説明

紫外線照射装置

【課題】被処理水の紫外線による光処理を確実かつ効率よく行うことが可能な紫外線照射装置を提供する。
【解決手段】紫外線照射装置100は、紫外線通過窓18を備えた被処理水を満たすことが可能な処理槽1と、紫外線通過窓18を介して処理槽内1に紫外線を照射する紫外線照射ユニット2と、前記処理槽1内で所定方向の旋回水流19が発生するように、前記被処理水を内部に供給する開口部を有する流入手段3と、前記処理槽1から処理水を排出する排出手段4と、を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明の実施形態は、紫外線ランプを用いて地下水、水道水、下水、海水、養殖用水、または、再生水などの流体の殺菌、不活化、または、有機物分解などの光処理を行う紫外線照射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の紫外線殺菌装置は、流入手段と排出手段を設けて被処理水を充填させる処理槽において、保護管に挿入した紫外線ランプを処理槽内の被処理水に浸透させる構成である。処理槽の内部に配置された紫外線ランプから放射する紫外線を、被処理水に照射し、被処理水を光処理する構成である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−47039号公報
【特許文献2】特開2004−276937号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
光処理対象の被処理水は、流入手段から処理槽内に供給された後、紫外線照射による殺菌処理を行いながら処理槽内を循環し、排出手段より排出される。光処理効果は、処理槽内の被処理水の滞在時間、すなわち、紫外線の照射時間に依存するため、処理槽内の被処理水の滞在時間を長くすることが求められる。
【0005】
しかし、特許文献1及び特許文献2の構成では、光処理を確実に行えないことが分かった。
【0006】
そこで、被処理水の光処理を確実かつ効率的に行うことが可能な紫外線照射装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の紫外線照射装置は、紫外線透過窓を備えた被処理水を満たすことが可能な処理槽と、前記紫外線透過窓を介して処理槽内に紫外線を照射する紫外線照射ユニットと、前記処理槽内で所定方向の旋回水流を発生するように、前記被処理水を内部に供給する開口部を有する流入手段と、前記処理槽から処理水を排出する排出手段と、を具備することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】紫外線照射装置に関する第1の実施形態について説明するための分解斜視図である。
【図2】図1の組み立て状態を説明するための断面図である。
【図3】旋回水流を発生させるための流入手段の配置条件を説明するための模式図である。
【図4】第1の実施形態における、流入手段のその他の配置例を示した上面図である。
【図5】紫外線照射装置に関する第2の実施形態について説明するためのもので、流入手段の形状と処理槽の底部に対する配置を示した図である。
【図6】紫外線照射装置に関する第3の実施形態について説明するためのもので、流入手段の形状と処理槽の底部に対する配置を示した図である。
【図7】紫外線照射装置に関する第4の実施形態について説明するためのもので、流入手段の配置を示した上面図である。
【図8】紫外線照射装置に関する第5の実施形態について説明するためのもので、流入手段の配置を示した上面図である。
【図9】紫外線照射装置に関する第6の実施形態について説明するためのもので、流入手段の配置を示した上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1の実施の形態)
図1と図2は、紫外線照射装置に関する第1の実施形態について説明するためのもので、図1は分解斜視図で、図2は図1の組み立て状態の断面図である。
【0010】
図1および図2において、100は、被処理水を充填する処理槽1と紫外線照射ユニット2と、から構成され、例えば地下水、水道水、下水、養殖用水、または、再生水などの被処理水に紫外線を照射させて流体の殺菌、不活化、または、有機物分解などの光処理を行う紫外線照射装置である。
【0011】
処理槽1は、例えば、ステンレスなどの耐腐食性の金属で形成された円筒状の本体部11と、本体部11の一方の開口面11aを気密に塞ぐ底部12と、本体部の他方の開口部11bを気密に塞ぐ蓋部13とから構成され、内部には被処理水を充填する内部空間14が形成されている。処理槽1の大きさは、例えば、外径が150mmから350mm、内径が140mmから340mm、高さが400mmから700mmである。本体部11と底部12との接合、及び本体部11と蓋部13の接合は、水漏れしないように、例えば、溶接により直接接合するか、予め一体的に成型するか、または、パッキンを介在させてネジ等により固定する方法を採る。
【0012】
処理槽1の一部、例えば、蓋部13の一部には開口部16が設けられ、開口部16には、例えば、紫外線照射ユニット2への被処理水の飛散防止と、紫外線ユニット2が破損した際の破損部材による被処理水の汚染防止を目的として、紫外線透過窓18が設けられる。紫外線透過窓18は、例えば、光処理を行うための紫外線波長の透過率が高い石英ガラスやソーダガラスが使用された紫外線透過窓であり、開口部16の周囲に形成された額縁部17において、水漏れしないように気密に固定される。また、紫外線透過窓18は、水漏れの恐れが無い個所においては、装置の簡略化を目的として空気層とすることも出来る。
【0013】
紫外線照射ユニット2は、例えば、ステンレスやアルミなどの金属製の筐体21内に、リフレクタ22と、リフレクタ22によって形成された空間内に配置された紫外線光源23と、紫外線光源23を点灯するための点灯回路24とを、収納した構成である。
【0014】
紫外線光源23は、例えば、例えば石英ガラスからなる紫外線透過性の円筒形状のバルブで、バルブの発光空間内には、例えば、不活性ガスとそれに水銀と鉄を主成分とする放電媒体が封入される。ランプの外径φは15±1mm程度、長さLは240mm程度である。このときの点灯回路24は、例えば、周波数2.45GHzのマイクロ波を照射するマグネトロンを使用し、マイクロ波を紫外線光源23に導くことにより、バルブ内に封入された放電媒体が放電し、波長180〜400nmの紫外線を発生させる構成である。これに伴い、リフレクタ22は、紫外線を反射し、マイクロ波を通過するよう、例えば、表面に反射膜を形成したガラスで構成されている。
【0015】
紫外線照射ユニット2から照射される紫外線が、紫外線透過部18を透過して、処理槽1の内部空間14に充填された被処理水に照射され、被処理水の光処理を行うことが出来る。
【0016】
処理槽内1内の内部空間14への被処理水の導入は、流入手段3により行われる。この流入手段3は、例えば、処理槽1の外部に設けられ、一端は処理槽1の底部12に設けた孔に気密に接続された本体部31a〜31dと、一端は処理槽1の底部12の孔を介して底部12に気密に固定され、他端は処理槽1内に露出した放出部32a〜32dと、放出部32a〜32dの一部に設けられた開口部33a〜33dとから構成される管である。流入手段3の本体部31a〜31dや放出部32a〜32dは、例えば、ステンレス、鉄、または銅等の金属管、ポリ塩化ビニルやポリエチレン等のプラスチック管、または、金属とプラスチックから成る複合管等で作成され、外径20mmから50mmの管形状のものを使用する。また、流入手段3の放出部32a〜32dは、例えば、管形状のものを所定の角度でL字形状に加工したもので、開口部33a〜33dが処理槽1の底部12から離間するような位置で配置される。
【0017】
例えば、ポンプ(図示無)を用いて被処理水を揚水した後、水路を分岐して、流入手段3の本体部31a〜31dに送水することにより、開口部33a〜33dから被処理水が処理槽1内に放出される。各流入手段3から放出される被処理水の向き200a〜200dは、流入手段3の放出部32a〜32dと開口部33a〜33dの形状、配置、及び、個数により決定されるが、処理槽1内の内部空間14に同一方向の旋回水流19を発生させるように、前記のパラメータを調整する。
【0018】
旋回水流19を発生させる手段を、図3の一例を使用して説明する。図3(a)に示すように、流入手段3の放出部32nの開口部33nにおける中心位置を34n、また、開口部34nから放出される被処理水の放出方向を200nと定義する。また、図3(b)に示すように、開口部33nの中心位置である34nを含み、かつ、処理槽1の中心軸15を法線方向とする平面を35n、処理槽1の中心軸15と平面35nの交点をOnと定義する。ここで、nは流入手段を識別する記号で、流入手段3の個数に応じて順番にn=a,b,c,d,・・・・の表示を示す。
【0019】
流入手段3の開口部33nから放出される水流向き200nを、位置Onから位置34nへの半径方向成分300nと、位置Onと位置34nを結ぶ直線に対して平面35n上で直角となる接線方向成分400nと、処理槽1の中心軸15と平行な軸方向成分500nの3方向成分に分離した場合に、全ての流入手段3による水流200nが少なくとも接線方向成分400nを含むこととする第1の条件と、各接線方向成分400nの向きが処理槽1の中心軸15に対して右回り、または、左回りのどちらかの向きに揃っていることとする第2の条件と、の両条件を満足するときに、処理槽1内で旋回水流19を発生させることができる。
【0020】
図2(b)の配置例では、4個の流入手段3の開口部の中心位置34a〜34dを、処理槽1の中心軸15に対して半径距離r1で形成される同一な円周上に略均等間隔で配置しており、水流の向き200a〜200dは、各々、接線方向成分のみで構成され、また、中心軸15に対して左回りの一定の向きで揃っているため、旋回水流19を発生させることができる。
【0021】
流入手段3の配置に関するその他の構成例を、図4を用いて説明する。図4は、流入手段3の開口部33nの中心位置34nを、中心軸15に対して同一の半径距離の円周上に配置し、また、水流の発生方向200nを前記円周の接線方向のみとした構成で、流入手段3の個数を、図4(a)は1個、図4(b)は2個、図4(c)は3個と数量を変更した構成を示す。旋回水流19は、1個の流入手段3でも発生させることは可能であるが、開口部33nが円周状において同じ方向を向くように、同一の円周上に流入手段3を複数配置することにより、処理槽1の内部空間14で、より強力で均一な旋回水流19を発生させることが可能である。
【0022】
処理槽内1の内部空間14を循環した被処理水は、処理槽1の一部、例えば、本体部11の蓋部13側の近傍に設けた孔に、一端を気密に接続して外部に導出した排出手段4を介して、処理槽1の外部に排出される。排出手段4は、例えば、ステンレス、鉄、または銅等の金属管、ポリ塩化ビニルやポリエチレン等のプラスチック管、または、金属とプラスチックから成る複合管等で作成され、外径20mmから50mmの管形状の管を使用する。排出手段4の長さを延長したり、排出手段4の他端に別の排水手段を接続して、遠い場所に光処理を終えた処理水を導くことも可能である。処理槽1内の流入手段3の開口部33nと排出手段4の開口部との設置間隔を離すことにより、処理槽内1内の内部空間14での被処理水の滞在時間を増すことができる。
【0023】
また、旋回水流19が発生する流入手段3の開口部34nと排出手段4の開口部との間に、旋回水流19の流れを妨害する部材、例えば、紫外線照射ユニット2、流入手段3、排出手段4、及び、その他部材が実質存在しない構成とすることにより、旋回水流19の流れを長時間に亘って持続させることができる。
【0024】
この実施形態では、特許文献1と特許文献2で記載されている、紫外線光源23と、流入手段3又は排出手段4とを、旋回水流19内に配置した場合に対して、旋回水流19の流れを阻害する要因を少なくでき、確実かつ効率良く被処理水を光処理することが可能となる。
【0025】
ただし、水流を妨害する部材として、処理槽1の内表面に設けられた、水流に所定の変化を生じさせるためのガイド片や、旋回水流19を実質妨害しない、処理槽1の底部12付近のみに設けられた流入手段3及び蓋部13近傍のみに設けられた排出手段4や、紫外線透過窓18を掃除するためのワイパー等は、該当しないものとする。
【0026】
(第2の実施の形態)
図5は、紫外線照射装置に関する第2の実施形態について説明するためのもので、流入手段3の放出部32nの形状と処理槽1の底部12に対する位置関係を示したものである。
【0027】
図5に示す流入手段3の放出部32nの形状は、例えば、開口部33nの位置が処理槽1の底部12から離間した構成で、被処理水の放出方向200nを処理槽1の底部12側に向けるように配置した構成である。
【0028】
この実施形態では、流入手段3の開口部33nを、蓋部13から底部12への方向の成分を含むように、処理槽1内に被処理水を供給するようにしたため、第1の実施例に示すように流入手段3の開口部33nが処理槽1の底部12から離間しても、処理槽1の底部12の被処理水を攪拌できるため、底部12に被処理水が滞留して排出されない現象を防止することができ、更に、確実かつ効率良く被処理水を光処理することが可能となる。
【0029】
(第3の実施の形態)
図6は、紫外線照射装置に関する第3の実施形態について説明するためのもので、流入手段3の放出部32nの形状と処理槽1の底部12に対する位置関係を示したものである。
【0030】
図6(a)は、流入手段3の放出部31nの開口部32nの一端が処理槽1の底部12に接して配置される構成を、また、図6(b)は、流入手段3の本体部31nに接続された処理槽1の底部12の孔に、例えば、金属製で半円形状の覆いを被せて固定し、放出部32nを形成する構成を示している。
【0031】
この実施形態では、被処理水200nが、底部12に対して略平行の向きで、底部12に接するように被処理水が放出されるため、処理槽1の底部12の被処理水を攪拌でき、第2の実施形態と同様に底部12に被処理水が滞留して排出されない現象を防止することができる。また、開口部33nを除く放出部32nの形状が曲線形状であるため、放出部32nの背面から来る旋回水流19の流れを阻害しない効果も有し、更に、処理槽1内の旋回水流19の流れを長時間に亘って持続させることができ、確実かつ効率良く被処理水を光処理することが可能となる。
【0032】
(第4の実施の形態)
図7は、紫外線照射装置に関する第4の実施形態について説明するためのもので、流入手段3の放出部32nが配置されている処理槽1の底部12を処理槽1の中心部側から見た上面図である。
【0033】
図7は、流入手段3の個数を4個として、流入手段3の放出部32a〜32dの開口部の中心位置34a〜34dを、中心軸15に対して同一の半径距離の円周上に配置した構成で、水流の発生方向200a〜200dを、処理槽1の本体11の側面方向に傾けた場合を図7(a)に、また、処理槽1の中心部に傾けた構成を図7(b)に示す。
【0034】
この実施形態では、実施例1の場合と同様に、処理槽1の内部空間14に旋回水流19を発生させることができ、確実かつ効率良く被処理水を光処理することが可能となる。
【0035】
(第5の実施の形態)
図8は、紫外線照射装置に関する第5の実施形態について説明するためのもので、流入手段3の放出部32nが配置されている処理槽1の底部12を処理槽1の中心部側から見た上面図である。
【0036】
図8(a)は流入手段3の個数が2個、図8(b)は流入手段3の個数が3個、図8(c)は流入手段3の個数が4個で、複数の流入手段3の放出部32nの開口部33nの中心位置34nは、処理槽1の中心軸15に対して全て異なる半径の円周上に配置した構成を示す。また、図8(d)は、流入手段3の個数が4個で、流入手段3の放出部32aと32cの開口部の中心位置34aと34cは、処理槽1の中心軸15との半径距離r1の同一円周上にあるが、流入手段3の放出部32bの開口部の中心位置34bは半径距離r3の円周上に、また、流入手段3の放出部32dの開口部の中心位置34dは半径距離r2の円周上に配置して、一部の半径距離を同一とした構成を示している。
【0037】
この実施形態では、実施例1の場合と同様に、処理槽1の内部空間14に旋回水流19を発生させることができ、確実かつ効率良く被処理水を光処理することが可能となる。
【0038】
(第6の実施の形態)
図9は、紫外線照射装置に関する第6の実施形態について説明するためのもので、流入手段3の放出部32nが配置されている処理槽1の底部12を処理槽1の中心部側から見た上面図である。
【0039】
図9は流入手段3の個数は4個である。放出部32aと32cの開口部の中心位置34aと34cは、処理槽の中心軸15に対して同一の半径距離r1の円周上に配置し、水流の発生方向200aと200cを前記円周の接線方向成分のみとしている。一方、放出部32bと32dの開口部の中心位置34bと34dは、処理槽1の中心軸15に対して同一の半径距離r2の円周上に配置し、水流の発生方向200bと200dは処理槽1の中心15側に傾けた構成である。
【0040】
この実施形態では、実施例1の場合と同様に、処理槽1の内部空間に旋回水流19を発生させることができ、確実かつ効率良く被処理水を光処理することが可能となる。
【0041】
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0042】
例えば、処理槽1の形状は、円筒形状の他に、例えば、楕円形や方形形状などの任意の形状とすることができる。また、底部12や蓋部13の形状は、板形状の他に、例えば、半球形状などの曲線形状など、任意の形状とすることができる。
【0043】
処理槽1内に紫外線を照射するための紫外線照射窓18の設置位置は、蓋部13以外に、例えば、本体部11または底部12の一部にも設けることが出来る。
【0044】
紫外線光源23は、被処理水に対して光処理を行うのに適切な波長域の紫外線を発光させることができる光源であればよいので、メタルハライドランプ、低圧水銀ランプ、HIDランプ、UV−LED、または、レーザーダイオード等に置き換えが可能である。点灯回路24は、夫々の光源に適した構成とすることができ、また、点灯回路24の全部または一部を紫外線照射ユニット2の筐体21の外部に配置することも可能である。紫外線光源23の周囲に配置するリフレクタ22は、紫外線光源23の配光特性に応じて、省略した構成とすることも可能である。
【0045】
紫外線照射ユニット2の筐体21は、例えば、筐体21の一部に空気を筐体21内に導入及び排出するための開口部を設けて、排気用または吸気用のブロアにより筐体21内に空気を循環させて、紫外線光源23や点灯回路24を空冷させる構成も可能である。
【0046】
紫外線照射ユニット2の配置位置と対向する位置、例えば、処理槽の底部12の中央部に紫外線透過窓、例えば、紫外線透過率が高い石英ガラス板を設けて、その外部に光センサーを配置する構成を追加しても良い。被処理水を介して、紫外線照射ユニット2からの紫外線強度を測定することにより、紫外線照射ユニット2の寿命中の光出力低下や、被処理水の濁度が高い場合の被処理水の透過率低下を検出でき、その低下量に合わせて紫外線照射ユニット2の紫外線出力を高くすることで、被処理水の光処理効率の低下を防止することができる。紫外線照射ユニット2の寿命中の紫外線強度低下が少ない場合や、被処理水の水質が安定していて水の透過率の変化率が小さい場合は、設置コストを換算して、紫外線透過部材及び光センサーの配置を省略することも出来る。
【0047】
流入手段3の設置個所は、図示した処理槽1の底部12以外に、処理槽1の本体部11や処理槽の蓋部13の一部にも設置することができる。また、流入手段の本体部31nには、例えば、各々の水量を微調整するための水量計や水量調整機を、または、被処理水の水温や濁度を検出するセンサーを設けることができる。
【0048】
流入手段3の被処理水の放出向き200nや水量、各流入手段3の配置間隔、及び流入手段3の開口部33nと底部12との距離は、各流入手段3で全て同一である必要はなく、一部変更することが可能であり、処理槽1の大きさや形状、被処理水の深さに応じて調整をすることができる。
【符号の説明】
【0049】
1 処理槽
11 本体部
12 底部
13 蓋部
14 内部空間
16 開口部
18 紫外線透過窓
2 紫外線照射ユニット
3 流入手段
4 排出手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紫外線透過窓を備えた被処理水を満たすことが可能な処理槽と、前記紫外線透過窓を介して前記処理槽内に紫外線を照射する紫外線照射ユニットと、前記処理槽内で所定方向の旋回水流が発生するように、前記被処理水を内部に供給する開口部を有する流入手段と、前記処理槽から処理水を排出する排出手段と、を具備することを特徴とした紫外線照射装置。
【請求項2】
前記処理槽は、本体部と、前記本体部の一端部を塞ぐ底部と、前記底部に対向配置され、前記本体部の他端部を塞ぐ蓋部と、で構成された容器であって、前記旋回水流は、前記底部側から前記蓋部側に向けて生成され、前記処理槽の内部には前記旋回水流を妨害する部材が実質存在しないことを特徴とした請求項1に記載の紫外線照射装置。
【請求項3】
前記流入手段の前記開口部は、前記蓋部から前記底部への方向の成分を含むように、前記被処理水を前記処理槽内に供給することを特徴とした請求項1または請求項2に記載の紫外線照射装置。
【請求項4】
前記流入手段の前記開口部は、前記処理槽の前記底部に近接して配置され、前記底部と略平行に前記被処理水を前記処理槽内に供給することを特徴とした請求項1または請求項2に記載の紫外線照射装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−13871(P2013−13871A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−149736(P2011−149736)
【出願日】平成23年7月6日(2011.7.6)
【出願人】(000111672)ハリソン東芝ライティング株式会社 (995)
【Fターム(参考)】