説明

精穀機における抵抗体調節方法及びその抵抗体調節治具

【課題】作業者の経験や勘によらず、適確に抵抗体と研削ロール外周面との間隙を調節する。
【解決手段】抵抗体11を精白室8内へ向けて突出量を調節する際に、搗精すべき玄米の性状に応じて異なる外径を有する複数の測定部18a、18b、18c、18dを備えた抵抗体調節治具16を用い、搗精すべき玄米に該当する一つの測定部18bを精白ロール5と抵抗体11との間隙に挿入し、精白ロール5と抵抗体11との間隔を決定することによって、玄米の性状に応じて前記抵抗体の突出量を調節する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、精穀機における抵抗体調節方法及びその抵抗体調節治具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の精穀機として、例えば、特許文献1に記載のものがある。この技術について図7を参照して説明する。図7は複数の研削ロール102と複数のスペーサー103とを縦方向に交互に積み重ねて研削ロール体に形成し、これを主軸101に嵌装した状態の研削ロール102の一部が示されている。この図において、研削ロール102の半径方向外側には、精白室104を形成すべく、研削ロール102から間隔をおいて囲繞されるように多孔性筒状体105が設けられる。この多孔性筒状体105は、互いに円周方向で隣接する支柱106間に配置されており、図7では4つの支柱106と4つの多孔製筒状体105が示されている。そして、各支柱106には、精白室104側に突出して研削ロール102の円周方向への穀粒の移動に抵抗を付与する抵抗体107が設けられる。この抵抗体107は、主軸101の軸方向に長尺状に鉛直配置されている。
【0003】
さらに、各支柱106には、各抵抗体107の半径方向への突出量を独立に調整する突出量調整手段108が設けられ、手動により抵抗体107の突出量が調節される(図7の矢印参照)。なお、図中の符号109は支柱カバーであり、符号110は除糠室カバーであり、符号111は精穀後の穀粒を排出する穀粒排出樋である。
【0004】
上記構成の作用を説明すると、各支柱106に設けた突出量調整手段108によりそれぞれの抵抗体107と研削ロール102外周面との間隔を独立に調整し得るため、精白室104内での穀粒の流動に対する抵抗を独立に調整し、ひいては、原料の水分や品種などの性状や、分搗き米など製品として求められる形態などに応じて、米粒の流れに対する抵抗状態を細かく調整・変更できるというメリットがある。
【0005】
しかしながら、上記精穀機にあっては、各支柱106に設けられる突出量調整手段108が複数存在するために(図7では円周方向に4カ所示され、さらに、主軸107方向に複数ヵ所設ける場合がある。)、調整に長時間を要するという問題がある。また、作業者によっては突出量調整手段108による調整が不慣れな場合や、作業者の経験や勘に頼って目視で調節量を決定する場合がある。例えば、抵抗体107と研削ロール102外周面との間隙が極端に狭く設定されると、間隙に米粒が挟まれて砕米が発生するといった問題が生じる。逆に抵抗体107と研削ロール102外周面との間隙が極端に広く設定されると、米粒の流れに抵抗が生じず、その結果、搗精中に米粒が反転しなくなり、粒全体にムラ搗精を起こす問題が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3266167号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記問題点にかんがみ、作業者の経験や勘によらず、適確に抵抗体と研削ロール外周面との間隙を調節することができる精穀機における抵抗体調節方法及びその抵抗体調節治具を提供することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため本発明は、除糠用の除糠金網筒体と、該除糠金網筒体内に回転可能に設けた精白ロールと、前記除糠金網筒体と前記精白ロールとの間に形成した精白室と、を備え、前記除糠金網筒体側には、前記精白ロールの円周方向への穀粒の移動に抵抗を付与する長尺状の抵抗体が設けられ、該抵抗体を前記精白室内へ向けて適正な位置となるように突出量を調節する精穀機における抵抗体調節方法であって、
前記抵抗体を前記精白室内へ向けて突出量を調節する際に、搗精すべき玄米の性状に応じて異なる外径を有する複数の測定部を備えた抵抗体調節治具を用い、該抵抗体調節治具の搗精すべき玄米に該当する一つの前記測定部を前記精白ロールと前記抵抗体との間隙に挿入し、前記精白ロールと前記抵抗体との間隔を決定することによって、玄米の性状に応じて前記抵抗体の突出量を調節する、という技術的手段を講じた。
【0009】
請求項2記載の発明によれば、除糠用の除糠金網筒体と、該除糠金網筒体内に回転可能に設けた精白ロールと、前記除糠金網筒体と前記精白ロールとの間に形成した精白室と、を備え、前記除糠金網筒体側には、前記精白ロールの円周方向への穀粒の移動に抵抗を付与する長尺状の抵抗体が設けられ、該抵抗体を前記精白室内へ向けて適正な位置となるように突出量を調節するための精穀機における抵抗体調節治具であって、
該抵抗体調節治具は、調整作業の際の握り部となる本体と、該本体の一端側に連設した複数の異なる外径を有する測定部と、前記本体の他端側に収納可能に設けた薄片状の隙間ゲージと、を備え、
前記複数の異なる外径を有する測定部は、前記精白ロールと前記抵抗体との間隙に搗精すべき玄米に該当する一つの前記測定部を挿入するために、搗精すべき玄米の性状に応じて複数の異なる外径に形成されていることを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明によれば、前記各測定部が円形、四角形又は八角形の断面形状を有することを特徴とする。
【0011】
請求項4記載の発明によれば、前記本体及び/又は前記測定部が磁性体の材質で形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、抵抗体を精白室内へ向けて突出量を調節する際に、搗精すべき玄米の性状に応じて異なる外径を有する複数の測定部を備えた抵抗体調節治具を用い、抵抗体調節治具の搗精すべき玄米に該当する一つの測定部を精白ロールと抵抗体との間隙に挿入し、精白ロールと抵抗体との間隔を決定することによって、玄米の性状に応じて抵抗体の突出量を調節するものであるから、作業者の経験や勘によらず、適確に抵抗体と研削ロール外周面との間隙を調節することができる。特に、複数の測定部を備えた抵抗体調節治具を用いることで、玄米の性状に応じて抵抗体と研削ロール外周面との間隙の値を適確に選択でき、歩留を向上させることができる。
【0013】
そして、抵抗体調節治具は、調整作業の際の握り部となる本体と、該本体の一端側に連設した複数の異なる外径を有する測定部と、前記本体の他端側に収納可能に設けた薄片状の隙間ゲージと、を備え、前記複数の異なる外径を有する測定部は、前記精白ロールと前記抵抗体との間隙に搗精すべき玄米に該当する一つの前記測定部を挿入するために、搗精すべき玄米の性状に応じて複数の異なる外径に形成されているから、玄米の性状ごとに専用の抵抗体調節治具を用意する必要がないので、管理の上でも、コスト的にも安価な抵抗体調節治具を提供することができる。
【0014】
また、各測定部が円形、四角形又は八角形の断面形状を有するので、精穀機の大きさ、型式によって測定部の断面形状を異ならせることで、作業性を向上することができる。
【0015】
さらに、抵抗体調節治具の本体及び/又は測定部が磁性体の材質で形成されているので、抵抗体調節治具を抵抗体に吸着させることで、作業者が本体を手で握る必要がなくなり、隙間調節の作業性が一段と向上することになる。
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の精穀機における抵抗体調節方法を説明する概略斜視図である。
【図2】抵抗体調節治具を用いて抵抗体調節を行う様子を示す一部破断図である。
【図3】除糠金網筒と精白ロールとの間隙を測定する様子を示す横断面図である。
【図4】抵抗体調節治具の全体を示す斜視図である。
【図5】抵抗体調節治具の全体を示す正面図である。
【図6】抵抗体調節治具の全体を示す平面図である。
【図7】従来の精穀機を示す概略横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面に基づき、本発明の好適な実施の形態について説明する。図1は本発明の精穀機における抵抗体調節方法を説明する概略斜視図であり、図2は抵抗体調節治具を用いて抵抗体調節を行う様子を示す一部破断図であり、図3は研削ロールと多孔性筒状体との隙間を測定する様子を示す横断面図である。
【0018】
図1において、精穀機1は、精穀すべき穀粒を供給する穀粒供給部2と、該穀粒供給部2より受け入れた穀粒を精穀する研削精穀部3と、該研削精穀部3で精穀された穀粒を排出する穀粒排出部4と、精白穀粒から分離された糠を集糠する集糠部(図示せず)とを主な構成要素として構成される周知のもの(例えば、特許文献1参照)である。
【0019】
前記研削精穀部3は、主軸に取り付けられた複数の精白ロール5と、該複数の精白ロール5を一体的な精白ロール体となし、該精白ロール体の周方向にわずかな間隙を介して立設された多孔壁部からなる除糠金網筒6と、該除糠金網筒6の周方向にさらに間隙を介して立設した除糠カバー7と、を備え、前記除糠金網筒6と前記精白ロール5との間に精白室8を、前記除糠金網筒6と前記除糠カバー7との間に除糠室9をそれぞれ形成して主要部が構成される。
【0020】
除糠金網筒6は縦割れ状に4分割に形成されており(図3参照)、精白ロール5の周囲に立設された4本の支柱10によって除糠金網筒6の各両側縁が固定される。さらに、各支柱10の精白室8側には、精白室8の空間を狭める抵抗体11が設けられている。該抵抗体11は主軸の軸方向に縦長に形成された直方体形状であり、各支柱10の上下2ヵ所に取り付けた複数の支持ボルト12(図1参照)により抵抗体11の長尺方向の両端部が支持されている。符号13は各支柱10の中間部に設けられた除糠金網筒6の取付用ナットである。そして、前記支持ボルト12のロックナット14を緩めるとともに、支持ボルト12の螺入又は螺脱を行うノブ15を回動させることにより、前記抵抗体11を水平方向に摺動可能(出入調節可能)に形成されている。すなわち、図1を参照して説明すると、前記ノブ15の回動により前記精白ロール5と抵抗体11との間隙(図1の符号S)の広狭調節が可能となるのである。
【0021】
図2は、精白ロール5と抵抗体11との間隙に抵抗体調節治具16を差し込んで抵抗体調節を行う様子が示されており、図3は、除糠金網筒6の孔から隙間ゲージを差し込んで除糠金網筒6と精白ロール5との間隙を測定する様子が示されている。図4は、抵抗体調節治具16の全体を示す斜視図である。この抵抗体調節治具16は、調整作業の際の握り部となる本体17の一端側に、複数の異なる外径を有する測定部(例えば、図4に示すものは5つの丸棒)を連設して円筒形測定部18a〜18dを形成するとともに、本体17の他端側には、支軸20を中心に回動可能な薄片状の隙間ゲージ19が設けられ、該隙間ゲージ19は本体17の収納溝21内に収納可能な構成となっている。符合22は紐などを通してこの抵抗体調節治具16を作業者が身につけられるようにした穴である。なお、符号27は本体17の収納溝21から隙間ゲージ19を取り出しやすくするために、本体17側部をR状に切欠いて設けた切欠き部である。なお、前記測定部は断面形状が円形となる円筒形測定部に形成されているが、これに限らず、断面形状が四角形又は八角形など各種形状を採用することができる。すなわち、精穀機の大きさ、型式によって測定部の断面形状を異ならせることで、作業性を向上することができる。
【0022】
前記円筒形測定部18a〜18dは本体17側から先端に向けて除除に外形が小さくなっており、各々の円形測定部18a〜18dには測定すべき精白ロール5と抵抗体11との間隙を意味する刻印23a〜23dがそれぞれ設けられている。この実施形態では、例えば、最小径の円筒形測定部18aが径5mm、測定部18bが径6mm、測定部18cが径7mm、測定部18dが径8mm、測定部18eが径9mmにそれぞれ設定され、その値が刻印23a〜23eに記されている。該円筒形測定部18a〜18d及び/又は本体17の材質としては鉄、ステンレス等の金属材料が想定されるが、磁性体を有する素材を選択すれば、抵抗体11に抵抗体調節治具16が吸着されるので、作業者が本体17を手で握る必要がなくなり、隙間調節の作業性が一段と向上することになる。
【0023】
隙間ゲージ19には、1mm刻みで目盛り24が刻印されており、除糠金網筒6の孔からゲージ19を差し込み、除糠金網筒6と精白ロール5との間隙を測定することができる。
【0024】
上記構成を有する抵抗体調節治具16を用いて、精穀機の抵抗体を調節する方法を説明する。まず、図1に示すように精穀機1から除糠カバー7を取り外すとともに、支柱カバー25を取り外す。そして、支柱10の除糠金網筒取付用ナット13を緩めるとともに、除糠金網筒押え金具26を手前に寄せると、精穀機1から除糠金網筒6が取り外し可能となる。これにより、精白ロール5の外周面が露出することとなり、精白ロール5と抵抗体11との間隙(図1の符号S)の広狭調節が可能となる。
【0025】
次に、支持ボルト12のロックナット14を緩め、支持ボルト12の螺入又は螺脱を行うノブ15を回動させることで、抵抗体11を水平方向に摺動させながら間隙調節を行う。このとき、図2に示すように、測定対象となる精白ロール5と抵抗体11との隙間に、抵抗体調節治具16の最小径の円筒形測定部18a側から差し込み、所望する円筒測定部(例えば、円筒測定部18bであれば隙間は6mmとなる。)が到達するまで挿入する。次いで、支持ボルト12のノブ15を回動させ、円筒測定部18bを固定するまで隙間を狭めて間隙の調整を行う。間隙の調整が終わると、ロックナット14を締め付けてノブ15を固定することになる。
上記円筒測定部18a〜18dの選択については、間隙の刻印23a〜23dの表記を読み取ることにより、精白ロール5と抵抗体11との隙間が明示的に示されるから、作業性の大幅な改善を図ることができる。
【0026】
さらに、図3のように作業者が抵抗体調節治具16のゲージ19を除糠金網筒6の孔から差し込み、除糠金網筒6と精白ロール5との間隙が適正か否かを測定することができる。
【0027】
(実施例1)
以下、作業者の経験や勘によらず、玄米の性状(水分や品種など)に応じて抵抗体と研削ロール外周面との間隙の値を適確に選択可能であることの実例を説明する。
【0028】
【表1】

【0029】
表1は、原料となる3種類の玄米について、抵抗体11と研削ロール5との間隙を一定値として搗精した場合の歩留(従来技術)と、抵抗体11と研削ロール5との間隙を隙間C、隙間D及び隙間Eと変化させて搗精した場合の歩留(試験区1、試験区2及び試験区3)とを併記して比較したものである。このとき、隙間B、C、D及びEの表示は図3に示す抵抗体調節治具の符号B、C、D及びEの箇所に対応している。
【0030】
表1の従来技術の欄のように、玄米の性状(水分や品種)によらず抵抗体11と研削ロール5との間隙の値をB(8mm)として一定値としたものは、玄米Aで歩留90.5%、玄米Bで歩留90.1%、玄米Cで歩留89.5%となった。同じ間隙であっても、玄米の性状により歩留の差が1.0%程度生じることが分かった。そこで、表1の試験区1、試験区2及び試験区3の欄のように、玄米の性状(水分や品種)に応じて抵抗体11と研削ロール5との間隙を変化させた試験を行った。その結果、玄米Aで最もよい歩留は試験区1の間隙C(7mm)の90.7%であり、玄米Bで最もよい歩留は試験区2の間隙D(6mm)の90.4%であり、玄米Cで最もよい歩留は試験区3の間隙E(5mm)の90.3%であった。
以上の試験結果より、玄米の性状(水分や品種)に応じて適宜隙間を選択することにより、歩留が向上することが分かった。
このとき、従来のような作業者の経験や勘に頼って目視で調節量を決定することは、調節量が数ミリ程度であるために、玄米の性状に応じた適確な間隙を選択することは不可能である。そこで、図3に示す抵抗体調節治具を使用することにより、適確に抵抗体と研削ロール外周面との間隙を調節することができる。
【0031】
以上説明したように、抵抗体を精白室内へ向けて突出量を調節する際に、搗精すべき玄米の性状に応じて異なる外径を有する複数の測定部を備えた抵抗体調節治具を用い、抵抗体調節治具の搗精すべき玄米に該当する一つの測定部を精白ロールと抵抗体との間隙に挿入し、精白ロールと抵抗体との間隔を決定することによって、玄米の性状に応じて抵抗体の突出量を調節するものであるから、作業者の経験や勘によらず、適確に抵抗体と研削ロール外周面との間隙を調節することができる。特に、複数の測定部を備えた抵抗体調節治具を用いることで、玄米の性状に応じて抵抗体と研削ロール外周面との間隙の値を適確に選択でき、歩留を向上させることができる、といったメリットが生じる。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明は、縦型又は横型の精穀機に適用することができ、さらに、本発明は主として精白ロールの表面が砥石状に形成された研削式精穀機に適用されるものであるが、例えば、除糠金網筒体側に、精白ロールの円周方向への穀粒の移動に抵抗を付与する長尺状の抵抗体が設けられたものであれば、摩擦式精穀機にも適用することができる。
【符号の説明】
【0033】
1 精穀機
2 穀粒供給部
3 研削精穀部
4 穀粒排出部
5 精白ロール
6 除糠金網筒
7 除糠カバー
8 精白室
9 除糠室
10 支柱
11 抵抗体
12 支持ボルト
13 取付用ナット
14 ロックナット
15 ノブ
16 抵抗体調節治具
17 本体
18 円筒形測定部
19 隙間ゲージ
20 支軸
21 収納溝
22 穴
23 刻印
24 目盛り
25 支柱カバー
26 除糠金網筒押え金具
27 切欠き部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
除糠用の除糠金網筒体と、該除糠金網筒体内に回転可能に設けた精白ロールと、前記除糠金網筒体と前記精白ロールとの間に形成した精白室と、前記除糠金網筒体の外周側に形成される除糠室と、を備え、前記除糠金網筒体側には、前記精白ロールの円周方向への穀粒の移動に抵抗を付与する長尺状の抵抗体が設けられ、該抵抗体を前記精白室内へ向けて適正な位置となるように突出量を調節する精穀機における抵抗体調節方法であって、
前記抵抗体を前記精白室内へ向けて突出量を調節する際に、搗精すべき玄米の性状に応じて異なる外径を有する複数の測定部を備えた抵抗体調節治具を用い、該抵抗体調節治具の搗精すべき玄米に該当する一つの前記測定部を前記精白ロールと前記抵抗体との間隙に挿入し、前記精白ロールと前記抵抗体との間隔を決定することによって、玄米の性状に応じて前記抵抗体の突出量を調節することを特徴とする精穀機における抵抗体調節方法。
【請求項2】
除糠用の除糠金網筒体と、該除糠金網筒体内に回転可能に設けた精白ロールと、前記除糠金網筒体と前記精白ロールとの間に形成した精白室と、を備え、前記除糠金網筒体側には、前記精白ロールの円周方向への穀粒の移動に抵抗を付与する長尺状の抵抗体が設けられ、該抵抗体を前記精白室内へ向けて適正な位置となるように突出量を調節するための精穀機における抵抗体調節治具であって、
該抵抗体調節治具は、調整作業の際の握り部となる本体と、該本体の一端側に連設した複数の異なる外径を有する測定部と、前記本体の他端側に収納可能に設けた薄片状の隙間ゲージと、を備え、
前記複数の異なる外径を有する測定部は、搗精すべき玄米に該当する一つの前記測定部を前記精白ロールと前記抵抗体との間隙に挿入するために、搗精すべき玄米の性状に応じて複数の異なる外径に形成されていることを特徴とする精穀機における抵抗体調節治具。
【請求項3】
前記各測定部が円形、四角形又は八角形の断面形状を有する請求項2記載の精穀機における抵抗体調節治具。
【請求項4】
前記本体及び/又は前記測定部が磁性体の材質で形成されている請求項2又は3記載の精穀機における抵抗体調節治具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−48996(P2013−48996A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−186828(P2011−186828)
【出願日】平成23年8月30日(2011.8.30)
【特許番号】特許第4930956号(P4930956)
【特許公報発行日】平成24年5月16日(2012.5.16)
【出願人】(000001812)株式会社サタケ (223)
【出願人】(511277364)伊藤忠食糧株式会社 (3)
【Fターム(参考)】