説明

耐熱絶縁電線

【課題】電線の絶縁被膜として使用する際に、絶縁皮膜の屈曲性を大幅に向上させて剥離強度を大きくし、導体表面から剥離しにくくすると共に、耐熱性、絶縁性を向上させる。
【解決手段】電線導体20をシールドするためのシールド材であって、無機ポリシラザン10と、有機ポリシラザン12と、これらと相溶する樹脂を含む溶剤14とを混合した。無機ポリシラザン10はパーヒドロポリシラザンとし、有機ポリシラザン12はメチルヒドロポリシラザンとすることができる。耐熱絶縁電線はこの電線用のシールド材で電線導体20をシールドすることにより得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、耐熱性と絶縁性に優れ薄膜化が可能な電線用のシールド材と、これを用いてシールドした電線と、シールド方法とに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のマグネットなどに用いる電線(電磁ワイヤ)などの電線類は、電線導体の表面に樹脂類による絶縁被膜を形成したものであった。ここに用いる樹脂類としては、油性エナメル、ホルマール、セルフボンディングホルマール、ナイロン、ホルマールナイロン、ポリウレタン、エポキシ、ポリエステル、シリコーン、セラミックシリコーン、セラミックテフロン、テフロン(登録商標)、アクリルニトリル、クロムオキサイド〜ビニール、塩化ビニールなどが知られている。
【0003】
一方絶縁性や耐熱性に対する要求が厳しくなるのに伴って、従来よりこれらの絶縁被膜となる電線塗膜を厚くすることが行われてきた。しかしこの場合には、塗膜の屈曲性と剥離強度が低下するなどの問題が生じる。このため塗膜を厚くすることにも限界がある。また、宇宙開発、人工衛星、航空機、車両、電気自動車、携帯電話、医療機器、カメラ、時計、ロボット、その他電気、電子機器などの著しい技術進歩は、絶縁性と耐熱性を向上させるだけでなく、重量の増大を防ぎ容積の増大を防ぐ(減容化)ことも要求している。
【0004】
これらの機器自身の軽量化と減容化、マイクロ化の要求に対応するためには一般には巨額の研究開発資金が必要になるが、そのために電線導体の塗膜材料の改良、すなわち塗膜材料自身の軽量化と減容化による対応も求められている。従来の電線の被覆材料では、被覆厚さは3μmが限界で、これより薄くするとピンホールができるために薄膜化、減容可、マイクロ化の障害となっていた。
【0005】
特許文献1には、ポリシラザンを溶剤に溶解させてシールドすることが示されている(段落0014)。ここに使用する溶剤としては、炭化水素溶媒、エーテル類が使用できることが記載されている。
【0006】
特許文献2には、無機ポリシラザン(からなるバインダー)と無機充填剤(焼成によりバインダーと一体化するもの)とを含有する皮膜を電線導体表面に形成し、焼成することによって、バインダーをセラミック化して、無機充填剤と一体化したセラミック皮膜を形成した耐熱絶縁電線が開示されている(段落0013〜0015)。ここに無機充填剤は、焼成によってセラミック化するバインダと一体化して全体をセラミック化するものであり、具体的には酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化銅、酸化鉄、雲母、ケイ酸ジルコニウムなどの酸化物系セラミックス;窒化清楚、窒化ホウ素窒化アルミニウム、ホウ化チタン、ホウ化ジルコニウム、チタン酸カリウムなどの非酸化物系セラミックス、等である(段落0016)
【0007】
また特許文献2には、無機充填剤を用いて導体上に被膜を形成する方法として、脂肪族炭化水素などの炭化水素溶媒、エーテル類などの溶媒中に溶解・分散させ、得られた塗料を導体表面に塗布し、乾燥した後、加熱して焼成する方法が開示されている(段落0017、0019)。さらに焼成温度については、好ましくは200〜500℃という記載や、250℃で10分間焼成してからさらに400℃で6時間焼成する、等の記載がある(段落0020、0022)。
【0008】
特許文献3には、無機ポリシラザンを基本材料とし、これにアクリル系樹脂溶剤を溶解することにより、耐熱性、硬度、密着性を向上させ、また柔軟性を向上させることによりクラック発生を防ぎ塗布可能な膜厚の限界を上げることができ、さらに低価格化できるという記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平9−110995
【特許文献2】特開平6-128531
【特許文献3】特開平7−292321
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1、2に示されたものは、ポリシラザンと無機充填剤と溶媒とを含む塗料を電線にシールドし焼成することによってポリシラザンをセラミック化し、無機充填剤と一体化して強靱な皮膜を形成するものであるが、形成したセラミック皮膜が脆く屈曲性が不足するものであった。電線をコイルに巻く際には電線を屈曲させる必要があるが、セラミック皮膜が脆いために割れて脱落し易く、電線の被覆皮膜として使用するには問題があった。特に機器の小型化に伴って電線の巻き付け半径が小さくなるとこの問題はさらに顕著となり、小型機器の軽量化と減容化の大きな障害となっていた。
【0011】
またポリシラザンが大気中などの水分と反応してシリカガラスに転化するためには長い時間(約2週間)必要であり、指で触れられる状態(指触乾燥状態)になるまでの時間が長く、塗布後の待ち時間が長くなる。
【0012】
特許文献3はポリシラザンにアクリル系有機溶剤を溶解するものであるが、シールド素材として一般的な性能を有しているが、マイクロモータなどにに使用するような絶縁膜を極めて薄くした電線の製造には不十分である。
【0013】
この発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、電線の絶縁被膜として使用する際に、絶縁皮膜の屈曲性を大幅に向上させて剥離強度を大きくし、導体表面から剥離しにくくすると共に、耐熱性、絶縁性を向上させて薄膜化を可能にすることができる、電線用のシールド材を提供することを第1の目的とする。
【0014】
またこのシールド材で被覆した電線を提供することを第2の目的とする。さらに、シールド材で電線導体表面を被覆するシールド方法を提供することを第3の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この発明によれば第1の目的は、電線導体をシールドするためのシールド材であって、無機ポリシラザンと、有機ポリシラザンと、これらと相溶する樹脂を含む溶剤とを混合したことを特徴とする電線用のシールド材、により達成される。ここに無機ポリシラザンはパーヒドロポリシラザンとし、有機ポリシラザンはメチルヒドロポリシラザンとすることができる。
【0016】
第2の目的は、請求項1の電線用のシールド材でシールドしたことを特徴とする耐熱絶縁電線、によって達成される。第3の目的は、電線のシールド方法であって、電線導体に請求項1のシールド材を塗布し、これを200℃以下で焼成した後、常温に一定時間以上放置することによってシリカ転化をさらに進行させることを特徴とする電線のシールド方法、により達成される。
【発明の効果】
【0017】
第1の発明によれば、電線の絶縁被膜として使用する際に、皮膜には樹脂が含まれているため、この樹脂はセラミック化したポリシラザンを割れにくくし、導体への付着強度を増大させる。また有機ポリシラザンは無機ポリシラザンよりも屈曲性が高く割れにくい(クラック限界が高い)ものである。すなわち樹脂の添加と有機ポリシラザンの混合により、電線の絶縁皮膜の屈曲性を大幅に向上させ、剥離強度を大きくすると共に、耐熱性、絶縁性を向上させることができる。このため、これを使用した機器の大幅な軽量化、減容可、マイクロ化が可能になる。
【0018】
出願人は、ポリシラザンは大気中の水分と反応して、SiO(シリカ)へ転化(シリカ転化)し、硬化するのに長時間を要することに鑑み、ポリシラザンと相溶する樹脂(アクリル、ウレタンなど)を含む有機溶剤を添加することによりこの樹脂の溶剤が揮発することによって比較的短時間にシールド層を定着させ取り扱いを容易にすると共に、有機ポリシラザン自身の柔軟性を利用してシールド層の柔軟性を一層向上させるものである。
【0019】
また有機溶剤は短時間で揮発するから短時間で指を触れることが可能な状態(指触乾燥状態)になり、塗布後硬化までの待ち時間を短縮して次の工程に移ることができ、取り扱いが容易である。
【0020】
第2の発明によれば、このシールド材で被覆することにより、耐熱性と絶縁性を向上させ、電磁コイルなどの機材に用いた場合にその軽量化と減容化とマイクロ化を可能にする電線を提供することができる。第3の発明によれば、請求項1のシールド材を電線にシールドする方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施例であるシールド方法を示す動作流れ図
【図2】同じくシールド方法の説明図
【図3】加熱炉の使用状態を示す図
【図4】シールド材を塗布した電線の断面図
【発明を実施するための形態】
【0022】
シラザンは、Si(珪素)とN(窒素)の化合物であり、パーポリヒドロ(ポリハイドロ)は結合手が全部H(水素)であるポリマーを意味する。この基本構成単位(化学式)は、−(Si2NH)−で表され、C(炭素)を含まない無機化合物である。
【0023】
無機パーヒドロポリシラザンと有機メチルヒドロポリシラザンの製法については、例えば特表2006-515641号などに詳細に記載されているので、ここでは説明を繰り返さない。この文献には、無機パーポリシラザンの溶剤としてキシレン、ペガソール、ソルベッソが、また有機メチルヒドロポリシラザンの溶剤としてはブチルエーテルが示されている。
【0024】
溶剤は、アクリル樹脂や、シリコンオイルや、アクリルシリコン樹脂、ウレタン樹脂などのポリシラザンと相溶性がある樹脂を含む溶剤であって、かつ無機パーヒドロポリシラザンと有機メチルヒドロポリシラザンの溶剤を含むものである。この溶剤は、シールド材の乾燥後に樹脂が残る。シールド材の乾燥後に焼成する時には、この樹脂が焼けて変質しない温度すなわち約200℃以下で焼成温度を管理することによって樹脂が消失するのを防ぐものである。焼成温度を高くすればシリカ転化に要する時間を短縮できるが、本発明では樹脂を含むことからこの温度を低く(200℃以下に)設定し、その後さらに大気中の水分によるシリカ転化を常温で行わせる。
【0025】
使用する溶剤は、ポリシラザンと相溶性があると共に、電線としての耐熱温度と絶縁性能を高くするために適するアクリル樹脂を含むものが好ましい(請求項2)。例えばキシレンとジブチルエーテルとアクリル溶剤とを含むものが使用できる。
【0026】
無機ポリシラザンは10〜20体積%とし、有機ポリシラザン(メチルヒドロポリシラザン)は20〜50体積%とし、溶媒を10〜50体積パーセントとして混合液を100%にするようにそれぞれの量を設定することができる(請求項3)。例えば無機ポリシラザン:有機ポリシラザン=10:90〜30:70の体積比とし、これにアクリル溶剤を10〜50体積パーセント加えて、シールド液とすることができる(請求項4)。混合比によって耐熱性、絶縁性が異なるから、シールド液に着色しておくのがよい。ポリシラザンと溶剤は無色透明であるから、着色顔料を添加することにより電線の塗膜の色に変化を加え、電線の特性を識別できるようにするのがよい(請求項5)。
【0027】
本発明による電線では、シールド層の厚さを0.3〜15マイクロメートル(ミクロン、μm)とするのが良い(請求項7)。シールド層を薄くすると屈曲性が向上し、小さい曲げ半径に使用でき、厚くすることにより絶縁性特に耐電圧を増大させることができる。
【0028】
本発明によるシールド方法においては、シールド液を収容する収容液槽に電線導体を浸漬して塗布し、有機溶剤の揮発成分を揮発させる。この結果シールド層は、指を触れても落ちない状態になるから、これをリールに巻きつけることができる。そしてこのリールを電気加熱炉などに入れて所定温度以下(200℃以下)に加熱し約1時間焼成することによってポリシラザンのシリカ転化を行わせる。この焼成したものをそのまま(リールに巻きつけたままの状態で)常温中に放置することによって大気中の水分を取り込んでシリカ転化をさらに進めてもよい(請求項9)。
【実施例1】
【0029】
図1において、無機ポリシラザン10と、有機ポリシラザン12と、溶剤14と、有色無機顔料16とを混合することによりシールド材を調製する(図1のステップS100)。ここに用いる無機ポリシラザン(ペルヒドロポリシラザン、パーヒドロポリシラザン)、有機ポリシラザン(メチルヒドロポリシラザン、パーヒドロポリシラザン)の製造方法については、特表2006−515641等に詳細に記載されているのでここではその説明は行わない。これらのポリシラザンは、この特許出願人であるAZエレクトロニックマテリアルズ株式会社から供給されるものが最適である。
【0030】
溶剤(有機溶剤)についてはポリシラザンと相溶性を有するアクリル樹脂を含むアクリル溶剤が適する。有色無機顔料16はシールド層に着色するために添加するものであり、シールドした電線の耐電圧、耐熱温度、あるいは銅線径等の特性に対応して識別できるように着色の色を変えておく。この場合には、シールド層の色によって電線の定格などを容易に判別でき、使用する電線を間違えることを防ぐことができる。また樹脂やポリシラザン自身は無色透明であるためシールドした部分かシールドしてない部分かの判別が目視によっては容易にできない。そこでシールド層に着色することにより、シールドした部分と否シールド部分とをハッキリと識別することが可能になる。
【0031】
無機顔料16はナノサイズの無機パウダーがよい。顔料16の添加は電線のカラー化が主目的であるが、同時に使用する顔料によっては耐熱性、耐摩耗性などの向上が可能である。電線の使用目的により、顔料用パウダーの粒子の大きさと使用量(添加量)を調節することができる。また顔料の添加により、塗布膜の厚さの調節も可能になる。すなわち顔料16の添加はシールド材の粘性を増加させるから、粘性の増加により塗布厚を調節することが可能である。この場合に使用するナノ粒子には、アルミナ、ナノダイヤ、シリカパウダー、酸化チタンなどが一般的である。
【0032】
これらを混合することによってシールド材18を作った後(S100)、これを電線導体20に塗布するが(S102)、この際には電線導体20は、リール22(図2)に巻いておき、このリール22から引き出した電線導体20を、例えばシールド材18を入れた収容液槽24に浸漬して通過させることによって塗布する。塗布するシールド材の厚さは、耐絶縁性能や耐熱温度、使用する際の巻きつけ半径(折曲半径、曲率)などによって適切に設定する。
【0033】
収容液槽24から出たシールド済みの電線導体20は、送風乾燥炉26に入れてここで無機および有機ポリシラザン10、12、溶剤14の揮発成分を揮発させる(S104)。例えば80〜100℃に加熱する。この乾燥によってシールド材18は指で触れても落ちない状態(指触可能状態)になるから、これをリール22aに巻きつける(S106)。図2で22b、22cは22aと同様にシールド済みの電線導体20を巻いたリールである。
【0034】
このリール22a〜cは順次加熱炉(焼成炉)28に入れて焼成される(S108)。この時の温度は、樹脂が消失しない温度例えば200℃以下、好ましくは160℃程度にして、約1時間焼成する。この焼成が終わると、リール22a は加熱炉28から取り出される。この結果、電線素材20を適切な塗布厚(0.3 〜15μm)でシールド材を塗布し焼成したシールド層30を有する耐熱絶縁電線32が得られる(S110、図4)。この状態でさらに大気中、常温で所定期間保存すればポリシラザン10、12のシリカ転化がさらに進み、電線のシールド特性がさらに向上する。図4はこの電線32の断面図であるがシールド層30の厚さは誇張して示している。
【試験結果】
【0035】
出願人は本発明のシールド材の性能試験を、公的機関である「地方独立行政法人・東京都立産業技術研究センター」に依頼し次のような結果を得た。この結果により本発明のシールド材は、電線のシールド材として十分な適性を有することが確認された。
【0036】
(1)耐屈曲性試験(22依開デ 第10号)
この試験の試験依頼品は、有機ポリシラザンと無機ポリシラザンとアクリル溶剤の容積比を、8:2:10(試験品1)、8:2:5(試験品2)としたものである。
試験方法は、JIS K 5600-5-1:1999 塗料一般試験方法−第5部:塗膜の機械的性質
−第1節:耐屈曲性(円筒形マンドレル法)に準じて行ったものであり、使用マンドレルの直径は2mmである。
試験結果は、試験品1について、1回塗りと3回塗りに付き共に「異常が認められない」というものであった。また試験品2についても同様に、1回塗りと3回塗りに付き共に「異常が認められない」というものであった。
【0037】
(2)誘電率および誘電正接試験(50Hz、60Hz)(22依開エ 第20号)
この試験は試料の絶縁性を判断するためのものである。
試験依頼品は、前記試験品1を公称膜厚35マイクロメートル(μm)とした塗膜である。
試験方法はJIS K 6911に準じて行った。また比誘電率および誘電正接は公称膜厚を用いて算出した。
試験結果は次のようなものであった。
誘電率および誘電正接試験(ブリッジ法、温度20℃、湿度60%RH)
周波数(Hz) 比誘電率 誘電正接
50 3.1 1.2×10-2
60 3.1 1.2×10-2
これらの試験結果から、本発明のシールド材が絶縁性に優れ電線のシールド材としての適性を有するものであることが解った。
【符号の説明】
【0038】
10 無機ポリシラザン
12 有機ポリシラザン
14 溶剤
16 有色顔料
18 シールド材
20 電線導体
22、22a、22b、22c リール
24 シールド材の収容液槽
26 送風乾燥炉
28 加熱炉(焼成炉)
30 シールド層
32 耐熱絶縁電線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電線導体をシールドするするためのシールド材であって、
無機ポリシラザンと、有機ポリシラザンと、これらと相溶する樹脂を含む有機溶剤とを混合したことを特徴とする電線用のシールド材。
【請求項2】
溶剤は,アクリル樹脂を含むアクリル溶剤である請求項1の電線用のシールド材。
【請求項3】
無機パーヒドロポリシラザンを10〜20体積%、有機メチルヒドロポリシラザンを20〜50体積%の範囲で含みこれにアクリル溶剤を10〜50体積%の範囲で設定した請求項2に記載の電線用のシールド材。
【請求項4】
無機ポリシラザンと有機ポリシラザンの体積混合比を10:90〜30:70とし、このポリシラザン混合液に対するアクリル溶剤の体積混合比を10〜50%とした請求項1又は2または3の電線用のシールド材。
【請求項5】
請求項1において、混合成分の混合割合に対応して異なる色の無機顔料が添加されている電線用のシールド材。
【請求項6】
請求項1の電線用のシールド材でシールドしたことを特徴とする耐熱絶縁電線。
【請求項7】
シールド材の塗布厚さが0.3〜15ミクロンである請求項6の耐熱絶縁電線。
【請求項8】
電線のシールド方法であって、電線導体に請求項1のシールド材を塗布し、このシールド材を塗布した電線導体を乾燥し、これを200℃以下で所定時間加熱することによってシリカ転化させることを特徴とする電線のシールド方法。
【請求項9】
電線導体を、シールド材の収容液槽に浸漬させることによってシールド材を塗布し、前記収容液槽を通過した後に送風乾燥炉でシールド材を乾燥し、これをリールに巻いて加熱炉で所定時間加熱する請求項8の電線のシールド方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−48993(P2012−48993A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−190231(P2010−190231)
【出願日】平成22年8月27日(2010.8.27)
【出願人】(511194430)ケルビムジャパン株式会社 (1)
【Fターム(参考)】