翻訳システム
【課題】汎用の機械翻訳を用いる場合においても、使用者は、翻訳依頼をするだけで、より高精度の翻訳結果を得られるようにした翻訳システムを提供する。
【解決手段】汎用の機械翻訳用辞書を用いて機械翻訳を実行する機械翻訳実行手段5と、第1の言語による特定の専門用途に関する翻訳対象文を、第1の言語とは異なる第2の言語に翻訳する翻訳依頼を受け付ける翻訳依頼受付手段と、翻訳依頼受付手段で受け付けた翻訳依頼に基づき、第1の言語による翻訳対象文を解析し、特定の専門用途における第1の言語の語を第2の言語の語に変換するための専門辞書により変換可能な語のみを第2の言語の語に変換する中間翻訳を実行して中間翻訳結果を得、その中間翻訳結果を機械翻訳実行手段5に渡す中間翻訳実行手段を備える。機械翻訳実行手段で中間翻訳結果について機械翻訳が実行されて得られた機械翻訳結果を翻訳依頼に応じた翻訳結果とする。
【解決手段】汎用の機械翻訳用辞書を用いて機械翻訳を実行する機械翻訳実行手段5と、第1の言語による特定の専門用途に関する翻訳対象文を、第1の言語とは異なる第2の言語に翻訳する翻訳依頼を受け付ける翻訳依頼受付手段と、翻訳依頼受付手段で受け付けた翻訳依頼に基づき、第1の言語による翻訳対象文を解析し、特定の専門用途における第1の言語の語を第2の言語の語に変換するための専門辞書により変換可能な語のみを第2の言語の語に変換する中間翻訳を実行して中間翻訳結果を得、その中間翻訳結果を機械翻訳実行手段5に渡す中間翻訳実行手段を備える。機械翻訳実行手段で中間翻訳結果について機械翻訳が実行されて得られた機械翻訳結果を翻訳依頼に応じた翻訳結果とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、汎用の機械翻訳を用いても、翻訳精度の高い翻訳結果を得ることができる翻訳システムに関する。
【背景技術】
【0002】
汎用の機械翻訳アプリケーションプログラムが無償提供され始め、様々なWebサイトで採用されたり、様々なアプリケーションで組み込まれて利用されたりしつつある。しかしながら、汎用機械翻訳は、用途が絞られていないために、種々の専用用途での翻訳精度は低くなってしまうという問題がある。
【0003】
特許文献1(特開平7−141375号公報)には、この問題を改善して翻訳精度を上げるために、専用辞書を利用する機械翻訳装置が開示されている。この特許文献1では、汎用の機械翻訳用辞書の代わりに、専門分野に応じた複数の専門辞書を用意すると共に、それらの複数の専門辞書に予め優先順位を設定しておき、その優先順位に従って専門辞書を使用して、翻訳対象文を機械翻訳するようにしている。これにより、この特許文献1では、品質の良い訳文を得ると共に、その後の編集の手間を低減するようにしている。
【0004】
また、特許文献2(特開平6−162071号公報)には、特定の語が汎用の機械翻訳辞書に登録されていない場合には、その特定の語を翻訳せずに、それを登録言語として登録辞書に登録を行い、再翻訳を実行することで、当該登録辞書を参照して、当該特定の語を正しく翻訳することが開示されている。
【0005】
すなわち、特許文献2では、例えば、英文から和文に翻訳する際に、機械翻訳辞書に「Kyoto」が登録されていないとき、当該「Kyoto」はそのままに残して機械翻訳する。そして、「Kyoto」→「京都」を登録辞書に登録して、再翻訳を実行することにより、「Kyoto」が「京都」に正しく翻訳される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平7−141375号公報
【特許文献2】特開平6−162071号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の発明では、汎用の機械翻訳用辞書の代わりに、複数の専門辞書を用意し、使用者により設定された優先順位で、その複数の専門辞書を用いて機械翻訳を実行するものである。このため、汎用の機械翻訳用の辞書を使用する既存の機械翻訳のアプリケーションプログラムをそのまま使用できない。
【0008】
また、使用者が、複数の専門辞書について予め優先順位を設定しておく必要があり、使用者の手間が厄介である。さらに、使用者が設定した優先順位に従った専門辞書を用いた機械翻訳であるため、設定によっては、品質の良い翻訳結果を得ることができないため、後の編集作業を必要としており、やはり手間がかかる。
【0009】
また、特許文献2の発明は、機械翻訳辞書に無い語は機械翻訳せずにそのままに残しておくと共に、機械翻訳辞書に無い語を登録辞書に登録し、その登録辞書を用いて、再翻訳(機械翻訳)を実行することにより正しい翻訳をするというものである。このため、使用者は、機械翻訳辞書に無い語を登録辞書に登録する処理をしなければならないと共に、その登録辞書を用いた再翻訳を実行させるように指示しなければならないという問題がある。
【0010】
この発明は、以上の問題点にかんがみ、汎用の機械翻訳を用いる場合においても、使用者は、翻訳依頼をするだけで、以上の問題点を回避して、より高精度の翻訳結果を得られるようにした翻訳システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するために、請求項1の発明は、
汎用の機械翻訳用辞書を用いて機械翻訳を実行する機械翻訳実行手段と、
第1の言語による特定の専門用途に関する翻訳対象文を、前記第1の言語とは異なる第2の言語に翻訳する翻訳依頼を受け付ける翻訳依頼受付手段と、
前記翻訳依頼受付手段で受け付けた翻訳依頼に基づき、前記第1の言語による翻訳対象文を解析し、前記特定の専門用途における前記第1の言語の語を前記第2の言語の語に変換するための専門辞書により変換可能な語のみを前記第2の言語の語に変換する中間翻訳を実行し、前記第1の言語と前記第2の言語とが混在する中間翻訳結果を得、前記中間翻訳結果を前記機械翻訳実行手段に渡す中間翻訳実行手段と、
を備え、
前記機械翻訳実行手段で、前記中間翻訳結果について機械翻訳が実行されて得られた機械翻訳結果を、前記翻訳依頼に応じた翻訳結果とする
ことを特徴とする翻訳システムを提供する。
【0012】
上記の構成を有する請求項1の発明によれば、使用者が特定の専門用途に関する第1の言語による翻訳対象文についての第2の言語への翻訳依頼をすると、翻訳依頼受付手段は、その翻訳依頼を受け付けて、その翻訳依頼を中間翻訳実行手段に渡す。
【0013】
中間翻訳実行手段は、第1の言語による翻訳対象文を解析し、その特定の専門用途の専門辞書により変換可能な用語のみを第2の言語の用語に変換する中間翻訳を実行して、第1の言語と第2の言語とが混在する中間翻訳結果を得る。すなわち、この中間翻訳結果は、専門用途の専門用語のみが第2の言語に既に翻訳されており、その他は、第1の言語のままとされている。中間翻訳実行手段は、その中間翻訳結果を機械翻訳実行手段に渡す。
【0014】
機械翻訳実行手段は、受け取った中間翻訳結果のうちの第2の言語に既に翻訳されている部分を除いた第1の言語の部分を、汎用の機械翻訳用辞書を用いて、機械翻訳して、最終的な翻訳結果を得る。これにより、専門用途の専門用語が正しく翻訳された機械翻訳結果が、最終的な翻訳結果として得られる。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、中間翻訳実行手段により、専門用途の専門用語が正しく翻訳された中間翻訳結果のみを、汎用の機械翻訳を用いて機械翻訳を実行するようにするので、汎用の機械翻訳によっても専門用途の専門用語が正しく翻訳された機械翻訳結果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】この発明による翻訳システムの第1の実施形態の構成例を示すブロック図である。
【図2】この発明による翻訳システムの第1の実施形態における中間翻訳サーバの構成例を示すブロック図である。
【図3】この発明による翻訳システムの第1の実施形態の動作シーケンスを説明するためのシーケンス図である。
【図4】この発明による翻訳システムの第1の実施形態における専門サイトサーバの動作を説明するためのフローチャートを示す図である。
【図5】この発明による翻訳システムの第1の実施形態における中間翻訳サーバの動作を説明するためのフローチャートを示す図である。
【図6】この発明による翻訳システムの第2の実施形態の構成例を示すブロック図である。
【図7】この発明による翻訳システムの第2の実施形態における専門サイトサーバの構成例を示すブロック図である。
【図8】この発明による翻訳システムの第2の実施形態における専門サイトサーバの動作を説明するためのフローチャートを示す図である。
【図9】この発明による翻訳システムの第3の実施形態における中間翻訳サーバの構成例を示すブロック図である。
【図10】この発明による翻訳システムの第6の実施形態の構成例を示すブロック図である。
【図11】この発明による翻訳システムの第6の実施形態におけるクライアント端末の構成例を示すブロック図である。
【図12】この発明による翻訳システムの第6の実施形態におけるクライアント端末の動作を説明するためのフローチャートを示す図である。
【図13】この発明による翻訳システムの第6の実施形態におけるクライアント端末の動作を説明するためのフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、この発明による翻訳システムの幾つかの実施形態を、図を参照しながら説明する。なお、この発明は、任意の第1の言語の翻訳対象文を、第1の言語とは異なる任意の第2の言語に翻訳する場合に適用することが可能であるが、以下に説明する例は、説明の簡単のため、翻訳対象文の翻訳前の第1の言語は日本語であり、翻訳後の第2の言語は、英語や中国語などの外国語である場合として説明する。
【0018】
[第1の実施形態]
図1は、この発明による翻訳システムの第1の実施形態のシステム構成を示すブロック図である。この第1の実施形態の翻訳システムは、通信ネットワーク、この例ではインターネット1に対して接続されている、クライアント端末2と、専門サイトのサーバ(以下、専門サイトサーバという)3と、中間翻訳サイトのサーバ(以下、中間翻訳サーバという)4と、機械翻訳サイトのサーバ(以下、機械翻訳サーバという)5とにより構成されている。
【0019】
クライアント端末2は、例えばインターネット1を通じた通信機能およびブラウザ機能を備えるパーソナルコンピュータで構成されている。クライアント端末2は、パーソナルコンピュータに限られるものではなく、インターネット1を通じた通信機能およびブラウザ機能を備えるパッド型携帯端末や携帯電話端末などであっても良い。
【0020】
専門サイトサーバ3は、特定の専門用途のWebサイトのサーバである。ここで、特定の専門用途とは、俳句、囲碁、将棋、フィッシングなどの特定の趣味用途や、旅行、観光、ショッピング、グルメなどの特定の目的用途など、それぞれのカテゴリ毎の用途を意味している。この例では、各専門サイトサーバ3は、それぞれの専門用途(カテゴリ)を識別するための識別情報(専門ID)を、メモリに記憶して保持している。専門サイトサーバ3は、図1では、1個のみを示したが、上述のような種々の専門用途の複数個の専門サイトのサーバが、インターネット1に対して接続されているものである。
【0021】
専門サイトサーバ3は、例えばパーソナルコンピュータで構成されている。そして、この専門サイトサーバ3は、ネットワーク1を通じたクライアント端末2からのアクセスを受けてクライアント端末2と接続し、その特定の専門用途についての提供情報をクライアント端末に送ったり、クライアント端末2からのコメントや提供情報を受信して保持し、それを他のアクセス者の利用に供したりする機能を備える。
【0022】
一方、クライアント端末2は、専門サイトサーバ3からの提供情報をそのディスプレイに表示したり、使用者により入力されたコメントや提供情報を当該専門サイトサーバ3に送ったりする機能を備える。
【0023】
また、この実施形態では、専門サイトサーバ3は、クライアント端末2から、提供情報やコメントなどの翻訳対象文を、翻訳前の第1の言語、この例では日本語から、翻訳後の第2の言語例えば英語や中国語などの外国語へ翻訳する依頼を受け付ける翻訳依頼受付手段の機能を備える。
【0024】
そして、この実施形態では、専門サイトサーバ3と中間翻訳サーバ4との間では、予め、中間翻訳に関する提携する契約が締結されており、専門サイトサーバ3のそれぞれは、中間翻訳サーバ4のURL(uniform resource locator)を記憶していると共に、中間翻訳サーバ4と接続するためのパスワード等も記憶している。
【0025】
そして、専門サイトサーバ3は、クライアント端末2からの第1の言語から第2の言語への翻訳依頼を受け付けると、メモリから読み出した専門IDを付加した翻訳対象文の中間翻訳依頼を、記憶している中間翻訳サーバ4のURLを用いて、中間翻訳サーバ4にネットワーク1を通じて送出する機能を備えている。さらに、専門サイトサーバ3は、中間翻訳サーバ4から受け取った翻訳結果を、その翻訳依頼をしてきたクライアント端末2に返す機能を備えている。
【0026】
中間翻訳サーバ4は、複数の特定の専門用途(カテゴリ)のそれぞれに対応するカテゴリ別専門辞書41,・・・,4n(nは自然数)を備える。すなわち、カテゴリ別専門辞書41,・・・,4nのそれぞれは、専門サイトサーバ3のそれぞれの専門用途で用いられる用語であって、汎用の機械翻訳用辞書には載っていない用語の辞書である。なお、カテゴリ別専門辞書41,・・・,4nのそれぞれとしては、この例では、翻訳前の第1の言語の例である日本語から、翻訳後の複数の第2の言語、例えば英語、中国語、韓国語、スペイン語などのそれぞれへの翻訳のための複数個の言語用専門辞書がそれぞれ用意されている。
【0027】
カテゴリ別専門辞書に登録されている用語の幾つかの例を挙げる。例えば、専門サイトが特定の地域例えば栃木県日光市の観光案内サイトである場合であって、それに対応する日本語から英語への翻訳用のカテゴリ別専門辞書の場合には、その地域の名所、例えば「日光東照宮」=「Nikko Tosho-gu Shrine」、「男体山」=「Mt. Nantai」、「陽明門」=「Youmei Gate」、・・・などが辞書登録されていると共に、「これから」=「now」などが辞書登録されている。
【0028】
また、専門サイトが俳句の同人が集まる俳句サイトである場合であって、それに対応する日本語から英語への翻訳用のカテゴリ別専門辞書には、「芭蕉」=「Matsuo Basho」、「子規」=「Masaoka Shiki」、「句」=「haiku」、「句をひねる」=「make haiku」・・・などが辞書登録されている。
【0029】
また、専門サイトが将棋サイトである場合であって、それに対応する日本語から英語への翻訳用のカテゴリ別専門辞書には、「将棋を指す」=「play a game of Shogi」、「先手」=「the first mover」、「後手」=「the second mover」、・・・などが辞書登録されている。
【0030】
中間翻訳サーバ4は、専門サイトサーバ3のそれぞれからの中間翻訳依頼を受け付け、当該中間翻訳依頼に付加されている専門IDと、同じく中間翻訳依頼に付加されている指定された第2の言語とに基づいて選択された専門辞書を用いて、翻訳対象文の中間翻訳を実行する機能を備える。
【0031】
[中間翻訳サーバ4のハードウエア構成例]
中間翻訳サーバ4は、例えば図2に示すように、パーソナルコンピュータを用いた構成とされている。すなわち、中間翻訳サーバ4は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)からなる制御部401に対して、システムバス400を介して、通信インターフェース402、中間翻訳依頼受付部403、中間翻訳部404、専門辞書選択部405、機械翻訳依頼部406、翻訳結果転送部407が接続されて構成されている。
【0032】
通信インターフェース402は、中間翻訳サーバ4が、インターネット1を通じた通信を行うためのインターフェースである。
【0033】
中間翻訳依頼受付部403は、通信インターフェース402を通じて専門サイトサーバ3から受け取った中間翻訳依頼の受付処理を行う。すなわち、中間翻訳依頼受付部403は、専門サイトサーバ3からの、翻訳対象文の第1の言語から第2の言語への中間翻訳依頼を受け取ると、受け取った中間翻訳依頼に含まれる専門サイト3の専門IDやパスワードを用いて認証を行い、その認証ができたときに、受け取った中間翻訳依頼を正式に受け付けるようにする。
【0034】
そして、中間翻訳依頼受付部403は、中間翻訳依頼を正式に受け付けたときには、その中間翻訳依頼に含まれる情報のうち、翻訳対象文と、指定された第2の言語の情報を、中間翻訳部404に渡すと共に、付加されている専門IDと、指定された第2の言語の情報を専門辞書選択部405に供給する。
【0035】
専門辞書選択部405には、複数個のカテゴリ別専門辞書41,・・・,4nが接続されている。この専門辞書選択部405は、中間翻訳依頼受付部403から受け取った専門IDおよび指定された第2の言語の情報に対応するカテゴリ別専門辞書を、複数個のカテゴリ別専門辞書41,・・・,4nから選択する機能を備える。この専門辞書選択部405で選択されたカテゴリ別専門辞書は、中間翻訳部404で実行する中間翻訳用の辞書となる。
【0036】
中間翻訳部404は、中間翻訳依頼受付部403から受け取った翻訳対象文を形態素解析し、各品詞の語に分解する。そして、中間翻訳部404は、形態素解析により分離した各語のうち、専門辞書選択部405で選択したカテゴリ別専門辞書により翻訳できるもののみを、指定された第2の言語に翻訳して、中間翻訳を実行するようにする。
【0037】
この中間翻訳部404での中間翻訳の結果は、専門辞書選択部405で選択したカテゴリ別専門辞書により翻訳できたもののみが第2の言語に翻訳され、その他は、第1の言語である日本語のままとされる。そして、中間翻訳部404は、この中間翻訳結果を、指定された第2の言語の情報と共に、機械翻訳依頼部406に渡す。
【0038】
機械翻訳依頼部406は、機械翻訳サーバ5のURLを記憶しており、受け取った中間翻訳結果と、指定された第2の言語の情報とを含む機械翻訳依頼を、通信インターフェース402を通じ、インターネット1を通じて機械翻訳サーバ5に送る機能を備える。
【0039】
翻訳結果転送部407は、機械翻訳サーバ5から送られてくる翻訳結果を受け取り、それを、通信インターフェース402を通じて中間翻訳依頼をしてきた専門サイトサーバ3に送る機能を備える。
【0040】
なお、上述の図2の中間翻訳サーバ4の構成において、中間翻訳依頼受付部403、中間翻訳部404、専門辞書選択部405、機械翻訳依頼部406、翻訳結果転送部407のそれぞれの処理機能は、制御部401のCPUが、ソフトウエアプログラムにしたがって実行するソフトウエア機能として構成することができるものであるが、便宜上、機能ブロックとして記載したものである。
【0041】
機械翻訳サーバ5は、汎用の機械翻訳用辞書を用いて機械翻訳を実行するサーバであり、会員登録等は不要であり、任意のクライアント端末からのアクセスに対応して機械翻訳サービスを提供する。この機械翻訳サーバ5も、例えばパーソナルコンピュータで構成することができるが、そのハードウエア構成は、周知の構成であるので、ここではその説明は省略する。
【0042】
機械翻訳サーバ5は、受け取った中間翻訳結果について、指定された第2の言語への機械翻訳用辞書を用いた機械翻訳を実行する機能を備える。そして、機械翻訳サーバ5は、その機械翻訳結果を、翻訳依頼してきた中間翻訳サーバ4に返信する機能を備える。
【0043】
[第1の実施形態における翻訳のシーケンス例]
次に、この第1の実施形態の翻訳システムにおける動作シーケンスを、図3のシーケンス図、専門サイトサーバ3の動作の流れを示す図4のフローチャートおよび中間翻訳サーバ4の動作の流れを示す図5のフローチャートを参照しながら説明する。
【0044】
クライアント端末2のユーザは、専門サイトサーバ3に対してネットワーク1を介してアクセスして、クライアント端末2と専門サイトサーバ3との間に通信路を確立する。そして、クライアント端末2のユーザは、専門サイトサーバ3から専門用途の情報を取得したり、コメントのやり取りをしたりして、クライアント端末2と専門サイトサーバ3との間で情報通信を行う。そして、この例では、クライアント端末2のユーザは、例えばコメント文や専門用途の情報文を、翻訳対象文として、その翻訳依頼を、専門サイトサーバ3に対して送る。
【0045】
専門サイトサーバ3は、その翻訳依頼についての処理プログラムを備えており、図4のフローチャートに示すような処理を実行する。この専門サイトサーバ3の処理プログラムには、中間翻訳サーバ4のアシストを受けるための手順も含まれている。一方、中間翻訳サーバ4の制御部401は、この専門サイトサーバ3からのアシスト依頼(後述する中間翻訳依頼)についての処理プログラムを備えており、後述する図5のフローチャートに示すような処理を実行する。
【0046】
先ず、専門サイトサーバ3は、図4に示すように、クライアント端末2からの翻訳依頼の受信を監視し(ステップS101)、翻訳依頼を受信してはいないと判別したときには、その他の処理を実行し(ステップS102)、その処理の終了後、ステップS101に戻る。
【0047】
ステップS101で、翻訳依頼を受信したと判別したときには、専門サイトサーバ3は、受信した翻訳依頼により指定された日本語(第1の言語)の翻訳対象文と、第2の言語の指定情報とに、メモリに記憶している自サイトの識別情報、すなわち、専門IDを付加した中間翻訳依頼を生成し、生成した中間翻訳依頼を、メモリに記憶している中間翻訳サーバ4のURLを用いて中間翻訳サーバ4に転送する(ステップS103)。そして、専門サイト3は、中間翻訳サーバ4からの翻訳結果の転送を待つ(ステップS104)。
【0048】
一方、図5に示すように、中間翻訳サーバ4の制御部401は、専門サイトサーバ3からの中間翻訳依頼を監視しており(ステップS201)、中間翻訳依頼を受信してはいないと判別したときには、その他の処理を実行し(ステップS202)、その処理の終了後、ステップS201に戻る。
【0049】
そして、中間翻訳サーバ4の制御部401は、ステップS201で、中間翻訳依頼を受信したと判別したときには、受け取った中間翻訳依頼に含まれる専門サイトサーバ3の専門IDやパスワードにより認証が取れたか否か判別し(ステップS203)、認証が取れなかったときには、その旨を中間翻訳依頼を送ってきた専門サイトサーバ3に通知し(ステップS204)、ステップS201に処理を戻す。
【0050】
そして、ステップS203で、認証が取れたと判別したときには、中間翻訳サーバ4の制御部401は、翻訳依頼受付部403で、受け取った翻訳対象文の第1の言語から第2の言語への中間翻訳依頼を受け付けるように制御する(ステップS205)。中間翻訳依頼を受け付けた中間翻訳サーバ4の翻訳依頼受付部403は、中間翻訳依頼に含まれる専門サイト3の専門IDおよび第2の言語の指定情報を抽出して、その専門IDおよび第2の言語の指定情報を専門辞書選択部405に転送する。この転送を受けた専門辞書選択部405は、複数のカテゴリ別専門辞書41〜4nのうちから、受け取った専門IDおよび指定された第2の言語に対応するカテゴリ別専門辞書4i(iは、1〜nのうちの整数)を選択する(ステップS206)。
【0051】
次に、中間翻訳サーバ4では、制御部401の制御を受けて、中間翻訳部404は、専門辞書選択部405で選択したカテゴリ別専門辞書4iを用いて、翻訳依頼受付部403で受け付けた翻訳対象文について前述した中間翻訳を実行する(ステップS207)。この中間翻訳の結果、中間翻訳部404は、前述したように、専門辞書選択部405で選択したカテゴリ別専門辞書により翻訳できた語のみを第2の言語に翻訳し、その他は、第1の言語である日本語のままとした中間翻訳結果を得る。そして、中間翻訳部404は、制御部401の制御の下に、その中間翻訳結果を機械翻訳依頼部406に送る。
【0052】
次に、制御部401の制御の下に、機械翻訳依頼部406は、中間翻訳部404から取得した中間翻訳結果と、中間翻訳依頼受付部403から取得した指定された第2の言語の情報とを含む機械翻訳依頼を生成し、記憶している機械翻訳サーバ5のURLを用いて、当該機械翻訳サーバ5に機械翻訳を依頼する(ステップS208)。
【0053】
機械翻訳サーバ5は、この機械翻訳依頼を受け取ると、中間翻訳結果について機械翻訳を実行して、その機械翻訳結果を中間翻訳結果と共に機械翻訳依頼を送ってきた中間翻訳サーバ4に送信する。
【0054】
中間翻訳サーバ4の制御部401は、通信インターフェース402の出力を監視して、この機械翻訳サーバ5からの機械翻訳結果の受信を待つ(ステップS209)。そして、制御部401は、このステップS209で、通信インターフェース402で機械翻訳サイト5からの機械翻訳結果を受け取ったと判別したときには、受け取った機械翻訳結果を翻訳結果転送部407に供給する。
【0055】
翻訳結果転送部407は、受け取った機械翻訳結果を、中間翻訳依頼を送ってきた専門サイトサーバ3に送信する(ステップS210)。中間翻訳サーバ4の処理は、これで終了となる。
【0056】
専門サイトサーバ3では、この中間翻訳サーバ4からの機械翻訳結果の受信をステップS104で判別し、受信した機械翻訳結果を、翻訳依頼してきたクライアント端末2に送信する(ステップS105)。クライアント端末2は、受け取った機械翻訳結果をディスプレイ画面に表示するなどして、ユーザに提示する。
【0057】
以上のようにして、この実施形態では、クライアント端末2から専門サイトサーバ3に翻訳依頼された専門用途の翻訳対象文は、専門サイトサーバ3から中間翻訳サーバ4に転送され、この中間翻訳サーバ4において、専門用途の用語のみが、対応するカテゴリ別専門辞書が用いられて予め指定された第2の言語に翻訳された中間翻訳結果に変換される。そして、この実施形態では、この中間翻訳結果が、中間翻訳サーバ4から機械翻訳サーバ5に送られ、機械翻訳サーバ5において、汎用の機械翻訳用辞書を用いる機械翻訳により機械翻訳されることにより、より高精度の翻訳結果を得ることができる。
【0058】
実際の翻訳例の幾つかを次に挙げる。
例えば、専門サイトが俳句サイトである場合を想定した例を挙げる。例えば、「私は、子規の真似をして、一句作ってみました。」という文章について、現行のインターネットに存在する汎用の機械翻訳辞書を用いて機械翻訳する機械翻訳サイトの一つで、機械翻訳を実行すると、その機械翻訳結果は、
「I imitated the grayheaded cuckoo and made a haiku.」
となった。
【0059】
これに対して、この実施形態では、中間翻訳サーバ4においては、専門サイトサーバ3からの中間翻訳依頼に含まれる、俳句サイトであることを示す専門IDに基づいて、カテゴリ別専門辞書として、俳句サイト用専門辞書が選択される。そして、中間翻訳サーバ4では、中間翻訳依頼に含まれる翻訳対象文が形態素解析され、選択した俳句サイト用専門辞書と各語とが衝合されるにより「子規」は、「Masaoka Shiki」に変換され、「一句」は「one haiku」に変換される。これにより、中間翻訳サーバ4は、「私は、Masaoka Shikiの真似をして、one haiku作ってみました。」という中間翻訳結果を得、この中間翻訳結果を機械翻訳サイト5に供給する。例えば、機械翻訳サイト5が、上記と同じ機械翻訳サイトである場合、この中間翻訳結果は、
「I imitated Masaoka Shiki and made one haiku.」
となり、高精度の翻訳結果が得られた。
【0060】
また、同じ「私は、子規の真似をして、一句作ってみました。」という文章について、現行のインターネットに接続されている他の機械翻訳サイトで、機械翻訳を実行すると、その機械翻訳結果は、
「I do not have to imitate the expression, I made haiku.」
となった。
【0061】
この機械翻訳サイトに対しても、この実施形態を適用して、「私は、Masaoka Shikiの真似をして、one haiku作ってみました。」という中間翻訳結果を供給して、機械翻訳の依頼をすると、
「I have been imitating Masaoka Shiki, I made one haiku.」
という機械翻訳結果が得られた。
【0062】
次に、専門サイトが将棋サイトである場合を想定し、例えば、「先手が、130手目で、後手に勝ちました。」という文章について翻訳例を挙げる。この例の文章を、現行のインターネットに接続されている汎用の機械翻訳辞書を用いて機械翻訳する機械翻訳サイトで、機械翻訳を実行すると、その機械翻訳結果は、
「The first move beat a rear guard by the 130th move.」
となった。
【0063】
これに対して、この実施形態では、中間翻訳サーバ4において、専門サイトサーバ3からの中間翻訳依頼に含まれる、将棋サイトであることを示す専門IDに基づいて、カテゴリ別専門辞書として、俳句サイト用専門辞書が選択される。そして、中間翻訳サーバ4では、中間翻訳依頼に含まれる翻訳対象文が形態素解析され、選択した将棋サイト用専門辞書と各語とが衝合されるにより、「先手」は、「The first mover」と変換され、「後手」は「the second mover」と変換される。これにより、中間翻訳サーバ4では、「The first moverが、the 130th moveで、the second moverに勝ちました。」という中間翻訳結果が得られる。そして、この中間翻訳結果を、上記と同じ機械翻訳サイトで機械翻訳を実行すると、
「The first mover won the second mover by the 130th move.」
となった。
【0064】
次に、専門サイトが、栃木県日光市の観光案内サイトである場合を想定し、例えば、「これから、私は日光東照宮に行きます。」という文章について翻訳例を挙げる。この例の文章を、現行のインターネットにおいて、汎用の機械翻訳辞書を用いて機械翻訳する機械翻訳サイトで、機械翻訳を実行すると、その機械翻訳結果は、
「I go to Toshogu, Nikko from now on.」
となった。
【0065】
これに対して、この実施形態では、中間翻訳サーバ4において、専門サイトサーバ3からの中間翻訳依頼に含まれる、例えば栃木県日光市の観光案内サイトであることを示す専門IDに基づいて、カテゴリ別専門辞書として、日光市の観光案内サイト用専門辞書が選択される。そして、中間翻訳サーバ4では、中間翻訳依頼に含まれる翻訳対象文が形態素解析され、選択した専門辞書と各語とが衝合されるにより、「これから」は、「now」と変換され、「日光東照宮」は「Nikko Tosho-gu Shrine」と変換される。これにより、中間翻訳サーバ4では、「Now、私はNikko Tosho-gu Shrineに行きます。」という中間翻訳結果が得られる。そして、この中間翻訳結果を、上記と同じ機械翻訳サイトで機械翻訳を実行すると、
「Now, I go to Nikko Tosho-gu Shrine.」
となった。
【0066】
以上のことから明らかなように、この実施形態によれば、カテゴリ別専門辞書を用いて中間翻訳を行い、その中間翻訳結果を、汎用の機械翻訳サイトで機械翻訳をすることで、精度の良い翻訳結果が得られるものである。
【0067】
そして、上述の実施形態によれば、クライアント端末2のユーザ(翻訳依頼者)は、従来の汎用の機械翻訳の依頼と全く同じように翻訳依頼をするだけで、再翻訳依頼などの操作をする必要は、全くない。しかも、従来か存在する機械翻訳サイトをそのまま利用することができるという効果もある。
【0068】
[第2の実施形態]
上述の第1の実施形態では、中間翻訳を実行する中間翻訳サイトのサーバ4を特に設けるようにした。以下に説明する第2の実施形態は、専門サイトサーバ3に、中間翻訳機能を備えるようにすることで、第1の実施形態における中間翻訳サイトのサーバ4を省略できるシステム構成としたものである。
【0069】
第1の実施形態における中間翻訳サーバ4は、多種多様な専門用途に対応するために、複数個のカテゴリ別専門辞書を備える必要があった。これに対し、以下に説明する第3の実施形態における専門サイトサーバにおいては、自サイトの専門用途のみを考慮すれば良いので、専門辞書としては、自サイトの専門用途用の専門辞書を備えるだけで良い。
【0070】
図6は、この第2の実施形態の翻訳システムの構成例を示すブロック図である。この図6において、上述した第1の実施形態の翻訳システムと同一部分には、同一番号を付してその詳細な説明は省略する。
【0071】
図6に示すように、この第2の実施形態の翻訳システムは、通信ネットワークの例としてのインターネット1に対して接続されている、クライアント端末2と、専門サイトサーバ30と、機械翻訳サーバ5とにより構成されている。
【0072】
この第2の実施形態の専門サイトサーバ30は、図7に示すように、パーソナルコンピュータにより構成とされている。すなわち、専門サイトサーバ30は、CPU、ROMおよびRAMからなる制御部301に対して、システムバス300を介して、通信インターフェース302、翻訳依頼受付部303、中間翻訳部304、専門辞書言語選択部305、機械翻訳依頼部306、翻訳結果転送部307が接続されて構成されている。
【0073】
通信インターフェース302は、専門サイトサーバ30が、インターネット1を通じた通信を行うためのインターフェースである。
【0074】
翻訳依頼受付部303は、通信インターフェース302を通じてクライアント端末2から受け取った翻訳依頼の受信処理を行う。
【0075】
そして、翻訳依頼受付部303は、クライアント端末2からの翻訳依頼を受け付けたときには、その翻訳依頼に含まれる翻訳対象文と指定された第2の言語の情報を、中間翻訳部304に渡すと共に、指定された第2の言語の情報を専門辞書参照部305に渡す。
【0076】
専門辞書言語選択部305には、当該専門サイトサーバ30の専門用途で用いられる用語であって、汎用の機械翻訳用辞書には載っていない用語の専門辞書308が接続されている。この専門辞書308は、例えば、専門サイトサーバ30が、俳句サイトのサーバであれば、俳句サイト用専門辞書であり、将棋サイトであれば、将棋サイト用専門辞書である。この専門辞書308は、翻訳前の第1の言語の例である日本語から、翻訳後の複数の第2の言語、例えば英語、中国語、韓国語、スペイン語などのそれぞれへの翻訳のための言語別の複数個の言語用専門辞書部を含んでいる。
【0077】
専門辞書言語選択部305は、翻訳依頼受付部303から受け取った、指定された第2の言語の言語用専門辞書部を、言語別の複数個の言語用専門辞書部を選択する機能を備える。この専門辞書言語選択部305で選択された言語用専門辞書部は、中間翻訳部304で実行する中間翻訳用の辞書となる。
【0078】
中間翻訳部304は、翻訳依頼受付部303から受け取った翻訳対象文を形態素解析し、各品詞の語に分解する。そして、中間翻訳部304は、形態素解析により分離した各語について、専門辞書308のうちの、専門辞書言語選択部305で選択した言語用専門辞書部により翻訳できるもののみを、指定された第2の言語に翻訳して、中間翻訳を実行するようにする。
【0079】
この中間翻訳部304での中間翻訳の結果は、専門辞書308により翻訳できた語のみが第2の言語に翻訳され、その他は、第1の言語である日本語のままである。そして、中間翻訳部304は、この中間翻訳結果を、指定された第2の言語の情報と共に、機械翻訳依頼部306に渡す。
【0080】
機械翻訳依頼部306は、機械翻訳サーバ5のURLを記憶しており、受け取った中間翻訳結果と、指定された第2の言語の情報とを含む機械翻訳依頼を、通信インターフェース302を通じ、インターネット1を通じて機械翻訳サーバ5に送る機能を備える。
【0081】
翻訳結果転送部307は、機械翻訳サーバ5から送られてくる翻訳結果を受け取り、それを通信インターフェース302を通じて翻訳依頼をしてきたクライアント端末2に送る機能を備える。
【0082】
なお、上述の図7の専門サイトサーバ30の構成において、翻訳依頼受付部303、中間翻訳部304、専門辞書言語選択部305、機械翻訳依頼部306、翻訳結果転送部307のそれぞれの処理機能は、制御部301のCPUが、ソフトウエアプログラムにしたがって実行するソフトウエア機能として構成することができるものであるが、便宜上、機能ブロックとして記載したものである。
【0083】
[第2の実施形態における翻訳のシーケンス例]
次に、この第2の実施形態の翻訳システムにおける専門サイトサーバ30の動作の流れを、図8のフローチャートを参照しながら説明する。
【0084】
前述と同様にして、クライアント端末2のユーザは、専門サイトサーバ30に対してネットワーク1を介してアクセスして、クライアント端末2と専門サイトサーバ30との間に通信路を確立する。そして、クライアント端末2のユーザは、専門サイトサーバ30から専門用途の所定の情報を取得したり、コメントのやり取りをしたりして、クライアント端末2と専門サイトサーバ30との間で情報通信を行う。そして、この例では、クライアント端末2のユーザは、例えばコメント文や専門用途の情報文を、翻訳対象文として、その翻訳依頼を、専門サイトサーバ30に対して送る。
【0085】
専門サイトサーバ30の制御部301は、その翻訳依頼についての処理プログラムを備えており、図8のフローチャートに示すような処理を実行する。
【0086】
すなわち、図8に示すように、専門サイトサーバ30の制御部301は、クライアント端末2からの翻訳依頼の受信を監視し(ステップS301)、翻訳依頼を受信してはいないと判別したときには、その他の処理を実行し(ステップS302)、その処理の終了後、ステップS301に戻る。
【0087】
ステップS301で、翻訳依頼を受信したと判別したときには、制御部301の制御の下、翻訳依頼受付部303は、その翻訳依頼を受け付け、その翻訳依頼に含まれる第2の言語の指定情報を専門辞書言語選択部305に転送する。この転送を受けた専門辞書言語選択部305は、専門辞書308の指定された第2の言語用の専門辞書部を選択する。そして、中間翻訳部304は、選択された第2の言語用の専門辞書部を用いて、翻訳依頼受付部303で受け付けた翻訳対象文について前述した中間翻訳を実行する(ステップS303)。この中間翻訳の結果、前述したように、第2の言語用の専門辞書部により翻訳できた語のみが第2の言語に翻訳され、その他は、第1の言語である日本語のままとされた中間翻訳結果が得られる。そして、中間翻訳部304は、制御部301の制御の下に、その中間翻訳結果を機械翻訳依頼部306に送る。
【0088】
次に、制御部301の制御の下に、機械翻訳依頼部306は、中間翻訳部304から取得した中間翻訳結果と、翻訳依頼受付部303から取得した、指定された第2の言語の情報とを含む機械翻訳依頼を生成し、記憶している機械翻訳サーバ5のURLを用いて、当該機械翻訳サーバ5に機械翻訳を依頼する(ステップS304)。
【0089】
機械翻訳サーバ5は、この機械翻訳依頼を受け取ると、中間翻訳結果について機械翻訳を実行して、その機械翻訳結果を中間翻訳結果と共に機械翻訳依頼を送ってきた専門サイトサーバ30に送信する。
【0090】
専門サイトサーバ30の制御部301は、通信インターフェース302の出力を監視して、この機械翻訳サーバ5からの機械翻訳結果の受信を待つ(ステップS305)。そして、制御部301は、このステップS305で、機械翻訳サイト5からの機械翻訳結果を受け取ったと判別したときには、受け取った機械翻訳結果を翻訳結果転送部307に供給する。
【0091】
翻訳結果転送部307は、受け取った機械翻訳結果を、翻訳依頼を送ってきたクライアント端末2に送信する(ステップS306)。専門サイトサーバ3の処理は、これで終了となる。クライアント端末2は、受け取った機械翻訳結果をディスプレイ画面に表示するなどして、ユーザに提示する。
【0092】
以上のようにして、この第2の実施形態においては、クライアント端末から翻訳依頼された専門用途の翻訳対象文は、専門サイトサーバ3において、専門用途の語のみが、対応するカテゴリ別専門辞書が用いられて予め指定された第2の言語に翻訳された中間翻訳結果に変換される。そして、その中間翻訳結果が、汎用の機械翻訳用辞書を用いる機械翻訳により機械翻訳されることにより、より高精度の翻訳結果が得られるようにされる。
【0093】
この第2の実施形態では、中間翻訳が中間翻訳サーバ4で実行される代わりに専門サイトサーバ3で実行される点は異なるが、第1の実施形態と全く同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0094】
[第3の実施形態]
上述した第1の実施形態の翻訳システムは、専門サイトサーバ3と中間翻訳サーバ4と機械翻訳サーバ5とを、それぞれ別個に備える構成であるが、中間翻訳サーバ4が、機械翻訳サーバ5の機能を備えるようにしても良い。第3の実施形態は、そのように構成した翻訳システムの場合である。
【0095】
すなわち、第3の実施形態においては、図1において、機械翻訳サーバ5は設けられない。その代わりに、図9に示すように、中間翻訳サーバ4には、図2に示した各ブロックに加えて、更に、機械翻訳部408と辞書言語選択部409とを、システムバス400に接続して設けると共に、辞書言語選択部409に汎用の機械翻訳用辞書410を接続して設ける。
【0096】
そして、この第3の実施形態においては、中間翻訳サーバ4の機械翻訳依頼部406は、中間翻訳結果および第2の言語の指定情報を伴う機械翻訳依頼を、機械翻訳サーバ5に送る代わりに、機械翻訳部408に供給する。そして、機械翻訳部408は、受け取った第2の言語の指定情報を辞書言語選択部409に供給する。辞書言語選択部409は、指定された第2の言語の機械翻訳用辞書を、機械翻訳用辞書401から選択する。そして、機械翻訳部408は、受け取った中間翻訳結果について、指定された第2の言語への機械翻訳を、選択された機械翻訳用辞書を用いて実行し、その機械翻訳結果を、翻訳結果転送部407に供給する。翻訳結果転送部407は、受け取った機械翻訳結果を、専門サイトサーバ3に送るようにする。
【0097】
なお、上述の図9の中間翻訳サーバ4の構成において、中間翻訳依頼受付部403、中間翻訳部404、専門辞書選択部405、機械翻訳依頼部406、翻訳結果転送部407、機械翻訳部408、辞書言語選択部409のそれぞれの処理機能は、制御部401のCPUが、ソフトウエアプログラムにしたがって実行するソフトウエア機能として構成することができるものであるが、便宜上、機能ブロックとして記載したものである。
【0098】
この第3の実施形態においても、上述した第1の実施形態と全く同様の効果を得ることができることは明らかであろう。
【0099】
[第4の実施形態]
上述した第2の実施形態の翻訳システムは、クライアント端末2と専門サイトサーバ30と機械翻訳サーバ5とを備える構成であるが、専門サイトサーバ30が、機械翻訳サーバ5の機能をも備えるようにしても良い。第4の実施形態は、そのように構成した翻訳システムの場合である。
【0100】
すなわち、この第4の実施形態では、図6において、機械翻訳サーバ5は設けられない。その代わりに、図示は、省略するが、専門サイトサーバ30には、図7に示した各ブロックに加えて、第2の実施形態と同様に、機械翻訳部と辞書言語選択部とを、システムバス300に接続して設けると共に、辞書言語選択部に汎用の機械翻訳用辞書を接続して設ける構成とする。
【0101】
この第4の実施形態においても、上述した第2の実施形態と同様にして、専門サイトサーバ30において、中間翻訳部304で得られた中間翻訳結果が機械翻訳される。そして、機械翻訳結果が、クライアント端末2に送信される。
【0102】
この第4の実施形態においても、上述した第1の実施形態および第2の実施形態と全く同様の効果を得ることができることは明らかであろう。
【0103】
[第5の実施形態]
上述の第1の実施形態では、専門サイトサーバ3と、中間翻訳サーバ4と、機械翻訳サーバ5とを、それぞれ個別に設ける構成としたが、これらのサーバ3,4,5の機能を、一つのサーバが備えるように構成しても良い。
【0104】
その場合には、クライアント端末2は、そのサーバに翻訳依頼するときに、翻訳対象文および第2の言語の指定情報と共に専門用途の指定情報を、サーバに送るようにする。サーバは、クライアント端末2からの翻訳依頼に含まれる専門用途の指定情報により、複数のカテゴリ別専門辞書の中から、指定された専門用途および第2の言語用の専門辞書を選択して、中間翻訳を実行する。そして、サーバは、その中間翻訳結果を、機械翻訳して、クライアント端末2に送信するようにするものである。
【0105】
この第5の実施形態においても、上述の第1の実施形態と全く同様の作用効果が得られる。
【0106】
[第6の実施形態]
以上の実施形態では、中間翻訳部は、サーバ側に設けるようにした。これに対して、以下に説明する第6の実施形態では、クライアント端末側に、中間翻訳部を設けるようにした例である。
【0107】
図10は、この第6の実施形態の翻訳システムの構成例を示すブロック図である。この図6において、上述した第1の実施形態の翻訳システムと同一部分には、同一番号を付してその詳細な説明は省略する。
【0108】
図10に示すように、この第6の実施形態の翻訳システムは、通信ネットワークの例としてのインターネット1に対して接続されている、クライアント端末20と、機械翻訳サーバ5と、ポータルサイト(サーバ)6により構成されている。ポータルサイト6は、自ホームページを有するだけでなく、種々のWebサイト(ホームページ)を紹介したり、検索エンジンを用いて検索サービスを実行したり、メールサービス、ツイッターサービスなどを提供する。
【0109】
この第6の実施形態のクライアント端末20は、図11に示すように、この例においては、パーソナルコンピュータの構成とされている。すなわち、クライアント端末20は、CPU、ROMおよびRAMからなる制御部201に対して、システムバス200を介して、通信インターフェース202、ディスプレイインターフェース203、操作入力部インターフェース204、ネットワークアプリケーション(ネットワークアプリと略称する)実行部205、中間翻訳部206、専門辞書207が接続されて構成されている。
【0110】
通信インターフェース202は、クライアント端末20が、インターネット1を通じてポータルサイト6や機械翻訳サーバ5と通信を行うためのインターフェースである。ディスプレイインターフェース203には、例えばLCD(Liquid Crystal Display)などのディスプレイ208が接続されている。このディスプレイインターフェース203は、制御部201の表示制御に基づいて、ディスプレイ208の画面に、例えばブラウザによる表示画像や、その他の種々のアプリケーションソフトウエアによる表示画像を表示する。
【0111】
操作入力部インターフェース208には、キーボードやマウスなどからなる操作入力部209が接続される。操作入力部インターフェース208は、操作入力部209で、どのような操作入力がされたかを示す操作入力情報を制御部201に伝達する。制御部201は、この操作入力部インターフェース208からの操作入力情報を解析して、操作されたキーや、マウスにおいてなされた操作を判別し、その判別結果に応じた処理を実行する。
【0112】
ネットワークアプリ実行部205は、インターネット1への接続のためのアプリケーションプログラムおよびブラウザを備え、制御部201の制御の下に、インターネット1を通じてポータルサイト6にアクセスしたり、機械翻訳サーバ5にアクセスしたりする。
【0113】
中間翻訳部206は、この第5の実施形態では、クライアント端末20のユーザにより取得されて、当該クライアント端末20にインストールされたアプリケーションプログラム(APIと略称する)である。専門辞書207は、この中間翻訳部206のAPIに付随するものとして提供されたものであり、中間翻訳部206のAPIと共にクライアント端末20にインストールされる。
【0114】
この専門辞書207は、前述と同様に、俳句、囲碁、将棋、フィッシングなどの特定の趣味用途や、旅行、観光、ショッピング、グルメなどの特定の目的用途などの専門用途のそれぞれ毎に用意されている複数の専門辞書から、ユーザにより選択されたものである。専門辞書207と中間翻訳部206とが組み合わされることにより、専用用途の中間翻訳用アプリとなる。
【0115】
また、専門辞書としては、翻訳前の第1の言語の例である日本語から、翻訳後の複数の第2の言語、例えば英語、中国語、韓国語、スペイン語などのそれぞれへの翻訳のための言語別の複数個の言語別専門辞書として用意されているが、専門辞書207は、それらの複数個の第2の言語別専門辞書のうちから、ユーザにより選択された第2の言語用の専門辞書である。この例では、第2の言語として例えば英語が選択されている。
【0116】
例えば、ユーザは、俳句や将棋が趣味で、その俳句や将棋についてブログやツイッターを発信する場合には、俳句や将棋を専門用途とする専門辞書を専門辞書207として取得して、中間翻訳部206のAPIと共に、クライアント端末20にインストールする。
【0117】
ユーザは、この中間翻訳部206のAPIおよび専門辞書207は、パッケージソフトとして購入したり、インターネット1を通じて所定のWebサイトから購入してダウンロードしたりすることにより取得し、クライアント端末20にインストールする。
【0118】
この中間翻訳部206のAPIは、操作入力部209を通じたユーザの操作入力により、翻訳対象文が指定され、その翻訳依頼が発生したときに制御部201により起動され、専門辞書207を用いて、中間翻訳処理を実行する。なお、この中間翻訳部206をインストールした後、ユーザは、機械翻訳に利用する機械翻訳サーバ(サイト)5のURLを登録して、中間翻訳部206に対応して記憶させるようにする。
【0119】
なお、図11のクライアント端末20の構成において、中間翻訳部206、ネットワークアプリ実行部205のそれぞれの処理機能は、前述したように、制御部301のCPUが、ソフトウエアプログラムにしたがって実行するソフトウエア機能として構成するものであるが、便宜上、機能ブロックとして記載したものである。
【0120】
[第6の実施形態におけるクライアント端末20の動作例]
図12および図13は、この第6の実施形態の翻訳システムにおけるクライアント端末20の動作例を説明するためのフローチャートである。
【0121】
クライアント端末20の制御部201は、操作入力部インターフェース204からの操作入力情報を監視し、ネットワークアプリ起動要求操作がなされたか否か判別し(ステップS401)、ネットワークアプリ起動要求操作がなされていないと判別したときには、その他の処理を実行し(ステップS402)、その処理の終了後、ステップS401の処理に戻る。
【0122】
ステップS401で、ネットワークアプリ起動要求操作がなされたと判別したときには、制御部201は、ネットワークアプリ実行部205を起動して、インターネット1を通じてポータルサイト6に接続する処理を実行すると共に、ブラウザを立ち上げ、ポータルサイトのホームページをディスプレイ208の画面に表示する(ステップS403)。
【0123】
次に、制御部201は、操作入力部インターフェース204からの操作入力情報を監視して、操作入力がされるのを待ち(ステップS404)、操作入力がなされたと判別したときには、その操作入力は、ネットワークアプリの終了操作であるか否か判別する(ステップS405)。
【0124】
ステップS405で、操作入力は、ネットワークアプリの終了操作であると判別したときには、制御部201は、インターネット1を通じたネットワーク接続を切断し、ブラウザを閉じる(ステップS406)。その後、制御部201は、処理をステップS401に戻す。
【0125】
また、ステップS405で、操作入力は、ネットワークアプリの終了操作ではないと判別したときには、制御部201は、翻訳依頼であるか否か判別し(ステップS407)、翻訳依頼ではないと判別したときには、その操作入力に応じた処理、例えば日本語によるブログやツイッター文の入力処理、を実行する(ステップS408)。このステップS408での処理が終了した後、制御部201は、処理をステップS404に戻す。
【0126】
そして、ステップS407で、操作入力は翻訳依頼であると判別したときには、制御部201は、中間翻訳部206を起動して、図13に示す中間翻訳処理を実行して、翻訳結果を取得する(ステップS409)。このステップS409の中間翻訳処理を終了すると、制御部201は、処理をステップS404に戻す。
【0127】
次に、ステップS409で実行される、この第6の実施形態における中間翻訳部206での中間翻訳処理の動作例を、図13のフローチャートについて説明する。
【0128】
中間翻訳部206は、翻訳依頼された翻訳対象文、例えばブログやツイッター文を形態素解析し、品詞毎の語に分解する(ステップS501)。そして、中間翻訳部206は、形態素解析により分離した各語について、専門辞書207により翻訳できるもののみを、第2の言語に翻訳して、中間翻訳を実行するようにする(ステップS502)。
【0129】
次に、中間翻訳部206は、ステップS502で得た中間翻訳結果を、予め記憶しているURLを用いて、インターネット1を通じて機械翻訳サーバ5に送って、機械翻訳依頼をする(ステップS503)。そして、中間翻訳部206は、機械翻訳サーバ5からの機械翻訳結果を受信して、ディスプレイ208の画面に表示すると共に、バッファメモリに一時記憶しておく(ステップS504)。
【0130】
以上の処理動作の具体例について、例えばツイッターを行う場合を例にとって説明する。クライアント端末20のユーザは、ポータルサイト6にアクセスして、ツイッターを選択し、ツイッター文を入力する。そして、ユーザは、その翻訳依頼を操作入力する。すると、表示画面には、ユーザが入力した日本語のツイッター文と、機械翻訳結果として取得した第2の言語のツイッター文とが表示される。そして、ユーザがツイッターのアップ操作をすると、日本語と第2の言語のツイッター文が、ポータルサイト6にアップされる。この場合に、中間翻訳部206で処理されて得られた機械翻訳結果は、第1の実施形態で挙げた具体例の例文と全く同様のものとなることは、容易に理解できよう。
【0131】
以上のようにして、この第6の実施形態によれば、ユーザは、例えば自分の趣味や興味がある専門用途用の中間翻訳アプリケーションソフトウエアを、上述した専門辞書付きで、パッケージソフトとして、あるいはインターネットを通じたネットワーク販売を通じて取得してクライアント端末20にインストールすることにより、機械翻訳よりも高精度の翻訳結果をえることができる。したがって、ブログやツイッターを日本語共に、外国人向けに、提供することが容易になる。
【0132】
また、クライアント端末20から、例えば観光サイトにアクセスし、外国人観光客向けに、コメントをアップロードする際にも、より高精度の外国語のコメントをアップロードすることができる。
【0133】
上述の第6の実施形態の説明では、クライアント端末20は、パーソナルコンピュータの構成としたが、携帯電話端末やパッド型携帯情報端末であっても良い。
【0134】
[その他の実施形態および変形例]
以上の実施形態は、いずれも、クライアント端末とネットワークを通じたサーバとからなる構成であった。しかし、この発明は、スタンドアローンの翻訳システムの構成とすることもできる。その場合に、翻訳システムは、多種の専門用途に対応する構成として、ユーザにより、翻訳対象文の翻訳の際に、その専門用途を指定してもらうように構成しても良いし、特定の専門用途のみの翻訳のみを可能にする構成であっても良い。前者の場合には、第1の実施形態と同様に、複数の専門用途用の専門辞書を備える必要があり、後者の場合には、前記特定の専門用途用の専門辞書を備えるだけで良い。
【0135】
また、上述の実施形態では、第1の言語は、全て日本語であって、第2の言語が外国語であると場合として説明したが、第1の言語は、日本語に限られるものではないことは言うまでもなく、第1の言語および第2の言語は任意の言語であっても良い。
【符号の説明】
【0136】
1…通信ネットワーク、2,20…クライアント端末、3,30…専門サイトサーバ、4…中間翻訳サーバ、5…機械翻訳サーバ、41〜4n…カテゴリ別専門辞書、207、308…専門辞書
【技術分野】
【0001】
この発明は、汎用の機械翻訳を用いても、翻訳精度の高い翻訳結果を得ることができる翻訳システムに関する。
【背景技術】
【0002】
汎用の機械翻訳アプリケーションプログラムが無償提供され始め、様々なWebサイトで採用されたり、様々なアプリケーションで組み込まれて利用されたりしつつある。しかしながら、汎用機械翻訳は、用途が絞られていないために、種々の専用用途での翻訳精度は低くなってしまうという問題がある。
【0003】
特許文献1(特開平7−141375号公報)には、この問題を改善して翻訳精度を上げるために、専用辞書を利用する機械翻訳装置が開示されている。この特許文献1では、汎用の機械翻訳用辞書の代わりに、専門分野に応じた複数の専門辞書を用意すると共に、それらの複数の専門辞書に予め優先順位を設定しておき、その優先順位に従って専門辞書を使用して、翻訳対象文を機械翻訳するようにしている。これにより、この特許文献1では、品質の良い訳文を得ると共に、その後の編集の手間を低減するようにしている。
【0004】
また、特許文献2(特開平6−162071号公報)には、特定の語が汎用の機械翻訳辞書に登録されていない場合には、その特定の語を翻訳せずに、それを登録言語として登録辞書に登録を行い、再翻訳を実行することで、当該登録辞書を参照して、当該特定の語を正しく翻訳することが開示されている。
【0005】
すなわち、特許文献2では、例えば、英文から和文に翻訳する際に、機械翻訳辞書に「Kyoto」が登録されていないとき、当該「Kyoto」はそのままに残して機械翻訳する。そして、「Kyoto」→「京都」を登録辞書に登録して、再翻訳を実行することにより、「Kyoto」が「京都」に正しく翻訳される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平7−141375号公報
【特許文献2】特開平6−162071号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の発明では、汎用の機械翻訳用辞書の代わりに、複数の専門辞書を用意し、使用者により設定された優先順位で、その複数の専門辞書を用いて機械翻訳を実行するものである。このため、汎用の機械翻訳用の辞書を使用する既存の機械翻訳のアプリケーションプログラムをそのまま使用できない。
【0008】
また、使用者が、複数の専門辞書について予め優先順位を設定しておく必要があり、使用者の手間が厄介である。さらに、使用者が設定した優先順位に従った専門辞書を用いた機械翻訳であるため、設定によっては、品質の良い翻訳結果を得ることができないため、後の編集作業を必要としており、やはり手間がかかる。
【0009】
また、特許文献2の発明は、機械翻訳辞書に無い語は機械翻訳せずにそのままに残しておくと共に、機械翻訳辞書に無い語を登録辞書に登録し、その登録辞書を用いて、再翻訳(機械翻訳)を実行することにより正しい翻訳をするというものである。このため、使用者は、機械翻訳辞書に無い語を登録辞書に登録する処理をしなければならないと共に、その登録辞書を用いた再翻訳を実行させるように指示しなければならないという問題がある。
【0010】
この発明は、以上の問題点にかんがみ、汎用の機械翻訳を用いる場合においても、使用者は、翻訳依頼をするだけで、以上の問題点を回避して、より高精度の翻訳結果を得られるようにした翻訳システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するために、請求項1の発明は、
汎用の機械翻訳用辞書を用いて機械翻訳を実行する機械翻訳実行手段と、
第1の言語による特定の専門用途に関する翻訳対象文を、前記第1の言語とは異なる第2の言語に翻訳する翻訳依頼を受け付ける翻訳依頼受付手段と、
前記翻訳依頼受付手段で受け付けた翻訳依頼に基づき、前記第1の言語による翻訳対象文を解析し、前記特定の専門用途における前記第1の言語の語を前記第2の言語の語に変換するための専門辞書により変換可能な語のみを前記第2の言語の語に変換する中間翻訳を実行し、前記第1の言語と前記第2の言語とが混在する中間翻訳結果を得、前記中間翻訳結果を前記機械翻訳実行手段に渡す中間翻訳実行手段と、
を備え、
前記機械翻訳実行手段で、前記中間翻訳結果について機械翻訳が実行されて得られた機械翻訳結果を、前記翻訳依頼に応じた翻訳結果とする
ことを特徴とする翻訳システムを提供する。
【0012】
上記の構成を有する請求項1の発明によれば、使用者が特定の専門用途に関する第1の言語による翻訳対象文についての第2の言語への翻訳依頼をすると、翻訳依頼受付手段は、その翻訳依頼を受け付けて、その翻訳依頼を中間翻訳実行手段に渡す。
【0013】
中間翻訳実行手段は、第1の言語による翻訳対象文を解析し、その特定の専門用途の専門辞書により変換可能な用語のみを第2の言語の用語に変換する中間翻訳を実行して、第1の言語と第2の言語とが混在する中間翻訳結果を得る。すなわち、この中間翻訳結果は、専門用途の専門用語のみが第2の言語に既に翻訳されており、その他は、第1の言語のままとされている。中間翻訳実行手段は、その中間翻訳結果を機械翻訳実行手段に渡す。
【0014】
機械翻訳実行手段は、受け取った中間翻訳結果のうちの第2の言語に既に翻訳されている部分を除いた第1の言語の部分を、汎用の機械翻訳用辞書を用いて、機械翻訳して、最終的な翻訳結果を得る。これにより、専門用途の専門用語が正しく翻訳された機械翻訳結果が、最終的な翻訳結果として得られる。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、中間翻訳実行手段により、専門用途の専門用語が正しく翻訳された中間翻訳結果のみを、汎用の機械翻訳を用いて機械翻訳を実行するようにするので、汎用の機械翻訳によっても専門用途の専門用語が正しく翻訳された機械翻訳結果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】この発明による翻訳システムの第1の実施形態の構成例を示すブロック図である。
【図2】この発明による翻訳システムの第1の実施形態における中間翻訳サーバの構成例を示すブロック図である。
【図3】この発明による翻訳システムの第1の実施形態の動作シーケンスを説明するためのシーケンス図である。
【図4】この発明による翻訳システムの第1の実施形態における専門サイトサーバの動作を説明するためのフローチャートを示す図である。
【図5】この発明による翻訳システムの第1の実施形態における中間翻訳サーバの動作を説明するためのフローチャートを示す図である。
【図6】この発明による翻訳システムの第2の実施形態の構成例を示すブロック図である。
【図7】この発明による翻訳システムの第2の実施形態における専門サイトサーバの構成例を示すブロック図である。
【図8】この発明による翻訳システムの第2の実施形態における専門サイトサーバの動作を説明するためのフローチャートを示す図である。
【図9】この発明による翻訳システムの第3の実施形態における中間翻訳サーバの構成例を示すブロック図である。
【図10】この発明による翻訳システムの第6の実施形態の構成例を示すブロック図である。
【図11】この発明による翻訳システムの第6の実施形態におけるクライアント端末の構成例を示すブロック図である。
【図12】この発明による翻訳システムの第6の実施形態におけるクライアント端末の動作を説明するためのフローチャートを示す図である。
【図13】この発明による翻訳システムの第6の実施形態におけるクライアント端末の動作を説明するためのフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、この発明による翻訳システムの幾つかの実施形態を、図を参照しながら説明する。なお、この発明は、任意の第1の言語の翻訳対象文を、第1の言語とは異なる任意の第2の言語に翻訳する場合に適用することが可能であるが、以下に説明する例は、説明の簡単のため、翻訳対象文の翻訳前の第1の言語は日本語であり、翻訳後の第2の言語は、英語や中国語などの外国語である場合として説明する。
【0018】
[第1の実施形態]
図1は、この発明による翻訳システムの第1の実施形態のシステム構成を示すブロック図である。この第1の実施形態の翻訳システムは、通信ネットワーク、この例ではインターネット1に対して接続されている、クライアント端末2と、専門サイトのサーバ(以下、専門サイトサーバという)3と、中間翻訳サイトのサーバ(以下、中間翻訳サーバという)4と、機械翻訳サイトのサーバ(以下、機械翻訳サーバという)5とにより構成されている。
【0019】
クライアント端末2は、例えばインターネット1を通じた通信機能およびブラウザ機能を備えるパーソナルコンピュータで構成されている。クライアント端末2は、パーソナルコンピュータに限られるものではなく、インターネット1を通じた通信機能およびブラウザ機能を備えるパッド型携帯端末や携帯電話端末などであっても良い。
【0020】
専門サイトサーバ3は、特定の専門用途のWebサイトのサーバである。ここで、特定の専門用途とは、俳句、囲碁、将棋、フィッシングなどの特定の趣味用途や、旅行、観光、ショッピング、グルメなどの特定の目的用途など、それぞれのカテゴリ毎の用途を意味している。この例では、各専門サイトサーバ3は、それぞれの専門用途(カテゴリ)を識別するための識別情報(専門ID)を、メモリに記憶して保持している。専門サイトサーバ3は、図1では、1個のみを示したが、上述のような種々の専門用途の複数個の専門サイトのサーバが、インターネット1に対して接続されているものである。
【0021】
専門サイトサーバ3は、例えばパーソナルコンピュータで構成されている。そして、この専門サイトサーバ3は、ネットワーク1を通じたクライアント端末2からのアクセスを受けてクライアント端末2と接続し、その特定の専門用途についての提供情報をクライアント端末に送ったり、クライアント端末2からのコメントや提供情報を受信して保持し、それを他のアクセス者の利用に供したりする機能を備える。
【0022】
一方、クライアント端末2は、専門サイトサーバ3からの提供情報をそのディスプレイに表示したり、使用者により入力されたコメントや提供情報を当該専門サイトサーバ3に送ったりする機能を備える。
【0023】
また、この実施形態では、専門サイトサーバ3は、クライアント端末2から、提供情報やコメントなどの翻訳対象文を、翻訳前の第1の言語、この例では日本語から、翻訳後の第2の言語例えば英語や中国語などの外国語へ翻訳する依頼を受け付ける翻訳依頼受付手段の機能を備える。
【0024】
そして、この実施形態では、専門サイトサーバ3と中間翻訳サーバ4との間では、予め、中間翻訳に関する提携する契約が締結されており、専門サイトサーバ3のそれぞれは、中間翻訳サーバ4のURL(uniform resource locator)を記憶していると共に、中間翻訳サーバ4と接続するためのパスワード等も記憶している。
【0025】
そして、専門サイトサーバ3は、クライアント端末2からの第1の言語から第2の言語への翻訳依頼を受け付けると、メモリから読み出した専門IDを付加した翻訳対象文の中間翻訳依頼を、記憶している中間翻訳サーバ4のURLを用いて、中間翻訳サーバ4にネットワーク1を通じて送出する機能を備えている。さらに、専門サイトサーバ3は、中間翻訳サーバ4から受け取った翻訳結果を、その翻訳依頼をしてきたクライアント端末2に返す機能を備えている。
【0026】
中間翻訳サーバ4は、複数の特定の専門用途(カテゴリ)のそれぞれに対応するカテゴリ別専門辞書41,・・・,4n(nは自然数)を備える。すなわち、カテゴリ別専門辞書41,・・・,4nのそれぞれは、専門サイトサーバ3のそれぞれの専門用途で用いられる用語であって、汎用の機械翻訳用辞書には載っていない用語の辞書である。なお、カテゴリ別専門辞書41,・・・,4nのそれぞれとしては、この例では、翻訳前の第1の言語の例である日本語から、翻訳後の複数の第2の言語、例えば英語、中国語、韓国語、スペイン語などのそれぞれへの翻訳のための複数個の言語用専門辞書がそれぞれ用意されている。
【0027】
カテゴリ別専門辞書に登録されている用語の幾つかの例を挙げる。例えば、専門サイトが特定の地域例えば栃木県日光市の観光案内サイトである場合であって、それに対応する日本語から英語への翻訳用のカテゴリ別専門辞書の場合には、その地域の名所、例えば「日光東照宮」=「Nikko Tosho-gu Shrine」、「男体山」=「Mt. Nantai」、「陽明門」=「Youmei Gate」、・・・などが辞書登録されていると共に、「これから」=「now」などが辞書登録されている。
【0028】
また、専門サイトが俳句の同人が集まる俳句サイトである場合であって、それに対応する日本語から英語への翻訳用のカテゴリ別専門辞書には、「芭蕉」=「Matsuo Basho」、「子規」=「Masaoka Shiki」、「句」=「haiku」、「句をひねる」=「make haiku」・・・などが辞書登録されている。
【0029】
また、専門サイトが将棋サイトである場合であって、それに対応する日本語から英語への翻訳用のカテゴリ別専門辞書には、「将棋を指す」=「play a game of Shogi」、「先手」=「the first mover」、「後手」=「the second mover」、・・・などが辞書登録されている。
【0030】
中間翻訳サーバ4は、専門サイトサーバ3のそれぞれからの中間翻訳依頼を受け付け、当該中間翻訳依頼に付加されている専門IDと、同じく中間翻訳依頼に付加されている指定された第2の言語とに基づいて選択された専門辞書を用いて、翻訳対象文の中間翻訳を実行する機能を備える。
【0031】
[中間翻訳サーバ4のハードウエア構成例]
中間翻訳サーバ4は、例えば図2に示すように、パーソナルコンピュータを用いた構成とされている。すなわち、中間翻訳サーバ4は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)からなる制御部401に対して、システムバス400を介して、通信インターフェース402、中間翻訳依頼受付部403、中間翻訳部404、専門辞書選択部405、機械翻訳依頼部406、翻訳結果転送部407が接続されて構成されている。
【0032】
通信インターフェース402は、中間翻訳サーバ4が、インターネット1を通じた通信を行うためのインターフェースである。
【0033】
中間翻訳依頼受付部403は、通信インターフェース402を通じて専門サイトサーバ3から受け取った中間翻訳依頼の受付処理を行う。すなわち、中間翻訳依頼受付部403は、専門サイトサーバ3からの、翻訳対象文の第1の言語から第2の言語への中間翻訳依頼を受け取ると、受け取った中間翻訳依頼に含まれる専門サイト3の専門IDやパスワードを用いて認証を行い、その認証ができたときに、受け取った中間翻訳依頼を正式に受け付けるようにする。
【0034】
そして、中間翻訳依頼受付部403は、中間翻訳依頼を正式に受け付けたときには、その中間翻訳依頼に含まれる情報のうち、翻訳対象文と、指定された第2の言語の情報を、中間翻訳部404に渡すと共に、付加されている専門IDと、指定された第2の言語の情報を専門辞書選択部405に供給する。
【0035】
専門辞書選択部405には、複数個のカテゴリ別専門辞書41,・・・,4nが接続されている。この専門辞書選択部405は、中間翻訳依頼受付部403から受け取った専門IDおよび指定された第2の言語の情報に対応するカテゴリ別専門辞書を、複数個のカテゴリ別専門辞書41,・・・,4nから選択する機能を備える。この専門辞書選択部405で選択されたカテゴリ別専門辞書は、中間翻訳部404で実行する中間翻訳用の辞書となる。
【0036】
中間翻訳部404は、中間翻訳依頼受付部403から受け取った翻訳対象文を形態素解析し、各品詞の語に分解する。そして、中間翻訳部404は、形態素解析により分離した各語のうち、専門辞書選択部405で選択したカテゴリ別専門辞書により翻訳できるもののみを、指定された第2の言語に翻訳して、中間翻訳を実行するようにする。
【0037】
この中間翻訳部404での中間翻訳の結果は、専門辞書選択部405で選択したカテゴリ別専門辞書により翻訳できたもののみが第2の言語に翻訳され、その他は、第1の言語である日本語のままとされる。そして、中間翻訳部404は、この中間翻訳結果を、指定された第2の言語の情報と共に、機械翻訳依頼部406に渡す。
【0038】
機械翻訳依頼部406は、機械翻訳サーバ5のURLを記憶しており、受け取った中間翻訳結果と、指定された第2の言語の情報とを含む機械翻訳依頼を、通信インターフェース402を通じ、インターネット1を通じて機械翻訳サーバ5に送る機能を備える。
【0039】
翻訳結果転送部407は、機械翻訳サーバ5から送られてくる翻訳結果を受け取り、それを、通信インターフェース402を通じて中間翻訳依頼をしてきた専門サイトサーバ3に送る機能を備える。
【0040】
なお、上述の図2の中間翻訳サーバ4の構成において、中間翻訳依頼受付部403、中間翻訳部404、専門辞書選択部405、機械翻訳依頼部406、翻訳結果転送部407のそれぞれの処理機能は、制御部401のCPUが、ソフトウエアプログラムにしたがって実行するソフトウエア機能として構成することができるものであるが、便宜上、機能ブロックとして記載したものである。
【0041】
機械翻訳サーバ5は、汎用の機械翻訳用辞書を用いて機械翻訳を実行するサーバであり、会員登録等は不要であり、任意のクライアント端末からのアクセスに対応して機械翻訳サービスを提供する。この機械翻訳サーバ5も、例えばパーソナルコンピュータで構成することができるが、そのハードウエア構成は、周知の構成であるので、ここではその説明は省略する。
【0042】
機械翻訳サーバ5は、受け取った中間翻訳結果について、指定された第2の言語への機械翻訳用辞書を用いた機械翻訳を実行する機能を備える。そして、機械翻訳サーバ5は、その機械翻訳結果を、翻訳依頼してきた中間翻訳サーバ4に返信する機能を備える。
【0043】
[第1の実施形態における翻訳のシーケンス例]
次に、この第1の実施形態の翻訳システムにおける動作シーケンスを、図3のシーケンス図、専門サイトサーバ3の動作の流れを示す図4のフローチャートおよび中間翻訳サーバ4の動作の流れを示す図5のフローチャートを参照しながら説明する。
【0044】
クライアント端末2のユーザは、専門サイトサーバ3に対してネットワーク1を介してアクセスして、クライアント端末2と専門サイトサーバ3との間に通信路を確立する。そして、クライアント端末2のユーザは、専門サイトサーバ3から専門用途の情報を取得したり、コメントのやり取りをしたりして、クライアント端末2と専門サイトサーバ3との間で情報通信を行う。そして、この例では、クライアント端末2のユーザは、例えばコメント文や専門用途の情報文を、翻訳対象文として、その翻訳依頼を、専門サイトサーバ3に対して送る。
【0045】
専門サイトサーバ3は、その翻訳依頼についての処理プログラムを備えており、図4のフローチャートに示すような処理を実行する。この専門サイトサーバ3の処理プログラムには、中間翻訳サーバ4のアシストを受けるための手順も含まれている。一方、中間翻訳サーバ4の制御部401は、この専門サイトサーバ3からのアシスト依頼(後述する中間翻訳依頼)についての処理プログラムを備えており、後述する図5のフローチャートに示すような処理を実行する。
【0046】
先ず、専門サイトサーバ3は、図4に示すように、クライアント端末2からの翻訳依頼の受信を監視し(ステップS101)、翻訳依頼を受信してはいないと判別したときには、その他の処理を実行し(ステップS102)、その処理の終了後、ステップS101に戻る。
【0047】
ステップS101で、翻訳依頼を受信したと判別したときには、専門サイトサーバ3は、受信した翻訳依頼により指定された日本語(第1の言語)の翻訳対象文と、第2の言語の指定情報とに、メモリに記憶している自サイトの識別情報、すなわち、専門IDを付加した中間翻訳依頼を生成し、生成した中間翻訳依頼を、メモリに記憶している中間翻訳サーバ4のURLを用いて中間翻訳サーバ4に転送する(ステップS103)。そして、専門サイト3は、中間翻訳サーバ4からの翻訳結果の転送を待つ(ステップS104)。
【0048】
一方、図5に示すように、中間翻訳サーバ4の制御部401は、専門サイトサーバ3からの中間翻訳依頼を監視しており(ステップS201)、中間翻訳依頼を受信してはいないと判別したときには、その他の処理を実行し(ステップS202)、その処理の終了後、ステップS201に戻る。
【0049】
そして、中間翻訳サーバ4の制御部401は、ステップS201で、中間翻訳依頼を受信したと判別したときには、受け取った中間翻訳依頼に含まれる専門サイトサーバ3の専門IDやパスワードにより認証が取れたか否か判別し(ステップS203)、認証が取れなかったときには、その旨を中間翻訳依頼を送ってきた専門サイトサーバ3に通知し(ステップS204)、ステップS201に処理を戻す。
【0050】
そして、ステップS203で、認証が取れたと判別したときには、中間翻訳サーバ4の制御部401は、翻訳依頼受付部403で、受け取った翻訳対象文の第1の言語から第2の言語への中間翻訳依頼を受け付けるように制御する(ステップS205)。中間翻訳依頼を受け付けた中間翻訳サーバ4の翻訳依頼受付部403は、中間翻訳依頼に含まれる専門サイト3の専門IDおよび第2の言語の指定情報を抽出して、その専門IDおよび第2の言語の指定情報を専門辞書選択部405に転送する。この転送を受けた専門辞書選択部405は、複数のカテゴリ別専門辞書41〜4nのうちから、受け取った専門IDおよび指定された第2の言語に対応するカテゴリ別専門辞書4i(iは、1〜nのうちの整数)を選択する(ステップS206)。
【0051】
次に、中間翻訳サーバ4では、制御部401の制御を受けて、中間翻訳部404は、専門辞書選択部405で選択したカテゴリ別専門辞書4iを用いて、翻訳依頼受付部403で受け付けた翻訳対象文について前述した中間翻訳を実行する(ステップS207)。この中間翻訳の結果、中間翻訳部404は、前述したように、専門辞書選択部405で選択したカテゴリ別専門辞書により翻訳できた語のみを第2の言語に翻訳し、その他は、第1の言語である日本語のままとした中間翻訳結果を得る。そして、中間翻訳部404は、制御部401の制御の下に、その中間翻訳結果を機械翻訳依頼部406に送る。
【0052】
次に、制御部401の制御の下に、機械翻訳依頼部406は、中間翻訳部404から取得した中間翻訳結果と、中間翻訳依頼受付部403から取得した指定された第2の言語の情報とを含む機械翻訳依頼を生成し、記憶している機械翻訳サーバ5のURLを用いて、当該機械翻訳サーバ5に機械翻訳を依頼する(ステップS208)。
【0053】
機械翻訳サーバ5は、この機械翻訳依頼を受け取ると、中間翻訳結果について機械翻訳を実行して、その機械翻訳結果を中間翻訳結果と共に機械翻訳依頼を送ってきた中間翻訳サーバ4に送信する。
【0054】
中間翻訳サーバ4の制御部401は、通信インターフェース402の出力を監視して、この機械翻訳サーバ5からの機械翻訳結果の受信を待つ(ステップS209)。そして、制御部401は、このステップS209で、通信インターフェース402で機械翻訳サイト5からの機械翻訳結果を受け取ったと判別したときには、受け取った機械翻訳結果を翻訳結果転送部407に供給する。
【0055】
翻訳結果転送部407は、受け取った機械翻訳結果を、中間翻訳依頼を送ってきた専門サイトサーバ3に送信する(ステップS210)。中間翻訳サーバ4の処理は、これで終了となる。
【0056】
専門サイトサーバ3では、この中間翻訳サーバ4からの機械翻訳結果の受信をステップS104で判別し、受信した機械翻訳結果を、翻訳依頼してきたクライアント端末2に送信する(ステップS105)。クライアント端末2は、受け取った機械翻訳結果をディスプレイ画面に表示するなどして、ユーザに提示する。
【0057】
以上のようにして、この実施形態では、クライアント端末2から専門サイトサーバ3に翻訳依頼された専門用途の翻訳対象文は、専門サイトサーバ3から中間翻訳サーバ4に転送され、この中間翻訳サーバ4において、専門用途の用語のみが、対応するカテゴリ別専門辞書が用いられて予め指定された第2の言語に翻訳された中間翻訳結果に変換される。そして、この実施形態では、この中間翻訳結果が、中間翻訳サーバ4から機械翻訳サーバ5に送られ、機械翻訳サーバ5において、汎用の機械翻訳用辞書を用いる機械翻訳により機械翻訳されることにより、より高精度の翻訳結果を得ることができる。
【0058】
実際の翻訳例の幾つかを次に挙げる。
例えば、専門サイトが俳句サイトである場合を想定した例を挙げる。例えば、「私は、子規の真似をして、一句作ってみました。」という文章について、現行のインターネットに存在する汎用の機械翻訳辞書を用いて機械翻訳する機械翻訳サイトの一つで、機械翻訳を実行すると、その機械翻訳結果は、
「I imitated the grayheaded cuckoo and made a haiku.」
となった。
【0059】
これに対して、この実施形態では、中間翻訳サーバ4においては、専門サイトサーバ3からの中間翻訳依頼に含まれる、俳句サイトであることを示す専門IDに基づいて、カテゴリ別専門辞書として、俳句サイト用専門辞書が選択される。そして、中間翻訳サーバ4では、中間翻訳依頼に含まれる翻訳対象文が形態素解析され、選択した俳句サイト用専門辞書と各語とが衝合されるにより「子規」は、「Masaoka Shiki」に変換され、「一句」は「one haiku」に変換される。これにより、中間翻訳サーバ4は、「私は、Masaoka Shikiの真似をして、one haiku作ってみました。」という中間翻訳結果を得、この中間翻訳結果を機械翻訳サイト5に供給する。例えば、機械翻訳サイト5が、上記と同じ機械翻訳サイトである場合、この中間翻訳結果は、
「I imitated Masaoka Shiki and made one haiku.」
となり、高精度の翻訳結果が得られた。
【0060】
また、同じ「私は、子規の真似をして、一句作ってみました。」という文章について、現行のインターネットに接続されている他の機械翻訳サイトで、機械翻訳を実行すると、その機械翻訳結果は、
「I do not have to imitate the expression, I made haiku.」
となった。
【0061】
この機械翻訳サイトに対しても、この実施形態を適用して、「私は、Masaoka Shikiの真似をして、one haiku作ってみました。」という中間翻訳結果を供給して、機械翻訳の依頼をすると、
「I have been imitating Masaoka Shiki, I made one haiku.」
という機械翻訳結果が得られた。
【0062】
次に、専門サイトが将棋サイトである場合を想定し、例えば、「先手が、130手目で、後手に勝ちました。」という文章について翻訳例を挙げる。この例の文章を、現行のインターネットに接続されている汎用の機械翻訳辞書を用いて機械翻訳する機械翻訳サイトで、機械翻訳を実行すると、その機械翻訳結果は、
「The first move beat a rear guard by the 130th move.」
となった。
【0063】
これに対して、この実施形態では、中間翻訳サーバ4において、専門サイトサーバ3からの中間翻訳依頼に含まれる、将棋サイトであることを示す専門IDに基づいて、カテゴリ別専門辞書として、俳句サイト用専門辞書が選択される。そして、中間翻訳サーバ4では、中間翻訳依頼に含まれる翻訳対象文が形態素解析され、選択した将棋サイト用専門辞書と各語とが衝合されるにより、「先手」は、「The first mover」と変換され、「後手」は「the second mover」と変換される。これにより、中間翻訳サーバ4では、「The first moverが、the 130th moveで、the second moverに勝ちました。」という中間翻訳結果が得られる。そして、この中間翻訳結果を、上記と同じ機械翻訳サイトで機械翻訳を実行すると、
「The first mover won the second mover by the 130th move.」
となった。
【0064】
次に、専門サイトが、栃木県日光市の観光案内サイトである場合を想定し、例えば、「これから、私は日光東照宮に行きます。」という文章について翻訳例を挙げる。この例の文章を、現行のインターネットにおいて、汎用の機械翻訳辞書を用いて機械翻訳する機械翻訳サイトで、機械翻訳を実行すると、その機械翻訳結果は、
「I go to Toshogu, Nikko from now on.」
となった。
【0065】
これに対して、この実施形態では、中間翻訳サーバ4において、専門サイトサーバ3からの中間翻訳依頼に含まれる、例えば栃木県日光市の観光案内サイトであることを示す専門IDに基づいて、カテゴリ別専門辞書として、日光市の観光案内サイト用専門辞書が選択される。そして、中間翻訳サーバ4では、中間翻訳依頼に含まれる翻訳対象文が形態素解析され、選択した専門辞書と各語とが衝合されるにより、「これから」は、「now」と変換され、「日光東照宮」は「Nikko Tosho-gu Shrine」と変換される。これにより、中間翻訳サーバ4では、「Now、私はNikko Tosho-gu Shrineに行きます。」という中間翻訳結果が得られる。そして、この中間翻訳結果を、上記と同じ機械翻訳サイトで機械翻訳を実行すると、
「Now, I go to Nikko Tosho-gu Shrine.」
となった。
【0066】
以上のことから明らかなように、この実施形態によれば、カテゴリ別専門辞書を用いて中間翻訳を行い、その中間翻訳結果を、汎用の機械翻訳サイトで機械翻訳をすることで、精度の良い翻訳結果が得られるものである。
【0067】
そして、上述の実施形態によれば、クライアント端末2のユーザ(翻訳依頼者)は、従来の汎用の機械翻訳の依頼と全く同じように翻訳依頼をするだけで、再翻訳依頼などの操作をする必要は、全くない。しかも、従来か存在する機械翻訳サイトをそのまま利用することができるという効果もある。
【0068】
[第2の実施形態]
上述の第1の実施形態では、中間翻訳を実行する中間翻訳サイトのサーバ4を特に設けるようにした。以下に説明する第2の実施形態は、専門サイトサーバ3に、中間翻訳機能を備えるようにすることで、第1の実施形態における中間翻訳サイトのサーバ4を省略できるシステム構成としたものである。
【0069】
第1の実施形態における中間翻訳サーバ4は、多種多様な専門用途に対応するために、複数個のカテゴリ別専門辞書を備える必要があった。これに対し、以下に説明する第3の実施形態における専門サイトサーバにおいては、自サイトの専門用途のみを考慮すれば良いので、専門辞書としては、自サイトの専門用途用の専門辞書を備えるだけで良い。
【0070】
図6は、この第2の実施形態の翻訳システムの構成例を示すブロック図である。この図6において、上述した第1の実施形態の翻訳システムと同一部分には、同一番号を付してその詳細な説明は省略する。
【0071】
図6に示すように、この第2の実施形態の翻訳システムは、通信ネットワークの例としてのインターネット1に対して接続されている、クライアント端末2と、専門サイトサーバ30と、機械翻訳サーバ5とにより構成されている。
【0072】
この第2の実施形態の専門サイトサーバ30は、図7に示すように、パーソナルコンピュータにより構成とされている。すなわち、専門サイトサーバ30は、CPU、ROMおよびRAMからなる制御部301に対して、システムバス300を介して、通信インターフェース302、翻訳依頼受付部303、中間翻訳部304、専門辞書言語選択部305、機械翻訳依頼部306、翻訳結果転送部307が接続されて構成されている。
【0073】
通信インターフェース302は、専門サイトサーバ30が、インターネット1を通じた通信を行うためのインターフェースである。
【0074】
翻訳依頼受付部303は、通信インターフェース302を通じてクライアント端末2から受け取った翻訳依頼の受信処理を行う。
【0075】
そして、翻訳依頼受付部303は、クライアント端末2からの翻訳依頼を受け付けたときには、その翻訳依頼に含まれる翻訳対象文と指定された第2の言語の情報を、中間翻訳部304に渡すと共に、指定された第2の言語の情報を専門辞書参照部305に渡す。
【0076】
専門辞書言語選択部305には、当該専門サイトサーバ30の専門用途で用いられる用語であって、汎用の機械翻訳用辞書には載っていない用語の専門辞書308が接続されている。この専門辞書308は、例えば、専門サイトサーバ30が、俳句サイトのサーバであれば、俳句サイト用専門辞書であり、将棋サイトであれば、将棋サイト用専門辞書である。この専門辞書308は、翻訳前の第1の言語の例である日本語から、翻訳後の複数の第2の言語、例えば英語、中国語、韓国語、スペイン語などのそれぞれへの翻訳のための言語別の複数個の言語用専門辞書部を含んでいる。
【0077】
専門辞書言語選択部305は、翻訳依頼受付部303から受け取った、指定された第2の言語の言語用専門辞書部を、言語別の複数個の言語用専門辞書部を選択する機能を備える。この専門辞書言語選択部305で選択された言語用専門辞書部は、中間翻訳部304で実行する中間翻訳用の辞書となる。
【0078】
中間翻訳部304は、翻訳依頼受付部303から受け取った翻訳対象文を形態素解析し、各品詞の語に分解する。そして、中間翻訳部304は、形態素解析により分離した各語について、専門辞書308のうちの、専門辞書言語選択部305で選択した言語用専門辞書部により翻訳できるもののみを、指定された第2の言語に翻訳して、中間翻訳を実行するようにする。
【0079】
この中間翻訳部304での中間翻訳の結果は、専門辞書308により翻訳できた語のみが第2の言語に翻訳され、その他は、第1の言語である日本語のままである。そして、中間翻訳部304は、この中間翻訳結果を、指定された第2の言語の情報と共に、機械翻訳依頼部306に渡す。
【0080】
機械翻訳依頼部306は、機械翻訳サーバ5のURLを記憶しており、受け取った中間翻訳結果と、指定された第2の言語の情報とを含む機械翻訳依頼を、通信インターフェース302を通じ、インターネット1を通じて機械翻訳サーバ5に送る機能を備える。
【0081】
翻訳結果転送部307は、機械翻訳サーバ5から送られてくる翻訳結果を受け取り、それを通信インターフェース302を通じて翻訳依頼をしてきたクライアント端末2に送る機能を備える。
【0082】
なお、上述の図7の専門サイトサーバ30の構成において、翻訳依頼受付部303、中間翻訳部304、専門辞書言語選択部305、機械翻訳依頼部306、翻訳結果転送部307のそれぞれの処理機能は、制御部301のCPUが、ソフトウエアプログラムにしたがって実行するソフトウエア機能として構成することができるものであるが、便宜上、機能ブロックとして記載したものである。
【0083】
[第2の実施形態における翻訳のシーケンス例]
次に、この第2の実施形態の翻訳システムにおける専門サイトサーバ30の動作の流れを、図8のフローチャートを参照しながら説明する。
【0084】
前述と同様にして、クライアント端末2のユーザは、専門サイトサーバ30に対してネットワーク1を介してアクセスして、クライアント端末2と専門サイトサーバ30との間に通信路を確立する。そして、クライアント端末2のユーザは、専門サイトサーバ30から専門用途の所定の情報を取得したり、コメントのやり取りをしたりして、クライアント端末2と専門サイトサーバ30との間で情報通信を行う。そして、この例では、クライアント端末2のユーザは、例えばコメント文や専門用途の情報文を、翻訳対象文として、その翻訳依頼を、専門サイトサーバ30に対して送る。
【0085】
専門サイトサーバ30の制御部301は、その翻訳依頼についての処理プログラムを備えており、図8のフローチャートに示すような処理を実行する。
【0086】
すなわち、図8に示すように、専門サイトサーバ30の制御部301は、クライアント端末2からの翻訳依頼の受信を監視し(ステップS301)、翻訳依頼を受信してはいないと判別したときには、その他の処理を実行し(ステップS302)、その処理の終了後、ステップS301に戻る。
【0087】
ステップS301で、翻訳依頼を受信したと判別したときには、制御部301の制御の下、翻訳依頼受付部303は、その翻訳依頼を受け付け、その翻訳依頼に含まれる第2の言語の指定情報を専門辞書言語選択部305に転送する。この転送を受けた専門辞書言語選択部305は、専門辞書308の指定された第2の言語用の専門辞書部を選択する。そして、中間翻訳部304は、選択された第2の言語用の専門辞書部を用いて、翻訳依頼受付部303で受け付けた翻訳対象文について前述した中間翻訳を実行する(ステップS303)。この中間翻訳の結果、前述したように、第2の言語用の専門辞書部により翻訳できた語のみが第2の言語に翻訳され、その他は、第1の言語である日本語のままとされた中間翻訳結果が得られる。そして、中間翻訳部304は、制御部301の制御の下に、その中間翻訳結果を機械翻訳依頼部306に送る。
【0088】
次に、制御部301の制御の下に、機械翻訳依頼部306は、中間翻訳部304から取得した中間翻訳結果と、翻訳依頼受付部303から取得した、指定された第2の言語の情報とを含む機械翻訳依頼を生成し、記憶している機械翻訳サーバ5のURLを用いて、当該機械翻訳サーバ5に機械翻訳を依頼する(ステップS304)。
【0089】
機械翻訳サーバ5は、この機械翻訳依頼を受け取ると、中間翻訳結果について機械翻訳を実行して、その機械翻訳結果を中間翻訳結果と共に機械翻訳依頼を送ってきた専門サイトサーバ30に送信する。
【0090】
専門サイトサーバ30の制御部301は、通信インターフェース302の出力を監視して、この機械翻訳サーバ5からの機械翻訳結果の受信を待つ(ステップS305)。そして、制御部301は、このステップS305で、機械翻訳サイト5からの機械翻訳結果を受け取ったと判別したときには、受け取った機械翻訳結果を翻訳結果転送部307に供給する。
【0091】
翻訳結果転送部307は、受け取った機械翻訳結果を、翻訳依頼を送ってきたクライアント端末2に送信する(ステップS306)。専門サイトサーバ3の処理は、これで終了となる。クライアント端末2は、受け取った機械翻訳結果をディスプレイ画面に表示するなどして、ユーザに提示する。
【0092】
以上のようにして、この第2の実施形態においては、クライアント端末から翻訳依頼された専門用途の翻訳対象文は、専門サイトサーバ3において、専門用途の語のみが、対応するカテゴリ別専門辞書が用いられて予め指定された第2の言語に翻訳された中間翻訳結果に変換される。そして、その中間翻訳結果が、汎用の機械翻訳用辞書を用いる機械翻訳により機械翻訳されることにより、より高精度の翻訳結果が得られるようにされる。
【0093】
この第2の実施形態では、中間翻訳が中間翻訳サーバ4で実行される代わりに専門サイトサーバ3で実行される点は異なるが、第1の実施形態と全く同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0094】
[第3の実施形態]
上述した第1の実施形態の翻訳システムは、専門サイトサーバ3と中間翻訳サーバ4と機械翻訳サーバ5とを、それぞれ別個に備える構成であるが、中間翻訳サーバ4が、機械翻訳サーバ5の機能を備えるようにしても良い。第3の実施形態は、そのように構成した翻訳システムの場合である。
【0095】
すなわち、第3の実施形態においては、図1において、機械翻訳サーバ5は設けられない。その代わりに、図9に示すように、中間翻訳サーバ4には、図2に示した各ブロックに加えて、更に、機械翻訳部408と辞書言語選択部409とを、システムバス400に接続して設けると共に、辞書言語選択部409に汎用の機械翻訳用辞書410を接続して設ける。
【0096】
そして、この第3の実施形態においては、中間翻訳サーバ4の機械翻訳依頼部406は、中間翻訳結果および第2の言語の指定情報を伴う機械翻訳依頼を、機械翻訳サーバ5に送る代わりに、機械翻訳部408に供給する。そして、機械翻訳部408は、受け取った第2の言語の指定情報を辞書言語選択部409に供給する。辞書言語選択部409は、指定された第2の言語の機械翻訳用辞書を、機械翻訳用辞書401から選択する。そして、機械翻訳部408は、受け取った中間翻訳結果について、指定された第2の言語への機械翻訳を、選択された機械翻訳用辞書を用いて実行し、その機械翻訳結果を、翻訳結果転送部407に供給する。翻訳結果転送部407は、受け取った機械翻訳結果を、専門サイトサーバ3に送るようにする。
【0097】
なお、上述の図9の中間翻訳サーバ4の構成において、中間翻訳依頼受付部403、中間翻訳部404、専門辞書選択部405、機械翻訳依頼部406、翻訳結果転送部407、機械翻訳部408、辞書言語選択部409のそれぞれの処理機能は、制御部401のCPUが、ソフトウエアプログラムにしたがって実行するソフトウエア機能として構成することができるものであるが、便宜上、機能ブロックとして記載したものである。
【0098】
この第3の実施形態においても、上述した第1の実施形態と全く同様の効果を得ることができることは明らかであろう。
【0099】
[第4の実施形態]
上述した第2の実施形態の翻訳システムは、クライアント端末2と専門サイトサーバ30と機械翻訳サーバ5とを備える構成であるが、専門サイトサーバ30が、機械翻訳サーバ5の機能をも備えるようにしても良い。第4の実施形態は、そのように構成した翻訳システムの場合である。
【0100】
すなわち、この第4の実施形態では、図6において、機械翻訳サーバ5は設けられない。その代わりに、図示は、省略するが、専門サイトサーバ30には、図7に示した各ブロックに加えて、第2の実施形態と同様に、機械翻訳部と辞書言語選択部とを、システムバス300に接続して設けると共に、辞書言語選択部に汎用の機械翻訳用辞書を接続して設ける構成とする。
【0101】
この第4の実施形態においても、上述した第2の実施形態と同様にして、専門サイトサーバ30において、中間翻訳部304で得られた中間翻訳結果が機械翻訳される。そして、機械翻訳結果が、クライアント端末2に送信される。
【0102】
この第4の実施形態においても、上述した第1の実施形態および第2の実施形態と全く同様の効果を得ることができることは明らかであろう。
【0103】
[第5の実施形態]
上述の第1の実施形態では、専門サイトサーバ3と、中間翻訳サーバ4と、機械翻訳サーバ5とを、それぞれ個別に設ける構成としたが、これらのサーバ3,4,5の機能を、一つのサーバが備えるように構成しても良い。
【0104】
その場合には、クライアント端末2は、そのサーバに翻訳依頼するときに、翻訳対象文および第2の言語の指定情報と共に専門用途の指定情報を、サーバに送るようにする。サーバは、クライアント端末2からの翻訳依頼に含まれる専門用途の指定情報により、複数のカテゴリ別専門辞書の中から、指定された専門用途および第2の言語用の専門辞書を選択して、中間翻訳を実行する。そして、サーバは、その中間翻訳結果を、機械翻訳して、クライアント端末2に送信するようにするものである。
【0105】
この第5の実施形態においても、上述の第1の実施形態と全く同様の作用効果が得られる。
【0106】
[第6の実施形態]
以上の実施形態では、中間翻訳部は、サーバ側に設けるようにした。これに対して、以下に説明する第6の実施形態では、クライアント端末側に、中間翻訳部を設けるようにした例である。
【0107】
図10は、この第6の実施形態の翻訳システムの構成例を示すブロック図である。この図6において、上述した第1の実施形態の翻訳システムと同一部分には、同一番号を付してその詳細な説明は省略する。
【0108】
図10に示すように、この第6の実施形態の翻訳システムは、通信ネットワークの例としてのインターネット1に対して接続されている、クライアント端末20と、機械翻訳サーバ5と、ポータルサイト(サーバ)6により構成されている。ポータルサイト6は、自ホームページを有するだけでなく、種々のWebサイト(ホームページ)を紹介したり、検索エンジンを用いて検索サービスを実行したり、メールサービス、ツイッターサービスなどを提供する。
【0109】
この第6の実施形態のクライアント端末20は、図11に示すように、この例においては、パーソナルコンピュータの構成とされている。すなわち、クライアント端末20は、CPU、ROMおよびRAMからなる制御部201に対して、システムバス200を介して、通信インターフェース202、ディスプレイインターフェース203、操作入力部インターフェース204、ネットワークアプリケーション(ネットワークアプリと略称する)実行部205、中間翻訳部206、専門辞書207が接続されて構成されている。
【0110】
通信インターフェース202は、クライアント端末20が、インターネット1を通じてポータルサイト6や機械翻訳サーバ5と通信を行うためのインターフェースである。ディスプレイインターフェース203には、例えばLCD(Liquid Crystal Display)などのディスプレイ208が接続されている。このディスプレイインターフェース203は、制御部201の表示制御に基づいて、ディスプレイ208の画面に、例えばブラウザによる表示画像や、その他の種々のアプリケーションソフトウエアによる表示画像を表示する。
【0111】
操作入力部インターフェース208には、キーボードやマウスなどからなる操作入力部209が接続される。操作入力部インターフェース208は、操作入力部209で、どのような操作入力がされたかを示す操作入力情報を制御部201に伝達する。制御部201は、この操作入力部インターフェース208からの操作入力情報を解析して、操作されたキーや、マウスにおいてなされた操作を判別し、その判別結果に応じた処理を実行する。
【0112】
ネットワークアプリ実行部205は、インターネット1への接続のためのアプリケーションプログラムおよびブラウザを備え、制御部201の制御の下に、インターネット1を通じてポータルサイト6にアクセスしたり、機械翻訳サーバ5にアクセスしたりする。
【0113】
中間翻訳部206は、この第5の実施形態では、クライアント端末20のユーザにより取得されて、当該クライアント端末20にインストールされたアプリケーションプログラム(APIと略称する)である。専門辞書207は、この中間翻訳部206のAPIに付随するものとして提供されたものであり、中間翻訳部206のAPIと共にクライアント端末20にインストールされる。
【0114】
この専門辞書207は、前述と同様に、俳句、囲碁、将棋、フィッシングなどの特定の趣味用途や、旅行、観光、ショッピング、グルメなどの特定の目的用途などの専門用途のそれぞれ毎に用意されている複数の専門辞書から、ユーザにより選択されたものである。専門辞書207と中間翻訳部206とが組み合わされることにより、専用用途の中間翻訳用アプリとなる。
【0115】
また、専門辞書としては、翻訳前の第1の言語の例である日本語から、翻訳後の複数の第2の言語、例えば英語、中国語、韓国語、スペイン語などのそれぞれへの翻訳のための言語別の複数個の言語別専門辞書として用意されているが、専門辞書207は、それらの複数個の第2の言語別専門辞書のうちから、ユーザにより選択された第2の言語用の専門辞書である。この例では、第2の言語として例えば英語が選択されている。
【0116】
例えば、ユーザは、俳句や将棋が趣味で、その俳句や将棋についてブログやツイッターを発信する場合には、俳句や将棋を専門用途とする専門辞書を専門辞書207として取得して、中間翻訳部206のAPIと共に、クライアント端末20にインストールする。
【0117】
ユーザは、この中間翻訳部206のAPIおよび専門辞書207は、パッケージソフトとして購入したり、インターネット1を通じて所定のWebサイトから購入してダウンロードしたりすることにより取得し、クライアント端末20にインストールする。
【0118】
この中間翻訳部206のAPIは、操作入力部209を通じたユーザの操作入力により、翻訳対象文が指定され、その翻訳依頼が発生したときに制御部201により起動され、専門辞書207を用いて、中間翻訳処理を実行する。なお、この中間翻訳部206をインストールした後、ユーザは、機械翻訳に利用する機械翻訳サーバ(サイト)5のURLを登録して、中間翻訳部206に対応して記憶させるようにする。
【0119】
なお、図11のクライアント端末20の構成において、中間翻訳部206、ネットワークアプリ実行部205のそれぞれの処理機能は、前述したように、制御部301のCPUが、ソフトウエアプログラムにしたがって実行するソフトウエア機能として構成するものであるが、便宜上、機能ブロックとして記載したものである。
【0120】
[第6の実施形態におけるクライアント端末20の動作例]
図12および図13は、この第6の実施形態の翻訳システムにおけるクライアント端末20の動作例を説明するためのフローチャートである。
【0121】
クライアント端末20の制御部201は、操作入力部インターフェース204からの操作入力情報を監視し、ネットワークアプリ起動要求操作がなされたか否か判別し(ステップS401)、ネットワークアプリ起動要求操作がなされていないと判別したときには、その他の処理を実行し(ステップS402)、その処理の終了後、ステップS401の処理に戻る。
【0122】
ステップS401で、ネットワークアプリ起動要求操作がなされたと判別したときには、制御部201は、ネットワークアプリ実行部205を起動して、インターネット1を通じてポータルサイト6に接続する処理を実行すると共に、ブラウザを立ち上げ、ポータルサイトのホームページをディスプレイ208の画面に表示する(ステップS403)。
【0123】
次に、制御部201は、操作入力部インターフェース204からの操作入力情報を監視して、操作入力がされるのを待ち(ステップS404)、操作入力がなされたと判別したときには、その操作入力は、ネットワークアプリの終了操作であるか否か判別する(ステップS405)。
【0124】
ステップS405で、操作入力は、ネットワークアプリの終了操作であると判別したときには、制御部201は、インターネット1を通じたネットワーク接続を切断し、ブラウザを閉じる(ステップS406)。その後、制御部201は、処理をステップS401に戻す。
【0125】
また、ステップS405で、操作入力は、ネットワークアプリの終了操作ではないと判別したときには、制御部201は、翻訳依頼であるか否か判別し(ステップS407)、翻訳依頼ではないと判別したときには、その操作入力に応じた処理、例えば日本語によるブログやツイッター文の入力処理、を実行する(ステップS408)。このステップS408での処理が終了した後、制御部201は、処理をステップS404に戻す。
【0126】
そして、ステップS407で、操作入力は翻訳依頼であると判別したときには、制御部201は、中間翻訳部206を起動して、図13に示す中間翻訳処理を実行して、翻訳結果を取得する(ステップS409)。このステップS409の中間翻訳処理を終了すると、制御部201は、処理をステップS404に戻す。
【0127】
次に、ステップS409で実行される、この第6の実施形態における中間翻訳部206での中間翻訳処理の動作例を、図13のフローチャートについて説明する。
【0128】
中間翻訳部206は、翻訳依頼された翻訳対象文、例えばブログやツイッター文を形態素解析し、品詞毎の語に分解する(ステップS501)。そして、中間翻訳部206は、形態素解析により分離した各語について、専門辞書207により翻訳できるもののみを、第2の言語に翻訳して、中間翻訳を実行するようにする(ステップS502)。
【0129】
次に、中間翻訳部206は、ステップS502で得た中間翻訳結果を、予め記憶しているURLを用いて、インターネット1を通じて機械翻訳サーバ5に送って、機械翻訳依頼をする(ステップS503)。そして、中間翻訳部206は、機械翻訳サーバ5からの機械翻訳結果を受信して、ディスプレイ208の画面に表示すると共に、バッファメモリに一時記憶しておく(ステップS504)。
【0130】
以上の処理動作の具体例について、例えばツイッターを行う場合を例にとって説明する。クライアント端末20のユーザは、ポータルサイト6にアクセスして、ツイッターを選択し、ツイッター文を入力する。そして、ユーザは、その翻訳依頼を操作入力する。すると、表示画面には、ユーザが入力した日本語のツイッター文と、機械翻訳結果として取得した第2の言語のツイッター文とが表示される。そして、ユーザがツイッターのアップ操作をすると、日本語と第2の言語のツイッター文が、ポータルサイト6にアップされる。この場合に、中間翻訳部206で処理されて得られた機械翻訳結果は、第1の実施形態で挙げた具体例の例文と全く同様のものとなることは、容易に理解できよう。
【0131】
以上のようにして、この第6の実施形態によれば、ユーザは、例えば自分の趣味や興味がある専門用途用の中間翻訳アプリケーションソフトウエアを、上述した専門辞書付きで、パッケージソフトとして、あるいはインターネットを通じたネットワーク販売を通じて取得してクライアント端末20にインストールすることにより、機械翻訳よりも高精度の翻訳結果をえることができる。したがって、ブログやツイッターを日本語共に、外国人向けに、提供することが容易になる。
【0132】
また、クライアント端末20から、例えば観光サイトにアクセスし、外国人観光客向けに、コメントをアップロードする際にも、より高精度の外国語のコメントをアップロードすることができる。
【0133】
上述の第6の実施形態の説明では、クライアント端末20は、パーソナルコンピュータの構成としたが、携帯電話端末やパッド型携帯情報端末であっても良い。
【0134】
[その他の実施形態および変形例]
以上の実施形態は、いずれも、クライアント端末とネットワークを通じたサーバとからなる構成であった。しかし、この発明は、スタンドアローンの翻訳システムの構成とすることもできる。その場合に、翻訳システムは、多種の専門用途に対応する構成として、ユーザにより、翻訳対象文の翻訳の際に、その専門用途を指定してもらうように構成しても良いし、特定の専門用途のみの翻訳のみを可能にする構成であっても良い。前者の場合には、第1の実施形態と同様に、複数の専門用途用の専門辞書を備える必要があり、後者の場合には、前記特定の専門用途用の専門辞書を備えるだけで良い。
【0135】
また、上述の実施形態では、第1の言語は、全て日本語であって、第2の言語が外国語であると場合として説明したが、第1の言語は、日本語に限られるものではないことは言うまでもなく、第1の言語および第2の言語は任意の言語であっても良い。
【符号の説明】
【0136】
1…通信ネットワーク、2,20…クライアント端末、3,30…専門サイトサーバ、4…中間翻訳サーバ、5…機械翻訳サーバ、41〜4n…カテゴリ別専門辞書、207、308…専門辞書
【特許請求の範囲】
【請求項1】
汎用の機械翻訳用辞書を用いて機械翻訳を実行する機械翻訳実行手段と、
第1の言語による特定の専門用途に関する翻訳対象文を、前記第1の言語とは異なる第2の言語に翻訳する翻訳依頼を受け付ける翻訳依頼受付手段と、
前記翻訳依頼受付手段で受け付けた翻訳依頼に基づき、前記第1の言語による翻訳対象文を解析し、前記特定の専門用途における前記第1の言語の語を前記第2の言語の語に変換するための専門辞書により変換可能な語のみを前記第2の言語の語に変換する中間翻訳を実行し、前記第1の言語と前記第2の言語とが混在する中間翻訳結果を得、前記中間翻訳結果を前記機械翻訳実行手段に渡す中間翻訳実行手段と、
を備え、
前記機械翻訳実行手段で、前記中間翻訳結果について機械翻訳が実行されて得られた機械翻訳結果を、前記翻訳依頼に応じた翻訳結果とする
ことを特徴とする翻訳システム。
【請求項2】
ネットワークを通じて接続されるクライアント端末と、第1のサーバと、第2のサーバと、第3のサーバとからなる請求項1に記載の翻訳システムであって、
前記第1のサーバは、前記クライアント端末からの前記翻訳依頼を受け付ける前記翻訳依頼受付手段を備える前記特定の専門用途のWebサイトのサーバであり、受け付けた前記翻訳依頼を、前記特定の専門用途の識別情報を付加して、前記第2のサーバに転送し、
前記第2のサーバは、前記専門用途別に、前記専門辞書を複数個備えると共に、前記中間翻訳実行手段を備え、前記第1のサーバから転送されてくる前記翻訳依頼に付加されている前記専門用途の識別情報に基づいて、前記複数個の専門辞書の中から、前記特定の専門用途用の専門辞書を選択して、前記中間翻訳を実行し、前記中間翻訳結果を前記第3のサーバに送信し、
前記第3のサーバは、前記機械翻訳実行手段を備え、前記第2のサーバからの前記中間翻訳結果に対して機械翻訳を実行し、その機械翻訳結果を、前記第2のサーバに返信し、
前記第2のサーバは、前記第3のサーバから受け取った前記機械翻訳結果を、前記1のサーバに前記翻訳依頼の転送に対応して返信し、
前記第1のサーバは、前記第2のサーバから取得した前記機械翻訳結果を、前記クライアント端末からの前記翻訳依頼に対する翻訳結果として前記ネットワークに送出する
ことを特徴とする翻訳システム。
【請求項3】
ネットワークを通じて接続されるクライアント端末と、第1のサーバと、第2のサーバとからなる請求項1に記載の翻訳システムであって、
前記第1のサーバは、前記機械翻訳実行手段を備え、
前記第2のサーバは、前記専門用途のWebサイトのサーバであって、前記クライアント端末から送られてくる前記翻訳依頼を受け付ける前記翻訳依頼受付手段と、前記中間翻訳実行手段とを備え、
前記第2のサーバの前記中間翻訳実行手段は、前記専門用途用の専門辞書を備え、前記翻訳依頼受付手段で受け付けた前記翻訳依頼に基づき、前記専門辞書を用いて中間翻訳を実行し、その中間翻訳結果を含む翻訳依頼を前記第1のサーバに送信し、
前記第1のサーバは、前記第2のサーバからの前記中間翻訳結果を含む翻訳依頼に対して機械翻訳を実行し、その機械翻訳結果を、前記第2のサーバに返信し、
前記第2のサーバは、前記第1のサーバから取得した前記機械翻訳結果を、前記クライアント端末からの前記翻訳依頼に対する翻訳結果として前記ネットワークに送出する
ことを特徴とする翻訳システム。
【請求項4】
ネットワークを通じて接続されるクライアント端末と、第1のサーバと、第2のサーバとからなる請求項1に記載の翻訳システムであって、
前記第1のサーバは、前記クライアント端末からの前記翻訳依頼を受け付ける前記翻訳依頼受付手段を備える前記特定の専門用途のWebサイトのサーバであり、受け付けた前記翻訳依頼を、前記特定の専門用途の識別情報を付加して、前記第2のサーバに転送し、
前記第2のサーバは、前記専門用途別に、前記専門辞書を複数個備えると共に、前記機械翻訳手段と、前記中間翻訳実行手段とを備え、前記第1のサーバから転送されてくる前記翻訳依頼に付加されている前記専門用途の識別情報に基づいて、前記複数個の専門辞書の中から、前記特定の専門用途用の専門辞書を選択して、前記中間翻訳を実行し、その中間翻訳結果を前記機械翻訳手段により前記機械翻訳を実行し、その機械翻訳結果を、前記第1のサーバに返信し、
前記第1のサーバは、前記第2のサーバから取得した前記機械翻訳結果を、前記クライアント端末からの前記翻訳依頼に対する翻訳結果として前記ネットワークに送出する
ことを特徴とする翻訳システム。
【請求項5】
ネットワークを通じて接続されるクライアント端末と、サーバとからなる請求項1に記載の翻訳システムであって、
前記クライアント端末は、前記第1の言語による特定の専門用途に関する翻訳対象文を、前記第1の言語とは異なる第2の言語に翻訳する翻訳依頼を前記ネットワークを通じて前記サーバに送信し、
前記サーバは、前記機械翻訳実行手段と、前記翻訳依頼受付手段と、前記中間翻訳実行手段とを備える
ことを特徴とする翻訳システム。
【請求項6】
請求項5に記載の翻訳システムにおいて、
前記サーバは、前記特定の専門用途のWebサイトのサーバであり、前記専門辞書として、当該サーバにおける前記特定の専門用途用の専門辞書を備える
ことを特徴とする翻訳システム。
【請求項7】
請求項5に記載の翻訳システムにおいて、
前記サーバは、前記専門用途別に、前記専門辞書を複数個備え、前記クライアント端末からの翻訳依頼に含まれる専門用途の指定情報に応じて、前記複数個の専門辞書から、前記中間翻訳に用いる専門辞書を選択する手段を備える
ことを特徴とする翻訳システム。
【請求項8】
ネットワークを通じて接続されるクライアント端末と、サーバとからなる請求項1に記載の翻訳システムであって、
前記クライアント端末は、前記翻訳依頼受付手段と、前記中間翻訳実行手段とを備え、
前記サーバは、前記機械翻訳実行手段を備え、
前記クライアント端末の前記中間翻訳実行手段は、前記専門用途用の専門辞書を備え、前記翻訳依頼受付手段で受け付けた前記翻訳依頼に基づき、前記専門辞書を用いて中間翻訳を実行し、その中間翻訳結果を含む翻訳依頼を前記サーバに送信し、
前記サーバは、前記クライアントからの前記中間翻訳結果を含む翻訳依頼に対して機械翻訳を実行し、その機械翻訳結果を、前記クライアント端末からの前記翻訳依頼に対する翻訳結果として前記ネットワークに送出する
ことを特徴とする翻訳システム。
【請求項1】
汎用の機械翻訳用辞書を用いて機械翻訳を実行する機械翻訳実行手段と、
第1の言語による特定の専門用途に関する翻訳対象文を、前記第1の言語とは異なる第2の言語に翻訳する翻訳依頼を受け付ける翻訳依頼受付手段と、
前記翻訳依頼受付手段で受け付けた翻訳依頼に基づき、前記第1の言語による翻訳対象文を解析し、前記特定の専門用途における前記第1の言語の語を前記第2の言語の語に変換するための専門辞書により変換可能な語のみを前記第2の言語の語に変換する中間翻訳を実行し、前記第1の言語と前記第2の言語とが混在する中間翻訳結果を得、前記中間翻訳結果を前記機械翻訳実行手段に渡す中間翻訳実行手段と、
を備え、
前記機械翻訳実行手段で、前記中間翻訳結果について機械翻訳が実行されて得られた機械翻訳結果を、前記翻訳依頼に応じた翻訳結果とする
ことを特徴とする翻訳システム。
【請求項2】
ネットワークを通じて接続されるクライアント端末と、第1のサーバと、第2のサーバと、第3のサーバとからなる請求項1に記載の翻訳システムであって、
前記第1のサーバは、前記クライアント端末からの前記翻訳依頼を受け付ける前記翻訳依頼受付手段を備える前記特定の専門用途のWebサイトのサーバであり、受け付けた前記翻訳依頼を、前記特定の専門用途の識別情報を付加して、前記第2のサーバに転送し、
前記第2のサーバは、前記専門用途別に、前記専門辞書を複数個備えると共に、前記中間翻訳実行手段を備え、前記第1のサーバから転送されてくる前記翻訳依頼に付加されている前記専門用途の識別情報に基づいて、前記複数個の専門辞書の中から、前記特定の専門用途用の専門辞書を選択して、前記中間翻訳を実行し、前記中間翻訳結果を前記第3のサーバに送信し、
前記第3のサーバは、前記機械翻訳実行手段を備え、前記第2のサーバからの前記中間翻訳結果に対して機械翻訳を実行し、その機械翻訳結果を、前記第2のサーバに返信し、
前記第2のサーバは、前記第3のサーバから受け取った前記機械翻訳結果を、前記1のサーバに前記翻訳依頼の転送に対応して返信し、
前記第1のサーバは、前記第2のサーバから取得した前記機械翻訳結果を、前記クライアント端末からの前記翻訳依頼に対する翻訳結果として前記ネットワークに送出する
ことを特徴とする翻訳システム。
【請求項3】
ネットワークを通じて接続されるクライアント端末と、第1のサーバと、第2のサーバとからなる請求項1に記載の翻訳システムであって、
前記第1のサーバは、前記機械翻訳実行手段を備え、
前記第2のサーバは、前記専門用途のWebサイトのサーバであって、前記クライアント端末から送られてくる前記翻訳依頼を受け付ける前記翻訳依頼受付手段と、前記中間翻訳実行手段とを備え、
前記第2のサーバの前記中間翻訳実行手段は、前記専門用途用の専門辞書を備え、前記翻訳依頼受付手段で受け付けた前記翻訳依頼に基づき、前記専門辞書を用いて中間翻訳を実行し、その中間翻訳結果を含む翻訳依頼を前記第1のサーバに送信し、
前記第1のサーバは、前記第2のサーバからの前記中間翻訳結果を含む翻訳依頼に対して機械翻訳を実行し、その機械翻訳結果を、前記第2のサーバに返信し、
前記第2のサーバは、前記第1のサーバから取得した前記機械翻訳結果を、前記クライアント端末からの前記翻訳依頼に対する翻訳結果として前記ネットワークに送出する
ことを特徴とする翻訳システム。
【請求項4】
ネットワークを通じて接続されるクライアント端末と、第1のサーバと、第2のサーバとからなる請求項1に記載の翻訳システムであって、
前記第1のサーバは、前記クライアント端末からの前記翻訳依頼を受け付ける前記翻訳依頼受付手段を備える前記特定の専門用途のWebサイトのサーバであり、受け付けた前記翻訳依頼を、前記特定の専門用途の識別情報を付加して、前記第2のサーバに転送し、
前記第2のサーバは、前記専門用途別に、前記専門辞書を複数個備えると共に、前記機械翻訳手段と、前記中間翻訳実行手段とを備え、前記第1のサーバから転送されてくる前記翻訳依頼に付加されている前記専門用途の識別情報に基づいて、前記複数個の専門辞書の中から、前記特定の専門用途用の専門辞書を選択して、前記中間翻訳を実行し、その中間翻訳結果を前記機械翻訳手段により前記機械翻訳を実行し、その機械翻訳結果を、前記第1のサーバに返信し、
前記第1のサーバは、前記第2のサーバから取得した前記機械翻訳結果を、前記クライアント端末からの前記翻訳依頼に対する翻訳結果として前記ネットワークに送出する
ことを特徴とする翻訳システム。
【請求項5】
ネットワークを通じて接続されるクライアント端末と、サーバとからなる請求項1に記載の翻訳システムであって、
前記クライアント端末は、前記第1の言語による特定の専門用途に関する翻訳対象文を、前記第1の言語とは異なる第2の言語に翻訳する翻訳依頼を前記ネットワークを通じて前記サーバに送信し、
前記サーバは、前記機械翻訳実行手段と、前記翻訳依頼受付手段と、前記中間翻訳実行手段とを備える
ことを特徴とする翻訳システム。
【請求項6】
請求項5に記載の翻訳システムにおいて、
前記サーバは、前記特定の専門用途のWebサイトのサーバであり、前記専門辞書として、当該サーバにおける前記特定の専門用途用の専門辞書を備える
ことを特徴とする翻訳システム。
【請求項7】
請求項5に記載の翻訳システムにおいて、
前記サーバは、前記専門用途別に、前記専門辞書を複数個備え、前記クライアント端末からの翻訳依頼に含まれる専門用途の指定情報に応じて、前記複数個の専門辞書から、前記中間翻訳に用いる専門辞書を選択する手段を備える
ことを特徴とする翻訳システム。
【請求項8】
ネットワークを通じて接続されるクライアント端末と、サーバとからなる請求項1に記載の翻訳システムであって、
前記クライアント端末は、前記翻訳依頼受付手段と、前記中間翻訳実行手段とを備え、
前記サーバは、前記機械翻訳実行手段を備え、
前記クライアント端末の前記中間翻訳実行手段は、前記専門用途用の専門辞書を備え、前記翻訳依頼受付手段で受け付けた前記翻訳依頼に基づき、前記専門辞書を用いて中間翻訳を実行し、その中間翻訳結果を含む翻訳依頼を前記サーバに送信し、
前記サーバは、前記クライアントからの前記中間翻訳結果を含む翻訳依頼に対して機械翻訳を実行し、その機械翻訳結果を、前記クライアント端末からの前記翻訳依頼に対する翻訳結果として前記ネットワークに送出する
ことを特徴とする翻訳システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−61827(P2013−61827A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−200214(P2011−200214)
【出願日】平成23年9月14日(2011.9.14)
【出願人】(500578216)株式会社ゼンリンデータコム (231)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月14日(2011.9.14)
【出願人】(500578216)株式会社ゼンリンデータコム (231)
【Fターム(参考)】
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