説明

給湯システム

【課題】 入浴時の浴室への給湯は勿論のこと、浴室以外の場所に給湯するときにも給水配管系の水の温度を上昇させることができ、湯沸器でのエネルギーの消費を抑えることのできる給湯システムを提供する。
【解決手段】 給水システムの制御装置は、入浴に関連する情報を取得する入浴情報取得装置が取得した情報を基に入浴中であると判断すると、浴室内の浴槽の下部に接続された排水系を開閉する開閉弁を閉状態で維持する一方、前記入浴情報取得装置が取得した情報を基に入浴中でないと判断するとともに浴室以外の箇所に繋がる経路上での湯の流通の有無を検知する給湯検知装置の検知結果を基に浴室以外の箇所に繋がる経路上での湯の流通があると判断すると開閉弁を開状態にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室や台所等の複数箇所に給湯する給湯システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、浴室や台所等の複数箇所に給湯する給湯システムとして、上水道等の給水源からの水を加熱して高温な湯にする湯沸器と、該湯沸器に接続された給湯配管系と、給水源に接続された給水配管系と、給湯配管系及び給水配管系を接続した混合弁とを備え、給水配管系からの水に給湯配管系からの高温な湯を混合弁で混合させて適温な湯にするように構成されたものが提供されている。
【0003】
そして、この種の給湯システムは、給水源の水の温度が低い場合、水を加熱するエネルギーの消費量が多くなる上に高温にした湯(加熱した水)の消費量が多くなるとして、排水路を流れる使用済みの温水の熱で給水配管系の水の温度を高めた上で、該水を給湯配管系の湯と混合するようにしたものが提供されている。
【0004】
すなわち、この種の給湯システムには、給水配管系の途中位置に浴室の排水口に繋がる排水路を流通する使用済みの温水(シャワーやカランからの湯)の熱を回収する排熱回収装置が設けられたものが提供されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
かかる給湯システムは、排水路を流通する使用済みの温水と排熱回収装置(給水配管系)を流通する水との間で熱交換させることで、給水配管系内の水を加熱するようになっている。これにより、上記構成の給湯システムは、給水配管系の水の温度を高めた上で、該水を給湯配管系の湯と混合できるため、湯沸器で給水源からの水を必要以上の温度に加熱したり湯沸器から多くの湯を供給したりする必要がなく、湯沸器でのエネルギーの消費を抑えることができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実用新案登録第3149968号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記給湯システムは、給水配管系の途中に設けられた排熱回収装置で浴室の排水口に繋がる排水路を流通する温水の熱を回収するようにしているため、浴室から使用済みの温水が排水路に排出されていないとき(入浴時以外)に、排熱回収装置による熱回収(水と使用済みの温水との間での熱交換)をすることができない。
【0008】
そのため、上記構成の給湯システムは、浴室以外の場所(例えば、台所や洗面所)等で湯を使用するときに、給水源からの温度の低い水を湯沸器からの湯と混合することになり、湯沸器で水を加熱するときのエネルギーの消費量が多くなる上に湯沸器で高温にした湯(加熱した水)の消費量が多くなってしまう。
【0009】
そうすると、浴室での使用済みの温水に対する熱回収と同様に、浴室以外の場所からの使用済みの温水に対する熱回収をすることも考えられるが、浴室以外の場所での湯の使用量は入浴時の湯の使用量(シャワーやカランから排出される湯の量)に比べて非常に少ないため、システムが複雑になる割に節約できるエネルギー量が少なく、現実的ではない。
【0010】
そこで、本発明は、入浴時の浴室への給湯は勿論のこと、浴室以外の場所に給湯するときにも給水配管系の水の温度を上昇させることができ、湯沸器でのエネルギーの消費を抑えることのできる給湯システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る給湯システムは、給水源からの水を加熱して高温な湯にする湯沸器と、該湯沸器に接続された給湯配管系と、給水源に接続された給水配管系と、給湯配管系及び給水配管系を接続した混合弁と、浴室を含む複数箇所と前記混合弁とを繋ぐ配管系とを備え、給水配管系の途中位置に浴室の排水口に繋がる排水路を流通する使用済みの温水の熱を回収する排熱回収装置が設けられ、給水配管系からの水に給湯配管系からの高温な湯を混合弁で混合させて適温な湯にして浴室を含む複数箇所に給湯可能に構成された給湯システムにおいて、前記配管系における浴室以外の箇所に繋がる経路上での湯の流通の有無を検知する給湯検知装置と、入浴に関連する情報を取得する入浴情報取得装置と、浴室内の浴槽の下部に接続された排水系を開閉する開閉弁と、給湯検知装置及び入浴情報取得装置の検知結果に基づいて開閉弁を開閉させる制御装置とを備え、前記排水系は、浴槽内に貯められた温水を排水路における排熱回収装置の上流側に排出可能に構成され、制御装置は、入浴情報取得装置が取得した情報を基に入浴中であると判断すると、開閉弁を閉状態で維持する一方、入浴情報取得装置が取得した情報を基に入浴中でないと判断するとともに給湯検知装置の検知結果を基に浴室以外の箇所に繋がる経路上での湯の流通があると判断すると開閉弁を開状態にすることを特徴とする。
【0012】
ここで、「入浴に関連する情報」とは、浴室内での入浴者の行動に伴って得られる情報や、入浴者が入浴することを意思表示したことによって得られる情報を意味し、例えば、浴室内での人の有無に関する情報や、入浴に伴う給湯の有無(湯の使用の有無)の情報、浴室の排水口からの排水の有無に関する情報、使用者が定めた入浴時間に関する情報等、浴室の電灯や換気扇等のスイッチ操作の有無の情報等を意味する。
【0013】
上記給湯システムの制御装置は、入浴情報取得装置が取得した情報を基に入浴中であると判断すると、開閉弁を閉状態で維持する一方、入浴情報取得装置が取得した情報を基に入浴中でないと判断するとともに給湯検知装置の検知結果を基に浴室以外の箇所に繋がる経路上での湯の流通があると判断すると開閉弁を開状態にするため、入浴中(浴室に入浴者が居るとき)に浴槽に湯が貯められた状態で維持する一方、入浴中でない(浴室に入浴者が居ない)状態で浴室以外の場所に給湯されるときに、浴槽に貯められた湯が排水路に排出される。
【0014】
そして、上記構成の給湯システムにおいて、浴室内の浴槽の下部に接続された排水系は、浴槽内に貯められた温水を排水路における排熱回収装置の上流側に排出可能に構成されているため、上述の如く、浴槽から排出路に排出された湯は、排水路の下流側に向けて流れ、排熱回収装置内の水と熱交換することになる。すなわち、浴槽に貯められた湯は、大量にある上に、浴槽の保温効果や追い炊き等による保温効果で比較的長時間の間、熱エネルギーを蓄えた状態であるため、排水路を流れるときに給水配管系(排熱回収装置)を流通する水を加熱することになる。
【0015】
また、上記構成の給湯システムは、上述の如く、制御装置が入浴中であると判断すると、開閉弁を閉状態で維持するため、浴槽内の湯が排水路に排出されることがないが、シャワーやカランからの温水が排水口から排水路に流れ込むため、当該温水(温排水)が排熱回収装置(給水配管系)を流通する給水源からの水を加熱することになる。
【0016】
従って、上記給湯システムは、入浴中に浴室に給湯するとき(シャワーやカランで湯を使うとき)や入浴者が居ない状態で浴室以外の場所に給湯するときに、湯沸器で必要以上の水を加熱して多くの湯を供給する必要がなく、湯沸器でのエネルギーの消費を抑えることができる。
【0017】
本発明の一態様として、前記入浴情報取得装置は、前記配管系における浴室に繋がる経路上での湯の流通の有無を検知する検知センサで構成され、制御装置は、検知センサの検知結果を基に浴室に繋がる経路上での湯の流通があると判断したときに入浴中であると判断し、検知センサの検知結果を基に浴室に繋がる経路上での湯の流通がないと判断したときに入浴中でないと判断するように構成されてもよい。入浴者は入浴中に湯を使用するため、浴室に繋がる経路(浴室のシャワーやカランに繋がる経路)上での湯の流通の有無で入浴中であるか否かを判断することができる。
【0018】
これに伴い、上記構成の給湯システムは、制御装置が検知センサの検知結果を基に浴室に繋がる経路上での湯の流通があると判断すると、入浴中であるとして、所定時間の間(例えば、入浴時間の間)浴槽内の湯が排出されることを防止し、制御装置が検知センサの検知結果を基に浴室に繋がる経路上での湯の流通がないと判断するとともに給湯検知装置の検知結果を基に浴室以外の箇所に繋がる経路上での湯の流通があると判断すると、浴室に入浴者が居ない(入浴中ではない)状態で浴室以外の場所に給湯する状態であるとして、開閉弁を開状態にして浴槽内の湯を排水路に排出する。
【0019】
従って、上記給湯システムは、入浴中に浴室に給湯するとき(シャワーやカランで湯を使うとき)や入浴者が居ない状態で浴室以外の場所に給湯するときに、湯沸器で必要以上の水を加熱して多くの湯を供給する必要がなく、湯沸器でのエネルギーの消費を抑えることができる。
【0020】
本発明の他態様として、前記入浴情報取得装置は、時間を計測するとともに所定の時間帯を設定可能なタイマーで構成され、制御装置は、タイマーの計測結果を基に所定の時間帯であると判断したときに入浴中であると判断し、タイマーの計測結果を基に所定の時間帯以外の時間帯であると判断したときに入浴中でないと判断するように構成されてもよい。一般家庭において、夜間の概ね決まった時間帯に入浴することが多いため、所定の時間帯を入浴中であると推定することができる。
【0021】
これに伴い、上記構成の給湯システムは、制御装置がタイマーの計測結果を基に所定の時間帯であると判断すると、入浴中であるとして、所定時間の間(例えば、入浴時間の間)浴槽内の湯が排出されることを防止し、制御装置がタイマーの計測結果を基に所定の時間帯以外の時間帯であると判断するとともに給湯検知装置の検知結果を基に浴室以外の箇所に繋がる経路上での湯の流通があると判断すると、浴室に入浴者が居ない(入浴中ではない)状態で浴室以外の場所に給湯する状態であるとして、開閉弁を開状態にして浴槽内の湯を排水路に排出する。
【0022】
従って、上記給湯システムは、入浴中に浴室に給湯するとき(シャワーやカランで湯を使うとき)や入浴者が居ない状態で浴室以外の場所に給湯するときに、湯沸器で必要以上の水を加熱して多くの湯を供給する必要がなく、湯沸器でのエネルギーの消費を抑えることができる。
【0023】
本発明の別の態様として、前記入浴情報取得装置は、浴室内の人の有無を検知する人検知センサで構成され、制御装置は、人検知センサの検知結果を基に浴室に人が居ると判断したときに入浴中であると判断し、人検知センサの検知結果を基に浴室に人が居ないと判断したときに入浴中でないと判断するように構成されてもよい。
【0024】
上記構成の給湯システムは、制御装置が人検知センサの検知結果を基に浴室に人が居ると判断すると、入浴中(入浴の時間帯)であるとして、浴槽内の湯が排出されることを防止し、制御装置が人検知センサの検知結果を基に浴室に人が居ないと判断するとともに第一検知装置の検知結果を基に浴室以外の箇所に繋がる経路上での湯の流通があると判断すると、浴室に入浴者が居ない(入浴中ではない)状態で浴室以外の場所に給湯する状態であるとして、開閉弁を開状態にして浴槽内の湯を排水路に排出する。
【0025】
従って、上記給湯システムは、入浴中に浴室に給湯するとき(シャワーやカランで湯を使うとき)や入浴者が居ない状態で浴室以外の場所に給湯するときに、湯沸器で必要以上の水を加熱して多くの湯を供給する必要がなく、湯沸器でのエネルギーの消費を抑えることができる。
【発明の効果】
【0026】
以上のように、本発明に係る給湯システムは、入浴時の浴室への給湯は勿論のこと、浴室以外の場所に給湯するときにも給水配管系の水の温度を上昇させることができ、湯沸器でのエネルギーの消費を抑えることができるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る給湯システムの概略系統図を示す。
【図2】図2は、同実施形態に係る排熱回収装置の全体斜視図を示す。
【図3】図3は、同実施形態に係る排熱回収装置を構成する第一熱回収体及び第二熱回収体の斜視図であって、(a)は、第一熱回収体の斜視図を示し、(b)は、第二熱回収体の斜視図を示す。
【図4】図4は、同実施形態に係る排熱回収装置(第一熱回収体及び第二熱回収体)の概略横断面図であって、(a)は、第一熱回収体の水の流れを含む横断面図を示し、(b)は、第二熱回収体の水の流れを含む横断面図を示す。
【図5】図5は、同実施形態に係る排熱回収装置の概略縦断面図であって、排水路内に設置した状態の縦断面図を示す。
【図6】図6は、本発明の他実施形態に係る給湯システムの概略系統図を示す。
【図7】図7は、本発明の別の実施形態に係る給湯システムの概略系統図を示す。
【図8】図8は、本発明のさらに別の実施形態に係る給湯システムの排熱回収装置の全体斜視図を示す。
【図9】図9は、図8に示す排熱回収装置を排水路内に設置した状態の断面図であって、(a)は、横断面図を示し、(b)は、縦断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の第一実施形態に係る給湯システムについて、添付図面を参照して説明する。
【0029】
本実施形態に係る給湯システムは、図1に示す如く、浴槽BTを備えた浴室BRを設置することを前提としたもので、上水道等の給水源からの水を加熱して高温な湯にする湯沸器2と、該湯沸器2に接続された給湯配管系3と、給水源に接続された給水配管系4と、給湯配管系3及び給水配管系4を接続した混合弁5と、浴室BRを含む複数箇所と前記混合弁5とを繋ぐ配管系6とを備えている。
【0030】
前記湯沸器2は、給水源に繋がる配管が接続されており、常温の水が供給されるようになっている。なお、図1に示す概略系統図では、前記給水配管系4を分岐させた配管を湯沸器2に接続している。そして、湯沸器2は、供給された水を加熱して高温な湯にするようになっている。すなわち、湯沸器2は、給水源から供給される水を流通させつつ連続的に加熱する連続式のものや、給水源から供給される水を貯留して加熱する貯湯式のものが採用される。
【0031】
前記湯沸器2は、浴室BRや、台所、洗面所等の設置された止水栓(採番しない)が開栓されると、加熱された水(高温になった湯)を混合弁5に向けて順次送り出すように構成されている。
【0032】
前記給水配管系4は、給水源と混合弁5とを流体的に接続している。そして、該給水配管系4は、途中位置に浴室BRの排水口Dに繋がる排水路DRを流通する使用済みの温水の熱を回収する排熱回収装置42が設けられている。すなわち、前記給水配管系4は、給水源に繋がる一次側給水配管40と、混合弁5に繋がる二次側給水配管41と、一次側給水配管40と二次側給水配管41との間に介設され、浴室BRの排水口Dに繋がる排水路DR内に設置される排熱回収装置42とを備えている。
【0033】
そして、前記排水路DRにおける排熱回収装置42を設置する領域の天部は、着脱可能な蓋Cで構成されており、該蓋Cを取り外すことで排水路DR内に設置された排熱回収装置42に対してアクセスできるようになっている。なお、図1において、蓋Cを含む排水路DR全体が浴槽BTの下方に配置されているが、実際には、排水路DRの少なくとも排熱回収装置42が設置される領域(蓋Cを含む領域)は、浴槽BTに対して横方向にずれた位置(上方に浴槽BTのない位置)に配置され、蓋Cの着脱を上方から行えるようになっている。
【0034】
本実施形態に係る排熱回収装置42は、図2に示す如く、給水源からの水を流通可能に構成された第一熱回収体43と、該第一熱回収体43と同様に、給水源からの水を流通可能に構成された第二熱回収体44とを備えている。
【0035】
前記第一熱回収体43は、図2及び図3(a)に示す如く、所定の間隔をあけて配置された複数の第一伝熱カセット430…と、隣り合う第一伝熱カセット430…同士を連結する連結部431a,431bとを備えている。第一伝熱カセット430…のそれぞれは、重ね合わされた四角形状をなす一対の伝熱プレートP,Pの外周同士が液密に封着されて形成されており、伝熱プレートP,P間(内部)に水を流通させる内部流路430a(図4(a)及び図5参照)が形成されている。そして、複数の第一伝熱カセット430…は、それぞれ起立した状態で配置されている。すなわち、各第一伝熱カセット430…は、伝熱プレートP,Pの外郭を構成する四辺のうちの対向する二辺が上下方向に伸びるように配置され、隣り合う相手方の第一伝熱カセット430…(伝熱プレートP,P)と面対向させている。
【0036】
前記連結部431a,431bは、図4(a)に示す如く、筒状に形成されており、隣り合う第一伝熱カセット430…間に介設された状態で両方の第一伝熱カセット430,430の内部流路430a,430a同士を連通させている。
【0037】
そして、該第一熱回収体43は、第一伝熱カセット430の内部流路430aでの水の流通方向が第一伝熱カセット430…毎に方向が切り替わるように連結部431a,431bが配置されている。より具体的には、本実施形態に係る第一熱回収体43は、第一伝熱カセット430…の幅方向の一端同士を連結する第一連結部431aと、第一伝熱カセット430…の幅方向の他端同士を連結する第二連結部431bとを備えており、前記第一連結部431a及び第二連結部431bが第一伝熱カセット430…の並列方向で交互に配置されて隣り合う第一伝熱カセット430…同士を連結している。
【0038】
本実施形態に係る第一熱回収体43の連結部431a,431b(第一連結部431a及び第二連結部431b)は、図2及び図3(a)に示す如く、第一伝熱カセット430…の上端部同士を連結している。すなわち、第一連結部431aは、隣り合う第一伝熱カセット430…の幅方向の一端側の上端部同士を連結し、第二連結部431bは、隣り合う第一伝熱カセット430…の幅方向の他端側の上端部同士を連結している。これにより、第一熱回収体43は、図4(a)に示す如く、水の流通方向が幅方向の一端側から他端側に向く第一伝熱カセット430…と、水の流通方向が幅方向の他端側から一端側に向く第一伝熱カセット430…とが交互に配置されている。
【0039】
そして、複数の第一伝熱カセット430…のうち、並列方向の一端にある第一伝熱カセット430は、一次側給水配管40が接続され、並列方向の他端にある第一伝熱カセット430は、二次側給水配管41が接続されている。これにより、第一熱回収体43は、並列方向の一端側にある第一伝熱カセット430…から並列方向の他端側にある第一伝熱カセット430…に向けて各第一伝熱カセット430…の内部流路430aで流通方向を変更させながら水を流通させることができるようになっている。
【0040】
前記第二熱回収体44は、図2及び図3(b)に示す如く、所定の間隔をあけて配置された複数の第二伝熱カセット440…と、隣り合う第二伝熱カセット440…同士を連結する連結部441a,441bとを備えている。第二伝熱カセット440…のそれぞれは、重ね合わされた四角形状をなす一対の伝熱プレートP,Pの外周同士が液密に封着されて形成されており、伝熱プレートP,P間(内部)に水を流通させる内部流路440a(図4(b)及び図5参照)が形成されている。そして、複数の第二伝熱カセット440…は、それぞれ起立した状態で配置されている。すなわち、各第二伝熱カセット440…は、伝熱プレートP,Pの外郭を構成する四辺のうちの対向する二辺が上下方向に伸びるように配置され、隣り合う相手方の第二伝熱カセット440…(伝熱プレートP,P)と面対向させている。
【0041】
前記連結部441a,441bは、図4(b)に示す如く、筒状に形成されており、隣り合う第二伝熱カセット440…間に介設された状態で両方の第二伝熱カセット440,440の内部流路440a,440a同士を連通させている。
【0042】
そして、該第二熱回収体44は、伝熱カセットの流路内での水の流通方向が第二伝熱カセット440…毎に方向が切り替わるように連結部441a,441bが配置されている。より具体的には、本実施形態に係る第二熱回収体44は、第二伝熱カセット440…の幅方向の一端同士を連結する第三連結部441aと、第二伝熱カセット440…の幅方向の他端同士を連結する第四連結部441bとを備えており、前記第三連結部441a及び第四連結部441bが第二伝熱カセット440…の並列方向で交互に配置されて隣り合う第二伝熱カセット440…同士を連結している。
【0043】
本実施形態に係る第二熱回収体44の連結部441a,441b(第三連結部441a及び第四連結部441b)は、図2及び図3(b)に示す如く、第二伝熱カセット440…の下端部同士を連結している。すなわち、第三連結部441aは、隣り合う第二伝熱カセット440…の幅方向の一端側の下端部同士を連結し、第四連結部441bは、隣り合う第二伝熱カセット440…の幅方向の他端側の下端部同士を連結している。これにより、第二熱回収体44は、図4(b)に示す如く、水の流通方向が幅方向の一端側から他端側に向く第二伝熱カセット440…と、水の流通方向が幅方向の他端側から一端側に向く第二伝熱カセット440…とが交互に配置されている。
【0044】
そして、複数の第二伝熱カセット440…のうち、並列方向の一端にある第二伝熱カセット440は、一次側給水配管40が接続され、並列方向の他端にある第二伝熱カセット440は、二次側給水配管41が接続されている。これにより、第二熱回収体44は、並列方向の一端側にある第二伝熱カセット440…から並列方向の他端側にある第二伝熱カセット440…に向けて各第二伝熱カセット440…の内部流路440aで流通方向を変更させながら水を流通させることができるようになっている。なお、本実施形態に係る一次側給水配管40及び二次側給水配管41のそれぞれは、排熱回収装置42の近傍で二股に分岐されており、第一熱回収体43(第一伝熱カセット430)及び第二熱回収体44(第二伝熱カセット440)に接続されている。
【0045】
本実施形態に係る排熱回収装置42は、図2及び図5に示す如く、第二伝熱カセット440…間に第一伝熱カセット430…が介装されるように、排水路DR内に設置された第二熱回収体44に第一熱回収体43が重ね合わされることで形成されている。これにより、本実施形態に係る排熱回収装置42は、第一伝熱カセット430…と第二伝熱カセット440…との間に排水が流通可能な隙間(流路)が形成されている。
【0046】
また、本実施形態に係る排熱回収装置42は、第二伝熱カセット440…の下端同士が連結部441a,441bによって連結される一方、第一伝熱カセット430…の上端部同士が連結部441a,441bによって連結されているため、第一熱回収体43及び第二熱回収体44は、上下方向にずれた状態で配置されている。すなわち、本実施形態に係る排熱回収装置42は、第二伝熱カセット440…が排水路DRの底に載置される一方で、第一伝熱カセット430…が排水路DRの底から上方側に離間した状態で配置されている。
【0047】
これにより、本実施形態に係る排熱回収装置42(第一熱回収体43の第一伝熱カセット430…及び第二熱回収体44の第二伝熱カセット440…)は、排水路DRの上流側から下流側に向けて上下方向に蛇行した流路を形成している。これにより、本実施形態に係る給湯システム1は、排水路DR内で流れる温排水と排熱回収装置42(第一熱回収体43及び第二熱回収体44)の内部流路440aを流通する水とを熱交換させ、該水の温度を高めることができるようになっている。
【0048】
そして、本実施形態に係る排熱回収装置42は、上述の如く、第二熱回収体44に対して上方側から第一熱回収体43を組み合わせることで形成されているため、第一熱回収体43を引き上げて第二熱回収体44と分離できるようになっている。これにより、該排熱回収装置42は、第一熱回収体43(第一伝熱カセット430…)及び第二熱回収体44(第二伝熱カセット440…)を分離することで、第一伝熱カセット430…間に第二伝熱カセット440…が存在しなくなるとともに第二伝熱カセット440…間に第一伝熱カセット430…が存在しなくなるため、第一伝熱カセット430…間及び第二伝熱カセット440…間に清掃具(ブラシ)等を挿入し易い状態になる。
【0049】
従って、第一熱回収体43(第一伝熱カセット430…)及び第二熱回収体44(第二伝熱カセット440…)に温排水に含まれる石けん類や油分がスケールとして付着したときに清掃を容易に行うことができる。
【0050】
図1に戻り、本実施形態に係る給湯配管系3は、湯沸器2と混合弁5とを接続した配管である。前記混合弁5は、いわゆる三方弁で構成されている。
【0051】
そして、本実施形態に係る給湯システム1は、前記配管系6における浴室BR以外の箇所(台所や洗面所)に繋がる経路(後述する第二配管)62上での湯の流通の有無を検知する給湯検知装置7と、入浴に関連する情報を取得する入浴情報取得装置8と、浴室BR内の浴槽BTの下部に接続された排水系DPを開閉する開閉弁9と、給湯検知装置7及び入浴情報取得装置8の検知結果に基づいて開閉弁9を開閉させる制御装置10とを備えている。
【0052】
本実施形態に係る配管系6は、上述の如く、浴室BRを含む複数箇所に給湯可能に構成されている。すなわち、配管系6は、混合弁5に接続される主配管60と、該主配管60に接続された分岐継手(採番しない)と、分岐継手と浴室BRとを繋ぐ第一配管61と、分岐継手と浴室BR以外の箇所とを繋ぐ第二配管62とを備えている。なお、第二配管62は、途中で分岐されて台所や洗面所等に繋がっている。
【0053】
本実施形態に係る給湯検知装置7は、流量センサで構成されており、第二配管62上に設けられている。これにより、給湯検知装置7(流量センサ)は、浴室BR以外の箇所に給湯するときに第二配管62(経路)上で湯の流通の有無を検知できるようになっている。
【0054】
本実施形態に係る入浴情報取得装置8は、流体の流通に伴ってON信号を出力するフロースイッチで構成されており、第一配管61上に設けられている。これにより、入浴情報取得装置8(フロースイッチ)は、浴室BRに給湯するときに第一配管61(経路)上で湯の流通の有無を検知し、湯の流通がある状態でON信号を出すようになっている。
【0055】
前記排水系DPは、浴槽BT内に貯められた温水を排水路DRにおける排熱回収装置42の上流側に排出可能に構成されている。前記開閉弁9は、駆動源を備えた弁体で構成される。本実施形態に係る開閉弁9は、電動ボール弁で構成されており、制御装置10の指示で開閉するようになっている。
【0056】
前記制御装置10は、CPU等を含む制御基板で構成されている。そして、該制御装置10は、入浴情報取得装置8が取得した情報を基に入浴中であると判断すると、開閉弁9を閉状態で維持する一方、入浴情報取得装置8が取得した情報を基に入浴中でないと判断するとともに給湯検知装置7の検知結果を基に浴室BR以外の箇所に繋がる経路上での湯の流通があると判断すると開閉弁9を開状態にするように構成されている。
【0057】
本実施形態において、前記入浴情報取得装置8は、上述の如く、前記配管系6における浴室BRに繋がる経路(第一配管61)上での湯の流通の有無を検知する検知センサ(フローセンサ)で構成されているため、制御装置10は、検知センサ8の検知結果を基に浴室BRに繋がる経路上での湯の流通があると判断したときに入浴中であると判断し、検知センサ8の検知結果を基に浴室BRに繋がる経路上での湯の流通がないと判断したときに入浴中でないと判断するように構成されている。
【0058】
すなわち、入浴者は入浴中に浴室BRのシャワーやカランで湯を使用するため、浴室BRに繋がる経路(第一配管)61上での湯の流通の有無で入浴中であるか否かが判ることから、本実施形態に係る給湯システム1は、制御装置10が検知センサ8の検知結果を基に浴室BRに繋がる経路(第一配管)61上での湯の流通があると判断すると、入浴中であるとして、所定時間の間(例えば、入浴時間の間)浴槽BT内の湯が排出されることを防止し、制御装置10が検知センサ8の検知結果を基に浴室BRに繋がる経路(第一配管)61上での湯の流通がないと判断するとともに給湯検知装置7の検知結果を基に浴室BR以外の箇所に繋がる経路(第二配管)62上での湯の流通があると判断すると、浴室BRに入浴者が居ない(入浴中ではない)状態で浴室BR以外の場所に給湯する状態であるとして、開閉弁9を開状態にするように構成されている。
【0059】
本実施形態に係る給湯システム1は、以上の通りであり、続いて、該給湯システム1の作動について説明する。
【0060】
上記給湯システム1は、制御装置10が入浴情報取得装置8の取得した情報を基に入浴中であると判断すると、開閉弁9を閉状態で維持する。本実施形態において、前記入浴情報取得装置8は、フローセンサで構成されているため、前記制御装置10は、浴室BR内でのシャワーやカランでの湯の使用によって配管系6(第一配管61)内で流通する湯をフローセンサ8が検知してONになると、その検知結果(フロースイッチのON信号)を基に入浴中であると判断し、所定時間の間(入浴時間の間)、開閉弁9を閉状態で維持することになる。これにより、上記給湯システム1は、入浴中に浴槽BT内の湯が排出されることが防止される。
【0061】
この状態で、浴槽BTの湯は排出されないが、入浴中のシャワーやカランでの湯の使用により、使用済みの温水(湯)が排水口Dから排水路DRに流れ込む。そして、排水路DR内で下流に流れる温水(湯)が排熱回収装置42内の流路(第一伝熱カセット430…と第二伝熱カセット440…との間)を通過するに伴い、排熱回収装置42の内部流路430a(第一伝熱カセット430…及び第二伝熱カセット440…の内部流路430a,440a)を流通する水と熱交換することになる。これにより、排熱回収装置42の内部流路430a,440aを流通する水は、常温から加熱された状態で混合弁5に向けて流れ、給湯配管系3を流通する高温な湯と混合弁5で混合された上で浴室BRに供給される。
【0062】
そして、前記制御装置10は、浴室BR内でのシャワーやカランでの湯の使用がなく、配管系6(第一配管61)内で流通する湯をフローセンサ8が検知していない(フロースイッチがOFFである)と、入浴中ではない(浴室BRに人がいない)と判断する。
【0063】
そして、前記制御装置10は、入浴中でないと判断している状態で、給湯検知装置7の検知結果を基に浴室BR以外の箇所に繋がる経路(第二配管)62上での湯の流通があると判断すると開閉弁9を開状態にする。すなわち、該給湯システム1は、制御装置10が入浴中でないと判断している状態で、台所や洗面所での止水栓が開栓されて配管系6の第二配管62に湯が流通すると該湯を給湯検知装置7(流量センサ)が検知し、制御装置10が給湯検知装置7の検知結果を基に浴室BR以外の箇所に繋がる経路(第二配管)62上での湯の流通があると判断すると開閉弁9を開状態にする。
【0064】
この状態で、浴槽BTの湯(使用済みの温水)は、排水系DPを介して排水路DRに流れ込む。浴槽BTに貯められていた湯は、大量にある上に、浴槽BT自身が備える保温効果等で比較的長時間の間、熱エネルギーを蓄えた状態であるため、排水路DRに排出された使用済みの温水(湯)は、排熱回収装置42内の流路(第一伝熱カセット430…と第二伝熱カセット440…との間)を通過するに伴い、排熱回収装置42の内部流路430a(第一伝熱カセット430…及び第二伝熱カセット440…の内部流路430a,440a)を流通する水と熱交換することになる。これにより、排熱回収装置42の内部流路430a,440aを流通する水は、常温よりも高い温度に加熱された状態で混合弁5に向けて流れ、給湯配管系3を流通する高温な湯と混合弁5で混合された上で台所や洗面所等の浴室BR以外の場所に供給される。
【0065】
このように、上記給湯システム1は、入浴中に浴室BRに給湯するとき(シャワーやカランで湯を使うとき)や入浴者が居ない状態で浴室BR以外の場所に給湯するときに、使用済みの湯の熱を利用して給水源からの水を加熱できるため、湯沸器2で必要以上の水を加熱して多くの湯を供給する必要がなく、湯沸器2でのエネルギーの消費を抑えることができる。
【0066】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加え得ることは勿論のことである。
【0067】
上記実施形態に係る入浴情報取得装置8は、前記配管系6における浴室BRに繋がる経路上での湯の流通の有無を検知する検知センサ(フローセンサ)で構成され、制御装置10は、検知センサ8の検知結果を基に浴室BRに繋がる経路(第一配管)61上での湯の流通があると判断したときに入浴中であると判断し、検知センサ8の検知結果を基に浴室BRに繋がる経路(第一配管)61上での湯の流通がないと判断したときに入浴中でないと判断するように構成されたが、これに限定されるものではない。
【0068】
例えば、一般家庭では夜間の概ね決まった時間帯に入浴することが多く、所定の時間帯を入浴中であると推定することができるため、図6に示す如く、前記入浴情報取得装置8は、時間を計測するとともに所定の時間帯を設定可能なタイマーで構成されてもよい。この場合、制御装置10は、タイマーの計測結果を基に所定の時間帯であると判断したときに入浴中であると判断し、タイマーの計測結果を基に所定の時間帯以外の時間帯であると判断したときに入浴中でないと判断するように構成すればよい。
【0069】
かかる給湯システム1は、制御装置10がタイマーの計測結果を基に所定の時間帯であると判断すると、入浴中であるとして、所定時間の間(例えば、入浴時間の間)浴槽BT内の湯が排出されることを防止し、制御装置10がタイマーの計測結果を基に所定の時間帯以外の時間帯であると判断するとともに給湯検知装置7の検知結果を基に浴室BR以外の箇所に繋がる経路上での湯の流通があると判断すると、浴室BRに入浴者が居ない(入浴中ではない)状態で浴室BR以外の場所に給湯する状態であるとして、開閉弁9を開状態にして浴槽BT内の湯を排水路DRに排出することになる。
【0070】
従って、上記構成の給湯システム1は、上記実施形態と同様に、入浴中に浴室BRに給湯するとき(シャワーやカランで湯を使うとき)や入浴者が居ない状態で浴室BR以外の場所に給湯するときに、湯沸器2で必要以上の水を加熱して多くの湯を供給する必要がなく、湯沸器2でのエネルギーの消費を抑えることができる。
【0071】
また、前記入浴情報取得装置8は、図7に示す如く、浴室BR内の人の有無を検知する人検知センサ(人感センサ)で構成されてもよい。この場合、制御装置10は、人検知センサ8の検知結果を基に浴室BRに人が居ると判断したときに入浴中であると判断し、人検知センサ8の検知結果を基に浴室BRに人が居ないと判断したときに入浴中でないと判断するように構成すればよい。
【0072】
上記構成の給湯システム1は、制御装置10が人検知センサ8の検知結果を基に浴室BRに人が居ると判断すると、入浴中(入浴の時間帯)であるとして、浴槽BT内の湯が排出されることを防止し、制御装置10が人検知センサ8の検知結果を基に浴室BRに人が居ないと判断するとともに第一検知装置の検知結果を基に浴室BR以外の箇所に繋がる経路上での湯の流通があると判断すると、浴室BRに入浴者が居ない(入浴中ではない)状態で浴室BR以外の場所に給湯する状態であるとして、開閉弁9を開状態にして浴槽BT内の湯を排水路DRに排出する。
【0073】
従って、上記給湯システム1においても、入浴中に浴室BRに給湯するとき(シャワーやカランで湯を使うとき)や入浴者が居ない状態で浴室BR以外の場所に給湯するときに、湯沸器2で必要以上の水を加熱して多くの湯を供給する必要がなく、湯沸器2でのエネルギーの消費を抑えることができる。
【0074】
また、入浴情報取得装置8は、入浴に関連する情報として、上記以外の情報を取得するものであってもよい。すなわち、「入浴に関連する情報」は、浴室内での入浴者の行動に伴って得られる情報や、入浴者が入浴することを意思表示したことによって得られる情報であってもよく、例えば、浴室内での人の有無に関する情報(人感知センサによって得られる情報)や、入浴に伴う給湯の有無(湯の使用の有無)の情報(フロースイッチや流量センサによって得られる情報)、浴室BRの排水口Dからの排水の有無に関する情報(フロースイッチや流量センサによって得られる情報)、使用者が定めた入浴時間に関する情報等、浴室の電灯や換気扇等のスイッチ操作の有無の情報(スイッチから得られる信号)、入浴者が入浴中であることを意思表示するためのスイッチ操作による情報等であってもよい。
【0075】
上記実施形態に係る排熱回収装置42は、複数の第一伝熱カセット430…を流体的に連結した第一熱回収体43と、複数の第二伝熱カセット440…を流体的に連結した第二熱回収体44とを組み合わせて構成されたが、これに限定されるものではない。例えば、排熱回収装置42は、図8に示す如く、上下方向に重ね合わされた複数の管体45…と、上下方向に起立した状態で配置され、前記複数の管体45…の一端部が流体的に接続された一次側接続管46と、上下方向に起立した状態で配置され、前記複数の管体45…の他端部が流体的に接続された二次側接続管47とを備えたものであってもよい。
【0076】
この場合、複数の管体45…のそれぞれは、平面視蛇行形状に形成されることが好ましい。すなわち、複数の管体45…のそれぞれは、排水路DRでの排水の流通方向に間隔をあけて配置された複数の直線部450…と、隣り合う直線部450…の一端部同士を接続した第一ターン部451…と、隣り合う直線部450…の他端部同士を接続した第二ターン部452…とを備え、直線部450…、第一ターン部451…、直線部450…、及び第二ターン部452…の順で繋がったものであることが好ましい。
【0077】
そして、複数の管体45…は、同形で且つ同サイズに設定され、上下方向で全長に亘って完全又は略完全に重なった状態で重ね合わされることが好ましい。この場合、排水路DRには、図9(a)及び図9(b)に示す如く、直線部450…間に邪魔板Pa,Pbを立設することが好ましい。すなわち、第一ターン部451…を介して接続された直線部450…間に、互いに対向して排水路DRを画定する一対の壁面Wa,Wbのうちの一方の壁面Waから第一ターン部451…に向けて延びる第一邪魔板Paを配置するとともに、第二ターン部452…を介して接続された直線部450…間に、前記一対の壁面Wa,Wbのうちの他方の壁面Wbから第二ターン部452…に向けて延びる第二邪魔板Pbを配置することが好ましい。
【0078】
このようにすれば、排水路DRの排熱回収装置42の配置された領域で、排水(使用済みの温水)の流路が管体45…に沿った蛇行流路になり、排熱回収装置42(管体45…)内の水と排水路DRを流通する排温水とが熱交換できる区間が長くなる上に、管体45内の水と排水路DRを流通する使用済みの温水とが完全対向流となるため、効果的に給水源からの水を加熱することができる。また、第一邪魔板Pa及び第二邪魔板Pbを設けることで、蛇行流路の流路幅が排水路DRの流路幅よりも狭くなる結果、温水の流速が早くなり、給水源からの水との熱交換効率を高めることができる。これにより、上記構成の排熱回収装置42は、給水源からの水を効率的に加熱することができる。
【0079】
上記実施形態において、制御装置10を独立した構成として説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、湯沸器2に内装される制御基板に上記機能を持たせ、該制御基板を当該給湯システム1の制御装置10としてもよい。
【符号の説明】
【0080】
1…給湯システム、2…湯沸器、3…給湯配管系、4…給水配管系、5…混合弁、6…配管系、7…給湯検知装置、8…入浴情報取得装置(検知センサ:フロースイッチ)、8a…入浴情報取得装置(タイマー)、8b…入浴情報取得装置(人検知センサ)、9…開閉弁、10…制御装置、40…一次側給水配管、41…二次側給水配管、42…排熱回収装置、43…第一熱回収体、44…第二熱回収体、60…主配管、61…第一配管、62…第二配管、430…第一伝熱カセット、430a…内部流路、431a…連結部(第一連結部)、431b…連結部(第二連結部)、440…第二伝熱カセット、440a…内部流路、441a…連結部(第三連結部)、441b…連結部(第四連結部)、BR…浴室、BT…浴槽、C…蓋、DP…排水系、DR…排水路、P…伝熱プレート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
給水源からの水を加熱して高温な湯にする湯沸器と、該湯沸器に接続された給湯配管系と、給水源に接続された給水配管系と、給湯配管系及び給水配管系を接続した混合弁と、浴室を含む複数箇所と前記混合弁とを繋ぐ配管系とを備え、給水配管系の途中位置に浴室の排水口に繋がる排水路を流通する使用済みの温水の熱を回収する排熱回収装置が設けられ、給水配管系からの水に給湯配管系からの高温な湯を混合弁で混合させて適温な湯にして浴室を含む複数箇所に給湯可能に構成された給湯システムにおいて、前記配管系における浴室以外の箇所に繋がる経路上での湯の流通の有無を検知する給湯検知装置と、入浴に関連する情報を取得する入浴情報取得装置と、浴室内の浴槽の下部に接続された排水系を開閉する開閉弁と、給湯検知装置及び入浴情報取得装置の検知結果に基づいて開閉弁を開閉させる制御装置とを備え、前記排水系は、浴槽内に貯められた温水を排水路における排熱回収装置の上流側に排出可能に構成され、制御装置は、入浴情報取得装置が取得した情報を基に入浴中であると判断すると、開閉弁を閉状態で維持する一方、入浴情報取得装置が取得した情報を基に入浴中でないと判断するとともに給湯検知装置の検知結果を基に浴室以外の箇所に繋がる経路上での湯の流通があると判断すると開閉弁を開状態にすることを特徴とする給湯システム。
【請求項2】
前記入浴情報取得装置は、前記配管系における浴室に繋がる経路上での湯の流通の有無を検知する検知センサで構成され、制御装置は、検知センサの検知結果を基に浴室に繋がる経路上での湯の流通があると判断したときに入浴中であると判断し、検知センサの検知結果を基に浴室に繋がる経路上での湯の流通がないと判断したときに入浴中でないと判断するように構成されている請求項1に記載の給湯システム。
【請求項3】
前記入浴情報取得装置は、時間を計測するとともに所定の時間帯を設定可能なタイマーで構成され、制御装置は、タイマーの計測結果を基に所定の時間帯であると判断したときに入浴中であると判断し、タイマーの計測結果を基に所定の時間帯以外の時間帯であると判断したときに入浴中でないと判断するように構成されている請求項1に記載の給湯システム。
【請求項4】
前記入浴情報取得装置は、浴室内の人の有無を検知する人検知センサで構成され、制御装置は、人検知センサの検知結果を基に浴室に人が居ると判断したときに入浴中であると判断し、人検知センサの検知結果を基に浴室に人が居ないと判断したときに入浴中でないと判断するように構成されている請求項1に記載の給湯システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−15234(P2013−15234A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−146709(P2011−146709)
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(000152480)株式会社日阪製作所 (60)
【Fターム(参考)】