説明

脳癌の治療の方法

カスパーゼの活性化剤およびアポト−シスの誘発剤として有効な4−アリールアミノ−キナゾリン類およびそれらの類縁体を開示する。本発明の化合物は、異常細胞の無制御増殖および拡散が生じる種々の臨床病態の治療において有用であり、特に、脳癌の治療におけるこれらの化合物の使用に対して有用である。アポトーシスの誘導、カスパーゼ類の活性化、チューブリンの阻害、またはトポイソメラーゼの阻害に応答する脳または中枢神経系の疾患の治療を必要とする哺乳動物を治療するのに有用な薬剤の製造のための、本発明の化合物の使用が、提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本出願は、米国仮特許出願第60/641,263号(2005年1月3日出願)の優先権を主張し、この米国出願は、本明細書中でその全体が参考として援用される。
【0002】
(本発明の分野)
本発明は医療化学の分野にある。特に本発明は、カスパーゼ類の活性化剤およびアポト−シスの誘発剤である化合物に関する。本発明はまた、治療的に有効な抗癌剤としてのこれら化合物の使用に関するものであり、特に脳および中枢神経系(CNS)の癌の治療におけるこれら化合物の使用に関する。
【背景技術】
【0003】
(本発明の背景)
生物は、調節された細胞死、プログラム化された細胞死またはアポトーシスなどとして知られている過程によって不要な細胞を排除する。このような細胞死は、動物の発達の正常な特徴として生じるほか、組織のホメオスタシスおよび老化でも生じる(非特許文献1;非特許文献2;非特許文献3;非特許文献4)。アポトーシスは、細胞数を調節し、形態形成を促進し、有害または異常な細胞を除去し、すでに機能を果たした細胞を排除する。さらに、アポトーシスは、低酸素または虚血などの種々の生理的ストレスに応答して生じる(特許文献1)。
【0004】
一群のプロテアーゼがアポトーシスにおける重要な要素であることが分かっている(例えば、非特許文献5;非特許文献6を参照)。線虫のCaenorhabditis elegansにおける遺伝子研究により、アポトーシス細胞死は、少なくとも14の遺伝子に関係しており、そのうちの2つはプロアポトーシス(死促進性)ced(細胞死異常)遺伝子、ced−3およびced−4であることが解明されている。Ced−3は、以下、カスパーゼ−1と呼ぶインターロイキン1ベータ変換酵素であるシステインプロテアーゼに相同である。最終的にこれらのデータを哺乳動物に当てはめ、さらに広範に研究を進めたところ、哺乳動物のアポトーシス系がカスパーゼのカスケード、またはカスパーゼのカスケードに類似した系に関係していることが判った。現在、システインプロテアーゼのカスパーゼファミリーは、14の異なるメンバーを含んでなるが、将来さらに多くのものが発見されるであろう。知られているカスパーゼは全て、該活性酵素の形成前にアスパラチル残基における開裂を必要とするチモーゲンとしてとして合成される。したがって、カスパーゼは、増幅カスケードによって、他のカスパーゼを活性化することができる。
【0005】
アポトーシスおよびカスパーゼは、癌の発現において重要であると考えられている(非特許文献7)。癌細胞はカスパーゼを含有しているが、カスパーゼカスケードを活性化する分子機構のパーツを欠いているという証拠が増えてきている。これによって、癌細胞は細胞の自殺を行う能力を失い、これらの細胞は癌性になる。アポトーシス過程の場合、活性化までの介入ポイントを表す複数の制御ポイントの存在が知られている。これらの制御ポイントには、細胞の生存か死かの決定を調節し、細胞死過程それ自体の一部をそれぞれ実行する内因性タンパク質であるCED−9−BCL様、およびCED−3−ICE様遺伝子ファミリー産物が含まれる(非特許文献8を参照)。BCL−1様タンパク質は、カスパーゼ活性化の上流で機能すると思われるBCL−xLおよびBAX−アルファを含む。BCL−xLは、アポトーシスプロテアーゼカスケードの活性化を防ぎ、一方、BAX−アルファは、アポトーシスプロテアーゼカスケードの活性化を促進すると思われる。
【0006】
化学療法(抗癌)剤は、休止状態のカスパーゼカスケードを活性化することによって癌細胞の自殺を引き起こし得ることが示されている。これは、全てとは言わないまでも、公知のほとんどの抗癌剤の作用様式の重要な特徴とすることができる(非特許文献9;非特許文献10)。現在の抗腫瘍薬の作用機序は、細胞周期の特定の段階における攻撃に関与していることが多い。簡単に述べると、細胞周期とは、細胞の生涯を通じて通常進行する段階を言う。通常、細胞はGと称される休止期にある。増幅時、細胞は、DNA合成が生じるSと称される段階へ進む。その後、Mと呼ばれる段階で、細胞分裂または有糸分裂が生じる。シトシンアラビノシド、ヒドロキシ尿素、6−メルカプトプリン、およびメトトレキサートなどの抗腫瘍薬は、S期特異的であり、一方、ビンクリスチン、ビンブラスチン、およびパクリタキセルなどの抗腫瘍薬は、M期特異的である。ビンブラスチンやパクリタキセルなどのM期特異的な抗腫瘍薬は、チューブリン重合に影響を与えることが知られている。チューブリンを適切に重合および脱重合させる細胞の能力が、M期細胞分裂にとって重要な活性であると考えられている。
【0007】
多くの増殖速度の低い腫瘍、例えば大腸癌は主にG期にあり、一方、速やかに増殖する通常の組織、例えば骨髄は主にS期またはM期にある。したがって、6−メルカプトプリンなどの薬剤は、骨髄毒性をもたらし得る一方、増殖速度の低い腫瘍には非有効性のままであり得る。腫瘍疾患の化学療法のさらなる態様が当業者に知られている(例えば、非特許文献11を参照)。このように、カスパーゼカスケードの活性化を行う正確な機序は現時点では明確ではないが、その可能性が存在していることは明らかである。カスパーゼカスケードの不十分な活性化およびその結果のアポトーシス事象が種々のタイプの癌に関係していることも同じく明らかである。治療的に有効な抗腫瘍剤の開発において、カスパーゼカスケード活性化剤およびアポトーシス誘発剤の開発はきわめて価値のある望ましい目標である。さらに、自己免疫疾患およびある種の変性疾患もまた、異常細胞の増殖に関係しているため、これらの疾患に対する治療処置もまた、適切なカスパーゼカスケード活性化剤およびアポトーシス誘発剤の投与によるアポトーシス過程の増強に関係し得ると考えられる。
【0008】
しかし、脳腫瘍に対する化学療法としてのアポトーシス誘発剤および他の抗腫瘍剤の現行の使用法は限られていた。脳腫瘍の患者の殆どで、化学療法よりむしろ外科的除去が主な療法となっている(非特許文献12;非特許文献13を参照)。さらに放射線療法は、悪性度の低い神経膠腫患者の無疾患生存期間を延長させることが判っているため、脳腫瘍の多くで治療の一部となっている(非特許文献12)。脳腫瘍に対する化学療法の使用では、腫瘍に薬剤を十分に曝すことが困難なため、それが一つの限界となっている。腫瘍に抗腫瘍剤を長く曝すことができるように、カルムスチンが生分解性ポリマー内へ組み込まれた(非特許文献14)。しかし、薬剤含浸生分解性ポリマーの投与は、手術時に腫瘍部位での移植によって投与される。手術時の化学療法投与または脳腫瘍部位への薬剤の直接注入による投与は、困難で、患者にとって不快である。
【特許文献1】国際公開第96/20721号パンフレット
【非特許文献1】Glucksmann,A.、Biol.Rev.Cambridge Philos.Soc.(1951)26:59−86頁
【非特許文献2】Glucksmann,A.、Archives de Biologie(1965)76:419−437頁
【非特許文献3】Ellisら、Dev.(1991)112:591−603頁
【非特許文献4】Vauxら、Cell(1994)76:777−779頁
【非特許文献5】Thornberry、Chemistry and Biology(1998)5:R97−R103頁
【非特許文献6】Thornberry、British Med.Bull.(1996)53:478−490頁
【非特許文献7】HickmanおよびDive編、Apoptosis and Cancer Chemotherapy(1999)Humana Press
【非特許文献8】Schmittら、Biochem.Cell.Biol.(1997)75:301−314頁
【非特許文献9】Losら、Blood(1997)90:3118−3129頁
【非特許文献10】Friesenら、Nat.Med.(1996)2:574頁
【非特許文献11】Hardmanら編、Goodman and Gilman’s ThePharmacological Basis of Therapeutics、McGraw−Hill、ニューヨーク(1996)第9版、1225−1287頁
【非特許文献12】Karimら、Int.J.Radiat.Oncol.Biol.Phys.(2002)52:316−324頁
【非特許文献13】Patchell RA、Cancer Treat Rev(2003)29:533−540頁
【非特許文献14】Bremら、Lancet(1995)345:1008−1012頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、脳腫瘍部位へ直接注入する必要がなく、脳およびCNSの腫瘍に十分曝すことのできる化学療法剤が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(本発明の概要)
下記の式I−IIIで表される4−アリールアミノ−キナゾリン化合物および類縁体は、強力なチューブリン阻害剤である。それらは、カスパーゼカスケードの活性化剤であり、カスパーゼ−3およびアポトーシスの誘発因子または促進因子の活性化を導く。したがって、それらは、チューブリンの阻害またはアポトーシスの誘発に応答する疾患および障害の発症の治療または遅延に有用である。
【0011】
驚くべきことに、式I−IIIを有する化合物が、脳および脊髄の腫瘍などの、脳およびCNSの疾患および障害に対する治療および/または予防として有効となる、脳およびCNSにおける十分な濃度を達成できることがここに発見された。
【0012】
したがって、本発明の一態様は、チューブリンの阻害、カスパーゼ活性、特にカスパーゼ−3活性の誘導、および温血動物、特に哺乳動物においてインビトロまたはインビボで、細胞に該化合物を投与することによるアポトーシスの誘発または促進、における本発明の化合物の使用に関するものである。
【0013】
本発明の他の態様は、脳およびCNSの疾患および障害に対する治療および/または予防としての本発明の化合物の使用に関するものである。特に本発明は、脳およびCNSの癌を治療するための方法を提供する。本発明はまた、脳腫瘍のサイズの減少または増殖速度の低下、または脳もしくはCNSの腫瘍を有している患者の生存率の改善のための方法を提供する。該方法は、治療的に有効量の本発明の化合物を、治療を必要としている対象哺乳動物に投与することを含んでなる。
【0014】
本発明のさらに他の態様は、限定はしないが、腫瘍性疾患(癌など)、乾癬、自己免疫疾患、および真菌感染など、チューブリンの阻害に応答性の疾患および障害の発症を治療する、または遅延するための方法を提供することである。該方法は、治療的に有効量の本発明の化合物を、治療を必要としている対象哺乳動物に投与することを含んでなる。
【0015】
本発明のさらに他の態様は、好ましくは1つまたは複数の製薬的に許容できる担体または希釈剤と混合させた有効量の本発明の化合物を含有する、チューブリンの阻害およびアポトーシスの誘発に応答的な障害の治療に有用な製薬的組成物を提供することである。
【0016】
本発明の前述の、および他の利点および特徴、ならびにそれらを達成する様式は、好ましい、および典型的な実施形態を例示している添付の実施例と関連させて、以下の本発明の詳細な説明を考慮すればより容易に明らかになろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
(発明の詳細な説明)
本発明の化合物は、チューブリンの強力な阻害剤であり、また、スーパーコイルDNAからトポ異性体へのトポイソメラーゼII依存性変換などのトポイソメラーゼ活性を阻害し得る。該化合物は、カスパーゼカスケード、特にカスパーゼ−3、およびアポトーシス誘発因子の強力な、きわめて有効な活性化剤である。したがって該化合物は、アポトーシスの誘導、チューブリンの阻害、および/またはトポイソメラーゼIIの阻害に応答性の疾患および障害の治療に有用である。
【0018】
驚くべきことに、式I−IIIを有する化合物が、脳およびCNSの疾患および障害に対する治療および/または予防として有効となる、脳およびCNSにおける十分な濃度を達成できることがここに発見された。特に式I−IIIを有する化合物は、アポトーシスの誘発、カスパーゼの活性化、脳におけるチューブリンおよび/またはトポイソメラーゼの阻害による療法に応答性の脳およびCNSの疾患を治療することができる。このような疾患としては、例えば、脳および脊髄の腫瘍が挙げられる。
【0019】
したがって、本発明は、インビトロでの細胞における、または温血動物、特に哺乳動物、より特定的にヒトにおけるチューブリンを阻害する方法を提供する。本明細書に用いられる用語の「チューブリンの阻害」は、チューブリンモノマーの重合(または集合)またはミクロチューブルの脱重合(すなわち、チューブリンの分解)の促進を阻害することを意味する。チューブリンの阻害は、当業界に知られた方法によってアッセイできる。
【0020】
本発明はまた、インビトロでの細胞における、または温血動物、特に哺乳動物、より特定的にヒトにおけるトポイソメラーゼIIを阻害する方法を提供する。本明細書に用いられる用語の「トポイソメラーゼIIの阻害」は、スーパーコイルDNAからトポ異性体へのトポイソメラーゼII依存性変換における酵素、トポイソメラーゼIIの活性を阻害することを意味する。トポイソメラーゼIIの阻害は、当業界に知られた方法によってアッセイできる。
【0021】
さらに、本発明はまた、カスパーゼ、特にカスパーゼ−3の活性化、およびインビトロでの細胞における、または温血動物、特に哺乳動物、より特定的にヒトにおけるアポトーシス誘発の方法を提供する。本明細書に用いられる用語の「カスパーゼの活性化」とは、カスパーゼ(例えば、カスパーゼ−3)の酵素(プロテアーゼ)活性を活性化または増強することを意味し、これが細胞内で生じると、アポトーシスまたは細胞死の促進をもたらす。カスパーゼ、特にカスパーゼ−3の活性化における化合物の能力は、下記の実施例61に提供される方法においてアッセイできる。本明細書に用いられる用語の「アポトーシスの誘発」とは、細胞死を生じさせるために、細胞におけるアポトーシスを誘発することを意味する。アポトーシスを誘発する化合物の能力は、当業界に知られている方法によって試験できる。チューブリンの阻害、トポイソメラーゼIIの阻害、カスパーゼ−3の活性化、またはアポトーシスの誘発に応答性の疾患および障害の発症を治療する、または遅延させるための方法もまた提供される。このような疾患および障害の具体的な例は、下記に詳細に提供されている。
【0022】
本発明の上記の種々の方法は、本発明による有効量の化合物によって、インビトロでの細胞、または温血動物、特に哺乳動物、より特定的にヒトを治療することによって実施できるか、またはそれを含んでなる。本明細書に用いられる語句の「化合物によって…を治療する」とは、該化合物を細胞または動物に投与すること、または細胞または動物の内部に化合物の存在または形成をもたらすために、該化合物または他の薬剤を細胞または動物に投与することを意味する。本発明の方法は、本発明による有効量の化合物を含んでなる製薬組成物を、インビトロでの細胞、または温血動物、特に哺乳動物、より特定的にヒトに投与することを含んでなることが好ましい。
【0023】
具体的に、本発明の方法は、式I:
【0024】
【化4】

による有効量の化合物または製薬的に許容できるその塩類または溶媒和物によって、インビトロでの細胞、または温血動物、特に哺乳動物、より特定的にヒトを治療することを含んでなり、式中:
は、C1〜3アルキルであり;
は、ハロ、R14、OR14、SR14、NR1514、またはNR14(C=O)C1〜6アルキルであり、式中R15は、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C1〜6ハロアルキル、C3〜8炭素環、C3〜8ヘテロ環、C6〜10アリール、またはアリールアルキルであり、R14は、H、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C1〜6ハロアルキル、C3〜8炭素環、C3〜8ヘテロ環、C6〜10アリール、またはアリールアルキルであり;
、R、R〜R、R10〜R13は、独立してハロ、R16、NR1617、OR16、またはSR16であり、式中R16およびR17は、R16およびR17が双方ともHではないという条件で独立してH、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、またはC1〜6ハロアルキルであり;
は、HまたはC1〜3アルキルであり;
は、H、ハロ、R18、OR18、SR18、NR1819であるか、または場合によってはRと、RおよびR10の1つとが、一緒になってへテロ環を形成し、式中R18およびR19は、R18およびR19が双方ともHではないという条件で独立してH、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、またはC1〜6ハロアルキルであり;
BおよびDの少なくとも1つがNであり、W、X、YおよびZのうちの1つ以下がNであるという条件で、B、D、W、X、YおよびZは、独立してCまたはNであり、B、D、W、X、YまたはZがNである場合、Nにおける置換基がない。
【0025】
式Iの化合物の特定の実施形態において、Bは、Cであり、Dは、Nである。式Iの化合物の特定の実施形態において、BはNであり、DはCである。式Iの化合物の特定の実施形態において、XまたはYはNである。式Iの化合物の特定の実施形態において、WまたはZはNである。
【0026】
式Iの化合物の特定の実施形態において、Rは、C1〜3アルキル、ハロ、C1〜3ハロアルキル、−OC1〜3アルキル、−SC1〜3アルキル、C3〜8ヘテロ環(好ましくはモルホリノ)、NR2a1〜3アルキル、NR2a(C=O)C1〜3アルキル、またはNR2a(アリールアルキル)であり、式中R2aは、HまたはC1〜3アルキルである。
【0027】
式Iの化合物のさらなる特定の実施形態において、RはCHである。式Iの化合物の特定の実施形態において、RはHである。式Iの化合物の特定の実施形態において、R、R、R〜R、R10〜R13は独立してH、C1〜3アルキル、ハロ、NH(C1〜3アルキル)、N(C1〜3アルキル)、または−OC1〜3アルキルである。
【0028】
式Iの化合物のさらなる特定の実施形態において、Rは、H、OH、C1〜3アルキル、ハロ、C1〜3ハロアルキル、−OC1〜3アルキル、−SC1〜3アルキル、−OC1〜3ハロアルキル、NR9a9bであり、式中、R9aおよびR9bが、R9aおよびR9bが双方ともHでないという条件で独立してH、C1〜3アルキルであるか、または場合によってはRと、RおよびR10の1つとが一緒になってC3〜8へテロ環(好ましくは1,3−ジオキソラン)を形成する。
【0029】
式Iの化合物の特定の一実施形態において、
は、CHCH、またはCH、好ましくはCHであり;
は、CHCH、CH、Cl、CHF、OCH、SCH、モルホリノ、NHCH、NCH(C=O)CH、またはNHCHであり;
、R、R、R12、およびR13は独立してH、CH、Cl、NHCH、N(CH、またはOCHであり;
はHであり;
、R、R10およびR11は、独立してH、F、またはOCHであり;
は、H、OH、Cl、CH、CHCH、OCH、OCHCH、OCHCHCH、SCH、OCF、OCHF、OCH(CH、N(CH、NHCHであるか;または場合によっては、Rと、RおよびR10の1つとが一緒になって、1,3−ジオキソランを形成する。
【0030】
式Iの化合物は、式II:
【0031】
【化5】

に従った化合物、または製薬的に許容できるその塩または溶媒和物を含み、式中:
は、C1〜3アルキルであり;
は、ハロ、R14、OR14、SR14、NR1514、またはNR14(C=O)C1〜6アルキルであり、式中R15は、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C1〜6ハロアルキル、C3〜8炭素環、C3〜8ヘテロ環、C6〜10アリール、またはアリールアルキルであり、R14は、H、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C1〜6ハロアルキル、C3〜8炭素環、C3〜8ヘテロ環、C6〜10アリール、またはアリールアルキルであり;
、R、R〜R、R10およびR11は、独立してハロ、R16、NR1617、OR16、またはSR16であり、式中R16およびR17は、R16およびR17が双方ともHではないという条件で独立してH、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、またはC1〜6ハロアルキルであり;
は、HまたはC1〜3アルキルであり;
は、H、ハロ、R18、OR18、SR18、NR1819であるか、または場合によってはRと、RおよびR10の1つとが、一緒になってへテロ環を形成し、式中R18およびR19は、R18およびR19が双方ともHではないという条件で独立してH、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、またはC1〜6ハロアルキルであり;
W、X、YおよびZの1つ以下がNであるという条件で、W、X、YおよびZは独立してCまたはNであり、W、X、YまたはZがNである場合、Nにおける置換基がない。
【0032】
式IIの化合物の特定の実施形態において、XまたはYは、Nである。式IIの化合物の特定の実施形態において、WまたはZは、Nである。
【0033】
式IIの化合物の特定の実施形態において、 Rは、C1〜3アルキル、ハロ、C1〜3ハロアルキル、−OC1〜3アルキル、−SC1〜3アルキル、C3〜8へテロ環(好ましくはモルホリノ)、NR2a1〜3アルキル、NR2a(C=O)C1〜3アルキル、またはNR2a(アリールアルキル)であり、式中、R2aは、HまたはC1〜3アルキルである。
【0034】
式IIの化合物の特定の実施形態において、Rは、CHである。式IIの化合物の特定の実施形態において、Rは、Hである。式IIの化合物の特定の実施形態において、R、R、R〜R、R10およびR11は、独立してH、C1〜3アルキル、ハロ、NH(C1〜3アルキル)、N(C1〜3アルキル)、または−OC1〜3アルキルである。
【0035】
式IIの化合物の特定の実施形態において、Rは、H、OH、C1〜3アルキル、ハロ、C1〜3ハロアルキル、−OC1〜3アルキル、−SC1〜3アルキル、−OC1〜3ハロアルキル、NR9a9bであり、式中R9aおよびR9bは、R9aおよびR9bが双方ともHではないという条件で独立してH、C1〜3アルキルであるか、または場合によってはRと、RおよびR10の1つとが一緒になってC3〜8へテロ環(好ましくは、1,3−ジオキソラン)を形成する。
【0036】
式IIの化合物の特定の一実施形態において、Rは、CHCH、またはCH、好ましくはCHであり;
は、CHCH、CH、Cl、CHF、OCH、SCH、モルホリノ、NHCH、NCH(C=O)CH、またはNHCHであり;
、R、およびRは独立してH、CH、Cl、NHCH、N(CH、またはOCHであり;
は、Hであり;
、R、R10およびR11が、独立してH、F、またはOCHであり;
は、H、OH、Cl、CH、CHCH、OCH、OCHCH、OCHCHCH、SCH、OCF、OCHF、OCH(CH、N(CH、NHCHであるか;または場合によってはRと、RおよびR10の1つとが一緒になって1,3−ジオキソランを形成する。
【0037】
式Iの化合物の他の群は、式III:
【0038】
【化6】

に従った化合物、または製薬的に許容できるその塩類または溶媒和物を含み、式中:
は、C1〜3アルキルであり;
は、ハロ、R15、OR14、SR14、NR1514、またはNR14(C=O)C1〜6アルキルであり、式中R15は、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C1〜6ハロアルキル、C3〜8炭素環、C3〜8ヘテロ環、C6〜10アリール、またはアリールアルキルであり、R14は、H、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C1〜6ハロアルキル、C3〜8炭素環、C3〜8ヘテロ環、C6〜10アリール、またはアリールアルキルであり;
、R、R〜R、R10およびR11は、独立してハロ、R16、NR1617、OR16、またはSR16であり、式中R16およびR17は、R16およびR17が双方ともHではないという条件で独立してH、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、またはC1〜6ハロアルキルであり;
は、HまたはC1〜3アルキルであり;
は、H、ハロ、R18、OR18、SR18、NR1819であるか、または場合によってはRと、RおよびR10の1つとが一緒になってへテロ環を形成し、式中R18およびR19は、R18およびR19が双方ともHではないという条件で独立してH、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、またはC1〜6ハロアルキルである。
【0039】
式IIIの化合物の特定の実施形態において、Rは、C1〜3アルキル、ハロ、C1〜3ハロアルキル、−OC1〜3アルキル、−SC1〜3アルキル、C3〜8へテロ環(好ましくはモルホリノ)、NR2a1〜3アルキル、NR2a(C=O)C1〜3アルキル、またはNR2a(アリールアルキル)であり、式中、R2aは、HまたはC1〜3アルキルである。
【0040】
式IIIの化合物のさらなる特定の実施形態において、Rは、CHである。式IIIの化合物の特定の実施形態において、RはHである。式IIIの化合物の特定の実施形態において、R、R、R〜R、R10およびR11は独立してH、C1〜3アルキル、ハロ、NH(C1〜3アルキル)、N(C1〜3アルキル)、または−OC1〜3アルキルである。
【0041】
式IIIの化合物のさらなる特定の実施形態において、Rは、H、OH、C1〜3アルキル、ハロ、C1〜3ハロアルキル、−OC1〜3アルキル、−SC1〜3アルキル、−OC1〜3ハロアルキル、NR9a9bであり、式中R9aおよびR9bは、R9aおよびR9bが双方ともHではないという条件で独立してH、C1〜3アルキルであるか、または場合によってはRと、RおよびR10の1つとが一緒になってC3〜8へテロ環(好ましくは、1,3−ジオキソラン)を形成する。
【0042】
式IIIの化合物の特定の一実施形態において、
は、CHCHまたはCH、好ましくはCHであり、;
は、CHCH、CH、Cl、CHF、OCH、SCH、モルホリノ、NHCH、NCH(C=O)CH、またはNHCHであり;
、R、およびRは、独立してH、CH、Cl、NHCH、N(CH、またはOCHであり;
は、Hであり;
、R、R10およびR11は、独立してH、F、またはOCHであり;および
は、H、OH、Cl、CH、CHCH、OCH、OCHCH、OCHCHCH、SCH、OCF、OCHF、OCH(CH、N(CH、NHCHであるか;または場合によってはRと、RおよびR10の1つとが一緒になって1,3−ジオキソランを形成する。
【0043】
式IIIの化合物の他の特定の一実施形態において、
は、CHであり;
は、CH、Cl、OCH、NHCH、またはNCH(C=O)CHであり;
〜R、R、R、R10およびR11は、Hであり;
は、OCH、N(CH、またはNHCHである。
【0044】
上記の方法の種々の実施形態において、RがHである場合、RおよびR10は、双方ともHではないか、または1つがHで他がハロであることが好ましい。また、上記の種々の実施形態において、 RがHである場合、RおよびR10は、双方ともHではないか、または1つがHで他がハロまたはアルキルまたはハロアルキルであることが好ましい。上記の種々の実施形態において、Rが、C1〜6アルキル、ハロ、またはC1〜6ハロアルキルである場合、RはHではない。また、上記の種々の実施形態において、RがHである場合、RおよびR10は、双方ともHではないか、または1つがHで他がハロであり、かつRはHではないことが好ましい。
【0045】
本発明の上記方法の種々の実施形態において、本発明の方法において投与される化合物は、実施例61に記載された方法により、また条件下で(24時間目の測定)決定されたカスパーゼ活性化を、好ましくは、1,000nM以下のEC50で、より好ましくは、約500nM以下のEC50で、より好ましくは、約200nM以下のEC50で、より好ましくは、約100nM以下のEC50で、さらにより好ましくは、約50nM以下のEC50で、最も好ましくは、約10nM以下のEC50で誘導できることが好ましい。また、当業界に知られている方法により決定して、約2,000nM以下、より好ましくは、約1,000nM以下、最も好ましくは、約500nM未満のIC50で、チューブリンを阻害できる式I〜IIIの化合物、およびそれらの製薬的に許容できる塩類または溶媒和体が好ましい。
【0046】
本発明の上記方法の特定の一実施形態において、式I〜IIIの化合物、およびそれらの製薬的に許容できる塩類または溶媒和体は、実施例62に記載された方法により、また条件下で決定して、約5超、好ましくは、約10超、より好ましくは、約15超の脳/血漿AUC比を有する。
【0047】
本発明の方法に有用な典型的な化合物は、実施例1〜60に提供された化合物、およびそれらの製薬的に許容できる塩類またはプロドラッグである。具体的な典型的化合物としては、限定はしないが:
(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチル−アミン;
(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(4−メチル−フェニル)−メチル−アミン;
(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(4−クロロ−フェニル)−メチル−アミン;
(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−メチル−アミン;
(4−メトキシ−フェニル)−メチル−(2−モルホリン−4−イル−キナゾリン−4−イル)−アミン;
(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−エチル−(4−メトキシ−フェニル)−アミン;
(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(2,4−ジメトキシ−フェニル)−メチル−アミン;
(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(3−メトキシ−フェニル)−メチル−アミン;
(2−メトキシ−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシフェニル)−メチルアミン;
(2−フルオロメチル−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチル−アミン;
(2−クロロ−6−メチル−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチル−アミン;
(2−クロロ−5−メチル−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチル−アミン;
(2−クロロ−8−メチル−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチル−アミン;
(2,6−ジクロロ−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチル−アミン;
(4−メトキシ−フェニル)−メチル−(キノリン−4−イル)−アミン;
(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−メチル−アミン;
(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−メチル−アミン;
(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(4−プロポキシ−フェニル)−メチル−アミン;
(4−メトキシ−フェニル)−メチル−(2−メチル−キナゾリン−4−イル)−アミン塩酸塩;
(2−エチル−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチル−アミン;
(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(2,3−ジメトキシ−フェニル)−メチル−アミン;
(4−ジフルオロメトキシ−フェニル)−(2−メチル−キナゾリン−4−イル)−メチル−アミン;
(3−フルオロ−4−メトキシ−フェニル)−(2−メチル−キナゾリン−4−イル)−メチル−アミン;
(4−イソプロポキシ−フェニル)−(2−メチル−キナゾリン−4−イル)−メチル−アミン;
(4−エチル−フェニル)−(2−メチル−キナゾリン−4−イル)−メチル−アミン;
(2,8−ジクロロ−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチル−アミン;
(2,5−ジクロロ−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチル−アミン;
(5−メトキシ−2−メチル−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチル−アミン;
(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(4−エトキシ−フェニル)−メチルアミン
(2−メチル−キナゾリン−4−イル)−(6−メトキシ−ピリジン−3−イル)−メチル−アミン;
(2−フルオロ−4−メトキシ−フェニル)−(2−メチル−キナゾリン−4−イル)−メチル−アミン;
(2−ジメチルアミノ−フェニル)−(2−メチル−キナゾリン−4−イル)−メチル−アミン;
(4−エトキシ−フェニル)−(2−メチル−キナゾリン−4−イル)−メチル−アミン;
(2−メチルチオ−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチル−アミン;
(2−メチルアミノ−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチル−アミン;
(2−メチルアミノ−キナゾリン−4−イル)−(6−メトキシ−ピリジン−3−イル)−メチル−アミン;
(5−メトキシ−ピリジン−2−イル)−(2−メチル−キナゾリン−4−イル)−メチル−アミン;
(2−ベンジルアミノ−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシフェニル)−メチルアミン;
(2−メチル−キナゾリン−4−イル)−(4−メチルアミノ−フェニル)−メチルアミン;
(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(4−ジメチルアミノフェニル)−メチルアミン;
(2−メチルアミノ−キナゾリン−4−イル)−(4−ジメチルアミノフェニル)−メチルアミン;
[2−(N−メチル−アセトアミド)−キナゾリン−4−イル]−(4−ジメチルアミノフェニル)−メチルアミン;
(4−メチルチオ−フェニル)−(2−メチル−キナゾリン−4−イル)−メチルアミン;
(2−ジメチルアミノ−ピリジン−5−イル)−(2−メチル−キナゾリン−4−イル)−メチルアミン;
(4−メトキシ−フェニル)−(2−N−メチルアセトアミド−キナゾリン−4−イル)−メチルアミン;
(6−ジメチルアミノ−2−メチル−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチルアミン;
(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−フェニル−メチル−アミン;
(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−フェニル−メチル−アミン;
(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(2,5−ジメトキシ−フェニル)−メチル−アミン;
(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチル−アミン;
(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(4−ヒドロキシフェニル)−メチルアミン;
(2,7−ジクロロ−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチル−アミン;
(2−クロロ−7−メチル−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチル−アミン;および製薬的に許容できるそれらの塩類または溶媒和物が挙げられる。
【0048】
特に別に記述するか、または結合記号(ダッシュまたは二重ダッシュ)によって指示しない限り、挙げられた基の結合点は、最も右に記述した基上にある。したがって、例えば、ヒドロキシルアルキル基はアルキル基を介して主構造に結合しており、ヒドロキシルは、アルキル上の置換基である。
【0049】
本明細書に用いられる用語の「アルキル」とは、それ自体で、または他の基の一部として、炭素原子10個までの直鎖状と分枝状の基の双方を言う。有用なアルキル基としては、直鎖状および分枝状のC1〜10アルキル基、より好ましくは、C1〜6アルキル基が挙げられる。典型的なC1〜10アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、3−ペンチル基、ヘキシル基およびオクチル基が挙げられ、これらは任意に置換できる。
【0050】
本明細書に用いられる用語の「アルケニル」は、それ自体で、または他の基の一部として、鎖における2つの炭素原子間の少なくとも1つの二重結合を含む、炭素原子2〜10個の直鎖状または分枝状の基を、鎖の長さがそれに限定されない限り、意味する。典型的なアルケニル基としては、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−ブテニルおよび2−ブテニルが挙げられる。
【0051】
本明細書に用いられる用語の「アルキニル」は、鎖における2つの炭素原子間の少なくとも1つの三重結合を含む、炭素原子2〜10個の直鎖状または分枝状の基を、鎖の長さがそれに限定されない限り、意味する。典型的なアルケニル基としては、エチニル、1−プロピニル、1−メチル−2−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニルおよび2−ブチニルが挙げられる。
【0052】
有用なアルコキシ基としては、任意に置換されていてもよい上記のC1〜10アルキル基の1つによって置換されている酸素が挙げられる。アルコキシ置換基としては、限定はしないが、ハロ、モルホリノ、アルキルアミノならびにジアルキルアミノなどのアミノ、およびそれらのカルボキシ含有エステルが挙げられる。
【0053】
有用なアルキルチオ基としては、任意に置換されていてもよい上記のC1〜10アルキル基の1つによって置換されているイオウが挙げられる。このようなアルキルチオ基のスルホキシドおよびスルホンもまた挙げられる。
【0054】
有用なアミノ基としては、NH、−NHRおよび−NRが挙げられ、式中、RおよびRは、C1〜10アルキル基またはシクロアルキル基であるか、またはRおよびRは、Nおよび他の基を組み合わされて、ピペラジンなどの環を形成する。該アルキル基は、任意に置換されていてもよい。
【0055】
アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、炭素環式およびヘテロ環式基上の任意の置換基としては、1つまたは複数のハロ、ヒドロキシ、カルボキシル、アミノ、ニトロ、シアノ、C〜Cアシルアミノ、C〜Cアシルオキシ、C〜Cアルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、C〜C10アリール、C〜Cシクロアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜C10アリール(C〜C)アルケニル、C〜C10アリール(C〜C)アルキニル、飽和および非飽和ヘテロ環またはヘテロアリールが挙げられる。
【0056】
アリール基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基ならびにヘテロアリール基およびヘテロアリールアルキル基上の任意の置換基としては、1つまたは複数のハロ、C〜Cハロアルキル、C〜C10アリール、C〜Cシクロアルキル、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜C10アリール(C〜C)アルキル、C〜C10アリール(C〜C)アルケニル、C〜C10アリール(C〜C)アルキニル、C〜Cヒドロキシアルキル、ニトロ、アミノ、ウレイド、シアノ、C〜Cアシルアミノ、ヒドロキシ、チオール、C〜Cアシルオキシ、アジド、C〜Cアルコキシ、カルボキシまたはC1〜2アルキレンジオキシ(例えば、メチレンジオキシ)が挙げられる。
【0057】
本明細書に用いられる用語の「アリール」とは、それ自体で、または他の基の一部として、環部分に6個から14個の炭素を含有する単環、二環または三環の芳香族基を言う。
【0058】
有用なアリール基としては、C6〜14アリール、好ましくは、C6〜10アリールが挙げられる。典型的なC6〜14アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、インデニル基、アズレニル基、ビフェニル基、ビフェニレニル基およびフルオレニル基が挙げられる。
【0059】
本明細書に用いられる用語の「炭素環」は、シクロアルキルおよび部分的に飽和した炭素環式基を含む。有用なシクロアルキル基は、C3〜8シクロアルキルである。典型的なシクロアルキル基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルが挙げられる。
【0060】
有用な飽和または部分的飽和炭素環式基は、上記のシクロアルキル基、ならびにシクロペンテニル、シクロヘプテニル、およびシクロオクテニルなどのシクロアルケニル基である。
【0061】
有用なハロ基またはハロゲン基としては、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素が挙げられる。
【0062】
本明細書に用いられる用語の「アリールアルキル」は、上記のC6〜14アリール基のいずれかによって置換されている上記のC1〜10アルキル基のいずれかを意味する。アリールアルキル基は、ベンジル、フェネチルまたはナフチルメチルであることが好ましい。
【0063】
本明細書に用いられる用語の「アリールアルケニル」は、上記のC6〜14アリール基のいずれかによって置換されている上記のC2〜10アルケニル基のいずれかを意味する。
【0064】
本明細書に用いられる用語の「アリールアルキニル」は、上記のC6〜14アリール基のいずれかによって置換されている上記のC2〜10アルキニル基のいずれかを意味する。
【0065】
本明細書に用いられる用語の「アリールオキシ」は、任意に置換されていてもよい上記のC6〜14アリール基の1つによって置換されている酸素を意味する。有用なアリールオキシ基としては、フェノキシおよび4−メチルフェノキシが挙げられる。
【0066】
本明細書に用いられる用語の「アリールアルコキシ」は、任意に置換されていてもよい上記のC6〜14アリール基のいずれかによって置換されているC1〜10アルコキシ基のいずれかを意味する。有用なアリールアルコキシ基としては、ベンジルオキシおよびフェネチルオキシが挙げられる。
【0067】
有用なハロアルキル基としては、1つまたは複数のフッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子におって置換されているC1〜10アルキル基、例えば、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、1,1−ジフルオロエチル基、クロロメチル基、クロロフルオロメチル基およびトリクロロメチル基が挙げられる。
【0068】
有用なアシルアミノ(アシルアミド)基は、アミノ窒素に結合した任意のC1〜6アシル(アルカノイル)、例えば、アセトアミド、クロロアセトアミド、プロピオンアミド、ブタノイルアミド、ペンタノイルアミドおよびヘキサノイルアミド、ならびにアリール置換C1〜6アシルアミノ基、例えば、ベンゾイルアミド、およびペンタフルオロベンゾイルアミドである。
【0069】
有用なアシルオキシ基は、オキシ(−O−)基に結合した任意のC1〜6アシル(アルカノイル)、例えば、ホルミルオキシ、アセトキシ、プロピオノイルオキシ、ペンタノイルオキシおよびヘキサノイルオキシである。
【0070】
本明細書に用いられる用語、ヘテロ環は、炭素原子およびO、N、およびSよりなる群から独立して選択される1つから4つのヘテロ原子からなる飽和または部分的飽和した3〜7員の単環系、または7〜10員の二環系を意味し、該窒素および該イオウのヘテロ原子は、任意に酸化されていてもよく、該窒素は、任意に四級化されていてもよく、上記で定義したヘテロ環式環のいずれかがベンゼン環に融合している任意の二環基を含み、該ヘテロ環式環は、2つの水素原子が置換されているオキソ置換基(「=O」)など、生じる化合物が安定であるならば、炭素原子上または窒素原子上で置換されていてもよい。
【0071】
有用な飽和または部分的飽和したヘテロ環式基としては、テトラヒドロフラニル、ピラニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、インドリニル、イソインドリニル、キヌクリジニル、モルホリニル、イソクロマニル、クロマニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、テトロノイルおよびテトラモイル基が挙げられる。
本明細書に用いられる用語の「アリール」とは、それ自体で、または他の基の一部として、環部分に6個から14個の炭素を含有する単環、二環または三環の芳香族基を言う。
【0072】
有用なアリール基としては、C6〜14アリール、好ましくは、C6〜10アリールが挙げられる。典型的なC6〜14アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、インデニル基、アズレニル基、ビフェニル基、ビフェニレニル基およびフルオレニル基が挙げられる。
【0073】
本明細書に用いられる用語の「アリールアルキル」は、上記のC6〜14アリール基のいずれかによって置換されている上記のC1〜10アルキル基のいずれかを意味する。アリールアルキル基は、ベンジル、フェネチルまたはナフチルメチルであることが好ましい。
【0074】
本明細書に用いられる用語の「ヘテロアリール」とは、5から14の環原子;環配列において共有する6、10、または14のπ電子を有し;ならびに炭素原子および1、2または3個の酸素、窒素またはイオウヘテロ原子を含有する基を言う。
有用なヘテロアリール基としては、チエニル(チオフェニル)、ベンゾ[b]チエニル、ナフト[2,3−b]チエニル、チアントレニル、フリル(フラニル)、イソベンゾフラニル、クロメニル、キサンテニル、フェノキサンチイニル、限定なしで2H−ピロリルなどのピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、限定なしで2−ピリジル、3−ピリジル、および4−ピリジルなどのピリジル(ピリジニル)、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、インドリジニル、イソインドリル、3H−インドリル、インドリル、インダゾリル、プリニル、4H−キノリジニル、イソキノリル、キノリル、フタルジニル、ナフトリジニル、キノザリニル、シンノリニル、プテリジニル、カルバゾリル、β−カルボリニル、フェナントリジニル、アクリンジニル、ペリミジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、イソチアゾリル、フェノチアジニル、イソキサゾリル、フラザニル、フェノキサジニル、1,4−ジヒドロキノキサリン−2,3−ジオン、7−アミノイソクマリン、ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オン、限定なしでピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イルなどのピラゾロ[1,5−a]ピリミジニル、1,2−ベンゾイソキサゾール−3−イル、ベンズイミダゾリル、2−オキシインドリルおよび2−オキソベンズイミダゾリルが挙げられる。ヘテロアリール基が環内に窒素原子を含有する場合、このような窒素原子はN−オキシドの形態、例えば、ピリジルN−オキシド、ピラジニルN−オキシドおよびピリミジニルN−オキシドであり得る。
【0075】
本明細書に用いられる用語の「ヘテロアリールオキシ」は、任意に置換されていてもよい上記のヘテロアリール基の1つによって置換された酸素を意味する。有用なヘテロアリールオキシ基としては、ピリジルオキシ、ピラジニルオキシ、ピロリルオキシ、ピラゾリルオキシ、イミダゾリルオキシおよびチオフェニルオキシが挙げられる。
【0076】
本明細書に用いられる用語の「ヘテロアリールアルコキシ」は、任意に置換されていてもよい上記のヘテロアリール基のいずれかによって置換された上記のC1〜10アルコキシ基のいずれかを意味する。
【0077】
また、本発明は、強力なチューブリン阻害剤、トポイソメラーゼII阻害剤、カスパーゼ−3活性化剤および/またはアポトーシス誘発剤/促進剤である新規化合物を提供する。特に、本発明の新規化合物は、式I〜IIIおよび製薬的に許容できるそれらの塩類または溶媒和体によって表される。
【0078】
本発明の化合物のいくつかは、光学異性体などの立体異性体として存在し得る。本発明は、全ての立体異性体およびこのような立体異性体のラセミ混合物ならびに通常の当業者によく知られている方法によって分離できる個々の鏡像異性体の双方を含む。
【0079】
本発明の化合物に関する製薬的に許容できる付加塩の例としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、マンデル酸塩およびシュウ酸塩などの無機酸付加塩および有機酸塩付加塩;およびナトリウムヒドロキシ、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRIS、トロメタン)およびN−メチル−グルカミンなどの塩基による無機塩基付加塩および有機塩基付加塩が挙げられる。
【0080】
本発明化合物のプロドラッグの例としては、カルボン酸含有化合物の単純なエステル類(例えば、当業界に知られた方法に従って、C1〜4アルコールによる縮合によって得られたもの);ヒドロキシ含有化合物のエステル類(例えば、当業界に知られた方法に従って、C1〜4カルボン酸、C3〜6ジオイック(dioic)酸またはそれらの無水コハク酸および無水フマル酸などの酸無水物による縮合によって得られたもの);アミノ含有化合物のイミン類(例えば、当業界に知られた方法に従って、C1〜4アルデヒドまたはケトンによる縮合によって得られたもの);Leuら(J.Med.Chem.42:3623−3628頁(1999)およびGreenwaldら(J.Med.Chem.42:3657−3667頁(1999)に記載されたものなどのアミノ含有化合物のカルバメート;およびアルコール含有化合物のアセタール類およびケタール類(例えば、当業界に知られた方法に従って、クロロメチルメチルエーテルまたはクロロメチルエチルエーテルによる縮合によって得られたもの)が挙げられる。
【0081】
本発明の化合物は、当業者に知られている方法、または本発明の新規方法を用いて調製できる。具体的には、式I〜IIIを有する本発明の化合物は、図式1における典型的反応により示されるとおり調製できる。任意に置換されたキナゾリン−2,4−ジオンとホスホリルクロリドとの反応によって、対応する2,4−ジクロロキナゾリンが生成し、これをN−メチル−4−メトキシ−アニリンなどの任意に置換されたアニリンと反応させて、置換2−クロロ−4−アニリノ−キナゾリンが生成する。
【0082】
【化7】

式I〜IIIを有する本発明の化合物はまた、図式2における典型的反応により示されるとおり調製できる。マイクロ波により加熱したイソプロパノール中、置換2−クロロ−4−アニリノ−キナゾリンと、ヒドロキシルアミンなどの求核試薬(R)との反応によって、置換ヒドロキシルアミンなどの2−求核置換−4−アニリノ−キナゾリンが生成する。該反応に使用できる他の求核試薬としては、NaOMe、NaN、NaSMe、NH、NHMe、またはNHMeが挙げられ、該反応は、室温または高温で実施できる。
【0083】
【化8】

式I〜IIIを有する本発明の化合物は、図式3における典型的反応により示されるとおり調製できる。2,4−ジクロロキナゾリンと、置換アリールアミンまたは置換ピリジン−3−イルアミンなどのヘテロアリールアミンとの反応により、対応する4−アリール/ヘテロアリールアミノ置換2−クロロ−キナゾリンが生成し、これを、NaHなどの塩基の存在下、ヨウ化メチルを用いる反応によるメチル化などしたハロアルキルによってアルキル化し、対応する4−N−メチル−アリール/ヘテロアリール−アミノ置換2−クロロ−キナゾリンが生成する。
【0084】
【化9】

あるいは、式I〜IIIを有する本発明の化合物はまた、図式4における典型的反応により示されるとおり調製できる。NaCNBHなどの還元剤の存在下、アリールアミンまたはヘテロアリールアミンと、アセトンなどのケトンまたはアルデヒドとの反応により、N−アルキル−アリールアミンまたはN−アルキル−ヘテロアリールアミンを調製できる。次いで、N−アルキル−アリールアミンまたはN−アルキル−ヘテロアリールアミンを任意に置換した2,4−ジクロロキナゾリンと反応させて、対応する4−置換2−クロロ−キナゾリンを生成させる。
【0085】
【化10】

式I〜IIIを有する本発明の化合物は、図式5における典型的反応により示されるとおり調製することもできる。酢酸などの酸の存在下、2−アミノ−5−メチル安息香酸などの任意置換2−アミノ−安息香酸と、シアン酸カリウムとの反応により、6−メチル−キナゾリン−2,4−ジオンなどの対応する任意置換キナゾリン−2,4−ジオンが生成し、これを、ホスホクロリドとの反応により、6−メチル−2,4−ジクロロキナゾリンなどの対応する任意置換2,4−ジクロロキナゾリンに変換する。6−メチル−2,4−ジクロロキナゾリンなどの任意置換2,4−ジクロロキナゾリンと、N−メチル−4−メトキシ−アニリンなどの置換したアリールアミンまたはヘテロアリールアミンとの反応により、置換2−クロロ−4−アニリノ−キナゾリンなどの対応する4−置換2−クロロ−キナゾリンが生成する。
【0086】
【化11】

が任意に置換されたアルキル基である式I〜IIIを有する本発明の化合物は、図式6における典型的反応により示されるとおり調製できる。HClの存在下、2−アミノ安息香酸メチエステルと、フルオロ−アセトニトリルなどの任意置換アセトニトリルとの反応により、2−フルオロメチル−キナゾリン−4(3H)−オンなどの対応する2置換キナゾリン−4(3H)−オンが生成し、これを、ホスホリルクロリドとの反応により、4−クロロ−2−フルオロメチル−キナゾリンなどの2−置換4−クロロ−キナゾリンに変換する。4−クロロ−2−フルオロメチル−キナゾリンなどの2−置換4−クロロキナゾリンと、N−メチル−4−メトキシ−アニリンなどの置換アニリンとの反応により、2−フルオロメチル−4−アニリノ−キナゾリンなどの対応する2−置換4−アニリノ−キナゾリンが生成する。該反応に使用できる他の置換アセトニトリルとしては、クロロ−アセトニリルおよびブロモ−アセトニリル、ならびにアセトニリルおよびプロピオニトリルが挙げられる。
【0087】
【化12】

が置換アルキル基である式I〜IIIを有する本発明の化合物はまた、図式7における典型的反応により示されるとおり調製できる。N−メチル−2−クロロメチル−4−アニリノ−キナゾリンなどの置換2−クロロアルキル−4−(N−アルキル−アリールアミンまたはN−アルキル−ヘテロアリールアミン)−キナゾリンと、NHMeなどの求核試薬との反応により、置換2−ジメチルアミノメチル−4−アニリノ−キナゾリンが生成する。該反応に使用できる他の求核試薬としては、NaOMe、NaN、NaSMe、NH、NHMe、またはNHMeが挙げられ、該反応は、室温または高温で実施できる。
【0088】
【化13】

が置換アルキル基である式I〜IIIを有する本発明の化合物は、図式8における典型的反応により示されるとおり調製できる。例えば、NaHなどの塩基の存在下、2−メチル−4−(6−メトキシ−ピリジン−3−イルアミノ)−キナゾリンなどの任意置換4−(アリールアミンまたはヘテロアリールアミン)−キナゾリンと、ジフルオロメチルクロリドなどの置換ハロアルキルとの反応により、2−メチル−N−ジフルオロメチル−4−(4−メトキシピリジン−3−イルアミノ)−キナゾリンなどの対応する4−(N−アルキル−アリールアミンまたはN−アルキル−ヘテロアリールアミン)−キナゾリンが生成する。
【0089】
【化14】

がアルキル基である式I〜IIIを有する本発明の化合物は、図式9における典型的反応により示されるとおり調製できる。2−アミノ−5−ニトロ−安息香酸などの置換2−アミノ−安息香酸と、無水酢酸との反応により、2−メチル−6−ニトロ−4H−ベンゾ〔d〕〔1,3〕オキサジン−4−オンなどの対応する置換2−メチル−4H−ベンゾ〔d〕〔1,3〕オキサジン−4−オンが生成し、これを、ジオキサン中、アンモニアによる処理によって、2−メチル−6−ニトロ−キナゾリン−4(3H)−オンなどの対応するキナゾリン−4(3H)−オンに変換する。次いで、この化合物を、ホスホリルクロリドによる反応によって、4−クロロ−2−メチル−6−ニトロ−キナゾリンなどの対応する4−クロロ−キナゾリンに変換する。4−クロロ−2−メチル−6−ニトロ−キナゾリンなどの4−クロロ−キナゾリンと、N−メチル−4−メトキシ−アニリンなどの置換したアリールアミンまたはヘテロアリールアミンとの反応によって、置換2−メチル−6−ニトロ−4−アニリノ−キナゾリンなどの対応する4−(アリールアミノまたはヘテロアリールアミノ)−キナゾリンが生成する。該反応に使用できる他の置換2−アミノ−安息香酸としては、2−アミノ−4−ニトロ−安息香酸、2−アミノ−5−クロロ−安息香酸が挙げられる。
【0090】
【化15】

ニトロ基で置換された化合物は、H下、Pdによる水素化によって還元してアミノ化合物を生成でき、これを、ジアゾ化、引き続きNaNとの処理によりアジド化合物に変換できる。
【0091】
【化16】

さらなる典型的な化合物は、以下の図式に従って合成できる:
【0092】
【化17】

【0093】
【化18】

式I〜IIIを有する化合物は、カスパーゼの活性化剤およびアポトーシスの誘発剤である。 式I〜IIIを有する化合物はまた、チューブリン重合の阻害剤である。したがって、これらの化合物は、カスパーゼの活性化、アポトーシスの誘発、またはチューブリンの阻害に応答性の疾患治療に有用である。例えば、これらの化合物は、癌の場合のように、無制御の細胞増殖および異常細胞の拡散が存在する種々の臨床病態に有用である。
【0094】
本発明の他の重要な態様は、式I〜IIIを有する化合物が、脳およびCNSの疾患および障害に対する治療および/または予防として有効となる、脳およびCNSに対する十分な曝露を達成できるという驚くべき発見である。特に、本発明は、脳におけるアポトーシスの誘発、カスパーゼの活性化、チューブリンおよび/またはトポイソメラーゼの阻害による療法に応答する脳およびCNSの疾患の治療方法を提供する。このような疾患としては、例えば、脳および脊髄の腫瘍が挙げられる。
【0095】
脳腫瘍は一般に、原発性脳腫瘍または転移性脳腫瘍に分類できる。脳腫瘍は、しばしば、細胞型、形態、細胞形成、分子遺伝学、免疫学的マーカー、および/またはそれらの組み合わせによって、さらに分類される。例えば、脳腫瘍は、神経上皮腫瘍(例えば、膠細胞腫瘍、神経細胞腫瘍ならびに神経細胞−膠細胞混合腫瘍、および非膠細胞腫瘍)、髄膜腫瘍、生殖細胞腫瘍、セラー(sellar)領域の腫瘍、原発性CNSリンパ腫、CNSに影響を与える末梢神経の腫瘍、不確定組織形成腫瘍、および転移性腫瘍に分類できる。世界保健機構による脳腫瘍の分類では、腫瘍の組織学的特徴に基づいた悪性度の尺度に従って、CNS腫瘍を分類している(Kleihuesら、Brain Pathol.3:255−268頁(1993)を参照)。
【0096】
原発性脳腫瘍の最も一般的なタイプは、原発性脳腫瘍のおよそ38%を占める未分化星状膠細胞腫およびグリア芽細胞腫;および原発性脳腫瘍のおよそ27%を占める髄膜腫および他の間充織腫瘍である(DeVitaら編、Cancer:Principles and Practice of Oncology、第6版、Lippicott Williams & Wilkins、フィラデルフィア(2001)、2100−2160頁におけるLevinら、Neoplasms of the central nervous systemを参照)。他の一般的な原発性脳腫瘍としては、ピチュチタリ(pitutitary)腫瘍、神経鞘腫、CNSリンパ腫、乏突起神経膠腫、脳室上衣細胞腫、低度星状膠細胞腫、および髄芽細胞腫が挙げられる。さらなる具体的な原発性脳腫瘍としては、アストサイト(astocytic)腫瘍、ピロサイト(pilocytic)星状細胞腫、広汎性星状細胞腫、多形性キサント星状細胞腫、脳質上衣下巨細胞星状細胞腫、乏突起膠細胞腫瘍、オロデンドロ膠腫、未分化乏突起膠腫、オリゴ星状細胞腫、未分化オリゴ星状細胞腫、粘液乳頭上衣腫、上衣下腫、上衣腫、未分化上衣腫、星状芽細胞腫、第三脳室のコルドイド(chordoid)膠腫、大脳神経膠腫症、グラングリオサイトーマ(glangliocytomas)、線維形成性乳児星状細胞腫、線維形成性乳児神経節膠腫、胎児性奇形神経上皮腫瘍、中枢神経細胞腫、小脳脂肪神経細胞腫、傍神経節腫、上衣芽細胞腫、髄芽細胞腫、テント上原始神経外胚葉腫瘍、脈絡叢乳頭腫、松果体細胞腫、松果体芽細胞腫、中間分化の松果体実質腫瘍、血管外皮細胞腫、メラニン細胞病変、生殖細胞腫瘍、セラー(sellar)領域の腫瘍、頭蓋咽頭腫、毛細血管性血管芽細胞腫、および原発性CNSリンパ腫が挙げられる。
【0097】
転移性脳腫瘍は、原発性脳腫瘍よりも少なくとも10対1で数が多く、典型的には、原発性の肺癌、乳癌、黒色腫、または大腸癌が脳に転移する結果として生じる(Patchell RA、Cancer Treat.Rev.29:533−540頁(2003))。脳に転移する癌は、70%以上の症例で、複数の脳転移をもたらす(Patchell RA、Cancer Treat.Rev.29:533−540頁(2003))。したがって、典型的には手術によって治療されない。しかし、化学的感受性腫瘍からの脳転移を有する患者の治療に化学療法はある役割を演じることが示されている(Patchell RA、Cancer Treat.Rev.29:533−540頁(2003))。したがって、本発明は、動物に、有効量の式I〜IIIの化合物、または製薬的に許容できるそれらの塩類またはプロドラッグを投与することを含んでなる、原発性脳腫瘍および脳転移物などの脳癌を処置する治療的方法を含む。
【0098】
一実施形態において、本発明は、脳腫瘍のサイズを減少させるか、またはその増殖の速度を低下させる方法を提供する。腫瘍のサイズ減少および/または増殖は、固形腫瘍における応答評価基準(RECIST)指針(参照として、本明細書にその全体が組み込まれているTherasseら、J.Nat.Cancer Institute 92:205−216頁(2000)を参照)によって測定できる。例えば、1つの臓器当たり、5つの病巣まで、および合計で10の病巣までを確認し、該病巣の最長直径の長さの減少を判定することによって、治療後4週間目に測定した際、該方法は、患者において、約30%以上、病巣の平均サイズを減少させることができる。さらに他の実施形態において、本発明は、脳腫瘍を有するか、またはそれを形成する危険性のある患者の生存率を改善する方法を提供する。該方法は、治療を必要としている対象哺乳動物に、治療的有効量の本発明の化合物を投与することを含んでなる。
【0099】
本発明はまた、有効量の式I〜IIIの化合物、または前記化合物製薬的に許容できる塩類またはプロドラッグを、動物に投与することを含んでなる、無制御増殖および異常細胞の拡散を特徴とする疾患群である癌の治療に有用な治療的方法を含む。このような疾患としては、限定はしないが、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、急性リンパ球性白血病、慢性リンパ球性白血病、多発性骨髄腫、神経芽細胞腫、乳癌、卵巣癌、肺癌、ウィルムス腫瘍、子宮頚癌、精巣癌、軟部組織肉腫、原発性カクログロブリン血症、膀胱癌、慢性顆粒球性白血病、原発性脳癌、悪性黒色腫、小細胞肺癌、胃癌、大腸癌、悪性膵臓膵島細胞腺腫、悪性カルチノイド癌、絨毛癌、菌状息肉腫、頭部または頸部癌、骨原性肉腫、膵臓癌、急性顆粒球性白血病、毛様細胞性白血病、神経芽細胞腫、横紋筋肉腫、カポジ肉腫、尿生殖器癌、甲状腺癌、食道癌、悪性過カルシウム血症、子宮頚部肥厚、腎細胞癌、子宮体癌、真性赤血球増加症、本態性血小板増加症、副腎皮質癌、皮膚癌、および前立腺癌が挙げられる。
【0100】
治療的方法の実施において、腫瘍疾患および他の疾患の治療を目的として、経口、静脈内、局部および局所適用のために製剤化された、治療的有効濃度の該化合物を含有する有効量の組成物が、これらの障害の1つまたは複数の症状を示している個体に投与される。これらの量は、該障害の1つまたは複数の症状を寛解または除去するために有効である。特定の疾患を治療するための化合物の有効量は、該疾患に関連した症状を寛解するか、またはいくつかの様式においては、減少させるために十分な量である。このような量は、単回投与として投与できるか、または効果的な療法に従って投与できる。該量は、該疾患を治癒し得るが、典型的には、該疾患の症状を寛解させるために投与される。典型的には、症状の所望の寛解を達成するためには、反復投与が必要とされる。
【0101】
本発明の治療方法の一定の実施形態において、式I〜IIIの化合物は、約100平方オングストローム未満、または約80平方オングストローム未満の算出極性表面積を有する。本明細書に用いられる「算出極性表面積」は、Accelerys(登録商標)(サンジエゴ、カリフォルニア州)から入手可能なFast Polar Surface Area 二次元極性表面積予測ソフトウェアを用いて判定される。
【0102】
本発明の他の態様は、1つまたは複数の製薬的に許容できる担体または希釈剤と混合させた、有効量の式I〜IIIの化合物を含有する製薬組成物、または前記化合物の製薬的に許容できる塩を提供することである。
【0103】
一実施形態において、製薬的に許容できる媒体と組み合わせた、本明細書に開示された式I〜IIIの化合物、または前記化合物の製薬的に許容できる塩を含んでなる製薬組成物が提供される。
【0104】
好ましい製薬組成物は、実施例61に記載された方法によって判定した際に、好ましくは、1,000nM以下のEC50で、より好ましくは、500nM以下のEC50で、より好ましくは、200nM以下のEC50で、より好ましくは、100nM以下のEC50で、最も好ましくは、10nM以下のEC50で、カスパーゼ活性化を誘導できる式I〜IIIの化合物、および製薬的に許容できるそれらの塩類、エステル類、またはプロドラッグを含んでなる。
【0105】
本発明の他の実施形態は、少なくとも1種の公知の癌化学療法剤、または前記薬剤の製薬的に許容できる塩と併用して、カスパーゼカスケード活性化剤およびアポトーシスの誘発剤またはチューブリン重合阻害剤として機能する式I〜IIIの化合物、または前記化合物の製薬的に許容できる塩またはプロドラッグを含んでなる、腫瘍の抑制に有効な組成物に関する。併用療法に使用できる公知の癌化学療法剤の例としては、限定はしないが、ブスルファン、シスプラチン、マイトマイシンC、およびカルボプラチンなどのアルキル化剤;コルヒチン、ビンブラスチン、パクリタキセル、およびドセタキセルなどの有糸分裂阻害剤;カンプトセシンおよびトポテカンなどのトポI阻害剤;ドキソルビシンおよびエトポシドなどのトポII阻害剤;5−アゼシチジン、5−フルオロウラシルおよびメトトレキサートなどのRNA/DNA抗代謝剤;5−フルオロ−2’−デオキシ−ウリジン、アラ−C、ヒドロキシ尿素およびチオグアニンなどのDNA抗代謝剤;Iressa(登録商標)(ゲフィチニブ)およびTarceva(登録商標)(エルロチニブ)などのEGFR阻害剤;プロテオソーム阻害剤;カンパス(campath)、Herceptin(登録商標)、Avastin(登録商標)(ベバシズマブ)、またはRituxan(登録商標)(リツキシマブ)などの抗体が挙げられる。併用療法に使用できる他の公知の癌化学療法剤としては、メルファラン、クロラムブシル、シクロホスアミド、イホスファミド、ビンクリスチン、ミトグアゾン、エピルビシン、アクラルビシン、ブレオマイシン、ミトキサントロン、エリプチニウム、フルダラビン、オクトレオチド、レチン酸、タモキシフェン、Gleevec(登録商標)(イマニチブメシレート)およびアラノシンが挙げられる。
【0106】
本発明の方法の実施において、本発明の化合物を単位製薬組成物の一部として、少なくとも1種の公知の化学療法剤と一緒に投与できる。あるいは、本発明の化合物を、少なくとも1種の公知の癌化学療法剤と別にして投与できる。一実施形態において、本発明の化合物および少なくとも1種の公知の癌化学療法剤は、実質的に同時に投与される。すなわち、該化合物が同時に治療的血中濃度に到達する限り、該化合物は同時に、または1つずつ投与される。他の実施形態において、本発明の化合物および少なくとも1種の公知の癌化学療法剤は、該化合物が治療的血中濃度に到達する限り、それら個々の投与スケジュールに従って投与される。
【0107】
ドキサゾシン、テラゾシン、およびタムスロシンなどのアルファ−1−アドレナリン受容体アンタゴニストは、アポトーシス誘発を介して前立腺癌細胞の増殖を阻害できることが報告されている(Kyprianou,N.ら、Cancer Res 60:4550−4555頁(2000))。したがって、本発明の他の実施形態は、少なくとも1種の公知のアルファ−1−アドレナリン受容体アンタゴニスト、または前記薬剤の製薬的に許容できる塩と併用して、カスパーゼカスケード活性化剤およびアポトーシスの誘発剤またはチューブリン重合阻害剤として機能する、本明細書に記載された化合物、またはその製薬的に許容できる塩またはプロドラッグを含んでなる、腫瘍の抑制に有効な組成物に関する。併用療法に使用できる公知のアルファ−1−アドレナリン受容体アンタゴニストとしては、限定はしないが、ドキサゾシン、テラゾシン、およびタムスロシンが挙げられる。
【0108】
シグマ−2受容体が種々の腫瘍細胞型において高濃度に発現すること(Vilner,B.J.ら、Cancer Res.55:408−413頁(1995))およびCB−64D、CB−184およびハロペリドールなどのシグマ−2受容体アゴニストが、新規のアポトーシス経路を活性化し、乳房腫瘍細胞系における抗腫瘍剤を増強すること(Kyprianou,N.ら、Cancer Res.62:313−322頁(2002))が報告されている。本発明の他の実施形態は、少なくとも1種の公知のシグマ−2受容体アゴニスト、または前記アゴニストの製薬的に許容できる塩と併用して、カスパーゼカスケード活性化剤およびアポトーシス誘発剤またはチューブリン重合阻害剤として機能する、本明細書に記載された化合物、またはその製薬的に許容できる塩またはプロドラッグを含んでなる、腫瘍の抑制に有効な組成物に関する。併用療法に使用できる公知のシグマ−2受容体アゴニストの例としては、限定はしないが、CB−64D、CB−184およびハロペリドールが挙げられる。
【0109】
HMG−CoAレダクターゼ阻害剤であるロバスタチン、およびマウスのルイス肺癌モデルにおけるアポトーシス誘発剤であるブチレートとの併用療法が抗腫瘍効果を増強することが報告されている(Giermasz,A.ら、Int.J.Cancer 97:746−750頁(2002))。したがって、本発明の他の実施形態は、少なくとも1種の公知のHMG−CoAレダクターゼ阻害剤、または前記薬剤の製薬的に許容できる塩と併用して、カスパーゼカスケード活性化剤およびアポトーシス誘発剤またはチューブリン重合阻害剤として機能する、本明細書に記載された化合物、またはその製薬的に許容できる塩またはプロドラッグを含んでなる、腫瘍の抑制に有効な組成物に関する。併用療法に使用できる公知のHMG−CoAレダクターゼ阻害剤の例としては、限定はしないが、ロバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチンおよびセリバスタチンが挙げられる。
【0110】
インジナビルまたはサキナビルなどのHIVプロテアーゼ阻害剤は、強力な抗血管形成活性を有し、カポジ肉腫の退縮を促進することが報告されている(Sgadari,C.ら、Nat.Med.8:225−232頁(2002))。したがって、本発明の他の実施形態は、少なくとも1種の公知のHIVプロテアーゼ阻害剤、または前記薬剤の製薬的に許容できる塩と併用して、カスパーゼカスケード活性化剤およびアポトーシス誘発剤またはチューブリン重合阻害剤として機能する、本明細書に記載された化合物、またはその製薬的に許容できる塩またはプロドラッグを含んでなる、腫瘍の抑制に有効な組成物に関する。併用療法に使用できる公知のHIVプロテアーゼ阻害剤の例としては、限定はしないが、アンプレナビル、アバカビル、CGP−73547、CGP−61755、DMP−450、インジナビル、ネルフィナビル、チプラナビル、リトナビル、サキナビル、ABT−378、AG 1776、およびBMS−232,632が挙げられる。
【0111】
フェンレチニド(N−(4−ヒドロキシフェニル)レチナミド、4HPR)などの合成レチノイドは、小細胞肺癌細胞系において、シスプラチン、エトポシドまたはパクリタキセルなどの他の化学療法剤と併用して、良好な活性を有することが報告されている(Kalemkerian,G.P.ら、Cancer Chemother.Pharmacol.43:145−150頁(1999))。4HPRはまた、膀胱癌細胞系におけるガンマ放射と併用させて、良好な活性を有することが報告されている(Zou,C.ら、Int.J.Oncol.13:1037−1041頁(1998))。したがって、本発明の他の実施形態は、少なくとも1種の公知のレチノイドおよび合成レチノイド、または前記薬剤の製薬的に許容できる塩と併用して、カスパーゼカスケード活性化剤およびアポトーシス誘発剤またはチューブリン重合阻害剤として機能する、本明細書に記載された化合物、またはその製薬的に許容できる塩またはプロドラッグを含んでなる、腫瘍の抑制に有効な組成物に関する。併用療法に使用できる公知のレチノイドおよび合成レチノイドの例としては、限定はしないが、ベキサロテン、トレチノイン、13−シス−レチン酸、9−シス−レチン酸、α−ジフルオロメチルオルニチン、ILX23−7553、フェンレチノイド、およびN−4−カルボキシフェニルレチンアミドが挙げられる。
【0112】
ラクタシスチンなどのプロテアソーム阻害剤は、従来の化学的う療法剤に耐性のものを含め、インビボで、およびインビトロ腫瘍細胞で、抗腫瘍活性を発揮することが報告されている。NF−カッパB転写活性を阻害することにより、プロテアソーム阻害剤はインビトロでの血管形成およびインビボでの転移を防ぐこともでき、さらに、アポトーシスに対する癌細胞の感受性を高めることができる(Almond,J.B.ら、Leukemia 16:433−443頁(2002))。したがって、本発明の他の実施形態は、少なくとも1種の公知のプロテアソーム阻害剤、または前記薬剤の製薬的に許容できる塩と併用して、カスパーゼカスケード活性化剤およびアポトーシス誘発剤またはチューブリン重合阻害剤として機能する、本明細書に記載された化合物、またはその製薬的に許容できる塩またはプロドラッグを含んでなる、腫瘍の抑制に有効な組成物に関する。併用療法に使用できる公知のプロテアソーム阻害剤の例としては、限定はしないが、ラクタシスチン、MG−132、およびPS−341が挙げられる。
【0113】
STI571(Gleevec)(登録商標)(イマチニブメシレート)などのチロシンキナーゼ阻害剤は、エトポシドなどの他の抗白血病薬と併用して、強力な相乗効果を有することが報告されている(Liu,W.M.ら、Br.J.Cancer 86:1472−1478頁(2002))。したがって、本発明の他の実施形態は、少なくとも1種の公知のチロシンキナーゼ阻害剤、または前記薬剤の製薬的に許容できる塩と併用して、カスパーゼカスケード活性化剤およびアポトーシス誘発剤またはチューブリン重合阻害剤として機能する、本明細書に記載された化合物、またはその製薬的に許容できる塩またはプロドラッグを含んでなる、腫瘍の抑制に有効な組成物に関する。併用療法に使用できる公知のチロシンキナーゼ阻害剤の例としては、限定はしないが、Gleevec(登録商標)(イマチニブメシレート)、ZD1839 Iressa(登録商標)(ゲフィチニブ)、SH268、ゲニステイン、CEP2563、SU6668、SU11248、およびEMD121974が挙げられる。
【0114】
ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤であるR115777などのプレニル−タンパク質トランスフェラーゼ阻害剤は、ヒト乳癌に対して前臨床的抗腫瘍活性を有することが報告されている(Kelland,L.R.ら、Clin.Cancer Res.7:3544−3550頁(2001))。ヒト癌細胞系における、タンパク質ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤であるSCH66336とシスプラチンの相乗作用もまた報告されている(Adjei,A.A.ら、Clin.Cancer Res.7:1438−1445頁(2001))。したがって、本発明の他の実施形態は、ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤、ゲラニルゲラニル−タンパク質トランスフェラーゼI型(GGPTアーゼ−I)およびゲラニルゲラニル−タンパク質トランスフェラーゼII型の阻害剤などの少なくとも1種の公知のプレニル−タンパク質トランスフェラーゼ阻害剤、または前記薬剤の製薬的に許容できる塩と併用して、カスパーゼカスケード活性化剤およびアポトーシス誘発剤またはチューブリン重合阻害剤として機能する、本明細書に記載された化合物、またはその製薬的に許容できる塩またはプロドラッグを含んでなる、腫瘍の抑制に有効な組成物に関する。併用療法に使用できる公知のプレニル−タンパク質トランスフェラーゼ阻害剤の例としては、限定はしないが、R115777、SCH66336、L−778,123、BAL9611およびTAN−1813が挙げられる。
【0115】
フラボピリドールなどのサイクリン依存キナーゼ(CDK)阻害剤は、ヒト大腸癌細胞において、CPT−11、DNAトポイソメラーゼI阻害剤などの他の抗癌剤と併用して、強力な相乗効果を有することが報告されている(Motwani,M.ら、Clin.Cancer Res.7:4209−4219頁(2001))。したがって、本発明の他の実施形態は、少なくとも1種の公知のサイクリン依存キナーゼ阻害剤、または前記薬剤の製薬的に許容できる塩と併用して、カスパーゼカスケード活性化剤およびアポトーシス誘発剤またはチューブリン重合阻害剤として機能する、本明細書に記載された化合物、またはその製薬的に許容できる塩またはプロドラッグを含んでなる、腫瘍の抑制に有効な組成物に関する。併用療法に使用できる公知のサイクリン依存キナーゼ阻害剤の例としては、限定はしないが、フラボピリドール、UCN−01、ロスコビチンおよびオロモウシン(olomoucine)が挙げられる。
【0116】
前臨床研究において、COX−2阻害剤は、血管形成を妨げ、固形腫瘍転移を抑制し、移植胃腸癌細胞の増殖速度を低下させることが報告されている(Blanke,C.D.、Oncology(Huntingt)16(第4号、別冊3):17−21頁(2002))。したがって、本発明の他の実施形態は、少なくとも1種の公知のCOX−2阻害剤、または前記薬剤の製薬的に許容できる塩と併用して、カスパーゼカスケード活性化剤およびアポトーシス誘発剤またはチューブリン重合阻害剤として機能する、本明細書に記載された化合物、またはその製薬的に許容できる塩またはプロドラッグを含んでなる、腫瘍の抑制に有効な組成物に関する。併用療法に使用できる公知のCOX−2阻害剤の例としては、限定はしないが、セレコキシブ、バレコキシブ、およびロフェコキシブが挙げられる。
【0117】
本発明の他の実施形態は、少なくとも1種の治療的に有用な、Herceptin(登録商標)(トラスツズマブ)またはRituxan(登録商標)(リツキシマブ)などの抗体、DGF、NGFなどの成長因子、IL−2、IL−4などのサイトカイン、または細胞表面に結合する任意の分子と生体結合させて、カスパーゼカスケード活性化剤およびアポトーシス誘発剤またはチューブリン重合阻害剤として機能する、本明細書に記載された化合物の生体結合体を含んでなる、腫瘍の抑制に有効な組成物に関する。抗体および他の分子は、本明細書に記載された化合物をその標的に送達し、それを有効な抗癌剤にする。該生体結合体はまた、Herceptin(登録商標)(トラスツズマブ)またはRituxan(登録商標)(リツキシマブ)などの治療的に有用な抗体の抗癌効果を増強できると考えられる。
【0118】
同様に、本発明の他の実施形態は、放射線療法と併用して、カスパーゼカスケード活性化剤およびアポトーシス誘発剤またはチューブリン重合阻害剤として機能する、本明細書に記載された化合物、またはその製薬的に許容できる塩またはプロドラッグを含んでなる、腫瘍の抑制に有効な組成物に関する。この実施形態において、本発明の化合物は、放射線療法が投与されるのと同じ時期に、または異なる時期に投与できる。
【0119】
本発明のさらに他の実施形態は、カスパーゼカスケード活性化剤およびアポトーシス誘発剤またはチューブリン重合阻害剤として機能する、本明細書に記載された化合物、またはその製薬的に許容できる塩またはプロドラッグを含んでなる、手術後の癌治療に有効な組成物に関する。本発明はまた、癌を手術で除去し、次いで、本明細書に記載された製薬組成物の1つによって動物を治療することによる癌の治療方法に関する。
【0120】
感染物質に対する曝露後、広範な免疫機構が速やかに作動する。感染のタイプに依って、Tリンパ球およびBリンパ球の速やかなクローン増殖が生じて感染と戦う。感染後のエフェクター細胞の排除は、免疫ホメオスタシスを維持するための主要な機構の1つである。エフェクター細胞の排除は、アポトーシスによって調節されていることが示されている。その後、自己免疫疾患が細胞死の脱調節の結果として生じると判定された。一定の自己免疫疾患において、多発性硬化症では、乏突起膠細胞、真性糖尿病では膵臓のベータ細胞、および橋本病では甲状腺細胞などの特定の細胞に対して、免疫系はその強力な細胞毒性のエフェクター機構を向ける(Ohsaka,S & Elkon,K.B.、Cell Death Differ.6:13−21頁(1999))。リンパ球アポトーシス受容体、Fas/APO−1/CD95をコードする遺伝子の変異は、リンパ球アポトーシス異常および慢性の組織学的に良性の巨脾腫、全身性リンパ節症、高ガンマグロブリン血症および自己抗体形成を特徴とする自己免疫リンパ球増殖症候群(ALPS)に関連しているとの報告がなされている(Infante,A.J.ら、J.Pediatr.133:629−633頁(1998)およびVaishnaw,A.K.ら、J.Clin.Invest.103:355−363頁(1999))。T細胞依存性共刺激シグナルの存在下、形質転換マウスのB細胞の発達における抗アポトーシス活性を有するプログラム化細胞死調節因子のbcl−2遺伝子ファミリーのメンバーであるBcl−2の過剰発現が、B細胞レパートリーの修飾および病原性の自己抗体産生をもたらすことが報告されている(Lopez−Hoyos,M.ら、Int.J.Mol.Med.1:475−483頁(1998))。したがって、多くのタイプの自己免疫疾患が、アポトーシス過程の欠損によって引き起こされることは明らかである。このような疾患に対する治療戦略の1つは、自己免疫疾患を引き起こしているリンパ球にアポトーシスを起こさせることである(O’Reily,L.A.& Strasser,A.、Inflamm.Res.48:5−21頁(1999))。
【0121】
免疫ホメオスタシスの維持にはFas−Fasリガンド(FasL)相互作用が必要であることが知られている。自己反応性T細胞およびB細胞応答および甲状腺の顕著なリンパ球浸潤を特徴とする実験的自己免疫甲状腺炎は、FasLの治療的効果を試験するための良いモデルである。Batteux,F.ら(J.Immunol.162:603−608頁(1999))は、炎症甲状腺内へ、FasLをコードするDNA発現ベクターを直接注入することにより、甲状腺のリンパ球浸潤の発現が阻止され、浸潤T細胞死の誘発が見られたことを報告している。これらの結果は、甲状腺細胞上のFasL発現が、病原性の自己反応性浸潤Tリンパ球の死を誘発することにより、進行中のEATに対して治癒的効果を有し得ることを示している。
【0122】
ビスインドリルマレイミドVIIIは、ヒト星状膠細胞腫1321N1細胞およびMolt−4T細胞におけるFas媒介アポトーシスを増強することが知られており、これらは双方ともビスインドリルマレイミドVIIIの不在下では抗Fas抗体によって誘発されるアポトーシスに抵抗性であった。ビスインドリルマレイミドVIIIによるFas媒介アポトーシスの増強は、比活性化T細胞ではなく、活性化T細胞に対して選択的であり、Fas依存性であると報告された。Zhou T.ら(Nat.Med.5:42−48頁(1999))は、自己抗原刺激中に、ラットにビスインドリルマレイミドVIIIを投与すると、2つのモデル、実験的アレルギー性脳炎のルイスラットモデルおよびルイスアジュバント関節炎モデルにおけるT細胞媒介自己免疫疾患症状の発現が防止されたことを報告した。したがって、ビスインドリルマレイミドVIIIなどのFas依存性アポトーシスエンハンサーの適用は、有害細胞のより効果的な排除およびT細胞媒介自己免疫疾患の抑制にとって治療的に有用であり得る。したがって、カスパーゼカスケード活性化剤およびアポトーシス誘発剤として機能する、有効量の式I〜IIIの化合物、または該化合物の製薬的に許容できる塩またはプロドラッグは、自己免疫疾患に対する有効な治療法である。
【0123】
乾癬は、鱗屑性の赤色斑を特徴とする慢性の皮膚疾患である。ソラレンにプラスして紫外線A(PUVA)が、尋常乾癬の広く用いられている効果的な治療法である。Covenら、Photodermatol.Photoimmunol.Photomed.15:22〜27頁(1999)は、ソラレン8−MOPまたはTMPおよびUVAで処理されたリンパ球が、アポトーシス細胞死に典型的なDNA分解パターンを示すことを報告している。Ozawaら、J.Exp.Med.189:711−718頁(1999)は、T細胞アポトーシス誘発は、312−nmUVBが、乾癬皮膚病変部を消散させる主要機構であり得ることを報告している。乾癬を治療して臨床的に正常な皮膚を回復するために、低用量のメトトレキサートを使用できる。Heenenら、Arch.Dermatol.Res.290:240−245頁(1998)は、低用量のメトトレキサートが、アポトーシスを誘発できること、およびこの作用様式が、メトトレキサートによる乾癬の治療期間中、上皮肥厚が減少する原因の説明となり得ることを報告している。したがって、カスパーゼカスケード活性化剤およびアポトーシス誘発剤として機能する有効量の式I〜IIIの化合物、または製薬的に許容できる塩またはプロドラッグは、乾癬などの過剰増殖皮膚疾患に対する有効な治療法である。
【0124】
滑膜細胞の過形成は、リウマチ用関節炎(RA)患者に特徴的である。RA滑膜細胞の過剰増殖ならびに滑膜細胞死の欠損は、滑膜細胞の過形成の原因となり得ると考えられている。Wakisakaら、Clin.Exp.Immunol.114:119−128頁(1998)は、RA滑膜細胞が、Fas/FasL経路によるアポトーシスを介して死滅し得るが、滑膜細胞のアポトーシスは、滑膜内に存在する炎症誘発性サイトカインにより阻害されることを見出した。Wakisakaらはまた、炎症誘発性サイトカインによるアポトーシスの阻害が、滑膜細胞の増殖に寄与し、RA患者のパンヌス形成および関節破壊に至り得ることを示唆した。したがって、カスパーゼカスケード活性化剤およびアポトーシス誘発剤として機能する有効量の式I〜IIIの化合物、または製薬的に許容できる塩またはプロドラッグは、リウマチ様関節炎に対する有効な治療法である。
【0125】
アポトーシスは、急性炎症応答の消炎促進に主要な役割を果たすという確信的な証拠が蓄積されている。好中球は、アポトーシスを受けるように構成的にプログラム化されており、したがってそれらの炎症誘発性の潜在能力を制限し、マクロファージおよび半専門的貪食細胞による迅速で特異的な非炎症認識を導く(Savill,J.、J.Leukoc.Biol.61:375−380頁(1997))。Boirivantら、Gastroenterology 116:557−565頁(1999)は、クローン病の炎症領域、潰瘍性大腸炎、および他の炎症状態から単離された基底膜T細胞が、CD2経路誘導アポトーシスの減少を示すことを報告している。さらに、炎症クローン病組織からの細胞研究により、この欠損は、Bcl−2レベルの上昇を伴うことを示している。したがって、カスパーゼカスケード活性化剤およびアポトーシス誘発剤として機能する有効量の式I〜IIIの化合物、または製薬的に許容できる塩またはプロドラッグは、炎症に対する有効な治療法である。
【0126】
カスパーゼカスケード活性化剤およびアポトーシス誘発剤はまた、HIV、C型肝炎および他のウィルス性病原体などの病原体の排除において望ましい療法となり得る。長期間の持続性静止状態、それに引き続いての疾患進行は、ビリオンの持続的な細胞蓄積に至るこれら病原体の非アポトーシス機構により説明できる。HIV−1感染T白血病細胞または末梢血単核細胞(PBMCs)は、カスパーゼ阻害剤Z−VAD−fmkの存在下、ウィルス複製の増強を受けることが報告されている。さらに、Z−VAD−fmkはまた、HIV1−1感染の無症候性個体に由来する活性化PBMCsにおいて内因性ウィルス産生を刺激した(Chinnaiyan,Aら、Nat.Med.3:333頁(1997))。したがって、アポトーシスは、HIVの拡散を制限するための有益な宿主機構として寄与し、カスパーゼ/アポトーシス活性化剤を使用する新規な療法は、蓄積ウィルスを感染個体から排除するために有用である。同様に、HCIV感染はまた、抗アポトーシス機構を作動させて宿主の免疫監視機構を回避し、ウィルス残留および肝癌形成に至る(Tai,D.L.ら、Hepatology 3:656−64頁(2000))。したがって、アポトーシス誘発剤は、HIV、HCV、HBV、および他の感染症に対する療法として有用である。
【0127】
ステント移植は、新規な標準的血管形成術となっている。しかしながら、ステント内再狭窄は、冠動脈ステント化における重大な限界として残されている。薬物の局所投与による局所血管生物学の薬理学的調節を標的にするために新規なアプローチが開発されている。これは、正確な部位および血管傷害の時点での薬物適用を可能にする。アクチノマイシンD、ラパマイシンまたはパクリタキセルのコーティングステントなど、抗増殖性を有する多数の薬理作用薬が、現在、臨床調査中である(Regar E.ら、Br.Med.Bull.59:227−248頁(2001))。したがって、抗増殖性であるアポトーシス誘発剤は、ステント内再狭窄の防止または軽減に対する療法として有用である。
【0128】
本発明の化合物は、薬剤耐性癌細胞においてもカスパーゼ3の強力で極めて有効な活性化剤、チューブリン重合の阻害剤およびトポイソメラーゼの阻害剤であり、そのために、これらの化合物は、薬剤耐性癌細胞の成長および増殖を阻止でき、薬剤耐性癌細胞においてアポトーシスおよび細胞死を引き起こすことができる。具体的には、本発明の化合物は、Pgp−1(MDR−1)、MRP−1およびBCRPなどのMDRトランスポーターに対する基質ではない。市販のチューブリン相互作用の化学療法剤は殆ど全て、多剤耐性トランスポーター(MDRs)に対する基質であるという事実に鑑みて、これは特に驚くべきことである。
【0129】
多剤耐性は、化学療法不成功の主要原因である。薬剤耐性は、ATP結合カセット(ABC)トランスポーターによる、細胞から薬剤のATP依存流出により典型的に生じる。特に、ABCトランスポーターであるABCB1(MDR−1、P糖タンパク質);ABCC1(MRP1);およびABCG2(BCRP、MXR)は、典型的に薬剤耐性腫瘍において過剰発現され、したがって薬剤耐性に関与すると考えられている。薬剤耐性癌細胞の死滅に有効ではない標準的な抗癌剤の大部分と比較して、本発明の化合物は、薬剤耐性癌細胞の死滅に有効である。したがって、本発明の化合物は、薬剤耐性癌の治療に有用である。
【0130】
このように、本発明の別の態様は、他の抗癌剤に対する獲得耐性を有する腫瘍に対する、上記の本発明の方法および化合物の適用である。一実施形態において、別の抗癌剤による治療を受けている癌患者に本発明の化合物が投与される。別の実施形態において、別の抗癌剤により治療を受けている応答がないか、またはこのような他の抗癌化合物に対して耐性の発現した癌患者に本発明の化合物が投与される。別の実施形態において、別の抗癌剤により治療を受けていて前記他の抗癌剤に治療抵抗性のある患者に本発明の化合物が投与される。本発明の化合物は、他の抗癌剤のいずれに対しても応答性がないか、または耐性である患者における癌の治療に使用できる。このような他の抗癌剤の例としては、アルキル化剤、有糸分裂阻害剤、トポI阻害剤、トポII阻害剤、RNA/DNA抗代謝剤、EGFR阻害剤、血管新生阻害剤、チューブリン阻害剤(例えば、ビンブラスチン、タキソール(taxol(登録商標)(パクリタキセル)、およびそれらの類縁体)、プロテオソーム(proteosome)阻害剤などを挙げることができ、それらの典型的な化合物の幾つかは、上記に提供されており、例えば、メルファラン、クロラムブシル、シクロホスファミド、イフォスファミド、ビンクリスチン、ミトグアゾン、エピルビシン、アクラルビシン、ブレオマイシン、ミトキサントロン、エリプチニウム、フルダラビン、オクトレオチド、レチノイン酸、タモキシフェン、グリーベック(Gleevec(登録商標)(メシル酸イルナチニブ))およびアラノシンが一般に当業界に知られている。別の治療剤、例えば、別の抗癌剤に応答しないか、または耐性となっていて、チューブリンの阻害またはトポイソメラーゼの阻害に応答する任意の疾患タイプ(限定はしないが、上記の癌タイプなど)を有する患者の治療に該化合物を使用できる。
【0131】
本発明の範囲内の製薬組成物には、本発明の化合物の意図された目的を達成するために有効である量で本発明の化合物が含有されている全ての組成物が含まれる。個々のニーズは変動するが、各成分の有効量の最適範囲の決定は、当業界の範囲内にある。典型的に、該化合物は、動物、例えば、哺乳動物に、1日当り0.0025mg/kg体重から50mg/kg体重までの用量で、または治療中の哺乳動物に、等価用量の製薬的に許容できるその塩を経口投与できる。好ましくは、凡そ0.01mg/kg体重から凡そ10mg/kg体重までが、経口投与される。筋肉内注射に関しては、その用量は、一般に凡そ経口用量の半分である。例えば、好適な筋肉内用量は、凡そ0.0025mg/kg体重から凡そ25mg/kg体重までであり、最も好ましくは、凡そ0.01mg/kg体重から凡そ5mg/kg体重までである。公知の癌治療剤もまた投与される場合、それは、その意図された目的を達成するために有効な量で投与される。癌に有効なこのような公知の癌化学療法剤の量は、当業者に周知である。
【0132】
単位経口用量は、凡そ0.01mgから凡そ50mg、好ましくは、凡そ0.1mgから凡そ10mgの本発明化合物を含むことができる。1個または複数個の錠剤として、1日1回または複数回、単位用量を投与でき、各錠剤は、凡そ0.1mgから凡そ10mg、好適には凡そ0.25mgから凡そ50mgの該化合物またはその溶媒和体を含有する。
【0133】
局所製剤において、該化合物は、担体1グラム当り、凡そ0.01mgから100mgの濃度で存在し得る。
【0134】
原料のままの化学物質としての化合物を投与することに加えて、製薬的に使用できる製剤への該化合物の加工処理を促進させる、賦形剤および助剤を含んでなる好適な製薬的に許容できる担体を含有する製薬製剤の一部として本発明の化合物を投与できる。好ましくは、製剤、特に経口投与でき、錠剤、糖衣丸、およびカプセル剤などの好ましいタイプの投与に使用できる製剤、および、座薬などの直腸に投与できる製剤、ならびに注射剤または経口投与できる好適な液剤は、賦形剤と共に凡そ0.01パーセントから99パーセント、好ましくは、凡そ0.25パーセントから75パーセントの活性化合物を含有する。
【0135】
本発明の化合物の非毒性の製薬的に許容できる塩類もまた、本発明の範囲内に含まれる。酸付加塩類は、本発明の化合物の溶液を、塩酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、炭酸、リン酸、蓚酸などの製薬的に許容できる非毒性酸の溶液と混合することにより形成される。塩基性塩類は、本発明の化合物の溶液を、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化コリン、炭酸ナトリウム、トリス、N−メチル−グルカミンなどの製薬的に許容できる非毒性塩基の溶液と混合することにより形成される。
【0136】
本発明の製薬組成物は、本発明の化合物の有益な効果を経験し得る任意の動物に投与できる。このような動物の中でも、哺乳動物が主であり、例えば、ヒトおよび獣医学動物であるが、本発明は、このように限定する意図はない。
【0137】
本発明の製薬組成物は、意図された目的を達成する任意の手段により投与できる。例えば、非経口、皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内、経皮、舌下、くも膜下腔内、頭蓋内、鼻腔内または局所経路により投与できる。投与される用量は、レシピエントの年齢、健康状態、体重、存在する場合は、同時治療の種類、治療回数、および望ましい効果の性質に依存する。
【0138】
本発明の製薬製剤は、それ自体が公知である様式で、例えば、従来の混合、顆粒化、糖衣丸作製、溶解、または凍結乾燥処理の手段により製造される。このように、経口使用のための製薬製剤は、活性化合物を固形賦形剤と組み合わせることによって、場合によっては錠剤および糖衣丸コアを得るために、所望または必要ならば、好適な助剤を添加後、生じた混合物を粉砕し、顆粒混合物を加工処理することによって得ることができる。
【0139】
好適な賦形剤は、特に:糖類、例えば、ラクトースまたはショ糖、マンニトールまたはソルビトールなどの増量剤;セルロース製剤および/またはリン酸カルシウム、例えば、リン酸三カルシウムまたはリン酸水素カルシウム;ならびに、例えば、トウモロコシ澱粉、コムギ澱粉、コメ澱粉、ジャガイモ澱粉を用いる澱粉ペースト、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、、および/またはポリビニルピロリドンなどの結合剤である。所望ならば、上記澱粉類、またカルボキシメチル澱粉、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、またはアルギン酸またはアルギン酸ナトリウムなどのその塩、などの崩壊剤を添加できる。助剤は、上記の全て、流量調整剤および滑剤、例えば、シリカ、タルク、ステアリン酸またはステアリン酸マグネシウムあるいはステアリン酸カルシウムなどのその塩類、および/またはポリエチレングリコールである。糖衣丸コアは、所望ならば、胃酸に耐性の好適なコーティングにより提供される。この目的のために、任意にアラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコールおよび/または二酸化チタン、ラッカー溶液および好適な有機溶媒または溶媒混液を含有する濃縮糖溶液を使用できる。胃酸に耐性のコーティングを製造するために、フタル酸アセチルセルロースまたはフタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの好適なセルロース製剤が使用される。例えば、識別のためまたは活性化合物用量の組合せを特徴づけるために、染料または色素を錠剤または糖衣丸に添加できる。
【0140】
経口使用できる他の製薬製剤としては、ゼラチンから作製された押込嵌めカプセル剤、ならびにゼラチンおよびグリセロールまたはソルビトールなどの可塑剤から作製された密封軟カプセル剤が挙げられる。押込嵌めカプセル剤は、ラクトースなどの増量剤;澱粉などの結合剤;および/またはタルクまたはステアリン酸マグネシウムなどの滑剤、および任意に安定化剤と混合できる顆粒の形態で活性化合物を含有できる。軟カプセル剤において、活性化合物は、脂肪油、または液体パラフィンなどの好適な液体中に溶解または懸濁されるのが好ましい。さらに、安定化剤を添加してもよい。
【0141】
経直腸使用できる可能な製薬製剤としては、例えば、1つまたは複数の活性化合物と座薬基剤との組合せからなる座薬が挙げられる。好適な座薬基剤は、例えば、天然または合成トリグリセリド類、またはパラフィン系炭化水素である。さらに、活性化合物と基剤との組合せからなるゼラチン直腸用カプセルを使用することも可能である。可能な基剤材料としては、例えば、液体トリグリセリド類、ポリエチレングリコール類、またはパラフィン系炭化水素が挙げられる。
【0142】
非経口投与に好適な製剤としては、水溶性形態、例えば、水溶性塩類とアルカリ溶液中、活性化合物の水溶液が挙げられる。さらに、適切な油性注射剤用懸濁液として活性化合物を投与できる。好適な親油性溶媒または媒体としては、脂肪油、例えば、ゴマ油、または合成脂肪酸エステル類、例えば、オレイン酸エチルまたはトリグリセリド類またはポリエチレングリコール−400、またはクレモフォア(cremophor)またはシククロデキストリン類が挙げられる。水性注射剤用懸濁液は、懸濁液の粘度を増加させる物質を含有することができ、例えば、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ソルビトール、および/またはデキストランが挙げられる。該懸濁液は、任意に安定化剤を含有してもよい。
【0143】
本発明の一態様によれば、本発明の化合物は、局所および非経口製剤に使用され、皮膚癌の治療に用いられる。
【0144】
本発明の局所用組成物は、適切な担体の選択により、油剤、クリーム剤、ローション剤、軟膏などとして製剤化されることが好ましい。好適な担体としては、植物油類または鉱油類、白色ワセリン(白色軟質パラフィン)、分枝鎖脂肪類または油類、動物脂肪類および高分子量アルコール(C12超)が挙げられる。好ましい担体は、その中に活性成分が溶解できるものである。乳化剤、安定化剤、湿潤剤および抗酸化剤、ならびに所望ならば、色または芳香を付与する試剤を含んでもよい。さらに、経皮透過増強剤を、これらの局所用製剤に使用できる。このような増強剤の例は、米国特許第3,989,816号および米国特許第4,444,762号に見られる。
【0145】
クリーム剤は、鉱油、自己乳化性蜜蝋および水の混液にアーモンド油などの少量の油に溶解させた活性成分の混合物を混ぜた混合物から製剤化されることが好ましい。このようなクリーム剤の典型的な例は、凡そ40部の水、およそ20部の蜜蝋、凡そ40部の鉱油および凡そ1部のアーモンド油を含むものである。
【0146】
軟膏は、アーモンド油などの植物油中、活性成分の溶液を温軟質パラフィンと混合し、混合物を冷却させることにより製剤化できる。このような軟膏の典型的な例は、凡そ30重量%のアーモンド油および凡そ70重量%の白色軟質パラフィンを含むものである。
【0147】
以下の実施例は、本発明の方法および組成物について例示するものであり、限定するものではない。臨床療法において通常遭遇する種々の条件およびパラメータの他の好適な修飾および適応は、本発明の精神および範囲内に入る。
【実施例】
【0148】
実施例1
【0149】
【化19】

(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチル−アミン
a)ニートホスホリルクロリド(50mL)中、2,4−ジクロロキナゾリン:2,4−キナゾリンジオン(5.0g、30.8mmol)の懸濁液を、18時間還流下加熱した。反応混合物を減圧濃縮した。粗製生成物を、酢酸エチルとヘキサン(1:4)を用いるクロマトグラフィ(シリカゲル)により精製して、2,4−ジクロロキナゾリンを白色固体(4.8g、96%)を得た。
【0150】
【数1】

b)1滴の濃HClを有するイソプロパノール中、(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチル−アミン:2,4−ジクロロキナゾリン(300mg、1.51mmol)および4−メトキシ−N−メチルアニリン(248mg、1.81mmol)の溶液を、室温で8時間攪拌した。反応混合物中に白色沈殿物が見られた。反応液をろ過し、固体をイソプロパノールで洗浄し、減圧乾燥し、白色粉末(260mg、87%)を得た。
【0151】
【数2】

実施例2
【0152】
【化20】

(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(4−メチル−フェニル)−メチル−アミン
標題化合物を、実施例1bと同様の方法により、2,4−ジクロロキナゾリン(250mg、1.25mmol)および4−メチル−N−メチルアニリン(196mg、1.43mmol)から調製し、白色粉末(210mg、84%)として単離した。
【0153】
【数3】

実施例3
【0154】
【化21】

(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(4−クロロ−フェニル)−メチル−アミン
標題化合物を、実施例1bと同様の方法により、2,4−ジクロロキナゾリン(60mg、0.302mmol)および4−クロロ−N−メチルアニリン(50mg、0.332mmol)から調製し、白色粉末(30mg、50%)として単離した。
【0155】
【数4】

実施例4
【0156】
【化22】

(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−メチル−アミン
標題化合物を、実施例1bと同様の方法により、2,4−ジクロロキナゾリン(50mg、0.251mmol)および4−トリフルオロメチル−N−メチルアニリン(20μL、0.302mmol)から調製し、白色粉末(22mg、44%)として単離した。
【0157】
【数5】

実施例5
【0158】
【化23】

−ヒドロキシ−N−(4−メトキシ−フェニル)−N−メチル−キナゾリン−2,4−ジアミン
イソプロパノール中、(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチル−アミン(15mg、0.050mmol)および塩酸ヒドロキシルアミン(6.7mg、0.10mmol)の混合物を、130℃で20分間マイクロ波により加熱した。溶媒を減圧下蒸発させ、生成物を、溶出液としてアセトン:ヘキサン(1:1)を用いる分取TLCにより、白色固体(6mg、40%)として単離した。
【0159】
【数6】

実施例6
【0160】
【化24】

(4−メトキシ−フェニル)−メチル−(2−モルホリン−4−イル−キナゾリン−4−イル)−アミン
標題化合物を、実施例5と同様の方法により(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチル−アミン(15mg、0.050mmol)およびモルホリン(30μL)から調製し、白色粉末(10mg、66%)として単離した。
【0161】
【数7】

実施例7
【0162】
【化25】

(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(6−メトキシ−ピリジン−3−イル)−メチル−アミン
0℃で冷却された1mLのDMF中、(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(6−メトキシ−ピリジン−3−イル)−アミン(19.4mg、0.068mmol)の溶液に、ヨウ化メチル(100μL、1.61mmol)、次いで水素化ナトリウム(60%油懸濁液、5mg、0.13mmol)を加えた。この混合物を0℃で1時間攪拌してから、室温に温めて1時間攪拌した。反応混合物を、50μLの水の添加によりクエンチし、25mLの酢酸エチルで希釈し、水(25mL×3)、飽和NaClで洗浄し、無水MgSOで乾燥し、ろ過して濃縮した。残渣をクロマトグラフィ(20%酢酸エチル/ヘキサン類)により精製して標題化合物(11.3mg、0.048mmol、70%)を得た。
【0163】
【数8】

実施例8
【0164】
【化26】

(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−エチル−(4−メトキシ−フェニル)−アミン
標題化合物を、実施例7と同様の方法により(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−アミンおよびヨウ化エチルから調製した(58%収率)。
【0165】
【数9】

【0166】
【数10】

実施例9
【0167】
【化27】

(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(2,4−ジメトキシ−フェニル)−メチル−アミン
標題化合物を、実施例7と同様の方法より(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(2,4−ジメトキシ−フェニル)−アミンおよびヨウ化メチルから調製した(91%収率)。
【0168】
【数11】

実施例10
【0169】
【化28】

(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(3−メトキシ−フェニル)−メチル−アミン
標題化合物を、実施例7と同様の方法により(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(3−メトキシ−フェニル)−アミンおよびヨウ化メチルから調製した(60%収率)。
【0170】
【数12】

実施例11
【0171】
【化29】

(2−メトキシ−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシフェニル)−メチルアミン
(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチル−アミン(50mg、0.167mmol)の2mlのメタノール溶液に、ナトリウムメトキシド(500μl、メタノール中25重量%)を加えた。この溶液を、80℃で1時間攪拌し、50mlの酢酸エチルで希釈した。この溶液を、水で洗浄し、乾燥して濃縮した。生成物を、小シリカカラムを用いて精製し、灰白色固体(22mg、54%)として単離した。
【0172】
【数13】

実施例12
【0173】
【化30】

(2−フルオロメチル−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチル−アミン
a)2−フルオロメチル−キナゾリン−4(3H)−オン:2−アミノ−安息香酸メチルエステル(151mg、1mmol)およびフルオロアセトニトリル(0.14ml、2.5mmol)のジオキサン(5ml)溶液に、室温で濃HCl(0.05ml)を滴下により加えた。この混合物を、80℃で24時間攪拌してから、室温に冷却した。生じた固体を採取し、水(10ml)に溶解し、この溶液を飽和NaHCO水によりpH7に中和した。この溶液を酢酸エチルにより抽出した。抽出液を蒸発させ、残渣を、溶出液として酢酸エチルおよびヘキサン(1:1)を用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製して、70mg(39%)の標題化合物を得た。
【0174】
b)(2−フルオロメチル−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチル−アミン:ホスホリルクロリド(2ml)およびN,N−ジメチルアニリン(0.035ml、0.27mmol)中、2−フルオロメチル−キナゾリン−4(3H)−オン(70mg、0.39mmol)の懸濁液を、12時間還流下加熱した。反応混合物を氷に注ぎ、沈殿物をろ取し、次いで洗浄し、乾燥すると4−クロロ−2−フルオロメチル−キナゾリンが得られ、これを次の反応に直接用いた。4−クロロ−2−フルオロメチル−キナゾリンと(4−メトキシ−フェニル)−メチルアミン(160mg、1.2mmol)とのイソプロピルアルコール(5ml)溶液に、濃HCl(0.05ml)を加え、この溶液を室温で一晩攪拌した。この溶液を、飽和NaHCO水により中和し、酢酸エチルにより抽出した。抽出液を蒸発させ、残渣を、溶出液として酢酸エチルおよびヘキサン(1:1)を用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製して、11mg(9.5%)の標題化合物を得た。
【0175】
【数14】

実施例13
【0176】
【化31】

(2−クロロ−6−メチル−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチル−アミン
a)6−メチル−キナゾリン−2,4−ジオン:水(20mL)中、2−アミノ−5−メチル安息香酸(0.758g、5mmol)およびシアン化カリウム(0.673g、8.3mmol)の懸濁液に、酢酸(0.5mL)を加えた。この混合物を、室温で24時間攪拌した。白色固体を、減圧ろ過により採取し、水洗し、減圧乾燥した(0.736g、84%):
【0177】
【数15】

b)(2−クロロ−6−メチル−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチル−アミン:上記の6−メチル−キナゾリン−2,4−ジオン(201mg、1.14mmol)およびN,N−ジメチルアニリン(0.2mL)を、オキシ塩化リン(5mL)中、アルゴン下一晩還流した。溶媒を、蒸留により減圧留去した。紫色の残渣を、イソプロパノール(10mL)に溶解した。N−メチル−p−アニシジン(201mg、1.465mmol)を加えた。混合物を室温で一晩攪拌した。溶媒を蒸発させ、残渣をカラムクロマトグラフィ(SiO、EtOAc:ヘキサン類5〜25%)により精製すると、生成物を淡黄色固体(62mg、17%)として得た:
【0178】
【数16】

実施例14〜16の化合物は、実施例13と同様に調製した。
【0179】
実施例14
【0180】
【化32】

(2−クロロ−5−メチル−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチル−アミン
a)5−メチル−キナゾリン−2,4−ジオン:灰白色固体:
【0181】
【数17】

b)(2−クロロ−5−メチル−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチル−アミン:淡黄色固体:
【0182】
【数18】

実施例15
【0183】
【化33】

(2−クロロ−8−メチル−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチル−アミン
a)8−メチル−キナゾリン−2,4−ジオン:灰褐色固体:
【0184】
【数19】

b)(2−クロロ−8−メチル−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチル−アミン:
【0185】
【数20】

実施例16
【0186】
【化34】

(2,6−ジクロロ−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチル−アミン
a)6−クロロ−キナゾリン−2,4−ジオン:白色固体:
【0187】
【数21】

b)(2,6−ジクロロ−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチル−アミン:黄色固体:
【0188】
【数22】

実施例17
【0189】
【化35】

(4−メトキシ−フェニル)−メチル−(キノリン−4−イル)−アミン
4−クロロキノリン(50mg、0.31mmol)および(4−メトキシ−フェニル)−メチルアミン(300mg、2.2mmol)の混合物を、封管中140℃で一晩加熱した。粗製生成物を、シリカゲルクロマトグラフィ(20〜40%酢酸エチル/ヘキサン類)により精製すると標題化合物(60mg、0.23mmol、74%)を得た。
【0190】
【数23】

【0191】
【数24】

実施例18
【0192】
【化36】

(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−メチル−アミン
a)(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−アミン:標題化合物を、実施例1bと同様の方法により3,4−メチレンジオキシフェニルアミンおよび2,4−ジクロロキナゾリンから調製し、固体(45%収率)として単離した。
【0193】
【数25】

b)(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−メチル−アミン:標題化合物を、実施例36と同様の方法により(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−アミンから調製し、固体(66%収率)として単離した。
【0194】
【数26】

実施例19および20の化合物を、実施例18と同様に調製した。
【0195】
実施例19
【0196】
【化37】

(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−メチル−アミン
a)(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−アミン:
【0197】
【数27】

b)(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−メチル−アミン:
【0198】
【数28】

実施例20
【0199】
【化38】

(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(4−プロポキシ−フェニル)−メチル−アミン
a)(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(4−プロポキシ−フェニル)−アミン:
【0200】
【数29】

b)(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(4−プロポキシ−フェニル)−メチル−アミン:
【0201】
【数30】

実施例21
【0202】
【化39】

(4−メトキシ−フェニル)−メチル−(2−メチル−キナゾリン−4−イル)−アミン塩酸塩
a)4−クロロ−2−メチル−キナゾリン:POCl(100mL)中、2−メチル−4(3H)−キナゾリン(5g、31.2mmol)の攪拌懸濁液を、120℃で3時間加熱した。過剰のPOClを減圧留去し、次いで残渣に、破氷および200mLの飽和NaHCOを加え、この混合物を酢酸エチル(200mL×2)で抽出した。抽出液を合わせて、水、飽和NaClで洗浄し、無水MgSOで乾燥し、ろ過し、濃縮した。粗製生成物を、カラムクロマトグラフィ(5〜8%酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、標題化合物(2.5g、14.0mmol、45%)を得た。
【0203】
【数31】

b)(4−メトキシ−フェニル)−メチル−(2−メチル−キナゾリン−4−イル)−アミン塩酸塩:標題化合物を、実施例1bと同様の方法により、4−クロロ−2−メチル−キナゾリン(2.31g、12.9mmol)および(4−メトキシフェニル)−メチル−アミン(2.0g、14.6mmol)から調製し、固体(2.90g、9.18mmol、71%)として単離した。
【0204】
【数32】

実施例22
【0205】
【化40】

(2−クロロメチル−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチル−アミン
a)2−クロロメチル−キナゾリン−4(3H)−オン:ジオキサン(8ml)中、2−アミノ−安息香酸メチルエステル(0.26ml、2mmol)およびクロロアセトニトリル(0.16ml、4.0mmol)の溶液に、室温で濃HCl(1.0ml)を滴下により加えた。この混合物を80℃で24時間加熱してから、室温に冷却した。生じた固体を採取し、水(10ml)に溶解し、溶液を2N NaOH水溶液によりpH7に中和した。沈殿物を、ろ過により採取し、次いで水で洗浄して309mg(79.6%)の標題化合物を得た。
【0206】
b)(2−クロロメチル−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチル−アミン:クロロホルム(10ml)中、2−クロロメチル−キナゾリン−4(3H)−オン(256mg、1.32mmol)、塩化ホスホリル(1.23ml、13.2mmol)およびN,N−ジメチルアニリン(0.34ml、2.64mmol)の混合物を、還流下4時間加熱した。反応混合物を氷に注ぎ、酢酸エチルにより抽出した。溶媒を蒸発させ、残渣を、溶出液として酢酸エステルおよびヘキサン(1:1)を用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製し、180mgの4−クロロ−2−クロロメチル−キナゾリンを得た。濃HCl(0.05ml)を有するイソプロピルアルコール(5ml)中、該中間体(170mg、0.80mmol)および(4−メトキシ−フェニル)−メチルアミン(131.7mg、0.96mmol)を、室温で一晩攪拌した。沈殿物が形成され、ろ過により採取してから、洗浄し、乾燥して231mg(92%)の標題化合物を得た。
【0207】
【数33】

実施例23
【0208】
【化41】

(2−エチル−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチル−アミン
標題化合物を、実施例22と同様の方法により3ステップで調製した。
【0209】
【数34】

実施例24
【0210】
【化42】

(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(2,3−ジメトキシ−フェニル)−メチル−アミン
標題化合物を、実施例7と同様の方法により(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(2,3−ジメトキシ−フェニル)−アミンおよびヨウ化メチルから調製した(71%収率)。
【0211】
【数35】

実施例25
【0212】
【化43】

(4−ジフルオロメトキシ−フェニル)−(2−メチル−キナゾリン−4−イル)−メチル−アミン
標題化合物を、実施例7と同様の方法により(4−ジフルオロメトキシ−フェニル)−(2−メチル−キナゾリン−4−イル)−アミン(710mg、2.36mmol)およびヨウ化メチル(1.03ml、16.52mmol)から調製した(40.8%収率)。
【0213】
【数36】

実施例26
【0214】
【化44】

(3−フルオロ−4−メトキシ−フェニル)−(2−メチル−キナゾリン−4−イル)−メチル−アミン
標題化合物を、実施例7と同様の方法により(3−フルオロ−4−メトキシ−フェニル)−(2−メチル−キナゾリン−4−イル)−アミン(250mg、0.88mmol)、およびヨウ化メチル(0.39ml、6.18mmol)から調製した。
【0215】
【数37】

実施例27
【0216】
【化45】

(4−イソプロポキシ−フェニル)−(2−メチル−キナゾリン−4−イル)−メチル−アミン
標題化合物を、実施例7と同様の方法により(4−イソプロポキシ−フェニル)−(2−メチル−キナゾリン−4−イル)−メチル−アミン(164.3mg、0.56mmol)、およびヨウ化メチル(0.25ml、3.92mmol)から調製した。
【0217】
【数38】

実施例28
【0218】
【化46】

(4−エチル−フェニル)−(2−メチル−キナゾリン−4−イル)−メチル−アミン
標題化合物を、実施例7と同様の方法により(4−エチル−フェニル)−(2−メチル−キナゾリン−4−イル)−アミン(122mg、0.46mmol)、およびヨウ化メチル(0.2ml、3.25mmol)から調製した。
【0219】
【数39】

実施例29および30の化合物を、実施例13と同様の方法により調製した。
【0220】
実施例29
【0221】
【化47】

(2,8−ジクロロ−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチル−アミン
a)8−クロロ−1H−キナゾリン−2,4−ジオン:白色固体:
【0222】
【数40】

b)(2,8−ジクロロ−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチル−アミン:灰白色固体:
【0223】
【数41】

実施例30
【0224】
【化48】

(2,5−ジクロロ−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチル−アミン
a)5−クロロ−1H,3H−キナゾリン−2,4−ジオン:白色固体:
【0225】
【数42】

b)(2,5−ジクロロ−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチル−アミン:黄色固体:
【0226】
【数43】

実施例31
【0227】
【化49】

(5−メトキシ−2−メチル−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチル−アミン
a)5−メトキシ−2−メチル−キナゾリン−4−オール:DMF/トルエン(2.6mL)中、2−アミノ−6−メトキシ−安息香酸(305mg、1.82mmol)および4−N,N−ジメチルアミノピリジン(20mg、0.16mmol)に、アルゴン下、0℃でトリエチルアミン(1.1mL、7.9mmol)に次いで、塩化アセチル(0.40mL、5.6mmol)をゆっくりと加えた。該懸濁液を、室温で19時間攪拌した。酢酸アンモニウム(0.62g、8.0mmol)を加え、反応混合物をさらに、90℃で5時間攪拌した。固体をろ過により採取し、水洗、乾燥して灰白色固体を得た(103mg、30%)。
【0228】
【数44】

b)(5−メトキシ−2−メチル−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチル−アミン:標題化合物を白色固体として、実施例13bと同様の方法により調製した:
【0229】
【数45】

実施例32
【0230】
【化50】

(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(4−エトキシ−フェニル)−メチルアミン
標題化合物を、実施例7と同様の方法により(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(4−エトキシ−フェニル)−アミンから調製した(28%)。
【0231】
【数46】

【0232】
【数47】

実施例33
【0233】
【化51】

(2−メチル−キナゾリン−4−イル)−(6−メトキシ−ピリジン−3−イル)−メチル−アミン
標題化合物を、実施例7と同様の方法により(2−メチル−キナゾリン−4−イル)−(6−メトキシ−ピリジン−3−イル)−アミンから調製した(28%)。
【0234】
【数48】

実施例34
【0235】
【化52】

(2−フルオロ−4−メトキシ−フェニル)−(2−メチル−キナゾリン−4−イル)−メチル−アミン
標題化合物を、実施例7と同様の方法により(2−メチル−キナゾリン−4−イル)−(2−フルオロ−4−メトキシ−フェニル)−アミンから調製した(51%)。
【0236】
【数49】

実施例35
【0237】
【化53】

(4−ジメチルアミノ−フェニル)−(2−メチル−キナゾリン−4−イル)−メチル−アミン
1.5mLの37%ホルムアルデヒド水溶液および10μLの氷酢酸中、(2−メチル−キナゾリン−4−イル)−(4−アミノ−フェニル)−メチルアミン(14mg、mmol)の溶液に、水素化シアノホウ素ナトリウム(15mg、0.24mmol)を加え、この混合物を室温で2時間攪拌した。反応混合物を、50μLの1N HClを添加することによりクエンチした。これを、50mLの酢酸エチルにより希釈し、飽和重炭酸ナトリウム、次いで飽和塩化ナトリウムにより洗浄した。有機層を、無水NaSOで乾燥し、ろ過し、濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィ(25%酢酸エチル/ヘキサン類)により精製し、標題化合物(12.4mg、0.042mmol、80%)を得た。
【0238】
【数50】

実施例36
【0239】
【化54】

(4−エトキシ−フェニル)−(2−メチル−キナゾリン−4−イル)−メチル−アミン
標題化合物を、実施例7と同様の方法により(2−メチル−キナゾリン−4−イル)−(4−エトキシ−フェニル)−アミンから調製した(67%)。
【0240】
【数51】

実施例37
【0241】
【化55】

(2−メチルチオ−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシフェニル)−メチル−アミン
5mLの溶媒(THF:MeOH:水=3:1:1)中、(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシフェニル)−メチル−アミン(150mg、0.5mmol)、ナトリウムメタンチオレート(105mg、1.5mmol)の混合物を、70℃で4時間攪拌した。反応混合物を、30mLの酢酸エチルにより希釈し、ブラインにより洗浄し、無水NaSOで乾燥し、ろ過し、濃縮した。粗製生成物を、溶出液として酢酸エステルおよびヘキサン(1:5)を用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製し、11mgの標題化合物(7%)を得た。
【0242】
【数52】

実施例38
【0243】
【化56】

(2−ジメチルアミノ−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチル−アミン
メタノール(2.0ml、4mmol)中、(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチル−アミン(150mg、0.5mmol)、2.0Mのジメチルアミンの混合物を、封管中70〜80℃で一晩攪拌した。混合物を満たし、ろ液を減圧濃縮した。残渣を酢酸エチルで抽出し、ブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥し、ろ過し、濃縮した。粗製生成物を、溶出液として酢酸エステルおよびヘキサン(1:9)を用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製し、128mgの標題化合物(83%)を得た。
【0244】
【数53】

【0245】
【数54】

実施例39
【0246】
【化57】

(2−メチルアミノ−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチル−アミン
標題化合物を、実施例38と同様の方法により、THF(2.0ml、4mmol)中、(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチル−アミン(150mg、0.5mmol)、2.0Mのメチルアミンから調製した(53.7%)。
【0247】
【数55】

実施例40
【0248】
【化58】

(2−メチルアミノ−キナゾリン−4−イル)−(6−メトキシ−ピリジン−3−イル)−メチル−アミン
標題化合物を、実施例38と同様の方法により、THF(4ml、8mmol)中、(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(6−メトキシ−ピリジン−3−イル)−メチル−アミン(69mg、0.23mmol)、2.0Mのメチルアミンから調製し、20mg(30%)の黄色固体を得た。
【0249】
【数56】

実施例41
【0250】
【化59】

(5−メトキシ−ピリジン−2−イル)−(2−メチル−キナゾリン−4−イル)−メチル−アミン
標題化合物を、実施例7と同様の方法により(5−メトキシ−ピリジン−2−イル)−(2−メチル−キナゾリン−4−イル)−アミンから調製した。
【0251】
【数57】

実施例42
【0252】
【化60】

(2−ベンジルアミノ−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシフェニル)−メチルアミン
5mLのTHF中、(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシフェニル)−メチルアミン(150mg、0.5mmol)、ベンジルアミン(110μL、1.0mmol)およびトリエチルアミン(100μL)の溶液を、封管中80℃で一晩加熱した。室温に冷却後、反応混合物を25mLの酢酸エチルで希釈し、飽和NaHCOで洗浄し、無水NaSOで乾燥し、ろ過し、濃縮した。粗製物を、カラムクロマトグラフィ(35%酢酸エチル/ヘキサン)により精製し、標題化合物(25mg、0.067mmol、13%)を得た。
【0253】
【数58】

実施例43
【0254】
【化61】

(2−メチル−キナゾリン−4−イル)−(4−メチルアミノ−フェニル)−メチルアミン
3mLのメタノールおよび3mLの2N NaOH中、(2−メチル−キナゾリン−4−イル)−(N−メチル−4−アセトアミド−フェニル)−メチルアミン(103mg、0.321mmol)の混合物を、90℃で4時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、25mLの酢酸エチルで希釈した。これを、飽和NaHCOで洗浄し、有機層を、無水NaSOで乾燥し、ろ過し、濃縮した。粗製物を、カラムクロマトグラフィ(40%酢酸エチル/ヘキサン)により精製し、標題化合物(28mg、0.10mmol、31%)を得た。
【0255】
【数59】

実施例44
【0256】
【化62】

(2−メチル−6−ニトロキナゾリン−4−イル)−(4−ジメチルアミノフェニル)−メチルアミン
5mLの溶媒(THF:水/1:1)中、4−クロロ−2−メチル−6−ニトロキナゾリノン(160mg、0.72mmol)、N、N、N−トリメチルベンゼン−1,4−ジアミン(0.84mmol)および酢酸ナトリウム(70mg、0.90mmol)の混合物を、室温で45分間攪拌した。反応混合物を、50mLの酢酸エチルで希釈し、飽和NaHCOで洗浄した。有機層を、無水MgSOで乾燥し、ろ過し、濃縮した。粗製生成物を、シリカゲルクロマトグラフィ(40%酢酸エチル/ヘキサン)により精製し、標題化合物(231mg、0.68mmol、96%)を得た。
【0257】
【数60】

実施例45
【0258】
【化63】

(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(4−ジメチルアミノフェニル)−メチルアミン
標題化合物を、実施例44と同様の方法により、2,4−ジクロロ−6−ニトロ−キナゾリンおよびN、N、N−トリメチルベンゼン−1,4−ジアミンから調製した。
【0259】
【数61】

実施例46
【0260】
【化64】

(2−ジメチルアミノ−6−ニトロキナゾリン−4−イル)−(4−メトキシフェニル)−メチルアミン
2mLのメタノール中のジメチルアミン(2M、25mmol)中、(2−クロロ−6−ニトロキナゾリン−4−イル)−(4−メトキシフェニル)−メチルアミン(48mg、0.14mmol)の溶液を、封管中70℃で48時間夜通し加熱した。反応混合物を室温に冷却し、減圧濃縮した。残渣を、クロマトグラフィ(15%酢酸エチル/ヘキサン)により精製し、標題化合物(39mg、79%)を得た。
【0261】
【数62】

実施例47
【0262】
【化65】

(2−メチルアミノ−キナゾリン−4−イル)−(4−ジメチルアミノフェニル)−メチルアミン
標題化合物を、実施例46と同様の方法により、(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(4−ジメチルアミノフェニル)−メチルアミンおよびメチルアミンから調製した。
【0263】
【数63】

実施例48
【0264】
【化66】

[2−N−(メチル−アセトアミド)−キナゾリン−4−イル]−(4−ジメチルアミノフェニル)−メチルアミン
0℃に冷却された4mLのメチレンクロリド中、(2−メチルアミノ−キナゾリン−4−イル)−(4−ジメチルアミノフェニル)−メチルアミン(40mg、0.13mmol)の溶液に、トリエチルアミン(50μL、0.36mmol)、2,3個の結晶のジメチルアミノピリジンおよび無水酢酸(50μL、0.53mmol)を加えた。反応混合物を、0℃で1時間攪拌し、室温に温め、一晩攪拌した。反応混合物を、25mLの酢酸エチルで希釈し、25mLの飽和重炭酸ナトリウムで洗浄した。有機層を、無水NaSOで乾燥し、ろ過し、濃縮した。残渣を、クロマトグラフィ(40%酢酸エチル/ヘキサン)により精製し、標題化合物(39mg、0.11mmol、85%)を得た。
【0265】
【数64】

実施例49
【0266】
【化67】

(4−メチルチオ−フェニル)−(2−メチル−キナゾリン−4−イル)−メチルアミン
DMF(4ml)中、(4−メチルチオ−フェニル)−(2−メチル−キナゾリン−4−イル)−アミン(263mg、0.94mmol)の溶液に0℃で、水素化ナトリウム(56.4mg、1.40mmol、60%油分散液)、次いでヨウ化メチル(0.09ml、1.40mmol)を加えた。この混合物を、0℃で1時間攪拌してから、室温に温め、さらに2時間攪拌した。反応混合物をEtOAc(15ml)で希釈し、飽和NaHCO水、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、減圧濃縮した。残渣を、溶出液として酢酸エステルおよびヘキサン(1:2から1:1まで)を用いるシリカゲルクロマトグラフィにより精製し、120mgの標題化合物(40.7%)を得た。
【0267】
【数65】

実施例50
【0268】
【化68】

(2−ジメチルアミノ−ピリジン−5−イル)−(2−メチル−キナゾリン−4−イル)−メチルアミン
実施例49と同様に、DMF中、(2−ジメチルアミノ−ピリジン−5−イル)−(2−メチル−キナゾリン−4−イル)−アミン(45mg、0.16mmol)、ヨウ化メチル(0.016ml、0.24mmol)、水素化ナトリウム(9.6mg、0.24mmol、60%油分散液)から標題化合物を調製し、22mg(47%)のペイント黄色固体を得た。
【0269】
【数66】

実施例51
【0270】
【化69】

(4−メトキシ−フェニル)−(2−N−メチルアセトアミド−キナゾリン−4−イル)−メチルアミン
5mlのジクロロメタン中、(4−メトキシ−フェニル)−(2−メチルアミン−キナゾリン−4−イル)−メチルアミン(100mg、0.34mmol)の溶液に、トリエチルアミン(0.071ml、0.51mmol)、塩化アセチル(0.036ml、0.51mmol)、次いで2mgのDMAPを0℃で加えた。反応混合物を、室温に温め、2時間攪拌した。溶媒を減圧留去した。残渣をEtOAc(20ml)に溶解し、水、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、減圧濃縮した。粗製生成物を、溶出液として酢酸エステル、ヘキサンおよびメタノール(1:3から1:1:0.05まで)を用いるシリカゲルクロマトグラフィにより精製し、36mgの標題化合物(31.5%)を白色固体として得た。
【0271】
【数67】

実施例52
【0272】
【化70】

(6−ジメチルアミノ−2−メチル−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチルアミン
(6−アミノ−2−メチル−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチルアミン(16mg、0.05mmol)、2mlの37%ホルムアルデヒド水溶液および水素化シアノホウ素ナトリウム(6.3mg、0.1mmol)の混合物に、2N HCl(0.05ml)を0℃で加えた。反応混合物を、0℃で1時間攪拌してから、EtOAc(10ml)により希釈し、飽和NaHCO水、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、減圧濃縮した。粗製生成物を、溶出液として酢酸エステル、ヘキサン(1:3から1:1まで)を用いるシリカゲルクロマトグラフィにより精製し、11mgの標題化合物(68.8%)を黄色固体として得た。
【0273】
【数68】

実施例53
【0274】
【化71】

(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−(2−メチル−キナゾリン−4−イル)−メチルアミン
標題化合物を、実施例49と同様にDMF中、(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−(2−メチル−キナゾリン−4−イル)−アミン(232mg、0.71mmol)、ヨウ化メチル(0.07ml、1.08mmol)、水素化ナトリウム(43mg、1,08mmol、60%油分散液)から調製し、65mg(27%)の白色固体を得た。
【0275】
【数69】

実施例54
【0276】
【化72】

(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(4−ニトロ−フェニル)−メチル−アミン
標題化合物を、実施例1bと同様の方法により、2,4−ジクロロキナゾリン(50mg、0.251mmol)および4−ニトロ−メチルアニリン(46mg、0.302mmol)から調製し、黄色粉末(6mg、12%)として単離した。
【0277】
【数70】

実施例55
【0278】
【化73】

(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−フェニル−メチル−アミン
標題化合物を、実施例1bと同様の方法により、2,4−ジクロロキナゾリン(50mg、0.251mmol)およびN−メチルアニリン(20μL、0.301mmol)から調製し、白色粉末(40mg、80%)として単離した。
【0279】
【数71】

【0280】
【数72】

実施例56
【0281】
【化74】

(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(2,5−ジメトキシ−フェニル)−メチル−アミン
標題化合物を、実施例7と同様の方法により(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(2,5−ジメトキシ−フェニル)−アミンおよびヨウ化メチルから調製した(78%収率)。
【0282】
【数73】

実施例57
【0283】
【化75】

(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(2−メトキシ−フェニル)−メチル−アミン
標題化合物を、実施例7と同様の方法により(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(2−メトキシ−フェニル)−アミンおよびヨウ化メチルから調製した(72%収率)。
【0284】
【数74】

実施例58
【0285】
【化76】

(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(4−ヒドロキシフェニル)−メチルアミン
−20℃に冷却された30mlのジクロロメタン中、(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチル−アミン(100mg、0.334mmol)の溶液に、60μlのBBr(0.668mmol)をゆっくりと加えた。反応混合物を、−20℃で2時間攪拌してから、室温に温めた。それを、この温度でさらに2時間攪拌した。反応混合物を、酢酸エチル(50ml)で希釈し、冷5%重炭酸ナトリウムで洗浄した。有機層を乾燥し、濃縮した。残渣を、溶出液として酢酸エチルおよびヘキサン(1:3)を用いて小型のシリカカラムにより精製し、生成物(57mg、57%)を得た。
【0286】
【数75】

実施例59および60の化合物は、実施例13と同様に調製した。
【0287】
実施例59
【0288】
【化77】

(2,7−ジクロロ−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチル−アミン
a)7−クロロ−キナゾリン−2,4−ジオン:白色固体:
【0289】
【数76】

b)(2,7−ジクロロ−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチル−アミン:淡黄色固体:
【0290】
【数77】

実施例60
【0291】
【化78】

(2−クロロ−7−メチル−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチル−アミン
a)7−メチル−キナゾリン−2,4−ジオン:白色固体:
【0292】
【数78】

b)(2−クロロ−7−メチル−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチル−アミン:淡黄色固体
【0293】
【数79】

実施例61
カスパーゼカスケード活性化剤および固形腫瘍細胞におけるアポトーシスの誘発剤としての(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチル−アミンならびに類縁体の同定
ヒト乳癌細胞系T−47DおよびDLD−1を、American Type Culture Collectionにより指定された培地成分混合物+10%FCS(Invitrogen社)により、5%CO−95%湿度のインキュベーター中37℃で増殖させた。T−47DおよびDLD−1細胞は、0.1から0.6×10細胞/mLの細胞密度において50%と80%との間の集密度の細胞密度に保持された。細胞を、600xgで収穫し、0.65×10細胞/mLで適切な培地+10%FCS中に再懸濁した。0.16μMから100μMの(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチル−アミンまたは他の試験化合物(最終的に0.016μMから10μM)を含有するRPMI−1640培地溶液中、2.5μLの10%DMSOを含有する384ウェルのマイクロタイタープレートのウェルに、22.5μLの分割量の細胞を加えた。対照サンプルとして、試験化合物のないRPMI−1640培地溶液中、2.5μLの10%DMSOを含有する384ウェルのマイクロタイタープレートのウェルに、22.5μLの分割量の細胞を加えた。サンプルを攪拌により混合してから、5%CO−95%湿度のインキュベーター中37℃で48時間インキュベートした。インキュベーション後、インキュベーターからサンプルを取り出し、14μMのN−(Ac−DEVD−N’−エトキシカルボニル−R110蛍光原基質(Cytovia社;国際公開第99/18856号)、20%ショ糖(Sigma)、20mMのDTT(Sigma)、200mMのNaCl(Sigma)、40mMのNa PIPES緩衝液pH7.2(Sigma)、および500μg/mLのリソレシチン(Calbiochem)を含有する25μLの溶液を加えた。サンプルを攪拌により混合し、室温でインキュベートした。蛍光プレート読取装置(Model SPRCTRAfluor Plus,Tecan)を用いて、485nmでの励起および530nmでの発光を使用して基質溶液の添加凡そ1〜2分後に、最初の読取り(T=0)を行い、対照サンプルのバックグラウンド蛍光を測定した。3時間のインキュベーション後、サンプルの蛍光を上記のとおり読み取った(T=3h)。
【0294】
算出:
相対蛍光単位値(RFU)を使用して以下のとおりサンプル読取り算出した:
RFU(T=3h)−対照RFU(T=0)=正味RFU(T=3h)
カスパーゼカスケード活性化の活性は、(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチル−アミンまたは他の試験化合物に関する正味RFU値対対照サンプルの正味RFU値の比率により決定した。EC50(nM)は、S字状用量応答演算(Prism 3.0、GraphPad Software社)により決定した。
【0295】
カスパーゼ活性(比率)および効力(EC50)は、表Iに要約されている:
【0296】
【表1】

【0297】
【表2】

実施例62
(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチル−アミンおよび類縁体の脳/血漿AUC比率の決定
各試験化合物に関して、45匹のマウスに、5%のクレモフォア(Cremophor)、5%エタノール、および90%D5Wの製剤、またはその製剤の変型に溶解させた0.875mg/mL溶液の試験化合物の0.10mL溶液を尾静脈を介して注入した。投与後、凡そ0.05時間、0.25時間、0.50時間、1.00時間、2.00時間、4.00時間、8.00時間、12.0時間および24.0時間の各採取時点で5匹のマウスを、ハロタン吸入により安楽死させた。各動物から心臓穿刺を経て凡そ0.30mLから1.00mLの血液を、EDTAを含有するチューブ内に採取した。安楽死直後、各動物から全脳を摘出した。血漿および全脳サンプルは、分析するまで個別に凍結(−20℃)した。血漿および脳サンプルは、サンプルの分析日に室温で解凍させた。均質化前に、脳を計量し、3倍量の滅菌水を加えた。血漿および均質化脳サンプルは、タンパク質沈殿法およびろ過法を用いて抽出した。手短に言うと、0.20mLのアセトニトリルを、Varian Captiva20μmろ過プレートの0.10mLのサンプルに加えた。該プレートを減圧にかけて、ろ液を採取した。逆相液体クロマトグラフィ注入口を備えたLC−MS/MS ABI2000 QTrap LC−MS/MSに、ろ液を注入した。試験化合物のm/z生成物イオンのピーク面積を、m/z内部標準生成物イオンのピークに対して測定した。本アッセイの定量化の範囲は、両分析に関して1.00ng/mLと1000ng/mLとの間であった。
【0298】
試験化合物に関する薬物動態パラメータ(PK)は、WinNonlin(Pharsight社、マウンテンビュー、カリフォルニア州)における非区画解析を用いて血漿濃度および脳濃度の中央値で推定した。このソフトウェアプログラムの妥当性検証は、MPI−REP−PA−03.00に報告されている。1.00ng/mLの定量限界以下(BQL)の全ての値を、PK解析から除外した。濃度−時間曲線下面積(AUC0〜∞)は、線形/対数台形法を用いて算出した。試験実施例化合物の脳/血漿AUC比は、表IIに要約している:
【0299】
【表3】

実施例63
【0300】
【表4】

式Iから選択された化合物(「活性化合物」)の注射用製剤は、以下の方法に従って調製できる。5mgの活性化合物を、d−α−トコフェリルポリエチレングリコール1000スクシネート(TPGS)、PEG−400、エタノールおよびベンジルアルコールの混合物に溶解する。D5Wを添加して、全量を50mLとし、該溶液を混合する。生じた溶液を、0.2μmの使い捨てフィルターユニットを通してろ過し、25℃で保存する。混合物中の活性化合物の比率を変えるか、または溶液の全量を変えることによって種々の力価および容量の溶液を調製する。
【0301】
実施例64
【0302】
【表5】

式Iから選択された化合物(「活性化合物」)の錠剤用製剤は、以下の方法に従って調製できる。100mgの活性化合物を、100mgのラクトースと混合する。乾燥用に適量の水を加え、混合物を乾燥する。次に混合物を、50mgのトウモロコシ澱粉、10mgの水素化植物油、および10mgのポリビニルピロリジノンと混合する。生じた顆粒を、錠剤に圧縮する。混合物中の活性化合物の比率を変えるか、または錠剤の全量を変えることによって種々の力価の錠剤を調製する。
【0303】
実施例65
【0304】
【表6】

式Iから選択された100mgの化合物(「活性化合物」)を含有するカプセル用製剤は、以下の方法に従って調製できる。100mgの活性化合物を、200.0mgの微結晶性セルロースおよび100.0mgのトウモロコシ澱粉と混合する。次に400.0mgのステアリン酸マグネシウムを、該混合物に混合し、生じた混合物を、ゼラチンカプセル内にカプセル化する。製薬的に許容できる担体に対して活性化合物の比率を変えるか、またはカプセルのサイズを変えることによって種々の力価の用量を調製できる。
【0305】
ここに本発明を十分に説明したが、本発明の範囲またはそれらのいずれの実施形態にも影響を及ぼすことなく、条件、製剤および他のパラメータの広範で等価な範囲内で本発明を実施できることは、当業者により理解されるであろう。本明細書に引用された全ての特許、特許出願および刊行物は、参照としてその全体が本明細書に完全に組み込まれている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アポトーシスの誘導、カスパーゼ類の活性化、チューブリンの阻害、またはトポイソメラーゼの阻害に応答する脳または中枢神経系の疾患の治療を必要とする哺乳動物を治療するのに有用な薬剤の製造のための化合物の使用であって、該治療は、
式I:
【化1】

に従った化合物、または製薬的に許容できるその塩または溶媒和物の有効量を哺乳動物に投与することを含んでなり、式中:
は、C1〜3アルキルであり;
は、ハロ、R14、OR14、SR14、NR1514、またはNR14(C=O)C1〜6アルキルであり、式中R15は、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C1〜6ハロアルキル、C3〜8炭素環、C3〜8ヘテロ環、C6〜10アリール、またはアリールアルキルであり、R14は、H、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C1〜6ハロアルキル、C3〜8炭素環、C3〜8ヘテロ環、C6〜10アリール、またはアリールアルキルであり;
、R、R〜R、R10〜R13は、独立してハロ、R16、NR1617、OR16、またはSR16であり、式中R16およびR17は、R16およびR17が双方ともHではないという条件で独立してH、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、またはC1〜6ハロアルキルであり;
は、HまたはC1〜3アルキルであり;
は、H、ハロ、R18、OR18、SR18、NR1819であるか、または場合によってはRと、RおよびR10の1つとが、一緒になってへテロ環を形成し、式中R18およびR19は、R18およびR19が双方ともHではないという条件で独立してH、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、またはC1〜6ハロアルキルであり;
B、D、W、X、YおよびZは、BおよびDの少なくとも1つがNであって、W、X、YおよびZのうちの1つ以下がNであるという条件で、独立してCまたはNであり、B、D、W、X、YまたはZがNである場合、Nにおける置換基がない、化合物の使用。
【請求項2】
BがCであり、DがNである請求項1に記載の使用。
【請求項3】
XまたはYが、Nである請求項1または2に記載の使用。
【請求項4】
WまたはZが、Nである請求項1から3のいずれか一項に記載の使用。
【請求項5】
が、C1〜3アルキル、ハロ、C1〜3ハロアルキル、−OC1〜3アルキル、−SC1〜3アルキル、C3〜8ヘテロ環、NR2a1〜3アルキル、NR2a(C=O)C1〜3アルキル、またはNR2a(アリールアルキル)であり、式中R2aは、HまたはC1〜3アルキルである請求項1から4のいずれか一項に記載の使用。
【請求項6】
が、CHである請求項1から5のいずれか一項に記載の使用。
【請求項7】
が、Hである請求項1から6のいずれか一項に記載の使用。
【請求項8】
、R、R〜R、R10、R11、ならびにR12および存在すればR13が、独立してH,C1〜3アルキル、ハロ、NH(C1〜3アルキル)、N(C1〜3アルキル)、または−OC1〜3アルキルである請求項1から7のいずれか一項に記載の使用。
【請求項9】
が、H、OH、C1〜3アルキル、ハロ、C1〜3ハロアルキル、−OC1〜3アルキル、−SC1〜3アルキル、−OC1〜3ハロアルキル、NR9a9bであり、式中、R9aおよびR9bが、R9aおよびR9bが双方ともHでないという条件で独立してH、またはC1〜3アルキルであるか、または場合によってはRと、RおよびR10の1つとが一緒になってC3〜8へテロ環を形成する請求項1から8のいずれか一項に記載の使用。
【請求項10】
が、CHCH、またはCHであり;
が、CHCH、CH、Cl、CHF、OCH、SCH、モルホリノ、NHCH、NCH(C=O)CH、またはNHCHであり;
、R、R、R12、およびR13が、独立してH、CH、Cl、NHCH、N(CH、またはOCHであり;
が、Hであり;
、R、R10およびR11が、独立してH、F、またはOCHであり;
が、H、OH、Cl、CH、CHCH、OCH、OCHCH、OCHCHCH、SCH、OCF、OCHF、OCH(CH、N(CH、NHCHであるか;または場合によっては、Rと、RおよびR10の1つとが一緒になって1,3−ジオキソランを形成する請求項1から4のいずれか一項に記載の使用。
【請求項11】
前記化合物が、式II:
【化2】

に従った構造、または製薬的に許容できるその塩または溶媒和物を有し、式中:
が、C1〜3アルキルであり;
が、ハロ、R14、OR14、SR14、NR1514、またはNR14(C=O)C1〜6アルキルであり、式中R15は、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C1〜6ハロアルキル、C3〜8炭素環、C3〜8ヘテロ環、C6〜10アリール、またはアリールアルキルであり、R14は、H、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C1〜6ハロアルキル、C3〜8炭素環、C3〜8ヘテロ環、C6〜10アリール、またはアリールアルキルであり;
、R、R〜R、R10およびR11が、独立してハロ、R16、NR1617、OR16、またはSR16であり、式中R16およびR17は、R16およびR17が双方ともHではないという条件で、独立してH、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、またはC1〜6ハロアルキルであり;
が、HまたはC1〜3アルキルであり;
が、H、ハロ、R18、OR18、SR18、NR1819であるか、または場合によってはRと、RおよびR10の1つとが一緒になってへテロ環を形成し、式中R18およびR19は、R18およびR19が双方ともHではないという条件で独立してH、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、またはC1〜6ハロアルキルであり;
W、X、YおよびZの1つ以下がNであるという条件で、W、X、YおよびZが独立してCまたはNであり、W、X、YまたはZがNである場合、Nにおける置換基がない、請求項1に記載の使用。
【請求項12】
XまたはYが、Nである請求項11に記載の使用。
【請求項13】
WまたはZが、Nである請求項11または12に記載の使用。
【請求項14】
が、C1〜3アルキル、ハロ、C1〜3ハロアルキル、−OC1〜3アルキル、−SC1〜3アルキル、C3〜8へテロ環、NR2a1〜3アルキル、NR2a(C=O)C1〜3アルキル、またはNR2a(アリールアルキル)であり、式中、R2aは、HまたはC1〜3アルキルである請求項11から13のいずれか一項に記載の使用。
【請求項15】
が、CHである請求項11から14のいずれか一項に記載の使用。
【請求項16】
が、Hである請求項11から15のいずれか一項に記載の使用。
【請求項17】
、R、R〜R、R10およびR11が、独立してH、C1〜3アルキル、ハロ、NH(C1〜3アルキル)、N(C1〜3アルキル)、または−OC1〜3アルキルである請求項11から16のいずれか一項に記載の使用。
【請求項18】
が、H、OH、C1〜3アルキル、ハロ、C1〜3ハロアルキル、−OC1〜3アルキル、−SC1〜3アルキル、−OC1〜3ハロアルキル、NR9a9bであり、式中R9aおよびR9bは、R9aおよびR9bが双方ともHではないという条件で独立してHまたは、C1〜3アルキルであるか、または場合によってはRと、RおよびR10の1つとが一緒になってC3〜8へテロ環を形成する請求項11から17のいずれか一項に記載の使用。
【請求項19】
が、CHCH、またはCHであり;
が、CHCH、CH、Cl、CHF、OCH、SCH、モルホリノ、NHCH、NCH(C=O)CH、またはNHCHであり;
、R、およびRが、独立してH、CH、Cl、NHCH、N(CH、またはOCHであり;
が、Hであり;
、R、R10およびR11が、独立してH、F、またはOCHであり;
が、H、OH、Cl、CH、CHCH、OCH、OCHCH、OCHCHCH、SCH、OCF、OCHF、OCH(CH、N(CH、NHCHであるか;または場合によってはRと、RおよびR10の1つとが一緒になって1,3−ジオキソランを形成する請求項11から13のいずれか一項に記載の使用。
【請求項20】
前記化合物が、式III:
【化3】

に従った構造、または製薬的に許容できるその塩または溶媒和物を有し、式中:
が、C1〜3アルキルであり;
が、ハロ、R15、OR14、SR14、NR1514、またはNR14(C=O)C1〜6アルキルであり、式中R15は、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C1〜6ハロアルキル、C3〜8炭素環、C3〜8ヘテロ環、C6〜10アリール、またはアリールアルキルであり、R14は、H、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C1〜6ハロアルキル、C3〜8炭素環、C3〜8ヘテロ環、C6〜10アリール、またはアリールアルキルであり;
、R、R〜R、R10およびR11が、独立してハロ、R16、NR1617、OR16、またはSR16であり、式中R16およびR17は、R16およびR17が双方ともHではないという条件で独立してH、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、またはC1〜6ハロアルキルであり;
が、HまたはC1〜3アルキルであり;
が、H、ハロ、R18、OR18、SR18、NR1819であるか、または場合によってはRと、RおよびR10の1つとが一緒になってへテロ環を形成し、式中R18およびR19は、R18およびR19が双方ともHではないという条件で独立してH、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、またはC1〜6ハロアルキルである請求項1に記載の使用。
【請求項21】
が、C1〜3アルキル、ハロ、C1〜3ハロアルキル、−OC1〜3アルキル、−SC1〜3アルキル、C3〜8へテロ環、NR2a1〜3アルキル、NR2a(C=O)C1〜3アルキル、またはNR2a(アリールアルキル)であり、式中、R2aは、HまたはC1〜3アルキルである請求項20に記載の使用。
【請求項22】
が、CHである請求項20または21に記載の使用。
【請求項23】
が、Hである請求項20から22のいずれか一項に記載の使用。
【請求項24】
、R、R〜R、R10およびR11が、独立してH、C1〜3アルキル、ハロ、NH(C1〜3アルキル)、N(C1〜3アルキル)、または−OC1〜3アルキルである請求項20から23のいずれか一項に記載の使用。
【請求項25】
が、H、OH、C1〜3アルキル、ハロ、C1〜3ハロアルキル、−OC1〜3アルキル、−SC1〜3アルキル、−OC1〜3ハロアルキル、NR9a9bであり、式中R9aおよびR9bは、またはR9aおよびR9bが双方ともHではないという条件で独立してH、C1〜3アルキルであるか、または場合によってはRと、RおよびR10の1つとが一緒になってC3〜8へテロ環を形成する請求項20から24のいずれか一項に記載の使用。
【請求項26】
が、CHCHまたはCHであり;
が、CHCH、CH、Cl、CHF、OCH、SCH、モルホリノ、NHCH、NCH(C=O)CH、またはNHCHであり;
、R、およびRが、独立してH、CH、Cl、NHCH、N(CH、またはOCHであり;
が、Hであり;
、R、R10およびR11が、独立してH、F、またはOCHであり;
が、H、OH、Cl、CH、CHCH、OCH、OCHCH、OCHCHCH、SCH、OCF、OCHF、OCH(CH、N(CH、NHCHであるか;または場合によってはRと、RおよびR10の1つとが一緒になって1,3−ジオキソランを形成する請求項20に記載の使用。
【請求項27】
が、CHであり;
が、CH、Cl、OCH、NHCH、またはNCH(C=O)CHであり;
〜R、R、R、R10およびR11が、Hであり;
が、OCH、N(CH、またはNHCHである請求項20に記載の使用。
【請求項28】
がHである場合、RおよびR10は、双方ともHではないか、または1つがHで他がハロである請求項1から26のいずれか一項に記載の使用。
【請求項29】
がHである場合、RおよびR10は、双方ともHではないか、または1つがHで他がハロまたはアルキルまたはハロアルキルである請求項1から26のいずれか一項に記載の使用。
【請求項30】
が、C1〜6アルキル、ハロ、またはC1〜6ハロアルキルである場合、RはHではない請求項1から26のいずれか一項に記載の使用。
【請求項31】
がHである場合、RおよびR10は、双方ともHではないかまたは1つがHで他がハロであり、RはHではない請求項1から26のいずれか一項に記載の使用。
【請求項32】
前記化合物が:
(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチル−アミン;
(2−メトキシ−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシフェニル)−メチルアミン;
(4−メトキシ−フェニル)−メチル−(キノリン−4−イル)−アミン;
(4−メトキシ−フェニル)−メチル−(2−メチル−キナゾリン−4−イル)−アミン塩酸塩;
(2−メチル−キナゾリン−4−イル)−(6−メトキシ−ピリジン−3−イル)−メチル−アミン;
(4−ジメチルアミノ−フェニル)−(2−メチル−キナゾリン−4−イル)−メチル−アミン;
(2−メチルアミノ−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチル−アミン;
(2−メチルアミノ−キナゾリン−4−イル)−(6−メトキシ−ピリジン−3−イル)−メチル−アミン;
(2−メチル−キナゾリン−4−イル)−(4−メチルアミノ−フェニル)−メチルアミン;
(4−メトキシ−フェニル)−(2−N−メチルアセトアミド−キナゾリン−4−イル)−メチルアミン;
および製薬的に許容できるその塩または溶媒和物から選択される請求項1に記載の使用。
【請求項33】
前記化合物が:
(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチル−アミン;
(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(4−メチル−フェニル)−メチル−アミン;
(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(4−クロロ−フェニル)−メチル−アミン;
(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−メチル−アミン;
(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(6−メトキシ−ピリジン−3−イル)−メチル−アミン;
(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−エチル−(4−メトキシ−フェニル)−アミン;
(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(2,4−ジメトキシ−フェニル)−メチル−アミン;
(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(3−メトキシ−フェニル)−メチル−アミン;
(2−クロロ−6−メチル−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチル−アミン;
(2−クロロ−5−メチル−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチル−アミン;
(2−クロロ−8−メチル−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチル−アミン;
(2,6−ジクロロ−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチル−アミン;
(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−メチル−アミン;
(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−メチル−アミン;
(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(4−プロポキシ−フェニル)−メチル−アミン;
(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(2,3−ジメトキシ−フェニル)−メチル−アミン;
(2,8−ジクロロ−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチル−アミン;
(2,5−ジクロロ−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチル−アミン;
(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(4−エトキシ−フェニル)−メチルアミン;
(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(4−ジメチルアミノフェニル)−メチルアミン;
(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(4−ニトロ−フェニル)−メチル−アミン;
(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−フェニル−メチル−アミン;
(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(2,5−ジメトキシ−フェニル)−メチル−アミン;
(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(2−メトキシ−フェニル)−メチル−アミン;
(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(4−ヒドロキシフェニル)−メチルアミン;
(2,7−ジクロロ−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチル−アミン;
(2−クロロ−7−メチル−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチル−アミン;
および製薬的に許容できるその塩または溶媒和物から選択される請求項1に記載の使用。
【請求項34】
前記化合物が:
(2−フルオロメチル−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチル−アミン;
(4−メトキシ−フェニル)−メチル−(2−メチル−キナゾリン−4−イル)−アミン塩酸塩;
(2−クロロメチル−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチル−アミン;
(2−エチル−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチル−アミン;
(4−ジフルオロメトキシ−フェニル)−(2−メチル−キナゾリン−4−イル)−メチル−アミン;
(3−フルオロ−4−メトキシ−フェニル)−(2−メチル−キナゾリン−4−イル)−メチル−アミン;
(4−イソプロポキシ−フェニル)−(2−メチル−キナゾリン−4−イル)−メチル−アミン;
(4−エチル−フェニル)−(2−メチル−キナゾリン−4−イル)−メチル−アミン;
(5−メトキシ−2−メチル−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチル−アミン;
(2−メチル−キナゾリン−4−イル)−(6−メトキシ−ピリジン−3−イル)−メチル−アミン;
(2−フルオロ−4−メトキシ−フェニル)−(2−メチル−キナゾリン−4−イル)−メチル−アミン;
(4−ジメチルアミノ−フェニル)−(2−メチル−キナゾリン−4−イル)−メチル−アミン;
(4−エトキシ−フェニル)−(2−メチル−キナゾリン−4−イル)−メチル−アミン;
(5−メトキシ−ピリジン−2−イル)−(2−メチル−キナゾリン−4−イル)−メチル−アミン;
(2−メチル−キナゾリン−4−イル)−(4−メチルアミノ−フェニル)−メチルアミン;
(2−メチル−6−ニトロキナゾリン−4−イル)−(4−ジメチルアミノフェニル)−メチルアミン;
(4−メチルチオ−フェニル)−(2−メチル−キナゾリン−4−イル)−メチルアミン;
(2−ジメチルアミノ−ピリジン−5−イル)−(2−メチル−キナゾリン−4−イル)−メチルアミン;
(6−ジメチルアミノ−2−メチル−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチルアミン;
(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−(2−メチル−キナゾリン−4−イル)−メチルアミン;
および製薬的に許容できるその塩または溶媒和物から選択される請求項1に記載の使用。
【請求項35】
前記化合物が:
−ヒドロキシ−N−(4−メトキシ−フェニル)−N−メチル−キナゾリン−2,4−ジアミン;
(4−メトキシ−フェニル)−メチル−(2−モルホリン−4−イル−キナゾリン−4−イル)−アミン;
(2−メトキシ−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシフェニル)−メチルアミン;
(4−メトキシ−フェニル)−メチル−(キノリン−4−イル)−アミン;
(2−メチルチオ−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチル−アミン;
(2−ジメチルアミノ−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチル−アミン;
(2−メチルアミノ−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチル−アミン;
(2−メチルアミノ−キナゾリン−4−イル)−(6−メトキシ−ピリジン−3−イル)−メチル−アミン;
(2−ベンジルアミノ−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシフェニル)−メチルアミン;
(2−ジメチルアミノ−6−ニトロキナゾリン−4−イル)−(4−メトキシフェニル)−メチルアミン;
(2−メチルアミノ−キナゾリン−4−イル)−(4−ジメチルアミノフェニル)−メチルアミン;
[2−(N−メチル−アセトアミド)−キナゾリン−4−イル]−(4−ジメチルアミノフェニル)−メチルアミン;
(4−メトキシ−フェニル)−(2−N−メチルアセトアミド−キナゾリン−4−イル)−メチルアミン;
および製薬的に許容できるその塩または溶媒和物から選択される請求項1に記載の使用。
【請求項36】
前記疾患が、脳または中枢神経系の腫瘍である請求項1から35のいずれか一項に記載の使用。
【請求項37】
前記疾患が、脳癌である請求項36に記載の使用。
【請求項38】
前記疾患が、転移性脳癌である請求項36に記載の使用。
【請求項39】
前記疾患が、原発性脳癌である請求項36に記載の使用。
【請求項40】
前記疾患が、未分化星状細胞腫、グリア芽細胞腫、髄膜腫、または他の間葉腫瘍である請求項36に記載の使用。
【請求項41】
脳/血漿AUC比が、約5を超える、請求項1から40のいずれか一項に記載の使用。
【請求項42】
脳/血漿AUC比が、約10を超える、請求項1から40のいずれか一項に記載の使用。
【請求項43】
脳/血漿AUC比が、約15を超える、請求項1から40のいずれか一項に記載の使用。
【請求項44】
前記化合物が、約100平方オングストローム未満と算出された極性表面積を有する請求項1から43のいずれか一項に記載の使用。
【請求項45】
前記化合物が、約80平方オングストローム未満と算出された極性表面積を有する請求項1から43のいずれか一項に記載の使用。

【公表番号】特表2008−526776(P2008−526776A)
【公表日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−549710(P2007−549710)
【出願日】平成18年1月3日(2006.1.3)
【国際出願番号】PCT/US2006/000122
【国際公開番号】WO2006/074187
【国際公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【出願人】(304057634)ミリアド ジェネティクス, インコーポレイテッド (13)
【出願人】(500162060)サイトビア インコーポレイテッド (3)
【Fターム(参考)】