脊椎手術を行うシステムおよび方法
外科手術により脊椎を矯正するシステムおよび方法を開示する。脊柱を取り扱うための複数の骨ネジ、脊椎ロッド、マニピュレータ、および/または横方向の連結器を含むシステムを開示する。開示するシステムを使用して、1回の動作で脊柱の取扱および/または回転を実現する方法を開示する。脊椎の奇形を矯正する脊椎手術を行う方法も開示し、ここで、脊椎ロッドは、骨ネジを使用した椎骨の取り付け前に、生理学的に矢状面に予め折り曲げてある。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
【0002】
本出願は、2008年10月10日に出願された米国特許仮出願第61/104,411号、および2008年6月27日に出願された米国特許仮出願第61/133,357号の利益を主張する。この先の出願の各々の内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
本開示は、整形外科手術、より詳細には、脊椎奇形に関する外科的矯正のための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0004】
一般的に脊椎奇形の矯正には、特有な脊椎の関係において、椎骨を安定させ、固定させること必要とする。外科手術による脊椎の矯正処置は、隣接する椎骨に配置された複数の骨用のピン、アンカー、ケーブル、フック、またはネジを配置すること、椎骨間に所定の脊椎の関係を維持する脊椎ロッドを使用することを含む。そのような装置は、永続的に対象物に埋め込まれ得る。しかし、別の場合、その後必要なくなったときに装置は取り外されてよい。
【0005】
重度の脊柱側弯症のような脊柱に関するある奇形は、相当な矯正が必要とされる。脊椎を矯正するための従来装置の使用は、一連の別個の外科手術を必要とし得る。例えば、一般的に、脊柱側弯症の治療は、硬質なネジおよび接続ロッドの使用を含む。そのような接続は、外科手術中のある程度の自由度を提供できず、それにより、接続ロッドを骨ネジと強固に接続した状態で固定する前に、脊椎の椎骨を操作すること、および整復することを阻害してしまう。
【0006】
脊椎用構築物を組み立てるときに接続ロッドの導入および固定を簡易にするため、多軸骨ネジが使用されてきた。しかし、多軸骨ネジおよび他の可撓性の接続物は、脊柱側弯症のような場合、非常に大きな動作範囲をもたらし得る。脊柱を取り扱う過程の間、骨ネジに相対して接続ロッドが一平面または一軸にのみ動くように、動作範囲を限定する必要があるかもしれない。単一面または単軸回転に対する骨ネジ頭部の動きを限定することができない従来の接続ロッドおよびネジのシステムを使用して適切な配列を実現することには問題がある。硬質な骨ネジは、脊椎の取り扱いを容易にし得るが、そのような道具を使用して接続ロッドを取り付けることは、より困難である。取り扱いの間、接続ロッドの取り付けを容易にさせながら、ネジ頭部の望ましくない多軸の動きを回避することは、一平面または一軸のネジ頭部を使用することにより実現することができる。
【0007】
しかし、従来の外科手術の方法は、一平面および一軸の骨ネジのような特別な骨ネジを十分に使用できるように設計されていない。例えば、多くの骨ネジでは、ネジにロッドを締め付けるように設計された止めネジまたは固定ナットを利用する。そのような固定システムは、構造体の最終固定の前、およびその最終固定の間に、ロッドに沿ってネジおよび他のネジの位置に対して調整がなされるよう、ロッドとネジとの相対位置が、安定しつづけることができるように、ロッドにネジをある程度固定することを容易にしない。
【0008】
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許出願公開第2009/0018593号明細書
【特許文献2】国際出願第PCT/US09/47002号
【特許文献3】米国特許出願公開第2008/0027432号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2007/0093817号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2009/0105769号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2009/0105716号明細書
【特許文献7】米国特許出願公開第2007/0093849号明細書
【特許文献8】米国特許出願公開第2007/0213722号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
脊柱と関連した位置に脊椎ロッドを操作することと、骨ネジ、例えば多軸、一平面、および/または一軸のテーパ付き固定ネジを脊椎ロッドに固定することとを含む、脊椎奇形を外科手術により矯正する、脊椎のための方法およびシステムを本明細書に開示する。少なくとも幾つかの多軸ネジは、止めネジ型のネジであり得ることが考慮される。開示する方法では、ネジは止めネジ型のネジであり得る。開示する方法では、構築物の一方の部分においてテーパ付き固定ネジの組み合わせを、構築物の別の部分において止めネジ型またはナット型のネジを用い得る。生理学的に矢状面に、予め折り曲げてある脊椎ロッドが使用され得る。
【0011】
本明細書において説明する方法で使用するための器具を提供するキットも開示する。キットは、複数の脊椎ロッド、ネジジャッキ機構を備えるロッド整復装置、およびマニピュレータを含む。
【0012】
開示する任意のシステムまたは方法において、脊椎ロッドは、骨ネジを使用して椎骨に取り付ける前に、生理学的に矢状面に予め折り曲げていてよい。テーパ付き固定ネジの接続機構、およびロッド整復用ネジジャッキ機構を有するロッド整復装置は、ロッド整復および脊椎回転の矯正を一回のステップで促すように使用することができる。ロッド整復および脊椎回転を一回の動作で促すために、ロッド整復装置のネジジャッキ機構が、奇形の凹面側にある骨ネジに取り付けられ得、マニピュレータが奇形の凸面側にある骨ネジを取り付けられ得る。概ね、開示する方法は、テーパ付き固定骨ネジを使用して、より詳細には、とりわけ、複数面のテーパ付き固定ネジ、一軸のテーパ付き固定ネジ、および単軸のテーパ付き固定ネジを含む、複数面のテーパ付き固定ネジを利用して、脊椎の多様な穴に複数の骨ネジを埋め込むステップを含む。テーパ付き固定ネジは、ネジをある程度固定する機能を提供し、完全に固定する前に、ある程度固定しながら位置を保持しつつ、脊椎を追加的に取り扱うか、または引き続いて取り扱うことができる。脊椎ロッドを接続する前に、脊柱は奇形を整復するために手動により取り扱われ得る。
【0013】
整復ジャッキは、複数の骨ネジの少なくとも幾つかに搭載され得、ロッドは、ロッド整復ジャッキと骨ネジとの間に挿入される。ロッド整復ジャッキは、各ネジにロッドを、徐々に整復させるために、交互的または連続的な方法である程度推進され得る。脊椎奇形の種類により、ロッド整復はまず奇形の片側にて行われ、次にロッド整復が奇形の他方側にて行われ得る。代替的に、ロッド整復ステップは、奇形の両側にて両方に行ってもよい。
【0014】
脊椎ロッドの矢状配列を容易にするために、加圧、延長、および/または逆回転を含む矯正は、椎体に埋め込まれ、ある程度固定されたネジを用いて行われ得る。各骨ネジに対するロッド整復用ジャッキのある程度の推進は、ロッド整復ジャッキおよび骨ネジの上部である程度ネジ固定する器具を搭載し、ロッド整復ジャッキとともに骨ネジを定位置に、ある程度固定することにより実現され得る。
【0015】
テーパ付き固定ネジは、脊椎用構築物の片方の部分に使用され得、止めネジ型またはナット型のネジは、脊椎用構築物の他方の部分に使用される。また、脊椎外科手術を実施する方法の一実施形態では、脊椎ロッドの一部分が、多軸ネジを使用して脊柱の椎骨に固定
され、一方、器具が付けられた最も下方の椎骨(LIV)が一軸骨ネジを使用して脊椎ロッドに固定されながら、脊椎ロッドの残りの部分が一平面のテーパ付き固定用骨ネジを使用して椎骨に固定される。器具が付けられた最も下方の椎骨の逆向きのねじれが達成される。例えば、器具が付けられた最も下方の椎骨に取り付けられた、つながった横方向の連結器は、矯正の間に安定性を促し、逆向きのねじれを提供する。
【0016】
配列チューブまたは類似の器具が、1つ以上の整復ジャッキの上部に搭載され、所望の矯正位置に脊椎を操作するために使用され得る。位置付けられると、配列チューブは取り外され、ある程度ネジ固定する器具がロッド整復ジャッキおよびネジの上部に搭載され、ネジは、ロッド整復用ジャッキとともに定位置に、ある程度固定され得る。ある程度ネジ固定する器具およびロッド整復ジャッキは、各ネジから取り外され得る。ネジ固定する器具は、各ネジを完全に固定するように使用されてよい。ネジのいくつかが完璧に固定されてよく、一方、他のネジがある程度固定されてよく、それにより追加調整を行うことができる。
【0017】
脊柱の第1椎体に連結された第1ロッド整復装置と、脊柱の第2椎体に連結された第2ロッド整復装置と、第1ロッド整復装置に連結された第1マニピュレータと、第2ロッド整復装置に連結された第2マニピュレータと、第1マニピュレータおよび第2マニピュレータに連結された連結器とを備える、脊椎奇形を矯正するために椎骨を整復するシステムも本明細書に開示する。
【0018】
別の実施形態では、脊柱の椎骨を再配置するためのシステムは、第1ロッド整復装置および第2ロッド整復装置を備え、第1ロッド整復装置および第2ロッド整復装置が脊柱の第1椎体に連結され、第1マニピュレータが第1ロッド整復装置に連結され、第2マニピュレータが第2ロッド整復装置に連結された第1アセンブリと、第3ロッド整復装置および第4ロッド整復装置を備え、第3整復装置および第4ロッド整復装置が脊柱の第2椎体に連結され、第3マニピュレータが第3ロッド整復装置に連結され、第4マニピュレータが第4ロッド整復装置に連結された第2アセンブリと、第1アセンブリおよび第2アセンブリを連結させる連結器とを備え得る。
【0019】
システムは、第1椎体の異なる椎弓根と、第1横方向連結器とにそれぞれ連結された第1マニピュレータおよび第2マニピュレータとを含む第1アセンブリと、第2椎体の異なる椎弓根と、第2横方向連結器とにそれぞれ連結された第3マニピュレータおよび第4マニピュレータとを含む第2アセンブリと、第1アセンブリおよび前記2アセンブリに力をかけるように構成され、適合された連結器とを備え得る。
【0020】
これらのうち任意の実施形態において、連結器は、施術者が互いに関連する椎体を整復するために把持し、圧力を印加するように構成され、適合され得る。別の実施形態では、ハンドルは、1つ以上のマニピュレータとその近位端で係合するように構成され、適合され得る。
【0021】
横方向の連結器は、脊椎奇形のどちらか側にあるマニピュレータを連結させる。例えば、一実施形態では、第1横方向の連結器は、第1マニピュレータおよび第2マニピュレータを連結させ、第2横方向の連結器は、第3マニピュレータおよび第4マニピュレータを連結させ、連結器は、第1および第2の横方向の連結器を捕捉するように構成され、適合されたグリップを備える。横方向の連結器は、施術者が椎体を整復するために把持し、圧力を印加するために構成され、適合され得る。
【0022】
横方向の連結器は、第1リングを備える第1アーム部分と、第2リングを備える第2アーム部分を備え得、第1および第2アーム部分が互いに連結され、第1および第2リングが各々、1つの制御用つまみの一部分を受入れるように構成され、適合されている。第1および第2リングは、各々、摺動可能に配置されたスリーブを備え得、該スリーブは1つの制御用つまみの一部分を取り外し可能に受入れるように構成され、適合されている。
【0023】
少なくとも2つの横方向の連結器を連結するよう構成され、適合された連結器が使用され得る。一実施形態では、連結装置は、そこに1つ以上の横方向の連結器を捕捉するように構成され、適合されたグリップを備え得る。グリップは、互いに旋回可能に連結された第1および第2アームを備え得る。
【0024】
代替的に、連結装置は、縦軸を有し、一対の把持器具を備えるバーを備え得、各把持器具が横方向の連結器のアーム部分と係合するように構成され、適合されている。各把持器具は、縦軸に沿って整復可能であってよい。つまみは、施術者による連結装置の操作を容易にするために、バーの表面に沿って配置、例えばバーの上面に沿って中央に配置され得る。
【0025】
本開示のさまざまな実施形態は、添付の図面と併せて読むと、以下のより詳細な説明から、より容易に理解されるだろう。
【0026】
本開示に係る前述および他の特徴は、添付の図面を参照して以下の開示の説明を考慮することにより、本開示に関係する当業者には明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1A】骨ネジの頭部に対する接続のために構成された、閉じ位置におけるネジジャッキ機構を有するロッド整復装置の斜視図である。
【図1B】ネジジャッキ機構が開き位置にある状態の図1のロッド整復装置の斜視図である。
【図1C】図1のロッド整復装置の上面図である。
【図1D】図1Cの切断線A−Aに沿った断面図である。
【図2A】マニピュレータ装置の斜視図である。
【図2B】部品を分解した状態の図2Aのマニピュレータ装置の分解図である。
【図3】脊柱の椎骨に取り付けられた複数の骨ネジと、複数の骨ネジと係合した2本の脊椎ロッドと、骨ネジに取り付けられた複数のロッド整復装置と、および骨ネジに取り付けられた複数のマニピュレータとを設置した状態にある脊柱部分を示す背側図である。
【図4A】固定されていない状態における脊椎ロッドを備えた多軸ネジの側面図である。
【図4B】固定状態における図4Aの脊椎ロッドを備えた多軸ネジの側面図である。
【図5A】第1位置におけるカップリングを備えた一平面のテーパ付き固定ネジの側面図である。
【図5B】第2位置におけるカップリングを備えた一平面のテーパ付き固定ネジの側面図である。
【図6】一軸のテーパ付き固定ネジの斜視図である。
【図7A】ネジ固定装置の側面図である。
【図7B】切断線A−Aに沿って取得した図7Aのネジ固定装置の断面図である。
【図8】脊柱の一部分に取り付けられた椎骨取扱システムの斜視図である。
【図9A】本開示の一実施形態に係る、横方向の連結器の斜視図である。
【図9B】図9Aの横方向の連結器の、別々になった部品を備えて示される分解図である。
【図10A】本開示の別の実施形態に係る、脊柱の一部分に取り付けられた椎骨取扱システムの斜視図である。
【図10B】部品を分解した状態の図10Aの椎骨取扱システムの分解斜視図である。
【図11】本開示のさらなる実施形態に係る脊柱の一部分に取り付けられた椎骨取扱システムの斜視図である。
【図12】ハンドルの斜視図である。
【図13】本開示の変形した実施形態に係る、脊柱の一部分に取り付けられた椎骨取扱システムの斜視図である。
【図14】調整可能なマニピュレータの斜視図である。
【図15】配列チューブアセンブリの正面図である。
【図15A】図15の配列チューブアセンブリの側面図である。
【図16】図15の配列チューブアセンブリの切断線A−Aに沿った断面図である。
【図17】図1Aのロッド整復装置と骨ネジとを組立てた駆動器具の等角図である。
【図18】ロッドマニピュレータの正面図である。
【図18A】図18のロッドマニピュレータの拡大等角図である。
【図19】ロッド整復装置の代替的な実施形態と係合する整復ネジの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
ここに、開示する脊椎外科手術のための装置および方法の実施形態を、添付の図面を参照してこれから詳細に説明するが、複数の図面の各々において、同様の参照番号は、同一または相当する要素を指す。以下の説明を通して、「近位」という用語は、操作者に近い方の装置またはシステムの端部を指し、「遠位」という用語は、操作者から離れた方の装置またはシステムの端部を指す。さらに、「頭部側」という用語は、患者の頭に向かう方向を示し、「尾部側」という用語は、患者の脚に向かう方向を示すように、本出願において使用される。さらに、本出願の目的のために、「中間」という用語は、患者の身体の中間に向かう方向、すなわち患者の身体の末端から離れた方向を示す。「後方」という用語は、患者の背面に向かう方向を示し、「前方」という用語は患者の正面に向かう方向を示す。
【0029】
これから、図1Aから図1Dを参照してロッド整復装置10を説明する。ロッド整復装置10は、米国特許出願公開第2009/0018593号に説明されており、その内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる。詳細には、ロッド整復装置10は、フォーク・アセンブリ本体27を含む細長い把持用フォーク・アセンブリ21と移動可能に係合したジャッキ機構12を備える。細長い把持用フォーク・アセンブリ21は、ネジジャッキ機構12の細長いネジ軸部16が通過できるように、サイズ化され、そのために構成された通路75を通る本体を規定するフォーク・アセンブリ本体27を備える。通路75を通る本体の上方部分73には、細長いネジ山付きの軸部16のネジ山に対するためのネジ山が設けられている。
【0030】
図1Dで最もよく示されるように、第1圧縮スロット74および第2圧縮スロット82は、フォーク・アセンブリ本体27の向かい合う側面に規定される。圧縮スロット74、82の最も外側は、フォーク・アセンブリ本体27の下方部分80、58から近位に延伸する第1アクセサリータブ52および第2アクセサリータブ54と関連付いている。第1アクセサリー接続タブ52および第2アクセサリー接続タブ54は、ロッド整復装置10と組み合わせて使用することができる、例えば、図15および図16の92として概ね示される配列チューブのような、他の器具またはアクセサリーとの確かな係合を容易にするために提供される。配列チューブ92の例示的な実施形態は、装置10の周囲に円周的に配置され、患者への装置10の位置付けに役立つようにサイズ化され構成された、トロカールのような装置として提供される。装置10のフォーク・アセンブリ本体27から外側に延伸するアクセサリー接続タブ52、54は、ロッドが設置される骨ネジの頭部を覆って適切な位置内へと装置10の移動を容易にするように、配列チューブ92のルーメン96の内壁94と十分に接触することができる。配列チューブ92は、外科手術の間、骨ネジを覆った装置10の位置付けの促進において、その有用性を向上させる追加のルーメンまたはアクセサリーを設けることができる。
【0031】
ネジジャッキ機構12は、制御部材14を備えて最近位端にて終結し、ロッド接触部材またはアンビル26を備えて最遠位端にて終結する細長いネジ軸部16を備える。ロッド接触部材またはアンビル26は、ネジ山の付いたネジ軸部16の遠位端に取り付けられ、一対の細長い把持部材18、20と円周的に摺動接触して位置付けられる。把持部材18、20の各々は、遠位端に、内側に向いたネジ把持要素22、24を備える。図1Aおよび図1Bに示されるように、ロッド接触部材26は、ロッド接触部材に規定された保持ピン用の穴26aを突き抜ける接触部材用の保持ピン26bにより、ネジ山の付いたネジ軸部16の遠位端に接続され、この位置は、ネジ山の付いた軸部16の下方の大部分79において円周方向に規定される保持ピン用の溝31内でも保持ピン26bが静止できる位置である。ネジ山の付いた軸部16の下方の大部分79は、ネジ山が付いてなく、適切にサイズ化され、構成された接触部材の軸壁84内で、軸部16の該当部分の自由な回転移動を容易にすることができる滑面を有するようにある程度構成されており、次いで、接触部材用の保持ピン26bの挿入によりそこに回転保持される。接触部材の軸壁84は、ネジ山の付いた軸部16の遠位端の滑面になった下方の大部分79を受入れ、下方の大部分79が自由に回転移動できるようにサイズ化され、構成されている。
【0032】
図1Dに示されるように、ロッド接触部材26は、ロッド接触部材26に対向する第1および第2端部において、第1通路90および第2通路91を規定する。第1通路90および第2通路91は、ロッド整復装置10のネジジャッキ機構12と細長い把持用フォーク・アセンブリ21との係合を容易にするようにサイズ化され、構成されている。
【0033】
一方向の制御部材14の回転は、手動または工具T、例えば図17で示されるようなネジ回しといった類の道具のどちらかにより実現され得る。制御部材14は、円周方向に配置されたグリップ用接触部25を備え、当該接触部は、使用の間、使用者が制御部材14を手動または機器により把持することを容易にする。さらに、工具係合用凹部23は、ネジ軸部16の制御部材14の回転移動を容易にするために、締め具または緩め具の形状と補完するように構成することができる。接続タブ52、54が内側へと手動により圧縮されるときは、ネジジャッキ機構12のネジ止め可能に係合した、ネジ山の付いた軸部16から、通路75を通過する本体のネジ山の付いた部分上の圧力が若干軽減するように、フォーク本体アセンブリ27の下方部分80、58の外側へのバイアスに効果を与え、それにより制御部材14およびネジ軸部16が回転する間、内側への圧力が幾分か低下し、反対に、アクセサリー接続タブ52、54に何ら圧力が適用されないときは、本体75のネジ山の付いた部分の内側へのバイアスが、ネジ山の付いた軸16を定位置に保持させるのに役立ち、それにより選択的に取り外し可能な位置で締め付けるという効果を奏する。
【0034】
制御部材14の回転が、取り付けたロッド接触部材26を下方に駆動させる。図3および図17で示されるように、ロッド整復装置10は、骨ネジ48の頭部に容易に接続される。さらに言及すると、骨ネジ48は、図4から図6で例示され、本明細書で後にさらに詳細に論じる骨ネジ48の実施形態を含む。ネジ把持用の要素22、24がそれらの間に位置付けられた骨ネジ48を有し、ネジ48の頭部(図4から図6)がロッド50(図3)と係合するとき、ロッド接触部材26の下方向への移動がロッド50を骨ネジ48の頭部内に押し進めるか、または推進させる。また、ロッド接触部材26の下方向への移動は、把持部材18、20が互いに対して内側に移動することにより、さらに骨ネジ48の頭部を締め付ける。ロッド整復は、ロッド接触部材またはアンビル26が近位に撤退し、ロッド50がロッド整復装置10の把持部材またはアーム18、20を介して設置されたときに実現する。ロッド50は、アンビルまたはロッド接触部材26が遠位に前進するにつれ整復される。代替的に、ロッド整復装置10の上部に搭載されるロッド固定器具は、ネジ48にロッド整復装置10を取り付けながら、固定ネジ48をある程度または完全に固定するために使用されてよい。
【0035】
代替的な実施形態では、図19に示されるロッド整復装置800は、ロッド整復装置10として代用され得る。ロッド整復装置800は、ロッド50を備えた位置で、骨ネジ48の頭部をある程度固定するか、または完全に固定するように選択的に使用することができる。脊椎ロッド50は、ロッド整復装置800の2本のアーム860、870の間に、かつ骨ネジ48の鞍部Xの上に導入され得る。整復ネジ820に対するねじり力の印加は、結果的に、制御され、かつ適度な整復ネジ820の直進を徐々に生じさせる。整復ネジ820は、整復ネジ820と、筐体840およびアンビル850のアンビル穴853を通るネジ山の付いた部分830とを駆動させるために、その近位端に配置された頭部810を有する。整復ネジ820は、前進されながら、整復ネジ820が脊椎ロッド50と接触するまでアンビル穴853を突き抜ける。整復ネジ820のさらなる前進が、脊椎ロッド50をネジ48の鞍部X内に整復させるとともに、アンビル850を遠位に駆動し続ける。ロッド整復装置800の使用は、骨ネジ48を固定すること無く軸方向の逆回転を促す。固定していない位置で骨ネジ48を加圧したり、延長したりすることは、ある状況、例えば患者の骨質が脆い場合に望ましいだろう。適したロッド整復装置の例は、2009年6月11日に出願された国際出願第PCT/US09/47002号に説明されており、その内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0036】
フォーク・アセンブリ本体27は、またフォーク・アセンブリ21の対向する第1細長把持部材18および第2細長把持部材20を旋回可能に受入れるように構成された、対向する第1旋回スロット77、第2旋回スロット86を規定する。フォーク・アセンブリ本体27は、第1本体ピン72および第2本体ピン74を受入れるように構成された、第1の本体を通る穴71および第2の本体を通る穴70を規定し、当該ピンは、ロッド整復装置10の操作の間、フォーク・アセンブリ21のためのアセンブリ21用のピンとしての役目を果たし、第1細長把持部材18および第2細長把持部材20の旋回移動を制限することができる旋回ピンとしての役目も果たす。この限定された旋回の動きは、適切にサイズ化された把持部材の旋回用の穴76、78を通るピン72、74の挿入により容易にされ、当該穴は、細長把持部材18、20の各々の近位端に設けられている。
【0037】
ロッド整復装置10は、ロッド整復装置10の上部で適合する細長い管状エクステンダ(不図示)とともに用いることもできる。細長い管状エクステンダは、ロッド整復装置10、および脊柱Sの椎骨Vに埋め込まれる骨ネジ48の選択的手動操作のために、付加的なてこ作用をもたらす。ロッド整復ジャッキ12が、固定されていない位置またはある程度固定された位置においてネジ48とともにネジ48上に位置付けされるときの任意の時点にて、細長い管状エクステンダは、手動によるてこ入れを向上させるため、および位置変えを促すために、ロッド整復装置10の上部で適合させることができる。
【0038】
次に、図2Aおよび図2Bを参照して、マニピュレータ28を説明する。マニピュレータ28は、調節つまみ32にネジ止め可能に係合された細長い外側軸部30を備える。調節つまみ32と細長い外側軸部30との間には、アセンブリ・リング38が位置付けられ得る。推進ロッド34は、細長い外側軸部30の中に摺動可能に包含される。推進ロッド34は、その遠位端に脊椎ロッドとの接触用要素36を備える。ガイドピン40は、推進ロッド34の中心部分に規定されたガイドピン用容器44の中に確実に設置されるように適合され、構成されている。ガイドピン用スロット42は、細長い外側軸部30の壁に沿って規定され、ガイドピン40の動く範囲を規定するように適合され、構成されている。
【0039】
マニピュレータ28は、骨ネジ48の頭部を把持するように適合され、構成されている。マニピュレータ28は、骨ネジ48および脊椎ロッド50を容易に操作でき、整復できるように、長いモーメントアームとなるように適合され、構成されている。ネジ把持部材46は、マニピュレータ28の遠位端に規定され、テーパが付いた固定形態を有する骨ネジと係合するように構成され、適合されている。推進ロッド34の下方向への移動は、外側軸部30と結合した調節つまみ32を回転させることにより生じ、骨ネジの受入れ用溝の位置内に脊椎ロッドを推進させる。同じ下方向への力による推進ロッド34の下方向への移動を続けると、骨ネジの頭部から骨ネジ把持部材46が外れる。
【0040】
次に、図2Cを参照して別の実施形態のマニピュレータを説明する。マニピュレータ128は、固定サイズを有する遠位端130aを有する。遠位端130aは、ネジ把持部材146および脊椎ロッド接触要素136を備える。ネジ把持部材146は、骨ネジに脊椎ロッドを締め付けるため、止めネジを使用する骨ネジと係合するように構成され、適合されている。さらに、マニピュレータ128は、ネジ把持部材146の近位端に配置された軸部130および調節つまみ132を備える。
【0041】
本開示を通じ、骨ネジ48は、任意の適した骨ネジを言う。単軸または一軸の調整に限定されるような、止めネジまたは固定ナットにより、ロッドを固定する形態または提示した形態を有するネジを用いることは、本開示の範囲内にある。骨ネジ48は、とりわけ、多軸ネジ48a(図4Aおよび図4B)、一平面ネジ48b(図5Aおよび図5B)、および一軸のテーパ付き固定ネジ48c(図6)を含む群から選択され得る。
【0042】
開示する外科手術方法の実施に適した骨ネジ48および脊椎ロッド50を本明細書で説明する。適した複数面のテーパ付き固定ネジは、米国特許出願公開第2008/0027432号および米国特許出願公開第2007/0093817に示され、説明されており、その両方ともに全体が参照により本明細書に組み込まれる。詳細には、複数面のテーパ付き固定ネジは、ネジの最も高い位置で脊椎ロッドに取り外し可能に接続され、ネジの下方のネジ山の付いた部分を使用して第1椎骨に物理的に接続されるように構成されている。ネジの複数面の態様により、脊椎ロッドにそのような接続をするように使用でき、第1椎骨と同一平面に無い隣接する椎骨に接続することもできる。複数面のテーパ付き固定ネジは、近位に配置された容易に利用できるフランジを備え、当該フランジは、挿入してネジの定位置内に脊椎ロッドを確実に固定するか、または補完的に所望の固定解除器具を使用して、選択的にネジからロッドを解除できる固定器具および/または固定解除器具により、ネジの把持を容易にするように構成されている。
【0043】
当技術分野で知られる止めネジまたは固定ナットの手段によってロッドに固定するネジのような多軸骨ネジも、以下に説明するように選択的に使用することができる。参照する一平面および一軸のテーパ付き固定骨ネジが、現行の方法における使用に適しているが、単一平面または単軸の回転へと動作を限定するように、また、参照するネジと同じように容易にある程度固定および/または完全に固定する能力も有して機能する任意の骨ネジも、使用に適していることが想定される。図4Aおよび図4Bに多軸骨ネジ48aが示される。多軸骨ネジ48aは、周囲にらせん形の雄ネジ716を規定するネジ軸714、およびネジ軸714の上方部分に取り付けられたネジ頭部718を備える。二重層のネジ筐体724は、ネジ頭部718の周囲に部分的に位置付けされる。ネジ筐体724は、互いに関連して移動するように構成された外側筐体726および内側筐体728を有する。内側筐体728は、硬質な細長い部材の少なくとも一部分を受入れるように寸法化された開口750を規定し、図4Aに示されるように、ネジ48aがその固定位置に設置されるときは、硬質な細長い部材を加圧するように構成された少なくとも1つの加圧接触面754を有する。硬質な細長い部材、例えばロッド50は、図4Bに示されるような、ネジ48aが固定されていない位置にあるように、ネジ軸714から離れて内側筐体728を摺動させることで、開口750から外され得る。
【0044】
好適な一平面のテーパ付き固定骨ネジが、米国特許出願公開第2009/0105769号に示され、説明されており、その全体の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。図5Aおよび図5Bに一平面のテーパ付き固定骨ネジ48bが示される。ある程度固定された形態または固定されていない形態にある一平面の骨ネジ48bは、トルクの適用を介して海綿骨を穿孔するためのらせん形の雄ネジを規定する骨ネジ軸部614に関連した、外側筐体626および内側筐体628の一平面の旋回動作を可能にする。この限定された旋回回転により、ネジ48bへの接続ロッドの位置付けを容易にし、必要な脊柱の取り扱いを行うことができる。重要なことは、一平面における、挿入された骨ネジに関連する接続ロッドの可撓性は、他の平面動作を限定しながら、システムを定位置に固定する前に、ネジ頭部と接続ロッドとを取り付けるという選択された動作のみを可能にする。外科医が脊柱に取り扱う力を加えることは、脊柱の適切な位置付けに一層効果的であり、これは、ネジ頭部を接続する接続ロッドの一平面の旋回動作が、ロッドの位置付けおよび取り付けを容易にし、他の平面におけるその取り付けに係る動作を完全に限定することは、脊椎を取り扱い、再配列するという目的に対して加えられた手の力を直接伝えるのに役立つ。脊椎を取り扱う間、接続ロッドとネジ頭部との取り付けに係る他の全ての動作が限定できないと、結果として、代わりに脊椎ネジの縦軸に対して片側または他方側へのネジの頭部の旋回または回転が起こる。一平面のネジ頭部は、単一面へと動作を効果的に限定し、それにより、脊椎の取り扱う間、ネジ頭部の望ましくない複数面の動作を回避する。
【0045】
一平面のテーパ付き固定骨ネジ48bは、外側筐体626の壁を通って規定された内側筐体のアクセス用スロット600とともに提供することができ、当該スロットは、ネジ48bを直ちに固定解除することを容易にし、頭部618が咬合用凹部内で動くことができ、内側筐体の接続ロッド用スロットからロッドを取り出すことができるように、内側筐体のツール受容部610と把持接触するように設計された固定解除ツールとして通路を提供する。ネジ頭部618は、粗い表面686を有していてもよく、当該表面は、ネジ48bにより提供される一平面の咬合という動作に対し、ある程度の限定された抵抗を提供するのに役立つ。ネジ咬合用凹部は、凹部内でのネジ頭部618の咬合を容易にするために、ネジ頭部618の概ね球状形状に対して補完する面形状を有する内面を持った内側筐体628の下方部分の内部に規定される。内側筐体628の下方の大部分は、ネジ軸部の出口644を規定し、当該出口は、内側筐体628の外部に延伸するネジ軸の一平面の回転動作を許可しながら、球状のネジ頭部618を凹部内で保持するように構成され、適合されている。ネジ48bは、外側筐体626の壁を通って規定された内側筐体のアクセス用スロット600とともに提供することができ、当該スロットは、迅速にネジ48bを固定解除することを容易にし、咬合凹部内でネジ頭部618が動作でき、ロッドのスロット650から接続ロッドを取り外すことができるように、内側筐体ツール受容部610と把持接触するように設計された固定解除ツール用の通路を提供する。
【0046】
好適な一軸のテーパ付き固定骨ネジは、米国特許出願公開第2009/0105716号に示され、説明されており、その内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる。詳細には、一軸のテーパ付き固定ネジは、選択された位置内に脊柱を固定する前に、手動による脊柱の再配列または位置付けが必要とされる、脊椎側弯症のような特定の脊椎病態を治療するために、ネジへの接続ロッドの取り付けを容易にするように、単軸に沿う可撓性を有する。図6に示されるように、ある程度固定した形態または固定されていない形態の一軸ネジ48cは、縦軸480、およびトルクの適用を介して海綿骨を穿孔するらせん形の雄ネジ489を規定する骨ネジ軸部488の周囲で、外側筐体487および内側筐体481の一軸の回転動作を許可する。このネジ頭部の咬合は、ネジ48cへのロッド50の位置付けを容易にし、外科医が必要に応じて脊柱を取り扱うことができる。重要なことは、一平面における、挿入されたネジ48に対してロッド50を位置付ける可撓性は、他の面における動作を制限しながら、システムを定位置に固定する前に、ネジ頭部およびロッドを取り付けるという選択された動作のみを可能にする。脊柱に動作する力を加えることは、脊柱の適切な位置付けに一層効果的であり、これは、ネジ頭部を接続する接続ロッドの一軸の旋回動作が、ロッドの位置付けおよび取り付けを容易にし、他の平面におけるその取り付けに係る動作を完全に限定することは、脊椎を取り扱い、再配列するという目的に対して加えられた手の力を直接伝えるのに役立つ。脊椎を取り扱う間、接続ロッドとネジ頭部との取り付けに係る他の全ての動作が限定できないと、結果として、代わりにネジ48の縦軸に対して片側または他方側へのネジ48の頭部の旋回または回転が起こる。一軸ネジ48cのネジ頭部は、ネジ48cの縦軸480と直交する単一面へと動作を効果的に限定し、それにより、脊椎を取り扱う間、ネジ頭部の望ましくない多軸の動作を回避する。
【0047】
図6に示されるように、一軸ネジ48cは、外側筐体487および内側筐体481を備える二重層のネジ筐体491の使用により脊椎ロッド50に接続することができる。外側筐体487は、外側筐体487の内面492の少なくとも一部分が、ネジ48cの縦軸に沿って上下方向に、内側筐体481の外面482の一部分を覆って選択的に摺動できるように構成されている。内側筐体のアクセス用スロット483は、ネジ48cの迅速な固定解除、咬合用凹部内でのネジ48cの頭部の動作、および内側筐体のロッド用スロットからのロッド50の取り外しを容易にするように構成され、適合されている。外側筐体487は、環状のグリップ用の溝486を備え得る。外側筐体の接続ロッド用スロット490も、内側筐体の接続ロッド用スロットと共通配列に設けられるが、必ずしも内側筐体のスロットと全く同じ大きさである必要はない。
【0048】
追加の外科手術器具および工具が、本明細書で論じた方法の実施を容易にするために提供し得る。このような器具は、例えば、単動式の抗トルクロッド整復を容易とする米国特許出願公開第2007/0093849号に開示されるようなロッド整復装置を含み、その内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる。テーパ付き固定骨ネジの頭部を容易に把持することができ、骨ネジの受入れ用溝の定位置に脊椎ロッドを整復する任意の装置も、現行の脊椎手術方法において使用することができる。ネジドライバーといった類の装置、および脊椎ロッドの端部を把持する操作レバー、または当技術分野で知られる他の外科手術用工具および装置も、現行の脊椎手術方法を容易にするために使用することができる。さらなる例示として、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2007/0213722号に示され、説明されている2段階動作によるロッド整復器および固定具も、開示する現行の方法における使用に適している。詳細には、1回目の動作で骨ネジの頭部にあるロッド受入れ用切欠き部の位置内にロッドを整復し、続いて同じ器具の2回目の動作により、受入れ用切欠き部にロッドを固定することができる、2段階操作による外科手術装置が使用され得る。
【0049】
また、好適なネジ固定および固定解除装置が、米国特許出願公開第2007/0093817号にも示され、説明されている。詳細には、骨に接続ロッドを接続するための複数面のテーパ付き固定ネジ、並びに選択的にネジをある程度固定するか、または完全に固定するように構成された固定装置および固定解除装置が使用され得る。複数面のテーパ付き固定ネジは、接続ロッドの位置が必要に応じて安定性および配列性を維持しながら、多方向に咬合することができる。ネジ頭部が接合され、適切に位置付けされた後、ネジ頭部は、ネジおよび接続ロッドが骨に対して関連した位置を保つように固定され得る。
【0050】
本明細書で説明される方法は、凸性および凹性を含む任意の脊椎奇形を矯正するために使用することができる。奇形の特性に応じて、好適な骨ネジ48、例えば多軸骨ネジ48a、一平面骨ネジ48b、および/または一軸骨ネジ48cが使用のために選択される。骨ネジ48は、まず、脊柱Sの脊椎内に、湾曲の頂点Aの上下複数箇所において埋め込まれる。次いで、テーパ付き固定骨ネジ48の頭部への取り付けのために適合され、構成されたネジジャッキ機構12を備えるロッド整復装置10、および脊椎Sの取り扱いを容易にするように、てこ作用を提供する操作装置28が骨ネジの頭部に取り付けられ得る。図3に見て取れるように、ロッド整復装置10は、脊椎奇形の凹面側S1にある骨ネジ48の頭部に取り付けられる。マニピュレータ装置28は、脊椎奇形の凸面側S2にある骨ネジ48に設置される。奇形の特性に応じて、ロッド整復装置10は、奇形の両側に使用できる。
【0051】
外科医は、ロッド50を任意に矯正する前に、脊柱Sの湾曲を大幅に動かし矯正することができる。すなわち、外科医は、まず手動により「肋骨隆起(rib hump)」を扱い、整復することができる。脊椎ロッド50は、正常な脊椎湾曲、例えば矢状の湾曲の形態へと予め曲げておくことができる。ある脊椎Sが身体構造上の適切な位置になると、外科医は、ネジおよびロッド整復装置に対して、予め曲げておいた脊椎ロッド50を位置付け、構築物が取り付けられるべき脊柱の最初の2か所に各ロッド50を固定することができる。
【0052】
例示として、単一の胸椎の脊椎奇形(右側T4からL1)では、脊椎ロッド50は、まず椎骨T4およびT5に取り付けられ得る。この近位の取り付けは、ロッドの取り付けを容易にし、構築物に近位の土台を確立するために、多軸骨ネジを使用して達成される。T4およびT5における、これら最初の近位での取り付けは、定位置内にある程度固定させることができ、外科手術の間、追加作業のために安定性を提供し、矯正用の構築物を築いて脊椎を操作することができる。器具が付けられた最も下方の椎骨(LIV)は、一軸のテーパ付き固定ネジ48c(図6)を用いて提供されるべきだが、残りの椎骨に対する他のネジの取り付けは、一平面のテーパ付き固定ネジ48b(図5Aおよび図5B)を使用して達成することができる。椎骨に取り付けられると、残りの固定されていない骨ネジは、図3に見て取れるように、奇形の凹面側Slにあるロッド整復装置10、および奇形の凸面側S2にあるマニピュレータ装置28にいつでも接続できる。次いで、生理学的に矢状面を有するように構成された、予め折り曲げてある脊椎ロッド50は、固定されていない骨ネジおよび取り付けられた整復装置10を通ることができる。
【0053】
一実施形態では、整復装置10は、骨ネジ48の頭部内に脊椎ロッド50を整復するため、外科医の技術により端部から中央に向かって、または片方から他方に向かって締め付けられる。整復装置10は、同時的に締め付けられてもよく、連続的に締め付けられる必要はないことに留意されたい。整復装置10が締め付けられるにつれ、ネジジャッキ機構12の動作は、脊柱を適切な配列へと移動させるのに必要とされる脊柱Sに任意の回転をもたらしながら、脊椎ロッド50を徐々に整復する。1回の動作でロッドを整復し、回転矯正をする効果は、脊椎を矯正する方法の改善された効率性および有効性の促進に役立つ。以下のさらなる詳細で論じるように、脊椎ロッド50の整復の完了時または完了間際では、テーパ付き固定骨ネジ48の一平面または一軸のどちらかは、ロッド整復器10のような固定装置のメカニズムにより、定位置へとある程度固定され得る。
【0054】
部分固定具60は、骨ネジ48と係合し、ロッド50を定位置に固定するように使用することができる。図7Aおよび図7Bで示されるように、部分固定具60は、骨ネジ48を把持するように構成されたネジ把持用の要素61を備える。操作では、内側固定軸部62は、筐体64の中に摺動可能に配置させ、旋回可能に搭載された推進用ハンドル66により移動させることができ、把持用要素61が、ある程度または完全な固定位置へと、ネジの内側筐体を覆ってネジ48の外側筐体を上方に引き上げながら、軸62の接触端部68が、ロッド整復装置10の近位端と操作接触させることができる。
【0055】
図7Cに示されるように、部分固定具60は、ロッド整復用ジャッキ12の上部に取り付けられ、ネジ48からロッド整復器10を取り外す前に、ロッド50にテーパ付き固定ネジをある程度固定することができる。次いでロッド整復器10は、ネジ48から取り外される。この時に、T4およびT5にロッド50を取り付ける、ある程度固定された多軸骨ネジ48a(図4Aおよび図4B)は、任意の好適な固定器具を用いて完全に固定することができる。開示する全ての実施形態において、椎弓根ネジに脊椎ロッド50を取り付けることは、本明細書で先に論じたように達成されてよく、または1つ以上の椎体を脊椎ロッドに向けて移動させること、すなわち、脊椎ロッド50に向けてネジ48の位置を変えることにより、あるいはこれらの技術を組み合わせることにより達成され得る。
【0056】
脊椎ロッド50は、ロッド整復装置10のネジジャッキ機構12を徐々に締め付けることにより、骨ネジ48に据付けられる。この動作は、脊柱Sを、所望の生理学的な矢状湾曲へと、同時に徐々に位置変えし、逆回転させながら、構築物の片方の端部から奇形の頂点Aに向かって椎骨に連続的(または同時的)に行われ得る。複数のロッド整復装置10を用いて徐々に、かつ連続的に位置変えを行うことにより、矯正中にネジが抜けるという可能性、および1つのネジに対して強すぎる力を与えることにより固定性が失われるという可能性を低下させつつ、矯正の間に、構築物に多数のネジが装填され、矯正力が多数のネジに対して配分される。全てのロッド整復装置10が最大限まで硬く締め付けられると、脊椎ロッド50は、骨ネジ48の各々の頭部に捕捉される。また、この一連の高度な処置の間には、最も下方に器具付された椎骨(LIV)の逆方向のねじれも達成される。
【0057】
矯正の間、任意の箇所で、外科医は、先に論じたロッド整復装置10および部分固定具60、またはある程度ネジを固定する1つ以上のネジに対して、類似のテーパ付き固定骨ネジ用固定装置を使用してよい。全ての骨ネジ48へのロッド50の整復間近または終了時に、部分固定具60は、脊椎ロッド50が全ての骨ネジ48にある程度固定されるように、ロッド整復装置10が取り付けられる全ての骨ネジ48に対して適用済みか、または適用される。
【0058】
ネジ48が部分的に固定された位置の状態で、それに対応したロッド整復装置10は、次いで奇形の凹面側S1にある骨ネジ48から取り外すことができる。奇形の凹面側S1にある骨ネジ48から取り外されたロッド整復装置10は、次いで奇形の凸面側S2にあるネジ48の頭部に設置される。次いで予め折り曲げてある脊椎ロッド50は、奇形の凹面側S1内への脊椎ロッド50の先の導入と同じやり方で凸面側S2内に導入することができる。奇形の凸面側S2でのロッド整復装置10の連続的な硬い締め付けは、前述と同様に、位置変えおよび回転が凸面のS2側に対して実現されるまで、徐々に達成される。この時点で、そのままの位置での調整は、脊椎ロッドの曲線に対し行われ得る。
【0059】
ネジが埋め込まれ、ロッド50にある程度固定された状態で、加圧、延長、および/または直接的な椎骨の逆回転を含む、最終的な奇形の矯正が達成できる。このように、最終的ないくらかの矯正は、構築物の片方の端部から奇形の頂点Aに向けて行うことができる。ネジ48の頭部に対する、ロッド整復装置10および部分固定具60のような好適なネジ固定システムの適用は、凹面側Slへの先に実現した矯正回転を維持するように機能することができる。骨ネジ48の凸面側S2と近位の固定箇所との間(または図18Aおよび図18Bに示されるロッドマニピュレータ700に対する)を加圧することは、運動分節を標準にするように機能することができる。その後、部分固定具60のような固定器具は、凸面S2側のロッド50に凸面側の固定箇所またはネジ48を固定するために使用することができる。この時点で、先に説明した逆回転/加圧処置は、所望の矯正が実現されるまで奇形の頂点Aを越えて適用され得る。この場合も、ロッドマニピュレータ700は、固定された骨ネジ48を支持するために適用され得る。
【0060】
図18Aおよび図18Bに例示されるロッドマニピュレータ700は、その処置が行われるべき位置にて完全に骨ネジが固定されていない場合に、延長または加圧を促すために使用され得る。ロッドマニピュレータ700は、脊椎ロッド50と係合するように構成され、適合された把持要素702を備える。把持要素702は、てこ作用を提供するように適合され、構成された細長い構造701に、ねじ止め可能に連結され得る。細長い構造701は、外科医により操作され、把持されるように構成され得る。グリップ要素703は、ロッドマニピュレータ700の手動による操作を簡易にさせ得る。さらに、ロッドマニピュレータ700の近位端704は、一致する形状を有するネジドライバーといった類の装置(不図示)と係合するように構成され、適合され得る。
【0061】
最後に、器具が付けられた最も下方の椎骨(LIV)の水平位置を確認することができ、それらの固定箇所において、これまである程度固定しただけであるなら、ネジ48を完全に固定することができる。構築物を通じて強固な固定を確認するために、例えば部分固定具60のような固定器具を、各固定箇所またはネジ頭部に再度適用することができる。このとき、残りのロッドマニピュレータ700を取り外すことができ、脊椎術が完了する。必要に応じて骨移植材料を加えることができ、適切な場合は、ロッド50のためにいくつかの架橋を適用することができる。このとき、通常の潅注法、フュージョンベッドの剥皮術、および他の通常の締め括りの処置を行うことができる。とりわけ奇形の症状に依存する、この方法の代替的な実施形態は、本開示の範囲内のものである。
【0062】
必要とされる一平面ネジの数は、脊椎奇形の湾曲の大きさに依存する。さらに、Ponte法による骨切りの数は、湾曲の可撓性の度合いに依存する。脊椎ロッドRの構造のために適した材料の選択は、骨の残り具合および脆さを基準とすることができる。
【0063】
単一の胸椎(右側T4−L1)のための開示された脊椎手術処置を実施する代替的な方法は、これから論じるいくつかの修正を伴った前述の方法に類似している。先に論じた方法と異なり、骨ネジ48の選択は、一番下の器具付けした椎骨(LIV)には、一軸骨ネジを含まない。限定されないが、先細のロック、止めネジ、固定ナット、または類似のネジを含む多軸骨ネジが、T4およびT5に近位の基盤を確立するために同様に使用され、一方、一平面の骨ネジは、構築物の他の全ての固定箇所に使用される。ロッド整復装置10は、T4およびT5の左右に適用される。脊椎ロッド50は、左右のロッド整復装置10内に導入される。
【0064】
脊椎ロッド50の矢状方向の配列を確保した後、T4およびT5におけるネジ48は、先に明らかにした器具のうち、好適な固定器具を使用して完全に固定される。次いでロッド整復装置10は、両方の脊椎ロッド50の上部で適用されて頂端側のネジを捕捉し、凸面側S2のロッド50を骨ネジ48内に整復する。続いてロッド50が整復され得る。この時点で、凹面側Slにある骨ネジ48は、図7Aおよび図7Bに示されるような部分固定具60を使用してある程度固定され、そして、ロッド整復装置10は、取り外される。この時点で、この方法は、先に論じた最終の奇形矯正段階へと続く。多くの段階において、左右への適用は、先に説明した方法と幾らか方法が変わり、まず奇形の凹面が処置され、次に奇形の凸面側S2に適用される。
【0065】
胸腰椎/腰椎の奇形の症状では、最初に説明した方法は、ロッド整復装置10が、まず奇形の凹面側Slに適用され、次に凸面側S2に適用されるのではなく、左右の骨ネジ48に適用される点で幾分か変更される。ロッド整復装置10へのエクステンダも左右に適用される。脊椎ロッド50は、最初に奇形の凸面側S2にのみ導入される。LIVは、ロッド50にネジをある程度固定することにより安定化され、LIVより上の椎骨は、エクステンダの取り付けにより提供された、向上したてこ作用を利用して手動により回転される。次いで、奇形の凸面側にある脊椎ロッド50の逆回転が達成される。LIVは、完全に固定されることによりさらに締結される。この時点で、脊椎ロッド50が奇形の凹面側に導入され、逆回転される。続いてネジ48は、好適な固定装置を使用してロッド50に固定される。次いでロッド整復装置10は、構築物の凹面側Slから取り外される。延長術は、奇形の頂点Aから遠位および近位の両方向に達成される。次いで、構築物の凹面側は完全に固定される。この時点で、凸面側にあるネジ48の頭部内への脊椎ロッド50の据付けが達成され、ロッド整復装置10に対してある程度固定される。次に、凸面側S2にある下方の頂端の加圧が達成されて、続いて構築物の凸面側S2が完全に固定される。
【0066】
脊椎奇形の二重の胸椎の症状(左側T1からT4、右側T4からL1の湾曲)では、開示する脊椎手術の方法は、また、単一の胸椎の方法に関して先に論じた段階を幾分か補則し、調整することで達成される。二重の胸椎の奇形では、近位の基盤を確立するために、多軸ネジは、Tl、T2、またはT3で用いられる。単一の胸椎の方法と類似して、一平面のネジは、LIVで使用される一軸ネジを除いて、構築物の全ての固定箇所に対して使用される。ロッド50を据付け、続いてロッド50を回転させる処置の後、図7Aおよび図7Bに示されるような部分固定具60、並びにロッド整復装置10を使用するか、または米国特許出願公開第2007/0213722号に示され、説明されている、2回動作によりロッドを整復し固定する装置の第2ハンドルを使用することにより、近位の固定箇所(T2からT5)での部分固定が達成される。このとき、T2固定箇所は、米国特許出願公開第2007/0093817に示され、説明されているように、ネジに脊椎ロッドを挿入し、定位置にしっかりと固定できるか、またはネジから選択的にロッドを固定/解除でき、複数面のテーパ付き固定ネジの特性と補完的な特性を持って構成されたトルクを加えないような固定器具を使用して、完全に固定することができる。今や完全に固定されたT2とある程度固定されたT3との固定箇所の間、上方の湾曲分節(T2からT5またはT6)の間で繰り返された分節の圧縮は、上方の胸椎湾曲の矯正に効果を与える。
【0067】
この時点で、ロッド整復装置10は、T6からL1の奇形の凹面側S1にある骨ネジ48を捕捉するため、凹形のロッド50の上部で適用することができる。最初に説明した一般的な方法と同様に、脊椎ロッド50は、ロッド整復装置10を徐々に締め付け、続いて凹面側S1にある脊椎ロッド50に対して脊椎を逆回転させ、位置変えすることにより遠位の骨ネジ48内に据付けられ得る。
【0068】
凹面側S1の全ての固定箇所または骨ネジ48は、図7Aおよび図7Bに示されるような固定具を使用して、ロッド整復装置10の上部である程度固定することができる。最初に説明した実施形態の方法と同様に、次に、ロッド整復装置10は、凹面側S1の骨ネジ48から取り外し、奇形の凸面側S2の骨ネジ48に取り付けることができる。先の一連の段階は、奇形の凸面側S2に対して同様に繰り返され、凸面側S2を位置変えし、回転させた後、先に説明したように、最終的な奇形の矯正を達成することができる。脊椎ロッド50は、整復の間、高い方にある胸椎の小さな椎弓根を破砕させないように、下方の湾曲の凹面側S1に設置すべきである。
【0069】
脊椎奇形の二重の深刻な症状(T4からL4;右側胸椎、左側腰椎)では、一般的な方法の段階は、この症状によりもたらされる付加的な問題を満足させるように変更される。外科手術方法の他の別形で認められるように、多軸ネジは、構築物のために近位の基盤を確立するように使用される。ロッド整復装置10は、まず胸椎奇形の凹面側S1に対して、近位のT4からT6に適用され、脊椎ロッド50は、その側面に導入される。次いで、ロッド整復装置10は、脊椎奇形の両方の湾曲の頂点Aにおける脊椎ロッド50の上部に適用される。次いで、凹面側S1にあるロッド50は、矢状面へと回転され、T4およびT5に対して部分的な固定が適用される。T4およびT5からロッド整復装置10が取り外されると、T4およびT5は、固定器具、例えば部分固定具60を使用して、完全に固定することができる。
【0070】
ロッド整復装置10は、奇形の腰椎湾曲部に緩やかに前進され、エクステンダが腰椎湾曲部の凸面側S2に適用される。このとき、LIVは、安定化され、中央にある尖端の腰椎が回転される。次いで、脊椎ロッド50は、遠位の固定用ネジ48内に密封され、一時的な短い凹側腰椎ロッドは、ある程度固定することができる。ロッド50は、遠位の固定用ネジ48内に据付けられ得る。凹面側S1にあるロッド50まで脊椎Sの逆回転および位置変えを達成することができる。次いで、奇形の頂点Aに向いたロッド整復装置10の段階的で連続的なある程度の締め付けが、ネジが引き抜けてしまうことを回避するよう注意しながら達成することができる。次いで、構築物の凹面側S1は、ある程度固定することができ、凹面側S1から取り外されたロッド整復装置10は、凸面側S2に設置することができる。凸面側S2では、凹面側S1に対して先に行われた処置が、前述と同様に構築物の近位端から奇形の頂点Aまで、最終的な奇形の矯正が達成されながら繰り返される。奇形の凸面側S2にて方法を進行させながら、ロッド50をそのままの位置で矯正する機会を提供することができる。
【0071】
二重の深刻な症状のために提供される方法に関して、脊椎奇形における大きな湾曲、または細部の硬直した湾曲は、単一の整復ロッドを用いて整復することはできないかもしれない。その場合、より小さな2つのロッド断片が、脊椎Sの同じ側にある各湾曲を整復するために使用され得る。その場合、次いでロッド50は、両側の「結婚指輪」のような接続器とともに接続される。次いで、硬い保持ロッドが他方の側に連結され得る。結合した最初のロッドの交換は可能である。この症状では、脊椎奇形の凹面側S1および凸面側S2にある両方の尖端の逆回転は、同時に、かつ対になった回転変形の特性と反対方向に行われるべきである。
【0072】
脊椎奇形の三重の湾曲の症状(胸椎/胸腰椎/腰椎)では、三重全ての尖端は、好ましくは同時に逆回転されるべきである。この状況で用いられる方法は、これから説明する以下の例外はあるが、ロッド整復装置10へのエクステンダの適用まで、二重の胸椎の症状に関して説明した方法と類似する。従って、上方胸椎の凹側の方法における胸椎手段および延長手段に関して先に記載した手段を用いることができる。次いで、胸椎凸側への手段が必要とされ、湾曲または回転が残っている場合には腰椎部分全体用の手段に続く。
【0073】
脊椎奇形の脊柱後側弯症(T2からT3)(複合技術)の症状では、まず考慮すべきは、尾に近い前弯腰椎レベル、およびT3からT4頭側についてである。前方の解放および椎体間の延長は、最近の後方短縮技術(Ponte法、椎弓根減算骨切り術)にはめったに必要とされない。この症状で選択するインプラントは、より硬く丈夫な材料が好ましい。本明細書で説明した脊椎手術方法の他の別形で共通するように、外科手術領域の最初の準備、および脊柱の少なくとも部分的な露出には、横突起靭帯の解放を必要とし、黄色靭帯の切除とともにあらゆるレベルの包括的に広範な脊椎関節突起切除術、脊柱後側弯症の尖端周囲に対照的にある骨に対するPonte法による複数の骨切りが求められる。
【0074】
前述と同様に、近位のT2からT3では、多軸ネジがロッドの取り付けおよび近位の基盤の確立を簡易にするために使用される。先に説明した一般的な方法のように、一平面のネジが、一軸のネジを必要とする器具が付けられた最も下方の椎骨(LIV)を除いた残りの固定箇所に対して使用される。代替的に、この方法の別形では、可撓性の奇形に対して多軸ネジを使用することができる。
【0075】
この奇形において、脊椎ロッド50は、ロッド50を据付けるためにロッド整復装置10、およびロッド整復装置10とともに定位置にネジ48のある程度の固定を達成する部分固定具60を使用して、T2からT4に導入することができる。この時点で、ロッド整復装置10は取り外すことができ、T2にあるネジ48の頭部は、固定器具を使用して完全に固定することができる。この時点で、外科医は、T2にある完全に固定されたネジ48とT3にある、ある程度固定されたネジ48とを両方ともに加圧し、続いてT3にあるネジ48が完全に固定する。同様の分節の圧縮がT3とT4との間に実現でき、近位の基盤の復元を完了させることができる。
【0076】
T4より下(近位から遠位)のネジ48に対するロッド整復装置10を両側への適用は、脊椎ロッド50を捕捉し得る。この時点で、先に説明した矯正回転を提供しながら、脊椎Sの下方向にロッド50を位置変えするという、構築物の近位端から遠位端へのロッド整復装置10の続く締め付けは、ネジ48の頭部の完全な据付けへとロッド50をゆっくりと進行させながら徐々に達成することができる。ネジの引き抜けは、複数のロッド整復装置10を用いて同時に位置変えすることにより抑制することができる。ある程度の固定が完了した後、ロッド整復装置10は、取り外して、次の固定箇所にあるロッドの位置変えを促すために、より遠位のネジ48に設置することができる。続いてT4の高さから下方向の、器具が付けられた最も下方の椎骨(LIV)まで加圧が完了し、脊柱後側弯症の矯正が完了する。LIVの水平位置が確認された後、固定箇所は、迅速に固定する器具を使用して完全に固定される。再び、構築物を通して強固な固定を提供するために、各固定箇所の完全な固定が確認される。なお、厄介な奇形または硬質な奇形については、湾曲の矯正を容易にするために、尖端および遠位のカンチレバーの前に、近位に横コネクタ(単数または複数)を使用すること、SPOを行うこと、または尖端骨切りを実行することができる。
【0077】
代替的に、先に説明した脊柱後側弯症(T2からL3)の方法に、「局所尖端整復」と言われる異なる方法を用いることができる。より大幅な矯正が必要とされる硬直した厄介な脊柱側弯症の奇形のために、脊椎Sは、奇形の頂点Aにおける最終的なインプラントとして役割を果たすロッド50の設置前に、一時的なロッド(不図示)を用いて予め矯正することができる。そのような一時的なロッドは、軟らかいロッドを、奇形の頂点の上下の、少なくとも3つの高さを延伸させるに十分な長さを持つ2つの区分に切り分けることにより提供することができる。
【0078】
これら一時的なロッドの各々は、脊柱Sの両側にある尖端骨ネジ(単数または複数)内に整復される。次いで、一時的なロッドは、頂点Aの片側にある残る2つのネジ内に、徐々に整復される。次いで、尖端ネジ(単数または複数)は、完全に固定され、頂点Aが2つの隣接する高さの間で共有される場合は、次いで両方の高さが一緒になってわずかに圧縮され、ある程度強く固定される。非常にわずかな段階的加圧という巧妙な処置が両ロッドRについて頂点Aから中央に向かって行われる。次いで各ネジ48は、加圧器が取り外されると、ずれが生じないようにある程度固定される。ロッドマニピュレータ700は、各加圧の巧妙な処置の間、ネジ48をより中央に向けて安定化させるように使用され得る。十分な長さがロッドRに得られ、次に利用できるネジ48内へと端部を整復することができる。
【0079】
拘束または高い抵抗に遭遇する場合は、最も遠位のネジ48を完全に固定することができ、それにより、より中央に向かうネジ48にかかる拘束の負担を抜き取り、さらに加圧することができる。尖端加圧の続く回転は、軟組織のクリープと適合するように、各回転間で十分な時間、例えば1分間続けることができる。
【0080】
次いで、各一時的なロッドは、「Smith Peterson法による骨切り」が完全に施されたときに完全に固定することができる。この時点で、一時的なロッドの一方を取り外し、所望する矢状の輪郭へと形成された、十分な長さの、実質的に硬く、最終的に埋め込まれる器具としてふるまう脊椎ロッド50と交換することができる。この永続的な脊椎ロッド50は、永続的な交換が第2の一時用の軟らかなロッド50について成されるが、矯正を維持するために、近位では完璧に固定され、遠位では少なくともしっかりとある程度固定されるべきである。局所の根尖端の加圧という束の間の期間は、ネジ48を完全に固定する前に行うことができる。他方側の一時的なロッドは、同様の技術を使用して置き換えることができる。
【0081】
脊椎奇形の脊椎後側弯症(T2からL3)では、脊柱後側弯症(T2からL3)の症状について先に提示した方法は、所望の矯正を実現するために以下のように変更することができる。脊柱後側弯症(T2からL3)の症状のための先に説明した最初のステップは、次にT4の高さから下方向のLIVまで連続的な加圧手段が完了するまで行うことができる。その時点で、この方法の手段は、脊柱の脊椎側弯症の脊柱の曲線を矯正することに向けられる。脊椎側弯症の奇形の矯正に必要とされる分節は、テーパ付き固定ネジ用の適切な固定解除器具を使用して、固定解除することができる。ネジを選択的にある程度固定するか、または完全に固定するように構成された、そのような固定解除器具の一例は、米国特許出願公開第2007/0093817号に開示されており、その内容は、参照により本明細書に全体的が組み込まれる。固定解除されると、それらのネジ48は、ロッド整復装置10、並びに図7Aおよび図7Bに示される部分固定具60を用いてある程度固定することができる。近位から頂点Aまで、そして凸面側S2にある外延エクステンダとともに奇形の凹面側S1に固定器具、例えば部分固定具60を使用することにより、動作分節は、所望の配列に、分節的に軸回転させることができる。この時に、固定器具60は、奇形の凹面側S1にある脊椎ロッド50への矯正回転を維持するように適用することができる。次いで、逆回転エクステンダは、分節の凸面側S2にあるネジ48から取り外すことができる。凸面側S2にあるネジ48と近位の固定箇所、例えばロッドマニピュレータ700との間に加圧することにより、分節を同じレベルにすることができる。次いで固定器具、例えば部分固定具60は、凸面側S2にあるロッド50に固定位置を固定するように使用することができる。
【0082】
次いで、逆回転/加圧は、所望の矯正が獲得されるまで、奇形の頂点Aの向こう側まで連続的に繰り返され得る。LIVの水平位置を確認することができ、固定箇所は、固定器具を使用して完全に固定することができる。再び、全てのネジ48を完全に固定することを繰り返すというステップを行い、構築物を通して硬い固定を確認することができる。現行の方法の他の変更と同様に、脊椎手術法を完了するため、潅注、剥皮、および必要な任意の骨移植は、この時に達成することができる。
【0083】
次に、図8を参照すると、椎骨を整復するシステム200が示される。システム200は、図3に関して先に論じた複数のロッド整復装置10に連結された、複数のマニピュレータ28、128を備える。マニピュレータ28、128、およびロッド整復装置10は、先に論じたように、脊柱Sの椎骨に取り付けられる。続いて、横方向の連結器150は、単一の椎体に取り付けられた一対のマニピュレータ28、128に取り付けられる。横方向の連結器150は、脊柱Sの縦軸を横切って延伸し、一対のマニピュレータ28と協調し、単一の椎体に作用する。図8に示されるように、複数の横方向の接続器150は、各ペアが単一の椎体と結合するとともに、一対のマニピュレータ28、128に連結され得る。
【0084】
次に、図9Aおよび図9Bを参照すると、横方向の連結器150は、第1アーム部分130および第2アーム部分170を備える。第1アーム部分130は、その片方の端部に配置された受部140を有する軸部151、および他方の端部に配置されたリング134を備える。スペーサ135およびスリーブ138は、それぞれ、リング134内に摺動可能に配置される。スリーブ138は、マニピュレータ28、128の制御つまみ32、132の一部分を取り外し可能に受入れるように構成され、適合されている。受部140は、軸部151と実質的に並んだ開口146を有する。直角方向に配向された穴148も受部140に配置される。接続金具142は、穴148内への挿入のために構成され、適合されている。接続金具142は、ネジ山の付いた容器142aを備える。穴148に接続金具142が位置付けされた後、ピン144は、受部140に接続金具142を締め付けるため、穴145を通って挿入され、摩擦により定位置に締め付けられる。ネジ山の付いた容器142aは、開口146と並ぶ。第2アーム部分170は、接続金具142のネジ山の付いた容器142aとネジ止め可能に係合するように構成されたネジの付いた軸部172を備え、それにより第1アーム部分140に第2アーム部分170が締め付けられる。さらに、第2アーム部分170は、リング174、スペーサ176、スリーブ178を備える。スペーサ176およびスリーブ178は、リング174内で摺動可能に配置される。スリーブ178は、マニピュレータ28、128それぞれの制御つまみ32、132の一部分を受入れるように構成され、適合されている。
【0085】
システム200により、施術者は、椎弓根ネジおよび脊椎ロッドが隣接する椎体に著しい影響を与えること無く挿入された後、個々の椎体を取り扱うことができ、それにより矯正の外科手術処置の間、椎体の一層正確な配向を提供する。施術者は、横方向の連結器150の第1アーム部分130および第2アーム部分170を把持し、圧力を印加して所望の位置に椎体を整復する。代替的に、施術者は、横方向の連結器150対向する端部、例えば、軸部151、172の中間にて横方向の連結器150を把持し、椎体または身体を整復する。
【0086】
次に、図10Aおよび図10Bを参照すると、システム300は、グリップ180を備える。グリップ180は、第2アーム184と旋回可能に連結された第1アーム182を含む。アーム182、184が間隔を空けると、アーム182、184は、グリップ180が1つ以上の横方向の連結器150を捕捉するように位置付けされ得るように、その間に隙間を規定する。グリップ180が所望の位置になると、図10Aに示されるように、アーム182、184は、1つ以上の横方向の連結器150の周囲でグリップ180を閉じるように、互いに向かって旋回する。複数の横方向の連結器150に取り付けられて示されているが、グリップ180は、単一の横方向の連結器150に取り付けられて使用されてよいことが想定される。それ故、グリップ180と操作的に結合した横方向の連結器150の数に関わらず、施術者は、外科手術処置を行う間、椎体(単数または複数)を整復するためにマニピュレータ28、128を操作することができる。さらに、施術者は、選択処置を行う間、グリップ180を取り外し、特定の状態へと選択した椎体を処置するために所望する、他の横方向の連結器150にグリップ180を再び取り付けてよい。
【0087】
図11および図12を参照して、次にシステム400を説明する。システム400は、以下の例外があるが、システム200および300と実施的に類似する。システム400は、システム300のグリップ180を備えていない。代わりに、システム400は、そこから延伸する複数のロッド194を含む本体192を備えるハンドル190を備える。ポスト196は、本体192に各ロッド194を連結させる。ハンドル190は、4本のロッド194を備えて例示されているが、より多い、またはより少ない194がハンドル190に設けられてよいことが想定される。使用において、ハンドル190は、椎体の片側に沿って1つ以上のマニピュレータ28、128内に挿入される。本形態では、システム400により、脊柱Sの縦軸の片側にある1つ以上の椎体のみを操作することができる。それ故、施術者は、他方側に影響を与えないようにしながら脊柱Sの片方側をてこ入れすることにより、選択した椎体を整復することができる。本形態では、施術者は、ハンドル190を動かすことにより、基準ポイントであるその反対側を使用して、選択した椎体を旋回させることができる。図11に例示される実施形態では、ハンドル190の動きがマニピュレータ28を介して椎体を旋回させ、一方でマニピュレータ128は比較的固定したままで旋回ポイントとして機能を果たす。ハンドル190は、取り外し可能であり、反対側に再び取り付けられてよく、施術者は、椎体を徐々に整復し得る。代替的に、施術者は、所望の結果を実現するために、ハンドル190を操作し、内側または外側のどちらかにシステム400を整復する。
【0088】
本開示のさらなる実施形態について、次に、図13および図14を参照してシステム500を説明する。システム500は、システム200について先に論じた要素を備えるが、連結器220を備える。図14に示されるように、連結器220は、バー226の表面に沿って配置されたつまみ222を備える。バー226は、一対のスロット228を備える。各スロット228と結合して、把持器具224は、一対の間隔を空けたアーチ型部材を備える。把持器具224は、バー226の縦軸に沿って整復可能である。さらに、各把持器具224のアームは、横方向の連結器150の第1アーム部分130または第2アーム部分のどちらかと取り外し可能に係合するように構成されている。図13に示されるように、一対の横方向の連結器150に接続されると、椎体の整復は、つまみ222を把持し、横方向の連結器150に操作可能に連結されたマニピュレータ28、128を介して椎体を操作することにより行われる。代替的に、施術者は、椎体を取り扱うために、バー226の片方の区分または両方の区分を掴んでよい。使用において、システム500は、選択処置の実施において向上した可撓性を促す、多数方向の椎体の取り扱いを容易にする。
【0089】
脊柱の第1椎体に連結された第1ロッド整復装置、脊柱の第2椎体に連結された第2ロッド整復装置、第1ロッド整復装置に連結された第1マニピュレータ、第2ロッド整復装置に連結された第2マニピュレータ、および第1マニピュレータおよび第2マニピュレータを連結させる連結器を備える、いくつかのシステムは、本開示の範囲内にあることを留意されたい。一実施形態では、システムは、脊柱の第1椎体に連結された第1ロッド整復装置および第2ロッド整復装置を備え、第1マニピュレータが第1ロッド整復装置に連結され、第2マニピュレータが第2ロッド整復装置に連結された第1アセンブリと、第2椎体に連結された第3ロッド整復装置および第4ロッド整復装置を備え、第3マニピュレータが第3ロッド整復装置に連結され、第4マニピュレータが第4整復装置に連結された第2アセンブリと、第1アセンブリおよび第2アセンブリを連結させる連結器とを備える。
【0090】
本明細書で開示した方法とともに使用されるキットを提供することは、本開示の範囲内にある。キットは、少なくとも2つの多軸骨ネジ、少なくとも2つの一平面の骨ネジ、少なくとも2つの一軸骨ネジ、および少なくとも2つの脊椎ロッドを含むとともに、隣接する脊椎の椎骨に外科手術用ロッドを接続する骨ネジを使用するための関連ツールを含む。さらに、キットは、例えば接続ロッドのような外科手術用ロッドを含めることができる。相互接続器またはリンクのような追加の装置も、キットに含むことができる。
【0091】
当業者には、本開示の範囲および精神から逸脱することなく、形態および細部においてさまざまな修飾および変更が成され得ることが理解されるであろう。従って、先に提案したような修飾は、本開示の範囲に限定されるものではなく、本開示の範囲内にあるものと考慮されるべきである。それ故、先の開示は開示した実施形態に限定されるものと解釈されるべきではない。本発明の範囲および精神内にある他の実施形態が、当業者には見出だされるだろう。例えば、ロッド整復装置10は、本明細書で開示した方法で使用するための1つの装置であるが、骨ネジ頭部を把持し、骨ネジの凹部内にロッドを整復することを促すことができる代替的な装置が、説明した代わりの手段、実質的に同じ手段で使用されてよいことが想定される。例えば、ロッド整復装置が、止めネジ型の骨ネジに装着するように適合されて機能できること、その一平面および一軸止めネジ型の骨ネジである止めネジが、ロッド整復装置を介して挿入可能であることも検討される。また、骨ネジの頭部に接続することができ、その骨ネジの受入れ用スロットの中の、定位置に脊椎ロッドを推し進めることができる任意の細長いツールは、本明細書で説明したマニピュレータとして適していることが想定される。
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
【0002】
本出願は、2008年10月10日に出願された米国特許仮出願第61/104,411号、および2008年6月27日に出願された米国特許仮出願第61/133,357号の利益を主張する。この先の出願の各々の内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
本開示は、整形外科手術、より詳細には、脊椎奇形に関する外科的矯正のための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0004】
一般的に脊椎奇形の矯正には、特有な脊椎の関係において、椎骨を安定させ、固定させること必要とする。外科手術による脊椎の矯正処置は、隣接する椎骨に配置された複数の骨用のピン、アンカー、ケーブル、フック、またはネジを配置すること、椎骨間に所定の脊椎の関係を維持する脊椎ロッドを使用することを含む。そのような装置は、永続的に対象物に埋め込まれ得る。しかし、別の場合、その後必要なくなったときに装置は取り外されてよい。
【0005】
重度の脊柱側弯症のような脊柱に関するある奇形は、相当な矯正が必要とされる。脊椎を矯正するための従来装置の使用は、一連の別個の外科手術を必要とし得る。例えば、一般的に、脊柱側弯症の治療は、硬質なネジおよび接続ロッドの使用を含む。そのような接続は、外科手術中のある程度の自由度を提供できず、それにより、接続ロッドを骨ネジと強固に接続した状態で固定する前に、脊椎の椎骨を操作すること、および整復することを阻害してしまう。
【0006】
脊椎用構築物を組み立てるときに接続ロッドの導入および固定を簡易にするため、多軸骨ネジが使用されてきた。しかし、多軸骨ネジおよび他の可撓性の接続物は、脊柱側弯症のような場合、非常に大きな動作範囲をもたらし得る。脊柱を取り扱う過程の間、骨ネジに相対して接続ロッドが一平面または一軸にのみ動くように、動作範囲を限定する必要があるかもしれない。単一面または単軸回転に対する骨ネジ頭部の動きを限定することができない従来の接続ロッドおよびネジのシステムを使用して適切な配列を実現することには問題がある。硬質な骨ネジは、脊椎の取り扱いを容易にし得るが、そのような道具を使用して接続ロッドを取り付けることは、より困難である。取り扱いの間、接続ロッドの取り付けを容易にさせながら、ネジ頭部の望ましくない多軸の動きを回避することは、一平面または一軸のネジ頭部を使用することにより実現することができる。
【0007】
しかし、従来の外科手術の方法は、一平面および一軸の骨ネジのような特別な骨ネジを十分に使用できるように設計されていない。例えば、多くの骨ネジでは、ネジにロッドを締め付けるように設計された止めネジまたは固定ナットを利用する。そのような固定システムは、構造体の最終固定の前、およびその最終固定の間に、ロッドに沿ってネジおよび他のネジの位置に対して調整がなされるよう、ロッドとネジとの相対位置が、安定しつづけることができるように、ロッドにネジをある程度固定することを容易にしない。
【0008】
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許出願公開第2009/0018593号明細書
【特許文献2】国際出願第PCT/US09/47002号
【特許文献3】米国特許出願公開第2008/0027432号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2007/0093817号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2009/0105769号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2009/0105716号明細書
【特許文献7】米国特許出願公開第2007/0093849号明細書
【特許文献8】米国特許出願公開第2007/0213722号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
脊柱と関連した位置に脊椎ロッドを操作することと、骨ネジ、例えば多軸、一平面、および/または一軸のテーパ付き固定ネジを脊椎ロッドに固定することとを含む、脊椎奇形を外科手術により矯正する、脊椎のための方法およびシステムを本明細書に開示する。少なくとも幾つかの多軸ネジは、止めネジ型のネジであり得ることが考慮される。開示する方法では、ネジは止めネジ型のネジであり得る。開示する方法では、構築物の一方の部分においてテーパ付き固定ネジの組み合わせを、構築物の別の部分において止めネジ型またはナット型のネジを用い得る。生理学的に矢状面に、予め折り曲げてある脊椎ロッドが使用され得る。
【0011】
本明細書において説明する方法で使用するための器具を提供するキットも開示する。キットは、複数の脊椎ロッド、ネジジャッキ機構を備えるロッド整復装置、およびマニピュレータを含む。
【0012】
開示する任意のシステムまたは方法において、脊椎ロッドは、骨ネジを使用して椎骨に取り付ける前に、生理学的に矢状面に予め折り曲げていてよい。テーパ付き固定ネジの接続機構、およびロッド整復用ネジジャッキ機構を有するロッド整復装置は、ロッド整復および脊椎回転の矯正を一回のステップで促すように使用することができる。ロッド整復および脊椎回転を一回の動作で促すために、ロッド整復装置のネジジャッキ機構が、奇形の凹面側にある骨ネジに取り付けられ得、マニピュレータが奇形の凸面側にある骨ネジを取り付けられ得る。概ね、開示する方法は、テーパ付き固定骨ネジを使用して、より詳細には、とりわけ、複数面のテーパ付き固定ネジ、一軸のテーパ付き固定ネジ、および単軸のテーパ付き固定ネジを含む、複数面のテーパ付き固定ネジを利用して、脊椎の多様な穴に複数の骨ネジを埋め込むステップを含む。テーパ付き固定ネジは、ネジをある程度固定する機能を提供し、完全に固定する前に、ある程度固定しながら位置を保持しつつ、脊椎を追加的に取り扱うか、または引き続いて取り扱うことができる。脊椎ロッドを接続する前に、脊柱は奇形を整復するために手動により取り扱われ得る。
【0013】
整復ジャッキは、複数の骨ネジの少なくとも幾つかに搭載され得、ロッドは、ロッド整復ジャッキと骨ネジとの間に挿入される。ロッド整復ジャッキは、各ネジにロッドを、徐々に整復させるために、交互的または連続的な方法である程度推進され得る。脊椎奇形の種類により、ロッド整復はまず奇形の片側にて行われ、次にロッド整復が奇形の他方側にて行われ得る。代替的に、ロッド整復ステップは、奇形の両側にて両方に行ってもよい。
【0014】
脊椎ロッドの矢状配列を容易にするために、加圧、延長、および/または逆回転を含む矯正は、椎体に埋め込まれ、ある程度固定されたネジを用いて行われ得る。各骨ネジに対するロッド整復用ジャッキのある程度の推進は、ロッド整復ジャッキおよび骨ネジの上部である程度ネジ固定する器具を搭載し、ロッド整復ジャッキとともに骨ネジを定位置に、ある程度固定することにより実現され得る。
【0015】
テーパ付き固定ネジは、脊椎用構築物の片方の部分に使用され得、止めネジ型またはナット型のネジは、脊椎用構築物の他方の部分に使用される。また、脊椎外科手術を実施する方法の一実施形態では、脊椎ロッドの一部分が、多軸ネジを使用して脊柱の椎骨に固定
され、一方、器具が付けられた最も下方の椎骨(LIV)が一軸骨ネジを使用して脊椎ロッドに固定されながら、脊椎ロッドの残りの部分が一平面のテーパ付き固定用骨ネジを使用して椎骨に固定される。器具が付けられた最も下方の椎骨の逆向きのねじれが達成される。例えば、器具が付けられた最も下方の椎骨に取り付けられた、つながった横方向の連結器は、矯正の間に安定性を促し、逆向きのねじれを提供する。
【0016】
配列チューブまたは類似の器具が、1つ以上の整復ジャッキの上部に搭載され、所望の矯正位置に脊椎を操作するために使用され得る。位置付けられると、配列チューブは取り外され、ある程度ネジ固定する器具がロッド整復ジャッキおよびネジの上部に搭載され、ネジは、ロッド整復用ジャッキとともに定位置に、ある程度固定され得る。ある程度ネジ固定する器具およびロッド整復ジャッキは、各ネジから取り外され得る。ネジ固定する器具は、各ネジを完全に固定するように使用されてよい。ネジのいくつかが完璧に固定されてよく、一方、他のネジがある程度固定されてよく、それにより追加調整を行うことができる。
【0017】
脊柱の第1椎体に連結された第1ロッド整復装置と、脊柱の第2椎体に連結された第2ロッド整復装置と、第1ロッド整復装置に連結された第1マニピュレータと、第2ロッド整復装置に連結された第2マニピュレータと、第1マニピュレータおよび第2マニピュレータに連結された連結器とを備える、脊椎奇形を矯正するために椎骨を整復するシステムも本明細書に開示する。
【0018】
別の実施形態では、脊柱の椎骨を再配置するためのシステムは、第1ロッド整復装置および第2ロッド整復装置を備え、第1ロッド整復装置および第2ロッド整復装置が脊柱の第1椎体に連結され、第1マニピュレータが第1ロッド整復装置に連結され、第2マニピュレータが第2ロッド整復装置に連結された第1アセンブリと、第3ロッド整復装置および第4ロッド整復装置を備え、第3整復装置および第4ロッド整復装置が脊柱の第2椎体に連結され、第3マニピュレータが第3ロッド整復装置に連結され、第4マニピュレータが第4ロッド整復装置に連結された第2アセンブリと、第1アセンブリおよび第2アセンブリを連結させる連結器とを備え得る。
【0019】
システムは、第1椎体の異なる椎弓根と、第1横方向連結器とにそれぞれ連結された第1マニピュレータおよび第2マニピュレータとを含む第1アセンブリと、第2椎体の異なる椎弓根と、第2横方向連結器とにそれぞれ連結された第3マニピュレータおよび第4マニピュレータとを含む第2アセンブリと、第1アセンブリおよび前記2アセンブリに力をかけるように構成され、適合された連結器とを備え得る。
【0020】
これらのうち任意の実施形態において、連結器は、施術者が互いに関連する椎体を整復するために把持し、圧力を印加するように構成され、適合され得る。別の実施形態では、ハンドルは、1つ以上のマニピュレータとその近位端で係合するように構成され、適合され得る。
【0021】
横方向の連結器は、脊椎奇形のどちらか側にあるマニピュレータを連結させる。例えば、一実施形態では、第1横方向の連結器は、第1マニピュレータおよび第2マニピュレータを連結させ、第2横方向の連結器は、第3マニピュレータおよび第4マニピュレータを連結させ、連結器は、第1および第2の横方向の連結器を捕捉するように構成され、適合されたグリップを備える。横方向の連結器は、施術者が椎体を整復するために把持し、圧力を印加するために構成され、適合され得る。
【0022】
横方向の連結器は、第1リングを備える第1アーム部分と、第2リングを備える第2アーム部分を備え得、第1および第2アーム部分が互いに連結され、第1および第2リングが各々、1つの制御用つまみの一部分を受入れるように構成され、適合されている。第1および第2リングは、各々、摺動可能に配置されたスリーブを備え得、該スリーブは1つの制御用つまみの一部分を取り外し可能に受入れるように構成され、適合されている。
【0023】
少なくとも2つの横方向の連結器を連結するよう構成され、適合された連結器が使用され得る。一実施形態では、連結装置は、そこに1つ以上の横方向の連結器を捕捉するように構成され、適合されたグリップを備え得る。グリップは、互いに旋回可能に連結された第1および第2アームを備え得る。
【0024】
代替的に、連結装置は、縦軸を有し、一対の把持器具を備えるバーを備え得、各把持器具が横方向の連結器のアーム部分と係合するように構成され、適合されている。各把持器具は、縦軸に沿って整復可能であってよい。つまみは、施術者による連結装置の操作を容易にするために、バーの表面に沿って配置、例えばバーの上面に沿って中央に配置され得る。
【0025】
本開示のさまざまな実施形態は、添付の図面と併せて読むと、以下のより詳細な説明から、より容易に理解されるだろう。
【0026】
本開示に係る前述および他の特徴は、添付の図面を参照して以下の開示の説明を考慮することにより、本開示に関係する当業者には明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1A】骨ネジの頭部に対する接続のために構成された、閉じ位置におけるネジジャッキ機構を有するロッド整復装置の斜視図である。
【図1B】ネジジャッキ機構が開き位置にある状態の図1のロッド整復装置の斜視図である。
【図1C】図1のロッド整復装置の上面図である。
【図1D】図1Cの切断線A−Aに沿った断面図である。
【図2A】マニピュレータ装置の斜視図である。
【図2B】部品を分解した状態の図2Aのマニピュレータ装置の分解図である。
【図3】脊柱の椎骨に取り付けられた複数の骨ネジと、複数の骨ネジと係合した2本の脊椎ロッドと、骨ネジに取り付けられた複数のロッド整復装置と、および骨ネジに取り付けられた複数のマニピュレータとを設置した状態にある脊柱部分を示す背側図である。
【図4A】固定されていない状態における脊椎ロッドを備えた多軸ネジの側面図である。
【図4B】固定状態における図4Aの脊椎ロッドを備えた多軸ネジの側面図である。
【図5A】第1位置におけるカップリングを備えた一平面のテーパ付き固定ネジの側面図である。
【図5B】第2位置におけるカップリングを備えた一平面のテーパ付き固定ネジの側面図である。
【図6】一軸のテーパ付き固定ネジの斜視図である。
【図7A】ネジ固定装置の側面図である。
【図7B】切断線A−Aに沿って取得した図7Aのネジ固定装置の断面図である。
【図8】脊柱の一部分に取り付けられた椎骨取扱システムの斜視図である。
【図9A】本開示の一実施形態に係る、横方向の連結器の斜視図である。
【図9B】図9Aの横方向の連結器の、別々になった部品を備えて示される分解図である。
【図10A】本開示の別の実施形態に係る、脊柱の一部分に取り付けられた椎骨取扱システムの斜視図である。
【図10B】部品を分解した状態の図10Aの椎骨取扱システムの分解斜視図である。
【図11】本開示のさらなる実施形態に係る脊柱の一部分に取り付けられた椎骨取扱システムの斜視図である。
【図12】ハンドルの斜視図である。
【図13】本開示の変形した実施形態に係る、脊柱の一部分に取り付けられた椎骨取扱システムの斜視図である。
【図14】調整可能なマニピュレータの斜視図である。
【図15】配列チューブアセンブリの正面図である。
【図15A】図15の配列チューブアセンブリの側面図である。
【図16】図15の配列チューブアセンブリの切断線A−Aに沿った断面図である。
【図17】図1Aのロッド整復装置と骨ネジとを組立てた駆動器具の等角図である。
【図18】ロッドマニピュレータの正面図である。
【図18A】図18のロッドマニピュレータの拡大等角図である。
【図19】ロッド整復装置の代替的な実施形態と係合する整復ネジの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
ここに、開示する脊椎外科手術のための装置および方法の実施形態を、添付の図面を参照してこれから詳細に説明するが、複数の図面の各々において、同様の参照番号は、同一または相当する要素を指す。以下の説明を通して、「近位」という用語は、操作者に近い方の装置またはシステムの端部を指し、「遠位」という用語は、操作者から離れた方の装置またはシステムの端部を指す。さらに、「頭部側」という用語は、患者の頭に向かう方向を示し、「尾部側」という用語は、患者の脚に向かう方向を示すように、本出願において使用される。さらに、本出願の目的のために、「中間」という用語は、患者の身体の中間に向かう方向、すなわち患者の身体の末端から離れた方向を示す。「後方」という用語は、患者の背面に向かう方向を示し、「前方」という用語は患者の正面に向かう方向を示す。
【0029】
これから、図1Aから図1Dを参照してロッド整復装置10を説明する。ロッド整復装置10は、米国特許出願公開第2009/0018593号に説明されており、その内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる。詳細には、ロッド整復装置10は、フォーク・アセンブリ本体27を含む細長い把持用フォーク・アセンブリ21と移動可能に係合したジャッキ機構12を備える。細長い把持用フォーク・アセンブリ21は、ネジジャッキ機構12の細長いネジ軸部16が通過できるように、サイズ化され、そのために構成された通路75を通る本体を規定するフォーク・アセンブリ本体27を備える。通路75を通る本体の上方部分73には、細長いネジ山付きの軸部16のネジ山に対するためのネジ山が設けられている。
【0030】
図1Dで最もよく示されるように、第1圧縮スロット74および第2圧縮スロット82は、フォーク・アセンブリ本体27の向かい合う側面に規定される。圧縮スロット74、82の最も外側は、フォーク・アセンブリ本体27の下方部分80、58から近位に延伸する第1アクセサリータブ52および第2アクセサリータブ54と関連付いている。第1アクセサリー接続タブ52および第2アクセサリー接続タブ54は、ロッド整復装置10と組み合わせて使用することができる、例えば、図15および図16の92として概ね示される配列チューブのような、他の器具またはアクセサリーとの確かな係合を容易にするために提供される。配列チューブ92の例示的な実施形態は、装置10の周囲に円周的に配置され、患者への装置10の位置付けに役立つようにサイズ化され構成された、トロカールのような装置として提供される。装置10のフォーク・アセンブリ本体27から外側に延伸するアクセサリー接続タブ52、54は、ロッドが設置される骨ネジの頭部を覆って適切な位置内へと装置10の移動を容易にするように、配列チューブ92のルーメン96の内壁94と十分に接触することができる。配列チューブ92は、外科手術の間、骨ネジを覆った装置10の位置付けの促進において、その有用性を向上させる追加のルーメンまたはアクセサリーを設けることができる。
【0031】
ネジジャッキ機構12は、制御部材14を備えて最近位端にて終結し、ロッド接触部材またはアンビル26を備えて最遠位端にて終結する細長いネジ軸部16を備える。ロッド接触部材またはアンビル26は、ネジ山の付いたネジ軸部16の遠位端に取り付けられ、一対の細長い把持部材18、20と円周的に摺動接触して位置付けられる。把持部材18、20の各々は、遠位端に、内側に向いたネジ把持要素22、24を備える。図1Aおよび図1Bに示されるように、ロッド接触部材26は、ロッド接触部材に規定された保持ピン用の穴26aを突き抜ける接触部材用の保持ピン26bにより、ネジ山の付いたネジ軸部16の遠位端に接続され、この位置は、ネジ山の付いた軸部16の下方の大部分79において円周方向に規定される保持ピン用の溝31内でも保持ピン26bが静止できる位置である。ネジ山の付いた軸部16の下方の大部分79は、ネジ山が付いてなく、適切にサイズ化され、構成された接触部材の軸壁84内で、軸部16の該当部分の自由な回転移動を容易にすることができる滑面を有するようにある程度構成されており、次いで、接触部材用の保持ピン26bの挿入によりそこに回転保持される。接触部材の軸壁84は、ネジ山の付いた軸部16の遠位端の滑面になった下方の大部分79を受入れ、下方の大部分79が自由に回転移動できるようにサイズ化され、構成されている。
【0032】
図1Dに示されるように、ロッド接触部材26は、ロッド接触部材26に対向する第1および第2端部において、第1通路90および第2通路91を規定する。第1通路90および第2通路91は、ロッド整復装置10のネジジャッキ機構12と細長い把持用フォーク・アセンブリ21との係合を容易にするようにサイズ化され、構成されている。
【0033】
一方向の制御部材14の回転は、手動または工具T、例えば図17で示されるようなネジ回しといった類の道具のどちらかにより実現され得る。制御部材14は、円周方向に配置されたグリップ用接触部25を備え、当該接触部は、使用の間、使用者が制御部材14を手動または機器により把持することを容易にする。さらに、工具係合用凹部23は、ネジ軸部16の制御部材14の回転移動を容易にするために、締め具または緩め具の形状と補完するように構成することができる。接続タブ52、54が内側へと手動により圧縮されるときは、ネジジャッキ機構12のネジ止め可能に係合した、ネジ山の付いた軸部16から、通路75を通過する本体のネジ山の付いた部分上の圧力が若干軽減するように、フォーク本体アセンブリ27の下方部分80、58の外側へのバイアスに効果を与え、それにより制御部材14およびネジ軸部16が回転する間、内側への圧力が幾分か低下し、反対に、アクセサリー接続タブ52、54に何ら圧力が適用されないときは、本体75のネジ山の付いた部分の内側へのバイアスが、ネジ山の付いた軸16を定位置に保持させるのに役立ち、それにより選択的に取り外し可能な位置で締め付けるという効果を奏する。
【0034】
制御部材14の回転が、取り付けたロッド接触部材26を下方に駆動させる。図3および図17で示されるように、ロッド整復装置10は、骨ネジ48の頭部に容易に接続される。さらに言及すると、骨ネジ48は、図4から図6で例示され、本明細書で後にさらに詳細に論じる骨ネジ48の実施形態を含む。ネジ把持用の要素22、24がそれらの間に位置付けられた骨ネジ48を有し、ネジ48の頭部(図4から図6)がロッド50(図3)と係合するとき、ロッド接触部材26の下方向への移動がロッド50を骨ネジ48の頭部内に押し進めるか、または推進させる。また、ロッド接触部材26の下方向への移動は、把持部材18、20が互いに対して内側に移動することにより、さらに骨ネジ48の頭部を締め付ける。ロッド整復は、ロッド接触部材またはアンビル26が近位に撤退し、ロッド50がロッド整復装置10の把持部材またはアーム18、20を介して設置されたときに実現する。ロッド50は、アンビルまたはロッド接触部材26が遠位に前進するにつれ整復される。代替的に、ロッド整復装置10の上部に搭載されるロッド固定器具は、ネジ48にロッド整復装置10を取り付けながら、固定ネジ48をある程度または完全に固定するために使用されてよい。
【0035】
代替的な実施形態では、図19に示されるロッド整復装置800は、ロッド整復装置10として代用され得る。ロッド整復装置800は、ロッド50を備えた位置で、骨ネジ48の頭部をある程度固定するか、または完全に固定するように選択的に使用することができる。脊椎ロッド50は、ロッド整復装置800の2本のアーム860、870の間に、かつ骨ネジ48の鞍部Xの上に導入され得る。整復ネジ820に対するねじり力の印加は、結果的に、制御され、かつ適度な整復ネジ820の直進を徐々に生じさせる。整復ネジ820は、整復ネジ820と、筐体840およびアンビル850のアンビル穴853を通るネジ山の付いた部分830とを駆動させるために、その近位端に配置された頭部810を有する。整復ネジ820は、前進されながら、整復ネジ820が脊椎ロッド50と接触するまでアンビル穴853を突き抜ける。整復ネジ820のさらなる前進が、脊椎ロッド50をネジ48の鞍部X内に整復させるとともに、アンビル850を遠位に駆動し続ける。ロッド整復装置800の使用は、骨ネジ48を固定すること無く軸方向の逆回転を促す。固定していない位置で骨ネジ48を加圧したり、延長したりすることは、ある状況、例えば患者の骨質が脆い場合に望ましいだろう。適したロッド整復装置の例は、2009年6月11日に出願された国際出願第PCT/US09/47002号に説明されており、その内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0036】
フォーク・アセンブリ本体27は、またフォーク・アセンブリ21の対向する第1細長把持部材18および第2細長把持部材20を旋回可能に受入れるように構成された、対向する第1旋回スロット77、第2旋回スロット86を規定する。フォーク・アセンブリ本体27は、第1本体ピン72および第2本体ピン74を受入れるように構成された、第1の本体を通る穴71および第2の本体を通る穴70を規定し、当該ピンは、ロッド整復装置10の操作の間、フォーク・アセンブリ21のためのアセンブリ21用のピンとしての役目を果たし、第1細長把持部材18および第2細長把持部材20の旋回移動を制限することができる旋回ピンとしての役目も果たす。この限定された旋回の動きは、適切にサイズ化された把持部材の旋回用の穴76、78を通るピン72、74の挿入により容易にされ、当該穴は、細長把持部材18、20の各々の近位端に設けられている。
【0037】
ロッド整復装置10は、ロッド整復装置10の上部で適合する細長い管状エクステンダ(不図示)とともに用いることもできる。細長い管状エクステンダは、ロッド整復装置10、および脊柱Sの椎骨Vに埋め込まれる骨ネジ48の選択的手動操作のために、付加的なてこ作用をもたらす。ロッド整復ジャッキ12が、固定されていない位置またはある程度固定された位置においてネジ48とともにネジ48上に位置付けされるときの任意の時点にて、細長い管状エクステンダは、手動によるてこ入れを向上させるため、および位置変えを促すために、ロッド整復装置10の上部で適合させることができる。
【0038】
次に、図2Aおよび図2Bを参照して、マニピュレータ28を説明する。マニピュレータ28は、調節つまみ32にネジ止め可能に係合された細長い外側軸部30を備える。調節つまみ32と細長い外側軸部30との間には、アセンブリ・リング38が位置付けられ得る。推進ロッド34は、細長い外側軸部30の中に摺動可能に包含される。推進ロッド34は、その遠位端に脊椎ロッドとの接触用要素36を備える。ガイドピン40は、推進ロッド34の中心部分に規定されたガイドピン用容器44の中に確実に設置されるように適合され、構成されている。ガイドピン用スロット42は、細長い外側軸部30の壁に沿って規定され、ガイドピン40の動く範囲を規定するように適合され、構成されている。
【0039】
マニピュレータ28は、骨ネジ48の頭部を把持するように適合され、構成されている。マニピュレータ28は、骨ネジ48および脊椎ロッド50を容易に操作でき、整復できるように、長いモーメントアームとなるように適合され、構成されている。ネジ把持部材46は、マニピュレータ28の遠位端に規定され、テーパが付いた固定形態を有する骨ネジと係合するように構成され、適合されている。推進ロッド34の下方向への移動は、外側軸部30と結合した調節つまみ32を回転させることにより生じ、骨ネジの受入れ用溝の位置内に脊椎ロッドを推進させる。同じ下方向への力による推進ロッド34の下方向への移動を続けると、骨ネジの頭部から骨ネジ把持部材46が外れる。
【0040】
次に、図2Cを参照して別の実施形態のマニピュレータを説明する。マニピュレータ128は、固定サイズを有する遠位端130aを有する。遠位端130aは、ネジ把持部材146および脊椎ロッド接触要素136を備える。ネジ把持部材146は、骨ネジに脊椎ロッドを締め付けるため、止めネジを使用する骨ネジと係合するように構成され、適合されている。さらに、マニピュレータ128は、ネジ把持部材146の近位端に配置された軸部130および調節つまみ132を備える。
【0041】
本開示を通じ、骨ネジ48は、任意の適した骨ネジを言う。単軸または一軸の調整に限定されるような、止めネジまたは固定ナットにより、ロッドを固定する形態または提示した形態を有するネジを用いることは、本開示の範囲内にある。骨ネジ48は、とりわけ、多軸ネジ48a(図4Aおよび図4B)、一平面ネジ48b(図5Aおよび図5B)、および一軸のテーパ付き固定ネジ48c(図6)を含む群から選択され得る。
【0042】
開示する外科手術方法の実施に適した骨ネジ48および脊椎ロッド50を本明細書で説明する。適した複数面のテーパ付き固定ネジは、米国特許出願公開第2008/0027432号および米国特許出願公開第2007/0093817に示され、説明されており、その両方ともに全体が参照により本明細書に組み込まれる。詳細には、複数面のテーパ付き固定ネジは、ネジの最も高い位置で脊椎ロッドに取り外し可能に接続され、ネジの下方のネジ山の付いた部分を使用して第1椎骨に物理的に接続されるように構成されている。ネジの複数面の態様により、脊椎ロッドにそのような接続をするように使用でき、第1椎骨と同一平面に無い隣接する椎骨に接続することもできる。複数面のテーパ付き固定ネジは、近位に配置された容易に利用できるフランジを備え、当該フランジは、挿入してネジの定位置内に脊椎ロッドを確実に固定するか、または補完的に所望の固定解除器具を使用して、選択的にネジからロッドを解除できる固定器具および/または固定解除器具により、ネジの把持を容易にするように構成されている。
【0043】
当技術分野で知られる止めネジまたは固定ナットの手段によってロッドに固定するネジのような多軸骨ネジも、以下に説明するように選択的に使用することができる。参照する一平面および一軸のテーパ付き固定骨ネジが、現行の方法における使用に適しているが、単一平面または単軸の回転へと動作を限定するように、また、参照するネジと同じように容易にある程度固定および/または完全に固定する能力も有して機能する任意の骨ネジも、使用に適していることが想定される。図4Aおよび図4Bに多軸骨ネジ48aが示される。多軸骨ネジ48aは、周囲にらせん形の雄ネジ716を規定するネジ軸714、およびネジ軸714の上方部分に取り付けられたネジ頭部718を備える。二重層のネジ筐体724は、ネジ頭部718の周囲に部分的に位置付けされる。ネジ筐体724は、互いに関連して移動するように構成された外側筐体726および内側筐体728を有する。内側筐体728は、硬質な細長い部材の少なくとも一部分を受入れるように寸法化された開口750を規定し、図4Aに示されるように、ネジ48aがその固定位置に設置されるときは、硬質な細長い部材を加圧するように構成された少なくとも1つの加圧接触面754を有する。硬質な細長い部材、例えばロッド50は、図4Bに示されるような、ネジ48aが固定されていない位置にあるように、ネジ軸714から離れて内側筐体728を摺動させることで、開口750から外され得る。
【0044】
好適な一平面のテーパ付き固定骨ネジが、米国特許出願公開第2009/0105769号に示され、説明されており、その全体の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。図5Aおよび図5Bに一平面のテーパ付き固定骨ネジ48bが示される。ある程度固定された形態または固定されていない形態にある一平面の骨ネジ48bは、トルクの適用を介して海綿骨を穿孔するためのらせん形の雄ネジを規定する骨ネジ軸部614に関連した、外側筐体626および内側筐体628の一平面の旋回動作を可能にする。この限定された旋回回転により、ネジ48bへの接続ロッドの位置付けを容易にし、必要な脊柱の取り扱いを行うことができる。重要なことは、一平面における、挿入された骨ネジに関連する接続ロッドの可撓性は、他の平面動作を限定しながら、システムを定位置に固定する前に、ネジ頭部と接続ロッドとを取り付けるという選択された動作のみを可能にする。外科医が脊柱に取り扱う力を加えることは、脊柱の適切な位置付けに一層効果的であり、これは、ネジ頭部を接続する接続ロッドの一平面の旋回動作が、ロッドの位置付けおよび取り付けを容易にし、他の平面におけるその取り付けに係る動作を完全に限定することは、脊椎を取り扱い、再配列するという目的に対して加えられた手の力を直接伝えるのに役立つ。脊椎を取り扱う間、接続ロッドとネジ頭部との取り付けに係る他の全ての動作が限定できないと、結果として、代わりに脊椎ネジの縦軸に対して片側または他方側へのネジの頭部の旋回または回転が起こる。一平面のネジ頭部は、単一面へと動作を効果的に限定し、それにより、脊椎の取り扱う間、ネジ頭部の望ましくない複数面の動作を回避する。
【0045】
一平面のテーパ付き固定骨ネジ48bは、外側筐体626の壁を通って規定された内側筐体のアクセス用スロット600とともに提供することができ、当該スロットは、ネジ48bを直ちに固定解除することを容易にし、頭部618が咬合用凹部内で動くことができ、内側筐体の接続ロッド用スロットからロッドを取り出すことができるように、内側筐体のツール受容部610と把持接触するように設計された固定解除ツールとして通路を提供する。ネジ頭部618は、粗い表面686を有していてもよく、当該表面は、ネジ48bにより提供される一平面の咬合という動作に対し、ある程度の限定された抵抗を提供するのに役立つ。ネジ咬合用凹部は、凹部内でのネジ頭部618の咬合を容易にするために、ネジ頭部618の概ね球状形状に対して補完する面形状を有する内面を持った内側筐体628の下方部分の内部に規定される。内側筐体628の下方の大部分は、ネジ軸部の出口644を規定し、当該出口は、内側筐体628の外部に延伸するネジ軸の一平面の回転動作を許可しながら、球状のネジ頭部618を凹部内で保持するように構成され、適合されている。ネジ48bは、外側筐体626の壁を通って規定された内側筐体のアクセス用スロット600とともに提供することができ、当該スロットは、迅速にネジ48bを固定解除することを容易にし、咬合凹部内でネジ頭部618が動作でき、ロッドのスロット650から接続ロッドを取り外すことができるように、内側筐体ツール受容部610と把持接触するように設計された固定解除ツール用の通路を提供する。
【0046】
好適な一軸のテーパ付き固定骨ネジは、米国特許出願公開第2009/0105716号に示され、説明されており、その内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる。詳細には、一軸のテーパ付き固定ネジは、選択された位置内に脊柱を固定する前に、手動による脊柱の再配列または位置付けが必要とされる、脊椎側弯症のような特定の脊椎病態を治療するために、ネジへの接続ロッドの取り付けを容易にするように、単軸に沿う可撓性を有する。図6に示されるように、ある程度固定した形態または固定されていない形態の一軸ネジ48cは、縦軸480、およびトルクの適用を介して海綿骨を穿孔するらせん形の雄ネジ489を規定する骨ネジ軸部488の周囲で、外側筐体487および内側筐体481の一軸の回転動作を許可する。このネジ頭部の咬合は、ネジ48cへのロッド50の位置付けを容易にし、外科医が必要に応じて脊柱を取り扱うことができる。重要なことは、一平面における、挿入されたネジ48に対してロッド50を位置付ける可撓性は、他の面における動作を制限しながら、システムを定位置に固定する前に、ネジ頭部およびロッドを取り付けるという選択された動作のみを可能にする。脊柱に動作する力を加えることは、脊柱の適切な位置付けに一層効果的であり、これは、ネジ頭部を接続する接続ロッドの一軸の旋回動作が、ロッドの位置付けおよび取り付けを容易にし、他の平面におけるその取り付けに係る動作を完全に限定することは、脊椎を取り扱い、再配列するという目的に対して加えられた手の力を直接伝えるのに役立つ。脊椎を取り扱う間、接続ロッドとネジ頭部との取り付けに係る他の全ての動作が限定できないと、結果として、代わりにネジ48の縦軸に対して片側または他方側へのネジ48の頭部の旋回または回転が起こる。一軸ネジ48cのネジ頭部は、ネジ48cの縦軸480と直交する単一面へと動作を効果的に限定し、それにより、脊椎を取り扱う間、ネジ頭部の望ましくない多軸の動作を回避する。
【0047】
図6に示されるように、一軸ネジ48cは、外側筐体487および内側筐体481を備える二重層のネジ筐体491の使用により脊椎ロッド50に接続することができる。外側筐体487は、外側筐体487の内面492の少なくとも一部分が、ネジ48cの縦軸に沿って上下方向に、内側筐体481の外面482の一部分を覆って選択的に摺動できるように構成されている。内側筐体のアクセス用スロット483は、ネジ48cの迅速な固定解除、咬合用凹部内でのネジ48cの頭部の動作、および内側筐体のロッド用スロットからのロッド50の取り外しを容易にするように構成され、適合されている。外側筐体487は、環状のグリップ用の溝486を備え得る。外側筐体の接続ロッド用スロット490も、内側筐体の接続ロッド用スロットと共通配列に設けられるが、必ずしも内側筐体のスロットと全く同じ大きさである必要はない。
【0048】
追加の外科手術器具および工具が、本明細書で論じた方法の実施を容易にするために提供し得る。このような器具は、例えば、単動式の抗トルクロッド整復を容易とする米国特許出願公開第2007/0093849号に開示されるようなロッド整復装置を含み、その内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる。テーパ付き固定骨ネジの頭部を容易に把持することができ、骨ネジの受入れ用溝の定位置に脊椎ロッドを整復する任意の装置も、現行の脊椎手術方法において使用することができる。ネジドライバーといった類の装置、および脊椎ロッドの端部を把持する操作レバー、または当技術分野で知られる他の外科手術用工具および装置も、現行の脊椎手術方法を容易にするために使用することができる。さらなる例示として、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2007/0213722号に示され、説明されている2段階動作によるロッド整復器および固定具も、開示する現行の方法における使用に適している。詳細には、1回目の動作で骨ネジの頭部にあるロッド受入れ用切欠き部の位置内にロッドを整復し、続いて同じ器具の2回目の動作により、受入れ用切欠き部にロッドを固定することができる、2段階操作による外科手術装置が使用され得る。
【0049】
また、好適なネジ固定および固定解除装置が、米国特許出願公開第2007/0093817号にも示され、説明されている。詳細には、骨に接続ロッドを接続するための複数面のテーパ付き固定ネジ、並びに選択的にネジをある程度固定するか、または完全に固定するように構成された固定装置および固定解除装置が使用され得る。複数面のテーパ付き固定ネジは、接続ロッドの位置が必要に応じて安定性および配列性を維持しながら、多方向に咬合することができる。ネジ頭部が接合され、適切に位置付けされた後、ネジ頭部は、ネジおよび接続ロッドが骨に対して関連した位置を保つように固定され得る。
【0050】
本明細書で説明される方法は、凸性および凹性を含む任意の脊椎奇形を矯正するために使用することができる。奇形の特性に応じて、好適な骨ネジ48、例えば多軸骨ネジ48a、一平面骨ネジ48b、および/または一軸骨ネジ48cが使用のために選択される。骨ネジ48は、まず、脊柱Sの脊椎内に、湾曲の頂点Aの上下複数箇所において埋め込まれる。次いで、テーパ付き固定骨ネジ48の頭部への取り付けのために適合され、構成されたネジジャッキ機構12を備えるロッド整復装置10、および脊椎Sの取り扱いを容易にするように、てこ作用を提供する操作装置28が骨ネジの頭部に取り付けられ得る。図3に見て取れるように、ロッド整復装置10は、脊椎奇形の凹面側S1にある骨ネジ48の頭部に取り付けられる。マニピュレータ装置28は、脊椎奇形の凸面側S2にある骨ネジ48に設置される。奇形の特性に応じて、ロッド整復装置10は、奇形の両側に使用できる。
【0051】
外科医は、ロッド50を任意に矯正する前に、脊柱Sの湾曲を大幅に動かし矯正することができる。すなわち、外科医は、まず手動により「肋骨隆起(rib hump)」を扱い、整復することができる。脊椎ロッド50は、正常な脊椎湾曲、例えば矢状の湾曲の形態へと予め曲げておくことができる。ある脊椎Sが身体構造上の適切な位置になると、外科医は、ネジおよびロッド整復装置に対して、予め曲げておいた脊椎ロッド50を位置付け、構築物が取り付けられるべき脊柱の最初の2か所に各ロッド50を固定することができる。
【0052】
例示として、単一の胸椎の脊椎奇形(右側T4からL1)では、脊椎ロッド50は、まず椎骨T4およびT5に取り付けられ得る。この近位の取り付けは、ロッドの取り付けを容易にし、構築物に近位の土台を確立するために、多軸骨ネジを使用して達成される。T4およびT5における、これら最初の近位での取り付けは、定位置内にある程度固定させることができ、外科手術の間、追加作業のために安定性を提供し、矯正用の構築物を築いて脊椎を操作することができる。器具が付けられた最も下方の椎骨(LIV)は、一軸のテーパ付き固定ネジ48c(図6)を用いて提供されるべきだが、残りの椎骨に対する他のネジの取り付けは、一平面のテーパ付き固定ネジ48b(図5Aおよび図5B)を使用して達成することができる。椎骨に取り付けられると、残りの固定されていない骨ネジは、図3に見て取れるように、奇形の凹面側Slにあるロッド整復装置10、および奇形の凸面側S2にあるマニピュレータ装置28にいつでも接続できる。次いで、生理学的に矢状面を有するように構成された、予め折り曲げてある脊椎ロッド50は、固定されていない骨ネジおよび取り付けられた整復装置10を通ることができる。
【0053】
一実施形態では、整復装置10は、骨ネジ48の頭部内に脊椎ロッド50を整復するため、外科医の技術により端部から中央に向かって、または片方から他方に向かって締め付けられる。整復装置10は、同時的に締め付けられてもよく、連続的に締め付けられる必要はないことに留意されたい。整復装置10が締め付けられるにつれ、ネジジャッキ機構12の動作は、脊柱を適切な配列へと移動させるのに必要とされる脊柱Sに任意の回転をもたらしながら、脊椎ロッド50を徐々に整復する。1回の動作でロッドを整復し、回転矯正をする効果は、脊椎を矯正する方法の改善された効率性および有効性の促進に役立つ。以下のさらなる詳細で論じるように、脊椎ロッド50の整復の完了時または完了間際では、テーパ付き固定骨ネジ48の一平面または一軸のどちらかは、ロッド整復器10のような固定装置のメカニズムにより、定位置へとある程度固定され得る。
【0054】
部分固定具60は、骨ネジ48と係合し、ロッド50を定位置に固定するように使用することができる。図7Aおよび図7Bで示されるように、部分固定具60は、骨ネジ48を把持するように構成されたネジ把持用の要素61を備える。操作では、内側固定軸部62は、筐体64の中に摺動可能に配置させ、旋回可能に搭載された推進用ハンドル66により移動させることができ、把持用要素61が、ある程度または完全な固定位置へと、ネジの内側筐体を覆ってネジ48の外側筐体を上方に引き上げながら、軸62の接触端部68が、ロッド整復装置10の近位端と操作接触させることができる。
【0055】
図7Cに示されるように、部分固定具60は、ロッド整復用ジャッキ12の上部に取り付けられ、ネジ48からロッド整復器10を取り外す前に、ロッド50にテーパ付き固定ネジをある程度固定することができる。次いでロッド整復器10は、ネジ48から取り外される。この時に、T4およびT5にロッド50を取り付ける、ある程度固定された多軸骨ネジ48a(図4Aおよび図4B)は、任意の好適な固定器具を用いて完全に固定することができる。開示する全ての実施形態において、椎弓根ネジに脊椎ロッド50を取り付けることは、本明細書で先に論じたように達成されてよく、または1つ以上の椎体を脊椎ロッドに向けて移動させること、すなわち、脊椎ロッド50に向けてネジ48の位置を変えることにより、あるいはこれらの技術を組み合わせることにより達成され得る。
【0056】
脊椎ロッド50は、ロッド整復装置10のネジジャッキ機構12を徐々に締め付けることにより、骨ネジ48に据付けられる。この動作は、脊柱Sを、所望の生理学的な矢状湾曲へと、同時に徐々に位置変えし、逆回転させながら、構築物の片方の端部から奇形の頂点Aに向かって椎骨に連続的(または同時的)に行われ得る。複数のロッド整復装置10を用いて徐々に、かつ連続的に位置変えを行うことにより、矯正中にネジが抜けるという可能性、および1つのネジに対して強すぎる力を与えることにより固定性が失われるという可能性を低下させつつ、矯正の間に、構築物に多数のネジが装填され、矯正力が多数のネジに対して配分される。全てのロッド整復装置10が最大限まで硬く締め付けられると、脊椎ロッド50は、骨ネジ48の各々の頭部に捕捉される。また、この一連の高度な処置の間には、最も下方に器具付された椎骨(LIV)の逆方向のねじれも達成される。
【0057】
矯正の間、任意の箇所で、外科医は、先に論じたロッド整復装置10および部分固定具60、またはある程度ネジを固定する1つ以上のネジに対して、類似のテーパ付き固定骨ネジ用固定装置を使用してよい。全ての骨ネジ48へのロッド50の整復間近または終了時に、部分固定具60は、脊椎ロッド50が全ての骨ネジ48にある程度固定されるように、ロッド整復装置10が取り付けられる全ての骨ネジ48に対して適用済みか、または適用される。
【0058】
ネジ48が部分的に固定された位置の状態で、それに対応したロッド整復装置10は、次いで奇形の凹面側S1にある骨ネジ48から取り外すことができる。奇形の凹面側S1にある骨ネジ48から取り外されたロッド整復装置10は、次いで奇形の凸面側S2にあるネジ48の頭部に設置される。次いで予め折り曲げてある脊椎ロッド50は、奇形の凹面側S1内への脊椎ロッド50の先の導入と同じやり方で凸面側S2内に導入することができる。奇形の凸面側S2でのロッド整復装置10の連続的な硬い締め付けは、前述と同様に、位置変えおよび回転が凸面のS2側に対して実現されるまで、徐々に達成される。この時点で、そのままの位置での調整は、脊椎ロッドの曲線に対し行われ得る。
【0059】
ネジが埋め込まれ、ロッド50にある程度固定された状態で、加圧、延長、および/または直接的な椎骨の逆回転を含む、最終的な奇形の矯正が達成できる。このように、最終的ないくらかの矯正は、構築物の片方の端部から奇形の頂点Aに向けて行うことができる。ネジ48の頭部に対する、ロッド整復装置10および部分固定具60のような好適なネジ固定システムの適用は、凹面側Slへの先に実現した矯正回転を維持するように機能することができる。骨ネジ48の凸面側S2と近位の固定箇所との間(または図18Aおよび図18Bに示されるロッドマニピュレータ700に対する)を加圧することは、運動分節を標準にするように機能することができる。その後、部分固定具60のような固定器具は、凸面S2側のロッド50に凸面側の固定箇所またはネジ48を固定するために使用することができる。この時点で、先に説明した逆回転/加圧処置は、所望の矯正が実現されるまで奇形の頂点Aを越えて適用され得る。この場合も、ロッドマニピュレータ700は、固定された骨ネジ48を支持するために適用され得る。
【0060】
図18Aおよび図18Bに例示されるロッドマニピュレータ700は、その処置が行われるべき位置にて完全に骨ネジが固定されていない場合に、延長または加圧を促すために使用され得る。ロッドマニピュレータ700は、脊椎ロッド50と係合するように構成され、適合された把持要素702を備える。把持要素702は、てこ作用を提供するように適合され、構成された細長い構造701に、ねじ止め可能に連結され得る。細長い構造701は、外科医により操作され、把持されるように構成され得る。グリップ要素703は、ロッドマニピュレータ700の手動による操作を簡易にさせ得る。さらに、ロッドマニピュレータ700の近位端704は、一致する形状を有するネジドライバーといった類の装置(不図示)と係合するように構成され、適合され得る。
【0061】
最後に、器具が付けられた最も下方の椎骨(LIV)の水平位置を確認することができ、それらの固定箇所において、これまである程度固定しただけであるなら、ネジ48を完全に固定することができる。構築物を通じて強固な固定を確認するために、例えば部分固定具60のような固定器具を、各固定箇所またはネジ頭部に再度適用することができる。このとき、残りのロッドマニピュレータ700を取り外すことができ、脊椎術が完了する。必要に応じて骨移植材料を加えることができ、適切な場合は、ロッド50のためにいくつかの架橋を適用することができる。このとき、通常の潅注法、フュージョンベッドの剥皮術、および他の通常の締め括りの処置を行うことができる。とりわけ奇形の症状に依存する、この方法の代替的な実施形態は、本開示の範囲内のものである。
【0062】
必要とされる一平面ネジの数は、脊椎奇形の湾曲の大きさに依存する。さらに、Ponte法による骨切りの数は、湾曲の可撓性の度合いに依存する。脊椎ロッドRの構造のために適した材料の選択は、骨の残り具合および脆さを基準とすることができる。
【0063】
単一の胸椎(右側T4−L1)のための開示された脊椎手術処置を実施する代替的な方法は、これから論じるいくつかの修正を伴った前述の方法に類似している。先に論じた方法と異なり、骨ネジ48の選択は、一番下の器具付けした椎骨(LIV)には、一軸骨ネジを含まない。限定されないが、先細のロック、止めネジ、固定ナット、または類似のネジを含む多軸骨ネジが、T4およびT5に近位の基盤を確立するために同様に使用され、一方、一平面の骨ネジは、構築物の他の全ての固定箇所に使用される。ロッド整復装置10は、T4およびT5の左右に適用される。脊椎ロッド50は、左右のロッド整復装置10内に導入される。
【0064】
脊椎ロッド50の矢状方向の配列を確保した後、T4およびT5におけるネジ48は、先に明らかにした器具のうち、好適な固定器具を使用して完全に固定される。次いでロッド整復装置10は、両方の脊椎ロッド50の上部で適用されて頂端側のネジを捕捉し、凸面側S2のロッド50を骨ネジ48内に整復する。続いてロッド50が整復され得る。この時点で、凹面側Slにある骨ネジ48は、図7Aおよび図7Bに示されるような部分固定具60を使用してある程度固定され、そして、ロッド整復装置10は、取り外される。この時点で、この方法は、先に論じた最終の奇形矯正段階へと続く。多くの段階において、左右への適用は、先に説明した方法と幾らか方法が変わり、まず奇形の凹面が処置され、次に奇形の凸面側S2に適用される。
【0065】
胸腰椎/腰椎の奇形の症状では、最初に説明した方法は、ロッド整復装置10が、まず奇形の凹面側Slに適用され、次に凸面側S2に適用されるのではなく、左右の骨ネジ48に適用される点で幾分か変更される。ロッド整復装置10へのエクステンダも左右に適用される。脊椎ロッド50は、最初に奇形の凸面側S2にのみ導入される。LIVは、ロッド50にネジをある程度固定することにより安定化され、LIVより上の椎骨は、エクステンダの取り付けにより提供された、向上したてこ作用を利用して手動により回転される。次いで、奇形の凸面側にある脊椎ロッド50の逆回転が達成される。LIVは、完全に固定されることによりさらに締結される。この時点で、脊椎ロッド50が奇形の凹面側に導入され、逆回転される。続いてネジ48は、好適な固定装置を使用してロッド50に固定される。次いでロッド整復装置10は、構築物の凹面側Slから取り外される。延長術は、奇形の頂点Aから遠位および近位の両方向に達成される。次いで、構築物の凹面側は完全に固定される。この時点で、凸面側にあるネジ48の頭部内への脊椎ロッド50の据付けが達成され、ロッド整復装置10に対してある程度固定される。次に、凸面側S2にある下方の頂端の加圧が達成されて、続いて構築物の凸面側S2が完全に固定される。
【0066】
脊椎奇形の二重の胸椎の症状(左側T1からT4、右側T4からL1の湾曲)では、開示する脊椎手術の方法は、また、単一の胸椎の方法に関して先に論じた段階を幾分か補則し、調整することで達成される。二重の胸椎の奇形では、近位の基盤を確立するために、多軸ネジは、Tl、T2、またはT3で用いられる。単一の胸椎の方法と類似して、一平面のネジは、LIVで使用される一軸ネジを除いて、構築物の全ての固定箇所に対して使用される。ロッド50を据付け、続いてロッド50を回転させる処置の後、図7Aおよび図7Bに示されるような部分固定具60、並びにロッド整復装置10を使用するか、または米国特許出願公開第2007/0213722号に示され、説明されている、2回動作によりロッドを整復し固定する装置の第2ハンドルを使用することにより、近位の固定箇所(T2からT5)での部分固定が達成される。このとき、T2固定箇所は、米国特許出願公開第2007/0093817に示され、説明されているように、ネジに脊椎ロッドを挿入し、定位置にしっかりと固定できるか、またはネジから選択的にロッドを固定/解除でき、複数面のテーパ付き固定ネジの特性と補完的な特性を持って構成されたトルクを加えないような固定器具を使用して、完全に固定することができる。今や完全に固定されたT2とある程度固定されたT3との固定箇所の間、上方の湾曲分節(T2からT5またはT6)の間で繰り返された分節の圧縮は、上方の胸椎湾曲の矯正に効果を与える。
【0067】
この時点で、ロッド整復装置10は、T6からL1の奇形の凹面側S1にある骨ネジ48を捕捉するため、凹形のロッド50の上部で適用することができる。最初に説明した一般的な方法と同様に、脊椎ロッド50は、ロッド整復装置10を徐々に締め付け、続いて凹面側S1にある脊椎ロッド50に対して脊椎を逆回転させ、位置変えすることにより遠位の骨ネジ48内に据付けられ得る。
【0068】
凹面側S1の全ての固定箇所または骨ネジ48は、図7Aおよび図7Bに示されるような固定具を使用して、ロッド整復装置10の上部である程度固定することができる。最初に説明した実施形態の方法と同様に、次に、ロッド整復装置10は、凹面側S1の骨ネジ48から取り外し、奇形の凸面側S2の骨ネジ48に取り付けることができる。先の一連の段階は、奇形の凸面側S2に対して同様に繰り返され、凸面側S2を位置変えし、回転させた後、先に説明したように、最終的な奇形の矯正を達成することができる。脊椎ロッド50は、整復の間、高い方にある胸椎の小さな椎弓根を破砕させないように、下方の湾曲の凹面側S1に設置すべきである。
【0069】
脊椎奇形の二重の深刻な症状(T4からL4;右側胸椎、左側腰椎)では、一般的な方法の段階は、この症状によりもたらされる付加的な問題を満足させるように変更される。外科手術方法の他の別形で認められるように、多軸ネジは、構築物のために近位の基盤を確立するように使用される。ロッド整復装置10は、まず胸椎奇形の凹面側S1に対して、近位のT4からT6に適用され、脊椎ロッド50は、その側面に導入される。次いで、ロッド整復装置10は、脊椎奇形の両方の湾曲の頂点Aにおける脊椎ロッド50の上部に適用される。次いで、凹面側S1にあるロッド50は、矢状面へと回転され、T4およびT5に対して部分的な固定が適用される。T4およびT5からロッド整復装置10が取り外されると、T4およびT5は、固定器具、例えば部分固定具60を使用して、完全に固定することができる。
【0070】
ロッド整復装置10は、奇形の腰椎湾曲部に緩やかに前進され、エクステンダが腰椎湾曲部の凸面側S2に適用される。このとき、LIVは、安定化され、中央にある尖端の腰椎が回転される。次いで、脊椎ロッド50は、遠位の固定用ネジ48内に密封され、一時的な短い凹側腰椎ロッドは、ある程度固定することができる。ロッド50は、遠位の固定用ネジ48内に据付けられ得る。凹面側S1にあるロッド50まで脊椎Sの逆回転および位置変えを達成することができる。次いで、奇形の頂点Aに向いたロッド整復装置10の段階的で連続的なある程度の締め付けが、ネジが引き抜けてしまうことを回避するよう注意しながら達成することができる。次いで、構築物の凹面側S1は、ある程度固定することができ、凹面側S1から取り外されたロッド整復装置10は、凸面側S2に設置することができる。凸面側S2では、凹面側S1に対して先に行われた処置が、前述と同様に構築物の近位端から奇形の頂点Aまで、最終的な奇形の矯正が達成されながら繰り返される。奇形の凸面側S2にて方法を進行させながら、ロッド50をそのままの位置で矯正する機会を提供することができる。
【0071】
二重の深刻な症状のために提供される方法に関して、脊椎奇形における大きな湾曲、または細部の硬直した湾曲は、単一の整復ロッドを用いて整復することはできないかもしれない。その場合、より小さな2つのロッド断片が、脊椎Sの同じ側にある各湾曲を整復するために使用され得る。その場合、次いでロッド50は、両側の「結婚指輪」のような接続器とともに接続される。次いで、硬い保持ロッドが他方の側に連結され得る。結合した最初のロッドの交換は可能である。この症状では、脊椎奇形の凹面側S1および凸面側S2にある両方の尖端の逆回転は、同時に、かつ対になった回転変形の特性と反対方向に行われるべきである。
【0072】
脊椎奇形の三重の湾曲の症状(胸椎/胸腰椎/腰椎)では、三重全ての尖端は、好ましくは同時に逆回転されるべきである。この状況で用いられる方法は、これから説明する以下の例外はあるが、ロッド整復装置10へのエクステンダの適用まで、二重の胸椎の症状に関して説明した方法と類似する。従って、上方胸椎の凹側の方法における胸椎手段および延長手段に関して先に記載した手段を用いることができる。次いで、胸椎凸側への手段が必要とされ、湾曲または回転が残っている場合には腰椎部分全体用の手段に続く。
【0073】
脊椎奇形の脊柱後側弯症(T2からT3)(複合技術)の症状では、まず考慮すべきは、尾に近い前弯腰椎レベル、およびT3からT4頭側についてである。前方の解放および椎体間の延長は、最近の後方短縮技術(Ponte法、椎弓根減算骨切り術)にはめったに必要とされない。この症状で選択するインプラントは、より硬く丈夫な材料が好ましい。本明細書で説明した脊椎手術方法の他の別形で共通するように、外科手術領域の最初の準備、および脊柱の少なくとも部分的な露出には、横突起靭帯の解放を必要とし、黄色靭帯の切除とともにあらゆるレベルの包括的に広範な脊椎関節突起切除術、脊柱後側弯症の尖端周囲に対照的にある骨に対するPonte法による複数の骨切りが求められる。
【0074】
前述と同様に、近位のT2からT3では、多軸ネジがロッドの取り付けおよび近位の基盤の確立を簡易にするために使用される。先に説明した一般的な方法のように、一平面のネジが、一軸のネジを必要とする器具が付けられた最も下方の椎骨(LIV)を除いた残りの固定箇所に対して使用される。代替的に、この方法の別形では、可撓性の奇形に対して多軸ネジを使用することができる。
【0075】
この奇形において、脊椎ロッド50は、ロッド50を据付けるためにロッド整復装置10、およびロッド整復装置10とともに定位置にネジ48のある程度の固定を達成する部分固定具60を使用して、T2からT4に導入することができる。この時点で、ロッド整復装置10は取り外すことができ、T2にあるネジ48の頭部は、固定器具を使用して完全に固定することができる。この時点で、外科医は、T2にある完全に固定されたネジ48とT3にある、ある程度固定されたネジ48とを両方ともに加圧し、続いてT3にあるネジ48が完全に固定する。同様の分節の圧縮がT3とT4との間に実現でき、近位の基盤の復元を完了させることができる。
【0076】
T4より下(近位から遠位)のネジ48に対するロッド整復装置10を両側への適用は、脊椎ロッド50を捕捉し得る。この時点で、先に説明した矯正回転を提供しながら、脊椎Sの下方向にロッド50を位置変えするという、構築物の近位端から遠位端へのロッド整復装置10の続く締め付けは、ネジ48の頭部の完全な据付けへとロッド50をゆっくりと進行させながら徐々に達成することができる。ネジの引き抜けは、複数のロッド整復装置10を用いて同時に位置変えすることにより抑制することができる。ある程度の固定が完了した後、ロッド整復装置10は、取り外して、次の固定箇所にあるロッドの位置変えを促すために、より遠位のネジ48に設置することができる。続いてT4の高さから下方向の、器具が付けられた最も下方の椎骨(LIV)まで加圧が完了し、脊柱後側弯症の矯正が完了する。LIVの水平位置が確認された後、固定箇所は、迅速に固定する器具を使用して完全に固定される。再び、構築物を通して強固な固定を提供するために、各固定箇所の完全な固定が確認される。なお、厄介な奇形または硬質な奇形については、湾曲の矯正を容易にするために、尖端および遠位のカンチレバーの前に、近位に横コネクタ(単数または複数)を使用すること、SPOを行うこと、または尖端骨切りを実行することができる。
【0077】
代替的に、先に説明した脊柱後側弯症(T2からL3)の方法に、「局所尖端整復」と言われる異なる方法を用いることができる。より大幅な矯正が必要とされる硬直した厄介な脊柱側弯症の奇形のために、脊椎Sは、奇形の頂点Aにおける最終的なインプラントとして役割を果たすロッド50の設置前に、一時的なロッド(不図示)を用いて予め矯正することができる。そのような一時的なロッドは、軟らかいロッドを、奇形の頂点の上下の、少なくとも3つの高さを延伸させるに十分な長さを持つ2つの区分に切り分けることにより提供することができる。
【0078】
これら一時的なロッドの各々は、脊柱Sの両側にある尖端骨ネジ(単数または複数)内に整復される。次いで、一時的なロッドは、頂点Aの片側にある残る2つのネジ内に、徐々に整復される。次いで、尖端ネジ(単数または複数)は、完全に固定され、頂点Aが2つの隣接する高さの間で共有される場合は、次いで両方の高さが一緒になってわずかに圧縮され、ある程度強く固定される。非常にわずかな段階的加圧という巧妙な処置が両ロッドRについて頂点Aから中央に向かって行われる。次いで各ネジ48は、加圧器が取り外されると、ずれが生じないようにある程度固定される。ロッドマニピュレータ700は、各加圧の巧妙な処置の間、ネジ48をより中央に向けて安定化させるように使用され得る。十分な長さがロッドRに得られ、次に利用できるネジ48内へと端部を整復することができる。
【0079】
拘束または高い抵抗に遭遇する場合は、最も遠位のネジ48を完全に固定することができ、それにより、より中央に向かうネジ48にかかる拘束の負担を抜き取り、さらに加圧することができる。尖端加圧の続く回転は、軟組織のクリープと適合するように、各回転間で十分な時間、例えば1分間続けることができる。
【0080】
次いで、各一時的なロッドは、「Smith Peterson法による骨切り」が完全に施されたときに完全に固定することができる。この時点で、一時的なロッドの一方を取り外し、所望する矢状の輪郭へと形成された、十分な長さの、実質的に硬く、最終的に埋め込まれる器具としてふるまう脊椎ロッド50と交換することができる。この永続的な脊椎ロッド50は、永続的な交換が第2の一時用の軟らかなロッド50について成されるが、矯正を維持するために、近位では完璧に固定され、遠位では少なくともしっかりとある程度固定されるべきである。局所の根尖端の加圧という束の間の期間は、ネジ48を完全に固定する前に行うことができる。他方側の一時的なロッドは、同様の技術を使用して置き換えることができる。
【0081】
脊椎奇形の脊椎後側弯症(T2からL3)では、脊柱後側弯症(T2からL3)の症状について先に提示した方法は、所望の矯正を実現するために以下のように変更することができる。脊柱後側弯症(T2からL3)の症状のための先に説明した最初のステップは、次にT4の高さから下方向のLIVまで連続的な加圧手段が完了するまで行うことができる。その時点で、この方法の手段は、脊柱の脊椎側弯症の脊柱の曲線を矯正することに向けられる。脊椎側弯症の奇形の矯正に必要とされる分節は、テーパ付き固定ネジ用の適切な固定解除器具を使用して、固定解除することができる。ネジを選択的にある程度固定するか、または完全に固定するように構成された、そのような固定解除器具の一例は、米国特許出願公開第2007/0093817号に開示されており、その内容は、参照により本明細書に全体的が組み込まれる。固定解除されると、それらのネジ48は、ロッド整復装置10、並びに図7Aおよび図7Bに示される部分固定具60を用いてある程度固定することができる。近位から頂点Aまで、そして凸面側S2にある外延エクステンダとともに奇形の凹面側S1に固定器具、例えば部分固定具60を使用することにより、動作分節は、所望の配列に、分節的に軸回転させることができる。この時に、固定器具60は、奇形の凹面側S1にある脊椎ロッド50への矯正回転を維持するように適用することができる。次いで、逆回転エクステンダは、分節の凸面側S2にあるネジ48から取り外すことができる。凸面側S2にあるネジ48と近位の固定箇所、例えばロッドマニピュレータ700との間に加圧することにより、分節を同じレベルにすることができる。次いで固定器具、例えば部分固定具60は、凸面側S2にあるロッド50に固定位置を固定するように使用することができる。
【0082】
次いで、逆回転/加圧は、所望の矯正が獲得されるまで、奇形の頂点Aの向こう側まで連続的に繰り返され得る。LIVの水平位置を確認することができ、固定箇所は、固定器具を使用して完全に固定することができる。再び、全てのネジ48を完全に固定することを繰り返すというステップを行い、構築物を通して硬い固定を確認することができる。現行の方法の他の変更と同様に、脊椎手術法を完了するため、潅注、剥皮、および必要な任意の骨移植は、この時に達成することができる。
【0083】
次に、図8を参照すると、椎骨を整復するシステム200が示される。システム200は、図3に関して先に論じた複数のロッド整復装置10に連結された、複数のマニピュレータ28、128を備える。マニピュレータ28、128、およびロッド整復装置10は、先に論じたように、脊柱Sの椎骨に取り付けられる。続いて、横方向の連結器150は、単一の椎体に取り付けられた一対のマニピュレータ28、128に取り付けられる。横方向の連結器150は、脊柱Sの縦軸を横切って延伸し、一対のマニピュレータ28と協調し、単一の椎体に作用する。図8に示されるように、複数の横方向の接続器150は、各ペアが単一の椎体と結合するとともに、一対のマニピュレータ28、128に連結され得る。
【0084】
次に、図9Aおよび図9Bを参照すると、横方向の連結器150は、第1アーム部分130および第2アーム部分170を備える。第1アーム部分130は、その片方の端部に配置された受部140を有する軸部151、および他方の端部に配置されたリング134を備える。スペーサ135およびスリーブ138は、それぞれ、リング134内に摺動可能に配置される。スリーブ138は、マニピュレータ28、128の制御つまみ32、132の一部分を取り外し可能に受入れるように構成され、適合されている。受部140は、軸部151と実質的に並んだ開口146を有する。直角方向に配向された穴148も受部140に配置される。接続金具142は、穴148内への挿入のために構成され、適合されている。接続金具142は、ネジ山の付いた容器142aを備える。穴148に接続金具142が位置付けされた後、ピン144は、受部140に接続金具142を締め付けるため、穴145を通って挿入され、摩擦により定位置に締め付けられる。ネジ山の付いた容器142aは、開口146と並ぶ。第2アーム部分170は、接続金具142のネジ山の付いた容器142aとネジ止め可能に係合するように構成されたネジの付いた軸部172を備え、それにより第1アーム部分140に第2アーム部分170が締め付けられる。さらに、第2アーム部分170は、リング174、スペーサ176、スリーブ178を備える。スペーサ176およびスリーブ178は、リング174内で摺動可能に配置される。スリーブ178は、マニピュレータ28、128それぞれの制御つまみ32、132の一部分を受入れるように構成され、適合されている。
【0085】
システム200により、施術者は、椎弓根ネジおよび脊椎ロッドが隣接する椎体に著しい影響を与えること無く挿入された後、個々の椎体を取り扱うことができ、それにより矯正の外科手術処置の間、椎体の一層正確な配向を提供する。施術者は、横方向の連結器150の第1アーム部分130および第2アーム部分170を把持し、圧力を印加して所望の位置に椎体を整復する。代替的に、施術者は、横方向の連結器150対向する端部、例えば、軸部151、172の中間にて横方向の連結器150を把持し、椎体または身体を整復する。
【0086】
次に、図10Aおよび図10Bを参照すると、システム300は、グリップ180を備える。グリップ180は、第2アーム184と旋回可能に連結された第1アーム182を含む。アーム182、184が間隔を空けると、アーム182、184は、グリップ180が1つ以上の横方向の連結器150を捕捉するように位置付けされ得るように、その間に隙間を規定する。グリップ180が所望の位置になると、図10Aに示されるように、アーム182、184は、1つ以上の横方向の連結器150の周囲でグリップ180を閉じるように、互いに向かって旋回する。複数の横方向の連結器150に取り付けられて示されているが、グリップ180は、単一の横方向の連結器150に取り付けられて使用されてよいことが想定される。それ故、グリップ180と操作的に結合した横方向の連結器150の数に関わらず、施術者は、外科手術処置を行う間、椎体(単数または複数)を整復するためにマニピュレータ28、128を操作することができる。さらに、施術者は、選択処置を行う間、グリップ180を取り外し、特定の状態へと選択した椎体を処置するために所望する、他の横方向の連結器150にグリップ180を再び取り付けてよい。
【0087】
図11および図12を参照して、次にシステム400を説明する。システム400は、以下の例外があるが、システム200および300と実施的に類似する。システム400は、システム300のグリップ180を備えていない。代わりに、システム400は、そこから延伸する複数のロッド194を含む本体192を備えるハンドル190を備える。ポスト196は、本体192に各ロッド194を連結させる。ハンドル190は、4本のロッド194を備えて例示されているが、より多い、またはより少ない194がハンドル190に設けられてよいことが想定される。使用において、ハンドル190は、椎体の片側に沿って1つ以上のマニピュレータ28、128内に挿入される。本形態では、システム400により、脊柱Sの縦軸の片側にある1つ以上の椎体のみを操作することができる。それ故、施術者は、他方側に影響を与えないようにしながら脊柱Sの片方側をてこ入れすることにより、選択した椎体を整復することができる。本形態では、施術者は、ハンドル190を動かすことにより、基準ポイントであるその反対側を使用して、選択した椎体を旋回させることができる。図11に例示される実施形態では、ハンドル190の動きがマニピュレータ28を介して椎体を旋回させ、一方でマニピュレータ128は比較的固定したままで旋回ポイントとして機能を果たす。ハンドル190は、取り外し可能であり、反対側に再び取り付けられてよく、施術者は、椎体を徐々に整復し得る。代替的に、施術者は、所望の結果を実現するために、ハンドル190を操作し、内側または外側のどちらかにシステム400を整復する。
【0088】
本開示のさらなる実施形態について、次に、図13および図14を参照してシステム500を説明する。システム500は、システム200について先に論じた要素を備えるが、連結器220を備える。図14に示されるように、連結器220は、バー226の表面に沿って配置されたつまみ222を備える。バー226は、一対のスロット228を備える。各スロット228と結合して、把持器具224は、一対の間隔を空けたアーチ型部材を備える。把持器具224は、バー226の縦軸に沿って整復可能である。さらに、各把持器具224のアームは、横方向の連結器150の第1アーム部分130または第2アーム部分のどちらかと取り外し可能に係合するように構成されている。図13に示されるように、一対の横方向の連結器150に接続されると、椎体の整復は、つまみ222を把持し、横方向の連結器150に操作可能に連結されたマニピュレータ28、128を介して椎体を操作することにより行われる。代替的に、施術者は、椎体を取り扱うために、バー226の片方の区分または両方の区分を掴んでよい。使用において、システム500は、選択処置の実施において向上した可撓性を促す、多数方向の椎体の取り扱いを容易にする。
【0089】
脊柱の第1椎体に連結された第1ロッド整復装置、脊柱の第2椎体に連結された第2ロッド整復装置、第1ロッド整復装置に連結された第1マニピュレータ、第2ロッド整復装置に連結された第2マニピュレータ、および第1マニピュレータおよび第2マニピュレータを連結させる連結器を備える、いくつかのシステムは、本開示の範囲内にあることを留意されたい。一実施形態では、システムは、脊柱の第1椎体に連結された第1ロッド整復装置および第2ロッド整復装置を備え、第1マニピュレータが第1ロッド整復装置に連結され、第2マニピュレータが第2ロッド整復装置に連結された第1アセンブリと、第2椎体に連結された第3ロッド整復装置および第4ロッド整復装置を備え、第3マニピュレータが第3ロッド整復装置に連結され、第4マニピュレータが第4整復装置に連結された第2アセンブリと、第1アセンブリおよび第2アセンブリを連結させる連結器とを備える。
【0090】
本明細書で開示した方法とともに使用されるキットを提供することは、本開示の範囲内にある。キットは、少なくとも2つの多軸骨ネジ、少なくとも2つの一平面の骨ネジ、少なくとも2つの一軸骨ネジ、および少なくとも2つの脊椎ロッドを含むとともに、隣接する脊椎の椎骨に外科手術用ロッドを接続する骨ネジを使用するための関連ツールを含む。さらに、キットは、例えば接続ロッドのような外科手術用ロッドを含めることができる。相互接続器またはリンクのような追加の装置も、キットに含むことができる。
【0091】
当業者には、本開示の範囲および精神から逸脱することなく、形態および細部においてさまざまな修飾および変更が成され得ることが理解されるであろう。従って、先に提案したような修飾は、本開示の範囲に限定されるものではなく、本開示の範囲内にあるものと考慮されるべきである。それ故、先の開示は開示した実施形態に限定されるものと解釈されるべきではない。本発明の範囲および精神内にある他の実施形態が、当業者には見出だされるだろう。例えば、ロッド整復装置10は、本明細書で開示した方法で使用するための1つの装置であるが、骨ネジ頭部を把持し、骨ネジの凹部内にロッドを整復することを促すことができる代替的な装置が、説明した代わりの手段、実質的に同じ手段で使用されてよいことが想定される。例えば、ロッド整復装置が、止めネジ型の骨ネジに装着するように適合されて機能できること、その一平面および一軸止めネジ型の骨ネジである止めネジが、ロッド整復装置を介して挿入可能であることも検討される。また、骨ネジの頭部に接続することができ、その骨ネジの受入れ用スロットの中の、定位置に脊椎ロッドを推し進めることができる任意の細長いツールは、本明細書で説明したマニピュレータとして適していることが想定される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
脊柱の椎骨を整復するシステムであって、
第1椎体の異なる椎弓根と、第1横方向連結器とにそれぞれ連結された第1マニピュレータおよび第2マニピュレータとを含む第1アセンブリと、
第2椎体の異なる椎弓根と、第2横方向連結器とにそれぞれ連結された第3マニピュレータおよび第4マニピュレータとを含む第2アセンブリと、
前記第1アセンブリおよび前記2アセンブリに力をかけるように構成され、適合された連結器と、を備えることを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記連結器は、互いに関連する前記椎体を整復するために構成され、適合されることを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項3】
近位端にて、前記マニピュレータの少なくとも1つと係合するように構成され、適合されたハンドルをさらに備えることを特徴とする請求項1または2記載のシステム。
【請求項4】
前記連結器は、前記第1横方向連結器および前記第2横方向連結器を捕捉するように構成され、適合されたグリップを備えることを特徴とする請求項2記載のシステム。
【請求項5】
前記グリップは、互いに旋回可能に連結された第1アームおよび第2アームを備えることを特徴とする請求項4記載のシステム。
【請求項6】
前記連結器は、縦軸を有し、各々が前記第1横方向連結器および前記第2横方向連結器と係合するように構成され、適合された一対の把持器具を含むバーを備えることを特徴とする請求項2記載のシステム。
【請求項7】
前記バーの表面に沿って配置されたつまみをさらに備えることを特徴とする請求項6記載のシステム。
【請求項8】
前記各把持器具は、前記縦軸に沿って整復可能であることを特徴とする請求項6記載のシステム。
【請求項9】
脊柱の奇形を矯正する方法であって、
脊柱の複数の椎骨内に複数の骨ネジを埋め込むステップと、
前記複数の骨ネジの少なくとも幾つかにロッド整復用ジャッキを搭載するステップと、
前記ロッド整復用ジャッキと前記骨ネジとの間に脊椎ロッドを挿入するステップと、
互いに関連する椎骨の再配列をもたらしながら、前記各骨ネジに前記脊椎ロッドを徐々に整復するために、前記ロッド整復用ジャッキをある程度推進させるステップと、
前記脊柱の第1側面から前記ロッド整復装置を取り外すステップと、
前記脊柱の第2側面について、前述のステップを繰り返すステップと、
前記ネジをある程度固定させながら、前記脊椎ロッドの矢状配列を促すステップと、を含む方法。
【請求項10】
前記ロッド整復は、前記脊柱の両側の左右の前記骨ネジに適用されることを特徴とする請求項9記載の方法。
【請求項11】
器具が付けられた最も下方の椎骨の反対方向のねじれが達成されることを特徴とする請求項9記載の方法。
【請求項12】
前記各骨ネジへの前記ロッド整復用ジャッキのある程度の推進は、前記ロッド整復用ジャッキおよび前記骨ネジの上部にて部分的にネジ固定する器具を搭載し、前記ロッド整復用ジャッキとともに前記骨ネジを定位置に、ある程度固定することにより実現されることを特徴とする請求項9記載の方法。
【請求項13】
前記脊椎ロッドの接続前に、前記脊柱は、互いに関連する前記椎骨の再配列をもたらすように、手動により取り扱われることを特徴とする請求項9記載の方法。
【請求項14】
配列チューブは、1つ以上の前記ロッド整復用ジャッキの上部に搭載されることを特徴とする請求項9記載の方法。
【請求項15】
前記ロッド一部分は、前記器具が付けられた最も下方の椎骨を含む椎骨に、多軸ネジを使用して固定され、前記ロッドの残りの部分は、前記器具が付けられた最も下方の椎骨が一軸骨ネジを使用して前記ロッドに固定されながら、一平面のテーパ付き固定骨ネジを使用して前記椎体に固定されることを特徴とする請求項9記載の方法。
【請求項16】
前記ロッドは、取り付け前に生理学的に矢状面に予め折り曲げてあることを特徴とする請求項9記載の方法。
【請求項17】
前記テーパ付き固定ネジは、前記脊椎用構築物の一方の部分に使用され、止めネジまたはナット型のネジは、前記脊椎用構築物の別の部分に使用されることを特徴とする請求項9記載の方法。
【請求項1】
脊柱の椎骨を整復するシステムであって、
第1椎体の異なる椎弓根と、第1横方向連結器とにそれぞれ連結された第1マニピュレータおよび第2マニピュレータとを含む第1アセンブリと、
第2椎体の異なる椎弓根と、第2横方向連結器とにそれぞれ連結された第3マニピュレータおよび第4マニピュレータとを含む第2アセンブリと、
前記第1アセンブリおよび前記2アセンブリに力をかけるように構成され、適合された連結器と、を備えることを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記連結器は、互いに関連する前記椎体を整復するために構成され、適合されることを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項3】
近位端にて、前記マニピュレータの少なくとも1つと係合するように構成され、適合されたハンドルをさらに備えることを特徴とする請求項1または2記載のシステム。
【請求項4】
前記連結器は、前記第1横方向連結器および前記第2横方向連結器を捕捉するように構成され、適合されたグリップを備えることを特徴とする請求項2記載のシステム。
【請求項5】
前記グリップは、互いに旋回可能に連結された第1アームおよび第2アームを備えることを特徴とする請求項4記載のシステム。
【請求項6】
前記連結器は、縦軸を有し、各々が前記第1横方向連結器および前記第2横方向連結器と係合するように構成され、適合された一対の把持器具を含むバーを備えることを特徴とする請求項2記載のシステム。
【請求項7】
前記バーの表面に沿って配置されたつまみをさらに備えることを特徴とする請求項6記載のシステム。
【請求項8】
前記各把持器具は、前記縦軸に沿って整復可能であることを特徴とする請求項6記載のシステム。
【請求項9】
脊柱の奇形を矯正する方法であって、
脊柱の複数の椎骨内に複数の骨ネジを埋め込むステップと、
前記複数の骨ネジの少なくとも幾つかにロッド整復用ジャッキを搭載するステップと、
前記ロッド整復用ジャッキと前記骨ネジとの間に脊椎ロッドを挿入するステップと、
互いに関連する椎骨の再配列をもたらしながら、前記各骨ネジに前記脊椎ロッドを徐々に整復するために、前記ロッド整復用ジャッキをある程度推進させるステップと、
前記脊柱の第1側面から前記ロッド整復装置を取り外すステップと、
前記脊柱の第2側面について、前述のステップを繰り返すステップと、
前記ネジをある程度固定させながら、前記脊椎ロッドの矢状配列を促すステップと、を含む方法。
【請求項10】
前記ロッド整復は、前記脊柱の両側の左右の前記骨ネジに適用されることを特徴とする請求項9記載の方法。
【請求項11】
器具が付けられた最も下方の椎骨の反対方向のねじれが達成されることを特徴とする請求項9記載の方法。
【請求項12】
前記各骨ネジへの前記ロッド整復用ジャッキのある程度の推進は、前記ロッド整復用ジャッキおよび前記骨ネジの上部にて部分的にネジ固定する器具を搭載し、前記ロッド整復用ジャッキとともに前記骨ネジを定位置に、ある程度固定することにより実現されることを特徴とする請求項9記載の方法。
【請求項13】
前記脊椎ロッドの接続前に、前記脊柱は、互いに関連する前記椎骨の再配列をもたらすように、手動により取り扱われることを特徴とする請求項9記載の方法。
【請求項14】
配列チューブは、1つ以上の前記ロッド整復用ジャッキの上部に搭載されることを特徴とする請求項9記載の方法。
【請求項15】
前記ロッド一部分は、前記器具が付けられた最も下方の椎骨を含む椎骨に、多軸ネジを使用して固定され、前記ロッドの残りの部分は、前記器具が付けられた最も下方の椎骨が一軸骨ネジを使用して前記ロッドに固定されながら、一平面のテーパ付き固定骨ネジを使用して前記椎体に固定されることを特徴とする請求項9記載の方法。
【請求項16】
前記ロッドは、取り付け前に生理学的に矢状面に予め折り曲げてあることを特徴とする請求項9記載の方法。
【請求項17】
前記テーパ付き固定ネジは、前記脊椎用構築物の一方の部分に使用され、止めネジまたはナット型のネジは、前記脊椎用構築物の別の部分に使用されることを特徴とする請求項9記載の方法。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図15A】
【図16】
【図17】
【図18】
【図18A】
【図19】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図15A】
【図16】
【図17】
【図18】
【図18A】
【図19】
【公表番号】特表2011−526194(P2011−526194A)
【公表日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−516766(P2011−516766)
【出願日】平成21年6月29日(2009.6.29)
【国際出願番号】PCT/US2009/049064
【国際公開番号】WO2009/158707
【国際公開日】平成21年12月30日(2009.12.30)
【出願人】(507349558)ケー2エム, インコーポレイテッド (10)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月29日(2009.6.29)
【国際出願番号】PCT/US2009/049064
【国際公開番号】WO2009/158707
【国際公開日】平成21年12月30日(2009.12.30)
【出願人】(507349558)ケー2エム, インコーポレイテッド (10)
【Fターム(参考)】
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