説明

組織治療装置及び方法

【課題】生体組織に治療線量を付与するための装置が開示される。
【解決手段】本装置は、複数の電極を含むか、又はこれを調節可能に収容するように構成された平面担体を含む。電極の位置は、生体組織に治療線量を付与する段階を含む治療手順の間に、使用者が変更することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2005年6月3日に出願された名称「TISSUE TREATMENT DEVICE AND METHOD(組織治療装置及び方法)」の米国特許仮出願番号60/687,256(代理人整理番号BI9846PR)の利益を出張し、該出願の全ての内容全体は引用により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
先行技術には、組織の構造、組成又は生理を改善するような治療を容易にするための電極要素を有するか又はこれと共に用いられる電磁エネルギー放出デバイスを含む種々の組織治療装置が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の特定の態様に従って組織を治療するために、吸引カップ、パテ、及びパネルのような担体が電極に結合される。担体は、創傷治癒、疼痛管理、組織変色、組織炎症又は損傷、腫瘍、及び疼痛を検出、治療、及び/又は管理するために用いることができる。1つ又はそれ以上のカスタマイズ可能な治療ゾーンには、波形、隆起、くぼみ、又は組織に対する治療処置を容易にするのに好適な当業者には公知の他の表面を含む表面トポロジーを含むことができる。
【0004】
本発明の1つの態様によれば、生体組織に治療線量を付与するための方法は、組織の異なる場所に配置された複数の電極を通して生体組織にパルス信号を印加する段階と、生体組織から応答信号を受け取る段階と、パルス信号及び応答信号の1つ又はそれ以上に基づき、生体組織の1つ又はそれ以上の有痛性トリガ点を検出する段階と、複数の電極を用いて治療線量のエネルギーを生体組織の1つ又はそれ以上の検出されたトリガ点に配向する段階とを含む。
【0005】
本発明の別の態様による生体組織に治療線量を付与するための装置は、複数の電極を含むか又はこれを調節可能に収容するように構成された平面的担体を備え、電極の位置は、治療線量を生体組織に付与する段階を含む治療過程の間に使用者が変更することができる。
【0006】
本明細書に記載されるあらゆる特徴又は特徴の組み合わせは、文脈、本明細書、及び当業者の知識から明らかとなるこのような組み合わせに含まれる特徴が互いに矛盾しない限り、本発明の範囲内に含まれる。加えて、あらゆる特徴又は特徴の組み合わせは、本発明のあらゆる実施形態から具体的に除外することができる。本発明を要約する目的で、本発明の特定の態様、利点及び新規の特徴が記載される。当然、このような態様、利点又は特徴の全てが、本発明のあらゆる特定の実施において必ずしも具現化される訳ではない点は理解されるべきである。本発明の追加の利点及び態様は、以下の詳細な説明及び添付の請求項で明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1A】本発明の実施形態による吸引カップの形状を含む担体の断面図である。
【図1B】図1Aの構成の平面図である。
【図2A】本発明の別の実施形態による可撓性パネル又は接着テープのような平坦材料を含む担体の側面図である。
【図2B】図2Aの構造の平面図である。
【図3A】本発明の更に別の実施形態による成形可能材料を含む担体の部分断面図である。
【図3B】図3Aの平面図である。
【図4A】本発明の別の実施形態による、部分に分割された担体の側面図である。
【図4B】担体の製造時に定めることができる部分に分割された担体の平面図である。
【図4C】事前に検出されたトリガ点の部位又はトリガ点の治療部位に基づいて、使用者が設計することができる部分に分割された担体の平面図である。
【図5A】本発明の1つの態様による流体圧力を用いてトリガ点を検出するための手順で用いる装置を示す図である。
【図5B】本発明の1つの実施による流体圧力を用いてトリガ点を検出する際に用いるための装置を示す図である。
【図5C】本発明の別の実施による空気圧力を用いてトリガ点を検出するのに用いるための装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
ここで、本発明の例示的な実施形態を詳細に述べるが、その実施例は、添付図面の何れかにおいて例証することができる。可能である場合は常に、こうした図面及び明細書において同じ又は同様の要素を示すのに同じ又は同様の参照番号を用いることができる。このような図面は、簡略的な形式であり、正確な縮尺でない点に留意されたい。本明細書の開示事項に対する参照では、単に便宜上及び明瞭にする目的で、上部、底部、左、右、上方、下方、覆って、上に、下に、真下、後方、前方などの方向を示す用語をあらゆる添付図面に関して用いることができる。このような方向を示す用語は、本発明の範囲をどのようにも限定するものではないものとする。
【0009】
本明細書での開示事項は、特定の例示的な実施形態を参照するが、これらの実施形態は例証として提示されたものであり、限定の目的のものではない点は理解すべきである。例示的な実施形態を論じているが、以下の詳細な説明の目的は、請求項により定められる本発明の精神及び範囲内に含むことができる全ての変更形態、変形形態、及び実施形態の均等物を保護するものとみなされる。本明細書で記載され、又は引用により本明細書に組み込まれる工程段階及び構造は、本明細書に記載する実施の完全な工程フローを包含するものでないことは理解され認められるべきである。本発明は、当技術分野で従来から用いられている種々の医療装置と併せて実施することができ、本明細書では、一般的に実施される方法段階の内の本発明を理解するのに必要な限られたものだけが含まれる。
【0010】
本明細書に記載するあらゆる特徴又は特徴の組み合わせは、あらゆるこのような組み合わせに含まれる特徴が、文脈、本明細書、及び当業者の知識から明らかであるように互いに矛盾しない場合には本発明の範囲に含まれる。
【0011】
本明細書の開示事項は、例えば、有痛性のトリガ点を治療するための方法を含む、組織(即ち硬組織及び軟組織)を治療するためのカスタマイズ可能な治療ゾーンを有する装置の利用に関し、本方法は、例えば、低レベルレーザ療法で筋肉組織の疼痛を治療すること、又はマウスピース装置及び方法に関することができるが、本発明の装置及び工程は、このような利用に限定されない。本発明の装置は、身体の組織上又は組織内に電磁放射又は他の適切な治療実施の適用による恩恵を受けることができるあらゆる医療目的に用いることができ、又は用いるために変更することができる。
【0012】
本発明の装置は、一般に、1つ又はそれ以上の電極(例えば、光ファイバー出力先端部)を備えるか、又は調節可能に収容するように構成された担体を含むことができる。例示的な実施形態では、担体は、例えば口の解剖学的構造に適合するように内部及び/又は外部表面に適合する患者の口への挿入部、及び/又はジョーグローブのような顎に接触又は成形適合する装置を含むことができる。他の実施形態では、担体は、頭又は身体の外側部分に適合するか他の方法で接触するパッド(例えば成形可能パッド)又は他の接触装置を含むことができる。本発明の一態様によれば、担体は、例えば、電磁放射線源を用いて実施することができるカスタマイズ可能な治療ゾーン(少なくとも部分的には、例えば検出器を用いて決定することができる)に結合することができ、及び/又は該治療ゾーンを定めることができる。他の実施形態では、カスタマイズ可能な治療ゾーンは、圧力センサを用いて定めるか又は検出することができる。1つの組み合わせは、例えば、有痛性のトリガ点のような組織部位を治療するための顔に取り付けるパッド又はグローブ、或いは顔又は他の身体部分(例えば背中)に取り付けるパッドを含むことができる。1つ又はそれ以上のグローブ又はパッドは、身体に内部的及び/又は外部的に用いることができる。
【0013】
一例として、顎関節(TMJ)を治療するための担体は、顎の内側及び外側組織の1つ又はそれ以上に接触するように適合されたジョーグローブを含むことができる。ジョーグローブは、例えば、電磁エミッタ、磁気エミッタ、及び/又は流体(例えば空気)圧力付与装置の1つ又はそれ以上を含むことができ、これらは、有痛性トリガ点、経線、又は他の治療標的筋肉部位に一致するように配置することができる。本発明の好ましい態様によれば、担体は、緊張した筋肉又は有痛性トリガ点に一致するように配置される。
【0014】
特定の実施によれば、1つ又は複数のパッドは、顔又は背中の治療領域のような身体の何らかの1つ又は複数の部分に適合することができるか、又は適合するように付形可能(例えば成形可能)とすることができる。1つの実施形態では、担体は、図1Aとこれに対応する図1Bの断面図に示すような吸引カップ形及び組成物、及び当業者には公知のような図2A及びこれに対応する図2Bの断面図に示すような可撓性のパネル及び/又は接着テープなどの平坦材料、及び/又は図3A及びこれに対応する図3Bの断面図に示すような1つ又はそれ以上の成形可能材料(例えばパテ様材料)を含むこともできる。担体の何れか1つ又はそれ以上は、医療グレードのプラスチック、ゴム、又はシリコンゴム(例えば、商標Viton(登録商標)でDupontから販売されているような医療グレードシリコンゴム又はネオプレン材料)などの公知の材料を含むことができる。これらの材料の何れも治療照射線に対して透過性とすることができ、使い捨て可能又は滅菌可能とすることができ、及び/又は例えば直径が約5〜20cとすることができる。更に、これらの担体の各々は、図示のように、治療照射導波管又は導体を収容し、配向し、保持する構造を含むことができる。吸引カップは、例えば、先進ポリマーを含む予備成形形状を含むことができ、パネル又はテープは、Band−Aid(登録商標)創傷被覆物のような創傷被覆物の非包帯部分の構成(例えば厚さ0.2〜2.5mmのような厚さ)及び組成を有する材料のシートを含むことができる。
【0015】
図4Aの断面図、及び2つの対応する図4B及び図4Cを参照すると、担体は、部分(例えば、異なる治療領域及び/又は電極に対応する部分)に分離することができ、この部分は、担体を製造するときに定め(図4B参照)、又は使用前に又は追跡手順で使用者が設計することもできる(図4C参照)。後者の場合には、例えば、電極の配置は、事前に検出されたトリガ点の場所又はトリガ点の治療場所に基づくことができる。電極は、皮膚に直接配置することもでき、又は図4A及び図4Cに示すようなパネルに付けるか、或いは他の方法でパネル上に配置することもでき、この場合、例えば、パネルは、任意的に透過性とすることができ、電極(例えば、図1〜図3の何れか1つ又はそれ以上に示すような電極)は、トリガ点検出情報及び/又は使用者入力のような種々の判定基準に基づき、パネル上の種々の場所でパネルに取外し可能に結合することができる。パネル上の電極の場所は、数日又はそれ以上の別の有痛性トリガ点治療手順のような追跡手順において後でパネル上に電極を位置決めするためにマーク付けすることができる。本発明のこのような実施では、追跡手順でパネルを確実に正確に配置するために、使用者の身体の特徴又は形体で三角測量することなどにより、先の手順の間にパネルの位置付けを決定する必要がある。別の実施形態では、透過性のパネル担体は、上記の作業の1つ又はそれ以上を自動的又は半自動的に行うための作動(例えば電動)パネルを含むことができる。例えば、パネルは、以前の治療に対して、種々の電極の数及び配置、及び/又は治療手順の間の電極の1つ又はそれ以上の(例えば各々の)信号特性のような先の治療データを自動的に記録することができる。また、パネルは、有痛性トリガ点の場所、重症度、及び/又は症状変化を検出する治療手順の前、その間(例えばその間の複数回)、及び/又はその後に本明細書に記載するような検出プロトコルを(例えば自動的に)行うこともできる。検出プロトコルに基づき、(例えば、パネルのインストラクションモードのようなパネル自体上又は外部ディスプレイ上のLEDインジケータ、又は音声メッセージで)担体が電極の1つ又はそれ以上のパラメータ(例えば、治療線量又は場所)の1つ又はそれ以上の変化を推奨することができる。1つの実施例において、追跡手順の時点では、追跡手順に先立って使用者に対して電極を同じ場所に配置することを推奨するものとして以前の手順では電極がどこに配置されたかを示すために、LEDインジケータ信号(例えば、小さな円)をパネルに表示することができる。1つの実施形態では、電極の1つ又はそれ以上のパラメータ(例えば、治療線量)を変化させるように推奨するのではなく(又はこれに加えて)、パネルは、電磁波源及び伝送システムを制御し、自動的にパラメータの変化を調節することができる。1つの実施形態では、電極と治療される組織との間の透過性を変化させ、これによって対応する電極により組織に伝送される治療の線量強度を連続的又は間欠的に増大又は減少させるパネルを含むことができる。上記の特徴の何れかを実施する他の実施形態では、担体は、トレイ、バンド又は挿入物、テープ又は包装材料、何らかの公知の装具又は支持構造体(例えば装具)、他の同様の構造体、及びこれらの組み合わせの1つ又はそれ以上を含むことができる。
【0016】
担体を用いて、例えば、創傷治癒、疼痛管理、歯周治療、歯変色、組織炎症又は損傷、腫瘍、及び疼痛を含む種々の症状を検出、治療及び/又は管理することができる。カスタマイズ可能な1つ又は複数の治療ゾーンは、波形、隆起、くぼみ、又は組織に対する治療処置を容易にするのに好適な当業者に公知の他の表面、及びこれらの組み合わせの1つ又はそれ以上を含む表面トポロジーを含むことができる。
【0017】
電磁放射線源は、電磁領域のあらゆる部分に照射する電磁放射線源とすることができる。特定の実施において、電磁放射線源は、電位又は電流、光学エネルギー、音波エネルギー(例えば、振動又は超音波エネルギー)、及び磁気の1つ又はそれ以上を含むことができる。光学(例えば光)エネルギーを放出するための電磁放射線源の実施例には、限定ではないが、熱放出要素、LED、レーザ又はレーザダイオード、アークランプ、白熱ランプ、ハロゲンランプ、ネオンランプ、及び蛍光源の1つ又はそれ以上を含むことができる。電磁放射線源は、例えば、紫外線〜可視〜赤外光までの電磁放射線を放出することができる。特定の実施形態では、電磁放射線は、400〜650nm及び650〜1500nmの範囲内の1つ又はそれ以上の波長で放出することができる。1つの実施形態では、約810nmの波長を有するパルスレーザ光のような、赤外線電磁エネルギーを放出することができる。電磁放射線は、カリフォルニア州IrvineのBioLase Technology,Inc.製のLaserSmile(登録商標)システムから放出することができる。他の実施形態は、約810nm、約915nm、約935nm、約960nm、約980nm及び約1064nmの1つ又はそれ以上を含む波長で放出される電磁エネルギーを含むことができる。他の実施形態では、他の赤外線スペクトルエネルギーを実施することができる。
【0018】
LEDのような電磁放射線源は、予め設定された距離、例えば、有痛性トリガ点当たりに1つのLEDで設けることもでき、或いは、互いに比較的近くに設けることもできる。電磁放射線源の位置決めは、担体の製造時又は組み立て時に行うこともでき、或いは、電極が例えば検出情報に基づいて成形可能な又は別の方法で構成可能な1つ又はそれ以上のパッド又はグローブ上に位置決めされているなど、1つ又はそれ以上の検出段階の後に行うこともできる。担体の電磁放射線源の特定の間隔は、例えば、担体を介して電磁放射によりもたらされる所要の治療処置を最適にするように決定し選択することができる。LLLTを用いて有痛性トリガ点を治療する例示的な実施によれば、接触型光ファイバー先端部を用いて、有痛性トリガ点を検出し、治療線量の光を伝送することができる。光ファイバー先端部は、例えば、約0.1〜10mm、特定の実施では約7mmの直径を含むことができ、例えば約0.01W〜1Wのパワーを伝送することができる。
【0019】
例示的な実施によれば、検出モードでは、線源又は刺激ビームのパワー出力は、例えば1mWのあらゆる適切なレベルとすることができ、基準標的に対する反射光は、期待された又は予め設定された閾値レベルと呼ぶことができるパワーレベルを有することができる。弛緩筋肉標的から光検出器(例えば、電荷結合ダイオード又は他の公知の光検出器)に戻る散乱光の反射は、入射ビームのパワーの約10%とすることができる(例えば、約0.1mWとすることができる)。従って、標的が滑らかな筋肉又は弛緩した筋肉である場合、反射光は、予め設定された閾値レベルよりも上か又は下の第1の量(例えば、予め設定されたパーセント)のパワーレベルを有することができ、標的が結節のある筋肉又は緊張した筋肉である場合、反射光は、予め設定された閾値レベルよりも下の第2の量(例えば、予め設定されたパーセント)のパワーレベルを有することができる。
【0020】
一例として、予め設定された閾値レベルは、約0.1mWの反射信号に一致する数に設定することができ、第1の量は、閾値レベルからプラス又はマイナス約5%の偏差を有する量に設定することができ、第2の量は、閾値レベルより小さく、閾値レベルから約5%よりも大きな偏差を有する量に設定することができる。約0.1mWの期待反射信号に対して約1mWの線源信号を用いるこのような実施例によれば、反射信号の約5%以内の反射信号は、弛緩した筋肉に相当すると解釈する(例えば回路により自動的に解釈する)ことができ、閾値レベルの約95%より小さい反射信号は、緊張した筋肉又は有痛性トリガ点に相当すると解釈する(例えば回路により自動的に解釈する)ことができる。他の事例では、第1及び第2の量の1つ又はそれ以上は、例えばゼロとすることができる。例えば、約1mWの線源信号及び約0.1mWの期待反射信号に対して第1の量が2%で第2の量が0%である実施例では、閾値レベル(例えば期待反射信号)より最大約2%大きい反射信号は、弛緩した筋肉に相当すると解釈することができ、閾値レベルより小さい反射信号は、緊張した筋肉又は有痛性トリガ点に相当すると解釈する(例えば回路により自動的に解釈する)ことができる。
【0021】
別の実施において、第3の量は、例えば、弛緩した筋肉標的を識別するための下限に相当することができ、第4の量は、例えば、緊張した筋肉又は有痛性トリガ点標的を識別するための下限に相当することができる。この実施に対応するこのような1つの実施形態は、例えば同様に0%及び2%に設定した第1及び第2の量、及び、例えば0%及び10%に設定した第3及び第4の数字を含むことができ、約1mWの線源信号及び約0.1mWの期待反射信号については、閾値レベルより最大約2%大きいが閾値レベルよりも小さくない反射信号は、弛緩した筋肉に相当すると解釈することができ、閾値レベルよりも小さいが閾値レベルよりも10%を越えて小さくない反射信号は、緊張した筋肉又は有痛性トリガ点に相当すると解釈することができるようになる。
【0022】
他の検出プロトコルは、弛緩した筋肉から反射した散乱光の量に一致する閾値レベルを含むことができ、これらの実施形態の第2の量は、緊張した筋肉又は有痛性トリガ点から反射した散乱光の量に一致することができる。典型的には、第2の量は、閾値レベルより約0.01mW小さいものとすることができる。例えば、基準標的が弛緩した筋肉自体に設定され、予め設定された閾値レベルが、弛緩した筋肉からの反射光の量に一致するようにされた(例えば0.1mW)実施形態では、1mWの線源ビームを用いることができる。ここでは、緊張した筋肉又は有痛性トリガ点標的からの散乱反射光は、予め設定された閾値レベルを上回る特定の量(例えば、予め設定されたパーセント)のパワーレベルを有することができる。
【0023】
上記及び他の検出実施の何れかにおいて、緊張した筋肉又は有痛性トリガ点領域の検出は、一般に、反射光のレベルの低下に対応する組織の領域に一致することになる。特定の事例では、緊張した組織に対応する反射光のレベルは、弛緩した組織の領域における反射光のレベルよりも低い特定の量であることが予想され、その結果、このような量が検出されると、或いは反射光のレベルが相対的に低下したことが検出されると、本発明の回路網(例えばマイクロプロセッサ)は、緊張した組織又は有痛性トリガ点の領域に遭遇したという判断を下すことができる。例えば、1mWの線源光及び期待されるレベルが0.1Wである弛緩した組織からの反射光を用いる実施によれば、緊張した筋肉又は有痛性トリガ点からの反射光の予想レベルは、期待されるレベル(例えば0.1mW)が予め設定された量だけ低下することに相当するように設定することができる。この予め設定された量は、例えば、約0.001mW〜約0.05mWの範囲とすることができる。特定の実施例では、予め設定された量である約0.01mWに相当する反射光の予想レベルは、0.11mWとすることができる。
【0024】
本発明の1つの態様による電位又は電流を含むか発生する電磁放射線源を用いる実施は、筋肉組織のような組織の特性を電気的に識別するための何らかの公知の構造又は技術を含むことができる。筋肉の有痛性トリガ点を検出するための1つの手順では、筋肉の特性を検出し、検出手順中及び/又は検出手順の前に発生した基準パラメータ(例えばそのインピーダンスのような筋肉特性)と比較することができる。例示的な実施では、緊張した組織の領域又は有痛性トリガ点に対する測定したインピーダンスのレベルは、弛緩した組織の領域に対する測定したインピーダンスより小さいことが予想され、その結果、このような低レベルが検出されると、又はインピーダンスのレベルに相対的な減少が検出されると、本発明の回路網(例えばマイクロプロセッサ)は、緊張した組織の領域又は有痛性トリガ点に遭遇したという判断を下すことができる。緊張した筋肉又は有痛性トリガ点と区別される刺鍼法エネルギー点として知られる刺鍼法トリガ点を位置特定するための技術は、テキサス州WaxahachieのTexas Medicalの「ポインタープラス(Pointer Plus)」であり、この全内容は引用により本明細書に組み込まれる。この種類の検出器に対する仕様は、出力電流0〜40mA、周波数約10Hz、パルス幅約240us、及び連続波形から成ることができる。
【0025】
図5A〜図5Cに示すように、流体圧力を用いた筋肉の有痛性トリガ点を検出するための手順では、流体圧力センサの形式の電極を用いて、治療中及び治療の間に有痛性トリガ点を検出することができ、この場合、組織の種々の点での組織の圧力間の分散を用いて、弛緩した筋肉と有痛性トリガ点とを区別することができる。正の圧力が組織に作用することにより変形される変位可能な膜に印加するなどによって加えられる圧力量は、0.1〜2.5Lbs/cm2の間とすることができる。一部の大きな筋肉では、圧力は、5lbs/cm2まで増大させることが必要な場合がある。1つ又は複数の有通性圧力点を識別するための区別因子は、患者が報告する疼痛又は非疼痛となる。流体圧力ではなく金属ゲージを用いて圧力を検出する既成の製品は、Wagner instruments(https://www.wagnerinstruments.com/wagnercatalog/xcart/home.php?cat=1)から提供される痛覚計である。
【0026】
治療モードの特定の実施によれば、光ファイバー先端部は、約0.56Wのパワーを伝送することができる。1つの実施例では、治療光は、皮膚表面で、波長約810nmで光ファイバー先端部からパワー密度約1.47W/cm2で出力されるレーザ光を含むことができ、この場合、皮膚表面のスポットサイズが直径約7mmとすることができ、皮膚表面直下(例えば皮膚表面の下約6mmの深さ)の対応するスポットサイズは、皮膚表面でのスポットサイズよりも約3〜4倍大きい(例えば約28mm)。1つ又は複数の有痛性トリガ点を治療するために、約23.6J/cm2のエネルギーの線量を有痛性トリガ点、又は各有痛性トリガ点に約60秒の時間期間印加することができる。1回の治療で各有痛性トリガ点に伝送される正味の治療は、約33.5ジュールとすることができる。引き続きこの実施例では、皮膚表面の約6mm下では、レーザ光のパワー密度は約0.39W/cm2とすることができ、1回の治療で皮膚表面の約6mm下の各有痛性トリガ点に伝送される正味の治療は約9ジュールとすることができる。
【0027】
前述の形式のエネルギーの何れもが、例えばパルス波又は連続波(CW)信号を用いて伝送することができる。例示的な実施では、少なくとも1つの光源は、担体上に配置するか、又は、例えば導波管(例えば光ファイバー)を介して担体に経路設定することができる。典型的な実施形態では、電磁放射線源は、単一又は複数の波長でコヒーレント又は非コヒーレントの電磁放射線(例えば光)の1つ又はそれ以上を放出するように構成することができ、例えば、発光ダイオード、光ファイバーパネル、電気化学発光材料、光ファイバー束、及びこれらの組み合わせの1つ又はそれ以上を含むことができる。このような1つの実施形態は、複数の波長(例えば、赤色及び青色光に相当するもの)で電磁放射線を放出するように構成された電磁放射線源を含むことができ、検出器も同様に、反射信号の個々の(又は対応する)波長を検出し、反射信号の波長を処理(例えばこれらの間の差異を測定する)ように構成されている。例えば、赤色光の線源ビームは、酸化組織に対しては反射される赤色光の量が多く発生することになり、入射する赤色源ビームが酸素含量の少ない組織(例えば、青色の含量が多い)に衝突する場合には、散乱が少なく、より多くのエネルギーを吸収することができ、従って、赤色光の反射信号が小さくなる。反射される赤色及び青色光の比率は、赤色及び青色光の線源ビームと比較し、例えば、組織の酸素化レベルを求めることができる。修正実施形態では、これに加えて又はその代替として、組織のヘモグロビン含量を検出するための既知の技術を用いて、例えば、組織の酸素化レベルを示すことができる。例示的な実施形態は、約1mWの線源ビーム及び約0.1mWの散乱光の期待反射信号を含むことができる。
【0028】
組織治療手順の間に組織の酸素化レベルを複数回測定する場合には、組織治療手順が標的組織に望ましい作用(例えば、循環を増大させる)を与えるかどうかの表示を生成することができる。修正実施形態では、組織の酸素化レベルを複数回測定する段階は、組織治療手順の前、後及び/又はその間に行うことができる。典型的な実施によれば、検出した酸素化レベルは、基準酸素化レベル(例えば、手順の前に予め設定されるか、及び/又は1つ又はそれ以上の先の酸素化レベル測定値を用いて手順の間に更新又は生成されるもの)と比較することができ、その1つ又は複数の比較に基づいて、組織治療手順を手動的又は自動的に修正することができる。
【0029】
特定の事例において、予め設定された閾値と(例えば約10%を超えて)異なる酸素化レベルが検出された場合、又は検出された酸素化レベルの相対的なレベル減少が検出された(例えば、第2の検出レベルが約15%を超えて先に検出されたレベルと異なる)場合には、回路網(例えばマイクロプロセッサ)及び/又は使用者は、治療手順は修正により恩恵を得ることができる、又は修正する必要があると決定することができる。組織治療手順は、望ましい作用(例えば循環を向上させること)が望ましい範囲まで又は望ましい方法で進行していないという表示に応答して、増強(例えば、組織治療手順の強度、持続時間、又は他のパラメータの1つ又はそれ以上を増大させることによる)するか、他の方法で修正することができる。一方、組織治療手順は、望ましい作用(例えば循環を向上させること)が期待したよりも大きい比率で進行しているという表示に応答して、弱める(例えば、組織治療手順の強度、持続時間、又は他のパラメータの1つ又はそれ以上を減少させることによる)が、他の方法で修正することができる。
【0030】
1つの実施形態によれば、手順の間に、比較的小さな直径(例えば外径が約500um〜約1000um)の毛細管の循環が15%又はそれ以上、例えば約15%〜約60%、特定の実施では約50%〜約60%増大したことが検出されると、治療手順が期待通りに進んでいるという判断に相当すると解釈することができる。また、手順の間に、比較的大きな(例えば約1000umより大きい)直径の毛細管の循環が約1%〜約15%増大したことが検出されると、手順が期待通りに進んでいるという判断に相当すると解釈することもできる。
【0031】
一方、一部の実施では、手順の間に、比較的小さな直径の毛細管の循環が80%などの上限を超える量を増大したことが検出されると、治療手順を弱めるか他の方法で修正する必要性又は判断に相当すると解釈することができ、手順の間に、比較的大きな直径の毛細管の循環が約15%などの上限を超える量を増大したことが検出されると、治療手順の1つ又はそれ以上の態様を弱めるか他の方法で修正する必要性又は判断に相当すると解釈することができる。
【0032】
同様に、他の実施では、手順の間に比較的小さな直径の毛細管の循環が約15%などの下限よりも少ない量を増大したことが検出されると、治療手順を増強又は他の方法で修正する必要性又は判断に相当すると解釈することができ、手順の間に比較的大きな直径の毛細管の循環が約1%など下限より少ない量を増大したことが検出されると、治療手順の1つ又はそれ以上の態様を増強するか他の方法で修正する必要性又は判断に相当すると解釈することができる。
【0033】
電磁放射線源は、電磁放射線を1つ又は複数の線源から放出させることができるあらゆる適切な手段により動力供給を受けることができる。例えば、担体は、1つ又はそれ以上のバッテリ、又は、電気コンセントにプラグ接続された電源コードを含むことができる。バッテリは、担体内に埋め込むこともでき、又は、担体の外部に配置することもできる。例えば、テープでは、該テープ内に配置したバッテリを備えることもでき、及び/又は充電装置を用いて充電することもできる。
【0034】
電磁放射線源は、組織表面に向かって治療線量の電磁エネルギー(例えば、単色又は多色放射又はエネルギー)を放出するための何らかの既知の実施を含むことができる。修正実施形態によれば、電磁エネルギーは、全体的又は部分的に、例えば磁気療法を実施するために(例えば担体内のマグネットから又は担体内で電気的に作動される)磁気として伝送することができる。本明細書で用いる用語「治療線量」とは、例えば、組織表面の組織上又はその内部に1つ又はそれ以上の治療又は他の意図する効果(例えば、循環の促進又は疼痛緩和)を引き起こすのに十分な電磁エネルギーの量及び濃度を意味するものとする。
【0035】
特定の実施形態では、低レベル光療法(LLLT)又は他のエネルギー付与療法は、有利には、担体を用いて(例えば、担体から伝送される電磁エネルギーを介して)組織に適用することができる。治療パワー密度は、比較的低いものとすることができ、例えば、テニス肘、顎関節、又は腱炎等の治療に用いられるパワー密度に類似し、典型的な実施形態では、治療される組織表面で約1.47W/cm2のパワー密度、組織内部で約0.39W/cm2のパワー密度、60秒間の照射期間の間有痛性トリガ点に伝送される約23.6J/cm2のエネルギー線量、及び/又は治療される組織内で約9J、その表面で約33.5Jのエネルギーを実施する上記の実施例と同様又は実質的に同じ特性を有する。単に多くの実施例のうちの1つとして、担体が歯列矯正構造を含む実施形態では、電磁放射線源は、LLLTを実施し、歯列矯正構造から患者が経験する疼痛を低減するように組み入れることができる。LLLTは、本明細書に記載されるように担体上又はその内部に配置され、及び/又は担体と別個に切り離して配置された電磁放射線源を起源とし、連続的に、又は予め設定された持続時間において予め設定された時間期間(例えば、歯列矯正構造が締め付けられている時)に実施することができる。
【0036】
電磁放射は、例えば顎周り、顔、手、手首、肘、又は首に配置される筋肉組織又は関節のような組織の例えば疼痛又は他の症状に関する有痛性トリガ点を治療するのに用いることができる。関節の疼痛の治療には、例えば、顎関節状態の治療を含むことができる。手首の疼痛の治療には、例えば、手根管(carpel tunnel)の治療を含むことができる。腕の疼痛の治療には、例えば、テニス肘の治療を含むことができる、治療は、検出、診断及び/又は他の方法で判断された患者の必要性に応じて1つ又はそれ以上の経線又は有痛性トリガ点に照射する段階を含むことができる。
【0037】
組織の電磁放射治療は、少なくとも2つの例示的方法の1つ又はそれ以上を含むことができる。第1の例示的方法は、電磁放射線で組織の大きな面積を照射する段階を含むことができる。第2の例示的方法は、診断及び患者の必要性に応じて、決定されたトリガ点のような小さな面積を、例えば光ファイバー又は光ファイバー束を通して電磁放射で照射する段階を含むことができる。例えば、顔用グローブを患者の顔に配置し、光ファイバーを顔用マスクに取り付け、顔用グローブに隣接するトリガ点に電磁放射を送信するように構成することができる。
【0038】
ファイバーの束を通してトリガ点を照射することにより、幾つかのトリガ点を同時に、又は治療タイミングパターン又はプロトコルに従って治療することが可能とすることができる。ファイバーは、担体を介して皮膚に取り付けることができ、担体は、例えば、電極、吸引、接着剤、ペースト、ゲル、その他の1つ又はそれ以上を含むことができる。ゲル、ペースト、接着剤、又はファイバーを皮膚に取り付ける他の形態により、種々の場所及び/又は方向でファイバーを皮膚又は組織に取り付けることが可能とすることができる。
【0039】
電磁放射線で照射されるトリガ点は、身体の内部及び/又は身体の外部のトリガ点とすることができる。トリガ点が内部トリガ点である場合には、トリガ点を照射する段階は、電磁放射線源を体内に配置する段階を含み、及び/又は、例えば身体の外部に配置された電磁放射線源から例えば光ファイバー又は光ファイバーの束を通して電磁放射線源から1つ又はそれ以上の内部トリガ点まで電磁放射線を伝導する段階を含むことができる。特定の実施形態では、トリガ点を照射する段階は、内部及び外部両方のトリガ点を照射する段階を含むこともでき、少なくとも1つのトリガ点を内部的及び外部的の両方で照射する段階を含むこともできる。
【0040】
特定の実施形態では、電磁放射の線源は、レーザを含むことができる。電磁放射のレーザ源は、例えば、インテンスパルスライト(IPL)を含むことができる。インテンスパルスライトの場合には、インテンスパルスライトは、高線量単一パルス/単位時間を含むことができる。別の実施形態では、レーザ源は、低レベルレーザ光を含むことができる。レーザ光は、例えばフィルタ処理することができる。例示的な実施形態では、レーザ光療法は、当業者には知られているクイックトリガレーザ療法を含むことができる。レーザ治療は更に、例えば、低パワー脱感作レーザ応用を含むことができる。特定の実施形態では、個人用途の電磁放射の線源は、ポインタ型のレーザ及び/又は電源としてバッテリを含むことができる。本発明の1つの態様によれば、電磁放射の線源(例えばレーザ)は、自宅における病状を治療、検出又は管理するために患者が自宅に持ち帰ることができる。このような低パワー脱感作レーザ応用、又は電磁放射を組織に印加する段階を含む他の治療的介入は、トリガ点レーザ療法上の情報、患者データ、又は原理に関連するか、これに基づくことができる。
【0041】
1つの態様によれば、担体は、例えば、皮膚の色を測定するために一体化色度計を含むことができる。例示的な実施形態では、色度計で測定した皮膚の色が比較的暗い場合には、レーザパワーの強度は減少する可能性がある。特定の実施形態では、暗い色の皮膚は、明るい色の皮膚よりも多くの光を吸収することができる。レーザのパワーは、光の波長及び/又は強度を調節することにより低減することができる。従って、治療線量(例えば、レーザ光のような電磁エネルギーの分配物(doles))は、例えば、患者の診断及び必要性に応じて変えることができる。
【0042】
本発明の1つの態様によれば、筋肉のような組織のトリガ点を検出するための方法及び装置が提供される。トリガ点は、例えば、炎症又は負傷による筋肉又は関節の疼痛又は不快感の存在に関連して存在することができる。例えば、高密度の結節は、筋肉に疼痛又は他の症状が存在するかこれに対応する場合には、筋肉内に形成するか又はこれに残存することができる。筋肉に高密度の結節を検出する段階は、可視光(例えば蛍光)を筋肉に配向する段階を含むことができる。筋肉の結節に光を当てると、緊張した又は有痛性トリガ点の筋肉と滑らか又は弛緩した筋肉との間の光散乱差動効果の結果として滑らかな筋肉と結節筋肉との間の差を捉えることができる。従って、筋肉のトリガ点を検出する段階は、緊張した筋肉及び滑らか又は弛緩した筋肉からの散乱光間の相対的差異を検出する段階を含むことができる。
【0043】
例えば、トリガ点を検出するために用いる光が、適切な強度、空間及び/又は時間的な分布の間で可変である特定の実施では、本方法は、1つ又はそれ以上のトリガ点を検出し治療する段階の両方を含むことができる。(#panel & automated)
【0044】
本発明の1つの態様によれば、緊張した筋肉のマイクロ電圧の読み取り値が弛緩した筋肉のマイクロ電圧読み取り値と異なる可能性のある作用に対する現象を用いて、例えば、トリガ点又は他の組織の状態の識別、検出及び/又は監視を含む組織療法治療を容易にする。例示的な実施形態によれば、マイクロ電圧測定を組織(例えば筋肉組織)に対して行って、例えば、組織の緊張した部位、教示(taught)部位、又は他の場合の罹患した部位もしくは炎症部位を検出することができ、例えば、関心のある組織(例えばトリガ点)のマイクロ電圧測定値は、比較的弛緩した状態の筋肉のような異なる場所又は症状における周囲組織、隣接する組織又は基準組織(例えば筋肉)に対して行ったマイクロ電圧測定値と検出可能に異なる結果を生じることができる。例えば、筋肉の高密度の結節を検出する段階は、緊張した筋肉と弛緩した筋肉との間のマイクロ電圧の差を検出する段階を含むことができる。別の実施例として、筋肉の高密度の結節を検出する段階は、検出器で筋肉のマイクロ電圧を測定する段階と、測定したマイクロ電圧を基準又は期待マイクロ電圧又はマイクロ電圧のセットと比較して、これによって筋肉の症状、状況又は他の特性を識別する段階とを含むことができる。この工程は、マイクロプロセッサを用いて行うことができ、基準又は期待マイクロ電圧又はマイクロ電圧のセットは、マイクロプロセッサにアクセス可能なメモリに保存することができる。
【0045】
パルス酸素測定法は、酸素で飽和されたヘモグロビンのパーセンテージを光学的に監視する非侵襲性の方法を含むことができる。本発明の1つの態様によれば、関心のある組織中の飽和ヘモグロビンのパーセンテージは、その組織の状況又は症状に応じて変わる傾向がある。本明細書で具現化されるように、トリガ点を検出する段階は、例えば、検出装置としてパルス酸素測定装置で関心のある組織中の飽和ヘモグロビンパーセンテージを測定する段階を含むことができる。本発明によりヘモグロビンパーセンテージで検出された差異は、組織の微小循環の表示とすることができる。例えば、組織(例えば筋肉)の炎症症状を検出する段階は、炎症組織と健康な組織との間の飽和ヘモグロビンパーセントの差を検出する段階を含むことができる。別の実施例として、組織(例えば筋肉)の炎症性症状を検出する段階は、パルス酸素測定法を用いて組織の飽和ヘモグロビンパーセンテージを測定する段階と、測定した飽和ヘモグロビンパーセンテージを基準又は期待飽和ヘモグロビンパーセンテージ又は飽和ヘモグロビンパーセンテージのセットと比較し、これによって循環状態のような組織の症状、状況又は他の特性を識別する段階とを含むことができる。この工程はマイクロプロセッサを用いて行うことができ、1つ又は複数の基準又は期待飽和ヘモグロビンパーセンテージは、マイクロプロセッサにアクセス可能なメモリ内に保存することができる。従って、パルス酸素測定装置は、組織に治療的手順を行う前、その間又はその後で関心のある所定の組織の状況に関するリアルタイムのフィードバックを提供することができる。例えば、光ファイバーは、身体の種々の点で組織に接続され、身体の種々の場所で小循環を同時に及び/又は間欠的に監視することができる。
【0046】
修正実施形態では、例えば、組織の示差測定又は組織測定を行い、これらの測定値を保存していた(例えば基準)値と比較することを介して電磁放射を治療的に応用することにより恩恵を得ることができる組織部位(例えばトリガ点)を検出する段階は、上述のようなヘモグロビン飽和パーセント及びマイクロ電圧の1つ又はそれ以上を含む組織の特性を単独で、又は光学(例えば光散乱)、音波(例えば振動又は超音波)、電気インピーダンス、電流、気体(例えば、浮遊性分子成分)及び組織の磁気特性と組み合わせて識別する段階を含むことができる。前述の特性の何れもが、例えば、パルス又は連続波(CW)信号形式を用いて検出することができる。
【0047】
例示的な実施形態によれば、組織の症状検出に続き、上述のように治療(例えばLLLT)を組織に導くことができる。治療の前に、(a)電子入力/出力装置(例えば、担体に作動可能に結合することができる装置のスピーカー及び/又はディスプレイを介する)によるプロンプト、及び(b)使用者による確認又は指示入力のうちの1つ又はそれ以上を行うことができる。或いは、治療は、プロンプト及び/又は使用者入力なしで検出後に(例えば自動的に)開始することができる。
【0048】
別の実施形態では、関心のある組織領域の症状又は場所に関する情報の検出、識別又は収集後に、反復工程を用いて、関心のある組織領域に治療処置を付与することができる。例えば、組織症状の場所の情報は、担体に作動可能に結合された入力/出力装置を介して収集されて使用者に通信され、その後、本明細書に論じるような治療を行い、次いで、前述の収集、通信、及び治療段階を1回又はそれ以上繰り返すことができる。特定の実施形態では、関心のある組織領域の症状又は場所に関する情報の検出、識別又は収集後、反復性工程を用いて、関心のある組織領域の症状又は場所に関する情報を更に検出、識別又は収集することを容易にすることができる。単純な実施では、検出器が治療可能な症状又は部位(例えばトリガ点)を含むと考えられる領域を通過するときに、スピーカーにより可聴表示(例えば警報)を出すことができ、これによってこのような情報を使用者に知らせ、及び/又は領域の付加的な検出を保証することができることを使用者に知らせることができる。種々の態様によれば、検出器は、インピーダンス、電位、磁気、音波、光、視覚及び気体検出の1つ又はそれ以上を実施し、及び/又は組織表面の上を使用者が手で動かすことができるワンドを含む。可聴表示は、領域の付加的な検出を保証できることを使用者に知らせることができ、この場合、使用者は、可聴表示が出された時にワンドが位置付けられていた場所の近傍にワンドを戻すことができる。特定の実施形態では、ワンドが領域にわたり戻って位置付けられたときに別の可聴表示を出し、及び/又は再び使用者に付加的な検出を保証できることを知らせることができ、この場合、使用者はやはり、最新の可聴表示が出されたときにワンドが位置付けられていた場所の近傍に再びワンドを動かすことができる。
【0049】
本発明の1つの態様によれば、担体に作動可能に結合された電子入力/出力装置は、治療可能な症状に専門家(例えば医師又は専門技術者)が注意を向けるべき表示(例えば可聴式又は可視的英数字のメッセージ又はアラーム)を提供するように構成することができる。例えば、閾値レベルの尺度は、(例えば可聴式又は可視的トーン及び/又は言葉のメッセージを介して)検出された治療可能な症状を使用者が自宅で治療することができるか又はする必要があるかどうか、及び/又はこの症状に専門家が注意を向ける必要があるかどうかに関する指針を使用者に与えるように電子入力/出力装置にプログラムすることができる。
【0050】
ディスプレイを用いる実施形態では、ディスプレイは、化粧用鏡の一部とすることもでき、又はこれを更に含む(例えば、交換可能)こともできる。例えば、両面回転可能パネルは、第1の側面に化粧用鏡と、第2の側面にディスプレイとを含むことができる。スピーカー及び/又はディスプレイを用いる実施形態では、ディスプレイは、更に又は代替として電話及び/又はテレビ電話機能を含むことができる。スピーカー及び/又はディスプレイを用いる他の実施形態は、使用者に、予め記録された音声セグメント又は使用者の写真のようなユーザ情報を表示するようにプログラムすることができる。追加機能は、語彙又は外国語レッスン、音楽、ニュース、又は他の予め記録されるかリアルタイムのコンテンツのような音声及び/又は視覚情報を再生する能力を含むことができる。
【0051】
特定の実施形態では、コンテンツは、(例えば、使用者が前日の夜に記録したメモの形式で)使用者が電子入力/出力装置に記録することができ、他の実施では、使用者が定めたタイマーにより設定された持続期間に従ってコンテンツの再生を行うことができる。例えば、1つの事例において、装置は、該装置を使用する毎に予め設定された時間又は使用者が選択した時間(例えば2分間)言語レッスンを再生することができ、これによって、使用者は、再生期間の間(例えば2分間)治療上の処置手順(例えば、担体を着用して顎にLLLTを行う)を行うように試みることができる。
【0052】
特定の実施形態では、担体に結合された電子入力/出力装置は、インターネット、イーサネット(登録商標)(Ethernet(登録商標))、BlueTooth(登録商標)、その他のような当業者に公知の通信プロトコルを用いて、携帯情報端末(PDA)、パーソナルコンピュータ、ハンドヘルド及び他の携帯用メディア再生装置などの他のコンピュータ要素とインタフェース接続(例えば、無線、USB、RJ11、RJ45、及び他のポートを介して)するように構成することができる。従って、上記で議論した工程の何れに関するデータも、(例えば、電子メールを介して)電子入力/出力装置との間で電子的に送信することができる。例えば、治療可能な症状を専門家に見せる必要があると判断すると、電子入力/出力装置は、自動的又は使用者の制御下で関連情報を専門家に転送することができる。
【0053】
電子入力/出力装置は、例えば、電磁放射線源及び/又は検出器のあらゆる特性又は機能の1つ又はそれ以上を制御するように構成されていることに加えて、治療プロトコルを更に実現するか最適化するように構成することができる。例えば、エネルギーに基づく療法を組織に施すことにより症状を治療する関連においては、入力/出力装置は、例えば、光、波長、輝度、パワー、又は放出持続時間の1つ又はそれ以上のパラメータを制御することができ、ここで1つの実施では、このようなパラメータは、事前設定としてプログラムすることもでき、又は使用者が手動で操作することもできる。
【0054】
上に記載した実施形態は、例証として挙げたものであり、本発明は、これらの実施例に限定されない。前述の説明を考慮すれば、当業者であれば、開示した実施形態に対して互いに矛盾しない範囲で複数の変形形態及び変更形態が想起されるであろう。加えて、本明細書での開示事項を考慮すれば、当業者には、他の組み合わせ、省略、置き換え及び変更も明らかであろう。従って、本発明は、開示した実施形態に限定されず、添付の請求項を参照することにより定義されるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体組織に治療線量を付与するための方法であって、
組織の異なる場所に配置された複数の電極を通して前記生体組織にパルス信号を印加する段階と、
前記生体組織から応答信号を受け取る段階と、
前記パルス信号及び前記応答信号の1つ又はそれ以上に基づき、前記生体組織の1つ又はそれ以上の有痛性トリガ点を検出する段階と、
前記複数の電極を用いて、前記治療線量のエネルギーを前記生体組織の1つ又はそれ以上の検出されたトリガ点に配向する段階と、
を含む方法。
【請求項2】
前記治療線量のエネルギーが、パルス信号として伝送される、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記生体組織が軟組織を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記治療線量のエネルギーが、前記有痛性トリガ点に配向される、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記治療線量のエネルギーが、音波エネルギーを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記治療線量の音波エネルギーが、パルス信号として伝送される、
ことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記治療線量のエネルギーが、治療線量の電磁エネルギーを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記治療線量の電磁エネルギーが、パルス信号として伝送される、
ことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記治療線量のエネルギーが、治療線量の電位又は電流、光学エネルギー、音波エネルギー、及び磁気の1つ又はそれ以上を含む、
ことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記治療線量の電磁エネルギーが、パルス信号として伝送される、
ことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
治療線量を生体組織に付与するための装置であって、
複数の電極を含むか又はこれを調節可能に収容するように構成された平面担体を備え、前記電極の位置は、前記治療線量を前記生体組織に付与する段階を含む治療手順の間に使用者が変更することができる、
ことを特徴とする装置。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【公開番号】特開2012−45428(P2012−45428A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−267177(P2011−267177)
【出願日】平成23年12月6日(2011.12.6)
【分割の表示】特願2008−514954(P2008−514954)の分割
【原出願日】平成18年6月5日(2006.6.5)
【出願人】(507283078)バイオレーズ テクノロジー インコーポレイテッド (7)
【Fターム(参考)】