説明

自動分析装置

【課題】分析ユニットの洗浄に用いる洗浄液の消費を低減することができる自動分析装置を提供する。
【解決手段】被検試料を分析するための検査情報の入力が可能な操作部80と、操作部80から入力された検査情報又は端末装置120から得られた検査情報に基づいて、その検査情報に対応する被検試料の分析に使用する反応容器3を指定する反応容器指定部68と、分析サイクル毎に反応容器3を移動した後に停止させる反応ディスク4と、洗浄位置Wに停止した反応容器3を反応容器洗浄する洗浄ノズルユニット61とを備え、洗浄位置Wに停止した反応容器3の中に、指定した反応容器3が含まれている場合に洗浄位置Wの反応容器3を反応容器洗浄し、指定した反応容器3が含まれていない場合に洗浄位置Wの反応容器3の反応容器洗浄を停止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体に含まれている成分を分析する自動分析装置に係り、特に、ヒトの血清や尿などの体液に含まれる成分を分析する自動分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動分析装置としては、被検試料と試薬の混合液の反応によって生ずる色調の変化を、光の透過量を測定することにより、被検試料中の生化学的検査項目等における成分の濃度や活性を測定する装置が知られている。
【0003】
この自動分析装置では、被検体の検査に基づいて操作部又は自動分析装置に接続された端末装置から検査情報の入力が行われる。この検査情報には、検査対象の被検体のID、氏名等の被検体情報や、分析条件の設定により分析可能になった多数の検査項目の中からその検査に応じて入力された検査項目の情報等が含まれる。そして、被検試料を分析するための開始操作が行われると、入力された検査情報に基づいてその被検体から採取された被検試料を分析する動作を開始する。分析サイクル毎に、複数の反応容器が所定の距離を移動した後に停止して、洗浄位置、サンプル吐出位置、試薬吐出位置の順に各停止位置への移動を繰り返す。
【0004】
そして、洗浄位置に停止した反応容器に、洗浄ユニットを使用して洗浄が行われる。サンプル吐出位置に停止した洗浄された反応容器に、サンプル分注プローブを使用して被検試料が分注される。試薬吐出位置に停止した被検試料が分注された反応容器に、試薬分注プローブを使用して試薬が分注された後、測光ユニットを使用して反応容器内に分注されたサンプルと試薬の混合液が測定される。洗浄位置に停止した測定後の混合液を収容した反応容器に対して洗浄が行われ、被検試料における検査項目の分析を終了する。
【0005】
また、サンプル分注プローブ及び試薬分注プローブの各分注プローブは、分析の開始操作が行われてから、各分注が開始されるまでの分析サイクルの間、分析サイクル毎に洗浄される。また、被検試料及び試薬の分注終了毎に洗浄される。そして、洗浄された各分注プローブ及び反応容器は、繰り返して使用される。
【0006】
しかしながら、最後に分注が行われた反応容器の洗浄が終了するまでの間、洗浄位置に停止した例えば最後に分注が行われた反応容器の後の被検試料の分析に使用されない反応容器に対しても洗浄が行われるため、反応容器の洗浄に用いる洗浄液を必要以上に浪費してしまう問題がある。
【0007】
この問題を解決するために、洗浄が必要な反応容器だけを選択的に洗浄することができる自動分析装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この装置では、反応容器が使用済みか未使用であるかにより、反応容器の洗浄が必要か否かを判定し、その判定結果に基づき洗浄を必要とする反応容器のみ洗浄が行われる。
【特許文献1】特開平9−96640号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1では、洗浄が必要な反応容器だけを選択的に洗浄を行うことができるのは、緊急サンプルモード時であり、通常サンプルモード時には洗浄液を浪費してしまう問題がある。また、緊急サンプルモード時は、最後に洗浄された時間から予め定められた時間を越えた反応容器の洗浄を必要とするため、洗浄液を浪費してしまう問題がある。
【0009】
また、各分注プローブは、開始操作が行われてから分注が開始されるまでの間のすべての分析サイクルで洗浄されるため、各分注プローブの洗浄に用いる洗浄液を浪費してしまう問題がある。
【0010】
そして、洗浄液の浪費により、卓上型などの小型の自動分析装置においては、装置の設置面積を広く取れないので洗浄液を貯留した容器のサイズが制限されるため、洗浄液が不足し、途中で被検試料の分析を行うことができなくなる問題がある。
【0011】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、分析ユニットの洗浄に用いる洗浄液の消費を低減することができる自動分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の本発明の自動分析装置は、被検体から採取された被検試料を分析するために、前記被検試料及び試薬を反応容器に分注してその混合液を測定する自動分析装置において、前記被検試料を分析するための検査情報の入力が可能な操作手段と、前記操作手段により入力された検査情報、又は前記被検試料を分析するための検査情報の入力が可能な端末装置から得られた検査情報に基づいて、その検査情報に対応する第1の被検試料の分析に使用する反応容器を指定する反応容器指定手段と、前記反応容器指定手段により指定された第1の反応容器を含む複数の反応容器を移動及び停止させる反応容器移動手段と、前記反応容器移動手段により洗浄位置に停止した反応容器の中に、前記第1の反応容器が含まれている場合に前記洗浄位置の反応容器を洗浄し、前記第1の反応容器が含まれていない場合に前記洗浄位置の反応容器の洗浄を停止する反応容器洗浄手段と、前記反応容器洗浄手段より洗浄された前記第1の反応容器に分注される前記第1の被検試料及び前記試薬の混合液を測定する測定手段とを備えたことを特徴とする。
【0013】
また、請求項6に記載の本発明の自動分析装置は、被検体から採取された被検試料を分析するために、前記被検試料及び試薬を反応容器に分注してその混合液を測定する自動分析装置において、前記被検試料又は試薬を吸引及び吐出する分注プローブを用いて、分析サイクル毎に前記被検試料又は試薬を分注する分注手段と、前記分析サイクル毎に、前記分注プローブの洗浄が可能なプローブ洗浄手段とを備え、前記プローブ洗浄手段は、前記被検試料の分析をするための動作が開始されてから、前記分注手段による前記被検試料又は試薬の分注が開始される前までの分析サイクルの間、その間の分析サイクルの数よりも少ない数の洗浄を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、検査情報に基づいて被検試料の分析に使用する反応容器を指定し、洗浄位置に停止した反応容器の中に、指定した反応容器が含まれている場合に洗浄液を用いて洗浄位置の反応容器を洗浄し、指定した反応容器が含まれていない場合に洗浄位置の反応容器の洗浄を停止することができる。
【0015】
また、開始操作が行われてから被検試料又は試薬の分注が開始されるまでの分析サイクルの間、その間の分析サイクルの数よりも少ない回数の分析サイクルでサンプル分注プローブ又は試薬分注プローブの洗浄を行うことができる。これにより、洗浄液の消費量を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に、本発明による自動分析装置の実施例を、図1乃至図11を参照して説明する。
【実施例】
【0017】
図1は、本発明の実施例に係る自動分析装置の構成を示したブロック図である。この自動分析装置100は、被検体を検査する検査項目の標準試料や被検体から採取された被検試料を分析するために、標準試料、被検試料等のサンプル及び検査項目に該当する試薬の分注や、分注されたサンプル及び試薬の混合液の測定を行う分析ユニットを有する分析部18と、分析部18の各分析ユニットを洗浄する洗浄ユニットを有する洗浄部20とを備えている。
【0018】
また、分析部18の各分析ユニット及び洗浄部20の各洗浄ユニットの駆動や制御を行う分析制御部19と、分析部18における標準試料を含む混合液の測定により生成された標準データを処理してキャリブレーションテーブルの作成や、被検試料を含む混合液の測定により生成された被検データを処理して分析データの生成を行うデータ処理部70とを備えている。
【0019】
更に、データ処理部70で作成されたキャリブレーションテーブルや、生成された分析データを出力する出力部75と、検査項目の分析条件の設定操作、被検試料を分析するための被検体情報及び検査項目を含む検査情報の入力操作、各検査項目のキャリブレーションテーブルを作成するための標準試料測定操作、被検試料を分析して分析データを生成するための被検試料測定操作等を行う操作部80と、外部の端末装置120からネットワーク130を介して検査情報を受信するインターフェース81と、上述した各ユニットを統括して制御するシステム制御部90とを備えている。
【0020】
図2は、分析部18の構成を示した斜視図である。この分析部18は、標準試料や被検試料等のサンプルを収容する試料容器17と、サンプルを収容した試料容器17を保持するディスクサンプラ5と、サンプルに含まれる各検査項目の成分に対して選択的に反応する第1試薬が収容された試薬容器6を保持するラック11を有する第1試薬庫1と、第1試薬と対をなす第2試薬が収容された試薬容器7を保持するラック21を有する第2試薬庫2とを備えている。そして、ディスクサンプラ5、第1試薬庫1のラック11、及び第2試薬庫2のラック21は、一定の分析サイクル毎に夫々回動して分析制御部19により制御された位置に停止する。
【0021】
また、試料容器17からサンプルを吸引してサンプルの分析に使用される反応容器3に吐出する分注を行うサンプル分注プローブ16と、サンプル分注プローブ16にサンプルの吸引及び吐出を行わせるサンプル分注ポンプ161と、第1試薬庫1の試薬容器6から第1試薬を吸引して被検試料が吐出された反応容器3に吐出する分注を行う第1試薬分注プローブ14と、第2試薬庫2の試薬容器7から第2試薬を吸引して第1試薬が吐出された反応容器3に吐出する分注を行う第2試薬分注プローブ15とを備えている。また、第1試薬分注プローブ14に第1試薬の吸引及び吐出を行わせる第1試薬分注ポンプ141と、第2試薬分注プローブ15に第2試薬の吸引及び吐出を行わせる第2試薬分注ポンプ151と、サンプル分注プローブ16、第1試薬分注プローブ14、及び第2試薬分注プローブ15を回動及び上下移動可能に保持するサンプル分注アーム10、第1試薬分注アーム8、及び第2試薬分注アーム9とを備えている。
【0022】
そして、サンプル分注プローブ16、第1試薬分注プローブ14、及び第2試薬分注プローブ15の各分注プローブは、分析サイクル毎にサンプル分注アーム10、第1試薬分注アーム8、及び第2試薬分注アーム9の各分注アームの回動及び上下移動により、分析制御部19により制御された位置に夫々停止する。また、サンプル分注ポンプ161、第1試薬ポンプ141、及び第2試薬ポンプ151は、分析サイクル毎に、夫々分析制御部19により制御された液量の吸引及び吐出動作を行う。
【0023】
更に、サンプル分注プローブ16から吐出されたサンプル、及び第1及び第2試薬分注プローブ14,15から吐出された第1及び第2試薬を収容する反応容器3と、円周上に配置されたn個の反応容器3を保持する反応ディスク4と、反応容器3内に吐出されたサンプル及び第1試薬の混合液を撹拌する第1撹拌ユニット121と、サンプル、第1試薬、及び第2試薬の混合液を撹拌する第2撹拌ユニット122と、反応容器3に収容された混合液等を測定する測光ユニット13とを備えている。
【0024】
そして、反応ディスク4は、分析サイクル毎に、例えば1回転に角度θ(θ=360°/n)を加算した角度である回転角度θ1を回転した後に停止する。また、測光ユニット13は、回転移動している標準試料又は被検試料の分析に使用される反応容器3に光を照射し、洗浄部20により反応容器3内に供給されたブランク液を透過した光からその反応容器3のブランクデータを生成した後、データ処理部70に出力する。更に、測光ユニット13は、回転移動しているブランクデータを生成した反応容器3に光を照射し、反応容器3内の標準試料や被検試料を含む混合液を透過した光から標準データや被検データを生成した後、データ処理部70に出力する。なお、標準試料又は被検試料の分析に使用された反応容器3及び各分析プローブは、洗浄部20で洗浄された後、再び使用される。
【0025】
図3は、分析部18における反応容器3の停止位置を示した図である。反応容器3は、分析サイクル毎に反応ディスク4による回転角度θ1の回転により回転移動した後、矢印R1方向に移動したn箇所の各停止位置に停止する。停止位置には、洗浄部20により反応容器3の洗浄等が行われる位置である第1乃至第5洗浄位置W1,W2,W3,W4,W5からなる洗浄位置W、サンプル分注プローブ16によりサンプルが吐出される位置であるサンプル吐出位置Pa、及び第1試薬分注プローブ14により第1試薬が吐出される位置である第1試薬吐出位置Pa1がある。
【0026】
また、第1撹拌ユニット121によりサンプルと第1試薬の混合液が撹拌される位置である第1撹拌位置Pa2、第2試薬分注プローブ15により第2試薬が吐出される位置である第2試薬吐出位置Pb、第2撹拌ユニット122によりサンプル、第1試薬、及び第2試薬の混合液が撹拌される位置である第2撹拌位置Pb1等がある。
【0027】
そして、標準試料測定操作又は被検試料測定操作が行われてから第1の分析サイクルにおいて、分析の開始位置である第1洗浄位置W1に停止した反応容器3は、第2の分析サイクルでは第2洗浄位置W2に停止し、第3の分析サイクルでは第3洗浄位置W3に停止する。また、第aの分析サイクル(n>a>5)ではサンプル吐出位置Paに停止し、また第(a+1)の分析サイクルでは第1試薬吐出位置Pa1に停止し、更に第(a+2)の分析サイクルでは第1撹拌位置Pa2に停止する。更に、第bの分析サイクル{n>b>(a+2)}では第2試薬吐出位置Pbに停止し、第(b+1)の分析サイクルでは第2撹拌位置Pb1に停止する。更にまた、第(n+1)分析サイクルでは再び第1洗浄位置W1に停止し、第(n+2)分析サイクルでは、分析の終了位置である第2洗浄位置W2に停止する。
【0028】
図1の洗浄部20は、分析部18のサンプル分注プローブ16の洗浄を行うサンプル分注プローブ洗浄部30と、第1試薬分注プローブ14の洗浄を行う第1試薬分注プローブ洗浄部40と、第2試薬分注プローブ15の洗浄を行う第2試薬分注プローブ洗浄部50と、反応容器3の洗浄等を行う反応容器洗浄部60とを備えている。そして、外部の純水装置110に貯留された例えば蒸留水やイオン交換水等の純水を第1の洗浄液として用い、サンプル分注プローブ16、第1試薬分注プローブ14、第2試薬分注プローブ15、及び反応容器3を洗浄する。
【0029】
反応容器指定部68は、操作部80から被検試料測定操作が行われると、システム制御部90から供給される検査情報に基づいて、その検査情報に含まれる被検体情報の被検試料を分析するために使用する反応容器3を指定し、指定した反応容器3の例えば容器IDの情報、この反応容器3で分析する検査項目の情報、及び被検試料の位置情報等の検査情報を分析制御部19に出力する。そして、被検試料の分析中における分析部18のすべての反応容器3の停止位置や、反応容器3に対する被検試料の分注、第1試薬の分注、第2試薬の分注、混合液の測定等のタイミングを把握している。
【0030】
また、分析部18及びデータ処理部70で被検試料の分析中に、操作部80から入力され、又は外部の端末装置120からネットワーク130を介してインターフェース81で受信し、システム制御部90から供給される検査情報に基づいて、分析部18の図3に示した第3洗浄位置W3からR1方向とは反対方向に位置する反応容器3の内、例えば第3洗浄位置W3に最も近い第1又は第2洗浄位置W1,W2で洗浄された反応容器3を指定し、指定した反応容器3の容器IDの情報を含む検査情報を分析制御部19に出力する。
【0031】
更に、被検試料の分析中に、分析部18の洗浄位置Wに停止した反応容器3を、洗浄部20の反応容器洗浄部60に行わせるか否かを判定し、その判定結果の情報を分析制御部19に出力する。
【0032】
分析制御部19は、分析部18の各分析ユニット及び洗浄部20の各洗浄ユニットを駆動する機構を備えた機構部191と、機構部191における分析部18の各分析ユニット及び洗浄部20の各洗浄ユニットを駆動する機構を夫々制御する制御部192とを備えている。そして、制御部192は、反応容器指定部68から出力された検査情報に基づいて、分析部18における反応容器3の回転移動を制御する。また、反応容器指定部68から出力された判定結果の情報に基づいて、洗浄部20の反応容器洗浄部60を制御する。
【0033】
データ処理部70は、分析部18の測光ユニット13から出力された標準データや被検データからキャリブレーションテーブルを作成したり分析データを生成する演算部71と、測光ユニット13から出力されたブランクデータ、演算部71で作成されたキャリブレーションテーブルや生成された分析データなどを保存するデータ記憶部72とを備えている。
【0034】
演算部71は、測光ユニット13から出力された標準試料や被検試料の分析に使用される各反応容器3のブランクデータをデータ記憶部72に保存する。
【0035】
また、測光ユニット13から出力された標準データの生成に用いられた反応容器3のブランクデータをデータ記憶部72から読み出す。次いで、読み出したブランクデータを用いてその標準データを補正し、補正した標準データに基づいてキャリブレーションテーブルを作成する。そして、検査項目毎に作成したキャリブレーションテーブルを出力部75に出力すると共にデータ記憶部72に保存する。
【0036】
更に、測光ユニット13から出力された被検データの生成に使用された反応容器3のブランクデータ、及びその被検データの検査項目のキャリブレーションテーブルをデータ記憶部72から読み出す。次いで、読み出したブランクデータを用いてその被検データを補正し、読み出したキャリブレーションテーブルを用いて補正した被検データから分析データを生成する。そして、生成した分析データを出力部75に出力すると共にデータ記憶部72に保存する。
【0037】
データ記憶部72は、ハードディスクなどを備え、測光ユニット13から出力された各反応容器3のブランクデータを、その反応容器3のブランクデータが測光ユニット13から新たに出力されるまで保存する。また、演算部71から出力されたキャリブレーションテーブルや分析データなどを被検試料毎に保存する。
【0038】
出力部75は、データ処理部70の演算部71から出力されたキャリブレーションテーブルや分析データなどを印刷出力する印刷部76及び表示出力する表示部77を備えている。
【0039】
印刷部76は、プリンタなどを備え、データ処理部70の演算部71から出力されたキャリブレーションテーブルや分析データなどを予め設定されたフォーマットに従って、プリンタ用紙に印刷出力する。
【0040】
表示部77は、CRTや液晶パネルなどのモニタを備え、データ処理部70の演算部71から出力されたキャリブレーションテーブルや分析データを表示する。また、検査項目毎の分析条件を設定するための分析条件設定画面、分析部18の各分注プローブを洗浄部20で洗浄する回数を設定するための洗浄回数設定画面、被検体情報を入力するための被検体情報設定画面、被検試料毎に検査項目を入力するための検査項目設定画面等を表示する。
【0041】
操作部80は、キーボード、マウス、ボタン、タッチキーパネルなどの入力デバイスを備え、検査項目の分析条件の設定、被検試料を分析するための検査情報の入力操作、各検査項目のキャリブレーションテーブルを作成するための標準試料測定操作、被検試料を分析して分析データを生成するための被検試料測定操作を行う。
【0042】
また、標準試料測定操作又は被検試料測定操作が行われてから、分析部18で各分注プローブによる分注が開始される前までの分析サイクルの間に、その間の分析サイクルの数よりも少ない回数の洗浄を各分注プローブに行うための設定が可能な洗浄回数設定操作など様々な操作を行う。
インターフェース81は、外部に設けられた端末装置120から送信される検査情報を、ネットワーク130を介して受信し、システム制御部90に出力する。また、データ記憶部72に保存されている分析データなどを、ネットワーク130を介して端末装置120に出力する。
【0043】
なお、端末装置120は、表示部や操作部を備えている。そして、例えば診察室などに配置され、検査室に配置された自動分析装置100で被検試料を分析するための検査情報の入力操作や入力された検査情報の送信操作を行うことができる。
【0044】
システム制御部90は、図示しないCPU及び記憶回路91を備え、操作部80から供給されるコマンド信号、検査項目の分析条件、検査情報等を記憶回路91に保存した後、これらの入力情報に基づいてシステム全体の制御を行う。
【0045】
次に、図2乃至図8を参照して、洗浄部20のサンプル分注プローブ洗浄部30、第1試薬分注プローブ洗浄部40、第2試薬分注プローブ洗浄部50、及び反応容器洗浄部60の構成と、分析制御部19の構成とを説明する。図4は、サンプル分注プローブ洗浄部30の構成を示す図である。図5は、サンプル分注プローブ洗浄部30の洗浄を説明するための図である。図6は、第1試薬分注プローブ洗浄部40の構成を示す図である。図7は、第2試薬分注プローブ洗浄部50の構成を示す図である。図8は、反応容器洗浄部60の構成を示す図である。
【0046】
図4において、サンプル分注プローブ洗浄部30は、サンプル分注プローブ16の洗浄が行われる洗浄槽31と、サンプル分注プローブ16のサンプルと接触する外面を洗浄する第1の洗浄液を供給する外面洗浄ポンプ32と、サンプル分注プローブ16のサンプルと接触する内面を洗浄する第1の洗浄液を供給する内面洗浄ポンプ33とにより構成される。
【0047】
そして、外面洗浄ポンプ32及び内面洗浄ポンプ33は、洗浄槽31内に移動したサンプル分注プローブ16に対して、操作部80から標準試料測定操作又は被検試料測定操作が行われてから、サンプルの分注が開始される前までの分析サイクルの間、洗浄回数設定画面で設定されたその間の分析サイクルの数よりも少ない回数の洗浄を行う。また、分析部18のディスクサンプラ5に保持された試料容器17から反応容器3へのサンプルの分注終了毎に洗浄を行う。
【0048】
外面洗浄ポンプ32は、図5(a)に示すように、所定の外面洗浄量の純水を純水装置110から吸引し、吸引した量の純水を第1の洗浄液として洗浄槽31に設けられた吐出口311からサンプル分注プローブ16の外面に向けて吐出する。この吐出する第1の洗浄液によりサンプル分注プローブ16の外面を洗浄する。
【0049】
内面洗浄ポンプ33は、図5(b)に示すように、所定の内面洗浄量の純水を純水装置110から吸引し、吸引した量の純水を第1の洗浄液として分析部18のサンプル分注ポンプ161及びサンプル分注プローブ16内を通過させて洗浄槽31内に吐出する。この通過する第1の洗浄液によりサンプル分注プローブ16の内面を洗浄する。
【0050】
図6は、第1試薬分注プローブ洗浄部40の構成を示した図である。この第1試薬分注プローブ洗浄部40は、第1試薬分注プローブ14の洗浄が行われる洗浄槽41と、第1試薬分注プローブ14の第1試薬と接触する外面を洗浄する第1の洗浄液を供給する外面洗浄ポンプ42と、第1試薬分注プローブ14の第1試薬と接触する内面を洗浄する第1の洗浄液を供給する内面洗浄ポンプ43とにより構成される。
【0051】
そして、外面洗浄ポンプ42及び内面洗浄ポンプ43は、洗浄槽41内に移動した第1試薬分注プローブ14に対して、操作部80から標準試料測定操作又は被検試料測定操作が行われてから、第1試薬の分注が開始される前までの分析サイクルの間、洗浄回数設定画面で設定されたその間の分析サイクルの数よりも少ない回数の洗浄を行う。また、分析部18の第1試薬庫1内の試薬容器6から反応容器3への第1試薬の分注終了毎に洗浄を行う。
【0052】
外面洗浄ポンプ42は、所定の外面洗浄量の純水を純水装置110から吸引し、吸引した量の純水を第1の洗浄液として洗浄槽41に設けられた吐出口411から第1試薬分注プローブ14の外面に向けて吐出する。この吐出する第1の洗浄液により第1試薬分注プローブ14の外面を洗浄する。
【0053】
内面洗浄ポンプ43は、所定の内面洗浄量の純水を純水装置110から吸引し、吸引した量の純水を第1の洗浄液として分析部18の第1試薬分注ポンプ141及び第1試薬分注プローブ14内を通過させて洗浄槽41内に吐出する。この通過する洗浄水により第1試薬分注プローブ14の内面を洗浄する。
【0054】
図7は、第2試薬分注プローブ洗浄部50の構成を示した図である。この第2試薬分注プローブ洗浄部50は、第2試薬分注プローブ15の洗浄が行われる吐出口511を有する洗浄槽51と、第2試薬分注プローブ15の第2試薬と接触する外面を洗浄する第1の洗浄液を供給する外面洗浄ポンプ52と、第2試薬分注プローブ15の第2試薬と接触する内面を洗浄する第1の洗浄液を供給する内面洗浄ポンプ53とにより構成される。
【0055】
そして、外面洗浄ポンプ52及び内面洗浄ポンプ53は、洗浄槽51内に移動した第2試薬分注プローブ15に対して、操作部80から標準試料測定操作又は被検試料測定操作が行われてから、第2試薬の分注が開始される前までの分析サイクルの間、洗浄回数設定画面で設定されたその間の分析サイクルの数よりも少ない回数の洗浄を行う。また、分析部18の第2試薬庫2内の試薬容器7から反応容器3への第2試薬の分注終了毎に洗浄を行う。なお、外面洗浄ポンプ52及び内面洗浄ポンプ53は、第1試薬分注プローブ洗浄部40の外面洗浄ポンプ42及び内面洗浄ポンプ43と同様に動作するので説明を省略する。
【0056】
図8は、反応容器洗浄部60の構成を示した図である。この反応容器洗浄部60は、分析サイクル毎に、分析部18の洗浄位置Wに停止した反応容器3内に第1の洗浄液等の吐出や吸引を行う洗浄ノズルユニット61と、この洗浄ノズルユニット61に接続されたチューブを介して第1の洗浄液等の供給や排液を行う洗浄ポンプユニット62を備えている。
【0057】
洗浄ノズルユニット61は、第2の洗浄液を用いて反応容器3の洗浄を行う第1のノズル611と、第1の洗浄液を用いて反応容器3の洗浄を行う第2のノズル612と、ブランク液を反応容器3に供給する第3のノズル613と、この第3のノズル613から供給されたブランク液を反応容器3から排液する第4のノズル614と、反応容器3内の乾燥を行う第5のノズル615とを備えている。
【0058】
そして、分析部18の反応ディスク4が回転しているときに洗浄位置Wの反応容器3の上方に位置する上停止位置に保持され、反応ディスク4が停止したときに下に移動する。下に移動した後、洗浄位置Wの第1乃至第5のノズル611,612,613,614,615の位置に対応する第1乃至第5洗浄位置W1,W2,W3,W4,W5に停止した5個の反応容器3に対して、第2の洗浄液による洗浄、第1の洗浄液による洗浄、ブランク液の供給、ブランク液の排液、及び乾燥からなる反応容器洗浄を行った後、上に移動する。
【0059】
第1のノズル611は、第1洗浄位置W1に停止した反応容器3内に洗浄ポンプユニット62から供給される第2の洗浄液を吐出する吐出ノズル、及び反応容器3内に吐出した第2の洗浄液や反応容器3内に収容された測定後の混合液を吸引する吸引ノズルにより構成される。そして、洗浄ポンプユニット62より行われる吸引、吐出、及び吸引からなる一連の洗浄動作により、標準試料又は被検試料の分析に使用する反応容器3や測定後の混合液を収容した反応容器3を洗浄する。
【0060】
第2のノズル612は、第2洗浄位置W2に停止した反応容器3内に洗浄ポンプユニット62から供給される第1の洗浄液を吐出する吐出ノズル、及び反応容器3内に吐出された第1の洗浄液を吸引する吸引ノズルにより構成される。そして、洗浄ポンプユニット62より行われる吸引、吐出、及び吸引からなる一連の洗浄動作により、第1のノズル611で洗浄された反応容器3を更に洗浄する。
【0061】
第3のノズル613は、第3洗浄位置W3に停止した反応容器3内に洗浄ポンプユニット62から供給されるブランク液を吐出する吐出ノズル、及び反応容器3内に吐出したブランク液の一部を吸引する吸引ノズルにより構成される。そして、洗浄ポンプユニット62より行われる吸引、吐出、及び吸引からなる一連の供給動作により、第2のノズル612で洗浄された反応容器3内にブランク液を供給する。なお、ブランク液を収容した反応容器3は、第4洗浄位置W4への回転移動中に、分析部18の測光ユニット13により測定される。
【0062】
第4のノズル614は、第4洗浄位置W4に停止した反応容器3内の第3のノズル613により供給されるブランク液を吸引する吸引ノズルにより構成される。そして、洗浄ポンプユニット62より行われる2回の吸引からなる排液動作により、測光ユニット13により測定された後のブランク液を反応容器3から排液する。
【0063】
第5のノズル615は、第5洗浄位置W5に停止した反応容器3内を乾燥する吸引ノズルにより構成される。そして、洗浄ポンプユニット62より行われる2回の吸引からなる乾燥動作により、第4のノズル614により吸引された後の反応容器3内を乾燥する。
【0064】
洗浄ポンプユニット62は、分析部18の下側に配置され、第1乃至第3のノズル611,612,613の各吐出ノズルにチューブを介して接続された供給ポンプユニット63と、第1乃至第5のノズル611,612,613,614,615の各吸引ノズルにチューブを介して接続された排液ポンプユニット64と、第2の洗浄液の濃縮液を収容する洗剤ボトル65とを備えている。
【0065】
また、第1のノズル611から吸引された混合液や第2の洗浄液を貯留する排液ポンプユニット64にチューブを介して接続された第1排液タンク66と、第2乃至第5のノズル612,613,614,615から吸引された第1の洗浄液やブランク液を貯留する排液ポンプユニット64にチューブを介して接続された第2排液タンク67とを備えている。
【0066】
供給ポンプユニット63は、三方弁631及び第1分岐管632を介して洗剤ボトル65から第2の洗浄液の濃縮液を吸引する洗剤ポンプ633と、第2分岐管634を介して洗剤ポンプ633で吸引された第2の洗浄液の濃縮液を希釈して第2の洗浄液を生成すると共に、生成した第2の洗浄液、第1の洗浄液、及びブランク液を第1乃至第3のノズル611,612,613に供給する供給ポンプ635とを備えている。
【0067】
三方弁631は、例えば第1乃至第3端部を有する三方電磁弁であり、洗剤ポンプ633により洗剤ボトル65から第2の洗浄液の濃縮液が吸引されるときには、洗剤ボトル65に接続された第1端部及び第1分岐管632に接続された第2端部を開放し、第1のノズル611の吐出ノズルに接続された第3端部を閉じている。また、供給ポンプ635により供給動作が行われるときには、第2及び第3端部を開放し、第1端部を閉じている。
【0068】
第1分岐管632は、三方弁631の第2端部、洗剤ポンプ633、及び第2分岐管634に接続され、その内部に各間の流通が可能なように流路が形成されている。
【0069】
洗剤ポンプ633は、洗剤ボトル65内の第2の洗浄液の濃縮液を三方弁631の第2端部と第1分岐管632の間まで吸引する。
【0070】
第2分岐管634は、供給ポンプ635に接続された一端部、及び三方に分岐された第1乃至第3分岐端部からなる他端部を有する。そして、第1分岐端部が第1分岐管632に接続され、また第2分岐端部が第2のノズル612の吐出ノズルに接続され、更に第3分岐端部が第3のノズル613の吐出ノズルに接続されている。
【0071】
供給ポンプ635は、純水装置110から純水を吸引し、吸引した純水を第2分岐管634を介して第1乃至第3のノズル611,612,613に供給する。そして、吸引した純水の内、第2分岐管634の第1分岐端部で分岐された純水を希釈液として、第1分岐管632、及び第2及び第3端部を開放した三方弁631を介して、洗剤ポンプ633により吸引された第1の洗浄液の濃縮液と共に第1のノズル611に供給する。この供給により、濃縮液が希釈液により希釈された第2の洗浄液を生成し、生成した第2の洗浄液が第1のノズル611の吐出ノズルから吐出される。
【0072】
また、吸引した純水の内、第2分岐管634の第2分岐端部で分岐された純水を第1の洗浄液として、第2のノズル612に供給する。この供給により、第1の洗浄液が第2のノズル612の吐出ノズルから吐出される。
【0073】
更に、吸引した純水の内、第2分岐管634の第3分岐端部で分岐された純水をブランク液として、第3のノズル613に供給する。この供給により、ブランク液が第3のノズル613の吐出ノズルから吐出される。
【0074】
排液ポンプユニット64は、洗浄位置Wにおける反応容器3内の第2の洗浄液や測定後の混合液を第1のノズル611から吸引して第1排液タンク66内に排出する第1排液ポンプ641と、第3分岐管642を介して第2乃至第5のノズル612,613,614,615から第1の洗浄液及びブランク液を吸引して第2排液タンク67に排出する第2排液ポンプ643とを備えている。
【0075】
第1排液ポンプ641は、一端部が第1のノズル611の吸引ノズルに接続され、他端部が第1排液タンク66に接続されている。そして、第1洗浄位置W1に停止した反応容器3内の第2の洗浄液や測定後の混合液を第1のノズル611の吸引ノズルから吸引して第1排液タンク66内に排出する。
【0076】
第3分岐管642は、第2乃至第5のノズル612,613,614,615の各吸引ノズル、及び第2排液ポンプ643の一端部に接続され、その内部に各間の流通が可能なように流路が形成されている。
【0077】
第2排液ポンプ643は、他端部が第2排液タンク67に接続されている。そして、第2洗浄位置W2に停止した反応容器3内の第1の洗浄液、第3洗浄位置W3に停止した反応容器3内のブランク液の一部、第4洗浄位置W4に停止した反応容器3内のブランク液、及び第5洗浄位置W5に停止した反応容器3内を、第2乃至第5のノズル612,613,614,615の各吸引ノズルから第3分岐管642を介して吸引し、第2排液タンク67内に排出する。
【0078】
次に、分析制御部19の機構部191及び制御部192の構成を説明する。
機構部191は、分析部18の第1試薬庫1のラック11、第2試薬庫2のラック21、及びディスクサンプラ5を夫々回動する機構、反応ディスク4を回転する機構、サンプル分注アーム10、第1試薬分注アーム8、第2試薬分注アーム9、第1撹拌ユニット121、及び第2撹拌ユニット122を夫々回動及び上下移動する機構を備えている。また、サンプル分注ポンプ161、第1試薬分注ポンプ141、及び第2試薬分注ポンプ151を夫々駆動する機構、第1及び第2撹拌ユニット121,122の撹拌子を夫々撹拌駆動する機構等を備えている。
【0079】
また、洗浄部20のサンプル分注プローブ洗浄部30における外面洗浄ポンプ32及び内面洗浄ポンプ33を夫々駆動する機構、第1試薬分注プローブ洗浄部40における外面洗浄ポンプ42及び内面洗浄ポンプ43を夫々駆動する機構、及び第2試薬分注プローブ洗浄部50における外面洗浄ポンプ52及び内面洗浄ポンプ53を夫々駆動する機構を備えている。
【0080】
更に、洗浄部20の反応容器洗浄部60における洗浄ノズルユニットを上下移動する機構、供給ポンプユニット63の三方弁631、洗剤ポンプ633、及び供給ポンプ635を夫々駆動する機構、及び排液ポンプユニット64の第1排液ポンプ641及び第2排液ポンプ643を夫々駆動する機構を備えている。
【0081】
制御部192は、機構部191の分析部18における第1試薬庫1のラック11、第2試薬庫2のラック21、ディスクサンプラ5、反応ディスク4、サンプル分注アーム10、第1試薬分注アーム8、第2試薬分注アーム9、第1撹拌ユニット121、及び第2撹拌ユニット122を駆動する機構を夫々制御する制御回路を備えている。
【0082】
また、洗浄部20における洗浄ノズルユニット61、外面洗浄ポンプ32,42,52、内面洗浄ポンプ33,43,53、三方弁631、洗剤ポンプ633、供給ポンプ635、第1排液ポンプ641、及び第2排液ポンプ643を駆動する機構を夫々制御する制御回路を備えている。
【0083】
以下、図1乃至図11を参照して、自動分析装置100の動作の一例を説明する。図9は、表示部77に表示される洗浄回数設定画面の一例を示す図である。図10は、表示部77に表示される検査項目設定画面の一例を示す図である。図11は、自動分析装置100の動作を示すフローチャートである。
【0084】
操作部80からの標準試料測定操作により、データ処理部70のデータ記憶部72には各検査項目のキャリブレーションテーブルが保存されている。そして、操作部80から洗浄回数設定操作を行うことにより、表示部77に洗浄回数が設定された洗浄回数設定画面が表示される。
【0085】
図9は、表示部77に表示される洗浄回数設定画面の一例を示した図である。この洗浄回数設定画面78は、サンプル分注プローブ16の洗浄回数を設定するための「サンプル分注プローブ洗浄」の欄と、第1試薬分注プローブ14の洗浄回数を設定するための「第1試薬分注プローブ洗浄」の欄と、第2試薬分注プローブ15の洗浄回数を設定するための「第2試薬分注プローブ洗浄」の欄とにより構成される。
【0086】
「サンプル分注プローブ洗浄」の欄にはサンプル分注プローブ16の洗浄回数が、標準試料測定操作又は被検試料測定操作が行われてから、サンプル分注プローブ16による分注が開始される前までの分析サイクルの間に、その間の分析サイクルの数よりも少ない回数である0から(a−2)までの範囲で入力可能なダイアログボックス781が表示されている。
【0087】
そして、サンプル分注プローブ16の外面及び内面に付着したサンプルを十分に洗い落とすことができる最低の回数である例えば3を入力する洗浄回数設定操作が操作部80から行われると、ダイアログボックス781内に「3」が表示されると共に、システム制御部90の記憶回路91に入力された「3」の入力情報が保存される。
【0088】
「第1試薬分注プローブ」の欄には第1試薬分注プローブ14の洗浄回数が、標準試料測定操作又は被検試料測定操作が行われてから、第1試薬分注プローブ14による分注が開始される前までの分析サイクルの間に、その間の分析サイクルの数よりも少ない回数である0から(a−1)までの範囲で入力可能なダイアログボックス782が表示されている。
【0089】
そして、第1試薬分注プローブ14の外面及び内面に付着した第1試薬を十分に洗い落とすことができる最低の回数である例えば4を入力する洗浄回数設定操作が操作部80から行われると、ダイアログボックス782内に「4」が表示されると共に、システム制御部90の記憶回路91に入力された「4」の入力情報が保存される。
【0090】
「第2試薬分注プローブ」の欄には第2試薬分注プローブ15の洗浄回数が、標準試料測定操作又は被検試料測定操作が行われてから、第2試薬分注プローブ15による分注が開始される前までの分析サイクルの間に、その間の分析サイクルの数よりも少ない回数である0から(b−2)までの範囲で入力可能なダイアログボックス783が表示されている。
【0091】
そして、第2試薬分注プローブ15の外面及び内面に付着した第2試薬を十分に洗い落とすことができる最低の回数である例えば4を入力する洗浄回数設定操作が操作部80から行われると、ダイアログボックス783内に「4」が表示されると共に、システム制御部90の記憶回路91に入力された「4」の入力情報が保存される。
【0092】
次に、操作部80からの検査項目の入力操作により、表示部77に検査項目設定画面が表示される。
【0093】
図10は、表示部77に表示される検査項目設定画面の一例を示した図である。この検査項目設定画面79は、被検体情報設定画面で入力された被検体情報である例えばIDを表示する「ID」の欄と、分析条件設定画面で設定された検査項目の名称を略称で表示する「項目」の欄と、「ID」の欄に表示されたID毎に「項目」の欄に表示された略称の検査項目の入力が可能な検査項目設定エリア791とにより構成される。
【0094】
「ID」の欄には予め被検体情報設定画面で入力されたIDである例えば「1」及び「2」が表示され、「項目」の欄には分析条件設定画面で設定された検査項目の略称である「GOT」、「GPT」、「Ca」等が表示されている。
【0095】
検査項目設定エリア791には、「ID」の欄のID毎に「項目」の欄の検査項目が入力された位置に「○」が表示され、設定されていない位置に「・」が表示される。そして、例えば操作部80から「ID」の欄の「1」に対して「項目」の欄の「GOT」が設定されると、検査項目設定エリア791の「ID」の欄の「1」及び「項目」の欄の「GOT」に対応する位置である1テストに「○」が表示される。また、「ID」の欄の「2」に対して「項目」の欄の「GPT」が設定されると、検査項目設定エリア791の「ID」の欄の「2」及び「項目」の欄の「GPT」に対応する位置である2テストに「○」が表示される。
【0096】
被検体情報設定画面で入力されたID等の被検体情報、及びこの被検体情報に対応する検査項目設定画面79で入力された検査項目の情報を含む検査情報がシステム制御部90の記憶回路91に保存される。そして、記憶回路91に保存された検査情報に基づいて被検体情報に対応する被検試料毎にその被検体情報に対応する検査項目の分析が行われ、「ID」の欄に表示された最上段の「1」に対応する「項目」の欄の左側に表示された1テストの検査項目である「GOT」から順に分析されることになる。
【0097】
図11は、自動分析装置100の動作を示したフローチャートである。図10の検査項目設定画面79に表示されたIDである「1」及び「2」に対応する被検試料を収容した試料容器17が、分析部18のディスクサンプラ5に配置される。そして、操作部80から被検試料測定開始操作が行われると、自動分析装置100は被検試料を分析する動作を開始する(ステップS1)。
【0098】
システム制御部90は記憶回路91に保存した洗浄回数及び検査情報に基づいて、分析制御部19、反応容器指定部68、データ処理部70、及び出力部75に、サンプル分注プローブ16、第1試薬分注プローブ14、及び第2試薬分注プローブ15の洗浄と、被検試料の分析とを指示する。なお、ステップS1の後に、操作部80からの検査情報の入力操作、又は端末装置120からの検査情報の送信操作が行われると、被検試料測定開始操作の後に記憶回路91に保存した検査情報に基づいて、被検試料を分析中の各ユニットに対して更に被検試料の分析を指示する。
【0099】
分析制御部19の制御部192は、反応容器指定部68から出力される検査情報に基づいて、機構部191を制御して分析部18の各分析ユニット及び洗浄部20の各洗浄ユニットを作動させる。また、n個の反応容器3の中から被検試料の分析に使用する反応容器3、即ち図10の検査項目設定画面79で入力された1テストに対応する反応容器3(1番目の反応容器3)と、この反応容器3の図3に示したR1方向とは反対方向の隣り合う2テストに対応する反応容器3(2番目の反応容器3)を指定する。更に、指定した各反応容器3の回転移動に基づいて、サンプル分注プローブ16、第1試薬分注プローブ14、及び第2試薬分注プローブ15の洗浄を制御する。
【0100】
まず、第1乃至第nの分析サイクルにおいて反応容器洗浄部60で行われる反応容器3の反応容器洗浄の動作を、図3を参照して説明する。
【0101】
第1の分析サイクルにおいて、分析部18の反応ディスク4は、n個の反応容器3を回転移動し、第1洗浄位置W1に1番目の反応容器3を停止させる。反応容器洗浄部60の洗浄ノズルユニット61は下に移動する。そして、洗浄ポンプユニット62より行われる一連の動作により、洗浄位置Wに停止した5個の反応容器3に対して、第2の洗浄液による洗浄、第1の洗浄液による洗浄、ブランク液の供給、ブラン液の排液、及び乾燥による反応容器洗浄を行った後、上に移動する(ステップS2)。
【0102】
第2乃至5の分析サイクルにおいて、反応ディスク4は、反応容器3を角度θ1回転移動した後、停止させる。洗浄ノズルユニット61は下に移動し、洗浄位置Wに停止した反応容器3に対して反応容器洗浄を行った後、上に移動する(ステップS4)。
【0103】
第mの分析サイクル(m=6)において、反応ディスク4は、n個の反応容器3を角度θ1回転移動した後、停止させる。反応容器指定部68は、洗浄位置Wに停止した反応容器3の中に指定した反応容器3が含まれているか否かを判定する。
【0104】
そして、指定した反応容器3が含まれている場合(ステップS4のはい)、洗浄ノズルユニット61は下に移動し、洗浄ポンプユニット62の供給及び排液動作により洗浄位置Wに停止した反応容器3への反応容器洗浄を行った後、上に移動する(ステップS5)。
【0105】
また、洗浄位置Wに停止した反応容器3の中に指定した反応容器3が含まれていない場合(ステップS4のいいえ)、洗浄ノズルユニット61は上停止位置を保持し、洗浄ポンプユニット62の動作停止により洗浄位置Wに停止した反応容器3への反応容器洗浄を停止する(ステップS6)。
【0106】
ステップS5又はステップS6の後に、mが(n+1)である場合(ステップS7のはい)、ステップS8に移行する。また、mが(n+1)未満である場合(ステップS7のいいえ)、ステップS4に戻る。
【0107】
このように、第m乃至第nの分析サイクルにおいて、洗浄位置Wに停止した反応容器3の中に指定した反応容器3が含まれていない場合に洗浄位置Wに停止した反応容器3に対して反応容器洗浄を停止させることにより、洗浄液及びブランク液の消費量を低減することができる。また、反応容器洗浄部60の各洗浄ユニットの洗浄動作を停止させることにより、各洗浄ユニット及びこの洗浄ユニットを駆動する機構の長寿命化を図ることができる。
【0108】
ここで、第2乃至第nの分析サイクルにおける、反応容器洗浄部60の洗浄動作、分析部18の各分析ユニットの動作、データ処理部70及び出力部75の動作、被検試料の分注終了後毎の洗浄動作、及び第1及び第2試薬の分注終了後毎の洗浄動作について説明する。
【0109】
第2乃至第6の分析サイクルにおいて、1番目又は2番目の反応容器3の少なくとも一方の反応容器3が洗浄位置Wに停止し、洗浄位置Wに停止した反応容器3に対してステップS5が実行される。また、第7乃至第nの分析サイクルでは、ステップS6が実行される。
【0110】
また、第4及び第5の分析サイクルにおいて、測光ユニット13は、反応ディスク4の回転中に第3及び第4の分析サイクルで1番目及び2番目の反応容器3に供給されたブランク液を測定し、1番目及び2番目の反応容器3のブランクデータを生成してデータ処理部70の演算部71に出力する。演算部71は、測光ユニット13から出力された1番目及び2番目の反応容器3のブランクデータをデータ記憶部72に保存する。
【0111】
なお、被検試料測定開始操作の後に操作部80からの検査情報入力操作又は端末装置120で検査情報の送信操作が行われた場合、第7の分析サイクル以降において、洗浄位置Wに指定した反応容器3が含まれるタイミングで、ステップS5が実行される。
【0112】
第aの分析サイクルにおいて、1番目の反応容器3は、サンプル吐出位置Paに停止する。サンプル分注プローブ16は、ディスクサンプラ5のIDである「1」に対応する試料容器17から被検試料を吸引して1番目の反応容器3に吐出する。その被検試料の分注終了後に、サンプル分注プローブ洗浄部30は、サンプル分注プローブ16を洗浄する。
【0113】
第(a+1)の分析サイクルにおいて、1番目の反応容器3は第1試薬吐出位置Pa1に停止し、2番目の反応容器3はサンプル吐出位置Paに停止する。そして、第1試薬分注プローブ14は、第1試薬庫1の「GOT」に対応する試薬容器6から第1試薬を吸引して1番目の反応容器3に吐出した後、第1試薬分注プローブ洗浄部40により洗浄される。サンプル分注プローブ16は、ディスクサンプラ5のIDである「2」に対応する試料容器17から被検試料を吸引して2番目の反応容器3に吐出した後、サンプル分注プローブ洗浄部30により洗浄される。
【0114】
第(a+2)の分析サイクルにおいて、1番目の反応容器3は第1撹拌位置Pa2に停止し、2番目の反応容器3は第1試薬吐出位置Pa1に停止する。そして、第1撹拌ユニット121は1番目の反応容器3内の被検試料及び第1試薬を撹拌する。第1試薬分注プローブ14は、第1試薬庫1の「GPT」に対応する試薬容器6から第1試薬を吸引し、2番目の反応容器3に吐出した後、第1試薬分注プローブ洗浄部40により洗浄される。
【0115】
第(a+3)の分析サイクルにおいて、2番目の反応容器3は第1撹拌位置Pa2に停止する。第1撹拌ユニット121は、2番目の反応容器3内の被検試料及び第1試薬を撹拌する。
【0116】
第bの分析サイクルにおいて、1番目の反応容器3は第2試薬吐出位置Pbに停止する。第2試薬分注プローブ15は、第2試薬庫2の「GOT」に対応する試薬容器7から第2試薬を吸引して1番目の反応容器3に吐出した後、第2試薬分注プローブ洗浄部50により洗浄される。
【0117】
第(b+1)の分析サイクルにおいて、1番目の反応容器3は第2撹拌位置Pb1に停止し、2番目の反応容器3は第2試薬吐出位置Pbに停止する。第2撹拌ユニット122は、1番目の反応容器3内の被検試料、第1試薬、及び第2試薬の混合液を撹拌する。第2試薬分注プローブ15は、第2試薬庫2の「GPT」に対応する試薬容器7から第2試薬を吸引して2番目の反応容器3に吐出した後、第2試薬分注プローブ洗浄部50により洗浄される。
【0118】
第(b+2)の分析サイクルにおいて、2番目の反応容器3は第2撹拌位置Pb1に停止する。第2撹拌ユニット122は、2番目の反応容器3内の被検試料、第1試薬、及び第2試薬の混合液を撹拌する。
【0119】
第(b+3)の分析サイクル以降において、測光ユニット13は、予め設定された停止位置間を回転移動中の1番目及び2番目の反応容器3内の混合液を測定し、生成した被検データを演算部71に出力する。演算部71は、測光ユニット13から出力された被検データに基づいて、分析データを生成する。そして、生成した分析データを出力部75に出力すると共にデータ記憶部72に保存する。出力部75は、ID「1」及び「2」に対応する「GOT」及び「GPT」の分析データを出力する。
【0120】
次に、第(n+1)の分析サイクル以降において、反応容器洗浄部60で行われる反応容器3の反応容器洗浄の動作を説明する。
【0121】
第(n+1)の分析サイクルにおいて、測定後の混合液を収容した1番目の反応容器3は第1洗浄位置W1停止する。洗浄ノズルユニット61は下に移動し、洗浄位置Wに停止した反応容器3に対して反応容器洗浄を行った後、上に移動する。
【0122】
第(n+2)の分析サイクルにおいて、測定後の混合液を収容した1番目及び2番目の反応容器3は第2及び第1洗浄位置W2,W1停止する。洗浄ノズルユニット61は、下に移動し、洗浄位置Wに停止した反応容器3に対して反応容器洗浄を行った後、上に移動する。
【0123】
第(n+3)の分析サイクルにおいて、反応容器指定部68は、洗浄位置Wに停止した反応容器3の中に指定した反応容器3や、測定後の混合液を収容した反応容器3が含まれているか否かを判定する。
【0124】
そして、洗浄位置Wに停止した反応容器3の中に指定した反応容器3が含まれている場合(Aの場合)、又は第1洗浄位置W1に測定後の混合液を収容した反応容器3が停止した場合(Bの場合)、又は第2洗浄位置W2に第1洗浄位置W1で洗浄された後の反応容器3が停止した場合(Cの場合)の少なくともいずれかの場合(ステップS8のはい)、洗浄ノズルユニット61は下に移動し、洗浄ポンプユニット62の供給及び排液動作により洗浄位置Wに停止した反応容器3への反応容器洗浄を行った後、上に移動する(ステップS9)。
【0125】
また、洗浄位置Wに停止した反応容器3の中に指定した反応容器3が含まれていない場合、第1洗浄位置W1に停止した反応容器3に測定後の混合液が収容されていない場合、及び第2洗浄位置W2に第1洗浄位置W1で洗浄していない反応容器3が停止した場合(ステップS8のいいえ)、洗浄ノズルユニット61は上停止位置を保持し、洗浄ポンプユニット62の供給及び排液動作の停止により洗浄位置Wに停止した反応容器3への反応容器洗浄を停止する(ステップS10)。
【0126】
このように、第(n+1)の分析サイクル以降において、洗浄位置Wに停止した反応容器3の中に指定した反応容器3が含まれていない場合、第1洗浄位置W1に停止した反応容器3に測定後の混合液が収容されていない場合、及び第2洗浄位置W2に第1洗浄位置W1で洗浄していない反応容器3が停止した場合に、洗浄位置Wに停止した反応容器3に対して反応容器洗浄を停止させることにより、洗浄液及びブランク液の消費量を低減することができる。また、反応容器洗浄部60の各洗浄ユニットの動作を停止させることにより、各洗浄ユニット及びこの洗浄ユニットを駆動する機構の長寿命化を図ることができる。
【0127】
ステップS9又はステップS10の後に、反応容器指定部68は、第2洗浄位置W2に停止した反応容器3に基づいて、被検試料の分析動作を停止させるか否かを判定する。
【0128】
そして、システム制御部90から供給された検査情報に対して最後の被検試料の分析に対応する測定後の混合液が収容された反応容器3が第2洗浄位置W2に到達していない場合(ステップS11のいいえ)、ステップS8に戻る。
【0129】
また、システム制御部90から供給された検査情報に対して最後の被検試料の分析に対応する測定後の混合液が収容された反応容器3が第2洗浄位置W2にある場合(ステップS11のはい)、その次の分析サイクルで被検試料の分析を終了の情報をシステム制御部90に出力する。システム制御部90は、分析制御部19、反応容器指示部68、データ処理部70、及び出力部75に分析動作の停止を指示する。そして、自動分析装置100は、動作を終了する(ステップS12)。
【0130】
なお、被検試料測定開始操作の後に操作部80からの検査情報入力操作又は端末装置120で検査情報の送信操作が行われた場合、第1及び第2洗浄位置W1,W2に停止した反応容器3の中に測定後の混合液を収容した1番目又は2番目の反応容器3の少なくとも一方の反応容器3が含まれている分析サイクルの次の分析サイクル以降において、その検査情報に対応する測定後の混合液を収容した反応容器3が含まれている分析サイクルの間、洗浄位置Wに停止した反応容器3に対してステップS8乃至S11が実行される。
【0131】
次に、図9の洗浄回数設定画面78で設定された洗浄回数に基づいて、サンプル分注プローブ洗浄部30、第1試薬分注プローブ洗浄部40、及び第2試薬分注プローブ洗浄部50で実行される洗浄動作を説明する。
【0132】
制御部192は、システム制御部90から供給される洗浄回数設定画面78で設定されたサンプル分注プローブ16の洗浄回数である「3」、及び第1及び第2試薬分注プローブ14,15の洗浄回数である「4」の情報に基づいて、サンプル分注プローブ16、及び第1及び第2試薬分注プローブ14,15と、サンプル分注プローブ洗浄部30、及び第1及び第2試薬分注プローブ洗浄部40,50の各洗浄ユニットを作動させる。
【0133】
第(a−3)乃至第(a−1)の分析サイクルにおいて、サンプル分注プローブ洗浄部30は、分析サイクル毎に、サンプル分注プローブ16を洗浄する。また、第(a−3)乃至第aの分析サイクルにおいて、第1試薬分注プローブ洗浄部40は、分析サイクル毎に、第1試薬分注プローブ14を洗浄する。更に、第(b−3)乃至第(b−1)の分析サイクルにおいて、第2試薬分注プローブ洗浄部50は、分析サイクル毎に、第2試薬分注プローブ15を洗浄する。
【0134】
このように、被検試料測定操作が行われてから、被検試料、第1試薬、及び第2試薬の分注が開始される前までの分析サイクルの間、その間の分析サイクルの数よりも少ない洗浄回数の洗浄を行うことにより、各洗浄液の消費量を低減することができる。また、サンプル分注プローブ洗浄部30及び第1試薬分注プローブ洗浄部40の各洗浄ユニットの洗浄動作の回数を低減することにより、各洗浄ユニット及びこの洗浄ユニットを駆動する機構の長寿命化を図ることができる。
【0135】
以上述べた本発明の実施例によれば、検査情報に基づいて標準試料又は被検試料の分析に使用する反応容器3を指定し、第1乃至第nの分析サイクルにおいて、洗浄位置Wに停止した反応容器3の中に指定した反応容器3が含まれている場合に洗浄位置Wに停止した反応容器3に対して反応容器洗浄を行い、洗浄位置Wに停止した反応容器3の中に指定した反応容器3が含まれていない場合に洗浄位置Wに停止した反応容器3に対して反応容器洗浄を停止することができる。
【0136】
また、第(n+1)の分析サイクル以降において、洗浄位置Wに停止した反応容器3の中に指定した反応容器3が含まれている場合、又は第1洗浄位置W1に測定後の混合液を収容した反応容器3が停止した場合、又は第2洗浄位置W2に第1洗浄位置W1で洗浄された後の反応容器3が停止した場合の少なくともいずれかの場合に洗浄位置Wに停止した反応容器3に対して反応容器洗浄を行う。また、洗浄位置Wに停止した反応容器3の中に指定した反応容器3が含まれていない場合、第1洗浄位置W1に停止した反応容器3に測定後の混合液が収容されていない場合、及び第2洗浄位置W2に第1洗浄位置W1で洗浄していない反応容器3が停止した場合に洗浄位置Wに停止した反応容器3に対して反応容器洗浄を停止することができる。
【0137】
更に、標準試料測定操作又は被検試料測定操作が行われてから、サンプル、第1試薬、及び第2試薬の分注が開始される前までの各分析サイクルの間、その間の各分析サイクルの数よりも少ない洗浄回数の洗浄を行うことにより、洗浄液の消費量を低減することができる。
【0138】
以上により、洗浄液の不足により、被検試料の分析が中断されるのを低減することができる。また、各洗浄ユニットの動作を低減することにより、各洗浄ユニット及びこの洗浄ユニットを駆動する機構の長寿命化を図ることができる。
【0139】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、反応容器洗浄部60の供給ポンプユニット63の供給ポンプ635を第1乃至第3の供給ポンプに置き換え、第1の供給ポンプを第1分岐管632に接続し、また第2の供給ポンプを第2のノズル612に接続し、更に第3の供給ポンプを第3のノズル613に接続する。そして、第1乃至第3の供給ポンプを夫々独立して駆動させるようにしてもよい。
【0140】
そして、第1乃至第nの分析サイクルにおいて、指定した反応容器3が例えば第1又は第2洗浄位置W1,W2のいずれか一方の位置に停止した場合、その停止した位置に対応する供給ポンプだけを作動させることにより、更に洗浄液の消費量を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0141】
【図1】本発明の実施例に係る自動分析装置の構成を示すブロック図。
【図2】本発明の実施例に係る分析部の構成を示す斜視図。
【図3】本発明の実施例に係る分析部における反応容器の停止位置を示す図。
【図4】本発明の実施例に係るサンプル分注プローブ洗浄部の構成を示す図。
【図5】本発明の実施例に係るサンプル分注プローブ洗浄部の洗浄を説明するための図。
【図6】本発明の実施例に係る第1試薬分注プローブ洗浄部の構成を示す図。
【図7】本発明の実施例に係る第2試薬分注プローブ洗浄部の構成を示す図。
【図8】本発明の実施例に係る反応容器洗浄部の構成を示す図。
【図9】本発明の実施例に係る表示部に表示される洗浄回数設定画面の一例を示す図。
【図10】本発明の実施例に係る表示部に表示される検査項目設定画面の一例を示す図。
【図11】本発明の実施例に係る自動分析装置の動作を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0142】
18 分析部
19 分析制御部
20 洗浄部
30 サンプル分注プローブ洗浄部
40 第1試薬分注プローブ洗浄部
50 第2試薬分注プローブ洗浄部
60 反応容器洗浄部
70 データ処理部
71 演算部
72 データ記憶部
75 出力部
76 印刷部
77 表示部
80 操作部
81 インターフェース
90 システム制御部
91 記憶回路
100 自動分析装置
110 純水装置
120 端末装置
130 ネットワーク
191 機構部
192 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体から採取された被検試料を分析するために、前記被検試料及び試薬を反応容器に分注してその混合液を測定する自動分析装置において、
前記被検試料を分析するための検査情報の入力が可能な操作手段と、
前記操作手段により入力された検査情報、又は前記被検試料を分析するための検査情報の入力が可能な端末装置から得られた検査情報に基づいて、その検査情報に対応する第1の被検試料の分析に使用する反応容器を指定する反応容器指定手段と、
前記反応容器指定手段により指定された第1の反応容器を含む複数の反応容器を移動及び停止させる反応容器移動手段と、
前記反応容器移動手段により洗浄位置に停止した反応容器の中に、前記第1の反応容器が含まれている場合に前記洗浄位置の反応容器を洗浄し、前記第1の反応容器が含まれていない場合に前記洗浄位置の反応容器の洗浄を停止する反応容器洗浄手段と、
前記反応容器洗浄手段より洗浄された前記第1の反応容器に分注される前記第1の被検試料及び前記試薬の混合液を測定する測定手段とを
備えたことを特徴とする自動分析装置。
【請求項2】
前記反応容器洗浄手段は、前記第1の反応容器の洗浄が複数の位置で可能なように設けられた少なくとも第1及び第2の洗浄位置に対応する第1及び第2の洗浄手段を有することを特徴とする請求項1に記載の自動分析装置。
【請求項3】
前記第1及び第2の洗浄位置に対応する第1及び第2の洗浄液を有し、
前記第1の洗浄手段は、前記第1の洗浄液を用いて洗浄し、
前記第2の洗浄手段は、前記第2の洗浄液を用いて洗浄するようにしたことを特徴とする請求項2に記載の自動分析装置。
【請求項4】
前記反応容器洗浄手段は、前記第1及び第2の洗浄位置に前記第1の反応容器及び前記反応容器指定手段により指定されていない第2の反応容器が停止したとき、前記第1の反応容器が停止した洗浄位置に対応する洗浄手段により洗浄し、前記第2の反応容器が停止した洗浄位置に対応する洗浄手段による洗浄を停止するようにしたことを特徴とする請求項2に記載の自動分析装置。
【請求項5】
前記反応容器洗浄手段は、前記停止位置に停止した反応容器の中に、前記測定手段により測定された混合液を収容した反応容器が含まれている場合に前記洗浄位置の反応容器を洗浄するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の自動分析装置。
【請求項6】
被検体から採取された被検試料を分析するために、前記被検試料及び試薬を反応容器に分注してその混合液を測定する自動分析装置において、
前記被検試料又は試薬を吸引及び吐出する分注プローブを用いて、分析サイクル毎に前記被検試料又は試薬を分注する分注手段と、
前記分析サイクル毎に、前記分注プローブの洗浄が可能なプローブ洗浄手段とを備え、
前記プローブ洗浄手段は、前記被検試料の分析をするための動作が開始されてから、前記分注手段による前記被検試料又は試薬の分注が開始される前までの分析サイクルの間、その間の分析サイクルの数よりも少ない数の洗浄を行うことを特徴とする自動分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−292394(P2008−292394A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−140316(P2007−140316)
【出願日】平成19年5月28日(2007.5.28)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】