説明

自動分析器

【課題】分析中に試薬の自動交換を可能にすること。
【解決手段】分析器は、試薬を収納し所望位置まで輸送する試薬駆動ディスク301と、試薬を含む試薬コンテナを一時的にスタンバイさせる試薬スタンバイ位置および磁気粒子を攪拌する磁気粒子攪拌位置を有する固定ディスクと、を含む。試薬スタンバイ位置の一部は装填システム304を構成する。分析要求に従い、試薬コンテナ移動ユニット305は、試薬コンテナを試薬駆動ユニットと固定ディスクとの間で移動させる。試薬コンテナを内部に取り付けできるようにした装填システムを固定ディスクの一部に設けて、試薬固定ディスクの作動状態に係わらず、試薬コンテナのいずれかを変更できるようにすると共に、システムが低温貯蔵機能を有することが可能となっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般的には血液および尿のような生物学的サンプルに関する定性的/定量的分析を行う自動分析器に関する。より詳細には、第1の態様によれば、本発明は分析に使用すべき試薬をそれぞれ含んでいる試薬コンテナを保持する試薬コンテナ保持ユニットと、この試薬コンテナ保持ユニットに試薬を供給する試薬コンテナ供給ユニットとを含む自動分析器に関する。
【背景技術】
【0002】
血液およびその他の生物学的サンプルを自動的に分析し、その結果を出力する自動分析器は、多くの患者を有する病院およびクリニックのためにサンプルを検査/試験する下請けの検査センターおよびその他の医療研究施設で効率的な分析を行うのに必ず必要な装置の1つとなっている。これら自動分析器は、よりコンパクトで、多くの種類の分析を実行でき、スループット(処理能力)がより大きいことが望ましい。
【0003】
装置内にセットされる試薬が分析中に不足した場合、必要なステップを実行する前に分析を停止すると、分析効率が低下する。従って、自動分析器は、試薬の不足が起こりそうな場合、不足に関する警告をオペレータに発し、それによって分析中に試薬を同じ種類の新しい試薬に交換するためにオペレータが装置を停止しなければならないような状況を防止できるように設計されている。
【0004】
日本国特許第4033060号は、分析中に試薬の不足が生じないようにするための、より高度な技術について述べている。この日本国特許第4033060号の技術では、第1試薬コンテナ保管手段と、第2試薬コンテナ保管手段が予め設けられており、第1試薬コンテナ保管手段内に貯蔵されている試薬が不足した場合、第2試薬コンテナ保管手段から、交換試薬が試薬コンテナに供給されるようになっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
日本国特許第4033060号による技術によれば、第2試薬コンテナ保管手段内には複数の試薬コンテナを保管できるが、第2試薬コンテナ保管手段から第1試薬コンテナ保管手段には一度に1つの試薬コンテナしか供給できない。更に、長時間第2試薬コンテナ保管手段内に複数の試薬コンテナを保持するには低温貯蔵手段を設けなければならず、このような低温貯蔵手段を設ける結果、装置の構造は過度に大きくなり得る。
【0006】
本発明の第1の態様によれば、本発明の目的は、分析中の試薬の自動交換を可能にし、特許第4033060号に記載されているようなかかる試薬低温貯蔵手段を不要にする自動分析器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第2の態様によれば、本発明は、
分析器によって実行すべき分析で使用される試薬を有する装置を含む分析器であって、
前記試薬を提供するための前記装置は、
回転軸を有し、少なくとも1つの弧状の列に配置して複数の試薬コンテナアセンブリを上部に保管するようになっているターンテーブルと、
前記ターンテーブルに保管された試薬コンテナアセンブリを処理するための少なくとも1つの処理ゾーンと、
前記処理ゾーン内に位置する試薬コンテナアセンブリを処理するための処理手段とを備え、
前記ターンテーブルは、コンパートメントを備え、これらコンパートメントは、前記ターンテーブル上の所定の位置に前記試薬コンテナアセンブリを収納するように配置されており、コンパートメントの配置に対応する試薬コンテナアセンブリの少なくとも1つの弧状の列に前記配置を形成するようになっており、前記ターンテーブルは、前記処理ゾーン内の所定の位置に試薬コンテナアセンブリを配置させるために所定の位置にコンパートメントを選択的に移動させるよう、回転によって調節自在である分析器に関する。
【0008】
上記タイプの分析器は、例えば欧州特許出願第EP0703457B1号、同第EP1275966B1号、米国特許第7,547,414B2号および同第7,384,601B1号からの種々の実施形態で知られている。
【0009】
これら分析器は、サンプル内の特定の成分の存在、特にその濃度を決定するようサンプルを自動分析するのに使用される。かかる分析器は病院および臨床試験所で広く使用され、生物学的サンプル、例えば患者から収集した体液、例えば血液および尿を分析し、患者の病的性質を診断する。
【0010】
例えば欧州特許第EP1051621B1号には上記タイプの分析器によるかかる生物学的液体サンプルを分析するための方法が説明されている。
【0011】
上記タイプの分析器の作業の流れは、通常完全にサンプル指向である。すなわちそれぞれの液体サンプル内で逐次分析測定が実行され、かかる分析測定のために前記サンプルの分離された部分に対して追加されるように、異なる試薬の一組が使用される。従って、分析器の高いスループットを達成するには、試薬を提供するための装置のターンテーブル上に異なる試薬の1つのロットを設けなければならず、処理手段、例えばピペット手段または撹拌手段によるターンテーブル上の特定の試薬コンテナアセンブリへの迅速なアクセスが可能であることが必要である。一般に、かかる分析装置および特に試薬を提供するための装置は省スペースのために寸法が小さくする必要がある。
【0012】
本発明の第2の特徴によれば、本発明の目的は、従来技術の分析器と比較して、より効率的に作動できる、試薬を提供するための装置が設けられた上記タイプの分析器を提供することである。
【0013】
上記第1の目的を達成するために、本発明の第1の態様にかかわる自動分析器は次のように構成される。
【0014】
前記分析器は、上部に複数の試薬コンテナを取り付けるようになっており、前記試薬コンテナを所望する位置に輸送するように構成された試薬コンテナ輸送ユニットと、前記試薬コンテナ輸送ユニットに隣接し、かつ前記試薬コンテナを前記試薬コンテナ輸送ユニットに供給できる能力を有する試薬コンテナ取り付けユニットと、前記試薬コンテナを前記試薬コンテナ取り付けユニットから前記試薬コンテナ輸送ユニットに移動させる試薬移動ユニットとを備える。
【0015】
本発明のより好ましい態様の概略は次のとおりである。
【0016】
本発明の一つの態様に係わる自動分析器では、試薬を分注し、攪拌するための位置、試薬コンテナの蓋を開閉するための位置などへ移動させるための試薬駆動ディスクだけがディスクとして設けられている。しかしながら、本発明のより好ましい態様に係わる自動分析器では、かかる試薬駆動ディスクに隣接する位置にモーターのような駆動装置を有しない固定ディスクが追加されている。より好ましい態様に係わる自動分析器は、この固定ディスクに隣接する位置に磁気粒子攪拌ユニットも含む。このような固定ディスクと磁気粒子攪拌ユニットをレイアウトすることによって、固定ディスク上にある、一時的にアイドル状態の試薬コンテナをその上でスタンバイ状態にすることが可能となっている。従って、試薬駆動ディスクは、コンパクトな構造であり、更に磁気粒子攪拌ユニットを固定ディスクに隣接するように位置決めすることにより、固定ディスク上で磁気粒子の攪拌を実行することが可能となり、十分な攪拌時間を保証でき、泡立ちのような好ましくない事象を生じることなく、均一な攪拌が可能となっている。更に、固定ディスクだけでなく駆動ディスク上の試薬コンテナに試薬を分注することができ、よって固定ディスク上で試薬コンテナ内の試薬内の磁気粒子を攪拌すると共に、同時に固定ディスク上で他の試薬コンテナ内の試薬を分注できる。
【0017】
試薬駆動ディスクと固定ディスクとの間で試薬コンテナを移動させるようになっている試薬コンテナ移動ユニットが更に設けられており、よって特別な分析状況に従い、試薬駆動ディスクと固定ディスクとの間で試薬コンテナを移動できる。
【0018】
更に、試薬スタンバイディスクの一部の中に装填システムを設けているので、試薬輸送ディスクが作動中でも試薬コンテナの交換が可能となっている。従って、スループット(処理能力)を低減することなく、試薬を交換することができる。装填システムのための冷却機能が更に追加されており、かつ試薬ディスクの一部内に冷却機能が設けられているので、装置の他のセクション内のスペースを増すことなく、装填システムを設けることができる。この結果、試薬ディスクだけを小型化すればよく、それに対応して装置のサイズを縮小できる。
【0019】
本発明の好ましい効果を次のように述べることができる。
(1)装置内にスタンバイ状態にある試薬コンテナを含む多数の試薬コンテナをセットできること
(2)試薬コンテナの交換回数を減らすことができること
(3)試薬ディスクを小型化できること
(4)スループットを減少することなく試薬コンテナを交換できること
【0020】
本発明の第2の態様によれば、上記タイプの分析器は、
前記ターンテーブルが、
前記回転軸を中心とし、前記弧状の列のコンパートメントを支持する第1円形ターンテーブルパーティションと、
前記第1ターンテーブルパーティションに径方向に隣接するように配置され、内部に試薬コンテナアセンブリを収納するよう、第1コンパートメントを支持する第2ターンテーブルパーティションとを備え、
前記第1ターンテーブルパーティションが、前記回転軸を中心として前記第2ターンテーブルパーティションに対して回転自在であり、前記処理ゾーン内の整合したコンパートメントの間で試薬コンテナアセンブリが径方向にシフト可能である相互移送位置において、前記第2ターンテーブルパーティションの前記第1コンパートメントに径方向に整合するよう、前記ターンテーブルパーティションのコンパートメントを選択的に調節できるようになっていることを特徴とする。
【0021】
本発明に係わる分析器により、特定の評価プロトコルに従って分析測定を実行するのに必要な試薬を供給する際の特定の方針の遂行が可能となる。
【0022】
ピペット操作により、試薬コンテナアセンブリから特定の試薬を引き出す前にとるべき特定の準備対策および特定の試薬によっては、試薬コンテナアセンブリから異なる試薬を抽出するためのステップの時間が異なる可能性がある。かかる予備的準備ステップとしては、沈殿物になる傾向がある試薬を一様にするのに必要な混合または撹拌ステップがある。かかる試薬の一例としてビーズサスペンションがある。かかるビーズのサスペンションは、本発明に係わる分析器を用いて実行すべきほとんどの各分析測定プロセスで一般に使用される。これらビーズは、ビーズサスペンションを含む容器セクションの底部に堆積する傾向がある。かかる沈殿したサスペンションのビーズが本分析測定プロセスに必要な場合、試薬コンテナセクション内に浸漬される攪拌器等による撹拌により、サスペンションを一様にする必要がある。かかる撹拌または混合ステップは、比較的時間のかかるステップである。
【0023】
本発明によれば、時間のかかるこのような混合ステップは、この混合ステップ中に第2ターンテーブルパーティションの第1コンパートメント内に一時的に保管される試薬コンテナアセンブリ内に設けられる混合すべき特定の試薬を用いて行うことができる。その間、例えばピペットユニットにより試薬を抽出することにより、より速い時間スケールで処理するために、処理ゾーン内の他の試薬コンテナアセンブリを設けるよう第1ターンテーブルパーティションを操作できる。換言すれば、第1ターンテーブルパーティションにより、試薬コンテナアセンブリが供給される処理ゾーンの一部では、第2ターンテーブルパーティションに割り当てられる処理ゾーンの一部で実行される処理ステップとは独立して、またはこの処理と並列して処理ステップを実行することができる。
【0024】
第2ターンテーブルパーティション上に設けられる試薬コンテナアセンブリで実行される時間のかかる処理ステップの終了後に、その試薬コンテナアセンブリを第1ターンテーブルパーティションに移送できる。その後、それぞれのコンパートメントが相互移送位置で径方向に整合したときに、第1ターンテーブルパーティションから第2ターンテーブルパーティションまで別の試薬コンテナアセンブリを移送できる。
【0025】
ターンテーブルおよび処理手段の作動は、時間的に最適な状態でコントローラによって制御される。
【0026】
第1の円形ターンテーブルパーティションは、回転軸に対して第2円形ターンテーブルパーティションの径方向外側に配置することが好ましい。多数の試薬コンテナアセンブリを保管できるよう、比較的大きい容量の第1ターンテーブルパーティションで省スペース態様で、かかる配置を実現できる。
【0027】
本発明に係わる分析器内で使用する試薬コンテナアセンブリは、少なくとも2つのセクション、好ましくは3つのコンテナセクションを有するマルチセクションコンテナであることが好ましく、各セクションの各々は、特定の試薬を含む内部空間を有する。これらコンテナセクションは、一体的なカセットタイプのアセンブリを形成するように1行に並置され、接続されており、カセットタイプのアセンブリは、スティラー、ピペットユニットなどがコンテナセクションの内部空間にアクセスするための上部開口部を有する。通常は各開口部は、それぞれのキャップによって閉じられ、かつカバーされており、キャップは、逆転可能に閉カバー位置から開位置へ移動できる。通常、キャップはそれぞれのコンテナセクションの内部空間へ一時的にアクセスする段階の間の短い時間の間だけ開位置となる。その後、コンテナセクション内の試薬の蒸発および/または汚染を防止するようにキャップを閉位置まで戻さなければならない。
【0028】
本発明に係わる分析器は、試薬コンテナセクションのキャップを開位置および閉位置にそれぞれ選択的に変位させるためのキャップ操作機構を含むことが好ましい。このキャップ操作機構は分析器の処理手段の一部となっている。
【0029】
第1ターンテーブルパーティションと第2ターンテーブルパーティションとの間で試薬コンテナアセンブリを自動的にシフトできるようにするために、本発明に係わる分析器は、前記相互移送位置において前記ターンテーブルパーティションの径方向に整合したコンパートメントの間で試薬コンテナアセンブリをシフトするためのコンテナシフト機構を備えることが好ましく、このコンテナシフト機構は、前記相互移送位置においてコンパートメントの間で試薬コンテナアセンブリに係合し、シフトさせるための径方向に移動自在な係合手段を含む。
【0030】
本発明の好ましい実施形態によれば、前記第2ターンテーブルパーティションは、前記第1ターンテーブルパーティションの前記弧状の列のコンテナアセンブリに隣接する弧状の列に配置して試薬コンテナアセンブリを収納するための前記第1コンテナアセンブリを含む複数のコンパートメントを支持し、前記コンパートメントのうちの少なくとも2つのコンパートメント、好ましくは前記第2ターンテーブルパーティションのすべてのコンパートメントは、前記相互移送位置において前記第1ターンテーブルパーティションのそれぞれのコンパートメントに径方向に整合自在である。本発明の最後の実施形態に関し、相互移送位置で整合したコンパートメントの径方向の整合の回転角方向の位置に対応する選択された回転角方向の位置において、前記コンテナシフト機構は、回転軸を中心として移動自在であることが好ましい。このように、ターンテーブルパーティションの種々のコンパートメントの間で、試薬コンテナアセンブリを交換することが可能である。所定の評価プロトコルに従って実行すべき分析測定のための他の試薬よりも多い量で使用される試薬を含むバックアップ用試薬コンテナアセンブリを保管するのに、第2ターンテーブルパーティションのコンパートメントを使用できる。少なくとも一部が空となった試薬コンテナアセンブリと交換する際に、第2ターンテーブルパーティションから第1ターンテーブルパーティションへ、かかるバックアップ試薬コンテナアセンブリを移送できる。ターンテーブルパーティションの間でかかる試薬コンテナアセンブリを移送できるよう、試薬コンテナアセンブリを収納するための少なくとも1つのコンパートメントが空となっている必要がある。本発明に係わる分析器は、前記処理ゾーン内の前記所定位置に位置する前記試薬コンテナアセンブリのうちの少なくとも1つにアクセスするよう移動可能なピペット手段を処理手段として含むことが好ましい。ピペット手段は、第1ターンテーブルセクション内に位置し、前記処理ゾーン内に設けられた試薬コンテナアセンブリにアクセスするために、移動自在でなければならない。本発明の別の実施形態によれば、第2ターンテーブルパーティション上に位置し、前記処理ゾーン内に設けられた試薬コンテナアセンブリにアクセスするためにも、ピペット手段は、移動自在となっている。
【0031】
前記第1ターンテーブルパーティションの前記コンパートメントのうちの少なくとも1つ、および前記第2ターンテーブルパーティションのうちの前記コンパートメントのうちの少なくとも1つは、前記処理ゾーン内の前記所定の位置にて互いに位置するときに、内部に含まれる試薬コンテナアセンブリを直線状ラジアルライン上に配置するように整合し、前記試薬を提供するための装置は、前記処理ゾーン内の前記所定位置にて互いに位置する試薬コンテナアセンブリまで前記ピペット手段を選択的に移動させるための駆動およびガイド手段を含む。
【0032】
本発明の別の好ましい実施形態によれば、前記ピペット手段は、少なくとも2つのピペットユニットを備え、前記駆動およびガイド手段は、特定の処理プログラムに従って各ピペットユニットを選択的に移動させるようになっている。ターンテーブルの径方向に配向された直線状のガイドに沿って複数のピペットユニットを共通して移動するようにガイドできる。各ピペットユニットは、ピペット先端または吸引チューブを有し、共通する水平方向に移動可能なピペットユニットのピペット先端間の距離が試薬コンテナアセンブリの隣接する試薬コンテナセクションの開口部の中心間の距離に対応するので、処理ゾーン内に位置する試薬コンテナアセンブリの隣接する開口部内に双方のピペット先端を同時に入れることができる。ピペット先端を上下動させるために垂直駆動手段が設けられるが、この垂直駆動手段は、ピペット先端を互いに別々に駆動するように制御可能であることが好ましい。
【0033】
上記のように、処理手段は、第2ターンテーブルパーティションの第1コンパートメント内に収納された試薬コンテナアセンブリにアクセスするようになっているスティラーを含む撹拌手段を備えることが好ましい。
【0034】
ピペット手段が作動する処理ゾーンセクションの側方または外側の異なる回転角方向の位置で、コンテナシフト機構が作動するようになっている場合、コンテナ試薬機構、ピペット手段および撹拌手段は、別個の試薬コンテナアセンブリを、それぞれコンテナシフト機構、ピペット手段および撹拌手段により同時に処理するように、選択的に作動自在であることが好ましい。
【0035】
撹拌手段およびピペット手段は、これら撹拌手段およびピペット手段により、別個の試薬コンテナアセンブリまたは特別な場合には同じ試薬コンテナアセンブリを同時に処理するように同時に作動できる。
【0036】
本発明の要旨内では、第1ターンテーブルパーティションおよび第2ターンテーブルパーティションの双方は、試薬コンテナを所定位置に置くように回転軸を中心に回転自在となっている。しかしながら本発明の好ましい実施形態によれば、第2ターンテーブルパーティションは、回転軸に対して固定されており、他方、第1ターンテーブルパーティションは、第2ターンテーブルパーティションのまわりで回転自在となっている。
【0037】
本発明の更に別の好ましい実施形態によれば、前記ターンテーブル、前記回転軸を含む径方向内側に中心を有し、前記径方向内側中心の領域内には前記処理手段をクリーニングするためのクリーニングステーションおよびクリーニング液を排出するための排出チャンネルが配置されている。かかる構造は、ターンテーブルおよび少なくとも1つのクリーニング液ソースの中空シャフト、特に排出チャンネル内で排出すべきクリーニング液を提供するノズルによって実現できる。撹拌手段のスティラーは各混合作業後に通常クリーニングしなければならないので、前記撹拌手段は第2ターンテーブルパーティションのコンパートメント、特にその第1コンパートメント内に位置する試薬コンテナアセンブリ内の液を撹拌するための作動位置と前記クリーニングステーションの前記クリーニング手段によってクリーニングすべきクリーニング位置との間で移動できることが好ましい。
【0038】
以下、添付図面を参照し、本発明の好ましい実施形態について説明する。ここで、図1〜6は本発明の第1の態様に特に関連し、図7〜15は本発明の第2の態様に特に関連するものである。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】以下ターンテーブルと称す試薬ディスクを含む、本発明の自動分析器の装置全体の構成図である。
【図2】試薬ディスクの斜視図である。
【図3−1】特に蓋が除かれた状態にあるディスクを示す、試薬ディスクの斜視図である。
【図3−2】特に蓋が除かれた状態にあるディスクを示す、試薬ディスクの平面図である。
【図3−3】特に図3−2の状態にあるディスクを示す、試薬ディスクの図である。
【図4】装填システムの略図である。
【図5】試薬コンテナ移動ユニットの略図である。
【図5−1】試薬コンテナ移動ユニットの一部を示す略図である。
【図6】試薬コンテナ移動操作のフローチャートである。
【図7】本発明の第2の態様にかかわる分析器のターンテーブルの一実施形態の平面図である。
【図8】図7のターンテーブルを含む本発明にかかわる試薬を提供するための装置の平面図である。
【図9a】閉状態にある試薬コンテナアセンブリの斜視図である。
【図9b】開状態にある試薬コンテナアセンブリの斜視図である。
【図10】図8の装置の処理手段の側面図である。
【図11】図8の装置の処理ゾーンの斜視図である。
【図12】処理ゾーンの細部の斜視図である。
【図13】ターンテーブルおよびコンテナシフト機構の細部の斜視図である。
【図14】コンテナシフト機構の斜視図である。
【図15】コンパートメント分割壁の別の実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、添付図面を使用し、本発明の実施形態について詳細に説明する。図1は、試薬ディスク(ターンテーブルとも称す)を含む本発明の自動分析器の構成例の図である。
【0041】
自動分析器101内のサンプル輸送ライン114は、サンプル分注ユニット115に隣接するサンプル分注ピペットへサンプル104を輸送する。
【0042】
反応容器廃棄孔102、サンプル分注先端バッファ103、反応溶液撹拌ユニット105、サンプル分注先端/反応容器ステーション107および培養ディスク108の一部の上方にて、サンプル分注先端/反応容器輸送ユニット106がX軸、Y軸およびZ軸の方向に移動するようになっている。サンプル分注先端/反応容器輸送ユニット106は、反応容器をサンプル分注先端/反応容器ステーション107から培養ディスク108へ移動させる。サンプル分注先端/反応容器輸送ユニット106はまた、サンプル分注先端をサンプル分注先端バッファ103まで移動させる。サンプル分注ユニット115は、バッファ内にサンプル分注先端が置かれたサンプル分注先端バッファ103の上部領域まで移動し、サンプル分注先端のいずれか1つをピックアップする。サンプルの上部領域に移動し、吸引によりサンプルを取得した後に、サンプル分注ユニット115は更に培養ディスク108上の反応容器の上部領域へ移動し、サンプルを反応容器内に排出する。この後でサンプル分注ユニット115は、サンプル分注先端/反応容器廃棄孔の上部領域まで移動し、廃棄のためにサンプル分注先端を孔の内部に落下する。
【0043】
培養ディスク108は、複数の反応容器を係止する能力を有し、反応容器の各々を回転運動によりディスク108の円周上の所定位置まで移動させる。
【0044】
試薬ディスク111は、複数の試薬コンテナ110を保持するようになっており、回転運動によって各試薬コンテナ110をディスク111の円周部上の所定位置へ移動させる。試薬コンテナ110自体は磁気粒子溶液内に含まれる多数の試薬を含む。
【0045】
試薬ディスク111上の所定の種類の試薬の上部領域へ試薬分注ピペット109が移動し、次にこのピペットは、所定の量の試薬を吸引し、培養ディスク上の所定の反応容器の上部領域へ移動した後に、試薬を反応容器内に排出する。
【0046】
試薬ディスク111上には、撹拌手段としての磁気粒子攪拌アーム116(スティラーとも称される)がセットされている。このアーム116は、攪拌するべき磁気粒子領域を含む試薬が入っている試薬コンテナの上部領域へ移動し、アーム116の磁気粒子攪拌要素を下げ、この攪拌要素を回転させることによって磁気粒子溶液を攪拌する。溶液内の磁気粒子が自然沈殿しないようにするために、磁気粒子攪拌アーム116は、試薬が分注される直前に磁気粒子を攪拌する。攪拌後、磁気粒子攪拌アーム116は、クリーニング液が入ったクリーニングセルの上部領域へ移動し、次に降下し、磁気粒子攪拌要素を回転させ、この攪拌要素から、付着している磁気粒子を除く。
【0047】
サンプルと所定の試薬を分注してから所定の反応時間が経過した後に形成される反応溶液を、反応溶液吸引ノズル112が反応容器から吸引し、次に検出ユニット113へ反応溶液を供給する。この検出ユニット113は反応溶液を分析する。サンプル分注先端/反応容器輸送ユニット106は、分析された反応溶液をサンプル分注先端/反応容器廃棄孔の上部領域に移動させ、廃棄するためにサンプル分注先端を廃棄孔内に入れる。
【0048】
装置のこれら動作が図示していない制御手段としてのホストコンピュータによって制御される。
【0049】
この装置は上記動作を組み合わせ、繰り返し、複数の分析アイテムに関して複数のサンプルを効率的に分析する。
【0050】
図2は、本発明にかかわる試薬ディスク111の外側図である。試薬コンテナ110を一定の温度に制御するために、試薬ディスク111は断熱機能を有する蓋201とジャケット202とを含む。
【0051】
図3−1は、特に蓋201が除かれた状態のディスクを示す試薬ディスク111の外観図である。この試薬ディスク111は、試薬110を所望する位置へ輸送するための試薬駆動ディスク301(第1ターンテーブルパーティションとも称される)と、試薬駆動ディスク301を駆動する試薬駆動ディスク駆動ユニット302と、同じ種類の試薬コンテナ110を含む試薬コンテナを一時的に上部にスタンバイさせるようになっている固定ディスク303(第2ターンテーブルパーティションとも称される)と、分析中でもシステム内に試薬コンテナ110をマウントできるようにする装填システム304と、試薬駆動ディスク301から固定ディスク303または装填システム304へ試薬コンテナ110を移動させるための試薬コンテナ移動ユニット305(コンテナシフト機構とも称される)と、分析時間および分析アイテムのような試薬に関する情報を読み出すための試薬情報読み出しデバイス306と、試薬コンテナ110の間のスペースを区切るためのパーティションプレート307とを含む。
【0052】
図3−2は、図3−1に示された試薬ディスクの平面図である。固定されたディスク303は、試薬スタンバイ位置308と試薬攪拌位置309とを有する。更に、試薬駆動ディスク301の作動経路上には試薬分注位置310が存在する。試薬攪拌位置309は、試薬分注位置310に隣接し、試薬分注ピペットの作動経路上に存在する。この試薬ディスクの領域は処理ゾーンとも称される。
【0053】
図3−3は、図3−2に示された試薬ディスクの図である。試薬攪拌位置309において、磁気粒子攪拌アーム116が試薬コンテナの内部磁気粒子溶液を攪拌している間、試薬分注ピペット109は、同じ種類の試薬を他の反応容器内に分注できる。これによって、磁気粒子攪拌時間を充分長くすることを保証でき、分注と攪拌とを同時に実行することが可能となっている。従って、スループットを低減することなく、同じアイテムを分析できる。図3−3では、試薬分注位置310と試薬攪拌位置309とが直線状にラインアップされており、双方の位置は試薬分注ピペットの作動経路上の同じ位置に存在する。試薬分注ピペットの作動経路が円周上にあった場合でも、実質的に同じことが言える。
【0054】
以下、試薬攪拌中の試薬コンテナの移動のプロセスフローについて説明する。
【0055】
攪拌するべき試薬が入った試薬コンテナの位置は、ホストコンピュータによって検出される。この試薬コンテナが試薬駆動ディスク上にある場合、このディスクは作動サイクル時間内に試薬攪拌位置に隣接する位置に移動する。次に、試薬コンテナ移動ユニットは、試薬コンテナを固定されたディスク内の試薬攪拌位置まで移動させる。次に、磁気粒子攪拌アームによる攪拌は、次のとおりである。
【0056】
試薬コンテナが試薬スタンバイ位置にある場合、試薬駆動ディスクが空の状態にあるかどうかがチェックされる。試薬駆動ディスク上が空の状態となっている場合、試薬駆動ディスクは、試薬コンテナが存在する試薬スタンバイ位置に隣接する位置まで移動する。次に試薬コンテナ移動ユニットは、試薬コンテナを試薬駆動ディスクまで移動させ、次に上記のように更に試薬コンテナを試薬攪拌位置まで移動させる。逆に試薬駆動ディスクの上が空の状態になっていない場合、ホストコンピュータは、試薬駆動ディスクにセットされたすべての試薬コンテナをチェックし、試薬スタンバイ位置まで一時的に移動できる試薬コンテナをサーチする。例えば分析リクエストの頻度の昇順または測定リクエストの頻度の昇順でサーチするようなパラメータを使ってサーチを実行する。サーチを実行した後に試薬コンテナを試薬スタンバイ位置まで移動させ、次に試薬を攪拌するべき試薬コンテナを、まず試薬駆動ディスクまで移動させ、次に試薬攪拌位置まで移動させる。
【0057】
図4は、装填システム304の略図である。この装填システムは、試薬ディスクの内側円周部分に位置する固定ディスクの一部を形成し、このシステムは、上方および下方に作動する。例えば試薬ディスクの外側円周部分に固定ディスクが存在する場合、システムを垂直方向または横方向に引き出すことができるように、装填システムを構成してもよい。更に固定ディスクの一部は装填システムであり、システムは5つの試薬コンテナを交換できるようにする形状となっているので、2つ以上の試薬コンテナを交換できるようにしてもよいし、1つの試薬コンテナだけを交換できるようにしてもよい。装填システム205は、試薬コンテナ110を載せる試薬設置ユニット401と、試薬を上方/下方に作動させるようになっている試薬アクチュエータ402と、試薬が交換可能であるかどうかを各々が表示するインジケータ403と、装填システムをロックするための装填システムロッキングユニット404と、ロッキングユニットが装填システムをアンロックしたことを通知するインジケータランプ405とを含む。装填システムがアンロックされて試薬の交換が可能になっているかどうかを示す情報を供給するのに使用できる他の方法として、アンロック直後にシステムを上にスライドさせ、表面まで出るようにする機構を設ける方法が考えられる。更に、アクチュエータに設けられたグリップを使用して装填システムがマニュアルで操作できるように構成されていても、例えばアクチュエータ自体に駆動ユニットを追加することにより、システムを試薬交換位置まで自動的に移動させてもよい。
【0058】
以下、オペレータによる試薬追加シーケンスの一例について説明する。
【0059】
まず、連続した試薬装填動作の流れについて説明する。オペレータはホストコンピュータを通して試薬追加/交換リクエストを選択する。ホストコンピュータは、装置のそのときの作動ステータスを分析し、次に試薬交換が実行可能であると判断された場合に、ホストコンピュータはロッキングユニットを駆動させ、装填システムをアンロックし、インジケータランプを点灯させて試薬交換を実行できることを知らせる。オペレータはホストコンピュータおよびインジケータランプの双方からの情報に従い、試薬が交換可能であると判断する。試薬交換が実行可能であることを確認した後に、オペレータは装填システムを開にし、次に交換試薬コンテナを空の位置へ装填し、装填システムを閉じる。装填システムを閉じ、次いで交換試薬コンテナの実装を完了した後に、オペレータはセンサまたは同等物をチェックし、装填システムが正しく閉じられていることを確認する。
【0060】
次に、連続した試薬交換動作の流れについて説明する。オペレータは試薬追加シーケンスの場合のように、ホストコンピュータを通して試薬追加/交換リクエストを選択する。次にホストコンピュータは、そのときの装置のステータスを分析する。試薬交換を実行できると判断した後に、ホストコンピュータはロッキングユニットによって装填システムをアンロックし、交換を可能にする。装填システムは固定されたディスクとしても使用されるので、交換を実行するときにはすべての試薬コンテナがシステム内に既に実装された状態となっている場合がある。かかる場合、試薬コンテナが交換可能であるかどうかをインジケータが表示する。例えばインジケータは、赤色の光源および緑色の光源を有し、赤色の光源がオンとなっている場合、対応する試薬コンテナは交換コンテナとしては使用することはできず、緑色の光源がオンとなっている場合、試薬コンテナを交換コンテナとしては使用することはできない。
【0061】
これとは異なり、交換コンテナを交換コンテナとして使用できない場合、ロッキングユニットを正しく設けると、取り出しのために特定の試薬コンテナを引き出すことを防止できる。試薬コンテナを交換した後に、オペレータは正しく装填システムを閉じ、次に装填システムが正しく閉じられていることをホストコンピュータを通して確認する。この確認作業により、交換シーケンスが完了する。
【0062】
図5は、試薬コンテナ移動ユニット305(コンテナシフト機構とも称される)の略図である。この試薬コンテナ移動ユニット305は、試薬コンテナ110を移動させるアーム機構501と、アーム機構501を回転させる駆動部分502とを含む。図5−1は、アーム機構501の略図である。アーム機構501は、試薬コンテナ110を移動させるために使用されるアーム503と、アームを前後に移動させる横方向アーム駆動部分504と、アームを回転させる回転アーム駆動部分505とを含む。試薬コンテナ移動ユニット206は、装填システムと試薬駆動ディスクとの間だけでなく、試薬駆動ディスクと固定ディスクとの間でも試薬コンテナを移動させる。次に試薬駆動ディスクと固定ディスクとの間で移動する例を使用して、試薬コンテナ移動シーケンスについて説明する。まず試薬駆動ディスクは、所望する試薬コンテナを上部に保管すべき固定ディスクと同じラジアル方向の位置に所望する試薬コンテナを移動させる。移動後、アーム機構は、試薬コンテナを移動できる位置へ回転する。次に横方向アーム駆動および回転アーム駆動が作動し、アームが試薬コンテナをグリップできるようにし、次に横方向アーム駆動が作動し、試薬駆動ディスクから固定ディスクへ、グリップされた試薬コンテナをアームに移動させる。最後に、横方向アーム駆動および回転アーム駆動により、アームはグリップ位置からコンテナを解放する。これにより移動シーケンスが完了する。アームが試薬コンテナをグリップしているとき、モーターのようなアクチュエータが、アームを作動させ、例えば両側からコンテナを保持してもよい。更に、試薬コンテナ移動ユニットが試薬コンテナを移動させるとき、アクチュエータによってアームを駆動し、コンテナをグリップしたり、コンテナにアームを押し付けたりして、移動を行ってもよい。
【0063】
図6は、本発明の試薬ディスク上での分析試薬コンテナ運動の流れを示すフローチャートである。ステップ601にてオペレータから分析がリクエストされると、次にステップ602において、分析のために使用すべき試薬コンテナが試薬駆動ディスク上に存在するかどうかが確認される。分析のために使用すべき試薬コンテナが既に試薬駆動ディスク上にセットされている場合、ステップ603では、試薬コンテナ移動のためのプロセスは実行されず、ステップ609において即座に分析が実行される。分析のために使用すべき試薬コンテナが試薬駆動ディスク上にセットされていない場合、分析のために使用される試薬と同じ種類の試薬が入った任意の試薬コンテナを、固定ディスクから試薬駆動ディスクへ移動する。この移動に先立ち、ステップ604において、試薬駆動ディスク上が空の状態となっているかが確認される。空の状態が存在する場合、ステップ605において試薬コンテナ移動ユニットが同じ種類の試薬が入った任意の試薬コンテナを固定ディスクから試薬駆動ディスクへ移動させる。空の状態となっていない場合、ステップ606において固定ディスク上が空の状態となっているかが確認される。固定ディスク上が空の状態となっている場合、移動プロセスステップ607において、試薬固定位置に移動できる1つの試薬コンテナが、試薬駆動ディスクから試薬固定位置へ移動される。空の状態が存在しない場合、ステップ608において、試薬コンテナ移動ユニットは、同じ種類の試薬が入った任意の試薬コンテナを試薬駆動ディスクから装填システムへ移動させる。この移動の後に、ステップ605において、分析に必要な同じ種類の試薬コンテナを、試薬コンテナ移動ユニットにより固定ディスクから試薬駆動ディスクへ移動させ、次にステップ609において、分析の実行可能な状態をホストコンピュータに登録する。
【0064】
試薬ディスクの設置の流れを2つの主要なシーケンス、すなわち(1)試薬コンテナの装填の完了から分析の開始までのシーケンスと、(2)試薬の不足または試薬の期限切れに起因する試薬交換のためのシーケンスとに分割できる。
【0065】
(1)試薬コンテナ装填の完了から分析の開始までのシーケンス。以下、試薬コンテナ装填の完了から分析の開始までのシーケンスの一例について説明する。装填システムから必要な種類の試薬が入った試薬コンテナが装填された後に、オペレータによって装填システムが正しく閉じられたことが認識されると、ホストコンピュータはロッキングユニットを附勢し、システムをロックし、ディスク内またはディスク上に装備された試薬情報読み出しデバイスを使用して実装済み試薬コンテナから試薬情報を読み出す。試薬コンテナには識別手段が取り付けられている。この識別手段には測定アイテムおよびその他の情報が予め書き込まれている。この識別手段は、例えばバーコード、無線周波数識別(RFID)タグまたは同等物である。この試薬情報が正しく読み出され、登録されると、試薬コンテナは、試薬コンテナ移動ユニットにより試薬駆動ディスクまで移動される。ホストコンピュータは、移動された試薬コンテナが装填されている試薬駆動ディスク上の位置を認識し、その情報を登録する。この移動の後に、分析に必要なプロセス、例えば較正が続く。このプロセスの終了時に試薬コンテナは使用可能状態となり、ホストコンピュータはその試薬を分析に使用できる試薬として登録する。
【0066】
(2)試薬の不足または期限切れに起因する試薬交換のためのシーケンス。以下、このシーケンスの一例について説明する。ホストコンピュータが試薬コンテナ内の試薬の量を測定する。装填システム内に登録されている試薬情報には、試薬の使用期限日が含まれており、ホストコンピュータは、この日付から試薬がその科学的有効性を維持しているかどうかを判断する。試薬がすでに期限切れであるか、または量的に不十分である場合、ホストコンピュータは試薬を交換しなければならない旨を伝えるアラームをオペレータに発する。同時に、試薬コンテナ移動ユニットは、試薬コンテナを試薬駆動ディスクから装填システムに移動させる。これと同時にホストコンピュータは装填システム内に登録されている試薬コンテナ情報を確認する。そのときに、装填システムが複数の試薬コンテナを受け入れでき、少なくとも1つの空の装填位置がある場合、空の位置の1つに特定の試薬コンテナが移される。装填システムに空の位置がない場合、試薬コンテナが固定ディスクに移され空の装填位置が生じるまで固定ディスク上にスタンバイ状態に置かれる。このコンテナがスタンバイ状態となった後に装填システム内に空の状態が生じると、試薬駆動ディスクおよび試薬コンテナ移動ユニットは交換用試薬コンテナを装填位置まで移動させるように作動する。交換用試薬コンテナが移動された後に、ホストコンピュータは試薬コンテナが交換のための準備状態となった旨をオペレータに通知する。
【0067】
以下、図7〜15を参照し、本発明の別の実施形態について説明する。
【0068】
図7に示されているターンテーブルは、径方向外側のリング状第1パーティション3および径方向内側の円形またはリング状の第2パーティション5を備えた円形構造を有する。第1ターンテーブルパーティション3は、回転垂直中心軸7を中心として、第2ターンテーブルパーティション5に対して移動可能である。図7〜15に示された実施形態の第1ターンテーブルパーティション3および第2ターンテーブルパーティション5は、基本的には図1〜6の第1実施形態の試薬駆動ディスク301および固定ディスク303にそれぞれ対応する。
【0069】
本実施形態では、第1ターンテーブルパーティション3には複数のコンパートメント9、例えば48個のコンパートメントが装備されている。これらコンパートメント9は、分割壁56によって分離されており、各コンパートメント9は試薬コンテナアセンブリ11を取り付け位置に収納するようになっている。
【0070】
各試薬コンテナアセンブリ11は、図9aおよび9bに示されるように、3つのコンテナまたはコンテナセクション13a、13および13cから成る。これら13a、13b、13cは、プラスチック材料製であり、これらコンテナがインライン構造に3つのコンテナセクション13a、13b、13cを備えた試薬コンテナアセンブリ11を形成するように、溶接スポット15において相互接続され、互いに固定されている。各コンテナセクション13a、13b、13cは、ターンテーブル1を含む分析器により実行される特定の分析測定で使用すべき特定の試薬を含む。本実施形態では、図9aおよび9b内の外側コンテナセクション13aは、分析に特徴的な複合分子に対して分析測定でマイクロキャリアとして使用されるマイクロ粒子(ビーズ)のサスペンションを含む。
【0071】
その他のコンテナセクション13bおよび13cは、特定の評価プロトコルに従った分析ステップで使用される他の特定の試薬を含む。
【0072】
各コンテナセクションは、図9aに示されるようなキャップ19によって常時閉じられている上部開口部17を有する。各キャップ19は、そのコンテナセクション13a、13b、13cのハウジングに枢動自在に取り付けられており、よって図9aに示される閉位置と、図9bに示される開位置との間でヒンジ21を中心として枢動自在となっている。コンテナセクション13a、13b、13cは、閉位置にある前記キャップ19によって通常は閉じられており、内部に含まれる試薬が蒸発するのを防止している。
【0073】
コンテナセクション13a〜13cの内部空間へのアクセスが必要とされる場合、図9bに示されるように、これらコンテナセクション13a〜13cを開放しなければならない。自動キャップ操作機構(図示せず)がキャップ19をそれぞれの閉位置または開位置にて移動させることにより、コンテナセクション13a〜13cを選択的に開閉するようになっている。前記キャップ操作機構はそれぞれのコンパートメント9および25内の前記ターンテーブル1上に保管された試薬コンテナアセンブリ11を取り扱うための処理ゾーン23に設けられている。コンパートメント9は、第1ターンテーブルパーティション3上のコンパートメント9の弧状またはリング状の列を形成するように係止されている。第2ターンテーブルパーティションは、処理ゾーン23内に径方向に整合された第1コンパートメント25を有する。第2ターンテーブルパーティション5のコンパートメント25、27は、径方向外側の端部が開放されているが、第1ターンテーブルパーティション3のコンパートメント9は、径方向内側の端部が開放されている。第2ターンテーブルパーティション5は、回転軸7に対して固定されているので、第1コンパートメント25は処理ゾーン23に留まる。第1ターンテーブルパーティション3は、第2パーティション5を中心として回転自在であるので、第2ターンテーブルパーティション3の各コンパートメント9は、第1ターンテーブルパーティション3のコンパートメント9aに対する図7のスナップショットに示されるように、相互移送位置においてターンテーブルパーティション5の第1コンパートメント25に径方向に整合する処理ゾーン23に選択的に移動できる。前記相互移送位置では、第1コンパートメント25を占有するコンテナアセンブリ11は、第1ターンテーブルパーティションのコンパートメント9a内へと、径方向外側にシフトできる。その後、第1ターンテーブルパーティション3の回転により、前記試薬コンテナアセンブリ11を処理ゾーン23から除くことができる。次に、第2ターンテーブルパーティション5の第1コンパートメント25は空の状態となり、その試薬コンテナアセンブリ11が第1コンパートメント25と径方向に整合した状態で、このアセンブリ11を位置決めした後に、第1コンパートメント25に第1ターンテーブルパーティション3からの別の試薬コンテナアセンブリ11を装填できる。
【0074】
第1コンパートメント25の他に第2ターンテーブルパーティション5の上には更にコンパートメント27が配置され、径方向に配向されたコンパートメント25、27の円弧状の列が形成されている。これまで第1コンパートメント25に対して説明したように、第1ターンテーブルパーティション3と第2ターンテーブルパーティション5との間で試薬コンテナアセンブリ11を交換するのに、各コンパートメント27を使用できる。
【0075】
ターンテーブルパーティション3と5の間での試薬コンテナアセンブリ11の径方向のシフトは、コンテナシフト機構29により自動的に実行される。
【0076】
図8は、図7と同じ平面図でターンテーブル1を示しているが、このターンテーブル1は試薬を提供するための装置の別の部品、例えば前記処理ゾーン23内に位置する試薬コンテナアセンブリ11を処理するための処理手段31を有する。
【0077】
図10の側面図には別の処理手段37も示されている。これら処理手段37は、ターンテーブル1の径方向外側に固定された垂直パイル34を有するT字枠状のフレーム33と、ターンテーブル1の情報にて前記パイル33から平行に延び、前記処理ゾーン23内で作動するための処理ユニット37、39、41を配置するカンチレバー35を備える。処理ユニット37は、撹拌手段38の一部であるスティラーであり、この撹拌手段はカンチレバー35に取り付けられたリニアガイド43上で水平移動できるようにガイドされている。ユニット39、41は、ピペット手段40のピペットチューブであり、このピペット手段40の前記リニアガイド43上で水平移動できるようにガイドされている。撹拌手段38とピペット手段400は、制御手段(図示せず)により制御されている駆動手段により、ガイド43に沿って互いに別々に移動自在である。
【0078】
撹拌手段38は、スティラー37を選択的に上下動させるための垂直駆動手段45と、スティラー37を回転させるための駆動手段44とを有する。
【0079】
ピペット手段40は、各ピペットユニット39、41のための垂直駆動手段47、49を含む。ピペットユニット39、41の前記垂直駆動手段47、49は、制御手段により制御自在であり、ピペット手段39、41を別々に上下動させることができる。
【0080】
図8では撹拌手段38は、水平ガイド43上で調節され、スタンバイ位置にある。このスタンバイ位置では第1コンパートメント25内に収納された試薬コンテナアセンブリ11の径方向に最も内側に配置されたコンテナセクション13aとスティラー37が垂直に整合する(図7および図11と比較)。第1コンパートメント25内で前記コンテナセクション13aの内容を混合するように、撹拌手段38が附勢される前にキャップ操作手段を作動させ、このコンテナセクション13aのキャップ19を開位置まで移動しなければならない(例えば、図9bと比較)。次に、垂直駆動手段45を作動させ、スティラー37を降下させ、カバーされていない開口部17を通してコンテナセクション13aの内部空間に前記スティラー37を挿入し、その内部に含まれる試薬を撹拌することができる。スティラー37の垂直軸を中心とするスティラー37のプロペラー51の回転は、制御手段によって制御自在である。
【0081】
上記のように、コンテナセクション13aはビーズサスペンション(懸濁液)を含み、このビーズサスペンションは、分析ステップで利用するために、ピペットユニット39によって抽出する前に混合することによって一様にしなければならない。このビーズサスペンションを撹拌するステップは、ビード混合ステップとも称される。このビーズ混合ステップは、通常ピペット手段40のピペットステップよりも長い時間がかかる。この理由から、特定の試薬コンテナアセンブリ11のコンテナセクション13aが第1コンパートメント25の径方向の最も内側の位置に位置した状態で、各ビーズ混合動作が第2ターンテーブルパーティション5の上で実行されるように、図8の試薬を提供するための装置が作動される。
【0082】
ビーズ混合ステップ中、第1ターンテーブルパーティション3は駆動手段により回転するように駆動され、処理ゾーン23内の所定位置にて試薬コンテナアセンブリ11を調節できる。ビーズ混合ステップを実行中に、ピペット手段40を作動させることもできる。このピペット手段40は、そのときに処理ゾーン23内で調節されている試薬コンテナアセンブリ11から試薬を抽出するのに使用される。第2ターンテーブルパーティション5の第1コンパートメント25内の処理ゾーン23のコンテナセクション13a、13b、13cにおいて、または第1ターンテーブルパーティション3のそれぞれのコンパートメント9a内の試薬コンテナアセンブリ11のコンテナセクション13a、13b、13cにおいて、選択的にアクセスするよう、ピペット手段40をその水平ガイド43に沿って移動できる。そのときのビーズ混合ステップが終了し、第1コンパートメント25内のそれぞれのコンテナアセンブリ11のコンテナセクション13aからスティラー37が引き抜かれた後に、コンテナシフト機構29によって第1ターンテーブルパーティション3のうちの空のコンパートメント内に入るように、この試薬コンテナアセンブリ11を径方向外側にシフトすることにより、試薬コンテナアセンブリ11を第1ターンテーブルパーティション3へ移送することができる。
【0083】
処理ゾーン23内の径方向に整合したコンパートメント9a、25の双方をそれぞれの試薬コンテナアセンブリ11で同時に占有できること、および撹拌手段38のスティラー37を作動させ、第2ターンテーブルパーティション5のコンパートメント25内の試薬コンテナアセンブリ11のコンテナセクション13aの内容を混合する間、第1ターンテーブルパーティション3のコンパートメント9a内の試薬コンテナアセンブリ11のコンテナセクション13a、13b、13cから試薬を抽出するのにピペット手段40を使用できると理解すべきである。
【0084】
垂直コンパートメント分割壁55、56上には、スナップ手段としてキャッチスプリング53、54が設けられている。第2ターンテーブルパーティション5のコンパートメント分割壁55には、上部径方向内側位置にキャッチスプリング53が取り付けられており、第1コンパートメント25内に収納された試薬コンテナアセンブリ11の径方向の最も内側に位置するコンテナセクション13aの外側リセス57内でスナップ運動できるようになっている。キャッチスプリングが前記試薬コンテナアセンブリ11の径方向の最も内側の垂直溝またはリセス57に進入すると、試薬コンテナアセンブリ11は自動的に調節される。
【0085】
第1ターンテーブルパーティション3の垂直コンパートメント駆動壁56には、上部径方向外側位置にキャッチスプリング54が取り付けられており、第1ターンテーブルパーティション3のそれぞれのコンパートメント2に収納された試薬コンテナアセンブリ11のそれぞれの溝形状をしたリセス59内でスナップ運動するようになっている。コンパートメント9、25、27内の試薬コンテナアセンブリ11を調節するために、キャッチスプリングの代わりに他のスナップ手段を設けてもよい。
【0086】
コンパートメント9、25、27には、スプリング荷重がかけられた底部要素(図示せず)を設けることができる。この底部要素は、コンパートメント駆動壁55、56から延びる上部ストッパー61に抗してコンパートメント9、25、27に収納された試薬コンテナアセンブリ11を上方に押圧するようになっている。試薬コンテナアセンブリ11は、このような手段により垂直方向にも精密に調節される。図7〜13には、ネジによりコンパートメント分割壁55、56の頂部に取り付けられたシート状の横方向に延びる突起として、上部ストッパー61が示されている。図15に示されるような壁55、56の別の実施形態によれば、ストッパー61を壁55、56の一体部分としてもよく、一体的なストッパーを有する壁55、56をプラスチック部品またはフライス加工した金属部品とすることが好ましい。
【0087】
コンテナシフト機構29は、2つのグリップ要素、すなわち係合要素63、65を備えたシフトアーム62を有し、これら係合要素は、シフトアーム62の長手方向軸67を中心として、係合位置と解放位置との間を枢動できるようになっている。グリップ要素63、65のそれぞれは、それぞれの長手方向端部において、試薬コンテナアセンブリ11の頂部部分に係合できる。この係合ポイントは、それぞれの試薬コンテナアセンブリ11の上部半分にある低い位置に位置することが好ましい。前記グリップ要素63、64の間の径方向の距離は、試薬コンテナアセンブリ11の長さよりも若干長く、よってグリップ要素63、65がこれら要素の間に試薬コンテナアセンブリ11を維持できるようになっている。シフトアーム62を長手方向にシフトすることにより、係合位置においてグリップ要素63、65の間に維持された試薬コンテナアセンブリ11は、第1ターンテーブルパーティション3と第2ターンテーブルパーティション5のそれぞれ整合したコンパートメントの間で移送できる。コンテナシフト機構29は、回転軸7を中心としてシフトアーム62を回転させるように移動でき、第2ターンテーブルパーティション5の各コンパートメント25、27に選択的にアクセスし、第2ターンテーブルパーティション5の各コンパートメント25、27から第1ターンテーブルパーティション3のそれぞれの整合したコンパートメントへ、試薬コンテナアセンブリ11を移送できる。一実施形態によれば、軸7を中心とするシフトアーム62の回転中に要素63、65の枢動を開始できる。
【0088】
グリップ要素63、65がそれらの解放位置にあるとき、それら要素はターンテーブル1上の試薬コンテナアセンブリ11と干渉しないので、シフトアーム62は試薬コンテナアセンブリ11を移動させることはできない。
【0089】
例えば自動キャップ操作機構により、試薬コンテナアセンブリ11のコンテナセクション13a〜13cが開放される間、グリップ要素63、65を有するコンテナシフト機構29を作動させ、試薬コンテナアセンブリ11をそれぞれのコンパートメント9、35、37内の所定位置に保持できると理解すべきである。
【0090】
図14におけるコンテナシフト機構の斜視図では、参照番号71は水平ガイド73に沿ってその長手方向にシフトアーム62をシフトするための駆動手段を示し、参照番号75は係合位置と解放位置との間でグリップ要素63、65を枢動させるよう、長手方向軸67を中心としてシフトアーム62を回転させるための駆動手段を示す。
【0091】
図14における参照番号77は、垂直回転軸線7を中心としてコンテナシフト機構29を回転させるための駆動手段を示す。回転軸線7に対するコンテナシフト機構29の回転角方向の位置は、光電気ガード79によってモニタされ、この光電気ガード79は、回転軸線7を中心とする円弧上に分布する凸壁81のパターンと共に作動する。
【0092】
同様に、シフトアーム62のシフト位置および枢動位置は光電気ガードによってモニタされる。
【0093】
ターンテーブル1は、その中心に垂直チューブ、例えば中空シャフトを配置しており、この中空シャフトは撹拌手段38のスティラー37をクリーニングするようになっているクリーニングステーションのクリーニング液を排出するための排出チャンネル85を形成する。この理由から、撹拌手段38はその水平ガイド43に沿って、図8に示されるスタンバイ位置と排出チャンネル、すなわちチューブ85と整合するクリーニング位置との間で移動自在である。通常、各ビーズ混合ステップの後でスティラー37のクリーニングステップが必要である。ターンテーブルの中心領域にクリーニングステーションを設けたことは、省スペース対策であり、この対策によってスティラー37のスタンバイ位置とクリーニング位置との間の長い通路が不要となっている。
【0094】
ピペットチューブ34をクリーニングするためのクリーニング手段も設けられている。このピペットのクリーニング手段はターンテーブル1の外側に位置するが、図示されてはいない。
【0095】
本発明によれば、第2ターンテーブルパーティション5上で、より時間のかかる処理ステップを実行できるが、この間、第1ターンテーブルパーティション1の回転およびピペットユニット39、41のピペット操作を含む、より高速の処理ステップを実行することもできる。本発明に係わる、試薬を提供するための装置は、分析器の高いスループットを達成するために極めて効率的に操作できる。上記のように分析器により多数の分析測定を実行するための特定のプログラムに従い、試薬を提供するための装置の動作を制御するように、制御手段はプログラムされる。
【0096】
ターンテーブル1での試薬コンテナアセンブリ11の運動、例えばターンテーブル1の双方向の両回転方向の回転およびターンテーブル3と5の間での試薬コンテナアセンブリ11のシフトは、試薬コンテナアセンブリ11内での試薬の強度の傾斜を防止するよう、急激なスタートおよび停止を行うことなく実行しなければならないと理解すべきである。従って、試薬コンテナアセンブリ11の移動を調和した状態で実行するように、ターンテーブル1の駆動手段を制御するように制御手段がプログラムされる。シフト機構29の移動についても同じことが言える。
【0097】
試薬を提供するための装置のトラブルを生じない時間的に最適な動作を達成するために、特定の方式に従い、処理手段38および40の移動コースも制御されている。
【0098】
基本的には、本発明の第1の態様のすべての特徴は、本発明の第2の態様に従う分析器によっても実現できるし、その逆に、第2の態様に係わる分析器は第1の態様のすべての特徴によっても実現できると理解すべきである。
【0099】
本発明の第1の態様に係わる第1の実施形態の参照番号は次のとおりである。
【0100】
101 自動分析器
102 サンプル分注先端反応容器廃棄孔
103 サンプル分注先端バッファ
104 サンプル
105 反応溶液攪拌ユニット
106 サンプル分注先端反応容器輸送ユニット
107 サンプル分注先端反応容器
108 培養ディスク
109 試薬分注ピペット
110 試薬コンテナ
111 試薬ディスク
112 反応溶液吸引ノズル
113 検出ユニット
114 サンプル輸送ライン
115 サンプル分注ユニット
116 磁気粒子攪拌アーム
201 蓋
202 ジャケット
205 装填システム
301 試薬駆動ディスク
302 試薬駆動ディスク駆動ユニット
303 固定ディスク
304 装填システム
305 試薬コンテナ移動ユニット
306 試薬情報読み出しデバイス
307 パーティションプレート
308 試薬スタンバイ位置
309 試薬攪拌位置
310 試薬分注位置
401 試薬設置ユニット
402 試薬アクチュエータ
403 インジケータ
404 装填システムロッキングユニット
405 インジケータランプ
501 アーム機構
502 駆動部分
503 アーム
504 横方向アーム駆動部分
505 回転アーム駆動部分
601 分析リクエストプロセス
602 分析に使用される試薬が試薬駆動ディスク上にあるかどうかを確認するプロセス
603 試薬を移動させないためのプロセス
604 試薬駆動ディスク内に空の状態が存在するか否かを確認するプロセス
605 試薬移動機構により固定ディスクから試薬駆動ディスクまで試薬コンテナを移動させるためのプロセス
606 固定ディスク内に空の状態が存在するか否かを確認するプロセス
607 試薬駆動ディスクにより試薬スタンバイ位置まで試薬コンテナを移動するためのプロセス
608 試薬駆動ディスクにより、装填システムまで試薬コンテナを移動させるためのプロセス
609 分析可能プロセス
【0101】
本発明の第2の態様に係わる第2実施形態の参照番号は次のとおりである。
【0102】
1 ターンテーブル
3 第1パーティション
5 第2パーティション
7 回転軸
9 コンパートメント
11 試薬コンテナアセンブリ
13a、13b、13c コンテナセクション
15 溶接スポット
17 上部開口部
19 キャップ
21 ヒンジ
23 処理ゾーン
25、27 コンパートメント
29 コンテナシフト機構
31 処理手段
33 フレーム
34 垂直タイル
35 カンチレバー
37 スティラー
37、39、41 処理ユニット
39、41 ピペットユニット
38 撹拌手段
40 ピペット手段
43 直線状水平ガイド
44、47、49 駆動手段
53、54 キャッチスプリング
55、56 コンパートメント駆動壁
57 外側リセス
62 シフトアーム
63、65 グリップまたは係合要素
67 長手方向軸
71、77 駆動手段
73 水平ガイド
75 シフトアームを回転させるための駆動手段
79 光電気ガード
85 排出チャンネル


【特許請求の範囲】
【請求項1】
試薬ディスク機構(111)の周辺部上に互いに隣接するように試薬コンテナ(110)が配置されるように複数の試薬コンテナ(110)を取り付けるようにして前記試薬コンテナ(110)を所望する位置に輸送するように構成された試薬コンテナ輸送機構(111)としての前記試薬ディスク機構(111)と、
前記試薬ディスク機構(111)に隣接すると共にこの試薬ディスク機構(111)に対して同心状に配置され、前記試薬コンテナ(110)を前記試薬コンテナ輸送機構(111)に供給できる能力を有する試薬コンテナ取り付け機構(303、304)と、
前記試薬コンテナ(110)を前記試薬コンテナ取り付け機構(303、304)から前記試薬ディスク機構(111)に移動させる試薬移動機構(305)と、を備え、
前記試薬ディスク機構(111)および前記試薬コンテナ取り付け機構(303、304)は、1つの試薬低温貯蔵ユニットのハウジング内に配置されており、前記試薬コンテナ取り付け機構は、前記試薬コンテナを装填し、および/または交換するための試薬コンテナ装填機構(303、304)を含み、この試薬コンテナ装填機構(303、304)は、その一部が上下方向に移動可能にして前記試薬低温貯蔵ユニットの前記ハウジングの外または中へ前記試薬コンテナ(110)を移動させるように構成されている、自動分析器。
【請求項2】
前記試薬コンテナ取り付け機構(303、304)は、前記試薬コンテナ取り付け機構に取り付けられた前記試薬コンテナ(110)のうちのいずれかに含まれる試薬を混ぜる試薬攪拌機構(116)を含む、請求項に記載の自動分析器
【請求項3】
前記試薬攪拌機構(116)は、前記試薬ディスク機構(111)の作動から独立して前記試薬を攪拌するようになっている、請求項に記載の自動分析器。
【請求項4】
試薬分注位置(310)から試薬を吸引するのに使用される試薬分注機構(109)のノズルの移動経路上に、前記試薬攪拌機構(116)が設けられており、前記ノズルは、前記試薬ディスク(111)上に取り付けられたいずれかの試薬コンテナ(110)から前記試薬を吸引するように設けられた前記試薬分注位置(310)に隣接する、請求項に記載の自動分析器。
【請求項5】
前記試薬移動機構(305)は、前記試薬ディスク(111)の同じ中心軸を中心として回転移動する機構(502)を含み、いずれかの試薬コンテナ(110)をグリップするグリップ部分(501)は、前記試薬ディスク(111)の径方向に移動する機構を含む、請求項に記載の自動分析器。
【請求項6】
前記試薬コンテナ装填機構(303、304)は、前記分析器が試薬コンテナを前記取り付けられた試薬コンテナ(110)のいずれか1つと交換できる準備状態となった旨を通知するための手段、新しく装填された試薬コンテナ(110)が正しく取り付けられたことを通知するための手段、および前記試薬コンテナ(110)から試薬情報を読み出すための手段のうちの少なくとも1つを含む、請求項に記載の自動分析器。
【請求項7】
廃棄部分を含む機構を更に備え、前記取り付けられた試薬コンテナ(110)のうちのいずれか1つと交換しなければならない試薬コンテナを前記廃棄部分を通して廃棄し、該機構は、廃棄可能な試薬コンテナを前記廃棄部分まで輸送する、請求項に記載の自動分析器。


【図1】
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【図2】
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【図3−1】
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【図3−2】
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【図3−3】
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【図4】
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【図5】
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【図5−1】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9a】
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【図9b】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−189611(P2012−189611A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−128010(P2012−128010)
【出願日】平成24年6月5日(2012.6.5)
【分割の表示】特願2012−522166(P2012−522166)の分割
【原出願日】平成22年7月28日(2010.7.28)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】