紙葉類識別装置
【課題】単一の受光素子を用いて複数本の走査ラインに沿って紙幣の光学的情報を読み取り可能な透過型ホトセンサを備えた紙幣識別装置を提案すること。
【解決手段】紙幣識別装置１の透過型ホトセンサ７は、紙幣搬送路４を挟み、上側に配置した２個の発光素子１１、１２と、下側に配置した単一の受光素子１３および導光体１４を備えている。各発光素子１１、１２からの射出光は搬送される紙幣Ｐを各走査ライン２１、２２の位置で照射し、紙幣Ｐを通過した透過光は、集光部１５、１６を介して導光体１４に入射し、その内部を伝播して、下面に形成した反射面１７、１８で側方に直角に反射され、出射面１４ｃから射出して受光素子１３で受光される。走査ライン以外の位置に配置した単一の受光素子１３を用いて２本の走査ライン２１、２２に沿って紙幣Ｐの光学的情報を読み取ることができる。
【解決手段】紙幣識別装置１の透過型ホトセンサ７は、紙幣搬送路４を挟み、上側に配置した２個の発光素子１１、１２と、下側に配置した単一の受光素子１３および導光体１４を備えている。各発光素子１１、１２からの射出光は搬送される紙幣Ｐを各走査ライン２１、２２の位置で照射し、紙幣Ｐを通過した透過光は、集光部１５、１６を介して導光体１４に入射し、その内部を伝播して、下面に形成した反射面１７、１８で側方に直角に反射され、出射面１４ｃから射出して受光素子１３で受光される。走査ライン以外の位置に配置した単一の受光素子１３を用いて２本の走査ライン２１、２２に沿って紙幣Ｐの光学的情報を読み取ることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、紙幣、商品券、クーポン券などの各種の紙葉類の種類、真偽を識別するために、透過型ホトセンサを用いて紙葉類の異なる照射位置から得られる透過光を検出する紙葉類識別装置に関し、さらに詳しくは、透過型ホトセンサの受光素子数を削減でき、受光素子を紙葉類の照射位置から外れた位置に配置可能な紙葉類識別装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
紙葉類識別装置、例えば、自動販売機、遊技機などに搭載されている紙幣識別装置としては、紙幣挿入口から挿入された紙幣を内部に取り込み、定まった位置に配置されている透過型ホトセンサによって紙幣に担持されている光学的情報を読み取り、読み取った情報に基づき紙幣の種類、真偽などの識別を行うものが知られている。一般的には、紙幣の長辺方向に延びる複数の走査ラインに沿って紙幣の光学的情報を読み込み、これらに基づき識別が行われる。このため、各走査ラインに対応する位置に、発光素子および受光素子を備えた透過型ホトセンサが配置される。特許文献１には、３本の走査ラインに対応して３組の透過型ホトセンサが配置された紙幣識別装置が開示されている。
【０００３】
一方、特許文献２には、波長の異なる複数の光源からの光を、漏斗形状の導光体によって単一の受光素子に導くことにより、各光源からの光による紙幣の測定領域のずれを少なくして、紙幣識別精度の向上を図った紙幣識別装置が開示されている。
【特許文献１】特開２００３−１８７２９１号公報
【特許文献２】特開２００２−２６００５１号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
特許文献１に開示されているように、従来の紙幣識別装置では、紙幣の光学的情報を読み取るための各走査ライン上の各照射位置に対応する個数の透過型ホトセンサを配置する必要がある。また、各透過型ホトセンサの発光素子および受光素子を各走査ライン上の照射位置に対応した位置に対向配置する必要がある。したがって、複数の透過型ホトセンサを配置するためのスペースが必要であり、また、配置位置も定まっているので、部品レイアウトの自由度が低いという問題点がある。
【０００５】
特許文献２に開示の紙幣識別装置では、漏斗形状の導光体を用いることによって、波長の異なる複数の光源からの光を単一の受光素子に導くようにしている。この構成を採用すれば受光素子の個数を低減できる。しかし、紙幣搬送路を挟み、その厚さ方向に沿って、導光体および光源と、受光素子とが配列されているので、紙幣識別装置の厚さ寸法が増加してしまうという問題点がある。また、この場合においても、受光素子を紙幣の走査ライン上の照射位置に対応した位置に配置する必要があるので、部品レイアウトの自由度が低いという問題点がある。
【０００６】
本発明の課題は、このような点に鑑みて、厚さ寸法の増加を招くことなく透過型ホトセンサの受光素子数を削減でき、同時に、受光素子の配置位置についての制約も緩和できるようにした紙幣識別装置を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
上記の課題を解決するために、本発明は、透過型ホトセンサにより、紙葉類の複数の位置に光を照射し、紙葉類に担持されている光学的情報を読み取り、当該光学的情報に基づき紙葉類の識別を行う紙葉類識別装置において、前記透過型ホトセンサは、発光素子と、受光素子と、導光手段とを有し、前記導光手段は、前記発光素子からの射出光が照射する紙葉類の複数の照射位置から得られる複数の透過光を、ほぼ直交方向に折り曲げると共に、少なくとも二つの透過光を合成して、前記透過光の数より少ない個数の前記受光素子に導くことを特徴としている。
【０００８】
本発明では、紙幣などの紙葉類に担持されている光学的情報を読み取るための複数の走査ライン上の各照射位置から得られる紙葉類の透過光が導光手段に入射する。導光手段に入射した各透過光は、その内部をほぼ直角に折り曲げられた方向に導かれ、少なくとも二つの透過光が合成され、入力側よりも少ない本数の透過光となって受光素子に導かれる。例えば、複数の透過光が単一の透過光に合成されて単一の受光素子に導かれる。
【０００９】
したがって、透過光の数、すなわち、走査ラインの本数(照射位置の数)より少ない個数の受光素子を設ければよいので、設置スペースを削減できる。また、導光手段によって、各発光素子からの射出光はほぼ直角に折り曲げられた方向に導かれるので、受光素子を走査ライン上の照射位置に対峙する位置から側方に外れた位置に配置できる。このため、紙幣搬送路の厚さ方向に沿って、発光素子、導光手段および受光素子を配列する必要がないので、装置の厚さ寸法の増加を回避でき、受光素子の配置位置の制約も緩和される。
【００１０】
ここで、本発明では、前記導光手段は、各発光素子からの射出光を集光させるための複数の集光用光学素子と、各集光用光学素子からの射出光が内部を伝播する導光用光学素子と、当該導光用光学素子内を伝播する各光を前記受光素子に向けて反射する複数の反射用光学素子とを備えていることを特徴としている。この場合、前記導光用光学素子には、前記反射用光学素子および前記集光用光学素子のうち、少なくとも一方を一体成形しておくことができる。
【００１１】
また、紙幣の識別を行う紙葉類識別装置では、前記透過型ホトセンサは、識別対象の矩形の紙葉類における短辺方向の異なる位置を長辺方向に延びる複数の走査ラインに沿って光学的情報を読み取るようになっている。この場合には、前記発光素子を、前記走査ライン上の照射位置に対峙した位置に配置し、前記受光素子を、複数の前記走査ラインの側方に外れた位置に配置し、前記導光用光学素子を、複数の前記走査ラインに交差する状態に配置すればよい。
【００１２】
このような配置を実現するためには、前記導光用光学素子として、入射面と、当該入射面に直交している出射面と、前記入射面に対峙している対向面とを備えたものを採用し、前記入射面には各発光素子を対峙させ、前記出射面には前記受光素子を対峙させ、前記対向面には、入射した光を直角に折り曲げて前記出射面に導くための前記反射用光学素子として機能する複数の反射面を形成しておけばよい。
【発明の効果】
【００１３】
本発明の紙葉類識別装置の透過型ホトセンサでは、識別対象の紙葉類における複数の照射位置から得られる複数の透過光を導光手段によってほぼ直角に折り曲げた方向に導くと共に、少なくとも二つの透過光を合成して、透過光の数(照射位置の数)より少ない個数の受光素子に入射させるようにしている。
【００１４】
したがって、照射位置に対応する個数の受光素子を配置する必要がなく、その個数を削減できるので、その分、透過型ホトセンサの設置スペースを少なくできる。また、受光素子を走査ライン上の照射位置に対峙した位置に配置する必要が無いので、部品レイアウトの自由度も高まる。さらに、受光素子を走査ラインの側方に配置できるので、装置の厚さ寸法の増加も抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１５】
以下に、図面を参照して、本発明を適用した紙葉類識別装置の実施の形態を説明する。
【００１６】
図１は本発明を適用した紙幣識別装置を示す全体構成図である。本例の紙幣識別装置１は、その装置ハウジング２の前面に形成した紙幣挿入口３と、ここから挿入された紙幣Ｐを搬送するための紙幣搬送路４と、この紙幣搬送路４に沿って紙幣Ｐをその長辺方向に搬送する紙幣搬送機構５とを有している。紙幣搬送路４における紙幣挿入口３の近傍には、当該紙幣挿入口３に紙幣Ｐが挿入されたか否かを検出するための入口センサ６が配置されている。
【００１７】
紙幣搬送路４の途中位置には、紙幣搬送機構５によって紙幣搬送路４に沿って搬送される紙幣Ｐに担持されている光学的情報(透過光の強弱パターン)を読み取るための透過型ホトセンサ７が配置されている。透過型ホトセンサ７の詳細については後述する。
【００１８】
入口センサ６の検出信号および透過型ホトセンサ７の読取情報は、制御ユニット１０に供給される。制御ユニット１０は、マイクロコンピュータを中心に構成されており、入口センサ６によって紙幣Ｐが挿入されたことを検出すると、紙幣搬送機構５を駆動して、挿入された紙幣Ｐの先端をくわえ込み、紙幣搬送路４に沿って送り込む。また、透過型ホトセンサ７によって搬送される紙幣Ｐの光学的情報を読み取り、この光学的情報に基づき紙幣Ｐの種類、真偽、受入可否の識別処理を行う。紙幣の識別処理においては、透過型ホトセンサ７により読み取られた光学的情報を、予め設定されている判定基準などの識別仕様と照合することにより、挿入紙幣Ｐの識別処理を行う。
【００１９】
制御ユニット１０は、受入可能な真札が挿入されたことを検出すると、紙幣搬送路４の後端４ａから後段側の紙幣収納部(図示せず)に紙幣Ｐを送り出す。受入不可の紙幣であると識別された場合には、紙幣搬送機構５によって紙幣Ｐを逆方向に搬送して、紙幣挿入口３から紙幣Ｐを排出する。
【００２０】
図２(ａ)および(ｂ)は、透過型ホトセンサ７の概略構成を示す斜視図および側面図である。本例の透過型ホトセンサ７は、紙幣搬送路４を挟み、その上側に配置された２個の発光素子１１、１２と、その下側に配置された１個の受光素子１３および導光体１４とを備えている。下側に配置されている導光体１４は細長い矩形断面のプラスチック成形品あるいはガラス成形品であり、紙幣搬送路４の直下を、当該紙幣搬送路４に沿ってその幅方向に延びている。
【００２１】
導光体１４の上面は、各発光素子１１、１２からの射出光のうち、紙幣Ｐを通過した透過光成分が入射する入射面１４ａである。入射面１４ａにおける各発光素子１１、１２に対峙する部位には、凸レンズ状に上方に突出した集光部１５、１６が一体形成されている。導光体１４の下面１４ｂには、各集光部１５、１６に対峙する部分に傾斜面が形成されており、これらの傾斜面は外側から反射膜がコーティングされた反射面１７、１８となっている。集光部１５および１６を介して導光体１４の内部に入射した各光は、反射面１７、１８において直角に反射されて同一方向に導かれる。
【００２２】
導光体１４の一方の端面は紙幣搬送路４の厚さ方向に延びる出射面１４ｃであり、各反射面１７、１８で反射された反射光は、導光体１４の内部を通って、この出射面１４ｃから射出する。この出射面１４ｃには受光素子１３が対峙しており、出射面１４ｃから射出した光が受光素子１３に集光するようになっている。
【００２３】
このように構成した透過型ホトセンサ７による紙幣Ｐの読取動作を説明する。紙幣搬送機構５によって紙幣Ｐが紙幣搬送路４に沿ってその長手方向に搬送を開始されると、各発光素子１１、１２が発光して、これらからの射出光が各集光部１５、１６を介して導光体１４の内部に入射し、各反射面１７、１８によって直角に折り曲げられた後に、導光体１４の出射面１４ｃから側方に射出して、単一の受光素子１３の受光面を照射した状態になる。
【００２４】
搬送される紙幣Ｐが、各発光素子１１、１２と集光部１５、１６との間の位置を通過して搬送されと、当該紙幣Ｐにおける短辺方向に離れた位置を長辺方向(搬送方向)に延びる走査ライン２１、２２上の照射位置Ｐ１、Ｐ２に、各発光素子１１、１２からの射出光が照射する。照射位置Ｐ１、Ｐ２における紙幣の透過光が導光体１４に入射して、直角に折り曲げられた後に合成されて、単一の受光素子１３で受光され、当該紙幣Ｐの光学的情報が読み取られる。すなわち、各走査ライン２１、２２に沿った紙幣Ｐの透過光の強弱パターンが受光素子１３から読み取られる。これらの読取情報に基づき紙幣Ｐの種類、真偽などが識別される。
【００２５】
ここで、導光体１４に、特定波長の光成分を吸収あるいは減衰可能な光学特性を付与することにより、発光素子１１の射出光から不要光成分を除去あるいは減衰させることができる。導光体１４に付与されるフィルタ特性あるいは減衰特性を適切に設定すれば、受光素子１３から得られる検出信号のＳ／Ｎ比を高めて検出精度を上げることができる。また、導光体１４としては、入射側が複数に分岐した光ファイバを用いることもできる。さらに、反射面１７、１８および集光部１５、１６は、導光体１４に一体成形せずに、別部品として製造して配置してもよい。勿論、反射面あるいは集光部のみを導光体に一体成形してもよい。
【００２６】
以上説明したように、本例の紙幣識別装置１においては、導光体１４を用いて、複数の照射位置Ｐ１、Ｐ２における紙幣Ｐから得られる透過光を、ほぼ直角に折り曲げた後に合成して単一の受光素子１３に導くようになっている。このため、単一の受光素子１３のみで複数の走査ラインに対応できるので、走査ライン上の照射位置に対応する個数の発光素子を配置する場合に比べて、透過型ホトセンサのための設置スペースが少なくて済む。また、受光素子１３は走査ライン上の照射位置に対峙する位置に配置する必要がないので、部品レイアウトの自由度も高まる。さらには、受光素子１３が、紙幣搬送路４の幅方向に配置した導光体１４の側方に位置しているので、紙幣搬送路４の厚さ方向の設置スペースが少なくて済み、装置の厚さ寸法の増加を回避できる。
【００２７】
なお、本例では、２個の発光素子１１、１２と、１個の受光素子１３とを備えているが、３個以上の発光素子を配置し、３箇所以上の紙幣照射位置から得られる透過光を導光体を介して受光素子に導くようにしてもよい。この場合、複数の透過光を一つに合成して単一の受光素子に導くことができる。また、複数の透過光の少なくとも二つを合成して、複数の受光素子に導くこともできる。いずれの場合においても、受光素子を、透過光の数、すなわち紙幣照射位置より少ない個数とすることができる。
【００２８】
次に、図３には本発明を適用した紙幣識別装置の透過型ホトセンサの別の実施の形態を示してある。この図に示す紙幣識別装置の透過型ホトセンサ３０では、紙幣搬送路４を挟み、その上側に、波長の異なる光を射出する３個の発光素子３１〜３３と、これらの発光素子３１〜３３からの射出光を、紙幣Ｐの搬送方向Ａに沿って延びる３本の走査ライン４１〜４３に導くための発光側導光体５１〜５３が配置され、その下側に、３個の受光素子６１〜６３と、各走査ライン４１〜４３において紙幣Ｐを通過した各透過光を各受光素子６１〜６３に導くための受光側導光体７１〜７３とを有している。
【００２９】
発光側導光体５１〜５３は同一構成であり、一定の間隔で紙幣搬送方向Ａに直交する方向(紙幣搬送路４の幅方向)に平行に配列されている。各発光側導光体５１〜５３は、発光素子３１〜３３の射出光が入射する入射面５０ａと、その上面における３本の走査ライン４１〜４３に対応する位置に形成されている反射面５０ｂと、その下面における各走査ライン４１〜４３の照射位置に対応する位置に形成されている集光部９１〜９３とを備えている。発光素子３１〜３３からの射出光は、各発光側導光体５１〜５３内を伝播して、反射面５０ｂにおいて下方に直角に反射され、集光部９１〜９３を介して射出して、搬送される紙幣Ｐを、各走査ライン４１〜４３上の合計９箇所の照射位置において照射する。
【００３０】
紙幣Ｐを通過した各透過光を受光する受光側導光体７１〜７３は、紙幣搬送方向Ａに沿って一定の間隔で平行に配列されており、上側の発光側導光体５１〜５３とは直交している。これら受光側導光体７１〜７３は、図２に示す導光体１４と基本的に同一であるが、反射面７０ａ、および集光部７０ｂが３本の走査ライン４１〜４３に対応させて３ヶ所に形成されている点が相違している。
【００３１】
本例の透過型ホトセンサ３０では、発光素子３１からの射出光は、３本の走査ライン４１〜４３上の３箇所の照射位置で紙幣Ｐを照射し、紙幣Ｐを通過した透過光が各受光側導光体７１〜７３によって３個の受光素子６１〜６３に導かれる。同様に、異なる波長の発光素子３２、３３からの射出光は、それぞれ、３本の走査ライン４１〜４３上の３箇所の照射位置で紙幣Ｐを照射し、紙幣Ｐを通過した透過光が各受光側導光体７１〜７３によって３個の受光素子６１〜６３に導かれる。したがって、波長の異なる各発光素子３１〜３３からの射出光が、それぞれ、同一の走査ライン４１〜４３上の照射位置で紙幣Ｐを照射し、それらの透過光が同一の受光素子６１〜６３においてそれぞれ受光される。
【００３２】
このように構成した本例の透過型ホトセンサ３０を用いれば３個の発光素子と３個の受光素子を用いて９箇所の照射位置で紙幣Ｐの光学的情報を読み取ることができる。９個の発光素子および９個の受光素子が必要であった従来の構成に比べて、設置スペースを大幅に削減できる。また、発光素子および受光素子を走査ライン上の照射位置に対峙させて設置する必要が無いので、それらの設置場所の制約も緩和される。さらには、発光素子および受光素子は、紙幣搬送路４の側方あるいは前後の部位に配置すればよいので、その厚さ方向の設置スペースも少なくて済み、装置の厚さ寸法の増加も回避できる。
【００３３】
ここで、各発光側導光体および各受光側導光体は、対応する発光素子の射出光の透過性に優れ、それ以外の波長の光を減衰あるいは吸収可能な光学特性を備えたものとすることが望ましい。
【００３４】
なお、上記の各例は紙幣識別装置に関するものであるが、紙幣以外のクーポン券などの紙葉類の識別を行う紙葉類識別装置に対しても、本発明を同様に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【００３５】
【図１】本発明を適用した紙幣識別装置を示す全体構成図である。
【図２】(ａ)および(ｂ)は、透過型ホトセンサの概略構成を示す斜視図および側面図である。
【図３】本発明を適用した透過型センサの別の例を示す斜視図および側面図である。
【符号の説明】
【００３６】
１ 紙幣識別装置
２ 装置ハウジング
３ 紙幣挿入口
４ 紙幣搬送路
５ 紙幣搬送機構
６ 入口センサ
７ 透過型ホトセンサ
１０ 制御ユニット
１１、１２ 発光素子
１３ 受光素子
１４ 導光体
１４ａ 入射面
１４ｂ 下面
１４ｃ 出射面
１５、１６ 集光部
１７、１８ 反射面
２１、２２ 走査ライン
Ｐ 紙幣
Ｐ１、Ｐ２ 照射位置
３０ 透過型ホトセンサ
３１〜３３ 発光素子
４１〜４３ 走査ライン
５０ａ 入射面
５０ｂ 反射面
５１〜５３ 発光側導光体
６１〜６３ 受光素子
７０ａ 反射面
７０ｂ 集光部
７１〜７３ 受光側導光体
９１〜９３ 集光部
【技術分野】
【０００１】
本発明は、紙幣、商品券、クーポン券などの各種の紙葉類の種類、真偽を識別するために、透過型ホトセンサを用いて紙葉類の異なる照射位置から得られる透過光を検出する紙葉類識別装置に関し、さらに詳しくは、透過型ホトセンサの受光素子数を削減でき、受光素子を紙葉類の照射位置から外れた位置に配置可能な紙葉類識別装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
紙葉類識別装置、例えば、自動販売機、遊技機などに搭載されている紙幣識別装置としては、紙幣挿入口から挿入された紙幣を内部に取り込み、定まった位置に配置されている透過型ホトセンサによって紙幣に担持されている光学的情報を読み取り、読み取った情報に基づき紙幣の種類、真偽などの識別を行うものが知られている。一般的には、紙幣の長辺方向に延びる複数の走査ラインに沿って紙幣の光学的情報を読み込み、これらに基づき識別が行われる。このため、各走査ラインに対応する位置に、発光素子および受光素子を備えた透過型ホトセンサが配置される。特許文献１には、３本の走査ラインに対応して３組の透過型ホトセンサが配置された紙幣識別装置が開示されている。
【０００３】
一方、特許文献２には、波長の異なる複数の光源からの光を、漏斗形状の導光体によって単一の受光素子に導くことにより、各光源からの光による紙幣の測定領域のずれを少なくして、紙幣識別精度の向上を図った紙幣識別装置が開示されている。
【特許文献１】特開２００３−１８７２９１号公報
【特許文献２】特開２００２−２６００５１号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
特許文献１に開示されているように、従来の紙幣識別装置では、紙幣の光学的情報を読み取るための各走査ライン上の各照射位置に対応する個数の透過型ホトセンサを配置する必要がある。また、各透過型ホトセンサの発光素子および受光素子を各走査ライン上の照射位置に対応した位置に対向配置する必要がある。したがって、複数の透過型ホトセンサを配置するためのスペースが必要であり、また、配置位置も定まっているので、部品レイアウトの自由度が低いという問題点がある。
【０００５】
特許文献２に開示の紙幣識別装置では、漏斗形状の導光体を用いることによって、波長の異なる複数の光源からの光を単一の受光素子に導くようにしている。この構成を採用すれば受光素子の個数を低減できる。しかし、紙幣搬送路を挟み、その厚さ方向に沿って、導光体および光源と、受光素子とが配列されているので、紙幣識別装置の厚さ寸法が増加してしまうという問題点がある。また、この場合においても、受光素子を紙幣の走査ライン上の照射位置に対応した位置に配置する必要があるので、部品レイアウトの自由度が低いという問題点がある。
【０００６】
本発明の課題は、このような点に鑑みて、厚さ寸法の増加を招くことなく透過型ホトセンサの受光素子数を削減でき、同時に、受光素子の配置位置についての制約も緩和できるようにした紙幣識別装置を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
上記の課題を解決するために、本発明は、透過型ホトセンサにより、紙葉類の複数の位置に光を照射し、紙葉類に担持されている光学的情報を読み取り、当該光学的情報に基づき紙葉類の識別を行う紙葉類識別装置において、前記透過型ホトセンサは、発光素子と、受光素子と、導光手段とを有し、前記導光手段は、前記発光素子からの射出光が照射する紙葉類の複数の照射位置から得られる複数の透過光を、ほぼ直交方向に折り曲げると共に、少なくとも二つの透過光を合成して、前記透過光の数より少ない個数の前記受光素子に導くことを特徴としている。
【０００８】
本発明では、紙幣などの紙葉類に担持されている光学的情報を読み取るための複数の走査ライン上の各照射位置から得られる紙葉類の透過光が導光手段に入射する。導光手段に入射した各透過光は、その内部をほぼ直角に折り曲げられた方向に導かれ、少なくとも二つの透過光が合成され、入力側よりも少ない本数の透過光となって受光素子に導かれる。例えば、複数の透過光が単一の透過光に合成されて単一の受光素子に導かれる。
【０００９】
したがって、透過光の数、すなわち、走査ラインの本数(照射位置の数)より少ない個数の受光素子を設ければよいので、設置スペースを削減できる。また、導光手段によって、各発光素子からの射出光はほぼ直角に折り曲げられた方向に導かれるので、受光素子を走査ライン上の照射位置に対峙する位置から側方に外れた位置に配置できる。このため、紙幣搬送路の厚さ方向に沿って、発光素子、導光手段および受光素子を配列する必要がないので、装置の厚さ寸法の増加を回避でき、受光素子の配置位置の制約も緩和される。
【００１０】
ここで、本発明では、前記導光手段は、各発光素子からの射出光を集光させるための複数の集光用光学素子と、各集光用光学素子からの射出光が内部を伝播する導光用光学素子と、当該導光用光学素子内を伝播する各光を前記受光素子に向けて反射する複数の反射用光学素子とを備えていることを特徴としている。この場合、前記導光用光学素子には、前記反射用光学素子および前記集光用光学素子のうち、少なくとも一方を一体成形しておくことができる。
【００１１】
また、紙幣の識別を行う紙葉類識別装置では、前記透過型ホトセンサは、識別対象の矩形の紙葉類における短辺方向の異なる位置を長辺方向に延びる複数の走査ラインに沿って光学的情報を読み取るようになっている。この場合には、前記発光素子を、前記走査ライン上の照射位置に対峙した位置に配置し、前記受光素子を、複数の前記走査ラインの側方に外れた位置に配置し、前記導光用光学素子を、複数の前記走査ラインに交差する状態に配置すればよい。
【００１２】
このような配置を実現するためには、前記導光用光学素子として、入射面と、当該入射面に直交している出射面と、前記入射面に対峙している対向面とを備えたものを採用し、前記入射面には各発光素子を対峙させ、前記出射面には前記受光素子を対峙させ、前記対向面には、入射した光を直角に折り曲げて前記出射面に導くための前記反射用光学素子として機能する複数の反射面を形成しておけばよい。
【発明の効果】
【００１３】
本発明の紙葉類識別装置の透過型ホトセンサでは、識別対象の紙葉類における複数の照射位置から得られる複数の透過光を導光手段によってほぼ直角に折り曲げた方向に導くと共に、少なくとも二つの透過光を合成して、透過光の数(照射位置の数)より少ない個数の受光素子に入射させるようにしている。
【００１４】
したがって、照射位置に対応する個数の受光素子を配置する必要がなく、その個数を削減できるので、その分、透過型ホトセンサの設置スペースを少なくできる。また、受光素子を走査ライン上の照射位置に対峙した位置に配置する必要が無いので、部品レイアウトの自由度も高まる。さらに、受光素子を走査ラインの側方に配置できるので、装置の厚さ寸法の増加も抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１５】
以下に、図面を参照して、本発明を適用した紙葉類識別装置の実施の形態を説明する。
【００１６】
図１は本発明を適用した紙幣識別装置を示す全体構成図である。本例の紙幣識別装置１は、その装置ハウジング２の前面に形成した紙幣挿入口３と、ここから挿入された紙幣Ｐを搬送するための紙幣搬送路４と、この紙幣搬送路４に沿って紙幣Ｐをその長辺方向に搬送する紙幣搬送機構５とを有している。紙幣搬送路４における紙幣挿入口３の近傍には、当該紙幣挿入口３に紙幣Ｐが挿入されたか否かを検出するための入口センサ６が配置されている。
【００１７】
紙幣搬送路４の途中位置には、紙幣搬送機構５によって紙幣搬送路４に沿って搬送される紙幣Ｐに担持されている光学的情報(透過光の強弱パターン)を読み取るための透過型ホトセンサ７が配置されている。透過型ホトセンサ７の詳細については後述する。
【００１８】
入口センサ６の検出信号および透過型ホトセンサ７の読取情報は、制御ユニット１０に供給される。制御ユニット１０は、マイクロコンピュータを中心に構成されており、入口センサ６によって紙幣Ｐが挿入されたことを検出すると、紙幣搬送機構５を駆動して、挿入された紙幣Ｐの先端をくわえ込み、紙幣搬送路４に沿って送り込む。また、透過型ホトセンサ７によって搬送される紙幣Ｐの光学的情報を読み取り、この光学的情報に基づき紙幣Ｐの種類、真偽、受入可否の識別処理を行う。紙幣の識別処理においては、透過型ホトセンサ７により読み取られた光学的情報を、予め設定されている判定基準などの識別仕様と照合することにより、挿入紙幣Ｐの識別処理を行う。
【００１９】
制御ユニット１０は、受入可能な真札が挿入されたことを検出すると、紙幣搬送路４の後端４ａから後段側の紙幣収納部(図示せず)に紙幣Ｐを送り出す。受入不可の紙幣であると識別された場合には、紙幣搬送機構５によって紙幣Ｐを逆方向に搬送して、紙幣挿入口３から紙幣Ｐを排出する。
【００２０】
図２(ａ)および(ｂ)は、透過型ホトセンサ７の概略構成を示す斜視図および側面図である。本例の透過型ホトセンサ７は、紙幣搬送路４を挟み、その上側に配置された２個の発光素子１１、１２と、その下側に配置された１個の受光素子１３および導光体１４とを備えている。下側に配置されている導光体１４は細長い矩形断面のプラスチック成形品あるいはガラス成形品であり、紙幣搬送路４の直下を、当該紙幣搬送路４に沿ってその幅方向に延びている。
【００２１】
導光体１４の上面は、各発光素子１１、１２からの射出光のうち、紙幣Ｐを通過した透過光成分が入射する入射面１４ａである。入射面１４ａにおける各発光素子１１、１２に対峙する部位には、凸レンズ状に上方に突出した集光部１５、１６が一体形成されている。導光体１４の下面１４ｂには、各集光部１５、１６に対峙する部分に傾斜面が形成されており、これらの傾斜面は外側から反射膜がコーティングされた反射面１７、１８となっている。集光部１５および１６を介して導光体１４の内部に入射した各光は、反射面１７、１８において直角に反射されて同一方向に導かれる。
【００２２】
導光体１４の一方の端面は紙幣搬送路４の厚さ方向に延びる出射面１４ｃであり、各反射面１７、１８で反射された反射光は、導光体１４の内部を通って、この出射面１４ｃから射出する。この出射面１４ｃには受光素子１３が対峙しており、出射面１４ｃから射出した光が受光素子１３に集光するようになっている。
【００２３】
このように構成した透過型ホトセンサ７による紙幣Ｐの読取動作を説明する。紙幣搬送機構５によって紙幣Ｐが紙幣搬送路４に沿ってその長手方向に搬送を開始されると、各発光素子１１、１２が発光して、これらからの射出光が各集光部１５、１６を介して導光体１４の内部に入射し、各反射面１７、１８によって直角に折り曲げられた後に、導光体１４の出射面１４ｃから側方に射出して、単一の受光素子１３の受光面を照射した状態になる。
【００２４】
搬送される紙幣Ｐが、各発光素子１１、１２と集光部１５、１６との間の位置を通過して搬送されと、当該紙幣Ｐにおける短辺方向に離れた位置を長辺方向(搬送方向)に延びる走査ライン２１、２２上の照射位置Ｐ１、Ｐ２に、各発光素子１１、１２からの射出光が照射する。照射位置Ｐ１、Ｐ２における紙幣の透過光が導光体１４に入射して、直角に折り曲げられた後に合成されて、単一の受光素子１３で受光され、当該紙幣Ｐの光学的情報が読み取られる。すなわち、各走査ライン２１、２２に沿った紙幣Ｐの透過光の強弱パターンが受光素子１３から読み取られる。これらの読取情報に基づき紙幣Ｐの種類、真偽などが識別される。
【００２５】
ここで、導光体１４に、特定波長の光成分を吸収あるいは減衰可能な光学特性を付与することにより、発光素子１１の射出光から不要光成分を除去あるいは減衰させることができる。導光体１４に付与されるフィルタ特性あるいは減衰特性を適切に設定すれば、受光素子１３から得られる検出信号のＳ／Ｎ比を高めて検出精度を上げることができる。また、導光体１４としては、入射側が複数に分岐した光ファイバを用いることもできる。さらに、反射面１７、１８および集光部１５、１６は、導光体１４に一体成形せずに、別部品として製造して配置してもよい。勿論、反射面あるいは集光部のみを導光体に一体成形してもよい。
【００２６】
以上説明したように、本例の紙幣識別装置１においては、導光体１４を用いて、複数の照射位置Ｐ１、Ｐ２における紙幣Ｐから得られる透過光を、ほぼ直角に折り曲げた後に合成して単一の受光素子１３に導くようになっている。このため、単一の受光素子１３のみで複数の走査ラインに対応できるので、走査ライン上の照射位置に対応する個数の発光素子を配置する場合に比べて、透過型ホトセンサのための設置スペースが少なくて済む。また、受光素子１３は走査ライン上の照射位置に対峙する位置に配置する必要がないので、部品レイアウトの自由度も高まる。さらには、受光素子１３が、紙幣搬送路４の幅方向に配置した導光体１４の側方に位置しているので、紙幣搬送路４の厚さ方向の設置スペースが少なくて済み、装置の厚さ寸法の増加を回避できる。
【００２７】
なお、本例では、２個の発光素子１１、１２と、１個の受光素子１３とを備えているが、３個以上の発光素子を配置し、３箇所以上の紙幣照射位置から得られる透過光を導光体を介して受光素子に導くようにしてもよい。この場合、複数の透過光を一つに合成して単一の受光素子に導くことができる。また、複数の透過光の少なくとも二つを合成して、複数の受光素子に導くこともできる。いずれの場合においても、受光素子を、透過光の数、すなわち紙幣照射位置より少ない個数とすることができる。
【００２８】
次に、図３には本発明を適用した紙幣識別装置の透過型ホトセンサの別の実施の形態を示してある。この図に示す紙幣識別装置の透過型ホトセンサ３０では、紙幣搬送路４を挟み、その上側に、波長の異なる光を射出する３個の発光素子３１〜３３と、これらの発光素子３１〜３３からの射出光を、紙幣Ｐの搬送方向Ａに沿って延びる３本の走査ライン４１〜４３に導くための発光側導光体５１〜５３が配置され、その下側に、３個の受光素子６１〜６３と、各走査ライン４１〜４３において紙幣Ｐを通過した各透過光を各受光素子６１〜６３に導くための受光側導光体７１〜７３とを有している。
【００２９】
発光側導光体５１〜５３は同一構成であり、一定の間隔で紙幣搬送方向Ａに直交する方向(紙幣搬送路４の幅方向)に平行に配列されている。各発光側導光体５１〜５３は、発光素子３１〜３３の射出光が入射する入射面５０ａと、その上面における３本の走査ライン４１〜４３に対応する位置に形成されている反射面５０ｂと、その下面における各走査ライン４１〜４３の照射位置に対応する位置に形成されている集光部９１〜９３とを備えている。発光素子３１〜３３からの射出光は、各発光側導光体５１〜５３内を伝播して、反射面５０ｂにおいて下方に直角に反射され、集光部９１〜９３を介して射出して、搬送される紙幣Ｐを、各走査ライン４１〜４３上の合計９箇所の照射位置において照射する。
【００３０】
紙幣Ｐを通過した各透過光を受光する受光側導光体７１〜７３は、紙幣搬送方向Ａに沿って一定の間隔で平行に配列されており、上側の発光側導光体５１〜５３とは直交している。これら受光側導光体７１〜７３は、図２に示す導光体１４と基本的に同一であるが、反射面７０ａ、および集光部７０ｂが３本の走査ライン４１〜４３に対応させて３ヶ所に形成されている点が相違している。
【００３１】
本例の透過型ホトセンサ３０では、発光素子３１からの射出光は、３本の走査ライン４１〜４３上の３箇所の照射位置で紙幣Ｐを照射し、紙幣Ｐを通過した透過光が各受光側導光体７１〜７３によって３個の受光素子６１〜６３に導かれる。同様に、異なる波長の発光素子３２、３３からの射出光は、それぞれ、３本の走査ライン４１〜４３上の３箇所の照射位置で紙幣Ｐを照射し、紙幣Ｐを通過した透過光が各受光側導光体７１〜７３によって３個の受光素子６１〜６３に導かれる。したがって、波長の異なる各発光素子３１〜３３からの射出光が、それぞれ、同一の走査ライン４１〜４３上の照射位置で紙幣Ｐを照射し、それらの透過光が同一の受光素子６１〜６３においてそれぞれ受光される。
【００３２】
このように構成した本例の透過型ホトセンサ３０を用いれば３個の発光素子と３個の受光素子を用いて９箇所の照射位置で紙幣Ｐの光学的情報を読み取ることができる。９個の発光素子および９個の受光素子が必要であった従来の構成に比べて、設置スペースを大幅に削減できる。また、発光素子および受光素子を走査ライン上の照射位置に対峙させて設置する必要が無いので、それらの設置場所の制約も緩和される。さらには、発光素子および受光素子は、紙幣搬送路４の側方あるいは前後の部位に配置すればよいので、その厚さ方向の設置スペースも少なくて済み、装置の厚さ寸法の増加も回避できる。
【００３３】
ここで、各発光側導光体および各受光側導光体は、対応する発光素子の射出光の透過性に優れ、それ以外の波長の光を減衰あるいは吸収可能な光学特性を備えたものとすることが望ましい。
【００３４】
なお、上記の各例は紙幣識別装置に関するものであるが、紙幣以外のクーポン券などの紙葉類の識別を行う紙葉類識別装置に対しても、本発明を同様に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【００３５】
【図１】本発明を適用した紙幣識別装置を示す全体構成図である。
【図２】(ａ)および(ｂ)は、透過型ホトセンサの概略構成を示す斜視図および側面図である。
【図３】本発明を適用した透過型センサの別の例を示す斜視図および側面図である。
【符号の説明】
【００３６】
１ 紙幣識別装置
２ 装置ハウジング
３ 紙幣挿入口
４ 紙幣搬送路
５ 紙幣搬送機構
６ 入口センサ
７ 透過型ホトセンサ
１０ 制御ユニット
１１、１２ 発光素子
１３ 受光素子
１４ 導光体
１４ａ 入射面
１４ｂ 下面
１４ｃ 出射面
１５、１６ 集光部
１７、１８ 反射面
２１、２２ 走査ライン
Ｐ 紙幣
Ｐ１、Ｐ２ 照射位置
３０ 透過型ホトセンサ
３１〜３３ 発光素子
４１〜４３ 走査ライン
５０ａ 入射面
５０ｂ 反射面
５１〜５３ 発光側導光体
６１〜６３ 受光素子
７０ａ 反射面
７０ｂ 集光部
７１〜７３ 受光側導光体
９１〜９３ 集光部
【特許請求の範囲】
【請求項１】
透過型ホトセンサにより、紙葉類の複数の位置に光を照射し、紙葉類に担持されている光学的情報を読み取り、当該光学的情報に基づき紙葉類の識別を行う紙葉類識別装置において、
前記透過型ホトセンサは、発光素子と、受光素子と、導光手段とを有し、
前記導光手段は、前記発光素子からの射出光が照射する紙葉類の複数の照射位置から得られる複数の透過光を、ほぼ直交方向に折り曲げると共に、少なくとも二つの透過光を合成して、前記透過光の数より少ない個数の前記受光素子に導くことを特徴とする紙葉類識別装置。
【請求項２】
請求項１において、
前記導光手段は、各照射位置からの透過光を集光させるための複数の集光用光学素子と、各集光用光学素子からの射出光が内部を伝播する導光用光学素子と、当該導光用光学素子内を伝播する各光を前記受光素子に向けて反射する複数の反射用光学素子とを備えていることを特徴とする紙葉類識別装置。
【請求項３】
請求項２において、
前記導光用光学素子には、前記反射用光学素子および前記集光用光学素子のうち、少なくとも一方が一体成形されていることを特徴とする紙葉類識別装置。
【請求項４】
請求項３において、
前記透過型ホトセンサは、識別対象の紙葉類における短辺方向の異なる位置を長辺方向に延びる複数の走査ラインに沿って光学的情報を読み取るためのものであり、
前記発光素子として、各走査ライン上の各照射位置に対峙した位置に配置された複数の発光素子が備わっており、
前記受光素子は、複数の前記走査ラインの側方に外れた位置に配置されており、
前記導光用光学素子は、複数の前記走査ラインに交差する状態に配置されていることを特徴とする紙葉類識別装置。
【請求項５】
請求項４において、
前記導光用光学素子は、入射面と、当該入射面に直交している出射面と、前記入射面に対峙している対向面とを備えており、
前記入射面には各発光素子が対峙しており、前記出射面には前記受光素子が対峙しており、前記対向面には、入射した光を直角に折り曲げて前記出射面に導くための前記反射用光学素子として機能する複数の反射面が形成されていることを特徴とする紙葉類識別装置。
【請求項１】
透過型ホトセンサにより、紙葉類の複数の位置に光を照射し、紙葉類に担持されている光学的情報を読み取り、当該光学的情報に基づき紙葉類の識別を行う紙葉類識別装置において、
前記透過型ホトセンサは、発光素子と、受光素子と、導光手段とを有し、
前記導光手段は、前記発光素子からの射出光が照射する紙葉類の複数の照射位置から得られる複数の透過光を、ほぼ直交方向に折り曲げると共に、少なくとも二つの透過光を合成して、前記透過光の数より少ない個数の前記受光素子に導くことを特徴とする紙葉類識別装置。
【請求項２】
請求項１において、
前記導光手段は、各照射位置からの透過光を集光させるための複数の集光用光学素子と、各集光用光学素子からの射出光が内部を伝播する導光用光学素子と、当該導光用光学素子内を伝播する各光を前記受光素子に向けて反射する複数の反射用光学素子とを備えていることを特徴とする紙葉類識別装置。
【請求項３】
請求項２において、
前記導光用光学素子には、前記反射用光学素子および前記集光用光学素子のうち、少なくとも一方が一体成形されていることを特徴とする紙葉類識別装置。
【請求項４】
請求項３において、
前記透過型ホトセンサは、識別対象の紙葉類における短辺方向の異なる位置を長辺方向に延びる複数の走査ラインに沿って光学的情報を読み取るためのものであり、
前記発光素子として、各走査ライン上の各照射位置に対峙した位置に配置された複数の発光素子が備わっており、
前記受光素子は、複数の前記走査ラインの側方に外れた位置に配置されており、
前記導光用光学素子は、複数の前記走査ラインに交差する状態に配置されていることを特徴とする紙葉類識別装置。
【請求項５】
請求項４において、
前記導光用光学素子は、入射面と、当該入射面に直交している出射面と、前記入射面に対峙している対向面とを備えており、
前記入射面には各発光素子が対峙しており、前記出射面には前記受光素子が対峙しており、前記対向面には、入射した光を直角に折り曲げて前記出射面に導くための前記反射用光学素子として機能する複数の反射面が形成されていることを特徴とする紙葉類識別装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図２】
【図３】
【公開番号】特開２００７−１４１１１０（Ｐ２００７−１４１１１０Ａ）
【公開日】平成１９年６月７日（２００７．６．７）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００５−３３６４４４（Ｐ２００５−３３６４４４）
【出願日】平成１７年１１月２２日（２００５．１１．２２）
【出願人】（０００１２８９４６）マミヤ・オーピー株式会社 (122)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１９年６月７日（２００７．６．７）
【国際特許分類】
【出願日】平成１７年１１月２２日（２００５．１１．２２）
【出願人】（０００１２８９４６）マミヤ・オーピー株式会社 (122)
【Ｆターム（参考）】
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