説明

筒状ラベル

【課題】 本発明は、センターシール部5が目立ち難い筒状ラベルを提供する。
【解決手段】 本発明の筒状ラベル1は、基材フィルム2の裏面を内側にして基材フィルム2を筒状にし、前記基材フィルム2の一側端部3と他側端部4とを重ね合わせて接着することにより、センターシール部5が形成されており、前記基材フィルム2の一側端部3が内側に曲げられ、且つ前記曲げられた基材フィルム2の一側端部3の表面と基材フィルム2の他側端部4の表面とが接着されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基材フィルムの両側端部を接着することにより筒状に形成された筒状ラベルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば飲料入り容器の胴部に、デザイン表示のため、筒状ラベルが装着されている。かかる筒状ラベルは、1枚の基材フィルムの裏面を内側にして筒状にし、前記基材フィルムの一側端部と他側端部とを重ね合わせて接着することにより、センターシール部が形成されている。
従来の筒状ラベルにおいては、前記センターシール部は、基材フィルムの一側端部の裏面を基材フィルムの他側端部の表面に重ね合わせ、この重ね合わせた表裏面を、溶剤(通常、溶剤が使用されるが、接着剤を用いる場合もある)を介して所定幅接着することによって形成されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−266592号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の筒状ラベルは、センターシール部の接着跡が基材フィルムの一側端部の表面側から透けて見えるため、外見上、センターシール部が目立つという問題点がある。
【0005】
また、筒状ラベルにおいては、デザイン表示のため、基材フィルムの裏面に印刷層が設けられている。従来の筒状ラベルのセンターシール部は、上述のように基材フィルムの一側端部の裏面を他側端部の表面に溶剤を介して接着して形成されるため、前記印刷層は、前記一側端部の裏面にまで設けられていない(一側端部の裏面に印刷層が設けられていると、この印刷層の裏面と他側端部の表面とが接着し難い)。
このような理由から従来の筒状ラベルにおいては、基材フィルムの一側端部にまで印刷層が設けられていないが、センターシール部において前記印刷層のない部分が薄い帯状線模様となって見えるため、センターシール部が目立つ。
従って、センターシール部が目立ち難く、外見上好ましい筒状ラベルが求められる。
【0006】
さらに、上記筒状ラベルのセンターシール部は、基材フィルムの表裏面を、溶剤(又は接着剤)を介して接着することによって形成される。基材フィルムが単層フィルムである場合、該基材フィルムの表裏面は同一素材であるため、前記溶剤を介してその表裏面を強く接着できる。すなわち、接着強度に優れるセンターシール部を形成できる。
しかしながら、基材フィルムとして、表面を構成する層(最表層)と裏面を構成する層(最裏層)とが異種の素材からなる積層フィルムを用いた場合には、該積層フィルムの表裏面が、接着しない、又は、接着しても剥がれやすい。このため、従来の筒状ラベルにおいて、比較的簡単にセンターシール部を形成できる溶剤(又は接着剤)接着法を利用する場合には、基材フィルムとして、最表層と最裏層とが同一素材又は同種素材からなる積層フィルムを用いなければならないという制約がある。よって、従来の筒状ラベルにおいては、積層フィルムの選択余地が狭いという問題点がある。
【0007】
本発明の第1の目的は、センターシール部が目立ち難い筒状ラベルを提供することである。
本発明の第2の目的は、基材フィルムの層構成に拘わらず、強く接着されたセンターシール部を有する筒状ラベルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の筒状ラベルは、基材フィルムの裏面を内側にして基材フィルムを筒状にし、前記基材フィルムの一側端部と他側端部とを重ね合わせて接着することにより、センターシール部が形成されている筒状ラベルにおいて、前記基材フィルムの一側端部が内側に曲げられ、且つ前記曲げられた基材フィルムの一側端部の表面と基材フィルムの他側端部の表面とを接着することにより、前記センターシール部が形成されている。
【0009】
本発明の好ましい筒状ラベルは、前記基材フィルムの一側端部の縁及び他側端部の縁が、何れも筒状ラベルの内側に位置している。
本発明の好ましい筒状ラベルは、前記基材フィルムが、2以上の層が積層された積層フィルムである。
本発明の好ましい筒状ラベルは、前記基材フィルムの裏面に、印刷層が設けられており、前記印刷層が前記一側端部の裏面にまで少なくとも設けられている。
【0010】
上記本発明の各筒状ラベルのセンターシール部は、内側に曲げられた基材フィルムの一側端部の表面と基材フィルムの他側端部の表面とを接着することによって形成されている。このため、センターシール部の接着跡が基材フィルムの一側端部の表面側から見え難い。
また、本発明の筒状ラベルは、基材フィルムの一側端部の表面と他側端部の表面を接着しているため、基材フィルムとして最表層と最裏層とが材質の異なっている積層フィルムを用いた場合でも、強く接着したセンターシール部を形成できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の筒状ラベルは、外見上、センターシール部が目立ち難い。よって、本発明によれば、外観的に美麗で、装飾効果の高い筒状ラベルを提供できる。
また、本発明の筒状ラベルは、基材フィルムの層構成に拘わらず、強く接着されたセンターシール部を形成できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の1つの実施形態に係る筒状ラベルの斜視図。
【図2】同筒状ラベルを上方側から見た平面図。
【図3】図1のIII−III線に於ける横断面図。横断面図は、筒状ラベルの周方向と平行な方向で切断した断面図である(以下同じ)。
【図4】同筒状ラベルを扁平状に折り畳んだ状態の平面図。
【図5】基材フィルムを裏面側から見た斜視図。
【図6】本発明の他の実施形態に係る筒状ラベルのセンターシール部における横断面図。
【図7】本発明の他の実施形態に係る筒状ラベルを上方側から見た平面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
ただし、方向を示す用語として、「内」とは、筒状ラベルに形成した際の径内方向を指し、筒状ラベルの使用時に被着体に面する側を指す。「外」とは、前記「内」とは反対方向であって、筒状ラベルに形成した際の径外方向を指す。
また、各図における筒状ラベル及びその構成要素(フィルムや印刷層など)の厚み及び大きさなどは、実際のものと異なっていることに留意されたい。
【0014】
図1及び図2に於いて、1は、筒状に丸めた基材フィルム2の両側端部3,4を接着することによりセンターシール部5が形成された筒状ラベルを示す。
本発明の筒状ラベル1は、熱収縮性筒状ラベル、又は、自己伸縮性筒状ラベルのいずれでもよい。熱収縮性筒状ラベルとは、所定温度以上に加熱することによって縮径し、被着体に装着され得る筒状ラベルである(シュリンクチューブ、シュリンクラベルとも呼ばれる)。自己伸縮性筒状ラベルとは、拡張力を加えることによって拡径し、拡径させた状態で被着体に嵌挿し、その後、拡張力を解除することによって復元し、被着体に装着され得る筒状ラベルである(ストレッチラベル、ストレッチシュリンクラベルとも呼ばれる)。
【0015】
上記筒状ラベル1は、一般に、長尺基材フィルムを筒状に形成した長尺筒状ラベル連続体の態様で提供される。そして、ロールに巻かれた前記長尺筒状ラベル連続体を引き出し、被着体(例えば、PETボトルなどの飲料容器)に装着する直前に、前記ラベル連続体を所定長さに切断することによって、1個の筒状ラベル1が得られる。
本発明の筒状ラベルは、上述のような長尺筒状ラベル連続体の態様でもよいし、独立した1個の態様でもよい。
なお、筒状ラベル1は、図1及び図2に示すように、パイプの如き筒状であるが、不使用時には、図4に示すように、扁平状に折り畳まれている。
【0016】
具体的には、本発明の筒状ラベル1は、印刷層6が設けられた基材フィルム2の裏面が内側となるように基材フィルム2を筒状に丸め、基材フィルム2の一側端部3が内側に曲げられ、その曲げられた一側端部3の表面と基材フィルム2の他側端部4の表面とを所定幅接着することにより、筒状に形成されている。
上記所定幅接着した部分が、センターシール部5である。
また、筒状に形成する前の基材フィルム2は、図5に示すように、所定の幅・長さの矩形状である。
【0017】
上記一側端部3の縁3a(以下、一側端部の縁を一側縁と言い、他側端部の縁を他側縁と言う)から他側端部方向へ所定幅寄った位置において上下方向に延びる折り目7において、上記基材フィルム2の一側端部3は、基材フィルム2の裏面同士が接するように折り返されている(一側端部3は折り目7において180度折られている)。
このように折り返された一側端部3は、その表面が他側端部4の表面と対面する。
この一側端部3の表面又は/及び他側端部4の表面に、上下方向に溶剤(又は接着剤)を帯状に塗工し、該溶剤(又は接着剤)を介して基材フィルム2の一側端部3の表面と他側端部4の表面が帯状に接着されている。
【0018】
センターシール部5の幅(周方向における長さ)は、特に限定されないが、通常、2mm〜10mmであり、好ましくは3mm〜7mmである。
なお、折り返された一側端部3は、その表面の一部又はその表面全体が他側端部4の表面に接着されていればよい。例えば、図3に示すように、一側縁3aの近傍位置から折り目7の近傍位置の間において一側端部3の表面が他側端部4の表面に接着されることにより、センターシール部5が形成されていてもよい(この場合、一側端部3の表面の一部が他側端部4に接着されている)。また、特に図示しないが、一側縁3aから折り目7の間の全体において一側端部3の表面が他側端部4の表面に接着されることにより、センターシール部5が形成されていてもよい(この場合、一側端部3の表面全体が他側端部4に接着されている)。
【0019】
本発明の筒状ラベル1は、内側に折り返された一側端部3を他側端部4に接着しているので、基材フィルム2の一側縁3aと他側縁4bは、何れも筒状ラベル1の内側に位置している。この一側縁3aと他側縁4bは、図示したように揃っていてもよいし、特に図示しないが、一側縁3a又は他側縁4bの何れか一方が少し延設されていてもよい。
【0020】
基材フィルム2の裏面には、デザイン表示のため、印刷層6が設けられている。この印刷層6は、通常、文字や絵柄などを表すデザイン印刷層61と、前記文字や絵柄などを綺麗に見せるため、前記デザイン印刷層61の裏面側に積層された背景印刷層62(例えば、白色ベタ印刷層など)と、を有する。本実施形態では、印刷層6は、基材フィルム2の裏面全体(一側縁3aから他側縁4bにまで)に設けられている。換言すると、印刷層6は、基材フィルム2の裏面に形成され、この印刷層6の一縁6aは、基材フィルム2の一側縁3aにまで形成され、且つ、印刷層6の他縁6bは、基材フィルム2の他側縁4bにまで形成されている。
また、印刷層6の保護などの目的で、印刷層6の裏面又は表面を覆うように、透明な樹脂層が設けられていてもよい。
【0021】
基材フィルム2の裏面に印刷層6が設けられる場合、基材フィルム2としては、透光性に優れたフィルム(無色透明又は若干色彩が付いた有色透明)が用いられる。なお、上記印刷層6は、基材フィルム2の裏面に設けられていることが好ましいが、基材フィルム2の表面に設けてもよい。印刷層6が基材フィルム2の表面に設けられる場合、基材フィルムとして、透光性に優れたフィルム又は着色フィルムの何れを用いてもよい。前記着色フィルムとしては、着色剤を含む樹脂組成物を製膜して得られる有色フィルム(例えば、酸化チタンなどの白色顔料を含む白色系フィルム)、透光性に優れたフィルム又は前記有色フィルムに白色や銀色のベタ印刷層を設けた印刷フィルム、などが挙げられる。
【0022】
基材フィルム2の材質は、本発明の筒状ラベル1の用途等に応じて、適宜選択できる。
例えば、本発明の筒状ラベル1が、熱収縮性筒状ラベルとして使用される場合には、基材フィルム2としては、一方向(筒状ラベルとした際に、その周方向。以下同じ)に大きく熱収縮し得る熱収縮性フィルムが用いられる。なお、該熱収縮性フィルムは、他方向(フィルムの面内において前記一方向と直交する方向)に若干熱収縮又は若干熱膨張してもよい。熱収縮性フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体などのスチレン系樹脂、環状オレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂などの熱可塑性樹脂を含む延伸フィルムが挙げられる。
【0023】
前記熱収縮性フィルムの熱収縮率としては、熱収縮により被着体に密着可能な程度であれば特に限定されないが、通常、一方向に於ける熱収縮率(90℃温水中に10秒間浸漬)が約30%以上である。
但し、熱収縮率(%)=[{(一方向の元の長さ)−(一方向の浸漬後の長さ)}/(一方向の元の長さ)]×100。
【0024】
本発明の筒状ラベル1が、自己伸縮性筒状ラベルとして使用される場合には、基材フィルム2としては、一方向に伸縮し得る自己伸縮性フィルムが用いられる。該自己伸縮性フィルムとしては、例えば、ポリエチレンなどのオレフィン系樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体などの熱可塑性樹脂を含むフィルムが挙げられる。もっとも、自己伸縮性筒状ラベルの場合、基材フィルム2は、自己伸縮性だけでなく、熱収縮性も有していてもよい。
【0025】
基材フィルム2は、1層のフィルム(単層フィルム)から構成されていてもよいし、2以上の層が積層されたフィルム(積層フィルム)から構成されていてもよい
基材フィルム2が積層フィルムである場合、その積層フィルムの各層は任意に選択できる。
筒状ラベル1が熱収縮性筒状ラベルとして使用される場合には、前記積層フィルムとしては、熱収縮性を有する2種以上の樹脂が積層された積層フィルム、熱収縮性を有するフィルム層に、断熱層又はその他の機能層が積層された積層フィルム、などを用いることができる。
筒状ラベル1が自己伸縮性筒状ラベルとして使用される場合には、前記積層フィルムとしては、自己伸縮性を有する2種以上の層が積層された積層フィルム、自己伸縮性を有するフィルム層に、断熱層又はその他の機能層が積層された積層フィルム、などを用いることができる。
前記断熱層としては、発泡樹脂層、不織布などが挙げられる。前記その他の機能層としては、ガスバリア層などが挙げられる。
【0026】
本実施形態で図示した基材フィルム2は、第1層21及び第2層22を有する積層フィルムであるが、積層フィルムは、2層に限られず、3層以上でもよい。
なお、発泡樹脂層や不織布などは、通常、透光性を有しない層なので、このような層が積層された積層フィルムを用いる場合、印刷層6を基材フィルム2の裏面に設けても、これを筒状ラベル1とした場合には印刷層6を視認できない。従って、透光性を有しない層が積層された積層フィルムを基材フィルム2として用いる場合には、印刷層6は、基材フィルム2の表面側に設けられる、或いは、印刷層6は、透光性を有する表面層と透光性を有しない層の間に設けられる。
例えば、図3に示す基材フィルム2において、積層フィルムの表面層となる第1層21として透光性を有する層(無色透明又は若干色彩が付いた有色透明のフィルム層)が用いられ、且つ第2層22として透光性を有しない層(発泡樹脂層や不織布など)が用いられている場合、第1層21の表面に印刷層6を設けてもよいし、或いは、第1層21の裏面又は/及び第2層22の表面に印刷層6を設けてもよい。
【0027】
基材フィルム2が積層フィルムである場合、各層の材質は、実質的に同じでもよいし、異なっていてもよい。
本発明の筒状ラベル1は、基材フィルム2の一側端部3の表面と他側端部4の表面を接着しているため、最表層と最裏層とが材質の異なっている積層フィルムを基材フィルム2として用いた場合であっても、強く接着したセンターシール部5を形成できる。
【0028】
基材フィルム2の厚みは、特に限定されないが、通常、30μm〜100μmである。なお、断熱層を有する基材フィルム2の厚みは、通常これよりも厚く、例えば、80μm〜300μmである。
本発明の筒状ラベル1は、基材フィルム2の一側端部3の表面と他側端部4の表面を接着しているため、前記一側縁3aと他側縁4bは、何れも筒状ラベル1の内側に位置している。このため、外見上、基材フィルム2の一側縁3aが見えない筒状ラベル1を提供できる。
【0029】
特に、従来の筒状ラベルは、基材フィルムの一側端部の裏面を他側端部の表面に接着しているため、基材フィルムとして、断熱層(例えば、不織布、発泡樹脂層など)が積層された積層フィルムを用いた場合、一側縁から不織布などが見えやすい。このように一側縁から不織布などが見えると、該不織布が筒状ラベルの上下方向に延びる細長い筋として見えるので、筒状ラベルの外観が損なわれる。この点、本発明の筒状ラベル1は、上述のように基材フィルム2の一側縁3aが筒状ラベル1の外側から見えないので、基材フィルム2の層構成に拘わらず、外見上美麗である。
また、従来の筒状ラベルは、その一側縁が外側に出ているので、該一側縁の端面に外力が加わる(例えば、一側縁の端面に異物が当たる)ことによって、積層フィルムの各層が層間剥離を生じる虞がある。この点、本発明の筒状ラベル1は、一側縁3aが筒状ラベル1の内側に位置しているので、基材フィルム2として積層フィルムを用いた場合でも、基材フィルム2が層間剥離を生じない。
【0030】
本発明の筒状ラベル1は、適切な方法で被着体に装着される。
本発明の筒状ラベル1が、熱収縮性筒状ラベルの場合には、筒状ラベル1を被着体に外嵌後、所定の熱収縮温度(例えば、80℃〜100℃)に加熱することにより、筒状ラベル1を被着体に装着できる。
本発明の筒状ラベル1が、自己伸縮性筒状ラベルの場合には、筒状ラベル1を拡径した後、被着体に外嵌し、拡径を解除することにより、筒状ラベル1を被着体に装着できる。
ただし、図3に示すように、センターシール部5の他側縁5c(センターシール部5の他側縁5cは、センターシール部5の幅方向両側縁のうちで筒状ラベル1の外側に位置する縁である)が、折り目7の近傍位置に形成されている筒状ラベル1にあっては、被着体に装着時に基材フィルム2が引っ張られるので、被着体に装着後、前記折り目7は位置ズレして、センターシール部5の他側縁5cに沿って折り目が生じる。
被着体は、特に限定されず、本発明の筒状ラベル1は様々な被着体に装着可能である。被着体の代表例としては、飲料などの食品を充填した容器、化粧品やシャンプーなどを充填した容器などが挙げられる。
【0031】
本発明の筒状ラベル1のセンターシール部5は、内側に曲げられた基材フィルム2の一側端部3の表面と基材フィルム2の他側端部4の表面とを接着することによって形成されている。具体的には、折り返された一側端部3の外側に、基材フィルム2の一領域A(基材フィルム2の一側端部3及び他側端部4以外の領域であって、折り目7を介して一側端部3の外側上に折り返された領域A)が重なっている。この一領域Aがセンターシール部5の外側を覆っているので、センターシール部5の接着跡が、外見上、見えにくい。なお、センターシール部5の接着跡とは、明暗差により、接着されていない部分と視覚上判別できる、接着された部分の外観をいう。
【0032】
また、本発明の筒状ラベル1は、その基材フィルム2の裏面全体に印刷層6が設けられており、この基材フィルム2の一側端部3を折り返して他側端部4に接着することによってセンターシール部5が形成されている。つまり、折り返された一側端部3の外側に、印刷層6を有する基材フィルム2の上記一領域Aが重なっている。この印刷層6を有する一領域Aがセンターシール部5の外側を覆っているので、筒状ラベル1を外側から見たとき、その周方向の何れの箇所においても、印刷層6に表された表示が一様に見える。従来の筒状ラベルでは、センターシール部において印刷層のない部分が帯状線模様として見えるが、本発明の筒状ラベル1は、このような帯状線模様が表れず、センターシール部5が目立ち難い。
【0033】
さらに、本発明の筒状ラベル1のセンターシール部5は、基材フィルム2の表面同士(一側端部3の表面と他側端部4の表面)を接着することにより形成されるため、強い接着強度を有する。
【0034】
次に、本発明の他の実施形態を示す。以下、主として上記実施形態と異なる構成及び効果について説明し、同様の構成及び効果は、その説明を省略し、用語及び図番を援用する場合がある。
上記実施形態に於いて、印刷層6の一縁6aは、基材フィルム2の一側縁3aにまで設けられているが、これに限定されない。例えば、図6に示すように、印刷層6の一縁6aが基材フィルム2の一側端部3の裏面にまで設けられていてもよい。なお、印刷層6の一縁6aが一側端部3の裏面にまで設けられるとは、印刷層6の一縁6aが、基材フィルム2の一側端部3の裏面であって、基材フィルム2の一側縁3aからセンターシール部5の他側縁5c(基材フィルムの一側縁とは反対側におけるセンターシール部の側縁)に対応する位置の間の領域に形成されていることをいう。
このように印刷層6が基材フィルム2の一側端部3の裏面にまで少なくとも設けられていれば、上記実施形態と同様に、筒状ラベル1を外側から見たとき、その周方向の何れの箇所においても印刷層6に表された表示が一様に見えるので好ましい。
【0035】
また、上記実施形態においては、印刷層6の他縁6bは、基材フィルム2の他側縁4bにまで形成されているが、これに限定されない。例えば、図6に示すように、印刷層6の他縁6bが基材フィルム2の他側端部4の裏面にまで設けられていてもよい。なお、印刷層6の他縁6bが他側端部4の裏面にまで設けられるとは、印刷層6の他縁6bが、基材フィルム2の他側端部4の裏面であって、基材フィルムの他側縁4bからセンターシール部5の外側縁5cに対応する位置の間の領域に形成されていることをいう。
このように印刷層6が基材フィルム2の他側端部4の裏面にまで少なくとも設けられていれば、上記実施形態と同様に、筒状ラベル1を外側から見たとき、その周方向の何れの箇所においても印刷層6に表された表示が一様に見えるので好ましい。
【0036】
さらに、上記実施形態においては、基材フィルム2の一側端部3は、折り目7において約180度折り返された状態で他側端部4に接着されているが、例えば、図7に示すように、明確な折り目を形成せずに一側端部3を内側に曲げ、この曲げられた一側端部3の表面と他側端部4の表面とを接着することにより、センターシール部5が形成されていてもよい。なお、この場合、他側端部4も内側に曲げられている。
【0037】
図7に示す筒状ラベル1は、センターシール部5の形成された両側端部3,4が内側に突出しているが、該筒状ラベル1は、不使用時には、センターシール部5の他側縁5cに沿って又はその他側縁5cの近傍において、折り目を介して一側端部3を折り返すことにより、図4に示すような扁平状に折り畳まれる。また、図7に示す筒状ラベル1は、使用時、上記と同様に、折り目を介して一側端部3が折り返された状態で、被着体に装着される。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明の筒状ラベルは、例えば、飲料入り容器、食品入り容器、洗剤入り容器などの各種容器の表示用ラベル;容器のキャップを保護するキャップシール;プラスチック容器、乾電池などの各種物品の外装体;各種物品の保護体;複数の物品を結束する結束体などとして利用できる。
【符号の説明】
【0039】
1…筒状ラベル、2…基材フィルム、3…基材フィルムの一側端部、3a…基材フィルムの一側縁、4…基材フィルムの他側端部、4b…基材フィルムの他側縁、5…センターシール部、6…印刷層、7…折り目

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材フィルムの裏面を内側にして基材フィルムを筒状にし、前記基材フィルムの一側端部と他側端部とを重ね合わせて接着することにより、センターシール部が形成されている筒状ラベルにおいて、
前記基材フィルムの一側端部が内側に曲げられ、且つ前記曲げられた基材フィルムの一側端部の表面と基材フィルムの他側端部の表面とを接着することにより、前記センターシール部が形成されていることを特徴とする筒状ラベル。
【請求項2】
前記基材フィルムの一側端部の縁及び他側端部の縁が、何れも筒状ラベルの内側に位置している請求項1に記載の筒状ラベル。
【請求項3】
前記基材フィルムが、2以上の層が積層された積層フィルムである請求項1または2に記載の筒状ラベル。
【請求項4】
前記基材フィルムの裏面に、印刷層が設けられており、前記印刷層が前記一側端部の裏面にまで少なくとも設けられている請求項1〜3のいずれかに記載の筒状ラベル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−51096(P2011−51096A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−199164(P2009−199164)
【出願日】平成21年8月31日(2009.8.31)
【出願人】(000238005)株式会社フジシールインターナショナル (641)
【Fターム(参考)】