説明

自動分析装置及びその保守方法

【課題】測定を妨げることなく保守にかかる作業を軽減することができる自動分析装置及びその保守方法を提供する。
【解決手段】被検試料及び試薬を分注してその混合液を測定するための各分析ユニットを有する分析部18と、各分析ユニットの動作を制御する分析制御部19と、各分析ユニットが前記被検試料又は前記試薬又は前記混合液のいずれか1つの液体に接触したとき、その液面を検出する各検出器と、保守管理対象の分析ユニットに対応する検出により検出された検出信号に基づいて保守の履歴である保守履歴データを作成する履歴データ作成部31とを備え、操作部70からの所定の操作に応じて、分析部18で測定が行われていないときに、保守管理対象の分析ユニットを予め設定された清掃位置へ移動すると共に表示部62に保守促進メッセージ65を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体に含まれている成分を分析する自動分析装置及びその保守方法に係り、特に、ヒトの血清や尿などの体液に含まれる成分を分析する自動分析装置及びその保守方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動分析装置は、反応容器に分注した被検試料と生化学的検査や免疫学的検査の各検査項目に該当する試薬との混合液の反応によって生ずる色調などの変化を測光部で測定することにより、被検試料中の様々な成分の濃度や酵素活性で表される分析データを生成する。
【0003】
この自動分析装置では、被検試料毎に分析条件の設定により測定可能になった多数の検査項目の中から、検査に応じて選択された項目の測定が行われる。そして、被検試料はサンプル分注プローブにより試料容器から反応容器に分注され、そのサンプル分注プローブは被検試料の分注終了毎に被検試料間の汚染を避けるために洗浄液で洗浄される。また、試薬は試薬分注プローブにより試薬容器から反応容器に分注され、その試薬分注プローブは試薬の分注終了毎に試薬間の汚染を避けるために洗浄液で洗浄される。更に、反応容器に分注された被検試料及び試薬の混合液は撹拌子により撹拌され、その撹拌子は混合液の撹拌終了毎に混合液間の汚染を避けるために洗浄液で洗浄される。撹拌の後、測光部は混合液に光を照射して測定する。
【0004】
ところで、被検試料及び試薬の分注において、サンプル分注プローブ及び試薬分注プローブの各分注プローブが被検試料及び試薬の吸引のために試料容器及び試薬容器内に移動し、各分注プローブの先端が被検試料及び試薬に接触したときにその液面を検出し、検出した液面から所定の深さに達した位置で各分注プローブを停止させる検出方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
この検出方法によれば、各分注プローブが被検試料や試薬の導体に接触したときに生じる各分注プローブと導体の間の静電容量の変化を電圧変換回路で検出する。これにより、各分注プローブの外壁を介しての被検試料間及び試薬間の汚染を最小限に抑えることができる。しかしながら、長期間に亘って使用していると各分注プローブ、撹拌子、及び吸引ノズルの各分析ユニットの外壁を洗浄液と接触させるだけでは落としきれない汚れが付着するために、自動分析装置の操作者が各分析ユニットの外壁を、定期的に手作業により洗浄液を用いて拭き取って清掃する保守が行われている。
【特許文献1】特許第3664456号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、保守を行うためには、各分析ユニットを保守可能な位置に移動させる手間がかかる問題がある。また、毎日多数の被検試料を測定して迅速に処理する必要があるため、保守した日や保守が必要な日を忘れてしまう問題がある。
【0007】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、測定を妨げることなく保守にかかる作業を軽減することができる自動分析装置及びその保守方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の本発明の自動分析装置は、被検試料及び試薬を分注してその混合液を測定するための分析ユニットを有する分析手段を備えた自動分析装置において、前記分析ユニットを移動する移動手段と、前記分析ユニットが前記被検試料又は前記試薬又は前記混合液のいずれか1つの液体に接触したとき、その液面を検出する検出手段と、前記分析手段により測定が行われていないときに、前記分析ユニットを前記移動手段により予め設定された清掃位置へ移動した後、前記検出手段により検出された検出信号に基づいて前記分析ユニットの保守の履歴である保守履歴データを作成する履歴データ作成手段とを備えたことを特徴とする。
【0009】
また、請求項10に記載の本発明の自動分析装置の保守方法は、被検試料及び試薬を分注してその混合液を測定するための分析ユニットを有する分析手段を備えた自動分析装置の保守方法において、前記分析手段により測定が行われていないときに、前記分析ユニットを分析ユニット移動手段により予め設定された清掃位置へ移動し、前記分析ユニットが前記被検試料又は前記試薬又は前記混合液に接触したとき、その液面を検出する検出手段により検出された検出信号に基づいて、前記分析ユニットの保守の履歴である保守履歴データを履歴データ作成手段より作成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、被検試料及び試薬を分注してその混合液を測定するための分析ユニットを、測定が行われていないときに予め設定された清掃位置へ移動することにより、測定を妨げることなく保守を促進することができる。また、清掃位置へ移動した分析ユニットに触れて保守を行うことにより、保守に関する作業を軽減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に、本発明による自動分析装置の実施例を、図1乃至図9を参照して説明する。
【実施例】
【0012】
図1は、本発明の実施例に係る自動分析装置の構成を示したブロック図である。この自動分析装置100は、様々な検査項目の標準試料や被検試料のサンプルと、検査項目に該当する試薬を分注してその混合液を測定するための分析ユニットを有する分析部18と、分析部18における分析ユニットの駆動や制御を行う分析制御部19と、保守管理対象として設定された分析部18の分析ユニットの保守の履歴である保守履歴データを作成して管理する保守管理部30と、標準試料や被検試料の測定により分析部18から出力される標準試料データや被検試料データを処理して検量線の作成や分析データの生成を行うデータ処理部50とを備えている。
【0013】
また、データ処理部50で作成された検量線や生成された分析データを出力する出力部60と、各検査項目を測定するためのサンプルの量、試薬の量等の分析条件の設定や、各種コマンド信号の入力などを行う操作部70と、分析制御部19、保守管理部30、データ処理部50、及び出力部60を統括して制御するシステム制御部80とを備えている。
【0014】
図2は、分析部18の構成を示した斜視図である。この分析部18は、標準試料や被検試料等のサンプルを収容した試料容器17と、この試料容器17を保持するディスクサンプラ5と、試料容器17からサンプルを吸引して反応容器3に吐出する分注を行うためのサンプル分注プローブ16と、サンプル分注プローブ16が試料容器17内のサンプルと接触したときにその液面を検出する検出器16aと、サンプル分注プローブ16を被検試料の分注終了毎に洗浄する洗浄槽16bと、サンプル分注プローブ16を回動及び上下移動するサンプル分注アーム10とを備えている。そして、検出器16aからの信号は分析制御部19及び保守管理部30に出力される。
【0015】
また、サンプルに含まれる各検査項目の成分に対して選択的に反応する第1試薬を収容した試薬容器6を保持するラック1aを有する第1試薬庫1と、第1試薬庫1の試薬容器6から第1試薬を吸引して反応容器3に吐出する分注を行うための第1試薬分注プローブ14と、第1試薬分注プローブ14が第1試薬庫1のラック1aに保持された試薬容器6内の第1試薬と接触したときにその液面を検出する検出器14aと、第1試薬分注プローブ14を第1試薬分注終了毎に洗浄する洗浄槽14bと、第1試薬分注プローブ14を回動及び上下移動する第1試薬分注アーム8とを備えている。また、第1試薬と対をなす第2試薬を収容した試薬容器7を保持するラック2aを有する第2試薬庫2と、第2試薬庫2の試薬容器7から第2試薬を吸引して反応容器3に吐出する分注を行うための第2試薬分注プローブ15と、第2試薬分注プローブ15が第2試薬庫2のラック2aに保持された試薬容器7内の第2試薬と接触したときにその液面を検出する検出器15aと、第2試薬分注プローブ15を第2試薬分注終了毎に洗浄する洗浄槽15bと、第2試薬分注プローブ15を回動及び上下移動する第2試薬分注アーム9とを備えている。そして、検出器14a,15aからの各信号は、分析制御部19及び保守管理部30に出力される。
【0016】
更にまた、サンプル、並びに第1及び第2試薬を収容する円周上に複数配置された反応容器3を保持する反応ディスク4と、反応容器3内のサンプル及び第1試薬の第1の混合液を撹拌する第1撹拌子11aと、第1撹拌子11aが反応容器3内の第1の混合液と接触したときにその液面を検出する検出器11bと、第1撹拌子11aを第1の混合液の撹拌終了毎に洗浄する洗浄槽11cと、第1撹拌子11aを回動及び上下移動する第1撹拌アーム11dとを備えている。また、反応容器3内のサンプル、第1試薬、及び第2試薬の第2の混合液を撹拌する第2撹拌子11eと、第2撹拌子11eが反応容器3内の第2の混合液と接触したときにその液面を検出する検出器11fと、第2撹拌子11eを第2の混合液の撹拌終了毎に洗浄する洗浄槽11gと、第2撹拌子11eを回動及び上下移動する第2撹拌アーム11hとを備えている。また、反応容器3内の各混合液を測定する測光部13と、反応容器3内の測定を終えた各混合液を吸引すると共に反応容器3内を洗浄する洗浄ノズル及び反応容器3内を乾燥する乾燥ノズルを上下移動可能に保持する洗浄ユニット12とを備えている。そして、検出器11b,111fからの各信号は、分析制御部19及び保守管理部30に出力される。
【0017】
なお、各検出器16a,14a,15a,11b,11fは、夫々静電容量センサを有し、サンプル分注プローブ16と試料容器17内のサンプル、第1試薬分注プローブ14と試薬容器6内の第1試薬、第2試薬分注プローブ15と試薬容器7内の第2試薬、第1撹拌子11aと反応容器3内の第1の混合液、及び第2撹拌子11eと反応容器3内の第2の混合液の各分析ユニットと各液体の間の静電容量に応じた信号を出力する。そして、各分析ユニットが各液体から離れているとき、各検出器からの信号は所定の範囲から外れている。また、各分析ユニットが各液体に接触しているとき、各検出器からの信号は所定の範囲内に入っている。
【0018】
そして、測光部13は、回転移動する反応容器3に光を照射し、標準試料を含む第1又は第2の混合液を透過した光を吸光度に変換して標準試料データを生成した後、データ処理部50に出力する。また、被検試料を含む第1又は第2の混合液を透過した光を吸光度に変換して被検試料データを生成した後、データ処理部50に出力する。更に、測定後の反応容器3、サンプル分注プローブ16、第1及び第2試薬分注プローブ14,15、撹拌ユニット11などの各分析ユニットは、洗浄された後、再び測定に使用される。
【0019】
分析制御部19は、分析部18の各分析ユニットを駆動する機構を備えた機構部20と、機構部20の各機構を作動させて分析部18を制御する制御部21とを備えている。機構部20は、第1及び第2試薬庫1,2のラック1a,2a及びディスクサンプラ5を夫々回動する機構、反応ディスク4を回転する機構、サンプル分注アーム10、第1試薬分注アーム8、第2試薬分注アーム9、第1撹拌アーム11d、第2撹拌アーム11hを夫々回動及び上下移動する機構、洗浄ユニット12を上下移動する機構等を備えている。
【0020】
また、サンプル分注プローブ16にサンプルの吸引及び吐出を行わせる分注ポンプを駆動する機構、第1及び第2試薬分注プローブ14,15に第1及び第2試薬の吸引及び吐出を行わせる第1及び第2試薬ポンプを夫々駆動する機構、第1及び第2撹拌子11a,11eを夫々撹拌駆動する機構、洗浄槽16b,14b,15b,11c,11gに洗浄液の供給及び排液を行う給排液ポンプを夫々駆動する機構、洗浄ユニット12の洗浄ノズルから混合液の吸引や洗浄液の吐出及び吸引を行う洗浄ポンプを駆動する機構、洗浄ユニット12の乾燥ノズルから吸引を行う乾燥ポンプを駆動する機構等を備えている。
【0021】
制御部21は、機構部20のサンプル分注アーム10の駆動機構を制御する制御回路22、第1試薬分注アーム8の駆動機構を制御する制御回路23、第2試薬分注アーム9の駆動機構を制御する制御回路24、第1撹拌アーム11dの駆動機構を制御する制御回路25、及び第2撹拌アーム11hの駆動機構を制御する制御回路26等を備えている。
【0022】
制御回路22は、システム制御部80から供給される測定の指示に基づいて、サンプル分注アーム10を上停止位置の高さでディスクサンプラ5の上方まで回動させた後、下に移動させる。そして、分析部18の検出器16aからの検出信号に基づいて、サンプル分注プローブ16の先端がサンプルの液面から吸引位置の深さに達した時に、サンプル分注アーム10を停止させる。また、システム制御部80から供給される保守の指示に基づいて、サンプル分注アーム10を回動及び上下移動させ、サンプル分注プローブ16を試料容器17内のサンプル等の導体から離間した例えば大気中の清掃が可能な位置である予め設定された清掃位置へ移動する。
【0023】
制御回路23,24は、システム制御部80から供給される測定の指示に基づいて、第1及び第2試薬分注アーム8,9を上停止位置の高さで第1及び第2試薬庫1,2の試薬容器6,7の上方まで回動させた後、下に移動させる。そして、分析部18の検出器14a,15aからの検出信号に基づいて、第1及び第2試薬分注プローブ14,15の先端が試薬容器6,7内の第1及び第2試薬の液面から吸引位置の深さに達した時に、第1及び第2試薬分注アーム8,9を停止させる。また、システム制御部80から供給される保守の指示に基づいて、第1及び第2試薬分注アーム8,9を夫々回動及び上下移動させ、第1及び第2試薬分注プローブ14,15を試薬容器6,7内の第1及び第2試薬等の導体から離間した大気中の清掃が可能な位置である予め設定された清掃位置へ移動する。
【0024】
制御回路25,26は、システム制御部80から供給される測定の指示に基づいて、第1及び第2撹拌アーム11d,11hを上停止位置の高さで第1及び第2の混合液を収容した反応容器3の上方まで回動させた後、下に移動させる。そして、分析部18の検出器11b,11fからの検出信号に基づいて、第1及び第2撹拌子11a,11eの先端部が第1及び第2の混合液の液面から撹拌位置の深さに達した時に、第1及び第2撹拌アーム11d,11hを停止させる。また、システム制御部80から供給される保守の指示に基づいて、第1及び第2撹拌アーム11d,11hを夫々回動及び上下移動させ、第1及び第2撹拌子11a,11eを反応容器3内の第1及び第2の混合液等の導体から離間した大気中の清掃が可能な位置である予め設定された清掃位置へ移動する。
【0025】
図1の保守管理部30は、分析部18における保守管理対象の各分析ユニットに対応する検出器16a、検出器14a、検出器15a、検出器11b、検出器11f等の各検出器から出力された信号に基づいて、保守管理対象の分析ユニットの保守の履歴を示す保守履歴データの作成を行う履歴データ作成部31と、履歴データ作成部31で作成された保守履歴データを保存する保守履歴データ記憶部32とを備えている。
【0026】
履歴データ作成部31は、分析部18の各検出器から出力される所定の範囲内に入る信号に基づいて保守管理対象の各分析ユニットの保守が行われたことを判断する。そして、その検出器からの信号が所定の範囲内に入ったときの検出時刻を保守履歴データ記憶部32に保存する。
【0027】
データ処理部50は、分析部18の測光部13から出力された標準試料データや被検試料データから検量線の作成や分析データの生成を行う演算部51と、演算部51で作成された検量線や生成された分析データなどを保存するデータ記憶部52とを備えている。
【0028】
演算部51は、測光部13から出力された各検査項目の標準試料データから検量線を作成してデータ記憶部52に保存すると共に出力部60に出力する。また、分析部18の測光部13から出力された被検試料データに対して、その検査項目の検量線をデータ記憶部52から読み出し、読み出した検量線を用いて濃度や活性値などの分析データを生成してデータ記憶部52に保存すると共に出力部60に出力する。
【0029】
データ記憶部52は、ハードディスクなどを備え、演算部51から出力された検量線を検査項目毎に保存し、演算部51から出力された分析データを被検試料毎に保存する。
【0030】
出力部60は、データ処理部50から出力された検量線、分析データなどを印刷出力する印刷部61及び表示出力する表示部62を備えている。そして、印刷部61は、プリンタなどを備え、データ処理部50から出力された検量線、分析データなどを予め設定されたフォーマットに基づいて、プリンタ用紙に印刷出力する。
【0031】
表示部62は、CRTや液晶パネルなどのモニタを備え、データ処理部50から出力された検量線や分析データの表示や、各検査項目の反応容器3に分注すサンプルの量、第1試薬の量、第2試薬の量、反応容器3内の各混合液を測定する光の波長などの分析条件を設定するための分析条件設定画面及び被検試料毎に測定する検査項目を選択するための検査項目選択画面の表示を行う。
【0032】
また、保守管理部30で管理する保守管理対象の分析ユニット及びこの分析ユニットの保守条件を設定するための保守条件(1)設定画面及び保守条件(2)設定画面、保守管理対象の分析ユニットの保守を促進する保守促進メッセージ、保守管理部30の履歴データ作成部31で作成された保守履歴データ等の表示を行う。
【0033】
操作部70は、キーボード、マウス、ボタン、タッチキーパネルなどの入力デバイスを備え、自動分析装置100に電力を供給するための入力操作である電源投入操作、自動分析装置100への電力を停止するための入力操作である電源切断操作、分析条件の入力操作、保守条件を設定するための入力操作、被検試料毎の検査項目の入力操作、各標準試料や被検試料の測定を行うための入力操作である測定操作、測定操作を行う前又は測定操作に応じて分析部18における測定が終了した後に分析部18の自動洗浄を行うための入力操作である洗浄操作等の様々な操作を行う。
なお、洗浄操作が行われると、分析部18に収容されたサンプル、第1試薬、第2試薬、第1の混合液、及び第2の混合液に接触する各分析ユニットが洗浄される。そして、サンプル分注プローブ16は洗浄槽16bで洗浄され、第1及び第2試薬分注プローブ14,15は、洗浄槽14b,15bで洗浄される。また、第1及び第2撹拌子11a,11eは、洗浄槽11c,11gで洗浄され、全ての反応容器3は、洗浄ユニット12で洗浄される。
【0034】
システム制御部80は、CPU及び記憶回路81を備え、操作部70から供給されるコマンド信号、保守条件、各検査項目の分析条件、被検試料毎の検査項目などの入力操作による情報を記憶した後、これらの情報に基づいて、分析部18の各分析ユニットの保守の管理や、各分析ユニットを一定サイクルの所定のシーケンスで測定動作させる制御などシステム全体の制御を行なう。
【0035】
以下、図1乃至図9を参照して、自動分析装置100の保守に関する動作の一例を説明する。図3は、表示部62に表示される保守条件(1)設定画面の一例を示す図である。図4は、表示部62に表示される保守条件(2)設定画面の一例を示す図である。図5は、自動分析装置100の保守動作を示すフローチャートである。図6は、表示部62に表示された保守促進メッセージの一例を示す図である。図7は、分析部18の清掃位置に移動したサンプル分注プローブ16を示す図である。図8は、表示部62に表示された保守促進メッセージの一例を示す図である。図9は、表示部62に表示される保守履歴データの一例を示す図である。
【0036】
図3において、保守条件(1)設定画面63は、保守管理部30で管理する分析部18の保守管理対象の分析ユニットを設定するための「分析ユニット」の欄と、「分析ユニット」の欄に設定された保守管理対象の分析ユニットの保守を促進する間隔を設定するための「保守間隔」の欄とにより構成される。
【0037】
「分析ユニット」の欄には、分析部18のn個の分析ユニットの設定が可能なように、n個のダイアログボックス63a1乃至63anが設けられている。そして、操作部70から分析部18の例えばサンプル分注プローブ16を選択する操作が行われると、ダイアログボックス63a1内に「サンプル分注プローブ」が表示される。また、第1試薬分注プローブ14を選択する操作が行われるとダイアログボックス63a2内に「第1試薬分注プローブ」が表示され、第2試薬分注プローブ15を選択する操作が行われるとダイアログボックス63a3内に「第2試薬分注プローブ」が表示される。更に、第1撹拌子11aを選択する操作が行われるとダイアログボックス63a4内に「第1撹拌子」が表示され、第2撹拌子11eを選択する操作が行われるとダイアログボックス63a5内に「第2撹拌子」が表示される。そして、選択操作が行われない例えばダイアログボックス63an内は空白になっている。
【0038】
「保守間隔」の欄には、「分析ユニット」の欄の各ダイアログボックス63a1乃至63anに対応する各ダイアログボックス63b1乃至63bnが設けられている。そして、操作部70から保守を行う間隔を例えば日数の単位で選択入力する。例えば保守を日毎行う場合には1を選択し、保守を2日毎に行う場合には2を選択する操作を行う。そして、選択操作が行われないダイアログボックス内は空白になっている。この場合、保守管理対象の分析ユニットの保守が行われた日から、設定した保守間隔以上を経過しているときに保守を促進するための保守動作が実行される。
【0039】
なお、例えば1週間の曜日を表示させて保守を行う曜日を選択するようにしてもよい。また、カレンダを表示させてカレンダの各日を選択するようにしてもよい。
【0040】
ここでは、「分析ユニット」の欄に、分析部18のサンプル、第1試薬、第2試薬、第1の混合液、第2の混合液等の液体に接触して、操作部70からの洗浄操作による分析部18の自動洗浄だけでは落とすことのできない汚れを落とすための保守作業を必要とする例えばサンプル分注プローブ16、第1試薬分注プローブ14、第2試薬分注プローブ15、第1撹拌子11a、及び第2撹拌子11e等の各分析ユニットを設定し、設定した各分析ユニットに対して例えば夫々1を選択する操作により各ダイアログボックス63b1乃至63b5内に「1」が表示される。そして、設定された各分析ユニット及びこの分析ユニットの保守間隔を含む保守条件の情報がシステム制御部80の記憶回路81に保存されている。
【0041】
なお、1日あたりの被検試料の数や検査項目の数が少ない場合や、各分析ユニットを介して汚れの影響を与えない検査項目や汚れの影響を受けない検査項目のみの測定であることが予め分かっている場合に、2以上の正数を選択するようにしてもよい。
【0042】
図4は、表示部62に表示される保守条件(2)設定画面の一例を示した図である。この保守条件(2)設定画面64は、図3の保守条件(1)設定画面63における「分析ユニット」の欄に設定された保守管理対象の分析ユニットを保守するタイミングを設定するための「保守タイミング」の欄により構成される。
【0043】
「保守タイミング」の欄は、分析部18で測定が行われていないときに保守管理対象の分析ユニットの保守の促進及び保守を可能とするために設けられている。操作部70から行われる操作である「電源投入操作」、「電源切断操作」、「洗浄操作」等の各欄と、各欄を選択するためのダイアログボックス64a,64b,64c等により構成される。そして、自動分析装置100で検査が行われる日に必ず実行される各欄の操作の内のいずれか1つの操作に対応する欄を選択する。
【0044】
「電源投入操作」の欄を選択すると、ダイアログボックス64a内に「レ」が表示される。また、「電源切断操作」の欄を選択すると、ダイアログボックス64b内に「レ」が表示される。更に、「洗浄操作」の欄を選択すると、ダイアログボックス633内に「レ」が表示される。そして、選択された1つの欄以外の欄に対応するダイアログボックス内は空白になる。
【0045】
「電源投入操作」の欄が選択された場合、操作部70からの電源投入操作に応じて、保守管理対象の分析ユニットの保守を促進する保守促進メッセージが表示部62に表示されると共に、保守管理対象の分析ユニットが清掃位置へ移動する。この場合、分析ユニットの保守を行った後に、保守完了操作を行うことにより、分析部18の自動洗浄や被検試料等の測定を可能にする。
【0046】
また、「電源切断操作」の欄が選択された場合、操作部70からの自動分析装置100内の一部以外への電力を停止するための入力操作である電源切断操作に応じて、保守促進メッセージが表示部62に表示されると共に保守管理対象の分析ユニットが清掃位置へ移動する。この場合、分析ユニットの保守を行った後に、保守完了操作を行うことにより、自動分析装置100への電力の供給を停止する。
【0047】
更に、「洗浄操作」の欄が選択された場合、操作部70からの洗浄操作に応じて、保守促進メッセージが表示部62に表示されると共に保守管理対象の分析ユニットが清掃位置へ移動する。この場合、分析ユニットの保守を行った後に、保守完了操作を行うことにより、分析部18の自動洗浄が開始される。
【0048】
ここでは、操作部70からの選択操作によりダイアログボックス64a内に表示された「レ」に対応する保守タイミングを含む保守条件の情報がシステム制御部80の記憶回路81に保存されている。
【0049】
このように、「保守タイミング」の欄の各欄の中から、日々行う操作を選択することにより、分析部18で測定が行われていないときに、保守を促進するための保守促進メッセージを表示部62に表示すると共に、保守管理対象の分析ユニットを清掃位置へ移動させることができる。これにより、分析部18の測定動作を妨げることなく、保守を促進することができる。
【0050】
図5は、自動分析装置100の保守動作を示したフローチャートである。図3の保守条件(1)設定画面63及び図4の保守条件(2)設定画面64で設定された保守条件がシステム制御部80の記憶回路81に保存されている。また、保守管理部30の保守履歴データ記憶部32には、システム制御80から供給される保守条件の情報に基づいて作成された保守管理対象の分析ユニットの保守履歴データが保存されている。
【0051】
自動分析装置100の操作者が当日の検査を行うために操作部70から電源投入操作が行われると、自動分析装置100は保守の動作を開始する(ステップS1)。
【0052】
システム制御部80は、記憶回路81に保存されている保守条件の情報に基づいて、分析制御部19、保守管理部30、データ処理部50、及び出力部60を制御する。保守管理対象の各分析ユニットは同様に動作するので、以下ではサンプル分注プローブ16の例を説明する。
【0053】
ここでは、保守履歴データ記憶部32に保存された保守履歴データに含まれる最新の検出時刻が昨日の時刻であるとする。この場合、保守条件(1)設定画面63で設定された保守間隔である1日以上経過しているのでサンプル分注プローブ16の保守を促進するための保守動作が行われることになる。
【0054】
分析制御部19の制御部21は、システム制御部80から供給される保守の指示に基づいて、機構部20を作動させて分析部18の保守管理対象の各分析ユニットを夫々清掃位置へ移動させると共に、保守管理対象以外の各分析ユニットをホームポジションへ移動させる。サンプル分注プローブ16は、制御部21の制御により、清掃位置である例えば反応容器3の上方へ移動する(ステップS2)。
【0055】
このように、日々行われる操作部70からの操作に応じて、保守管理対象の分析ユニットを清掃位置に移動させることにより、保守を促進することができる。また、保守作業を軽減することができる。
【0056】
分析部18の検出器16aは、保守管理部30の履歴データ作成部31に信号を出力する。履歴データ作成部31は、サンプル分注プローブ16が清掃位置へ移動した後に出力される検出器16aからの信号に基づいて、サンプル分注プローブ16の清掃の有無を判断する。そして、清掃位置への移動直後に検出器16aから出力される所定の範囲から外れる信号に基づいてサンプル分注プローブ16が未清掃であることを判断する。また、電源投入操作に応じて保守履歴データ記憶部32からサンプル分注プローブ16の最新の保守履歴データを読み出して、読み出した保守履歴データ及び未清掃の情報を含む保守促進メッセージをシステム制御部80に出力する。システム制御部80は、履歴データ作成部31からの未清掃情報を含む保守促進メッセージを出力部60の表示部62に表示する(ステップS3)。
【0057】
図6は、表示部62に表示された未清掃情報を含む保守促進メッセージの一例を示した図である。この保守促進メッセージ65には、保守管理対象である分析部18のサンプル分注プローブ16の名称である「サンプル分注プローブ」、最新の保守履歴データとして例えばサンプル分注プローブ16の保守が行われたときの最新の時刻である「2007/9/11 08:30:10」、及び清掃位置への移動後にサンプル分注プローブ16の清掃が行われていないことを知らせるための情報である「未清掃」が含まれている。
【0058】
また、第1試薬分注プローブ14の名称である「第1試薬分注プローブ」、この分析ユニットの保守が行われた最新の時刻である「2007/9/11 08:31:21」、及び清掃位置への移動後に第1試薬分注プローブ14の清掃が行われていないことを知らせるための情報である「未清掃」が含まれている。
【0059】
また、第2試薬分注プローブ15の名称である「第2試薬分注プローブ」、この分析ユニットの保守が行われた最新の時刻である「2007/9/11 08:32:23」、及び清掃位置への移動後に清掃が行われていないことを知らせるための「未清掃」が含まれている。
【0060】
また、第1撹拌子11aの名称である「第1撹拌子」、この分析ユニットの保守が行われた最新の時刻である「2007/9/11 08:34:10」、及び清掃位置への移動後に清掃が行われていないことを知らせるための「未清掃」が含まれている。
【0061】
また、第2撹拌子11eの名称である「第2撹拌子」、この分析ユニットの保守が行われた最新の時刻である「2007/9/11 08:35:45」、及び清掃位置への移動後に清掃が行われていないことを知らせるための「未清掃」が含まれている。
【0062】
更に、操作者に保守を促すための文字情報である例えば「サンプル分注プローブ、第1試薬分注プローブ、第1撹拌子、第2撹拌子、・・・を清掃してください」が含まれている。
【0063】
更にまた、各分析ユニットの清掃作業が終了したときに保守動作を完了させる保守完了操作を行うためのボタンである「完了」が含まれ、操作部70の例えばマウス操作、又は操作者のタッチ操作により実行する。
【0064】
このように、表示部62に保守促進メッセージ65を表示させることにより、保守を促進することができる。また、過去に行われた保守の最新の時刻や、当日に清掃が行われていないことを知らせることができる。
【0065】
表示部62に保守促進メッセージ65が表示された後、図7に示すように、清掃位置における例えばサンプル分注プローブ16の外壁を、浄液を含ませたガーゼ等で拭きおろす清掃作業が行われたとき、履歴データ作成部31は、検出器16aから出力される所定の範囲内に入る信号に基づいてサンプル分注プローブ16の清掃が行われたことを判断する。そして、検出器16aからの信号が所定の範囲内に入ったときの検出時刻を保守履歴データの一部として保守履歴データ記憶部32に保存する(図5のステップS4)。
【0066】
また、保守促進メッセージ65のサンプル分注プローブ16の未清掃情報の部分を検出時刻に置き換えた保守促進メッセージをシステム制御部80に出力する。システム制御部80は、履歴データ作成部31からの保守が行われた分析ユニットの保守履歴データを含む保守促進メッセージを表示する(図5のステップS5)。
【0067】
図8は、表示部62に表示された保守が行われた分析ユニットの保守履歴データを含む保守促進メッセージの一例を示した図である。この保守促進メッセージ65aには、保守促進メッセージ65の「サンプル分注プローブ」に対応する「未清掃」のエリアに表示された保守履歴データである例えば「2007/9/12 8:33:34」が含まれている。
【0068】
このように、表示部62に保守促進メッセージ65aを表示させることにより、保守を行った分析ユニットを確認することができる。
【0069】
ステップS5の後に、サンプル分注プローブ16以外の保守管理対象の各分析ユニットの保守作業を終了して、操作部70から保守完了操作が行われると、システム制御部80が分析制御部19、保守管理部30、データ処理部50、及び出力部60の保守動作を停止させる。制御部21は、分析部18の保守管理対象の各分析ユニットを清掃位置からホームポジションへ移動させる。そして、自動分析装置100は保守の動作を終了する(図5のステップS6)。
【0070】
保守の終了後に、操作部70からサンプル分注プローブ16の保守履歴データを表示させる操作が行われると、履歴データ作成部31は、保守履歴データ記憶部32に保存されたサンプル分注プローブ16の全ての検出時刻の情報を読み出して、システム制御部80に出力する。システム制御部80は、履歴データ作成部31から出力された保守履歴データを表示部62に表示する。
【0071】
図9は、表示部62に表示されたサンプル分注プローブ16の保守履歴データの一例を示した図である。この保守履歴データ66には、保守履歴データ記憶部32に保存された最新の検出時刻である「2007/9/12 8:33:34」から順に、この検出時刻の下にこの検出時刻の次に新しい検出時刻である「2007/9/11 08:30:10」等の検出時刻が時系列的に表示されている。
【0072】
このように、表示部62に保守管理対象の分析ユニットの保守履歴データを表示させて、閲覧することができる。
【0073】
なお、保守条件(1)設定画面63にサンプル分注プローブ16の保守を例えば2日毎に行うように設定された場合、前日に保守が行われると、当日の電源投入操作が行われてもサンプル分注プローブ16の保守に関わる清掃位置への移動や表示部62への保守促進のメッセージ表示の保守動作は実行されず、翌日以降の電源投入操作に応じて実行される。
【0074】
以上述べた本発明の実施例によれば、日々行う操作を選択し、操作部70からの選択された操作に応じて、分析部18で測定が行われていないときに、保守促進メッセージ65を表示部62に表示させることができる。これにより、保守を促進することができ、忘却することなく保守を行うことができる。また、過去に行われた保守の最新の時刻や、当日に清掃が行われていないことを知らせることができる。
【0075】
また、操作部70からの選択された操作に応じて、分析部18で測定が行われていないときに、保守管理対象の分析ユニットを清掃位置に移動することができる。これにより、保守を促進することができ、忘却することなく保守を行うことができる。また、分析部18の測定動作を妨げることなく、保守を行うことができる。更に、保守作業を軽減することができる。
【0076】
清掃位置へ移動後、保守管理対象の分析ユニットに対応する検出器からの信号が所定の範囲内に入ったとき、その分析ユニットに触れて保守が行われたと判断し、表示部62に保守促進メッセージ65aを表示させることができる。これにより、保守を行った分析ユニットを確認することができる。また、前記検出器からの信号が所定の範囲内に入ったときの検出時刻を保守履歴データ記憶部32に保存することにより、その分析ユニットの保守履歴データを表示部62に表示することができる。これにより、保守履歴データの作成に要する手間を削減することができる。
【0077】
以上により、各分析ユニットを介しての被検試料間、試薬間、混合液間等の汚染を未然に防ぎ、精度よく測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の実施例に係る自動分析装置の構成を示すブロック図。
【図2】本発明の実施例に係る分析部の構成の詳細を示す図。
【図3】本発明の実施例に係る表示部に表示される保守条件(1)設定画面の一例を示す図。
【図4】本発明の実施例に係る表示部に表示される保守条件(2)設定画面の一例を示す図。
【図5】本発明の実施例に係る自動分析装置の保守動作を示すフローチャート。
【図6】本発明の実施例に係る表示部に表示された未清掃情報を含む保守促進メッセージの一例を示す図。
【図7】本発明の実施例に係るサンプル分注プローブの清掃作業の例を示す図。
【図8】本発明の実施例に係る表示部に表示された保守が行われた分析ユニットの保守履歴データを含む保守促進メッセージの一例を示す図。
【図9】本発明の実施例に係る表示部に表示されたサンプル分注プローブの保守履歴データの一例を示す図。
【符号の説明】
【0079】
18 分析部
19 分析制御部
20 機構部
21 制御部
22,23,24,25,26 制御回路
30 保守管理部
31 履歴データ作成部
32 保守履歴データ記憶部
50 データ処理部
51 演算部
52 データ記憶部
60 出力部
61 印刷部
62 表示部
70 操作部
80 システム制御部
81 記憶回路
100 自動分析装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検試料及び試薬を分注してその混合液を測定するための分析ユニットを有する分析手段を備えた自動分析装置において、
前記分析ユニットを移動する移動手段と、
前記分析ユニットが前記被検試料又は前記試薬又は前記混合液のいずれか1つの液体に接触したとき、その液面を検出する検出手段と、
前記分析手段により測定が行われていないときに、前記分析ユニットを前記移動手段により予め設定された清掃位置へ移動した後、前記検出手段により検出された検出信号に基づいて前記分析ユニットの保守の履歴である保守履歴データを作成する履歴データ作成手段とを
備えたことを特徴とする自動分析装置。
【請求項2】
前記自動分析装置に電力を供給するための入力操作又は停止するための入力操作が可能な操作手段を有し、
前記移動手段は、前記操作手段からの入力操作に応じて前記分析ユニットを前記清掃位置へ移動するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の自動分析装置。
【請求項3】
前記分析手段に測定を行わせるための入力操作の前又はこの入力操作に応じた前記分析手段による測定が終了した後に前記分析手段を洗浄するための入力操作が可能な操作手段を有し、
前記移動手段は、前記操作手段からの入力操作に応じて前記分注プローブを前記清掃位置へ移動するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の自動分析装置。
【請求項4】
前記操作手段からの入力操作に応じて、前記分析ユニットの保守を促進するための保守促進メッセージを表示する表示手段を有することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の自動分析装置。
【請求項5】
前記履歴データ作成手段により作成された保守履歴データを保存する保守履歴データ記憶手段を有し、
前記移動手段は、前記保守履歴データ記憶手段に保存された保守履歴データに含まれる前記検出手段により検出された検出時刻の内の最新の時刻から予め設定された保守間隔以上経過しているとき、前記分注プローブを前記清掃位置へ移動するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の自動分析装置。
【請求項6】
前記保守履歴データ記憶手段に保存された保守履歴データを表示する表示手段を有することを特徴とする請求項5に記載の自動分析装置。
【請求項7】
前記清掃位置は、前記分析手段の前記被検試料、前記試薬、及び前記混合液を含む導体から離間した位置であることを特徴とする請求項1に記載の自動分析装置。
【請求項8】
前記分析ユニットは、前記被検試料又は前記試薬を分注するための分注プローブであることを特徴とする請求項1に記載の自動分析装置。
【請求項9】
前記分析ユニットは、前記混合液を撹拌するための撹拌子であることを特徴とする請求項1に記載の自動分析装置。
【請求項10】
被検試料及び試薬を分注してその混合液を測定するための分析ユニットを有する分析手段を備えた自動分析装置の保守方法において、
前記分析手段により測定が行われていないときに、前記分析ユニットを分析ユニット移動手段により予め設定された清掃位置へ移動し、
前記分析ユニットが前記被検試料又は前記試薬又は前記混合液に接触したとき、その液面を検出する検出手段により検出された検出信号に基づいて、前記分析ユニットの保守の履歴である保守履歴データを履歴データ作成手段より作成することを特徴とする自動分析装置の保守方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−168491(P2009−168491A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−4166(P2008−4166)
【出願日】平成20年1月11日(2008.1.11)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【出願人】(594164531)東芝医用システムエンジニアリング株式会社 (892)
【Fターム(参考)】