紙葉類裁断装置
【課題】 オフラインでの紙葉類の裁断時に動力を遮断することなく、また、紙葉類を投入部に誤投入させることのないようにする。
【解決手段】 一側面部に紙葉類を投入させる投入口部2を有する装置本体1と、投入口部2を開閉する開閉扉5と、投入口部2から投入される紙葉類を搬送する分岐搬送路13bと、この分岐搬送路13bによって搬送される紙葉類が裁断すべきものであるか否かを判別する検出センサ19と、この検出センサ19によって裁断すべきものと判別された紙葉類を導入口部16aから導入させて裁断する裁断部16と、検出センサ19によって紙葉類が裁断すべきものでないと判別されたのに基づいて裁断部16の導入口部16aを遮蔽するシャッタ21とを具備する。
【解決手段】 一側面部に紙葉類を投入させる投入口部2を有する装置本体1と、投入口部2を開閉する開閉扉5と、投入口部2から投入される紙葉類を搬送する分岐搬送路13bと、この分岐搬送路13bによって搬送される紙葉類が裁断すべきものであるか否かを判別する検出センサ19と、この検出センサ19によって裁断すべきものと判別された紙葉類を導入口部16aから導入させて裁断する裁断部16と、検出センサ19によって紙葉類が裁断すべきものでないと判別されたのに基づいて裁断部16の導入口部16aを遮蔽するシャッタ21とを具備する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、例えば、紙幣などの紙葉類を裁断処理する紙葉類裁断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の紙葉類裁断装置には、装置本体内に紙葉類を取り出す取出部を有し、この取出部から取り出した紙葉類を搬送路に沿って搬送し、この搬送途中で紙葉類が裁断可能なものであるか、再検査すべきものであるかを判断し、裁断可能なものは裁断部に搬送して裁断するものがある。
【0003】
また、この紙葉類裁断装置にはオフラインでの紙葉類の裁断が可能なものがある。オフラインで裁断する場合には、装置本体の外装カバー(安全カバー)を開け、紙葉類を搬送路の一部に設けられた投入部にセットして裁断スイッチをオンする。これにより、裁断部の裁断刃が回転を開始し、所定の回転速度になったら、搬送部の搬送ベルトを回して紙葉類を裁断部まで搬送して裁断する。
【0004】
しかしながら、従来においては、装置本体の外装カバー(安全カバー)を開放してオペレーションをするため、CEマークの基準では動力を遮断する必要がある。
【0005】
また、通常操作時に投入部にアクセスできるため、誤って紙葉類を投入部にセットして裁断してしまうという問題がある。
【0006】
さらに、オフライン裁断時には計数を行っていないため、裁断枚数の管理は人間系でやらなくてはならないという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平10−162195号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
実施の形態は、オフラインでの紙葉類の投入時に動力を遮断することなく、また、紙葉類を投入部に誤投入させることなく、さらに、裁断枚数の計数を可能とする紙葉類裁断装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、実施の形態は、一側面部に紙葉類を投入させる投入口部を有する装置本体と、前記投入口部を開閉する開閉手段と、前記装置本体内に設けられ、紙葉類をセットするセット部と、このセット部にセットされた紙葉類を取り出す取出手段と、この取出手段によって取り出された紙葉類を搬送する第1の搬送手段と、この第1の搬送手段によって搬送される紙葉類が裁断すべきものであるか否かを判別する第1の判別手段と、前記投入口部から投入される紙葉類を搬送する第2の搬送手段と、この第2の搬送手段によって搬送される紙葉類が裁断すべきものであるか否かを判別する第2の判別手段と、前記第1或いは第2の判別手段によって裁断すべきものと判別された紙葉類を導入口部から導入させて裁断する裁断手段と、前記第2の判別手段によって紙葉類が裁断すべきものでないと判別されたのに基づいて前記裁断手段の導入口部を遮蔽する遮蔽手段とを具備することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施形態である紙葉類裁断装置を示す斜視図。
【図2】同紙葉類裁断装置の内部を概略的に示す構成図。
【図3】同紙葉類投入部を示す斜視図。
【図4】同紙葉類裁断部へ紙葉類を搬送する搬送系を示す構成図。
【図5】同シャッタ及びその駆動部を示す斜視図。
【図6】同シャッタが開放された状態を示す図。
【図7】同シャッタが閉塞された状態を示す図。
【図8】同紙葉類投入部及び取込部を示す斜視図。
【図9】同取込部を構成するピンチローラ及び搬送ベルトを示す図。
【図10】同取込部を構成するガイド体を示す図。
【図11】同紙葉類裁断装置の駆動制御系を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0012】
図1は紙葉類裁断装置を示す外観斜視図である。
【0013】
図中1は装置本体で、この装置本体1の一側面部にはオフラインで紙葉類を裁断する際に紙葉類を投入させる投入口部2が設けられている。この投入口部2の上部側には図3にも示すように後述する裁断部を動作させるための裁断スイッチ3が設けられている。投入口部2及び裁断スチッチ3は開閉手段として開閉扉5によって開閉されるようになっている。開閉扉5には、その開閉をチェックする開閉チェックセンサ5aが設けられている。
【0014】
また、装置本体1の前面部側には操作部6が設けられている。この操作部6には通常の裁断モード(第1のモード)或いはオフラインでの裁断モード(第2のモード)を選択的に設定するモード設定ボタン6a、操作開始スイッチ6bなどが配設されている。
【0015】
図2は紙葉類裁断装置を示す内部構成図である。
【0016】
装置本体1内には、処理すべき紙葉類を複数枚積層してなる紙葉類群Sを載置するホッパー8、ホッパー8の上方部に設けられ、紙葉類群Sの最上位の紙葉類から一枚ずつ取出す取出ロータ(裁断手段)9、この取出ロータ9により取出された紙葉類を搬送する搬送路10(搬送手段)が配設されている。
【0017】
また、搬送路10中には紙葉類を検査し、裁断可能なものと、再検査が必要なものとに分類するための複数のセンサから成るセンサシステム11(第1の判別手段)が設けられている。
【0018】
センサシステム11より下流側の搬送路10には、図4にも示すようにセンサシステム11の検査結果に従って紙葉類を所定の方向へ搬送すべく複数の方向に分岐されて第1乃至第3の分岐搬送路10a〜10cが形成されている。搬送路10の各分岐部にはそれぞれ紙葉類の搬送方向を切り替えるための切替ゲート13a,13bが配設されている。
【0019】
第1の分岐搬送路10aの終端部には排除券集積庫(図2に示す)15が接続され、第2の分岐搬送路(第2の搬送手段)10bの終端部には裁断手段としての裁断部16が接続され、第3の分岐搬送路10cの終端部にはリジェクト庫17が接続されている。
【0020】
ところで、上記した第2の分岐搬送路10bの紙葉類搬送方向下流側には、図4に示すように紙葉類の搬送方向の長さ、厚さを検出する検出センサ(第2の判別手段)19が設けられている。
【0021】
また、第2の分岐搬送路10bの終端部には裁断部16の紙葉類導入口部16aを開閉する開閉手段としてのシャッタ21が設けられている。シャッタ21は図5に示すように所定間隔を存して対向配置されるシャッタ片21a,21bを有し、これらシャッタ片21a,21bはロータリーソレノイド23の駆動軸23aに取り付けられている。シャッタ片21a,21bには突起部21c,21dが突設され、これら突起部21c,21dはストッパ24に当接されるようになっている。駆動軸23aの基端部にはドグ25が一体的に取り付けられ、このドグ25はセンサ26によって光学的に検出されるようになっている。
【0022】
ロータリーソレノイド23は正逆方向に回転され、その正方向の回転によりシャッタ片21a,21bは矢印A方向に回動されてその突起部21c,21dをストッパ24に当接する。これにより、シャッタ片21a,21bは図6にも示すように起立して裁断部16の導入口部16aを開放するようになっている。
【0023】
また、ロータリーソレノイド23が逆方向に回転されると、シャッタ片21a,21bは矢印B方向に回動されて図7にも示すように傾斜した状態になって裁断部16の導入口部16aを閉塞するようになっている。
【0024】
なお、この閉塞時にはロータリーソレノイド23の駆動シャフト23aの基端部のドク25が検出センサ26によって検出されてシャッタ片21a,21bが閉じられたことが判別されるようになっている。
【0025】
図8乃至図10は、上記した投入口部2及びその内側の送り手段としての紙葉類取込部28を示すものである。
【0026】
紙葉類取込部28は投入口部2から投入される紙葉類を搬送路10に向かって挟持搬送するピンチローラ30と搬送ベルト31さらに、紙葉類の取込搬送をガイドするガイド体32を有して構成される。
【0027】
図11は上記した紙葉類裁断装置の駆動制御系を示すブロック図である。
【0028】
上記したモード設定ボタン6a、操作開始スイッチ6b、開閉チェックセンサ5a、裁断スイッチ3、検出スイッチ3、センサシステム11は、送信回路を介して制御部30に接続され、制御部30には制御回路を介して取出ロータ9、搬送経路部10、アラーム(警報手段)5b、裁断部16、ロータリーソレノイド23、切替ゲート13a、13bが接続されている。
【0029】
次に、上記したように構成された紙葉類処理装置の動作について説明する。
【0030】
まず、通常の処理モード時には、オペレータは紙葉類をホッパー8にセットし、ついで、モード設定ボタン6aにより通常の処理モードを設定して操作開始スイッチ6bをオンする。これにより、取出ロータ9が回転され、紙葉類群Sの最上位の紙葉類から一枚ずつ搬送路10上に取出される。この取り出された紙葉類は搬送路10に沿って搬送され、センサシステム11によって検査される。この検出結果に基づいて制御部30で裁断可能なものと再検査が必要なものとが判別される。そして、この判別結果に従って切替ゲート13a,13bがそれぞれ所定のタイミングで所定方向に切換えられる。この切替動作により、再検査が必要な紙葉類は第1の分岐路10aを介して排除券集積庫15に送られて集積され、裁断可能なものは第2の分岐路10bを介して裁断部16に搬送されて裁断される。
【0031】
なお、排除券集積庫15に送るべき紙葉類が誤って第2の分岐路10bに送られた場合には、第2の分岐ゲート13bの切替動作によりリジェクト庫17へ搬送されて集積される。
【0032】
また、上記した排除券集積部15及びリジェクト庫17に集積された紙葉類は、オペレータによって取り出されたのち、ホッパ8にセットされて再度処理される。
【0033】
次に、オフラインで紙葉類を裁断する場合について説明する。
【0034】
この場合には、モード設定ボタン6aによって通常の裁断モードからオフライン用の裁断モードに切り替える。こののち、投入口部2の開閉扉5の鍵を外して開閉扉5を開放する。この開放時には開閉チェックセンサ5aがオンされる。なお、通常の裁断モードでの処理中において投入口部2の開閉扉5が開放されたことが開閉チェックセンサ5aによって検出された場合には、処理を即時停止するとともにアラーム5bにより警報が発せられる。
【0035】
開閉扉5を開放したのち、投入口部2に紙葉類を投入する。この投入後、裁断スイッチ3をオンする。このスイッチオンにより、裁断部16の裁断刃が回転駆動され、裁断刃が所定の回転速度になったところで搬送経路部10が動作を開始する。
【0036】
これにより投入口部2に投入された紙葉類は、搬送ベルト31とピンチローラ30とによって挟持されて取り込まれ、搬送ガイド体32に沿って搬送路10に送り出されて搬送される。
【0037】
この紙葉類は切替えゲート13aによって第2の分岐搬送路10bに案内されて搬送され、その下流側で検出センサ19によって紙葉類の長さや厚みが検出される。この検出データは制御部30に送信されて紙葉類が所定の長さ、厚みであるか否かがチェックされる。
【0038】
紙葉類が所定の長さ、厚みであると判別された場合には、ロータリーソレノイド23が動作されてシャッタ羽根21a、21bが図5の矢印A方向に回転する。これにより、シャッタ羽根21a、21bの突起部21c、21dがストッパ24に当接して停止し、裁断部16の導入口部16aが開放される。紙葉類は開放された導入口部16aから裁断部16内に導入されて裁断されることになる。
【0039】
また、紙葉類が所定の長さ、厚みでないと判別された場合には、ロータリーソレノイド23が動作されてシャッタ羽根21a、21bがB方向に回転して搬送ローラ35に突き当たって停止し裁断部16の導入口部16aを閉塞する。これにより、紙葉類はシャッタ21a、21bに当接して裁断部16への導入が規制されることになる。この閉塞時にはドグ25がセンサ26の光軸を遮り、シャッタ21が動作したことが検出される。
【0040】
なお、上記した紙葉類の搬送速度が十分に遅い場合は、紙葉類の搬送を止めることで紙葉類の裁断を防ぐことができるが、紙葉類が裁断部16に運ばれる時間内に搬送を停止できない場合は、上記したように動作の速いシャッタ21で裁断部16の導入口部16aを閉塞することにより紙葉類の裁断を防ぐことが必要となる。
【0041】
上記したように、この実施の形態によれば、装置本体1の側面部に紙葉類の投入口部2を設けるため、装置本体1の安全カバーの外側から紙葉類を投入して裁断することができ、動力を遮断することなく、オペレータの安全性を確保することができる。
【0042】
また、投入口部2には開閉扉5を設けるため、開閉扉5を開放しなければ投入口部2から紙葉類を投入することができず、紙葉類の誤投入を防止することができる。
【0043】
さらに、投入された紙葉類の長さと厚みを検出センサ19によって検出するため、異常な紙葉類や誤って複数枚同時に投入された紙葉類を裁断してしまうことがない。
【0044】
なお、上記した実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0045】
1…装置本体、2…投入口部、3…裁断スチッチ、5…開閉手段、6a…モード設定手段、5a…開閉チェックセンサ、5b…アラーム(警報手段)、8…セット部、9…取出ロータ(取出手段)、10…第1の搬送手段、11…センサシステム(第1の判別手段)、10b…分岐搬送路(第2の搬送手段)、16a…導入口部、16…裁断部(裁断手段)、19…検出センサ(第2の判別手段)、21…シャッタ(遮蔽手段)、28…取込部(送り手段)。
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、例えば、紙幣などの紙葉類を裁断処理する紙葉類裁断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の紙葉類裁断装置には、装置本体内に紙葉類を取り出す取出部を有し、この取出部から取り出した紙葉類を搬送路に沿って搬送し、この搬送途中で紙葉類が裁断可能なものであるか、再検査すべきものであるかを判断し、裁断可能なものは裁断部に搬送して裁断するものがある。
【0003】
また、この紙葉類裁断装置にはオフラインでの紙葉類の裁断が可能なものがある。オフラインで裁断する場合には、装置本体の外装カバー(安全カバー)を開け、紙葉類を搬送路の一部に設けられた投入部にセットして裁断スイッチをオンする。これにより、裁断部の裁断刃が回転を開始し、所定の回転速度になったら、搬送部の搬送ベルトを回して紙葉類を裁断部まで搬送して裁断する。
【0004】
しかしながら、従来においては、装置本体の外装カバー(安全カバー)を開放してオペレーションをするため、CEマークの基準では動力を遮断する必要がある。
【0005】
また、通常操作時に投入部にアクセスできるため、誤って紙葉類を投入部にセットして裁断してしまうという問題がある。
【0006】
さらに、オフライン裁断時には計数を行っていないため、裁断枚数の管理は人間系でやらなくてはならないという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平10−162195号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
実施の形態は、オフラインでの紙葉類の投入時に動力を遮断することなく、また、紙葉類を投入部に誤投入させることなく、さらに、裁断枚数の計数を可能とする紙葉類裁断装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、実施の形態は、一側面部に紙葉類を投入させる投入口部を有する装置本体と、前記投入口部を開閉する開閉手段と、前記装置本体内に設けられ、紙葉類をセットするセット部と、このセット部にセットされた紙葉類を取り出す取出手段と、この取出手段によって取り出された紙葉類を搬送する第1の搬送手段と、この第1の搬送手段によって搬送される紙葉類が裁断すべきものであるか否かを判別する第1の判別手段と、前記投入口部から投入される紙葉類を搬送する第2の搬送手段と、この第2の搬送手段によって搬送される紙葉類が裁断すべきものであるか否かを判別する第2の判別手段と、前記第1或いは第2の判別手段によって裁断すべきものと判別された紙葉類を導入口部から導入させて裁断する裁断手段と、前記第2の判別手段によって紙葉類が裁断すべきものでないと判別されたのに基づいて前記裁断手段の導入口部を遮蔽する遮蔽手段とを具備することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施形態である紙葉類裁断装置を示す斜視図。
【図2】同紙葉類裁断装置の内部を概略的に示す構成図。
【図3】同紙葉類投入部を示す斜視図。
【図4】同紙葉類裁断部へ紙葉類を搬送する搬送系を示す構成図。
【図5】同シャッタ及びその駆動部を示す斜視図。
【図6】同シャッタが開放された状態を示す図。
【図7】同シャッタが閉塞された状態を示す図。
【図8】同紙葉類投入部及び取込部を示す斜視図。
【図9】同取込部を構成するピンチローラ及び搬送ベルトを示す図。
【図10】同取込部を構成するガイド体を示す図。
【図11】同紙葉類裁断装置の駆動制御系を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0012】
図1は紙葉類裁断装置を示す外観斜視図である。
【0013】
図中1は装置本体で、この装置本体1の一側面部にはオフラインで紙葉類を裁断する際に紙葉類を投入させる投入口部2が設けられている。この投入口部2の上部側には図3にも示すように後述する裁断部を動作させるための裁断スイッチ3が設けられている。投入口部2及び裁断スチッチ3は開閉手段として開閉扉5によって開閉されるようになっている。開閉扉5には、その開閉をチェックする開閉チェックセンサ5aが設けられている。
【0014】
また、装置本体1の前面部側には操作部6が設けられている。この操作部6には通常の裁断モード(第1のモード)或いはオフラインでの裁断モード(第2のモード)を選択的に設定するモード設定ボタン6a、操作開始スイッチ6bなどが配設されている。
【0015】
図2は紙葉類裁断装置を示す内部構成図である。
【0016】
装置本体1内には、処理すべき紙葉類を複数枚積層してなる紙葉類群Sを載置するホッパー8、ホッパー8の上方部に設けられ、紙葉類群Sの最上位の紙葉類から一枚ずつ取出す取出ロータ(裁断手段)9、この取出ロータ9により取出された紙葉類を搬送する搬送路10(搬送手段)が配設されている。
【0017】
また、搬送路10中には紙葉類を検査し、裁断可能なものと、再検査が必要なものとに分類するための複数のセンサから成るセンサシステム11(第1の判別手段)が設けられている。
【0018】
センサシステム11より下流側の搬送路10には、図4にも示すようにセンサシステム11の検査結果に従って紙葉類を所定の方向へ搬送すべく複数の方向に分岐されて第1乃至第3の分岐搬送路10a〜10cが形成されている。搬送路10の各分岐部にはそれぞれ紙葉類の搬送方向を切り替えるための切替ゲート13a,13bが配設されている。
【0019】
第1の分岐搬送路10aの終端部には排除券集積庫(図2に示す)15が接続され、第2の分岐搬送路(第2の搬送手段)10bの終端部には裁断手段としての裁断部16が接続され、第3の分岐搬送路10cの終端部にはリジェクト庫17が接続されている。
【0020】
ところで、上記した第2の分岐搬送路10bの紙葉類搬送方向下流側には、図4に示すように紙葉類の搬送方向の長さ、厚さを検出する検出センサ(第2の判別手段)19が設けられている。
【0021】
また、第2の分岐搬送路10bの終端部には裁断部16の紙葉類導入口部16aを開閉する開閉手段としてのシャッタ21が設けられている。シャッタ21は図5に示すように所定間隔を存して対向配置されるシャッタ片21a,21bを有し、これらシャッタ片21a,21bはロータリーソレノイド23の駆動軸23aに取り付けられている。シャッタ片21a,21bには突起部21c,21dが突設され、これら突起部21c,21dはストッパ24に当接されるようになっている。駆動軸23aの基端部にはドグ25が一体的に取り付けられ、このドグ25はセンサ26によって光学的に検出されるようになっている。
【0022】
ロータリーソレノイド23は正逆方向に回転され、その正方向の回転によりシャッタ片21a,21bは矢印A方向に回動されてその突起部21c,21dをストッパ24に当接する。これにより、シャッタ片21a,21bは図6にも示すように起立して裁断部16の導入口部16aを開放するようになっている。
【0023】
また、ロータリーソレノイド23が逆方向に回転されると、シャッタ片21a,21bは矢印B方向に回動されて図7にも示すように傾斜した状態になって裁断部16の導入口部16aを閉塞するようになっている。
【0024】
なお、この閉塞時にはロータリーソレノイド23の駆動シャフト23aの基端部のドク25が検出センサ26によって検出されてシャッタ片21a,21bが閉じられたことが判別されるようになっている。
【0025】
図8乃至図10は、上記した投入口部2及びその内側の送り手段としての紙葉類取込部28を示すものである。
【0026】
紙葉類取込部28は投入口部2から投入される紙葉類を搬送路10に向かって挟持搬送するピンチローラ30と搬送ベルト31さらに、紙葉類の取込搬送をガイドするガイド体32を有して構成される。
【0027】
図11は上記した紙葉類裁断装置の駆動制御系を示すブロック図である。
【0028】
上記したモード設定ボタン6a、操作開始スイッチ6b、開閉チェックセンサ5a、裁断スイッチ3、検出スイッチ3、センサシステム11は、送信回路を介して制御部30に接続され、制御部30には制御回路を介して取出ロータ9、搬送経路部10、アラーム(警報手段)5b、裁断部16、ロータリーソレノイド23、切替ゲート13a、13bが接続されている。
【0029】
次に、上記したように構成された紙葉類処理装置の動作について説明する。
【0030】
まず、通常の処理モード時には、オペレータは紙葉類をホッパー8にセットし、ついで、モード設定ボタン6aにより通常の処理モードを設定して操作開始スイッチ6bをオンする。これにより、取出ロータ9が回転され、紙葉類群Sの最上位の紙葉類から一枚ずつ搬送路10上に取出される。この取り出された紙葉類は搬送路10に沿って搬送され、センサシステム11によって検査される。この検出結果に基づいて制御部30で裁断可能なものと再検査が必要なものとが判別される。そして、この判別結果に従って切替ゲート13a,13bがそれぞれ所定のタイミングで所定方向に切換えられる。この切替動作により、再検査が必要な紙葉類は第1の分岐路10aを介して排除券集積庫15に送られて集積され、裁断可能なものは第2の分岐路10bを介して裁断部16に搬送されて裁断される。
【0031】
なお、排除券集積庫15に送るべき紙葉類が誤って第2の分岐路10bに送られた場合には、第2の分岐ゲート13bの切替動作によりリジェクト庫17へ搬送されて集積される。
【0032】
また、上記した排除券集積部15及びリジェクト庫17に集積された紙葉類は、オペレータによって取り出されたのち、ホッパ8にセットされて再度処理される。
【0033】
次に、オフラインで紙葉類を裁断する場合について説明する。
【0034】
この場合には、モード設定ボタン6aによって通常の裁断モードからオフライン用の裁断モードに切り替える。こののち、投入口部2の開閉扉5の鍵を外して開閉扉5を開放する。この開放時には開閉チェックセンサ5aがオンされる。なお、通常の裁断モードでの処理中において投入口部2の開閉扉5が開放されたことが開閉チェックセンサ5aによって検出された場合には、処理を即時停止するとともにアラーム5bにより警報が発せられる。
【0035】
開閉扉5を開放したのち、投入口部2に紙葉類を投入する。この投入後、裁断スイッチ3をオンする。このスイッチオンにより、裁断部16の裁断刃が回転駆動され、裁断刃が所定の回転速度になったところで搬送経路部10が動作を開始する。
【0036】
これにより投入口部2に投入された紙葉類は、搬送ベルト31とピンチローラ30とによって挟持されて取り込まれ、搬送ガイド体32に沿って搬送路10に送り出されて搬送される。
【0037】
この紙葉類は切替えゲート13aによって第2の分岐搬送路10bに案内されて搬送され、その下流側で検出センサ19によって紙葉類の長さや厚みが検出される。この検出データは制御部30に送信されて紙葉類が所定の長さ、厚みであるか否かがチェックされる。
【0038】
紙葉類が所定の長さ、厚みであると判別された場合には、ロータリーソレノイド23が動作されてシャッタ羽根21a、21bが図5の矢印A方向に回転する。これにより、シャッタ羽根21a、21bの突起部21c、21dがストッパ24に当接して停止し、裁断部16の導入口部16aが開放される。紙葉類は開放された導入口部16aから裁断部16内に導入されて裁断されることになる。
【0039】
また、紙葉類が所定の長さ、厚みでないと判別された場合には、ロータリーソレノイド23が動作されてシャッタ羽根21a、21bがB方向に回転して搬送ローラ35に突き当たって停止し裁断部16の導入口部16aを閉塞する。これにより、紙葉類はシャッタ21a、21bに当接して裁断部16への導入が規制されることになる。この閉塞時にはドグ25がセンサ26の光軸を遮り、シャッタ21が動作したことが検出される。
【0040】
なお、上記した紙葉類の搬送速度が十分に遅い場合は、紙葉類の搬送を止めることで紙葉類の裁断を防ぐことができるが、紙葉類が裁断部16に運ばれる時間内に搬送を停止できない場合は、上記したように動作の速いシャッタ21で裁断部16の導入口部16aを閉塞することにより紙葉類の裁断を防ぐことが必要となる。
【0041】
上記したように、この実施の形態によれば、装置本体1の側面部に紙葉類の投入口部2を設けるため、装置本体1の安全カバーの外側から紙葉類を投入して裁断することができ、動力を遮断することなく、オペレータの安全性を確保することができる。
【0042】
また、投入口部2には開閉扉5を設けるため、開閉扉5を開放しなければ投入口部2から紙葉類を投入することができず、紙葉類の誤投入を防止することができる。
【0043】
さらに、投入された紙葉類の長さと厚みを検出センサ19によって検出するため、異常な紙葉類や誤って複数枚同時に投入された紙葉類を裁断してしまうことがない。
【0044】
なお、上記した実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0045】
1…装置本体、2…投入口部、3…裁断スチッチ、5…開閉手段、6a…モード設定手段、5a…開閉チェックセンサ、5b…アラーム(警報手段)、8…セット部、9…取出ロータ(取出手段)、10…第1の搬送手段、11…センサシステム(第1の判別手段)、10b…分岐搬送路(第2の搬送手段)、16a…導入口部、16…裁断部(裁断手段)、19…検出センサ(第2の判別手段)、21…シャッタ(遮蔽手段)、28…取込部(送り手段)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一側面部に紙葉類を投入させる投入口部を有する装置本体と、
前記投入口部を開閉する開閉手段と、
前記装置本体内に設けられ、紙葉類をセットするセット部と、
このセット部にセットされた紙葉類を取り出す取出手段と、
この取出手段によって取り出された紙葉類を搬送する第1の搬送手段と、
この第1の搬送手段によって搬送される紙葉類が裁断すべきものであるか否かを判別する第1の判別手段と、
前記投入口部から投入される紙葉類を搬送する第2の搬送手段と、
この第2の搬送手段によって搬送される紙葉類が裁断すべきものであるか否かを判別する第2の判別手段と、
前記第1或いは第2の判別手段によって裁断すべきものと判別された紙葉類を導入口部から導入させて裁断する裁断手段と、
前記第2の判別手段によって紙葉類が裁断すべきものでないと判別されたのに基づいて前記裁断手段の導入口部を遮蔽する遮蔽手段と
を具備することを特徴とする紙葉類裁断装置。
【請求項2】
前記第2の判別手段は、前記紙葉類の長さや厚みを検出し、その検出結果に基づいて前記紙葉類を裁断すべきか否かを判別することを特徴とする請求項1記載の紙葉類裁断装置。
【請求項3】
前記取出手段から紙葉類を取り出す第1のモード及び前記投入口部から投入された紙葉類を取り込む第2のモードを選択的に設定するモード設定手段と、
前記開閉手段の開閉をチェックするチェックセンサと、
前記第1のモードが設定された状態において前記チェックセンサにより前記開閉手段の開放が検出されたのに基づいて警報を発する警報手段と
を具備することを特徴とする請求項1記載の紙葉類裁断装置。
【請求項4】
前記投入口部から投入された紙葉類を取り込んで前記第2の搬送手段に送る送り手段を備えることを特徴とする請求項1記載の紙葉類裁断装置。
【請求項5】
前記投入口部の近傍に裁断スチッチを備えることを特徴とする請求項1記載の紙葉類裁断装置。
【請求項1】
一側面部に紙葉類を投入させる投入口部を有する装置本体と、
前記投入口部を開閉する開閉手段と、
前記装置本体内に設けられ、紙葉類をセットするセット部と、
このセット部にセットされた紙葉類を取り出す取出手段と、
この取出手段によって取り出された紙葉類を搬送する第1の搬送手段と、
この第1の搬送手段によって搬送される紙葉類が裁断すべきものであるか否かを判別する第1の判別手段と、
前記投入口部から投入される紙葉類を搬送する第2の搬送手段と、
この第2の搬送手段によって搬送される紙葉類が裁断すべきものであるか否かを判別する第2の判別手段と、
前記第1或いは第2の判別手段によって裁断すべきものと判別された紙葉類を導入口部から導入させて裁断する裁断手段と、
前記第2の判別手段によって紙葉類が裁断すべきものでないと判別されたのに基づいて前記裁断手段の導入口部を遮蔽する遮蔽手段と
を具備することを特徴とする紙葉類裁断装置。
【請求項2】
前記第2の判別手段は、前記紙葉類の長さや厚みを検出し、その検出結果に基づいて前記紙葉類を裁断すべきか否かを判別することを特徴とする請求項1記載の紙葉類裁断装置。
【請求項3】
前記取出手段から紙葉類を取り出す第1のモード及び前記投入口部から投入された紙葉類を取り込む第2のモードを選択的に設定するモード設定手段と、
前記開閉手段の開閉をチェックするチェックセンサと、
前記第1のモードが設定された状態において前記チェックセンサにより前記開閉手段の開放が検出されたのに基づいて警報を発する警報手段と
を具備することを特徴とする請求項1記載の紙葉類裁断装置。
【請求項4】
前記投入口部から投入された紙葉類を取り込んで前記第2の搬送手段に送る送り手段を備えることを特徴とする請求項1記載の紙葉類裁断装置。
【請求項5】
前記投入口部の近傍に裁断スチッチを備えることを特徴とする請求項1記載の紙葉類裁断装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−212401(P2012−212401A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−78682(P2011−78682)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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