説明

美肌用石鹸

【課題】
皮膚のかゆみやニキビ、あせも、痔、水虫、体臭や腋臭症(わきが)、アトピー性皮膚炎等の症状を抑制し、また、伝染性軟属腫(水イボ)、スキンタッグ、老人性疣贅などの除去にも効果を奏し、皮膚を滑らかにする美肌用石鹸を提供することを目的とする。
【解決手段】
生竹の平均粒度10〜100ミクロンの微粒子を含むことを特徴とする美肌用石鹸である。前記生竹の微粉末を1〜10重量%を石鹸成分に添加している美肌用石鹸である。生竹は、孟宗竹、真竹、唐竹、淡竹であって、伐採して7日以内に粉砕している。
生竹を常温生竹微粉砕機で、必要な粒度の微粉末に微粉砕した超微粉末を含有している美肌用石鹸である

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生竹の微粉末、超微粉末を使用した肌に優しい石鹸に関する。
【背景技術】
【0002】
竹の持つ抗菌、抗酸化、抗アレルギー、抗腫瘍などの生理・薬理活性については、近年になり国内外で様々な化学的・生物学的研究が行われ、その効果が実証されている。しかし、その一方でわが国では、放置竹林による里地里山の荒廃が深刻な問題となっている。
【0003】
日本の竹林面積は1988年に約93,342ヘクタールあったが、10年後の1997年には約60,545ヘクタールに減少している。竹材生産量でみると、210,729トンから80,592トンに減少、面積にして36%減、竹林生産量で62%も減少している。面積が減っているのは、生産量が増加したからではなく、竹林そのものが宅地などに利用されているからであり、面積の比率以上に生産量が激減しているのは、竹林が放置されていることを意味する。
【0004】
さらに、生物多様性の観点から、奥山自然地域から都市地域までを繋ぐ役割が期待さ
れており、中核を成す二次林だけで国土の約2割(約800万ヘクタール)、周辺農地
を含めると国土の約4割を占める里地里山が、近年、竹の繁茂、侵入によりかつての
生態系を失い、生物多様性の低下を招いている。
【0005】
竹は、半年で20メートル、一晩で120センチも伸びたという記録があるほど成長の
早い植物である。その驚異的な成長力や旺盛な繁殖力によって、手入れされなくなった竹
林が経済林や里地里山へ侵入、侵食し、他の植物の成長を阻害して生態系の多様性の低下を招いているのである。
【0006】
また、竹林が放置されると、老齢竹が増え、竹林に陽が差し込まなくなり、枯れて倒れたり病害虫の被害を受け、「荒廃竹林」となる。さらに、竹が密集して生えると、竹の根が浅くなるため、竹林の大規模な表層滑りなどの災害も引き起こされている。
【0007】
かかる竹林の荒廃や竹害による環境問題を引き起こしているのは、近年のわが国における竹材市場の低迷である。その主な原因は、従来の竹製品に石油化学製品(プラスチックなど)が取って代わったこと、東南アジアなどからの安い竹製品の流入、竹林産業地域の過疎化とそれに携わる人達の高齢化、後継者不足などにより、竹林が手入れされなくなったためといわれている。
【0008】
しかるに、竹は、農薬の散布を必要とせず、非常に早いサイクルで成長する利用価値の高い循環資源であり、その驚異的な成長力をまかなう為にあらゆる部位に独特な有効成分や機能性を内包し、多くの理学的特性を持つ有効な資源でもある。
【0009】
特に、竹の持つ抗菌、抗酸化、抗アレルギー、抗腫瘍などの多種の生理・薬理活性に関する近年の化学的、生物学的研究の成果から、今後、衛生用品やスキンケア用品などの日用品から健康食品、医療用品、医薬品などのケミカル分野における竹資源の有効利用とその用途開発が大いに期待されている。
【0010】
以下に、竹の抗菌性に関する実証例を挙げると、1996年に大阪市立大学医学部細菌学研究室が行った、下記の試験データがある。(表1)
報告書によると、「病原性細菌、食中毒菌、病原性大腸菌等、18種について抗菌性テストを実施した。その結果、すべて抗菌性が認められた」と述べられている。
【0011】
また、従来の食中毒菌に加え今後予想される新しい食中毒菌ビブリオ・ミミカス、アエロモナス及び院内感染で知られる多剤耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、病原性大腸菌O−157に有効な抗菌活性が認められたこと、さらに、抗菌活性発現時間は、当該試験の最短時間の10秒でも認められ、抗菌活性は長時間保持されるため、他の抗菌活性を有するものとは異なる速抗菌性と持続抗菌性の特徴を有することも同研究所により報告されている。
【0012】
【表1】


【0013】
さらに、竹抽出物組成物を成分として含むヒアルロニダーゼ活性阻害剤、ヘリコバクターピロリ抗菌剤および竹表皮を原料とする竹抽出組成物と、それらを使用した機能性食品が提案されている。(特許文献1参照)
【0014】
竹抽出組成物がヒアルロニダーゼ活性阻害作用やヘリコバクターピロリ菌に対して効果的な殺菌作用を有するので、ヒアルロニダーゼ活性作用に影響されるアレルギーやヘリコバクターピロリ菌に起因する胃炎等の発生を抑制することができるとされている。また、竹抽出組成物には生体に対して有効な種々の糖脂質が含まれているので、竹抽出組成物を機能性食品の素材として使用すれば、生体に対して有効な種々の糖脂質を生体に供給することができるという。
【0015】
平成14年の日本大学での研究により、竹と、それを食用として育つベニカミキリムシの消化酵素が結びつき、竹の有効成分が人体に有効作用を及ぼすよう変換された竹フラスから特殊な方法で抽出して得られた竹フラス抽出液が、アレルギーの一因となるヒスタミンやロイコトリエンに対し、高い抑制効果をもつことがわかっている。
【0016】
また、それらの研究をもとに、皮膚に感ずる種々のかゆみに対して有効な、天然物由来のかゆみどめ、アトピー性皮膚炎やアレルギー性症状の予防および治療となる抗アレルギー剤、皮膚外用剤、皮膚炎抑制剤、花粉症軽減剤および浴用剤が提案されており、抗アレルギー薬、抗ヒスタミン薬としての役割を果たす天然成分として期待されている。(特許文献2参照)
【0017】
従来、植物由来の抗腫瘍性物質として、竹類、ササ類、けし種子などの特殊な原料を使用し、それらを溶媒で抽出して抗ガン性物質を抽出する方法が知られている。
【0018】
竹や筍のアルコール抽出物には優れた抗腫瘍作用があり、かかる竹抽出物を含有してなる鹸康食品が提供されている。(特許文献3参照)
文献によると、竹の成分は腫瘍内投与に非常に効果があり、筍の成分は経口接種に優れた効果があることが分かった。
【0019】
日本大学の久保山昇らは、竹葉の抽出物およびそのリグニンの抗腫瘍活性を報告している。(非特許文献1、非特許文献2参照)
【0020】
竹葉フラボンは抗菌・抗炎・前立腺肥大症の予防改善および血小板凝集の抑制・抗腫瘍と免疫促進などの効能を持っているため、前立腺疾病の予防・治療の天然薬物や食事の補充剤として、錠剤・カプセル剤・粒剤・丸薬・予乳化剤・微乳化剤・混合懸濁剤・シロップ剤・各種の腸溶剤・注射剤・噴霧剤・軟膏剤・座剤などの直腸投与製剤を含む薬品・保健食品が提案されている。(特許文献4参照)
【0021】
淡竹(ハチク)の竹幹の上皮を薄くはぎ去り、皮下の帯緑白色部を薄く削って帯面上にした竹茹(チクジョ)などの部位から超臨界CO2流体抽出技術の採用により抽出されたトリテルペノイドサポゲニン(total triterpenoid sapogenins) 中のpentacylic triterpenoidsが、優良な抗フリーラジカル、抗酸化、抗腫瘍、降血圧など生理と薬理の活性を持っているため、降血圧、抗心不全、抗心筋虚血、抗脳虚血、抗老人性痴呆及び抗腫瘍の新薬、漢方・西洋薬の複合調合薬剤、心・脳血管疾病と抗腫瘍の予防・治療薬および健康食品としての利用や、スキンケアおよびヘアケアなどの日用化粧品の領域への応用についても提案されている。(特許文献5参照)
【0022】
主に乾留や水蒸気蒸留により竹抽出物を取得した後、シリカゲルカラム利用により分離した痔疾治療、降血圧及びリラックス作用のある不同活性部位(Different active sites)を取得し、そのうち、痔疾治療部位は経口投与または外部適用の別なくすべて独特な効果を有することが認められた。
【0023】
Purdue大学の食品&栄養学部のStory,J.A.らは1992に、カリフォルニア州のAnaheimで開催された米国実験生物学連邦会議上でタケノコはマウスの血清コレステロールのレベルを下げる効果を持つとの報告を行った。(非特許文献3参照)
Rutgers大学のHe YiHuiは博士論文でタケノコの体内外でコレステロールのレベルを下げる作用における系統的な研究を行った後で、主に植物性ステロイド(phytosterols)が作用していると認識した(非特許文献4参照)
【0024】
また、竹茹は2,5-ジメトキシ-p-ベンゾキノン(2、5-Dimethoxy p-benzoquinone)、p-水酸基ベンズアルデヒド(p-Hydroxy benzoaldehyde)、シリンガーアルデヒド(Syringaaldehyde)などcAMPホスホジエステラーゼの抑制作用を持つ成分を含有していることが言及されている。(非特許文献5参照)
【0025】
一種の竹葉抽出物の溶液が歯肉の治療に用いうることを報告している。(非特許文献6参照)
【0026】
一種或は多種の有機溶剤を使って、斑竹(ハンチク)、モウソウチク、金毛竹など剛竹属の竹から抽出した有効成分が多種類の頭垢(ふけ)菌類の抑制、皮膚老化の予防・治療及び脂質の過酸化を抑制できる安定的な製品であるとしている。またモウソウチクの茎の皮から抗菌活性成分である2,6-ジメトキシ-p-ベンゾキノン(2,6-Dimethoxy-p-benzoquinone)を検出した。(非特許文献7参照)
【0027】
また、竹由来の乳酸菌を活性化させた土壌改良剤は、土中の微生物を活性化させ、有害微生物を抑制し、さらに、肥料、堆肥の分解を促進して、野菜や果物の甘味や旨みを増加させ、発育を促進するいわれている。その他、飼料として家畜に給与すると整腸効果があり、家畜の健康維持、食欲増進などの効果があるとされる。
【0028】
ラットに竹の香りを嗅がせる実験をしたところ、ドーパミンの放出量が増加し、グルーミングや探索行動が少なくなったとの報告がある。(2007年 静岡県立大学栄養化学部栄養化学研究室)
【0029】
筍や若い竹には、アスパラギン酸とチロシンが多く含まれている。特にチロシンは、脳内で働く神経伝達物質であるドーパミンの原料となる重要な物質であり、ドーパミンには、免疫力の向上、脳の活性化、自然治癒力の向上、自律神経や内分泌系のバランスを整える働きがあるといわれている。また、女性ホルモンのエストロゲンと相互に影響しあって働くため、肌や瞳を輝かせる効果があるといわれている。
【0030】
石鹸や化粧品に関する従来の技術としては、毛穴の汚れを落す清浄作用を奏する竹炭粉末を含有する石鹸が提案されている。(特許文献6参照)
【0031】
また、木酢液や竹酢液を混合し、体臭除去及び皮膚刺激を軽減し皮膚に潤いを与える石鹸が提案されている。(特許文献7参照)
【0032】
さらに、竹皮の添加物によって皮膚の角質部分や汚染部分を除去する化粧品の製法が提案されている。(特許文献8参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0033】
【特許文献1】特開2008−156270号公報
【特許文献2】特開2003−277276号公報
【特許文献3】特開2002−309975号公報
【特許文献4】特開2006−529558号公報
【特許文献5】特開2004−557744号公報
【特許文献6】実用新案登録第3141600号公報
【特許文献7】特開2002−80898号公報
【特許文献8】特開平1−226806号公報
【非特許文献】
【0034】
【非特許文献1】JPN J PHARMACOL, 1979, 29(SUPPL.):170
【非特許文献2】FOLIA PHARMACOL JPN, 1981, 77(6):579-596
【非特許文献3】FASEB(FED AM SOC EXP BIOL)J,1992, 6(5): A1653
【非特許文献4】Phyllostachys edulis, Phytosterols 1998
【非特許文献5】中薬辞海》(第1巻)[中国医薬科学技術出版社1993,pp2138]
【非特許文献6】Nippon Shishubyo Gakkai Kaishi,1986,28(2):752-757
【非特許文献7】J of Agric & Food Chem,1991,39(2):266-269
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0035】
本発明は、昔から漢方薬や生薬として用いられ、その薬理効果が認められている淡竹などの生竹の幹全部を微粉末にし、石鹸に含有させることにより、皮膚の清浄作用を有し、体臭を除去し、皮膚に潤いを与えるだけでなく、皮膚のかゆみやニキビ、あせも、痔、水虫、アトピー性皮膚炎等の症状を抑制し、また、伝染性軟属腫、スキンタッグ、老人性疣贅などの除去にも効果を奏し、皮膚を滑らかにする美肌用石鹸を提供することを目的とする。
【0036】
本発明者は、竹が持っている、上述のような生理・薬理活性のほか、生体に対して、とりわけ美肌を作るために有効な成分が最大限に引き出される美肌用石鹸を作るために試行錯誤を重ねた。

【課題を解決するための手段】
【0037】
竹材の表皮、甘肌といわれる部分に抗菌作用があることは、昔から常識化していた。竹は切断して放置した場合、切口はカビが生えたりするが、表面はカビも生えず、長時間そのままで腐らない。虫が入る場合も表面からは入らず、必ず中の部分に入ってくる。
【0038】
竹材を粉末状に粉砕し放置すると、湿気の多い雨季など2,3日で変色し、間もなくカビが生えてくる。容器に入れて菌類を育てると、普通の木材の場合より、2,3割収量が多いといわれるが、これは竹材の中の部分は殺菌作用でなく、むしろ糖分があり、菌を育てるといわれている。竹の切口に水がたまると甘味があり、犬など好んでなめるといわれている。50ミクロンでは1年以上保管しても全く変化をしないので、抗菌性が認められる。
【0039】
一般に竹は薬効の効果を持っているが、医薬として漢方として使用されている。漢方でも、竹葉、竹茹、竹瀝(ちくれき―タケの精油)などを生薬とする処方がたくさんあり、解熱、解毒、セキどめ、止血、消炎など多くの作用があることが分かっている。日本でも、古くから民間薬として「クマササ(隈笹・熊笹)」と称する生薬が売られており、火傷、かみ傷、吐血、喀血、下血などの治療や血尿剤として用いられた。また熊笹の用法、効能として、「口が臭いとき葉を煎じて飲む。血の道には紅花と一緒に煎じて飲む。タムシにはナンテンの葉とともに煎じて、たびたび洗う」などが記録されている。
【0040】
漢方では、ササ類の葉から抽出した多糖類は癌の治療薬あるいは予防薬になるとして、利尿、抗腫瘍、動脈壁強化作用などがあり、各種の疾病の治療に用いられる。また、竹茹は、臨床常用の漢方薬の一つとして、胃熱嘔吐、胸隔煩悶などの症状に多く用いられる。竹茹の伝統的な製剤方法は不純物を取り除いた後、短く切るか又は小さな団子状に練った後姜汁を加えて黄色になるまで炒めて調合薬として用いる。竹茹は気血の循環を促す特徴を持っているため、気血を流れを順調にし、かつ外因性の病原体の侵入を防ぐとされている。
【0041】
《中国薬典2002版》には、竹茹を「淡竹、青稈竹、及び大頭典竹」と称し、「竹茹は甘味、微寒、入肺、胃経。効用と主治:清熱化痰、焦躁を取り除き嘔吐を止める。痰熱咳嗽、胆火による痰の挟み、煩熱嘔吐、心悸失眠、脳卒中による無気力昏睡、舌硬く失語症、胃熱嘔吐、妊娠つわり、胎動不安などの症状に用いる」と記載されている。
【0042】
竹の持つ強い抗菌作用や抗酸化作用を利用して、食品に用いられる抗菌剤も開発されている。腸炎ビブリオなど食中毒の対策や、魚表面の色や艶をみずみずしく保つ効果及び調理場の腐敗臭や生臭さを軽減する効果、また冷凍魚の解凍水の抗菌や製造ラインの消臭、抗菌・静菌にも効果が認められている。さらに水に濡れたところにも抗菌力を発揮するため、調理場や作業場のカビ対策にも効果がある。加工食品の日持ちを向上し、褐変防止にも役立っている。竹抽出物は食品添加物として認定されており、その安全性も保証されている。この竹の特性を利用して肌の洗剤等に応用することを検討した。
【0043】
メシチリン耐性黄色ブドウ球菌を綿と竹繊維に接種し、37℃の温度で18時間経過後の状態を解析したところ、標準布(綿)が増殖したのに対し、竹繊維ではすべての菌が殺菌されている。
【0044】
竹の表皮と竹茹に強い抗菌作用があり、乾留竹にも同様の作用があること、また、水虫菌にも効果がある。 また、竹抽出物でも、孟宗竹の茎又はハチクの葉の有機溶剤抽出物に抗アレルギー効果がある。
【0045】
現在、糖質のアラビノキシランを主成分とした竹抽出物にヘリコバクターピロリ菌に対する抗菌作用があることが知られている。アラビノキシランは、アラビノースとキシロースの総称であり、細胞壁の主要な成分であるヘミセルロースの主成分であり、イネ科タケ類植物、オリーブ葉等のヘミセルロースに含まれている。
【0046】
生竹の平均粒度30〜100ミクロンの微粒子を含むことを特徴とする美肌用石鹸である。前記生竹の微粉末を1〜10重量%を石鹸成分に添加している。
生竹は、孟宗竹、真竹、唐竹、淡竹であって、伐採して7日以内に粉砕している。
生竹を、回転切削機構を有する微粉末製造機で、100ミクロン以下の必要な粒度の微
粉末に微粉砕した超微粉末を含有している。
1種以上の植物性オイルを60重量%〜90重量%の範囲に混合した混合液を加熱して、強塩基性物質によって鹸化を行い、石鹸組成物を得て、ここに生竹の微粉末を添加して混合する美肌用石鹸である。
【0047】
本発明による課題解決手段は、各種竹類の生竹を切断、分割し、これを粉砕機で粉砕し、10〜100ミクロン前後の必要な粒度の微粉末に微粉砕するものである。
石鹸組成物であって、1種以上の植物性オイルを60重量%〜90重量%の範囲に混合した混合液を加熱して、強塩基性物質によって鹸化を行い、石鹸組成物を得て、これに生竹の微粉末を添加して混合することにより製造される。
【0048】
前記植物性オイルは、ココナッツ・オイル、パーム・オイル(やし油)、オリーブ・オイル、ひまわり油、大豆油、なたね油、グレープシード・オイル、キャノーラ・オイル(菜種油)、ホワイト・オイル(白油)、蜜蝋、からなる群から選択される。
前記強塩基は、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、炭酸ナトリウム(NaCo)からなる群から選択される。
【0049】
生竹の平均粒度10〜100ミクロンの微粒子を含むことを特徴とする美肌用石鹸であり、前記生竹の微粉末を1〜10重量%を石鹸成分に添加している。生竹は、孟宗竹、真竹、唐竹、淡竹であって、伐採して7日以内に粉砕している。
生竹を回転切削機構を有する微粉末製造機で、100ミクロン以下で必要な粒度の微粉末に微粉砕した超微粉末を含有している美肌用石鹸である。
【0050】
竹は上部と下部の大きさ、肉厚が異なり、それに板状と言っても湾曲しており、予め約10〜100ミクロンの微粉末になり、竹の内部の組織の部分が大半取り入れられる。したがって、この微粉末には、竹の表皮及び表皮の下の甘皮(あまはだという表面から1mm以下のところであり、多種の薬理効果を持つ竹茹)部分が多く含まれる。

【発明の効果】
【0051】
本発明の石鹸は、抗菌性を付与するために利用が可能で、かつ脱臭をもつ石鹸としても利用が可能な竹の微粉末及び超微粉末の提供できる優れた効果がある。とくに肌のシミ、シワ、たるみ、肌荒れが長時間の使用で改善した。また、角質化した皮膚の除去及び保湿、乾燥肌、脂性肌の改善、さらに、皮膚のかゆみやあせも、体臭、フケ、痔、水虫、腋臭症(わきが)、アトピー性皮膚炎などの症状を抑制・改善し、伝染性軟属腫(水イボ)、スキンタッグ、老人性疣贅などの除去にも効果を奏した。さらに、たむし、乳幼児の湿疹、うるしのかぶれ、ハチさされ等に殺菌力が利用でき、のどのただれにも同様な効果を持っている。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】生竹の微粉末を使用した石鹸の製造工程図。
【図2】生竹の微粉末のTEM写真。
【図3】石鹸の形状の一例
【発明を実施するための形態】
【0053】
以下、本発明の一実施例を説明すると、この竹微粉末及び超微粉末の製造方法は、孟宗竹、真竹、唐竹、淡竹など各種竹類の生竹を切断、分割し、これを生竹常温微粉砕機で粉砕することにより、50ミクロン以下の超微粉末にすることを特徴とする。
【実施例1】
【0054】
本例に示す固形石鹸は、単品重量100gの固形石鹸であって、その石鹸素地に、伐採後2日目の淡竹の生竹を平均粒度約50ミクロンの微粉末を3%混入させて、石鹸素地全体が緑色を帯びた地色を呈している。
【0055】
前記の淡竹を切削し粒度ミクロン単位の生竹のパウダーを得た。この生竹のパウダーを製造する際には、一例として、円盤状の回転切削加工具を複数枚積層して略円柱形状からなるチップソーを回転し、このチップソーの周面に生竹を直角に押し当てて製造された。この生竹のパウダーは、竹の維管束を輪切りにするように切削され、針状の繊維が全く残らずにパウダー化されている。このとき、生竹のパウダーは、粒度1〜200ミクロン、平均として50ミクロンであった。
【0056】
また、生竹のパウダーの製造に使用する生竹は、何ら前処理加工を施すことなく、生竹のままで切削加工処理を施している。すなわち、生竹を加熱することなく常温で切削して生竹のパウダーを製造しているので、生竹の成分が変化することのない生竹のパウダーを得ることができて、殺菌・抗菌作用や消臭作用を大きくしめした。この石鹸を15歳から70歳の女性の方20人に使用してもらったところ、
1) しわ、シミ、いぼが取れた方 15
2) にきびが少なくなった方 3
3) 少し、シミが取れた方 1
4) ほとんど変化なかった方 1
【実施例2】
【0057】
実施例1と同様に石鹸を製造した他、生竹微粉末を3%混入の代わりに、5%混入させた。
この石鹸を15歳から70歳の女性の方20人に使用してもらったところ、
1) しわ、シミ、いぼが取れた方 10
2) にきびが少なくなった方 8
3) 少し、シミが取れた方 1
4) ほとんど変化なかった方 1
5%のほうが泡立ちもよく、使用後の肌のハリ、ツヤがよく、美肌用石鹸としての効果がより高かった。
【実施例3】
【0058】
実施例1と同様に石鹸を製造した他、生竹として孟宗竹の微粉末を5%混入させた。
実施例2と同様な結果が得られた。
【0059】
淡竹、および孟宗竹などの生竹には、殺菌・抗菌作用と消臭作用を奏する成分であり、皮膚を収斂させて肌を引き締め、皺を取る作用を奏する成分と、肌に潤いを与える成分と、血行を良くし、皮膚・肌の再生能力を助け、メラニン色素を消失させる作用を奏する成分とが含まれている。また、石鹸素地に淡竹の生竹粉末が約1重量%〜10重量%混入された固形石鹸を使用して顔や身体を洗うと、ほのかに竹の香りが漂って、心身の疲れを癒すフレグランス効果も得られる。
【実施例4】
【0060】
実施例1と同様に石鹸を製造した他、本例に示す固形石鹸は、単品重量80gの固形石鹸であって、その石鹸素地に、伐採後2日目の淡竹の生竹を平均粒度約60ミクロンの微粉末を3%混入させて、石鹸素地全体が緑色を帯びた地色を呈している。
【0061】
前記の淡竹を切削し粒度ミクロン単位の生竹のパウダーを得た。この生竹のパウダーを製造する際には、一例として、円盤状の回転切削加工具を複数枚積層して略円柱形状からなるチップソーを回転し、このチップソーの周面に生竹を直角に押し当てて製造された。この生竹のパウダーは、竹の維管束を輪切りにするように切削され、針状の繊維が全く残らずにパウダー化されている。このとき、生竹のパウダーは、粒度2〜250ミクロン、平均として60ミクロンであった。
【0062】
また、生竹のパウダーの製造に使用する生竹は、何ら前処理加工を施すことなく、生竹のままで切削加工処理を施している。すなわち、生竹を加熱することなく常温で切削して生竹のパウダーを製造しているので、生竹の成分が変化することのない生竹のパウダーを得ることができて、殺菌・抗菌作用や消臭作用を大きくしめした。この石鹸を15歳から70歳の女性の方20人に使用してもらったところ、
1) しわ、シミ、いぼが取れた方 13
2) にきびが少なくなった方 4
3) 少し、シミが取れた方 2
4) ほとんど変化なかった方 1
【0063】
したがって、本例の固形石鹸1は、殺菌・抗菌作用や消臭作用を有効成分と、肌を引き締めて皺を取る作用を奏する成分と、髪の毛や肌などに艶と潤いを与える作用を奏する成分と、毛穴の汚れなどを落とす洗浄作用を奏する成分とが全て含まれた高機能・高品質の石鹸であり、洗顔石鹸や浴用石鹸のみならず、洗髪用の石鹸としても好適である。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本考案は、洗顔石鹸やスキンケア用石鹸、浴用石鹸等として使用される固形石鹸の品質および商品価値の向上に資するものである。






























【特許請求の範囲】
【請求項1】
生竹の平均粒度10〜100ミクロンの微粒子を含むことを特徴とする美肌用石鹸。
【請求項2】
前記生竹の微粉末を1〜10重量%を石鹸成分に添加していることを特徴とする請求項1に記載の美肌用石鹸。
【請求項3】
生竹は、孟宗竹、真竹、唐竹、淡竹であって、伐採して7日以内に粉砕していることを特徴とする請求項1又は2記載の美肌用石鹸。
【請求項4】
生竹を回転切削機構を有する微粉末製造機で、100ミクロン以下の必要な粒度の微粉末に微粉砕した超微粉末を含有していることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の美肌用石鹸。



































【図1】
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【図3】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−246417(P2011−246417A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−123340(P2010−123340)
【出願日】平成22年5月28日(2010.5.28)
【出願人】(309000772)
【Fターム(参考)】