説明

耐暑熱性に優れた防護衣

【課題】本発明は、断熱性、通気性、透湿性等が優れ、表面が滑らかで木の枝や茨が引っかかりにくく、森林作業がしやすい耐暑熱性に優れた防護衣、特に、チェンソーに対する防護性は優れている防護衣を提供する。
【解決手段】ポリエステル繊維がレノー織りされた表面層と、横糸がポリエステル短繊維と綿の混紡糸(T/C糸)及びポリエステルスパン糸であり、縦糸がポリエステル長繊維である平織り層が二重織りされて一体化されてなる布帛の平織り層に通気性防護材が積層されてなることを特徴とする耐暑熱性に優れた防護衣。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐暑熱性に優れた防護衣、特に、チェンソーから保護するのに好適な耐暑熱性に優れた防護衣に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化に伴い、夏場の気温上昇が激しく、35℃以上の真夏日になる日数が年々増加してきている。森林作業従事者にとっては過酷な環境下での作業となり、熱中症等で命を落とすものまででてきている。特に、チェンソー作業従事者はチェンソー及び付属品を含めると約20kgになる作業装置を用いて作業をするので、夏場における作業は極めて過酷であり、耐暑熱性とチェンソーに対する防護性の両方を有する防護衣が望まれている。
【0003】
チェンソーに対する防護衣としては、例えば、「チェンソーを手に持ち木材切断作業を行う作業者の上着、ズボン、或は腕抜き、脚絆等に取付けられ、前記チェンソーの刃が誤って前記作業者の着衣に触れたとき、前記作業者の身体を前記チェンソーから保護するためのチェンソー防護衣であって、前記チェンソーの刃部が接触したとき、前記刃に食い込まれて順次上層から下層にかけて前記チェンソー本体内に引き込み可能な多層の被引き込み層を有し、前記被引き込み層は、1層当りの厚みが前記チェンソーの刃の深さより十分小さな値とすると共に、少なくとも前記刃の移動方向と直交する糸がV字形状に引き伸ばされて、その後に次の下層が引き込まれるよう端部止めし、合計厚みを前記刃の深さと同じか又はそれ以上の値とし、さらに全体を折り曲げて手を乗せて押圧したとき、その内面を相互に接触させることができる柔軟構造としたことを特徴とするチェンソー防護衣(例えば、特許文献1参照。)が提案されている。
【特許文献1】特許第4,085,014号公報
【0004】
上記防護衣は作業者の上着、ズボン、或は腕抜き、脚絆等の作業着に取付けられて使用され、チェンソーに対する防護性は優れている。しかし、上記防護衣は作業者の作業着の内側に取付けられて使用されるので、防護衣は保温材として作用し、耐暑熱性が不足し夏場に使用することは不可能であった。
【0005】
断熱性、通気性、透湿性等の優れた作業着は、太陽熱を遮断し、作業者の発する体熱や汗を放射しやすいので耐暑熱性が優れているが、該作業着は一般に目の粗い布地が使用されているため、森林作業においては木の枝や茨が引っかかりやすく作業性が悪い、破れやすい等の欠点があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、上記欠点に鑑み、断熱性、通気性、透湿性等が優れ、表面が滑らかで木の枝や茨が引っかかりにくく、森林作業がしやすい耐暑熱性に優れた防護衣、特に、チェンソーに対する防護性は優れている防護衣を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
即ち、本発明は、
[1]ポリエステル繊維がレノー織りされた表面層と、横糸がポリエステル短繊維と綿の混紡糸(T/C糸)及びポリエステルスパン糸であり、縦糸がポリエステル長繊維である平織り層が二重織りされて一体化されてなる布帛の平織り層に通気性防護材が積層されてなることを特徴とする耐暑熱性に優れた防護衣、
[2]ポリエステル繊維の太さが、75〜250デシテックスであることを特徴とする上記[1]記載の耐暑熱性に優れた防護衣、
[3]表面層と平織り層は、ポリエステル繊維以外が表面層の表面に露出しないように二重織りされて一体化されてなることを特徴とする上記[1]又は[2]記載の耐暑熱性に優れた防護衣、
[4]通気性防護材が、チェンソーの刃部が接触したとき、刃に食い込まれて順次上層から下層にかけてチェンソー本体内に引き込み可能な多層の被引き込み層からなることを特徴とする上記[1]〜[3]のいずれか1項記載の耐暑熱性に優れた防護衣前記、
[5]被引き込み層は、1層当りの厚みがチェンソーの刃の深さより十分に小さく、合計厚みが刃の深さと同じか又はそれ以上であり、且つ、全体を折り曲げて手を乗せて押圧したとき、その内面を相互に接触させることができる柔軟構造であり、少なくとも刃の移動方向と直交する糸がV字形状に引き伸ばされて、その後に次の下層が引き込まれるよう端部止めされていることを特徴とする上記[4]記載の耐暑熱性に優れた防護衣、
[6]被引き込み層が、刃の移動方向と直交する多数のフィラメントを集合させた縦糸と、端部固定位置が外れるまでの間、前記刃の移動に伴ってV字形状に比較的容易に引き伸ばされるように縦糸を保持する横糸とを有する織布であることを特徴とする上記[5]記載の耐暑熱性に優れた防護衣、
[7]被引き込み層が、その各端部で比較的ゆるく固定されている、高強度繊維のニットであることを特徴とする上記[5]記載の耐暑熱性に優れた防護衣、及び、
[8]防護衣が、チェンソー防護衣であることを特徴とする上記[4]〜[7]のいずれか1項記載の耐暑熱性に優れた防護衣
に関する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の防護衣の構成は上述の通りであり、布帛は、ポリエステル繊維がレノー織りされた表面層と、横糸がポリエステル短繊維と綿の混紡糸(T/C糸)及びポリエステルスパン糸であり、縦糸がポリエステル長繊維である平織り層が二重織りされて一体化されてなるので、断熱性、通気性、透湿性等が優れ、表面が滑らかで木の枝や茨が引っかかりにくいので森林作業がしやすく耐暑熱性に優れており、又、通気性防護材が、チェンソーの刃部が接触したとき、刃に食い込まれて順次上層から下層にかけてチェンソー本体内に引き込み可能な多層の被引き込み層からなる防護衣はチェンソーに対する防護性が優れている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明で使用される布帛は、ポリエステル繊維がレノー織りされた表面層と、横糸がポリエステル短繊維と綿の混紡糸(T/C糸)及びポリエステルスパン糸であり、縦糸がポリエステル長繊維である平織り層が二重織りされて一体化されてなる。
【0010】
上記表面層は、ポリエステル繊維がレノー織りされた層である。表面層は断熱性、通気性、透湿性等が優れ、表面が滑らかで木の枝や茨が引っかかりにくいピリング・スナッキング性が優れているのが好ましいので、ポリエステル繊維はポリエステル樹脂100%の繊維が好ましく、その太さは75〜250デシテックスが好ましく、より好ましくは76〜100デシテックスである。又、表面層はレノー織りされているので、通気性、透湿性等が優れ、表面は滑らかでピリング・スナッキングが優れている。又、ポリエステル繊維よりなるので、引張強度、引裂強度、乾燥収縮性、洗濯収縮性等が優れ、肌触りがよく、軽量である。
【0011】
上記平織り層は、横糸としてポリエステル短繊維と綿の混紡糸(T/C糸)及びポリエステルスパン糸、縦糸としてポリエステル長繊維が平織りされた層である。混紡糸(T/C糸)とポリエステルスパン糸の配置方法は、特に限定されず、例えば、混紡糸(T/C糸)とポリエステルスパン糸を1本づつ交互に配置する方法、複数の混紡糸(T/C糸)と複数のポリエステルスパン糸を交互に配置する方法、複数の混紡糸(T/C糸)と1本のポリエステルスパン糸を交互に配置する方法、1本の混紡糸(T/C糸)と複数のポリエステルスパン糸を1本づつ交互に配置する方法、混紡糸(T/C糸)とポリエステルスパン糸をランダムに配置する方法等が挙げられる。
【0012】
上記混紡糸(T/C糸)は、ポリエステル短繊維と綿を混紡した糸であり、その重量比率は50〜75:50〜25が好ましい。ポリエステル短繊維の長さは30〜90mmであり、太さは1〜5デシテックスが好ましい。ポリエステルスパン糸は上記ポリエステル短繊維を撚った糸である。平織り層も通気性、透湿性等が優れているのが好ましいので、上記ポリエステル短繊維はポリエステル樹脂100%の繊維が好ましい。又、混紡糸(T/C糸)及びポリエステルスパン糸の太さは20〜60番手が好ましい。上記ポリエステル長繊維もポリエステル樹脂100%の繊維が好ましく、その太さは56〜170デシテックスが好ましい。
【0013】
上記横糸は多数の短繊維が混紡又は撚られて形成されており、且つ綿を含むので吸汗性が優れ、吸収した汗を防護衣の外に容易に気化排出することでき、作業者の体温を低下することができる。又、上記横糸とポリエステル長繊維が平織りされているので、肌触りがよく、通気性、透湿性が優れている。
【0014】
上記ポリエステル系樹脂としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタリン2,6ジカルボン酸、フタル酸、α,β−(4−カルボキシフェニル)エタン、4,4’−ジカルボキシフェニル、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸又はこれらのエステル類と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ポリエチレングリコール、テトラメチレングリコール等のジオール化合物とから重縮合されるポリエステル若しくはその共重合体等が挙げられる。
【0015】
上記表面層と平織り層は二重織りされて一体化されてなるが、表面層の表面に平織り層を構成する横糸又は縦糸がでると表面層の平滑性が低下し、ピリング・スナッキング性が低下するので表面層を形成するポリエステル繊維で表面層と平織り層は二重織りされて一体化されるのが好ましい。
【0016】
本発明の耐暑熱性に優れた防護衣は、上記布帛の平織り層に通気性防護材が積層されてなる。該通気性防護材は、通気性を有すればよく、従来公知の任意の不織布、織布、編み物が使用できる。又、通気性防護材が、織布又は編み物よりなり、チェンソーの刃部が接触したとき、刃に食い込まれて順次上層から下層にかけてチェンソー本体内に引き込み可能な多層の被引き込み層からなると、チェンソーに対する防護性が向上し、チェンソー防護衣として好適に使用できるので好ましい。
【0017】
上記被引き込み層は、1層当りの厚みがチェンソーの刃の深さより十分に小さく、合計厚みが刃の深さと同じか又はそれ以上であり、且つ、全体を折り曲げて手を乗せて押圧したとき、織布又は編み物を相互に接触させることができる柔軟構造であり、少なくとも刃の移動方向と直交する糸がV字形状に引き伸ばされて、その後に次の下層が引き込まれるよう端部止めされているのが好ましい。
【0018】
上記柔軟構造とは、全体を折り曲げて手を乗せて押圧したとき、織布又は編み物を相互に接触させることができる構造であり、例えば、100cm当り1kg程度の荷重により、織布又は編み物を相互に密着させることができる構造である。
【0019】
上記被引き込み層の一例として、刃の移動方向と直交する多数のフィラメントを集合させた縦糸と、端部固定位置が外れるまでの間、前記刃の移動に伴ってV字形状に比較的容易に引き伸ばされるように縦糸を保持する横糸とを有する織布が挙げられる。
【0020】
上記織布の縦糸は、多数のフィラメントを集合させた縦糸であり、チェンソーの刃に接触した際にフィラメントが開繊され太くなって刃にからんでチェンソーの回転を停止する。従って、太さ0.1〜1.0デニールのフィラメントを10〜100本程度集合した、太さ0.1〜1mmのヤーンが好ましい。
【0021】
上記フィラメントとしては、チェンソーの刃により切断されない程度の機械的強度を有しているのが好ましく、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、ナイロン6,10等の脂肪族ポリアミド若しくはその共重合体、芳香族ジアミンとジカルボン酸により形成される半芳香族ポリアミド若しくはその共重合体、全芳香族ポリアミド繊維(アラミド繊維)等のポリアミド系樹脂フィラメントならびに例えばポリエチレン繊維、PBO繊維、ポリアリレート繊維、ザイロン繊維等の高強度高機能繊維が好ましい。
【0022】
上記織布の横糸は、特に限定されないが、通気性、透湿性等が優れた繊維が好ましく、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリアミド系樹脂等の繊維ならびに例えばポリエチレン繊維、PBO繊維、ポリアリレート繊維、ザイロン繊維等の高強度高機能繊維が好ましく、特に、ポリエステル樹脂繊維が好ましい。
【0023】
上記織布の製造方法は、特に限定されず、例えば、平織り、綾織り、朱子織り等があげられる。縦糸はチェンソーの刃部に接触すると、刃にからまり、刃の移動方向に引っ張られるが、縦糸が横糸に強固に固定されていると縦糸は破断されてしまい、刃にからまないので刃の回転力を抑えることができない。従って、縦糸は刃の移動方向に引っ張られた際に、破断されず刃にからみ、端部固定位置が外れるまでの間、前記刃の移動に伴ってV字形状に比較的容易に引き伸ばされるように横糸により保持されている。
【0024】
又、上記被引き込み層の異なる例として、その各端部で比較的ゆるく固定されている、高強度繊維のニットが挙げられる。ニットは伸縮性を有しており、チェンソーの刃部に接触すると、少なくとも刃の移動方向と直交する糸が刃にからまり、刃の移動方向に引っ張られ、刃の回転力を抑えることができる。ニットの少なくとも刃の移動方向と直交する糸が容易に引き伸ばされるには結節点は2〜3個/インチが好ましい。
【0025】
上記高強度繊維は、チェンソーの刃により切断されない程度の機械的強度を有している繊維が好ましく、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、ナイロン6,10等の脂肪族ポリアミド若しくはその共重合体、芳香族ジアミンとジカルボン酸により形成される半芳香族ポリアミド若しくはその共重合体、全芳香族ポリアミド繊維(アラミド繊維)等のポリアミド系樹脂の長繊維、短繊維を撚った繊維及びフィラメントの集合繊維等が挙げられる。
【0026】
更に、上記被引き込み層は、上記高強度繊維よりなるフィラメントを10〜100本程度集合した、太さ0.1〜1mmのヤーンをゆるく平織りした織布又はアスコット編みした編み物であってもよい。
【0027】
上記通気性防護材は、チェンソーの刃部が接触したとき、刃に食い込まれて順次上層から下層にかけてチェンソー本体内に引き込まれるように多数の被引き込み層が積層されている。被引き込み層の積層数は、特に限定されないが、一般に、3〜20層であり、好ましくは5〜15層である。
【0028】
上記通気性防護材は、短尺の被引き込み層を積層して形成してもよいし、長尺の被引き込み層を折畳んで形成してもよい。又、積層した被引き込み層を不織布、織布、編み物等の袋に収納して通気性防護材としてもよい。
【0029】
上記防護衣は、作業者の上着、ズボン、腕抜き、脚絆等として使用される。通気性防護材は布帛の全体に積層されていてもよいし、必要箇所のみに積層されていてもよい。
【0030】
次に、本発明の実施例を説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
横糸として長さ40mm、太さ1〜5デシテックスのポリエステル短繊維65重量部と綿35重量部を混紡した20番手の混紡糸(T/C糸)と太さ20番手のポリエステルスパン糸(ポリエステル樹脂100重量%)を交互に使用すると共に、縦糸として78デシテックスのポリエステル長繊維を使用して平織り層を形成した。次に、78デシテックスのポリエステル長繊維をレノー織りして表面層を織成する共に、平織り層と二重織りし一体化して布帛を得た。布帛の目付量は156g/mあった。
【0031】
得られた布帛を用い、JIS L1096 8.27.1に準拠し、表面層側から強制的に空気を吸引したところ、通気性は128cm/m/secであった。又、JIS L1907 7.1.2に準拠し、バイレック式吸水度試験装置を用いて端部を5分間水に漬けた後の吸い上げ高さは縦糸方向83mm、横糸方向100mmであった。
【0032】
得られた布帛を36℃の温水から5cm上に設置し、透過水蒸気量を測定したところ、101g/m/hであった。又、同様にして透過熱量を測定したところ、152W/m/hであった。
【0033】
0.6デニールのフィラメントを50本集合させた直径0.5mmのヤーンを縦糸として使用し、太さ78デシテックスのポリエステル繊維を横糸として平織りし、両端部を接着剤で軽く接着して織布を得た。得られた織布の厚さは0.5〜1mm、目付量は180gであった。
得られた織布を10層に折畳んで通気性防護材を得、得られた通気性防護材を上記布帛の平織り層に縫合して防護衣を得た。
【0034】
得られた防護衣を用い、ISO 11393−1準拠して安全性を測定したところ、織布(被引き込み層)はチェンソーに3層引き込まれて、チェンソーの回転が停止した。
【0035】
測定装置は図1に示した通りである。測定装置は、図示しない電源部と接続されるモータ1を内蔵し、このモータ1でケース2内に収めたスプロケット3を回転駆動するようになっている。ケース2の後部の一端は水平な支軸4の回りで上下振動可能に支持されている。スプロケット3は、前後に張られたチェーン5を、チェンバー6を介して回転駆動するようになっている。チェーン5の周縁には、間隔を置いて刃が固定される。刃は、移動方向Aに沿って移動し、試験片を切断する。チェンバー6の先端で下方位置には、チェンバー6が水平姿勢となった位置で上面が接触する半円弧状(直径は10±2mm)の堅い材料製パッド7が配置され、その上部に防護衣を固定し、チェンソーを自由支持した状態で、防護衣を切断するようになされている。パッド7に防護衣を通気性防護材(布帛)の縦糸と刃の駆動方向が直行するように固定し、刃を初期速度20m/secで回転して安全性を測定した。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】防護衣の試験装置の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0037】
1 モータ
2 ケース
3 スプロケット
4 支軸
5 チェーン
6 チェンバー
7 パッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリエステル繊維がレノー織りされた表面層と、横糸がポリエステル短繊維と綿の混紡糸(T/C糸)及びポリエステルスパン糸であり、縦糸がポリエステル長繊維である平織り層が二重織りされて一体化されてなる布帛の平織り層に通気性防護材が積層されてなることを特徴とする耐暑熱性に優れた防護衣。
【請求項2】
ポリエステル繊維の太さが、75〜250デシテックスであることを特徴とする請求項1記載の耐暑熱性に優れた防護衣。
【請求項3】
表面層と平織り層は、ポリエステル繊維以外が表面層の表面に露出しないように二重織りされて一体化されてなることを特徴とする請求項1又は2記載の耐暑熱性に優れた防護衣。
【請求項4】
通気性防護材が、チェンソーの刃部が接触したとき、刃に食い込まれて順次上層から下層にかけてチェンソー本体内に引き込み可能な多層の被引き込み層からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の耐暑熱性に優れた防護衣。
【請求項5】
被引き込み層は、1層当りの厚みがチェンソーの刃の深さより十分に小さく、合計厚みが刃の深さと同じか又はそれ以上であり、且つ、全体を折り曲げて手を乗せて押圧したとき、その内面を相互に接触させることができる柔軟構造であり、少なくとも刃の移動方向と直交する糸がV字形状に引き伸ばされて、その後に次の下層が引き込まれるよう端部止めされていることを特徴とする請求項4記載の耐暑熱性に優れた防護衣。
【請求項6】
被引き込み層が、刃の移動方向と直交する多数のフィラメントを集合させた縦糸と、端部固定位置が外れるまでの間、前記刃の移動に伴ってV字形状に比較的容易に引き伸ばされるように縦糸を保持する横糸とを有する織布であることを特徴とする請求項5記載の耐暑熱性に優れた防護衣。
【請求項7】
被引き込み層が、その各端部で比較的ゆるく固定されている、高強度繊維のニットであることを特徴とする請求項5記載の耐暑熱性に優れた防護衣。
【請求項8】
防護衣が、チェンソー防護衣であることを特徴とする請求項4〜7のいずれか1項記載の耐暑熱性に優れた防護衣。

【図1】
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【公開番号】特開2010−24588(P2010−24588A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−189000(P2008−189000)
【出願日】平成20年7月22日(2008.7.22)
【出願人】(501442253)株式会社ト−ヨ (4)
【出願人】(593020175)一村産業株式会社 (12)
【Fターム(参考)】