説明

組成物及び該組成物を用いたアンモニア製造方法

【課題】低圧条件下において高収率でアンモニアを製造できる組成物、及び該組成物を用いたアンモニア製造方法の提供。
【解決手段】(1)ルテニウム、ルテニウムを含む合金又はルテニウムを含む化合物、(2)ランタノイドを含む化合物、並びに、(3)塩基性助触媒及び/又は多孔性金属錯体を配合した組成物;前記ランタノイドを含む化合物は、ランタノイド酸化物であることが好ましい;前記塩基性助触媒は、アルカリ金属酸化物、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属酸化物又はアルカリ土類金属水酸化物であることが好ましい;前記多孔性金属錯体が、亜鉛、銅、マグネシウム、アルミニウム、マンガン、鉄、コバルト及びニッケルからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属を有することが好ましい;前記組成物を触媒として用いて、窒素と水素とを反応させてアンモニアを製造する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は窒素と水素からアンモニアを合成するのに適した組成物及び該組成物を用いたアンモニア製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
アンモニアは、長きにわたり、鉄系触媒を用いたハーバーボッシュ法により製造されてきた。しかしながらハーバーボッシュ法では、150気圧程度の高圧下で反応を行う必要があるため、設備投資及び消費電力の増大、製造工程の煩雑化等の問題を有する。
【0003】
上記問題に対して、近年では、ルテニウム触媒を用いて10気圧程度の低圧条件下でアンモニアを製造する方法が報告されている。この触媒を用いることにより、低圧条件下でアンモニアが製造可能となるのみならず、一酸化炭素や水によるアンモニア合成阻害を低減することも可能となり、アンモニア収率が向上する(非特許文献1〜3)。
【0004】
ルテニウム触媒を用いるアンモニア製造では、ルテニウム触媒を担体に担持させたる場合がある。ルテニウムを担持させる担体としては、触媒の担体として一般的なアルミナが広く用いられている。最近では、アルミナに替えて希土類酸化物を担体として用いることにより、ルテニウムの使用量を低減でき、且つ、反応温度を低くできることが開示されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−79177号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】秋鹿研一、「触媒」、1996年、第38巻、第4号、p287−292
【非特許文献2】秋鹿研一、「触媒」、1998年、第40巻、第8号、p588−595
【非特許文献3】秋鹿研一、「触媒」、2003年、第45巻、第1号、p17−19
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記のアンモニア製造方法では、より低圧条件下においてアンモニアを製造する場合のアンモニア収率が十分なものではなかった。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、低圧条件下において高収率でアンモニアを製造できる組成物、及び該組成物を用いたアンモニア製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明では以下の[1]〜[4]の組成物及び[5]のアンモニア製造方法を提供する。
[1](1)ルテニウム、ルテニウムを含む合金又はルテニウムを含む化合物、
(2)ランタノイドを含む化合物、並びに、
(3)塩基性助触媒及び/又は多孔性金属錯体
を配合した組成物。
[2]前記ランタノイドを含む化合物が、ランタノイド酸化物である[1]に記載の組成物。
[3]前記塩基性助触媒が、アルカリ金属酸化物、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属酸化物又はアルカリ土類金属水酸化物である、[1]又は[2]に記載の組成物。
[4]前記多孔性金属錯体が、亜鉛、銅、マグネシウム、アルミニウム、マンガン、鉄、コバルト及びニッケルからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属を有する、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の組成物。
[5][1]〜[4]のいずれか一項に記載の組成物を触媒として用い、窒素と水素とを反応させてアンモニアを製造する方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、低圧条件下においても高収率でアンモニアを製造することができる。また、低圧条件下においてアンモニアを製造することができることから、コンプレッサーなどの加圧装置が不要となり、設備投資だけでなく電力消費量を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施例で用いたアンモニア製造装置を示す模式図である。
【図2】実施例のアンモニアサンプリング方法を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[組成物]
本発明の第一の態様の組成物は、
(1)ルテニウム、ルテニウムを含む合金又はルテニウムを含む化合物、
(2)ランタノイドを含む化合物、並びに、
(3)塩基性助触媒及び/又は多孔性金属錯体を配合したものである。
当該組成物は、アンモニアの製造において触媒として好適に用いることができる。
以下、各成分を順に説明する。以下、配合成分をそれぞれ、「成分(1)」、「成分(2)」、「成分(3)」という。
【0013】
(1)ルテニウム、ルテニウムを含む合金又はルテニウムを含む化合物
本発明の組成物において、成分(1)はアンモニア製造における触媒として機能しうる。
成分(1)がルテニウムを含む合金である場合、ルテニウム以外の金属元素としては、ルテニウムと共晶又は固溶体となりうるものであれば特に限定されるものではないが、アンモニア合成反応性を有し、触媒能を向上できることから、鉄、モリブデン及びニッケルからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、アンモニア合成に工業的に用いられている点から鉄がより好ましい。
【0014】
ルテニウムを含む合金は、ルテニウム以外の金属元素を1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。また、ルテニウム及びルテニウム以外の金属元素に加えて、さらに炭素、ケイ素等の非金属元素を含んでいてもよい。
【0015】
成分(1)がルテニウムを含む化合物である場合、該化合物がルテニウム以外に含む配位子としては特に限定されるものではなく、中性配位子であってもイオン性配位子であってもよい。
【0016】
ルテニウムを含む化合物として具体的には、塩化ルテニウム、ルテニウムアセチルアセトナート、ルテニウムシアン酸カリウム、ルテニウム酸ナトリウム、ルテニウム酸カリウム、酸化ルテニウム、ドデカカルボニル三ルテニウム、硝酸ルテニウム等が挙げられる。
【0017】
成分(1)としては、ルテニウム、ルテニウムを含む合金、ルテニウムを含む化合物のいずれか1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0018】
成分(1)がルテニウムを含む合金又はルテニウムを含む化合物である場合、該合金又は該化合物中のルテニウムの含有割合は1質量%〜99質量%であることが好ましく、反応性を確保しやすいことから50質量%〜95質量%であることがより好ましい。
【0019】
組成物中の成分(1)の配合割合は、良好な触媒能を奏しうる割合であれば特に限定されるものではないが、0.01〜15質量%であることが好ましく、0.1〜13質量%であることがより好ましく1〜10質量%であることがさらに好ましい。
また、成分(1)がルテニウムである場合、ルテニウムの配合割合は、0.005〜15質量%であることが好ましく、0.05〜13質量%であることがより好ましく0.5〜10質量%であることがさらに好ましい。
【0020】
また、成分(1)と後述する成分(2)との合計に対する、成分(1)の配合割合は、0.1〜15質量%であることが好ましく、1〜10質量%であることがより好ましい。0.1質量%以上とすることにより良好な触媒活性を得ることができ、15質量%以下とすることにより触媒活性とコストとのバランスを取ることができる。
【0021】
(2)ランタノイドを含む化合物
本発明の組成物において、成分(2)は前記成分(1)を担持する単体として機能しうる。ランタノイドを含む化合物としては特に限定されるものではなく、15種のランタノイドのいずれを含む化合物であってもよい。
なかでも、ランタノイドとしてランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ガドリニウム、ジスプロシウムのいずれかを含む化合物であることが好ましく、強塩基性であるためルテニウムへの電子供給及びアンモニア合成が良好となることから、ランタン、セリウム、プラセオジムがより好ましい。
【0022】
また、ランタノイドを含む化合物としては、ランタノイド酸化物、ランタノイド硫化物、ランタノイド水酸化物、ランタノイド硫酸塩等のランタノイドと第16族元素(カルコゲン)とを含む化合物;
ランタノイド塩化物等のランタノイドと第17族元素(ハロゲン)とを含む化合物等が挙げられ、
成分(1)を良好に担持できることから、ランタノイド酸化物が好ましい。即ち、成分(2)としては、ランタン酸化物、セリウム酸化物又はプラセオジム酸化物が好ましい。
【0023】
成分(2)としては、市販のものを用いてもよく、製造してもよい。ランタノイド酸化物である成分(2)を製造する場合、例えば、アルカリ溶液に市販のランタノイド化合物(ランタノイド硝酸塩、ランタノイド硝酸塩の水和物等)を分散し、沈殿法により固形物を得た後、得られた固形物を焼成することにより製造できる。このようにして得られたランタノイド酸化物は、結晶構造が安定しているため、良好に成分(1)を担持可能となる。
【0024】
アルカリ溶液としては5〜50質量%、より好ましくは15〜35質量%のアンモニア水が好ましい。
固形物は、沈殿物をろ過することにより得ることができる。
焼成は、250〜900℃、より好ましくは300〜750℃で行うことができる。また、該焼成前に、焼成より低温での仮焼成を行ってもよい。仮焼成の温度は、200〜400℃(但し、焼成より低温)が好ましい。
【0025】
組成物中の成分(2)の配合割合は、成分(1)を良好に担持しうる割合であれば特に限定されるものではないが、40〜99.98質量%であることが好ましく、50〜99.8質量%であることがより好ましく70〜98質量%であることがさらに好ましい。
【0026】
(3)塩基性助触媒及び/又は多孔性金属錯体
本発明の組成物において、成分(3)は、成分(1)による触媒効率を向上させるために用いられるものである。成分(3)としては、塩基性助触媒のみを用いてもよく、多孔性金属錯体のみを用いてもよく、両者を組み合わせて用いてもよい。
【0027】
本発明において塩基性助触媒とは、電子供与性を有し、且つ、成分(1)と成分(2)と共に用いることにより触媒能を促進しうるものをいう。成分(3)は成分(1)のルテニウムに電子を供与することで反応を促進することができる。
【0028】
塩基性助触媒としては特に限定されるものではないが、
アルカリ金属を含む化合物及びアルカリ土類金属を含む化合物が好ましく、
アルカリ金属酸化物、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属酸化物及びアルカリ土類金属水酸化物がより好ましく、
アルカリ金属酸化物及びアルカリ金属水酸化物がより好ましい。
【0029】
アルカリ金属酸化物、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属酸化物及びアルカリ土類金属水酸化物の原料として用いることのできる前駆体として具体的には、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩等が挙げられる。
【0030】
アルカリ金属及びアルカリ土類金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム及びバリウムが好ましく、成分(1)への電子供与性に優れることから、ナトリウム、カリウム、ルビジウム及びセシウムがより好ましく、セシウムが更に好ましい。
【0031】
多孔性金属錯体としては特に限定されるものではなく、担体等の機能性材料として通常用いられるものを適宜選択することができる。成分(3)として多孔性金属錯体を用いることにより、多孔性金属錯体中に取り込まれたガスが、成分(1)による触媒効率を向上させうる。
【0032】
多孔性金属錯体としては例えば、文献1(Lowら、「Journal of American Chemical Societry」、2009年、131号、p.15834−15842)や、文献2(Schroderら、「Journal of American Chemical Societry」、2008年、130号、p.6119−6130)に記載のものを用いることができる。
【0033】
なかでも、亜鉛、銅、マグネシウム、アルミニウム、マンガン、鉄、コバルト及びニッケルからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属を有するものが好ましく、耐アンモニア性が確保しやすいと推測されることから、以下に示すものがより好ましい。
HKUST−1
(Cu(Benzenetricarboxylate)(HO)を表す。)、
Cr−MIL−101
(CrF(HO)O(Benzenedicarboxylate)・nHOを表す。)、
Al−MIL−110
(Al(OH)12{(OH)(HO)(Benzenetricarboxylate)・nHOを表す。)、
Zn−MOF−74
(Zn(DioxidoBenzenedicarboxylate)を表す。)、
Al−MIL−53
(Al(OH)(Benzenedicarboxylate)を表す。)、
Al−BTB
(Al[benzene−1,3,5−tris(phenylcarboxylate)]を表す。)、
ZIF−8
(Zn(2−Methylimidazolate)・(N,N−dimethylformamide)・(HO)を表す。)、
ZIF−90
([Zn(ICA)、Mg(HCOO)を表す。)。
これらの中でも、350〜400℃で安定して高活性を有することから、Al−BTBがさらに好ましい。
なお、上記の「ICA」は「イミダゾレートー2−カルボキシアルデヒド」を表す。
【0034】
組成物中の成分(3)の配合割合は特に限定されるものではないが、0.01〜15質量%であることが好ましく、0.1〜13質量%であることがより好ましく1〜10質量%であることがさらに好ましい。
【0035】
本発明の組成物は、成分(1)〜(3)以外のその他の成分が配合されたものであってもよい。その他の成分としては、本発明の効果を損なわないものであれば特に限定されるものではない。
【0036】
本発明において、成分(1)〜(3)を配合して組成物を調製する方法は特に限定されるものではないが、アンモニア製造触媒として用いる組成物(以下、「触媒組成物」ということがある。)を調製する場合の一例としては
(i)成分(2)に成分(1)を担持させる工程、及び、
(ii)前記工程(i)の生成物に、さらに成分(3)を配合し、触媒組成物を製造する工程、とを有する調製方法が挙げられる。
以下、各工程を説明する。
【0037】
(工程(i))
成分(2)に成分(1)を担持させる方法は特に限定されるものではないが、溶媒又は水中に成分(1)を分散させた後、成分(2)を添加することにより担持させる方法(含浸法)により行うことができる。
【0038】
溶媒としては特に限定されるものではないが、アセトン、テトラヒドロフラン等の極性溶媒、メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒等が挙げられる。
【0039】
成分(2)の添加後、必要に応じて、混合液の攪拌、溶媒又は水の留去、得られた生成物の乾燥等を行うことができる。
【0040】
また、成分(1)として用いるルテニウムがルテニウムを含む化合物である場合、該化合物に含まれる陰イオン又は配位子は、工程(ii)開始前に予め除去されることが好ましい。陰イオン又は配位子の除去は例えば、真空条件下又はHe等の不活性ガスの存在下で、加熱処理することにより行うことができる。加熱は50〜600℃、好ましくは150〜550℃で、0.5〜20時間行うことが好ましい。
【0041】
(工程(ii))
・塩基性助触媒
成分(3)として塩基性助触媒を用いる場合、例えば、塩基性助触媒水溶液に工程(i)で得られた生成物を添加し、塩基性助触媒を含浸させる含浸法により触媒組成物を調製することができる。
【0042】
塩基性助触媒の添加後、必要に応じて、混合液の攪拌、水の留去、得られた生成物の乾燥等を行うことができる。
【0043】
塩基性助触媒の添加量は、成分(1)に対する原子比が0.01〜20質量%となる量であることが好ましい。上記下限値以上とすることにより触媒活性を特に向上させることができ、上記上限値以下とすることにより、過度の塩基性助触媒の存在による触媒活性の低下を防ぐことができる。
【0044】
また、塩基性助触媒としてアルカリ金属を含む化合物又はアルカリ土類金属を含む化合物を用いる場合、該化合物に含まれる陰イオン又は配位子を除去することが好ましい。配位子の除去は前記ルテニウム化合物に含まれる陰イオン又は配位子の除去と同様に行うことができる。
【0045】
・多孔性金属錯体
成分(3)として多孔性金属錯体を用いる場合、例えば、工程(i)で得られた生成物と、多孔性金属錯体とを物理混合により複合化する方法により触媒組成物を調製することができる。物理混合の方法としては、乳鉢による混合、ボールミルによる混合等、公知の方法を用いることができる。
【0046】
上記の様にして調製された触媒組成物に対して、さらに水素還元反応を行ってもよい。触媒であるルテニウムを金属状態に還元することにより、触媒能が向上する。水素還元反応は100〜700℃、好ましくは300〜600℃において、水素含有雰囲気中で0.5〜20時間行うことが好ましい。
【0047】
なお、組成物の調製方法は上記方法に限定されるものではなく、例えば、含浸法により成分(2)に塩基性助触媒を含浸させた後に、含浸法によりさらに成分(1)を含浸させてもよい。
また、触媒組成物が塩基性助触媒と多孔性金属錯体との両者を配合したものである場合、工程(i)の後、工程(ii)開始前に多孔性金属錯体と工程(i)の生成物とを物理混合し、その後塩基性助触媒を含浸させてもよく、工程(ii)において塩基性助触媒を含浸させた後に、多孔性金属錯体を物理混合してもよい。
【0048】
[アンモニア製造方法]
本発明の第二の態様のアンモニア製造方法は、上記第一の態様の組成物を触媒として用いるものである。
アンモニアの製造方法は特に限定されるものではないが、例えば、第一の態様の組成物が充填された反応容器内に、水素ガスと窒素ガスとからなる原料ガスを供給することによりアンモニアを製造することができる。
【0049】
第一の態様の組成物は、予め粉砕、成型、整粒等を行った後にアンモニアの製造に用いてもよい。
【0050】
反応温度は、200℃〜600℃が好ましく、250℃〜500℃がより好ましく、300℃〜450℃がさらに好ましい。本発明のアンモニア製造方法においては、第一の態様の組成物を用いることにより反応容器内が低圧条件下であってもアンモニアを高収率で製造することができる。そのため、反応容器内の圧力は、低圧である1〜20気圧が好ましく、1〜10気圧がより好ましく、1〜5気圧がさらに好ましい。
【実施例】
【0051】
以下に実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0052】
本実施例にて用いる反応装置について以下説明する。
アンモニア製造装置として、図1に示される固定床流通式装置を用いた。常圧実験の際には、内径7mmの石英製のリアクターを使用した。
アンモニア製造の前処理として、検討に用いる組成物(触媒)をリアクターに充填し、500℃、1時間の水素還元を行った。続けて、Arパージを行いながら反応温度である310℃まで降温させ、温度が安定したところで反応ガスの供給を開始し、350℃まで昇温した。反応ガスはN/H=1/3(SV=18000ml/(h・g))とした。反応式は下に示す通りである。
+3H→2NH
【0053】
(反応条件)
触媒量:0.2g
活性化処理条件:H流通下,10ml/min,500℃,1h.
反応温度:350℃
反応圧:0.1MPa(1気圧)
反応ガス:N15ml/分,H45ml/分
【0054】
反応温度は350℃とし、30分間のサンプリングを行った。アンモニアのサンプリング方法の模式図を図2に示す。反応菅の出口ガス(アンモニア、水素、窒素)をアンモニアトラップとして0.001Mまたは0.01M硫酸溶液に通し、アンモニアのみを捕集した。このときの反応式は下に示す通りである。
2NH+HSO→2NH+SO2−
【0055】
反応菅の出口ガス中のアンモニアとトラップの硫酸溶液から、アンモニウムイオンと硫酸イオンが生成する。この反応での電気伝導度の減少をモニターし、触媒のアンモニア合成への活性を測定した。
【0056】
さらに、電気伝導度値より計算を行ったアンモニア収率の確認として、イオンクロマトグラフィーでアンモニア濃度を測定した。イオンクロマトグラフィーには、アンモニア合成の各温度で捕集したアンモニアトラップ硫酸溶液を分取し、測定を行った。
【0057】
(イオンクロマトグラフィー分析条件)
カラム:ShodexIC YK−421
カラムサイズ:内径4.6mm,長さ125mm
充填剤:シリカゲルにカルボキシル基を持つポリマーを被覆した弱酸性の陽イオン交換体
溶離液:4mmol/lリン酸溶液
【0058】
なお,アンモニア収率の計算には窒素原子を内部標準として用いた.計算式は次式の通りである.
【0059】
【数1】

【0060】
<調製例1−1>
500mLビーカー中で、0.1mol相当のPr(NO・6HO(関東化学社製)を計り取り、イオン交換水400mLを加え攪拌し溶解した。また、別の1Lビーカーに25%アンモニア水200mLを入れ、スターラーにて攪拌した。そして、マイクロチューブポンプを用い、上記硝酸塩水溶液を上記25%アンモニア水に約4時間程度で滴下した後、一晩攪拌を続けた。その後、イオン交換水で濾過洗浄を繰り返した。得られた固形物は乾燥機での70℃、12時間以上の乾燥、排気焼成炉での大気中300℃、3時間の仮焼成を経て、冷却後に乳鉢で粉砕した。さらにマッフル炉にて700℃、3時間、大気中で本焼成し、Pr11を得た。
【0061】
<調製例1−2>
500mLビーカー中で、0.1mol相当のCe(NO・6HO(関東化学社製)を計り取り、イオン交換水400mLを加え攪拌し溶解した。また,別の1Lビーカーに25%アンモニア水200mLを入れ、スターラーにて攪拌した。そして、マイクロチューブポンプを用い、上記硝酸塩水溶液を上記25%アンモニア水に約4時間程度で滴下した後、一晩攪拌を続けた。その後、イオン交換水で濾過洗浄を繰り返した。得られた固形物は乾燥機での70℃、12時間以上の乾燥、排気焼成炉での大気中300℃、3時間の仮焼成を経て、冷却後に乳鉢で粉砕した。さらにマッフル炉にて700℃、3時間、大気中で本焼成し、CeOを得た。
【0062】
<調製例1−3>
500mLビーカー中で、0.1mol相当のLa(NO・6HO(関東化学社製)を計り取り、イオン交換水400mLを加え攪拌し溶解した。また,別の1Lビーカーに25%アンモニア水200mLを入れ、スターラーにて攪拌した。そして、マイクロチューブポンプを用い、上記硝酸塩水溶液を上記25%アンモニア水に約4時間程度で滴下した後、一晩攪拌を続けた。その後、イオン交換水で濾過洗浄を繰り返した。得られた固形物は乾燥機での70℃、12時間以上の乾燥、排気焼成炉での大気中300℃、3時間の仮焼成を経て、冷却後に乳鉢で粉砕した。さらにマッフル炉にて700℃、3時間、大気中で本焼成し、Laを得た。
【0063】
<調製例2−1>
Ru(CO)12(和光純薬工業社製)565mg(0.88mmol)をナスフラスコにいれ、200mlのテトラヒドロフランに溶解させた後に、上記<調製例1−1>で得られた担体(Pr11)5.0mg(4.9mmol)を加え、12時間常温でマグネットスターラーで攪拌した。その後,ロータリーエバポレーターを使用して溶媒を加熱除去した.このとき温浴の温度は70℃まで徐々に上げた.得られた固形物はナスフラスコから焼成皿に移して70℃の乾燥機で1日乾燥させた後、パイレックス(登録商標)ガラス(コーニング社製)のボートに入れ,He流通下の横型管状炉内で350℃,5時間加熱処理することで,ルテニウム化合物の配位子を除去した。このような手順で得られた生成物は、ルテニウムを5質量%担持した5質量%Ru/Pr11であった。
【0064】
<調製例2−2>
<調製例1−1>で得られた担体に替えて、<調製例1−2>で得られた担体(CeO)5.0g(29mmol)を用いた以外は上記<調製例2−1>と同様にして、ルテニウムを5質量%担持した5質量%Ru/CeOを調製した。
【0065】
<調製例2−3>
<調製例1−1>で得られた担体に替えて、<調製例1−3>で得られた担体(La)5.0g(15mmol)を用いた以外は上記<調製例2−1>と同様にして、ルテニウムを5質量%担持した5質量%Ru/Laを調製した。
【0066】
<調製例2−4>
担体には<調製例1−3>に準じて調製したLaを用いた。
RuClのn水和物を157mg、ポリビニルピロリドン666.6mg、エチレングリコール290mlを、アルゴン雰囲気下23℃にて5分間かけて攪拌した。23℃で30分、220℃で2時間攪拌した後、冷却、ろ別し、エタノール、アセトン、ジエチルエーテル、水で洗浄してRuナノ粒子を得た。
得られたRuナノ粒子869mgを40mlエタノールに溶解し、La 2.0gを加えて5分間超音波照射をした。水浴上でメタノールを蒸発させてRuナノ粒子担持触媒2.54gを得た。
元素分析をICP−AES(ICPE−9000、島津製作所社製)にて行ったところ、3.0質量%のRuが担持されていることが判明した。以下、該触媒を3.0質量%Ru/Laと呼称することがある。
【0067】
<調製例2−5>
担体には<調製例1−3>に準じて調製したLaを用いた。
RuClのn水和物を313mg、Fe[Cを43mg、ポリビニルピロリドン266mg、水酸化ナトリウム10mg、エチレングリコール300mlをナスフラスコに入れ、アルゴン雰囲気下140℃まで加熱攪拌した。水素化ホウ素ナトリウム454mgを添加した後、180℃まで昇温し、120分間攪拌した。冷却、濾別し、エタノール、アセトン、ジエチルエーテル、水で洗浄して、RuFeナノ粒子を230mg得た。
得られたRuFeナノ粒子1,050mgを40mlメタノールに溶解し、La 2.0gを加えて5分間超音波照射をした。水浴上でメタノールを蒸発させて、RuFeナノ合金担持触媒2.38gを得た。
元素分析をICP−AESにて行ったところ、4.7質量%のRu及び0.3質量%のFeが担持されていることが判明した。以下、該触媒を4.7質量%Ru―0.3質量%Fe/Laと呼称することがある。
【0068】
<調製例2−6>
担体には<調製例1−3>に準じて調製したLaを用いた。
RuClのn水和物564mg、Ni(CHCO60mg、ポリビニルピロリドン1,333mg、エチレングリコール200mlを、ナスフラスコに入れ、アルゴン雰囲気下170℃まで加熱し、15分間攪拌した。冷却、濾別し、エタノール、アセトン、ジエチルエーテル、水で洗浄して、RuNiナノ粒子を800mg得た。作製したRuNiナノ粒子800mgを40mlメタノールに溶解し、La 1.4gを加えて5分間超音波照射をした。水浴上でメタノールを蒸発させて、RuNiナノ合金担持触媒を1.42g得た。
元素分析をICP−AESにて行ったところ、4.3質量%のRu及び0.1質量%のNiが担持されていることが判明した。以下、該触媒を4.3質量%Ru―0.1質量%Ni/Laと呼称することがある。
【0069】
<参考例1〜2、比較例1>
表1に示す触媒を用い、上述した方法により350℃でのアンモニア合成活性(単位:%。Ru 1gあたりの合成収率)を測定し、アンモニア収率を算出した。結果を表1に示す。なお、触媒は、乳鉢で充分に粉砕,混合し,ディスク成型にした後,再度,粉砕して250〜500μmに整粒して用いた。
【0070】
【表1】

【0071】
上記結果から、Ruに、Fe、Niのような卑金属を少量合金化し、ランタノイド担体に担持させた参考例1〜2の触媒は、Ru単独でランタノイド担体に担持させた比較例1の触媒に比べて、アンモニア合成活性が高まり、常圧においても高収率でアンモニアを製造できることがわかった。
【0072】
<実施例1>
Al−BTBと、上記<調製例2−1>で得られた5質量%Ru/Pr11とを、質量比1:9で乳鉢を用いて物理混合した。このような手順でAl−BTB+5質量%Ru/Pr11を得た。得られた触媒を用いて、上述した方法によりアンモニアを製造し、アンモニア収率を算出したところ、0.15%であった。結果を表2に示す。
なお、触媒は、参考例1〜2等と同様に粉砕、混合、成型、再粉砕、整粒した後に用いた。以下の実施例2〜10及び比較例2も同様である。
【0073】
<実施例2>
以下の手順で、5質量%Ru/Pr11<調製例2−1>にアルカリ金属酸化物を配合した触媒を調製した。なお,触媒中のアルカリ金属とルテニウムの原子比は1.0となるようにした.
300mlビーカーに150mlの蒸留水を入れ、アルカリ金属酸化物の前駆体であるCsNO(関東化学社製)を193mg(0.99mmol)加えてマグネットスターラーで撹拌し,溶解させた。
その後,上記<調製例2−1>で得られた5質量%Ru/Pr11を2.0mg(Ru:0.99mmol)加えて常温で12時間撹拌した。その後、ホットスターラ―上で加熱攪拌により水分を蒸発させ、ペースト状になったものを70℃の乾燥機で充分に乾燥させ、乳鉢で粉砕混合した。
その後、パイレックス(登録商標)ガラス(コーニング社製)のボートにいれ、横型管状炉で100%のH流通下で500℃、1時間加熱処理することで、アルカリ金属酸化物前駆体中の硝酸根を除去し、生成物を得た。
このような手順で得られた生成物は、Cs及び5質量%のルテニウムを担持したCs/5質量%Ru/Pr11であった。得られた生成物を触媒としてを用いて、上述した方法によりアンモニアを製造し、アンモニア収率を算出したところ、1.01%であった。結果を表2に示す。
【0074】
<実施例3>
以下の手順で、5質量%Ru/CeO<調製例2−2>にアルカリ金属酸化物を配合した触媒を調製した。なお、触媒中のアルカリ金属とルテニウムの原子比は0.5となるようにした。
300mlビーカーに150mlの蒸留水を入れ、アルカリ金属酸化物の前駆体であるCsNO(関東化学社製)を96mg(0.49mmol)加えてマグネットスターラーで撹拌し、溶解させた。
その後、上記<調製例2−2>で得られた所定量の5質量%Ru/CeOを2.0mg(Ru:0.99mmol)加えて常温で12時間撹拌した。その後、ホットスターラ―上で加熱攪拌により水分を蒸発させ、ペースト状になったものを70℃の乾燥機で充分に乾燥させ、乳鉢で粉砕混合した。
その後、パイレックス(登録商標)ガラス(コーニング社製)のボートにいれ、横型管状炉で100%のH流通下で500℃、1時間加熱処理することで、アルカリ金属酸化物前駆体中の硝酸根を除去し、生成物を得た。
このような手順で得られた触媒は、Cs/5質量%Ru/CeOであった。得られた触媒を用いて、上述した方法によりアンモニアを製造し、アンモニア収率を算出したところ、0.79%であった。結果を表2に示す。
【0075】
<実施例4>
以下の手順で5質量%Ru/La<調製例2−3>にアルカリ金属酸化物を配合した触媒を調製した。なお、触媒中のアルカリ金属とルテニウムの原子比は0.1となるようにした。
300mlビーカーに150mlの蒸留水を入れ、アルカリ金属酸化物の前駆体であるCsNO(関東化学(株)製)を19mg(0.097mmol)加えてマグネットスターラーで撹拌し、溶解させた。
その後,上記<調製例2−3>で得られた所定量の5質量%Ru/Laを2.0mg(Ru:0.99mmol)加えて常温で12時間撹拌した。
その後、ホットスターラ―上で加熱攪拌により水分を蒸発させ、ペースト状になったものを70℃の乾燥機で充分に乾燥させ、乳鉢で粉砕混合した。
その後、パイレックス(登録商標)ガラス製(コーニング社製)のボートにいれ、横型管状炉で100%のH流通下で500℃、1時間加熱処理することで、アルカリ金属酸化物前駆体中の硝酸根を除去し、生成物を得た。
このような手順で得られた触媒は、Cs/5質量%Ru/Laであった。得られた触媒を用いて、上述した方法によりアンモニアを製造し、アンモニア収率を算出したところ、0.72%であった。結果を表2に示す。
【0076】
<実施例5>
以下の手順で3質量%Ru/La<調製例2−4>にアルカリ金属酸化物を配合した触媒を調製する。なお,触媒中のアルカリ金属とルテニウムの原子比は0.1となるようにする。
300mlビーカーに150mlの蒸留水を入れ、アルカリ金属酸化物の前駆体であるCsNO(関東化学(株)製)を加えてマグネットスターラーで撹拌し,溶解させる。
その後,上記<調製例2−4>で得られた所定量の3質量%Ru/Laを加えて常温で12時間撹拌する。
その後,ホットスターラ―上で加熱攪拌により水分を蒸発させ,ペースト状になったものを70℃の乾燥機で充分に乾燥させ,乳鉢で粉砕混合する。
その後パイレックス(登録商標)ガラス製(コーニング社製)のボートにいれ,横型管状炉で100%のH流通下で500℃,1時間加熱処理することで,アルカリ金属酸化物前駆体中の硝酸根を除去し、生成物を得る。
このような手順で得られる触媒は、Cs/3wt%Ru/Laである。
【0077】
<実施例6>
以下の手順で4.7質量%Ru−0.3質量%Fe/La<調製例2−5>にアルカリ金属酸化物を配合した触媒を調製する。なお,触媒中のアルカリ金属とルテニウムの原子比は0.1となるようにする。
300mlビーカーに150mlの蒸留水を入れ、アルカリ金属酸化物の前駆体であるCsNO(関東化学(株)製)を加えてマグネットスターラーで撹拌し,溶解させる。
その後,上記<調製例2−5>で得られた所定量の4.7質量%Ru−0.3質量%Fe/Laを加えて常温で12時間撹拌する。
その後,ホットスターラ―上で加熱攪拌により水分を蒸発させ,ペースト状になったものを70℃の乾燥機で充分に乾燥させ,乳鉢で粉砕混合する。
その後パイレックス(登録商標)ガラス製(コーニング社製)のボートにいれ,横型管状炉で100%のH流通下で500℃,1時間加熱処理することで,アルカリ金属酸化物前駆体中の硝酸根を除去し、生成物を得る。
このような手順で得られる触媒は、Cs/4.7質量%Ru−0.3質量%Fe/Laである。
【0078】
<実施例7>
以下の手順で4.3質量%Ru−0.1質量%Ni/La<調製例2−6>にアルカリ金属酸化物を配合した触媒を調製する。なお,触媒中のアルカリ金属とルテニウムの原子比は0.1となるようにする。
300mlビーカーに150mlの蒸留水を入れアルカリ金属酸化物の前駆体(CsNO(関東化学(株)製)を加えてマグネットスターラーで撹拌し,溶解させる。その後,上記<調製例2−6>で得られた所定量の4.3質量%Ru−0.1質量%Ni/Laを加えて常温で12時間撹拌する。その後,ホットスターラ―上で加熱攪拌により水分を蒸発させ,ペースト状になったものを70℃の乾燥機で充分に乾燥させ,乳鉢で粉砕混合する。その後パイレックス(登録商標)ガラス製(コーニング社製)のボートにいれ,横型管状炉で100%のH流通下で500℃,1時間加熱処理することで,アルカリ金属酸化物前駆体中の硝酸根を除去し、生成物を得る。
このような手順で得られた触媒は、Cs/4.3質量%Ru−0.1質量%Ni/Laである。
【0079】
<実施例8>
Al−BTBと、上記<調製例2−4>で得られた3質量%Ru/Laとを、質量比1:9で乳鉢を用いて物理混合する。
このような手順でAl−BTB+3質量%Ru/Laを得る。
【0080】
<実施例9>
Al−BTBと、上記<調製例2−5>で得られた4.7質量%Ru−0.3質量%Fe/Laとを、質量比1:9で乳鉢を用いて物理混合する。
このような手順でAl−BTB+4.7質量%Ru−0.3質量%Fe/Laを得る。
【0081】
<実施例10>
Al−BTBと、上記<調製例2−6>で得られた4.3質量%Ru−0.1質量%Ni/Laとを、質量比1:9で乳鉢を用いて物理混合する。
このような手順でAl−BTB+4.3質量%Ru−0.1質量%Ni/Laを得る。
【0082】
<比較例2>
上記比較例1において得られた触媒を用いて、上述した方法によりアンモニアを製造し、アンモニア収率を算出したところ、0.06%であった。結果を表2に示す。
【0083】
【表2】

【0084】
上記結果から、塩基性助触媒を配合した実施例2〜4の触媒、並びに多孔性金属錯体を配合した実施例1の触媒を用いた場合、塩基性助触媒及び多孔性金属錯体を配合していない比較例2の触媒に比べて、常圧においても高収率でアンモニアを製造できることがわかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)ルテニウム、ルテニウムを含む合金又はルテニウムを含む化合物、
(2)ランタノイドを含む化合物、並びに、
(3)塩基性助触媒及び/又は多孔性金属錯体
を配合した組成物。
【請求項2】
前記ランタノイドを含む化合物が、ランタノイド酸化物である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記塩基性助触媒が、アルカリ金属酸化物、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属酸化物又はアルカリ土類金属水酸化物である、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記多孔性金属錯体が、亜鉛、銅、マグネシウム、アルミニウム、マンガン、鉄、コバルト及びニッケルからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物を触媒として用い、窒素と水素とを反応させてアンモニアを製造する方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−111562(P2013−111562A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−262899(P2011−262899)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成22年度独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「グリーン・サステイナブルケミカルプロセス基盤技術開発」「化学品原料の転換・多様性を可能とする革新グリーン技術の開発」「気体原料の高効率利用技術の開発」に係る委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【出願人】(000004444)JX日鉱日石エネルギー株式会社 (1,898)
【出願人】(000186762)昭栄化学工業株式会社 (55)
【出願人】(304028726)国立大学法人 大分大学 (181)
【出願人】(504132272)国立大学法人京都大学 (1,269)
【出願人】(504173471)国立大学法人北海道大学 (971)
【Fターム(参考)】