報の更新に応じて、案内経路上の案内地点（分岐点）等における進行方向等に対応付けられた音声案内データ等を、音声出力してもよい。
【００６１】
また、現在位置情報取得部１０２ｈは、端末装置１００の利用者の現在位置情報を取得する現在位置情報取得手段である。ここで、現在位置情報取得部１０２ｈは、端末装置１００の利用者の現在位置情報を所定周期ごと（例えば、１秒ごと等）に取得してもよい。また、現在位置情報取得部１０２ｈは、位置取得部１１２にて位置発信装置５００から受信した位置情報信号から算出した位置情報を、端末装置１００の利用者の現在位置情報として取得してもよい。更に、位置取得部１１２の方位センサ等にて検出した端末装置１００の進行方向等の方位情報や、位置取得部１１２の加速度センサにて検出した端末装置１００の加速度情報を、端末装置１００の利用者の現在位置情報として取得してもよい。また、現在位置情報取得部１０２ｈは、利用者により入力部１１６を介して入力された現在位置についての位置座標等を端末装置１００の利用者の現在位置情報として取得してもよい。ここで、利用者により入力部１１６を介して入力された現在位置は、利用者が現実に存在する位置であってもよく、利用者により任意に選択された仮想の現在位置（一例として、東京にいる利用者により選択された大阪の駅や空港等の任意の地点）であってもよい。具体的には、現在位置情報取得部１０２ｈは、入力部１１６を介して利用者に出力部１１４に表示された地図データの表示画面上で指定（例えば、タッチパネル式の表示部での指定操作等）させた座標を端末装置１００の利用者の現在位置情報として取得してもよい。更に、入力部１１６を介して利用者に出力部１１４に表示された地図データの表示画面上で指定させた方位情報を端末装置１００の利用者の現在位置情報として取得してもよい。ここで、現在位置情報取得部１０２ｈは、利用者の現在位置情報とともに、当該現在位置情報を取得した日時情報を取得してもよい。ここで、現在位置情報取得部１０２ｈは、定期的に、または、更新毎に、取得した現在位置情報を外部機器６００に送信してもよい。
【００６２】
以上で、本実施形態における端末装置１００の構成の一例の説明を終える。
【００６３】
［端末装置１００の処理］
次に、このように構成された本実施形態における端末装置１００の処理の一例について、以下に図３から図９を参照して詳細に説明する。ここで、図３は、地図の印刷物の裏側に設置されたＩＣタグ２００について、地点情報の取得方法を模式的に示した図であり、図４は、本実施形態における端末装置１００の処理の一例を示すフローチャートである。
【００６４】
図４に示すように、まず、端末装置１００の地点情報取得部１０２ａは、近距離無線通信部を介して、ＩＣタグ２００から送信される、地点情報を取得する（ステップＳＡ−１）。ここで、地点情報は、位置を特定することができる位置情報（メッシュＩＤ、ＩＣタグ２００の識別情報、緯度経度等）のほか、クーポン情報や時刻情報等を含んでもよい。ここで、図３は、ＩＣタグ２００−１から地点情報を読取る例について地図の側面から見た図である。
【００６５】
上述した図２のように、利用者が、経路探索条件として設定したい任意の地図上の箇所に、端末装置１００をかざすと、端末装置１００は、その箇所の裏側に設置されたＩＣタグ２００と近距離無線通信を行って、地点情報を取得する。より具体的には、端末装置１００の地点情報取得部１０２ａは、通信制御インターフェース部１０４を介してアンテナ等の近距離無線通信部を制御することによって電波を発信し、ＩＣタグ２００−１に対し電気エネルギーを与え、ＩＣタグ２００から反射波として地点情報Ａを受信する。なお、この近距離無線通信の方式は、これに限られず、電磁誘導方式等の公知の近距離無線手段を用いてもよい。
【００６６】
再び図４に戻り、地点情報格納部１０２ｂは、地点情報取得部１０２ａにより取得された地点情報を地点情報一時ファイル１０６ａに格納して、所定時間（例えば数十秒）記憶させる（ステップＳＡ−２）。なお、地点情報一時ファイル１０６ａの機能として、所定時間経過後、格納された地点情報を消去してもよく、地点情報格納部１０２ｂが、地点情報一時ファイル１０６ａに地点情報を格納してから、内部クロックに基づいて所定時間経過した後に、当該地点情報を地点情報一時ファイル１０６ａから消去してもよい。ここで、地点情報格納部１０２ｂは、地点情報に対応付けて、取得順序や取得日時等を格納してもよい。ここで、地点情報格納部１０２ｂは、地点情報取得部１０２ａにより地点情報が複数同時に取得された場合、利用者に入力部１１６を介して地点情報を指定させ、指定された当該地点情報を地点情報一時ファイル１０６ａに格納してもよい。
【００６７】
そして、経路探索条件設定部１０２ｃは、地点情報の取得が終了条件を満たすか否かを判定する（ステップＳＡ−３）。例えば、経路探索条件設定部１０２ｃは、最初の地点情報の取得から所定時間経過した場合に終了すると判定してもよく、所定の数の地点情報が取得された場合に終了すると判定してもよい。そのほか、経路探索条件設定部１０２ｃは、入力部１１６を介して利用者により地点情報の取得を終了する旨の入力があった場合に、終了条件を満たすと判定してもよい。
【００６８】
経路探索条件設定部１０２ｃが終了条件を満たさないと判定した場合（ステップＳＡ−３，Ｎｏ）、端末装置１００は、上述したステップＳＡ−１〜ＳＡ−３の処理を繰り返す。
【００６９】
一方、終了条件を満すと判定した場合（ステップＳＡ−３，Ｙｅｓ）、経路探索条件設定部１０２ｃは、地点情報一時ファイル１０６ａに記憶された一または複数の地点情報を、経路探索条件として設定する（ステップＳＡ−４）。例えば、経路探索条件設定部１０２ｃは、地点情報一時ファイル１０６ａに記憶された地点情報の数および／または順序に基づいて、当該地点情報に基づく位置をそれぞれ出発地、経由地、および／または、目的地として、経路探索条件を設定してもよい。ここで、図５は、地点情報一時ファイル１０６ａに記憶された地点情報が１つの場合の経路探索条件の設定例を示す図である。
【００７０】
図５に示すように、地点情報一時ファイル１０６ａに記憶された地点情報が１つの場合、経路探索条件設定部１０２ｃは、現在位置情報取得部１０２ｈにより取得された現在位置情報に基づく現在地を出発地として、当該地点情報に基づく地点Ａを目的地として、経路探索条件を設定してもよい。なお、図５に示すように、経路探索条件設定部１０２ｃは、現在日時（０７／１５ １１：２０）を出発時刻に設定してもよい（以下の例でも同様）。ここで、図６は、地点情報一時ファイル１０６ａに記憶された地点情報が２つの場合の経路探索条件の設定例を示す図である。
【００７１】
図６に示すように、地点情報一時ファイル１０６ａに記憶された地点情報が２つの場合、経路探索条件設定部１０２ｃは、最初に格納された地点情報に基づく地点Ａを出発地として、次に格納された地点情報に基づく地点Ｂを目的地として、経路探索条件を設定してもよい。なお、これに限られず、経路探索条件設定部１０２ｃは、地点情報一時ファイル１０６ａに記憶された地点情報が２つの場合、現在位置情報取得部１０２ｈにより取得された現在位置情報に基づく現在位置を出発地として、最初に格納された地点情報に基づく位置を経由地として、次に格納された地点情報に基づく位置を目的地として、経路探索条件を設定してもよい。ここで、図７は、地点情報一時ファイル１０６ａに記憶された地点情報が３つの場合の経路探索条件の設定例を示す図である。
【００７２】
図７に示すように、地点情報一時ファイル１０６ａに記憶された地点情報が３つの場合、経路探索条件設定部１０２ｃは、最初に格納された地点情報に基づく地点Ａを出発地として、次に格納された地点情報に基づく地点Ｂを経由地として、最後に格納された地点情報に基づく地点Ｃを目的地として、経路探索条件を設定してもよい。なお、経路探索条件設定部１０２ｃは、上述した格納順序を、地点情報格納部１０２ｂにより地点情報と対応付けて地点情報一時ファイル１０６ａに格納された取得順序や取得日時等に基づいて判定してもよい。以上は、経路探索条件設定部１０２ｃが格納順序に基づいて自動的に判定して経路探索条件を設定する例であるが、端末装置１００は、利用者に、どの地点を経路探索条件の出発地、目的地、または、経由地として設定するかを指定させてもよい。ここで、図８は、利用者に入力部１１６を介して経路探索条件を指定させる例を示す図である。
【００７３】
図８に示すように、経路探索条件設定部１０２ｃは、出力部１１４および入力部１１６を制御することによってグラフィックユーザインターフェース（ＧＵＩ）としてプルダウンメニューを提供してもよい。例えば、図８に示すように、利用者が「（Ｇ）目的地」の欄の下矢印を入力部１１６を介してクリック等すると、地点情報一時ファイル１０６ａに記憶された地点情報に基づく地点および現在地の一覧を表示して、一覧の中から目的地として設定させたい地点を、クリック等により利用者に指定させてもよい。このように、経路探索条件設定部１０２ｃは、地点情報一時ファイル１０６ａに記憶された地点情報に基づく地点および現在地の中から、経路探索条件の出発地、目的地、および、経由地として設定する地点を、利用者に入力部１１６を介して指定させてもよい。これにより、利用者の所望の地点で経路探索条件を設定することができる。
【００７４】
なお、上述の例では、経路探索条件設定部１０２ｃは、現在時刻を出発時刻として設定する例について説明したが、これに限られず、例えば、地点情報一時ファイル１０６ａに地点情報として位置情報と時刻情報からなるスケジュール情報が記憶されている場合、位置情報に基づく位置とともに、時刻情報に基づく時刻を、当該地点情報の数および／または順序に基づいて経路探索条件として設定してもよい。例えば、上述した例のように、取得順序に従って、位置情報に基づく位置を、出発地、経由地、または、目的地として設定する場合、経路探索条件設定部１０２ｃは、同様に当該取得順序に従って、時刻情報に基づく時刻を、出発時刻、経由時刻、または、到着時刻に設定してもよい。
【００７５】
以上が、本実施形態における端末装置１００の処理の一例である。なお、上述のように経路探索条件が設定された場合、端末装置１００は、経路探索部１０２ｄの処理により当該経路探索条件に基づく経路探索を実行し、経路案内部１０２ｅの処理により経路探索結果に従って経路案内を実行してもよい。
【００７６】
［具体化処理］
つづいて、本実施形態における端末装置１００の上述した処理をより具体化した具体例について図９を参照して以下に説明する。この具体化処理では、施設情報を含む地点情報を取得する例について説明する。ここで、図９は、本実施形態における端末装置１００の具体化処理の一例を示すフローチャートである。
【００７７】
図９に示すように、まず、端末装置１００の地点情報取得部１０２ａは、近距離無線通信部を介して、ＩＣタグ２００から送信される施設情報を含む地点情報を取得して、地点情報格納部１０２ｂは、取得された地点情報を地点情報一時ファイル１０６ａに格納する（ステップＳＢ−１）。例えば、地点情報として、ＩＣタグ２００に格納される施設情報の例としては以下のものが挙げられる。
ａ）一般的な施設情報の場合
施設ＩＤ、位置情報（緯度経度または住所）、サイトＵＲＬ、クーポン
ｂ）映画館
施設ＩＤ、位置情報（緯度経度または住所）、サイトＵＲＬ、上映時間（スケジュール情報の時刻情報の例）
ｃ）観光地
施設ＩＤ、位置情報（緯度経度または住所）、画像
ｄ）周辺施設
メッシュＩＤのみ
【００７８】
そして、経路探索条件設定部１０２ｃは、地点情報の取得が終了条件を満たすか否かを判定する（ステップＳＢ−２）。経路探索条件設定部１０２ｃが終了条件を満たさないと判定した場合（ステップＳＢ−２，Ｎｏ）、端末装置１００は、上述したステップＳＢ−１およびＳＢ−２の処理を繰り返す。
【００７９】
一方、終了条件を満すと判定した場合（ステップＳＢ−２，Ｙｅｓ）、経路探索条件設定部１０２ｃは、取得した施設情報を含む地点情報によって、地点が確定できるか否かを判定する（ステップＳＢ−３）。例えば、緯度経度や住所等の位置情報が得られた場合は、地点が確定できると判定する。一方、メッシュＩＤや地図ＩＤのように、地域や範囲を示し地点を示すものではない場合、地点が確定できないと判定する。なお、上述のように、地図の裏側に設置されたＩＣタグ２００から識別子が得られ、当該識別子をクエリーとして、記憶部１０６のデータベースや外部機器６００に問い合わせを行うことによって、地図上の地点を確定できる場合は、地点が確定できる場合と判定する。なお、地点が確定できると判定された場合（ステップＳＢ−３，Ｙｅｓ）、以降のステップＳＢ−４およびＳＢ−５の処理を行うことなく、ステップＳＢ−６の処理に移行する。
【００８０】
地点が確定できないと判定された場合（ステップＳＢ−３，Ｎｏ）、経路探索条件設定部１０２ｃは、得られた地点情報に基づいて候補地点を出力部１１４に表示させる（ステップＳＢ−４）。例えば、施設情報取得部１０２ｇは、メッシュＩＤや地図ＩＤに基づいて地図データベース１０６ｃから施設を検索し、経路探索条件設定部１０２ｃは、検索された施設一覧を候補地点として表示させてもよい。なお、施設情報取得部１０２ｇは、メッシュＩＤや地図ＩＤ等をクエリーとして問い合わせを行い、外部機器６００から施設情報を取得して候補地点として表示してもよい。
【００８１】
そして、経路探索条件設定部１０２ｃは、利用者に入力部１１６を介して候補地点の中から地点を選択させるよう制御する（ステップＳＢ−５）。
【００８２】
そして、経路探索条件設定部１０２ｃは、地点情報一時ファイル１０６ａに記憶された一または複数の地点情報に基づく地点（地点が選択された場合はその地点）を、上述したステップＳＡ−４と同様に、経路探索条件として設定する（ステップＳＢ−６）。
【００８３】
以上が、本実施形態における端末装置１００の具体化処理の一例である。なお、上述のように経路探索条件が設定された場合、端末装置１００は、経路探索部１０２ｄの処理により当該経路探索条件に基づく経路探索を実行し、経路案内部１０２ｅの処理により経路探索結果に従って経路案内を実行してもよい。ここで、端末装置１００の出力制御部１０２ｆは、経路案内部１０２ｅの処理による経路案内後、施設のクーポン情報を出力部１１４に表示させてもよい。このほか、出力制御部１０２ｆは、ステップＳＢ−１にて取得されたサイトＵＲＬや画像等を出力部１１４に表示させてもよい。また、端末装置１００は、ＩＣタグ２００から取得した施設ＩＤ等の施設情報について、ネットワーク３００を介して外部機器６００（経路探索サーバまたは施設情報サーバ）から、当該施設情報のさらに詳細な情報を取得して出力部１１４に表示してもよい。
【００８４】
以上で、本実施形態における端末装置１００の処理の説明を終える。このように、本実施形態によれば、経路探索条件の入力が簡略化されることによって、経路探索のハードルを取り除き、サービスの向上や利用頻度の向上に繋げることができる。また、ＮＦＣ技術との連携によって、ＩＣカード型乗車券との連携や、効果的なクーポン配信を実現することも可能となる。また、多言語エリアにおける入力の手間を軽減させることができ、例えば、国内端末におけるハングル文字入力や、発音記号が含まれるＰＯＩ名称の入力等の手間を省くことができる。
【００８５】
また、緯度経度等の位置情報以外にクーポン情報をＩＣタグに含めることで、施設の公告主からＩＣタグの設置主へ利益を還元する等により、アフィリエイト事業の実現が可能となる。また、美術館や特定の観光地エリア等の施設に設置することで、美術品や観光名所の説明分をＩＣタグに含めたガイドサービスを実現することができる。また、ＩＣタグにポイント等を含めることで、スタンプラリーを実現することも可能となる。
【００８６】
また、応用例として、緯度経度等の位置情報のほか、画像・ＵＲＬなどを一緒に端末装置に渡すことで、クーポンによる来客者が、どこから情報を得て来客したかの情報を収集することができ、マーケティングへの転用も可能となる。また、他の応用例として、映画ポスター・セミナー・シンポジウムなどの場合、スケジュールに合わせた現在位置からの経路探索結果を提示することができる。
【００８７】
［他の実施の形態］
さて、これまで本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上述した実施の形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施の形態にて実施されてよいものである。
【００８８】
例えば、端末装置１００がスタンドアローンの形態で処理を行う場合を一例に説明したが、端末装置１００は、クライアント端末（端末装置１００とは別筐体である）からの要求に応じて処理を行い、その処理結果を当該クライアント端末に返却するようにしてもよい。
【００８９】
また、実施の形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【００９０】
このほか、上記文献中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【００９１】
また、端末装置１００に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【００９２】
例えば、端末装置１００の各装置が備える処理機能、特に制御部１０２にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、ＣＰＵ（Ｃｅｎｔｒａｌ Ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ Ｕｎｉｔ）および当該ＣＰＵにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、後述する、コンピュータに本発明に係る方法を実行させるためのプログラム化された命令を含む、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて端末装置１００に機械的に読み取られる。すなわち、ＲＯＭまたはＨＤＤ（Ｈａｒｄ Ｄｉｓｋ Ｄｒｉｖｅ）などの記憶部１０６などには、ＯＳ（Ｏｐｅｒａｔｉｎｇ Ｓｙｓｔｅｍ）と協働してＣＰＵに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、ＲＡＭにロードされることによって実行され、ＣＰＵと協働して制御部を構成する。
【００９３】
また、このコンピュータプログラムは、端末装置１００に対して任意のネットワーク３００を介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【００９４】
また、本発明に係るプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、ＵＳＢメモリ、ＳＤカード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ＲＯＭ、ＥＰＲＯＭ、ＥＥＰＲＯＭ、ＣＤ−ＲＯＭ、ＭＯ、ＤＶＤ、および、Ｂｌｕ−ｒａｙ Ｄｉｓｃ等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【００９５】
また、「プログラム」とは、任意の言語や記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードやバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、ＯＳ（Ｏｐｅｒａｔｉｎｇ Ｓｙｓｔｅｍ）に代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施の形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成、読み取り手順、あるいは、読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【００９６】
記憶部１０６に格納される各種のデータベース等（地点情報一時ファイル１０６ａ〜地図データベース１０６ｃ）は、ＲＡＭ、ＲＯＭ等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【００９７】
また、端末装置１００は、既知のパーソナルコンピュータ、ワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、該情報処理装置に任意の周辺装置を接続して構成してもよい。また、端末装置１００は、該情報処理装置に本発明の方法を実現させるソフトウェア（プログラム、データ等を含む）を実装することにより実現してもよい。
【００９８】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じて、または、機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【００９９】
以上詳述に説明したように、本発明によれば、経路探索を行うための入力を簡略化することができる、端末装置、探索条件設定方法、および、プログラム、並びに、記録媒体を提供することができる。
【符号の説明】
【０１００】
１００ 端末装置
１０２ 制御部
１０２ａ 地点情報取得部
１０２ｂ 地点情報格納部
１０２ｃ 経路探索条件設定部
１０２ｄ 経路探索部
１０２ｅ 経路案内部
１０２ｆ 出力制御部
１０２ｇ 施設情報取得部
１０２ｈ 現在位置情報取得部
１０４ 通信制御インターフェース部
１０６ 記憶部
１０６ａ 地点情報一時ファイル
１０６ｂ ネットワークデータベース
１０６ｃ 地図データベース
１０８ 入出力制御インターフェース部
１１２ 位置取得部
１１４ 出力部
１１６ 入力部
２００ ＩＣタグ
３００ ネットワーク
５００ 位置発信装置
６００ 外部機器
【特許請求の範囲】
【請求項１】
近距離無線通信部と記憶部と制御部を少なくとも備えた端末装置において、上記制御部は、上記近距離無線通信部を介して、近距離無線通信可能な媒体から送信される、地点情報を取得する地点情報取得手段と、上記地点情報取得手段により取得された上記地点情報を上記記憶部に格納して、所定時間記憶させる地点情報格納手段と、上記地点情報格納手段により上記記憶部に記憶された一または複数の上記地点情報を、経路探索条件として設定する経路探索条件設定手段と、を備えたことを特徴とする、端末装置。
【請求項２】
請求項１に記載の端末装置において、上記経路探索条件設定手段は、上記記憶部に記憶された上記地点情報の数に基づいて、当該地点情報に基づく位置をそれぞれ出発地、経由地、および／または、目的地として、上記経路探索条件を設定することを特徴とする、端末装置。
【請求項３】
請求項１または２に記載の端末装置において、上記経路探索条件設定手段は、上記記憶部に記憶された上記地点情報の順序に基づいて、当該地点情報に基づく位置をそれぞれ出発地、経由地、および／または、目的地として、上記経路探索条件を設定することを特徴とする、端末装置。
【請求項４】
請求項１乃至３のいずれか一つに記載の端末装置において、現在位置情報を取得する現在位置情報取得手段を更に備え、上記経路探索条件設定手段は、上記現在位置情報取得手段により取得された上記現在位置情報に基づく現在位置を出発地として、当該地点情報に基づく位置を目的地および／または経由地として、上記経路探索条件を設定することを特徴とする、端末装置。
【請求項５】
請求項１乃至４のいずれか一つに記載の端末装置において、更に、入力部を備え、上記経路探索条件設定手段は、上記記憶部に記憶された上記地点情報に基づく位置および／または現在位置が、上記経路探索条件の出発地、目的地、および／または、経由地として設定されるよう、利用者に上記入力部を介して指定させることを特徴とする、端末装置。
【請求項６】
請求項１乃至５のいずれか一つに記載の端末装置において、更に、入力部を備え、上記地点情報格納手段は、上記地点情報取得手段により上記地点情報が複数同時に取得された場合、利用者に上記入力部を介して上記地点情報を指定させ、指定された当該地点情報を上記記憶部に格納することを特徴とする、端末装置。
【請求項７】
請求項１乃至６のいずれか一つに記載の端末装置において、更に、出力部を備え、上記地点情報は、更にクーポン情報を含み、上記制御部は、上記経路探索条件設定手段により設定された上記経路探索条件に基づく経路の経路案内後、上記記憶部に記憶された上記クーポン情報を上記出力部に出力する出力制御手段、を更に備えたことを特徴とする、端末装置。
【請求項８】
請求項１乃至７のいずれか一つに記載の端末装置において、上記地点情報は、位置情報と時刻情報からなるスケジュール情報を含み、上記経路探索条件設定手段は、上記地点情報格納手段により上記記憶部に格納された上記スケジュール情報に基づいて、上記位置情報に基づく位置とともに、上記時刻情報に基づく時刻を、当該地点情報の数および／または順序に基づいて上記経路探索条件として設定することを特徴とする、端末装置。
【請求項９】
請求項１乃至７のいずれか一つに記載の端末装置において、更に、出力部を備え、上記地点情報は、メッシュＩＤを含み、上記制御部は、ネットワークを介して、上記メッシュＩＤに属する施設情報を取得して、上記出力部に出力する施設情報取得手段、を更に備えたことを特徴とする、端末装置。
【請求項１０】
近距離無線通信部と記憶部と制御部を少なくとも備えた端末装置において実行される探索条件実行方法であって、上記制御部において実行される、上記近距離無線通信部を介して、近距離無線通信可能な媒体から送信される、地点情報を取得する地点情報取得ステップと、上記地点情報取得ステップにて取得された上記地点情報を上記記憶部に格納して、所定時間記憶させる地点情報格納ステップと、上記地点情報格納ステップにて上記記憶部に記憶された一または複数の上記地点情報を、経路探索条件として設定する経路探索条件設定ステップと、を含むことを特徴とする、探索条件設定方法。
【請求項１１】
近距離無線通信部と記憶部と制御部を少なくとも備えた端末装置に実行させるためのプログラムであって、上記制御部において、上記近距離無線通信部を介して、近距離無線通信可能な媒体から送信される、地点情報を取得する地点情報取得ステップと、上記地点情報取得ステップにて取得された上記地点情報を上記記憶部に格納して、所定時間記憶させる地点情報格納ステップと、上記地点情報格納ステップにて上記記憶部に記憶された一または複数の上記地点情報を、経路探索条件として設定する経路探索条件設定ステップと、を実行させるためのプログラム。
【請求項１】
近距離無線通信部と記憶部と制御部を少なくとも備えた端末装置において、上記制御部は、上記近距離無線通信部を介して、近距離無線通信可能な媒体から送信される、地点情報を取得する地点情報取得手段と、上記地点情報取得手段により取得された上記地点情報を上記記憶部に格納して、所定時間記憶させる地点情報格納手段と、上記地点情報格納手段により上記記憶部に記憶された一または複数の上記地点情報を、経路探索条件として設定する経路探索条件設定手段と、を備えたことを特徴とする、端末装置。
【請求項２】
請求項１に記載の端末装置において、上記経路探索条件設定手段は、上記記憶部に記憶された上記地点情報の数に基づいて、当該地点情報に基づく位置をそれぞれ出発地、経由地、および／または、目的地として、上記経路探索条件を設定することを特徴とする、端末装置。
【請求項３】
請求項１または２に記載の端末装置において、上記経路探索条件設定手段は、上記記憶部に記憶された上記地点情報の順序に基づいて、当該地点情報に基づく位置をそれぞれ出発地、経由地、および／または、目的地として、上記経路探索条件を設定することを特徴とする、端末装置。
【請求項４】
請求項１乃至３のいずれか一つに記載の端末装置において、現在位置情報を取得する現在位置情報取得手段を更に備え、上記経路探索条件設定手段は、上記現在位置情報取得手段により取得された上記現在位置情報に基づく現在位置を出発地として、当該地点情報に基づく位置を目的地および／または経由地として、上記経路探索条件を設定することを特徴とする、端末装置。
【請求項５】
請求項１乃至４のいずれか一つに記載の端末装置において、更に、入力部を備え、上記経路探索条件設定手段は、上記記憶部に記憶された上記地点情報に基づく位置および／または現在位置が、上記経路探索条件の出発地、目的地、および／または、経由地として設定されるよう、利用者に上記入力部を介して指定させることを特徴とする、端末装置。
【請求項６】
請求項１乃至５のいずれか一つに記載の端末装置において、更に、入力部を備え、上記地点情報格納手段は、上記地点情報取得手段により上記地点情報が複数同時に取得された場合、利用者に上記入力部を介して上記地点情報を指定させ、指定された当該地点情報を上記記憶部に格納することを特徴とする、端末装置。
【請求項７】
請求項１乃至６のいずれか一つに記載の端末装置において、更に、出力部を備え、上記地点情報は、更にクーポン情報を含み、上記制御部は、上記経路探索条件設定手段により設定された上記経路探索条件に基づく経路の経路案内後、上記記憶部に記憶された上記クーポン情報を上記出力部に出力する出力制御手段、を更に備えたことを特徴とする、端末装置。
【請求項８】
請求項１乃至７のいずれか一つに記載の端末装置において、上記地点情報は、位置情報と時刻情報からなるスケジュール情報を含み、上記経路探索条件設定手段は、上記地点情報格納手段により上記記憶部に格納された上記スケジュール情報に基づいて、上記位置情報に基づく位置とともに、上記時刻情報に基づく時刻を、当該地点情報の数および／または順序に基づいて上記経路探索条件として設定することを特徴とする、端末装置。
【請求項９】
請求項１乃至７のいずれか一つに記載の端末装置において、更に、出力部を備え、上記地点情報は、メッシュＩＤを含み、上記制御部は、ネットワークを介して、上記メッシュＩＤに属する施設情報を取得して、上記出力部に出力する施設情報取得手段、を更に備えたことを特徴とする、端末装置。
【請求項１０】
近距離無線通信部と記憶部と制御部を少なくとも備えた端末装置において実行される探索条件実行方法であって、上記制御部において実行される、上記近距離無線通信部を介して、近距離無線通信可能な媒体から送信される、地点情報を取得する地点情報取得ステップと、上記地点情報取得ステップにて取得された上記地点情報を上記記憶部に格納して、所定時間記憶させる地点情報格納ステップと、上記地点情報格納ステップにて上記記憶部に記憶された一または複数の上記地点情報を、経路探索条件として設定する経路探索条件設定ステップと、を含むことを特徴とする、探索条件設定方法。
【請求項１１】
近距離無線通信部と記憶部と制御部を少なくとも備えた端末装置に実行させるためのプログラムであって、上記制御部において、上記近距離無線通信部を介して、近距離無線通信可能な媒体から送信される、地点情報を取得する地点情報取得ステップと、上記地点情報取得ステップにて取得された上記地点情報を上記記憶部に格納して、所定時間記憶させる地点情報格納ステップと、上記地点情報格納ステップにて上記記憶部に記憶された一または複数の上記地点情報を、経路探索条件として設定する経路探索条件設定ステップと、を実行させるためのプログラム。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【公開番号】特開２０１３−６１１７３（Ｐ２０１３−６１１７３Ａ）
【公開日】平成２５年４月４日（２０１３．４．４）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１１−１９８３２５（Ｐ２０１１−１９８３２５）
【出願日】平成２３年９月１２日（２０１１．９．１２）
【出願人】（５００１６８８１１）株式会社ナビタイムジャパン (410)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２５年４月４日（２０１３．４．４）
【国際特許分類】
【出願日】平成２３年９月１２日（２０１１．９．１２）
【出願人】（５００１６８８１１）株式会社ナビタイムジャパン (410)
【Ｆターム（参考）】
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