説明

経路探索装置、経路探索方法及びプログラム

【課題】経路探索の際に、地吹雪の発生が予測される区間を回避して経路を探索することが可能となる経路探索装置、経路探索方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】区画されて、リンク毎に探索コストが対応付けられたリンク情報を含む地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、出発地から目的地までの経路探索の対象となる領域内の区画を前記地図情報に基づいて抽出する区画抽出手段と、前記区画抽出手段を介して抽出された各区画について、地吹雪の発生が予測される地吹雪区画か否かを判定する区画判定手段と、前記区画判定手段を介して地吹雪の発生が予測される地吹雪区画であると判定された各地吹雪区画内のリンクの探索コストを前記リンク情報の探索コストよりも高く設定して、前記出発地から前記目的地までの経路を探索する探索手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、出発地から目的地までの経路を探索する経路探索装置、経路探索方法及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、出発地から目的地までの経路を探索する技術に関して種々提案されている。
例えば、情報センタは、統計的な観点から、降雨による冠水や、路面凍結、季節的な行事による渋滞等が発生する可能性が高い地域に関する情報を蓄積しておき、それを回避エリア情報として経路作成装置へ配信する。そして、経路作成装置は、情報センタから取得した回避エリア情報を考慮して、現在位置から目的までの経路を設定するように構成されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−156236号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1に記載される構成では、経路作成装置によって設定された経路の道路が通行可能であっても、気象の状態によって発生する地吹雪によって視界の悪くなった道路が経路に設定される虞がある。
【0005】
そこで、本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、経路探索の際に、地吹雪の発生が予測される区間を回避して経路を探索することが可能となる経路探索装置、経路探索方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため請求項1に係る経路探索装置は、区画されて、リンク毎に探索コストが対応付けられたリンク情報を含む地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、出発地から目的地までの経路探索の対象となる領域内の区画を前記地図情報に基づいて抽出する区画抽出手段と、前記区画抽出手段を介して抽出された各区画について、地吹雪の発生が予測される地吹雪区画か否かを判定する区画判定手段と、前記区画判定手段を介して地吹雪の発生が予測される地吹雪区画であると判定された各地吹雪区画内のリンクの探索コストを前記リンク情報の探索コストよりも高く設定して、前記出発地から前記目的地までの経路を探索する探索手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、請求項2に係る経路探索装置は、請求項1に記載の経路探索装置において、前記区画抽出手段を介して抽出された各区画の積雪した雪が風によって空中に舞う状態を維持することが可能な予め定められた期間内の積雪量を取得する積雪量取得手段と、前記出発地から各区画までの距離に基づいて各区画を通過すると予測される通過予測日時を取得する予測通過日時取得手段と、前記区画抽出手段を介して抽出された各区画の積雪時から前記通過予測日時までの気温を取得する気温取得手段と、を備え、前記区画判定手段は、前記区画抽出手段を介して抽出された各区画のうち、前記予め定められた期間内に一度に所定量以上の積雪があり、且つ、当該積雪の積雪日時から前記通過予測日時までの気温が所定温度以下の区画を、地吹雪の発生が予測される地吹雪区画であると判定することを特徴とする。
【0008】
また、請求項3に係る経路探索装置は、請求項2に記載の経路探索装置において、前記地図情報に基づいて前記地吹雪区画内に道路周辺の風を遮る遮蔽物の密度が密度閾値以下の道路があるか否かを判定する遮蔽物密度判定手段を備え、前記地吹雪区画内に道路周辺の風を遮る遮蔽物の密度が密度閾値以下の道路があると判定された場合には、前記探索手段は、当該遮蔽物の密度が密度閾値以下の道路に対応するリンクの探索コストを前記地吹雪区画内のリンクの探索コストよりも高く設定して、前記出発地から前記目的地までの経路を探索することを特徴とする。
【0009】
また、請求項4に係る経路探索装置は、請求項3に記載の経路探索装置において、前記地図情報に基づいて前記道路周辺の風を遮る遮蔽物の密度が密度閾値以下の道路に防風柵又は防雪柵が設置されていない道路があるか否かを判定する柵判定手段を備え、前記道路周辺の風を遮る遮蔽物の密度が密度閾値以下の道路に防風柵又は防雪柵が設置されていない道路があると判定された場合には、前記探索手段は、当該防風柵又は防雪柵が設置されていない道路に対応するリンクの探索コストを前記遮蔽物の密度が密度閾値以下の道路に対応するリンクの探索コストよりも高く設定して、前記出発地から前記目的地までの経路を探索することを特徴とする。
【0010】
また、請求項5に係る経路探索装置は、請求項2に記載の経路探索装置において、前記地図情報に基づいて前記地吹雪区画内の道路に防風柵又は防雪柵が設置されていない道路があるか否かを判定する道路判定手段を備え、前記地吹雪区画内の道路に防風柵又は防雪柵が設置されていない道路があると判定された場合には、前記探索手段は、当該防風柵又は防雪柵が設置されていない道路に対応するリンクの探索コストを前記地吹雪区画内のリンクの探索コストよりも高く設定して、前記出発地から前記目的地までの経路を探索することを特徴とする。
【0011】
また、請求項6に係る経路探索装置は、請求項4又は請求項5に記載の経路探索装置において、前記地吹雪区画を通過すると予測される前記通過予測日時における当該地吹雪区画内の予測風速を取得する予測風速取得手段を備え、前記探索手段は、前記吹雪区画を通過すると予測される前記通過予測日時における当該地吹雪区画内の予測風速に基づいて、前記防風柵又は防雪柵が設置されていない道路に対応するリンクの探索コストを設定することを特徴とする。
【0012】
また、請求項7に係る経路探索方法は、制御部と記憶部とを少なくとも備えたサーバで実行される経路探索方法であって、前記記憶部は、区画されて、リンク毎に探索コストが対応付けられたリンク情報を含む地図情報を記憶する地図情報記憶手段を有し、前記制御部が実行する、出発地から目的地までの経路探索の対象となる領域内の区画を前記地図情報に基づいて抽出する区画抽出工程と、前記区画抽出手段を介して抽出された各区画について、地吹雪の発生が予測される地吹雪区画か否かを判定する区画判定工程と、前記区画判定工程で地吹雪の発生が予測される地吹雪区画であると判定された各地吹雪区画内のリンクの探索コストを前記リンク情報の探索コストよりも高く設定して、前記出発地から前記目的地までの経路を探索する探索工程と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
更に、請求項8に係るプログラムは、区画されて、リンク毎に探索コストが対応付けられたリンク情報を含む地図情報を記憶する地図情報記憶手段を備えたコンピュータに、出発地から目的地までの経路探索の対象となる領域内の区画を前記地図情報に基づいて抽出する区画抽出工程と、前記区画抽出工程で抽出された各区画について、地吹雪の発生が予測される地吹雪区画か否かを判定する区画判定工程と、前記区画判定工程で地吹雪の発生が予測される地吹雪区画であると判定された各地吹雪区画内のリンクの探索コストを前記リンク情報の探索コストよりも高く設定して、前記出発地から前記目的地までの経路を探索する探索工程と、を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0014】
前記構成を有する経路探索装置、経路探索方法及びプログラムでは、出発地から目的地までの経路探索の対象となる領域内の各区画のうち、地吹雪の発生が予測される地吹雪区画内のリンクの探索コストを、地図情報記憶手段に記憶されるリンク情報の探索コストよりも高く設定して、出発地から目的地までの経路を探索する。これにより、地吹雪の発生が予測される地吹雪区画内の道路を回避して、出発地から目的地までの経路を探索することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施例に係るナビゲーションシステムを示したブロック図である。
【図2】情報配信センタにおけるメッシュ単位に区画されたセンタ地図情報の一例を示す図である。
【図3】情報配信センタのCPUが実行する「ルート情報配信処理」を示すフローチャートである。
【図4】情報配信センタのCPUが実行する「ルート情報配信処理」を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る経路探索装置、経路探索方法及びプログラムをナビゲーションシステムについて具体化した一実施例に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。
先ず、ナビゲーションシステム1の概略構成について図1を用いて説明する。図1は本実施例に係るナビゲーションシステム1を示したブロック図である。
【0017】
図1に示すように本実施例に係るナビゲーションシステム1は、通信端末装置としてのナビゲーション装置2と、ナビゲーション装置2に対して地図情報を更新する為の更新情報や、後述のように探索した経路のルートデータ等の種々の情報を配信する情報配信センタ3と、ネットワーク4から基本的に構成されている。そして、ナビゲーション装置2と情報配信センタ3は、ネットワーク4を介して各種の情報の送受信が可能となるように構成されている。
【0018】
また、ネットワーク4としては、例えば、携帯電話回線網、電話回線網、公衆通信回線網、専用通信回線網、インターネット等の通信回線網等の通信系を使用することができる。また、このネットワーク4には、道路交通情報センタ(VICS(登録商標))5や気象庁等の気象情報提供センタ6が接続されている。そして、情報配信センタ3は、ネットワーク4を介して、天気、気温、湿度、降水量、風向・風速、積雪深さ等の気象情報の現況、5分毎の1時間予測値、30分毎の24時間予測値、1時間毎の48時間予測値等を所定時間毎に(例えば、5分毎である。)受信し、現況、24時間予測及び48時間予測等の気象情報を作成することが可能に構成されている。また、情報配信センタ3は、ネットワーク4を介して、警察、日本道路公団等の交通管制システムの情報を収集して作成した道路の渋滞等に関する情報や交通規制情報等の交通情報を所定時間毎に受信し、現況交通情報を作成することが可能に構成されている。
【0019】
また、図1に示すように、情報配信センタ3は、サーバ10と、サーバ10に接続された地図情報記録部としてのセンタ側地図情報データベース(センタ側地図情報DB)15と、最高気温データベース(最高気温DB)16と、センタ側通信装置17と、積雪データベース(積雪DB)18と、風速データベース(風速DB)19と、交通情報データベース(交通情報DB)20とを備える。
【0020】
また、サーバ10は、サーバ10の全体の制御を行う演算装置及び制御装置としてのCPU11、並びにCPU11が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用されるRAM12、後述のようにナビゲーション装置2からの要求によって探索した経路のルートデータ等をネットワーク4を介して配信する「ルート情報配信処理」(図3、図4参照)等を行うための各種の制御プログラムが記録されたROM13やハードディスク(不図示)等の内部記憶装置や、時間を計測するタイマ14等を備えている。
【0021】
また、センタ側地図情報DB15には、情報配信センタ3で作成され、ナビゲーション装置2に記憶された地図情報を更新する際の基本となる地図情報であるセンタ地図情報15Aがバージョン毎に区分されて記憶されている。更に、現在のナビゲーション装置2に記憶される地図情報の一部分(例えば、自車の現在位置又は予め登録されている自宅地点を中心とする80km四方の領域である。)又は全部をセンタ地図情報15Aに記憶される最新のバージョンに更新する為の更新情報(以下、「差分データ」という。)についてもバージョン毎に区分されて記憶されている。
ここで、バージョンとは地図情報が作成された時期を特定する為の作成時期情報であり、バージョンを参照することによって地図情報が作成された時期を特定することが可能となっている。
【0022】
また、センタ側地図情報DB15に記憶されたセンタ地図情報15Aには、ナビゲーション装置2で経路案内及び地図表示を行うのに必要な各種情報が記録されており、例えば、地図を表示するための地図表示データ、各交差点に関する交差点データ、ノード点に関するノードデータ、施設の一種である道路(リンク)に関するリンクコスト(探索コスト)、リンク長等のリンクデータ、経路を探索するための探索データ、施設の一種である店舗、道路沿いに設けられた防風柵、防雪柵等のPOI(Point of Interest)に関する施設データ、地点を検索するための検索データ等から構成されている。
【0023】
ここで、図2に示すように、特に地図表示データとしては、約10km×10kmで区画された2次メッシュで構成されており、2次メッシュに区画されたメッシュ単位毎に、各メッシュを識別する区画番号(区画ID)(図2では16のエリアに対してA、B、C、D、E、F、G、H、・・・・)が設定され、それぞれバージョン毎にセンタ地図情報15Aに格納されて管理されている。また、センタ側地図情報DB15には、各区画内の各道路周辺に設けられた建物等の地吹雪を弱める遮蔽物の密度(例えば、1ha当たりの戸数等である。)が、各区画の区画IDに関連付けられて記憶されている。
【0024】
また、最高気温DB16には、気象情報提供センタ6から受信した気象情報を収集して作成した2次メッシュで区画された各区画毎の現況から過去3ヶ月までの日毎の最高気温に関する情報を各区画IDに関連付けて記憶する最高気温情報16Aが格納されている。また、この最高気温DB16には、気象情報提供センタ6から受信した気象情報を収集して作成した各区画毎の最高気温に関する5分毎の1時間予測値、30分毎の24時間予測値、1時間毎の48時間予測値を各区画IDに関連付けて記憶する予測最高気温情報16Bが格納されている。
【0025】
また、積雪DB18には、気象情報提供センタ6から受信した気象情報を収集して作成した2次メッシュで区画された各区画毎の現況から過去3ヶ月までの日毎の積雪深さ(積雪量)に関する積雪情報が積雪日時と共に各区画IDに関連付けられて格納されている。また、この積雪DB18には、気象情報提供センタ6から受信した気象情報を収集して作成した各区画毎の積雪深さ(積雪量)に関する5分毎の1時間予測値、30分毎の24時間予測値、1時間毎の48時間予測値等の予測積雪情報が各区画IDに関連付けられて格納されている。
【0026】
また、風速DB19には、気象情報提供センタ6から受信した気象情報を収集して作成した2次メッシュで区画された各区画毎の現況の風向・風速に関する風速情報が各区画IDに関連付けられて格納されている。また、この風速DB19には、気象情報提供センタ6から受信した気象情報を収集して作成した各区画毎の風向・風速に関する5分毎の1時間予測値、30分毎の24時間予測値、1時間毎の48時間予測値等の予測風速情報が各区画IDに関連付けられて格納されている。
【0027】
また、交通情報DB20には、道路交通情報センタ5から受信した交通情報を収集して作成した現況の道路の渋滞や交通規制等に関する現況交通情報が格納されている。また、この交通情報DB20には、道路交通情報センタ5からのVICS(登録商標)情報や、過去の現況交通情報に基づいて生成された統計交通情報が格納されている。
【0028】
また、ナビゲーション装置2は、情報配信センタ3等との間で携帯電話網等を介して通信を行う通信装置27を備えており、この通信装置27を介して、情報配信センタ3との間で最もバージョンの新しい更新地図情報や現況交通情報、出発地から目的地まで探索した経路のルートデータ等の送受信を行う。
【0029】
[ルート情報配信処理]
次に、上記のように構成されたナビゲーションシステム1において、情報配信センタ3のCPU11が実行して、ナビゲーション装置2へ案内経路等のルート情報を配信する「ルート情報配信処理」について図3及び図4に基づいて説明する。尚、図3及び図4にステップ11〜ステップ25のフローチャートで示されるプログラムは、情報配信センタ3のROM13又は不図示のハードディスクに記憶されており、CPU11により一定時間毎に(例えば、10msec〜100msec毎である。)実行される。
【0030】
図3及び図4に示すように、先ず、ステップ(以下、Sと略記する)11において、情報配信センタ3のCPU11は、少なくとも出発地と目的地とを含む経路探索条件と、ナビゲーション装置2を識別するナビ識別IDをセンタ側通信装置17を介して受信したか否かを判定する判定処理を実行する。そして、少なくとも出発地と目的地とを含む経路探索条件と、ナビ識別IDを受信していないと判定した場合には(S11:NO)、CPU11は、当該処理を終了する。
【0031】
一方、少なくとも出発地と目的地とを含む経路探索条件と、ナビ識別IDを受信したと判定した場合には(S11:YES)、CPU11は、経路探索条件とナビ識別IDをRAM12に記憶した後、S12の処理に移行する。S12において、CPU11は、出発地から目的地までの経路探索の対象となる領域内の各区画の区画IDをセンタ地図情報15Aから取得し、経路探索対象区画の区画IDとしてRAM12に記憶する。
【0032】
例えば、CPU11は、出発地及び目的地をそれぞれ中心とする20km四方の各領域内と各領域を繋ぐ国道、県道等に沿った10km幅の領域内に存在する各区画の区画IDをセンタ地図情報15Aから取得し、経路探索対象区画の区画IDとしてRAM12に記憶する。
【0033】
続いて、S13において、CPU11は、経路探索対象区画の区画IDをRAM12から順番に読み出す。そして、CPU11は、各区画IDに関連付けられた過去一定期間内(例えば、過去1ヶ月である。)の日毎の積雪深さ(積雪量)を積雪DB18から順次読み出し、一度の積雪深さ(積雪量)が一定深さ以上(例えば、積雪深さが約10cm以上である。)になった区画があるか否かを判定する判定処理を実行する。つまり、CPU11は、積雪した雪が風によって空中に舞う状態を維持することが可能な期間内に、地吹雪が発生するだけの積雪があったか否かを判定する判定処理を実行する。
【0034】
そして、過去一定期間内の日毎の積雪深さ(積雪量)を積雪DB18から順次読み出し、一度の積雪深さ(積雪量)が一定深さ以上になった区画が無いと判定した場合には(S13:NO)、CPU11は、後述のS24の処理に移行する。
【0035】
一方、過去一定期間内の日毎の積雪深さ(積雪量)を積雪DB18から順次読み出し、一度の積雪深さ(積雪量)が一定深さ以上になった区画があった場合には(S13:YES)、CPU11は、一度の積雪深さ(積雪量)が一定深さ以上になった各区画の区画IDと当該積雪の積雪日時とを関連付けて地吹雪候補区画の区画情報としてRAM12に記憶した後、S14の処理に移行する。
【0036】
S14において、CPU11は、各地吹雪候補区画の区画情報をRAM12から順番に読み出す。そして、CPU11は、各地吹雪候補区画の区画情報から区画IDを読み出し、センタ地図情報15Aに基づいて、出発地から各地吹雪候補区画の中心位置までの距離を算出する。そして、CPU11は、この各距離を一定速度(例えば、時速40kmである。)で割り算して、各地吹雪候補区画を通過すると予測される通過予測日時を算出して、該当する地吹雪候補区画の区画IDに関連付けてRAM12に記憶する。
【0037】
その後、CPU11は、RAM12に記憶されている各地吹雪候補区画の区画情報から区画IDと積雪日時を順番に読み出し、各地吹雪候補区画における積雪日時から現況までの「最高気温」を最高気温DB16に格納されている最高気温情報16Aから順次読み出す。また、CPU11は、RAM12に記憶されている各地吹雪候補区画の区画情報から区画IDと、この区画IDに関連付けられている通過予測日時をRAM12から読み出し、各地吹雪候補区画における現況から通過予測日時までの「予測最高気温」を最高気温DB16に格納されている予測最高気温情報16Bから順次読み出す。
【0038】
続いて、CPU11は、各地吹雪候補区画における積雪日時から現況までの「最高気温」と、現況から通過予測日時までの「予測最高気温」が全て0℃以下となる地吹雪候補区画があるか否かを判定する判定処理を実行する。そして、各地吹雪候補区画における積雪日時から現況までの「最高気温」と、現況から通過予測日時までの「予測最高気温」が全て0℃以下となる地吹雪候補区画が無いと判定した場合には(S14:NO)、CPU11は、後述のS24の処理に移行する。
【0039】
一方、各地吹雪候補区画における積雪日時から現況までの「最高気温」と、現況から通過予測日時までの「予測最高気温」が全て0℃以下となる地吹雪候補区画があると判定した場合には(S14:YES)、CPU11は、S15の処理に移行する。S15において、CPU11は、各地吹雪候補区画のうち、積雪日時から現況までの「最高気温」と、現況から通過予測日時までの「予測最高気温」が全て0℃以下となる地吹雪候補区画の区画IDを地吹雪区画の区画IDとして順番にRAM12に記憶する。
【0040】
続いて、S16において、CPU11は、各地吹雪区画の区画IDをRAM12から順番に読み出す。そして、CPU11は、各区画IDに関連付けられた地吹雪区画内の各道路について、各道路周辺に設けられた建物等の地吹雪を弱める遮蔽物の密度をセンタ側地図情報DB15から順番に取得し、遮蔽物の密度が密度閾値以下(例えば、密度閾値は1ha当たり10戸である。)となる道路があるか否かを判定する判定処理を実行する。
【0041】
そして、各地吹雪区画内の各道路について、各道路周辺に設けられた建物等の地吹雪を弱める遮蔽物の密度が密度閾値よりも全て高いと判定した場合には、つまり、全ての地吹雪区画内の各道路周辺に設けられた遮蔽物の密度が密度閾値よりも全て高いと判定した場合には(S16:NO)、CPU11は、S17の処理に移行する。S17において、CPU11は、各地吹雪区画内の各リンクのリンクコストをセンタ地図情報15Aに記憶されている各リンクのリンクコストの「2倍」に設定した後、後述のS24の処理に移行する。
【0042】
一方、各地吹雪区画内の各道路について、各道路周辺に設けられた建物等の地吹雪を弱める遮蔽物の密度が密度閾値以下となる道路があると判定した場合には(S16:YES)、CPU11は、S18の処理に移行する。S18において、CPU11は、各地吹雪区画のそれぞれについて、地吹雪区画内の各道路のうち、各道路周辺に設けられた建物等の地吹雪を弱める遮蔽物の密度が密度閾値よりも高い道路のリンクのリンクコストをセンタ地図情報15Aに記憶されている各リンクのリンクコストの「2倍」に設定し、更に、各道路周辺に設けられた建物等の地吹雪を弱める遮蔽物の密度が密度閾値以下となる道路のリンクのリンクコストをセンタ地図情報15Aに記憶されている各リンクのリンクコストの「3倍」に設定する。
【0043】
続いて、S19において、CPU11は、各地吹雪区画のそれぞれについて、道路沿いに設けられた防風柵、防雪柵の施設データをセンタ地図情報15Aから読み出し、各地吹雪区画内の各道路のうち、地吹雪を弱める遮蔽物の密度が密度閾値以下となる道路沿いに、防風柵又は防雪柵が設置されているか否かを判定する判定処理を実行する。
【0044】
そして、各地吹雪区画内の各道路のうち、地吹雪を弱める遮蔽物の密度が密度閾値以下となる道路沿いに防風柵又は防雪柵が設置されていると判定した場合には(S19:YES)、CPU11は、後述のS24の処理に移行する。つまり、CPU11は、各地吹雪区画のそれぞれについて、遮蔽物の密度が密度閾値よりも高い道路のリンクのリンクコストをセンタ地図情報15Aに記憶されている各リンクのリンクコストの「2倍」に設定し、更に、各道路周辺に設けられた遮蔽物の密度が密度閾値以下となる道路のリンクのリンクコストをセンタ地図情報15Aに記憶されている各リンクのリンクコストの「3倍」に設定した状態を維持して、後述のS24の処理に移行する。
【0045】
一方、各地吹雪区画内の各道路のうち、地吹雪を弱める遮蔽物の密度が密度閾値以下となる道路沿いに防風柵又は防雪柵が設置されていないと判定した場合には(S19:NO)、CPU11は、S20の処理に移行する。S20において、CPU11は、各地吹雪区画のそれぞれについて、地吹雪区画内の各道路のうち、各道路周辺に設けられた建物等の地吹雪を弱める遮蔽物の密度が密度閾値以下で、且つ、防風柵又は防雪柵が設置されていない道路のリンクのリンクコストをセンタ地図情報15Aに記憶されている各リンクのリンクコストの「3倍」から、センタ地図情報15Aに記憶されている各リンクのリンクコストの「4倍」に再設定する。
【0046】
そして、S21において、CPU11は、各地吹雪区画のうち、リンクコストがセンタ地図情報15Aに記憶されている各リンクのリンクコストの「4倍」に設定されたリンクが存在する地吹雪区画の区画IDを順次抽出して、4倍地吹雪区画の区画IDとしてRAM12に記憶する。
【0047】
その後、S22において、CPU41は、各4倍地吹雪区画の区画IDを順番にRAM12から読み出し、上記S14でこの区画IDに関連付けてRAM12に記憶した各4倍地吹雪区画を通過すると予測される通過予測日時を読み出す。そして、CPU11は、各4倍地吹雪区画の通過予測日時における予測風速を風速DB19から取得して、各4倍地吹雪区画の区画IDに関連付けてRAM12に記憶する。
【0048】
続いて、S22において、CPU11は、各4倍地吹雪区画の通過予測日時における予測風速をRAM12から順番に読み出し、風速閾値以上(例えば、風速閾値は風速10m/sである。)の予測風速があるか否かを判定する判定処理を実行する。そして、各4倍地吹雪区画の通過予測日時における予測風速が、全て風速閾値未満であると判定した場合には(S22:NO)、CPU11は、後述のS24の処理に移行する。
【0049】
一方、各4倍地吹雪区画の通過予測日時における予測風速のうち、風速閾値以上の予測風速があると判定した場合には(S22:YES)、CPU11は、S23の処理に移行する。S23において、CPU11は、各4倍地吹雪区画のうち、通過予測日時における予測風速が風速閾値以上の4倍地吹雪区画において、リンクコストがセンタ地図情報15Aに記憶されている各リンクのリンクコストの「4倍」に設定されたリンクのリンクコストを予測風速に従って、当該「4倍」を超えるように再設定する。
【0050】
具体的には、例えば、各4倍地吹雪区画のうち、通過予測日時における予測風速が、風速閾値である風速10m/s以上から風速15m/s未満までの場合には、リンクコストがセンタ地図情報15Aに記憶されている各リンクのリンクコストの「4倍」に設定されたリンクのリンクコストを、センタ地図情報15Aに記憶されている各リンクのリンクコストの「5倍」に再設定する。
【0051】
また、各4倍地吹雪区画のうち、通過予測日時における予測風速が、風速15m/s以上から風速25m/s未満までの場合には、リンクコストがセンタ地図情報15Aに記憶されている各リンクのリンクコストの「4倍」に設定されたリンクのリンクコストを、センタ地図情報15Aに記憶されている各リンクのリンクコストの「6倍」に再設定する。
【0052】
更に、各4倍地吹雪区画のうち、通過予測日時における予測風速が、風速25m/s以上の場合には、リンクコストがセンタ地図情報15Aに記憶されている各リンクのリンクコストの「4倍」に設定されたリンクのリンクコストを、センタ地図情報15Aに記憶されている各リンクのリンクコストの「8倍」に再設定する。
【0053】
そして、S24において、CPU11は、センタ地図情報15Aと交通情報DB20に記憶されている現況交通情報や、上記S15で設定された各地吹雪区画内の各リンクに設定されているリンクコストとに基づいて、例えばダイクストラ法等によって、出発地から目的地までの経路を探索して、当該経路のルートデータをRAM12に記憶する。
【0054】
続いて、S25において、CPU11は、探索した経路のルートデータとナビ識別IDをRAM12から読み出し、当該ナビ識別IDで特定されるナビゲーション装置2へ探索した経路のルートデータをセンタ側通信装置17を介して配信した後、当該処理を終了する。
【0055】
以上詳細に説明した通り、本実施例に係るナビゲーションシステム1では、情報配信センタ3のCPU11は、出発地から目的地までの経路探索の対象となる領域内の各区画のうち、積雪した雪が風によって空中に舞う状態を維持することが可能な過去一定期間内(例えば、過去1ヶ月である。)に、一度に積雪深さ(積雪量)が一定深さ以上(例えば、積雪深さが約10cm以上である。)になり、且つ、当該積雪の積雪日時から現況までの「最高気温」と、現況から各区画を通過すると予測される通過予測日時までの「予測最高気温」が全て0℃以下の区画を、地吹雪の発生が予測される地吹雪区画として設定する。これにより、CPU11は、出発地から目的地までの経路探索の対象となる領域内の各区画から、地吹雪の発生が予測される地吹雪区画を高精度に抽出することが可能となる。
【0056】
また、CPU11は、各地吹雪区画内の各道路について、各道路周辺に設けられた建物等の地吹雪を弱める遮蔽物の密度が密度閾値(例えば、密度閾値は1ha当たり10戸である。)よりも全て高いと判定した場合には、各地吹雪区画内の各リンクのリンクコストをセンタ地図情報15Aに記憶されている各リンクのリンクコストの「2倍」に設定する。これにより、CPU11は、地吹雪の発生が予測される各地吹雪区画内の道路を回避して、出発地から目的地までの経路を探索することが可能となる。
【0057】
また、CPU11は、各地吹雪区画内の各道路について、各道路周辺に設けられた建物等の地吹雪を弱める遮蔽物の密度が密度閾値以下となる道路があると判定した場合には、各地吹雪区画のそれぞれについて、地吹雪区画内の各道路のうち、各道路周辺に設けられた建物等の地吹雪を弱める遮蔽物の密度が密度閾値よりも高い道路のリンクのリンクコストをセンタ地図情報15Aに記憶されている各リンクのリンクコストの「2倍」に設定し、更に、各道路周辺に設けられた建物等の地吹雪を弱める遮蔽物の密度が密度閾値以下となる道路のリンクのリンクコストをセンタ地図情報15Aに記憶されている各リンクのリンクコストの「3倍」に設定する。これにより、CPU11は、地吹雪区画内を走行する道路のうち、道路周辺の風を遮る遮蔽物によって地吹雪が弱められる道路を選択して経路を探索することが可能となる。
【0058】
また、CPU11は、各地吹雪区画のそれぞれについて、地吹雪区画内の各道路のうち、各道路周辺に設けられた建物等の地吹雪を弱める遮蔽物の密度が密度閾値以下で、且つ、防風柵又は防雪柵が設置されていない道路のリンクのリンクコストをセンタ地図情報15Aに記憶されている各リンクのリンクコストの「3倍」から、センタ地図情報15Aに記憶されている各リンクのリンクコストの「4倍」に再設定する。これにより、地吹雪区画内を走行する道路のうち、防風柵又は防雪柵によって地吹雪が弱められる道路を選択して経路を探索することが可能となる。
【0059】
更に、CPU11は、各地吹雪区画のうち、リンクコストがセンタ地図情報15Aに記憶されている各リンクのリンクコストの「4倍」に設定されたリンクが存在する各4倍地吹雪区画について、当該各4倍地吹雪区画を通過すると予測される通過予測日時における予測風速が風速閾値(例えば、風速閾値は、風速10m/sである。)以上の場合には、リンクコストがセンタ地図情報15Aに記憶されている各リンクのリンクコストの「4倍」に設定されたリンクについて、リンクコストを予測風速に従って、当該「4倍」を超えるように再設定する。これにより、CPU11は、地吹雪区画内の道路のうち、防風柵又は防雪柵が設置されていない道路に対応するリンクのリンクコストを通過予測日時における予測風速に基づいて、更に高精度に設定することが可能となる。
【0060】
尚、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。例えば、以下のようにしてもよい。
【0061】
[他の実施例1]
(A)例えば、上記S16において、CPU11は、各地吹雪区画の区画IDをRAM12から順番に読み出す。そして、CPU11は、各地吹雪区画のそれぞれについて、道路沿いに設けられた防風柵、防雪柵の施設データをセンタ地図情報15Aから読み出し、地吹雪区画内の道路に防風柵又は防雪柵が設置されていない道路があるか否かを判定する判定処理を実行するようにしてもよい。
【0062】
そして、各地吹雪区画内の各道路について、地吹雪区画内の道路に防風柵又は防雪柵が設置されていると判定した場合には(S16:NO)、CPU11は、上記S17の処理に移行するようにしてもよい。
【0063】
一方、各地吹雪区画内の各道路について、地吹雪区画内の道路に防風柵又は防雪柵が設置されていない道路があると判定した場合には(S16:YES)、CPU11は、各地吹雪区画のそれぞれについて、地吹雪区画内の各道路のうち、防風柵又は防雪柵が設置されている道路のリンクのリンクコストをセンタ地図情報15Aに記憶されている各リンクのリンクコストの「2倍」に設定し、更に、防風柵又は防雪柵が設置されていない道路のリンクのリンクコストをセンタ地図情報15Aに記憶されている各リンクのリンクコストの「4倍」に設定した後、上記S21の処理に移行するようにしてもよい。従って、この場合には、CPU11は、上記S18〜S20の処理を実行しない。
【0064】
従って、CPU11は、各地吹雪区画内の道路のうち、防風柵又は防雪柵が設置されていない道路に対応するリンクのリンクコストを、当該地吹雪区画内のリンクのリンクコストよりも高く設定して、出発地から目的地までの経路を探索することとなる。これにより、CPU11は、各地吹雪区画内を走行する道路のうち、防風柵又は防雪柵によって地吹雪が弱められる道路を選択して経路を探索することが可能となる。
【0065】
[他の実施例2]
(B)また、例えば、ナビゲーション装置2は、情報配信センタ3からセンタ側地図情報DB15のセンタ地図情報15Aを配信されてナビ地図情報として有し、また、最高気温DB16に格納されている最高気温情報16A及び予測最高気温情報16Bの各データ、積雪DB18、風速DB19及び交通情報DB20に格納されている各データを情報配信センタ3から配信されるようにしてもよい。そして、ナビゲーション装置2のCPUが、上記S11〜S25の処理を実行するように構成してもよい。これにより、情報配信センタ3のCPU11の処理負荷を軽減することができる。
【符号の説明】
【0066】
1 ナビゲーションシステム
2 ナビゲーション装置
3 情報配信センタ
4 ネットワーク
6 気象情報提供センタ
10 サーバ
11 CPU
12 RAM
13 ROM
15 センタ側地図情報DB
16 最高気温DB
17 センタ側通信装置
18 積雪DB
19 風速DB
20 交通情報DB
27 通信装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
区画されて、リンク毎に探索コストが対応付けられたリンク情報を含む地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、
出発地から目的地までの経路探索の対象となる領域内の区画を前記地図情報に基づいて抽出する区画抽出手段と、
前記区画抽出手段を介して抽出された各区画について、地吹雪の発生が予測される地吹雪区画か否かを判定する区画判定手段と、
前記区画判定手段を介して地吹雪の発生が予測される地吹雪区画であると判定された各地吹雪区画内のリンクの探索コストを前記リンク情報の探索コストよりも高く設定して、前記出発地から前記目的地までの経路を探索する探索手段と、
を備えたことを特徴とする経路探索装置。
【請求項2】
前記区画抽出手段を介して抽出された各区画の積雪した雪が風によって空中に舞う状態を維持することが可能な予め定められた期間内の積雪量を取得する積雪量取得手段と、
前記出発地から各区画までの距離に基づいて各区画を通過すると予測される通過予測日時を取得する予測通過日時取得手段と、
前記区画抽出手段を介して抽出された各区画の積雪時から前記通過予測日時までの気温を取得する気温取得手段と、
を備え、
前記区画判定手段は、前記区画抽出手段を介して抽出された各区画のうち、前記予め定められた期間内に一度に所定量以上の積雪があり、且つ、当該積雪の積雪日時から前記通過予測日時までの気温が所定温度以下の区画を、地吹雪の発生が予測される地吹雪区画であると判定することを特徴とする請求項1に記載の経路探索装置。
【請求項3】
前記地図情報に基づいて前記地吹雪区画内に道路周辺の風を遮る遮蔽物の密度が密度閾値以下の道路があるか否かを判定する遮蔽物密度判定手段を備え、
前記地吹雪区画内に道路周辺の風を遮る遮蔽物の密度が密度閾値以下の道路があると判定された場合には、前記探索手段は、当該遮蔽物の密度が密度閾値以下の道路に対応するリンクの探索コストを前記地吹雪区画内のリンクの探索コストよりも高く設定して、前記出発地から前記目的地までの経路を探索することを特徴とする請求項2に記載の経路探索装置。
【請求項4】
前記地図情報に基づいて前記道路周辺の風を遮る遮蔽物の密度が密度閾値以下の道路に防風柵又は防雪柵が設置されていない道路があるか否かを判定する柵判定手段を備え、
前記道路周辺の風を遮る遮蔽物の密度が密度閾値以下の道路に防風柵又は防雪柵が設置されていない道路があると判定された場合には、前記探索手段は、当該防風柵又は防雪柵が設置されていない道路に対応するリンクの探索コストを前記遮蔽物の密度が密度閾値以下の道路に対応するリンクの探索コストよりも高く設定して、前記出発地から前記目的地までの経路を探索することを特徴とする請求項3に記載の経路探索装置。
【請求項5】
前記地図情報に基づいて前記地吹雪区画内の道路に防風柵又は防雪柵が設置されていない道路があるか否かを判定する道路判定手段を備え、
前記地吹雪区画内の道路に防風柵又は防雪柵が設置されていない道路があると判定された場合には、前記探索手段は、当該防風柵又は防雪柵が設置されていない道路に対応するリンクの探索コストを前記地吹雪区画内のリンクの探索コストよりも高く設定して、前記出発地から前記目的地までの経路を探索することを特徴とする請求項2に記載の経路探索装置。
【請求項6】
前記地吹雪区画を通過すると予測される前記通過予測日時における当該地吹雪区画内の予測風速を取得する予測風速取得手段を備え、
前記探索手段は、前記吹雪区画を通過すると予測される前記通過予測日時における当該地吹雪区画内の予測風速に基づいて、前記防風柵又は防雪柵が設置されていない道路に対応するリンクの探索コストを設定することを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の経路探索装置。
【請求項7】
制御部と記憶部とを少なくとも備えたサーバで実行される経路探索方法であって、
前記記憶部は、区画されて、リンク毎に探索コストが対応付けられたリンク情報を含む地図情報を記憶する地図情報記憶手段を有し、
前記制御部が実行する、
出発地から目的地までの経路探索の対象となる領域内の区画を前記地図情報に基づいて抽出する区画抽出工程と、
前記区画抽出手段を介して抽出された各区画について、地吹雪の発生が予測される地吹雪区画か否かを判定する区画判定工程と、
前記区画判定工程で地吹雪の発生が予測される地吹雪区画であると判定された各地吹雪区画内のリンクの探索コストを前記リンク情報の探索コストよりも高く設定して、前記出発地から前記目的地までの経路を探索する探索工程と、
を備えたことを特徴とする経路探索方法。
【請求項8】
区画されて、リンク毎に探索コストが対応付けられたリンク情報を含む地図情報を記憶する地図情報記憶手段を備えたコンピュータに、
出発地から目的地までの経路探索の対象となる領域内の区画を前記地図情報に基づいて抽出する区画抽出工程と、
前記区画抽出工程で抽出された各区画について、地吹雪の発生が予測される地吹雪区画か否かを判定する区画判定工程と、
前記区画判定工程で地吹雪の発生が予測される地吹雪区画であると判定された各地吹雪区画内のリンクの探索コストを前記リンク情報の探索コストよりも高く設定して、前記出発地から前記目的地までの経路を探索する探索工程と、
を実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−108860(P2013−108860A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−254530(P2011−254530)
【出願日】平成23年11月22日(2011.11.22)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】