説明

組成物、フィルムおよび関連する方法

フィルムの作製における使用のために構成された組成物。組成物は、酢酸ビニル含有ポリマー、例えば酢酸ビニルエチレン(VAE)コポリマーと少なくとも1つの添加剤とを含み、添加剤は、顔料、界面活性剤、分散剤、湿潤剤、可塑剤、消泡剤、カップリング剤、溶媒、紫外線吸収剤、難燃剤、または光安定剤である。本発明は、別の実施形態において、この組成物を使用して作製されたフィルム、ラミネート、および組立て品、ならびにこの組成物を作製するための方法も提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
この出願は、2008年7月10日に出願された国際特許出願第PCT/US2008/069706号の一部継続であり、これは、その全体が参考として本明細書に援用される。
【0002】
発明の分野
本発明は、接着性物品および非接着性物品、ならびに接着性物品および非接着性物品を作る方法に関する。さらに詳しくは、本明細書に記載される物品またはフィルムは、ポリ塩化ビニル(「PVC」)を含まない。物品は、例えば標識、グラフィックス、壁装材、感圧製品、および類似物を含むさまざまな用途において用いることができる。
【背景技術】
【0003】
接着性のラベル、テープおよび化粧シートにおいて、可塑剤によって可塑化されたビニルフィルムが長年用いられてきた。そのような用途に向けて、ビニルフィルム、特にポリ塩化ビニル(PVC)フィルムがとりわけ安価であり耐候性があり顔料および染料によって容易に着色させることができるので、広く受け入れられてきた。さらに、可塑剤の導入により広い範囲にわたってその特性を加減することができるので、可塑化されたポリ塩化ビニル(PVC)が特に広く受け入れられてきた。さまざまなグラフィック用途において、これらのフィルムが用いられ、成功を収めてきた。
【0004】
グラフィック用途および壁装用途において、ビニルフィルムは優れた柔軟性および共形性のために有用であったが、PVCを含まないフィルムを開発することが絶えず求められている。PVCなどのハロゲン含有材料は、一般的に、燃えると好ましくない副生物を発生すると認識されてきた。
【0005】
従って、PVCフィルムと同等な特性を有する環境友好的な非PVCフィルムが求められている。本発明は、この求めを満たす。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、さまざまな組成物、該組成物から作られるフィルム、フィルムラミネートおよび関連する方法を含む。例となる実施態様は、フィルムの作製における使用のために構成された組成物である。組成物は、酢酸ビニル含有ポリマーと少なくとも1つの添加剤とを含み、添加剤は、顔料、界面活性剤、分散剤、湿潤剤、可塑剤、消泡剤、カップリング剤、溶媒、紫外線吸収剤、難燃剤、または光安定剤である。酢酸ビニル含有ポリマーとは、酢酸ビニルコポリマーまたはホモポリマー、あるいはこれらの2つの混合物を指す。例となる酢酸ビニルコポリマーは、酢酸ビニルエチレン(VAE)コポリマーである。酢酸ビニルエチレン(VAE)コポリマーは、酢酸ビニルとエチレンとの共重合による製品であり、酢酸ビニル含有率は60〜95%の範囲であってよく、エチレン含有率は全調合物の5〜40%の範囲である。この製品をエチレン酢酸ビニル(EVA)コポリマーと混同してはならない。EVAにおいては、一般的に、酢酸ビニルの組成は10〜40%の範囲であり、エチレンは調合物の60〜90%の間の範囲であってよい。VAEは水性エマルジョンであるが、EVAは固体材料であり、ホットメルトおよびプラスチック成形用途のために用いられる。欧州において開拓された技術であるが、VAEは粉体の形でも販売されている。
【0007】
別の例となる本発明の実施態様は、アクリルコポリマー、VAEコポリマー、および添加剤、例えば二酸化チタン、界面活性剤、分散剤、湿潤剤、または消泡剤を含む組成物を含む。別の例となる本発明の実施態様は、アクリルとVAEコポリマーとのハイブリッド、および添加剤、例えば二酸化チタン、界面活性剤、分散剤、湿潤剤、または消泡剤を含む組成物を含む。アクリルとVAEコポリマーとのハイブリッドとは、シードラテックスとしてのVAEコポリマーエマルジョンの存在下でアクリルモノマーを重合させるシードエマルジョン重合によって作られたポリマー製品を指す。別の例となる本発明の実施態様は、アクリルコポリマー、二酸化チタン、および添加剤、例えば界面活性剤、分散剤、湿潤剤、または消泡剤を含む組成物を含む。別の例となる実施態様は、ポリウレタン、ポリウレタンとVAEコポリマーとのブレンド、ポリウレタンアクリルコポリマー、ポリウレタンとアクリルコポリマーとのブレンドを含む。
【0008】
別の実施態様において、二酸化チタンの代わりにラテックスまたはCaCO(炭酸カルシウム)を用い、それによって同じまたは同様な不透明度を有するフィルムを作るが、フィルムのコストを低下させることができる。一実施態様において、組成物は液体調合物である。別の実施態様において、組成物はエマルジョンである。
【0009】
別の例となる実施態様は、酢酸ビニル含有ポリマーと少なくとも1つの添加剤とを含むフィルムであり、添加剤は、顔料、界面活性剤、分散剤、湿潤剤、可塑剤、消泡剤、カップリング剤、溶媒、紫外線吸収剤、難燃剤、または光安定剤である。フィルムは、少なくとも約50%の伸びを有する。
【0010】
別の例となる実施態様は、アクリルコポリマー、VAE、二酸化チタン、および少なくとも1つの添加剤を含むフィルムであり、添加剤は、界面活性剤、分散剤、湿潤剤、または消泡剤である。
【0011】
別の例となる実施態様は、ライナー(liner)、感圧接着剤、強化層、および印刷受容層を含むフィルムである。印刷受容層は、酢酸ビニルとVAEとのブレンド、VAE/アクリルハイブリッド、VAEコポリマー、またはアクリル調合物のエマルジョンである材料を含む。さらに別の実施態様において、フィルムは、グラフィックスフィルム(graphics film)である。
【0012】
別の例となる実施態様は、ライナー、感圧接着剤、および強化層を含む組立て品(assembly)であり、強化層は、架橋性酢酸ビニルコポリマーとVAEエマルジョンとのブレンド、またはポリウレタンエマルジョン、またはポリウレタン含有エマルジョンのブレンドである材料を含む。
【0013】
1つの例となる本発明のフィルムを作製する方法は、ポリ酢酸ビニルホモポリマーまたはコポリマー、二酸化チタン、および添加剤を含む組成物を作るステップ、および組成物をライナー上に被膜として塗布するステップを含む。次に、被膜で覆われたライナーを乾燥させ、フィルムをライナーから剥がす。フィルムを作る別の例となる実施態様において、組成物をポリエチレンテレフタレート(「PET」)フィルム上にキャストする。
【0014】
本発明による別の例となる方法は、フィルムを作製する方法である。方法は、成分および基材(substrate)を提供するステップ、成分をブレンドして組成物を形成させるステップ、基材を組成物によって被覆するステップを含む。組成物は、酢酸ビニル含有ポリマーと少なくとも1つの添加剤とを含み、添加剤は、顔料、界面活性剤、分散剤、湿潤剤、可塑剤、消泡剤、カップリング剤、溶媒、紫外線吸収剤、難燃剤、または光安定剤である。本発明の他のさらに詳細な特徴において、方法は、組成物を乾燥させるステップ、および乾燥した組成物を基材から取り外すステップをさらに含む。本発明のさらに別の様相によると、基材はポリエチレンテレフタレートフィルムであってよい。
【0015】
本発明のフィルムは、引っ張り強さおよび引っ張り伸び率、溶媒利用インクジェットプリンタを用いたフィルム試料上の直接プリント法(ノンインパクトプリント法)による印刷適性、およびSAE Technical Standard J1960(2004年10月改訂)の手順による耐久性の試験に際して、以下の物理的特性、すなわち少なくとも100%の破断時引っ張り伸び率、目視検査によって判定したときインクのシミおよび拡散のない良好な印刷、および1ヶ月から7年間の耐久性の少なくとも1つを示す。
【0016】
本発明の非PVCフィルムは、耐候性があり、顔料および染料によって容易に着色することができる。さらに、適切な量の顔料を加えることによって不透明度を加減することができる。これらの顔料は、フィルムの中に単数または複数の層として含ませることができる。フィルムの不透明度を向上させるために、白色または灰色のインクウォッシュを用いることもできる。非PVCフィルムは、ラベル、テープ、バナー、標識、車両ラップ、広告パネル、および化粧シートを含む、感圧接着性製品と非接着性シートおよびフィルムとの両方の製造において、ならびに、一般的にPVCフィルムが用いられる用途を含むがそれらに限定されないさまざまな他の用途のために用いることができる。
【0017】
例を示して本発明の原則を説明する添付の図面とともに参照されれば、以下の好ましい実施態様の記載から本発明の他の特徴が当業者に明らかとなるはずである。本発明は、開示されるいずれの特定の好ましい実施態様(単数または複数)にも限定されない。
【0018】
本発明のこれらの特徴、ならびに他の特徴、様相、および利点は、添付の図面とともに以下の現在好ましい例となる本発明の実施態様のより詳細な記載を参照することによってより完全に理解され、認識される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、本発明の例となる実施態様に従って調製されたフィルムの断面図である。
【図2】図2は、本発明に従ってフィルムを作製する方法のフロー図である。特に明記しない限り、これらの図における説明図は、必ずしも一定の比率で描かれていない。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、本発明を実施する現在知られている最良の方法を表す以下の詳細な記載によって、本発明をより詳細に説明する。しかし、この記載は、本発明を限定するために用いられるものではなく、本発明の一般的な特徴を説明する目的で提供されることを理解するべきである。
【0021】
本発明は、ポリ塩化ビニル(「PVC」)代替フィルムの組成物および製造に関する。本発明のフィルムはPVCを含まず、従って、非PVCフィルムと呼ばれる。非PVCフィルムは、環境友好的であり、PVCフィルムの共形性、耐久性、または印刷適性の特性を有する利点を提供する。本発明の非PVCフィルムは、PVCフィルムの特性および性能と同等であるかまたは凌駕する特性および性能を有し、例えば標識、グラフィックス、壁装材、感圧性製品および類似物を含む、PVCフィルムが一般に用いられる用途に適している。
【0022】
図1は、本発明に従って調製された、例となるフィルムの断面図である。フィルムは、一般に、数5を参照して示され、シリコーンで被覆した材料などの剥離ライナー10、感圧接着層20、強化層30、およびプリント層40を含む。
【0023】
接着層20は、一般に以下のカテゴリー、すなわち、ランダムコポリマー接着剤、例えばアクリレートおよび/またはメタクリレートコポリマー、α−オレフィンコポリマー、シリコーンコポリマー、クロロプレン/アクリロニトリルコポリマーおよび類似物をベースとするもの、および線形ブロックコポリマー(すなわちA−B型およびA−B−A型)、枝分かれブロックコポリマー、星形ブロックコポリマー、グラフトまたは放射ブロックコポリマーおよび類似物をベースとするものを含むブロックコポリマー接着剤、ならびに天然ゴムおよび合成ゴムの接着剤に分類される。
【0024】
Encyclopedia of Polymer Science and Engineering,Vol.13.Wiley−Interscience Publishers(New York,1988)の中に有用な感圧接着剤の記載を見いだすことができる。Encyclopedia of Polymer Science and Technology,Vol.1,Interscience Publishers(New York,1964)の中に有用な感圧接着剤の別の記載を見いだすことができる。
【0025】
ライナー10は、好ましくは1.02mil(0.0255mm)未満、1mil(0.0254mm)未満、0.8mil(0.0203mm)未満、0.6mil(0.015mm)未満、0.50mil(0.013mm)未満または0.25mil(0.00626mm)以下の厚さを有する超薄ライナーまたは超軽量ライナーである。Tokyo,JapanのMitsubishi Chemical Companyからそのような薄いライナーがHOSTAPHAN(登録商標)ポリエステルフィルム(例えば0.5mil、0.0127mm、商標名2SLKシリコーン被覆フィルム)シート材として市販されている。Pasadena,CaliforniaのAvery Dennison Corporationによって別のライナー材料が1.25mil(0.032mm)接着層を有する1.02mil(0.026mm)ポリエステル背面シートとして提供されている。
【0026】
強化層30は、架橋性酢酸ビニルコポリマーとVAEエマルジョンとのブレンドを含んでもよく、あるいはポリウレタン含有エマルジョンであってもよい。プリント層40は、例となる実施態様において、酢酸ビニル含有ポリマー、酢酸ビニルとVAEとのブレンド、VAE/アクリルハイブリッド、全アクリル調合物、またはVAEエマルジョンを含んでよい。
【0027】
本発明の組成物およびフィルム5の例となる実施態様は、以下、すなわち
(1)酢酸ビニルエチレン(「VAE」)、
(2)VAE−アクリルハイブリッド
(3)酢酸ビニルホモポリマー、
(4)VAEと酢酸ビニルホモポリマーとのブレンド、
(5)VAEと酢酸ビニルコポリマーとのブレンド、
(6)VAEとポリウレタンとのブレンド、
(7)VAEとアクリルコポリマーとのブレンド、
(8)少量のシランを加えることによるVAEの架橋、
(9)アクリルコポリマー
(10)ポリウレタン含有ポリマー、および/または
(11)ポリウレタンとアクリルとのブレンド
の少なくとも1つを含む。
【0028】
他の実施態様において、本発明の組成物およびフィルムの上記10の実施態様のいずれかに顔料、例えば二酸化チタン(「TiO」)および/または他の顔料、を加えてよい。フィルム5の不透明度は、TiOまたは他の材料の量に依存する。別の実施態様において、顔料、例えばTiOをPhiladelphia,PennsylvaniaのRohm and Haasによって作られているROPAQUE OP−96またはULTRA−OPAQUEなどのラテックスによって置き換えてよい。別の実施態様において、透明フィルムが望まれるならTiOのような顔料を含まなくてもよい。さらに別の実施態様において、フィルムの引っ張り強さを増加させるために架橋剤としてWest Paterson,New JerseyのCytec Industries Inc.によるCYMEL 385を用いてよい。非印刷用途のために用いられる別の実施態様において、組成物およびフィルムの上記10の実施態様のいずれかにワックスエマルジョン、例えばCincinnati,OhioのMichelmanからのMICHEM GUARD 55を加え、それによってフィルムにクリーニングのしやすさの特性を提供してもよい。さらに別の実施態様において、本発明の組成物およびフィルムの上記10の実施態様のいずれかにワックスエマルジョン、例えば、MichelmanからのMICHEM EMULSION 47950を加えてよく、製造されたフィルムは、落書き防止用途のために有用となり得る。本発明は、このフィルムを作製する方法をさらに含む。
【0029】
他の実施態様において、プリント層のカルボキシル含有成分は、ポリアジリジン、例えばLubrizolからのXAMA−7を用いて架橋させることができる。ヒドロキシ含有成分は、ポリアジリジンまたはメラミンホルムアルデヒド、例えばCytec Industries Inc.からのCYMEL 385を用いて架橋させることができる。当業者に知られている他の架橋剤もプリント層成分を架橋させるために用いることができる。
【0030】
本発明のフィルム5は、本発明の組成物の実施態様の液体調合物またはエマルジョンを調製し、次に、例えばカーテンコーティングによって、基材を調合物またはエマルジョンによって被覆することによって形成させることができる。一実施態様において、基材はライナーである。別の実施態様において、基材はポリエチレンテレフタレート(「PET」)フィルムである。
【0031】
図2のフロー図50において、本発明に従ってフィルムを作る例となる方法が説明されている。ステップ60において開始した後、次のステップ70は、成分および基材を提供することである。次にステップ80において、成分をブレンドして組成物を形成させる。組成物は、酢酸ビニル含有ポリマーと少なくとも1つの添加剤とを含む。次にステップ90において、基材を組成物で被覆する。ステップ100において、組成物を乾燥させ、次にステップ110において、乾燥した組成物を基材から取り外す。方法は、ステップ120において終了する。
【0032】
本発明のフィルム5の別の実施態様において、ポリ酢酸ビニル(「PVA」)と界面活性剤保護ラテックスとのブレンドを用いて60%より高い光沢を提供することができる。さらに別の実施態様において、小さなサイズのラテックスを用いてより高い光沢(約75%)を提供することができる。別の実施態様において、被覆し、次に感圧接着剤(「PSA」)とラミネートすることによってつや消しフィルムまたは光沢フィルムを作ることができる。
【0033】
本発明の方法の実施態様において、ともに参照によって本明細書に全体が組み込まれるSartorらの米国特許第5,728,430号および第5,558,913号他に記載されている二重層ダイコーティングプロセスを用いて本発明の組成物の層とPSAの層とを含む二重層フィルム5を作る。
【0034】
接着剤は、例えば接着ラミネート法などの知られているプロセスを用いてフィルム5の一方または両方の主面に塗布することができる。ハロゲンフリーの接着剤を用いてハロゲンフリーのフィルムを製造することができる。ハロゲンフリーの接着剤の例は、アクリル接着剤、例えばホットメルトアクリル接着剤および水性ラテックスアクリル接着剤を含む。他のハロゲンフリー接着剤は、ホットメルトゴム接着剤、シリコーン接着剤、熱可塑性エラストマー、当分野において知られている他のハロゲンフリー接着剤、および任意の比率におけるこれらのいずれかの任意の組み合わせを含む。
【0035】
本発明の組成物の例となる実施態様において、ポリマー材料は、少なくとも約75%の酢酸ビニル含有率を有する酢酸ビニル含有ポリマー、顔料、および分散剤を含む。組成物のさらに別の例示的な実施態様において、ポリマー材料は、少なくとも75%の酢酸ビニル含有率を有する酢酸ビニル含有ポリマー、顔料、可塑剤、分散剤、湿潤剤、および紫外部光(「UV」)安定剤を含む。本組成物の他の実施態様において、さまざまな量の高いガラス転移点(「Tg」)を有するバインダー、例えばAllentown,PAのAir Products LPによるVINAC XX−230またはVINAC 890DNPを加えて、組成物を用いて形成されるフィルム5の機械的性質を操作する。一般に、ポリマーの場合、Tgが高いほど引っ張り強さが高く、%伸び率が低くなる。可塑剤を加えることによって機械的性質も操作することができる。本発明のフィルムを摩滅抵抗性とし、切断を容易にし、場合によっては生物分解性にすることができる。
【0036】
試験方法
さまざまな分析技法によって本発明の組成物およびフィルム5の特性をキャラクタリゼーションすることができる。下記にこれらの分析技法の簡単な説明を示す。
【0037】
引っ張り伸び率
フィルム5の引っ張り伸び率は、機械的性質測定技法、例えばインストロンを用いて試験される。修正ASTM D882を用いて本発明のフィルムの引っ張り強さおよび伸び百分率を測定した。手順は以下、すなわち、
1.測定機方向に1”×4”試験片を切り出した。
【0038】
2.フィルムを両端において端から1”のところでグリップに固定し、グリップ間の距離を2インチとする。
【0039】
3.クロスヘッド速度を毎分12インチ(「ipm」)に設定する。
【0040】
4.引っ張り応力かけるフィルムの厚さの積である引っ張り強さを求める。
【0041】
5.%伸び率は機械によって報告される。
の通りである。
【0042】
標準によれば、50%の最小極限伸び率および平方インチあたり0.5ポンド([psi])の最小引っ張り強さが必要である。フィルム上のPSAの有無は、フィルムの強さおよび/または伸び率をこれといって変化させない。従って、下記の実施例におけるフィルムがPSAを含んでいてもいなくても、引っ張り伸び率試験は、PSAの層のないフィルムを用いて行った。
【0043】
印刷適性
フィルム5の印刷適性は、溶媒系インクジェットプリンタを用いてフィルム試験片上に直接印刷することによって試験した。他の印刷方法は、例えば、溶媒スクリーン、エコ溶媒、デジタル、ピエゾインクジェット、紫外スクリーン、および紫外インクジェットプロセスを含んでよい。次に、目視検査を行ってフィルムの表面上にインクの汚れがあったか、フィルムの内部にインクの拡散があったかを判定した。インクの汚れおよび拡散がなければ、良好な印刷が得られる。
【0044】
耐久性
フィルム5の耐久性は、SAE J1960(2004年10月改訂)の標準に従ってキセノンアークウェザーオーメーター(weather−o−meter)を用いて試験する。試験方法は、フィルムの耐候性を予測する目的で、日光、熱および湿気(湿度、凝縮または雨の形で)などの極端な環境条件を加速するように設計されている。
【実施例】
【0045】
以下の実施例は、本発明のさまざまな実施態様を記載している。当業者には本発明の範囲内の多数の変更形および変化形が自明であり、本発明は、下記の実施例に限定されない。特に明記しない限り、以下の実施例において報告されるすべての部、百分率および比は重量基準であり、実施例において用いられているすべての試薬は、下記に特定される化学製品供給元から得られたかまたは入手可能であるか、あるいは通常の技法によって合成することができる。
【0046】
次の表1は、以下の実施例において用いられている化学物質の一覧を提供し、供給元、機能、化学名、式または種類、百分率固形分、およびTgを特定する。
【0047】
【表1−1】

実施例において用いられている化学物質を下記にさらに記載する。
【0048】
AIRFLEX 465:Air Productsから入手することができる、沈降速度の速い低粘度/高固形分(67%)のポリビニルアルコールで保護された酢酸ビニル−エチレン(「VAE」)エマルジョン。
【0049】
AIRFLEX 323:Air Productsから入手することができる、標準的な固形分(55%)、高いTgおよび優れた耐熱性を有するポリビニルアルコールで保護されたVAEエマルジョン。
【0050】
DISPONIL AFX 4030:Cincinnati,OhioのCognis Corporationから入手することができる40モルエチレンオキシドを有する30%固形分の非イオン界面活性剤。
【0051】
VINAC XX−230:Air Productsから入手することができる標準的な固形分55%を有するポリビニルアルコールで保護されたVAエマルジョン。
【0052】
VINAC 890DPN:反応性基、塩化アルミニウム硬化剤、および少量の凝集剤を含むポリ酢酸ビニル分散物。固形分は49%、Air Productsから入手することができる。
【0053】
TAMOL 73IA:Rohm Haasから入手することができる優れた相溶性および良好な顔料濡れ性を有する疎水性コポリマー分散剤。
【0054】
HYCAR 26349:Wickliffe,OhioのThe Lubrizol Corporationから入手することができる耐久性コーティング/接着剤のための固形分49%およびTg12℃の界面活性剤で保護されたアクリルラテックス。
【0055】
HYCAR 26348:The Lubrizol Corporationから入手することができる固形分48.5%およびTg30℃、優れた耐油性および耐溶媒性の界面活性剤で保護されたアクリルラテックス。
【0056】
HYCAR 26−1265:The Lubrizol Corporationから入手することができる超耐水性コーティング/接着剤のための固形分49%およびTg23℃の界面活性剤で保護されたアクリルラテックス。
【0057】
RHEOLATE 350:英国ロンドンのElementisからの流動性添加剤。
【0058】
DEV 5147:VAE/アクリルハイブリッド、1277−72の量産品。
【0059】
SANCURE 899:The Lubrizol Corporationから入手することができる固形分30%の脂肪族ポリエステルポリウレタン分散物であり、コーティングのために高い光沢を提供する。
【0060】
ZONYL FS−300:Wilmington,DelawareのDuPontから入手することができる固形分40%の汎用非イオンフッ素化界面活性剤であり、水系用途のための理想的な湿潤剤および平滑剤である。
【0061】
BENZOFLEX 2088:Rosemont,IllinoisのVelsicol Chemical Corporationから入手することができるジプロピレングリコールジベンゾエート可塑剤。
【0062】
KRONOS 4311:Houston,TexasのKronosから入手することができる固形分77%の二酸化チタン水性分散液。
【0063】
JONCRYL 617A:Racine,WisconsinのJohnson Polymerから入手することができる固形分45.5%、Tg7℃のアクリルラテックス。
【0064】
DREWPLUS L−198:Columbus,OhioのAshland Inc.から入手することができる脂肪族石油消泡剤。
【0065】
Butyl Cellusolve:Midland,MichiganのDow Chemicalから入手することができるエチレングリコールブチルエーテル溶媒。
【0066】
CYMEL 385:Cytec Industries Incから入手することができるメラミンホルムアルデヒド架橋剤。
【0067】
TINUVIN 1130:Basel,SwitzerlandのCibaから入手することができるヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール類の紫外線吸収剤。
【0068】
TINUVIN 292:Cibaから入手することができるコーティング用途のための液体ヒンダードアミン光安定剤。
【0069】
DYNASYLAN GLYEO:Parsippany,New JerseyのDegussaから入手することができるシランカップリング剤(3−グリシジルオキシ−プロピル−トリエトキシシラン)。
【0070】
DYNASYLAN HYDROSOL 2926:Degussaから入手することができるシランカップリング剤(3−グリシジルオキシ−プロピル−トリアルコキシシラン)。
【0071】
EVOCAR LATEX DA−280:Dow Chemicalから入手することができるVAEラテックス。
【0072】
TRITON X−405:Dow Chemicalから入手することができる非イオン界面活性剤。
【0073】
TRITON X−45:Dow Chemicalから入手することができる非イオン界面活性剤。
【0074】
XAMA 7:The Lubrizol Corporationから入手することができるポリアジリジン。
【0075】
1277−5A:実施例27Aに従って調製されたラテックス。
【0076】
1277−5A:実施例27Aに従って調製されたラテックス。
【0077】
1277−70:実施例28Aに従って調製されたラテックス。
【0078】
1277−72A:実施例28Aに従って調製されたラテックス。
【0079】
DEV−5147:実施例28Aに従って調製された、Avery Dennison Corporationから入手することができるラテックス。
【0080】
実施例1
別々の容器の中で以下の混合物
A.32.5部のKRONOS 4311(乾燥25部)
B.2.5部の水および0.26部のZONYL FS−300
C.2.5部のTAMOL 731A(乾燥0.6部)
D.181部のAIRFLEX 323(乾燥100部)
E.0.2部のDREWPLUS L−198
を調製した
成分A、BおよびCをよく混合し、Dに加え、次にEを加えた。次に、ブレンドを1.4milのPETフィルム上に塗布した。次に、得られたVAEフィルムをPETフィルムから剥がした。
【0081】
実施例2
別々の容器の中で以下の混合物
A.30.8部のAIRFLEX 465(乾燥20部)および145部のAIRFLEX 323(乾燥80部)
B.2.5部の水および0.26部のZONYL FS−300
C.19.5部のKRONOS 4311
D.0.2部のDREWPLUS L−198
を調製した。
【0082】
成分Bをよく混合し、Cに加え、次に混合物を撹拌下Aに加え、次にDを加えた。得られた固形分は58%であった。次に、ブレンドを2milのPETフィルム上に塗布した。次に、得られたVAEフィルムをPETフィルムから剥がした。
【0083】
上記の実施例2の調合物を次に量を大きくして調製した。ブレンドを2milのPET上に2.7milの厚さで塗布した。次に、被覆したフィルムに、Nagano,JapanのMimaki Engineering Co.,Ltd.から入手することができるMIMAKI JV3溶媒インクジェットプリンタを用いて印刷した。目視検査によって色の間のにじみは観測されず、印刷の品質は良好であった。
【0084】
実施例3
調合物の組成は、実施例2の場合と同じであった。スケールアップして調合物を大量とし、次に、パイロットコーター中で1.4milのPET上に塗布した。被覆したフィルムを次に剥離ライナーを有するPSAとラミネートした。被覆フィルムは、約1.9milであった。他の実施態様において、調合物をパイロットコーター中で0.92milのPETまたは2.0milのPET上に塗布した。PETフィルムを剥がした後、角度60度および85度における光沢レベルは、それぞれ82および96であった。
【0085】
次に、二重ダイ法を用いて剥離ライナー上に同じ調合物を塗布し、VAEエマルジョンを上層とし、VAEエマルジョンと剥離ライナーとの間にPSAエマルジョン(Ashland Inc.からのAROSET 3300)とした。二重ダイ法を用いるコーティングに加えて、他の実施態様において、スライドコーティング、逆スクロール、スロットダイおよび/またはカーテンコーティング法を用いて調合物を塗布する。調合物は、含水状態において良好な2層型コーティングを形成した。
【0086】
実施例4
調合物の組成は、バインダーシステムが30部乾燥AIRFLEX 465および70部乾燥AIRFLEX 323であった以外は実施例2のAの場合と同じであった。
【0087】
実施例5
調合物の組成は、バインダーシステムが20部BEZOFLEX 2088のとき43部乾燥VINAC 230および57部乾燥AIRFLEX 323であった以外は実施例2のAの場合と同じであった。
【0088】
実施例6
調合物の組成は、VINAC XX−230の代わりにVINAC 890DPNが用いられた以外は、実施例5の場合と同じであった。また、BENZOFLEX 2088の21部が20部の代わりに用いられた。
【0089】
実施例7
調合物においてBENZOFLEX 2088を用いなかった以外は実施例6と同じ。
【0090】
実施例8
5部のBENZOFLEX 2088を用いた以外は実施例6と同じ。
【0091】
実施例9
10部のBENZOFLEX 2088を用いた以外は実施例6と同じ。
【0092】
実施例10
10部のBENZOFLEX 2088を用いた以外は実施例5と同じ。
【0093】
実施例11
調合物中に0.4部のTAMOL 731Aを含んだ以外は実施例2と同じ。また、15部ではなく18部のKRONOS 4311を用いた。
【0094】
実施例12
18部ではなく25部のKRONOS 4311を用いた以外は実施例11と同じ。
【0095】
実施例13
57部のAIRFLEX 323および43部のVINAC XX−230ではなく70部のAIRFLEX 323および30部のVINAC XX−230を用いた以外は実施例5と同じ。また、BENZOFLEX 2088の量は20部ではなく5部であった。
【0096】
実施例14
100部のAIRFLEX 323ではなく90部のAIRFLEX 323および10部のVINAC XX−230をそれぞれ用いた以外は実施例1と同じ。また、0.6部ではなく0.4部のTAMOL 731Aを用いた。
【0097】
実施例15
90部のAIRFLEX 323および10部のVINAC XX−230ではなく80部のAIRFLEX 323および20部のVINAC XX−230を用いた以外は実施例14と同じ。
【0098】
実施例16
10部のVINAC XX−230を10部のVINAC 890DPNで置き換えた以外は実施例14と同じ。
【0099】
実施例17
20部のVINAC XX−230を20部のVINAC 890DPNで置き換えた以外は実施例15と同じ。
【0100】
実施例18
20部のVINAC XX−230を20部のHYCAR 26349で置き換えた以外は実施例15と同じ。
【0101】
実施例19
20部のVINAC XX−230を20部のHYCAR 26348で置き換えた以外は実施例15と同じ。
【0102】
実施例20
20部のVINAC XX−230を20部のJONCRYL 617Aで置き換えた以外は実施例15と同じ。
【0103】
実施例21
20部のVINAC XX−230を20部のSANCURE 899で置き換えた以外は実施例15と同じ。
【0104】
実施例22
2部のDYNASYLAN GLYEOも調合物の中に含めた以外は実施例1と同じ。
【0105】
実施例23
2部のDYNASYLAN HYDROSIL 2926も調合物の中に含めた以外は実施例1と同じ。
【0106】
実施例24
調合物の組成は、2部のTINUVIN 1130および1部のTINUVIN 292を5部のエチレングリコールn−ブチルエーテル(Aldrich)に溶解し、ブレンドに加えた以外は実施例4と同じであった。被覆フィルム5の耐久性をキセノンウェザーオーメーターを用いて試験した。
【0107】
上記の実施例において用いられたさまざまな調合物の組成は、下の表2に要約される。表3は、被覆フィルムのフィルム厚、不透明度および機械的性質を要約する。
【0108】
実施例25
80部のAIRFLEX 323および20部のVINAC XX−230を50部のHYCAR 26349および50部のHYCAR 26348でそれぞれ置き換えた以外は実施例15と同じ。
【0109】
実施例26
調合物中に3部のCYMEL 385を含めた以外は実施例15と同じ。
【0110】
実施例27A
VAE−アクリルハイブリッドエマルジョン調製
以下の溶液
A1:273gmのEVOCAR LATEX DA−280
A2:1gmの水および1gmのTRITON X−405
A3:2gmのアクリル酸ブチルおよび6gmのメタクリル酸メチル
B1:30gmの水、12gmのTRITON X−405および0.9gmのTRITON X−45
B2:50gmのアクリル酸ブチル、100gmのメタクリル酸メチルおよび7.5gmのアクリル酸
C:18gmの水および0.6gmのt−ブチル過酸化水素
D:18gmの水、0.6gmのホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム、0.1gmのTRITON X−405
を調製する。
プロセス:
1.1リットルの反応器にA1およびA2を入れ、少なくとも30分間窒素でパージする。
【0111】
2.撹拌を開始し、A3を加える。
【0112】
3.高せん断混合下にB2をB1に加えることによってBのプレエマルジョンを作る。
【0113】
4.加熱を開始し、50℃においてCおよびDをゆっくり加え始め、3時間かけて加える。
【0114】
5.10分後、55℃においてBをゆっくり加え始め、2時間かけて加える
6.これらのゆっくりした添加の後、CおよびDをさらに30分間ゆっくり加え続ける。次に、冷却し、容器から出す。
【0115】
得られたラテックス(1277−5A)は、pH4.5、固形分62.3%において粘度70センチポアズ(「cps」)を有する。
【0116】
実施例27B
調合物は、7%の水酸化アンモニウム溶液を加えることによって実施例27Aに従って調製したラテックス1277−5AをpH7に調節し、次にAIRFLEX 323およびVINAC XX−230の代わりに用いた以外は実施例15と同じである。TAMOL 731Aも用いなかった。
【0117】
実施例27C
2%のXAMA 7(ポリアジリジン)を含めた以外は27Bと同じ。
【0118】
実施例28A
実施例27と同じプロセスによって以下のラテックスを作った。下記に主な組成の一覧を示す。
【0119】
【表1−2】

実施例28B
別々の容器の中で以下の混合物
F.157.2部の1277−70(乾燥100部)
G.1.5部の水および1.5部のTRITON X−405
H.2部の水および0.23部のZONYL FS−300
I.1.6部のTAMOL 731A(乾燥0.4部)
J.32.5部のKRONOS 4311(乾燥25部)
K.0.2部のDREWPLUS L−198
L.1部の水および1部のXAMA 7
を調製した。
【0120】
成分をガラス容器に混合下で加えた。次に、ブレンドを1.42milのPETフィルム上に2milの厚さで塗布した。
【0121】
実施例28C
Gにおいて2部の水および2部のXAMA 7を用いた以外は28Bと同じ。
【0122】
実施例28D
Aにおいて163.4gmの1277−72ラテックスが用いた以外は28Bと同じ。
【0123】
実施例28E
Gにおいて2部の水および2部のXAMA−7を用いた以外は28Dと同じ。
【0124】
上記4つの被覆フィルム5(実施例28B、C、D、E)の印刷品質は、デジタルインクジェットプリンタによるキャストビニルと極めて類似していた。
【0125】
実施例29A
Aにおいて164gmのDEV 5147を用い、Bにおいて2.3gmのDISPONIL AFX 4030を用い、GにおいてXAMA−7を用いなかった以外は実施例28Bと同じ。得られた調合物を1.42milのPET上に1.8milで塗布した(プリント層と呼ぶ)。この被覆フィルムの上に、以下すなわち52部のVINAC DPN 890、45部のDUR−O−SET E130、1部の水、および0.3部のZONYL FS300のエマルジョンブレンド強化層を種々の厚さでさらに塗布した。被覆フィルムを85℃のオーブン中で5分間乾燥させた。
【0126】
実施例29B
AにおいてDEV 5147ではなくHYCAR 26−1265を用い、Gにおいて1部の水および1部のXAMA−7を用いた以外は実施例29Aと同じ。コーティングのために1.3部のRHEOLATE 350を加えて塗布粘度を増加させた。得られたコーティングは、厚さ1.5milを有する。このフィルムの上に、同じものを異なる厚さで塗布した。下表は、性能を示す。
【0127】
【表1−3】

結果は、VAE/アクリルハイブリッドとアクリルベースフィルム5との両方を強化層によって高張力にすることができることを示唆する。ライナーを有するPSA転写テープとともに強化層へラミネートし、PETの除去によってラミネートを作った。得られたラミネートは良好に印刷し、剥離させることができた。
【0128】
実施例30
実施例30Aおよび30Bは、29Aおよび29Bと同じ組成であり、強化層の厚さがそれぞれ異なる。結果は下表にある。
【0129】
【表1−4】

【0130】
【表2−1】

【0131】
【表2−2】

注:
1.組成物は、乾燥バインダー100を基準として正規化されている。
【0132】
2.すべての調合物は、乾燥バインダー100部を基準として約0.26%のZONYL FS−300および0.2%のDREWPLUS L−198を含んでいる。
【0133】
【表3】

請求項、要約、および図面を含む本記明細書において開示される特徴のすべて、および開示される任意の方法またはプロセスにおけるステップのすべては、そのような特徴および/またはステップの少なくともいくつかが互いに相容れない組み合わせを除いて、任意の組み合わせで組み合わされてよい。本明細書において開示されているそれぞれの特徴は、請求項、要約および図面を含めて、特に明記しない限り、同一の、等価な、または同様な目的にかなっている代替特徴によって置き換えることができる。従って、特に明記しない限り、開示されるそれぞれの特徴は、等価な、または同様な一般的な一連の特徴の1例でしかない。
【0134】
好ましい実施態様を参照して本発明を記載してきたが、当業者は、本発明の技術思想および範囲から逸脱することなく形式および細部において変化させることができることを認識するであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルムの作製における使用のために構成された組成物であって、
a.酢酸ビニルホモポリマーもしくは酢酸ビニルコポリマーまたはそれらの混合物(the mixture of)、アクリルコポリマーまたはそのVAEコポリマーとの混合物、VAEとアクリルとのハイブリッド、およびポリウレタン含有ポリマーからなる群より選択されるエマルジョンポリマー、ならびに
b.顔料、界面活性剤、分散剤、湿潤剤、可塑剤、消泡剤、カップリング剤、溶媒、紫外線吸収剤、難燃剤および光安定剤からなる群より選択される少なくとも1つの添加剤
を含む、組成物。
【請求項2】
前記エマルジョンポリマーは、水性エマルジョンポリマーである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
アクリル成分が、架橋されている、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記アクリル成分が、ポリアジリジンまたはメラミンホルムアルデヒドを用いて架橋することができる種類のものである、請求項1から3に記載の組成物。
【請求項5】
前記アクリル成分が、ポリアジリジンを用いて架橋することができる種類のものである、請求項1から4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
前記アクリル成分が、ポリアジリジンまたはメラミンホルムアルデヒドによって架橋されている、請求項1から3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
前記アクリル成分が、ポリアジリジンによって架橋されている、請求項1から3および6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
a.酢酸ビニルホモポリマーもしくは酢酸ビニルコポリマーまたはそれらの混合物、アクリルコポリマーまたはそのVAEコポリマーとの混合物、VAEとアクリルとのハイブリッド、およびポリウレタン含有ポリマーからなる群より選択されるエマルジョンポリマー、ならびに
b.顔料、界面活性剤、分散剤、湿潤剤、可塑剤、消泡剤、カップリング剤、溶媒、紫外線吸収剤、難燃剤および光安定剤からなる群より選択される少なくとも1つの添加剤、
を含む、フィルムであって、
前記フィルムは少なくとも約50%の伸びを有する、
フィルム。
【請求項9】
前記エマルジョンポリマーは、水性エマルジョンポリマーである、請求項8に記載のフィルム。
【請求項10】
アクリル成分が、架橋されている、請求項8に記載のフィルム。
【請求項11】
前記アクリル成分が、ポリアジリジンまたはメラミンホルムアルデヒドによって架橋されている、請求項8から10のいずれか1項に記載のフィルム。
【請求項12】
前記アクリル成分が、ポリアジリジンによって架橋されている、請求項8から11のいずれか1項に記載のフィルム。
【請求項13】
a.強化層、および
b.インク受容層
を含むフィルムであって、、
前記インク受容層は、酢酸ビニルホモポリマーもしくは酢酸ビニルコポリマーまたはそれらの混合物、アクリルコポリマーまたはそのVAEコポリマーとの混合物、VAEとアクリルとのハイブリッド、およびポリウレタン含有ポリマーからなる群より選択されるエマルジョンポリマーを含み、
前記強化層は、架橋性酢酸ビニルコポリマー、VAEエマルジョン、およびポリウレタンエマルジョン、あるいはそれらのブレンドからなる群より選択される材料を含む、
フィルム。
【請求項14】
前記エマルジョンポリマーは、水性エマルジョンポリマーである、請求項13に記載のフィルム。
【請求項15】
アクリル成分が、架橋されている、請求項13または14に記載のフィルム。
【請求項16】
前記アクリル成分が、ポリアジリジンまたはメラミンホルムアルデヒドによって架橋されている、請求項13から15のいずれか1項に記載のフィルム。
【請求項17】
前記アクリル成分が、ポリアジリジンによって架橋される種類のものである、請求項13から16のいずれか1項に記載のフィルム。
【請求項18】
フィルムを作製する方法であって、
a.成分および基材を提供するステップであって、前記成分は、
i.酢酸ビニルホモポリマーもしくは酢酸ビニルコポリマーまたはそれらの混合物、アクリルコポリマーまたはそのVAEコポリマーとの混合物、VAEとアクリルとのハイブリッド、およびポリウレタン含有ポリマーからなる群より選択されるエマルジョンポリマー、ならびに
ii.顔料、界面活性剤、分散剤、湿潤剤、可塑剤、消泡剤、カップリング剤、溶媒、紫外線吸収剤、難燃剤、および光安定剤からなる群より選択される少なくとも1つの添加剤
を含む、ステップと、
b.前記成分をブレンドして組成物を形成させるステップと、
c.前記基材を前記組成物で被覆して被覆基材を形成させるステップと
を含む、方法。
【請求項19】
前記エマルジョンポリマーは、水性エマルジョンポリマーである、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
d.前記被覆基材上の前記組成物を乾燥させるステップ、および
e.乾燥させた前記組成物を前記基材から取り外すステップ
をさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記基材は、ポリエチレンテレフタレートフィルムである、請求項18から20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
a.ライナー、
b.感圧接着剤、
c.強化層、および
d.インク受容層
を含むラミネートであって、
前記インク受容層は、酢酸ビニルホモポリマーもしくは酢酸ビニルコポリマーまたはそれらの混合物、アクリルコポリマーまたはそのVAEコポリマーとの混合物、VAEとアクリルとのハイブリッド、およびポリウレタン含有ポリマーからなる群より選択されるエマルジョンポリマーを含み、前記強化層は、架橋性酢酸ビニルコポリマー、VAEエマルジョン、およびポリウレタンエマルジョン、またはそれらのブレンドからなる群より選択される材料を含む
ラミネート。
【請求項23】
前記エマルジョンポリマーは、水性エマルジョンポリマーである、請求項22に記載のラミネート。
【請求項24】
前記ラミネートは、グラフィックスフィルムである、請求項22に記載のラミネート。
【請求項25】
前記強化層は、架橋性酢酸ビニルコポリマー、VAEエマルジョン、およびポリウレタンエマルジョンまたはそれらの混合物からなる群より選択される材料を含む、請求項22に記載のラミネート。
【請求項26】
a.ライナー、
b.感圧接着剤、ならびに
c.架橋性酢酸ビニルコポリマー、VAEエマルジョン、およびポリウレタンエマルジョンまたはそれらの混合物からなる群より選択される材料を含む強化層
を含む組立て品。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公表番号】特表2011−527714(P2011−527714A)
【公表日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−517395(P2011−517395)
【出願日】平成20年11月26日(2008.11.26)
【国際出願番号】PCT/US2008/084812
【国際公開番号】WO2010/005452
【国際公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【出願人】(594177391)エーブリー デニソン コーポレイション (26)
【氏名又は名称原語表記】Avery Dennison Corporation
【Fターム(参考)】